JPH09188120A - 車両のロール制御装置 - Google Patents

車両のロール制御装置

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JPH09188120A
JPH09188120A JP2044196A JP2044196A JPH09188120A JP H09188120 A JPH09188120 A JP H09188120A JP 2044196 A JP2044196 A JP 2044196A JP 2044196 A JP2044196 A JP 2044196A JP H09188120 A JPH09188120 A JP H09188120A
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roll
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洋 松本
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    • B60G21/02Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces permanently interconnected
    • B60G21/04Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces permanently interconnected mechanically
    • B60G21/05Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces permanently interconnected mechanically between wheels on the same axle but on different sides of the vehicle, i.e. the left and right wheel suspensions being interconnected
    • B60G21/055Stabiliser bars
    • B60G21/0551Mounting means therefor
    • B60G21/0553Mounting means therefor adjustable
    • B60G21/0555Mounting means therefor adjustable including an actuator inducing vehicle roll
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2202/00Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
    • B60G2202/10Type of spring
    • B60G2202/13Torsion spring
    • B60G2202/135Stabiliser bar and/or tube
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2202/00Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
    • B60G2202/40Type of actuator
    • B60G2202/42Electric actuator

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回走行に際して制御した前後輪のロール剛
性の配分比を、予め前後輪用のスタビライザーにセッテ
ィングしたロール剛性配分に保持して旋回時の車両の走
行安定性と操縦性を確保する。 【解決手段】 車両用の油圧可変型ロール制御装置にお
いて、前後輪用のスタビライザー1f,1rの剛性力可
変用アクチュエータ2f,2rに通じる一方の給排流路
12a,12bまたは13a,13bに定比型の減圧バ
ルブ15aと作動油の供給流れを止めるチェックバルブ
16をそれぞれ並列にして介装するなり、或いは、これ
ら給排流路12a,12bと13a,13bの両方に対
して相互に減圧比を異にする定比型の減圧バルブ15a
とチェックバルブ16を同じく並列にして介装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等の車両
の走行時において、横加速度の発生により車体に生じる
ロール運動を当該横加速度の方向と大きさに応じてスタ
ビライザーの捩り剛性力を制御しつつ抑制する車両のロ
ール制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の形式の車両用ロール制御
装置としては、例えば、特許出願人が先に提案した平成
7年特許出願公開第40731号公報にみられるような
油圧可変型のロール制御装置が知られている。
【0003】すなわち、このものは、前後輪における各
左右の車輪のサスペンションアームを連結するスタビラ
イザーをそれぞれトーションバーの中央部分で二分割
し、これら二分割した部分の一方を各スタビライザーの
剛性力可変用油圧式ロータリアクチュエータ(以下、単
にアクチュエータという)のハウジング側に、また、他
方をロータ側にそれぞれ固定している。
【0004】前後輪側における両アクチュエータの各対
応する作動油室は、それぞれ給排流路によって相互に連
通されており、かつ、これらの給排流路から枝分れした
給排流路が直列に配設したフェールセーフバルブと差圧
制御バルブを通して油圧源に連通されている。
【0005】また、差圧制御バルブとフェールセーフバ
ルブの各切り換え用電磁ソレノイドは、車体側に発生し
た横加速度の方向と大きさに対応して車体横加速度信号
を出力する制御装置へと結ばれている。
【0006】上記制御装置は、車両の走行中において車
体に横加速度が作用したときに当該横加速度の方向と大
きさを車体横加速度信号として検出し、この車体横加速
度信号でフェールセーフバルブをノーマル位置からオフ
セット位置に切り換えると共に、車体横加速度信号の方
向と大きさに対応して差圧制御バルブを切り換え制御す
るようにしてある。
【0007】一方、フェールセーフバルブは、ノーマル
位置にあるときに差圧制御バルブを通して油圧源をアン
ロードしつつ、かつ、前後輪側のアクチュエータをブロ
ックし、オフセット位置では、油圧源をオンロードして
差圧制御バルブと各アクチュエータを相互に連通し、こ
れらアクチュエータを作動状態に切り換える。
【0008】差圧制御バルブは、車体横加速度信号であ
る制御信号電流が基準電流のときに中立位置を保持して
差圧ゼロの状態を保つと共に、基準電流からのプラスお
よびナイナス側への変化とこれら制御信号電流の電流値
変化に対応して所定の方向に所定の量だけ切り換え動作
して差圧制御を行う。
【0009】かくして、車体に横加速度が作用したとき
にフェールセーフバルブがオフセット位置に切り換わっ
て油圧源をオンロード状態にすると共に、車体に作用し
た横加速度の方向と大きさに対応して差圧制御バルブが
前後輪用のスタビライザーの剛性力可変用アクチュエー
タの両作動油室に加わる差圧を並行して制御する。
【0010】このことから、車両の走行状態への操作
(自動車であればイグニッションのオン操作)と連動し
て制御装置をオンにし、このとき制御装置が差圧制御バ
ルブに制御信号電流として基準電流を流すようにしてお
く。
【0011】これにより、直進走行時のように車体に横
加速度が作用しないときには、制御装置が基準電流によ
り差圧制御バルブを差圧ゼロの状態である中立位置に保
ったまま、フェールセーフバルブへの通電を断って当該
フェールセーフバルブをノーマル位置に保持し、当該フ
ェールセーフバルブを通して油圧源をアンロードするこ
とで省エネルギーを図る。
【0012】また、これと同時に、フェールセーフバル
ブが前後輪用のスタビライザーに設けたアクチュエータ
をブロックし、前後輪用のスタビライザーを通常のスタ
ビライザーとして作用させることになる。
【0013】それに対して、車両が旋回走行(コーナリ
ング)に入って車体に横加速度が作用するようになる
と、制御装置で検出した車体横加速度信号に基づいてフ
ェールセーフバルブに通電が行われ、フェールセーフバ
ルブをオフセット位置に切り換えて油圧源をオンロード
状態にすると共に、差圧制御バルブを各アクチュエータ
へと連通する。
【0014】そして、これと併せて、制御装置が当該横
加速度の方向と大きさに対応して基準電流からプラスま
たはマイナス側にずれた制御信号電流を発生する。
【0015】この制御信号電流により差圧制御バルブを
車体に作用した横加速度の方向と大きさに対応して所定
の方向に所定の量だけ切り換え動作し、これら差圧制御
バルブで発生する差圧を制御して前後輪用のスタビライ
ザーに設けた各アクチュエータに並行して加える。
【0016】その結果、前後輪用のアクチュエータが車
体横加速度の方向と大きさに対応した方向の回転力を発
生し、これら回転力により前後輪用のスタビライザーに
捩り剛性力を付加しつつ、当該スタビライザーを通して
そのとき遠心力で車体に作用するロールモーメントと対
抗する反対方向のロールモーメントを車体に加え、当該
車体に生じるロール運動を効果的に抑制する。
【0017】次いで、車両が旋回走行を終えて直進走行
に入ると、制御装置からの制御信号電流が再び基準電流
になって差圧制御バルブが中立位置を保持し、かつ、車
体横加速度信号もなくなってフェールセーフバルブがノ
ーマル位置をとる。
【0018】これにより、フェールセーフバルブが、前
後輪用のアクチュエータをそれぞれブロックして前後輪
用のスタビライザーを通常の作用状態に戻すと共に、油
圧源をもアンロードして制御装置はオン操作したときの
元の状態に戻る。
【0019】一方、車体に横加速度が作用していない状
態で車両が走行しているとき(例えば、直進走行時)
に、制御装置の基準電流がゼロになるような異常事態が
発生したときには、差圧制御バルブが前後輪用のアクチ
ュエータの回転力を最大に制御する差圧最大位置(制御
装置をオン操作する前の位置)へと切り換わる。
【0020】そのために、前後輪用のアクチュエータに
加わる差圧が最大制御値となり、前後輪用のスタビライ
ザーを通して車体を一方側に大きく傾けようとするが、
しかし、このときには、制御装置から出力される車体横
加速度信号もなくなっているのでフェールセーフバルブ
がノーマル位置に戻っている。
【0021】したがって、前後輪側のアクチュエータが
フェールセーフバルブによって共にブロックされ、前後
輪におけるスタビライザーを通常の作用状態の下で動作
させつつ車体のロールを抑制してフェールセーフを行う
と同時に、フェールセーフバルブで油圧源をアンロード
して省エネルギーをも果すことになる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、上記し
た従来の車両のロール制御装置にあっては、車体に生じ
た横加速度を制御装置で検出して差圧制御バルブを切り
換え制御しつつ当該差圧制御バルブで横加速度に応じた
差圧を発生する。
【0023】そして、この差圧を前後輪用のスタビライ
ザーの剛性力可変用アクチュエータに加えつつ、当該ス
タビライザーを通して車体のロール運動を抑制するよう
にしている。
【0024】この点において、上記した従来の車両のロ
ール制御装置は、旋回走行時に遠心力で車体が横方向へ
と傾くのを前後輪側でそれぞれ適切に抑え、設計上での
タイヤのもつ能力を最大限に保って旋回走行時の安全性
を確保するという点で極めて有効な手段であると言うこ
とができる。
【0025】しかし、その反面、上記した従来の車両の
ロール制御装置にあっては、前後輪側のアクチュエータ
として同じサイズのものを用いたとすると、これらアク
チュエータの受圧面積は、前後輪側でそれぞれ等しくな
る。
【0026】しかも、旋回走行時において、当該前後輪
側のアクチュエータには同じ差圧が作用することから、
これらアクチュエータを通して前後輪用のスタビライザ
ーに加わる付加剛性力が常に等しい値をもって増減する
ことになる。
【0027】したがって、この点を含めて従来の車両の
ロール制御装置みた場合には必ずしも最良のものとは言
えない。
【0028】何となれば、走行安定性を考慮する通常の
車両にあっては、前後輪用のスタビライザーのロール剛
性配分を前輪側で大きくしてステアリング特性をアンダ
ステアリングにセッティングしている。
【0029】また、操縦性を重視するスポーツ仕様の車
両では、当該ロール剛性配分を前後輪側でほぼ同じか逆
に前輪側を大きくしてニュートラルステアリング或いは
弱アンダステアリングになるようにセッティングしてい
る。
【0030】しかも、ロール制御時での前後輪用のスタ
ビライザーによるロール剛性は、スタビライザー単体の
ロール剛性にそれぞれのアクチュエータが発生する付加
剛性力の増加分を加えたものとなる。
【0031】その結果、上記したように前後輪側のアク
チュエータとして同じサイズのものを用い、かつ、これ
らアクチュエータによる前後輪用のスタビライザーへの
付加剛性力が等しい値をもって増減する従来の車両のロ
ール制御装置にあっては、予め車両にセッティングした
ロール剛性配分が車体に生じた横加速度の増減に伴って
大きく変化し、車両としての走行安定性或いは操縦性を
損なうことになるという不都合を有していた。
【0032】したがって、この発明の目的は、ロール制
御時にあっても前後輪用のスタビライザーのロール剛性
配分比が大きく変化することなく、当該ロール剛性配分
比を予め車両にセッティングされたステアリング特性に
等しく或いはそれに近い値に保持して、車両としての走
行安定性と操縦性を確保することのできる油圧可変型の
車両用ロール制御装置を提供することである。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、この発
明によれば、制御装置からの車体横加速度信号によって
差圧制御バルブを切り換え制御しつつ、当該差圧制御バ
ルブで前後輪用のスタビライザーの剛性力可変用アクチ
ュエータに加わる差圧を制御して車体のロールを抑制す
るようにした油圧可変型のロール制御装置において、上
記前後輪用のスタビライザーの一方の剛性力可変用アク
チュエータに通じる各給排流路に定比型の減圧バルブと
作動油の供給流れを止めるチェックバルブをそれぞれ並
列にして介装するなり、或いは、前後輪用のスタビライ
ザーの剛性力可変用アクチュエータに通じる各給排流路
の両方に上記定比型の減圧バルブとチェックバルブをそ
れぞれ並列にして介装し、これら両方の給排流路に介装
した減圧バルブの減圧比に差を与えることによって達成
される。
【0034】すなわち、上記のように構成することによ
って、前後輪側のアクチュエータに通じる各給排流路に
介装したチェックバルの働きで差圧制御バルブによる制
御差圧の増加時または減少時に関係なく、差圧の供給が
前後輪側のアクチュエータの一方または両方に対し減圧
バルブを通して行われる。
【0035】そのために、差圧制御バルブからの差圧を
減圧バルブまたは減圧比を大きく設定した減圧バルブを
通して受ける側のアクチュエータによる付加剛性力が他
方の側のアクチュエータに作用する付加剛性力よりも低
下する。
【0036】このことから、上記減圧バルブの減圧比ま
たは減圧比の差を選択することで差圧制御バルブからの
差圧の大小に関係なく、前後輪用のスタビライザーに対
して前後輪側のアクチュエータが加える付加剛性力に差
を与えて前後輪側でのトータルのロール剛性配分を等し
く或いはそれに近くとることができる。
【0037】かくして、ロール制御時において、前後輪
用のスタビライザーのロール剛性配分が大きく変化する
ことなく、当該ロール剛性配分を予め車両にセッティン
グされたステアリング特性に等しく或いはそれに近い値
に保持して、車両としての走行安定性を確保することに
なる。
【0038】
【発明の実施の形態】図1は、この発明による油圧可変
型の車両用ロール制御装置の一実施の形態を系統図とし
て示したものである。
【0039】すなわち、前輪用のスタビライザー1f
は、トーションバーの部分を中央で二分割し、この分割
した部分の一方を前輪側におけるロータリ式のアクチュ
エータ2fのハウジング側に、また、他方をロータ側に
固定して構成してある。
【0040】同様に、後輪用のスタビライザー1rもま
た、それをトーションバー部分の中央で二分割し、この
分割した部分の一方を後輪側におけるロータリ式のアク
チュエータ2rのハウジング側に、また、他方をロータ
側に固定することによって構成してある。
【0041】この実施の形態の場合、上記した前輪側の
アクチュエータ2fと後輪側のアクチュエータ2rは、
図2に示すように、内壁面に180度の間隔を保って構
成した二つの隔壁3a,3bをもつハウジング4と、こ
のハウジング4の内部に対して外周面に同じく180度
の間隔を置いて構成した二枚のベーン5a,5bをもつ
ロータ6を回動自在に納めて構成してある。
【0042】ロータ6は、中心部分をハウジング4の内
壁に設けた隔壁3a,3bの先端に摺接し、かつ、ベー
ン5a,5bの先端をハウジング4の内壁に摺接させる
ことによって、ハウジング4内をロータ6で四つの作動
油室7a,7b,8a,8bに区画している。
【0043】これら四つの作動油室7a,7b,8a,
8bのうち対角位置にある作動油室7aと7bおよび作
動油室8aと8bは、ロータ6に穿った通孔9a,9b
でそれぞれ互いに連通しており、かつ、ハウジング4に
は、作動油室7a,8aに開口するポート10,11が
穿設してある。
【0044】これにより、前後輪側のアクチュエータ2
f,2rは、ポート10,11を通して作動油室7a,
7bと作動油室8a,8b間に差圧を加え、この差圧の
向きを変えることでそれぞれの前後輪用のスタビライザ
ー1f,1rに対して所定の方向の捩り力(付加剛性
力)を与えるようにしてある。
【0045】かくして、前輪側のアクチュエータ2f
は、前輪用のスタビライザー1fに対する剛性力可変用
のアクチュエータとして作用すると共に、後輪側におけ
るアクチュエータ2rは、後輪用のスタビライザー1r
に対する剛性力可変用アクチュエータとしてそれぞれ作
用することになる。
【0046】図1に戻って、前後輪側のアクチュエータ
2f,2rにおけるそれぞれのポート10,11は、そ
れらから延びる給排流路12a,12b,13a,13
bのうち互に対応するもの同志を、すなわち、同じ方向
のロール反力が働く給排流路12a,13aと給排流路
12b,13b同志を一緒にして、個々に差圧制御バル
ブ14の出力側である制御ポートA,Bへと結んでい
る。
【0047】差圧制御バルブ14から後輪側のアクチュ
エータ2rの各ポート10,11に向う給排流路13
a,13bには、出口側圧力を入口側圧力に対して所定
の比率の下に減圧する定比型の減圧バルブ15aと作動
油の排出側の流れのみを許容するチェックバルブ16を
それぞれ並列にして介装してある。
【0048】上記差圧制御バルブ14の入力側である圧
力ポートPと戻りポートRは、油圧回路17a,17b
を通して油圧源18の油圧ポンプ19とリザーバ20に
それぞれ通じている。
【0049】そして、これら油圧回路17a,17bの
途中にスプリングオフセット式の電磁オン・オフバルブ
で構成したフェールセーフバルブ21を介装し、当該フ
ェールセーフバルブ21で制御系の異常発時におけるフ
ェールセーフ効果を果すようにしてある。
【0050】なお、上記した差圧制御バルブ14とフェ
ールセーフバルブ21および減圧バルブ15aとして
は、従来から各種の油圧機器において広く一般に用いら
れているものをそのまま適用すればよく、それらの構成
についてはよく知られていることであるのでここでは詳
細な説明を省略する。
【0051】また、この実施の形態にあっては、フェー
ルセーフバルブ21を差圧制御バルブ14の上流側に位
置して配置してあるが、逆に、差圧制御バルブ14の下
流側にフェールセーフバルブ21を配置するようにして
も何等差し支えはない。
【0052】一方、上記と併せて、車体に生じた横加速
度によりフェールセーフバルブ21をオフセット位置に
切り換えると共に、差圧制御バルブ14を制御動作して
前後輪側のアクチュエータ2f,2rにより前後輪用の
スタビライザー1f,1rのそれぞれの捩り剛性力を制
御するための制御装置22が配設してある。
【0053】上記制御装置22は、車体に生じた横加速
度の方向と大きさを車体横加速度信号として検知する横
加速度検出器23(車体に設けた横加速度センサ)と、
これら車体横加速度信号を処理して差圧制御バルブ14
とフェールセーフバルブ21を制御動作するコントロー
ラ24とからなっている。
【0054】コントローラ24は、二つの出力端子2
5,26を備え、これらの各出力端子25,26を信号
線27,28で差圧制御バルブ14の電磁ソレノイド1
4aとフェールセーフバルブ21の電磁ソレノイド21
aに結び、当該制御装置22で差圧制御バルブ14とフ
ェールセーフバルブ21とを切り換え制御するようにし
てある。
【0055】次に、図1のように構成したこの発明の実
施の形態である車両のロール制御装置の作動について説
明する。
【0056】例えば、車両が直進走行をしているときの
ように車体に対するロール制御を必要としないときに
は、制御装置22における横加速度検出器23からの車
体横加速度信号(検出信号)がないので、当該制御装置
22は、先に述べた従来例と同様にコントローラ24の
出力端子25からのみ基準電流を出力する。
【0057】これによって、フェールセーフバルブ21
が図1のノーマル位置を保持したまま、差圧制御バルブ
14が図1の状態から制御差圧ゼロの中立位置へと切り
換わる。
【0058】そのために、油圧源18の油圧ポンプ19
から吐出された作動油は、フェールセーフバルブ21に
より当該油圧源18のリザーバ20へとアンロードされ
て省エネルギーが図られる。
【0059】また、フェールセーフバルブ21は、これ
と同時に、前後輪側のアクチュエータ2f,2rの各ポ
ート10,11を給排流路12a,12b,13a,1
3bの部分でそれぞれブロックし、これら前後輪側のア
クチュエータ2f,2rを剛体化して前後輪用のスタビ
ライザー1f,1rを通常のスタビライザーとして作用
させることになる。
【0060】それに対して、車両が旋回走行に入って車
体に横加速度が発生すると、制御装置22の横加速度検
出器23が車体に作用した横加速度の方向と大きさとを
検出し、これを車体横加速度信号としてコントローラ2
4に入力する。
【0061】コントローラ24は、この車体横加速度信
号に基いて出力端子26から信号線28を通してフェー
ルセーフバルブ21の電磁ソレノイド21aに対し通電
を行い、当該フェールセーフバルブ21を図1における
下側のノーマル位置から上側のオフセット位置へと切り
換える。
【0062】これにより、油圧源18の油圧ポンプ19
から吐出された圧力作動油が差圧制御バルブ14の圧力
ポートPに送り込まれると共に、差圧制御バルブ14の
戻りポートRは油圧源18のリザーバ20へと連通され
る。
【0063】一方、コントローラ24は、横加速度検出
器23からの車体横加速度信号に基いて車体の横加速度
の方向と大きさに対応した制御信号電流を演算し、当該
制御信号電流を出力端子25から次々と出力する。
【0064】上記コントローラ24の出力端子25から
出力された制御信号電流は、信号線27を通して差圧制
御バルブ14の電磁ソレノイド14aに通電され、当該
差圧制御バルブ14を車体に生じた横加速度の方向と大
きさに対応して切り換え制御する。
【0065】これにより、差圧制御バルブ14は、制御
ポートA,B間における差圧を車体に生じた横加速度の
方向と大きさに対応して制御しつつ当該制御ポートA,
Bを通して出力し、当該差圧を給排流路12a,12
b,13a,13bから前後輪側のアクチュエータ2
f,2rの各ポート10,11に加える。
【0066】そのために、前後輪側のアクチュエータ2
f,2rは、これらの差圧によって以下のように動作し
つつ、前後輪用のスタビライザー1f,1rに対し付加
剛性力を加えて車体のロールを抑制する。
【0067】ただし、以下の説明にあっては、上記した
車体のロール抑制動作の理解を容易にするために、給排
流路13a,13bに定比型の減圧バルブ15aとチェ
ックバルブ16をもたない従来型のロール制御装置と対
比しつつ、かつ、次のような設定条件の下で車体のロー
ル制御が行われるものとして説明する。
【0068】車両に装着した前輪用のスタビライザー1
fのロール剛性が後輪用のスタビライザー1rのロール
剛性よりも大きく、両者のロール剛性配分を前輪用のス
タビライザー1fで大きくとったとする。
【0069】また、前後輪側のアクチュエータ2f,2
rとして、それぞれの受圧面積が等しい同じサイズのも
のを用いたとする。
【0070】上記のように、ロール剛性配分が前輪用の
スタビライザー1fで大きいと、旋回走行時における左
右車輪間の荷重移動が前輪側で大きくなって、左右前車
輪のトータルでのコーナリングフォースが後輪側のそれ
よりも小さくなる。
【0071】その結果、前輪側の左右車輪が滑り易くな
ってより大きく外側へと滑り、ステアリング特性が走行
安定性の面で優れたアンダステアリング傾向となる。
【0072】このように、車両にセットされるステアリ
ング特性は、前後輪用のスタビライザー1f,1rのロ
ール剛性配分を適切にとることによって予め設定され、
当該車両は、それ自体の運動特性に合ったステアリング
特性をもつことになる。
【0073】このことから、後輪側のアクチュエータ2
rへの給排路13a,13bに減圧バルブ15aとチェ
ックバルブ16を介装した図1の実施の形態は、予めス
テアリング特性をアンダステアリンにセッティングする
一般の車両に対して適用されることが理解できよう。
【0074】そこで、先づ、図1の実施の形態と相違し
て給排流路13a,13bに定比型の減圧バルブ15a
とチェックバルブ16をもたない従来型のロール制御装
置を用いた車両の旋回走行時における車体のロール抑制
動作について説明する。
【0075】図12は、説明を簡単にするために、直進
走行している車両がa点でハンドルを切って旋回走行に
入り、時間の経過に伴いb点を経てc点で定常旋回状態
に達したときの車体に生じる横加速度の変化を模式的な
略図で示したものである。
【0076】一方、図3は、上記した従来型のロール制
御装置を用いた車両の旋回走行時において、車体に生じ
た横加速度と前後輪側でのロール剛性との関係を示すグ
ラフであって、図3におけるa,b,c点の経過時間
は、図12のa,b,c点の各経過時間に対応してい
る。
【0077】なお、図3では、以下に述べる説明を理解
し易いように、一例として、前後輪用のスタビライザー
1f,1rによるロール剛性f,rの配分比を「2:
1」にとり、ステアリング特性を予めアンダステアリン
グにセッティングした場合を例にとって示してある。
【0078】また、前後輪側のアクチュエータ2f,2
rとしては、受圧面積の等しい同じサイズのものを用
い、差圧が働いたときに同じ付加剛性力(反力モーメン
ト)を前後輪用のスタビライザー1f,1rに対して加
えるものとする。
【0079】上記の図3において、水平方向に延びる一
点鎖線は、前輪用のスタビライザー1fによるロール剛
性fを、破線は、後輪用のスタビライザー1rによるロ
ール剛性rを示している。
【0080】また、斜め上方へと延びる実線は、車体の
ロール角をほぼゼロに制御するときの前後輪側のアクチ
ュエータ2f,2rによる付加剛性力△f,△rをそれ
ぞれ示す。
【0081】これら付加剛性力△f,△rは、前後輪側
のアクチュエータ2f,2rの受圧面積が等しいことか
ら、給排流路13a,13bに定比型の減圧バルブ15
aとチェックバルブ16をもたない従来型のロール制御
装置では、「△f=△r」となる。
【0082】このことから、旋回走行時において、前後
輪用のスタビライザー1f,1rによるロール剛性f,
rに前後輪側のアクチュエータ2f,2rによる付加剛
性力△f,△rが加わったトータルとしての前後輪のロ
ール剛性F,Rは、斜め上方に向けて平行に延びる一点
鎖線と破線のような特性となる。
【0083】この図3から分かるように、従来型のロー
ル制御装置では、直進走行している車両がa点で旋回走
行に入ったのちにあっても前輪側のロール剛性Fと後輪
側でのロール剛性Rとの差は全く変化しない。
【0084】その結果、車両が旋回走行に入ってb点お
よびc点に達した時点をみれば分かるように、前後輪の
ロール剛性配分「F:R=4:3,=7:6」のよう
に、旋回走行に入る以前のロール剛性配分「f:r=
2:1」から大きくずれてしまうことになる。
【0085】そのために、ステアリング特性が予め車両
にセッティングされたアンダステアリングからオーバス
テアリング傾向に変化して外乱に対し不安定となり、旋
回途中でのギャップの乗り越しやブレーキングによって
車両がスピンを起したりする危険性が生じ、走行安定性
と操縦性を損なうことになる。
【0086】その点、給排流路13a,13bに対して
定比型の減圧バルブ15aとチェックバルブ16を並列
に介装した図1のロール制御装置によれば、差圧制御バ
ルブ14によって制御された差圧が前輪側のアクチュエ
ータ2fのポート10,11間に給排流路12a,12
bを通してそのまま伝えられる。
【0087】それに対して、後輪側のアクチュエータ2
rのポート10,11間には、給排流路13a,13b
から減圧バルブ15aとチェックバルブ16を通してそ
れぞれ伝えられることになる。
【0088】これにより、差圧制御バルブ14からの差
圧が直接作用する前輪側のアクチュエータ2fに比べ
て、後輪側のアクチュエータ2rに作用する差圧が減圧
バルブ15aの減圧比に応じて低下し、図4に示すよう
に、後輪側での付加剛性力△rを前輪側での付加剛性力
△fよりも小さく保つ。
【0089】かくして、トータルとしての前輪側のロー
ル剛性Fを従来型のロール制御装置の場合と同じ状態
(図3の状態)に保ったまま、後輪側のトータルとして
のロール剛性Rが図4のグラフに示すように低下する。
【0090】その結果、旋回走行の初期においてハンド
ルを切っているときと終期でのハンドルを戻していると
きのように、減圧バルブ15aとチェックバルブ16を
通して作動油が流れている過渡期での前後輪のロール剛
性F,Rは、当該減圧バルブ15aの減圧比を適切に選
ぶことによって、図4にみられるように、予め車両にセ
ッティングされた前後輪のロール配分である「2:1」
或いはそれに近い値を保ったままとなる。
【0091】このようにして、走行中に最も不安定とな
り易いハンドルを切っているときと戻しているときにお
いて、前後輪用のスタビライザー1f,1rのロール剛
性配分を予め車両にセッティングされた配分比に保ちな
がら、車両としての走行安定性と操縦性を確保してロー
ル制御を行うことになる。
【0092】図5は、操縦性を重視してステアリング特
性を予めニュートラルステアリング若しくは弱アンダス
テアリングにセッティングしておくスポーツ仕様等の車
両への適用に好ましい実施の形態を系統図として示した
もので、これまで述べてきた図1の実施の形態とは反対
に、減圧バルブ15aとチェックバルブ16を前輪側の
給排流路12a,12bの途中にそれぞれ並列にして介
装してある。
【0093】この場合には、差圧制御バルブ14で制御
された差圧が後輪側のアクチュエータ2rへと給排流路
13a,13bを通して直に伝えられるのに対して、前
輪側のアクチュエータ2fには、給排流路12a,12
bにより減圧バルブ15aとチェックバルブ16を通し
て伝えられる。
【0094】その結果、前後輪用のスタビライザー1
f,1rによるロール剛性f,rを含めて、前後輪側の
アクチュエータ2f,2rによる付加剛性力△f,△r
とトータルとしての前後輪のロール剛性F,Rの全てが
図3および図4において逆転する。
【0095】このことから、特に、この場合における特
性図を示して説明するまでもなく、走行中に最も不安定
となり易いハンドルを切っているときと戻しているとき
に前輪側でのロール剛性配分が大きくなり、予めステア
リング特性として車両にセッティングしたニュートラル
ステアリング若しくは弱アンダステアリングがアンダス
テアリング側にずれて操縦性を損なうことはない。
【0096】かくして、前後輪用のスタビライザー1
f,1rのロール剛性配分を予め車両にセッティングし
た配分比に保持して、ステアリング特性を初期のニュー
トラルステアリング若しくは弱アンダステアリングから
強めのアンダステアリングに変え、車両としての操縦性
を確保してロール制御を行い得ることになる。
【0097】また、図6は、後輪側のアクチュエータ2
rに通じる給排流路13a,13bに減圧バルブ絞り1
5aとチェックバルブ16を並列にして介装すると共
に、前輪側のアクチュエータ2fに通じる給排流路12
a,12bにも、上記減圧バルブ15aに対して減圧比
を異にする減圧バルブ15bとチェックバルブ16をそ
れぞれ並列にして介装した場合の実施の形態を示してい
る。
【0098】このものにあっても、ハンドルの切ってい
るときと戻しているときの過渡的な作動油の流動に際し
て、給排流路13a,13b側に介装した減圧バルブ1
5aと給排流路12a,12b側の減圧バルブ15bと
の減圧比の差により、前後輪側のアクチュエータ2f,
2rによる付加剛性力△f,△rに差が生じる。
【0099】このことから、給排流路13a,13b側
の減圧バルブ15aの減圧比を給排流路12a,12b
側の減圧バルブ15bの減圧比よりも大きくしてやれ
ば、当該減圧比の差に応じて図1の実施の形態と同様
に、後輪側のアクチュエータ2rによる付加剛性力△r
が前輪側のアクチュエータ2fによる付加剛性力△fよ
りも一定の比率の下で低下する。
【0100】また、減圧比を上記とは逆にとってやれ
ば、今度は、図5の実施の形態の場合と同様に、後輪側
のアクチュエータ2rによる付加剛性力△rよりも前輪
側のアクチュエータ2fによる付加剛性力△fが一定の
比率の下で低下する。
【0101】したがって、このものによっても、ハンド
ルを切っているときと戻しているときにおいて、予め車
両にセッティングされたステアリング特性を保持しつつ
車両としての走行安定性および操縦性を確保してロール
制御を行い得ることは、これまでの図1および図5の作
動説明に基いて容易に理解できよう。
【0102】しかも、特に、このものによれば、減圧バ
ルブ15a,15bの減圧比を調整可能にしてこれらを
適切に選ぶことにより、ステアリング特性をアンダステ
アリングにセッティングした一般車両にも、また、ニュ
ートラルステアリング若しくは弱アンダステアリングに
セッティングされたスポーツ仕様の車両にも適用するこ
とが可能になる。
【0103】なお、これまでの図1,図5および図6の
各実施の形態にあっては、走行中に最も不安定となり易
いハンドルを切っているときと戻しているときにおい
て、できるだけ前後輪でのロール剛性配分が変わらない
ようにして車両としての走行安定性および操縦性を確保
しつつロール制御を行い得るうようにした点に絞って述
べてきた。
【0104】しかしながら、この種のロール制御装置で
は、ハンドルを切ったまま保持して旋回しているときに
は、車体に加わる横加速度が一定値となって差圧制御バ
ルブ14が当該横加速度に見合った一定の差圧を出力す
る。
【0105】上記差圧が一定になると、給排流路12
a,12bと給排流路13a,13bを通る作動油の流
れがなくなるので、減圧バルブ15a,15bは減圧作
用を行うことなく差圧制御バルブ14からの差圧をその
まま前後輪側のアクチュエータ2f,2rに加えるよう
になる。
【0106】そのために、図4にみられるように、前後
輪側の付加剛性力△f,△rが等しい値となって前後輪
側のトータルとしてのロール剛性F,Rの配分比が予め
車両にセッティングされた前後輪のロール配分から大き
くずれることになる。
【0107】そこで、これを防ぐためには、各減圧バル
ブ15a(15b)の二次側である出口をアクチュエー
タ2r(2f)の各作動油室7a,7b,8a,8bへ
と連通する給排流路13a(12a)と給排流路13b
(12b)の間を、図7の実施の形態で示したように、
システムの制御性に影響を与えないような小径のオリフ
ィス等からなる流動抵抗素子29をもつバイパス流路3
0で結んでやる。
【0108】なお、上記流動抵抗素子29は、必ずしも
給排流路13a(12a)と給排流路13b(12b)
の間に設けてやる必要はなく、後輪側や前輪側或いは両
方のアクチュエータ2r(2f)における作動油室7
a,7bと8a,8bの間に設けるようにしてもよい。
【0109】このようにすれば、横加速度が作用する旋
回走行中は、差圧制御バルブ14から減圧バルブ15a
(15b)を通り、かつ、流動抵抗素子29とチェック
バルブ16を通して流れる作動油の流れが継続すること
から、ハンドルをそのままに保持して旋回している間も
減圧バルブ15a(15b)が減圧作用を行うことにな
る。
【0110】かくして、図8に示すように、ハンドルを
切っているときと戻しているときの過渡期は勿論のこ
と、ハンドルを保持して旋回している間にあっても、前
後輪側のロール剛性F,Rの配分を車両に予めセッティ
ングしたロール剛性f,rの配分に等しく或いはそれに
近く保つ。
【0111】これによって、車両としての走行安定性お
よび操縦性を確保しつつロール制御を行うことになる。
【0112】また、図9は、減圧バルブ15a(15
b)の二次側パイロット室31に通じるパイロット通路
32に減圧作用遅延用の流動抵抗素子33を介装し、特
に、ハドルの切り始めと戻し時の初期における後輪側の
ロール剛性配分を大きくして車両としての回頭性と収斂
性を良好に保つ場合の実施の形態を示している。
【0113】このものによれば、ハンドルを切ったり戻
したりしたときに流動抵抗素子33の働きで減圧バルブ
15a(15b)の減圧作用に時間的な遅れが生じ、図
10に示すように、車両がa点で旋回走行に入ってから
例えばd点に達するまでの間は、従来型のロール制御装
置と同様に、前輪側のロール剛性Fと後輪側のロール剛
性Rとの差に全く変化が生じないことになる。
【0114】なお、上記d点は、流動抵抗素子33の流
動抵抗を調整することによってa点とc点の間の任意の
位置にとることができる。
【0115】そして、d点を過ぎると減圧バルブ15a
(15b)が減圧作用を始め、以後は前後輪ロール剛性
配分F,Rを図4または図8と同様に制御して車体のロ
ールを抑制する。
【0116】かくして、旋回走行での初期のハンドルの
切り始めや終期でのハンドルの戻し始めのような過渡的
な時期における前後輪のロール剛性配分を図10に示す
ように従来型のロール制御装置と同様に保ち、例えば、
アンダステアリングの特性をニュートラルステアリング
傾向にして車両としての回頭性および収斂性を向上させ
ることになる。
【0117】さらに、これまで説明してきた何れの実施
の形態の場合にあっても、直進走行時や旋回走行時の如
何を問わず、制御装置22の異常発生や差圧制御バルブ
14とフェールセーフバルブ21に対するそれぞれの信
号線27,28の断線など制御システムに異常が発生し
たときには、これを制御装置22が検知して差圧制御バ
ルブ14とフェールセーフバルブ21の動作を停止す
る。
【0118】これにより、差圧制御バルブ14は、制御
開始前の状態である図1に示す片側の差圧最大位置をと
ると共に、フェールセーフバルブ21は、同じく図1の
ノーマル位置に戻って油圧源18の油圧ポンプ19から
吐出される作動油をリザーバ20へとアンロードする。
【0119】このように、油圧ポンプ19がフェールセ
ーフバルブ21でアンロード状態に切り換えられること
から、差圧制御バルブ14が一方の差圧最大位置をとっ
たとしても、アクチュエータ2f,2rが油圧ポンプ1
9からの圧力作動油で制御動作することはない。
【0120】しかも、フェールセーフバルブ21のノー
マル位置への切り換わりに伴い、アクチュエータ2f,
2rは、当該フェールセーフバルブ21によってそれぞ
れブロックされる。
【0121】その結果、スタビライザー1f,1rに対
してそれらを捩るような外力が働いたとしても、これら
スタビライザー1f,1rは、ブロックによって剛体化
されたアクチュエータ2f,2rによって少なくとも通
常のスラビライザーとしての機能を保持しつつ車体のロ
ールを抑制する。
【0122】ただし、上記した異常事態の発生前におけ
る差圧制御バルブ14の制御動作の状況によっては、当
該差圧制御バルブ14がアクチュエータ2f,2rをフ
リーにするアンダーラップの切り換え位置を経て一方の
差圧最大位置をとる場合が生じる。
【0123】しかし、差圧制御バルブ14は、その構造
上からアンダーラップ位置においてアクチュエータ2
f,2rをフリーにするのは一瞬のことであり、しか
も、当該アンダーラップ位置での作動油の流れに対して
作用する絞り抵抗も大きい。
【0124】このことから、アクチュエータ2f,2r
に作用しているそれぞれの差圧が差圧制御バルブ14を
通して抜け、スタビライザー1f,1rが効かなくなる
ようなこともない。
【0125】このようにして、旋回走行時の車体のロー
ル制御中における制御系の異常発生に際しては、アクチ
ュエータ2f,2rをブロック状態に保って前後輪用の
スタビライザー1f,1rの捩り剛性力を制御中の状態
に維持する。
【0126】かくして、フェールセーフ動作が行われた
としても、その前後での車体のロール剛性やステアリン
グ特性は変わらず、車両の操縦特性に大きな変化をきた
すことなく確実にフェールセーフ動作が行われることに
なる。
【0127】なお、これまで述べてきた実施の形態にあ
っては、前後輪用のスタビライザー1f,1rをトーシ
ョンバーの中央部分で二分割し、この二分割した部分の
一方をロータリ式のアクチュエータ2f,2rのハウジ
ング4側に対して、また、他方をロータ6側に対してそ
れぞれ固定して油圧可変用のスタビライザーとした場合
を例にとって説明してきた。
【0128】しかし、必ずしも上記のようにロータリ式
のアクチュエータ2f,2rを用いて油圧可変用のスタ
ビライザーを構成する必要はなく、例えば、図11の実
施の形態で示したように、通常のスタビライザー34
f,34rを用いてそれぞれの一端と車体との間に油圧
シリンダからなるアクチュエータ35f,35rを介装
した油圧可変用のスタビライザーを用いたとしても、同
様にしてこの発明を適用し得ることは明白である。
【0129】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、前後輪用のスタビライザーの一方の剛性力可変用ア
クチュエータに通じる各給排流路に定比型の減圧バルブ
と作動油の供給流れを止めるチェックバルブをそれぞれ
並列に介装したことにより、当該アクチュエータによる
付加剛性力を他方のアクチュエータによる付加剛性力よ
りも所定の比率で下げることができる。
【0130】その結果、走行中において、最も不安定と
なり易いハンドルを切っているときと戻しているときの
前後輪用のスタビライザーのロール剛性配分を、予め車
両にセッティングした配分比と等しく或いはそれに近く
保って車両としての走行安定性と操縦性を確保しつつロ
ール制御を行うことができる。
【0131】請求項2の発明によれば、前後輪用のスタ
ビライザーの剛性力可変用アクチュエータに通じる各給
排流路の両方に定比型の減圧バルブと作動油の供給流れ
を止めるチェックバルブをそれぞれ並列に介装したこと
により、ステアリング特性をアンダステアリングにセッ
ティングした一般車両にも、また、ニュートラルステア
リング若しくは弱アンダステアリングにセッティングし
たスポーツ仕様の車両に対しても、単に、これら両方の
給排流路に介装した減圧バルブの減圧比を調整すること
で請求項1の効果をもたせることができる。
【0132】請求項3の発明によれば、各減圧バルブと
剛性力可変用アクチュエータの各作動油室との間に、こ
れら作動油室を相互に流動抵抗素子を通して連通するバ
イパス流路を設けたことにより、ハンドルを切っている
ときと戻しているときの過渡期は勿論のこと、ハンドル
を保持して旋回している間にあっても前後輪側のロール
剛性配分を予め車両にセッティングされたロール剛性配
分に等しく或いはそれに近く保って、車両としての走行
安定性と操縦性を確保しつつロール制御を行うことが可
能になる。
【0133】また、請求項4の発明によれば、減圧バル
ブの二次側パイロット室に通じるパイロット通路に減圧
作用遅延用の流動抵抗素子を介装して減圧作用に遅れを
もたせることにより、上記した各効果に加えて、旋回走
行での初期のハンドルの切り始めや終期でのハンドルの
戻し始めのような過渡的な時期における後輪側のロール
剛性配分を大きく保って、ステアリング特性をニュート
ラルステアリング傾向にしつつ車両としての回頭性およ
び収斂性を向上させるができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による車両のロール制御装置を系統的
に示す油圧回路図である。
【図2】上記ロール制御装置のに使用されるアクチュエ
ータの拡大縦断面図である。
【図3】従来型のロール制御装置において、ハンドルを
切ってから定常旋回走行に移るまでの経過時間と前後輪
のロール剛性配分の関係を示すグラフである。
【図4】後輪側の給排流路に対して減圧バルブとチェッ
クバルブを介装したこの発明によるロール制御装置にお
いて、ハンドルを切ってから定常旋回走行に移るまでの
経過時間と前後輪のロール剛性配分の関係を示すグラフ
である。
【図5】この発明による車両のロール制御装置の他の実
施の形態を図1と同じく系統的に示す油圧回路図であ
る。
【図6】この発明による車両のロール制御装置のさらに
他の実施の形態を図1と同じく系統的に示す油圧回路図
である。
【図7】この発明の別の実施の形態を系統的に部分図で
示す油圧回路図である。
【図8】上記図7の実施の形態において、ハンドルを切
ってから定常旋回走行に移るまでの経過時間と前後輪の
ロール剛性配分の関係を示すグラフである。
【図9】同じく、この発明のさらに別の実施の形態を系
統的に部分図で示す油圧回路図である。
【図10】同上の場合において、ハンドルを切ってから
定常旋回走行に移るまでの経過時間と前後輪のロール剛
性配分の関係を示すグラフである。
【図11】この発明を適用する別のロール制御装置を部
分図で示す油圧回路図である。
【図12】ハンドルを切ってから定常旋回走行に移るま
での経過時間とそれに伴って刻々と増加していく横加速
度との関係を模式的に示すグラフである。
【符号の説明】
1f,34f 前輪用のスタビライザー 1r,34r 後輪用のスタビライザー 2f,35f 前輪用スタビライザーの剛性力可変用ア
クチュエータ 2r,35r 後輪用スタビライザーの剛性力可変用ア
クチュエータ 12a,12b 前輪側アクチュエータへの給排流路 13a,13b 後輪側アクチュエータへの給排流路 14 差圧制御バルブ 15a,15b 定比型の減圧バルブ 16 チェックバルブ 18 油圧源 19 油圧ポンプ 20 リザーバ 21 フェールセーフバルブ 22 制御装置 23 横加速度検出器 24 コントローラ 29 流動抵抗素子 30 バイパス流路 31 二次側パイロット室 32 パイロット通路 33 減圧作用遅延用の流動抵抗素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御装置からの車体横加速度信号によっ
    て差圧制御バルブを切り換え制御しつつ、当該差圧制御
    バルブで前後輪用のスタビライザーの剛性力可変用アク
    チュエータに加わる差圧を制御して車体のロールを抑制
    するようにした油圧可変型のロール制御装置において、
    上記前後輪用のスタビライザーの一方の剛性力可変用ア
    クチュエータに通じる各給排流路に、定比型の減圧バル
    ブと作動油の供給流れを止めるチェックバルブをそれぞ
    れ並列にして介装したことを特徴とする車両のロール制
    御装置。
  2. 【請求項2】 制御装置からの車体横加速度信号によっ
    て差圧制御バルブを切り換え制御しつつ、当該差圧制御
    バルブで前後輪用のスタビライザーの剛性力可変用アク
    チュエータに加わる差圧を制御して車体のロールを抑制
    するようにした油圧可変型のロール制御装置において、
    上記前後輪用のスタビライザーの一方の剛性力可変用ア
    クチュエータに通じる各給排流路に、定比型の減圧バル
    ブと作動油の供給流れを止めるチェックバルブをそれぞ
    れ並列にして介装する一方、他方の剛性力可変用アクチ
    ュエータに通じる各給排流路には、上記減圧バルブに対
    して減圧比率を異にする減圧バルブと作動油の供給流れ
    を止めるチェックバルブをそれぞれ並列にして介装した
    ことを特徴とする車両のロール制御装置。
  3. 【請求項3】 各減圧バルブと剛性力可変用アクチュエ
    ータの各作動油室との間に、これら作動油室を相互に流
    動抵抗素子を通して連通するバイパス流路を設けた請求
    項1または2の車両のロール制御装置。
  4. 【請求項4】 減圧バルブの二次側パイロット室に通じ
    るパイロット通路に減圧作用遅延用の流動抵抗素子を介
    装した請求項1または2の車両のロール制御装置。
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