JP3748401B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーステアリング装置に関し、特に、油圧パワーシリンダにより操舵補助力を発生させるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のパワーステアリング装置としては、例えば、特開昭57−201767号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
この、従来例のパワーステアリング装置は、図6に示すように、電動モータ101を正転または逆転させて可逆オイルポンプ102を駆動させ、この可逆オイルポンプ102によって加圧された油圧をオイル通路103、104を経由してパワーシリンダ105の両各油室105a、105bに選択的に供給することにより、操舵補助力を発生させる構造となっている。また、前記両オイル通路103、104途中にはオリフィス106、107が介装され、該各オリフィス106、107と各油室105a、105bとの間には両オイル通路103、104を連通するバイパス通路108で接続され、該バイパス通路108にはバイパスバルブ109が介装されている。そして、該バイパスバルブ109は、小径部110aの両側に大径部110bが連設されてなる弁体110がバルブ本体内111に設けられ、該弁体110の両側にはバネ定数の等しいスプリング112a、112bがそれぞれ縮装されており、また、弁体110の両側に形成された弁室113a、113bは、パイロット通路114a、114bを通じて、可逆オイルポンプ102と各オリフィス106、107との間の両各オイル通路103、104に連通されている。
【0004】
即ち、操舵アシスト時においては、可逆オイルポンプ102が回転し、パワーシリンダ105の油室105a、105bのいずれかに選択的に供給されるが、その際、オリフィス106、107の存在により可逆オイルポンプ102の吐出口近傍に圧力差が発生し、この圧力差がパイロット通路114a、114bを経由して両弁室113a、113bに作用することで、バイパスバルブ109の弁体110がバイパス通路108を遮断するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例のパワーステアリング装置にあっては、上述のように、バイパス通路108の開閉を1つのバイパスバルブ109で行うようにしたもので、このバイパスバルブ109はスプールバルブによって構成されているため、コンタミ等によりバイパス通路108がクローズ回路の状態でバイパスバルブ109がロックした場合には、パワーシリンダ105の両各油室105a、105bの油圧の連通が不可能となり、この状態で可逆オイルポンプ102がロックした場合には、運転者の操舵力を必要以上に強いることになるという問題点があった。
【0006】
そこで、以上の問題点を解決するため、1つのバイパスバルブ109の代わりに、一対のポペット弁201、202を用いる方法が考えられる。この一対のポペット弁201、202を図6の回路に適用すると、図7に示すような回路構成となり、バイパス通路108と該バイパス通路108を遮断するポペット弁201、202の弁体との間にコンタミ等が挟み込まれて作動がロックしたとしても、バイパス通路108がオープン回路となるため、この状態で可逆オイルポンプ102がロックした場合でもパワーシリンダ105の両各油室105a、105bの油圧の連通は保たれるので、操舵アシスト力は得られないものの、マニュアル操舵において運転者の操舵力を必要以上に強いることがない。
【0007】
しかしながら、一方の油室105a側に油圧を供給すべくポペット弁201を遮断する際、他方の油室105b側から排出される排圧が他方のポペット弁202側の油路を経由して一方のポペット弁201の弁体を開く方向に作用することにより、該一方のポペット弁201の遮断が遅れることがあり、このため、操舵フィーリングを悪化させる虞があるという問題があった。
【0008】
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、バイパスバルブとして一対のポペット弁を用いることにより、可逆式ポンプおよびバイパスバルブが共にロックした場合においてもマニュアル操舵が可能であると共に、一対のポペット弁を用いることによって生じる操舵フィーリングの悪化を防止することができるパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明請求項1記載のパワーステアリング装置は、操舵機構に連係された操舵軸と、前記操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、該油圧パワーシリンダの両各油圧室に対し第1連通路および第2連通路を介してそれぞれ油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、前記可逆式ポンプを正・逆回転駆動させる電動機と、前記第1連通路および第2連通路の途中にそれぞれ介装されていて前記可逆式ポンプから前記油圧パワーシリンダ方向への流通のみを許容する第1逆止弁および第2逆止弁と、前記操舵軸の回転方向を検出する操舵方向検出手段と、前記操舵軸に作用する操舵力を検出する操舵力検出手段と、該操舵力検出手段で検出された操舵力信号および前記操舵方向検出手段で検出された操舵軸の回転方向信号に基づき前記電動機に対し駆動信号を出力する電動機制御手段と、前記油圧パワーシリンダと第1逆止弁および第2逆止弁との間の前記第1連通路および第2連通路の途中にそれぞれ接続されていてリザーバタンクと連通した第1バイパス通路および第2バイパス通路と、該第1バイパス通路および第2バイパス通路にそれぞれ介装されていて前記第1連通路および第2連通路からの液圧信号に基づいてそれぞれ前記第1バイパス通路および第2バイパス通路の連通/遮断を切り換える常開の第1ポペット弁および第2ポペット弁と、を備えている手段とした。
【0012】
【作用】
この発明請求項1記載のパワーステアリング装置では、上述のように、油圧パワーシリンダと第1逆止弁および第2逆止弁との間の第1連通路および第2連通路の途中にそれぞれ接続されていてリザーバタンクと連通した第1バイパス通路および第2バイパス通路と、該第1バイパス通路および第2バイパス通路にそれぞれ介装されていて第1連通路および第2連通路からの液圧信号に基づいてそれぞれ第1バイパス通路および第2バイパス通路の連通/遮断を切り換える常開の第1ポペット弁および第2ポペット弁と、を備えた構成としたため、可逆式ポンプおよびバイパスバルブが共にロックした場合においてもマニュアル操舵が可能であると共に、第1ポペット弁および第2ポペット弁をそれぞれ介装した第1バイパス通路および第2バイパス通路はリザーバを介してのみ連通されているため、一方の油圧室側に油圧を供給すべく一方のポペット弁を遮断する際、他方の油圧室側から排出される排圧が他方のポペット弁側に作用することがなくなり、従って、前記一対のポペット弁(第1ポペット弁および第2ポペット弁)を用いることによって生じる操舵フィーリングの悪化を防止することができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(発明の実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1の構成を図1に基づいて説明する。
【0016】
図1は、発明の実施の形態1のパワーステアリング装置を示す全体の概略構成図であり、この図に示すように、操舵入力手段であるステアリングホイール21が連結された操舵軸22と、該操舵軸22の下端部の出力軸23に設けられたラック・ピニオン24と、出力軸23の下端側に設けられて操舵軸22の回転方向および操舵軸22に作用する操舵力を検出する操舵力センサ26(操舵方向検出手段、操舵力検出手段)と、前記ラックに連繋された油圧パワーシリンダ27と、該油圧パワーシリンダ27に油圧を給排する油圧回路28と、を備えている。
【0017】
前記油圧パワーシリンダ27は、車体幅方向に延設された筒状シリンダ部29内を前記ラックに連繋したピストンロッド30が貫通していると共に、該ピストンロッド30に筒状シリンダ部29内を摺動するピストン31が固定されている。また、筒状シリンダ部29内にはピストン31によって左右の第1油圧室32と第2油圧室33が隔成されている。なお、25a、25bは、ピストンロッド30の両端部にリンクを介して連繋された左右前輪である。
【0018】
前記油圧回路28は、各一端部が前記各油圧室32、33に接続された一対の第1連通路34および第2連通路35と、該両連通路34、35の他端部に接続される一対の吐出口37a、37bを備えていてポンプモータ(電動機)36によって正逆回転可能な1つの可逆式ポンプ37と、前記可逆式ポンプ37の上流側に配置されていて内部に作動油を貯留したリザーバタンク38と、前記第1連通路34および第2連通路35の途中に介装された第1圧力制御弁39および第2圧力制御弁40と、該第1圧力制御弁39および第2圧力制御弁40をバイパスする連通路41、42にそれぞれ介装されていて第1油圧室32および第2油圧室33から可逆式ポンプ37方向への作動液の流通のみを許容する逆止弁43、44と、前記第1圧力制御弁39および第2圧力制御弁40と第1油圧室32および第2油圧室33との間の第1連通路34および第2連通路35とリザーバタンク38との間を連通する第1バイパス通路45および第2バイパス通路46と、該第1バイパス通路45および第2バイパス通路46にそれぞれ介装されていて第1連通路34および第2連通路35からの液圧信号に基づいてそれぞれ前記第1バイパス通路45および第2バイパス通路46の連通/遮断を切り換える常開の第1ポペット弁47および第2ポペット弁48と、を備えている。
【0019】
さらに詳述すると、前記両圧力制御弁39、40は、可逆式ポンプ37から油圧パワーシリンダ27方向への作動油の流通のみを許容する第1逆止弁および第2逆止弁を構成するボール弁体39a、40aを有すると共に、該各ボール弁体39a、40aを所定荷重で閉方向に付勢するリターンスプリング39b、40bを備えており、この付勢力によって油圧パワーシリンダ27側と可逆式ポンプ37側との間で差圧を発生させるようになっている。
【0020】
前記第1ポペット弁47および第2ポペット弁48は、その遮断方向において同一軸線状上に対向する状態で設けられるもので、第1バイパス通路45および第2バイパス通路46の途中に、ほぼ直列状態に配置された円筒状の一対の弁孔47b、48bが形成されていると共に、該各弁孔47b、48b内には外側の受圧室47c、48cと内側の連通室47d、48dとを画成するほぼ円柱状の弁体47a、48aが摺動自在に設けられている。そして、前記内側の連通室47d、48dが前記第1バイパス通路45および第2バイパス通路46の途中に介装されるもので、この内側の連通室47d、48dの途中には該内側の連通室47d、48dの連通/遮断を行う弁口47e、48eが形成されていて、前記弁体47a、48aの弁部47f、48fでこの弁口47e、48eの開閉を行うことにより第1バイパス通路45および第2バイパス通路46の連通/遮断が行われるようになっている。
【0021】
前記内側の両連通室47d、48d相互間には連通孔49が形成されると共に、前記弁部47f、48fの先端軸心部にはこの連通孔49内にその先端部を挿入させた状態でストッパ部材47g、48gがそれぞ突出形成されている。
このストッパ部材47g、48gは、弁部47f、48fのいずれか一方が弁口47e、48eのいずれか一方に当接して第1バイパス通路45または第2バイパス通路46のいずれか一方を遮断した状態においては、両ストッパ部材47g、48gの先端面同士が連通孔49内において当接することで、弁口47e、48eのもう一方は少なくとも遮断状態にはならないように規制する役目をなすものである。
なお、前記各弁体47a、48aの外周部には、シールリング47h、48hが装着されている。
また、前記両弁体47a、48aは、ストッパ部材47g、48gを含めて同一形状に形成されている。
【0022】
前記内側の連通室47d、48d内で弁口47e、48eより内側には、該弁口47e、48eをそれぞれ開放する方向に各弁体47a、48aを押圧することにより、第1バイパス通路45および第2バイパス通路46を常時開放する方向に付勢するスプリング47j、48jが介装されている。
【0023】
また、前記外側の受圧室47c、48cは、それぞれ第1導入通路50および第2導入通路51を介し、両圧力制御弁39、40と可逆式ポンプ37との間の第1連通路34および第2連通路35に連通されている。ちなみに、外側の受圧室47c、48cと弁体47a、48aを挟んで対向する内側の連通室47d、48d側は、第1バイパス通路45および第2バイパス通路46を介し、両圧力制御弁39、40と油圧パワーシリンダ27との間の第1連通路34および第2連通路35に連通された状態となっており、両圧力制御弁39、40の前後で発生する差圧によって弁体47a、48aが弁口47e、48eを閉塞する方向に作動するようになっている。
さらに、前記外側の受圧室47c、48cは、第1導入通路50および第2導入通路51によって可逆式ポンプ37のほぼ直下流に接続されて、該直下流の油圧がダイレクトに供給されるようになっている。
【0024】
前記リザーバタンク38は、内部に貯留された作動油を供給路52を介して前記可逆式ポンプ37に供給補充するようになっていると共に、該可逆式ポンプ37の各構成部材からリークした作動油を回収するようになっている。
前記モータポンプ36は、マイクロコンピュータを備えたコントローラ(電動機制御手段)53から出力される制御電流によって正逆回転制御されるようになっており、このコントローラ53は、前記操舵力センサ26からの操舵入力トルク等の情報信号に基づいて演算により前記制御電流を出力する。
【0025】
次に、この発明の実施の形態1の作用・効果を説明する。
(イ)両ポペット弁の正常作動時
まず、車両の通状の運転中には、例えば、図2に示すように運転者がステアリングホイール21を図中矢印で示すように左に回転させると、コントローラ53からの制御信号によってポンプモータ36が例えば正転制御されるのに伴って、可逆式ポンプ37も正転駆動される。かかるポンプ作用により第1連通路34内に吐出された作動油は、その一部が第1導入通路50から受圧室47cに流入し、これが第1圧力制御弁39を通過した作動油の油圧よりも高くなっているため、この差圧によって第1ポペット弁47側の弁体47aがスプリング47jの付勢力に抗して、図示のように右方向に押圧されて、弁体47aが弁口47eを閉塞する。一方、第2ポペット弁48側の弁体48aはスプリング48jの付勢力で弁口48eが開放された状態に維持されている。
【0026】
これによって、前記可逆式ポンプ37から吐出された作動油が第1圧力制御弁39のボール弁体39aをリターンスプリング39bの付勢力に抗して押し開きながら第1油圧室32に供給されると同時に、可逆式ポンプ37の吸引作用によって第2油圧室33内から第2連通路35内に流出された作動油は、矢印で示すように、一旦第2バイパス通路46に流入してここから連通路42に入り、ここで逆止弁44を開いて、再び第2連通路35から可逆式ポンプ37内に吸引される一方、第2バイパス通路46の途中に介装された連通室48dを経由してリザーバタンク38に還流される。
【0027】
従って、第1油圧室32および第2油圧室33に相対的に油圧が供給あるいは排出されて、運転者によるステアリングホイール21の左回転操舵力にアシスト力を付与するもので、これによって、左回転操舵の負荷が軽減してステアリングホイール21の操作性を向上させることができる。
また、この左回転操舵状態を維持させた状態においては、ポンプモータ36への通電が遮断されて油圧回路28が密閉状態になり、これにより、第1油圧室32内に油圧が掛かった状態が維持される。
【0028】
以上のように、前記第1バイパス通路45と第2バイパス通路46は、一応両連通室47d、48d部分で連通孔49によって連通された状態となっているが、この連通孔49には、両ストッパ部材47g、48gが挿入されることで流路としては絞り込まれた状態となっており、また、連通室47d(第1バイパス通路45)と連通室48d(第2バイパス通路46)とは大気圧状態のリザーバタンク38を介して連通された状態となっている。従って、一方の第1油圧室32側に油圧を供給すべく第1ポペット弁47を遮断する際、他方の第2油圧室33側から排出される排圧が第1ポペット弁47側に作用して該第1ポペット弁47の遮断作動を邪魔する虞がなく、これにより、前記一対のポペット弁(第1ポペット弁47および第2ポペット弁48)を用いることによって生じる操舵フィーリングの悪化を防止することができるようになるという効果が得られる。
【0029】
一方、かかる左回転操舵状態からステアリングホイール21を元の状態に切り返し、さらに、運転者がステアリングホイール21を図3の矢印で示すように右回転操舵を行うと、コントローラ53によってポンプモータ36を介して可逆式ポンプ37を逆転させ、これにより、今度は前述とは逆に、第2連通路35に作動油が吐出され、以上と同様に、第1油圧室32および第2油圧室33に相対的に油圧が供給あるいは排出されて、運転者によるステアリングホイール21の右回転操舵力にアシスト力を付与するもので、これによって、右回転操舵の負荷が軽減してステアリングホイール21の操作性を向上させることができる。
そして、この右回転操舵状態においても前記左回転操舵状態と同様の作用・効果が得られる。
【0030】
(ロ)可逆式ポンプのロック時
前記ポンプモータ36の例えば電気的な故障や、可逆式ポンプ37の機械的な故障等によって、該可逆式ポンプ37がロックして非作動状態となった場合は、該可逆式ポンプ37からの油圧が第1導入通路50および第2導入通路51から各受圧室47c、48c内に作用しないため、第1ポペット弁47および第2ポペット弁48の各弁体47a、48aは、図1に示すように両スプリング47j、48jの付勢力によって弁口47e、48eが共に開かれた状態に維持され、これにより、第1バイパス通路45と第2バイパス通路46とがリザーバタンク38を介して連通された状態となる。
従って、可逆式ポンプ37のロックにより、操舵アシスト力はなくなるが、運転者によるステアリングホイール21のマニュアルステアを確保できる状態となる。
【0031】
(ハ)ポペット弁のロック時
第1ポペット弁47および第2ポペット弁48の各弁体47a、48aのいずれか一方が、弁口47e、48eのいずれか一方を閉じた状態でロックされた場合、例えば、図4に示すように、第1ポペット弁47側の弁体47aが、弁口47eを閉じた状態でロックされた場合、ステアリングホイール21の左回転操舵時においては、弁口47eが最初から閉じられた状態となっているため、前記(イ)の両ポペット弁の正常作動時で述べた場合と同様の作動が行われ、ステアリングホイール21の左回転操舵力にアシスト力が付与される。
【0032】
ところが、図4の矢印で示すように、右回転操舵時においては、第1ポペット弁47側の弁体47aが、弁口47eを閉じた状態でロックされているため、両弁体47a、48aのストッパ部材47g、48gの先端面同士が当接することで、もう一方の弁口48eを閉塞できない状態となる。このため、可逆式ポンプ37から第2連通路35側に吐出された作動油が、第2圧力制御弁40および第2バイパス通路46における弁口48eを経由してリザーバタンク38に排出される。
従って、操舵アシスト力が得られない状態となることから、操舵フィーリングの変化として関知され、これにより、運転者において装置の異状発生を直ちに認識することができるようになるという効果が得られる。
【0033】
また、、前記両弁体47a、48aが、両ストッパ部材47g、48gを含めて同一形状に形成されることで、部品の共通化によりコストを低減化できるようになる。
また、両弁体47a、48aが両ストッパ部材47g、48gで常時連結された状態となっているわけではないので、装置の正常状態においては、第1ポペット弁47と第2ポペット弁48は互いに独立して作動するもので、このため、摺動フリクションおよびスプリング47j、48jの付勢力がそれぞれ単独で作用するのみである。従って、それぞれの作動がスムーズであり、第1ポペット弁47および第2ポペット弁48の作動応答性を高めることができるようになる。
【0034】
また、前記第1連通路34と第2連通路35の途中に第1圧力制御弁39および第2圧力制御弁40を備え、第1ポペット弁47および第2ポペット弁48が、第1圧力制御弁39および第2圧力制御弁40より上流側の第1連通路34と第2連通路35の液圧信号に基づいてそれぞれ第1バイパス通路45および第2バイパス通路46の開閉を行うように構成されることで、可逆式ポンプ37からの吐出液圧をダイレクトに受けて作動させることができるため、第1ポペット弁47および第2ポペット弁48の作動応答性を高めることができるようになる。
【0035】
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。なお、この他の発明の実施の形態の説明にあたっては、前記発明の実施の形態1と同様の構成部分は図示および説明を省略し、または同一の符号を付してその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0036】
(発明の実施の形態2)
この発明の実施の形態2のパワーステアリング装置は、図5の全体概略構成図に示すように、両ストッパ部材(規制部材 )47g、48gおよび連通孔49を省略した点で前記発明の実施の形態1とは相違したものである。
従って、この発明の実施の形態2では、前記発明の実施の形態1における上記(ハ)の効果が得られない以外は、前記発明の実施の形態1と同様の効果を得ることができる他、装置を簡略化することが可能となる。
【0037】
以上発明の実施の形態を図面により説明したが、具体的な構成はこれらの発明の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、発明の実施の形態では、第1バイパス通路45および第2バイパス通路46を第1連通路34および第2連通路35にそれぞれ接続したが、油圧パワーシリンダ27の両油圧室32、33にそれぞれ直接接続させるようにしてもよい。
【0038】
また、発明の実施の形態1では、規制部材として、第1ポペット弁47および第2ポペット弁48の両方にストッパ部材47g、48gを設けるようにしたが、いずれか一方のみに設けるようにしもよい。また、発明の実施の形態1では、規制部材としてのストッパ部材47g、48gを連通孔49内において直接的に当接させる構造としたが、連通孔49を設けることなしに、間接的に当接させる構造とすることもできる。また、発明の実施の形態では、差圧を発生させる手段として、圧力制御弁を用いたが、オリフィスを用いることもできる。
【0039】
また、例えば、一方の第1ポペット弁47側の弁体47aが、弁口47eを閉じた状態でロックされた場合における、もう一方のポペット弁48の弁口48eの開き具合は任意であり、全開状態にして操舵アシスト力が全く得られない状態にする場合の他、少し絞り込んだ程度に設定することにより、操舵アシスト力が弱くなった状態とすることもできる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明請求項1記載のパワーステアリング装置では、上述のように、油圧パワーシリンダと第1逆止弁および第2逆止弁との間の第1連通路および第2連通路の途中にそれぞれ接続されていてリザーバタンクと連通した第1バイパス通路および第2バイパス通路と、該第1バイパス通路および第2バイパス通路にそれぞれ介装されていて前記第1連通路および第2連通路からの液圧信号に基づいてそれぞれ前記第1バイパス通路および第2バイパス通路の連通/遮断を切り換える常開の第1ポペット弁および第2ポペット弁と、を備えている手段としたことで、可逆式ポンプおよびバイパスバルブが共にロックした場合においてもマニュアル操舵が可能であると共に、第1ポペット弁および第2ポペット弁をそれぞれ介装した第1バイパス通路および第2バイパス通路はリザーバを介してのみ連通されているため、一方の油圧室側に油圧を供給すべく一方のポペット弁を遮断する際、他方の油圧室側から排出される排圧が他方のポペット弁側に作用することがなくなり、従って、前記一対のポペット弁(第1ポペット弁および第2ポペット弁)を用いることによって生じる操舵フィーリングの悪化を防止することができるようになるという効果が得られる。
【0041】
更に、上記実施例から把握しうる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1ポペット弁と第2ポペット弁とがその遮断方向において同一軸線状に対向する状態で設けられ、前記第1ポペット弁と前記第2ポペット弁との間に設けられ、一方のポペット弁がバイパス通路を遮断する方向に作動した状態においてはもう一方のポペット弁はバイパス通路を遮断した状態にならないように相互間の作動範囲を規制する規制手段が設けられていることを特徴とするパワーステアリング装置。
正常なポペット弁側を閉じることによって操舵アシスト力を発生させる操舵方向においては、操舵アシスト力が得られなくなるため、操舵フィーリングの変化として関知され、これにより、運転者において装置の異常発生を直ちに認識することができるようになる。
【0042】
(ロ)上記(イ)に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1ポペット弁および第2ポペット弁とリザーバタンクとの間の第1バイパス通路と第2バイパス通路との間を第1ポペット弁および第2ポペット弁の対向軸線上において連通する連通孔が設けられ、前記規制手段が第1ポペット弁および第2ポペット弁の両方にそれぞれ設けられていて該両規制手段が前記連通孔内に常時挿通された状態で設けられることにより両規制手段同士が直接的に当接する状態で設けられていることを特徴とするパワーステアリング装置。
両規制手段同士が間接的に当接する状態で設ける場合に比べ、構成を簡略化することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1のパワーステアリング装置の全体の概略構成図である。
【図2】発明の実施の形態1のパワーステアリング装置の左操舵時の状態を示す作用説明図である。
【図3】発明の実施の形態1のパワーステアリング装置の右操舵時の状態を示す作用説明図である。
【図4】発明の実施の形態1のパワーステアリング装置の故障時の状態を示す作用説明図である。
【図5】発明の実施の形態2のパワーステアリング装置を示す全体の概略構成図である。
【図6】従来例のパワーステアリング装置を示す全体の概略構成図である。
【図7】一対のポペット弁を従来例のパワーステアリング装置に適用した例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
21 ステアリングホイール
22 操舵軸
23 出力軸
24 ラック・ピニオン
25a 左前輪
25b 右前輪
26 トルクセンサ(操舵力検出手段・操舵方向検出手段)
27 油圧パワーシリンダ
28 油圧回路
29 筒状シリンダ部
30 ピストンロッド
31 ピストン
32 第1油圧室
33 第2油圧室
34 第1連通路
35 第2連通路
36 ポンプモータ
37 可逆式ポンプ
37a 吐出口
37b 吐出口
38 リザーバタンク
39 第1圧力制御弁
39a ボール弁体(第1逆止弁)
39b リターンスプリング
40 第2圧力制御弁
40a ボール弁体(第2逆止弁)
40b リターンスプリング
41 連通路
42 連通路
43 逆止弁
44 逆止弁
45 第1バイパス通路
46 第2バイパス通路
47 第1ポペット弁
47a 弁体
47b 弁孔
47c 受圧室
47d 連通室
47e 弁口
47f 弁部
47g ストッパ部材(規制手段)
47h シールリング
47j スプリング
48 第2ポペット弁
48a 弁体
48b 弁孔
48c 受圧室
48d 連通室
48e 弁口
48f 弁部
48g ストッパ部材(規制手段)
48h シールリング
48j スプリング
49 連通孔
50 第1導入通路
51 第2導入通路
52 供給路
53 コントローラ(電動機制御手段)

Claims (1)

  1. 操舵機構に連係された操舵軸と、
    前記操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    該油圧パワーシリンダの両各油圧室に対し第1連通路および第2連通路を介してそれぞれ油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、
    前記可逆式ポンプを正・逆回転駆動させる電動機と、
    前記第1連通路および第2連通路の途中にそれぞれ介装されていて前記可逆式ポンプから前記油圧パワーシリンダ方向への流通のみを許容する第1逆止弁および第2逆止弁と、
    前記操舵軸の回転方向を検出する操舵方向検出手段と、
    前記操舵軸に作用する操舵力を検出する操舵力検出手段と、
    該操舵力検出手段で検出された操舵力信号および前記操舵方向検出手段で検出された操舵軸の回転方向信号に基づき前記電動機に対し駆動信号を出力する電動機制御手段と、
    前記油圧パワーシリンダと第1逆止弁および第2逆止弁との間の前記第1連通路および第2連通路の途中にそれぞれ接続されていてリザーバタンクと連通した第1バイパス通路および第2バイパス通路と、
    該第1バイパス通路および第2バイパス通路にそれぞれ介装されていて前記第1連通路および第2連通路からの液圧信号に基づいてそれぞれ前記第1バイパス通路および第2バイパス通路の連通/遮断を切り換える常開の第1ポペット弁および第2ポペット弁と、
    を備えていることを特徴とするパワーステアリング装置。
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