JP3682771B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーステアリング装置に関し、特に、油圧パワーシリンダにより操舵補助力を発生させるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のパワーステアリング装置としては、例えば、特開昭57−201767号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
この、従来例のパワーステアリング装置は、図7に示すように、電動モータ101を正転または逆転させて可逆オイルポンプ102を駆動させ、この可逆オイルポンプ102によって加圧された油圧をオイル通路103、104を経由してパワーシリンダ105の両各油室105a、105bに選択的に供給することにより、操舵補助力を発生させる構造となっている。また、前記両オイル通路103、104途中にはオリフィス106、107が介装され、該各オリフィス106、107と各油室105a、105bとの間には両オイル通路103、104を連通するバイパス通路108で接続され、該バイパス通路108にはバイパスバルブ109が介装されている。そして、該バイパスバルブ109は、小径部110aの両側に大径部110bが連設されてなる弁体110がバルブ本体内111に設けられ、該弁体110の両側にはバネ定数の等しいスプリング112a、112bがそれぞれ縮装されており、また、弁体110の両側に形成された弁室113a、113bは、パイロット通路114a、114bを通じて、可逆オイルポンプ102と各オリフィス106、107との間の両各オイル通路103、104に連通されている。
【0004】
即ち、操舵アシスト時においては、可逆オイルポンプ102が回転し、パワーシリンダ105の油室105a、105bのいずれかに選択的に供給されるが、その際、オリフィス106、107の存在により可逆オイルポンプ102の吐出口近傍に圧力差が発生し、この圧力差がパイロット通路114a、114bを経由して両弁室113a、113bに作用することで、バイパスバルブ109の弁体110がバイパス通路108を遮断するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例のパワーステアリング装置にあっては、以下に述べるような問題点があった。
即ち、従来例のパワーステアリング装置にあっては、上述のように、バイパス通路108のの開閉を1つのバイパスバルブ109で行うようにしたものであったため、バイパスバルブ109にコンタミ等が混入した場合には、バイパスバルブ109が常時閉じた状態でロックされる虞れがある。しかも、この状態でも操舵補助が行われるため、装置の異常を発見するのが遅れる可能性がある。また、この状態で可逆オイルポンプ102がロックした場合には、パワーシリンダ105の郎各油圧室105a、105b内の油圧の連通が制限され、運転者の操舵力を必要以上に強いることになる。
【0006】
以上の問題点を解決するため、1つのバイパスバルブ109の代わりに、一対のポペット弁を用いる方法が考えられる。ポペット弁の場合、バイパス通路108とこのバイパス通路108を遮断するポペット弁の弁体との間にコンタミ等が挟み込まれて作動がロックしたとしても、バイパス通路108がオープン回路となる。よって、この状態で可逆オイルポンプ102がロックした場合でもパワーシリンダ105の両各油圧室油室105a、105bの油圧の連通は保たれるので、マニュアル操舵が可能となる。また、ポペット弁のロックによってバイパス通路108がオープン回路となった状態では操舵補助が行われないため装置の異常を早期に発見できるという効果がある。
しかしながら、ポペット弁の弁体とこの弁体を収容する弁孔との間にコンタミ等が挟み込まれるような場合においては、バイパスバルブが常時閉じた状態でロックされる可能性がある。さらに、一対のポペット弁を互いに独立して設けた場合においては、ロックしていない側のポペット弁は開閉可能であるため、右転舵、左転舵両方の操舵補助が行われる。そのため、装置の異常を発見するのが遅れる可能性があるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、運転者において装置の異常発生を直ちに認識することができるパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明請求項1記載のパワーステアリング装置は、操舵機構に連係された操舵軸と、前記操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、該油圧パワーシリンダの両各油圧室に対し第1連通路、第2連通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、該可逆式ポンプを正・逆回転駆動させる電動機と、前記操舵軸の回転方向を検出する操舵方向検出手段と、前記操舵軸に作用する操舵力を検出する操舵力検出手段と、該操舵力検出手段で検出された操舵力信号および前記操舵方向検出手段で検出された操舵軸の回転方向信号に基づき前記電動機に対し駆動信号を出力する電動機制御手段と、前記油圧パワーシリンダの両油圧室相互間または前記第1、第2両連通路相互間をバイパスするバイパス通路と、該バイパス通路の途中に介装され、前記第1連通路および第2連通路からの液圧信号に基づいてバイパス通路の開閉を行う一対のポペット弁と、前記バイパス通路を開く方向に前記一対のポペット弁を付勢する付勢手段と、を備え、前記両ポペット弁がその作動方向において同一軸線方向に配置されると共に、両ポペット弁の少なくともいずれか一方には、軸方向対向面がもう一方に当接することによっていずれか一方のポペット弁がバイパス通路を閉じる方向に作動した状態においてはもう一方のポペット弁はバイパス通路を閉じた状態にならないように相互間の作動範囲を規制する規制手段が設けられている手段とした。
【0009】
請求項2記載のパワーステアリング装置は、請求項1記載のパワーステアリング装置において、前記規制手段が両ポペット弁にそれぞれ設けられることにより、両ポペット弁が同一形状に形成されている手段とした。
【0010】
請求項3記載のパワーステアリング装置は、請求項1または2に記載のパワーステアリング装置において、前記第1連通路と第2連通路の途中にそれぞれ差圧発生手段を備え、前記一対のポペット弁が、前記差圧発生手段より上流側の第1連通路と第2連通路の液圧信号に基づいてそれぞれバイパス通路の開閉を行うように構成されている手段とした。
【0011】
請求項4記載のパワーステアリング装置は、請求項1〜3のいずれかに記載のパワーステアリング装置において、前記操舵力検出手段で検出された操舵軸に作用する操舵力が所定値以上である時は、装置の異常を判断する異常判断手段を備えている手段とした。
【0012】
【作用】
この発明請求項1記載のパワーステアリング装置では、上述のように構成されるため、いずれか一方のポペット弁がバイパス通路を閉じる方向に作動した状態でロックされると、規制手段の軸方向対向面が正常なもう一方のポペット弁に当接することで、該正常なポペット弁はバイパス通路を閉じた状態にならないように相互間の作動範囲が規制される。
従って、正常なポペット弁側を閉じることによって操舵アシスト力を発生させる操舵方向においては、操舵アシスト力が得られなくなるため、操舵フィーリングの変化として関知され、これにより、運転者において装置の異状発生を直ちに認識することができるようになる。
【0013】
請求項2記載のパワーステアリング装置は、上述のように、前記規制手段が両ポペット弁にそれぞれ設けられることにより、両ポペット弁が同一形状に形成されることで、部品の共通化によりコストを低減化できるようになる。
【0014】
請求項3記載のパワーステアリング装置は、上述のように、前記第1連通路と第2連通路の途中にそれぞれ差圧発生手段を備え、前記一対のポペット弁が、前記差圧発生手段より上流側の第1連通路と第2連通路の液圧信号に基づいてそれぞれバイパス通路の開閉を行うように構成されている手段としたことで、吐出液圧をダイレクトに受けて作動させることができるため、ポペット弁の作動応答性が良好になる。
【0015】
請求項4記載のパワーステアリング装置は、上述のように、前記操舵力検出手段で検出された操舵軸に作用する操舵力が所定値以上である時は、装置の異常を判断する異常判断手段を備えている手段としたことで、操舵フィーリングの変化として関知される他に、光りや音によって、運転者に装置の異状発生を確実に認識させることができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(発明の実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1の構成を図1に基づいて説明する。
【0017】
図1は、発明の実施の形態1のパワーステアリング装置を示す全体の概略構成図であり、この図に示すように、操舵入力手段であるステアリングホイール21が連結された操舵軸22と、該操舵軸22の下端部の出力軸23に設けられたラック・ピニオン24と、出力軸23の下端側に設けられてステアリングホイール21の操舵回転トルクを検出するトルクセンサ26、と、前記ラックに連繋された油圧シリンダ27と、該油圧シリンダ27に油圧を給排する油圧回路28と、を備えている。
【0018】
前記油圧シリンダ27は、車体幅方向に延設された筒状シリンダ部29内を前記ラックに連繋したピストンロッド30が貫通していると共に、該ピストンロッド30に筒状シリンダ部29内を摺動するピストン31が固定されている。また、筒状シリンダ部29内にはピストン31によって左右の第1油圧室32と第2油圧室33が隔成されている。なお、25a、25bは、ピストンロッド30の両端部にリンクを介して連繋された左右前輪である。
【0019】
前記油圧回路28は、各一端部が前記各油圧室32、33に接続された一対の第1、第2連通路34、35と該両連通路34、35の他端部に接続されてポンプモータ36によって正逆回転可能な1つの可逆式ポンプ37と、前記両連通路34、35間に設けられて所定の条件下で前記両油圧室32、33を開放する開放機構38と、前記可逆式ポンプ37の上流側に配置されて、内部に作動油を貯留したリザーバ39とから構成されている。
【0020】
前記開放機構38は、両連通路34、35間に接続されて可逆式ポンプ37をバイパスするバイパス通路40と、このバイパス通路40の途中に設けられて、該バイパス通路40を連通あるいは遮断する開閉弁であるポペット弁41、42と、前記各連通路34、35に設けられて、差圧を発生させて前記各ポペット弁41、42を開閉作動させる差圧発生手段である一対の圧力制御弁43、44とを備えている。
【0021】
また、前記第1、第2連通路34、35と前記バイパス通路40との間には、前記各圧力制御弁43、44をバイパスする連通路45、46が接続されていると共に、該各連通路45、46には、前記各油圧室32、33から可逆式ポンプ37方向への作動油の流動のみを許容する逆止弁47、48がそれぞれ設けられている。
【0022】
前記バイパス通路40は、その中央部が前記リザーバ39に第3連通路49を介して接続されている。
【0023】
前記各ポペット弁41、42は、バイパス通路40の途中に、ほぼ直列状態に配置された円筒状の一対の弁孔41b、42bが形成されていると共に、該各弁孔41b、42b内にほぼ円柱状の弁体41a、42aが摺動自在に設けられている。また、前記各弁孔41b、42bの後端側に有する受圧室41c、42cには、付勢手段である引っ張りスプリング50、51がそれぞれ収容され、この引っ張りスプリング50、51は、前記バイパス通路40の途中に有する各弁口40a、40bをそれぞれ開放する方向に各弁体41a、42aを付勢することにより、バイパス通路40を連通状態に維持させるようになっている。
なお、前記第3連通路49は、両ポペット弁41、42相互間におけるバイパス通路40に接続されている。
【0024】
また、前記各弁体41a、42aは、各弁孔41b、42bの対向する各前端部に接続された前記バイパス通路40の中央側の端部40c、40dから弁孔41b、42bの前端部内に作用する油圧と、後述する導入通路53、54から弁孔41b、42bの後端部内に作用する油圧との差圧によって相対的に開閉方向に摺動するようになっている。また、各弁体41a、42aは、弁部となる半球状の各先端部には、互いに対面する状態で、規制手段を構成するストッパ部材52a、52bがそれぞ突出形成されている。
【0025】
このストッパ部材52a、52bは、弁体41a、42aのいずれか一方がバイパス通路40の弁口40a、40bのいずれか一方に当接してバイパス通路40および該バイパス通路40とリザーバ39へ通じる第3連通路49との間を閉塞した状態においては、両ストッパ部材52a、52bの先端面同士が当接することで、弁口40a、40bのもう一方は少なくとも閉塞状態にはならないように規制する役目をなすものであり、この発明の実施の形態1では、円柱状に形態された両ストッパ部材52a、52bの先端面同士が当接することにより、弁口40a、40bが同時には閉塞されないように構成されている。
また、各弁体41a、42aの外周部には、シールリング41d、42dが装着されている。
なお、前記両弁体41a、42aは、ストッパ部材52a、52bを含めて同一形状に形成されている。
【0026】
さらに、前記各受圧室41c、42cは、一対の導入通路53、54によって可逆式ポンプ36のほぼ直下流に接続されて、該直下流の油圧がダイレクトに供給されるようになっている。
【0027】
また、前記圧力制御弁43、44は、前記第1、第2通路34、35の可逆式ポンプ側の開口端を開閉する一対のボール弁体43a、44aを有すると共に、該各ボール弁体43a、44aを所定荷重で閉方向に付勢するリターンスプリング43b、44bを備えており、この付勢力によって差圧を発生させるようになっている。
【0028】
前記リザーバ39は、内部に貯留された作動油を供給路55を介して前記可逆式ポンプ37に供給補充するようになっていると共に、該可逆式ポンプ37の各構成部材からリークした作動油を回収するようになっている。
【0029】
前記モータポンプ36は、マイクロコンピュータを備えたコントローラ(電動機制御手段)56か出力される制御電流によって正逆回転制御されるようになっており、このコントローラ56は、前記トルクセンサ26からの操舵入力トルク等の情報信号に基づいて演算により前記制御電流を出力する。
【0030】
次に、この発明の実施の形態1の作用・効果を説明する。
(イ)両ポペット弁の正常作動時
まず、車両の通状の運転中には、例えば、図2に示すように運転者がステアリングホイール21を図中矢印で示すように左に回転させると、コントローラ56からの制御信号によってポンプモータ36が例えば正転制御されるのに伴って、可逆式ポンプ37も正転駆動される。かかるポンプ作用により第1連通路34内に吐出された作動油は、その一部が導入通路から受圧室41cに流入し、これが圧力制御弁43を通過した作動油の油圧よりも高くなっているため、この差圧によってポペット弁41の弁体41aが引っ張りスプリング50のばね力に抗して、図示のように右方向に押圧されて、弁体41aが弁口40aを閉塞する。一方、弁体42aは引っ張りスプリング51のばね力で弁口40bが開放された状態に維持されている。
【0031】
これによって、前記可逆式ポンプ37から吐出された作動油が圧力制御弁43のボール弁体43aをリターンスプリング43bのばね力に抗して押し開きながら油圧室32に供給される。また、同時に可逆式ポンプ37の吸引作用によって油圧室33内から第2連通路35内に流出された作動油は、矢印で示すように、一旦バイパス通路40に流入してここから連通路46に入り、ここで逆止弁48を開いて、再び第2連通路35、から可逆式ポンプ37内に吸引される。
【0032】
従って、各油圧室32、33に相対的に油圧が供給あるいは排出されて、運転者によるステアリングホイール21の左回転操舵力にアシスト力を付与するもので、これによって、左回転操舵の負荷が軽減してステアリングホイール21の操作性を向上させることができる。
【0033】
なお、この左回転操舵状態を維持させた状態においては、ポンプモータ36への通電が遮断されて油圧回路28が密閉状態になり、これにより、油圧室32内に油圧が掛かった状態が維持される。
【0034】
一方、かかる左回転操舵状態からステアリングホイール21を元の状態に切り返し、さらに、運転者がステアリングホイール21を図3の矢印で示すように右回転操舵を行うと、コントローラと56によってポンプモータ36を介して可逆式ポンプ37を逆転させ、これにより、今度は前述とは逆に、第2連通路35に作動油が吐出され、以上と同様に、各油圧室32、33に相対的に油圧が供給あるいは排出されて、運転者によるステアリングホイール21の右回転操舵力にアシスト力を付与するもので、これによって、右回転操舵の負荷が軽減してステアリングホイール21の操作性を向上させることができる。
【0035】
(ロ)可逆式ポンプのロック時
前記ポンプモータ36の例えば電気的な故障や、可逆式ポンプ37の機械的な故障等によって、該可逆式ポンプ37がロックして非作動状態となった場合は、該可逆式ポンプ37からの油圧が各導入通路53、54から各受圧室41c、42c内に作用しないため、各ポペット弁41、42の各弁体41a、42aは、図1に示すように両引っ張りスプリング50、51のばね力によって弁口40a、41aが共に開かれた状態に維持され、これにより、バイパス通路40が連通された状態となる。
従って、可逆式ポンプ37のロックにより、操舵アシスト力はなくなるが、運転者によるステアリングホイール21のマニアルステアを確保できる状態となる。
【0036】
(ハ)ポペット弁のロック時
ポペット弁41、42の弁体41a、42aのいずれか一方が、弁口40a、40bのいずれか一方を閉じた状態でロックされた場合、例えば、図4に示すように、ポペット弁41側の弁体41aが、弁口40aを閉じた状態でロックされた場合、ステアリングホイール21の左回転操舵時においては、弁口40aが最初から閉じられた状態となっているため、前記(イ)の両ポペット弁の正常作動時で述べた場合と同様の作動が行われ、ステアリングホイール21の左回転操舵力にアシスト力が付与される。
【0037】
ところが、図4の矢印で示すように、右回転操舵時においては、ポペット弁41側の弁体41aが、弁口40aを閉じた状態でロックされているため、両弁体41a、42aのストッパ部材52a、52bの先端面同士が当接することで、もう一方の弁口40bを閉塞できない状態となる。このため、可逆式ポンプ37から第2連通路35側に吐出された作動油が、バイパス通路40の弁口40bを通過し、第3連通路49を経由してリザーバ39に排出される。
従って、操舵アシスト力が得られない状態となることから、操舵フィーリングの変化として関知され、これにより、運転者において装置の異状発生を直ちに認識することができるようになるという効果が得られる。
【0038】
また、、前記両弁体41a、42aが、ストッパ部材52a、52bを含めて同一形状に形成されることで、部品の共通化によりコストを低減化できるようになる。
また、両弁体41a、42aがストッパ部材52a、52bで常時連結された状態となっているわけではないので、装置の正常状態においては、両ポペット弁41、42は互いに独立して作動するもので、このため、摺動フリクションおよび引っ張りスプリング50、51の付勢力がそれぞれ単独で作用するのみである。従って、それぞれの作動がスムーズであり、各ポペット弁41、42の作動応答性を高めることができるようになる。
【0039】
また、前記第1連通路34と第2連通路35の途中にそれぞれ圧力制御弁43、44を備え、一対のポペット弁41、42が、圧力制御弁43、44より上流側の第1連通路34と第2連通路35の液圧信号に基づいてそれぞれバイパス通路40の開閉を行うように構成されることで、可逆式ポンプ37からの吐出液圧をダイレクトに受けて作動させることができるため、ポペット弁41、42の作動応答性を高めることができるようになる。
【0040】
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。なお、この他の発明の実施の形態の説明にあたっては、前記発明の実施の形態1と同様の構成部分は図示および説明を省略し、または同一の符号を付してその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0041】
(発明の実施の形態2)
この発明の実施の形態2は、図5にその要部拡大図を示すように、規制手段を構成するストッパ部材52cを、両ポペット弁41、42のうちの一方の弁体41a(または42a)のみから突出形成させるようにした変形例を示すものである。
【0042】
(発明の実施の形態3)
この発明の実施の形態3は、前記トルクセンサ(操舵力検出手段)で検出された操舵軸22に作用する操舵力が所定値以上である時は、装置の異常を判断する異常判断手段を設け、異常判断時にはランプや警告音によって装置の異常発生を運転者に知らせるようにした例を示すものである。
従って、装置の異常が、操舵フィーリングの変化として関知される他に、光りや音によって、装置の異状発生を運転者に確実に認識させることができるようになる。
【0043】
以上発明の実施の形態を図面により説明したが、具体的な構成はこれらの発明の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0044】
例えば、発明の実施の形態では、バイパス流路40を第1、第2連通路34、35相互間に接続したが、油圧シリンダ27の両油圧室32、33相互間に直接接続させるようにしてもよい。
【0045】
また、発明の実施の形態では、差圧発生手段として、圧力制御弁を用いたが、オリフィスを用いることもできる。
また、発明の実施の形態では、付勢手段として引っ張りスプリング50、51を用いたが、押圧スプリングを用いてもよい。なお、押圧スプリングを用いる場合は、例えば、図6に示すように、両弁体41a、42a相互間に圧縮スプリング57を1個のみ弾装するだけで、同様の機能を発揮させることができるようになる。
【0046】
また、例えば、一方のポペット弁41側の弁体41aが、弁口40aを閉じた状態でロックされた場合における、もう一方のポペット弁42の弁口40bの開き具合は任意であり、全開状態にして操舵アシスト力が全く得られない状態にする場合の他、少し絞り込んだ程度に設定することにより、操舵アシスト力が弱くなった状態とすることもできる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明請求項1記載のパワーステアリング装置では、上述のように、前記油圧パワーシリンダの両油圧室相互間または前記第1、第2両連通路相互間をバイパスするバイパス通路と、該バイパス通路の途中に介装され、前記第1連通路および第2連通路からの液圧信号に基づいてバイパス通路の開閉を行う一対のポペット弁と、前記バイパス通路を開く方向に前記一対のポペット弁を付勢する付勢手段と、を備え、前記両ポペット弁がその作動方向において同一軸線方向に配置されると共に、両ポペット弁の少なくともいずれか一方には、軸方向対向面がもう一方に当接することによっていずれか一方のポペット弁がバイパス通路を閉じる方向に作動した状態においてはもう一方のポペット弁はバイパス通路を閉じた状態にならないように相互間の作動範囲を規制する規制手段が設けられている手段としたことで、ポペット弁の一方がバイパス通路を閉じた状態でロックした異常発生状態になると、正常なポペット弁側を閉じることによって操舵アシスト力を発生させる操舵方向においては、操舵アシスト力が得られなくなるため、操舵フィーリングの変化として関知され、これにより、運転者において装置の異状発生を直ちに認識することができるようになるという効果が得られる。
【0048】
請求項2記載のパワーステアリング装置は、請求項1記載のパワーステアリング装置において、前記規制手段が両ポペット弁にそれぞれ設けられることにより、両ポペット弁が同一形状に形成されている手段としたことで、部品の共通化によりコストを低減化できるようになる。
【0049】
請求項3記載のパワーステアリング装置は、請求項1または2に記載のパワーステアリング装置において、前記第1連通路と第2連通路の途中にそれぞれ差圧発生手段を備え、前記一対のポペット弁が、前記差圧発生手段より上流側の第1連通路と第2連通路の液圧信号に基づいてそれぞれバイパス通路の開閉を行うように構成されている手段としたことで、吐出液圧をダイレクトに受けて作動させることができるため、ポペット弁の作動応答性を高めることができるようになる。
【0050】
請求項4記載のパワーステアリング装置は、請求項1〜3のいずれかに記載のパワーステアリング装置において、前記操舵力検出手段で検出された操舵軸に作用する操舵力が所定値以上である時は、装置の異常を判断する異常判断手段を備えている手段としたことで、操舵フィーリングの変化として関知される他に、光りや音によって、運転者に装置の異状発生を確実に認識させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1のパワーステアリング装置の全体の概略構成図である。
【図2】発明の実施の形態1のパワーステアリング装置の左操舵時の状態を示す作用説明図である。
【図3】発明の実施の形態1のパワーステアリング装置の右操舵時の状態を示す作用説明図である。
【図4】発明の実施の形態1のパワーステアリング装置の故障時の状態を示す作用説明図である。
【図5】発明の実施の形態2のパワーステアリング装置を示す要部拡大図である。
【図6】付勢手段の他の例を示す要部拡大図である。
【図7】従来例のパワーステアリング装置を示す全体の概略構成図である。
【符号の説明】
21 ステアリングホイール
22 操舵軸
23 出力軸
24 ラック・ピニオン
25a 左前輪
25b 右前輪
26 トルクセンサ(操舵力検出手段・操舵方向検出手段)
27 油圧シリンダ
28 油圧回路
29 筒状シリンダ部
30 ピストンロッド
31 ピストン
32 第1油圧室
33 第2油圧室
34 第1連通路
35 第2連通路
36 ポンプモータ
37 可逆式ポンプ
38 開放機構
39 リザーバ
40 バイパス通路
40a 弁口
40b 弁口
40c 端部
40d 端部
41 ポペット弁
41a 弁体
41b 弁孔
41c 受圧室
41d シールリング
42 ポペット弁
42a 弁体
42b 弁孔
42c 受圧室
42d シールリング
43 圧力制御弁(差圧発生手段)
43a ボール弁体
43b リターンスプリング
44 圧力制御弁(差圧発生手段)
44a ボール弁体
44b リターンスプリング
45 連通路
46 連通路
47 逆止弁
48 逆止弁
49 第3連通路
50 引っ張りスプリング(付勢手段)
51 引っ張りスプリング(付勢手段)
52a ストッパ部材(規制手段)
52b ストッパ部材(規制手段)
55 供給路
56 コントローラ(電動機制御手段)
57 圧縮スプリング(付勢手段)

Claims (4)

  1. 操舵機構に連係された操舵軸と、
    前記操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    該油圧パワーシリンダの両各油圧室に対し第1連通路、第2連通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、
    該可逆式ポンプを正・逆回転駆動させる電動機と、
    前記操舵軸の回転方向を検出する操舵方向検出手段と、
    前記操舵軸に作用する操舵力を検出する操舵力検出手段と、
    該操舵力検出手段で検出された操舵力信号および前記操舵方向検出手段で検出された操舵軸の回転方向信号に基づき前記電動機に対し駆動信号を出力する電動機制御手段と、
    前記油圧パワーシリンダの両油圧室相互間または前記第1、第2両連通路相互間をバイパスするバイパス通路と、
    該バイパス通路の途中に介装され、前記第1連通路および第2連通路からの液圧信号に基づいてバイパス通路の開閉を行う一対のポペット弁と、
    前記バイパス通路を開く方向に前記一対のポペット弁を付勢する付勢手段と、を備え、
    前記両ポペット弁がその作動方向において同一軸線方向に配置されると共に、両ポペット弁の少なくともいずれか一方には、軸方向対向面がもう一方に当接することによっていずれか一方のポペット弁がバイパス通路を閉じる方向に作動した状態においてはもう一方のポペット弁はバイパス通路を閉じた状態にならないように相互間の作動範囲を規制する規制手段が設けられていることを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記規制手段が両ポペット弁にそれぞれ設けられることにより、両ポペット弁が同一形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  3. 前記第1連通路と第2連通路の途中にそれぞれ差圧発生手段を備え、
    前記一対のポペット弁が、前記差圧発生手段より上流側の第1連通路と第2連通路の液圧信号に基づいてそれぞれバイパス通路の開閉を行うように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のパワーステアリング装置。
  4. 前記操舵力検出手段で検出された操舵軸に作用する操舵力が所定値以上である時は、装置の異常を判断する異常判断手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパワーステアリング装置。
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