JP4157547B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パワーステアリング装置に関し、特に、油圧パワーシリンダにより操舵補助力を発生させるものに関する。
従来のこの種のパワーステアリング装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。この、従来例のパワーステアリング装置は、該従来例公報の図1に示すように、可逆式ポンプとパワーシリンダの左右の油圧室とを連通する油路(油圧ライン44a、44b)上にリリーフ弁(54a、54b)が設けられている。このリリーフ弁は油圧回路内圧が所定値以上となった場合に、作動油を他方の油路に迂回させ、油圧回路が過負荷状態とならないようにしている。
特開2001−1918号公報
しかしながら、この従来例のパワーステアリング装置においては、オイルポンプの作動しない非操舵アシスト時に油圧パワーシリンダの一方の油圧室と他方の油圧室を接続する油圧回路の内圧がほぼ大気圧とされるため、路面からのキックバックが入力された時等に油圧パワーシリンダが容易に動き、ステアリングが不安定になり易いことが問題となっている。また、上記パワーステアリング装置は、非操舵アシスト時に油圧回路内の圧力がほぼ大気圧とされることから、操舵アシスト時にオイルポンプが作動を開始してから油圧が十分に立ち上がるまでに時間がかかり、油圧パワーシリンダの作動遅れが生じることも問題となっている。即ち、油圧回路内の作動油は非圧縮性の流体であるものの、油圧が設定圧以上になるまでは混入している気泡が十分に消失しないため、油圧が十分に立ち上がって気泡が消失するまでは油圧パワーシリンダの圧力が急激に上がらず、このことが、油圧パワーシリンダの作動遅れの原因となっている。
また、前記リリーフ弁の開弁圧は、通常操舵時の油圧回路内圧では開弁しないように高く設定する必要があるため、油圧回路内圧は最大でリリーフ弁の開弁圧まで上昇することになるが、この状態で操舵アシストをする場合においては、パワーシリンダにおける左右の油圧室に所定の差圧を発生させて操舵アシスト力を発生させるためには、油圧回路内圧が低圧の時に比べ、より高いポンプ圧力が必要になる。このため、可逆式ポンプを駆動する電動モータの駆動電流を高く設定しておく必要があり、これが、消費電力の増加を招く原因になっているという問題点がある。また、駆動電流を高く設定した場合には、電動モータや駆動素子の発熱量も大きくなることから、回路が過熱状態になる虞があるという問題点もある。
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、非操舵アシスト時の油圧パワーシリンダのフラツキを少なくし、操舵アシスト時の油圧パワーシリンダの作動応答性を高め、これにより、路面からのキックバックに対するステアリングの安定性の向上と、操舵アシストの応答性の向上を図ることができ、さらに、油圧回路が過負荷状態となることを防止することができると共に、可逆式ポンプの駆動エネルギーを低減でき、かつ、回路が過熱状態になることを防止することができるパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明請求項1記載のパワーステアリング装置は、操舵機構に連係された操舵軸と、前記操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、該油圧パワーシリンダの両各油圧室に対し第1油圧回路と第2油圧回路を介してそれぞれ油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、前記可逆式ポンプを正・逆回転駆動可能な駆動手段と、前記可逆式ポンプに供給される作動油を貯留するリザーバタンクと、前記可逆式ポンプ内の作動油を前記リザーバタンクに排出するドレン通路と、前記ドレン通路に設けられたオリフィスと、該オリフィスと前記リザーバタンクとの間の前記ドレン通路に設けられ、所定圧以上のとき前記可逆式ポンプ内から前記リザーバタンクへ作動油を排出する差圧弁と、を備え、前記ドレン通路から前記リザーバタンクへ作動油が排出される開口部と前記差圧弁は1組のみ設けられ、前記差圧弁の開弁圧は、操舵時の前記第1油圧回路または前記第2油圧回路内の圧力より小さいことを特徴とする。
よって、差圧弁が所定の値に設定された開弁圧で開弁して油圧をリザーバタンク側に逃がすため、油圧回路が過負荷状態となることを防止できるようになると共に、可逆式ポンプの駆動エネルギーを低減でき、かつ、回路が過熱状態になることを防止することができるようになるという効果が得られる。また、油圧パワーシリンダにおける両油圧室内が差圧弁の開弁圧に保持されるため、非操舵アシスト時の油圧パワーシリンダのフラツキが少なくなると共に、操舵アシスト時の油圧パワーシリンダの作動応答性が高められ、これにより、路面からのキックバックに対するステアリングの安定性の向上と、操舵アシストの応答性の向上を図ることができるようになるという効果が得られる。
以下、本発明のパワーステアリング装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、本発明の実施例1の構成を図1に基づいて説明する。
図1は、発明の実施例1のパワーステアリング装置を示す全体の概略構成図であり、この図に示すように、操舵入力手段であるステアリングホイール21が連結された操舵軸22と、該操舵軸22の下端部の出力軸23に設けられたラック&ピニオン24と、出力軸23の下端側に設けられて操舵軸22の回転方向および操舵軸22に作用する操舵力を検出する操舵力センサ26と、前記ラックに連繋された油圧パワーシリンダ27と、該油圧パワーシリンダ27に油圧を給排する油圧回路28と、を備えている。
前記油圧パワーシリンダ27は、車体幅方向に延設された筒状シリンダ部29内を前記ラックに連繋したピストンロッド30が貫通していると共に、該ピストンロッド30に筒状シリンダ部29内を摺動するピストン31が固定されている。また、筒状シリンダ部29内にはピストン31によって左右の第1油圧室32と第2油圧室33が隔成されている。なお、25a、25bは、ピストンロッド30の両端部にリンクを介して連繋された左右前輪である。
前記油圧回路28は、各一端部が前記各油圧室32、33に接続された一対の第1油圧回路34および第2油圧回路35と、該両油圧回路34、35の他端部に接続される一対の吐出口34a、35aを備えていて電動モータ(駆動手段)36によって正逆回転可能なギヤ式の可逆式ポンプPと、内部に作動油を貯留したリザーバタンクRTとを備えている。
次に、前記可逆式ポンプPの構成を図2(可逆式ポンプP部分を示す一部断面図)に基づいて説明すると、可逆式ポンプPは、ポンプヘッド1と、ギヤケース2と、サイドプレート3と、駆動ギヤ4と、従動ギヤ5とを主な構成要素として備えている。
前記ポンプヘッド1は、その一方の端面に前記電動モータ36がボルト36aにより締結固定されると共に、反対側の端面に前記ギヤケース2とサイドプレート3が図示を省略したボルトにより締結固定されている。また、ポンプヘッド1における電動モータ36とは反対側の端面には、前記ギヤケース2とサイドプレート3の外周を包囲する状態で前記リザーバタンクRTが図示を省略したボルトにより締結固定されている。
前記駆動ギヤ4と従動ギヤ5は、ギヤケース2内で、ポンプヘッド1とサイドプレート3との間に形成されるポンプ室内に歯部を互いに噛み合わせた状態で回転自在に収容され、各回転軸4a、5aの両端部が、それぞれポンプヘッド1およびサイドプレート3に形成された軸支穴1a、1b、3a、3bに対しそれぞれベアリング6を介して回転自在に軸支されている。
前記駆動ギヤ4の回転軸4aの一端は、ポンプヘッド1に形成された貫通穴1c内において回転継ぎ手7を介して電動モータ36の回転軸36bに連結されると共に、貫通穴1cに備えた回転シール部材8により、貫通穴1cと軸支穴1aとの間が液圧シールされている。
前記軸支穴1a、1b、3a、3bの相互間がその低部においてリザーバタンクRT内に開口するドレン流路(第2連通路)9と連通されていて、このドレン流路9におけるリザーバタンクRTへの開口部付近には、ドレン流路9側からリザーバタンクRT側への流れを許容する差圧弁10が介装されている。
この差圧弁10は、ドレン流路9をリザーバタンクRT側から開閉自在に閉塞する球弁10aと、該球弁10aを所定の圧力で閉じる方向に押圧するスプリング10bとで構成されていて、所定の設定開弁圧以上で開弁するようになっている。なお、この発明の実施例1では、開弁圧が5kg/cm2 に設定されている。
以上のように、ドレン流路9が形成されることで、油圧回路28を構成する可逆式ポンプPのポンプ室とドレン流路9との間が可逆式ポンプPにおける摺動クリアランスk1、k2および軸支穴1a、1b、3a、3bを介して連通された状態となっている。
即ち、前記駆動ギヤ4および従動ギヤ5の両側面と、ポンプヘッド1およびサイドプレート3との摺動面には少なからず作動油がリークする微小な摺動クリアランスk1、k2が形成されていると共に、該摺動クリアランスk1、k2はポンプ室と連通すると同時に、両ギヤ4、5の各回転軸4a、5aを回転自在に軸支する軸支穴1a、1b、3a、3bと連通されているため、該軸支穴1a、1b、3a、3bに装着されたベアリング6の隙間および前記摺動クリアランスk1、k2を経由して油圧回路28とドレン流路9との間が連通された状態となっている。そして、前記摺動クリアランスk1、k2は、作動油がわずかにリークする程度に絞られた部分であるため、ドレン流路9を絞るオリフィスとしての役目をなすことになる。
また、前記第1油圧回路34および第2油圧回路35にはリザーバタンクRTとの間を連通する補給流路(第1連通路)11、12が設けられ、該両補給流路11、12には、リザーバタンクRT側から第1油圧回路34および第2油圧回路35側への流れのみを許容する一方向弁13、14が介装されている。
前記電動モータ36は、マイクロコンピュータを備えたコントロールユニットECUから出力される制御電流によって正逆回転制御されるようになっており、このコントロールユニットECUは、前記操舵力センサ26からの操舵入力トルク等の情報信号に基づいて演算により前記制御電流を出力する。
次に、本発明の実施例1の作用・効果を説明する。この発明の実施例1では、上述のように構成されるため、運転者がステアリングホイール21を図中矢印で示すように左に回転させると、コントロールユニットECUからの制御信号によって電動モータ36が例えば正転制御されるのに伴って、可逆式ポンプPも正転駆動される。かかるポンプ作用により可逆式ポンプPから吐出された作動油が第1油圧回路34を経由して第1油圧室32に供給されると同時に、可逆式ポンプPの吸引作用によって第2油圧室33内の作動油が第2油圧回路35を経由して可逆式ポンプP内に吸引される。
従って、第1油圧室32および第2油圧室33に相対的に油圧が供給あるいは排出されて、運転者によるステアリングホイール21の左回転操舵力にアシスト力を付与するもので、これによって、左回転操舵の負荷が軽減してステアリングホイール21の操作性を向上させることができる。
そして、この発明の実施例1のパワーステアリング装置では、上述のように、油圧回路28を構成する第1油圧回路34および第2油圧回路35とリザーバタンクRTとを連通するドレン流路(第2連通路)9に摺動クリアランスk、kで構成されるオリフィスが介装されると共に、該オリフィスとリザーバタンクRTとの間のドレン流路9には第1油圧回路34および第2油圧回路35側からリザーバタンクRT側への流れのみを許容する差圧弁10が設けられているため、この差圧弁10の開弁圧を5kg/cm2 程度に設定しておくことにより、油圧回路28の内圧が開弁圧である5kg/cm2 以上になると、この差圧弁10が開弁することによって油圧回路28が過負荷状態になることを防止できるようになるという効果が得られる。
また、可逆式ポンプP(電動モータ36)の停止時、即ち、非操舵時には、油圧回路28の内圧と摺動クリアランスk、kで構成されるオリフィスの下流側(差圧弁10の上流側)圧力と同圧となるため、図3のタイムチャート(油圧回路内圧)に示すように、油圧回路28の内圧が差圧弁10の設定開弁圧である5kg/cm2 に保持されることになる。そして、この差圧弁10は、油圧回路28とは摺動クリアランスk、kで構成されるオリフィスを介して設けられることで、可逆式ポンプPの吐出時に差圧弁10にかかる圧力はポンプ吐出圧よりはるかに小さなものとなるため、この差圧弁10の開弁圧を上述のように低く設定することが可能となる。
従って、可逆式ポンプP(電動モータ36)の再駆動時においては、低いポンプ吐出圧で油圧パワーシリンダ27における左右油圧室32、33間に所定の差圧を発生させることができるようになるため、低いポンプ吐出圧(低い駆動出力)で所望の操舵アシスト量が得られるようになるもので、これにより、電動モータ36の駆動エネルギーである駆動電力を低く設定できるため、消費電力を低減できるようになると共に、電動モータ36および駆動素子の発熱量が抑えられて回路が過熱状態に陥ることを防止できるようになるという効果が得られる。また、ポンプ吐出圧が小さくてすむため、可逆式ポンプPおよび電動モータ36の容量が小さくてよく、これにより、コストダウンが可能となる。
また、上述のように、可逆式ポンプPの駆動部に形成された摺動クリアランスk、kでオリフィスを構成させるようにしたため、もともと構造上少なからずリークが生じているギヤ端面部分の摺動クリアランスk、kを前記オリフィスとして有効利用できるため、特別にオリフィスおよびオリフィス流路を設ける必要がなく、従って、コストを低減化することができる。
以上のように、ドレン流路9が形成されることで、油圧回路28を構成する可逆式ポンプPのポンプ室とドレン流路9との間が可逆式ポンプPにおける摺動クリアランスk1、k2および軸支穴1a、1b、3a、3bを介して連通された状態となっている。従って、ベアリング6が装着された軸支穴1a、1b、3a、3bに作動油が流れることで、ベアリング6が常に潤滑された状態となって耐久性を高めることができるようになる。
また、摺動クリアランスk、kの下流側に前記差圧弁10が設けられることで、ポンプ室からのリーク量を低減できるようになる。また、可逆式ポンプPの内部が過負荷状態になりそうになった場合には、差圧弁10が開弁することで、可逆式ポンプPのシール部材等に過負荷がかかることを防止できるようになる。
また、非操舵アシスト時においては、図3に示すように、油圧パワーシリンダ27における両油圧室32、33内が差圧弁10の開弁圧である5kg/cm2に保持されるため、操舵操作開始時における操舵アシスト時における油圧の立ち上がりが早くなって油圧パワーシリンダの作動応答性が高められ、これにより、操舵アシストの応答性の向上が図れるようになると共に、非操舵アシスト時に路面からのキックバックによって油圧パワーシリンダが容易に動くことが抑制されてフラツキを少なくすることができ、これにより、路面からのキックバックに対するステアリングの安定性の向上が図れるようになるという効果が得られる。
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。なお、この他の発明の実施の形態の説明にあたっては、前記発明の実施例1と同様の構成部分は図示および説明を省略し、または同一の符号を付してその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
この発明の実施例2のパワーステアリング装置は、図4の全体概略構成図に示すように、操舵軸21に、該操舵軸21の回転方向、回転速度および回転角を検出する操舵状態検出手段であるロータリエンコーダREを備え、コントロールユニットECUにおいてこのロータリエンコーダREからの出力信号に基づいて電動モータ36を駆動制御することにより、操舵および操舵アシストを行うようにした形式のパワーステアリング装置に本発明を適用した点が前記発明の実施例1とは相違したものである。従って、前記発明の実施例1と同様の効果が得られる。
この発明の実施例3のパワーステアリング装置は、図5の全体概略構成図に示すように、前記差圧弁10を、可逆式ポンプP側のドレン流路9ではなく、第1油圧回路34および第2油圧回路35とリザーバタンクRTとの間を接続するドレン流路91、92に介装させると共に、該ドレン流路91、92の差圧弁10より上流側にオリフィス15、16を介装させるようにした点が、前記発明の実施例1、2とは相違したものである。従って、前記発明の実施例1、2とほぼ同様の効果が得られる。
この発明の実施例4のパワーステアリング装置は、図6の全体概略構成図に示すように、前記第1油圧回路34および第2油圧回路35の途中にそれぞれ介装された第1圧力制御弁39および第2圧力制御弁40と、該第1圧力制御弁39および第2圧力制御弁40をそれぞれバイパスするバイパス連通路41、42と、該バイパスする連通路41、42の途中にそれぞれ介装されていて第1油圧室32および第2油圧室33から可逆式ポンプP方向への作動油の流通のみを許容する一方向弁43、44と、前記第1圧力制御弁39および第2圧力制御弁40と第1油圧室32および第2油圧室33との間の第1油圧回路34および第2油圧回路35とリザーバタンクRTとの間を連通する第1バイパス通路45および第2バイパス通路46と、該第1バイパス通路45および第2バイパス通路46にそれぞれ介装されていて第1油圧回路34および第2油圧回路35からの液圧信号に基づいてそれぞれ前記第1バイパス通路45および第2バイパス通路46の連通/遮断を切り換える常開の第1ポペット弁47および第2ポペット弁48と、前記第1バイパス通路45と第2バイパス通路46の合流部に介装されていてリザーバタンクRT方向への作動油の流通のみを許容する差圧弁49とが追加されている点が、前記発明の実施例1とは相違したものである。
さらに詳述すると、前記両圧力制御弁39、40は、可逆式ポンプPから油圧パワーシリンダ27方向への作動油の流通のみを許容する第1逆止弁および第2逆止弁を構成するボール弁体39a、40aを有すると共に、該各ボール弁体39a、40aを所定荷重で閉方向に付勢するリターンスプリング39b、40bを備えており、この付勢力によって油圧パワーシリンダ27側と可逆式ポンプP側との間で差圧を発生させるようになっている。
前記第1ポペット弁47および第2ポペット弁48は、その遮断方向において同一軸線状上に対向する状態で設けられるもので、第1バイパス通路45および第2バイパス通路46の途中に、ほぼ直列状態に配置された円筒状の一対の弁孔47b、48bが形成されていると共に、該各弁孔47b、48b内には外側の受圧室47c、48cと内側の連通室47d、48dとを画成するほぼ円柱状の弁体47a、48aが摺動自在に設けられている。そして、前記内側の連通室47d、48dが前記第1バイパス通路45および第2バイパス通路46の途中に介装されるもので、この内側の連通室47d、48dの途中には該内側の連通室47d、48dの連通/遮断を行う弁口47e、48eが形成されていて、前記弁体47a、48aの弁部47f、48fでこの弁口47e、48eの開閉を行うことにより第1バイパス通路45および第2バイパス通路46の連通/遮断が行われるようになっている。
前記内側の連通室47d、48d内で弁口47e、48eより内側には、該弁口47e、48eをそれぞれ開放する方向に各弁体47a、48aを押圧することにより、第1バイパス通路45および第2バイパス通路46を常時開放する方向に付勢するスプリング47j、48jが介装されている。
また、前記外側の受圧室47c、48cは、それぞれ第1導入通路50および第2導入通路51を介し、両圧力制御弁39、40と可逆式ポンプPとの間の第1油圧回路34および第2油圧回路35に連通されている。ちなみに、外側の受圧室47c、48cと弁体47a、48aを挟んで対向する内側の連通室47d、48d側は、第1バイパス通路45および第2バイパス通路46を介し、両圧力制御弁39、40と油圧パワーシリンダ27との間の第1油圧回路34および第2油圧回路35に連通された状態となっており、両圧力制御弁39、40の前後で発生する差圧によって弁体47a、48aが弁口47e、48eを閉塞する方向に作動するようになっている。
次に、この発明の実施例4の作用・効果を説明する。この発明の実施例4では、上述のように構成されるため、運転者がステアリングホイール21を図中矢印で示すように左に回転させると、コントロールユニットECUからの制御信号によって電動モータ36が例えば正転制御されるのに伴って、可逆式ポンプPも正転駆動される。かかるポンプ作用により第1油圧回路34内に吐出された作動油は、その一部が第1導入通路50から受圧室47cに流入し、これが第1圧力制御弁39を通過した作動油の油圧よりも高くなっているため、この差圧によって第1ポペット弁47側の弁体47aがスプリング47jの付勢力に抗して、右方向に押圧されて、弁体47aが弁口47eを閉塞する。一方、第2ポペット弁48側の弁体48aはスプリング48jの付勢力で弁口48eが開放された状態に維持されている。
これによって、前記可逆式ポンプPから吐出された作動油が第1圧力制御弁39のボール弁体39aをリターンスプリング39bの付勢力に抗して押し開きながら第1油圧室32に供給されると同時に、可逆式ポンプPの吸引作用によって第2油圧室33内から第2油圧回路35内に流出された作動油は、一旦第2バイパス通路46に流入してここから連通路42に入り、ここで逆止弁44を開いて、再び第2油圧回路35から可逆式ポンプP内に吸引される一方、第2バイパス通路46の途中に介装された連通室48dを経由してリザーバタンクRTに還流される。
従って、第1油圧室32および第2油圧室33に相対的に油圧が供給あるいは排出されて、運転者によるステアリングホイール21の左回転操舵力にアシスト力を付与するもので、これによって、左回転操舵の負荷が軽減してステアリングホイール21の操作性を向上させることができる。
そして、油圧回路28内の残圧が前記差圧弁49の開弁圧以上となった場合には、該差圧弁49が開弁することで、油圧回路28が過負荷状態になることが防止される。なお、この差圧弁49の開弁圧は前記差圧弁10の開弁圧よりは高い値に設定されている。従って、この発明の実施例4のパワーステアリング装置においても、前記発明の実施例1と同様の効果が得られる他、差圧弁10が故障した場合にも差圧弁49が作動することで、油圧回路28が過負荷状態になることを防止できるようになるという追加の効果が得られる。
以上発明の実施例を図面により説明したが、具体的な構成はこれらの発明の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、発明の実施例4では、第1バイパス通路45および第2バイパス通路46を第1油圧回路34および第2油圧回路35にそれぞれ接続したが、油圧パワーシリンダ27の両油圧室32、33にそれぞれ直接接続させるようにしてもよい。また、発明の実施例4では、差圧を発生させる手段として、圧力制御弁を用いたが、オリフィスを用いることもできる。
更に、上記実施例から把握しうる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(a)操舵機構に連係された操舵軸と、
前記操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
該油圧パワーシリンダの両各油圧室に対し第1油圧回路および第2油圧回路を介してそれぞれ油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、
前記可逆式ポンプを正・逆回転駆動可能な駆動手段と、
前記油圧パワーシリンダの両油圧室、第1油圧回路、第2油圧回路および可逆式ポンプ等から構成される油圧回路とリザーバタンクとを連通する第1連通路および第2連通路と、
前記第1連通路に設けられていて前記リザーバタンク側から前記油圧回路側への流れを許容する一方向弁と、
前記第2連通路に設けられたオリフィスと、
該オリフィスと前記リザーバタンクとの間の前記第2連通路に設けられていて前記油圧回路側から前記リザーバタンク側への流れを許容する差圧弁と、
を備えていることを特徴とするパワーステアリング装置。
上述のように、油圧パワーシリンダの両油圧室、第1油圧回路、第2油圧回路および可逆式ポンプ等から構成される油圧回路とリザーバタンクとを連通する第1連通路および第2連通路と、第1連通路に設けられていてリザーバタンク側から油圧回路側への流れを許容する一方向弁と、第2連通路に設けられたオリフィスと、該オリフィスとリザーバタンクとの間の第2連通路に設けられていて油圧回路側からリザーバタンク側への流れを許容する差圧弁と、を備えている手段としたことで、該差圧弁が所定の値に設定された開弁圧で開弁して油圧をリザーバタンク側に逃がすため、油圧回路が過負荷状態となることを防止できるようになると共に、可逆式ポンプの駆動エネルギーを低減でき、かつ、回路が過熱状態になることを防止することができるようになるという効果が得られる。
また、油圧パワーシリンダにおける両油圧室内が差圧弁の開弁圧に保持されるため、非操舵アシスト時の油圧パワーシリンダのフラツキが少なくなると共に、操舵アシスト時の油圧パワーシリンダの作動応答性が高められ、これにより、路面からのキックバックに対するステアリングの安定性の向上と、操舵アシストの応答性の向上を図ることができるようになるという効果が得られる。
(b)前記第2連通路が前記可逆式ポンプのポンプ室と前記リザーバタンクとの間を連通する状態で設けられ、前記可逆式ポンプの駆動部に形成された摺動クリアランスで前記オリフィスが構成されていることを特徴とする上記(a)記載のパワーステアリング装置。
前記第2連通路が可逆式ポンプのポンプ室とリザーバタンクとの間を連通する状態で設けられ、可逆式ポンプの駆動部に形成された摺動クリアランスで前記オリフィスが構成されている手段としたことで、もともと構造上少なからずリークが生じているギヤ端面部分の摺動クリアランスを前記オリフィスとして有効利用できるため、特別にオリフィスを設ける必要がなく、コストを低減化することができる。また、摺動クリアランスの下流側に前記差圧弁が設けられることで、ポンプ室からのリーク量を低減できるようになる。また、ポンプ内部が過負荷状態となった場合には、差圧弁が開弁することで、可逆式ポンプのシール部材等に過負荷がかかることを防止できるようになる。
発明の実施例1のパワーステアリング装置の全体の概略構成図である。 発明の実施例1のパワーステアリング装置における可逆式ポンプ部分を示す一部断面図である。 発明の実施例1のパワーステアリング装置における油圧回路内圧を示すタイムチャートである。 発明の実施例2のパワーステアリング装置を示す全体の概略構成図である。 発明の実施例3のパワーステアリング装置を示す全体の概略構成図である。 発明の実施例4のパワーステアリング装置を示す全体の概略構成図である。
符号の説明
ECU コントロールユニット
RE ロータリエンコーダ
RT リザーバタンク
k1 クリアランス(オリフィス)
k2 クリアランス(オリフィス)
P 可逆式ポンプ
1 ポンプヘッド
1a 軸支穴
1b 軸支穴
1c 貫通穴
2 ギヤケース
3 サイドプレート
3a 軸支穴
3b 軸支穴
4 駆動ギヤ
4a 回転軸
5 従動ギヤ
5a 回転軸
6 ベアリング
7 回転継ぎ手
8 回転シール部材
9 ドレン流路(第2連通路)
91 ドレン流路(第2連通路)
92 ドレン流路(第2連通路)
10 差圧弁
10a 球弁
10b スプリング
11 補給通路(第1連通路)
12 補給通路(第1連通路)
13 一方向弁
14 一方向弁
15 オリフィス
16 オリフィス
21 ステアリングホイール
22 操舵軸
23 出力軸
24 ラック&ピニオン
25a 左前輪
25b 右前輪
26 トルクセンサ
27 油圧パワーシリンダ
28 油圧回路
29 筒状シリンダ部
30 ピストンロッド
31 ピストン
32 第1油圧室
33 第2油圧室
34 第1油圧回路
34a 吐出口
35 第2油圧回路
35a 吐出口
36 電動モータ(駆動手段)
36a ボルト
36b 回転軸
37a 吐出口
37b 吐出口
39 第1圧力制御弁
39a ボール弁体
39b リターンスプリング
40 第2圧力制御弁
40a ボール弁体
40b リターンスプリング
41 バイパス連通路
42 バイパス連通路
43 一方向弁
44 一方向弁
45 第1バイパス通路
46 第2バイパス通路
47 第1ポペット弁
47a 弁体
47b 弁孔
47c 受圧室
47d 連通室
47e 弁口
47f 弁部
47j スプリング
48 第2ポペット弁
48a 弁体
48b 弁孔
48c 受圧室
48d 連通室
48e 弁口
48f 弁部
48j スプリング
49 差圧弁
50 第1導入通路
51 第2導入通路

Claims (3)

  1. 操舵機構に連係された操舵軸と、
    前記操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    該油圧パワーシリンダの両各油圧室に対し第1油圧回路と第2油圧回路を介してそれぞれ油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、
    前記可逆式ポンプを正・逆回転駆動可能な駆動手段と、
    前記可逆式ポンプに供給される作動油を貯留するリザーバタンクと、
    前記可逆式ポンプ内の作動油を前記リザーバタンクに排出するドレン通路と、
    前記ドレン通路に設けられたオリフィスと、
    該オリフィスと前記リザーバタンクとの間の前記ドレン通路に設けられ、所定圧以上のとき前記可逆式ポンプ内から前記リザーバタンクへ作動油を排出する差圧弁と、
    を備え、
    前記ドレン通路から前記リザーバタンクへ作動油が排出される開口部と前記差圧弁は1組のみ設けられ、前記差圧弁の開弁圧は、操舵時の前記第1油圧回路または前記第2油圧回路内の圧力より小さいこと
    を特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 操舵機構に連係された操舵軸と、
    前記操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    該油圧パワーシリンダの両各油圧室に対し第1油圧回路と第2油圧回路を介してそれぞれ油圧を供給する一対の吐出口を備えた可逆式ポンプと、
    前記可逆式ポンプを正・逆回転駆動可能な駆動手段と、
    前記可逆式ポンプに供給される作動油を貯留するリザーバタンクと、
    前記可逆式ポンプ内の作動油を前記リザーバタンクに排出するドレン通路と、
    前記ドレン通路に設けられ、所定圧以上のとき前記可逆式ポンプ内から前記リザーバタンクへ作動油を排出する差圧弁と、
    を備え、
    前記ドレン通路から前記リザーバタンクへ作動油が排出される開口部と前記差圧弁は1組のみ設けられ、前記ドレン通路は前記可逆式ポンプの駆動軸の軸受部分に連通されること
    を特徴とするパワーステアリング装置。
  3. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
    前記可逆式ポンプの駆動部に形成された摺動クリアランスで前記オリフィスが構成されていること
    を特徴とするパワーステアリング装置。
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