JP2005319832A - 車両のロール制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 搭乗者に違和感を与えることのない車両のロール制御装置を提供する。
【解決手段】 スタビライザ1f(1r)に連結されるアクチュエータ2f(2r)と、流体圧源20と、流体圧源20に接続されるリザーバRとを有し、流体圧源20で発生する流体圧を当該アクチュエータ2f(2r)の2つの圧力室のいずれかに供給してスタビライザ1f(1r)の捩り力を高めて車体のロールを抑制する車両のロール制御装置において、流体圧源20と上記アクチュエータ2f(2f)との間に、流体圧源20と各圧力室との連通を選択的に切換えるとともに流体圧源20に連通された一方の圧力室へ供給される流体圧を調整可能な制御弁12f(12r)を設けたことを特徴とする車両のロール制御装置。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両等に搭載されると共にスタビライザに連繋されてスタビライザの捩り力を調節して車体のロールを抑制する車両のロール制御装置に関する。
従来、この種の形式における車両のロール制御装置としては、たとえば、前後のスタビライザ毎にアクチュエータを結合するとともに、油圧源に対し2つの圧力制御弁を直列に配置するとともに、各圧力制御弁で制御された油圧を前後の各アクチュエータのそれぞれの圧力室のいずれかに供給する方向切換弁を設けたものが知られている(特許文献1参照)。
そして、上記車両のロール制御装置は、たとえば、車両が旋回走行(コーナリング)に入って車体に横加速度が作用するようになると、上記圧力制御弁および上記方向切換弁を駆動して油圧源から各アクチュエータに油圧を供給し、これにより各アクチュエータが車体横加速度の方向と大きさに対応した方向のモーメントを発生し、これらモーメントにより前後輪用のスタビライザの捩り力を高めてそのとき遠心力で車体に作用するロールモーメントと拮抗する反対方向のロールモーメントを車体に加え、当該車体に生じるロール運動を効果的に抑制する。
特表2003−525159号公報(図1)
しかしながら、従来の車両のロール制御装置では、機能面で問題があるわけではないが、以下の不具合を招来する可能性があると指摘される恐れがある。
すなわち、従来の車両のロール制御装置では、前輪側および後輪側のアクチュエータへの油圧供給は、上述のように圧力制御弁および方向切換弁を別々に駆動して行われるので、圧力制御弁および方向切換弁双方の駆動のタイミングについて制御ロジックを用いて緻密に制御する必要がある。
ここで、上記駆動タイミングにあっては、上記両バルブ(圧力制御弁および方向切換弁)の駆動が同時に行われることが望ましい。たとえば、圧力制御弁が方向切換弁に先んじて駆動して昇圧してしまうと、その後方向切換弁の駆動によって切換動作するとアクチュエータの圧力室に急激にある程度高まった油圧が作用することとなり、アクチュエータに衝撃が加わると同時にその初期動作が急激となって、車両の搭乗者が違和感を覚えてしまう。
また、逆に方向切換弁が圧力制御弁に先んじて駆動してしまうと、アクチュエータの圧力室内の圧力が高まるまでの間は充分なロール抑制効果が得られず、結果的に、その間車体にはロールが生じてしまい、その後車体をフラットな姿勢に戻すこととなり、やはり搭乗者が違和感を覚えてしまう。
したがって、上述したように両バルブの駆動が同時に行われることが望ましいが、実際には上記制御ロジックを用いて制御することは困難なことが予想される。
なぜならば、現実の製品としての圧力制御弁および方向切換弁には製品毎に応答性のバラツキがあるのが常であり、上記両バルブを制御する制御装置が、制御ロジックに従って駆動信号を上記両バルブに出力したとしても、上記応答性のバラツキによって両バルブを同時駆動することができないからである。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、搭乗者に違和感を与えることのない車両のロール制御装置を提供することである。
上記した目的を達成するため、スタビライザに連結されるアクチュエータと、流体圧源と、流体圧源に接続されるリザーバとを有し、流体圧源で発生する流体圧を当該アクチュエータの2つの圧力室のいずれかに供給してスタビライザの捩り力を高めて車体のロールを抑制する車両のロール制御装置において、流体圧源と上記アクチュエータとの間に、流体圧源と各圧力室との連通を選択的に切換えるとともに流体圧源に連通された一方の圧力室へ供給される流体圧を調整可能な制御弁を設けたことを特徴とする。
また、車両前後輪のスタビライザにそれぞれ連結される前輪側および後輪側のアクチュエータと、流体圧源と、流体圧源に接続されるリザーバとを有し、流体圧源で発生する流体圧を当該アクチュエータの2つの圧力室のいずれかに供給してスタビライザの捩り力を高めて車体のロールを抑制する車両のロール制御装置において、流体圧源と各アクチュエータとの間にそれぞれ流体圧源と各圧力室との連通を選択的に切換えるとともに流体圧源に連通された一方の圧力室へ供給される流体圧を調整可能な前輪側および後輪側の制御弁を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、アクチュエータの各圧力室に負荷される流体圧力を最適なものとすることができ、制御弁は、アクチュエータへ供給圧力の制御とアクチュエータの各圧力室への圧力供給の切換とを同じタイミングで行うことができるから、アクチュエータに衝撃が加わると同時にアクチュエータの初期動作が急激となってしまったり、アクチュエータの圧力室内の圧力が高まるまでの間は充分なロール抑制効果が得られずロール後に車体をフラットな姿勢に戻すこととなったりして搭乗者が違和感を覚えてしまうという弊害がない。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における車両のロール制御装置の油圧回路図である。図2は、車両のロール制御装置のアクチュエータとスタビライザを示す斜視図である。図3は、一実施の形態における具体的な制御弁の縦断面図である。図4は、一実施の形態の変形例における車両のロール制御装置の油圧回路図である。図5は、他の実施の形態における車両のロール制御装置の油圧回路図である。図6は、他の実施の形態における具体的な制御弁の縦断面図である。図7は、他の実施の形態の変形例における車両のロール制御装置の油圧回路図である。図8は、車両のロール制御装置の他のアクチュエータとスタビライザを示す斜視図である。
まず、図1に示した一実施の形態における車両のロール制御装置について説明する。本実施の形態の場合、前輪側及び後輪側のアクチュエータ2f,2rは、いわゆる、油圧で駆動する揺動型のアクチュエータとして構成され、たとえば、具体的には図示はしないが、内壁面に180度の間隔を保って構成した二つの隔壁をもつハウジングと、このハウジングの内部に対して外周面に同じく180度の間隔を置いて構成した二枚のベーンをもつロータを回動自在に納めて構成してある。したがって、この実施の形態の場合、流体は作動油となる。
また、ロータは、中心部分をハウジングの内壁に設けた隔壁の先端に摺接し、かつ、ベーンの先端をハウジングの内壁に摺接させることによって、ハウジング内をロータで2つの圧力室に区画し、ハウジングには、2つの圧力室に開口するポート10f,10r,11f,11rが穿設してある。
これにより、各アクチュエータ2f,2rは、ポート10f,10r,11f,11rを通して一方の圧力室または他方の圧力室に流体圧たる油圧を加えることで揺動可能なようになっている。なお、上述したところでは、各アクチュエータ2f,2rをいわゆるダブルベーン形の揺動形アクチュエータとしているが、シングルベーン形やトリプルベーン形としてもよいことは無論であり、ダブルベーン形の二枚のベーン間隔を180度以外の角度としてもよい。
そして、前輪用のスタビライザ1fは、図2に示すように、トーションバー部分を中央で二つに分割して構成し、この分割した部分の一方を前輪側における油圧ロータリ式のアクチュエータのハウジング側に、また、他方をロータ側に固定して構成してある。同様に、後輪用のスタビライザ1rもまた、それをトーションバー部分の中央で二分割し、この分割した部分の一方を後輪側におけるロータリ式のアクチュエータのハウジング側に、また、他方をロータ側に結合することによって構成してある。
このようにして、前輪側におけるアクチュエータ2fは、前輪用のスタビライザ1r,1fに対するスタビライザの捩り力可変用のアクチュエータとして作用すると共に、後輪側のアクチュエータ2rは、後輪用のスタビライザに対するスタビライザの捩り力可変用アクチュエータとしてそれぞれ作用するようにしてある。
そして、図1に示すように、前輪側アクチュエータ2fのポート10f,11fは、4ポート3位置を備え圧力制御および方向切換可能な弁として構成された前輪側の制御弁12fの制御ポートA,Bへと接続されている。つまり、給排流路25f,26fは、それぞれ制御弁12の制御ポートA、Bに接続されており、また、制御弁12fを介して供給流路30fと排出流路29fと選択的に連通または遮断されるようになっている。さらに、供給流路30fと排出流路29fとの間には逆止弁16fが設けられている。
すなわち、上記制御弁12fにおける供給ポートPは、供給流路30fを通して供給流路30f側からの作動油の流れを阻止する逆止弁16fの上流側へと結ばれており、さらに供給流路30fを上流に遡ると分流弁35の一方の出口ポートDに通じ、さらには、この分流弁35の入口ポートCに接続された供給流路40を介してリリーフ弁17の上流側および流体圧源たる油圧ポンプ20に通じている。
また、制御弁12fの排出ポートTは、排出流路29fを通して上記逆止弁16fの下流側へと結ばれており、さらに排出流路29fを下流に下るとリリーフ弁17の下流側とに通じ、さらには、排出流路41を介してリザーバRに通じている。
そして、後輪側アクチュエータ2rのポート10r,11rは、4ポート3位置を備え圧力制御および方向切換可能な弁として構成された後輪側の制御弁12rの制御ポートA,Bへと接続されている。つまり、給排流路25r,26rは、それぞれ制御弁12rの制御ポートA,Bに接続されており、また、当該制御弁12rを介して供給流路30rと排出流路29rと選択的に連通または遮断されるようになっている。さらに、供給流路30rと排出流路29rとの間には前輪側の供給流路30fと同様に逆止弁16rが設けられている。
すなわち、上記制御弁12rにおける供給ポートPは、供給流路30rを通して供給流路30r側からの作動油の流れを阻止する逆止弁16rの上流側へと結ばれており、さらに分流弁35の他方の出口ポートEに通じ、さらには、この分流弁35入口ポートCに接続された供給流路40を介してリリーフ弁17の上流側および流体圧源たる油圧ポンプ20に通じている。
また、制御弁12rの排出ポートTは、排出流路29rを通して逆止弁16rの下流側と、リリーフ弁17の下流側とに通じ、さらには、排出流路41を介してリザーバRに通じている。
なお、分流弁35は、油圧ポンプ20から供給された作動油を一定の流量比率の下で分流し、これら分流された作動油は各方向切換弁12f,12rを通してそれぞれのアクチュエータ2f,2rに分配される。
このとき、分流弁35で分流される流量比率は、この車両のロール制御装置が使用される状況、本実施の形態においてはスタビライザ1f,1rが搭載される車両に適する捩り力を発揮できるように決定すればよい。そして、リザーバRと油圧ポンプ20とは吸込み管路31とで連通されており、油圧ポンプ20から供給される作動油は、最終的にはリザーバRに導かれ各流路40,41,30f,30r,29f,29r,25f,25r,26f,26rを還流することとなる。
また、前輪側および後輪側の制御弁12f,12rは、ともに供給流路30f,30rに接続される供給ポートPを制御ポートAに、排出流路29f,29rに接続される排出ポートTを制御ポートBに連通する連通ポジションと、各制御ポートA,Bを遮断しかつ供給ポートPと排出ポートTとを連通する遮断ポジションと、供給ポートPを制御ポートBに、排出ポートTを制御ポートAに連通する連通ポジションの三つのポジションを備えた3位置4ポート弁であって、各制御ポートA,Bからアクチュエータ2f,2rへ供給する油圧を調節可能なようになっている。
この制御弁12f,12rは、具体的にはたとえば、図3に示すように、中空なバルブケース100と、バルブケース100内に摺動自在に挿入される中空なスプール110と、スプール110をバルブケース100に対し図3中左右方向に押し引き可能なソレノイドSと、スプール110の両端側から付勢する一対のバネ120,121とで構成されており、バルブケース100の内周側には4つの環状溝101,102,103,104が設けられ、バルブケース100の中央側よりに位置する環状溝102には制御ポートAが、環状溝103には制御ポートBがそれぞれ連通されている。
また、バルブケース100の環状溝101と環状溝102との間および環状溝103と環状溝104の間には、その内周と外周とを貫通する供給ポートPが穿設されており、さらに、バルブケース100の環状溝101より図3中右方および環状溝102と環状溝103との間および環状溝104より図3中左方には、その内周と外周とを貫通する排出ポートTが穿設されている。
そして、スプール110は、バルブケース100の内周に摺接する4つのランド部111,112,113,114が設けられており、このランド部111,112,113,114のそれぞれの軸方向長さは、上記ソレノイドS内のコイル130,131が励磁されずに付勢バネ120,121のみの付勢力で釣り合いを保った状態、いわゆる、スプール110が中立位置にある状態では、ランド部112,113がそれぞれ環状溝102および環状溝103に対向して当該環状溝102,103を閉塞し、他のランド部111,114は環状溝101,104にそれぞれ対向するが当該環状溝102,103を閉塞しないように設定され、また、コイル130が励磁されスプール110が図3中左方に移動された状態では、ランド部112,113がそれぞれ環状溝102,103の右端側を開放するとともランド部111,114はそれぞれ環状溝101,104の左端側を閉塞するように設定され、さらに、コイル131が励磁されスプール110が図3中右方に移動された状態では、ランド部112,113がそれぞれ環状溝102,103の左端側を開放するとともランド部111,114はそれぞれ環状溝101,104の右端側を閉塞するように設定されている。
なお、このスプール110は中空になっているので、スプール110の左右側には同じ圧力が負荷されるようになっていると同時に、左右端側の受圧面積も同じに設定され、左右端側に負荷される油圧力がスプール110の移動に影響を与えないようになっている。
したがって、この制御弁にあっては、中立位置では、供給ポートPと排出ポートTとを連通するとともに制御ポートAと制御ポートBを遮断する遮断ポジションを採り、コイル130が励磁されスプール110が図3中左方に吸引された状態では、供給ポートPを制御ポートAに、排出ポートTを制御ポートBに連通する連通ポジションを採り、さらに、コイル131が励磁されスプール110が図3中右方に吸引された状態では、供給ポートPを制御ポートBに、排出ポートTを制御ポートAに連通する連通ポジションを採り、油圧の供給方向を切換ができる。なお、供給ポートPと排出ポートTの配置および制御ポートAと制御ポートBの配置については、逆にそれぞれを入れ替えるようにして配置させてもよい。
また、この制御弁12f,12rは上記方向切換と同時に、コイル130,131への印加電流量を調節することにより、ランド部111,114とそれぞれ環状溝101,104との間の隙間PT1,PT2,PT3,PT4の大きさとランド部112,113がそれぞれ環状溝102,103を開放する開放度合いを調節でき、制御ポートA,Bへ供給する作動油の油圧力を制御可能となっている。
すなわち、隙間PT1,PT2,PT3,PT4は、コイル130,131への印加電流の調節によってその大きさが変化する可変絞りとして機能すると共に、ランド部112,113と環状溝102,103も可変絞りとして機能する。
そして、隙間PT1,PT2,PT3,PT4のいわゆるアンダーラップ寸法、つまり隙間PT1,PT2,PT3,PT4のスプール110中立位置における寸法や、ランド部112,113と環状溝102,103で構成される可変絞りのオーバーラップ寸法、すなわち、スプール110中立位置におけるランド部112,113と環状溝102,103とのラップ寸法の設定によってアクチュエータ2f,2rの昇圧と方向切換のタイミングを調節することが可能である。
ちなみに、圧力制御と方向切換のタイミングを同時に行うべく上記アンダーラップ寸法とオーバーラップ寸法とは同一に設定されているが、たとえば、アンダーラップ寸法をオーバーラップ寸法より大きくすると方向切換後に昇圧することができ、逆にオーバーラップ寸法をアンダーラップ寸法より大きくすれば昇圧後に方向切換が行われるタイミングに設定することができる。
なお、この制御弁12f,12rが遮断ポジションを採る場合には、上述のように供給ポートPおよび排出ポートTを連通し、制御ポートAおよび制御ポートBを遮断するようになっているので、油圧ポンプ20はアンロードとなり、アクチュエータ2f,2rは、揺動不能な状態、すなわちロック状態となりスタビライザ1fは通常のスタビライザとして機能することとなる。
なお、本実施の形態においては制御弁12f,12rを駆動するのに、ダブルコイルを有するプッシュプル型のソレノイドSを用いているが、スプール110の両端側にそれぞれプッシュ型のソレノイドを設けてもよい。
転じて、リリーフ弁17は、それぞれ供給流路40と排出流路41とを接続する連通路36の途中に設けられ、連通路36を連通する連通ポジションと遮断する遮断ポジションとを有し、供給流路40の内圧が異常に上昇したときパイロット圧で開いて作動油をリザーバRに逃がすようになっている。
なお、逆止弁16f,16rとしては、従来から各種の油圧機器において広く一般に用いられているものをそのまま適用すればよく、それらの構成についてはよく知られていることであるのでここでは詳細な説明を省略する。
また、アクチュエータ2f,2rに負荷される油圧力を検出するための圧力検出器22f,22rが供給流路30f,30rの途中に設けられ、供給流路30f,30r内の油圧力を検出する。このような位置に圧力検出器22f,22rを設ければ方向切換弁12f,12rが供給ポートPおよび排出ポートTを各制御ポートA,Bに連通している状態においてアクチュエータ2f,2rの圧力室内の圧力を検出することが可能である。
一方、これらと併せて、車体に作用した横加速度、舵角、車速、ヨーレートおよび圧力検出器22f,22rで検出する油圧力信号により制御弁12f,12rの各コイル130,131への電流供給量を調節するとともに、制御弁12f,12rを切換制御しつつアクチュエータ2f,2rを通してスタビライザ1f,1rの捩り力を制御するためのコントローラたるECU(図示せず)が設けてある。なお、車両のロール抑制を目的とする場合にあっては、横加速度のみに基づいて制御することも可能である。
上記ECUは、たとえば車体に作用する横加速度の方向および大きさを横加速度信号として検出する横加速度検出器(図示はしないが、例えば、車体の該当部位に設けた横加速度センサ)と、舵角を信号として検出する舵角検出器(図示せず)と、車速を信号として検出する車速検出器(図示せず)と車体のヨーレートを検出するヨーレート検出器と上述の圧力検出器22f,22rとに接続され、これら横加速度信号、舵角信号、車速信号、ヨーレート信号および圧力信号を処理し、各コイル130,131を印加して、各制御弁12f,12rを制御動作させる。
すなわち、ECUは、複数の出力端子(図示せず)を備え、これらの出力端子を信号線(図示せず)で各制御弁12f,12rの各コイル130,131に結び、当該ECUで各制御弁12f,12rを制御するようにしてある。
次に、以上のように構成したこの発明の実施の形態である車両のロール制御装置の作動について一制御例に即して説明する。
例えば、車両が平坦路を直進走行しているとき、すなわち、横加速度検出器および舵角検出器からの検出信号がないときには、車体はローリングしないので、スタビライザの捩り力を高めると乗り心地が悪くなる。そのような状態の場合には、ECUは、制御弁12f,12rの各コイル130,131への電流を断ち、制御弁12f,12rのスプール110を中立位置の遮断ポジションに切換える。その結果、油圧ポンプ20からの作動油は制御弁12f,12rの遮断ポジションにおいては供給ポートPと排出ポートTとが連通されるので排出流路29f,29rよりリザーバRへ還流する。
他方、制御弁12f,12rの遮断ポジションにより制御ポートAおよび制御ポートBは遮断されアクチュエータ2f,2rの各圧力室はロック状態となるので、アクチュエータ2f,2rの揺動不能となりスタビライザ1f,1rは通常のスタビライザ1f,1rとして機能することとなる。
上述の場合におけるECUの具体的処理は、以下のようになる。先ず、横加速度および舵角がゼロであることを、各検出器からの信号の入力がないことをもって、ECUは車両が平坦路を直進走行していることから、車体にはロールが生じていないことを認識する。そして、ECUは、各圧力室に油圧力の供給をストップするべく、上述のように制御弁12f,12rへの電流供給を断つようにする。
したがって、この場合には、上述のように油圧ポンプ20から供給される作動油は制御弁12f,12rを介してリザーバRに流入し、アクチュエータ2f,2rはロック状態に維持されることになる。
他方、コーナリング時や車速が高速であって舵角が大きい時等のように車両が旋回走行に入って車体に横加速度が発生すると、ECUには横加速度検出器、舵角検出器、ヨーレート検出器および車速検出器が検出した各信号が入力される。
ECUは、これら各検出した信号に基づいて制御弁12f,12rの各コイル130,131のいずれか一方に印加する電流量を調整し、当該制御弁12f,12rにおける隙間PT1,PT2,PT3,PT4およびランド部112,113と環状溝102,103とで構成される可変絞りの開放度合いを調節する。
これに伴い、制御弁12f,12rは、上記した中立位置以外の連通ポジションのいずれかに切換わり供給ポートPと制御ポートBおよび排出ポートTと制御ポートAを連通もしくは供給ポートPと制御ポートAおよび排出ポートTと制御ポートBを連通するように切換え動作するとともに、当該制御弁12f,12rにおける隙間PT1,PT2,PT3,PT4およびランド部112,113と環状溝102,103で構成される可変絞りの開放度合いを調節して上記油圧ポンプ20から供給される作動油の油圧力を制御しつつ、作動油を給排流路25r,26rから各アクチュエータ2f,2rにおけるそれぞれのポート10r,11rのどちらかに流入させる。
かくして、アクチュエータ2f,2rには、それぞれのポート10f,10r,11f,11rのどちらかに流入させた作動油により作動油流入側の圧力室の油圧力が高まって、スタビライザ1f,1rは、車体に生じているロールモーメントの向きと大きさに対抗する捩り力を発生して、車体のロールを抑えることが可能となる。つまり、車体にロールが発生しようとすると、前後輪用のスタビライザ1f,1rが横加速度の大きさに合わせて当該車体を反対側に傾けようとする方向に捩られる。これにより、スタビライザ1f,1rは、その方向への捩り力がアップして車体に生じようとするロール運動を抑制することになる。
また、上述の車体ロール時におけるECUの具体的処理は、以下のようになる。先ず、横加速度、車速、舵角およびヨーレートに基づいて、ECUは、車体がロールしていることを認識して、上述のように、スタビライザ1f,1rの捩り力を高くする。この場合アクチュエータ2f,2rの各圧力室のどちらかに油圧力を負荷してスタビライザ1f,1rの捩り力を高めるべきであること、すなわちスタビライザ1f,1rが発生すべき捩り力に必要な油圧値を算出する。
そして、ECUは、アクチュエータ2f,2rのそれぞれの各圧力室のどちらかに必要とされる油圧力の供給するべく、上述のように制御弁12f,12rへの電流供給を行うが、このとき圧力検出器22f,22rで検出した油圧力の値と上述の算出した油圧力の値と比較して、検出した油圧力が算出した油圧力の値と異なる場合には、制御弁12f,12rに供給している電流量を制御して、算出した油圧力値と検出した油圧力値とが同一になるように制御する。
したがって、上述のように制御弁12f,12rは、油圧ポンプ20から供給される作動油の方向を切換えると同時に、各アクチュエータ2f,2r供給される油圧力を制御することが可能である。
また、このときに、路面の凹凸によりアクチュエータ2f,2rが動かされ、供給流路30f,30r内の圧力が排出流路29f,29r内の圧力より低くなる場合には、逆止弁16f,16rが開くので、各アクチュエータ2f,2rの圧力室内が負圧となることはなく、各圧力室の油圧力が何等生じてない状態に維持される。
なお、本実施の形態においては圧力検出器22f,22rでアクチュエータ2f,2rの圧力室内の油圧力を検出しているが、圧力検出器22f,22rを使用せずとも、あらかじめ油圧ポンプの容量が決められていれば当該制御弁12f,12rにおける隙間PT1,PT2,PT3,PT4およびランド部112,113と環状溝102,103で構成される可変絞りの開放度合いによって油圧力がどの程度圧力室に負荷されているかが把握できるので、この場合には制御弁にどの程度電流を供給しているかによって油圧力の値をECUに認識させても良い。
以上より、本実施の形態の車両のロール制御装置にあっては、アクチュエータ2f、2rの各圧力室に負荷される油圧力を最適なものとすることができ、制御弁12f,12rは、アクチュエータ2f,2rへ供給圧力の制御とアクチュエータ2f,2rの各圧力室への圧力供給の切換とを同じタイミングで行うことができるから、アクチュエータに衝撃が加わると同時にアクチュエータの初期動作が急激となってしまったり、アクチュエータの圧力室内の圧力が高まるまでの間は充分なロール抑制効果が得られずロール後に車体をフラットな姿勢に戻すこととなったりして搭乗者が違和感を覚えてしまうという弊害がない。
さらに、上述のように制御弁は同じタイミングで作動油の圧力制御と方向切換を行うことができるので、その分、従来の車両のロール制御装置で必要となる両バルブの動作タイミングの制御が不要となるので、制御ロジックがシンプルとなり、制御性も向上する。
なお、本実施の形態の制御弁では、圧力制御と方向切換のタイミングを調節することも可能であるから、車両に最適となるタイミングで圧力制御と方向切換を行うように設定することもできる。
また、圧力制御弁と方向切換弁の機能を1つの制御弁が備えているので、圧力制御弁と方向切換弁の2種類のバルブを用いる必要がなくなるから、車両のロール制御装置のコストを低減することが可能となるばかりでなく、小形化、省スペース化を図ることができ、車両のロール制御装置の車両等への搭載性を向上させることができる。
なお、本実施の形態の制御弁にあっては、各圧力室の差圧制御を行うものではなく各圧力室に負荷されている油圧力を直接制御するので、路面からの突然の入力によってスタビライザに接続されているアクチュエータの各圧力室内の油圧は変動しても、リアルタイムで各圧力室内に負荷されている油圧力を把握できるので、負荷すべきモーメントを維持制御することが可能である。また、その制御も制御しずらい差圧制御ではないので、制御が簡易となり、安定的にアクチュエータに油圧力を供給することが可能である。したがって、アクチュエータに安定的な油圧力を供給することが可能であるので、ロール抑制効果が高く、車両のロール時の乗り心地が向上する。
つづいて、フェールセーフについて説明する。この車両のロール制御装置やこれを搭載している車両に何らかの異常が発生し制御不能な状態になった場合や制御弁12f,12rに対するそれぞれの信号線の断線など制御システムに異常が発生したときには、これをECUが検知してフェールモードに移行し、制御弁12f,12rの動作を停止する。
すると、制御弁12f,12rはバネ力によって中立位置の遮断ポジションに切換わる。そうすると、油圧ポンプ20から供給されている作動油は制御弁12f,12rを通過してリザーバRへ流入し、油圧ポンプ20とリザーバR間を還流することとなり、アクチュエータ2f,2rはロック状態となる。したがって、フェール時にあっては、アクチュエータ2f,2rはロック状態に維持され、スタビライザ1f,1rを通常のスタビライザとして機能させることができる。
そして、フェール時にあって、圧力制御弁15f,15rが万が一コンタミネーション等により閉じた状態となっても、油圧ポンプ20から供給される作動油は、供給流路30f,30r内の油圧力が高まるので、連通路36のリリーフ弁17が開放されリザーバRへと流入することとなるので、捩り剛性力制御装置が損傷することが防止される。
以上が、車両のロール制御装置の基本的な作動であるが、本実施の形態における車両のロール制御装置の制御にあたっては、上記した制御手法は一例であって、これ以外の制御手法によってもよく、実際この車両のロール制御装置が搭載される車両等に応じて最適となる制御手法を採用すればよい。
つづいて、図4に示した本発明の一実施の形態の変形例における車両のロール制御装置について説明する。なお、上述した一実施の形態と同様の部材については説明が重複するので、同一の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略することとする。
この変形例における車両のロール制御装置は、圧力検出器を設ける位置とその設置数が、上述の一実施の形態における車両のロール制御装置と異なる。具体的には、上述の一実施の形態における車両のロール制御装置では、圧力検出器22f,22rが供給流路30f,30rの途中に1つづつ設けられていたが、本変形例の車両のロール制御装置にあっては、制御弁12f,12rと各アクチュエータ2f,2rの各圧力室とをそれぞれ接続する前輪側および後輪側の給排流路25f,25r,26f,26rの途中に1つづつ圧力検出器47f,47r,48f,48rが接続されて、各アクチュエータ2f,2rの各圧力室内の圧力を検出可能なようになっている。
そして、この変形例の車両のロール制御装置にあっては、各圧力室内の圧力を検出可能であるから、前輪側のアクチュエータ2fおよび後輪側のアクチュエータ2rを検出された各圧力室内の圧力を前輪側の圧力室同士および後輪側の圧力室同士の圧力差、すなわち、差圧を把握することができ、この差圧をフィードバックとして車両のロール制御装置の制御を行うことが可能である。
したがって、この変形例における車両のロール制御装置は、各アクチュエータ2f,2rの制御において各圧力室の圧力差によって制御することができるので、圧力損失等の誤差を生じず各アクチュエータ2f,2rの出力をゼロからリニアに制御することができる。このことから、特に車両直進時の路面の影響等や、操舵輪切換し時の横加速度がゼロ近傍となる場合に発生する微小なロールに対して正確な制御が可能となるので、車体にロールを増長してしまう等の好ましくない車体の挙動を誘発して搭乗者に違和感を与えてしまうことがない。
さらに、各アクチュエータ2f,2rの各圧力室全ての内圧を検出することができるから、前後のアクチュエータ2f,2rを互いに逆向きに動作させてしまうといった故障の検出が可能となる。
さらに、図5に示す他の実施の形態における車両のロール制御装置について説明する。この他の実施の形態における車両のロール制御装置は、各制御弁52f,52rが中立位置において供給、排出および各制御ポートP,T,A,Bの全てを連通する連通ポジションを採るように設定されている点と、前輪側の制御弁52fと前輪側のアクチュエータ2fとを接続する給排流路25f,26fの途中と後輪側の制御弁52rと後輪側のアクチュエータ2rとを接続する給排流路25r,26rの途中とに、給排流路25f,25r,26f,26rをそれぞれ連通する連通ポジションとアクチュエータ2r,2rの各圧力室をロックしかつ給排流路25f,25rの上流側と給排流路26f,26rの下流側とを短絡する遮断ポジションとを備えたフェールセーフ弁54f,54rが設けられている点とが上記一実施の形態における車両のロール制御装置と異なり、他の構成は一実施の形態の車両のロール制御装置と同様である。
そして、各制御弁52f,52rは、中立位置以外では、ともに供給流路30f,30rに接続される供給ポートPを制御ポートAに、排出流路29f,29rに接続される排出ポートTを制御ポートBに連通する連通ポジションと、供給ポートPを制御ポートBに、排出ポートTを制御ポートAに連通する連通ポジションを備えた3位置4ポート弁であって、制御ポートA,Bからアクチュエータ2f,2rへ供給する油圧を調節可能なようになっている。
この制御弁52f,52rは、具体的にはたとえば、図6に示すように、中空なバルブケース200と、バルブケース200内に摺動自在に挿入されるスプール210と、スプール210をバルブケース200に対し図6中左右方向に押し引き可能なソレノイドSと、スプール210の両端側から付勢する一対のバネ220,221とで構成されており、バルブケース200の内周側には2つの環状溝201,202が設けられ、バルブケース200の図6中右側に位置する環状溝201には制御ポートAが、図6中左側に位置する環状溝202には制御ポートBがそれぞれ連通されている。
また、バルブケース200の環状溝201と環状溝202との間には、その内周と外周とを貫通する供給ポートPが穿設されており、さらに、バルブケース200の環状溝201より図6中左方および環状溝202より図6中右方には、その内周と外周とを貫通する排出ポートTが穿設されている。
そして、スプール210は、バルブケース200の内周に摺接する2つのランド部211,212が設けられており、このランド部211,212のそれぞれの軸方向長さは、上記ソレノイドS内のコイル130,131が励磁されずに付勢バネ220,221のみの付勢力で釣り合いを保った状態、いわゆる、スプール210が中立位置にある状態では、ランド部211,212がそれぞれ環状溝201および環状溝202に対向して当該環状溝201,202をその両端側で開放し当該環状溝201,202を閉塞しないように設定され、また、コイル130が励磁されスプール210が図6中左方に移動された状態では、ランド部211,212がそれぞれ環状溝201,202の右端側を開放するとともランド部211,212はそれぞれ環状溝201,202の左端側を閉塞するように設定され、さらに、コイル131が励磁されスプール210が図6中右方に移動された状態では、ランド部211,212がそれぞれ環状溝201,202の左端側を開放するとともランド部211,212はそれぞれ環状溝201,202の右端側を閉塞するように設定されている。
なお、本実施の形態の制御弁52f,52rのスプール210も中空になっており、左右端側の油圧力によってスプール210の移動が妨げられることが無いようになっている。
したがって、この制御弁52f,52rにあっては、中立位置では、供給ポートPと排出ポートTと制御ポートAと制御ポートBの全てを連通する連通ポジションを採り、コイル130が励磁されスプール210が図6中左方に吸引された状態では、供給ポートPを制御ポートBに、排出ポートTを制御ポートAに連通する連通ポジションを採り、さらに、コイル131が励磁されスプール210が図6中右方に吸引された状態では、供給ポートPを制御ポートAに、排出ポートTを制御ポートBに連通する連通ポジションを採り、油圧の供給方向を切換ができる。なお、供給ポートPと排出ポートTの配置および制御ポートAと制御ポートBの配置については、逆にそれぞれを入れ替えるようにして配置させてもよい。
また、この制御弁52f,52rは上記方向切換と同時に、コイル130,131への印加電流量を調節することにより、ランド部211,212とそれぞれ環状溝201,202との間の隙間AP,AT,BP,BTの大きさを調節でき、制御ポートA,Bへ供給する作動油の油圧力を制御可能となっている。
すなわち、隙間AP,AT,BP,BTは、コイル130,131への印加電流の調節によってその大きさが変化する可変絞りとして機能する。
そして、隙間AP,AT,BP,BTのいわゆるアンダーラップ寸法の設定によってアクチュエータ2f,2rの昇圧と方向切換のタイミングを調節することが可能である。
さらに、フェールセーフ弁54f,54rは、一端がバネ(付示せず)によって付勢され、他端側にはソレノイド(付示せず)が設けられ、このソレノイドはやはりECUに接続されている。そして制御中には、ECUは絶えず当該ソレノイドに対し電流を供給しつづけてフェールセーフ弁54f,54rを連通ポジションに保つ。他方、フェール時にはソレノイドへの通電を行わずフェールセーフ弁54f,54rはバネ力によって遮断ポジションに移行する。
上述のように構成された他の実施の形態における車両のロール制御装置にあっては、車両直進中には、制御弁52f,52rは中立位置における連通ポジションを採るように制御され、供給,排出および各制御ポートP,T,A,Bの互いを連通されるので、前後のアクチュエータ2f,2rをいずれもフリー状態とすることができる。
したがって、一実施の形態における車両のロール制御装置の作用効果に加えて、車両が直進走行中に突然路面からの入力があっても、各圧力室の油圧力が何等生じてない状態になっているので、スタビライザ1f,1rの機能が発現することを効果的に防止することが可能であり、直進時の車両における乗り心地を向上することが可能である。
さらに加えて、前後のアクチュエータ2f,2rをフリー状態にすることができることから、たとえば、オフロード等の不整路での車両の走破性を向上、すなわち、各輪の路面追随性(ホイールアティキュレーション)を向上させることができる。
また、フェールセーフ弁54f,54rによって、たとえば、制御弁52f,52rが各圧力室内に油圧を供給するいずれかの連通ポジションで固着し、制御ポートAもしくは制御ポートBへの供給圧力が高圧のままとなってしまうような故障が発生したとしても、フェールセーフ弁54f,54rのソレノイド(付示せず)への通電を断つことによって、それぞれ給排流路25f,25rと給排流路26f,26rとが連通されるアンロード回路となり、油圧ポンプ20やアクチュエータ2f,2r、各流路を構成する管路等に2次的故障を生じさせてしまうことが回避される。
最後に、図7に示す他の実施の形態の変形例における車両のロール制御装置について説明する。この他の実施の形態の変形例における車両のロール制御装置は、他の実施の形態における車両のロール制御装置の後輪側のフェールセーフ弁54rを廃したその代わりに、給排流路25r,26rを連通するように設けたバイパス路27の途中に、ソレノイド非励磁時に後輪側のアクチュエータ2rの各圧力室同士を連通する一方でソレノイド励磁時に当該連通を断つ後輪側のフェールセーフ弁55が設けられている。他の構成は他の実施の形態における車両のロール制御装置と同様である。
そして、フェールセーフ弁55は、一端がバネ(付示せず)によって付勢され、他端側にはソレノイド(付示せず)が設けられ、ソレノイド非励磁時には、バイパス路27を連通して後輪側のアクチュエータの各圧力室同士を連通する連通ポジションを採り、他方、ソレノイド励磁時には、バイパス路27を遮断する遮断ポジションを採るようになっている。
さらに、このフェールセーフ弁55のソレノイドは、上述の他の実施の形態と同様にECUに接続されている。そして制御中には、ECUは絶えず当該ソレノイドに対し電流を供給しつづけてフェールセーフ弁55を遮断ポジションに保つ。他方、フェール時にはソレノイドへの通電を行わずフェールセーフ弁55はバネ力によって連通ポジションに移行する。なお、このようにフェールセーフ弁55を構成することによって、フェールセーフ弁をスプール弁ではなく、たとえば、コンパクトで、コンタミネーションに強く、信頼性の高いポペット弁で構成することができ、車両のロール制御装置を確実にフェールモードに移行させることが可能となるとともに、装置全体を小形化することができる。
そして、上述のように構成された他の実施の形態の変形例における車両のロール制御装置にあっては、他の実施の形態と同様に、車両直進中には、制御弁52f,52rは中立位置における連通ポジションを採るように制御され、供給,排出および各制御ポートP,T,A,Bの互いを連通されるので、前後のアクチュエータ2f,2rをいずれもフリー状態とすることができるので直進時の車両における乗り心地を向上することが可能であり、また、オフロード等の不整路での車両の走破性を向上、すなわち、各輪の路面追随性(ホイールアティキュレーション)を向上させることができる。
さらに、制御弁52f,52rが各圧力室内に油圧を供給するいずれかの連通ポジションで固着し、制御ポートAもしくは制御ポートBへの供給圧力が高圧のままとなってしまうような故障が発生したとしても、フェールセーフ弁54f,55のソレノイド(付示せず)への通電を断つことによって、それぞれ給排流路25f,25rと給排流路26f,26rとが連通されるアンロード回路となり、油圧ポンプ20やアクチュエータ2f,2r、各流路を構成する管路等に2次的故障を生じさせてしまうことが回避される。
また、この変形例にあっては、フェール時には、フェールセーフ弁55は、後輪側のアクチュエータ2rの各圧力室同士を連通するので、後輪側のアクチュエータ2rには一切油圧力が負荷されない状態となりフリー状態となるが、このとき、前輪側のアクチュエータ2fはフェールセーフ弁54fでロック状態とされるので、フェール時にあっても、ステアリング特性がアンダーステア傾向に維持され、この他の実施の形態の変形例における車両のロール制御装置では、他の実施の形態の作用効果に加えて、フェール時にあっても車両のコントロールを簡易ならしめることができるのである。
なお、各実施の形態で説明したところでは、アクチュエータをロータリ式アクチュエータとしたが、図8に示すように、車両の前後輪側に設けられたスタビライザ70f,70rの一端に、たとえば二つの対向する圧力室を備えた両ロッド型のシリンダ70f,70rを接続してもよいことは勿論である。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態における車両のロール制御装置の油圧回路図である。 車両のロール制御装置のアクチュエータとスタビライザを示す斜視図である。 一実施の形態における具体的な制御弁の縦断面図である。 一実施の形態の変形例における車両のロール制御装置の油圧回路図である。 他の実施の形態における車両のロール制御装置の油圧回路図である。 他の実施の形態における具体的な制御弁の縦断面図である。 他の実施の形態の変形例における車両のロール制御装置の油圧回路図である。 車両のロール制御装置の他のアクチュエータとスタビライザを示す斜視図である。
符号の説明
1f,1r,50f,50r スタビライザ
2f 前輪側のアクチュエータ
2r 後輪側のアクチュエータ
10f,10r,11f,11r アクチュエータのそれぞれのポート
12f,52f 前輪側の制御換弁
12r,52r 後輪側の制御弁
16f,16r 逆止弁
17 リリーフ弁
20 流体圧源たる油圧ポンプ
22f,22r,47f,47r,48f,48r 圧力検出器
25f,25r,26f,26r 給排流路
27 バイパス路
29f,29r 排出流路
30f,30r 供給流路
36 連通路
54f,54r,55 フェールセーフ弁
70f,70r シリンダ
A,B 制御弁における制御ポート
P 制御弁における供給ポート
T 制御弁における排出ポート
S ソレノイド

Claims (7)

  1. スタビライザに連結されるアクチュエータと、流体圧源と、流体圧源に接続されるリザーバとを有し、流体圧源で発生する流体圧を当該アクチュエータの2つの圧力室のいずれかに供給してスタビライザの捩り力を高めて車体のロールを抑制する車両のロール制御装置において、流体圧源と上記アクチュエータとの間に、流体圧源と各圧力室との連通を選択的に切換えるとともに流体圧源に連通された一方の圧力室へ供給される流体圧を調整可能な制御弁を設けたことを特徴とする車両のロール制御装置。
  2. 車両前後輪のスタビライザにそれぞれ連結される前輪側および後輪側のアクチュエータと、流体圧源と、流体圧源に接続されるリザーバとを有し、流体圧源で発生する流体圧を当該アクチュエータの2つの圧力室のいずれかに供給してスタビライザの捩り力を高めて車体のロールを抑制する車両のロール制御装置において、流体圧源と各アクチュエータとの間のそれぞれに流体圧源と各圧力室との連通を選択的に切換えるとともに流体圧源に連通された一方の圧力室へ供給される流体圧を調整可能な制御弁を設けたことを特徴とする車両のロール制御装置。
  3. 制御弁は、3位置4ポートを備えた電磁弁であって、ソレノイド非励磁時の中立位置で流体圧源をリザーバに連通しつつアクチュエータの各圧力室をロックする遮断ポジションを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のロール制御装置。
  4. 制御弁とアクチュエータとの間にソレノイド励磁時に制御弁とアクチュエータとを連通する一方ソレノイド非励磁時に流体圧源とリザーバとを連通しつつ当該制御弁とアクチュエータとの連通を断つフェールセーフ弁を設け、上記制御弁は3位置4ポートを備えた電磁弁であって、ソレノイド非励磁時の中立位置で各ポート全てを連通する連通ポジションを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のロール制御装置。
  5. 制御弁と前輪側のアクチュエータとの間にソレノイド励磁時に制御弁と前輪側のアクチュエータとを連通する一方ソレノイド非励磁時に流体圧源とリザーバとを連通しつつ当該制御弁とアクチュエータとの連通を断つ前輪側のフェールセーフ弁を設け、ソレノイド非励磁時に後輪側のアクチュエータの各圧力室同士を連通する一方でソレノイド励磁時に当該連通を断つ後輪側のフェールセーフ弁を設け、上記制御弁は3位置4ポートを備えた電磁弁であって、ソレノイド非励磁時の中立位置で各ポート全てを連通する連通ポジションを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のロール制御装置。
  6. アクチュエータの圧力室内の流体圧を検出する圧力検出手段を制御弁より上流側に設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両のロール制御装置。
  7. 制御弁とアクチュエータの各圧力室を接続する一対の流路のそれぞれに圧力検出手段を設けたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両のロール制御装置。
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