図1は、この発明の一実施の形態のおけるロール制御装置を示した図である。図2は、油圧シリンダの縦断面図である。図3は、横加速度をパラメータとして作成した圧力指令値のマップを示す図である。図4は、要求圧力をパラメータとして作成した圧力指令値のマップを示す図である。
以下、図に示した実施の形態に基づいて本発明のロール制御装置を説明する。一実施の形態におけるロール制御装置では、図1に示すように、車両の前後輪側に設けられたスタビライザ1f,1rの一端に、片ロッド型の油圧で駆動する油圧シリンダ2f,2rのロッド3側に連結し、また、油圧シリンダ2f,2rのシリンダチューブ4側は図示しないサスペンションアームに連結して構成されている。したがって、本実施の形態において、流体圧は油圧となる。なお、油圧シリンダ2f,2rとスタビライザ1f,1rとの連結に際し、シリンダチューブ4側をスタビライザ1f,1rの一端に連結するようにしてもよい。
また、上記した前輪側の油圧シリンダ2fと後輪側の油圧シリンダ2rは、図2に示すように、シリンダチューブ4と、シリンダチューブ4内に摺動自在に挿入したピストン5と、一端がピストン5に連結されるとともに他端が上記スタビライザ1f,1rの一端に連結されるロッド3と、シリンダチューブ4内にピストン5で区画したロッド側室6とピストン側室7とを備えて構成され、シリンダチューブ4には、ロッド側室6に開口するポート10とピストン側室7に開口するポート11が穿設してある。
これにより、各油圧シリンダ2f,2rは、ポート10を通してロッド側室6に流体圧たる油圧を加えることでシリンダチューブ4に対してロッド3を図2中下方へ押し下げる推力をロッド側室6内に作用する圧力に応じて発生し、逆に、ポート11を通してピストン側室7に流体圧たる油圧を加えることでシリンダチューブ4に対してロッド3を図2中上方へ押し上げる推力をピストン側室7内に作用する圧力に応じて発生し、これら推力によって、スタビライザ1f,1rに捩りモーメントを与えることができる。
このようにして、前輪側における油圧シリンダ2fは、前輪用のスタビライザ1fにモーメントを与えるアクチュエータとして作用すると共に、後輪側の油圧シリンダ2rは、後輪用のスタビライザ1rにモーメントを与えるアクチュエータとしてそれぞれ作用するようにしてある。
図1に戻って、前輪側の油圧シリンダ2fは、ロッド側室6およびピストン側室7におけるポート10,11にそれぞれ接続された給排流路25f,26fを介してプッシュプル型の前輪側の方向切換弁12fに接続されるとともに、後輪側の油圧シリンダ2rもまた、ロッド側室6およびピストン側室7におけるポート10,11にそれぞれ接続された給排流路25r,26rを介してプッシュプル型の後輪側の方向切換弁12rに接続されている。
上記した各方向切換弁12f,12rは、供給ポートP、排出ポートTおよび二つの制御ポートA,Bを備えた4ポート3位置切換弁として構成され、供給ポートPはそれぞれ供給流路30f,30rを介して流体圧源たる油圧ポンプ20に接続され、排出ポートTはそれぞれ排出流路29f,29rを介してタンク19に接続される一方、制御ポートA,Bはそれぞれ前輪側の油圧シリンダ2fのポート10,11と後輪側の油圧シリンダ2fのポート10,11に接続されている。すなわち、前輪側の方向切換弁12fにおける制御ポートA,Bは、給排流路25f,26fに、後輪側の方向切換弁12rにおける制御ポートA,Bは、給排流路25r,26rに、それぞれ接続されている。なお、油圧ポンプ20は、従来のロール制御装置と同様、車両の駆動用のエンジン(図示せず)を駆動源としており、流体圧源としては、たとえば、ギヤポンプ等の種々の周知の形式のポンプを採用することが可能である。
また、上記各方向切換弁12f,12rは、それぞれ、供給ポートPを制御ポートAに排出ポートTを制御ポートBに連通する連通ポジションと、各ポートP,T,A,Bを遮断する遮断ポジションと、供給ポートPを制御ポートBに排出ポートTを制御ポートAに連通する連通ポジションの三つのポジションを備えており、両端をバネ(符示せず)で附勢され、ソレノイド27f,27rに電流を印加して方向切換弁12f,12rにおける弁体(符示せず)を押すと、供給ポートPと制御ポートAおよび排出ポートTと制御ポートBをそれぞれ連通し、他方、ソレノイド27f,27rに電流を印加して方向切換弁12f,12rにおける弁体(符示せず)を吸引すると、供給ポートPと制御ポートBおよび排出ポートTと制御ポートAをそれぞれ連通し、電流を印加しない状態ではバネ力により上記弁体(符示せず)が中立位置に維持されて各ポートP,T,A,Bを遮断するようになっており、通常は電流を印加した状態で上記したいずれかの連通ポジションを採るように設定されている。
つまり、上記各方向切換弁12f,12rを切換操作することによって各油圧シリンダ2f,2rのロッド側室6とピストン側室7のうち一方を選択し、この選択したロッド側室6あるいはピストン側室7に油圧ポンプ20が吐出する作動油を供給することができるようになっており、この方向切換弁12f,12rの切換操作によって、スタビライザ1f,1rに作用させるモーメントの方向を決することができる。
そして、上記した前輪側の方向切換弁12fにおける供給ポートPは、供給流路30fを通して、分流弁35の一方の出口ポートDに通じ、後輪側の方向切換弁12rにおける供給ポートPは、供給流路30rを通して、分流弁35の他方の出口ポートEに通じており、この分流弁35は、その入口ポートCが流路28を介して流体圧源たる油圧ポンプ20の吐出口に接続されて、油圧ポンプ20から吐出された作動油を一定の流量比率の下で分流し、これら分流された作動油を各方向切換弁12f,12rを通してそれぞれの油圧シリンダ2f,2rに分配する。
また、流路28とタンク19との間には、リリーフ弁13が設けられており、具体的には、リリーフ弁13は、流路28と排出流路29fとを接続する通路32の途中に設けられている。なお、リリーフ弁13は、通路32を連通する連通ポジションと遮断する遮断ポジションとを有し、流路28の内圧が異常に上昇したときパイロット圧で開いて作動油をタンク19に逃がすようになっている。なお、通路32は、上記した流路28と排出流路29fとを接続するように設ける替わりに、タンク19もしくは排出流路29rと流路28とを接続するようにして設けても良い。
さらに、前輪側の供給流路30fと排出流路29fとの間には、圧力制御弁14と逆止弁16とが並列して設けられ、後輪側の供給流路30rと排出流路29rとの間には、圧力制御弁15と逆止弁17が並列して設けられている。
すなわち、上記方向切換弁12fにおける供給ポートPは、供給流路30fを上流に遡ると順に供給流路30f側からの作動油の流れを阻止する逆止弁16に通じ、さらに供給流路30fを上流に遡ると順に圧力制御弁14の上流側と分流弁35の一方の出口ポートDに通じ、さらには、この分流弁35の入口ポートCに接続された流路28を介してリリーフ弁13の上流側および流体圧源たる油圧ポンプ20に通じている。
また、方向切換弁12fの排出ポートTは、排出流路29fを下流に下ると順に逆止弁16と、圧力制御弁14の下流側と、リリーフ弁13の下流側とに通じ、さらには、タンク19に通じている。
他方、上記方向切換弁12rにおける供給ポートPは、供給流路30rを通して供給流路30r側からの作動油の流れを阻止する逆止弁17に通じ、さらに供給流路30rを上流に遡ると順に圧力制御弁15の上流側と分流弁35の他方の出口ポートEに通じ、さらには、この分流弁35の入口ポートCに接続された流路28を介してリリーフ弁13の上流側および流体圧源たる油圧ポンプ20に通じている。
また、方向切換弁12rの排出ポートTは、排出流路29rを通して逆止弁17へと通じ、さらに排出流路29rを下流に下ると順に圧力制御弁15の下流側と、リリーフ弁13の下流側とに通じ、最終的にはタンク19に通じている。
そして、タンク19と油圧ポンプ20とは吸込み管路33で連通されており、油圧ポンプ20から供給される作動油は、最終的にはタンク19に導かれ流路28、各供給流路30f,30r、各排出流路29f,29rおよび給排流路25f,25r,26f,26rを還流することとなる。
転じて、圧力制御弁14は、供給流路30fと排出流路29fとを接続する通路31を開放して供給流路30fと排出流路29fとを連通する連通ポジションと、通路31を遮断する遮断ポジションとを有し、一端にバネ(符示せず)を備え、他端にこのバネに対向するソレノイド14aを備えており、このソレノイド14aが励磁されると、遮断ポジションに切換えることが可能であり、ソレノイド14aに印加する電流に比例して弁開口面積を比例制御可能な弁である。
したがって、ソレノイド14aに電流を印加しない状態では、バネ力によって連通ポジションにあり弁開口面積は最大となり、通常はソレノイド14aに印加した状態で、遮断ポジションを採るように設定されている。
そして、圧力制御弁14は、弁開口面積が最大となる状態では、供給流路30f内の圧力をタンク圧に誘導して最小にし、他方、弁開口面積を小さくすることで、供給流路30f内の圧力を昇圧するようになっている。
他方、圧力制御弁15も、上記した圧力制御弁14と同様の構成とされ、供給流路30rと排出流路29rとを接続する通路34を開放して供給流路30rと排出流路29rとを連通する連通ポジションと、通路34を遮断する遮断ポジションとを有し、一端にバネ(符示せず)を備え、他端にこのバネに対向するソレノイド15aを備えており、このソレノイド15aが励磁されると、遮断ポジションに切換えることが可能であり、ソレノイド15aに印加する電流に比例して弁開口面積を比例制御可能な弁である。
したがって、ソレノイド15aに電流を印加しない状態では、バネ力によって連通ポジションにあり弁開口面積は最大となり、通常はソレノイド15aに印加した状態で、遮断ポジションを採るように設定されている。
そして、圧力制御弁15も圧力制御弁14と同様に、弁開口面積が最大となる状態では、供給流路30r内の圧力をタンク圧に誘導して最小にし、他方、弁開口面積を小さくすることで、供給流路30r内の圧力を昇圧するようになっている。
なお、逆止弁16,17としては、従来から各種の油圧機器において広く一般に用いられているものをそのまま適用すればよく、それらの構成についてはよく知られていることであるのでここでは詳細な説明を省略する。
さらに、油圧シリンダ2fのロッド側室6およびピストン側室7のうち油圧ポンプ20から作動油の供給を受けているロッド側室6あるいはピストン側室7に作用する圧力を検出するための圧力検出器41が供給流路30fの途中に設けられ、供給流路30f内の圧力を検出する。このような位置に圧力検出器41を設ければ、圧力検出器41で方向切換弁12fが連通ポジションを採る状態において油圧シリンダ2fの油圧供給を受けているロッド側室6あるいはピストン側室7の圧力を検出することが可能である。
また、油圧シリンダ2rの油圧ポンプ20から作動油の供給を受けているロッド側室6あるいはピストン側室7に作用する圧力を検出するための圧力検出器42が供給流路30rの途中に設けられ、後輪側の供給流路30r内の圧力を検出する。このような位置に圧力検出器42を設ければ、後輪側の方向切換弁12rが連通ポジションを採る状態において油圧シリンダ2rの油圧供給を受けているロッド側室6あるいはピストン側室7の圧力を検出することが可能である。
転じて、上記したところに加えて、車両の車体に作用した横加速度および圧力検出器41,42が出力する圧力信号により圧力制御弁14,15を駆動して当該圧力制御弁14,15の弁開口面積を調節するとともに、方向切換弁12f,12rを切換制御しつつ油圧シリンダ2f,2rがスタビライザ1f,1rに与えるモーメントを制御するための制御装置たるコントローラ43が設けてある。
上記コントローラ43は、車体に作用する横加速度の方向および大きさを横加速度信号として検出する横加速度検出器(図示はしないが、例えば、車体の該当部位に設けた横加速度センサ)と上述の圧力検出器41,42とに接続され、これら横加速度信号、圧力信号を処理し、電流を各ソレノイド14a,15a,27f,27rに印加して、方向切換弁12f,12rと圧力制御弁14,15を駆動する。
すなわち、コントローラ43は、4つの出力端子(図示せず)を備え、これらの出力端子を信号線44,45,46,47で方向切換弁12f,12rのソレノイド27f,27rと圧力制御弁14,15のソレノイド14a,15aに結び、当該コントローラ43で方向切換弁12f,12rと圧力制御弁14,15とを制御するようにしてある。
さらに、本実施の形態におけるロール制御装置にあっては、車両が悪路を走行中であるか否かを判断する悪路走行判断手段50を備えている。この悪路走行判断手段50は、車両が悪路を走行していることを判断すると、コントローラ43に悪路走行信号を出力するようになっており、他方、コントローラ43は、悪路走行信号を受け取ると、通常のロール制御とは異なった悪路走行用の制御を実施するようになっている。
なお、悪路走行判断手段50は、車両搭乗者がマニュアル操作可能なスイッチ51に接続されており、たとえば、上記搭乗者の当該スイッチのオン操作によってスイッチからオン信号を受け取ると、車両が悪路を走行中であると判断するようになっており、また、スイッチ51のオフ操作が行われオフ信号を受け取るまでは、車両が悪路走行を継続していると判断する。
なお、スイッチ51は、4輪駆動車等に設置される変速機のシフトレンジを検出するものであってもよく、たとえば、悪路走行時に使用されるレンジに切換わったことをもってしてオン信号を悪路走行判断手段50に出力し、当該レンジから他のレンジに切換ったことをもってしてオフ信号を悪路走行判断手段50に出力するようにしてもよい。
さらに、悪路走行判断手段50は、上記に換えて、たとえば、車体の上下加速度や横加速度、車両速度を分析することによって、車両が悪路を走行中であることを判断するようにしてもよい。具体的には、たとえば、車両速度が低速であり、車体の上下加速度の変化が著しい場合に、車両が悪路を走行している旨の判断を行うようにしたり、横加速度が比較的高い周波数で振動的に変化する場合に車両が悪路を走行している旨の判断を行うようにしてもよい。
つづき、ロール制御装置の作動について説明する。まず、悪路走行判断手段50が悪路走行中でないと判断する場合について説明する。このような場合、ロール制御装置は、通常のロール制御を行うことになる。
そして、例えば、車両が平坦路を直進走行しているとき、すなわち、横加速度検出器からの横加速度の検出信号がないときには、車体はローリングしないので、スタビライザ1f,1rの捩り剛性を高めると乗り心地が悪くなる。そのような状態の場合には、コントローラ43は、スタビライザの機能を減殺するべく、圧力制御弁14,15のソレノイド14a,15aへの電流供給をせずに弁開口面積を最大として供給流路30f,30r内の圧力をタンク圧に誘導する。その結果、油圧ポンプ20からの作動油は圧力制御弁14の連通ポジションを介し、弁開口面積に応じて排出流路29fを介してタンク19へ還流する。さらに、方向切換弁12f,12rのソレノイド27f,27rへ電流を供給して、方向切換弁12f,12rにおける弁体を押して供給ポートPと制御ポートAおよび排出ポートTと制御ポートBをそれぞれ連通する連通ポジションを採るようにする。
すなわち、横加速度が0近傍である場合に、方向切換弁12f,12rを上記の連通ポジションを採るように維持するので、各油圧シリンダ2f,2rにおけるロッド側室6が油圧ポンプ20側に接続され、他方のピストン側室7がタンク19側に接続されることとなる。
ここで、圧力制御弁14,15の開口面積は、最大開口面積に保たれるが、作動油がこれら圧力制御弁14,15を通過するときには僅かではあるが圧力損失が生じ、ロッド側室6とピストン側室7の圧力には、上記圧力損失に見合った差が生じる。そして、方向切換弁12f,12rが上記連通ポジションを採るので、ロッド側室6の圧力はピストン側室7の圧力より圧力損失分だけ大きくなる。
したがって、ロッド側室6の受圧面積(ピストン5の断面積からロッド3の断面積を引いた面積)にロッド側室6の圧力を乗じたロッド3を図2中下方へ押し下げる推力と、ピストン側室7の受圧面積(ピストン5の断面積)にピストン側室7の圧力を乗じたロッド3を図2中上方へ押し上げる推力とが対抗して、油圧シリンダ2f,2rが発生する推力は極小さいものとなる。なお、ロッド側室6の受圧面積をd1とし、ピストン側室7の受圧面積をd2とし、圧力制御弁14,15の非通電時におけるロッド側室6とピストン側室7の圧力をそれぞれp1,p2とする場合、d1・p1=d2・p2の関係が成り立つようにしておけば、油圧シリンダ2f,2rが推力を全く発生しないようにしておくことができる。
上述したところから理解できるように、本実施の形態におけるロール制御装置にあっては、車体にロールモーメントが作用していない場合には、油圧シリンダ2f,2rは推力を殆ど発生しない状態に維持されるので、スタビライザ1f,1rの機能が確実に減殺され、従来のロール制御装置に見られるようなスタビライザ1f,1rの機能が発現されてしまう不具合を生じてしまうことがないので、直進走行時の車両における乗心地を向上することができる。
また、従来のロール制御装置では、方向切換弁が圧力制御弁の駆動が行われると同時に切換わるように設定されていることから、ロールを抑制する制御が行われた後に車両に作用していた横加速度が解消されると、方向切換弁はロールを抑制する制御を行っていたときのポジションを維持することになり、ロール抑制制御後の直進走行時に、油圧ポンプ側とタンク側をピストン側室とロッド側室のいずれに接続するかは、直前の車体のロールの方向によって決まり、ロール抑制制御後の直進走行時のスタビライザの効き具合が直前の車体のロールの方向によって異なってしまい、車両搭乗者に違和感を抱かせてしまうことがあったが、上述したように、本実施の形態におけるロール制御装置では、このような問題も解消されることになる。
なお、このときに、路面の凹凸により油圧シリンダ2f,2rが動かされ、供給流路30f,30r内の圧力が排出流路29f,29r内の圧力より低くなる場合には、逆止弁16,17が開くので、各油圧シリンダ2f,2rのロッド側室6およびピストン側室7内が負圧となることはなく、油圧シリンダ2f,2rの伸縮が妨げられるような事態が回避される。
他方、コーナリング時や車速が高速であって舵角が大きい時等のように車両が旋回走行に入って車体に横加速度が発生すると、コントローラ43には横加速度検出器が検出した横加速度の検出信号が入力される。
コントローラ43は、上記検出信号に基づいて出力端子から信号線44,45を通して圧力制御弁14,15のソレノイド14a,15aに供給している電流を大きくするように通電を行い、当該圧力制御弁14,15の弁開口面積を小さくするように調節する。
また、油圧ポンプ20から供給された作動油は、方向切換弁12f,12rの供給ポートPに送り込まれると共に、これら方向切換弁12f,12rの排出ポートTはタンク19へと連通される。
一方、コントローラ43は、横加速度検出器からの検出信号に基づいて、そのとき車体に作用している遠心力によるロールモーメントの大きさと向きに対応してスタビライザ1f,1rに各油圧シリンダ2f,2rが作用させるべきモーメントとその向きを演算し、これに準じた制御信号を電流として各出力端子から出力する。
上記コントローラ43の各出力端子から個々に出力された制御信号電流は、それぞれの信号線44,45,46,47を通して対応する圧力制御弁14,15のソレノイド14a,15aおよび方向切換弁12f,12rのソレノイド27f,27rに通電され、これら圧力制御弁14,15および方向切換弁12f,12rを制御する。
これに伴い、方向切換弁12f,12rは、車体に作用するロールモーメントの向きに対応して、スタビライザ1f,1rに上記ロールモーメントに対抗する向きのモーメントを作用させるべく、上記した連通ポジションのいずれかに切換わり供給ポートPと制御ポートAおよび排出ポートTと制御ポートBを連通もしくは供給ポートPと制御ポートBおよび排出ポートTと制御ポートAを連通するように切換え動作して、油圧ポンプ20から供給される作動油を油圧シリンダ2f,2rのそれぞれのポート10,11のどちらかに流入させる。
かくして、油圧シリンダ2f,2rには、それぞれのポート10,11のどちらかに流入させた作動油により作動油流入側のロッド側室6あるいはピストン側室7の圧力が高まり、たとえば、図2において、油圧シリンダ2f、2rのロッド側室6に作動油が供給されると、ロッド3が図2中下方へ移動し、他方のピストン側室7に作動油が供給されると、ロッド3が図2中上方へ移動し、その結果油圧シリンダ2f、2rには伸長方向あるいは収縮方向の推力が発生し、これら推力を前後輪用のスタビライザ1f,1rに与えて、車体に作用したロールモーメントの向きと大きさに対抗させるモーメントをスタビライザ1f,1rに発生させることが可能となり、ひいては、車体のロールを抑えることが可能となる。つまり、車体にロールが発生しようとすると、前後輪用のスタビライザ1f,1rが横加速度の大きさに合わせて当該車体を反対側に傾けようとする方向に捩られる。これにより、スタビライザ1f,1rは、その方向への捩り剛性がアップして車体に生じようとするロール運動を抑制することになる。なお、このロール制御装置が搭載される車両の特性に適した制御を行えるようにすればよいので、ロールモーメントに対しスタビライザ1f,1rに与えるモーメントの大きさを車両の特性に適合するような値となるようにコントローラ43に算出させればよい。
また、上述の車体ロール時のコントローラ43の具体的処理は、以下のようになる。先ず、横加速度に基づいて、コントローラ43が車体がロールしていることを認識して、上述のように、スタビライザ1f,1rに車体に作用するロールモーメントに対抗するモーメントを作用させるべく、検出した横加速度に基づいて、油圧シリンダ2f、2rのロッド側室6とピストン側室7のうちどちらかに必要となる圧力である前輪側と後輪側の二つの圧力指令値を算出する。
詳しくは、この各圧力指令値の算出に際し、コントローラ43は、図3中の実線で示す横加速度をパラメータとして作成した圧力指令値のマップを参照し、横加速度に基づいて、油圧シリンダ2f,2rに供給すべき圧力をマップ演算するとともに、油圧シリンダ2f,2rのロッド側室6とピストン側室7のうちいずれに圧力供給をすべきかを判断して、方向切換弁12f,12rを切換制御すると共に圧力制御弁14,15を駆動制御する。なお、横加速度の符号は、たとえば、車体進行方向に対して右方向に車体をロールさせるように作用する方向を正とし、左方向に車体をロールさせるように作用する方向を負としてある。
また、コントローラ43は、圧力制御弁14,15の駆動に当たっては、横加速度が所定の大きさとなるまで、圧力制御弁14,15が駆動しないように、図3のマップ中実線で示すように圧力指令値に不感帯領域を設定してあり、この不感帯領域は、横加速度がゼロクロスする点を含んで設定されている。そして、検出される横加速度が上記不感帯領域にある場合には、圧力指令値は0とされて、コントローラ43は、圧力制御弁14,15を駆動せず、通路31,34は、開放状態に維持されることになる。
なお、上記したところでは、マップを利用して圧力指令値を演算するようにしているが、マップを利用せずに圧力指令値を演算することも可能である。また、圧力指令値は、方向切換弁12f,12rの切換の判定にも使用されるため、横加速度が負の値を取る場合、負の値を採るように設定されているが、圧力制御弁14,15は、実際には、油圧シリンダ2f,2rに供給する圧力を負の値とすることが無いので、後述の電流指令値を得るフィードバックループへは、圧力指令値の絶対値が入力されることになる。
他方、コントローラ43は、方向切換弁12f,12rの切換に当たっては、図3中の破線で示すように、横加速度が第一閾値となるまで一方の連通ポジションから他方の連通ポジションへ切換えず、逆に、横加速度が第二閾値となるまで他方の連通ポジションから一方の連通ポジションへ切換えないように、横加速度に対して第一閾値から第二閾値までを範囲とする不感帯領域を設定してある。そして、この方向切換弁12f,12rの不感帯領域は横加速度がゼロクロスする点を含まないように設定されるとともに、圧力制御弁14,15における不感帯領域内に収まるように設定される。
したがって、たとえば、方向切換弁12f,12rにおける不感帯領域が横加速度の負の領域に設定される場合、正の値をとる横加速度が車体に作用し、これに対向するモーメントをロール制御装置に発生させるのにロッド側室6に圧力を供給するようになっている場合、方向切換弁12f,12rをロッド側室6に圧力を供給する連通ポジションとするが、横加速度が小さくなって解消され、さらに、横加速度が所定の負の値となる第一閾値を採るまでは、方向切換弁12f,12rをロッド側室6に圧力を供給する連通ポジションを維持し、その後、横加速度が所定の負の値となる第一閾値を超えてさらに負の方向大きくなると、今度は、上記とは逆向きのモーメントをロール制御装置に発生させるべく、方向切換弁12f,12rをピストン側室7に圧力を供給する連通ポジションに切換えるようにする。
これとは逆に、横加速度が負の値から正の値に変わる場合においては、横加速度が正方向に増大していくと第二閾値を超えた時点で、方向切換弁12f,12rがピストン側室7に圧力を供給する連通ポジションからロッド側室6に圧力を供給する連通ポジションに切換わることになり、いずれにせよ、横加速度が0近傍にある場合、方向切換弁12f,12rは、ロッド側室6を油圧ポンプ20側に接続する連通ポジションを採ることになる。なお、このことは、第一閾値および第二閾値を正の値に設定しても同様であるので、方向切換弁12f,12rの不感帯領域を横加速度の正の領域に設定するようにしてもかまわない。
このように、方向切換弁12f,12rの切換駆動を設定しておくことによって、横加速度が0近傍にあって、スタビライザ1f,1rの機能を減殺する必要がある場合には、確実に、ロッド側室6を油圧ポンプ20側に接続して油圧シリンダ2f,2rに殆ど推力を発生させないようにしておくことが可能となり、車体にロールモーメントが発生していない状況における車両の乗心地を確実に向上することができる。
また、方向切換弁12f,12rの切換は横加速度のゼロクロス点を避けて行われるようにし、かつ、ゼロクロス点でロッド側室6を油圧ポンプ20側に接続するようにしておけば、不感帯領域を設定しなくともよいが、本実施の形態においては、方向切換弁12f,12rの切換動作には、不感帯領域を設定してヒステリシスを設けているので、横加速度の検知や横加速度検出器の検知信号に含まれるノイズ等によって振動的に切換わってしまうことが防止される。
そして、上記方向切換弁12f,12rの不感帯領域は、圧力制御弁14,15の不感帯領域より狭くなるように設定されているので、これによって、横加速度の絶対値が0から大きくなるときに限らず、横加速度の符号が変化する時には必ず、圧力制御弁14,15による昇圧動作に先んじて方向切換弁12f,12rが切換制御される。また、横加速度が変動しても符号が変化しない場合には、車体のロール方向も変化せず、方向切換弁12f,12rは、当該ロールを抑制するように各油圧シリンダ2f,2rのロッド側室6あるいはピストン側室7へ圧力供給を行うような連通ポジションに維持される。
すなわち、コントローラ43は、横加速度が車体に作用すると、油圧シリンダ2f、2rのロッド側室6とピストン側室7のうちどちらかに必要とされる圧力を供給するべく、いずれかの連通ポジションを選択して各方向切換弁12f,12rを切換動作して各ポートP,T,A,Bが連通するように電流供給を行ってから、圧力制御弁14,15へ電流供給を行うことになる。圧力制御弁14,15の制御にあっては、圧力検出器41,42で検出した前後輪側の圧力の値と上述の各圧力指令値と比較して、それらに偏差がある場合、偏差が小さくなるように、圧力制御弁14,15の各ソレノイド14a,15aに供給している電流を制御して、圧力指令値と検出した圧力値とが同一になるように制御する。
このように制御することで、油圧ポンプ20から供給される作動油は圧力制御弁14,15によって圧力指令値通りに昇圧され、この昇圧された作動油は、油圧シリンダ2f,2rの方向切換弁12f,12rによって選択されたロッド側室6あるいはピストン側室7へ向かうことになり、油圧シリンダ2f,2rの選択されたロッド側室6あるいはピストン側室7にコントローラ43が算出した圧力指令値通りの圧力が供給されることとなる。
より具体的には、コントローラ43は、前輪側の圧力指令値と圧力検出器41で検出する圧力との偏差、後輪側の圧力指令値と圧力検出器42で検出する圧力との偏差をそれぞれ求め、その各偏差に基づき比例積分制御もしくは比例積分微分制御のフィードバック制御によってソレノイド14a,15aに供給すべき電流指令値を演算し、この演算された電流指令値に準じてソレノイド14a,15aに電流を供給するようにする。
なお、上記した車両の直進走行時および旋回時におけるロール抑制制御にあたり、圧力からソレノイド14a,15aに供給すべき電流に換算する際には演算速度向上のためマップ演算を用いてよいことは無論である。
上述したところから、このロール制御装置にあっては、圧力制御弁14,15が方向切換弁12f,12rに先んじて駆動して昇圧してしまうことがなく、油圧シリンダ2f,2rのロッド側室6あるいはピストン側室に急激に高まった流体圧が作用することが防止され、異音の発生や車体を振動させてしまうようなことなく、車両における乗心地を向上することができる。
さらに、方向切換弁12f,12rと圧力制御弁14,15の応答性にバラツキがあっても、確実に、方向切換弁12f,12rを圧力制御弁14,15より先んじて切換えることが可能となるので、常に安定したロール制御が可能となるばかりでなく、製品単位での制御上のチューニングを実施するような手間も省略することができ、ロール制御装置のコストが低減される。
なお、圧力制御弁14,15の横加速度に対する不感帯領域の範囲は、横加速度のゼロクロス点を中心として負方向と正方向とに対称となるように設定することも可能であるが、車両の重量配分によって適宜非対称に設定することも可能である。
また、上述したところでは、横加速度を基準として、圧力制御弁14,15および方向切換弁12f,12rの制御に不感帯領域を設けるようにしているが、上述したように、スタビライザ1f,1rに車体のロールモーメントに対抗するモーメントを発生させるのに要求される各アクチュエータ2f,2rの圧力室に供給すべき要求圧力を横加速度から求めて、この要求圧力に基づいて圧力指令値を演算するようにして、この要求圧力に対して圧力制御弁14,15および方向切換弁12f,12rの制御に不感帯領域を設ける、すなわち、要求圧力に対して圧力指令値の不感帯領域を設定するようにしてもよい。
つまり、図4中実線に示すように、要求圧力が圧力指令値の不感帯領域にある場合には圧力制御弁14,15に電流を供給せず駆動しないようにし、図4中破線に示すように、方向切換弁12f,12rの切換は、要求圧力に対する不感帯領域内で行われるように設定すればよい。
また、本実施の形態においては、前輪側と後輪側の油圧シリンダ2f,2rを一つの流体圧源たる油圧ポンプ20で駆動するようにしているが、流体圧源を二つ備える場合には、前輪側の油圧シリンダ2fと後輪側の油圧シリンダ2rへ独立して圧力供給するようにすることも可能である。
また、横加速度を得るのに、横加速度検出器を設けているが、車両の操舵角と車速とから横加速度を推定し、方向切換弁12f,12rの切換が横加速度の正の領域あるいは負の領域で完了するように設定してもよい。
つづいて、悪路走行判断手段50が悪路走行中であると判断する場合におけるロール制御装置の動作について説明する。
車両が悪路走行している場合には、上述の通常のロール制御とは異なった制御が行われ、上述した圧力制御弁14,15および方行切換弁12f,12rの制御ロジックは適用されない。
詳しくは、コントローラ43は、悪路走行判断手段50から悪路走行信号を受け取ると、スタビライザの機能を減殺するべく、圧力制御弁14,15のソレノイド14a,15aへの電流供給をせずに弁開口面積を最大として供給流路30f,30r内の圧力をタンク圧に誘導する。その結果、油圧ポンプ20からの作動油は圧力制御弁14の連通ポジションを介し、弁開口面積に応じて排出流路29fを介してタンク19へ還流する。さらに、方向切換弁12f,12rのソレノイド27f,27rへ電流を供給して、ソレノイド27f,27rに電流を印加して方向切換弁12f,12rにおける弁体を吸引し、供給ポートPと制御ポートBおよび排出ポートTと制御ポートAをそれぞれ連通する連通ポジションを採るようにする。
すなわち、悪路走行中には、方向切換弁12f,12rを上記の連通ポジションを採るように維持するので、各油圧シリンダ2f,2rにおけるピストン側室7が油圧ポンプ20側に接続され、他方のロッド側室6がタンク19側に接続されることとなる。
ここで、圧力制御弁14,15の開口面積は、最大開口面積に保たれるが、作動油がこれら圧力制御弁14,15を通過するときには僅かではあるが圧力損失が生じ、ロッド側室6とピストン側室7の圧力には、上記圧力損失に見合った差が生じる。そして、方向切換弁12f,12rが上記連通ポジションを採るので、ピストン側室7の圧力はロッド側室6の圧力より圧力損失分だけ大きくなる。
したがって、ピストン側室7の受圧面積(ピストン5の断面積)にピストン側室7の圧力を乗じたロッド3を図2中上方へ押し上げる推力は、ロッド側室6の受圧面積(ピストン5の断面積からロッド3の断面積を引いた面積)にロッド側室6の圧力を乗じたロッド3を図2中下方へ押し下げる推力に比較して大きくなり、油圧シリンダ2f,2rが発生する推力は通常制御時にスタビライザ1f,1rの機能を減殺する場合に比較して大きいものとなる。
上述したところから理解できるように、本実施の形態におけるロール制御装置にあっては、車両が悪路走行をしている場合には、油圧シリンダ2f,2rは上記圧力損失による差圧に見合った推力を発生する状態に維持されることになり、スタビライザ1f,1rの機能は完全には減殺されないことになる。
上述のようにスタビライザ1f,1rの機能は完全には減殺されないことから、悪路を走行中にあっても車輪の接地荷重をより高めることができ、悪路走行時における走破性を向上することができるとともに、油圧シリンダ2f,2rは圧力制御弁14,15の圧力損失による差圧に見合った推力しか発生せず、その伸縮も自由とされているからスタビライザ1f,1rの機能が過剰に発揮されることもなく、車輪のストロークを阻害せず、悪路の凹凸路面にも柔軟に対応することができる。
したがって、本実施の形態におけるロール制御装置にあっては、車輪を路面に追随させて悪路走行時の走破性を向上させることが可能である。
また、悪路走行中には、必ず、各油圧シリンダ2f,2rにおけるピストン側室7が油圧ポンプ20側に接続され、他方のロッド側室6がタンク19側に接続されることとなるので、スタビライザ1f,1rの効き具合が直前の車体のロールの方向によって異なってしまうこともなく、特に、車両搭乗者に不安感を抱かせる悪路走行時に、車両の操作感に変化を与えることがない。
最後に、フェール時の動作について説明すると、このロール制御装置やこれを搭載している車両に何らかの異常が発生し制御不能な状態になった場合や方向切換弁12f,12rおよび圧力制御弁14,15に対するそれぞれの信号線44,45,46,47の断線など制御システムに異常が発生したときには、これをコントローラ43が検知して方向切換弁12f,12rと圧力制御弁14,15の動作を停止する。
すると、圧力制御弁14,15はバネ力によって弁開口面積を最大にし、方向切換弁12f,12rはバネ力によって各ポートP,T,A,Bを遮断する遮断ポジションに移行する。
油圧シリンダ2f,2rは、方向切換弁12f,12rによって、作動油の出入りが一切阻止されて、回動不能なロック状態とされるため、スタビライザ1f,1rは、ロール抑制のための油圧シリンダ2f,2rが発生するモーメントが作用しなくなるだけで、通常のスタビライザ、すなわち、油圧シリンダ2f,2rが連結されていないスタビライザとして機能することになり、車両の走行性能を阻害することが無い。
つまり、スタビライザ1f,1rに対してそれらを捩るようなロールモーメントが働いたとしても、これらスタビライザ1f,1rは、方向切換弁12f,12rで作動油の流れをブロックすることによって剛体化された油圧シリンダ2f,2rを通して少なくとも通常のスラビライザとしての機能を保持しつつ、かつ、より通常のステアリング特性に近い状態を保って車体のロールを抑制する。
このようにして、コーナリングでの車体のロール制御中における制御系の異常発生に際しては、油圧シリンダ2f,2rをブロック状態に保って前後輪用のスタビライザ1f,1rの捩り剛性を制御中の状態に維持する。
かくして、フェールセーフ動作が行われたとしても、その前後での車体ロール剛性やステアリング特性は変わらず、車両の操縦特性に大きな変化をきたすことなく確実にフェールセーフ動作が行われることになる。
そして、異常時にあって、圧力制御弁14が万が一コンタミネーション等により閉じた状態となっても、油圧ポンプ20から供給される作動油は、流路28内の圧力が高まるので、リリーフ弁13が開放されタンク19へと流入することとなるので、ロール制御装置が損傷することが防止される。
なお、各実施の形態においては圧力検出器41,42で油圧シリンダ2f,2rの油圧が供給されるロッド側室6あるいはピストン側室7の圧力を検出しているが、圧力検出器41,42を使用せずとも、あらかじめ油圧ポンプ20の容量が決められていれば圧力制御弁14,15の弁開口面積によってどの程度の圧力がロッド側室6あるいはピストン側室7に作用しているかを把握できるので、この場合には圧力制御弁14,15にどの程度電力を供給しているかによって圧力の値をコントローラ43に認識させても良い。
以上で、本発明の説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。