JP2003080917A - スタビライザ装置 - Google Patents

スタビライザ装置

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JP2003080917A
JP2003080917A JP2001277750A JP2001277750A JP2003080917A JP 2003080917 A JP2003080917 A JP 2003080917A JP 2001277750 A JP2001277750 A JP 2001277750A JP 2001277750 A JP2001277750 A JP 2001277750A JP 2003080917 A JP2003080917 A JP 2003080917A
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JP
Japan
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hydraulic
vehicle
hydraulic pressure
state
pressure
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JP2001277750A
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English (en)
Inventor
Akira Kasamatsu
晃 笠松
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両の直進状態において車両の姿勢がほぼ水平
でないことに起因する運転者の違和感を軽減する。 【解決手段】車両が直進状態にあると推定された場合に
おいて、液通路74の液圧が液通路72の液圧より設定
圧以上高い場合に電磁開閉弁104が連通状態に切り換
えられる。液通路74,72の液圧が液圧Pc、Pdに戻
されると電磁開閉弁104が閉状態に戻される。それに
よって、車両の直進状態に車両の姿勢がほぼ水平にさ
れ、運転者の違和感を軽減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタビライザバー
の弾性力を制御可能なスタビライザ装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】特表平11−510761号公報には、
前輪側のスタビライザバーの弾性力を制御する液圧シリ
ンダと、後輪側のスタビライザバーの弾性力を制御する
液圧シリンダと、これら2つの液圧シリンダにおいて、
ピストンによって仕切られた2つの液圧室の互いに対応
する液圧室同士をそれぞれ接続する液通路とを含むスタ
ビライザ装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効
果】通常、スタビライザ装置に含まれる液圧シリンダに
おいては、ピストンがハウジングにシール部材を介して
液密かつ摺動可能に嵌合されている。そのため、2つの
液圧室の間に液圧差が生じても、高圧側の液圧室から低
圧側の液圧室に作動液が漏れることはないはずである。
しかし、大きな液圧差が生じた場合、シール不良が生じ
た場合等にはシール部材を経て作動液が漏れることがあ
る。そのため、車両の走行状態とスタビライザバーの弾
性力とが対応しない、すなわち、運転者による操舵状態
と車両の姿勢とが対応しないことになり、運転者が違和
感を感じることがあった。具体的には、車両が旋回状態
から直進状態に戻った場合に、液漏れに起因して2つの
液圧室の間に予定されていない液圧差が生じ、それによ
って、スタビライザバーに弾性力が生じる。この弾性力
によって、車両の姿勢がほぼ水平な状態に戻らず、運転
者が違和感を感じるのである。
【0004】そこで、本発明の課題は、少なくとも、車
両の直進状態において車両の姿勢がほぼ水平でないこと
に起因する運転者の違和感を軽減することにある。上記
課題は、スタビライザ装置を、下記各態様の構成のもの
とすることによって解決される。各態様は、請求項と同
様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他
の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくま
で、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであ
り、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合
わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではな
い。また、1つの項に複数の事項が記載されている場
合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならな
いものではなく、一部の事項のみを取り出して採用する
ことも可能である。
【0005】以下の各項のうち、(1)項が請求項1に対
応し、(3)項が請求項2に対応し、(4)項が請求項3に対
応する。
【0006】(1)前輪側に設けられたスタビライザバー
の弾性力を制御する液圧シリンダと、後輪側に設けられ
たスタビライザバーの弾性力を制御する液圧シリンダ
と、これら前輪側の液圧シリンダと後輪側の液圧シリン
ダとにおいて、ピストンで仕切られた2つの液圧室の互
いに対応する液圧室同士をそれぞれ接続する2つの液通
路と、これら2つの液通路を接続する接続通路と、その
接続通路に設けられ、連通状態と遮断状態とに切り換え
可能な電磁開閉弁と、その電磁開閉弁を、少なくとも車
両の走行状態に基づいて制御する電磁弁制御装置とを含
むことを特徴とするスタビライザ装置。本項に記載のス
タビライザ装置においては、電磁開閉弁の開閉により、
接続通路が連通させられる状態と遮断される状態とに切
り換えられる。電磁開閉弁が連通状態にされれば2つの
液通路が連通させられ、4つの液圧室が互いに連通させ
られる。遮断状態にされれば2つの液通路が遮断され、
各々の液圧シリンダにおいて、ピストンで仕切られた2
つの液圧室が遮断される。したがって、電磁開閉弁が車
両の走行状態に基づいて開閉されるようにすれば、各液
圧室の液圧を、車両の走行状態に応じた大きさにするこ
とができ、スタビライザバーの弾性力を車両の走行状態
に対応した大きさにすることができる。車両の直進状態
においてスタビライザバーに弾性力が生じないように各
液圧室の液圧を制御することができるのであり、直進時
に車両の姿勢がほぼ水平でないことに起因して運転者が
感じる違和感を軽減させることができる。車両の走行状
態は走行状態検出装置によって検出される。走行状態検
出装置は車両の姿勢を推定可能な走行状態を検出するも
のである。例えば、直進状態であるか旋回状態であるか
を検出するものとすることができる。直進状態にあるか
旋回状態にあるかを直接検出するものであっても、運転
者による運転操作部材の操作状態に基づいて推定するも
のであってもよい。前者の場合には、例えば、ヨーレイ
トセンサ、横Gセンサ等の少なくとも1つを含むものと
することができ、後者の場合には、操舵角センサを含む
ものとすることができる。なお、液圧シリンダにおける
対応する液圧室は機能が同じ液圧室である。車両が傾い
た時に、液圧が高くなる液圧室同士、低くなる液圧室同
士であり、また、ピストンの前方の液圧室同士、ピスト
ンの後方の液圧室同士である。 (2)前記電磁弁制御装置が、車両が直進状態にある場合
に、前記電磁開閉弁を制御することによって、各液圧室
の液圧を、前記スタビライザバーに弾性力が生じない大
きさにする液圧制御部を含む(1)項に記載のスタビライ
ザ装置。車両の直進状態においては、液圧シリンダそれ
ぞれの、ピストンに対する互いに逆向きの力が釣り合っ
た状態となって、スタビライザバーに弾性力が生じない
ようにされるのが普通である。この場合において、ピス
トンの2つの液圧室に対向するそれぞれの受圧面積が同
じ場合には、2つの液圧室の液圧が等しい場合に互いに
逆向きの力が釣り合う。それに対して、ピストンのそれ
ぞれの液圧室に対向する受圧面積が異なる場合には、液
圧室の液圧と受圧面積とを掛けた値が同じになる状態で
釣り合う。この状態においては、受圧面積が大きい方の
液圧室の液圧が受圧面積が小さい方の液圧室の液圧より
小さくなる。 (3)前記電磁弁制御装置が、(a)前記2つの液通路の少
なくとも一方の液圧を検出する液圧検出装置と、(b)そ
の液圧検出装置による前記2つの液圧室の液圧に基づい
て前記電磁開閉弁を制御する液圧対応制御部とを含む
(1)項または(2)項に記載のスタビライザ装置。例えば、
車両の姿勢がほぼ水平である場合には、2つの液通路の
それぞれの液圧は予め決まった大きさになる。そのた
め、2つの液通路のうちの一方の液圧に基づけば、車両
の姿勢が水平であるか否かを検出することができる。し
たがって、少なくとも一方の液圧に基づいて電磁開閉弁
が制御されれば、スタビライザバーの弾性力を車両の直
進状態に応じた大きさにすることができる。なお、2つ
の液通路の液圧をそれぞれ検出し、これらの液圧差に基
づいて電磁開閉弁が制御されるようにすることもでき
る。
【0007】(4)前記電磁弁制御装置が、(c)車両の姿
勢を検出する姿勢検出装置と、(d)その姿勢検出装置に
よって検出された姿勢に基づいて前記電磁開閉弁を制御
する姿勢対応制御部とを含む(1)項ないし(3)項のいずれ
か1つに記載のスタビライザ装置。本項に記載のスタビ
ライザ装置においては、実際の車両の姿勢に基づいて電
磁開閉弁が制御される。例えば、走行状態に基づいて推
定された車両の姿勢と実際の姿勢とが異なる場合には、
実際の姿勢が走行状態に基づいて推定された姿勢に近づ
くように、電磁開閉弁が制御されるようにするのであ
る。実際の車両の姿勢に基づけば、2つの液通路の液圧
差を推定したり、スタビライザバーの弾性力の大きさを
推定したりすることができるのであり、これに基づいて
電磁開閉弁が制御されるようにすることは妥当である。
姿勢検出装置は、例えば、車高センサ等を含むものとす
ることができる。
【0008】(5)前記液圧シリンダのピストンに設けら
れたピストンロッドが前記スタビライザバーに係合させ
られ、前記液圧シリンダの本体が車体側部材に取り付け
られた(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載のスタビ
ライザ装置。本項に記載の液圧シリンダにおいては、ピ
ストンのピストンロッド側とそれの反対側とでは、液圧
室に対向する受圧面積が異なる。ピストンに対する互い
に逆向きの力の釣り合いの状態において、ピストンロッ
ドとは反対側の液圧室の液圧の方がピストンロッド側の
液圧より低くなる。それに対して、ピストンロッドの横
断面積がピストンの横断面積に比較して非常に小さい場
合には、2つの液圧室の液圧がほぼ同じ場合に釣り合う
と考えることができる。 (6)前記液圧シリンダにおけるピストンの両側にそれぞ
れピストンロッドが設けられ、そのピストンロッドの一
方に前記スタビライザバーが係合させられた(1)ないし
(4)項のいずれか1つに記載のスタビライザ装置。本項
に記載の液圧シリンダにおいては、ピストンの2つの液
圧室に対向するそれぞれの受圧面積が同じになる。ピス
トンの釣り合い状態において、ピストンの両側の液圧は
等しくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態であるスタビ
ライザ装置について図面に基づいて詳細に説明する。図
1において、車両の前輪側と後輪側とにそれぞれスタビ
ライザバー10,12が設けられる。スタビライザバー
10,12は、それぞれ、ねじれにより弾性を有する部
材であり、概してコの字型を成したものである。スタビ
ライザバー10,12は、中間部の車両の幅方向に延び
た中間ロッド部14と、中間ロッド部14と一体的に設
けられ、それの両側の車両のほぼ長手方向に延びた左右
アーム部16、18とを有する。
【0010】前輪側において、ロアアーム20は、支持
部22において図示しない車体側部材に前輪24を揺動
可能に支持する。スタビライザバー10は、左右アーム
部16,18(左アーム部16については図示しない)
の端部に設けられ、ゴムブッシュまたはボールジョイン
トを含む連結部19においてロアアーム20の中間部に
相対回動可能に支持される。また、中間ロッド部14の
右側の部分において液圧シリンダ30を介して車体側部
材に支持され、左側の部分において連結ロッド32を介
して車体側部材に支持される。液圧シリンダ30は、図
2に示すように、ハウジング36と、それにシール部材
37を介して液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン3
8とを含み、ピストン38の一方の側にピストンロッド
40が設けられる。ピストンロッド40の端部のボール
ジョイントまたはゴムブッシュを含む連結部41におい
て中間ロッド部14に軸線回りに回動可能かつ軸線に対
して傾き可能に取り付けられ、ハウジング36のピスト
ンロッド40が延びる側とは反対側に設けられた取付部
42において車体側部材に相対回動可能かつ傾き可能に
取り付けられる。このように、液圧シリンダ30が、車
両の上下方向に延びた姿勢で、ピストンロッド40が中
間ロッド14に連携させられた状態で設けられる。連結
ロッド32は、一端部の連結部において中間ロッド部1
4に軸線回りに回転可能かつ軸線に対して傾き可能な状
態で取り付けられ、他端部の取付部において車体側部材
に相対回動可能かつ傾き可能に取り付けられる。
【0011】後輪側において、スタビライザバー12
は、左右アーム部16,18の端部のボールジョイント
またはゴムブッシュを含む連結部48において、リヤア
クスルハウジング50に相対回動可能かつ軸線に対して
傾き可能に取り付けられる。リヤアクスルハウジング5
0は、図示しない駆動源の駆動トルクをデファレンシャ
ル52を介して左右後輪54に伝達する車軸等を保持す
る。また、中間ロッド部14の右側部において液圧シリ
ンダ60を介して車体側部材に支持され、左側部におい
て連結ロッド62を介して車体側部材に支持される。液
圧シリンダ60は、液圧シリンダ30と同様に、ハウジ
ング66、ハウジング66にシール部材67を介して液
密かつ摺動可能に嵌合されたピストン68、ピストンロ
ッド70等を含むものであり、ピストンロッド70の連
結部71aにおいてスタビライザバー12に連携させら
れ、ハウジング66の取付部71bにおいて車体側部材
に取り付けられる。液圧シリンダ60は、車両の上下方
向に延びた姿勢で設けられる。
【0012】このように、本実施形態においては、前輪
側および後輪側のそれぞれにおいて、スタビライザバー
10,12の中間ロッド部14の車両の幅方向における
同じ側に、それぞれ、液圧シリンダ30,60が上下方
向に延びた姿勢で、ピストンロッド40,70がスタビ
ライザバー10,12に連携させられた状態で設けられ
る。そして、これら液圧シリンダ30,60における互
いに対応する液圧室同士が液通路72,74によって接
続される。液通路72によって、液圧シリンダ30、6
0の、それぞれのピストン38、68のピストンロッド
40、70とは反対側の液圧室80、82が接続され、
液通路74によって、液圧シリンダ30,60の、それ
ぞれのピストン38,68のピストンロッド側の液圧室
84,86が接続される。液圧室80および82、液圧
室84および86は、それぞれ、互いに対応する室であ
り、同じ機能を有する室、すなわち、ローリング時に液
圧が高くなる室または低くなる室である。これら液通路
72,74は接続通路88によって接続される。以下、
液圧室80,82が上側に位置し、液圧室84,86が
下側に位置するために、液圧室80,82を上側液圧室
と称し、液圧室84,86を下側液圧室と称する。
【0013】本実施形態においては、液通路72,74
および接続通路88における作動液の流通状態を制御す
る流通制御ユニット90が設けられる。流通制御ユニッ
ト90は、複数の電磁開閉弁100,102,104、
アキュムレータ106,108等を含む。液通路72,
74に設けられた電磁開閉弁100,102はソレノイ
ドに電流が供給されない場合に開状態にある常開弁であ
り、接続通路88に設けられた電磁開閉弁104はソレ
ノイドに電流が供給されない場合に閉状態にある常閉弁
である。図面においては、電磁開閉弁100をバルブ
A,電磁開閉弁102をバルブB,電磁開閉弁104を
バルブCと略記する。
【0014】アキュムレータ106,108は、液通路
72,74の液圧が過大になった場合に、その作動液を
吸収し、液通路72,74の液圧が過小になった場合に
作動液を補うために設けられたものである。流通制御ユ
ニット90には、液圧センサ110,112も含まれ
る。液圧センサ110は液通路72に設けられ、液圧セ
ンサ112は液通路74に設けられる。液圧センサ11
0,112は、電磁開閉弁100,102,104の図
示する状態において、それぞれ、上側液圧室80,8
2、下側液圧室84,86の液圧を検出し得る。
【0015】流通制御ユニット90は、コンピュータを
主体とする制御部を含む。制御部は、CPU132,R
OM134,RAM136,入出力部138等を含む。
入出力部138には、上述の液圧センサ110,11
2、各車輪毎に設けられた車高センサ114、車両の走
行状態を検出する車両走行状態取得装置140が接続さ
れている。車両走行状態取得装置140には、車両の横
Gを検出する横Gセンサ146,ステアリングホイール
の操舵角を検出する操舵角センサ148、車両の走行速
度を検出する車速センサ150等が含まれる。操舵角セ
ンサ148によって検出された操舵角に基づいて車両の
旋回状態が検出される。入出力部138には、駆動回路
150を介して電磁開閉弁100,102,104が接
続される。また、ROM134には、図4のフローチャ
ートで表されるバルブ制御プログラム、図5のマップで
表されるテーブル等が記憶されている。
【0016】流通制御ユニット90において、各電磁開
閉弁100,102,104は原則として図示する原位
置にある。車両が直進状態にある場合には、液圧センサ
110による検出液圧、液圧センサ112による検出液
圧は、ほぼ予め定められた値Pc、Pdにある。ここ
で、液圧センサ110によって検出される上側液圧室8
0,82の液圧Pcは、液圧センサ112によって検出
される下側液圧室84,86の液圧Pdより低い。ピス
トン38,68においては、上側液圧室80,82に対
向する受圧面積の方が下側液圧室84,86に対向する
受圧面積より大きいため、車両の直進状態(ピストン3
8,68に外力が加えられない状態)において、下側液
圧室84,86の液圧の方が高くなるようにされるので
ある。液圧シリンダ30,60の各々においてピストン
38,68に対する互いに逆向きの力が釣り合った状態
にされるのであり、スタビライザバー10,12にねじ
りが生じることがなく、車両の姿勢がほぼ水平に保たれ
る。
【0017】車両の右旋回状態においては、遠心力によ
って車両は旋回外側(左側)が下がる状態に傾く。前輪
側および後輪側において、液圧シリンダ30,60の上
側の液圧室80,82の液圧が低くなり、下側の液圧室
84,86の液圧が高くなる。これら上側の液圧室8
0,82同士が液通路72によって接続され、下側の液
圧室84,86同士が液通路74によって接続される
が、これら液圧室80,82の液圧がほぼ同じで、液圧
室84,86の液圧がほぼ同じであるため、これらの間
に作動液の流通は殆ど生じない。液圧の変動に応じてア
キュムレータ106,108との間に作動液の多少の流
出入が生じ、液圧シリンダ30,60においてピストン
38,68が移動するが、その移動量は互いにほぼ等し
く、かつ、比較的小さいため、スタビライザバー10,
12において中間ロッド部14の傾きが抑制されて、ね
じりが生じ、弾性力が発生させられる。その弾性力、す
なわち、復元力によって左側の車輪と車体との間には両
者を離間させる向きの力が、右側の車輪と車体との間に
は両者を接近させる向きの力がそれぞれ加えられ、車両
の傾きが抑制される。この場合の上側の液圧室80,8
2の液圧と下側の液圧室84,86の液圧との差は車両
を傾かせる力、すなわち、液圧シリンダ30,60のピ
ストン38,68に加えられる力が大きいほど大きくな
る。例えば、遠心力が大きいほど液圧差が大きくなるの
であり、遠心力と液圧差との関係は予め決まっている。
また、上側の液圧室80,82の液圧と下側の液圧室8
4,86の液圧との間にもほぼ一定の関係が成り立つた
め、上側の液圧室80,82と下側の液圧室84,86
とのいずれか一方の液圧と、遠心力(車両を傾かせる
力)との間にもほぼ一定の関係が成立する。したがっ
て、本実施形態においては、遠心力関連量としての横G
と液通路72,74のうちの高い方の液圧との間の関係
がテーブル化されて記憶されている。
【0018】車両の左旋回状態においては、遠心力によ
って車両は旋回外側である右側が下がるように傾く。液
圧シリンダ30,60において、下側の液圧室84,8
6の液圧が低くなり、上側の液圧室80,82の液圧が
高くなる。液通路72,74における作動液の流通が抑
制され、液圧シリンダ30,60においてピストン3
8,68の移動が抑制される。スタビライザバー10,
12がねじられて弾性力が発生させられる。この場合に
おいて、液通路72,74の高い方の液圧が横Gに対し
て決まる液圧より低い場合には、液通路72,74ある
いは液圧シリンダ30,60の少なくとも1つにおいて
液漏れが生じたと推定することができる。そこで、液漏
れが生じたと推定された場合に電磁開閉弁100,10
2の両方が閉状態に切り換えられる。その結果、液漏れ
が生じた一方の液圧シリンダあるいは液通路の液漏れが
生じた部分から他方の液圧シリンダを遮断することがで
きる。他方の液圧シリンダにおいては、ピストンで仕切
られた2つの液圧室の間に液圧差が生じ得る。前輪側と
後輪側とのいずれか一方の側において、スタビライザバ
ーに弾性力が発生させられ、車両の傾きが抑制される。
前輪側と後輪側との両方の液圧シリンダが作用不能とな
る場合に比較して、いずれか一方の液圧シリンダが作用
可能となれば、車両のロール抑制効果の低下を抑制する
ことができる。
【0019】また、例えば、車両が凹凸の大きい路面を
走行している場合において、右前輪および左後輪が上方
に左前輪および右後輪が下方に位置する状態において
は、前輪側の液圧シリンダ30の下側液圧室84の液圧
が低く、後輪側の液圧シリンダ60の下側液圧室86の
液圧が高くなり、液圧シリンダ30の上側液圧室80の
液圧が高く、液圧シリンダ60の上側液圧室82が低く
なる。液通路72,74における作動液の流通が許容さ
れる。スタビライザバー10,12の自由な傾きが許容
され、ねじりが生じることはない。
【0020】さらに、車両の直進状態においては、前述
のように、上側液圧室の液圧、下側液圧室の液圧、すな
わち、液通路72,74の液圧はそれぞれ予め決まった
大きさにあるはずである。それに対して、車両の旋回状
態において液圧シリンダ30,60の液圧室80,84
の間、液圧室82,86の間に大きな液圧差が生じた場
合あるいはシール不良が生じた場合等には、ピストン3
8,68のシール部材37,67を経て作動液が、高圧
側の液圧室から低圧側の液圧室に向かって漏れることが
ある。そのため、車両が直進状態に戻った場合に、液通
路72,74の液圧がそれぞれ設定値Pc、Pdとは異な
る大きさとなる。車両が直進状態にあるにもかかわら
ず、スタビライザバーに弾性力が発生させられ、それに
よって、車両が傾くことがある。そこで、本実施形態に
おいては、車両が直進状態にある場合、すなわち、車両
がほぼ水平な姿勢にあるはずであると推定された場合に
おいて、液通路74の液圧が液通路72の液圧より設定
圧以上高い場合に、電磁開閉弁104が開状態に切り換
えられて、液通路72,74の液圧が予め定められた設
定圧Pc、Pdになるように制御される。
【0021】ステップ1(以下、S1と略称する。他の
ステップについても同様とする)において、横Gセンサ
146によって検出された検出値が設定値Gsより大き
いか否かが判定される。旋回中であるか否かが判定され
るのである。設定値Gsは例えば、比較的小さい値とす
ることができる。設定値Gsは、旋回状態であるか直進
状態であるかを検出し得る値であればよい。実際の横G
が設定値Gsより大きい場合には、S2において電磁開
閉弁104が閉状態にされる。そして、S3において、
液圧センサ110,112の液圧が検出されて、S4に
おいて、これら横Gと高い方の液圧との関係が図5のマ
ップの正常な領域にあるかフェール領域にあるかが判定
される。正常な領域にある場合には、S4における判定
がNOとなり、S5において、電磁開閉弁100,10
2が開状態にされ、フェール領域にある場合には、S4
における判定がYESとなって、S6において、電磁開
閉弁100,102が閉状態にされる。液圧シリンダ3
0,60が互いに独立とされ、前輪側と後輪側とのいず
れか一方の側において、スタビライザバーがねじられ
て、液漏れが生じてもローリングが抑制される。
【0022】実際の横Gが設定値Gs以下であり、車両
がほぼ直進状態にあると判定された場合には、S1にお
ける判定がNOとなり、S7において、電磁開閉弁10
0,102が開状態にされる。S8において、電磁開閉
弁104が開状態にあるか否かが判定される。電磁開閉
弁104は通常は閉状態にあるのが普通であるため、た
いていの場合には判定がNOとなって、S9において、
液通路74の液圧(P2)が液通路72の液圧(P1)より
設定値α以上大きいか否かが判定される。大きい場合に
は、判定がYESとなり、S10において、電磁開閉弁
104が開状態に切り換えられる。液圧が高い方の液通
路74から低い方の液通路72へ作動液が流れ、これら
の液圧差が小さくなる。液通路72,74の液圧が予め
定められた設定圧Pc,Pdになるまで、電磁開閉弁10
4は開状態に保たれる。液通路72,74の液圧が設定
圧Pc,Pdに達すると、S11における判定がYESと
なって、S12において、電磁開閉弁104が閉状態に
切り換えられる。これによって、液通路72,74の液
圧が車両の姿勢がほぼ水平になる大きさとされ、車両が
傾くことが防止される。
【0023】なお、上記実施形態においては、横Gと液
圧との関係が記憶されていたが、ステアリングホイール
の操舵角θおよび車速Vと液圧との関係が記憶されるよ
うにすることもできる。ステアリングホイールの操舵角
θが大きく(旋回半径が小さく)車速が大きいほど遠心
力が大きくなり、液圧が高くなる。また、2つの液通路
72,74の液圧のうちの高い方の液圧と横Gとの関係
を表すテーブルが記憶されていたが、2つの液通路7
2,74の液圧差と横Gとの関係を表すテーブルが記憶
されるようにすることもできる。さらに、上記実施形態
においては、横Gに基づいて車両が旋回状態にあるか直
進状態にあるかが判定されるようにされていたが、ステ
アリングホイールの操舵角や前輪舵角に基づいて判定さ
れるようにすることもできる。また、液通路72,74
の液圧差は各車輪毎に設けられた車高センサ114の検
出値に基づいて推定することもできる。例えば、車両が
直進状態にあるとされた場合において、車高センサ11
4による検出値に基づいて求められた液圧差が設定値以
上である場合に、電磁開閉弁104が開状態に切り換え
られるようにする。このように、車高センサ114の検
出値に基づけば、実際の車両の姿勢が水平であるか否か
を検出することができるのである。
【0024】さらに、液圧シリンダ30,60におい
て、ピストンロッド40,70の直径がピストン38,
68の直径に対して小さい場合には、車両の姿勢が水平
である場合に、ピストン38,68の両側の液圧室の液
圧がほぼ同じであると考えることができる。この場合に
は、車両の直進状態において、常に電磁開閉弁104が
開状態に切り換えられるようにすることができる。直進
状態にある間中開状態にすることも可能であり、その場
合には、電磁開閉弁104を常開弁としてもよい。
【0025】また、液圧シリンダにおいて、ピストンの
両側にピストンロッドが設けられるようにすることがで
きる。例えば、図6において、液圧シリンダ200のハ
ウジング202にピストン204が液密かつ摺動可能に
嵌合されるのであるが、ピストン204の両側にそれぞ
れピストンロッド206,208が設けられている。ピ
ストンロッド206はハウジング202から突出して、
スタビライザバーに連結部210において連結させら
れ、ピストンロッド208は、ハウジング202の内部
に設けられた摺動部212において液密に摺動可能とさ
れており、ハウジング202から突出することはない。
ハウジング202の取付部214において車体側部材に
取り付けられる。
【0026】さらに、スタビライザバー10,12は前
輪側と後輪側とで同じ状態で取り付けられるようにする
ことができる。また、液圧シリンダは、上下方向でな
く、水平方向に延びた姿勢で設けられるようにすること
もできる。いずれにしても、スタビライザバー10,1
2と、それが保持される車体側部材との相対位置関係に
よって決まるのであり、それぞれ対応する液圧室同士が
液通路によって接続されるようにする。さらに、電磁開
閉弁100,102,104の代わりに前後の差圧を供
給電流に応じた大きさに制御可能な電磁制御弁とするこ
ともできる。また、上記実施形態においては、3つの電
磁開閉弁100,102,104が設けられていたが、
これらすべてを設ける必要は必ずしもない。電磁開閉弁
100,102が設けられれば、電磁開閉弁104が設
けられなくても、液漏れ検出時のロール抑制効果の低下
を抑制することができる。電磁開閉弁104が設けられ
れば電磁開閉弁100,102が設けられなくても、車
両の直進状態における運転者の違和感を軽減させること
ができる。
【0027】本発明は、前記〔発明が解決しようとする
課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当
業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で
実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるスタビライザ装置を
概念的に示す図である。
【図2】上記スタビライザ装置の液圧系の回路図であ
る。
【図3】上記スタビライザ装置の流通制御ユニットを概
念的に示す図である。
【図4】上記流通制御ユニットのROMに格納されたバ
ルブ制御プログラムを表すフローチャートである。
【図5】上記流通制御ユニットのROMに格納されたテ
ーブルを表すマップである。
【図6】上記スタビライザ装置に含まれる液圧シリンダ
の別の態様を示す図である。
【符号の説明】
10,12スタビライザバー 30,60液圧シリンダ 90流通制御ユニット 100,102,104電磁開閉弁 110,112液圧センサ 140車両走行状態検出装置 146横Gセンサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前輪側に設けられたスタビライザバーの弾
    性力を制御する液圧シリンダと、 後輪側に設けられたスタビライザバーの弾性力を制御す
    る液圧シリンダと、 これら前輪側の液圧シリンダと後輪側の液圧シリンダと
    において、ピストンで仕切られた2つの液圧室の互いに
    対応する液圧室同士をそれぞれ接続する2つの液通路
    と、 これら2つの液通路を接続する接続通路と、 その接続通路に設けられ、連通状態と遮断状態とに切り
    換え可能な電磁開閉弁と、 その電磁開閉弁を、少なくとも車両の走行状態に基づい
    て制御する電磁弁制御装置とを含むことを特徴とするス
    タビライザ装置。
  2. 【請求項2】前記電磁弁制御装置が、(a)前記2つの液
    通路の少なくとも一方の液圧を検出する液圧検出装置
    と、(b)その液圧検出装置による検出液圧に基づいて前
    記電磁開閉弁を制御する液圧対応制御部とを含む請求項
    1に記載のスタビライザ装置。
  3. 【請求項3】前記電磁弁制御装置が、(c)車両の姿勢を
    検出する姿勢検出装置と、(d)その姿勢検出装置によっ
    て検出された姿勢に基づいて前記電磁開閉弁を制御する
    姿勢対応制御部とを含む請求項1または2に記載のスタ
    ビライザ装置。
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