JP4155066B2 - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4155066B2
JP4155066B2 JP2003066435A JP2003066435A JP4155066B2 JP 4155066 B2 JP4155066 B2 JP 4155066B2 JP 2003066435 A JP2003066435 A JP 2003066435A JP 2003066435 A JP2003066435 A JP 2003066435A JP 4155066 B2 JP4155066 B2 JP 4155066B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
wheel cylinder
valve
passage
front wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003066435A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004268888A (ja
Inventor
晃 笠松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2003066435A priority Critical patent/JP4155066B2/ja
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to CNB2004800065710A priority patent/CN100564083C/zh
Priority to DE602004006093T priority patent/DE602004006093T2/de
Priority to PCT/JP2004/002778 priority patent/WO2004080734A1/en
Priority to ES06115903T priority patent/ES2363245T3/es
Priority to AU2004220246A priority patent/AU2004220246B2/en
Priority to ES04717241T priority patent/ES2285441T3/es
Priority to EP04717241A priority patent/EP1601542B1/en
Priority to US10/547,369 priority patent/US7390002B2/en
Priority to EP06115903A priority patent/EP1702771B1/en
Publication of JP2004268888A publication Critical patent/JP2004268888A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4155066B2 publication Critical patent/JP4155066B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G21/00Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces
    • B60G21/02Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces permanently interconnected
    • B60G21/06Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces permanently interconnected fluid
    • B60G21/067Interconnection systems for two or more resiliently-suspended wheels, e.g. for stabilising a vehicle body with respect to acceleration, deceleration or centrifugal forces permanently interconnected fluid between wheels on different axles on the same side of the vehicle, i.e. the left or the right side
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G17/00Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load
    • B60G17/015Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements
    • B60G17/016Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements characterised by their responsiveness, when the vehicle is travelling, to specific motion, a specific condition, or driver input
    • B60G17/0162Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements characterised by their responsiveness, when the vehicle is travelling, to specific motion, a specific condition, or driver input mainly during a motion involving steering operation, e.g. cornering, overtaking
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2800/00Indexing codes relating to the type of movement or to the condition of the vehicle and to the end result to be achieved by the control action
    • B60G2800/01Attitude or posture control
    • B60G2800/012Rolling condition

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両において左右の前輪および左右の後輪と車体との間に配置された車両懸架装置に関するものであり、特に、その構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両において左右の前輪および左右の後輪と車体との間に配置された車両懸架装置が既に使用されており、それの一改良例が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特表平11−510761号公報
そして、この特許文献1には、車両懸架装置の一従来例が記載されており、この従来例においては、前輪用シリンダと後輪用シリンダとが、第1室用通路および第2室用通路によって流体的に互いに関連付けられる。
【0004】
前輪用シリンダは、前輪側において、それの左右輪間の、概して車体の上下方向における相対変位を制御するために、ハウジングにピストンが嵌合されることにより、ハウジング内の空間が共に流体室である第1室と第2室とに仕切られて構成されている。
【0005】
それに準じて、後輪用シリンダは、後輪側において、それの左右輪間の、概して車体の上下方向における相対変位を制御するために、ハウジングにピストンが嵌合されることにより、ハウジング内の空間が共に流体室である第1室と第2室とであって前輪用シリンダの第1室と第2室とにそれぞれ対応するものに仕切られて構成されている。
【0006】
前輪用シリンダの第1室と後輪用シリンダの第1室とにはそれぞれ、車体が一方向にロールすることに伴って同じ向きの圧力変化(昇圧か降圧)が発生する。同様にして、前輪用シリンダの第2室と後輪用シリンダの第2室とにはそれぞれ、車体が一方向にロールすることに伴って同じ向きの圧力変化が発生する。
【0007】
前記第1室用通路は、それら前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第1室同士において互いに接続する通路であり、同様にして、第2室用通路は、それら前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第2室同士において互いに接続する通路である。
【0008】
この種の車両懸架装置においては、前輪用シリンダと後輪用シリンダとが通路によって互いに接続されるとともに、その結果形成された圧力回路内に流体が封入される。その封入されるべき流体は、そもそも非圧縮性である液体が望ましいが、高圧にするなどして圧縮性が低減させられた気体とすることも可能である。
【0009】
それにより、両シリンダ間で等圧である場合には、その封入された流体が両シリンダ間において流動することが抑制され、その結果、その封入された流体が剛となり、両シリンダのピストン変位が共に抑制される。それにより、車体のロール剛性が向上し、車両の旋回性および操舵フィーリングも向上する。
【0010】
これに対し、両シリンダ間で等圧ではない場合には、封入された流体が両シリンダ間において流動することが許容され、その結果、その封入された流体が軟となり、両シリンダのピストン変位が共に許容される。それにより、サスペンションのアーティキュレーション性(例えば、各車輪が路面の凹凸に追従してきびきびと変位する性質、車体の左右方向における同じ側に位置する前後輪のうちの一輪のみがバウンドする場合に全輪の接地荷重の変動を小さくする性質や他輪を浮き上がり難くする性質)が向上し、車両走行中の車体姿勢のフラット感および乗り心地の重厚感が向上するとともに、車両のオフロード走破性が向上する。
【0011】
したがって、この種の車両懸架装置によれば、車両の懸架特性が自動的に調節されることとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
製品については一般に、その種類を問わず、信頼性が高いことが要望される。このような事情から、本発明は、信頼性の高い車両懸架装置を提供することを課題としてなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本明細書に記載の技術的特徴のいくつかおよびそれらの組合せのいくつかの理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴やそれらの組合せが以下の態様に限定されると解釈されるべきではない。
(1) 車両において左右の前輪および左右の後輪と車体との間に配置された車両懸架装置であって、
前記前輪側において、それの左右輪間の、概して前記車体の上下方向における相対変位を制御する前輪用シリンダであって、ハウジングにピストンが嵌合されることにより、前記ハウジング内の空間が共に流体室である第1室と第2室とに仕切られて構成されたものと、
前記後輪側において、それの左右輪間の、概して前記車体の上下方向における相対変位を制御する後輪用シリンダであって、ハウジングにピストンが嵌合されることにより、前記ハウジング内の空間が共に流体室である第1室と第2室とであって前記前輪用シリンダの第1室と第2室とにそれぞれ対応するものに仕切られて構成されたものと、
前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第1室同士において互いに接続する第1室用通路と、
前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第2室同士において互いに接続する第2室用通路と、
それら第1室用通路と第2室用通路とに接続され、前記前輪用シリンダと後輪用シリンダの作動流体を収容可能である流体収容装置と、
前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第1室同士において互いに連通させる状態と互いに遮断する状態とに切り換わる第1室用バルブ装置と、
前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第2室同士において互いに連通させる状態と互いに遮断する状態とに切り換わる第2室用バルブ装置と
を含み、かつ、前記第1室用バルブ装置は、前記第1室用通路が前記流体収容装置との接続点によって互いに仕切られる2つの部分通路のうち、前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとの一方である第1シリンダに近いものに接続され、一方、前記第2室用バルブ装置は、前記第2室用通路が前記流体収容装置との接続点によって互いに仕切られる2つの部分通路のうち、前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとの他方である第2シリンダに近いものに接続された車両懸架装置。
【0014】
この装置においては、前輪用シリンダと後輪用シリンダとが、それらの第1室同士において互いに連通するとともに、それらの第2室同士においても互いに連通するシリンダ連通状態が実現され得る。
【0015】
このシリンダ連通状態においては、車体の左右方向において同じ側に位置する前後輪が同じ向きに同じ量で変位しようとすれば、第1室同士も第2室同士も等圧である結果、第1室同士での作動流体の流通も第2室同士での作動流体の流通も抑制される。これにより、同じ側の前後輪のサスペンション剛性が共に向上し、ひいては、それら前後輪の変位が共に抑制される。すなわち、車体のロール剛性が向上するのである。
【0016】
さらに、そのシリンダ連通状態においては、同じ側の前後輪が互いに異なる向きに変位しようとするか、または同じ向きに互いに異なる量で変位しようとすれば、第1室同士も第2室同士も等圧ではない結果、第1室同士での作動流体の流通も第2室同士での作動流体の流通も許容される。これにより、同じ側の前後輪のサスペンション剛性が共に低下し、ひいては、それら前後輪の変位が共に許容される。
【0017】
車両の旋回時には、一般に、同じ側の前後輪が同じ向きに変位して車体がロールしようとする傾向がある。それにもかかわらず、本項に係る装置によれば、前後輪のサスペンション剛性が共に向上して車体のロール剛性が向上し、その結果、車体のロールが抑制される。
【0018】
さらに、車両が凹凸路面を走行する際には、同じ側の前後輪が変位する向きまたは量が互いに異なろうとする傾向がある。本項に係る装置によれば、そのような傾向が生ずると、それら前後輪のサスペンション剛性が共に低下し、その結果、それら前後輪のサスペンションのアーティキュレーション性が向上する。
【0019】
ところで、車両の旋回時に、同じ側の前後輪が必ず同じ向きに同じ量で変位しようとするとは限らない。例えば、車両の旋回半径がやや短いことや、旋回中の走行速度がやや大きいことが原因で、大きな遠心力を伴う車両の旋回時には、同じ側の前後輪間で変位挙動(変位の向きおよび量)が不一致となる傾向が発生する場合があり得る。
【0020】
大きな遠心力を伴う車両の旋回時には、前後輪のサスペンション剛性が共に向上して車体のロール剛性が向上することが理想的である。しかし、同じ側の前後輪間で変位挙動が不一致となると、車両が凹凸路面を走行する場合と同様に、同じ側の前後輪の変位が共に許容され、車体のロール剛性が向上しない。
【0021】
そのため、大きな遠心力を伴う車両の旋回時には、上述の変位挙動の不一致傾向にもかかわらず、同じ側の前後輪のサスペンション剛性を共に向上させて車体のロール剛性を向上させる特別の対策を講ずることが望ましい。
【0022】
これに対し、本項に係る装置においては、前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第1室同士において互いに連通させる状態と互いに遮断する状態とに切り換わる第1室用バルブ装置と、前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第2室同士において互いに連通させる状態と互いに遮断する状態とに切り換わる第2室用バルブ装置とが設けられる。
【0023】
したがって、この装置によれば、前輪用シリンダと後輪用シリンダとを、それらの第1室同士において互いに遮断することと、それらの第2室同士において互いに遮断することとをそれぞれ、選択的に実現可能となる。
【0024】
よって、この装置の一例によれば、車両の旋回時であって、同じ側の前後輪が互いに異なる変位挙動を示そうとする場合に、前輪用シリンダと後輪用シリンダとを互いに遮断することにより、同じ側の前後輪のサスペンション剛性を共に向上させて車体のロール剛性を向上させることが可能となる。
【0025】
さらに、本項に係る装置においては、図9に概念的に例示するように、第1室用バルブ装置400は、第1室用通路402が流体収容装置404との接続点CP1によって互いに仕切られる2つの部分通路のうち、前輪用シリンダ406と後輪用シリンダ408との一方である第1シリンダ406に近いものに接続される。すなわち、前輪用シリンダ406と後輪用シリンダ408とを第1室416同士において互いに接続する第1室用通路402には第1室用バルブ装置400が、流体収容装置404との連通可能性を有しない状態で前輪用シリンダ406に接続されるように配置されるのである。
【0026】
一方、第2室用バルブ装置410は、第2室用通路412が流体収容装置414との接続点CP2によって互いに仕切られる2つの部分通路のうち、前輪用シリンダ406と後輪用シリンダ408との他方である第2シリンダ408に近いものに接続される。すなわち、前輪用シリンダ406と後輪用シリンダ408とを第2室418同士において互いに接続する第2室用通路412には第2室用バルブ装置410が、流体収容装置414との連通可能性を有しない状態で後輪用シリンダ408に接続されるように配置されるのである。
【0027】
このように、本項に係る装置においては、第1室416,416同士をつなぐ圧力回路420と第2室418,418同士をつなぐ圧力回路422とが、それら圧力回路420,422をその機能に着目して簡略的に表す圧力回路図上において、互いに点対称の関係にあるレイアウトを有するように構成されているのである。
【0028】
なお、本明細書において「点対称」という用語は、数学上の厳密な定義に従い、実際の圧力回路のすべての幾何学的特徴に着目して使用するのではなく、実際の圧力回路から必要な要素を機能に着目して概念的に抽出したうえで、その抽出された要素の概念的なレイアウト(概念的な位置的バランス)に着目して使用する。
【0029】
したがって、「点対称」という用語を使用しても、その概念的なレイアウト以外の点で実際の圧力回路の構成が制限的に解釈されることはない。例えば、流体収容装置やシリンダ、通路の実際の位置や大きさに関して厳密な意味で点対称であることも、他の部品の位置や大きさに関して厳密な意味で点対称であることも不可欠ではないのである。
【0030】
図10には、車両懸架装置の一比較例が概念的に表されている。この比較例においては、第1室416,416同士をつなぐ圧力回路430と第2室418,418同士をつなぐ圧力回路432とが互いに線対称の関係にあるレイアウトを有するように構成されている。
【0031】
この比較例においては、前輪用シリンダ406と後輪用シリンダ408とのうち同じもの(図10の例においては、前輪用シリンダ406)に第1室用バルブ装置400と第2室用バルブ装置410とが一緒に、流体収容装置404,414との接続点CP1,CP2を経由することなく、接続されている。
【0032】
そのため、この比較例につき、第1室用バルブ装置400が前輪用シリンダ406の第1室416内に作動流体を閉じ込め続けてしまう故障モードと、第2室用バルブ装置410が前輪用シリンダ406の第2室418内に作動流体を閉じ込め続けてしまう故障モードとが時期的に重複する事態を想定すると、同じシリンダ406内においてピストン440がいずれの向きにも変位不能となる。
【0033】
これに対し、図9に例示した本項に係る装置によれば、同じシリンダ406,408における第1室416と第2室418とのうちの一方は、流体収容装置404との接続点CP1,CP2を経由することなく、対応するバルブ400に接続されるが、それら第1室416と第2室418とのうちの他方は、流体収容装置414との接続点CP1,CP2を経由して、対応するバルブ410に接続される。
【0034】
このように、この装置においては、同じシリンダにおけるいずれかの流体室が必ず、流体収容装置に接続された状態で、対応するバルブに接続される。
【0035】
よって、この装置につき、第1室用バルブ装置が第1室内に作動流体を閉じ込め続けてしまう故障モードと、第2室用バルブ装置が第2室内に作動流体を閉じ込め続けてしまう故障モードとが時期的に重複する事態を想定すると、いずれのシリンダ内においても、ピストンのいずれかの方向への変位が確保される。
【0036】
その結果、この装置によれば、上述の仮想の事態において、各シリンダの圧力の最高値が上記比較例におけるほどには高くならずに済み、その結果、当該装置の信頼性が向上する。
【0037】
なお付言すれば、本項における「第1室用バルブ装置」および「第2室用バルブ装置」はそれぞれ、単一のバルブを主体として構成したり、複数のバルブの組合せによって構成することが可能である。
【0038】
さらに付言すれば、それら「第1室用バルブ装置」および「第2室用バルブ装置」はそれぞれ、可動要素を含む形式として構成したり、固定要素を含む形式として構成することができる。前者の形式の一例は、少なくとも1つのソレノイドバルブであり、別の一例は、少なくとも1つのメカニカルバルブである。また、後者の形式の一例は、少なくとも1つの絞りである。
【0039】
さらに付言すれば、それら「第1室用バルブ装置」および「第2室用バルブ装置」はそれぞれ、いずれかのシリンダにおけるいずれかの流体室に流体収容装置との連通可能性を有しない状態で接続されれば足りるため、互いに対応するバルブ装置と流体室とが長さを有する通路によって互いに接続されることは不可欠ではない。したがって、各バルブ装置は、対応するシリンダに直接に取り付けられるようにして配置することも可能である。
【0040】
さらに付言すれば、本項における「前輪用シリンダ」は、左右の前輪に関して共通に設置される形式としたり、左右の前輪に関して個別に設置される形式とすることが可能である。前者の形式によれば、例えば、左右の前輪に関して共通に1つのシリンダを有する態様が該当し、また、後者の形式によれば、例えば、左前輪と右前輪とに関してそれぞれ1つずつのシリンダを有する態様が該当する。以上の解釈は、本項における「後輪用シリンダ」についても適用される。
【0041】
さらに、本項における「流体収容装置」は、例えば、作動流体を圧力下に収容可能な形式とすることが可能である。
【0042】
さらに、本項における「シリンダ」は、有底のハウジングにピストンが嵌合されるとともに、そのピストンからピストンロッドがハウジングの底壁側とは反対側に延び出す態様で構成される場合、ハウジングを車体側、ピストンロッドを車輪側にそれぞれ取り付ける態様で使用することが可能であり、これとは逆に、ハウジングを車輪側、ピストンロッドを車体側にそれぞれ取り付ける態様で使用することも可能である。
(2) 前記前輪用シリンダが、前記第1室の容積変化量が前記ピストンの変位量に変換される比率が前記第2室の容積変化量が前記ピストンの変位量に変換される比率より低いように構成されており、
前記第1シリンダが、その前輪用シリンダである(1)項に記載の車両懸架装置。
【0043】
前記(1)項に係る装置においては、各シリンダにつき、いずれかの流体室は、流体収容装置との接続点を経由せずに、対応するバルブに接続される。
【0044】
一方、各シリンダにおけるいずれかの流体室であって、流体収容装置との接続点を経由することなく、対応するバルブに接続された流体室につき、万一、その対応するバルブによって作動流体が閉じ込めれたとすると、その状態で、そのいずれかの流体室内の作動流体が昇温すると、その作動流体が熱によって膨張してその流体室の容積が増加する。
【0045】
ここに、互いに対応するシリンダとバルブとが長さを有する通路によって互いに接続される場合には、その通路内に存在する作動流体の熱膨張による影響をも考慮して、上記閉じ込められた流体室の容積の増加量を論ずることが必要である。
【0046】
そして、その閉じ込められた流体室の容積の増加分、ピストンが押し退けられるが、その押し退け量は、車輪の変位、ひいては、車体の傾斜を生じさせる原因となる。具体的には、例えば、その容積の増加分、ピストンの中立位置が正規の位置からずれてしまう。
【0047】
一方、第1室の容積変化量がピストンの変位量に変換される比率が第2室の容積変化量がピストンの変位量に変換される比率より低いシリンダにおいては、上述の押し退け量は、第2室の容積増加を原因とする場合より、第1室の容積増加を原因とする場合の方が少なく、車輪の変位および車体の傾斜に及ぼす影響も少ない。
【0048】
以上説明した知見に基づき、本項に係る装置においては、前輪用シリンダが、第1室の容積変化量がピストンの変位量に変換される比率(容積−変位量変換率)が第2室の容積変化量がピストンの変位量に変換される比率(容積−変位量変換率)より低いように構成されており、かつ、前記第1シリンダが、その前輪用シリンダとされている。
【0049】
したがって、この装置においては、前輪用シリンダにおける第1室と第2室とのうち、上記容積−ストローク変換率が低い方、すなわち、容積変化に対するピストンの作動感度が鈍感である方である第1室が、第1シリンダの第1室として、流体収容装置との接続点を経由することなく、第1室用バルブ装置に接続される。
【0050】
よって、この装置によれば、例えば、前輪用シリンダへの作動流体の予定外の閉じ込みにもかかわらず、それに起因したピストンの中立位置のずれ、ひいては車輪の変位および車体の傾斜を抑制することが容易となる。
(3) 前記後輪用シリンダが、前記第1室の容積変化量が前記ピストンの変位量に変換される比率が前記第2室の容積変化量が前記ピストンの変位量に変換される比率より低いように構成されており、
前記第1シリンダが、その後輪用シリンダである(1)項に記載の車両懸架装置。
【0051】
この装置においては、後輪用シリンダが、第1室の容積変化量がピストンの変位量に変換される比率(容積−変位量変換率)が第2室の容積変化量がピストンの変位量に変換される比率(容積−変位量変換率)より低いように構成されており、かつ、前記第2シリンダが、その後輪用シリンダとされている。
【0052】
したがって、この装置においては、後輪用シリンダにおける第1室と第2室とのうち、上記容積−ストローク変換率が低い方、すなわち、容積変化に対するピストンの作動感度が鈍感である方である第1室が、第1シリンダの第1室として、流体収容装置との接続点を経由することなく、第1室用バルブ装置に接続される。
【0053】
よって、この装置によれば、例えば、後輪用シリンダへの作動流体の予定外の閉じ込みにもかかわらず、それに起因したピストンの中立位置のずれ、ひいては車輪の変位および車体の傾斜を抑制することが容易となる。
(4) さらに、
前記第1室用バルブ装置を実質的にバイパスして前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第1室同士において互いに連通させる第1室用バイパス通路と、
前記第2室用バルブ装置を実質的にバイパスして前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第2室同士において互いに連通させる第2室用バイパス通路と
を含む(1)ないし(3)項のいずれかに記載の車両懸架装置。
【0054】
前記(1)ないし(3)項のいずれかに係る装置においては、第1室用バルブ装置が万一、前輪用シリンダの第1室と後輪用シリンダの第1室との一方であって流体収容装置との接続点を経由せずに第1室用バルブ装置に接続されているものに作動流体を閉じ込めてしまうと、その一方の第1室内の作動流体の容積増加は、対応する車輪の変位および車体の傾斜を生じさせる原因となる。
【0055】
さらに、前記(1)ないし(3)項のいずれかに係る装置においては、第2室用バルブ装置が万一、前輪用シリンダの第2室と後輪用シリンダの第2室との一方であって流体収容装置との接続点を経由せずに第2室用バルブ装置に接続されているものに作動流体を閉じ込めてしまうと、その一方の第2室内の作動流体の容積増加は、対応する車輪の変位および車体の傾斜を生じさせる原因となる。
【0056】
これに対し、本項に係る装置においては、第1室用バルブ装置を実質的にバイパスして前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第1室同士において互いに連通させる第1室用バイパス通路と、第2室用バルブ装置を実質的にバイパスして前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第2室同士において互いに連通させる第2室用バイパス通路とが設けられる。
【0057】
したがって、この装置によれば、前輪用シリンダと後輪用シリンダとの間に第1室用バルブ装置および第2室用バルブ装置が介在するにもかかわらず、それら両シリンダ間において作動流体が流動することが可能となる。
【0058】
よって、この装置によれば、車体が予定外に傾斜する事態を回避することが容易となる。
【0059】
なお付言するに、本項に記載の特徴的技術は、前記(1)項に記載の特徴的技術から切り離して実施することが可能である。
(5) 前記第1室用バイパス通路と前記第2室用バイパス通路とがそれぞれ、絞りを有する(4)項に記載の車両懸架装置。
【0060】
前記(4)項に係る装置においては、前輪用シリンダと後輪用シリンダとの間に第1室用バイパス通路および第2室用バイパス通路が設けられるが、それらバイパス通路は、第1室用バルブ装置および第2室用バルブ装置をそれぞれ無効化するように作用する。
【0061】
これに対し、本項に係る装置においては、第1室用バイパス通路と第2室用バイパス通路とにそれぞれ絞りが設けられる。絞りの流動抵抗は、前輪用シリンダと後輪用シリンダとの間における作動流体の流動速度に応じて増加する。
【0062】
したがって、この装置によれば、前輪用シリンダと後輪用シリンダとの間における作動流体の流動速度に応じて、各バイパス通路が選択的に無効化され、その結果、各バルブ本来の機能が確保される。
(6) 前記流体収容装置が、
流体を収容可能なアキュムレータと、
そのアキュムレータと前記第1室用通路および第2室用通路とを互いに連通させる連通位置と互いに遮断する遮断位置とに切り換わるアキュムレータ用バルブと
を含む(1)ないし(5)項のいずれかに記載の車両懸架装置。
【0063】
前輪用シリンダと後輪用シリンダとが通路によって互いに接続されて構成される圧力回路内に作動流体が封入された状態を実現するためには、その圧力回路が他の弾性的な圧力要素に接続されないことが望ましい。
【0064】
しかし、その封入された流体が熱によって膨張する可能性があるため、その圧力回路内に流体を封入することが必要ではない場合には、その圧力回路を、その熱膨張によって増加した流体を吸収する要素に接続し、流体容積に対して温度補償を行うことが望ましい。
【0065】
このような知見に基づき、本項に係る装置においては、前記(1)ないし(5)項のいずれかにおける流体収容装置が、流体を収容可能なアキュムレータと、そのアキュムレータと第1室用通路および第2室用通路とを互いに連通させる位置と互いに遮断する位置とに切り換わるアキュムレータ用バルブとを含むように構成される。
【0066】
このアキュムレータ用バルブは、可動要素を含む形式として構成したり、固定要素を含む形式として構成することができる。前者の形式の一例は、少なくとも1つのソレノイドバルブであり、別の一例は、少なくとも1つのメカニカルバルブである。また、後者の形式の一例は、少なくとも1つの絞りである。
(7) さらに、前記アキュムレータ用バルブを実質的にバイパスして前記第1室用通路および第2室用通路からそれらの作動流体を前記アキュムレータに逃がすリリーフ通路を含む(6)項に記載の車両懸架装置。
【0067】
前記(6)項に係る装置につき、前輪用シリンダと後輪用シリンダとが第1室用通路および第2室用通路により互いに接続されて構成される圧力回路内にアキュムレータ用バルブが作動流体を閉じ込める故障モードを想定すると、各シリンダ内の作動流体が昇温して熱膨張すると、通常より大きな負荷が各シリンダに加えられる可能性がある。
【0068】
これに対し、本項に係る装置においては、アキュムレータ用バルブを実質的にバイパスして第1室用通路および第2室用通路からそれらの作動流体をアキュムレータに逃がすリリーフ通路が設けられる。
【0069】
したがって、この装置によれば、アキュムレータ用バルブの故障にもかかわらず、作動流体の増加分をアキュムレータが吸収する機能が確保される。
【0070】
なお付言するに、本項に記載の特徴的技術は、前記(1)項に記載の特徴的技術から切り離して実施することが可能である。
(8) 前記リリーフ通路が、前記第1室用通路および第2室用通路における圧力が設定圧を超えようとすると開くリリーフバルブを有する(7)項に記載の車両懸架装置。
【0071】
前記(7)項に係る装置においては、アキュムレータと第1室用通路および第2室用通路との間にリリーフ通路が設けられるが、このリリーフ通路は、アキュムレータ用バルブを無効化するように作用する。
【0072】
これに対し、本項に係る装置においては、リリーフ通路に、第1室用通路および第2室用通路における圧力が設定圧を超えようとすると開くリリーフバルブが設けられる。
【0073】
したがって、この装置によれば、第1室用通路および第2室用通路における圧力に応じて、アキュムレータ用バルブが選択的に無効化され、その結果、アキュムレータ用バルブ本来の機能が確保される。
(9) 前記アキュムレータ用バルブが、常には前記連通位置にある(6)ないし(8)項のいずれかに記載の車両懸架装置。
【0074】
この装置においては、アキュムレータ用バルブが、常には、第1室用通路および第2室用通路をアキュムレータに連通させる連通位置にある。したがって、この装置によれば、それの非使用状態において、第1室用通路および第2室用通路とアキュムレータとの間の作動流体の流通が実現される。よって、その非使用状態において、各シリンダ内の作動流体の容積が変化すれば、それを補償するための作動流体の各シリンダへの流入・流出が実現される。
(10) 前記アキュムレータ用バルブが、前記第1室用通路と第2室用通路とに関連して個別に設けられた(6)ないし(9)項のいずれかに記載の車両懸架装置。
(11) 前記アキュムレータが、前記第1室用通路と第2室用通路とに関連して個別に設けられた(10)項に記載の車両懸架装置。
(12) 前記アキュムレータ用バルブが、前記第1室用通路と第2室用通路とに関連して互いに共通に設けられた(6)ないし(9)項のいずれかに記載の車両懸架装置。
(13) 前記アキュムレータが、前記第1室用通路と第2室用通路とに関連して互いに共通に設けられた(12)項に記載の車両懸架装置。
(14) 前記第1室用バルブ装置と第2室用バルブ装置とがそれぞれ、前記第1室と第2室とのうち対応するものにおける圧力であるシリンダ圧によって機械的に、前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとを互いに連通させる連通位置と互いに遮断する遮断位置とに切り換わるメカニカルバルブを含む(1)ないし(13)項のいずれかに記載の車両懸架装置。
【0075】
前記(1)ないし(13)項のいずれかに係る装置は、第1室用バルブ装置と第2室用バルブ装置とがそれぞれソレノイドバルブを含む態様で実施することが可能である。
【0076】
これに対し、本項に係る装置においては、第1室用バルブ装置と第2室用バルブ装置とがそれぞれメカニカルバルブを含むものとされ、しかも、そのメカニカルバルブは、第1室と第2室とのうち対応するものにおける圧力であるシリンダ圧によって機械的に作動し、前輪用シリンダと後輪用シリンダとを互いに連通させる連通位置と互いに遮断する遮断位置とに切り換わる。
(15) 前記メカニカルバルブが、常には前記連通位置にあるが、前記シリンダ圧が設定圧を超えようとすると前記遮断位置に切り換わる(14)に記載の車両懸架装置。
【0077】
車両の旋回運動が強いほど大きな遠心力が車体に発生し、それに伴い、大きなローリングモーメントが発生する。ローリングモーメントは、各シリンダにおいて第1室と第2室との一方については、それの圧力を上昇させるように作用し、その圧力の高さは、ローリングモーメントが大きいほど高い。一方、ローリングモーメントが大きいほど、車体のロール剛性を向上させる必要性が高い。
【0078】
このような知見に基づき、本項に係る装置においては、メカニカルバルブが、常には連通位置にあるが、シリンダ圧が設定圧を超えようとすると遮断位置に切り換わるように作動させられる。
【0079】
したがって、この装置によれば、メカニカルバルブが、シリンダ圧の高さに応じ、連通位置と遮断位置とに選択的に切り換わる。
(16) 前記メカニカルバルブが、
ハウジングと、
弁子と弁座とを有する弁部と、
その弁部のうちの可動要素に係合する可動部材であって、前記ハウジングに嵌合されることによってそのハウジング内の空間を前記弁部側の空間とそれとは反対側の空間とに互いに仕切るものと、
その可動部材を、前記弁子が前記弁座から離間する向きに付勢する付勢手段と
を含む(15)項に記載の車両懸架装置。
(17) 前記作動流体が、作動液であり、
前記流体収容装置が、その作動液を収容可能なものであり、
前記反対側の空間が、その流体収容装置に接続された(16)項に記載の車両懸架装置。
【0080】
前記(16)項に係る装置が、作動流体が作動液であり、かつ、流体収容装置がその作動液を収容可能である態様で実施される場合には、ハウジングにおいて作動液が弁部側の空間(液室)から、可動部材とハウジングとの嵌合隙間を経て、反対側の空間に漏れる可能性がある。
【0081】
これに対し、本項に係る装置においては、その反対側の空間が流体収容装置に接続されている。
【0082】
したがって、この装置によれば、予定外に漏れた作動液を流体収容装置によって捕捉可能となる。
(18) 車両において左右の前輪および左右の後輪と車体との間に配置された車両懸架装置であって、
前記前輪側において、それの左右輪間の、概して前記車体の上下方向における相対変位を制御する前輪用シリンダであって、ハウジングにピストンが嵌合されることにより、前記ハウジング内の空間が共に流体室である第1室と第2室とに仕切られて構成されたものと、
前記後輪側において、それの左右輪間の、概して前記車体の上下方向における相対変位を制御する後輪用シリンダであって、ハウジングにピストンが嵌合されることにより、前記ハウジング内の空間が共に流体室である第1室と第2室とであって前記前輪用シリンダの第1室と第2室とにそれぞれ対応するものに仕切られて構成されたものと、
前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第1室同士において互いに接続する第1室用通路と、
前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第2室同士において互いに接続する第2室用通路と、
それら第1室用通路と第2室用通路とに接続され、前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとの作動流体を収容可能である流体収容装置と、
前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第1室同士において互いに連通させる状態と互いに遮断する状態とに切り換わる第1室用バルブ装置と、
前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第2室同士において互いに連通させる状態と互いに遮断する状態とに切り換わる第2室用バルブ装置と
を含み、かつ、前記第1室用バルブ装置と第2室用バルブ装置とはそれぞれ、前記第1室と第2室とのうち対応するものにおける圧力であるシリンダ圧によって機械的に、前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとを互いに連通させる連通位置と互いに遮断する遮断位置とに切り換わるメカニカルバルブである車両懸架装置。
【0083】
この装置においては、前記(14)項に係る装置と同様にして、第1室用バルブ装置と第2室用バルブ装置とがそれぞれメカニカルバルブとされ、しかも、そのメカニカルバルブは、第1室と第2室とのうち対応するものにおける圧力であるシリンダ圧によって機械的に作動し、前輪用シリンダと後輪用シリンダとを互いに連通させる連通位置と互いに遮断する遮断位置とに切り換わる。
(19) 前記メカニカルバルブが、常には前記連通位置にあるが、前記シリンダ圧が設定圧を超えようとすると前記遮断位置に切り換わる(18)項に記載の車両懸架装置。
【0084】
この装置によれば、前記(15)項に係る装置と同様にして、メカニカルバルブが、シリンダ圧の高さに応じ、連通位置と遮断位置とに選択的に切り換わる。
(20) 前記メカニカルバルブが、
ハウジングと、
弁子と弁座とを有する弁部と、
その弁部のうちの可動要素に係合する可動部材であって、前記ハウジングに嵌合されることによってそのハウジング内の空間を前記弁部側の空間とそれとは反対側の空間とに互いに仕切るものと、
その可動部材を、前記弁子が前記弁座から離間する向きに付勢する付勢手段と
を含む(19)項に記載の車両懸架装置。
【0085】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のさらに具体的に実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0086】
図1には、本発明の第1実施形態に従う車両懸架装置(以下、単に「懸架装置」という)が車両搭載状態で示されている。この懸架装置は、左右の前輪10,10と左右の後輪12,12とが図示しない車体によって支持されて構成される車両においてそれら車輪10,12と車体との間に配置されて搭載される。
【0087】
その車体はサスペンション20を介して左右の前輪10,10と左右の後輪12,12とに相対変位可能に連結されている。サスペンション20は、前輪側においては、左右輪10,10を左右のロアアーム22,22を介して車体に揺動可能に支持している。さらに、サスペンション20は、後輪側においては、左右輪12,12と同軸に一緒に回転するリヤアクスル(図示しない)を回転可能に保持するリヤアクスルハウジング26を介してそれら左右輪12,12を車体に揺動可能に支持している。リヤアクスルは、よく知られているように、図示しないドライブシャフトの駆動トルクをデファレンシャル28を経て左右の後輪12,12に分配する。
【0088】
サスペンション20は、前輪側と後輪側とにそれぞれスタビライザバー30,32を備えている。各スタビライザバー30,32は、よく知られているように、前輪側と後輪側とにおいてそれぞれ、概して車体左右方向に延びて左右輪を互いに連結する。各スタビライザバー30,32は、車体左右方向に延びるロッド状のトーション部36を含み、そのトーション部36の両端からそれぞれ一対のアーム部38,38が同一平面上において同じ向きに屈曲して延びている。
【0089】
前輪側においては、スタビライザバー30のうちの一対のアーム部38,38の各端部が、対応するロアアーム22,22のうち、それの揺動中心から車体左右方向にずれた部分に相対回動可能に支持される。これに対し、後輪側においては、スタビライザバー32のうちの一対のアーム部38,38の各端部が、リヤアクスルハウジング26に相対回動可能に支持される。
【0090】
前輪用のスタビライザバー30は、左右輪10,10が逆位相で動こうとすると、車体のロール剛性を高めるように作用する。後輪用のスタビライザバー32も、左右輪12,12が逆位相で動こうとすると、車体のロール剛性を高めるように作用する。
【0091】
各スタビライザバー30,32は、基本的には、前輪と後輪とについて互いに独立してロール剛性を制御する。これに対し、本実施形態においては、前輪用のスタビライザバー30と後輪用のスタビライザバー32とが互いに機械的に連携させられており、その連携を実現するために前記懸架装置が使用される。
【0092】
この懸架装置においては、前輪用のスタビライザバー30は、それのトーション部36のうち車体前後中心線から互いに逆向きに隔たった2つの部分において車体に取り付けられる。それら2つの部分の一方は、長さが不変の連結ロッド50を介して車体に連結され、他方は、長さが可変のシリンダ52を介して車体に連結される。連結ロッド50もシリンダ52も、概して車体の上下方向に延びている。
【0093】
これに対し、後輪用のスタビライザバー32は、前輪用のスタビライザバー30と同様にして、それのトーション部36のうち車体前後中心線から互いに逆向きに隔たった2つの部分において車体に取り付けられる。それら2つの部分の一方は、長さが不変の連結ロッド60を介して車体に連結され、他方は、長さが可変のシリンダ62を介して車体に連結される。連結ロッド60もシリンダ62も、概して車体の上下方向に延びている。
【0094】
すなわち、本実施形態においては、シリンダ52が「前輪用シリンダ」の一例であり、シリンダ62が「後輪用シリンダ」の一例なのである。
【0095】
なお付言するに、本実施形態においては、各シリンダ52,62が、それに対応するスタビライザバー30,32と車体とを互いに相対変位可能に連結するが、例えば、対応するスタビライザバーを右側部分と左側部分とに分離し、それら2つの部分を互いに相対変位可能に連結するために各シリンダを使用するようにして本発明を実施することが可能である。シリンダは、左右輪間の、概して車体の上下方向における相対変位を実現するものであれば足りるからである。
【0096】
さらに付言すれば、各シリンダは、対応する車輪をスタビライザバーを介して車体に連結することは不可欠ではなく、例えば、各シリンダが、左右の前輪10,10と左右の後輪12,12とについて個別に配置され、かつ、各輪と一緒に運動する部材を車体に連結するようにして本発明を実施することも可能である。
【0097】
前輪用のシリンダ52と後輪用のシリンダ62とは、構造に関して互いに共通しており、図2に正面断面図で示されている。各シリンダ52,62は、両端が閉塞された中空のハウジング70と、そのハウジング70に実質的に液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン72とを備えている。その嵌合により、ハウジング70内の空間が2つに仕切られている。本実施形態においては、各シリンダ52,62が、概して車体の上下方向に延びる姿勢で車両に搭載されるため、それら2つの空間のうち上側のものを上室74、下側のものを下室76とそれぞれ称することとする。
【0098】
図2に示すように、ピストン72の一側からはそれと同軸にピストンロッド80が延び出し、ハウジング70を貫通して大気に臨まされている。本実施形態においては、ピストン72の両側のうち下室76に対向する側からピストンロッド80が下方に延び出している。ピストンロッド80の先端部が、図1に示すように、スタビライザバー30に相対回動可能に連結されている。図2に示すように、ハウジング70の両端部のうちピストンロッド80が貫通する側の端部とは反対側の端部からそれと同軸に固定ロッド84が延び出している。本実施形態においては、その固定ロッド84の先端部が、図1に示すように、図示しない車体に相対回動可能に連結されている。
【0099】
以上の説明から明らかなように、図1に示すように、各スタビライザバー30,32は、それの一側においてはシリンダ52,62、他側においては連結ロッド50,60を介して車体に連結されているのである。各シリンダ52,62の位置は、前輪側と後輪側とで互いに共通に設定されており、図1においては、共に車体の右側に設定されている。
【0100】
したがって、本実施形態においては、車体が右側にロールしようとすると、前輪用のシリンダ52においても後輪用のシリンダ62においても、ピストン72が上昇する(ピストンロッド80が縮み側に変位する)結果、上室74において圧力が上昇しようとする。
【0101】
よって、本実施形態においては、前輪側においても後輪側においても、上室74が「第1室」の一例であり、下室76が「第2室」の一例なのである。
【0102】
図1に示すように、前輪用のシリンダ52の上室74と後輪用のシリンダ62の上室74とが通路90によって互いに接続されている。同様にして、前輪用のシリンダ52の下室76と後輪用のシリンダ62の下室76とが通路92によって互いに接続されている。すなわち、本実施形態においては、通路90が「第1室用通路」の一例を構成し、通路92が「第2室用通路」の一例を構成しているのである。
【0103】
図1に示すように、通路90の途中には液圧ユニット100が接続され、同様にして、通路92の途中には液圧ユニット102が接続されている。
【0104】
図3には、液圧ユニット100が正面断面図で示されている。この液圧ユニット100はハウジング110を備えており、そのハウジング110には段付きの弁孔112が形成されている。この弁孔112には、後述の弁座を形成する弁座形成部材114が実質的に液密に嵌合されて固定されている。弁座形成部材114の軸方向位置は弁孔112の肩面116によって規定される。
【0105】
弁座形成部材114は、それと同軸の貫通穴122を有している。弁座形成部材114は、さらに、貫通穴122と連通した中空部124を向く姿勢で弁座126が貫通穴122の全周に沿って形成されている。中空部124内に弁子128が配置されており、弁座126に着座可能な形状を有している。すなわち、本実施形態においては、それら弁座126と弁子128とによって弁部132が構成されているのである。
【0106】
弁孔112内には、さらに、弁部132に同軸に対向する位置においてプランジャ134が摺動可能に嵌合されている。このプランジャ134の一端部には開弁部136、他端部には嵌合部138がそれぞれ形成されている。
【0107】
開弁部136は、弁座形成部材114の外側から延びて貫通穴122を貫通し、やがて弁子128に至っている。本実施形態においては、それら開弁部136と弁子128とが一体的に形成されている。開弁部136は、その作用状態では、弁子128を弁座126から離間させる。これに対し、嵌合部138は、弁孔112に摺動可能に嵌合されている。それら弁孔112と嵌合部138とは、弁孔112に固定された双方向シール140により、実質的に液密に嵌合されている。
【0108】
プランジャ134とハウジング110との間には付勢手段としてのスプリング150が配置されている。このスプリング150は、コイル状を成し、プランジャ134に同軸に挿入されている。このスプリング150の一端は、ハウジング110に支持され、他端は、プランジャ134の一部に支持されている。このスプリング150は、プランジャ134を、弁子128が弁座126から離間する向きに常時付勢している。
【0109】
弁孔112内の空間は、その弁孔112にプランジャ134の嵌合部138が嵌合されることにより、弁部132側の第1液室160と、それとは反対側の第2液室162とに互いに仕切られている。
【0110】
第1液室160は、さらに、弁座126により、弁子128側の第3液室170と、それとは反対側の第4液室172とに互いに仕切られている。第3液室170は、ハウジング110内の通路174と、図1に示す通路90のうちの前輪側部分通路180とを順に経て、前輪用のシリンダ52の上室74に接続されている。これに対し、第4液室172は、ハウジング110内の通路182と、図1に示す通路90のうちの後輪側部分通路184とを順に経て、後輪用のシリンダ62の上室74に接続されている。
【0111】
本実施形態においては、常には、プランジャ134によって弁子128が弁座126から離間させられ、第3液室170と第4液室172とが互いに連通している。この状態で、それら第3液室170および第4液室172の圧力が上昇し、プランジャ134の作動力に基づく開弁圧を超えようとすると、プランジャ134が後退し、その結果、弁子128が弁座132に着座する。
【0112】
この状態においては、第3液室170が第4液室172より高圧であると、弁子128が弁座132に着座し続け、その結果、前輪用シリンダ52の上室74から後輪用シリンダ62の上室74に向かう作動液の流れが阻止される。
【0113】
この状態で、第4液室172の圧力が低下し、開弁圧以下になると、プランジャ134が原位置に復元し、その結果、弁子128を弁座132から離間させる。この状態においては、第3液室170と第4液室172とが互いに連通し、それにより、前輪用シリンダ52の上室74と後輪用シリンダ62の上室74との間における作動液の流れが許容される状態が復元される。
【0114】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、ハウジング110と、弁座126および弁子128を有する弁部132と、スプリング150とによってメカニカルバルブ190が構成され、このメカニカルバルブ190によって「第1室用バルブ装置」の一例が構成されているのである。
【0115】
図4に示すように、メカニカルバルブ190は、通路90のうち、アキュムレータ200との接続点CP1より前輪用のシリンダ52に近い部分に配置されている。
【0116】
図3に示すように、ハウジング110には、さらに、アキュムレータ200が装着されている。アキュムレータ200は、図示しないが、よく知られているように、有底のハウジングにピストンが実質的に液密かつ摺動可能に嵌合されて構成されている。そのピストンの背後には、圧縮気体としての窒素ガスが封入された高圧室、前方には、作動液を圧力下に収容可能な収容室がそれぞれ形成されている。
【0117】
このアキュムレータ200の入口は、ハウジング110内の通路202と、ソレノイドバルブ206と、ハウジング110内の通路208とを順に経て、第4液室172に接続されている。
【0118】
ソレノイドバルブ206は、図示しないが、よく知られているように、通電によって磁気力を発生させるソレノイドと、その磁気力に基づいて作動し、内部通路を開く状態と閉じる状態とに切り換わる弁部とを含むように構成されている。このソレノイドバルブ206は、本実施形態においては、ノーマルオープン式であり、非通電状態では、第4液室172とアキュムレータ200とを互いに連通させる連通位置(開状態)にあるが、通電されると、それら第4液室172とアキュムレータ200とを互いに遮断する遮断位置(閉状態)に切り換わる。
【0119】
ソレノイドバルブ206の開状態では、各シリンダ52,62内の作動液が熱膨張してそれの容積が増加すれば、その増加分、作動液がアキュムレータ200に吸収される。これにより、各シリンダ52,62内における作動液の容積が温度上昇に対して補償される。
【0120】
さらに、ソレノイドバルブ206の開状態では、各シリンダ52,62内の作動液の容積が減少すれば、その減少分、作動液がアキュムレータ200から補充される。これにより、各シリンダ52,62内における作動液の容積が補償される。
【0121】
したがって、本実施形態においては、ソレノイドバルブ206が「アキュムレータ用バルブ」の一例を構成し、アキュムレータ200とソレノイドバルブ206とが互いに共同して「流体収容装置」の一例を構成しているのである。
【0122】
第2液室162は、アキュムレータ200の入口に常時連通するため、プランジャ134は、アキュムレータ200の圧力を、弁子128を弁座126から離間させる向きに受ける。その結果、プランジャ134は、弁子128を弁座126から離間させる向きの力を、スプリング150の弾性力と、アキュムレータ200の圧力とによって発生させる。
【0123】
したがって、メカニカルバルブ190においては、第4液室172の圧力がスプリング150の弾性力とアキュムレータ200の圧力との双方に基づく開弁圧を超えようとするときにはじめて、プランジャ134が原位置から後退する。その後退により、スプリング156によって弁子128が弁座126に着座して第3液室170と第4液室172とを互いに遮断することが許容される。
【0124】
メカニカルバルブ190は、第3液室170と第4液室172とを互いに仕切る部分において、弁座126をバイパスするバイパス通路218と、絞りとしてのオリフィス220とを備えている。本実施形態においては、それらバイパス通路218とオリフィス220とが弁座形成部材114に形成されている。それらバイパス通路218とオリフィス220とにより、第3液室170と第4液室172とが、弁部132の開閉状態の如何を問わず、選択的に互いに連通することが可能となる。
【0125】
以上、前輪用シリンダ52と後輪用シリンダ62とをそれらの上室74,74同士において互いに接続する通路90に設けられた上室用のメカニカルバルブ190の構造を詳細に説明したが、それら前輪用シリンダ52と後輪用シリンダ62とをそれらの下室76,76同士において互いに接続する通路92に設けられた下室用のメカニカルバルブ230(図4参照)の構造は、上室用のメカニカルバルブ190と共通するため、重複した説明を省略する。
【0126】
ただし、各メカニカルバルブ190,230と各シリンダ52,62との接続態様は、それらメカニカルバルブ190と230との間で互いに異なる。以下、その接続態様を図4を参照して説明する。
【0127】
図4には、本実施形態に従う懸架装置のハードウエア構成とソフトウエア構成とが概念的に表されている。
【0128】
図4から明らかなように、本実施形態においては、前輪用シリンダ52の上室74は、アキュムレータ200との連通可能性を有しない状態で、メカニカルバルブ190に接続され、一方、後輪用シリンダ62の上室74は、アキュムレータ200との連通可能性を有する状態で、メカニカルバルブ190に接続されている。
【0129】
これに対し、前輪用シリンダ52の下室76は、アキュムレータ200との連通可能性を有する状態で、メカニカルバルブ230に接続され、一方、後輪用シリンダ62の下室76は、アキュムレータ200との連通可能性を有しない状態で、メカニカルバルブ230に接続されている。すなわち、図4に示すように、メカニカルバルブ230は、通路92のうち、アキュムレータ200との接続点CP2より後輪用のシリンダ62に近い部分に配置されているのである。
【0130】
したがって、本実施形態においては、メカニカルバルブ190と通路90とアキュムレータ200とソレノイドバルブ206とにより構成される上室用圧力回路240と、メカニカルバルブ230と通路92とアキュムレータ200とソレノイドバルブ206とにより構成される下室用圧力回路242とが、それら圧力回路240,242を機能に着目して簡略的に示す圧力回路図を含む図4において、互いに点対称となる関係を有するレイアウトを有するように設計されている。
【0131】
液圧ユニット102は、図3に示す液圧ユニット100に準じて、メカニカルバルブ230と通路92とアキュムレータ200とソレノイドバルブ206とを含むように構成されている。
【0132】
本実施形態においては、いずれのシリンダ52,62も、上室74の容積変化量がピストンのストロークに変換される容積−ストローク変換率が、下室76の容積変化量がピストンのストロークに変換される容積−ストローク変換率より低いように設計されている。
【0133】
したがって、本実施形態においては、結局、図4に示すように、前輪用シリンダ52については、容積−ストローク変換率が低い上室74にメカニカルバルブ190が、アキュムレータ200との連通可能性を有しない状態で接続されている。また、後輪用シリンダ62については、容積−ストローク変換率が高い下室76にメカニカルバルブ230が、アキュムレータ200との連通可能性を有しない状態で接続されている。
【0134】
図4に示すように、この懸架装置には、2つのソレノイドバルブ206,206を制御するために電子制御ユニット(以下、「ECU」という)250が設けられている。このECU250は、アキュムレータ200の圧力に関する情報と、車両状態量に関する情報としての、車輪速度に関する情報、車体の横加速度(図において「横G」で表す)に関する情報、および車両のステアリングホイールが運転者によって回転操作された操舵角に関する情報とに基づき、ソレノイドバルブ206を制御するとともに、必要な情報をインジケータ252を介して運転者に表示する。
【0135】
図5には、この懸架装置のソフトウエア構成がブロック図で概念的に表されている。ECU250は、コンピュータ260を主体として構成されており、そのコンピュータ260は、よく知られているように、CPU262とROM264とRAM266とがバス268により互いに接続されて構成されている。そのコンピュータ260は、I/Oポート270を介して各種の外部機器に接続されている。
【0136】
具体的には、ECU250は、2つのアキュムレータ200,200の圧力をそれぞれ検出する2つの圧力センサ280,280に接続されている。ECU250は、さらに、車体の横加速度を検出する横Gセンサ282と、前記操舵角を検出する操舵角センサ284とに接続されている。それらセンサ282,284は、車両が旋回しているか否かを判定したり、車体のローリング運動の程度を判定するために使用することが可能である。
【0137】
ECU250は、さらに、左右の前輪10,10の角速度を車輪速度として検出する2つの車輪速度センサ286,286と、左右の後輪12,12の角速度を車輪速度として検出する2つの車輪速度センサ288,288とに接続されている。それら車輪速度センサ266,266,268,268は、車両が走行中にあるか否かを判定したり、車両が旋回しているか否かを判定するために使用することが可能である。
【0138】
ECU250は、さらに、ソレノイドバルブ206,206と、インジケータ252とに接続されている。インジケータ252は、文字、図形等により、必要な情報を運転者に視覚的に伝達するために使用することができる。インジケータ252は、出力器の一例であり、それに代えて、またはそれと共に、必要な情報を運転者に聴覚的に伝達する警報器(例えば、ブザー、擬似音声出力器)を用いることが可能である。
【0139】
ROM264には、この懸架装置を作動させるためにコンピュータ260に実行させるべき各種プログラムが記憶されている。そのうちの1つが、アキュムレータ用バルブとしてのソレノイドバルブ206を制御するためのバルブ制御プログラムであり、図6にフローチャートで概念的に表されている。
【0140】
このバルブ制御プロブラムは、イグニションスイッチ等、車両スイッチが運転者によってONに操作された後、繰返し実行される。各回の実行時には、まず、ステップ(以下、「S1」で表す。他のステップについても同じとする)において、横Gセンサ282、操舵角センサ284等からの信号に基づき、車両が旋回中であるか否かが判定される。
【0141】
今回は、旋回中ではないと仮定すれば、S1の判定がNOとなり、S2において、前輪側と後輪側との双方につき、各ソレノイドバルブ206のソレノイドがOFFにされる。
【0142】
いずれのソレノイドバルブ206も、前述のように、ノーマルオープン式とされているため、このバルブ制御プログラムの一連の実行に先立ち、開状態にある。前輪用シリンダ52および後輪用シリンダ62がアキュムレータ200に連通した状態にあるのであり、したがって、各シリンダ内の作動液の熱膨張によってその容積が増加すれば、その増加分の作動液が、対応するソレノイドバルブ206を経てアキュムレータ200に圧力下に吸収される。
【0143】
S2の今回の実行は、このバルブ制御プログラムの一連の実行のうちの初回の実行に該当するため、S2のその実行にもかかわらず、各ソレノイドバルブ206が開状態(連通位置)に維持されることとなる。
【0144】
以上で、このバルブ制御プログラムの一回の実行が終了する。
【0145】
これに対し、今回は車両が旋回中であると仮定すれば、S1の判定がYESとなり、S2において、前輪側と後輪側との双方につき、各ソレノイドバルブ206のソレノイドがONにされる。その結果、いずれのソレノイドバルブ206,206も、前輪用シリンダ52および後輪用シリンダ62をアキュムレータ200から遮断し、それらシリンダ52,62が通路90,92によって互いに接続されて形成される圧力回路240,242内に作動液が封入されることとなる。
【0146】
以上で、このバルブ制御プログラムの一回の実行が終了する。
【0147】
前輪用シリンダ52および後輪用シリンダ62がアキュムレータ200から遮断されて圧力回路240,242内に作動液が封入された状態においては、車両旋回中に車体がロールしようとする場合には、前輪用および後輪用のシリンダ52,62間で等圧となり、それらシリンダ52,62間での作動液の流動が阻止される。その結果、各シリンダ52,62においてピストン72が同じ向きにストロークすること(例えば、車輪がバウンドする向きにストロークすること)が阻止される。よって、スタビライザバー30,32が、前輪用および後輪用のシリンダ52,62を有しない車両におけると同様に、ねじれることが可能となり、それらスタビライザバー30,32が本来の機能を有効に発揮可能となって、車体ロールが抑制される。
【0148】
これに対して、車両旋回中ではないときに同じ側の前後輪のうちの片輪が浮き上がろうとする場合には、前輪用および後輪用のシリンダ52,62間で等圧ではなくなり、それらシリンダ52,62間での作動液の流動が許容される。その結果、各シリンダ52,62においてピストン72が互いに逆向きにストロークすること(一方のシリンダにおいては車輪がバウンドする向きに、他方のシリンダにおいてはリバウンドする向きにストロークすること)が許容される。よって、スタビライザバー30,32が、前輪用および後輪用のシリンダ52,62を有しない車両におけるとは異なり、ねじれることが抑制され、それらスタビライザバー30,32が本来の機能を発揮することが抑制されて、サスペンション20のアーティキュレーション性が向上する。
【0149】
本実施形態においては、図4を参照して前述したように、前輪用シリンダ52については、下室76より容積−ストローク変換率が低い上室74がメカニカルバルブ190に、アキュムレータ200との連通可能性を有しない状態で接続されている。一方、後輪用シリンダ62については、上室74より容積−ストローク変換率が高い下室76がメカニカルバルブ230に、アキュムレータ200との連通可能性を有しない状態で接続されている。
【0150】
したがって、メカニカルバルブ190が、前輪用シリンダ52の上室74内に作動液を閉じ込める故障モードを想定すると、作動液の熱膨張により、前輪用シリンダ52においては、ピストンロッド80が正規の中立位置から伸びる側にずれてしまう。熱膨張する作動液は、前輪用シリンダ52内に存在する作動液のみならず、通路90のうち、前輪用シリンダ52とメカニカルバルブ190との間の部分内に存在する作動液をも含む。
【0151】
しかし、同じ量の作動液が上室74に押し込まれた場合と、下室76に押し込まれた場合とを互いに比較すると、上室74の方が下室76より前記容積−ストローク変換率が低いため、その押し込まれた作動液によってピストンロッド80が押し退けられる量は、同じ量の作動液が上室74に押し込まれた場合の方が、下室76に押し込まれた場合より少なくて済む。
【0152】
したがって、本実施形態によれば、メカニカルバルブ190を下室76に接続した場合より、作動液の熱膨張によって前輪用シリンダ52におけるピストンロッド80の実際の中立位置が正規の中立位置からずれてしまう量が抑制される。
【0153】
これに対し、メカニカルバルブ230が、後輪用シリンダ62の下室76内に作動液を閉じ込める故障モードを想定すると、作動液の熱膨張により、後輪用シリンダ62においては、ピストンロッド80が正規の中立位置から縮む側にずれてしまう。熱膨張する作動液は、後輪用シリンダ62内に存在する作動液のみならず、通路92のうち、後輪用シリンダ62とメカニカルバルブ230との間の部分内に存在する作動液をも含む。
【0154】
この故障モードにおいては、先の故障モードとは異なり、通路92内の作動液の増加分が、前記容積−ストローク変換率が上室74より高い下室76に押し込まれることになる。しかし、本実施形態においては、前輪用のシリンダ52が車両において動力源としてのみならず熱源としても作用するエンジンに近接した配置される一方、後輪用のシリンダ62は、その熱源から離間して配置されている。そのため、前輪用シリンダ52およびそれに近接した通路の部分の方に比較し、後輪用シリンダ62およびそれに近接した通路の部分は、熱の影響を受け難い。
【0155】
したがって、メカニカルバルブ230が後輪用シリンダ62については上室74ではなく下室76に接続されていても、作動液の閉じ込みによって後輪用シリンダ62におけるピストンロッド80の中立位置がすれる量が少なくて済む。
【0156】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、アキュムレータ200との連通可能性を有しない状態でメカニカルバルブ190,230が接続されるシリンダ室74,76の位置が前輪側と後輪側とが互いに逆であるにもかかわらず、作動液が熱膨張し易い前輪側において容積−ストローク変換率が低い上室74にメカニカルバルブ190がアキュムレータ200との連通可能性を有しない状態で接続されており、それにより、両メカニカルバルブ190,230が共に、作動液を対応するシリンダ52,62内に閉じ込めた位置で固着しても、前輪側であるか後輪側であるかを問わず、作動液の熱膨張に起因したピストンロッド80の中立位置のずれが効果的に抑制されることとなる。
【0157】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態とハードウエア構成の一部のみが異なり、ハードウエア構成の他の部分もソフトウエア構成も共通するため、異なる部分のみを詳細に説明し、共通する部分については同一の名称または符号を使用して引用することにより、詳細な説明を省略する。
【0158】
図7に示すように、本実施形態においては、いずれのソレノイドバルブ206,206についても、それをバイパスするリリーフ通路310,310が設けられている。各リリーフ通路310には、リリーフバルブ312が設けられている。各リリーフバルブ312は、対応する通路90,92の圧力がリリーフ圧を超えようとすると開き、対応するソレノイドバルブ206をバイパスすることにより、対応する通路90,92を対応するアキュムレータ200に連通させる。
【0159】
したがって、本実施形態によれば、各ソレノイドバルブ206が万一、閉位置でロックしてしまっても、作動液の熱膨張に起因してシリンダ52,62の圧力が開弁圧を超えようとするとリリーフバルブ312が開くため、シリンダ52,62の圧力がそれほど高圧にならずに済む。
【0160】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態とハードウエア構成の一部のみが異なり、ハードウエア構成の他の部分もソフトウエア構成も共通するため、異なる部分のみを詳細に説明し、共通する部分については同一の名称または符号を使用して引用することにより、詳細な説明を省略する。
【0161】
第1実施形態においては、図2に示すように、各シリンダ52,62につき、上室74にはピストンロッド80が存在しないのに対して、下室76には存在するため、各室の容積変化量がピストン72のストロークに変換される率が上室74と下室76とで互いに異なる。
【0162】
これに対し、本実施形態においては、図8に示すように、前輪用のシリンダ330および後輪用のシリンダ332のそれぞれのハウジング334内の空間が、隔壁336により、作動液を収容する制御室338と、圧力が大気圧に等しい大気圧室340とに仕切られている。制御室338は、ピストン342によって上室344と下室346とに互いに仕切られている。
【0163】
そのピストン342は、それの両側からピストンロッド348,350が同軸にかつ互いに逆向きに延び出ている。下側のピストンロッド348は、ハウジング334の下側壁を貫通して外側に突出するとともに、その突出部分の先端部において、対応するスタビライザバー30,32の特定部分に連結される。これに対して、上側のピストンロッド350は、隔壁336を貫通して大気圧室340に臨まされている。
【0164】
このように構成されたシリンダ330,332においては、容積−ストローク変換率が上室344と下室346との間で互いに一致する。
【0165】
したがって、本実施形態においては、前輪用シリンダ330においてピストンロッド348の中立位置が正規の位置からずれてしまうことを効果的に抑制するために、第1実施形態とは異なり、前輪用シリンダ330の上室344と下室346とのうち、アキュムレータ200との連通可能性を有しない状態でメカニカルバルブ190を接続することが望ましいものが上室344に限定されずに済む。よって、本実施形態によれば、メカニカルバルブ190,230のレイアウトの自由度が向上する。
【0166】
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[課題を解決するための手段および発明の効果]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に従う車両懸架装置を示す斜視図である。
【図2】図1におけるシリンダを示す正面断面図である。
【図3】図1におけるメカニカルバルブ190、ソレノイドバルブ206およびアキュムレータ200を示す部分正面断面図である。
【図4】図1の車両懸架装置のハードウエア構成を圧力回路図とブロック図とで概念的に表す図である。
【図5】図4におけるソフトウエア構成を概念的に表すブロック図である。
【図6】図5におけるコンピュータ260により実行されるバルブ制御プログラムの内容を概念的に表すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に従う車両懸架装置のハードウエア構成を圧力回路図とブロック図とで概念的に表す図である。
【図8】本発明の第3実施形態に従う車両懸架装置におけるシリンダを示す正面断面図である。
【図9】本発明の一具体例を概念的に表す圧力回路図である。
【図10】図10の具体例に対する一比較例を概念的に表す圧力回路図である。
【符号の説明】
10 前輪
12 後輪
52 前輪用のシリンダ
62 後輪用のシリンダ
70 ハウジング
72 ピストン
74 上室
76 下室
90 上室用の通路
92 下室用の通路
190,230 メカニカルバルブ
200 アキュムレータ
206 ソレノイドバルブ
218 バイパス通路
220 オリフィス
310 リリーフ通路
312 リリーフバルブ

Claims (11)

  1. 車両において左右の前輪および左右の後輪と車体との間に配置された車両懸架装置であって、
    前記前輪側において、それの左右輪間の、概して前記車体の上下方向における相対変位を制御する前輪用シリンダであって、ハウジングにピストンが嵌合されることにより、前記ハウジング内の空間が共に流体室である第1室と第2室とに仕切られて構成されたものと、
    前記後輪側において、それの左右輪間の、概して前記車体の上下方向における相対変位を制御する後輪用シリンダであって、ハウジングにピストンが嵌合されることにより、前記ハウジング内の空間が共に流体室である第1室と第2室とであって前記前輪用シリンダの第1室と第2室とにそれぞれ対応するものに仕切られて構成されたものと、
    前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第1室同士において互いに接続する第1室用通路と、
    前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第2室同士において互いに接続する第2室用通路と、
    それら第1室用通路と第2室用通路とに接続され、前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとの作動流体を収容可能である流体収容装置と、
    前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第1室同士において互いに連通させる状態と互いに遮断する状態とに切り換わる第1室用バルブ装置と、
    前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第2室同士において互いに連通させる状態と互いに遮断する状態とに切り換わる第2室用バルブ装置と
    を含み、かつ、前記第1室用バルブ装置は、前記第1室用通路が前記流体収容装置との接続点によって互いに仕切られる2つの部分通路のうち、前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとの一方である第1シリンダに近いものに接続され、一方、前記第2室用バルブ装置は、前記第2室用通路が前記流体収容装置との接続点によって互いに仕切られる2つの部分通路のうち、前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとの他方である第2シリンダに近いものに接続された車両懸架装置。
  2. 前記前輪用シリンダが、前記第1室の容積変化量が前記ピストンの変位量に変換される比率が前記第2室の容積変化量が前記ピストンの変位量に変換される比率より低いように構成されており、
    前記第1シリンダが、その前輪用シリンダである請求項1に記載の車両懸架装置。
  3. さらに、
    前記第1室用バルブ装置を実質的にバイパスして前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第1室同士において互いに連通させる第1室用バイパス通路と、
    前記第2室用バルブ装置を実質的にバイパスして前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとをそれらの第2室同士において互いに連通させる第2室用バイパス通路と
    を含む請求項1または2に記載の車両懸架装置。
  4. 前記第1室用バイパス通路と前記第2室用バイパス通路とがそれぞれ、絞りを有する請求項3に記載の車両懸架装置。
  5. 前記流体収容装置が、
    流体を収容可能なアキュムレータと、
    そのアキュムレータと前記第1室用通路および第2室用通路とを互いに連通させる連通位置と互いに遮断する遮断位置とに切り換わるアキュムレータ用バルブと
    を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の車両懸架装置。
  6. さらに、前記アキュムレータ用バルブを実質的にバイパスして前記第1室用通路および第2室用通路からそれらの作動流体を前記アキュムレータに逃がすリリーフ通路を含む請求項5に記載の車両懸架装置。
  7. 前記リリーフ通路が、前記第1室用通路および第2室用通路における圧力が設定圧を超えようとすると開くリリーフバルブを有する請求項6に記載の車両懸架装置。
  8. 前記第1室用バルブ装置と第2室用バルブ装置とがそれぞれ、前記第1室と第2室とのうち対応するものにおける圧力であるシリンダ圧によって機械的に、前記前輪用シリンダと後輪用シリンダとを互いに連通させる連通位置と互いに遮断する遮断位置とに切り換わるメカニカルバルブを含む請求項1ないし7のいずれかに記載の車両懸架装置。
  9. 前記メカニカルバルブが、常には前記連通位置にあるが、前記シリンダ圧が設定圧を超えようとすると前記遮断位置に切り換わる請求項8に記載の車両懸架装置。
  10. 前記メカニカルバルブが、
    ハウジングと、
    弁子と弁座とを有する弁部と、
    その弁部のうちの可動要素に係合する可動部材であって、前記ハウジングに嵌合されることによってそのハウジング内の空間を前記弁部側の空間とそれとは反対側の空間とに互いに仕切るものと、
    その可動部材を、前記弁子が前記弁座から離間する向きに付勢する付勢手段と
    を含む請求項9に記載の車両懸架装置。
  11. 前記作動流体が、作動液であり、
    前記流体収容装置が、その作動液を収容可能なものであり、
    前記反対側の空間が、その流体収容装置に接続された請求項10に記載の車両懸架装置。
JP2003066435A 2003-03-12 2003-03-12 車両懸架装置 Expired - Fee Related JP4155066B2 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003066435A JP4155066B2 (ja) 2003-03-12 2003-03-12 車両懸架装置
US10/547,369 US7390002B2 (en) 2003-03-12 2004-03-04 Suspension system of vehicle
PCT/JP2004/002778 WO2004080734A1 (en) 2003-03-12 2004-03-04 Suspension system of vehicle
ES06115903T ES2363245T3 (es) 2003-03-12 2004-03-04 Sistema de suspensión para vehículo.
AU2004220246A AU2004220246B2 (en) 2003-03-12 2004-03-04 Suspension system of vehicle
ES04717241T ES2285441T3 (es) 2003-03-12 2004-03-04 Sistema de suspension de un vehiculo.
CNB2004800065710A CN100564083C (zh) 2003-03-12 2004-03-04 车辆的悬架系统
DE602004006093T DE602004006093T2 (de) 2003-03-12 2004-03-04 Fahrzeugaufhängungssystem
EP06115903A EP1702771B1 (en) 2003-03-12 2004-03-04 Suspension system of vehicle
EP04717241A EP1601542B1 (en) 2003-03-12 2004-03-04 Suspension system of vehicle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003066435A JP4155066B2 (ja) 2003-03-12 2003-03-12 車両懸架装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004268888A JP2004268888A (ja) 2004-09-30
JP4155066B2 true JP4155066B2 (ja) 2008-09-24

Family

ID=32984533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003066435A Expired - Fee Related JP4155066B2 (ja) 2003-03-12 2003-03-12 車両懸架装置

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7390002B2 (ja)
EP (2) EP1702771B1 (ja)
JP (1) JP4155066B2 (ja)
CN (1) CN100564083C (ja)
AU (1) AU2004220246B2 (ja)
DE (1) DE602004006093T2 (ja)
ES (2) ES2285441T3 (ja)
WO (1) WO2004080734A1 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4356409B2 (ja) * 2003-09-19 2009-11-04 トヨタ自動車株式会社 車両用サスペンションシステム
US7751959B2 (en) * 2005-06-21 2010-07-06 Tenneco Automotive Operating Company Inc. Semi-active suspension system with anti-roll for a vehicle
US7234386B2 (en) 2005-08-26 2007-06-26 Husco International, Inc. Three chamber hydraulic cylinder for an active vehicle suspension with integrated load leveling
ATE485953T1 (de) * 2006-01-19 2010-11-15 Delphi Tech Inc Aktive radaufhängung für ein kraftfahrzeug mit steuerung zur eingrenzung der rollbewegung
US7497452B2 (en) * 2006-06-02 2009-03-03 Husco International, Inc. Hydro-pneumatic vehicle suspension system with a double acting cylinder and accumulators
US7832739B2 (en) * 2006-11-06 2010-11-16 American Axle & Manufacturing, Inc. Apparatus and method for coupling a disconnectable stabilizer bar
SE532590C2 (sv) 2007-11-09 2010-03-02 Bae Systems Haegglunds Ab Fjädringsanordning samt förfarande vid fjädring och/eller dämpning för fordon
US7735838B2 (en) * 2008-08-20 2010-06-15 Husco International, Inc. Vehicle suspension with selectable roll stabilization
US7887072B2 (en) * 2008-10-09 2011-02-15 American Axle & Manufacturing, Inc. Stabilizer bar with disconnectable link
US20100109277A1 (en) * 2008-11-06 2010-05-06 Furrer Fredrick J Adjustable Monotube Shock Absorber
JP5772099B2 (ja) * 2011-03-15 2015-09-02 アイシン精機株式会社 遮断弁装置
KR101441007B1 (ko) * 2012-09-25 2014-09-17 (주)썬앤쉴드 텔레스코픽 암 장치
GB2566543B (en) * 2017-09-19 2020-02-05 Jaguar Land Rover Ltd An actuator system
GB2566546B (en) * 2017-09-19 2019-12-18 Jaguar Land Rover Ltd An actuator system
JP2022519214A (ja) * 2019-01-29 2022-03-22 クーデル・ソシエテ・アノニム 車両の2つの車輪の傾斜を制御するための自動制御できる気体と液体を利用したシステム及び当該システムを備える車両
US20220355638A1 (en) * 2021-05-04 2022-11-10 Suspension Direct Inc. Electronically controlled adjustment system for sway bars
CN113753037B (zh) * 2021-08-25 2023-08-25 刘荣 一种人工智能避障底盘

Family Cites Families (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3356954A (en) * 1964-12-09 1967-12-05 Schmidt Karl Heinz Wheel suspension system for road vehicles and cross-country vehicles
US3442502A (en) * 1965-06-04 1969-05-06 Mack Trucks Air spring suspension for vehicles
DE1630758A1 (de) * 1967-12-21 1971-08-12 Langen & Co Niveauregulierte,hydropneumatische Abfederungsvorrichtung fuer Fahrzeuge
US3970327A (en) * 1975-06-04 1976-07-20 Caterpillar Tractor Co. Suspension and load leveling for an urban hauler
DE3174727D1 (en) * 1980-11-25 1986-07-03 Bayerische Motoren Werke Ag Suspension system for vehicles
JP3038832B2 (ja) * 1990-07-31 2000-05-08 日産自動車株式会社 車両用減衰力制御装置
EP0592536B1 (en) 1991-07-02 1999-05-19 Kinetic Limited Vehicle suspension system
GB2297299B (en) * 1993-10-28 1997-03-05 Kinetic Ltd Vehicle suspension system
TW355699B (en) 1995-08-21 1999-04-11 Kiectic Ltd Vehicular suspension systems
GB9626045D0 (en) * 1996-12-14 1997-01-29 Rover Group A vehicle roll stabilising system
ES2274551T3 (es) * 1996-12-24 2007-05-16 Kinetic Limited Sistema de suspension pasiva para vehiculos que incluye un mecanismo de control del balanceo.
GB9812274D0 (en) 1998-06-09 1998-08-05 Rover Group Hydraulic control systems
EP1189775B1 (en) 1999-04-12 2007-04-04 Kinetic PTY. Ltd. Passive ride control for a vehicle suspension system
US6519517B1 (en) 1999-04-12 2003-02-11 Kinetic Pty. Ltd. Active ride control for a vehicle suspension system
AUPQ294899A0 (en) 1999-09-20 1999-10-14 Kinetic Limited Pressure compensation in hydraulic vehicles suspension systems
EP1103397B1 (en) 1999-11-26 2014-07-02 BWI Company Limited S.A. Hydraulic actuator for a vehicle roll control system
AUPR249901A0 (en) 2001-01-10 2001-02-01 Kinetic Pty Limited Vehicle suspension roll control system
US20040094929A1 (en) * 2001-02-23 2004-05-20 Valentino Ribi Vehicle having interconnected suspensions
DE10112082B4 (de) * 2001-03-12 2009-05-07 Carl Freudenberg Kg Hydropneumatische niveaugeregelte Achsfederung an Fahrzeugen insbesondere für vollgefederte Fahrzeuge
GB0108919D0 (en) * 2001-04-10 2001-05-30 Delphi Tech Inc Vehicle roll control system
DE10129143C1 (de) * 2001-06-16 2002-06-13 Haldex Brake Prod Gmbh Pneumatisches Schaltventil für Anlagen zum Heben und Senken des Fahrzeugaufbaus von luftgefederten Fahrzeugen
ES2223205B1 (es) * 2001-09-07 2007-01-01 Creuat S.L. Sistema de suspension para un vehiculo a motor y dispositivos para su realizacion.
JP2003080917A (ja) 2001-09-13 2003-03-19 Toyota Motor Corp スタビライザ装置
EP1509415B1 (en) * 2002-05-31 2010-09-15 TRW Automotive U.S. LLC Integrated control unit for an active roll control system for a vehicle suspension system
JP4300345B2 (ja) * 2002-09-02 2009-07-22 株式会社フジキン 制御器
AU2002953153A0 (en) * 2002-12-06 2002-12-19 Kinetic Pty Limited Hydraulic suspension system
AU2003900894A0 (en) * 2003-02-27 2003-03-13 Kinetic Pty Limited Hydraulic system for a vehicle suspension
AU2003221352B2 (en) * 2003-03-12 2006-08-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Suspension system for motor vehicle
US6991211B2 (en) * 2003-12-29 2006-01-31 Robert Altonji Pneumatically actuated valve
US7475895B2 (en) * 2004-06-15 2009-01-13 Delphi Technologies, Inc. Hydraulic circuit for a stabilizer bar
US20060065868A1 (en) * 2004-09-28 2006-03-30 Strong Warren N Diaphragm valve
US7584812B2 (en) * 2004-11-29 2009-09-08 Deere & Company Articulated dozer with suspension and suspension lockout
JP4506463B2 (ja) * 2004-12-28 2010-07-21 トヨタ自動車株式会社 車高調整装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP1601542B1 (en) 2007-04-25
CN100564083C (zh) 2009-12-02
EP1702771B1 (en) 2011-05-11
DE602004006093D1 (de) 2007-06-06
EP1601542A1 (en) 2005-12-07
ES2363245T3 (es) 2011-07-28
EP1702771A3 (en) 2006-10-18
AU2004220246B2 (en) 2007-07-26
US20060151964A1 (en) 2006-07-13
EP1702771A2 (en) 2006-09-20
US7390002B2 (en) 2008-06-24
WO2004080734A1 (en) 2004-09-23
DE602004006093T2 (de) 2008-01-10
JP2004268888A (ja) 2004-09-30
AU2004220246A1 (en) 2004-09-23
CN1759019A (zh) 2006-04-12
ES2285441T3 (es) 2007-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4155066B2 (ja) 車両懸架装置
CN1662400B (zh) 车辆用悬架系统
EP1853442B1 (en) Hydraulic system for a vehicle suspension
JP3951728B2 (ja) スタビライザ装置
US20140217692A1 (en) Suspension device for vehicle
WO2007133691A2 (en) Vehicle hydraulic system
US20070108707A1 (en) Stabilizer control apparatus
JP2003237672A (ja) 自動二輪車用ステアリングダンパー
JP4782339B2 (ja) 車両懸架の圧力補正油圧システムとロール制御構成部品
JP6361414B2 (ja) 車両のサスペンション装置
JPH048619A (ja) 車両用スタビライザ装置
JP5549889B2 (ja) 車両のサスペンション装置
JPH0347205B2 (ja)
JP3624871B2 (ja) スタビライザ装置
JP2003080917A (ja) スタビライザ装置
JP2981109B2 (ja) 車両のスタビライザ装置
JP4225865B2 (ja) スタビライザ用制御弁装置
JP2004359181A (ja) 車両用サスペンション装置
JPH0260813A (ja) スタビライザの剛性制御装置
JP2506423B2 (ja) 能動型サスペンション装置
JP2003159924A (ja) 車両用サスペンション装置
JPS6320211A (ja) スタビライザ装置
JP2004276625A (ja) 車両懸架装置
JPH04135907A (ja) 輪荷重移動制御装置
JPH02220908A (ja) 車体姿勢制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080617

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080630

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4155066

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees