JP3104573B2 - サスペンションアーム支持構造 - Google Patents

サスペンションアーム支持構造

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JP3104573B2
JP3104573B2 JP07123495A JP12349595A JP3104573B2 JP 3104573 B2 JP3104573 B2 JP 3104573B2 JP 07123495 A JP07123495 A JP 07123495A JP 12349595 A JP12349595 A JP 12349595A JP 3104573 B2 JP3104573 B2 JP 3104573B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサスペンションアームを
車体側に支持するサスペンションアーム支持構造に関
し、操舵状況に応じて車体の入力、特に前後入力を吸収
できるように企図したものである。
【0002】
【従来の技術】図8に示したように、自動車の車輪1は
サスペンションアームとしてロワーアーム(図示例は、
A型コンプレッションロワーアーム)2を介して車体側
としてのクロスメンバ3に支持されている。ロワーアー
ム2はロッドブッシュ4及びアームブッシュ5を介して
クロスメンバ3に支持され、ロッドブッシュ4及びアー
ムブッシュ5により走行中の路面ショックを和らげると
共に操縦安定性を確保している。ロッドブッシュ4には
車輪1からの前後方向の入力がロワーアーム2を介して
左右方向に伝達され、ロッドブッシュ4によって左右剛
性が吸収されるようになっている。前後方向の振動を吸
収するために、ロッドブッシュ4に油を封入し、油の抵
抗によって減衰性を向上させたものが実用化されるよう
になっている。ロッドブッシュ4に油を封入することに
より、前後方向の振動が油の抵抗によって吸収され、優
れた減衰性能を確保することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のサスペンション
アーム支持構造によると、ロッドブッシュ4に油を封入
することにより優れた減衰性能が得られる。しかし、操
縦安定性を確保するためにはロッドブッシュ4の剛性は
ある程度必要であり、油を封入しての剛性の低下には限
度がある。このため、ロッドブッシュ4に油を封入した
場合、十分に低い剛性に設定することができず、乗り心
地を十分に向上させたものとはなっていなかった。ま
た、乗り心地を優先するとロッドブッシュ4の剛性が弱
くなり過ぎて操縦安定性が悪化する虞があった。従っ
て、従来のサスペンションアーム支持構造では操縦安定
性能と乗り心地性能とが両立しにくいものとなってい
た。
【0004】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、特別な電子制御等を用いることなく操縦安定性能と
乗り心地性能とを向上させることができるサスペンショ
ンアーム支持構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1の発明では、弾性体ブッシュを介してサスペンシ
ョンアームを車体側に支持し、前記弾性体ブッシュに液
室を形成し、パワーステアリング装置への油圧の一部を
前記液室側に供給する連通路を備え、該連通路と前記液
室とを液体通路で連通し、付勢力によって該液体通路を
開状態にすると共に前記パワーステアリング装置への油
圧力が所定値を越えた際に該付勢力に抗して該油圧力に
よって該液体通路を閉じる状態に動作する弁部材を設け
たことを特徴とする。
【0006】そして、前記連通路には、流路が絞られた
戻り路が備えられていることを特徴とする。また、前記
弁部材は、前記付勢力に抗して動作を開始する際の前記
油圧の受圧面積に対して動作を開始した後の該油圧の受
圧面積が大きく設定されていることを特徴とするもので
ある。
【0007】また、上記目的を達成するための第2の発
明では、弾性体ブッシュを介してサスペンションアーム
を車体側に支持し、車両の前後入力に対応する方向にお
ける前記弾性体ブッシュの前記サスペンションアームの
両側に液室を形成し、該弾性体ブッシュが設けられた部
位の前記サスペンションアームに弁室を形成し、該弁室
と前記液室とを液体通路で連通し、該液体通路を塞ぐ位
置と開く位置との間で移動可能なスプール弁を前記弁室
内に配し、前記液体通路を開く位置に前記スプール弁を
付勢移動させるばねを前記弁室に設け、パワーステアリ
ング装置への油圧供給路と前記スプール弁の付勢移動方
向端部に対向する前記弁室とを連通路で連通して前記パ
ワーステアリング装置への油圧力が所定値を越えた際に
前記ばねの付勢力に抗して前記液体通路を開く状態に前
記スプール弁を移動させ、該連通路の前記弁室への開口
面積を前記スプール弁の端部面積よりも小さく形成し、
前記弁室側への前記油圧の流通のみを許容する逆止弁と
流路が絞られた絞り部とが並列に配された油圧保持弁を
前記連通路に設けたことを特徴とする。
【0008】そして、前記サスペンションアームは、端
部が車体のクロスメンバに固定されるマルチリンクサス
ペンションのロワーアームであることを特徴とする。
【0009】
【作用】第1の発明によると、車両が操舵されない場
合、パワーステアリング装置の油圧力は上昇せずに連通
路に供給される油圧力は所定値以下となる。油圧力が所
定値以下の時は、弁部材が付勢力によって液体通路を開
状態にする状態に動作し、液室内の油が流通可能とな
り、弾性体ブッシュの剛性が低くなる。車両が操舵され
るとパワーステアリング装置の油圧力が上昇し、連通路
側に供給される油圧力が所定値を越える。油圧力が所定
値を越えると付勢力に抗して弁部材が液体通路を閉じる
状態に動作し、液室内の油がロック状態にされ、弾性体
ブッシュの剛性が高くなる。流路が絞られた戻り路を連
通路に設けることで、油圧力が低下した時の油圧を徐々
に抜いて弁部材の頻繁な動作を防止する。また、弁部材
は、液体通路を閉じる状態に動作した後の油圧の受圧面
積が大きいので、動作開始時よりも低い油圧力で弁部材
の動作が保持される。
【0010】第2の発明によると、車両が操舵されない
場合、パワーステアリング装置の油圧力は上昇せずに連
通路に供給される油圧力は所定値以下となる。油圧力が
所定値以下の時は、液体通路が開かれる位置にスプール
弁がばねによって付勢移動され、弁室を介して液室同士
の油の流通が可能になり、弾性体ブッシュの剛性が低く
なる。車両が操舵されるとパワーステアリング装置の油
圧力が上昇し、連通路側に供給される油圧力が所定値を
越える。油圧力が所定値を越えるとばねの付勢力に抗し
て液体通路が塞がれる状態にスプール弁が移動し、液室
同士の油の流通が不能になり油がロック状態にされ、弾
性体ブッシュの剛性が高くなる。連通路の弁室への開口
面積をスプール弁の端部面積よりも小さく形成したこと
により、スプール弁が動作し始める受圧面積よりも動作
後の受圧面積が大きくなり、低い油圧力でスプール弁の
動作開始と動作保持が可能になる。スプール弁が圧縮コ
イルバネの付勢力によって付勢移動する際の圧油は油圧
保持弁の絞り部を通って戻され、油圧力が瞬時に低下し
ても所定時間はスプール弁が動作保持される。
【0011】
【実施例】図1には本発明の第1の実施例に係るサスペ
ンションアーム支持構造の要部構成、図2には図1中の
II-II 線矢視、図3にはスプール弁が動作している状態
の要部構成、図4にはスプール弁の動作特性を示してあ
る。図示の実施例はサスペンションアームとしてA型コ
ンプレッションロワーアームの支持に適用した第2の発
明である請求項4に相当する。
【0012】図1、図2に示すように、ロワーアーム1
1は弾性体ブッシュとしてのゴムブッシュ12及び固定
ブラケット13を介して車体側としてのクロスメンバ1
4に固定されている。ゴムブッシュ12には鍔部15が
形成され、鍔部15によってロワーアーム11の軸方向
である車両の前後方向が支持されている。ゴムブッシュ
12のロワーアーム11を挟んで両側(図中上下方向)
には液室16が形成され、一対の液室16は車幅方向に
対向している。ゴムブッシュ12が設けられた部位のロ
ワーアーム11には弁部材17が固定され、弁部材17
には弁室18が形成されている。弁室18は液体通路1
9を介して一対の液室16に連通され、弁室18内には
液体通路19を塞ぐ位置と開く位置との間で移動可能な
スプール弁20が配されている。スプール弁20の外周
には連通溝21が形成され、スプール弁20はばねとし
ての圧縮コイルバネ22によって図中左側に付勢されて
連通溝21を介して液体通路19が開く位置に移動され
ている。
【0013】即ち、スプール弁20が圧縮コイルバネ2
2によって付勢移動している時は、液体通路19及び弁
室18を介して一対の液室16が連通した状態になって
いる(図1の状態)。また、スプール弁20が圧縮コイ
ルバネ22の付勢力に抗して図中右側に移動した時は、
液体通路19がスプール弁20によって塞がれた状態に
なる(図3の状態)。
【0014】一方、図1に示すように、パワーステアリ
ング装置23のパワーシリンダ24にはP/S バルブ25
によって所定の油圧が送られ、P/S バルブ25には油圧
供給路26を介してパワーステアリングポンプ27から
操舵に応じた圧油が供給される。油圧供給路26とスプ
ール弁20の付勢移動方向端部(図中左端)に対向する
弁室18との間には連通路28が設けられ、弁室18の
連通路28に対する開口部にはストッパリング29が設
けられている。ストッパリング29の内径t、即ち連通
路28の弁室18への開口面積は、スプール弁20の外
径T、即ちスプール弁20の端部面積よりも小さく形成
されている。つまり、図1に示したように、スプール弁
20が圧縮コイルバネ22により付勢移動されている状
態の連通路28からの圧油の受圧面積sは連通路28の
弁室18への開口面積であり、図2に示したように、ス
プール弁20が圧縮コイルバネ22の付勢力に抗して移
動した後の連通路28からの圧油の受圧面積Sは受圧面
積sよりも大きいスプール弁20の端部面積となる。
【0015】また、図1に示したように、連通路28に
は油圧保持弁30が設けられ、油圧保持弁30は弁室1
8側へのみの油圧の流通を許容する逆止弁31と流路が
絞られた絞り弁32とが並列に配されている。つまり、
操舵に応じて発生するパワーステアリングポンプ27か
らの圧油の一部は逆止弁31を介して弁室18側へ送ら
れると共に、弁室18側からの戻りの圧油は絞り部32
で絞られて油圧供給路26側に戻されるようになってい
る。
【0016】上記実施例では、圧縮コイルバネ22の付
勢力によって付勢されている時と付勢されていない時の
スプール弁20(弁部材)の位置によって連通路28か
らの圧油の受圧面積を変化させるようにしているが、ス
プール弁20の位置によって受圧面積を変化させず(請
求項1)流路が絞られた絞り部32を備えるようにする
ことも可能である(請求項2)。また、受圧面積を変化
させて油圧保持弁30を省略することも可能である(請
求項3)。
【0017】次に上記構成のサスペンションアーム支持
構造の作用を説明する。車両が操舵されていない場合、
パワーステアリング装置23の油圧力は上昇せず連通路
28に供給される油圧力は所定値以下になる。油圧力が
所定値以下の時は、スプール弁20は圧縮コイルバネ2
2の付勢力によって図中左側に付勢移動され、連通溝2
1及び液体通路19を介して弁室18と一対の液室16
が連通し、液室16同士の油の流通が可能になる。この
ため、ゴムブッシュ12の剛性が低なり適度な減衰性が
得られ、低速から高速まで前後入力を吸収することがで
きる。従って、直進走行時のパワーステアリング圧力が
低い時にはゴムブッシュ12の剛性を低くして乗り心地
性能を確保することができる。
【0018】車両が操舵されると、パワーステアリング
装置23の油圧力が上昇し、連通路28に供給される油
圧力が所定値を越える。油圧力が所定値を越えると、圧
縮コイルバネ22の付勢力に抗してスプール弁20が図
中右側に移動して、液体通路19が塞がれた状態にな
る。液体通路19が塞がれると、液室16同士の油の流
通が不能になり油がロック状態にされる。このため、ゴ
ムブッシュ12の剛性が高まり、高い剛性とわずかな隙
間による高減衰特性が得られ、ロワーアーム11の変位
が少なくなる。従って、旋回時のパワーステアリング圧
力が高い時にはゴムブッシュ12の剛性を高くして操縦
安定性能を確保することができる。
【0019】スプール弁20が動作を開始する時の油圧
力は、圧縮コイルバネ22の初期設定反力とスプール弁
20のフリクションで決まり、例えば、横加速度が0.2g
となるような油圧力(パワステ圧)に設定されている。
スプール弁20が動作を開始した後は、連通路28の弁
室18への開口面積よりも大きい受圧面積Sのスプール
弁20の端部面積の部位に圧油が作用するので、多少油
圧力が低下してもスプール弁20の動作状態が保持され
る。
【0020】操舵が戻されるとパワーステアリング装置
23の油圧力が低下し、連通路28に供給される油圧力
が再び所定値以下になる。油圧力が所定値以下になる
と、圧縮コイルバネ22の付勢力によってスプール弁2
0が移動して弁室18内の油が絞り部32を通って所定
時間経過後に油圧供給路26側に戻される。弁室18内
の油が抜けると、スプール弁20は圧縮コイルバネ22
の付勢力によって図中左側に付勢移動して液室16同士
の油の流通が再び可能になる。
【0021】弁室18から油が抜けてスプール弁20が
圧縮コイルバネ22の付勢力によって復帰する時には、
スプール弁20の端部面積である受圧面積Sが作動開始
時の受圧面積sよりも大きいので、スプール弁20が動
作を開始する時の圧力よりも低い圧力、例えば、横加速
度が0.1g以下となるようなパワステ圧になるまで復帰を
開始しない。また、戻りの油が絞り部32を通って油圧
供給路26に戻されることにより、パワステ圧が復帰開
始の圧力になってから例えば1乃至2秒間は復帰を開始
しない。このため、スラローム走行時のように、パワス
テ圧が周期的に短時間で連続して変化した場合には、ス
プール弁20は復帰せずにゴムブッシュ12の剛性を高
く保持することができる。
【0022】この時のスプール弁20の動作特性を図4
に示してある。図4にはパワステ圧の変化及びスプール
弁20の作動油圧力とスプール弁20の開閉状態の関係
を示してある。操舵により図中一点鎖線で示したパワス
テ圧がスプール弁20の動作開始圧力を越えると、パワ
ステ圧と共に図中点線で示した制御圧が上昇し、図中実
線で示したようにスプール弁20が閉じられる。パワス
テ圧が一時的に短時間で低下して再び上昇した場合、制
御圧は遅れて低下するが再びパワステ圧の上昇に伴って
上昇するため、スプール弁20は閉状態が保持される。
直進走行等によってパワステ圧の低下が一定時間続く
と、制御圧が徐々に低下して復帰圧力を下回り、スプー
ル弁20は圧縮コイルバネ22の付勢力によって戻され
る。このように、パワステ圧が周期的に短時間で連続し
て変化しても、スプール弁20は閉状態が保持され、連
続した屈曲路を走行した場合等であってもゴムブッシュ
12の剛性を高く保持し続けて操縦安定性能を低下させ
ることがない。
【0023】従って、上述したサスペンションアーム支
持構造によると、パワーステアリング装置23の油圧力
が低い直進走行時には、ゴムブッシュ12の一対の液室
16が連通状態になって低い剛性と適度の減衰性が得ら
れ、低速から高速まで前後入力を吸収することができ
る。また、パワーステアリング装置23の油圧力が高く
なる旋回時には、ゴムブッシュ12の一対の液室16が
非連通状態になって高い剛性とわずかな隙間による高減
衰特性が得られ、ロワーアーム11の変位を少なくする
ことができる。また、パワステ圧が周期的に短時間で連
続して変化した場合、スプール弁20は閉状態が保持さ
れ、ゴムブッシュ12の剛性は高く保持され続けて操縦
安定性能が低下することがなく、スプール弁20の無駄
な動作が防止されて耐久性の点で有利となっている。ま
た、低μ路ではパワーステアリング装置23の油圧力が
低いため、旋回中であっても低い剛性が保持され路面に
対して柔らかい状態を維持して車輪の追従性が向上す
る。また、一対の液室16を備えたゴムブッシュ12
は、一般的なゴムブッシュと同様な装着状態になってい
るので、サスペンション部品の共用化によりコストが高
くなることがない。
【0024】次に、図5乃至図7に基づいて第2の実施
例に係るサスペンションアーム支持構造を説明する。図
5には本発明の第2の実施例に係るサスペンションアー
ム支持構造の要部構成、図6には図5中のVI-VI 線矢
視、図7にはスプール弁が動作している状態の要部構成
を示してある。図示の実施例はサスペンションアームと
してマルチリンクサスペンションのロワーアームの支持
に適用した第2の発明である請求項5に相当する。尚、
図1乃至図3に示した部材と同一部材には同一符号を付
して重複する説明は省略してある。
【0025】図に示すように、マルチリンクサスペンシ
ョンのブッシュロッド41の一端と他端はブラケット4
2を介して車体側のクロスメンバ14に取り付けられ、
ブッシュロッド41の外周には弾性体ブッシュとしての
ゴムブッシュ43を介してロワーアーム44が設けられ
ている。ゴムブッシュ43にはブッシュロッド41を挟
んで両側(図中上下方向)には液室16が形成され、一
対の液室16は車幅方向に対向している。ブラケット4
2で支持された部位のブッシュロッド41には弁室18
が直接形成され、一対の液室16と弁室18は液体通路
19によって連通している。弁室18内にはスプール弁
20が配され、弁室18にはストッパリング29を介し
てパワーステアリング装置23側からの連通路28が設
けられている。
【0026】図示のサスペンションアーム支持構造は、
前述した構造と同様に、パワーステアリング装置23の
油圧力に基づいて、低い剛性と適度の減衰性が得られ、
低速から高速まで前後入力を吸収することができると共
に、高い剛性とわずかな隙間による高減衰特性が得ら
れ、ロワーアーム44の変位を少なくすることが可能と
なっている。更に、ブッシュロッド41がクロスメンバ
14に取り付けられているので、車輪側からの入力が直
接ブッシュロッド41に伝わることがない。従って、ブ
ッシュロッド41と共にスプール弁20が振動すること
がなく、サスペンションの振動の影響が全くない。ま
た、ゴムブッシュ43には車両の前後方向を受ける鍔部
等を必要としない。
【0027】
【発明の効果】第1の発明のサスペンションアーム支持
構造は、パワーステアリング装置の油圧力に応じて開閉
する弁部材を設け、弁部材により弾性体ブッシュの液室
の開閉動作を行なうようにしたので、パワーステアリン
グ装置の油圧力が低い直進時には弾性体ブッシュの低い
剛性と適度の減衰性が得られ、低速から高速まで前後入
力を吸収することができる。また、パワーステアリング
装置の油圧力が高い時には弾性体ブッシュの高い剛性と
高減衰特性が得られ、ロワーアームの変位を少なくする
ことができる。この結果、特別な電子制御等を用いるこ
となく操縦安定性能と乗り心地性能とを向上させること
が可能となる。また、流路が絞られた戻り路を設けたの
で、弁部材の付勢力による復帰開始を遅らせることがで
き、パワステ圧が周期的に短時間で連続して変化しても
弾性体ブッシュの剛性は高く保持され続けて操縦安定性
能が低下することがない。また、弁部材は液体流路を閉
じる状態に動作した後の油圧の受圧面積を大きくしたの
で、弁部材の動作を低い油圧力で保持することができ
る。
【0028】また、第2の発明のサスペンションアーム
支持構造は、パワーステアリング装置の油圧力に応じて
開閉するスプール弁を設け、スプール弁により弾性体ブ
ッシュの液室同士の連通動作を行なうようにしたので、
パワーステアリング装置の油圧力が低い直進時には弾性
体ブッシュの低い剛性と適度の減衰性が得られ、低速か
ら高速まで前後入力を吸収することができる。また、パ
ワーステアリング装置の油圧力が高い時には弾性体ブッ
シュの高い剛性と高減衰特性が得られ、ロアーアームの
変位を少なくすることができる。また、連通路の弁室へ
の開口面積をスプール弁の端部面積よりも小さくしたの
で、動作後のスプール弁の受圧面積を大きくすることが
でき、低い油圧力によってばねの付勢力に抗したスプー
ル弁の動作開始と動作保持を行なうことが可能となる。
また、スプール弁がばねの付勢力によって復帰する際に
は、油圧保持弁の絞り部を通って圧油が戻されるので、
油圧力が瞬時に低下しても所定時間はスプール弁が保持
動作され、パワステ圧が周期的に短時間で連続して変化
しても弾性体ブッシュの剛性は高く保持され続けて操縦
安定性能が低下することがない。この結果、特別な電子
制御等を用いることなく操縦安定性能と乗り心地性能と
を高次元で向上させることが可能となる。また、マルチ
リンクサスペンションのロワーアームに適用した場合、
サスペンション側の振動がスプール弁に伝わることがな
く、サスペンションの振動の影響が全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るサスペンションア
ーム支持構造の要部構成図。
【図2】図1中のII-II 線矢視図。
【図3】スプール弁が動作している状態の要部構成図。
【図4】スプール弁の動作特性図。
【図5】本発明の第2の実施例に係るサスペンションア
ーム支持構造の要部構成図。
【図6】図5中のVI-VI 線矢視図。
【図7】スプール弁が動作している状態の要部構成図。
【図8】従来のサスペンションアーム支持構造の要部構
成図。
【符号の説明】
11 ロワーアーム 12 ゴムブッシュ 13 固定ブラケット 14 クロスメンバ 15 鍔部 16 液室 17 弁部材 18 弁室 19 液体通路 20 スプール弁 21 連通溝 22 圧縮コイルバネ 23 パワーステアリング装置 24 パワーシリンダ 25 P/S バルブ 26 油圧供給路 27 パワーステアリングポンプ 28 連通路 29 ストッパリング 30 油圧保持弁 31 逆止弁 32 絞り部 41 ブッシュロッド 42 ブラケット 43 ゴムブッシュ 44 ロワーアーム 45 液室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−80205(JP,U) 実開 平3−13206(JP,U) 実開 平3−68107(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 7/02 B62D 5/07

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性体ブッシュを介してサスペンション
    アームを車体側に支持し、前記弾性体ブッシュに液室を
    形成し、パワーステアリング装置への油圧の一部を前記
    液室側に供給する連通路を備え、該連通路と前記液室と
    を液体通路で連通し、付勢力によって該液体通路を開状
    態にすると共に前記パワーステアリング装置への油圧力
    が所定値を越えた際に該付勢力に抗して該油圧力によっ
    て該液体通路を閉じる状態に動作する弁部材を設けたこ
    とを特徴とするサスペンションアーム支持構造。
  2. 【請求項2】 前記連通路には、流路が絞られた戻り路
    が備えられていることを特徴とする請求項1に記載のサ
    スペンションアーム支持構造。
  3. 【請求項3】 前記弁部材は、前記付勢力に抗して動作
    を開始する際の前記油圧の受圧面積に対して動作を開始
    した後の該油圧の受圧面積が大きく設定されていること
    を特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のサスペ
    ンションアーム支持構造。
  4. 【請求項4】 弾性体ブッシュを介してサスペンション
    アームを車体側に支持し、車両の前後入力に対応する方
    向における前記弾性体ブッシュの前記サスペンションア
    ームの両側に液室を形成し、該弾性体ブッシュが設けら
    れた部位の前記サスペンションアームに弁室を形成し、
    該弁室と前記液室とを液体通路で連通し、該液体通路を
    塞ぐ位置と開く位置との間で移動可能なスプール弁を前
    記弁室内に配し、前記液体通路を開く位置に前記スプー
    ル弁を付勢移動させるばねを前記弁室に設け、パワース
    テアリング装置への油圧供給路と前記スプール弁の付勢
    移動方向端部に対向する前記弁室とを連通路で連通して
    前記パワーステアリング装置への油圧力が所定値を越え
    た際に前記ばねの付勢力に抗して前記液体通路を開く状
    態に前記スプール弁を移動させ、該連通路の前記弁室へ
    の開口面積を前記スプール弁の端部面積よりも小さく形
    成し、前記弁室側への前記油圧の流通のみを許容する逆
    止弁と流路が絞られた絞り部とが並列に配された油圧保
    持弁を前記連通路に設けたことを特徴とするサスペンシ
    ョンアーム支持構造。
  5. 【請求項5】 前記サスペンションアームは、端部が車
    体のクロスメンバに固定されるマルチリンクサスペンシ
    ョンのロワーアームであることを特徴とする請求項4に
    記載のサスペンションアーム支持構造。
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