JP2005059613A - 車両用サスペンションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用サスペンションシステムにおいて、1種類以上の姿勢変化を許容しつつ、別の1種類以上の姿勢変化を抑制可能とする。
【解決手段】前後左右の液圧シリンダ10〜16において、右側の前後の液圧シリンダ12,16の液圧室32を接続する液通路44と、左側の前後の液圧シリンダ10,14の液圧室32を接続する液通路42との間に第2姿勢変化抑制装置50としての可変絞り82が設けられる。可変絞り82により液通路46が絞られると、液通路42,44の間の作動液の流れが抑制され、ローリングが抑制される。この場合に、ピッチング、ヒービング、アーティキュレーションが生じても、これらは許容されるため、これらの姿勢変化に起因する振動を抑制しつつ、ローリングを抑制することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両用サスペンションシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、車両の前側の左右輪それぞれにおいて、車輪側部材と車体側部材との間に設けられた液圧シリンダと、それら2つの液圧シリンダ各々の液圧室の間に設けられたロール抑制装置とを含む車両用サスペンションシステムが記載されている。ロール抑制装置によれば、左右の2つの液圧シリンダの液圧室の間の作動液の流れを小さな抵抗で許容する状態、これらの間の作動液の流れを抑制し、作動液の流れに伴って減衰力を発生させる状態等に切り換えられる。
【特許文献1】
特開平8−132846号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果】
本発明の課題は、車両の前後左右輪のそれぞれにおいて、車輪側部材と車体側部材との間に設けられた液圧シリンダを備えた車両用サスペンションシステムにおいて、車両の複数種類の姿勢変化のうちの1種類以上を許容しつつ、他の1種類以上を抑制可能とすることである。この課題は、車両用サスペンションシステムを下記各態様の構成のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0004】
(1)項、(2)項が請求項1,2に対応し、(9)項、(12)項、(15)項、(16)項、(18)項が、それぞれ、請求項3〜7に対応し、(20)項〜(22)項が請求項8〜10に対応する。また、(25)項、(28)項、(29)項、(30)項が請求項11〜14に対応し、(31)項、(32)項、(35)項が請求項15〜17に対応する。
【0005】
(1)車両の前後左右のそれぞれにおいて、車輪側部材と車体側部材との間に設けられた4つの液圧シリンダと、
それら4つの液圧シリンダ各々の液圧室を互いに実質的に連通可能に接続する接続装置と、
その接続装置の作動液の流通状態を制御することによって、複数種類の車両の姿勢変化のうちの1種類以上の姿勢変化を許容しつつ、別の1種類以上の姿勢変化を抑制するサスペンション制御装置と
を含むことを特徴とする車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムにおいては、複数種類の車両の姿勢変化のうちの1種類以上の姿勢変化が許容されつつ、別の1種類以上の姿勢変化が抑制される。1種類以上の姿勢変化が許容されるため、その種類の姿勢変化に伴う車両の振動を小さくすることができる。したがって、車両全体の振動を抑制しつつ所望の(別の1種類以上の)姿勢変化を抑制することができる。姿勢の変化の抑制は、その変化量を小さくすること、変化速度を小さくすること等が該当する。
接続装置は、4つの液圧シリンダ各々の液圧室を、実質的に連通状態に接続する。4つの液圧シリンダのうちの1つ以上の液圧シリンダの液圧室と別の1つ以上の液圧室同士が、1つ以上の液圧室から作動液が流出すると、別の1つ以上の液圧室に作動液が流入する状態で接続されているのであり、この状態が実質的な連通状態である。
これら1つ以上の液圧室と別の1つ以上の液圧室とが液通路によって接続される場合に、液通路にバルブや絞りが設けられる場合には、バルブや絞りの開状態において、これらの液圧室同士は互いに連通状態にある。液通路に後述する作動液授受装置が設けられる場合には、液圧室同士は、物理的に遮断されているが、作動液授受装置の作動によって、1つ以上の液圧室から作動液が流出すると、別の1つ以上の液圧室に作動液が供給されることになる。
(2)前記サスペンション制御装置が、前記車両の複数種類の姿勢変化として、ローリング、ピッチング、ヒービングおよびアーティキュレーションのうちの1つ以上を許容しつつ、別の1つ以上の変化を抑制するものである(1)項に記載の車両用サスペンションシステム。
車両の前後左右の車輪のうち、互いに対角位置にある車輪の2つの組において、一方の組に属する車輪と他方の組に属する車輪とが、互いに逆位相で変化する姿勢変化をアーティキュレーションと称する。例えば、右前輪、左後輪が上方に、左前輪、右後輪が下方に変動する場合が該当する。
(3)前記サスペンション制御装置が、ローリングを抑制するローリング抑制装置を含む(1)項または(2)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムにおいては、ピッチング、ヒービング、アーティキュレーションのうちの少なくとも1つが許容されつつローリングが抑制される。
(4)前記サスペンション制御装置が、ピッチングを抑制するピッチング抑制装置を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムにおいては、ローリング、ヒービング、アーティキュレーションのうちの少なくとも1種類の姿勢変化が許容されつつピッチングが抑制される。
(3)項の技術的特徴を採用した場合には、ヒービング、アーティキュレーションのうちの少なくとも1種類の姿勢変化が許容されつつローリングとピッチングとが抑制される。ローリングとピッチングとは別個独立に抑制可能としても、同時に抑制可能としてもよい。
(5)前記サスペンション制御装置が、ヒービングを抑制するヒービング抑制装置を含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムにおいては、ピッチング、ローリング、アーティキュレーションのうちの少なくとも1種類の姿勢変化が許容されつつヒービングが抑制される。
アーティキュレーション、ピッチングのうちの少なくとも1種類の姿勢変化が許容されつつローリングとヒービングとが抑制されるようにしたり、アーティキュレーション、ローリングのうちの少なくとも1種類の姿勢変化が許容されつつピッチングとヒービングとが抑制されるようにしたり、アーティキュレーションが許容されつつ、ローリング、ピッチング、ヒービングが抑制されるようにしたりすることができる。
(6)前記サスペンション制御装置が、ピッチングとアーティキュレーションとを抑制する複合的抑制装置を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
(7)前記サスペンション制御装置が、ヒービングとアーティキュレーションとを抑制する複合的抑制装置を含む(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
(8)前記サスペンション制御装置が、ローリング、ピッチング、ヒービングおよびアーティキュレーションのうちの2種類以上の姿勢変化を別個独立に抑制する複数的独立抑制装置を含む(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
【0006】
(9)前記接続装置が、前記4つの液圧シリンダの液圧室のうちの2つの液圧室を接続する第1液通路と、残りの2つの液圧室を接続する第2液通路とを含み、前記サスペンション制御装置が、
(a)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記第1液通路の液圧を受ける第1受圧面を有する第1制御ピストンとを含む第1制御シリンダと、(b)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記第2液通路の液圧を受ける第2受圧面を有する第2制御ピストンとを含む第2制御シリンダと、(c)それら第1制御ピストンと第2制御ピストンとを連結する連結装置と、(d)その連結装置によって連結された第1制御ピストンおよび第2制御ピストンに前記第1受圧面と前記第2受圧面とに作用する液圧とは逆向きの作用力を弾性的に付与する作用力付与装置と、(e)前記第1制御ピストンと第2制御ピストンとの移動を抑制する移動抑制装置とを含む第1姿勢変化抑制装置を含む(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムの第1姿勢変化抑制装置において、第1受圧面には第1液通路の液圧が作用し、第2受圧面には第2液通路の液圧が作用する。
連結装置は、第1受圧面が受ける液圧の変化の向き(第1液通路の液圧の変化の向きあるいは第1液通路に流れる作動液の向きに対応する)と第2受圧面が受ける液圧の変化の向き(第2液通路の液圧の変化の向きあるいは第2液通路に流れる作動液の向きに対応する)とが同じ場合に第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動を許容し、逆である場合に移動を抑制する状態で、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンを連結する。
第1液通路および第2液通路は、後述するように、前側の左右の液圧シリンダの液圧室同士を接続する通路および後側の左右の液圧シリンダ同士を接続する通路としたり、右側の前後輪の液圧シリンダ同士を接続する通路および左側の前後輪の液圧シリンダ同士を接続する通路としたり、互いに対角位置にある液圧シリンダ同士を接続する通路としたりすることができる。
第1液通路、第2液通路は、それぞれ、ローリング、ピッチング、ヒービング、アーティキュレーション等のうちの少なくとも1種類の姿勢変化中に、液圧シリンダにおいて、液圧あるいは容積の変化の向きが同じ液圧室同士(以下、対応する液圧室同士と称する)を接続するものとしたり、液圧または容積の変化の向きが逆の液圧室同士(例えば、液圧が高くなる液圧室および低くなる液圧室、あるいは、容積が小さくなる液圧室および容積が大きくなる液圧室であり、以下、対応しない液圧室同士と称する)を接続するものとしたりすることができる。
第1姿勢変化抑制装置においては、作用力付与装置によって、第1受圧面、第2受圧面に作用する液圧に応じた力とは逆向きの作用力が弾性的に付与される。第1制御ピストンおよび第2制御ピストンは、第1受圧面、第2受圧面に作用する力と作用力付与装置によって付与される力との関係によって移動させられるが、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動が許容されることによって、それに対応する1種類以上の車両の姿勢変化(第1液通路、第2液通路の液圧の変化方向あるいは流れる作動液の向きが同じになる種類の姿勢変化であって、第1種類の姿勢変化と称する)が許容され、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動が抑制されることによって、その第1種類の姿勢変化が抑制される。また、第1液通路、第2液通路における作動液の流れが許容される場合には、それに対応する別の1種類以上の車両の姿勢変化(第1液通路、第2液通路によって接続された2つの液圧室が対応しない液圧室同士になる種類の姿勢変化であって、第2種類の姿勢変化と称する)が許容される。
したがって、第1、第2液通路における作動液の流れを許容する状態で、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動が抑制された場合には、第2種類の姿勢変化を許容しつつ、第1種類の姿勢変化を抑制することができる。
例えば、第1液通路、第2液通路の両方が、それぞれ、ヒービングが生じた場合に対応する液圧室同士を接続するものである場合には、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動が許容されることによりヒービングが許容され、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動が抑制されることによって、ヒービングが抑制される。また、第1液通路、第2液通路における作動液の流れが許容された状態にあれば、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動が抑制されても、例えば、アーティキュレーション、ローリング、ピッチングのうちの第2種類の姿勢変化に該当するものが許容される。したがって、アーティキュレーション、ローリング、ピッチングのうちの少なくとも1種類の姿勢変化を許容しつつヒービングを抑制することができる。
制御ピストンの移動の抑制には、例えば、移動に伴って減衰力が発生させられること、移動が阻止されること等が該当する。
第1制御シリンダと第2制御シリンダとは一体的に設けられたものであっても、別個に設けられたものであってもよい。また、第1受圧面と第2受圧面とで、面積を同じにすることができる。さらに、第1姿勢変化抑制装置は、車両用サスペンションシステムに1つ設ければよい。前側、後側の左右の液圧シリンダの間にそれぞれ設けたり、右側、左側の前後の液圧シリンダの間にそれぞれ設けたりすることを排除するわけではないが、そのようにする必要性が低く、4つの液圧シリンダの間に1つ設ければ充分な効果が得られる。
(10)前記移動抑制装置が、前記第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動を阻止する移動阻止部を含む(9)項に記載の車両用サスペンション制御装置。
第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動が阻止されれば、その移動の原因となる姿勢変化を抑制することができる。
(11)前記移動抑制装置が、前記第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動に伴って減衰力を発生させる減衰力発生装置と、その減衰力発生装置を制御する減衰力発生装置制御部とを含む(9)項または(10)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムにおいては、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動に伴って減衰力が発生させられる。減衰力発生装置制御部は、減衰力発生装置を減衰力を発生させる状態と発生させない状態とに切り換えるものとしたり、減衰力発生装置によって発生させられる減衰力の大きさを制御するものとしたりすることができる。
減衰力が大きい場合は車両の姿勢変化の抑制の度合いが大きく、減衰力が小さい場合は姿勢変化の抑制の度合いが小さくなる。したがって、減衰力の大きさを制御すれば、姿勢変化の抑制の度合いを制御することができる。また、減衰力の大きさを、車両の姿勢変化の程度に応じた大きさにすることができる。
例えば、作用力付与装置が、第1,第2の制御ピストンの第1、第2受圧面と反対側に設けられた第3,第4の受圧面に対向する液圧室に接続されたアキュムレータを含む場合には、それら液圧室とアキュムレータとの間の液通路の流れを抑制すれば、第1制御ピストン、第2制御ピストンの移動に伴って減衰力を発生させることができ、液通路の流れを阻止すれば、第1制御ピストン、第2制御ピストンの移動を阻止することができる。移動抑制装置は、液通路の流通状態を制御可能な電磁制御弁を含み、その電磁制御弁の制御により、液通路の流れが抑制されたり、阻止されたりする。
(12)前記接続装置が、前記4つの液圧シリンダの液圧室のうちの2つの液圧室を接続する第1液通路と、残りの2つの液圧室を接続する第2液通路とを含み、前記サスペンション制御装置が、前記第1液通路と前記第2液通路との間に設けられ、それら2つの液通路の間の作動液の流通状態を制御可能な電磁制御弁を含む第2姿勢変化抑制装置を含む(9)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
電磁制御弁は、コイルを含むソレノイドへの供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁であっても、開状態において開口面積を調節可能な電磁流量制御弁(可変絞り)であってもよい。電磁制御弁は、液通路を遮断状態と連通状態とに切り換え可能なものとすることは不可欠ではない。例えば、全開状態からある程度開口面積を小さくし得るものとすることができる。
電磁制御弁によって、第1液通路と第2液通路との間の作動液の流れが抑制される場合には、それに対応する1種類以上の姿勢変化(第1種類の姿勢変化と称する)は抑制されるが、第1液通路、第2液通路によって接続された2つの液圧シリンダの液圧室間の作動液の流れは許容されるため、それに対応する別の1種類以上の姿勢変化(第2種類の姿勢変化と称する)は許容されることになる。そのため、電磁制御弁により第1液通路、第2液通路の間の作動液の流れが抑制されれば、第2種類の姿勢変化を許容しつつ、第1種類の姿勢変化を抑制することができる。
また、電磁制御弁が、開状態において、その開口面積が制御可能なものである場合には、開口面積を、姿勢変化の抑制の程度を制御することが可能となる。換言すれば、姿勢変化の程度に応じて作動液の流れに加えられる抵抗の大きさを制御することが可能となる。具体的な態様については後述する。
本項に記載の技術的特徴は、(1)項ないし(8)項に記載の車両用サスペンションシステムにも採用可能である。第1姿勢変化抑制装置が設けられていなくても、第1液通路と第2液通路との間に第2姿勢変化抑制装置を設ければ、1種類以上の姿勢変化を許容しつつ別の1種類以上の姿勢変化を抑制することができる。
(13)前記第2姿勢変化抑制装置が、前記電磁制御弁を車両の走行状態と車両の実際の姿勢の変化との少なくとも一方に基づいて制御する電磁弁制御部を含む(12)項に記載の車両用サスペンションシステム。
電磁弁制御部は、その抑制する対象の姿勢変化が生じた場合に、電磁制御弁を制御することにより、第1液通路と第2液通路との間の作動液の流通状態を抑制して、姿勢変化を抑制する。姿勢変化が生じたことは、実際の姿勢の変化の状態を検出し、その検出値に基づいて取得したり、車両の走行状態に基づいて取得したりすることができる。
例えば、電磁制御弁によってローリングが抑制される場合ににおいて、ローリングが生じたことは、ロールレイトセンサを設け、ロールレイトセンサによる検出値に基づいて取得したり、各輪毎に上下ストロークセンサを設け、各輪毎の上下ストロークに基づいて取得したり、車両の旋回状態等に基づいて取得したりすることができる。車両の旋回状態は、ヨーレイト、横加速度、操舵角度および車速等に基づいて取得することができる。
(14)前記液圧シリンダが、前記車輪側部材と前記車体側部材とのいずれか一方に取り付けられたハウジングと、いずれか他方に取り付けられたピストンとを含み、前記第1、第2液通路が、それぞれ、前記複数種類の姿勢変化のうちの予め決められた1種類以上の姿勢変化が生じた場合に、2つの液圧シリンダの互いに対応する液圧室同士を接続するものである(12)項または(13)項に記載の車両用サスペンションシステム。
第1液通路、第2液通路は、1種類以上の姿勢変化(第1種類の姿勢変化と称する)が生じた場合に対応する液圧室同士を接続するものであるため、その第1種類の姿勢変化が生じた場合には、第1液通路、第2液通路に作動液が流れることはないが、第1液通路と第2液通路との間に、作動液の流れが許容されればその第1種類の姿勢変化が許容される。それに対して、第1種類とは別の1種類以上の姿勢変化(第2種類の姿勢変化と称する)が生じた場合には、第1液通路、第2液通路における作動液の流れにより、第2種類の姿勢変化が許容される。したがって、電磁制御弁により第1液通路と第2液通路との間の作動液の流れが抑制される状態においては、第2種類の姿勢変化を許容しつつ第1種類の姿勢変化を抑制することができる。
【0007】
(15)前記接続通路が、前記車両の右側の前後2つの液圧シリンダの液圧室を接続する第1液通路としての右側液通路と、前記車両の左側の前後2つの液圧シリンダの液圧室を接続する第2液通路としての左側液通路とを含み、前記第1姿勢変化抑制装置が、前記左側液通路と前記右側液通路との間に、前記第1受圧面に前記右側液通路の液圧を受け、前記第2受圧面に前記左側液通路の液圧を受ける状態で設けられ、前記第2姿勢変化抑制装置が、前記左側液通路と前記右側液通路との間に設けられた前記電磁制御弁としての左右連通状態制御弁を含む(12)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
右側液通路と左側液通路とは、それぞれ、ローリング、ヒービングが生じた場合に対応する液圧室同士を接続するものであり、かつ、一方の液通路が接続する液圧室同士と他方の液通路が接続する液圧室同士とで、ローリングが生じた場合に液圧または容積の変化の向きが逆で、ヒービングが生じた場合に、変化の向きが同じである液圧室同士を接続するものとすることができる。
第1姿勢変化抑制装置において、ヒービングが生じた場合に、第1制御ピストンの第1受圧面が受ける力の向きと第2制御ピストンの第2受圧面が受ける力の向きとは同じになり、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンは、右側液圧室の液圧に応じた力、左側液通路の液圧に応じた力と、作用力付与装置によって付与される力とに基づいて移動させられる。移動が許容される状態においてヒービングが許容される。また、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動が移動抑制装置によって抑制されれば、ヒービングが抑制される。第1姿勢変化抑制装置は、ヒービングが検出された場合に、前記移動抑制装置の制御により、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動を抑制して、ヒービングを抑制するヒービング抑制装置である。
右側液通路と左側液通路との間の作動液の流れが抑制されれば、車両のローリングを抑制することができる。この意味において、第2姿勢変化抑制装置は、ローリングが検出された場合に、前記左右連通状態制御弁の制御により第1液通路と第2液通路との間の作動液の流れを抑制することによって、車両のローリングを抑制するローリング抑制装置である。
(16)前記接続通路が、前記車両の互いに対角位置にある2つの液圧シリンダの液圧室を連結する第1および第2のクロス液通路を含み、前記第1姿勢変化抑制装置が、前記第1クロス液通路および第2クロス液通路の間に、前記第1受圧面に前記第1クロス液通路の液圧を受け、前記第2受圧面に前記第2クロス液通路の液圧を受ける状態で設けられ、前記第2姿勢変化抑制装置が、前記第1クロス液通路と前記第2クロス液通路との間に設けられた電磁制御弁としてのクロス通路間連通状態制御弁を含む(12)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
第1および第2のクロス液通路は、ピッチング、ローリングが生じた場合に対応する液圧室同士を接続するものであり、かつ、一方の液通路が接続する液圧室同士と他方の液通路が接続する液圧室同士とで、ピッチングが生じた場合に液圧または容積の変化の向きが同じで、ローリングが生じた場合に、変化の向きが逆である液圧室同士を接続するものとすることができる。
第1姿勢変化抑制装置は、ピッチングが検出された場合に、前記移動抑制装置の制御により、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動を抑制して、ピッチングを抑制するピッチング抑制装置である。
第2姿勢変化抑制装置は、ローリングが検出された場合に、前記クロス通路間連通状態制御弁の制御により第1クロス液通路と第2クロス液通路との間の作動液の流れを抑制することによって、車両のローリングを抑制するローリング抑制装置である。
(17)前記接続通路が、前記車両の前側の左右2つの液圧シリンダの液圧室を接続する第1液通路としての前側液通路と、前記車両の後側の左右2つの液圧シリンダの液圧室を接続する第2液通路としての後側液通路とを含み、前記第1姿勢変化抑制装置が、前記前側液通路と前記後側液通路との間に、前記第1受圧面に前記前側液通路の液圧を受け、前記第2受圧面に前記後側液通路の液圧を受ける状態で設けられ、前記第2姿勢変化抑制装置が、前記前側液通路と前記後側液通路との間に設けられた前記電磁制御弁としての前後連通状態制御弁を含む(12)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
前側液通路、後側液通路は、ピッチング、ヒービングが生じた場合に対応する液圧室同士であり、一方の液通路が接続する液圧室同士と、他方の液通路が接続する液圧室同士とで、ピッチングが生じた場合に、互いに液圧または容積の変化の向きが逆であり、ヒービングが生じた場合に、変化の向きが同じになる液圧室同士を接続する。
第1姿勢変化抑制装置は、ヒービングが検出された場合に、移動抑制装置の制御により、第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動を抑制して、ヒービングを抑制するヒービング抑制装置であり、第2姿勢変化抑制装置は、ピッチングが生じた場合に、前後連通状態制御弁を制御することにより、前側液通路と後側液通路との間の作動液の流れを抑制することによって、車両のピッチングを抑制するピッチング抑制装置である。
(18)前記第1液通路と第2液通路との少なくとも一方に設けられ、作動液の流通状態を制御可能な電磁制御弁を備えた第3姿勢変化抑制装置を含む(9)項ないし(17)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
前述のように、例えば、第1液通路、第2液通路としての右側液通路、左側液通路の作動液の流れを抑制すれば、ピッチングを抑制することができ、第1,第2のクロス通路の作動液の流れを抑制すれば、ヒービングを抑制することができ、前側液通路、後側液通路の流れを抑制すれば、ローリングを抑制することができる。
本項に記載の車両用サスペンションシステムにおいては、第1液通路、第2液通路に設けられた電磁制御弁を備えた姿勢変化抑制装置を第3姿勢変化抑制装置と称するが、4つの液圧シリンダが接続装置によって接続されている場合には、第2姿勢変化抑制装置の電磁制御弁も、第3姿勢変化抑制装置の電磁制御弁も、1つ以上の液圧シリンダと別の1つ以上の液圧シリンダとの間に位置する点については同じであるため、第2姿勢変化抑制装置と第3姿勢変化抑制装置とを区別することは不可欠ではない。したがって、第1姿勢変化抑制装置に含まれる電磁制御弁以外の電磁制御弁は、すべて、第2姿勢変化抑制装置の構成要素であると考えることができる。
【0008】
(19)前記サスペンション制御装置が、(a)ハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記4つの液圧シリンダの液圧室の液圧をそれぞれ受ける受圧面を有する4つの制御ピストンを含む4つの制御シリンダと、(b)前記4つの制御ピストンを、一体的に移動可能に連結する連結装置と、(c)その連結装置によって連結された4つの制御ピストンの各々の前記受圧面に作用する液圧とは逆向きの作用力を弾性的に付与する作用力付与装置と、(e)前記4つの制御ピストンの移動を抑制する移動抑制装置とを含む第1姿勢変化抑制装置を含む(1)項ないし(18)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
4つの制御シリンダの各々は、4つの液圧シリンダに1対1に対応して設けられ、4つの制御ピストンの受圧面には、それぞれ、液圧シリンダの互いに対応する液圧室の液圧に応じた力が加えられる。
4つの液圧シリンダすべては、一体的に設けられるようにしたり、4つのうちの2つ以上が一体的に設けられ、他の1つ以上が別個に設けられるようにしたりすることができる。いずれにしても、4つの制御シリンダにおいて4つの制御ピストンは、一体的に移動可能に連結されている。4つの制御ピストンは、同相に同じ振幅で移動させられる。4つの制御ピストンの移動が抑制されれば、ヒービングを抑制することができる。この意味において、本項に記載の第1姿勢変化抑制装置をヒービング抑制装置と称することができる。
(20)前記サスペンション制御装置が、(a)前記車両の右側の前後2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む右側液圧室と、前記車両の左側の前後2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む左側液圧室との間に設けられ、それら右側液圧室と左側液圧室との間の作動液の流通状態を制御可能な左右連通状態制御弁と、(b)前記車両の前側の左右2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む前側液圧室と、前記車両の後側の左右2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む後側液圧室との間に設けられ、これら前側液圧室と後側液圧室との間の作動液の流通状態を制御可能な前後連通状態制御弁との少なくとも一方を含む第2姿勢変化抑制装置を含む(1)項ないし(19)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
左右連通状態制御弁は、右側液圧室と左側液圧室との間に設けられ、右側液圧室と左側液圧室との間の作動液の流通状態を制御する。右側液圧室、左側液圧室は、それぞれ、前輪の液圧室を含むものであっても、後輪の液圧室を含むものであっても、前輪の液圧室と後輪の液圧室との両方を含むものであってもよい。右側液圧室が前輪の液圧室と後輪の液圧室とのいずれか一方を含み、左側液圧室が前輪の液圧室と後輪の液圧室とのいずれか一方を含む場合には、左右連通状態制御弁は、前輪側の左右の液圧シリンダの液圧室の間に設けられる場合、後輪側の左右の液圧シリンダの液圧室の間に設けられる場合、互いに対角位置にある2つの液圧シリンダの液圧室の間に設けられる場合が該当する。右側液圧室と左側液圧室とが、ローリングが生じた場合に対応しない液圧室同士である場合には、左右連通状態制御弁の制御により、車両のローリングを抑制することができる。
前後連通状態制御弁は、前側液圧室と後側液圧室との間に設けられ、前側液圧室と後側液圧室との間の作動液の流通状態を制御する。前側液圧室、後側液圧室が、それぞれ、前側、後側の左右の液圧シリンダの液圧室の少なくとも一方を含むものであり、前後連通状態制御弁は、前側液圧室、後側液圧室との間に設けられる。前後連通状態制御弁は、右側の前後の液圧室同士を接続する右側液通路に設けても、左側の前後の液圧室同士を接続する左側前後の液圧室同士を接続する左側液通路に設けても、両方に設けてもよく、前側の左右液圧室と後側の左右液圧室とを接続する前後液通路に設けてもよい。前側液圧室と後側液圧室とは、ピッチングが生じた場合に対応しない液圧室同士であり、前後連通状態制御弁の制御により、車両のピッチングを抑制することができる。
左右連通状態制御弁、前後連通状態制御弁は、前述の電磁制御弁と同様に、コイルを備えたソレノイドへの供給電流のON・OFF制御により開状態と閉状態とに切り換え可能な電磁開閉弁であっても、開状態において、供給電流の制御により、開口面積が連続的に制御可能なもの等であってもよい。
【0009】
(21)前記サスペンション制御装置が、
(a)前記車両の右側の前後2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む右側液圧室と、前記車両の左側の前後2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む左側液圧室との間に設けられ、それら右側液圧室と左側液圧室との間の作動液の流通状態を制御可能な左右連通状態制御弁と、(b)その左右連通状態制御弁への供給電流の制御により、前記作動液の流通状態を制限することにより、前記車両のローリングを抑制する供給電流制御部とを含むローリング抑制装置と、
(c)前記車両の前側の左右2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む前側液圧室と、前記車両の後側の左右2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む後側液圧室との間に設けられ、これら前側液圧室と後側液圧室との間の作動液の流通状態を制御可能な前後連通状態制御弁と、(d)その前後連通状態制御弁への供給電流の制御により、前記作動液の流通状態を制限することにより、前記車両のピッチングを抑制する供給電流制御部とを含むピッチング抑制装置と
を含む(1)項ないし(20)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムにおいては、ローリングとピッチングとをそれぞれ別個独立に制御することができる。また、左右連通状態制御弁と前後連通状態制御弁との両方の制御により、右側液圧室と左側液圧室との間の作動液の流れを抑制するとともに、前側液圧室と後側液圧室との間の作動液の流れを抑制すれば、アーティキュレーションを抑制することもできる。
【0010】
(22)前記接続装置が、前記4つの液圧シリンダの液圧室のうちの1つ以上の液圧室と、別の1つ以上の液圧室との間に設けられ、(a)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合された第1制御ピストンとによって形成され、前記1つ以上の液圧室に連通させられた第1液室を有する第1制御シリンダと、(b)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合された第2制御ピストンとによって形成され、前記別の1つ以上の液圧室に連通させられた第2液室を有する第2制御シリンダと、(c)前記第1制御ピストンと前記第2制御ピストンとを、それら第1,第2の制御ピストンが、前記第1液室と第2液室とのいずれか一方の容積の増加に伴って他方の容積が減少する状態で移動可能に連結する連結装置とを含み、前記1つ以上の液圧室と前記別の1つ以上の液圧室との一方から他方への作動液の流れを実質的に許容する作動液授受装置を含む(1)項ないし(21)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムにおいては、作動液授受装置が1つ以上の液圧シリンダの液圧室と別の1つ以上の液圧シリンダの液圧室との間に設けられる。作動液授受装置は、2つの液圧シリンダの間に設けても、1つの液圧シリンダと2つの液圧シリンダとの間に設けても、2つの液圧シリンダと2つの液圧シリンダとの間に設けてもよい。また、4つの液圧シリンダを、それぞれ、2つの液圧シリンダを含む2つの組に分類し、それぞれの組に1つずつの作動液授受装置を設けても、いずれか一方の組に作動液授受装置を設け、他方の組に設けないようにしてもよい。
作動液授受装置は、1つ以上の液圧室からの作動液の流出によって作動させられ別の1つ以上の液圧室に作動液を流入させるものである。1つ以上の液圧室からの作動液の流出によって第1液室の容積が増加させられ、第1制御ピストンが移動させられる。それによって、第2制御ピストンが作動させられ、第2液室の容積が減少させられる。第2液室の作動液が、第2液室に接続された別の1つ以上の液圧室に流入させられる。
(23)前記連結装置が、支点回りに回動可能に支持されたレバーであって、前記第1制御ピストンと第2制御ピストンとを、これらの逆相移動を許容する状態で連結する連結レバーを含む(22)項に記載の車両用サスペンションシステム。
第1制御ピストンと第2制御ピストンとは、連結レバーによって逆相移動が許容され、同相移動が阻止される状態で連結される。作動液授受装置の第1液室に作動液が供給され、容積が増加すると、それに伴って、第1制御ピストンが移動させられる。第1制御ピストンの移動は連結レバーによって第2制御ピストンに伝達され、第2制御ピストンは第2液室の容積が減少する方向に移動させられる。第2液室の容積の減少に伴って、第2液室に接続された液圧シリンダの液圧室に作動液が供給される。
(24)前記第1制御ピストンと前記第2制御ピストンとが一体的に設けられ、前記第1液室と第2液室とが、前記一体的に設けられた制御ピストンの互いに反対側に設けられた(22)項に記載の車両用サスペンションシステム。
第1制御ピストンと第2制御ピストンとが、連結装置によって、一体的に移動可能に連結されたのであり、制御ピストンに対して、互いに反対側に、第1液室、第2液室が設けられる。第1、第2液室のいずれか一方の容積の増加に伴って制御ピストンが移動させられると、他方の液室の容積が減少させられ、その他方の液室に接続された液圧室に作動液が流入させられる。
【0011】
(25)前記サスペンション制御装置が、前記4つの液圧シリンダの液圧室のうちの1つ以上の液圧室と別の1つ以上の液圧室との間に設けられ、(a)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記1つ以上の液圧室と別の1つ以上の液圧室とのうちのいずれか一方の液圧を受ける第1受圧面を有する第1制御ピストンとを含む第1制御シリンダと、(b)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、いずれか他方の1つ以上の液圧室の液圧を受ける第2受圧面を有する第2制御ピストンとを含む第2制御シリンダと、(c)前記第1制御ピストンと前記第2制御ピストンとを、前記第1受圧面の液圧と前記第2受圧面の液圧との比が可変な状態で連結する連結装置と、(d)前記液圧比を、所望の大きさに制御する液圧比制御部とを含む(1)項ないし(24)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
連結装置は、第1制御ピストンと第2制御ピストンとを、液圧比が段階的に可変な状態で連結するものであっても、連続的に可変な状態で連結するものであってもよい。液圧比の大きさは所望の大きさに制御されるが、液圧比は、車両の積載状態に基づいて決まる大きさに制御されるようにしたり、走行状態に基づいて決まる大きさに制御されるようにしたり、静的な姿勢に基づいて決まる大きさに制御されるようにしたりすることができる。
(26)前記第1制御シリンダ、第2制御シリンダが、前側の左右の液圧シリンダの液圧室の少なくとも一方である前側液圧室と、後側の左右の液圧シリンダの液圧室の少なくとも一方である後側液圧室との間に設けられ、前記液圧比制御部が、前記液圧の比を、前輪側と後輪側との少なくとも一方の接地荷重に基づいて決まる大きさに制御する前後輪液圧比制御部を含む(25)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムにおいては、1つ以上の液圧室の液圧が液圧伝達装置によって別の1つ以上の液圧室の液圧に伝達される。また、第1制御ピストンの第1受圧面が受ける液圧と第2制御ピストンの第2受圧面が受ける液圧との比が、前輪側と後輪側との少なくとも一方の接地荷重に基づいて決まる大きさに制御される。
例えば、前輪側の液圧シリンダの液圧と後輪側の液圧シリンダの液圧との比を、前輪側の積載重量と後輪側の積載重量との比率に応じた大きさにすることが可能となる。その結果、荷物の積み降ろしに起因する後輪側の荷重の変化に起因する姿勢の変化を抑制したり、乗員の乗り降りに起因する荷重の変化に起因する姿勢の変化を抑制したりすることができる。
なお、第1制御シリンダ、第2制御シリンダおよび連結装置によって液圧伝達装置が構成され、液圧伝達装置と液圧比制御部とによって液圧比制御装置が構成されると考えることができる。
(27)前記第1制御シリンダ、第2制御シリンダが、前側の左右の液圧シリンダの液圧室の少なくとも一方である前側液圧室と、後側の左右の液圧シリンダの液圧室の少なくとも一方である後側液圧室との間に設けられ、前記液圧制御部が、前記2つの液圧の比率を、車両の姿勢がほぼ水平方向に保たれるように制御する姿勢対応液圧比制御部を含む(25)項または(26)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムにおいて、車両の前後方向の傾きを抑制することができる。
(28)前記連結装置が、(a)前記第1制御ピストンと第2制御ピストンとを、支点回りの回動により、前記第1,第2の制御ピストンの逆相移動を許容する状態で連結する連結レバーと、(b)前記支点を前記第1、第2の制御ピストンの軸方向に交差する方向に対して移動可能に支持する支持装置とを含み、前記液圧比制御部が、前記支点を移動させることによって、前記液圧の比を制御する支点位置制御部を含む(25)項ないし(27)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
支点の回りに回動可能に支持された連結レバーによって第1制御ピストンと第2制御ピストンとが連結される。第1制御ピストンと第2制御ピストンとは、連結レバーによって互いに逆相に移動可能に支持されることになる。連結レバーにおいては、支点回りのモーメントは釣り合っているため、支点と制御ピストンとの係合点までの間の距離(アームの長さ)が長い場合は短い場合より、その制御ピストンから受ける力が小さくなる。したがって、支点の位置を移動すれば、第1受圧面が受ける液圧と第2受圧面が受ける液圧との比率を制御することができる。
支点は第1制御ピストン、第2制御ピストンの軸方向に対して交差する方向に移動可能に支持される。換言すれば、支点の移動に伴って連結レバーのアームの長さが変わる状態で支持される。第1制御ピストン、第2制御ピストンの軸方向に直交する方向に移動可能に支持されることが望ましいが、不可欠ではない。
連結レバーにおいて、支点から第1制御ピストンとの係合点までの長さL1と、第1制御ピストンから受ける力F1との積と、支点から第2制御ピストンとの係合点までの長さL2と、第2制御ピストンから受ける力F2との積とは等しい。F1・L1=F2・L2
ここで、連結レバーが第1、第2制御ピストンから受ける力は、例えば、それぞれ、第1、第2受圧面が受ける液圧P1、P2と第1、第2受圧面の面積A1、A2との積である。
P1・A1・L1=P2・A2・L2
したがって、液圧P1、P2の比は、式
P1/P2=(A2/A1)・(L2/L1)
で表すことができる。ここで、面積比(A2/A1)は一定であるため、液圧比はアームの長さの比(L2/L1)で表すことができ、アームの長さを変えれば、液圧の比率を変えることができる。
(29)前記第1制御シリンダのハウジングと前記第2制御シリンダのハウジングとが一体的に設けられ、前記第1制御ピストンと前記第2制御ピストンとが段付きの制御ピストンとされ、前記液圧比制御部が、前記段付きピストンの、前記第1,第2受圧面以外の第3の受圧面に作用する液圧を制御することによって、前記第1受圧面の液圧と前記第2受圧面の液圧との関係を制御する(25)項ないし(27)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
第1受圧面、第2受圧面は、互いに、ピストンの反対側に設けることができるが不可欠ではない。段付きピストンの3つの受圧面のうち、いずれを第1受圧面、第2受圧面としてもよいのであり、第3受圧面の液圧を制御することによって、第1受圧面の液圧と第2受圧面の液圧との比率を制御することができる。
第1受圧面と第2受圧面とを互いに対向する状態で設ければ、作動液授受装置としての機能も備えたものとすることができる。
例えば、第1受圧面と、第2受圧面および第3受圧面とが互いに対向する状態で設けられる場合には、段付きピストンの釣り合い状態において、第1受圧面に受ける力F1と、第2受圧面が受ける力F2と第3受圧面が受ける力F3との和とが等しくなる。
F2+F3=F1
ここで、第1受圧面の面積A1,液圧P1、第2受圧面の面積A2,液圧P2、第3受圧面の面積A3,液圧P3とした場合には、式
A2・P2+A3・P3=A1・P1
が成立する。したがって、第1受圧面が受ける液圧P1と第2受圧面が受ける液圧P2との比は、式
P1/P2=(P3/P2)・(A3/A1)+A2/A1
で表すことができる。面積A1、A2、A3は、一定であるため、第3受圧面の液圧P3が大きい場合は小さい場合より第1受圧面の液圧の第2受圧面の液圧に対する比率(P1/P2)が大きくなることがわかる。
このように、第3受圧面の液圧P3を制御することによって、第1受圧面の液圧と第2受圧面の液圧との比を制御することができ、1つ以上の液圧シリンダの液圧室の液圧と別の1つ以上の液圧シリンダの液圧室の液圧との比率を制御することができる。
【0012】
(30)前記サスペンション制御装置が、前記4つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも1つに対する作動液の供給・流出可能な車高調整装置を含み、その車高調整装置を制御することにより、前記4つの液圧シリンダのうちの少なくとも1つの液圧室に対する作動液の供給・流出を制御することにより、その少なくとも1つの液圧シリンダに対応する車輪側部材に対する車体側部材の相対高さを調整する(1)項ないし(29)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
車高調整装置は、4つの液圧シリンダの液圧室のすべてに対して作動液の供給・流出が可能なものであっても、少なくとも1つに対して作動液の供給・流出が可能なものであってもよい。
車高調整装置が、作動液供給源と、リザーバと、車高調整用弁装置とを含む。車高調整用弁装置は、少なくとも1つの液圧シリンダの液圧室に対して、作動液供給源の作動液を供給する供給状態と、液圧室から作動液を流出させてリザーバへ流出させる流出状態と、供給も流出も阻止する保持状態とをとりうるものである。車高調整用弁装置は、複数の液圧室に対して共通に設けても、1つずつに専用に設けてもよい。
【0013】
(31)前記接続装置が、前輪側の左右の液圧シリンダの液圧室同士を接続する前側液通路と、後輪側の左右の液圧シリンダの液圧室同士を接続する後側液通路とを含み、前記サスペンション制御装置が、(a)前記前側液通路と前記後側液通路とにそれぞれ設けられ、当該液通路の作動液の流通状態を制御可能な前輪側、後輪側の左右連通状態制御弁と、(b)それら2つの左右連通状態制御弁のうちの少なくとも一方を制御することにより、前記車両の目標旋回状態に対して実際の旋回状態が不足している場合に、前記後側液通路の流れを前記前側液通路の流れより抑制する第1旋回状態制御部と、前記目標旋回状態に対して実際の旋回状態が過大である場合に、前記前側液通路の流れを前記後側液通路の流れより抑制する第2旋回状態制御部との少なくとも一方を含む旋回状態制御装置を含む(1)項ないし(30)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
前側液通路、後側液通路は、いずれも、ローリング時に対応しない液圧室同士を接続する。
そのため、前側液通路、後側液通路の作動液の流れが抑制されれば、ローリングを抑制することができ、作動液の流れが許容されればローリングを許容することができる。ローリングの抑制の程度が大きいことをロール剛性が大きいと称するが、後輪側のロール剛性が前輪側のロール剛性より大きくされれば、車両のロール剛性配分が後輪よりになる。車両の回頭性を向上させて、オーバステア傾向にすることができる。したがって、目標旋回状態に対して実際の旋回状態が不足している場合(目標旋回状態の絶対値から実際の旋回状態の絶対値を引いた値である偏差が正の値である場合)に、前輪側のロール剛性が後輪側のロール剛性より小さくされれば、車両をオーバステア傾向とすることができ、実際の旋回状態を目標旋回状態に近づけることができる。
また、後輪側のロール剛性を前輪側のロール剛性より小さくすれば、ロール剛性配分が前輪よりにされて、車両をアンダステア傾向にすることができる。したがって、偏差が負の値である場合に、後輪側のロール剛性を前輪側のロール剛性より小さくすれば、アンダステア傾向とすることができ、実際の旋回状態を目標旋回状態に近づけることができる。
旋回状態制御部による制御が行われる場合には、4つの液圧シリンダのうち、前輪側の液圧シリンダの液圧室と後輪側の液圧シリンダの液圧室とは、遮断状態にされる。前輪側のロール剛性と後輪側のロール剛性とを別個に制御するためである。
(32)前記サスペンション制御装置が、車両の旋回状態として車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出部を含む(31)項に記載の車両用サスペンションシステム。
車両の旋回状態は、横加速度に基づいて取得したり、ヨーレイトに基づいて取得したりすることができる。
目標ヨーレイトは、例えば、操舵部材の操舵状態(例えば、ステアリングホイールの操舵角度と車両の走行速度)と走行速度とに基づいて取得することができる。
(33)前記第1旋回状態制御部が、前記前側液通路の流れを許容し、前記後側液通路の流れを阻止するものであり、前記第2旋回状態制御部が、前記前側液通路の流れを阻止し、前記後側液通路の流れを許容するものである(31)項または(32)項に記載の車両用サスペンションシステム。
前側液通路の流れが許容され、後側液通路の流れが阻止される場合には、前側のロール剛性が小さく、後側のロール剛性が大きくなり、ロール剛性が後寄りになる。後側液通路の流れが許容され、前側液通路の流れが阻止される場合には、後側のロール剛性が小さく、前側のロール剛性が大きくなり、ロール剛性が前寄りになる。
(34)前記旋回状態制御部が、前記車両の実際の旋回状態が設定状態を越えた場合に、前記左右連通状態制御弁の制御を行うものである(31)項ないし(33)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
旋回状態の制御は、実際の旋回状態がある程度大きい場合に行われる。旋回状態が小さい場合には、制御を行う必要性が低いからである。
【0014】
(35)前記接続装置が、右側の前後の液圧シリンダの液圧室同士を接続する右側液通路と、左側の前後の液圧シリンダの液圧室同士を接続する左側液通路とを含み、前記サスペンション制御装置が、(a)前記右側液通路と前記左側液通路とのそれぞれに設けられ、当該液通路の作動液の流通状態を制御可能な右側、左側の前後連通状態制御弁と、(b)それら2つの前後連通状態制御弁のうちの少なくとも一方を制御することにより、前記車両がまたぎ路走行中で、かつ、制動中である場合に、高μ側の液通路の流れを低μ側の液通路の流れより抑制する路面μ差対応制御部とを含む(1)項ないし(34)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
高μ側の液通路の流れが抑制されれば、高μ側においてピッチングが抑制される。それに対して、低μ側の液通路の流れが許容されれば低μ側においてピッチングが許容され、ピッチングに起因する前後の荷重移動量が小さくなり、制動中において後輪荷重の低下が抑制される。それによって、低μ側の後輪の摩擦力が大きくなるため、後輪の制動力を大きくすることができ、車両全体の制動力を大きくすることができる。
路面μ差対応制御部による制御が行われる場合には、右側の液圧シリンダと左側の液圧シリンダとは遮断される。右側のピッチ剛性と左側のピッチ剛性とを別個に制御する必要があるからである。
また、路面μ差対応制御部は、高μ側の液通路の流れを阻止し、低μ側の液通路の流れを阻止する制御弁制御部を含むものとすることができる。
(36)前記路面μ差対応制御部が、制動中であって、かつ、前後左右の4輪のうちの少なくとも1輪についてスリップ状態制御中である場合に、前記前後連通状態制御弁の制御を行うスリップ制御中制御部を含む(35)項に記載の車両用サスペンションシステム。
前後左右の4輪のうちの少なくとも1輪について制動スリップ制御中である場合には、制動力が不足することが多い。そのため、制動スリップ制御中である場合に、路面μ差対応制御が行われることは妥当なことである。制動スリップ制御中であるかどうかは、ブレーキ制御装置において取得され、ブレーキ制御装置からサスペンション制御装置へ、そのことを表す情報が供給されるようにすることが望ましい。
スリップ状態の制御としてアンチロック制御が行われる場合に、前後連通状態制御弁の制御が行われるようにすることができる。アンチロック制御中である場合には、路面μが低く、制動力が不足する可能性が高い。それに対して、低μ側の車輪の接地荷重を大きくして、出力可能な制動力を大きくすれば、車両全体の制動力を大きくすることができる。
(37)前記サスペンション制御装置が、制動中であって、かつ、前後左右の4輪のうちの少なくとも1輪についてスリップ状態制御中である場合に、左側輪と右側輪とが接する路面の路面μ差を取得する路面μ差取得部を含む(35)項または(36)項に記載の車両用サスペンションシステム。
制動スリップ制御中においては、車輪に加わる制動力が路面の摩擦係数に応じた大きさに制御されることのが普通である。そのため、制動装置が摩擦制動装置である場合に、摩擦係合部材をブレーキ回転体に押し付ける際の押付力が大きい方の車輪の路面が高μ側で、押付力が小さい方の車輪の路面が低μ側であるとすることができる。路面μ差の情報もブレーキ制御装置から供給されるようにすることができる。
これら押付力の差、路面μの差が設定値以上である場合にまたぎ路走行中であるとすることができる。
【0015】
(38)前記液圧シリンダのうちの少なくとも1つが、ハウジングと、そのハウジングに相対移動可能に設けられたピストンとを含み、そのピストンの片側に液圧室が設けられた(1)項ないし(37)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項の液圧シリンダにおいては、ピストンの片側に設けられた液圧室には、ピストンに加えられる力に応じた液圧が発生させられる。ピストンの液圧室とは反対側は大気に臨まされるようにすることもできる。また、液圧室には、ダンパを接続することが望ましい。ダンパが接続されれば、ピストンのハウジングに対する相対移動に伴う液圧室の作動液の過不足を調整することができる。
(39)前記液圧シリンダのうちの少なくとも1つが、ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合されたピストンと、そのピストンに設けられ、ピストンの両側の液圧室を連通させる連通路とを含む(1)項ないし(38)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
ピストンのハウジングに対する相対移動に伴って、ピストンで仕切られた上室と下室との一方の液圧室の容積が増加し、他方の液圧室の容積が減少する。しかし、ピストンの両側の液圧室は連通路によって連通させられるため、上室の液圧と下室の液圧とは同じ高さになり、液圧シリンダに設けられる液圧室は1つである。その1つの液圧室には、ピストンに加えられる力に応じた大きさの液圧が発生させられる。ピストンの片側にピストンロッドが設けられる場合には、ピストンの移動に伴う上室の容積変化量と下室の容積変化量とが異なるため、これらの差を是正するために、ダンパを設けることが望ましい。
(38)項、(39)項に記載の液圧シリンダを単動シリンダと称することができる。また、(38)項、(39)項に記載の液圧シリンダについては、設けられる液圧室は実質的に1つであるため、第1液通路、第2液通路によって接続される液圧室も1つである。ピストンによって上室と下室とに仕切られる場合には、いずれの液圧室が接続されてもよい。
(40)前記4つの液圧シリンダのうちの少なくとも1つが、ショックアブソーバである(1)項ないし(39)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
ショックアブソーバにおいては、車輪側部材と車体側部材との間の距離の変化に起因して、ピストンがハウジングに対して相対移動させられるが、その相対移動速度に応じた減衰力が発生させられる。ショックアブソーバにおいては、液圧室に、ピストンに加えられる力に応じた液圧が発生させられるわけではない。
(41)前記液圧シリンダのうちの少なくとも1つが、ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合されたピストンとを含み、そのピストンの両側の液圧室とされる(1)項ないし(40)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
ピストンのハウジングに対する相対移動に伴って、ピストンの前進方向の液圧室の液圧が高くなり、反対側の液圧室の液圧が低くなる。また、本項に記載の液圧シリンダにおいても、2つの液圧室のうちのいずれか一方には、ピストンに加えられた力に応じた液圧が発生させられる。なお、2つの液圧室のうちの少なくとも一方にダンパを設ければ、ピストンの移動に伴う作動液の過不足を調整することができる。本項に記載の液圧シリンダは、復動シリンダと称することができる。
(40)項、(41)項に記載の液圧シリンダは、ピストンの両側の液圧室の間に、液圧差を生じさせ得るものである。そのため、2つの液圧室のそれぞれに第1液通路、第2液通路が接続される場合や、いずれか一方に接続される場合がある。
【0016】
(42)車両の前後左右のそれぞれにおいて、車輪側部材と車体側部材との間に設けられた4つの液圧シリンダと、
それら4つの液圧シリンダのうち、(a)前記車両の右側の前後2つの液圧シリンダの液圧室を接続する右側液通路と、(b)前記車両の左側の前後2つの液圧シリンダの液圧室を接続する左側液通路と、(c)それら右側液通路と左側液通路とを連結する左右連結通路とを含む接続装置と、
(i)前記連結通路に設けられ、(d)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記右側液通路の液圧を受ける第1受圧面を有する第1制御ピストンとを含む第1制御シリンダと、(e)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記左側液通路の液圧を受ける第2受圧面を有する第2制御ピストンとを含む第2制御シリンダと、(f)それら第1制御ピストンと第2制御ピストンとを連結する連結装置と、(g)その連結装置によって連結された第1制御ピストンおよび第2制御ピストンに前記第1受圧面と第2受圧面とに作用する液圧とは逆向きの作用力を弾性的に付与する作用力付与装置と、(h)前記第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動に伴って減衰力を発生させる減衰力発生装置と、(i)その減衰力発生装置によって発生させられる減衰力を制御する減衰力制御装置とを含むヒービング抑制装置と、(ii)前記連結通路に、前記ヒービング抑制装置と並列に設けられ、少なくとも、それら2つの液通路の間の作動液の流れを許容する状態と阻止する状態とに切り換え可能な左右連通制御弁を含み、その左右連通制御弁を制御することにより車両のローリングを抑制するローリング抑制装置との少なくとも一方と
を含む車両用サスペンションシステム。
右側液通路、左側液通路は、それぞれ、ローリングが生じた場合に対応する液圧室同士であるが、右側液通路、左側液通路の一方は、ローリングが生じた場合に、液圧が高くなる液圧室同士を接続し、他方は液圧が低くなる液圧室同士を接続する。すなわち、右側液通路、左側液通路は、ヒービングが生じた場合に対応する液圧室同士を接続する。
本項に記載の車両用サスペンションシステムには、(1)項ないし(41)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0017】
(43)車両の前後左右のそれぞれにおいて、車輪側部材と車体側部材との間に設けられた4つの液圧シリンダと、
それら4つの液圧シリンダ各々のうちの、前記車両の互いに対角位置にある2つの液圧シリンダの液圧室同士をそれぞれ接続する第1および第2のクロス液通路と、それら第1,第2のクロス液通路を連結する連結通路とを含む接続装置と、
(i)前記連結通路に設けられ、(a)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記第1クロス液通路の液圧を受ける第1受圧面を有する第1制御ピストンとを含む第1制御シリンダと、(b)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記第2クロス液通路の液圧を受ける第2受圧面を有する第2制御ピストンとを含む第2制御シリンダと、(c)それら第1制御ピストンと第2制御ピストンとを連結する連結装置と、(d)その連結装置によって連結された第1制御ピストンおよび第2制御ピストンに前記第1受圧面と第2受圧面とに作用する液圧とは逆向きの作用力を弾性的に付与する作用力付与装置と、(e)前記第1制御ピストンおよび第2制御ピストンの移動を抑制する移動抑制装置とを含むピッチング抑制装置と、(ii)前記連結通路に、前記ピッチング抑制装置と並列に設けられ、その連結通路における作動液の流れの状態を制御可能な連結通路流通状態制御弁を含み、その連結通路流通状態制御弁を制御することにより、車両のローリングを抑制するローリング抑制装置と、(iii)前記第1,第2のクロス液通路に、それぞれ設けられ、少なくとも、それら2つのクロス液通路における作動液の流れを許容する状態と阻止する状態とに切り換え可能なクロス通路連通制御弁を含み、そのクロス通路連通制御弁を制御することにより車両のヒービングとアーティキュレーションとを抑制する複合的抑制装置とのうちの少なくとも1つと
を含む車両用サスペンションシステム。
第1、第2クロス液通路は、車両にヒービング、アーティキュレーションが生じた場合に、対応しない液圧室で、かつ、ローリング、ピッチングが生じた場合に、対応する液圧室同士を接続する。
本項に記載の車両用サスペンションシステムには、(1)項ないし(42)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(44)前記第1、第2のクロス液通路を含む系統に設けられた第1車高調整装置と、前記第1,第2クロス液通路に接続されない液圧室を含む系統に設けられた第2車高調整装置とを含む(43)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムによれば、クロス通路を含む系統の作動液量とクロス通路を含まない系統の作動液量とをそれぞれ別個に調整することができる。クロス通路を含まない系統においては、液圧室を液通路で接続することが望ましい。そのようにすれば、クロス通路を含まない系統の液圧室の作動液量を共通に均一に調整することができる。
また、クロス通路を含む系統の作動液量と、含まない系統の作動液量とを別個独立に調整可能とすれば、車両の姿勢を良好に制御することができる。
【0018】
(45)車両の前後左右のそれぞれにおいて、車輪側部材と車体側部材との間に設けられた4つの液圧シリンダと、
(i)(a)ハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記4つの液圧シリンダの液圧室の液圧をそれぞれ受ける受圧面を有する4つの制御ピストンを含む4つの制御シリンダと、(b)前記4つの制御ピストンを、一体的に移動可能に連結する連結装置と、(c)その連結装置によって連結された4つの制御ピストンの各々の前記受圧面に作用する液圧とは逆向きの作用力を弾性的に付与する作用力付与装置と、(e)前記4つの制御ピストンの移動を抑制する移動抑制装置とを含むヒービング抑制装置と、(ii)前記車両の右側の前後の液圧シリンダの液圧室の少なくとも一方と左側の前後の液圧シリンダの液圧室の少なくとも一方との間に設けられ、液圧室間の作動液の流通状態を制御可能な左右連通状態制御弁を含み、その左右連通状態制御弁を制御することによって車両のローリングを抑制するローリング抑制装置と、(iii)前記車両の前側の左右2つの液圧シリンダの液圧室の少なくとも一方と後側の左右2つの液圧シリンダの液圧室の少なくとも一方との間に設けられ、液圧室間の作動液の流通状態を制御可能な前後連通状態制御弁を含み、その連通状態制御弁を制御することにより前記車両のピッチングとを抑制するピッチング抑制装置との少なくとも1つと
を含む車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムには、(1)項ないし(44)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0019】
(46)車両の前後左右のそれぞれにおいて、車輪側部材と車体側部材との間に設けられた4つの液圧シリンダと、
前記車両の前側の左右2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む前側液圧室と、前記車両の後側の左右2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む後側液圧室との間に設けられ、これら前側液圧室と後側液圧室との間の作動液の流通状態を制御可能な前後連通状態制御弁を含み、その連通状態制御弁を制御することにより前記車両のピッチングを抑制するピッチング抑制装置と
前記前側液圧室と後側液圧室との間に設けられ、前記前後連通状態制御弁と直列に、(a)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記1つ以上の液圧室と別の1つ以上の液圧室とのうちのいずれか一方の液圧を受ける第1受圧面を有する第1制御ピストンとを含む第1制御シリンダと、(b)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、いずれか他方の1つ以上の液圧室の液圧を受ける第2受圧面を有する第2制御ピストンとを含む第2制御シリンダと、(c)前記第1制御ピストンと前記第2制御ピストンとを、支点回りの回動により、逆相移動を許容する状態で連結する連結レバーと、その連結レバーを、前記支点が移動可能な状態で支持する支持装置とを含む連結装置と、(d)前記連結レバーの支点の位置を制御することによって、前記第1受圧面の液圧と第2受圧面の液圧との比率を制御する液圧比制御部とを含む前・後液圧比制御装置と
を含む車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムには、(1)項ないし(45)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(47)前記前側液圧室と前記後側液圧室との少なくとも一方に対して作動液を供給したり、流出させたりする車高調整装置を含む(46)項に記載の車両用サスペンションシステム。
【0020】
(48)車両の前後左右のそれぞれにおいて、車輪側部材と車体側部材との間に設けられた4つの液圧シリンダと、
前記車両の前側の左右2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む前側液圧室と、前記車両の後側の左右2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む後側液圧室との間に設けられ、これら前側液圧室と後側液圧室との間の作動液の流通状態を制御可能な前後連通状態制御弁を含み、その連通状態制御弁を制御することにより前記車両のピッチングを抑制するピッチング抑制装置と
前記前側液圧室と後側液圧室との間に設けられ、前記前後連通状態制御弁と直列に、(a)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記1つ以上の液圧室の液圧を受ける第1受圧面と、前記別の1つ以上の液圧室の液圧を受ける第2受圧面と、それ以外の第3受圧面とを有する段付きピストンとを含む段付きシリンダと、(b)前記第3受圧面の液圧を制御することによって、第1受圧面の液圧と第2受圧面の液圧との比を制御する第3液圧制御装置とを含む液圧比制御装置と
を含む車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムには、(1)項ないし(47)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0021】
(49)車両の前後左右のそれぞれにおいて、車輪側部材と車体側部材との間に設けられた4つの液圧シリンダと、
前記車両の前側の左右2つの液圧シリンダの液圧室の間に設けられ、2つの液圧室の間の作動液の流通状態を制御可能な前輪側左右連通状態制御弁と、
前記車両の後側の左右2つの液圧シリンダの液圧室の間に設けられ、2つの液圧室の間の作動液の流通状態を制御可能な後輪側左右連通状態制御弁と、
それら2つの左右連通状態制御弁の少なくとも一方を制御することにより、前記車両の目標旋回状態に対して実際の旋回状態が不足している場合に、前記後輪側の2つの液圧室間の流れを前記前輪側の2つの液圧室の間の作動液の流れより抑制する第1連通状態制御部と、前記目標旋回状態に対して実際の旋回状態が過剰である場合に、前記前輪側の2つの液圧室の流れを前記後輪側の2つの液圧室の間の作動液の流れより抑制する第2連通状態制御部との少なくとも一方を含む連通状態制御装置と
を含むことを特徴とする車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムには、(1)項ないし(48)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
車両の旋回状態として車両のヨーレイトで表すことができる。また、前輪側の液圧シリンダと後輪側の液圧シリンダとは接続装置によって接続されても接続されていなくてもよい。接続されている場合には、前輪側の液圧シリンダと後輪側の液圧シリンダとを遮断弁等により遮断状態としておく必要がある。
(50)車両の前後左右のそれぞれにおいて、車輪側部材と車体側部材との間に設けられた4つの液圧シリンダと、
4つの液圧シリンダのうち、前記車両の右側の前後の液圧シリンダの液圧室の間に設けられ、これらの間の作動液の流通状態を制御可能な右側前後連通状態制御弁と、
前記車両の左側の前後の液圧シリンダの液圧室の間に設けられ、これらの間の作動液の流通状態を制御可能な左側前後連通状態制御弁と、
それら2つの前後連通状態制御弁の制御により、前記車両がまたぎ路走行中で、かつ、制動スリップ制御中である場合に、高μ側の前後の液圧室の間の流れを抑制し、低μ側の前後の液圧室の間の流れを許容する路面μ対応連通弁制御装置と
を含むことを特徴とする車両用サスペンションシステム。
本項に記載の車両用サスペンションシステムには、(1)項ないし(49)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。右側の液圧シリンダと左側の液圧シリンダとは接続装置によって接続されても接続されていなくてもよい。接続されている場合には、右側の液圧シリンダと左側の液圧シリンダとを遮断弁等により遮断状態としておく必要がある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態である車両用サスペンションシステムについて図面に基づいて詳細に説明する。
図1において、車両の前後左右の各車輪に対応して、車輪側部材と車体側部材との間に液圧シリンダ10〜16が設けられる。本実施形態においては、液圧シリンダ10〜16としてショックアブソーバが使用される。ショックアブソーバ10〜16は、それぞれ、ハウジング20と、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン22とを含む。ハウジング20とピストン22のピストンロッド23とのいずれか一方が車輪側部材24に取り付けられ、他方が車体側部材26に取り付けられる。本実施形態においては、ハウジング20が車輪側部材24に取り付けられ、ピストンロッド23が車体側部材26に取り付けられる。ピストン22には絞りを有する液通路28が形成され、ピストン22の上室30と下室32との間の作動液の流れに抵抗が加えられる。絞りにより、ピストン22のハウジング20に対する相対移動速度に応じた減衰力が発生させられる。
【0023】
本実施形態においては、ショックアブソーバ10〜16の下室32同士が接続装置40によって接続される。接続装置40は、液通路42,44,46を含む。
左側の前後の液圧シリンダ10,14の下室32同士が液通路42によって接続され、右側の前後の液圧シリンダ12,16の下室32同士が液通路44によって接続され、液通路42,44が液通路46によって接続される。本実施形態においては、4つの液圧シリンダ10〜16の液圧室32が互いに液通路42,44,46によって直接的に接続されるのである。
また、液通路42,44,46は、液圧シリンダ10〜16の、車両がヒーブした場合に液圧が高くなる液圧室同士、または、低くなる液圧室同士(以下、対応する液圧室同士と称する)を接続し、液通路42、液通路44は、ロール時に対応する液圧室同士であって、ピッチ時、アーティキュレーション時に対応しない液圧室同士(液圧が高くなる液圧室と低くなる液圧室と)を接続する。なお、液通路42が左側液通路であり、液通路44が右側液通路である。
【0024】
液通路46には、第1姿勢変化抑制装置48と第2姿勢変化抑制装置50とが互いに並列に設けられる。
第1姿勢変化抑制装置48は、ハウジング60、およびハウジング60に形成された段付きのシリンダボアに液密かつ摺動可能に嵌合された段付き制御ピストン62を含む制御シリンダ64と、アキュムレータ66と、可変絞り68とを含む。段付き制御ピストン62は、小径部70と大径部71とを有するものであり、小径部70の端面が第1受圧面72とされ、小径部70と大径部71との間の段部の端面が第2受圧面76とされ、大径部71の端面が第3受圧面78とされる。第1受圧面72は液通路46の右側の部分(液通路44)の液圧を受け、第2受圧面76は液通路46の左側の部分(液通路42)の液圧を受ける。また、第3受圧面78に対向する液圧室80には液通路81を介してアキュムレータ66が接続され、液通路81に可変絞り68が設けられる。第3受圧面78は、アキュムレータ66の液圧を受ける。本実施形態においては、第1受圧面72,第2受圧面76が同じ側に(同じ向きの力を受ける状態で)、第1受圧面72,第2受圧面76と第3受圧面とが互いに反対側に(互いに逆向きの力を受ける状態で)設けられる。
可変絞り68は、液通路81の流路面積を制御可能なものであり、液通路81を閉状態とすることもできる。
このように、本実施形態においては、第1制御シリンダ、第2制御シリンダが一体的に設けられるのであり、第1受圧面72を有する制御ピストン62の小径部70により第1制御ピストンが構成され、第2受圧面76を有するピストン62の大径部71により第2制御ピストンが構成される。段付きピストン62は、第1制御ピストンと第2制御ピストンとが一体的に連結されたものであるため、連結制御ピストンと称することができる。また、第1受圧面72の面積と第2受圧面76の面積とは同じ大きさとされている。アキュムレータ66等により作用力付与装置が構成され、可変絞り68等により移動抑制装置が構成される。
【0025】
第2姿勢変化抑制装置50は、左側液通路42と右側液通路44とを接続する液通路46に設けられた左右連通制御弁としての可変絞り82を含む。可変絞り82は、液通路46の流路面積を調整可能なものであり、液通路46を閉状態とすることもできる。
【0026】
サスペンションECU100は、図2に示すように、コンピュータを主体とするものであり、CPU102,ROM104,RAM106,入出力部108等を含む。入出力部108には、姿勢検出装置110が接続されるとともに、第1姿勢変化抑制装置48,第2姿勢変化抑制装置50が接続される。
姿勢検出装置110は、車両の姿勢や姿勢変化等の車両の姿勢に関連する物理量を検出したり、姿勢等を推定可能な走行状態を検出したりするものとすることができる。車両が旋回状態にあること、制動・駆動状態にあること等に基づけば、車両の姿勢を取得することができ、旋回の程度、制動・駆動力等に基づけば、車両の姿勢の傾きの程度を取得することもできる。
姿勢検出装置110は、本実施形態においては、上下ストロークセンサ112,横加速度センサ114を含む。上下ストロークセンサ112は、前後左右の各ショックアブソーバ10〜16に対応して設けられ、車体側部材24と車輪側部材26との間の相対距離の変化を検出する。横加速度センサ114は、車両に加わる横方向の加速度を検出するもので、横加速度が設定値以上の場合にローリングが生じているとされる。なお、姿勢検出装置110は、ロールレイトセンサ等を含むものとしたり、ヨーレイトセンサ、車輪速センサ、操舵角センサおよび車速センサ等を含むものとすることもできる。
第1姿勢変化抑制装置48、第2姿勢変化抑制装置50の制御により、車両のヒービング、ローリングが抑制される。
【0027】
以下、本車両用サスペンションシステムにおける作動について説明する。
可変絞り68、82が全開状態にある場合には、第1姿勢変化抑制装置48も第2姿勢変化抑制装置50も非作動状態にある。
図3−1(a)に示すように、ピッチングが生じ、例えば、前輪側の車体側部材26と車輪側部材24との間の相対距離が小さくなる一方、後輪側の相対距離が大きくなった場合には、前輪側のショックアブソーバ10,12の液圧室32の液圧が高くなり、後輪側のショックアブソーバ14,16の液圧室32の液圧が低くなる。液通路42,44によって接続される液圧室32の一方の液圧が高くなり、他方の液圧が低くなるため、液通路42,44によって、液圧が高い方の液圧室32から低い方の液圧室32への作動液の流れが小さい抵抗で許容されるのであり、車両のピッチングが許容される。
後輪側のショックアブソーバ14,16の液圧室32の液圧が高くなり、前輪側のショックアブソーバ10,12の液圧室32の液圧が低くなった場合も同様である。
【0028】
また、図3−1(b)に示すように、アーティキュレーションが生じた場合にも同様である。例えば、左前輪と右後輪とにおいて車体側部材26と車輪側部材24との間の相対距離が小さくなり、右前輪と左後輪とにおいて相対距離が大きくなった場合には、液通路42,44によって、液圧が高くなる液圧室32と液圧が低くなる液圧室32とが連通させられるため、これらの間の作動液の流れが小さい抵抗で許容される。左前輪と右後輪とにおいて車体側部材26と車輪側部材24との間の相対距離が大きくなり、右前輪と左後輪とにおいて相対距離が小さくなった場合も同様である。
【0029】
さらに、図3−2(c)に示すように、ローリングが生じ、例えば、車両の右側において車輪側部材26と車体側部材24との間の相対距離が大きくなり、左側において相対距離が小さくなった場合には、右側のショックアブソーバ12,16の液圧室32の液圧が低くなり、左側のショックアブソーバ10,14の液圧室32の液圧が高くなる。液通路42の液圧が液通路44の液圧より高くなるが、可変絞り82は全開状態にあるため、液通路42から液通路44に向かって、作動液が小さい抵抗で液通路46を経て流れる。ローリングが許容されるのである。右側のショックアブソーバ12,16の液圧室32の液圧の方が左側のショックアブソーバ10,14の液圧より高くなった場合も同様である。液通路81が絞られても関係なく許容される。
【0030】
また、図3−2(d)に示すように、ヒービングが生じた場合には、液通路42,44の液圧は同じになるため、液通路46を介して作動液が流れることはない。第1姿勢変化抑制装置48において、段付きの制御ピストン62の第1受圧面72,第2受圧面76には、それぞれ、液通路42,44の液圧に応じた力が作用する。一方、第3受圧面78にはアキュムレータ66の液圧に応じた力が作用する。第1受圧面72、第2受圧面76にそれぞれ作用する力の合計と第3受圧面78に作用する力との関係により、段付きピストン62が作動させられる。液通路81は絞られていないため、段付きピストン62の移動が許容され、ヒービングが許容される。
このように、液通路46、81が全開状態にある場合には、ローリング、ピッチング、ヒービング、アーティキュレーションが許容される。また、車体側部材24と車輪側部材26との間の上下方向の振動は、それぞれのショックアブソーバ10〜16の絞り28によって抑制される。
【0031】
本実施形態においては、車両にローリングが生じたと検出された場合に、可変絞り82により、液通路46の流路面積が小さくされるか、あるいは、遮断状態にされる。
例えば、図3−2(c)に示すように、車両において右側が高く、左側が低い姿勢となった場合には、液通路42の液圧が液通路44の液圧より高くなるが、可変絞り82により、液通路46の流路面積が小さくされるため、液通路42から44への作動液の流れに抵抗が加えられる。液通路46の作動液の流れが抑制され、ローリング速度に応じた減衰力が発生させられる。このように、ローリングが抑制されるのである。また、ローリングが検出された場合には、液通路46が閉状態にされても、流路面積が予め定められた大きさになるまで絞られるようにしても、ローリングの程度(横加速度の大きさ)に応じた大きさになるまで絞られるようにしてもよい。絞りの程度が制御されれば、ローリングの抑制の程度を制御することができる。
なお、液通路46の流路面積が小さくされても、図3−1(a)、(b)、図3−2(d)に示すように、ピッチング、アーティキュレーション、ヒービングは許容される。換言すれば、ピッチング、アーティキュレーション、ヒービングが許容された状態でローリングのみが抑制されるのである。
【0032】
また、車両にヒービングが生じた場合には、可変絞り68により、液通路81が絞られる。図3−2(d)に示すように、段付きピストン62の移動が抑制される。絞りに応じた減衰力が発生させられ、ヒービングが抑制される。
可変絞り68は、ヒービングの程度(上下ストローク量)に応じて絞っても、ヒービングの程度とは関係なく、予め定められた流路面積まで絞ってもよい。液通路81が遮断されるまで絞ることもできる。
【0033】
サスペンションECU100においては、図4のフローチャートで表される姿勢変化抑制装置制御プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。本実施形態においては、車両姿勢検出装置110によってローリングが検出された場合に第2姿勢変化抑制装置50が制御され、ヒービングが検出された場合に第1姿勢変化抑制装置48が制御される。
本実施形態においては、横加速度が設定値以上になった場合にローリングが生じたとされ、前後左右の各車輪において、車輪側部材24と車体側部材26との相対距離の変化方向が同じであり、かつ、変化量が設定量以上である場合にヒービングが生じたとされる。この場合の横加速度の設定値をロール判定しきい値と称し、上下ストローク量の設定量をヒービング判定しきい値と称する。
【0034】
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、横加速度が設定値(ロール判定しきい値)より大きいか否か、すなわち、ローリングが生じたか否かが判定される。ローリングが検出された場合には、S2において、可変絞り82の制御により液通路46の流路面積が小さくされ、ローリングが検出されない場合には、S3において、液通路46が全開状態とされる。
次に、S4において、前後左右の各輪毎の上下ストロークに基づいてヒービングが生じたか否かが判定される。ヒービングが検出された場合には、S5において、可変絞り68の制御により液通路81の流路面積が小さくされ、ヒービングが検出されない場合には、S6において、液通路81が全開状態とされる。
【0035】
このように、本実施形態においては、ローリングが検出された場合に液通路46が絞られ、ヒービングが検出された場合に液通路81が絞られる。ヒービングとローリングとを、他の種類の車両の姿勢変化を許容しつつ抑制することができるのであり、別個に抑制することができる。したがって、車両の他の種類の姿勢の変化に起因する振動を抑制しつつローリングやヒービングを抑制することができるのであり、乗り心地を向上させることができる。また、液通路46の絞りの程度、液通路81の絞りの程度を、横加速度の大きさ、上下ストローク量に基づいて決めた大きさとすれば、ローリングの抑制の程度やヒービングの抑制の程度を制御することができる。さらに、液通路46と液通路81との両方を絞れば、ローリングとヒービングとの両方を抑制することができる。
可変絞り68をヒービング抑制部、可変絞り82をローリング抑制部と称することができる。
なお、液通路46,液通路81の少なくとも一方は常に絞られた状態にあってもよい。液通路81が絞られた状態にあっても、ローリング、ピッチング、アーティキュレーションは許容され、液通路46が絞られた状態にあっても、ピッチング、ヒービング、アーティキュレーションは許容されるのである。
【0036】
次に、本発明の第2の実施形態である車両用サスペンションシステムについて説明する。
図5において、車両の前側の左右輪に対応して、液圧シリンダ200,202が設けられ、後側の左右輪に対応して、液圧シリンダ204,206が設けられる。これらは、第1の実施形態における場合と同様に、それぞれ、車輪側部材24と車体側部材26との間に設けられる。
前輪側の液圧シリンダ200,202は、ハウジング210と、ピストン212とを含む。ピストン212には、連通路213が設けられ、ピストン212の両側の液圧室は互いに連通可能とされている。ピストン212の両側の2つの液圧室の液圧は同じ大きさになり、液圧室は実質的に1つである。本実施形態においては、ピストン212の下側の液圧室214にダンパ216が接続される。
後輪側の2つの液圧シリンダ204,206は、ハウジング220と、そのハウジング220に液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン222とを含み、ハウジング220の内部が、ピストン222によって上室224と下室226とに仕切られる。上室224,下室226には、それぞれ、液圧が発生させられ、かつ、これらの間に液圧差が生じ得る。上室224,下室226には、それぞれ、ダンパ228,230が接続される。
【0037】
本実施形態においては、液圧シリンダ200〜206が、接続装置240によって接続される。接続装置240は、液通路242,244,246を含む。液通路242は、左前輪の液圧シリンダ200の液圧室214と右後輪の液圧シリンダ206の上室224とを接続し、液通路244は、右前輪の液圧シリンダ202の液圧室214と左後輪の液圧シリンダ204の上室224とを接続する。また、液通路242,244を接続する液通路246には、第1姿勢変化抑制装置250と第2姿勢変化抑制装置としての電磁開閉弁252とが並列に設けられ、液通路242,244には、電磁開閉弁254,256がそれぞれ設けられる。液通路242,244は、それぞれ、ローリング、ピッチングが生じた場合に、容積が同じ方向に変化する液圧室同士(以下、対応する液圧室同士と称する)を接続する。液通路242,244が第1,第2クロス液通路に対応し、電磁開閉弁252がクロス通路間連通状態制御弁に対応する。また、電磁開閉弁254,256は、前後連通状態制御弁に対応する。これら電磁開閉弁254,256等により第3姿勢変化抑制装置258が構成される。電磁開閉弁252,254,256は、電流が供給されない場合に開状態にある常開の電磁開閉弁である。
ダンパ216,228,230は、液圧室同士の作動液の授受に伴う作動液の過不足を調整する機能を果たす。また、液圧シリンダ200,202においては、上下方向の振動は、液圧室214とダンパ216との間、液圧シリンダ204,206においては、液圧室224,226とダンパ228,230との間の作動液の授受によって許容される。
【0038】
第1姿勢変化抑制装置250は、上記実施形態における第1姿勢変化抑制装置48と大部分において構造が同じものであるため、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。本実施形態における第1姿勢変化抑制装置250においては、第1受圧面72に液通路244(液通路246の右側部分)の液圧に応じた力が作用し、第2受圧面76に液通路242(液通路246の左側部分)の液圧に応じた力が作用する。また、第3受圧面78に対向する液圧室80とアキュムレータ66とを接続する液通路81には、可変絞りではなく電磁開閉弁257が設けられる。電磁開閉弁257は常開弁である。
【0039】
本実施形態における車両用サスペンションシステムにおいては、車高調整装置259が設けられる。車高調整装置259は、後輪側の2つの液圧シリンダ204,206の下室226が属する液圧系統260の作動液量と、クロス液通路242,244を含む液圧系統(前輪側の液圧シリンダ200,202、後輪側の液圧シリンダ204,206の上室224が含まれる系統)261の作動液量とを、別個に調整可能なものである。車高調整装置259は、高圧源262、低圧源263、車高調整弁264、266等を含み、高圧源262は、ポンプ270,ポンプモータ272等を含む。車高調整弁264,266は、それぞれ、液圧系統260,261に高圧源262を連通させて低圧源263から遮断する状態と、高圧源262からも低圧源263からも遮断する状態と、高圧源262から遮断して低圧源263に連通させる状態とに切り換え可能なものであり、車高調整弁264,266の制御により、液圧系統260,261に作動液を供給したり、液圧系統から作動液を排出させたり、保持したりする。
【0040】
後輪側の左右2つの液圧シリンダ204,206の下室226同士は、液通路274によって接続される。それによって、後輪側の左右2つの液圧シリンダ204,206の下室226の作動液を共通に調整することができる。
このように、車高調整弁264,266をそれぞれ別個に制御することによって、液圧系統260の作動液量と、液圧系統261の作動液量とを、別個独立に調整することができる。その結果、車両の前後方向の姿勢の調整を良好に行うことができる。
【0041】
電磁開閉弁252,254,256,257すべてが開状態にある場合には、ローリング、ピッチング、ヒービング、アーティキュレーションが許容される。
ローリングが生じ、上記実施形態におけるように、車両の右側において、車体側部材26と車輪側部材24との間隔が大きくなり、車体側部材26と車輪側部材24との間隔が小さくなった場合には、図6−1(a)に示すように、容積が小さくなる液圧室同士が液通路242によって接続され、容積が大きくなる液圧室同士が液通路244によって接続される。液通路246は全開状態にあるため、液通路242から液通路244に向かって、小さい抵抗で作動液の流れが許容され、ローリングが許容される。
ピッチングが生じた場合には、図6−1(b)に示すように、液通路242,244は、いずれも、容積の変化が同じ液圧室同士を接続する。段付きピストン62の第1受圧面72,第2受圧面76には、それぞれ、液通路242,244の液圧に応じた力が加えられ、段付きピストン62は、第1受圧面72,第2受圧面76に加わる力と第3受圧面78に加わる力との関係で移動させられる。電磁開閉弁257は開状態にあるため、減衰力が発生させられることなく、段付きピストン62の自由な移動が許容されるのであり、ピッチングが許容される。
ヒービングが生じた場合には、図6−2(c)に示すように、液通路242,244によって接続される液圧室は、容積の変化の方向が互いに異なる液圧室同士である。容積が小さくなる液圧室から容積が大きくなる液圧に向かって、液通路242,244を経て小さい抵抗で作動液の流れが許容される。それによって、ヒービングが許容される。
アーティキュレーションが生じた場合には、図6−2に示すように、ヒービングが生じた場合と同様に、容積が小さくなる液圧室から容積が大きくなる液圧室に向かって、小さい抵抗での作動液の流れが許容され、アーティキュレーションが許容される。
このように、電磁開閉弁252,254,256,257が全開状態にある場合には、ローリング、ピッチング、ヒービング、アーティキュレーションが許容されるのである。
【0042】
本実施形態においては、図7に示すように、上記実施形態における場合と同様にサスペンションECU100の指令に基づいて第1姿勢変化抑制装置250、第2姿勢変化抑制装置252,第2姿勢変化抑制装置258、車高調整装置259が制御される。姿勢検出装置280は、前述の上下ストロークセンサ112,横加速度センサ114に加えて、前後加速度センサ282等を含む。前後加速度センサ282による検出値によれば、ピッチングが生じたこと、または、ピッチングの程度を取得することができる。
【0043】
本実施形態において、ローリングが検出された場合には、電磁開閉弁252が閉状態に切り換えられる。作動液の液通路246の流れが阻止されるため、ローリングが阻止される。また、電磁開閉弁252が閉状態にあっても、図6−1(b)〜図6−2(d)に示すように、ピッチング、ヒービング、アーティキュレーションは許容される。
ピッチングが検出された場合には、電磁開閉弁257が閉状態にされる。この場合には、図6−1(b)に示すように、段付きピストン62が、第1受圧面72,第2受圧面76にそれぞれ加えられる力の合計と、第3受圧面78に加えられる力との関係で移動させられるはずであるが、電磁開閉弁257が閉状態にされるため、段付きピストン62の移動が阻止される。それによって、ピッチングが抑制される。電磁開閉弁257が閉状態にあっても、図6−1(a)、図6−2(c)、(d)に示すように、ローリング、ヒービング、アーティキュレーションは許容される。
また、ローリングとピッチングとの少なくとも一方の程度が設定状態以上である場合には、電磁開閉弁252,254,256,257の全てが閉状態とされる。液通路246の作動液の流れが阻止されるとともに、液通路242,244の作動液の流れが阻止されるため、ローリング時、ピッチング時に前後左右の各々の液圧シリンダ200〜206相互間の作動液の流れが阻止され、液圧シリンダ200〜206が別個独立にされる。それによって、ローリングとピッチングとを抑制することができる。また、この状態においては、液通路242,244の流れが阻止されるため、図6−2(c)、(d)に示すように、ヒービング、アーティキュレーションも抑制することができる。
【0044】
本実施形態においては、図8のフローチャートで表されるサスペンション制御プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
S21において、ローリングが生じたか否が判定される。ローリングが検出された場合には、S22において電磁開閉弁252が閉状態とされ、検出されない場合には、S23において開状態とされる。
S24において、ピッチングが生じたか否かが判定される。ピッチングが検出された場合には、S25において電磁開閉弁257が閉状態とされ、検出されない場合には、S26において電磁開閉弁257が開状態とされる。ピッチングが生じたことは、前輪側と後輪側との上下ストロークに基づいて取得することができるが、車両の前後加速度に基づいて取得することもできる。例えば、前後加速度の絶対値が設定値(ピッチング判定用しきい値と称する)以上の場合(駆動時の加速度が正の設定値以上の場合、制動時の減速度が正の設定値以上の場合、すなわち、負の加速度が負の設定値以下の場合)にピッチングが生じたとすることができる。
【0045】
次に、S27において、ローリングの程度とピッチングの程度との少なくとも一方が設定レベル以上であるかどうかが判定される。例えば、横加速度が、大きなローリングが生じたと考え得る設定値以上である場合にローリングの程度が設定レベル以上であるとし、車両の前後加速度の絶対値が、大きなピッチングが生じたと考え得る設定値以上である場合にピッチングの程度が設定レベル以上であるとすることができる。この場合の横加速度の設定値、前後加速度の絶対値の設定値は、前述のローリング判定用しきい値、ピッチング判定用しきい値より大きい値であり、これらを、大ロール判定用しきい値、大ピッチ判定用しきい値と称することができる。大ロール判定用しきい値、大ピッチ判定用しきい値は、前述のローリング判定用しきい値、ピッチング判定用しきい値より大きい値である。また、前輪側と後輪側とで、上下ストロークの差が設定値以上である場合にピッチングの程度が設定レベル以上であるとすることもできる。
ローリングやピッチングの程度が設定レベル以上である場合には、S28において、すべての電磁開閉弁252,254,256,257が閉状態とされ、両方とも設定レベル以下である場合には、そのままである。
【0046】
ローリングとピッチングとの両方が生じた場合には、電磁開閉弁252,257の両方が閉状態とされる。この場合には、電磁開閉弁254,256は開状態にあるため、ヒービング、アーティキュレーションは許容される。ヒービング、アーティキュレーションを許容しつつ、ローリングとピッチングとの両方を抑制することができる。
また、ローリングとピッチングとの少なくとも一方の程度が設定レベル以上である場合には、ローリングとピッチングとの両方が生じていない場合であっても、すべての電磁開閉弁252,254,256,257が閉状態とされる。この場合には、ヒービングもアーティキュレーションも抑制される。
【0047】
このように、本実施形態によれば、ローリング、ピッチングを、それぞれ、他の姿勢変化を抑制しつつ、別個独立に抑制することができる。また、設定レベル以上のローリングやピッチングが生じても、確実に抑制することができる。
また、電磁開閉弁252をローリング抑制用制御弁、電磁開閉弁257をピッチング抑制用制御弁と称することができ、電磁開閉弁254,256をヒービング、アーティキュレーション抑制用制御弁と称することができる。
なお、ヒービングが生じたかどうかが判定され、ヒービングが検出された場合に、電磁開閉弁254,256が閉状態にされるようにすることもできる。液通路242,244における作動液の流れが阻止されるのであり、それによって、ヒービングが抑制される。また、アーティキュレーションが生じたかどうかが検出されるようにしてもよい。いずれにしても電磁開閉弁254,256が閉状態にされれば、ヒービングとアーティキュレーションとの両方を抑制することができる。電磁開閉弁254,256が閉状態にあっても、ローリング、ピッチングは許容される。ヒービングが生じたこと、アーティキュレーションが生じたことは、各車輪の上下ストロークに基づいて取得することができる。
また、電磁開閉弁252,254,256,257の代わりに可変絞りとすることもできる。
【0048】
本発明の第3の実施形態である車両用サスペンションシステムについて図面に基づいて説明する。
図9において、車両の前後左右のそれぞれに液圧シリンダ300〜306が設けられる。液圧シリンダ300〜306は、それぞれ、ハウジング308と、ハウジング308に摺動可能に嵌合されたピストン309とを含む。ピストン309には連通路310bが設けられる。ピストン309の両側の2つの液圧室の液圧は同じ大きさになり、液圧室は実質的に1つである。本実施形態においては、ピストン309の下側の液圧室310aにアキュムレータ311aが接続される。
液圧シリンダ300〜306は、液通路312〜318によって互いに接続される。液通路312は、前輪側の左右の液圧シリンダ300,302の下室310a同士を接続し、液通路314は、後輪側の左右の液圧シリンダ304,306の下室310a同士を接続し、液通路316は、左側の前後の液圧シリンダ300,304の下室310a同士を接続し、液通路318は、右側の前後の液圧シリンダ302,306の下室310a同士を接続する。本実施形態においては、液通路312〜318等によって接続装置320が構成される。
【0049】
液圧シリンダ300〜306の下室310aは、それぞれ、個別通路としての液通路324〜327を介して第1姿勢変化抑制装置330に接続される。第1姿勢変化抑制装置330は、4つの制御シリンダが一体的に設けられたものであり、ハウジング332と、液圧シリンダ300〜306の液圧をそれぞれ受ける受圧面334〜340を有するピストン344〜350を備えた液圧シリンダ351等を含む。ピストン344〜350は、連結部352によって一体的に移動可能に連結されており、同相に、かつ、同じ振幅で移動させられる。一体的に移動可能に連結された制御ピストンを連結制御ピストン353と称する。連結制御ピストン353の連結部352の上述の受圧面334〜340とは反対側に受圧面354が設けられ、受圧面354に対向する液圧室356には、電磁開閉弁358を介してアキュムレータ360が接続される。
【0050】
液通路312〜318には、それぞれ、電磁開閉弁370〜376が設けられる。電磁開閉弁370〜376は常開弁である。
液通路316,318は、液通路312,314を、電磁開閉弁370,372の両側において、それぞれ接続し、液通路312,314は、液通路316,318を、電磁開閉弁374,376の両側において、それぞれ接続する。液通路312,314は、前側液通路、後側液通路であり、液通路316,318は、左側液通路、右側液通路である。
液通路312,314,316,318は、ヒービング時に対応する液圧室同士を接続する。液通路316,318は、電磁開閉弁370,372の閉状態において、ローリング時に対応する液圧室同士、かつ、ピッチング時、アーティキュレーション時に対応しない液圧室同士を接続する。液通路312,314は、電磁開閉弁374,376の閉状態において、ピッチング時に対応する液圧室同士、ローリング時に対応しない液圧室同士を接続する。
電磁開閉弁370,372は左右連通状態制御弁であり、電磁開閉弁374,376は、前後連通状態制御弁であり、電磁開閉弁370〜376等により第3姿勢変化抑制装置378が構成される。
一方、電磁開閉弁374,376は、液通路312、314の間に位置し、電磁開閉弁370,372は液通路316,318の間に位置する。そのため、電磁開閉弁は、これら2つの液通路の間の作動液の流通状態を制御するものであると考えることができる。したがって、電磁開閉弁370〜376等は第2姿勢変化抑制装置の構成要素であると考えることも可能である。
【0051】
なお、液圧シリンダ300〜306について、ピストン309に連通路を設けることは不可欠ではない。ピストン309の下室310aと上室とに、それぞれに、アキュムレータが接続されるようにすることもできる。
【0052】
電磁開閉弁370〜376,358がすべて開状態にある場合には、ローリング、ピッチング、ヒービング、アーティキュレーションが許容される。図10−1(a),(b)、図10−2(c)に示すように、右側の液圧シリンダ302,306と左側の液圧シリンダ300,304との間の作動液の流れは、液通路312,314によって許容され、前側の液圧シリンダ300,302と後側の液圧シリンダ304,306との間の作動液の流れは、液通路316,318によって許容される。したがって、ローリング、ピッチング、アーティキュレーションのいずれが生じても、その動きが許容されるのである。
また、図10−2(d)が示すように、ヒービングが生じた場合には、各液圧シリンダ300〜306と第1姿勢変化抑制装置330との間で、個別通路324〜327を介して、作動液の授受が行われる。この場合に、受圧面334〜340に受ける力が同じ向きになるため、これらの力の和と受圧面354が受ける力との関係によって連結制御ピストン353が移動させられる。電磁開閉弁358は開状態にあるため、連結制御ピストン353の自由な移動が許容される。それによって、ヒービングが許容される。
【0053】
ローリングが検出された場合には、電磁開閉弁370,372が閉状態に切り換えられる。右側の液圧シリンダ302,306と左側の液圧シリンダ300,304との間の作動液の流れが阻止されることにより、ローリングが抑制される。電磁開閉弁370,372が閉状態にあっても、電磁開閉弁374,376,358が開状態にある場合には、図10−1(b)、図10−2(c)、(d)に示すように、ピッチング、アーティキュレーション、ヒービングは許容される。
ピッチングが検出された場合には、電磁開閉弁374,376が閉状態に切り換えられる。前側の液圧シリンダ300,302と後側の液圧シリンダ304,306との間の作動液の流れを阻止することにより、ピッチングが抑制される。電磁開閉弁374,376が閉状態にあっても、電磁開閉弁370,372,358が開状態にある場合には、図10−1(a)、図10−2(c)、(d)に示すように、ローリング、アーティキュレーション、ヒービングは許容される。なお、ローリングとピッチングとの両方が検出されることにより、電磁開閉弁370,372,374,376が閉状態にされた場合には、アーティキュレーションも抑制される。
ヒービングが検出された場合には、電磁開閉弁358が閉状態に切り換えられる。電磁開閉弁358が閉状態にされるため、連結制御ピストン353の移動が阻止されて、ヒービングが抑制される。電磁開閉弁358が閉状態にあっても、電磁開閉弁370〜376が開状態にある場合には、図10−1(a)、(b)、図10−2(c)に示すように、ローリング、ピッチング、アーティキュレーションは許容される。
【0054】
本実施形態において、電磁開閉弁358,370〜376は、サスペンションECU400によって制御される。図11に示すように、サスペンションECU400は、上記各実施形態における場合と同様に、CPU402,ROM404,RAM406,入出力部408等を含むコンピュータを主体とするものであり、入出力部408には、姿勢検出装置410,第1姿勢変化抑制装置330,第3姿勢変化抑制装置378が接続される。姿勢検出装置410は、上下ストロークセンサ112,横加速度センサ114,前後加速度センサ282,ヨーレイトセンサ415,操舵角度センサ416,走行速度センサ417等を含む。また、サスペンションECU400には、ブレーキECU430が接続され、これらの間で通信が行われる。ブレーキECU430には、路面μ差取得装置432が接続されており、ブレーキECU430からサスペンションECU400へ、アンチロック制御が行われているか否かの情報、左側輪と右側輪とが接地する路面の摩擦係数の差に関する情報等が供給される。
【0055】
ROM204には、図12のフローチャートで表されるサスペンション制御プログラム、図13のフローチャートで表される旋回状態制御プログラム、図14のフローチャートで表されるまたぎ路走行中接地荷重制御プログラム等が記憶されている。
サスペンション制御プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。S31〜33において、ローリングが生じたか否かが検出され、ローリングが検出された場合には電磁開閉弁370,372が閉状態とされ、検出されない場合には、開状態とされる。
S34〜36において、ピッチングが生じたか否が検出され、ピッチングが検出された場合には電磁開閉弁374,376が閉状態とされ検出されない場合には開状態とされる。
S37〜38において、ヒービングが生じたか否かが検出され、ヒービングが検出された場合には、電磁開閉弁358が閉状態とされて、検出されない場合には閉状態にされる。
【0056】
このように、ローリングとピッチングとの両方が検出された場合には、電磁開閉弁370,372,374,376が閉状態にされるため、アーティキュレーションも抑制されることになる。また、これら電磁開閉弁370,372,374,376が閉状態にされた場合には、前後左右の各液圧シリンダ300〜306が別個独立にされるため、ローリングやピッチングの程度が設定レベル以上であっても、良好に抑制することができる。
電磁開閉弁370,372は、ローリング抑制用制御弁と称し、電磁開閉弁358はヒービング抑制用制御弁と称し、電磁開閉弁374,376は、ピッチング抑制用制御弁と称することができる。
【0057】
旋回制御プログラムは、旋回状態が設定状態以上の場合に、実ヨーレイトと目標ヨーレイトとの偏差を小さくする制御である。前輪側のロール剛性と後輪側のロール剛性とを別個に制御することにより、車両のステア傾向をアンダステア傾向としたりオーバステア傾向としたりして、実ヨーレイトを目標ヨーレイトに近づける。
S51において、横加速度が設定値より大きいか否かが判定される。旋回状態が設定状態以上であるか否かが判定されるのである。横加速度が設定値より小さく、旋回状態が設定状態以下である場合には、制御が行われることはない。この設定値は、旋回制御が必要であると考え得る値であり、旋回制御必要判定しきい値と称することができる。旋回制御必要判定しきい値は、例えば、前述のローリング判定しきい値より大きく、大ロール判定しきい値より小さい値とすることができる。
横加速度が設定値より大きい場合には、S52において、左右連通制御弁370,372の両方が閉状態とされ、S53において、操舵角度と車両の走行速度とに基づいて目標ヨーレイトが演算により求められる。そして、S54において、実際のヨーレイトが検出され、S55において、目標ヨーレイトの絶対値から実際のヨーレイトの絶対値を引いた値である偏差が求められる。
【0058】
S56において、偏差が0より大きいか否かが判定される。目標ヨーレイトの絶対値の方が大きい場合には、実ヨーレイトが不足しているのであり、実ヨーレイトの絶対値の方が大きい場合には、実ヨーレイトが目標ヨーレイトに対して大きすぎることがわかる。
偏差が0より大きく、目標ヨーレイトの絶対値の方が大きい場合には、S57,58において、左右の前後連通制御弁374,376が閉状態とされ、前輪側の左右連通制御弁370が開状態とされる。実際のヨーレイトが不足している場合には、後輪側の左右連通制御弁372が閉状態とされて、前輪側の左右連通制御弁370が開状態にされる。後輪側において、ローリングが抑制されて、ロール剛性が大きくされ、前輪側において、ローリングに起因する荷重移動が抑制されて、ロール剛性が小さくされる。それによって、ロール剛性配分が後ろ寄りになり、前輪のコーナリングフォースが増加し、オーバステア傾向になる。その結果、実ヨーレイトを目標ヨーレイトに近づけることができる。この場合に、前後連通制御弁374,376が閉状態にあるため、前輪側のロール剛性と後輪側のロール剛性とを別個の大きさとすることができる。
【0059】
偏差が0より小さく、実際のヨーレイトが過大である場合には、S59における判定がYESとなって、S60,61において、前後連通弁374,376が閉状態とされるとともに、前輪側の左右連通制御弁370が閉状態とされ、後輪側の左右連通制御弁372が開状態とされる。前輪側においてロール剛性が大きくなり、後輪側においてロール剛性が小さくなる。ロール剛性配分が前寄りになり、後輪のコーナリングフォースが増加し、アンダステア傾向になり、実ヨーレイトを目標ヨーレイトに近づけることができる。
このように、本実施形態においては、前輪側、後輪側の左右連通状態制御弁370,372のいずれか一方を開状態とすることにより、前輪側と後輪側とで、ロール剛性を変えて、実際のヨーレイトを目標ヨーレイトに近づける。
【0060】
なお、電磁開閉弁370,372の代わりに可変絞りを設けた場合には、前輪側のロール剛性と後輪側のロール剛性とを、それぞれ、所望の大きさに制御することが可能となる。例えば、実ヨーレイトが目標ヨーレイトに対して不足している場合には、後輪側のロール剛性が前輪側のロール剛性に対して大きくすればよいのであり、可変絞りの制御により、後側液通路314の流路面積を前側液通路312の流路面積より小さくすればよいのである。
また、実ヨーレイトが目標ヨーレイトに対して過大である場合には、前輪側のロール剛性を後輪側のロール剛性より大きくすればよいのであり、可変絞りの制御により、前側液通路312の流路面積を後側液通路314の流路面積より小さくすればよい。
【0061】
またぎ路走行中制御は、またぎ路走行中にアンチロック制御が行われた場合に制動力を大きくするための制御である。アンチロック制御中には、低μ側の後輪の接地荷重が不足するため、制動力を充分に大きくすることができない。そこで、低μ側の接地荷重の低下を抑制し、制動力を確保するのである。
S71において、前後加速度(減速度)が設定値以上であるか否かが判定される。設定値は、本またぎ路走行中制御が必要であると考えられる大きさであり、例えば、4輪が極低μ路を走行している場合の前後加速度より大きい値としたり、緩ブレーキではないブレーキが作動している場合の加速度より大きい値としたり、ピッチングが生じると考え得る値としたりすることができる。前後加速度が設定値より小さい場合には、S72以降が実行されることはない。この設定値は、例えば、前述のピッチング判定用しきい値より小さい値としたり、ピッチング判定用しきい値よりわずかに大きい値としたりすることができる。
【0062】
前後加速度が設定値以上である場合には、S72において、左右の前後連通制御弁374,376が閉状態に切り換えられる。
次に、S73において、アンチロック制御中であるかどうかが判定される。アンチロック制御中であるかどうかは、ブレーキECU430から供給された情報に基づいて判定される。S74において、左右輪の路面μの差が推定される。この場合の情報もブレーキECU430から供給される。ブレーキECU430において、例えば、摩擦制動装置において、右側輪の押付力と左側輪の押付力との差が大きい場合にはまたぎ路走行中であり、押付力が大きい側の車輪が高μ路に接していると推定されるのであり、そのことを表す情報が供給されるのである。
【0063】
左側の路面μと右側の路面μとの差が設定値以上であり、かつ、左側の路面μの方が高いと判定された場合、すなわち、左側が高μ側で右側が低μ側であると推定された場合には、S76、77において、前側、後側の左右連通制御弁370,372が閉状態とされ、右側の前後連通制御弁376が開状態とされる。換言すれば、高μ側の前後連通制御弁374が閉状態とされて、低μ側の前後連通状態制御弁376が開状態とされる。その結果、路面μの大きい方の側についてピッチ剛性が大きくなり、前輪、後輪の荷重差が大きくなる。それに対して、路面μの小さい方については、ピッチングに起因する荷重差が小さくなり、低μ側の後輪の接地荷重のピッチングに起因する低下を抑制することができる。後輪の接地荷重の低下が抑制されれば、路面とタイヤとの間の摩擦力を大きくすることができ、出力可能な制動力を大きくすることができる。それによって、車両全体の制動力を大きくすることができ、制動距離が長くなることを回避することができる。また、後輪ローセレクトでアンチロック制御が行われる場合において、低μ側の制動力を大きくできることが可能となれば、高μ側の制動力も大きくすることができ、特に有効である。
この場合には、左右連通状態制御弁370,372が閉状態とされる。それによって、右側と左側とで、ピッチ剛性を異なる大きさとすることができる。
【0064】
右側の路面μの方が高いと推定された場合、すなわち、右側が高μ側である場合には、S78における判定がYESとなって、S79,80において、左右連通制御弁370,372が閉状態とされ、左側の前後連通制御弁354が開状態とされる。路面μが低い方の前後連通制御弁356が開状態とされる。上述の場合と同様に、低μ側の後輪の接地荷重の低下を抑制し、制動力を大きくすることができる。
なお、またぎ路走行制御プログラムは、ブレーキECU430において実行されるようにすることもできる。この場合には、ブレーキECU430からサスペンションECU400に各電磁開閉弁の制御指令が供給されることになる。
また、電磁開閉弁の代わりに可変絞りとすることができる。可変絞りの制御により、左側液通路316,右側液通路318の流路面積の制御により、右側と左側のピッチ剛性を異なる大きさとすることができる。低μ側のピッチ剛性が高μ側のピッチ剛性より小さくなるように制御すればよいのである。
【0065】
また、本発明の第4の実施形態である車両用サスペンションシステムについて説明する。
本実施形態における車輪用サスペンションシステムを図15に示すが、図9に示す車両用サスペンションシステムとで構成要素が同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
図15に示す車両用サスペンションシステムにおいて、液通路316,318には、それぞれ、電磁開閉弁374,376と直列に作動液授受装置500,502が設けられる。
作動液授受装置500,502は、それぞれ、ハウジング510と、そのハウジング510に設けられた2つのシリンダボア512,514と、そのシリンダボア512,514にそれぞれ液密かつ摺動可能に嵌合された前輪側プランジャ516,後輪側プランジャ518とを含むシリンダ部520と、2つの前輪側,後輪側プランジャ516,518を連結する連結装置522とを含む。連結装置522は、2つの前輪側、後輪側のプランジャ516,518を連結する連結レバー524,連結レバー524を支点において支持する支持装置526,支点をプランジャ516,518の軸方向に直交する方向(連結レバーのアームの長さが変わる方向)に移動させる駆動装置528等を含む。連結レバー524は支点Sの回りに回動可能に支持されるが、2つのプランジャ516,518は、連結レバー524によって互いに同相の移動が阻止されて、逆相の移動が可能とされる。
【0066】
作動液授受装置500,502の作動について説明する。車両のローリング時、ヒービング時には、液通路316,318を作動液が流れることはない。それに対してピッチング時には、図16−1(a)に示すように、例えば、前輪側から後輪側へ、液圧が高くなる液圧室から液圧が低くなる液圧室に向かって作動液が流れる。液圧シリンダ300の液圧室310aから流出した作動液が液圧室530に供給され、液圧室530の容積が増加する。それによって、前輪側プランジャ516が前進し、連結レバー524が支点Sの回りに回動する。後輪側プランジャ518が後退し、液圧室532の容積が減少する。液圧室532から作動液が流出し、後輪の液圧シリンダ304の液圧室310aに供給される。
アーティキュレーションが生じた場合には、図16−1(b)に示すように、例えば、液通路316,318のうちの一方において前輪側から後輪側に作動液授受装置500,502の一方を介して作動液が流れ、他方において、後輪側から前輪側に作動液授受装置500,502の他方を介して作動液が流れる。
したがって、前輪側の液圧シリンダと後輪側の液圧シリンダとは、液通路を介して直接接続されているわけではないが、作動液授受装置500,502を介して実質的に連通させられることになる。本実施形態においては、液通路310,312,316,318および作動液授受装置500,502等によって接続装置540が構成される。
【0067】
また、支持装置526は、車体側部材に相対移動不能に設けられた固定部材と、その固定部材に相対移動可能な可動部材とを含み、可動部材に連結レバー524が支点Sの回りに回動可能に保持される。駆動装置528は、電動モータ等の駆動源を含み、運動変換装置を介して可動部材に係合させられる。電動モータの駆動により、可動部材が移動させられるのであるが、その場合に、電動モータの出力軸の回転が直線運動に変換されて可動部材を移動させる。可動部材の車体側部材に対する相対移動により、連結レバー524とシリンダ部520との相対位置関係が変わる。
【0068】
連結レバー524の支点Sを移動させることによって、シリンダ部520の液圧室530の液圧と液圧室532の液圧との比率、すなわち、前輪側の液圧シリンダ300,302の少なくとも一方の液圧室310aの液圧と後輪側の液圧シリンダ304,306の少なくとも一方の液圧室310aの液圧との比率が制御される。
例えば、支点Sと前輪側プランジャ516との接点との間の距離Lf、支点Sと後輪側プランジャ518との接点との間の距離Lrと、前輪側のプランジャ516によって連結レバー524に加えられる力Ffと後輪側のプランジャ518によって連結レバー524によって加えられる力Frとの間には、式
Lf・Ff=Lr・Fr
が成立する。また、力Ff、Frは、それぞれ、液圧室530の液圧Pf(前輪側の液圧シリンダの液圧に対応)に受圧面積Afを乗じた値、液圧室532の液圧Pr(後輪側の液圧シリンダの液圧に対応)に受圧面積Arを乗じた値である。したがって、これらの関係を用いれば、式
Lf・Pf・Af=Lr・Pr・Ar
が成立する。この式から、前輪側の液圧シリンダの液圧Pfと後輪側の液圧シリンダの液圧Prとの比率は、式
Pr/Pf=(Lf/Lr)・(Af/Ar)
で表すことができる。ここで、面積比(Af/Ar)は一定であるため、支点Sを後輪側に移動させ、距離Lrを小さくすれば、後輪側の液圧シリンダ304,306の液圧の前輪側の液圧シリンダ300,302の液圧に対する比率を大きくすることができる。また、面積比(Af/Ar)が1となるように液圧シリンダ部520を設計することもできる。
この意味において、作動液授受装置500,502は、前輪側と後輪側との液圧シリンダの液圧比を制御可能な前後液圧比制御装置と称することができる。
【0069】
また、本実施形態においては、車高調整装置580が設けられる。車高調整装置580は、後輪側の液通路314に接続される。車高調整装置580は、上記第2の実施形態の車高調整装置259と同様のものであるため、同じ構成要素に同じ符号を付して説明を省略する。車高調整弁264の制御により、後輪側の液圧シリンダ304,306の作動液量を調整し、車高を調整することができる。
本実施形態においては、後輪側の積載荷重が増加した場合に、後輪側の液圧シリンダ304,306の液圧の前輪側の液圧シリンダ300,302の液圧に対する比率を高くする一方、後輪側の液圧シリンダ304,306の作動液量を多くする。それによって、後輪側の積載荷重が増加した場合に、車両の前後の傾きを補正することができる。
なお、後輪側の液圧シリンダ304,306の液圧の前輪側の液圧シリンダ300,302の液圧に対する比率を大きくすれば、後輪側の液圧シリンダ304,306の作動液量を増やすことは不可欠ではないが、本実施形態においては、液圧シリンダ304,306にアキュムレータ311aが設けられているため、積載重量の増加に伴って液圧室310aの作動液がアキュムレータ311aに供給され、後輪側の平均車高が低くなる。液圧室310aからアキュムレータ311aへは、アキュムレータ311aによって加えられる弾性力と液圧室310aの液圧に応じた力とが釣り合うまで供給されるからである。
そのため、後輪側の液圧シリンダ304,306の液圧を高くするとともに、作動液を供給すれば、平均車高の低下を抑制することができる。また、車高調整装置580によって供給された作動液は、作動液授受装置500,502を介して前輪側の液圧シリンダ300,302にも供給されるため、前輪側の平均車高を高くすることもできる。
車高調整装置580は、荷重とは関係なく、車高を任意の大きさに調整することができる。
【0070】
図17に示すように、サスペンションECU400には、上記実施形態における場合と同様に、姿勢検出装置410,第1姿勢変化抑制装置330、第3姿勢変化抑制装置378、車高調整装置580が接続されるとともに、液圧比制御装置500,502、積載状態検出装置590等が接続される。積載状態検出装置590は、各輪毎に設けられ、各輪に加えられる荷重をそれぞれ検出する荷重センサを含むものとしたり、各輪毎に設けられた液圧シリンダ300〜306の液圧室310aの液圧を検出する液圧センサを含み、液圧に基づいて荷重を検出するものとしたりすることができる。また、車室内の各シート、ラッゲージルームに加えられた重量を検出するセンサを含み、これらセンサによる検出値に基づいて車両の積載状態を検出するものとすることもできる。本実施形態においては、前輪側の積載重量と後輪側の積載重量との比率が取得される。なお、後輪側の積載重量が検出されるだけでもよい。普通乗用車の場合、後輪側の積載重量の変化が大きいからである。
本実施形態において、電磁開閉弁370〜376,358の制御については、上記第3の実施形態における場合と同様に、図12のフローチャートで表されるサスペンション制御プログラムと同様のプログラムの実行に従って行われるため、説明を省略する。また、図13のフローチャートで表される旋回制御プログラム、図14のフローチャートで表されるまたぎ路走行中制御プログラムも同様に実行されるようにすることができる。
【0071】
連結レバー524の支点Sの調整は、図18のフローチャートで表される前後液圧比制御プログラムの実行に従って行われる。
S101において、積載状態が検出され、S102において、後輪側の積載重量の前輪側の積載重量に対する比率が設定値より大きいかどうかが判定される。比率が設定値以下である場合には、支点の位置は中立位置のままであるが、設定値より大きい場合には、S103において、前輪側と後輪側との液圧シリンダの液圧比の目標値が決定され、S104において、その目標値が実現されるように、支点Sが移動される。また、S105において車高調整が行われる。それによって、車両の前後方向の傾きを補正することができる。
例えば、後輪側の液圧シリンダの液圧の前輪側の液圧に対する比率を大きくする場合には、図16−2(c)に示すように、支点Sを後輪側に移動することにより、アームLRの長さを小さくする(Lr>Lr′)。
なお、支点Sを前輪側に移動することによって、アームLfの長さを小さくすれば、前輪側の液圧シリンダ300,302の液圧の後輪側の液圧シリンダ304,306の液圧に対する比率を大きくすることができる。前輪側の荷重が後輪側の荷重に対して大きい場合に有効である。
【0072】
本発明の第5の実施形態である車両用サスペンションシステムについて説明する。
図19に示す車両用サスペンションシステムにおいては、作動液授受装置等が上記実施形態と異なるが、同じ構成要素については同じ符号を付して、説明を省略する。
液通路316,318には、それぞれ、電磁開閉弁374,376と直列に作動液授受装置700、702が設けられる。作動液授受装置700,702は、それぞれ、ハウジング710と、それに液密かつ摺動可能に嵌合された段付きピストン712とを含む。段付きピストン712は、大径部714と小径部716とを含み、大径部714側の液圧室720に後輪側の液圧シリンダ304,306の液圧室310aが連通させられ、大径部714と小径部716との段部に形成された液圧室722に前輪側の液圧シリンダ300,302の液圧室310aが連通させられる。小径部716側の液圧室724にはアキュムレータ726が接続され、液圧室724の容積変化が許容される。液圧室724の液圧は、液圧制御装置730によって制御される。
【0073】
例えば、前輪側の液圧シリンダから作動液が流出すると、液圧室722に供給され、液圧が増加する。それによって、段付きピストン712が移動させられ、大径部側の液圧室720の作動液が流出する。その流出した作動液は後輪側の液圧シリンダに供給されるのであり、前輪側の液圧シリンダと後輪側の液圧シリンダとは、作動液授受装置700,702を介して実質的に連通させられることになる。
上記実施形態における場合と同様に、ローリング時、ヒービング時には、作動液授受装置700,702が作動させられることはない。
図20(a)に示すように、ピッチング時には、2つの作動液授受装置700,702において、それぞれ、段付きピストン712は同相で移動し、図20(b)に示すように、アーティキュレーションが生じた場合には逆相で移動する。
本実施形態においては、液通路312,314,316,318および作動液授受装置700,702等によって接続装置732が構成される。
【0074】
液圧制御装置730は、高圧源262,低圧源263,液圧制御弁740等を含む。液圧制御弁740の制御により、液圧室724が低圧源263から遮断されて高圧源262に連通させられたり、高圧源262から遮断されて低圧源263に連通させられたり、高圧源262からも低圧源263からも遮断されたりする。それによって、液圧室724の液圧が所望の大きさに制御される。
段付きピストン712は、液圧室720の液圧に応じた力Fr、液圧室722の液圧に応じた力Ff、液圧室724の液圧に応じた力Fsをそれぞれ受ける。力Frは、式
Fr=Pr・Ar
で表される。ここで、Arは大径部の受圧面積であり、Prは液圧室720の液圧であり、後輪側の液圧シリンダの液圧と同じである。力Ff、力Fsも同様に、式Ff=Pf・Af
Fs=Ps・As
で表すことができる。Afは、大径部714と小径部716との間の段部の受圧面積であり、Asは小径部716の受圧面積である。また、Pf、Psは、それぞれ、液圧室722,724の液圧である。
【0075】
段付きピストン712の釣り合い状態においては、これら力Fr、Ff、Fsの間では、式
Fr=Ff+Fs
が、成立する。この式に、上記各式を代入して、整理すると、式
Pr/Pf=(Ps/Pf)・(As/Ar)+(Af/Ar)
が成立する。ここで、面積Ar,Af,Asは、定数であるため、制御圧Psが大きい場合は、小さい場合より、後輪側の液圧Prの前輪側の液圧Pfに対する比率が大きくなることがわかる。このように、制御圧Psの制御により、前輪側の液圧シリンダの液圧と後輪側の液圧シリンダの液圧との比率を制御することができる。
【0076】
本実施形態においては、サスペンションECU400に、図21に示すように、連結装置522の代わりに液圧制御装置730が接続される。本実施形態においては、液圧制御装置730と車高調整装置580とで高圧源262,低圧源263とが共有されている。
そして、上記実施形態における場合と同様に、第1姿勢変化抑制装置330.第2姿勢変化抑制装置378が制御されるが、液圧制御弁740,車高調整弁264は、図22のフローチャートで表される前後液圧比制御プログラムの実行に従って制御される。
S101〜103において、積載状態に基づいて前後液圧比が決定される。そして、その決定された液圧比を実現できるように、S114において、液圧制御弁740が制御されるとともに、S105において車高調整弁264が制御される。それによって、車両の前後方向の傾きを補正することができる。
【0077】
なお、各液圧シリンダにおいて、ピストンロッドがピストンの両側から延び出す状態で設けることもできる。
【0078】
本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である車両用サスペンションシステムを概念的に示す図である。
【図2】上記車両用サスペンションシステムのサスペンションECU周辺を示す図である。
【図3−1】上記車両用サスペンションシステムにおける作動を示す図である。
【図3−2】上記車両用サスペンションシステムにおける別の作動を示す図である。
【図4】上記サスペンションECUの記憶部に記憶されたサスペンション制御プログラムを表すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態である車両用サスペンションシステムを概念的に示す図である。
【図6−1】上記車両用サスペンションシステムにおける作動を示す図である。
【図6−2】上記車両用サスペンションシステムにおける別の作動を示す図である。
【図7】上記車両用サスペンションシステムのサスペンションECU周辺を示す図である。
【図8】上記サスペンションECUの記憶部に記憶されたサスペンション制御プログラムを表すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施形態である車両用サスペンションシステムを概念的に示す図である。
【図10−1】上記車両用サスペンションシステムにおける作動を示す図である。
【図10−2】上記車両用サスペンションシステムにおける別の作動を示す図である。
【図11】上記車両用サスペンションシステムのサスペンションECU周辺を示す図である。
【図12】上記サスペンションECUの記憶部に記憶されたサスペンション制御プログラムを表すフローチャートである。
【図13】上記サスペンションECUの記憶部に記憶された旋回状態制御プログラムを表すフローチャートである。
【図14】上記サスペンションECUの記憶部に記憶されたまたぎ路走行中接地荷重制御プログラムを表すフローチャートである。
【図15】本発明の第4の実施形態である車両用サスペンションシステムを概念的に示す図である。
【図16−1】上記車両用サスペンションシステムにおける作動を示す図である。
【図16−2】上記車両用サスペンションシステムにおける作動を示す図である。
【図17】上記車両用サスペンションシステムのサスペンションECU周辺を示す図である。
【図18】上記サスペンションECUの記憶部に記憶された車高調整プログラムを表すフローチャートである。
【図19】本発明の第5の実施形態である車両用サスペンションシステムを概念的に示す図である。
【図20】上記車両用サスペンションシステムにおける作動を示す図である。
【図21】上記車両用サスペンションシステムのサスペンションECU周辺を示す図である。
【図22】上記サスペンションECUの記憶部に記憶された車高調整プログラムを表すフローチャートである。
【符号の説明】
10〜16:液圧シリンダ 32:液圧室 40:接続装置 42〜46:液通路 48:第1姿勢変化抑制装置 50:第2姿勢変化抑制装置 100:サスペンションECU 110:姿勢検出装置 112:上下ストロークセンサ 114:横加速度センサ 200〜206:液圧シリンダ 214,224,226:液圧室 240;接続装置 242〜246:液通路 250:第1姿勢変化抑制装置 252:第2姿勢変化抑制装置 254,256:第3姿勢変化抑制装置 280:姿勢検出装置 300〜306:液圧シリンダ 310a:液圧室 320;接続装置 312〜318:液通路 324〜327:液通路 330:第1姿勢変化抑制装置 378:第3姿勢変化抑制装置 400:サスペンションECU 410:姿勢検出装置 500,502:作動液授受装置 522:連結装置 540:接続装置 580:車高調整装置 700.702:作動液授受装置 730:液圧制御装置 732:接続装置

Claims (17)

  1. 車両の前後左右のそれぞれにおいて、車輪側部材と車体側部材との間に設けられた4つの液圧シリンダと、
    それら4つの液圧シリンダ各々の液圧室を互いに実質的に連通可能に接続する接続装置と、
    その接続装置の作動液の流通状態を制御することによって、複数種類の車両の姿勢変化のうちの1種類以上の姿勢変化を許容しつつ、別の1種類以上の姿勢変化の状態を抑制するサスペンション制御装置と
    を含むことを特徴とする車両用サスペンションシステム。
  2. 前記サスペンション制御装置が、前記車両の複数種類の姿勢変化として、ローリング、ピッチング、ヒービングおよびアーティキュレーションのうちの1つ以上を許容しつつ、別の1つ以上を抑制するものである請求項1に記載の車両用サスペンションシステム。
  3. 前記接続装置が、前記4つの液圧シリンダの液圧室のうちの2つの液圧室を接続する第1液通路と、残りの2つの液圧室を接続する第2液通路とを含むとともに、前記サスペンション制御装置が、(a)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記第1液通路の液圧を受ける第1受圧面を有する第1制御ピストンとを含む第1制御シリンダと、(b)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記第2液通路の液圧を受ける第2受圧面を有する第2制御ピストンとを含む第2制御シリンダと、(c)それら第1制御ピストンと第2制御ピストンとを連結する連結装置と、(d)その連結装置によって連結された第1制御ピストンおよび第2制御ピストンに前記第1受圧面と第2受圧面とに作用する液圧とは逆向きの作用力を弾性的に付与する作用力付与装置と、(e)前記第1制御ピストンと第2制御ピストンとの移動を抑制する移動抑制装置とを含む第1姿勢変化抑制装置を含む請求項1または2に記載の車両用サスペンションシステム。
  4. 前記サスペンション制御装置が、前記第1液通路と前記第2液通路との間に設けられ、少なくとも、それら2つの液通路の間の作動液の流通状態を制御可能な電磁制御弁を備えた第2姿勢変化抑制装置を含む請求項3に記載の車両用サスペンションシステム。
  5. 前記接続通路が、前記車両の右側の前後2つの液圧シリンダの液圧室を接続する第1液通路としての右側液通路と、前記車両の左側の前後2つの液圧シリンダの液圧室を接続する第2液通路としての左側液通路とを含み、前記第1姿勢変化抑制装置が、前記左側液通路と前記右側液通路との間に、前記第1受圧面に前記右側液通路の液圧を受け、前記第2受圧面に前記左側液通路の液圧を受ける状態で設けられ、前記第2姿勢変化抑制装置が、前記左側液通路と右側液通路との間に設けられた前記電磁制御弁としての左右連通制御弁を含む請求項4に記載の車両用サスペンションシステム。
  6. 前記接続通路が、前記車両の互いに対角位置にある2つの液圧シリンダの液圧室を連結する第1および第2のクロス液通路を含み、前記第1姿勢変化抑制装置が、前記第1クロス液通路および第2クロス液通路の間に、前記第1受圧面に前記第1クロス液通路の液圧を受け、前記第2受圧面に前記第2クロス液通路の液圧を受ける状態で設けられ、前記第2姿勢変化抑制装置が、前記第1クロス液通路と前記第2クロス液通路との間に設けられた電磁制御弁としてのクロス通路間連通状態制御弁を含む請求項4に記載の車両用サスペンションシステム。
  7. 前記サスペンション制御装置が、前記第1液通路と前記第2液通路との少なくとも一方に設けられ、その少なくとも一方の液通路で接続された液圧室の間の作動液の流通状態を制御可能な電磁制御弁を備えた第3姿勢変化抑制装置を含む請求項3ないし6のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
  8. 前記サスペンション制御装置が、
    (a)ハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記4つの液圧シリンダの液圧室の液圧をそれぞれ受ける受圧面を有する4つの制御ピストンを含む4つの制御シリンダと、(b)前記4つの制御ピストンを、一体的に移動可能に連結する連結装置と、(c)その連結装置によって連結された4つの制御ピストンの各々の前記受圧面に作用する液圧とは逆向きの作用力を弾性的に付与する作用力付与装置と、(e)前記4つの制御ピストンの移動を抑制する移動抑制装置とを含む第1姿勢変化抑制装置と、
    前記車両の右側の前後2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む右側液圧室と、前記車両の左側の前後2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む左側液圧室との間に設けられ、それら右側液圧室と左側液圧室との間の作動液の流通状態を制御可能な左右連通状態制御弁と、前記車両の前側の左右2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む前側液圧室と、前記車両の後側の左右2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む後側液圧室との間に設けられ、これら前側液圧室と後側液圧室との間の作動液の流通状態を制御可能な前後連通状態制御弁との少なくとも一方を含む第2姿勢変化抑制装置と
    を含む請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
  9. 前記サスペンション制御装置が、
    (a)前記車両の右側の前後2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む右側液圧室と、前記車両の左側の前後2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む左側液圧室との間に設けられ、それら右側液圧室と左側液圧室との間の作動液の流通状態を制御可能な左右連通状態制御弁と、(b)その左右連通状態制御弁への供給電流の制御により、前記作動液の流通状態を制限することにより、前記車両のローリングを抑制する供給電流制御部とを含むローリング抑制装置と、
    (c)前記車両の前側の左右2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む前側液圧室と、前記車両の後側の左右2つの液圧シリンダの液圧室のうちの少なくとも一方を含む後側液圧室との間に設けられ、これら前側液圧室と後側液圧室との間の作動液の流通状態を制御可能な前後連通状態制御弁と、(d)その前後連通状態制御弁への供給電流の制御により、前記作動液の流通状態を制限することにより、前記車両のピッチングを抑制する供給電流制御部とを含むピッチング抑制装置と
    を含む請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
  10. 前記接続装置が、前記4つの液圧シリンダの液圧室のうちの1つ以上の液圧室と、別の1つ以上の液圧室との間に設けられ、(a)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合された第1制御ピストンとによって形成され、前記1つ以上の液圧室に連通させられた第1液室を有する第1制御シリンダと、(b)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合された第2制御ピストンとによって形成され、前記別の1つ以上の液圧室に連通させられた第2液室を有する第2制御シリンダと、(c)前記第1制御ピストンと前記第2制御ピストンとを、それら第1,第2の制御ピストンが、前記第1液室と第2液室とのいずれか一方の容積の増加に伴って他方の容積が減少する状態で移動可能に連結する連結装置とを含み、前記1つ以上の液圧室と前記別の1つ以上の液圧室との一方から他方への作動液の流れを実質的に許容する作動液授受装置を含む請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
  11. 前記サスペンション制御装置が、前記4つの液圧シリンダの液圧室のうちの1つ以上の液圧室と別の1つ以上の液圧室との間に設けられ、(a)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記1つ以上の液圧室と別の1つ以上の液圧室とのうちのいずれか一方の液圧を受ける第1受圧面を有する第1制御ピストンとを含む第1制御シリンダと、(b)ハウジングと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、いずれか他方の1つ以上の液圧室の液圧を受ける第2受圧面を有する第2制御ピストンとを含む第2制御シリンダと、(c)前記第1制御ピストンと前記第2制御ピストンとを、前記第1受圧面の液圧と前記第2受圧面の液圧との比が可変な状態で連結する連結装置と、(d)前記液圧の比を、所望の大きさに制御する液圧比制御部とを含む請求項1ないし10のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
  12. 前記連結装置が、(a)前記第1制御ピストンと第2制御ピストンとを、支点回りの回動により、前記第1,第2の制御ピストンの逆相移動を許容する状態で連結する連結レバーと、(b)前記支点を前記第1、第2の制御ピストンに対して、それら制御ピストンの軸方向と交差する方向に移動可能に支持する支持装置とを含み、前記液圧比制御部が、前記支点を移動させることによって、前記液圧の比を制御する支点位置制御部を含む請求項11に記載の車両用サスペンションシステム。
  13. 前記第1制御シリンダのハウジングと前記第2制御シリンダのハウジングとが一体的に設けられ、前記第1制御ピストンと前記第2制御ピストンとが段付きの制御ピストンとされ、前記液圧比制御部が、前記段付きピストンの、前記第1,第2受圧面以外の第3の受圧面に作用する液圧を制御することによって、前記第1受圧面の液圧と前記第2受圧面の液圧との関係を制御する請求項12に記載の車両用サスペンションシステム。
  14. 前記サスペンション制御装置が、前記4つの液圧シリンダの液圧室の少なくとも1つに対する作動液の供給・流出可能な車高調整装置を含み、その車高調整装置を制御することにより、前記4つの液圧シリンダのうちの少なくとも1つの液圧室に対する作動液の供給・流出を制御することにより、その少なくとも1つの液圧シリンダに対応する車輪側部材に対する車体側部材の相対高さを調整する請求項1ないし13のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
  15. 前記接続装置が、前輪側の左右の液圧シリンダの液圧室同士を接続する前側液通路と、後輪側の左右の液圧シリンダの液圧室同士を接続する後側液通路とを含み、前記サスペンション制御装置が、(a)前記前側液通路と前記後側液通路とのそれぞれに設けられ、当該液通路の作動液の流通状態を制御可能な前輪側、後輪側の左右連通状態制御弁と、(b)それら2つの左右連通状態制御弁のうちの少なくとも一方を制御することにより、前記車両の目標旋回状態に対して実際の旋回状態が不足している場合に、前記後側液通路の流れを前記前側液通路の流れより抑制する第1旋回状態制御部と、前記目標旋回状態に対して実際の旋回状態が過大である場合に、前記前側液通路の流れを前記後側液通路の流れより抑制する第2旋回状態制御部との少なくとも一方を含む旋回状態制御装置を含む請求項1ないし14のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
  16. 前記サスペンション制御装置が、車両の旋回状態として車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出部を含む請求項15に記載の車両用サスペンションシステム。
  17. 前記接続装置が、右側の前後の液圧シリンダの液圧室同士を接続する右側液通路と、左側の前後の液圧シリンダの液圧室同士を接続する左側液通路とを含み、前記サスペンション制御装置が、(a)前記右側液通路と前記左側液通路とのそれぞれに設けられ、当該液通路の作動液の流通状態を制御可能な右側、左側の前後連通状態制御弁と、(b)それら2つの前後連通状態制御弁のうちの少なくとも一方を制御することにより、前記車両がまたぎ路走行中で、かつ、制動中である場合に、高μ側の液通路の流れを低μ側の液通路の流れより抑制する路面μ対応制御部とを含む請求項1ないし16のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
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