JP4238677B2 - 車両懸架システム - Google Patents

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本発明は車両懸架システムに関するものであり、特に、車輪の接地荷重の制御に関するものである。
車輪の接地荷重の制御は、従来、種々の態様で行われている。例えば、特許文献1に記載の車両懸架システムは車両安定性制御装置と共に車両に設けられ、車両の走行安定性を保つべく、制動力が加えられた車輪について接地荷重が大きくなるようにされている。車両の各車輪にはそれぞれ減衰力調整式の液圧緩衝器が設けられ、例えば、車両旋回時に、制動力が加えられた車輪に対応する液圧緩衝器の縮み側減衰力を大きく、伸び側減衰力を小さくし、その他の車輪に対応する液圧緩衝器の縮み側減衰力を小さく、伸び側減衰力を大きくすることにより、制動される車輪の接地荷重を大きくして、車輪をロックさせることなく、大きな制動力を得て走行安定性を保つようにされている。液圧緩衝器の縮み側減衰力が大きくされれば、車体は車輪に接近し難いのに対し、離れ易く、車体と車輪とが相対移動させられるとき、縮みより伸びの方が大きく、接地荷重が大きくなるのである。
特開2003−11635号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両懸架システムにおいては、接地荷重が増大させられるべき時間が短い場合に、必ず目的を達し得るとは限らない。上記のように減衰力を調整しても、車体と車輪とが現実にそれらの距離が大きくなる側に相対移動しなければ接地荷重は大きくならないのであり、この相対移動は路面の凹凸により生じるのであるが、路面に常に適切な凹凸があるとは限らないのである。そこで、本発明は、車輪の接地荷重を迅速に制御することができる車両懸架システムを提供することを課題としてなされたものである。
上記課題は、車両懸架システムを、(i)少なくとも前後左右の4つの車輪の各々に対応して、車輪側部材と車体側部材との間に配設され、車輪側部材と車体側部材との接近離間に伴って伸縮する少なくとも4つの液圧シリンダと、(ii)それら液圧シリンダの各々からの作動液の流出を許容することによりそれら液圧シリンダの収縮を許容する流出許容装置と、(iii)ビークルスタビリティコントローラから、ビークルスタビリティ制御のために接地荷重を増大させるべき車輪の情報を取得し、その取得した情報に基づいて、前記少なくとも4つの液圧シリンダのうち収縮させるべき液圧シリンダを制御対象シリンダに決定する制御対象シリンダ決定部と、(iv)前記流出許容装置を制御することにより、前記制御対象シリンダ決定部によって決定された制御対象シリンダを収縮させ、前記接地荷重を増大させるべき車輪の接地荷重を増大させる接地荷重制御装置と、(v)少なくとも前記制御対象シリンダに作動液を供給し、前記接地荷重の制御により低下した車高を回復させる作動液供給装置とを含むものとすることにより解決される。
制御対象シリンダ決定部が、ビークルスタビリティコントローラから、ビークルスタビリティ制御のために接地荷重を増大させるべき車輪の情報を取得し、その取得した情報に基づいて、少なくとも4つの液圧シリンダのうち収縮させるべき液圧シリンダを決定する。そして、接地荷重制御装置が、流出許容装置を制御することにより、制御対象シリンダ決定部によって決定された制御対象シリンダを収縮させ、接地荷重を増大させるべき車輪の接地荷重を増大させる。
車輪は、少なくとも2つの前輪と2つの後輪とを含めばよく、それ以外の車輪を含んでも差し支えない。例えば、前輪と後輪との少なくとも一方を4つ以上含む車両に本発明を適用することも可能なのである。その場合、すべての車輪に対して液圧シリンダ,流出許容装置,接地荷重制御装置および作動液供給装置を設けることも可能であるが、2つの前輪と2つの後輪に対してのみ液圧シリンダ,流出許容装置,接地荷重制御装置および作動液供給装置を設けてもよい。それら以外の車輪に対する懸架装置は、例えば、懸架スプリングを備え、あるいは懸架スプリングとショックアブソーバとを備えた従来と同様の懸架装置とすることが可能なのである。
実際のビークルスタビリティ制御のための接地荷重制御においては、接地荷重が過大である車輪の接地荷重を減少させる必要も生じることが多いが、本発明が特徴的であるのは、車輪の接地荷重を増加させる場合にその車輪とは別の車輪の接地荷重を減少させる点である。
車輪の接地荷重を制御するための、液圧シリンダの収縮は速やかに行われることが必要であるが、この収縮は流出許容装置により作動液の流出を許容することにより達成でき、流出許容装置は小形化することが容易である。しかし、液圧シリンダの収縮を許容すれば、車高が低くなってしまうため、それを回復させることが必要である。そのためには、流出許容装置によって作動液が流出させられ、収縮した液圧シリンダを伸長させることが必要であり、液圧シリンダ内の液圧に抗して作動液を供給することが必要である。液圧ポンプ等の作動液圧送装置は、もし作動液の所要流量が同じであれば、流出許容装置に比較して大形となることを避け得ないのであるが、車高を回復させるための液圧シリンダの伸長は速やかに行われる必要がないため、作動液圧送装置は小容量のものでよく、小形化することができる。結局、車輪の接地荷重の増大を迅速に行い得るものでありながら、懸架システム全体を小形に構成することができ、容積,重量およびコストの低減を図り得る。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、 (24)項が請求項1に相当し、その請求項1に(3)項に記載の特徴を追加したものが請求項2に、 その請求項2に(4)項に記載の特徴を追加したものが請求項3に、それら請求項2または3に(5)項に記載の特徴を追加したものが請求項4に、前記請求項1に(6)項に記載の特徴を追加したものが請求項5に、前記請求項1に(7)項および(8)項に記載の特徴を追加したものが請求項6に、前記請求項1または2に(11)項の記載の特徴を追加したものが請求項7に、その請求項7に(14)項に記載の特徴を追加したものが請求項8に、(25)項が請求項9に、請求項1ないし9のいずれかに(19)項に記載の特徴を追加したものが請求項10に、請求項1ないし10のいずれかに(20)項の特徴を追加したものが請求項11にそれぞれ相当する。
(1)少なくとも前後左右の4つの車輪を備えた車両の、2つの前輪と2つの後輪との少なくとも一方に対応して、車輪側部材と車体側部材との間に配設され、車輪側部材と車体側部材との接近離間に伴って伸縮する少なくとも2つの液圧シリンダと、
それら液圧シリンダの各々からの作動液の流出を許容することによりそれら液圧シリンダの収縮を許容する流出許容装置と、
その流出許容装置を制御することにより、前記少なくとも4つの車輪の接地荷重を制御する接地荷重制御装置と、
少なくとも前記流出許容装置によって作動液が流出させられた液圧シリンダに対して作動液を供給し、前記接地荷重の制御により低下した車高を回復させる作動液供給装置と
を含む車両懸架システム。
車輪は、少なくとも2つの前輪と2つの後輪とを含めばよく、それ以外の車輪を含んでも差し支えない。例えば、前輪と後輪との少なくとも一方を4つ以上含む車両に請求可能発明を適用することも可能なのである。その場合、すべての車輪に対して液圧シリンダ,流出許容装置,接地荷重制御装置および作動液供給装置を設けることも可能であるが、2つの前輪と2つの後輪に対してのみ液圧シリンダ,流出許容装置,接地荷重制御装置および作動液供給装置を設けてもよい。それら以外の車輪に対する懸架装置は、例えば、懸架スプリングを備え、あるいは懸架スプリングとショックアブソーバとを備えた従来と同様の懸架装置とすることが可能なのである。
さらに、上記のように、2つの前輪と2つの後輪との両方に対して液圧シリンダ,流出許容装置,接地荷重制御装置および作動液供給装置を設けることも不可欠ではなく、2つの前輪と2つの後輪とのいずれか一方のみに対して設けてもよい。2つの前輪と2つの後輪との他方に対しては、例えば従来と同様の懸架装置を設けても請求可能発明の効果が得られるのである。
接地荷重の制御は、接地荷重が過大である車輪の接地荷重を減少させることと、接地荷重が不足である車輪の接地荷重を増加させることとの少なくとも一方を含むが、請求可能発明においては、その接地荷重制御が2つ以上の液圧シリンダのいずれかを収縮させることにより実現される。ある車輪の接地荷重を増大させることが必要である場合には、別の車輪の接地荷重を減少させることによりそれが実現されるのである。
車輪の接地荷重を制御するための、液圧シリンダの収縮は速やかに行われることが必要であるが、この収縮は流出許容装置により作動液の流出を許容することにより達成でき、流出許容装置は小形化することが容易である。しかし、液圧シリンダの収縮を許容すれば、車高が低くなってしまうため、それを回復させることが必要である。そのためには、流出許容装置によって作動液が流出させられ、収縮した液圧シリンダを伸長させることが必要であり、液圧シリンダ内の液圧に抗して作動液を供給することが必要である。液圧ポンプ等の作動液圧送装置は、もし作動液の所要流量が同じであれば、流出許容装置に比較して大形となることを避け得ないのであるが、車高を回復させるための液圧シリンダの伸長は速やかに行われる必要がないため、作動液圧送装置は小容量のものでよく、小形化することができる。結局、車輪の接地荷重制御を迅速に行い得るものでありながら、懸架システム全体を小形に構成することができ、容積,重量およびコストの低減を図り得る。
(2)前記2つの前輪と前記2つの後輪との両方に前記液圧シリンダ,前記流出許容装置,前記接地荷重制御装置および前記作動液供給装置が設けられた (1)項に記載の車両懸架システム。
液圧シリンダ,流出許容装置,接地荷重制御装置および作動液供給装置は、2つの前輪のみに設けてもよく、あるいは2つの後輪のみに設けてもよい。
例えば、2つの前輪に液圧シリンダ等を設けた場合、左右前輪のうちの一方、例えば、左前輪の接地荷重が過大な場合には、左前輪に対応して設けられた液圧シリンダからの作動液の流出を許容し、接地荷重を減少させることができ、左前輪の接地荷重が不足する場合には、右前輪に対応して設けられた液圧シリンダからの作動液の流出を許容し、その接地荷重を減少させることにより、左前輪の接地荷重を間接的に増大させることができる。複数の車輪の一部について接地荷重を減少させても、全部の車輪に加えられる接地荷重の合計は変わらず、別の一部の車輪に加えられる接地荷重が増大することとなるからである。
また、左右後輪のうちの一方、例えば、左後輪の接地荷重が過大な場合には、右前輪に対応して設けられた液圧シリンダからの作動液の流出を許容し、接地荷重を減少させることにより、左後輪の接地荷重を間接的に減少させることができ、左後輪の接地荷重が不足する場合には、左前輪の接地荷重を減少させることにより、左後輪の接地荷重を間接的に増大させることができる。互いに対角位置にあり、対角輪対を構成する2つの車輪は、その一方の接地荷重が変化させられるとき、他の対角輪対に支持された部分を通る直線まわりの車体の回転モーメントの釣り合いを保つべく、他方の接地荷重も同様に変化するからである。2つの後輪に液圧シリンダ等を設けた場合も同様である。
そして、本項の車両懸架システムにおいては4つの車輪のいずれについても接地荷重を直接減少させることができるため、例えば、車輪の接地荷重を目標とする大きさに近づけつつ、車体姿勢の目標車体姿勢からのはずれをできる限り小さくすることが容易である。
(3)前記接地荷重制御装置が、前記流出許容装置に、前記少なくとも4つの車輪のうちの2つ以上のものに対応する液圧シリンダの作動液の流出を許容させる複数輪制御部を含む (2)項に記載の車両懸架システム。
2つ以上の車輪に対応する液圧シリンダから同時に作動液の流出を許容させてもよく、予め定められた順序に従って流出を許容させてもよく、交互に流出を許容させてもよい。結果的に2つ以上の車輪に対応する液圧シリンダから作動液が流出させられればよいのである。
本項の車両懸架システムにおいては、複数の車輪に対応する部分の車高を減少させつつそれら複数の車輪の接地荷重を減少させることができ、それにより、例えば、後に実施例の項において詳細に説明するように、車体姿勢の目標車体姿勢からの外れをできる限り小さく抑えつつ接地荷重を制御することが可能となる。
(4)前記複数輪制御部が、接地荷重を減少させるべき車輪とその車輪に対して対角位置にある車輪とから成る対角輪対に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる第一対角輪対制御部を含む (3)項に記載の車両懸架システム。
本項の車両懸架システムにおいては、対角輪対を構成する2つの車輪に対応する部分の車高を低下させつつその対角輪対を構成する2つの車輪の接地荷重を減少させることができる。
(5)前記複数輪制御部が、前記流出許容装置に、接地荷重を増大させるべき車輪を含む対角輪対とは別の対角輪対に対応する2つの前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる第二対角輪対制御部を含む (3)項または (4)項に記載の車両懸架システム。
前述のように、複数の車輪の一部について接地荷重を減少させれば、別の一部の車輪の接地荷重が増大するため、2組の対角輪対の一方に含まれる車輪の接地荷重を減少させることにより、他方に含まれる車輪の接地荷重を増大させることができる。
(6)前記接地荷重制御装置が、前記流出許容装置に、接地荷重を減少させるべき車輪に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる直接制御部を含む (1)項ないし (5)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
本項の車両懸架システムにおいては、接地荷重を減少させるべき車輪について、接地荷重が直接減少させられる。接地荷重を減少させるべき車輪に対応する部分の車高を低下させることが望ましい場合、あるいは低下させても差し支えない場合に適した制御モードである。
(7)前記接地荷重制御装置が、前記流出許容装置に、接地荷重を変化させるべき車輪以外の少なくとも1つの車輪に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる間接制御部を含む (1)項ないし (6)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
間接制御部は、例えば、 (8)項に記載の対角単輪制御部を含むものとされたり、あるいは接地荷重を増大させるべき車輪を含む対角輪対とは別の対角輪対に対応する2つの液圧シリンダの作動液の流出を許容させる別対角輪対制御部を含むものとされたりする。本請求可能発明に係る車両懸架システムにおいては液圧シリンダを伸長させて接地荷重制御を行うことができないために、あるいは、車体姿勢に対する考慮から、間接制御が行われるのである。後者の場合、車体姿勢を目標車体姿勢に近づけつつ、あるいは、車体姿勢の目標車体姿勢からのはずれをできる限り小さくしつつ、接地荷重制御を行うために、間接制御が行われるのである。
(8)前記間接制御部が、前記流出許容装置に、接地荷重を減少させるべき車輪に対して対角位置にある車輪に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる対角単輪制御部を含む (7)項に記載の車両懸架システム。
対角輪対を構成する2つの車輪においては、前述のように、一方の車輪の接地荷重の増減に伴って他方の車輪の接地荷重も増減する。そのため、例えば、接地荷重を減少させるべき車輪に対応する部分の車高を低下させることが望ましくない場合に、対角位置にある車輪の接地荷重を減少させることによって接地荷重を減少させるべき車輪の接地荷重が減少させられるのである。
(9)前記前後左右の4つの車輪のうち接地荷重を変化させるべき車輪である荷重変化輪の情報を取得する荷重変化輪情報取得部を含む (1)項ないし (8)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
「荷重変化輪」は、荷重を減少させるべき車輪である「荷重減少輪」と荷重を増加させるべき車輪である「荷重増加輪」との少なくとも一方を包含する用語である。荷重変化輪情報取得部は、車速検出装置,操舵角検出装置,ヨーレイト検出装置,前後加速度検出装置,横加速度検出装置,車輪速度検出装置,車高検出装置,接地荷重検出装置等、車両の状態を検出する車両状態検出装置の1つ以上を備え、その1つ以上の車両状態検出装置からの情報に基づいて自ら荷重変化輪を決定する荷重変化輪決定部でもよく、ビークルスタビリティコントローラ(VSC),アンチロックブレーキシステム(ABS)等外部装置から荷重変化輪の情報を受け取る荷重変化輪情報受取部でもよい。
VSCのために、特定の1つの車輪の接地荷重を増加させるべきことが決定される場合には、その1つの車輪が荷重変化輪である。また、後に説明する実施例におけるように、前後左右の4つの車輪のすべてについて、接地荷重を増加させたり減少させたりすべきことが決定される場合には、4つの車輪のすべてが荷重変化輪であると考えることができる。ただし、その場合でも、特に大きくあるいは最も大きく接地荷重を変化させることが必要である車輪が荷重変化輪に決定されるようにすることもできる。
(10)前記荷重変化輪情報取得部が、
前記4つの車輪の少なくとも一部の車輪の目標接地荷重を取得する目標接地荷重取得部と、
前記少なくとも一部の車輪の接地荷重を検出する接地荷重検出装置と、
その接地荷重検出装置により検出された接地荷重である検出接地荷重と、前記目標接地荷重取得部により取得された目標接地荷重とに基づいて前記荷重変化輪を決定する荷重変化輪決定部と
を含む (9)項に記載の車両懸架システム。
目標接地荷重は、別の装置,システム等において設定されたものを読み込むことにより取得してもよく、あるいは車両の前後加速度等に基づいて決定し、取得してもよい。
(11)前記少なくとも4つの車輪から選択された1つの車輪である選択車輪の目標接地荷重である選択車輪目標接地荷重を取得する選択車輪目標接地荷重取得部と、
前記選択車輪の接地荷重である選択車輪接地荷重を検出する選択車輪接地荷重検出装置と、
その選択車輪接地荷重検出装置により検出された選択車輪接地荷重と、前記選択車輪目標接地荷重取得部により取得された選択車輪目標接地荷重とに基づいて、前記少なくとも4つの液圧シリンダのうち前記流出許容装置に作動液の流出を許容させるべきものである制御対象シリンダを決定する制御対象シリンダ決定部と
を含む (1)項ないし (3)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
4つの車輪の接地荷重は密接に関連し合っているため、1つの選択車輪における目標接地荷重と検出接地荷重とに基づいて、選択車輪の接地荷重を変更する必要があるか否か、変更の必要があれば、どの車輪を制御対象車輪に決定し、いずれの液圧シリンダを制御対象シリンダにするべきかを決めることができる。
選択車輪が、選択車輪目標接地荷重と選択車輪接地荷重との大きさに応じて、接地荷重を変化させるべき車輪になる。
制御対象シリンダ決定部による制御対象シリンダの決定は、例えば、前記 (4)項ないし (
8)項にそれぞれ記載の態様で行われる。
(12)前記制御対象シリンダ決定部が、前記選択車輪の接地荷重を増大あるいは減少させる必要があるか否かを決定する選択車輪接地荷重増減要否決定部を備え、その選択車輪接地荷重増減要否決定部が増大あるいは減少させる必要があると決定した場合に、少なくともその決定結果に基づいて前記制御対象シリンダを決定するものである(11)項に記載の車両懸架システム。
制御対象シリンダ決定部は、選択車輪接地荷重増減要否決定部の決定結果の他、例えば、ロールやピッチ等の車体姿勢にも基づいて制御対象シリンダを決定してもよい。例えば、車体姿勢がよくなるように、あるいは車体姿勢ができる限り悪くならないようにすることも考慮して制御対象シリンダを決定する。
(13)車体のロールとピッチとの少なくとも一方を含む車体姿勢に関連した情報である姿勢関連情報を取得する姿勢関連情報取得部と、
その姿勢関連情報取得部により取得された姿勢関連情報と、前記荷重変化輪情報取得部により取得された荷重変化輪情報との両方に基づいて、前記複数の液圧シリンダのうち前記流出許容装置に作動液の流出を許容させるべきものである制御対象シリンダを決定する制御対象シリンダ決定部と
を含む (9)項または(10)項に記載の車両懸架システム。
液圧シリンダから作動液が流出すればその液圧シリンダが収縮し、その液圧シリンダに対応する車輪の接地荷重が直接減少させられるとともに、その車輪側において車高が低くなり、車体姿勢が変わる。したがって、荷重変化輪情報および姿勢関連情報に基づいて制御対象シリンダを決定すれば、車輪の接地荷重と車体姿勢との両方を制御することができる。
制御対象シリンダ決定部は、例えば、ロールに関する情報であるロール情報と荷重変化輪情報とに基づいて、複数の液圧シリンダのうちの1つを制御対象シリンダに決定するものとしたり、ピッチに関する情報であるピッチ情報と荷重変化輪情報とに基づいて、複数の液圧シリンダのうちの1つを制御対象シリンダに決定するものとしたりすることができる。また、ロール情報およびピッチ情報と荷重変化輪情報とに基づいて、例えば前記 (3)〜 (5)項に例示されているように複数を制御対象シリンダに決定したり、前記 (6)〜 (8)項に例示されているように単数を制御対象シリンダに決定したりするものとすることもできる。いずれにしても、少なくとも1つの車輪の実際の接地荷重を目標接地荷重に近づけることと、実際の車体姿勢の目標車体姿勢からの外れをできる限り小さくすることとの両方の要求が満たされるように、制御対象シリンダを決定するものとされるのである。
なお、ロール情報が考慮される場合には、制御対象シリンダ決定部がロール考慮型制御対象シリンダ決定部を含み、接地荷重制御装置が車体姿勢考慮型接地荷重制御部としてのロール考慮型接地荷重制御部を含むと考え、ピッチ情報が考慮される場合には、ピッチ考慮型制御対象シリンダ決定部およびピッチ考慮型接地荷重制御部を含むと考えることができる。
(14)車体のロールとピッチとの少なくとも一方を含む車体姿勢に関連した情報である姿勢関連情報を取得する姿勢関連情報取得部を含み、
前記制御対象シリンダ決定部が、前記選択車輪接地荷重および前記選択車輪目標接地荷重のみならず、少なくとも前記姿勢関連情報取得部により取得された姿勢関連情報にも基づいて、前記ロールとピッチとの少なくとも一方を含む車体姿勢の悪化を可及的に回避しつつ前記選択車輪接地荷重を前記選択車輪目標接地荷重に近づけるべく前記制御対象シリンダを決定する姿勢関連情報依拠制御対象シリンダ決定部を含むことを特徴とする(11)項または(12)項に記載の請求項に記載の車両懸架システム。
(15)前記姿勢関連情報取得部が、前記車体の基準姿勢(例えば水平姿勢)からの左右方向の傾き角であるロール角,そのロール角の変化速度であるロール角速度,そのロール角速度の変化速度であるロール角加速度,前記ロール角の変化方向,基準姿勢からの前後方向の傾き角であるピッチ角,そのピッチ角の変化速度であるピッチ角速度,そのピッチ角速度の変化速度であるピッチ角加速度および前記ピッチ角の変化方向の少なくとも1つを取得するものである(13)項または(14)項に記載の車両懸架システム。
姿勢関連情報取得部は、(16)項に記載の車両懸架システムにおけるように、姿勢関連情報検出装置を含む姿勢関連情報検出部としてもよく、他の装置から姿勢関連情報を受け取る姿勢関連情報受取部としてもよい。
(16)前記姿勢関連情報取得部が、前記ロール角,前記ロール角速度,前記ロール角加速度,前記ロール角変化方向,前記ピッチ角,前記ピッチ角速度,前記ピッチ角加速度および前記ピッチ角変化方向の少なくとも1つを前記姿勢関連情報として検出する姿勢関連情報検出装置を含む(15)項に記載の車両懸架システム。
姿勢関連情報検出装置は、ロール角等、車体姿勢そのものを検出する機能を備えた検出装置でもよく、間接的に求める検出装置でもよい。例えば、ヨーレイトセンサやピッチレイトセンサによりヨーレイトやピッチレイトを検出し、その積分によりロール角やピッチ角を求めるものとすることができる。また、ヨーレイトやピッチレイトを微分してロール角加速度やピッチ角加速度を求めるものとすることもできる。また、前後左右の車輪の各々において車体側部材と車輪側部材との距離を検出し、それらの検出結果に基づいてロール角やピッチ角、さらにはロール角速度やピッチ角速度、ロール角加速度やピッチ角加速度等を演算により求めるものとしてもよい。
(17)当該車両懸架システムが、車体のロールとピッチとの少なくとも一方を許容する姿勢変化許容装置を含み、前記姿勢関連情報取得部が、
その姿勢変化許容装置により設計上許容されるべき姿勢変化である目標車体姿勢変化を取得する目標車体姿勢変化取得部と、
実際の姿勢変化である実姿勢変化を取得する実姿勢変化取得部と、
その実姿勢変化取得部により取得された実姿勢変化の、前記目標車体姿勢変化取得部により取得された目標車体姿勢変化に対する偏差である姿勢偏差を前記姿勢関連情報として取得する姿勢偏差取得部と
を含む(13)項ないし(16)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
目標車体姿勢変化取得部は、例えば、前後加速度と横加速度との少なくとも一方に基づいて、目標車体姿勢を演算,テーブル等により取得するものとすることができる。
制御対象シリンダは、姿勢偏差が小さくなるように決定される。
(18)車体のロールとピッチとの少なくとも一方を許容する姿勢変化許容装置を含む (1)項ないし(17)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
姿勢変化許容装置は、例えば、後に実施例の項において説明するように、複数の液圧シリンダの各々の液圧室に連通して設けられ、作動液を加圧下に収容する複数のアキュムレータを含むものとすることができる。また、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2002−230299の明細書に記載の装置等他の装置を姿勢変化許容装置として採用することも可能である。
さらに、前記車輪側部材と車体側部材との間に配設されるショックアブソーバを前記液圧シリンダとして利用することも可能であり、その場合にはショックアブソーバが懸架スプリングと共同して姿勢変化許容装置を構成することとなる。
(19)車高が下限値以下の場合は前記流出許容装置による作動液の流出を禁止する流出禁止部を含む (1)項ないし(18)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
流出禁止部は、流出許容装置自体の作動を禁止するものでも、接地荷重制御装置から流出許容装置への作動液流出指令の出力を禁止するものでもよい。後者の場合には、接地荷重制御装置全体の作動を禁止するものでも、作動液流出指令の出力を禁止するものでもよい。流出禁止が4つの車輪の各々に対して行われるようにすることも可能であり、あるいは2つの前輪と2つの後輪との各車輪対の各々に対して行われるようにすることも可能であって、これらの場合には、流出禁止部を、接地荷重制御装置から特定の車輪に対応する流出許容装置への作動液流出指令の出力が禁止されるようにするか、特定の車輪に対応する流出許容装置の作動が禁止されるようにすればよい。なお、ストッパ装置により、各液圧シリンダの収縮限度が機械的に規定される場合には、流出禁止部は不可欠ではない。ストッパ装置を流出禁止部の一種と考えることもできる。
液圧シリンダから作動液が流出すれば、車体の、作動液が流出した液圧シリンダに対応する部分における高さが低くなるが、本項の車両懸架システムによれば、車高が低くなり過ぎて、例えば、車体が路面や路面の突部等に接触して損傷すること等が回避される。
(20)前記接地荷重制御装置が、前記少なくとも4つの車輪のうちの少なくとも1つの接地荷重が設定下限値以下である場合には前記流出許容装置の制御を停止する作動停止部を含む (1)項ないし(19)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
接地荷重が設定下限値以下である車輪については更に接地荷重を減少させても意味がないか、好ましくない場合が多く、本項の車両懸架システムによれば、接地荷重制御が無駄に行われることが回避される。
(21)前記2つの前輪と前記2つの後輪との前記少なくとも一方に対応する前記液圧シリンダの液圧室同士を接続する接続通路と、その接続通路に設けられてその接続通路の作動液の流れを制御する流通制御装置とを含む左右間差圧制御部を含む (1)項ないし(20)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
接続通路により接続された2つの液圧シリンダの液圧室同士を連通させ、それら液圧室の各液圧を互いに等しくすることができる。左右2つの液圧シリンダの各液圧室の液圧を個々に制御することによっても、液圧を等しくすることができるが、連通させれば、容易にかつ迅速に等しくすることができる。また、左右間差圧制御部を設ければ、左の液圧シリンダの液圧と右の液圧シリンダの液圧との差を制御することにより、単独で接地荷重制御やロール制御を行わせることができ、あるいは、本請求可能発明に従った接地荷重制御や車体姿勢制御を補助させることができる。
(22)前記流通制御装置が電磁開閉弁を含む(21)項に記載の車両懸架システム。
電磁開閉弁は、接続通路を連通状態と遮断状態とに切り換えるものであり、構成の単純化を図りつつ目的を達成し得るが、流通制御装置を、開状態および閉状態に加えて絞り状態をとり得る電磁可変絞り弁を含むものとすることも可能であり、その場合には、必要に応じてロール抑制制御を実行することも可能となる。
(23)前記接地荷重制御装置の作動中は前記作動液供給装置を作動させず、接地荷重制御装置の作動終了後に作動させる作動液供給装置制御部を含む (1)項ないし(22)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
ここにおいて、「接地荷重制御装置の作動中」とは、接地荷重制御装置が流出許容装置を流出許容状態にして、実際に車輪の接地荷重を変化させている状態および変化させた接地荷重を維持している状態をいい、単に流出許容装置を作動させる必要があるか否かを監視しているに過ぎない状態は含まないものとする。
接地荷重制御装置の作動が終了した後であれば、接地荷重制御との干渉のおそれなく車高を回復させることができる。
(24)ビークルスタビリティコントローラから、ビークルスタビリティ制御のために接地荷重を増大させるべき車輪の情報を取得し、その取得した情報に基づいて、前記少なくとも4つの液圧シリンダのうち収縮させるべき液圧シリンダを制御対象シリンダに決定する制御対象シリンダ決定部を含む(1)項に記載の車両懸架システム。
(25)車体のロールとピッチとの少なくとも一方を含む車体姿勢に関連した情報である姿勢関連情報を取得する姿勢関連情報取得部と、
前記少なくとも4つの車輪のうち接地荷重を変化させるべき車輪である荷重変化輪の情報を取得する荷重変化輪情報取得部と
を含み、前記制御対象シリンダ決定部が、前記姿勢関連情報取得部により取得された姿勢関連情報と、前記荷重変化輪情報取得部により取得された荷重変化輪情報との両方に基づいて、前記ロールとピッチとの少なくとも一方を含む車体姿勢の悪化を可及的に回避しつつ前記荷重変化輪の荷重を変化させるべく、前記複数の液圧シリンダのうち前記流出許容装置に作動液の流出を許容させるべきものである制御対象シリンダを決定することを特徴とする(1)項に記載の車両懸架システム。
以下、請求可能発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
本車両懸架システムは、図1に示すように、前後左右の4つの車輪10,12,14,16を備えた車両に設けられている。本車両懸架システムは、左前輪10,右前輪12,左後輪14,右後輪16にそれぞれ対応して設けられた液圧シリンダ20,22,24,26、それら液圧シリンダ20,22,24,26にそれぞれ対応して設けられた電磁制御弁装置としての電磁方向切換弁30,32,34,36、液圧シリンダ20,22,24,26に作動液を供給する作動液供給装置38および電子制御ユニット40を備えている。4つの液圧シリンダ20,24,26,28の構成および4つの電磁方向切換弁30,32,34,36の構成はそれぞれ同じであり、左前輪10について設けられた液圧シリンダ20および電磁方向切換弁30を代表的に説明する。
液圧シリンダ20は、シリンダハウジング50,シリンダハウジング50に液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン52およびピストンロッド54を備えている。液圧シリンダ20は、シリンダハウジング50において車輪側部材56に連結され、ピストンロッド54のシリンダハウジング50から突出させられた上端部において車体側部材57に連結されている。液圧シリンダ20は車輪側部材56と車体側部材57との間に配設され、車輪側部材56と車体側部材57との接近離間に伴って伸縮する。また、シリンダハウジング50と車体56との間には、付勢装置の一種である弾性部材としてのばね部材である圧縮コイルスプリング58が配設され、懸架スプリングを構成しており、車体56をシリンダハウジング50から離れる向きに付勢している。
シリンダハウジング50内には、ピストン52の嵌合により、ピストンロッド54が収容されたロッド側室である第一液圧室60と、ピストンロッド54が収容されていない第二液圧室62が形成されている。第一液圧室60の方が第二液圧室62より上側に位置し、これら液圧室60,62は、ピストン52を軸方向に貫通して設けられた液通路64により互いに連通させられている。液通路64には、可変絞り66が設けられている。可変絞り66は、本実施例においては電磁式とされており、供給電流量の制御により絞り量が自動的に変更される。
また、第二液圧室62にはアキュムレータ68が接続されており、ピストン52およびピストンロッド54の移動が許容され、車体の姿勢変化が許容される。アキュムレータ68は、本実施例においては、気体圧(例えば、ガス圧)式とされており、第二液圧室62に連通させられた蓄圧室ないし液圧室に作動液が加圧下に収容されて容積が増大するとともに気体圧室の気体が収縮し、それにより、ピストンロッド54のシリンダハウジング50内への進入が許容され、液圧シリンダ20の収縮および車輪側部材56と車体側部材57との接近が許容される。また、蓄圧室から第二液圧室62への作動液の排出および気体圧室の気体の膨張により、ピストンロッド54のシリンダハウジング50からの突出が許容され、液圧シリンダ20の伸長および車輪側部材56と車体側部材57との離間が許容される。アキュムレータ68はばね式でもよい。液通路64には可変絞り66が設けられているため、減衰作用が得られ、ピストン52の移動が抑制され、車体の姿勢変化が減衰され、抑制される。本実施例においてはショックアブソーバを液圧シリンダ20として利用しているのである。
第二液圧室62は、リザーバ80とポンプ82とに選択的に連通させられる。第二液圧室62に接続された液通路86,リザーバ80に接続された液通路88およびポンプ82に接続された液通路90の間に前記電磁方向切換弁30が設けられている。ポンプ82は駆動源としての電動モータ94により駆動され、リザーバ80から作動液を汲み上げて液圧シリンダ20に供給する。液通路90にはリリーフ弁96が設けられ、液圧シリンダ20に過大な液圧が供給されることが防止されるようにされている。これらポンプ82および電動モータ94等が作動液供給装置38を構成している。
電磁方向切換弁30は、本実施例においては3ポート3位置切換弁とされており、第二液圧室62をポンプ82から遮断し、リザーバ80に連通させて第二液圧室62からリザーバ80への作動液の流出を許容し、それにより第二液圧室62の液圧が減少して液圧シリンダ20が収縮することを許容する流出許容状態と、第二液圧室62をポンプ82およびリザーバ80のいずれからも遮断する遮断状態と、第二液圧室62をリザーバ80から遮断し、ポンプ82に連通させ、ポンプ82から供給される作動液を第二液圧室62に流入させ、液圧シリンダ20を伸長させる作動液供給状態とに切り換えられる。電磁方向切換弁30は、常には(ソレノイドの消磁状態では)、図1に示す遮断状態に切り換えられている。
2つのソレノイドのうちの一方の励磁により電磁方向切換弁30が流出許容状態に切り換えられた状態では、第二液圧室62の液圧の減少により接地荷重が減少させられるとともに、液圧シリンダ20の収縮により車体側部材57と車輪側部材56とが接近させられ、車体の左前輪10に対応する部分の車高が低下させられる。液圧シリンダ20が接地荷重減少状態ないし車高低下状態とされるのである。
電磁方向切換弁30が遮断状態に切り換えられた状態では、第二液圧室62からの作動液の流入も流出も行われず、第二液圧室62内の液圧が一定に保たれ、接地荷重が液圧に対応する大きさに保たれる。液圧シリンダ20が接地荷重維持状態ないし車高維持状態とされるのである。
他方のソレノイドの切換えにより、電磁方向切換弁30が作動液供給状態に切り換えられた状態では、ポンプ82が駆動されれば、作動液が第二液圧室62に供給され、第二液圧室62内の液圧が増大させられ、接地荷重が増大させられるとともに、液圧シリンダ20が伸長させられ、車体の左前輪10に対応する部分の車高が高くされる。液圧シリンダ20が接地荷重増大状態ないし車高増大状態とされるのである。
左右前輪10,12についてそれぞれ設けられた液圧シリンダ20,22の各第二液圧室62同士は接続通路100によって接続されるとともに、接続通路100に設けられた電磁開閉弁102により連通,遮断される。電磁開閉弁102は、本実施例においては常閉弁とされており、常には、第二液圧室62同士の連通は遮断されている。左右後輪14,16についてそれぞれ設けられた液圧シリンダ24,26についても同様である。
前記電子制御ユニット40は、CPU106,ROM108,RAM110およびそれらを接続するバス112を有するコンピュータ114を主体とするものである。バス112に接続された入出力インタフェース116には、ストロークセンサ122,前後加速度センサ124,横加速度センサ126および車両運動制御演算装置128等が接続されている。ストロークセンサ122は4輪のそれぞれについて設けられており、本実施例においては、車体側部材57の車輪10,12,14,16に対する距離をそれぞれ検出する。この距離に基づいて車体の4輪の各々に対応する部分の各路面に対する高さ(車高)が得られる。ストロークセンサ122により検出された距離は車高と一義的に対応しており、車高として扱ってよく、本実施例においては、以下に説明する接地荷重制御において、車輪接地荷重,目標ピッチ角度,目標ロール角度等の計算や、車高が下限値より高いか否か等の判定等には、ストロークセンサ122により検出された距離が車高として用いられる。この距離から車高を求めて上記判定等に用いてもよい。コンピュータ114はまた、図示を省略する駆動回路を介して電動モータ94,電磁方向切換弁30,32,34,36,電磁開閉弁102等を制御し、駆動回路と共に電子制御ユニット40を構成している。コンピュータ114のROM108には、図示を省略するメインルーチン,図2ないし図4にそれぞれフローチャートで示す接地荷重制御ルーチン等が記憶されており、コンピュータ114においては、それらルーチンが予め定められた設定時間毎に実行される。以下、図2ないし図4に基づいて車輪10,12,14,16の接地荷重制御を説明する。
図2に示す接地荷重制御ルーチンのステップ1(以後、S1と略記する。他のステップについても同じ。)においては、前後加速度および横(左右)加速度が検出される。前後加速度センサ124により検出される前後加速度および横加速度センサ126により検出される横加速度が読み込まれるのである。前後減速度は負の前後加速度として検出され、横減速度は負の横加速度として検出される。次いでS2が実行され、車高が検出される。ここでは、4つのストロークセンサ122によりそれぞれ検出される距離が読み込まれる。
次いでS3が実行され、前後加速度の絶対値が設定値α0以下であるか否かが判定される。設定値α0は、0に近い正の値であって、車両が加速中あるいは制動中であるか否かを判定し得る大きさに設定されている。前後加速度の絶対値が設定値α0より大きく、車両が加速中あるいは制動中であれば、S3の判定結果がNOになってS5以下のステップが実行され、接地荷重制御が行われる。前後加速度の絶対値が設定値α0以下であれば、加速あるいは制動が行われていないと判定され、S3の判定結果がYESになってS4が実行され、横加速度の絶対値が設定値β0以下であるか否かの判定が行われる。設定値β0は、0に近い正の値であって、車両が旋回中であるか否かを判定し得る大きさに設定されている。横加速度の絶対値が設定値β0より大きく、車両が旋回中であれば、S4の判定結果がNOになってS5以下のステップが実行される。
本車両にはアンチロックブレーキシステム,トラクションコントロールシステムおよびビークルスタビリティコントローラが設けられ、車両制動時,加速時および旋回時に車両の挙動,姿勢等が適正な状態となるよう.に制御されるようにされており、それら制御に応じて接地荷重を制御すべく、本ルーチンが実行される。S3,S4の実行により、車両がアンチロック制御等が行われる状態にあるか否かが判定されるのであり、前後加速度の絶対値と横加速度の絶対値との少なくとも一方が設定値α0,β0より大きいのであれば、S5以下のステップが実行され、接地荷重制御が行われる。また、前後加速度および横加速度の絶対値がいずれも設定値α0,β0以下であれば、アンチロック制御等は行われておらず、接地荷重制御は不要であり、S18以下のステップが実行され、接地荷重制御終了時の処理が行われる。接地荷重制御終了処理については後述する。
S5以下において行われる接地荷重制御を説明する。
S5においては、S1およびS2において読み込まれた前後加速度,横加速度および車高に基づいて4輪の各接地荷重が計算により求められる。ここにおいて車高として4つのストロークセンサ122により検出された4つの距離が用いられ、それらに基づいて車両の重心点高さ(重心点の路面に対する距離)が求められ、この重心点高さと前後加速度および横加速度とに基づいて4輪の各接地荷重が演算される。この接地荷重は、検出された前後加速度等に基づいて演算により求められ、間接的に検出されるものであり、検出接地荷重と称する。この検出接地荷重は、計算上の値であり、実際の接地荷重と一致することもあり、多少外れることもある。
続いてS6が実行され、前後加速度および車高に基づいて基準ピッチ角度が計算され、S7において横加速度および車高に基づいて基準ロール角度が計算される。ここにおいても車高として4つのストロークセンサ122によりそれぞれ検出された4つの距離が用いられ、基準ロール角度の計算にもそれら4つの距離に基づいて求められた重心点高さが用いられる。基準ピッチ角度および基準ロール角度は、前後加速度,横加速度および重心点高さに対して、本車両懸架システムが設けられた車両の設計上、得られるべきピッチ角度およびロール角度であって、目標ピッチ角度および目標ロール角度であり、車体の目標車体姿勢を規定する。
本実施例においては、図5に示すように、ロール角度は車体が基準姿勢、例えば、水平姿勢にある状態では0度、水平姿勢から右に傾いた場合(右傾ないし右下がりと称する)を正、左に傾いた場合(左傾ないし左下がりと称する)を負として求められる。また、図6に示すように、ピッチ角度は車体が基準姿勢、例えば、水平姿勢にある状態では0度、水平姿勢から前に傾いた場合(前傾ないし前下がりと称する)を正、後ろに傾いた場合(後傾ないし後下がりと称する)を負として求められる。したがって、例えば、車体が左側へ傾くほど、ロール角度は小さく(絶対値は大きく)なり、車体が後ろに傾くほどピッチ角度は小さく(絶対値は大きく)なる。
そして、S8において車両運動制御演算装置128から4輪の各目標接地荷重が読み込まれる。車両運動制御演算装置128は、本車両懸架システムも含め、車両に設けられた前記アンチロックブレーキシステム等、各種制御装置を統括する装置であり、制御モデルを備え、車両全体の運動状態に応じて各装置について適切な制御目標を設定するのであるが、本車両懸架システムに関連しては、4輪の各々について目標接地荷重を設定する。
次いでS9が実行され、左前輪10について接地荷重の偏差が求められる。この偏差は、S8において読み込まれた左前輪10について設定された目標接地荷重からS5において求められた左前輪10の検出接地荷重を引くことにより求められる。
車両においては、4つの車輪10,12,14,16のうちの1つについて接地荷重が減少させられれば、その車輪に対して対角位置にある車輪の接地荷重も減少し、それら2つの車輪を含む対角輪対とは別の対角輪対に含まれる2つの車輪については接地荷重が増大する。1つの車輪について接地荷重が減少させられても車両全体の重量が変わるわけではなく、その変わらない総重量を4つの車輪が共同で支えるのであるため、4つの車輪の接地荷重の合計は変わらず、接地荷重が直接減少させられる車輪以外の車輪において、必然的に接地荷重が減少あるいは増大するのである。
一方、本車両懸架システムは、液圧シリンダからの作動液の流出を許容し、その液圧シリンダに対応する車輪の接地荷重を減少させることにより4輪の接地荷重を制御するものである。したがって、4輪のうちの1つについて接地荷重を減少させるか増大させるかを決め、それが実現されるように作動液の流出を許容すべき液圧シリンダを決めて制御すれば、他の3つの車輪の接地荷重も制御されることとなる。すなわち、4輪のうちのいずれか1つを接地荷重制御態様決定用車輪とし、その車輪の検出接地荷重と目標接地荷重との比較に基づいて制御態様、すなわちいずれの液圧シリンダを電磁方向切換弁に作動液の流出を許容させるべき制御対象シリンダとするかを決定すればよいのである。接地荷重制御態様決定用車輪は、車輪10,12,14,16のうちのいずれでもよく、本実施例においては、左前輪10が接地荷重制御態様決定用車輪とされている。
S10において、S9において求められた偏差の絶対値が予め設定された設定偏差(正の値)より大きいか否かの判定が行われ、設定偏差より大きければ、S10の判定結果がYESになってS12が実行され、2つの電磁開閉弁102が閉じられる。4輪の各液圧シリンダ20,22,24,26の各接地荷重が個々に制御される状態とされるのである。電磁開閉弁102の開閉については、後に説明する。
次いでS13が実行され、車高が制限値の一種である下限値より高いか否かが判定される。車高が低過ぎるか否かが判定されるのである。この判定は4つのストロークセンサ122により検出された距離の各々について行われ、全部の車高がいずれも下限値より高いのであれば、S13の判定結果がYESになってS14が実行され、4輪の各接地荷重のうちの最小の接地荷重が設定下限値である下限接地荷重より大きいか否かが判定される。下限接地荷重は通常の走行状態では生じ得ない小さい値に設定されている。
最小接地荷重が下限接地荷重より大きいのであれば、S14の判定結果はYESになってS15が実行され、S9において求められた左前輪10の接地荷重の偏差が0より小さいか否かが判定される。ここでは単に検出接地荷重が目標接地荷重より大きいか否かが判定されるのであるが、このS15はS10の判定がYESとなった場合に実行されるステップであるため、S15の判定がYESとなる場合には、左前輪10の検出接地荷重が目標接地荷重より設定偏差を超えて大きいこととなる。その場合にはS16、すなわち図3に示す左前輪接地荷重過大時制御ルーチンが実行される。また、S15の判定結果がNOの場合には、左前輪10の検出接地荷重が目標接地荷重より設定偏差以上小さいこととなるが、この場合にはS17、すなわち図4に示す左前輪接地荷重不足時制御ルーチンが実行される。
図3に示す左前輪接地荷重過大時制御ルーチンを説明する。
本ルーチンは、左前輪10の検出接地荷重が目標接地荷重より大きく、その差が設定偏差より大きい場合に行われ、左前輪10の接地荷重を減少させて目標接地荷重に近づけつつ、車体姿勢の目標車体姿勢からの外れをできる限り小さくするように作成されている。左前輪10が接地荷重を減少させるべき車輪(接地荷重減少車輪)であり、左前輪10に対応する液圧シリンダ20から作動液を流出させ、接地荷重を直接減少させる直接制御と、左前輪10に対して対角位置にある右後輪16に対応する液圧シリンダ26から作動液を流出させ、右後輪16の接地荷重を減少させることにより左前輪10の接地荷重を減少させる間接制御とのいずれかによって、左前輪10の接地荷重を減少させることができる。
そのため、左前輪接地荷重過大時制御ルーチンにおいては、左前輪10と右後輪16との少なくとも一方が制御対象車輪に決定され、それら左前輪10と右後輪16とにそれぞれ対応する液圧シリンダ20,26の少なくとも一方が制御対象シリンダに決定され、それに従って電磁方向切換弁30,36が制御される。いずれを制御対象シリンダとするかは、本実施例においては、それぞれ車体姿勢の一種であるロールおよびピッチの大きさおよび方向によって決められる。ロール角度およびピッチ角度(大きさおよび方向を含む)に基づく制御対象シリンダの設定を図7の図表に示す。制御対象車輪は、それに対応して設けられた液圧シリンダが制御対象シリンダとされ、接地荷重が直接減少させられる車輪であり、ここでは、左前輪10の接地荷重を減少させつつ、車体姿勢の目標車体姿勢からの外れができる限り小さくなる車輪が制御対象車輪に決定される。図7の図表においてFLは左前輪10、FRは右前輪12、RLは左後輪14、RRは右後輪16を表す。
本実施例では、前述のように、車体が右に傾くほどロール角度が大きくなることとされており、「ロール角度の不足」は、実際のロール角度である実ロール角度が、車体の左右方向における目標車体姿勢を規定する目標ロール角度より小さく、実際の車体姿勢が目標車体姿勢より左に傾いていることであり、「ロール角度が適正」は、実ロール角度が目標ロール角度と等しく(正確には、両ロール角度の差の絶対値が設定ロール角差(正の値)以下である)、実際の車体姿勢が左右方向においてほぼ目標車体姿勢になっていることであり、「ロール角度の過大」は、実ロール角度が目標ロール角度より大きく、実際の車体姿勢が目標車体姿勢より右に傾いていることである。また、車体が前傾するほどピッチ角度が大きくなることとされており、「ピッチ角度の不足」は、実際のピッチ角度である実ピッチ角度が、車体の前後方向における目標車体姿勢を規定する目標ピッチ角度より小さく、実際の車体姿勢が目標車体姿勢より後方に傾いていることであり、「ピッチ角度が適正」は、実ピッチ角度が目標ピッチ角度に等しく(正確には、両ピッチ角度の差の絶対値が設定ピッチ角差(正の値)以下である)、車体姿勢が前後方向においてほぼ目標車体姿勢になっていることであり、「ピッチ角度が過大」は、実ピッチ角度が目標ピッチ角度より大きく、実際の車体姿勢が目標車体姿勢より前方に傾いていることである。
図7の図表に示すように、(A)ロール角度およびピッチ角度がいずれも不足する場合、(B)いずれも適正な場合、(C)いずれも過大な場合にはそれぞれ、左前輪10および右後輪16の両方が制御対象車輪とされ、液圧シリンダ20,26が制御対象シリンダとされ、車輪10,16の接地荷重が直接減少させられる。
(A)の場合、左前輪10の接地荷重の減少により、左前輪10部(車体の左前輪10に対応する部分)において車高が低くなり、車体が前方側へ傾いてピッチ角度の不足が減少させられ、右後輪16の接地荷重の減少により、右後輪16部において車高が低くなり、車体が右側へ傾いてロール角度の不足が減少させられる。左前輪10の接地荷重のみを減少させれば、ピッチ角度の不足は減少させられるが、ロール角度の不足が増大させられる。また、右後輪16の接地荷重のみを減少させれば、ロール角度の不足は減少させられるが、ピッチ角度の不足が増大させられる。左前輪10と右後輪16との一方のみの接地荷重の減少では、実際の車体姿勢の目標車体姿勢からの外れが更に大きくなるのであり、左前輪10および右後輪16が制御対象車輪とされ、左前輪10の接地荷重を減少させて目標接地荷重に近づけつつ、車体姿勢の目標車体姿勢からの外れができる限り小さくなるようにされる。
(C)の場合、左前輪10の接地荷重の減少により、過大なロール角度が減少させられ、右後輪16の接地荷重の減少により、過大なピッチ角度が減少させられる。左前輪10の接地荷重のみを減少させれば、過大なロール角度は減少させられるが、過大なピッチ角度が更に増大させられ、右後輪16の接地荷重のみを減少させれば、過大なピッチ角度は減少させられるが、過大なロール角度が更に増大させられて実際の車体姿勢の目標車体姿勢からの外れが大きくなる。そのため、左前輪10および右後輪16が制御対象車輪とされる。ピッチ角度およびロール角度は、同時に増大させ、同時に減少させることはできず、(A)および(C)の場合、車体姿勢の補正は行われず、接地荷重制御のみが行われると考えることもできる。
(B)の場合、ピッチ角度およびロール角度が共に適正であり、左前輪10の接地荷重を減少させれば、ピッチ角度が過大になるとともに、ロール角度が不足し、右後輪16の接地荷重を減少させれば、ピッチ角度が不足するとともに、ロール角度が増大する。左前輪10および右後輪16の両方の接地荷重を減少させれば、ロール角度およびピッチ角度のいずれも増大と減少とが打ち消し合い、左前輪10の接地荷重を減少させて目標接地荷重に近づけつつ、実際の車体姿勢が目標車体姿勢からの外れが抑制されるため、左前輪10および右後輪16が制御対象車輪とされる。図3に示すフローチャートにおいて、(A)の場合の接地荷重制御は、S31,S36,S35により行われ、(B)の場合の接地荷重制御は、S31,S32,S37,S38,S35により行われ、(C)の場合の接地荷重制御は、S31,S32,S33,S35により行われる。
また、本実施例においては、図7の図表に示すように、(D)ロール角度が適正であるがピッチ角度が不足する場合、(E)ロール角度が過大であり、ピッチ角度が不足する場合、(F)ピッチ角度が適正であるが、ロール角度が過大な場合には、左前輪10が制御対象車輪とされ、液圧シリンダ20が制御対象シリンダとされる。
(D)の場合、左前輪10の接地荷重を減少させれば、ロール角度が減少させられて適正なロール角度が不足となるが、ピッチ角度が増大させられてピッチ角度の不足が減少させられる。この場合、右後輪16の接地荷重のみを減少させれば、ロール角度が増大させられて適正なロール角度が過大となるとともに、ピッチ角度が減少させられてピッチ角度の不足が増大させられ、実際の車体姿勢の目標車体姿勢からの外れが大きくなる。左前輪10および右後輪16の両方の接地荷重を減少させれば、ロール角度が増減させられ、ピッチ角度が増減させられて車体姿勢は良くも悪くならない。これは以下に説明する(E)〜(I),(a)〜(c),(g)〜(i)の場合も同様である。そのため、ピッチ角度の不足を減少させることができる左前輪10が制御対象車輪とされる。
(E)の場合、左前輪10の接地荷重を減少させれば、過大なロール角度が減少させられるとともに、ピッチ角度の不足が減少させられ、ロール角度,ピッチ角度のいずれも目標角度に近づけられる。右後輪16の接地荷重を減少させても、過大なロール角度が更に増大させられるとともに、ピッチ角度の不足がさらに増大させられるのみであり、左前輪10が制御対象車輪とされる。
(F)の場合、左前輪10の接地荷重を減少させれば、ピッチ角度は過大となるが、過大なロール角度が減少させられる。右後輪16の接地荷重を減少させれば、ピッチ角度が不足になるとともに過大なロール角度が更に増大させられ、車体姿勢の目標車体姿勢からの外れが大きくなるため、左前輪10が制御対象車輪とされる。図3に示すフローチャートにおいて、(D)の制御はS31,S32,S37,S38,S34により行われ、(E),(F)の制御はS31,S32,S33,S34により行われる。
さらに、本実施例においては、図7の図表に示すように、(G)ロール角度が不足するがピッチ角度が適正な場合、(H)ロール角度が不足し、ピッチ角度が過大な場合、(I)ロール角度が適正であるが、ピッチ角度が過大な場合には、右後輪16が接地荷重制御対象車輪とされ、液圧シリンダ26が制御対象シリンダとされる。
(G)の場合、右後輪16の接地荷重を減少させれば、ピッチ角度は不足になるが、ロール角度の不足が減少させられる。この場合、左前輪10の接地荷重を減少させれば、ピッチ角度が過大になるとともに、ロール角度の不足が増大させられる。そのため、右後輪16が制御対象車輪とされる。
(H)の場合、右後輪16の接地荷重を減少させれば、過大なピッチ角度が減少させられるとともに、ロール角度の不足が減少させられる。この場合、左前輪10の接地荷重を減少させれば、ロール角度の不足が増大させられるとともに、過大なピッチ角度が更に増大させられる。そのため、右後輪16が制御対象車輪とされる。
(I)の場合、右後輪16の接地荷重を減少させれば、ロール角度は過大になるが、過大なピッチ角度は減少させられる。この場合、左前輪10の接地荷重を減少させれば、ロール角度が不足となり、過大なピッチ角度が更に増大させられる。そのため、右後輪16が制御対象車輪とされる。図3のフローチャートにおいて、(G),(H)の制御はS31,S36,S39によって行われ、(I)の制御はS31,S32,S37,S39によって行われる。
図3に示すフローチャートに基づいて接地荷重制御を具体的に説明する。
まず、S31において、実ロール角度が目標ロール角度より小さいか否かが判定される。ロール角度が不足しているか否かが判定されるのである。目標ロール角度は先にS7において算出されており、実ロール角度は、本実施例においては、4つのストロークセンサ122によりそれぞれ検出された距離に基づいて演算により取得される。
実ロール角度が目標ロール角度以上であれば、ロール角度は不足しておらず、適正であるか、あるいは過大であり、S31の判定結果はNOになってS32が実行され、実ロール角度が目標ロール角度と等しいか否かが判定される。実ロール角度が目標ロール角度より大きいのであれば、ロール角度は過大であり、S32の判定結果がNOになってS33が実行され、実ピッチ角度が目標ピッチ角度より大きいか否かが判定される。ピッチ角度が過大であるかが判定されるのである。目標ピッチ角度は先にS6において算出されており、実ピッチ角度は、本実施例においては、4つのストロークセンサ122によりそれぞれ検出された距離に基づいて演算により取得される。
実ピッチ角度が目標ピッチ角度以下であり、適正であるか、あるいは不足しているのであれば、S33の判定結果がNOになってS34が実行される。この場合、左前輪10が制御対象車輪に決定され、それに対応する液圧シリンダ20が制御対象シリンダに決定されて、液圧シリンダ20について設けられた電磁方向切換弁30が流出許容状態とされ、他の車輪12,14,16に対応する液圧シリンダ22,24,26について設けられた電磁方向切換弁32,34,36がそれぞれ、遮断状態とされる。また、液圧シリンダ20については、ピストン52に設けられた可変絞り66が全開とされ、絞り量が0とされる。そのため、第二液圧室62から第一液圧室60に流入する作動液の流量が絞られず、減衰作用は生ぜず、ピストン52が迅速に移動し、第二液圧室62から作動液が速やかに流出して左前輪10の接地荷重が減少させられるとともに、左前輪10部の車高が減少させられてピッチ角度の不足が減少させられ、過大なロール角度が減少させられる。実際の車体姿勢の目標車体姿勢からの外れを小さく抑えつつ、左前輪10の接地荷重が速やかに減少させられるのである。液圧シリンダ22,24,26については、可変絞り66が絞り量が予め設定された大きさとなるようにされる。制御対象シリンダ以外の液圧シリンダにおいては、可変絞り66が所定の絞り状態とされるのである。
実ロール角度が目標ロール角度と等しいのであれば、S31の判定結果がNO、S32の判定結果がYESになってS37が実行される。S37においては、実ピッチ角度が目標ピッチ角度より大きいか否かの判定が行われ、実ピッチ角度が目標ピッチ角度以下であれば、S37の判定結果がNOになってS38が実行され、実ピッチ角度が目標ピッチ角度と等しいか否かが判定される。実ピッチ角度が目標ピッチ角度より小さいのであれば、S38の判定結果がNOになってS34が実行され、左前輪10の接地荷重が減少させられるとともに実ピッチ角度が増大させられ、ピッチ角度の不足が減少させられる。
ロール角度もピッチ角度も共に目標角度より大きい場合には、S31,S32の判定結果がNO、S33の判定結果がYESになってS35が実行される。この場合、左前輪10および右後輪16が制御対象車輪に決定され、それらに対応する液圧シリンダ20,26が制御対象シリンダに決定され、それらについて設けられた電磁方向切換弁30,36が流出許容状態とされ、右前輪12および左後輪14に対応する液圧シリンダ22,24について設けられた電磁方向切換弁32,34が遮断状態とされる。また、液圧シリンダ20,26のピストン52に設けられた可変絞り66が全開とされ、実際の車体姿勢の目標車体姿勢からの外れを小さく抑えつつ、左前輪10の接地荷重が速やかに減少させられる。
ロール角度もピッチ角度も共に目標角度と等しく、適正であれば、S31の判定結果がNO、S32の判定結果がYES,S37の判定結果がNO、S38の判定結果がYESになってS35が実行される。
ロール角度が不足している場合には、S31の判定結果がYESになってS36が実行され、ピッチ角度が目標ピッチ角度より小さいか否かが判定される。ピッチ角度が目標ピッチ角度より小さく、不足している場合には、S36の判定結果がYESになってS35が実行される。
ロール角度が目標ロール角度より小さく、不足しており、ピッチ角度が目標ピッチ角度以上であって、適正であるか過大である場合には、S31の判定結果がYES、S36の判定結果がNOになってS39が実行される。この場合、右後輪16が制御対象車輪に決定され、それに対応する液圧シリンダ26が制御対象シリンダに決定され、それについて設けられた電磁方向切換弁36が流出許容状態とされ、他の液圧シリンダ20,22,24について設けられた電磁方向切換弁30,32,34は遮断状態とされる。また、液圧シリンダ26のピストン52の可変絞り66は全開状態とされる。S39の実行により右後輪16の接地荷重が減少させられる。それにより、車体が右側および後方へ傾けられ、実際の車体姿勢の目標車体姿勢からの外れができる限り小さく抑えられつつ、右後輪10と対角輪対を構成する左前輪10の接地荷重が間接的に減少させられる。
ロール角度が目標ロール角度と等しく、適正であるが、ピッチ角度が目標ピッチ角度より大きく、過大な場合には、S31,S32,S37の判定結果がYESとなってS39が実行される。
次に、左前輪10の接地荷重の偏差が0以上であり、検出接地荷重が目標接地荷重より設定偏差以上小さい場合の制御を図4に示すフローチャートおよび図8に示す図表に基づいて説明する。この場合、左前輪10が接地荷重を増大させるべき車輪(接地荷重増大車輪)となり、左前輪10および右後輪16を含む対角輪対とは別の対角輪対を構成する右前輪12および左後輪14の少なくとも一方の接地荷重を減少させることにより、左前輪10の接地荷重を間接的に増大させる。この場合にも、制御対象車輪および制御対象シリンダが車体のロール角度およびピッチ角度に基づいて決定され、実際の車体姿勢の目標車体姿勢からの外れをできる限り小さく抑えつつ、左前輪10の接地荷重を増大させるように接地荷重制御が行われる。
接地荷重制御は、図8の図表に示す規則に従って行われる。この表から明らかなように、(a)ピッチ角度およびロール角度がいずれも不足する場合、(b)ピッチ角度は適正であるが、ロール角度が不足する場合、(c)ピッチ角度が不足するが、ロール角度は適正な場合には、右前輪12が制御対象車輪とされ、液圧シリンダ22が制御対象シリンダとされる。
(a)の場合、右前輪12の接地荷重の減少により、右前輪12部において車高が低くなり、車体が前方側へ傾くとともに右側へ傾き、ピッチ角度の不足およびロール角度の不足が減少させられる。この場合、左後輪14の接地荷重のみを減少させれば、左後輪14部において車高が低くなり、車体が後方側へ傾くとともに左側へ傾き、ピッチ角度およびロール角度の不足が増大させられる。そのため、右前輪12が制御対象車輪とされ、液圧シリンダ22が制御対象シリンダとされる。
(b)の場合、右前輪12の接地荷重の減少により、ピッチ角度は過大になるが、ロール角度の不足が減少させられる。この場合、左後輪14の接地荷重のみを減少させれば、ピッチ角度が不足になるとともに、ロール角度の不足が増大させられる。そのため、右前輪12が制御対象車輪とされる。
(c)の場合、右前輪12の接地荷重の減少により、ロール角度は過大になるが、ピッチ角度の不足が減少させられる。この場合、左後輪14の接地荷重のみを減少させれば、ロール角度が不足になるとともに、ピッチ角度の不足が増大させられる。そのため、右前輪12が制御対象車輪とされる。
右前輪12の接地荷重を減少させる場合には、右前輪12に対応する液圧シリンダ22について設けられた電磁方向切換弁32が流出許容状態とされ、他の3輪10,14,16にそれぞれ対応する液圧シリンダ20,24,26について設けられた電磁方向切換弁30,34,36は遮断状態とされる。また、液圧シリンダ22のピストン52の可変絞りは全開状態とされる。図4に示すフローチャートでは、(a),(b)の制御はS51,S52,S53,S54により行われ、(c)の制御はS51,S52,S57,S58,S54により行われる。
(d)ロール角度が不足し、ピッチ角度が過大な場合、(e)ロール角度およびピッチ角度がいずれも適正である場合、(f)ロール角度が過大であり、ピッチ角度が不足する場合には、右前輪12および左後輪14が制御対象車輪とされ、液圧シリンダ22,24が制御対象シリンダとされ、右前輪12および左後輪14の両方について接地荷重が減少させられる。
(d)の場合、右前輪12の接地荷重の減少によりロール角度の不足が減少させられる。左後輪14の接地荷重の減少により、左後輪14部において車高が低くなり、車体が後方へ傾いて過大なピッチ角度が減少させられる。右前輪12の接地荷重のみを減少させれば、ロール角度の不足は減少させられるが、車体が右側へ傾いて過大なロール角度が更に増大させられる。また、左後輪14の接地荷重のみを減少させれば、過大なピッチ角度は減少させられるが、車体が左側へ傾いてロール角度の不足が増大させられる。一方のみの接地荷重の減少では、実際の車体姿勢の目標車体姿勢からの外れが更に大きくなるのであり、右前輪12および左後輪14を制御対象車輪とし、左前輪10の接地荷重を増大させつつ、実際の車体姿勢の目標車体姿勢からの外れができる限り小さくなるようにされる。
(f)の場合、右前輪12の接地荷重の減少によりピッチ角度の不足が減少させられ、左後輪14の接地荷重の減少により過大なロール角度が減少させられる。右前輪12の接地荷重のみを減少させれば、ピッチ角度の不足は減少させられるが、過大なロール角度が更に増大させられ、左後輪14の接地荷重のみを減少させれば、過大なロール角度は減少させられるが、ピッチ角度の不足が増大させられる。そのため、右前輪12および左後輪14が制御対象車輪とされる。
(e)の場合、ロール角度およびピッチ角度が適正な状態にあり、右前輪12の接地荷重のみを減少させれば、ピッチ角度およびロール角度が増大し、左後輪14の接地荷重のみを減少させれば、ロール角度あるいはピッチ角度が不足する。右前輪12および左後輪14の両方の接地荷重を減少させれば、ロール角度およびピッチ角度の各々について増大と減少とが打ち消し合い、左前輪10の接地荷重を増大させつつ、車体姿勢の目標車体姿勢からの外れが抑制されるため、右前輪12および左後輪14が制御対象車輪とされる。
(d),(e),(f)の場合、右前輪12および左後輪14に対応する液圧シリンダ22,24について設けられた電磁方向切換弁32,34が流出許容状態とされ、他の2輪10,16に対応する液圧シリンダ20,26について設けられた電磁方向切換弁30,36が遮断状態とされる。また、液圧シリンダ22,24のピストン52の可変絞り66が全開状態とされる。図4に示すフローチャートでは、(d)の制御はS51,S52,S53,S55によって行われ、(e)の制御はS51,S52,S57,S58,S55によって行われ、(f)の制御はS51,S56,S55によって行われる。
(g)ロール角度は適正であるがピッチ角度が過大な場合、(h)ロール角度が過大であるがピッチ角度は適正な場合、(i)ロール角度およびピッチ角度が共に過大な場合には、左後輪14が制御対象車輪とされ、液圧シリンダ24が制御対象シリンダとされる。
(g)の場合、左後輪14の接地荷重を減少させることにより、ロール角度は不足になるが、過大なピッチ角度が減少させられる。この場合、右前輪12の接地荷重のみを減少させれば、ロール角度が過大になるとともに、過大なピッチ角度が更に増大させられる。そのため、左後輪14が制御対象車輪とされる。
(h)の場合、左後輪14の接地荷重を減少させることにより、ピッチ角度は不足になるが、過大なロール角度は減少させられる。この場合、右前輪12の接地荷重のみを減少させれば、ピッチ角度が過大になるとともに、過大なロール角度が更に増大させられるため、左後輪14が制御対象車輪とされる。
(i)の場合、左後輪14の接地荷重を減少させることにより、過大なピッチ角度および過大なロール角度がいずれも減少させられる。この場合、右前輪12の接地荷重のみを減少させれば、過大なピッチ角度および過大なロール角度が更に増大させられるため、左後輪14が制御対象車輪とされる。
図4に示すフローチャートでは、(g)の制御はS51,S52,S57,S59によって行われ、(h),(i)の制御はS51,S56,S59によって行われる。S59においては、左後輪14に対応する液圧シリンダ24について設けられた電磁方向切換弁34が流出許容状態に切り換えられ、他の3輪10,12,16に対応する液圧シリンダ20,22,26について設けられた電磁方向切換弁30,32,36が遮断状態に切り換えられる。また、液圧シリンダ24のピストン52の可変絞り66が全開状態とされる。図4のフローチャートに基づく更に詳細な説明は省略する。
なお、前述のように、4輪のうちのいずれか1つである接地荷重制御態様決定用車輪を荷重減少輪あるいは荷重増大輪に決め、それについて荷重が減少あるいは増大させられるように接地荷重の制御を行えば、他の3輪の接地荷重も適正に制御される。例えば、右前輪12を接地荷重制御態様決定用車輪とし、その検出接地荷重を目標接地荷重と比較し、偏差の絶対値が設定偏差より大きく、偏差が0より小さくて荷重減少輪とされたとすれば、その場合の接地荷重制御は、左前輪10の検出接地荷重が目標接地荷重より設定偏差を超えて小さい場合の制御であって、図8に示す接地荷重制御と同じになる。右前輪12の接地荷重が目標接地荷重より大きいとき、左前輪10の接地荷重は目標接地荷重より小さく、左前輪10について接地荷重が増大するように制御が行われれば、右前輪12については接地荷重が減少させられ、目標接地荷重に近づけられるのである。説明は省略するが、左後輪14および右後輪16についても接地荷重が目標接地荷重に近づくように制御されることとなる。
また、4輪の各接地荷重を目標接地荷重に近づけることにより接地荷重配分が変わり、制御対象車輪以外の車輪であって、対応する液圧シリンダから作動液が流出させられない車輪の部分においても、接地荷重の増減によりスプリング58が伸縮し、アキュムレータ68の蓄圧室に作動液が収容,排出され、液圧シリンダが伸縮させられて車高が増減させられる。接地荷重の減少によりスプリング58が伸長するとともに、アキュムレータ68の蓄圧室から第二液圧室62へ作動液が排出されて車高が高くなり、接地荷重の増大によりスプリング58が収縮し、アキュムレータ68の蓄圧室に第二液圧室62の作動液が収容されて車高が低くなるのである。しかし、車高の増大量は、液圧シリンダに作動液を供給して増大させる場合ほど多くなく、車高の減少量も液圧シリンダからの作動液の流出により減少させられる場合ほど多くなく、また、制御対象車輪は、選択車輪の接地荷重を目標接地荷重に近づけつつ、車体姿勢の目標車体姿勢からの外れを少なく抑えることができる車輪に決定されるため、制御対象車輪以外の車輪の部分における車高の増減が、制御対象車輪に対応する液圧シリンダから作動液を流出させることによる車体姿勢の目標車体姿勢からの外れの抑制に与える影響は少なくて済む。
上記のようにして接地荷重制御が行われている間に、左前輪10の実際の接地荷重が目標接地荷重に近づけられ、偏差の絶対値が設定偏差以下になれば、S10の判定結果がNOになってS11が実行され、4つの電磁方向切換弁30,32,34,36がいずれも遮断状態とされる。偏差の絶対値が設定偏差以下であれば、検出接地荷重と目標接地荷重とがほぼ同じであり、液圧シリンダからの作動液の流出を許容させて接地荷重を制御しなくてよく、全部の電磁方向切換弁30,32,34,36が閉じられ、偏差の絶対値が設定偏差以下になった状態が保たれるようにされるのである。また、全部の液圧シリンダ20,22,24,26の各ピストン52の可変絞り66が予め設定された絞り状態とされる。例えば、左前輪10の検出接地荷重が制御により目標接地荷重に近づけられれば、他の3輪においても検出接地荷重が目標接地荷重に近づけられ、全部の電磁方向切換弁30,32,34,36が遮断状態とされる。
上記のようにして接地荷重制御が行われるとき、液圧シリンダから作動液が流出させられて接地荷重が直接減少させられた車輪は、車体のその車輪に対応する部分その車高が減少する。そして、車体の4輪のそれぞれに対応する部分における車高が1つでも下限値以下になれば、S13の判定結果がNOになってS11が実行され、全部の電磁方向切換弁30,32,34,36が遮断状態とされることにより作動液の流出が禁止され、接地荷重制御が停止されて、それ以上、車高が低くならないようにされる。
また、接地荷重が直接あるいは間接に減少させられ、4輪の各接地荷重のうちの1つでも下限接地荷重以下になれば、S14の判定結果がNOになってS11が実行される。この場合、それ以上、接地荷重を減少させても意味がないため、電磁方向切換弁30,32,34,36の制御が停止され、接地荷重制御が停止されるのである。
接地荷重制御を行う必要がなくなれば、接地荷重制御は終了させられる。本実施例においては、前述のように、アンチロックブレーキシステム等、他の装置における制御との関係において目標接地荷重が設定され、接地荷重が設定された大きさに制御されるようにされており、アンチロック制御等がいずれも行われなくなれば、接地荷重制御も終了させられる。
本実施例においては、前後加速度の絶対値および横加速度の絶対値がいずれも設定値α0,β0以下になり、その状態が設定時間継続すれば、アンチロック制御等が行われなくなったとされる。そのため、S3,S4の判定結果がいずれもYESになれば、S18が実行され、4つの電磁方向切換弁30,32,34,36の全部が遮断状態にされるとともに、液圧シリンダ20,22,24,26の各可変絞り66が通常の絞り状態に戻るようにされた後、S19において、両加速度の絶対値がいずれも設定値以下になってから(S3,S4のいずれか一方の判定結果がNOの状態から、S3,S4の判定結果がいずれもYESになってから)設定時間が経過したか否かが判定される。この判定結果は設定時間が経過するまでNOであり、ルーチンの実行は終了する。
前後加速度の絶対値および横加速度の絶対値がいずれも設定値以下の状態が設定時間継続すれば、S19の判定結果がYESになってS20が実行され、左右前輪10,12と左右後輪14,16とについてそれぞれ設けられた電磁開閉弁102が開かれる。それにより、液圧シリンダ20,22の各第二液圧室62同士が連通させられて液圧が速やかに等しくなり、液圧シリンダ24,26の各第二液圧室62同士が連通させられて液圧が速やかに等しくなる。また、スプリング58の作用により左右前輪10,12の高さが同じにされ、左右後輪14,16の高さが同じにされ、車体が前部および後部においてそれぞれ水平となる。
次いでS21が実行され、電磁開閉弁102が開かれてから設定時間が経過したか否かが判定される。この設定時間は、電磁開閉弁102が開かれてから、2つの液圧シリンダの各第二液圧室62同士の液圧が等しくなるのに十分な長さに設定されている。S21の判定結果は設定時間が経過するまでNOであり、ルーチンの実行は終了する。電磁開閉弁102が開かれてから設定時間が経過すれば、S21の判定結果はYESになってS22が実行され、電磁開閉弁102が閉じられる。そして、S23が実行され、車体の4輪の各々に対応する部分における各車高がそれぞれ適正であるか、すなわち予め設定された基準高さであるか否かが判定される。この判定は、本実施例においては、4つのストロークセンサ122によりそれぞれ検出される距離を基準値と比較することにより行われる。1つでも車高が基準高さより低い部分があれば、S23の判定結果がNOになってS24が実行され、車高回復制御が行われる。接地荷重制御が行われなくなり、全部の電磁方向切換弁30,32,34,36が閉じられて接地荷重制御が終了させられた後に車高調整制御が行われ、車高が基準値に戻される。電磁方向切換弁が流出許容状態に切り換えられ、それによって作動液が流出させられた液圧シリンダに対して作動液が供給され、接地荷重の制御により低下した車高が回復させられるのである。接地荷重制御中は車高調整制御が禁止されていると考えることもできる。
この制御は、車体の対応する部分の車高が基準高さより低い車輪に対応する液圧シリンダについて設けられた電磁方向切換弁を作動液供給状態に切り換えるとともに、ポンプ82を作動させ、リザーバ80から作動液を汲み上げて第二液圧室62に供給させることにより行われる。車体の対応する部分の車高が基準高さより低い車輪が複数あれば、それら複数の車輪の全部に対応する液圧シリンダに同時に作動液が供給され、車体の複数の車輪にそれぞれ対応する部分において車高が同時に増大させられ、あるいは予め設定された規則に従って、車体の複数の車輪にそれぞれ対応する複数の部分のうちの1つずつについて順番に車高が増大させられる。例えば、実際の高さと基準高さとの差が最も大きい車輪であって、最も車高が低い車輪から先に車高が高くされる。あるいは複数の部分について、交互に少しずつ車高が高くされる。全部の車輪において車体の対応する部分の車高が基準高さ以上になれば、S23の判定結果がYESになってS25が実行され、終了処理が実行される。ポンプ82の作動停止、電磁方向切換弁の遮断状態への切換え等が行われるのである。
なお、例えば、電磁開閉弁102が開かれた後、設定時間の経過を待つ間に前後加速度の絶対値と横加速度の絶対値との少なくとも一方が設定値以下でなくなった場合には、S3あるいはS4の判定結果がNOになってS5以下のステップが実行される。この場合、S12において電磁開閉弁102が閉じられ、4輪が個々に接地荷重制御されるようにされる。車高回復制御中に前後加速度の絶対値と横加速度の絶対値との少なくとも一方が設定値以下でなくなった場合にもS5以下のステップが実行される。これらの場合、4つの電磁方向切換弁30,32,34,36は、S3あるいはS4の判定結果がNOになったときの切換状態がいずれであっても、S34,S35,S39,S54,S55およびS59のいずれかの実行により、そのステップにおいて定められた状態に切り換えられる。S20において、4つの電磁方向切換弁30,32,34,36が閉じられた状態が設定時間継続することを待っている間に、S3あるいはS4の判定結果がNOになった場合も同様である。
以上の説明から明らかなように、本実施例においては、4つの電磁方向切換弁30,32,34,36が流出許容装置としての接地荷重制御弁装置、流入許容装置としての車高制御弁装置を構成し、電子制御ユニット40が接地荷重制御装置を構成し、電子制御ユニット40のS35を実行する部分が第一対角輪対制御部を構成し、S55を実行する部分が第二対角輪対制御部を構成し、これらが複数輪制御部を構成している。また、電子制御ユニット40のS34,S35を実行する部分が直接制御部を構成し、S39,S54,S55,S59を実行する部分が間接制御部を構成し、S39を実行する部分が対角単輪制御部を構成している。さらに、接地荷重制御態様決定用車輪を構成する左前輪10が選択車輪を構成し、電子制御ユニット40のS8を実行する部分が選択車輪目標接地荷重取得部を構成し、S5を実行する部分が選択車輪接地荷重検出装置を構成し、S9,S10,S15を実行する部分が選択車輪接地荷重増減要否決定部を構成し、S34,S35,S39,S54,S55,S59を実行する部分が姿勢関連情報依拠制御対象シリンダ決定部としてのロール考慮型制御対象シリンダ決定部およびピッチ考慮型制御対象シリンダ決定部を構成している。さらにまた、S6およびS7を実行する部分が目標姿勢変化取得部を構成し、S31等において実ロール角度および実ピッチ角度を取得する部分が実姿勢変化取得部ないし姿勢関連情報検出装置を構成し、S31ないしS33,S36ないしS38を実行する部分およびS51ないしS53,S56ないしS58を実行する部分が姿勢偏差取得部を構成し、これらが姿勢関連情報取得部を構成している。さらに、アキュムレータ68が液圧シリンダとして利用されるショックアブソーバおよびスプリング58と共に姿勢変化許容装置を構成している。また、電子制御ユニット40のS13,S11を実行する部分が流出禁止部を構成し、S14,S11を実行する部分が作動停止部を構成し、S3,S4,S18,S19,S23,S24を実行する部分が作動液供給装置制御部を構成している。接地荷重制御終了部を構成していると考えることもできる。S3,S4,S18,S19は、接地荷重制御中の車高調整制御を禁止する接地荷重制御中車高調整制御禁止部を構成していると考えることもできる。さらにまた、接続通路100および電磁開閉弁102が、電子制御ユニット40のS20,S21を実行する部分と共に左右間差圧制御部を構成している。
上記実施例においては、液圧シリンダ20等と車体56との間にスプリング58が設けられ、ピストン52の液通路64に可変絞り66が設けられ、前輪10,12に対応する液圧シリンダ20,22同士および後輪14,16に対応する液圧シリンダ24,26同士はそれぞれ、接続通路100によって接続されるとともに電磁開閉弁102が設けられていたが、図9に示すように、これらは省略してもよい。
この場合、接地荷重制御は上記実施例と同様に行われるが、S4の判定結果がYESになり、S18において4つの電磁方向切換弁30,32,34,36が閉じられてから設定時間が経過したならば、直ちにS23ないしS25のステップが実行され、基準高さより低い車高があれば、液圧シリンダに作動液が供給されて車高が回復させられる。また、車輪10,12,14,16の接地荷重は、本実施例においては、液圧シリンダ20,22,24,26の各液圧、例えば、第二液圧室62の液圧を検出する液圧センサ200をそれぞれ設け、それにより検出される液圧に基づいて演算され、検出される。前記実施例と同様に、求めてもよい。
なお、ピストン52の液通路64に可変絞り66を設ける場合にも、液圧シリンダ20等の液圧を検出して接地荷重を求めるようにしてもよい。この場合、第一液圧室60と第二液圧室62とのいずれか一方の液圧を液圧センサにより検出してもよいが、両液圧室60,62の液圧をそれぞれ検出する液圧センサを設けることが望ましい。第一,第二液圧室60,62の液圧差が得られ、可変絞り66の絞り作用によって減衰作用を受けつつピストン52が移動している状態において、第一,第二液圧室60,62の液圧差を考慮して接地荷重を求めることができるからである。
また、ビークルスタビリティ制御により、車両旋回時に限らず、例えば、横風が強く、それに対応して車両の走行安定性を保つ制御が行われる場合に本請求可能発明を適用してもよい。横風対応制御の実行の有無に基づいて、接地荷重制御が行われ、あるいは接地荷重制御が終了させられるようにするのである。
さらに、上記各実施例においては、車体のロールとピッチとの両方について目標からのはずれをできる限り小さく抑えつつ、車輪の接地荷重を目標接地荷重に近づけるようにされていたが、ロールとピッチとのいずれか一方のみについて目標からのはずれをできる限り小さく抑えつつ、車輪の接地荷重を目標接地荷重に近づけるようにしてもよい。
以上、請求可能発明のいくつかの実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、請求可能発明は、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
請求可能発明の実施例である車両懸架システムを示す回路図である。 上記車両懸架システムの電子制御ユニットにより実行される接地荷重制御ルーチンを示すフローチャートである。 上記電子制御ユニットにより実行される左前輪接地荷重過大時制御ルーチンを示すフローチャートである。 上記電子制御ユニットにより実行される左前輪接地荷重不足時制御ルーチンを示すフローチャートである。 上記車両懸架システムによる接地荷重制御における車体のロール角度の設定を説明する図である。 上記車両懸架システムによる接地荷重制御における車体のピッチ角度の設定を説明する図である。 左前輪の接地荷重が過大な場合に車体のロール角度およびピッチ角度との関係に基づいて設定された制御対象車輪を示す図表である。 左前輪の接地荷重が不足する場合に車体のロール角度およびピッチ角度との関係に基づいて設定された制御対象車輪を示す図表である。 請求可能発明の別の実施例である車両懸架システムを示す回路図である。
符号の説明
10:左前輪 12:右前輪 14:左後輪 16:右後輪 20,22,24,26:液圧シリンダ 30,32,34,36:電磁方向切換弁 38:作動液供給装置 40:電子制御ユニット 56:車輪側部材 57:車体側部材 100:接続通路 102:電磁開閉弁

Claims (11)

  1. 少なくとも前後左右の4つの車輪の各々に対応して、車輪側部材と車体側部材との間に配設され、車輪側部材と車体側部材との接近離間に伴って伸縮する少なくとも4つの液圧シリンダと、
    それら液圧シリンダの各々からの作動液の流出を許容することによりそれら液圧シリンダの収縮を許容する流出許容装置と、
    ビークルスタビリティコントローラから、ビークルスタビリティ制御のために接地荷重を増大させるべき車輪の情報を取得し、その取得した情報に基づいて、前記少なくとも4つの液圧シリンダのうち収縮させるべき液圧シリンダを制御対象シリンダに決定する制御対象シリンダ決定部と、
    前記流出許容装置を制御することにより、前記制御対象シリンダ決定部によって決定された制御対象シリンダを収縮させ、前記接地荷重を増大させるべき車輪の接地荷重を増大させる接地荷重制御装置と、
    少なくとも前記制御対象シリンダに作動液を供給し、前記接地荷重の制御により低下した車高を回復させる作動液供給装置と
    を含むことを特徴とする車両懸架システム。
  2. 前記接地荷重制御装置が、前記流出許容装置に、前記少なくとも4つの車輪のうちの2つ以上のものに対応する液圧シリンダの作動液の流出を許容させる複数輪制御部を含むことを特徴とする請求項に記載の車両懸架システム。
  3. 前記複数輪制御部が、接地荷重を減少させるべき車輪とその車輪に対して対角位置にある車輪とから成る対角輪対に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる第一対角輪対制御部を含むことを特徴とする請求項に記載の車両懸架システム。
  4. 前記複数輪制御部が、前記流出許容装置に、接地荷重を増大させるべき車輪を含む対角輪対とは別の対角輪対に対応する2つの前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる第二対角輪対制御部を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の車両懸架システム。
  5. 前記接地荷重制御装置が、前記流出許容装置に、接地荷重を減少させるべき車輪に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる直接制御部を含むことを特徴とする請求項に記載の車両懸架システム。
  6. 前記接地荷重制御装置が、前記流出許容装置に、接地荷重を増大させるべき車輪を含む対角輪対とは別の対角輪対に属する2つの車輪の一方に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる対角単輪制御部を含むことを特徴とする請求項に記載の車両懸架システム。
  7. 前記少なくとも4つの車輪から選択された1つの車輪である選択車輪の目標接地荷重である選択車輪目標接地荷重を取得する選択車輪目標接地荷重取得部と、
    前記選択車輪の接地荷重である選択車輪接地荷重を検出する選択車輪接地荷重検出装置と
    を含み、前記制御対象シリンダ決定部が、前記選択車輪接地荷重検出装置により検出された選択車輪接地荷重と、前記選択車輪目標接地荷重取得部により取得された選択車輪目標接地荷重とに基づいて、前記少なくとも4つの液圧シリンダのうち前記流出許容装置に作動液の流出を許容させるべきものである制御対象シリンダを決定することを特徴とする請求項1または2に記載の車両懸架システム。
  8. 車体のロールとピッチとの少なくとも一方を含む車体姿勢に関連した情報である姿勢関連情報を取得する姿勢関連情報取得部を含み、
    前記制御対象シリンダ決定部が、前記選択車輪接地荷重および前記選択車輪目標接地荷重のみならず、少なくとも前記姿勢関連情報取得部により取得された姿勢関連情報にも基づいて、前記ロールとピッチとの少なくとも一方を含む車体姿勢の悪化を可及的に回避しつつ前記選択車輪接地荷重を前記選択車輪目標接地荷重に近づけるべく前記制御対象シリンダを決定する姿勢関連情報依拠制御対象シリンダ決定部を含むことを特徴とする請求項に記載の車両懸架システム。
  9. 車体のロールとピッチとの少なくとも一方を含む車体姿勢に関連した情報である姿勢関連情報を取得する姿勢関連情報取得部と、
    前記少なくとも4つの車輪のうち接地荷重を変化させるべき車輪である荷重変化輪の情報を取得する荷重変化輪情報取得部と
    を含み、前記制御対象シリンダ決定部が、前記姿勢関連情報取得部により取得された姿勢関連情報と、前記荷重変化輪情報取得部により取得された荷重変化輪情報との両方に基づいて、前記ロールとピッチとの少なくとも一方を含む車体姿勢の悪化を可及的に回避しつつ前記荷重変化輪の荷重を変化させるべく、前記複数の液圧シリンダのうち前記流出許容装置に作動液の流出を許容させるべきものである制御対象シリンダを決定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の車両懸架システム。
  10. 車高が下限値以下の場合は前記流出許容装置による作動液の流出を禁止する流出禁止部を含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の車両懸架システム。
  11. 前記接地荷重制御装置が、前記少なくとも4つの車輪のうちの少なくとも1つの接地荷重が設定下限値以下である場合には前記流出許容装置の制御を停止する作動停止部を含むことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の車両懸架システム。
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