JP2005081926A - 車両懸架システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電磁方向切換弁30,32,34,36の制御により、車輪10,12,14,16の各々に対応して設けた液圧シリンダ20,22,24,26から作動液を流出させ、接地荷重を減少させる。左前輪10の接地荷重を目標接地荷重に近づけつつ、車体のロールおよびピッチの目標からの外れを小さくするように接地荷重制御を行い、左前輪10の接地荷重の過大時には左前輪10と右後輪16との少なくとも一方の接地荷重を減少させ、左前輪10の接地荷重の不足時には右前輪12と左後輪14との少なくとも一方の接地荷重を減少させ、4輪の各接地荷重を目標接地荷重に近づける。接地荷重制御の終了後、作動液供給装置38により液圧シリンダに作動液を供給し、作動液の流出により低下した車高を回復させる。
【選択図】 図1
Description
さらに、上記のように、2つの前輪と2つの後輪との両方に対して液圧シリンダ,流出許容装置,接地荷重制御装置および作動液供給装置を設けることも不可欠ではなく、2つの前輪と2つの後輪とのいずれか一方のみに対して設けてもよい。2つの前輪と2つの後輪との他方に対しては、例えば従来と同様の懸架装置を設けても本発明の効果が得られるのである。
接地荷重の制御は、接地荷重が過大である車輪の接地荷重を減少させることと、接地荷重が不足である車輪の接地荷重を増加させることとの少なくとも一方を含むが、本発明においては、その接地荷重制御が2つ以上の液圧シリンダのいずれかを収縮させることにより実現される。ある車輪の接地荷重を増大させることが必要である場合には、別の車輪の接地荷重を減少させることによりそれが実現されるのである。
それら液圧シリンダの各々からの作動液の流出を許容することによりそれら液圧シリンダの収縮を許容する流出許容装置と、
その流出許容装置を制御することにより、前記少なくとも4つの車輪の接地荷重を制御する接地荷重制御装置と、
少なくとも前記流出許容装置によって作動液が流出させられた液圧シリンダに対して作動液を供給し、前記接地荷重の制御により低下した車高を回復させる作動液供給装置と
を含む車両懸架システム。
車輪は、少なくとも2つの前輪と2つの後輪とを含めばよく、それ以外の車輪を含んでも差し支えない。例えば、前輪と後輪との少なくとも一方を4つ以上含む車両に請求可能発明を適用することも可能なのである。その場合、すべての車輪に対して液圧シリンダ,流出許容装置,接地荷重制御装置および作動液供給装置を設けることも可能であるが、2つの前輪と2つの後輪に対してのみ液圧シリンダ,流出許容装置,接地荷重制御装置および作動液供給装置を設けてもよい。それら以外の車輪に対する懸架装置は、例えば、懸架スプリングを備え、あるいは懸架スプリングとショックアブソーバとを備えた従来と同様の懸架装置とすることが可能なのである。
さらに、上記のように、2つの前輪と2つの後輪との両方に対して液圧シリンダ,流出許容装置,接地荷重制御装置および作動液供給装置を設けることも不可欠ではなく、2つの前輪と2つの後輪とのいずれか一方のみに対して設けてもよい。2つの前輪と2つの後輪との他方に対しては、例えば従来と同様の懸架装置を設けても請求可能発明の効果が得られるのである。
接地荷重の制御は、接地荷重が過大である車輪の接地荷重を減少させることと、接地荷重が不足である車輪の接地荷重を増加させることとの少なくとも一方を含むが、請求可能発明においては、その接地荷重制御が2つ以上の液圧シリンダのいずれかを収縮させることにより実現される。ある車輪の接地荷重を増大させることが必要である場合には、別の車輪の接地荷重を減少させることによりそれが実現されるのである。
車輪の接地荷重を制御するための、液圧シリンダの収縮は速やかに行われることが必要であるが、この収縮は流出許容装置により作動液の流出を許容することにより達成でき、流出許容装置は小形化することが容易である。しかし、液圧シリンダの収縮を許容すれば、車高が低くなってしまうため、それを回復させることが必要である。そのためには、流出許容装置によって作動液が流出させられ、収縮した液圧シリンダを伸長させることが必要であり、液圧シリンダ内の液圧に抗して作動液を供給することが必要である。液圧ポンプ等の作動液圧送装置は、もし作動液の所要流量が同じであれば、流出許容装置に比較して大形となることを避け得ないのであるが、車高を回復させるための液圧シリンダの伸長は速やかに行われる必要がないため、作動液圧送装置は小容量のものでよく、小形化することができる。結局、車輪の接地荷重制御を迅速に行い得るものでありながら、懸架システム全体を小形に構成することができ、容積,重量およびコストの低減を図り得る。
液圧シリンダ,流出許容装置,接地荷重制御装置および作動液供給装置は、2つの前輪のみに設けてもよく、あるいは2つの後輪のみに設けてもよい。
例えば、2つの前輪に液圧シリンダ等を設けた場合、左右前輪のうちの一方、例えば、左前輪の接地荷重が過大な場合には、左前輪に対応して設けられた液圧シリンダからの作動液の流出を許容し、接地荷重を減少させることができ、左前輪の接地荷重が不足する場合には、右前輪に対応して設けられた液圧シリンダからの作動液の流出を許容し、その接地荷重を減少させることにより、左前輪の接地荷重を間接的に増大させることができる。複数の車輪の一部について接地荷重を減少させても、全部の車輪に加えられる接地荷重の合計は変わらず、別の一部の車輪に加えられる接地荷重が増大することとなるからである。
また、左右後輪のうちの一方、例えば、左後輪の接地荷重が過大な場合には、右前輪に対応して設けられた液圧シリンダからの作動液の流出を許容し、接地荷重を減少させることにより、左後輪の接地荷重を間接的に減少させることができ、左後輪の接地荷重が不足する場合には、左前輪の接地荷重を減少させることにより、左後輪の接地荷重を間接的に増大させることができる。互いに対角位置にあり、対角輪対を構成する2つの車輪は、その一方の接地荷重が変化させられるとき、他の対角輪対に支持された部分を通る直線まわりの車体の回転モーメントの釣り合いを保つべく、他方の接地荷重も同様に変化するからである。2つの後輪に液圧シリンダ等を設けた場合も同様である。
そして、本項の車両懸架システムにおいては4つの車輪のいずれについても接地荷重を直接減少させることができるため、例えば、車輪の接地荷重を目標とする大きさに近づけつつ、車体姿勢の目標車体姿勢からのはずれをできる限り小さくすることが容易である。
2つ以上の車輪に対応する液圧シリンダから同時に作動液の流出を許容させてもよく、予め定められた順序に従って流出を許容させてもよく、交互に流出を許容させてもよい。結果的に2つ以上の車輪に対応する液圧シリンダから作動液が流出させられればよいのである。
本項の車両懸架システムにおいては、複数の車輪に対応する部分の車高を減少させつつそれら複数の車輪の接地荷重を減少させることができ、それにより、例えば、後に実施例の項において詳細に説明するように、車体姿勢の目標車体姿勢からの外れをできる限り小さく抑えつつ接地荷重を制御することが可能となる。
(4)前記複数輪制御部が、接地荷重を減少させるべき車輪とその車輪に対して対角位置にある車輪とから成る対角輪対に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる第一対角輪対制御部を含む (3)項に記載の車両懸架システム。
本項の車両懸架システムにおいては、対角輪対を構成する2つの車輪に対応する部分の車高を低下させつつその対角輪対を構成する2つの車輪の接地荷重を減少させることができる。
(5)前記複数輪制御部が、前記流出許容装置に、接地荷重を増大させるべき車輪を含む対角輪対とは別の対角輪対に対応する2つの前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる第二対角輪対制御部を含む (3)項または (4)項に記載の車両懸架システム。
前述のように、複数の車輪の一部について接地荷重を減少させれば、別の一部の車輪の接地荷重が増大するため、2組の対角輪対の一方に含まれる車輪の接地荷重を減少させることにより、他方に含まれる車輪の接地荷重を増大させることができる。
本項の車両懸架システムにおいては、接地荷重を減少させるべき車輪について、接地荷重が直接減少させられる。接地荷重を減少させるべき車輪に対応する部分の車高を低下させることが望ましい場合、あるいは低下させても差し支えない場合に適した制御モードである。
間接制御部は、例えば、 (8)項に記載の対角単輪制御部を含むものとされたり、あるいは接地荷重を増大させるべき車輪を含む対角輪対とは別の対角輪対に対応する2つの液圧シリンダの作動液の流出を許容させる別対角輪対制御部を含むものとされたりする。本請求可能発明に係る車両懸架システムにおいては液圧シリンダを伸長させて接地荷重制御を行うことができないために、あるいは、車体姿勢に対する考慮から、間接制御が行われるのである。後者の場合、車体姿勢を目標車体姿勢に近づけつつ、あるいは、車体姿勢の目標車体姿勢からのはずれをできる限り小さくしつつ、接地荷重制御を行うために、間接制御が行われるのである。
(8)前記間接制御部が、前記流出許容装置に、接地荷重を減少させるべき車輪に対して対角位置にある車輪に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる対角単輪制御部を含む (7)項に記載の車両懸架システム。
対角輪対を構成する2つの車輪においては、前述のように、一方の車輪の接地荷重の増減に伴って他方の車輪の接地荷重も増減する。そのため、例えば、接地荷重を減少させるべき車輪に対応する部分の車高を低下させることが望ましくない場合に、対角位置にある車輪の接地荷重を減少させることによって接地荷重を減少させるべき車輪の接地荷重が減少させられるのである。
「荷重変化輪」は、荷重を減少させるべき車輪である「荷重減少輪」と荷重を増加させるべき車輪である「荷重増加輪」との少なくとも一方を包含する用語である。荷重変化輪情報取得部は、車速検出装置,操舵角検出装置,ヨーレイト検出装置,前後加速度検出装置,横加速度検出装置,車輪速度検出装置,車高検出装置,接地荷重検出装置等、車両の状態を検出する車両状態検出装置の1つ以上を備え、その1つ以上の車両状態検出装置からの情報に基づいて自ら荷重変化輪を決定する荷重変化輪決定部でもよく、ビークルスタビリティコントローラ(VSC),アンチロックブレーキシステム(ABS)等外部装置から荷重変化輪の情報を受け取る荷重変化輪情報受取部でもよい。
VSCのために、特定の1つの車輪の接地荷重を増加させるべきことが決定される場合には、その1つの車輪が荷重変化輪である。また、後に説明する実施例におけるように、前後左右の4つの車輪のすべてについて、接地荷重を増加させたり減少させたりすべきことが決定される場合には、4つの車輪のすべてが荷重変化輪であると考えることができる。ただし、その場合でも、特に大きくあるいは最も大きく接地荷重を変化させることが必要である車輪が荷重変化輪に決定されるようにすることもできる。
(10)前記荷重変化輪情報取得部が、
前記4つの車輪の少なくとも一部の車輪の目標接地荷重を取得する目標接地荷重取得部と、
前記少なくとも一部の車輪の接地荷重を検出する接地荷重検出装置と、
その接地荷重検出装置により検出された接地荷重である検出接地荷重と、前記目標接地荷重取得部により取得された目標接地荷重とに基づいて前記荷重変化輪を決定する荷重変化輪決定部と
を含む (9)項に記載の車両懸架システム。
目標接地荷重は、別の装置,システム等において設定されたものを読み込むことにより取得してもよく、あるいは車両の前後加速度等に基づいて決定し、取得してもよい。
(11)前記4つの車輪から選択された1つの車輪である選択車輪の目標接地荷重である選択車輪目標接地荷重を取得する選択車輪目標接地荷重取得部と、
前記選択車輪の接地荷重である選択車輪接地荷重を検出する選択車輪接地荷重検出装置と、
その選択車輪接地荷重検出装置により検出された選択車輪接地荷重と、前記選択車輪目標接地荷重取得部により取得された選択車輪目標接地荷重とに基づいて、前記複数の液圧シリンダのうち前記流出許容装置に作動液の流出を許容させるべきものである制御対象シリンダを決定する制御対象シリンダ決定部と
を含む (1)項ないし (3)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
4つの車輪の接地荷重は密接に関連し合っているため、1つの選択車輪における目標接地荷重と検出接地荷重とに基づいて、選択車輪の接地荷重を変更する必要があるか否か、変更の必要があれば、どの車輪を制御対象車輪に決定し、いずれの液圧シリンダを制御対象シリンダにするべきかを決めることができる。
選択車輪が、選択車輪目標接地荷重と選択車輪接地荷重との大きさに応じて、接地荷重を変化させるべき車輪になる。
制御対象シリンダ決定部による制御対象シリンダの決定は、例えば、前記 (4)項ないし (8)項にそれぞれ記載の態様で行われる。
(12)前記制御対象シリンダ決定部が、前記選択車輪の接地荷重を増大あるいは減少させる必要があるか否かを決定する選択車輪接地荷重増減要否決定部を備え、その選択車輪接地荷重増減要否決定部が増大あるいは減少させる必要があると決定した場合に、少なくともその決定結果に基づいて前記制御対象シリンダを決定するものである(11)項に記載の車両懸架システム。
制御対象シリンダ決定部は、選択車輪接地荷重増減要否決定部の決定結果の他、例えば、ロールやピッチ等の車体姿勢にも基づいて制御対象シリンダを決定してもよい。例えば、車体姿勢がよくなるように、あるいは車体姿勢ができる限り悪くならないようにすることも考慮して制御対象シリンダを決定する。
その姿勢関連情報取得部により取得された姿勢関連情報と、前記荷重変化輪情報取得部により取得された荷重変化輪情報との両方に基づいて、前記複数の液圧シリンダのうち前記流出許容装置に作動液の流出を許容させるべきものである制御対象シリンダを決定する制御対象シリンダ決定部と
を含む (9)項または(10)項に記載の車両懸架システム。
液圧シリンダから作動液が流出すればその液圧シリンダが収縮し、その液圧シリンダに対応する車輪の接地荷重が直接減少させられるとともに、その車輪側において車高が低くなり、車体姿勢が変わる。したがって、荷重変化輪情報および姿勢関連情報に基づいて制御対象シリンダを決定すれば、車輪の接地荷重と車体姿勢との両方を制御することができる。
制御対象シリンダ決定部は、例えば、ロールに関する情報であるロール情報と荷重変化輪情報とに基づいて、複数の液圧シリンダのうちの1つを制御対象シリンダに決定するものとしたり、ピッチに関する情報であるピッチ情報と荷重変化輪情報とに基づいて、複数の液圧シリンダのうちの1つを制御対象シリンダに決定するものとしたりすることができる。また、ロール情報およびピッチ情報と荷重変化輪情報とに基づいて、例えば前記 (3)〜 (5)項に例示されているように複数を制御対象シリンダに決定したり、前記 (6)〜 (8)項に例示されているように単数を制御対象シリンダに決定したりするものとすることもできる。いずれにしても、少なくとも1つの車輪の実際の接地荷重を目標接地荷重に近づけることと、実際の車体姿勢の目標車体姿勢からの外れをできる限り小さくすることとの両方の要求が満たされるように、制御対象シリンダを決定するものとされるのである。
なお、ロール情報が考慮される場合には、制御対象シリンダ決定部がロール考慮型制御対象シリンダ決定部を含み、接地荷重制御装置が車体姿勢考慮型接地荷重制御部としてのロール考慮型接地荷重制御部を含むと考え、ピッチ情報が考慮される場合には、ピッチ考慮型制御対象シリンダ決定部およびピッチ考慮型接地荷重制御部を含むと考えることができる。
前記制御対象シリンダ決定部が、前記選択車輪接地荷重および前記選択車輪目標接地荷重のみならず、少なくとも前記姿勢関連情報取得部により取得された
姿勢関連情報にも基づいて前記制御対象シリンダを決定する姿勢関連情報依拠制御対象シリンダ決定部を含む(11)項または(12)項に記載の車両懸架システム。
本項は、例えば、「荷重変化輪情報」を「選択車輪目標接地荷重および選択車輪接地荷重」と読み替えて(13)項と同様に説明される。
姿勢関連情報取得部は、(16)項に記載の車両懸架システムにおけるように、姿勢関連情報検出装置を含む姿勢関連情報検出部としてもよく、他の装置から姿勢関連情報を受け取る姿勢関連情報受取部としてもよい。
(16)前記姿勢関連情報取得部が、前記ロール角,前記ロール角速度,前記ロール角加速度,前記ロール角変化方向,前記ピッチ角,前記ピッチ角速度,前記ピッチ角加速度および前記ピッチ角変化方向の少なくとも1つを前記姿勢関連情報として検出する姿勢関連情報検出装置を含む(15)項に記載の車両懸架システム。
姿勢関連情報検出装置は、ロール角等、車体姿勢そのものを検出する機能を備えた検出装置でもよく、間接的に求める検出装置でもよい。例えば、ヨーレイトセンサやピッチレイトセンサによりヨーレイトやピッチレイトを検出し、その積分によりロール角やピッチ角を求めるものとすることができる。また、ヨーレイトやピッチレイトを微分してロール角加速度やピッチ角加速度を求めるものとすることもできる。また、前後左右の車輪の各々において車体側部材と車輪側部材との距離を検出し、それらの検出結果に基づいてロール角やピッチ角、さらにはロール角速度やピッチ角速度、ロール角加速度やピッチ角加速度等を演算により求めるものとしてもよい。
その姿勢変化許容装置により設計上許容されるべき姿勢変化である目標車体姿勢変化を取得する目標車体姿勢変化取得部と、
実際の姿勢変化である実姿勢変化を取得する実姿勢変化取得部と、
その実姿勢変化取得部により取得された実姿勢変化の、前記目標車体姿勢変化取得部により取得された目標車体姿勢変化に対する偏差である姿勢偏差を前記姿勢関連情報として取得する姿勢偏差取得部と
を含む(13)項ないし(16)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
目標車体姿勢変化取得部は、例えば、前後加速度と横加速度との少なくとも一方に基づいて、目標車体姿勢を演算,テーブル等により取得するものとすることができる。
制御対象シリンダは、姿勢偏差が小さくなるように決定される。
姿勢変化許容装置は、例えば、後に実施例の項において説明するように、複数の液圧シリンダの各々の液圧室に連通して設けられ、作動液を加圧下に収容する複数のアキュムレータを含むものとすることができる。また、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2002−230299の明細書に記載の装置等他の装置を姿勢変化許容装置として採用することも可能である。
さらに、前記車輪側部材と車体側部材との間に配設されるショックアブソーバを前記液圧シリンダとして利用することも可能であり、その場合にはショックアブソーバが懸架スプリングと共同して姿勢変化許容装置を構成することとなる。
流出禁止部は、流出許容装置自体の作動を禁止するものでも、接地荷重制御装置から流出許容装置への作動液流出指令の出力を禁止するものでもよい。後者の場合には、接地荷重制御装置全体の作動を禁止するものでも、作動液流出指令の出力を禁止するものでもよい。流出禁止が4つの車輪の各々に対して行われるようにすることも可能であり、あるいは2つの前輪と2つの後輪との各車輪対の各々に対して行われるようにすることも可能であって、これらの場合には、流出禁止部を、接地荷重制御装置から特定の車輪に対応する流出許容装置への作動液流出指令の出力が禁止されるようにするか、特定の車輪に対応する流出許容装置の作動が禁止されるようにすればよい。なお、ストッパ装置により、各液圧シリンダの収縮限度が機械的に規定される場合には、流出禁止部は不可欠ではない。ストッパ装置を流出禁止部の一種と考えることもできる。
液圧シリンダから作動液が流出すれば、車体の、作動液が流出した液圧シリンダに対応する部分における高さが低くなるが、本項の車両懸架システムによれば、車高が低くなり過ぎて、例えば、車体が路面や路面の突部等に接触して損傷すること等が回避される。
接地荷重が設定下限値以下である車輪については更に接地荷重を減少させても意味がないか、好ましくない場合が多く、本項の車両懸架システムによれば、接地荷重制御が無駄に行われることが回避される。
接続通路により接続された2つの液圧シリンダの液圧室同士を連通させ、それら液圧室の各液圧を互いに等しくすることができる。左右2つの液圧シリンダの各液圧室の液圧を個々に制御することによっても、液圧を等しくすることができるが、連通させれば、容易にかつ迅速に等しくすることができる。また、左右間差圧制御部を設ければ、左の液圧シリンダの液圧と右の液圧シリンダの液圧との差を制御することにより、単独で接地荷重制御やロール制御を行わせることができ、あるいは、本請求可能発明に従った接地荷重制御や車体姿勢制御を補助させることができる。
(22)前記流通制御装置が電磁開閉弁を含む(21)項に記載の車両懸架システム。
電磁開閉弁は、接続通路を連通状態と遮断状態とに切り換えるものであり、構成の単純化を図りつつ目的を達成し得るが、流通制御装置を、開状態および閉状態に加えて絞り状態をとり得る電磁可変絞り弁を含むものとすることも可能であり、その場合には、必要に応じてロール抑制制御を実行することも可能となる。
ここにおいて、「接地荷重制御装置の作動中」とは、接地荷重制御装置が流出許容装置を流出許容状態にして、実際に車輪の接地荷重を変化させている状態および変化させた接地荷重を維持している状態をいい、単に流出許容装置を作動させる必要があるか否かを監視しているに過ぎない状態は含まないものとする。
接地荷重制御装置の作動が終了した後であれば、接地荷重制御との干渉のおそれなく車高を回復させることができる。
本車両懸架システムは、図1に示すように、前後左右の4つの車輪10,12,14,16を備えた車両に設けられている。本車両懸架システムは、左前輪10,右前輪12,左後輪14,右後輪16にそれぞれ対応して設けられた液圧シリンダ20,22,24,26、それら液圧シリンダ20,22,24,26にそれぞれ対応して設けられた電磁制御弁装置としての電磁方向切換弁30,32,34,36、液圧シリンダ20,22,24,26に作動液を供給する作動液供給装置38および電子制御ユニット40を備えている。4つの液圧シリンダ20,24,26,28の構成および4つの電磁方向切換弁30,32,34,36の構成はそれぞれ同じであり、左前輪10について設けられた液圧シリンダ20および電磁方向切換弁30を代表的に説明する。
S5においては、S1およびS2において読み込まれた前後加速度,横加速度および車高に基づいて4輪の各接地荷重が計算により求められる。ここにおいて車高として4つのストロークセンサ122により検出された4つの距離が用いられ、それらに基づいて車両の重心点高さ(重心点の路面に対する距離)が求められ、この重心点高さと前後加速度および横加速度とに基づいて4輪の各接地荷重が演算される。この接地荷重は、検出された前後加速度等に基づいて演算により求められ、間接的に検出されるものであり、検出接地荷重と称する。この検出接地荷重は、計算上の値であり、実際の接地荷重と一致することもあり、多少外れることもある。
本ルーチンは、左前輪10の検出接地荷重が目標接地荷重より大きく、その差が設定偏差より大きい場合に行われ、左前輪10の接地荷重を減少させて目標接地荷重に近づけつつ、車体姿勢の目標車体姿勢からの外れをできる限り小さくするように作成されている。左前輪10が接地荷重を減少させるべき車輪(接地荷重減少車輪)であり、左前輪10に対応する液圧シリンダ20から作動液を流出させ、接地荷重を直接減少させる直接制御と、左前輪10に対して対角位置にある右後輪16に対応する液圧シリンダ26から作動液を流出させ、右後輪16の接地荷重を減少させることにより左前輪10の接地荷重を減少させる間接制御とのいずれかによって、左前輪10の接地荷重を減少させることができる。
まず、S31において、実ロール角度が目標ロール角度より小さいか否かが判定される。ロール角度が不足しているか否かが判定されるのである。目標ロール角度は先にS7において算出されており、実ロール角度は、本実施例においては、4つのストロークセンサ122によりそれぞれ検出された距離に基づいて演算により取得される。
Claims (12)
- 少なくとも前後左右の4つの車輪を備えた車両の、2つの前輪と2つの後輪との少なくとも一方に対応して、車輪側部材と車体側部材との間に配設され、車輪側部材と車体側部材との接近離間に伴って伸縮する少なくとも2つの液圧シリンダと、
それら液圧シリンダの各々からの作動液の流出を許容することによりそれら液圧シリンダの収縮を許容する流出許容装置と、
その流出許容装置を制御することにより、前記少なくとも4つの車輪の接地荷重を制御する接地荷重制御装置と、
少なくとも前記流出許容装置によって作動液が流出させられた液圧シリンダに対して作動液を供給し、前記接地荷重の制御により低下した車高を回復させる作動液供給装置と
を含むことを特徴とする車両懸架システム。 - 前記2つの前輪と前記2つの後輪との両方に前記液圧シリンダ,前記流出許容装置,前記接地荷重制御装置および前記作動液供給装置が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の車両懸架システム。
- 前記接地荷重制御装置が、前記流出許容装置に、前記4つの車輪のうちの2つ以上のものに対応する液圧シリンダの作動液の流出を許容させる複数輪制御部を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両懸架システム。
- 前記複数輪制御部が、接地荷重を減少させるべき車輪とその車輪に対して対角位置にある車輪とから成る対角輪対に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる第一対角輪対制御部を含むことを特徴とする請求項3に記載の車両懸架システム。
- 前記複数輪制御部が、前記流出許容装置に、接地荷重を増大させるべき車輪を含む対角輪対とは別の対角輪対に対応する2つの前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる第二対角輪対制御部を含むことを特徴とする請求項3または4に記載の車両懸架システム。
- 前記接地荷重制御装置が、前記流出許容装置に、接地荷重を減少させるべき車輪に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる直接制御部を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両懸架システム。
- 前記接地荷重制御装置が、前記流出許容装置に、接地荷重を変化させるべき車輪以外の少なくとも1つの車輪に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる間接制御部を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の車両懸架システム。
- 前記間接制御部が、前記流出許容装置に、接地荷重を減少させるべき車輪に対して対角位置にある車輪に対応する前記液圧シリンダの作動液の流出を許容させる対角単輪制御部を含むことを特徴とする請求項7に記載の車両懸架システム。
- 前記4つの車輪から選択された1つの車輪である選択車輪の目標接地荷重である選択車輪目標接地荷重を取得する選択車輪目標接地荷重取得部と、
前記選択車輪の接地荷重である選択車輪接地荷重を検出する選択車輪接地荷重検出装置と、
その選択車輪接地荷重検出装置により検出された選択車輪接地荷重と、前記選択車輪目標接地荷重取得部により取得された選択車輪目標接地荷重とに基づいて、前記複数の液圧シリンダのうち前記流出許容装置に作動液の流出を許容させるべきものである制御対象シリンダを決定する制御対象シリンダ決定部と
を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両懸架システム。 - 車体のロールとピッチとの少なくとも一方を含む車体姿勢に関連した情報である姿勢関連情報を取得する姿勢関連情報取得部を含み、
前記制御対象シリンダ決定部が、前記選択車輪接地荷重および前記選択車輪目標接地荷重のみならず、少なくとも前記姿勢関連情報取得部により取得された姿勢関連情報にも基づいて前記制御対象シリンダを決定する姿勢関連情報依拠制御対象シリンダ決定部を含むことを特徴とする請求項9に記載の車両懸架システム。 - 車高が下限値以下の場合は前記流出許容装置による作動液の流出を禁止する流出禁止部を含むことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の車両懸架システム。
- 前記接地荷重制御装置が、前記前後左右の4つの車輪のうちの少なくとも1つの接地荷重が設定下限値以下である場合には前記流出許容装置の制御を停止する作動停止部を含むことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の車両懸架システム。
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