JPH0516633A - 車両用アクテイブサスペンシヨン - Google Patents

車両用アクテイブサスペンシヨン

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JPH0516633A
JPH0516633A JP19480991A JP19480991A JPH0516633A JP H0516633 A JPH0516633 A JP H0516633A JP 19480991 A JP19480991 A JP 19480991A JP 19480991 A JP19480991 A JP 19480991A JP H0516633 A JPH0516633 A JP H0516633A
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JP
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lateral acceleration
vehicle
control
sensor
calculated
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JP19480991A
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English (en)
Inventor
Takao Morita
隆夫 森田
Tadao Tanaka
忠夫 田中
Akihiko Togashi
明彦 富樫
Yasutaka Taniguchi
泰孝 谷口
Hisahiro Kishimoto
尚浩 岸本
Hiroaki Yoshida
裕明 吉田
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実横加速度と計算横加速度とを使用して車体
のロールを抑制する制御を行うことにより旋回初期の応
答性に優れ安定したロール抑制効果を得ながら、車両の
横滑り発生時に実際の車体挙動とは掛け離れた計算横加
速度GYBの影響で不所望なロールが生起する不都合を防
止する。 【構成】 コントローラ40は、横Gセンサ41から検
出される実横加速度に応じた制御量と、操舵角センサ4
2及び車速センサ43の出力に基づいて予測した計算横
加速度に応じた制御量との加算結果に基づいて車体のロ
ールを抑制するよう油圧アクチュエータ30の作動を制
御し、横滑り判定部74により車両が横滑り状態にある
ことが検出される時には、切換スイッチ部73をオフし
て計算横加速度の使用を中止するよう構成されているこ
とをを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用アクティブサス
ペンションに関し、特に車両旋回時に車体に発生するロ
ールを抑制するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両旋回時の車体ロールの発生を
抑制するサスペンション装置として、例えば特開昭63
−106133号公報に示されるもののように横加速度
センサを利用するものが知られている。
【0003】すなわち、これは、横加速度センサの出力
に応じて横加速度センサの出力方向と同側(旋回外輪
側)のアクチュエータへ車高が上がる方向の流体圧を供
給すると共に逆側(旋回内輪側)のアクチュエータへ車
高が下がる方向の流体圧を供給することにより、車体に
作用するロールモーメントに対抗する力を発揮させてア
ンチロール効果を得るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように横加速度センサの出力に応じて車体ロールの発生
を抑制する方法を用いた場合は、車体に作用する実際の
横加速度をフィードバックして制御を行うことになるた
め、旋回初期のロールを効率良く抑制することができな
い場合がある。特に、急操舵時には車体に作用する横加
速度の発生が遅れ易く、横加速度の発生が遅れると当然
制御動作も遅れることから、旋回初期に不所望な車体ロ
ールが発生してしまう問題が顕著に現れる。
【0005】このため、車速や操舵角に基づいて算出さ
れる計算上の横加速度を使用して、ロールを抑制するこ
とが考えられる。しかしながら、逆ハンドル操作時、カ
ウンタ走行時、スピン時などのように車両が横滑りを起
こしている状況下では、タイヤのグリップ力が低下して
運転者の操舵操作と車体の挙動とが一致しなくなること
から、計算上の横加速度は実際の車体挙動とは掛け離れ
た値となり、このような状況下でも計算上の横加速度を
使用した制御を行うと、車体のロールを的確に抑制する
ことができず、却って不所望な車体ロールを発生させて
しまう問題が生じる。
【0006】したがって、本発明は、計算上の横加速度
を使用して旋回初期の車体ロールを効果的に抑制しなが
ら、車両の横滑り時にも安定したロール抑制効果を得る
ことができる車両用アクティブサスペンションを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために創案されたもので、車両の各車輪と車体
との間に介装されて車輪に対し上記車体を支持する力を
増減可能な複数のアクチュエータと、車体に作用する実
横加速度を検出する横加速度検出手段と、ステアリング
ホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、車速を
検出する車速検出手段と、車両が横滑り状態にあること
を検出する横滑り検出手段と、上記各検出手段の出力に
応じて上記アクチュエータの作動を制御する制御手段と
を有し、上記制御手段は、上記横加速度検出手段から検
出される実横加速度と、上記操舵角検出手段及び上記車
速検出手段の出力に基づいて予測した計算横加速度とに
応じて車体のロールを抑制するよう上記アクチュエータ
の作動を制御し、上記横滑り検出手段により車両が横滑
り状態にあることが検出される時には、上記計算横加速
度の使用を中止するよう構成されていることをを特徴と
する車両用アクティブサスペンションである。
【0008】
【作用】本発明によれば、横加速度検出手段から検出さ
れる実横加速度と、操舵角検出手段及び車速検出手段の
出力に基づいて予測した計算横加速度とに応じて車体の
ロールを抑制するようアクチュエータの作動を制御する
ため、横加速度検出手段から検出される実横加速度より
早く予測による計算横加速度を得て、これに応じた制御
を行うことにより実横加速度だけに対応した制御より早
くアクチュエータを作動させることができ、旋回初期の
ロールを効率良く抑制することができるものである。
【0009】特に、本発明では、横滑り検出手段により
車両が横滑り状態にあることが検出される時には、上記
計算横加速度の使用を中止するため、逆ハンドル操作
時、カウンタ走行時、スピン時などのように計算横加速
度が実際の車体挙動とは掛け離れた値となる状況下で
は、計算横加速度とは無関係に実横加速度に応じたが実
行され、安定したロール制御を行うことができるもので
ある。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。
【0011】図2は、本実施例の油圧システム構成図で
ある。図2において、オイルポンプ1は油路2を介して
リザーブタンク3内に貯溜されるオイルを吸入して供給
油路4にオイルを吐出するよう設けられている。供給油
路4のオイルポンプ1近傍には、オイルポンプ1による
吐出油圧の脈動を吸収するためのアキュムレータ5,6
が直列に接続されており、各アキュムレータ5,6はそ
れぞれ設定周波数が異なるものとなっている。更に、ア
キュムレータ6の下流側にはオイルフィルタ7,8が接
続されており、オイルフィルタ8の下流側にはリリーフ
油路10及びパイロットリリーフ油路9が接続されてい
る。
【0012】パイロットリリーフ油路9はソレノイドバ
ルブ11に接続されており、ソレノイドバルブ11は、
リザーブタンク3に連通される排出油路12を、後述す
るコントロールバルブのリターン油路13あるいはパイ
ロットリリーフ油路9に選択的に連通されるものとなっ
ている。リターン油路13のソレノイドバルブ11より
上流側には、パイロットリリーフ油路9の圧力をパイロ
ット圧として受けて作動するオペレートチェックバルブ
14が介装されており、ソレノイドバルブ11によりパ
イロットリリーフ油路9と排出油路12とが連通されて
いる時には閉塞されてオイルの排出を禁止することによ
り車高を保持する一方、リターン油路13と排出油路1
2とが連通されている時には開放されてオイルの排出を
許容することにより後述のサスペンション制御を可能と
するものとなっている。
【0013】また、リリーフ油路10は、ソレノイドバ
ルブ11の下流側で排出油路12に接続されており、リ
リーフ油路10の途中にはリリーフバルブ15が介装さ
れている。そして、リリーフバルブ15の上流油圧が所
定圧以上になるとオイルポンプ1から吐出されるオイル
がリザーブタンク3側へ排出されるものとなっている。
さらに、このリリーフバルブ15はパイロットリリーフ
油路9からのパイロット圧を受け、パイロットリリーフ
油路9の圧力を変化させるソレノイドバルブ11の状態
によって上記の設定圧が変化するものとなっており、パ
イロットリリーフ油路9と排出油路12とが連通される
前述の車高保持時には設定圧が低下してポンプ1の負荷
を低減するものとなっている。
【0014】なお、排出油路12にはオイルクーラ16
及びオイルフィルタ17が直列に介装されており、オイ
ルフィルタ17の目詰まり時の補償用にオイルフィルタ
17と並列にリリーフバルブ18が設けられている。
【0015】更に、供給油路4はリリーフ油路10との
分岐部より下流側で、前輪側油路4Fと後輪側油路4R
とに分岐しており、各油路4F,4Rにはそれぞれライ
ン圧保持用のアキュムレータ19F,19R,及びチェ
ックバルブ20F,20Rが介装されており、各チェッ
クバルブは下流側から上流側へのオイルの流れを禁止す
るものとなっている。なお、後輪側油路4Rのアキュム
レータ19Rより上流側にはオイルフィルタ21が介装
されている。各油路4F,4Rはそれぞれチェックバル
ブ20F,20Rの下流側で各車輪毎の油路に分岐され
ており、各油路にはそれぞれ各車輪毎に設けられるサス
ペンションユニット22FL,22FR,22RL,2
2RRが接続されている。また、各サスペンションユニ
ット22FL,22FR,22RL,22RRは、下流
側から上流側へのオイルの流れを禁止するチェックバル
ブ23FL,23FR,23RL,23RRを介してリ
ターン油路13に接続されているが、前輪側のチェック
バルブ23FL,23FRの上流側は絞り24Fを介し
て連通され、後輪側のチェックバルブ23RL,23R
Rには絞り24RL,24RRが並列に設けられてい
る。そして、これらの絞り24F,24RL,24RR
は、前述の車高保持時に各車輪のアクチュエータの内圧
を平均化させるために設けられている。
【0016】なお、後輪側のリターン油路13Rにはリ
ターン油路の脈動を防止するためのアキュムレータ25
が設けられており、後輪側のリターン油路4Rと後輪側
の供給油路13Rとの間には、リターン油路高圧になる
ことを防止するためのリリーフ弁26及び整備用のコッ
ク27が並列に設けられている。
【0017】各サスペンションユニットは、同一構造を
有するものであるため、左前輪のサスペンションユニッ
ト22FLについて説明すると、車体と車輪との間には
図示しないサスペンションスプリングと並列に単動型の
油圧アクチュエータ30が設けられ、油圧アクチュエー
タ30の油圧室に連通する油路31と供給油路4F及び
排出油路13Fとの間に介装されたコントロールバルブ
32により油圧アクチュエータ14の油圧室への油圧の
給排が制御されるものとなっている。コントロールバル
ブ32としては、比例電磁弁が使用されており、供給さ
れる電流に応じて弁開度を制御することにより供給電流
に比例して油圧アクチュエータ14内の圧力を制御でき
るものとなっている。なお、油圧アクチュエータ30に
は油路32も接続されており、油圧室から漏れ出たオイ
ルを排出油路12に送出するものとなっている。
【0018】また、油圧アクチュエータ30の油圧室に
連通する油路31には絞り33を介してアキュムレータ
34が接続されており、絞り33により振動減衰効果が
発揮されると共に、アキュムレータ34内に封入された
ガスによりガスばね作用が発揮されるものとなってい
る。更に、絞り33と並列に減衰力制御バルブ35が設
けられており、減衰力制御バルブ35を開放位置に駆動
することにより減衰力を柔らかく設定することができる
ものとなっている。また、油路31には油圧アクチュエ
ータ30の内圧を検出するための圧力センサ36が設け
られている。
【0019】各コントロールバルブ32,各減衰力制御
バルブ33及びソレノイドバルブ11の作動は、マイク
ロコンピュータにより構成されるコントローラ40によ
り制御されるものとなっており、ソレノイドバルブ11
は油圧アクチュエータ30の作動状態を制御する必要が
ある時に第2図の状態からリターン油路13と排出油路
12とを接続する状態に切り換えられて油圧アクチュエ
ータ30からのオイルの排出を許容し、駐車時など油圧
アクチュエータ30の作動状態を制御する必要のない時
には図2の状態に切り換えられて油圧アクチュエータ3
0からのオイルの排出を禁止して車高を保持するものと
なっている。
【0020】コントローラ40には、図3に示す如く、
前述の圧力センサ36の検出出力の他、車体に作用する
実際の横加速度を検出し横加速度検出手段をなす横Gセ
ンサ41から検出出力、ステアリングホイールの操舵角
を検出する操舵角センサ42の検出出力、車両の走行速
度を検出する車速センサ43の検出出力、車体に作用す
る前後方向の加速度を検出する前後Gセンサ44の検出
出力、ブレーキペダルの操作を検出するブレーキスイッ
チ45の検出出力、エンジンのスロットル開度を検出す
るスロットルセンサ46の検出出力、各車輪の上下スト
ローク状態を検出するストロークセンサ47の検出出
力、各車輪毎に設けられ車体に作用する上下加速度を検
出する上下Gセンサ48の検出出力、及び車両前方の路
面の状態を検出するプレビューセンサ49の検出出力が
それぞれ入力されるものとなっており、コントローラ4
0は、これらのセンサの検出出力に基づいてコントロー
ルバルブ32及び減衰力切換バルブ35の作動状態を各
車輪毎に制御するものとなっている。
【0021】コントローラ40内の概略構成は図3に示
す制御ブロック図により表される。第3図において、ロ
ール制御部50には、圧力センサ36,横Gセンサ4
1,操舵角センサ42,車速センサ43,及び前後Gセ
ンサ44の検出出力が入力され、操舵時の荷重移動量を
支持して車体の姿勢変化を抑制するための制御量が出力
される。なお、アンチロール制御部50の詳細について
は後述する。
【0022】また、US/OS制御部51には、操舵角
センサ42及び車速センサ43の検出出力が入力され、
操舵角センサ42の出力から算出される操舵角速度と車
速に基づいて前後輪間のロール剛性比を増減することに
より車体ステア特性を制御するための制御量が出力され
る。
【0023】ピッチ制御部52においては、車速センサ
43,前後Gセンサ44,ブレーキスイッチ45,及び
スロットルセンサ46の検出出力が入力され、前後Gセ
ンサ44の出力に基づき加減速時の荷重移動量を支持し
て車体の姿勢変化を抑制するための制御量が出力され、
特に制動時及び加速時には前後Gセンサ44の出力に対
するゲインが増加するものとなっている。
【0024】また、スカイフックダンパ制御部53にお
いては、操舵角センサ42,車速センサ43,ブレーキ
スイッチ45,スロットルセンサ46,及び上下Gセン
サ48の検出出力が入力され、上下Gセンサ48の検出
出力から算出されるばね上絶対速度を低減して車体のフ
ワフワ感を抑制する制御が行われ、特に急操舵時、高速
時、制動時及び加速時には上下絶対速度に対するゲイン
が増加するものとなっている。
【0025】ストロークダンパ制御部54では、操舵角
センサ42,ブレーキスイッチ45,スロットルセンサ
46,及びストロークセンサ47の検出出力が入力さ
れ、ストロークセンサ47の検出出力から算出されるス
トローク速度を低減して車体振動を減衰する制御が行わ
れ、特に急操舵時、制動時及び加速時にはストローク速
度に対するゲインが増加するものとなっている。
【0026】更に、車高制御部55においては、車速セ
ンサ43及びストロークセンサ47の検出出力が入力さ
れ、ストロークセンサ47の検出出力に基づく積分制御
により車速に対応した目標車高を得るための制御量が出
力される。
【0027】更に、乗心地制御部56には、車速センサ
43,ストロークセンサ47及び上下Gセンサ48の検
出出力が入力され、ばね上加速度を抑制して振動伝達力
を低減するためのマスインクリース制御と、微小ストロ
ーク時にばね定数を減少して振動伝達力を低減するため
の逆ばね制御とによる制御量が出力される。
【0028】上記の各制御部50〜56から出力される
各制御量は各車輪毎に加算器57に入力され、加算器5
7にて加算された全制御量は駆動回路58に入力され
る。そして、駆動回路58は入力される制御量に対応し
た電流をコントロールバルブ32に出力して油圧アクチ
ュエータ30の作動をアクティブ制御し、これにより姿
勢変化が少なく良好な乗心地が得られる制御が実現され
る。また、駆動回路58には圧力センサ36の検出出力
が入力され、油圧アクチュエータ30の内圧が目標とさ
れる制御圧力(加算器57の出力)となるようにフィー
ドバック制御する定圧制御が行われる。
【0029】なお、プレビュー制御部59においては、
車速センサ43及びプレビューセンサ49の検出出力が
入力され、プレビューセンサ49の出力から車両前方に
突起あるいは段差があることを検知すると、車輪が突起
あるいは段差を通過する時点を車速との関係により算出
して、突起あるいは段差の通過時に減衰力切換バルブ3
5を開状態にするよう駆動回路60に制御信号を出力す
ることにより突起乗り越し時の振動伝達を低減するもの
となっている。
【0030】図1は、前述のロール制御部50の概略構
成を示すものである。図1において、横Gセンサ41か
ら検出される実際の横加速度信号GY は横Gゲイン設定
器61に入力され、図4に示すマップに基づき横加速度
GY に対応した制御ゲインKG 倍される。横Gゲイン設
定器61において設定されるゲインKG は横加速度GY
がかなり大きい領域でなだらかに低下するものとなって
おり、高G旋回時にロール量を増やして運転者に危険な
状態を警告する設定となっている。
【0031】横Gゲイン設定器61の出力は、操舵角速
度ゲイン設定器62に入力されてKθv 倍される。操舵
角速度ゲイン設定器62における制御ゲインKθv は、
操舵角センサ42から検出される操舵角信号θを微分器
63により微分して得られる操舵角速度信号θv により
図5の如く可変設定される。すなわち、操舵角速度θv
が所定値に達するまでは制御ゲインKθv は一定である
が、所定値を越えると操舵角速度θv の増加と共に制御
ゲインKθv は低下し、その後ある操舵角速度を越える
と再び制御ゲインKθv が一定になる設定となってい
る。これにより操舵操作に対する実横加速度GY 発生の
位相遅れが大きくなる操舵角速度が大きい領域で、実際
の横加速度信号GY に対するロール制御量のゲインが低
下するものとなっている。
【0032】操舵角速度設定器62の出力は、車速ゲイ
ン設定器64に入力されてKV 倍される。車速ゲイン設
定器64における制御ゲインKV は、車速センサ43か
ら検出される車速信号Vにより図6の如く可変設定され
る。すなわち、車速Vが所定値に達するまでは制御ゲイ
ンKV は一定であるが、所定値を越えると車速Vの増加
と共に制御ゲインKV は低下し、その後ある車速を越え
ると再び制御ゲインKV が一定になる設定となってい
る。これにより操舵操作に対する実横加速度GY発生の
位相遅れが大きくなる高速走行時に、実際の横加速度信
号GY に対するロール制御量のゲインが低下するものと
なっている。
【0033】一方、計算横加速度演算部67は、操舵角
センサ42の検出信号θ及び車速センサ43の検出信号
Vを受けて以下の演算式により計算上の横加速度GYBを
算出する。 GYB=V2 θ/(1+AVV)Lρ 但し、A;スタビリティファクタ L;ホイールベース ρ;ステアリングギヤ比
【0034】計算横加速度演算部67にて算出された計
算横加速度GYBは、横加加速度ゲイン設定器68に入力
されてKGB倍される。横加加速度ゲイン設定器68にお
ける制御ゲインKGBは、計算横加速度GYBを微分器69
により微分して得られる計算横加加速度GYBv に応じて
図7の如く可変設定される。すなわち、計算横加加速度
GYBv が所定値に達するまでは制御ゲインKGBは0であ
るが、所定値を越えると計算横加加速度GYBv の増加と
共に制御ゲインKGBが増加するものとなっている。これ
により、計算横加速度GYBより出力位相の早い計算横加
加速度GYBv が大きい時に、実横加速度GY より出力の
早い計算横加速度GYBに対する制御ゲインが高められ、
急激な横Gの発生が予測される時に計算横加速度GYBに
応じた制御量を迅速に出力することができる。
【0035】横加加速度ゲイン設定器68の出力は操舵
角速度ゲイン設定器70及び車速ゲイン設定器71にそ
れぞれ並列に供給される。操舵角速度ゲイン設定器70
における制御ゲインKθvBは、微分器63から得られる
操舵角速度信号θv により図8の如く可変設定され、操
舵角速度ゲイン設定器70では横加加速度ゲイン設定器
68の出力がKθvB倍される。すなわち、操舵角速度θ
v の増大に伴い、KθvBが0である領域から、KθvBが
操舵角速度θv と共に増加する領域、KθvBが一定値と
なる領域を経て、操舵角速度θv の増加と共にKθvBが
低下する領域に移行するものとなっている。これにより
急操舵時の計算横加速度GYBに対する制御ゲインが高め
られ、初期ロールの抑制効果を向上できるし、実横Gの
発生が大幅に遅れる超急操舵時には計算横加速度GYBに
対する制御ゲインを低下させて実横Gに対応した制御と
のバランスを保つことができる。
【0036】また、車速ゲイン設定器71における制御
ゲインKVBは車速センサ43から検出される車速信号V
により図9の如く可変設定され、車速ゲイン設定器71
では横加加速度ゲイン設定器68の出力がKVB倍され
る。すなわち、車速Vの増大に伴い、KVBが0である領
域から、KVBが車速Vと共に増加する領域、KVBが一定
値となる領域を経て、車速Vの増加と共にKVBが低下す
る領域に移行するものとなっている。これにより実横G
の発生に位相遅れが生じ易い領域で計算横加速度GYBに
対する制御ゲインが高められ、初期ロールの抑制効果を
向上できるし、実横Gの発生が大幅に遅れる超高速時に
は計算横加速度GYBに対する制御ゲインを低下させて実
横Gに対応した制御とのバランスを保つことができる。
【0037】操舵角速度ゲイン設定器70及び車速ゲイ
ン設定器71の出力は加算器72に入力されて加算され
た後、切換スイッチ部73に入力される。切換スイッチ
部73は、後述の横滑り判定部74によって、加算器7
2からの入力をそのまま出力する状態と、加算器72か
らの入力にかかわらず出力を0にする状態とに切換制御
されるものとなっている。
【0038】そして、前述の車速ゲイン設定器64の出
力と切換スイッチ部73の出力とは加算器75にて加算
され、ロール制御量として図3中の加算器57に出力さ
れることになる。なお、加算器75から出力されるロー
ル制御量は、横Gの発生が検出もしくは予測される方向
と同じ側の車輪に対しては油圧アクチュエータ30の内
圧が上昇する方向に、また横Gの発生が検出もしくは予
測される方向と逆側の車輪に対しては油圧アクチュエー
タ30の内圧が低下する方向に各コントロールバルブ3
2を駆動して車体に発生するロールを抑制する制御量と
なる。
【0039】ところで、前述の横滑り判定部74内で
は、図10に示すような制御処理が行われる。図10の
フローチャート図について説明すると、先ずステップS
1では横Gセンサ41の検出出力から実横加速度GY が
読み込まれ、続くステップS2では前述の計算横加速度
演算部67から出力される計算横加速度GYBが読み込ま
れる。その後のステップS3ではステップS2で読み込
んだ計算横加速度GYBがフィルタ処理して計算横加速度
GYBの位相を遅らせ、実横加速度GY との位相差を補償
する処理が行われる。そして、ステップS4に進むとス
テップS3でフィルタ処理された計算横加速度GYBと実
横加速度GY の差が演算されて、この差の絶対値が所定
値(ここでは 0.1G)以上であるか否かが判別される。
【0040】ステップS3で計算横加速度GYBと実横加
速度GY の差の絶対値が所定値以上ではないと判別され
る場合は、通常の走行状態であると判断されてステップ
S4に進み、前述の切換スイッチ部73をオン状態(加
算器72からの入力をそのまま出力する状態)とし、所
定時間(例えば2秒)経過後にステップS1以降の判別
を繰り返す。このようにステップS4に至る通常の走行
状態では、切換スイッチ部73をオン状態になることに
より、実横加速度GY と計算横加速度GYBとを使用して
算出したロール制御量が加算器57に出力されることに
なる。
【0041】一方、ステップS3で計算横加速度GYBと
実横加速度GYの差の絶対値が所定値以上であると判別
される場合は、計算横加速度GYBが実際の車体挙動とは
掛け離れた値となっており、逆ハンドル操作時、カウン
タ走行時、スピン時などのように運転者の操舵操作と車
体の挙動とが一致しなくなる走行状況下にあると判断さ
れてステップS5に進む。ステップS5では、前述の切
換スイッチ部73をオフ状態(加算器72からの入力に
かかわらず出力を0にする状態)とし、所定時間(例え
ば2秒)経過後にステップS1以降の判別を繰り返す。
このようにステップS5に至る車両に横滑りが発生した
走行状態では、切換スイッチ部73をオフ状態になるこ
とにより、計算横加速度GYBの使用は中止され実横加速
度GY のみに応じて算出したロール制御量が加算器57
に出力されることになる。
【0042】なお、本実施例においては、横Gセンサ4
1、操舵角センサ42、車速センサ43、横加速度演算
部67、横滑り判定部74が、横滑り検出手段を構成す
るものとなっている。
【0043】続いて上記実施例の作用を説明する。
【0044】まず、切換スイッチ部73がオン状態にあ
る通常の走行状態にある場合について説明する。通常の
走行状態にあっても、実横加速度GY が操舵操作に大き
く遅れることなく発生するような状況では、操舵角速度
θv が遅く且つ車速Vも遅いので、図8,9に示す如く
制御ゲインKθvB及びKVBが0になり、計算横加速度G
YBに対応した制御量は0となり、実横加速度GY に対応
した制御量がそのままロール制御のための制御量として
加算器74から出力される。そして、このような状況に
おいては、操舵操作に対する実横加速度GY の位相遅れ
は少ないので、旋回初期のロール発生が問題になること
なく適切に車体ロールの発生が抑制される。
【0045】次に、操舵角速度θv や車速Vが上昇して
操舵操作に対する実横加速度GY の位相遅れが大きくな
る場合には、制御ゲインKθvBやKVBが増加して計算横
加速度GYBに対応した制御量が発生するようになり、実
横加速度GY に対応した制御量と加算されて操舵操作に
対して位相遅れが少ないロール制御量が加算器74から
出力される。そして、このような状況では計算横加速度
GYBに対応した制御量により旋回初期のロール発生を有
効に防止できると共に、実横加速度GY に対応した制御
量により安定した制御を行うことができる。
【0046】一方、逆ハンドル操作時、カウンタ走行
時、スピン時などのように車両に横滑りが発生して73
が切換スイッチ部73がオフ状態になるような状況で
は、計算横加速度GYBの使用は中止されるので、実際の
車体挙動とは掛け離れた計算横加速度GYBの影響で不所
望なロールが生起するような不都合を確実に防止するこ
とができ、上記横加速度GY のみに応じたロール制御を
行うことにより車両の横滑り時でも安定したロール制御
を行うことができる。
【0047】なお、本発明は上記実施例に何ら限定され
るものではなく、例えば、横滑り検出手段として、実ヨ
ーレイトと計算ヨーレイトを比較するようなものを使用
しても良いし、他の方法あるいはセンサを使用したもの
であっても良い。いずれにせよ、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内で種々の変形実施が可能であることは言うま
でもない。
【0048】
【発明の効果】以上、実施例とともに具体的に説明した
ように、本発明によれば、実横加速度と計算横加速度と
を使用して車体のロールを抑制する制御を行うことによ
り旋回初期の応答性に優れ安定したロール抑制効果を得
ながら、車両の横滑り発生時には計算横加速度の使用を
中止することにより不所望なロールの発生を確実に防止
して車両の横滑り時にも安定したロール抑制効果を得る
ことができる車両用アクティブサスペンションを提供す
る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるロール制御部50の
概略構成図である。
【図2】上記実施例のシステム構成図である。
【図3】図1のロール制御部50を含むコントローラ4
0の概略構成図である。
【図4】実横加速度GY に対して使用される実横加速度
GY に対応した制御ゲインマップ図である。
【図5】実横加速度GY に対して使用される操舵角速度
θv に対応した制御ゲインマップ図である。
【図6】実横加速度GY に対して使用される車速Vに対
応した制御ゲインマップ図である。
【図7】計算横加速度GYBに対して使用される計算横加
加速度GYBvに対応した制御ゲインマップ図である。
【図8】計算横加速度GYBに対して使用される操舵角速
度θv に対応した制御ゲインマップ図である。
【図9】計算横加速度GYBに対して使用される車速Vに
対応した制御ゲインマップ図である。
【図10】図1中の横滑り判定部74内で行われる制御
処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】 1 オイルポンプ 30 油圧アクチュエータ 32 コントロールバルブ, 40 コントローラ 41 横Gセンサ 42 操舵角センサ 43 車速センサ 50 ロール制御部 67 計算横加速度演算部 73 切換スイッチ部 74 横滑り判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 泰孝 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 岸本 尚浩 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 吉田 裕明 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 車両の各車輪と車体との間に介装されて
    車輪に対し上記車体を支持する力を増減可能な複数のア
    クチュエータと、車体に作用する実横加速度を検出する
    横加速度検出手段と、ステアリングホイールの操舵角を
    検出する操舵角検出手段と、車速を検出する車速検出手
    段と、車両が横滑り状態にあることを検出する横滑り検
    出手段と、上記各検出手段の出力に応じて上記アクチュ
    エータの作動を制御する制御手段とを有し、上記制御手
    段は、上記横加速度検出手段から検出される実横加速度
    と、上記操舵角検出手段及び上記車速検出手段の出力に
    基づいて予測した計算横加速度とに応じて車体のロール
    を抑制するよう上記アクチュエータの作動を制御し、上
    記横滑り検出手段により車両が横滑り状態にあることが
    検出される時には、上記計算横加速度の使用を中止する
    よう構成されていることをを特徴とする車両用アクティ
    ブサスペンション
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