JP2008013097A - ロール制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】省エネルギであって制御応答性を向上することが可能なロール制御装置を提供することである。
【解決手段】車両前後輪のスタビライザ1f,1rにそれぞれ連結される前輪側および後輪側のアクチュエータ2f,2rの流体が供給される圧力室7a,7b(8a,8b)内の圧力を制御手段によって調節することによりスタビライザ1f,1rにモーメントを与えて車体のロールを抑制するロール制御装置において、制御手段は、分流弁35によって分流する前の流体の圧力を調節する第一の調節手段14と、分流弁35を通過後の流体のうち一方の流体の圧力を調節する第二の調節手段15とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両における車体のロールを抑制するロール制御装置に関する。
従来、この種の形式のロール制御装置としては、例えば、特許出願人が先に提案した油圧可変型のロール制御装置が知られている。
すなわち、この提案のロール制御装置は、図4に示すように、前後輪における各左右の車輪のサスペンションアームを連結するスタビライザ100f,100rの一端を各スタビライザ100f,100rにモーメントを与える油圧シリンダで構成されるアクチュエータ101f,101rのロッド側に、また、サスペンションアームをシリンダチューブ側にそれぞれ連結している。なお、図示はしないが、アクチュエータがロータリアクチュエータである場合には、各スタビライザ100f,100rのそれぞれをトーションバーの中央部分で二分割し、これら二分割した部分の一方をロータリアクチュエータのハウジング側に、また、他方をロータ側にそれぞれ連結するようにしている。
そして、前後輪側における両アクチュエータ101f,101rの各対応する圧力室は、それぞれ分流弁102を介して油圧ポンプ103に連通されており、油圧ポンプ103から供給される流体は、上記分流弁102によって分配されて、それぞれ前後輪側の両アクチュエータ101f,101rに供給され、また、両アクチュエータ101f,101rと分流弁102との間には、それぞれ、方向切換弁104f,104rが設けられており、この方向切換弁104f,104rの切換操作によって、各アクチュエータ101f,101rの圧力室のうちいずれか一つが選択されて、選択された圧力室内に分流後の流体が供給されることになる。
さらに、上記した分流弁102の下流であって方向切換弁104f,104rより上流には、それぞれ、圧力制御弁105f,105rが設けられており、この圧力制御弁105f,105rによって圧力室内に供給される流体の圧力を制御できるようになっている。
したがって、このロール制御装置にあっては、車両の走行中において車体に横加速度が作用して車両にロールが生じる場合、このロールを抑制するべく、対応する圧力室を方向切換弁104f,104rによって選択し、さらに、この選択された圧力室内の圧力を適切に圧力制御弁105f,105rによって制御することによって、各アクチュエータ101f,101rに車体横加速度の方向と大きさに対応した方向のモーメントを発生させ、これらモーメントを前後輪用のスタビライザ100f,100rに与えて遠心力で車体に作用するロールモーメントに対抗させて反対方向のロールモーメントを車体に加え、当該車体に生じるロール運動を効果的に抑制する(たとえば、特許文献1参照)。
なお、上記ロール制御装置では、各アクチュエータ101f,101rの制御が不要な状態、すなわち、車両が停車中である場合や、車体にロールが生じない直進走行中である場合などでは、各アクチュエータ101f,101rをアンロード状態にするべく、各圧力制御弁105f,105rを全開して、油圧ポンプ103から吐出される作動油をタンク106に導き、各アクチュエータ101f,101rの圧力室内の圧力をタンク圧として、スタビライザ100f,100rの機能を減殺するようにすることで、車両における乗心地の向上を図るようにしている。
特開2004−136814号公報(発明の実施の形態欄、図2)
しかしながら、上述のロール制御装置では、機能面で問題があるわけではないが、上記ロール制御装置では、各アクチュエータ101f,101rをアンロード状態にする場合にあっても、油圧ポンプ103から吐出された作動油は分流弁102を通過してタンクへ戻されることになり、分流弁102を通過するときに少なからず圧力損失が発生する。
この分流弁における圧力損失は、分流弁102の構造上どうしても大きくなってしまい、また、油圧ポンプ103は、一般的には、車両のエンジンにパワーテイクオフ等を介してエンジン駆動中は常時駆動状態に維持されることから、上記アンロード中にあっても、上記圧力損失に起因してエネルギを消費することになり、車両の燃費を大幅に悪化させることになってしまう。
また、分流弁102で分流後の油圧ポンプ103の吐出流量より少量となる作動油の圧力を圧力制御弁105f,105rで制御するようにしているので、各アクチュエータ101f,101rにおける圧力室内の圧力上昇の応答に遅れが生じると指摘される恐れがある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、省エネルギであって制御応答性を向上することが可能なロール制御装置を提供することである。
本発明の課題解決手段は、2つの圧力室を有し車両前後輪のスタビライザにそれぞれ連結される前輪側および後輪側のアクチュエータと、流体圧源から供給される流体を前輪側のアクチュエータおよび後輪側のアクチュエータに分配して供給する分流弁と、前輪側のアクチュエータの各圧力室のいずれか一つを選択して分流後の流体を供給可能な前輪側の方向切換弁と、後輪側のアクチュエータの各圧力室のいずれか一つを選択して分流後の流体を供給可能な後輪側の方向切換弁とを備え、各アクチュエータの流体が供給される圧力室内の圧力を制御手段によって調節することによりスタビライザにモーメントを与えて車体のロールを抑制するロール制御装置において、制御手段は、分流弁によって分流する前の流体の圧力を調節する第一の調節手段と、分流弁を通過後の流体のうち一方の流体の圧力を調節する第二の調節手段とを備えてなることを特徴とする。
本発明のロール制御装置によれば、ロール抑制の必要が無い状態において、流体圧源から供給される流体のほとんどは圧力を調整する第一の調節手段で短絡されて圧力損失の大きい分流弁を通過させることがないので、消費するエネルギは従来のロール制御装置に比較して非常に少なくなり、ロール制御装置を省エネルギ化することが可能であり、また、流体圧源を駆動する駆動源である車両駆動用エンジンの燃費が向上することになる。
また、別途、流体圧源をタンクに接続するような流路と開閉弁や切換弁等の設置も必要が無く、ロール制御装置全体の重量増加やコスト増を招くような弊害もない。
さらに、第一の調節手段が流体圧源から供給される全流量に対して圧力を上昇させることになるので、分流弁で分流後の分配されて少なくなった流量に対して圧力を制御する従来のロール制御装置に比較して、アクチュエータの各圧力室のうち選択された一方の圧力室内の圧力を速やかに上昇させることができ、昇圧応答性が向上することになるので、制御応答性が向上し、さらに、車体に生じるロールモーメントに対してアクチュエータのモーメントの発生に遅れを生じさせない。
したがって、車両搭乗者に不安感や違和感を抱かせることが無くなり、車両における乗心地を向上することができるのである。
図1は、この発明の一実施の形態のおけるロール制御装置を示した図である。図2は、アクチュエータの縦断面図である。図3は、この発明の他の実施の形態のおけるロール制御装置を示した図である。
以下、図に示した実施の形態に基づいて本発明のロール制御装置を説明する。一実施の形態におけるロール制御装置では、図1および図2に示すように、前輪用のスタビライザ1fは、トーションバーの部分を中央で二つに分割して構成し、この分割した部分の一方を油圧で駆動するロータリ式の前輪側におけるアクチュエータ2fのハウジング4側に、また、他方をロータ6側に連結して構成してある。したがって、本実施の形態において、流体圧は油圧となる。
同様に、後輪用のスタビライザ1rもまた、それをトーションバー部分の中央で二分割し、この分割した部分の一方を後輪側におけるロータリ式のアクチュエータ2rのハウジング4側に、また、他方をロータ6側に連結することによって構成してある。なお、上記したロータリ式のアクチュエータ2f,2rの場合、上記ハウジングとスタビライザ1f,1rの分割した一方および上記ロータとスタビライザ1f,1rの分割した他方とは固定的に連結されることになる。
また、上記した前輪側のロータリ式アクチュエータ2fと後輪側のロータリ式アクチュエータ2rは、図2に示すように、内壁面に180度の間隔を保って構成した二つの隔壁3a,3bをもつハウジング4と、外周面に同じく180度の間隔を置いて構成した二枚のベーン5a,5bをもつロータ6とを備えており、上記ロータ6をその中心部分となる軸部分を回動中心として上記ハウジング4の内部に回動自在に納めて構成してある。なお、上述したところでは、各アクチュエータ2f,2rをいわゆるダブルベーン形の揺動形アクチュエータとしているが、シングルベーン形やトリプルベーン形としてもよいことは無論であり、ダブルベーン形の二枚のベーン間隔を180度以外の角度としてもよい。
そして、上記ロータ6は、図2中で中心部分となる軸部分の外周をハウジング4の内壁に設けた隔壁3a,3bの先端に摺接させ、かつ、ベーン5a,5bの先端をハウジング4の内壁に摺接させることによって、ハウジング4内に収納され、ハウジング4内をこのロータ6で四つの圧力室7a,7b,8a,8bに区画している。
これら四つの圧力室7a,7b,8a,8bのうち図2中で対角位置にある圧力室7aと圧力室7bおよび圧力室8aと圧力室8bは、ロータ6の上位軸部分に穿った通孔9a,9bでそれぞれ互いに連通しており、かつ、ハウジング4には、圧力室7a,8aに開口するポート10,11が穿設してある。
これにより、各アクチュエータ2f,2rは、ポート10を通して圧力室7a,7bに流体圧たる油圧を加えることでハウジング4に対してロータ6を図2中時計回りに回動させるモーメントを圧力室7a,7b内に作用する圧力に応じて発生し、逆に、ポート11を通して圧力室8a,8bに流体圧たる油圧を加えることでハウジング4に対してロータ6を図2中反時計回りに回動させるモーメントを圧力室8a,8b内に作用する圧力に応じて発生し、これらモーメントによって、スタビライザ1f,1rに捩り力を与えることができる。
このようにして、前輪側におけるアクチュエータ2fは、前輪用のスタビライザ1fにモーメントを与えるアクチュエータとして作用すると共に、後輪側のアクチュエータ2rは、後輪用のスタビライザ1rにモーメントを与えるアクチュエータとしてそれぞれ作用するようにしてある。
図1に戻って、前輪側のアクチュエータ2fは、各圧力室のポート10,11にそれぞれ接続された給排流路25f,26fを介してプッシュプル型の前輪側の方向切換弁12fに接続されるとともに、後輪側のアクチュエータ2rもまた、各圧力室のポート10,11にそれぞれ接続された給排流路25r,26rを介してプッシュプル型の後輪側の方向切換弁12rに接続されている。
上記した各方向切換弁12f,12rは、供給ポートP、排出ポートTおよび二つの制御ポートA,Bを備えた4ポート3位置切換弁として構成され、供給ポートPはそれぞれ供給流路30f,30rを介して流体圧源たる油圧ポンプ20に接続され、排出ポートTはそれぞれ排出流路29f,29rを介してタンク19に接続される一方、制御ポートA,Bはそれぞれ前輪側のアクチュエータ2fのポート10,11と後輪側のアクチュエータ2fのポート10,11に接続されている。すなわち、前輪側の方向切換弁12fにおける制御ポートA,Bは、給排流路25f,26fに、後輪側の方向切換弁12rにおける制御ポートA,Bは、給排流路25r,26rに、それぞれ接続されている。なお、油圧ポンプ20は、従来のロール制御装置と同様、車両の駆動用のエンジン(図示せず)を駆動源としており、流体圧源としては、たとえば、ギヤポンプ等の種々の周知の形式のポンプを採用することが可能である。
また、上記各方向切換弁12f,12rは、それぞれ、供給ポートPを制御ポートAに排出ポートTを制御ポートBに連通する連通ポジションと、各ポートP,T,A,Bを遮断する遮断ポジションと、供給ポートPを制御ポートBに排出ポートTを制御ポートAに連通する連通ポジションの三つのポジションを備えており、両端をバネ(符示せず)で附勢され、ソレノイド27f,27rに電流を印加して方向切換弁12f,12rにおける弁体(符示せず)を押すと、供給ポートPと制御ポートAおよび排出ポートTと制御ポートBをそれぞれ連通し、他方、ソレノイド27f,27rに電流を印加して方向切換弁12f,12rにおける弁体(符示せず)を吸引すると、供給ポートPと制御ポートBおよび排出ポートTと制御ポートAをそれぞれ連通し、電流を印加しない状態ではバネ力により上記弁体(符示せず)が中立位置に維持されて各ポートP,T,A,Bを遮断するようになっており、通常は電流を印加した状態で上記したいずれかの連通ポジションを採るように設定されている。
つまり、上記各方向切換弁12f,12rを切換操作することによって各アクチュエータ2f,2rの圧力室7a,7bと圧力室8a,8bのうち一方を選択し、この選択した圧力室に油圧ポンプ20が吐出する作動油を供給することができるようになっており、この方向切換弁12f,12rの切換操作によって、スタビライザ1f,1rに作用させるモーメントの方向を決することができる。
そして、上記した前輪側の方向切換弁12fにおける供給ポートPは、供給流路30fを通して、分流弁35の一方の出口ポートDに通じ、後輪側の方向切換弁12rにおける供給ポートPは、供給流路30rを通して、分流弁35の他方の出口ポートEに通じており、この分流弁35は、その入口ポートCが主流路28を介して流体圧源たる油圧ポンプ20の吐出口に接続されて、油圧ポンプ20から吐出された作動油を一定の流量比率の下で分流し、これら分流された作動油を各方向切換弁12f,12rを通してそれぞれのアクチュエータ2f,2rに分配する。
また、主流路28とタンク19との間には、第一の調節手段となる圧力制御弁14とリリーフ弁13とが並列させて設けられており、具体的には、圧力制御弁14は、主流路28と排出流路29fとを接続する通路31の途中に設けられ、リリーフ弁13は、主流路28と排出流路29fとを接続する通路32の途中に設けられている。なお、リリーフ弁13は、通路32を連通する連通ポジションと遮断する遮断ポジションとを有し、主流路28の内圧が異常に上昇したときパイロット圧で開いて作動油をタンク19に逃がすようになっている。なお、通路31,32は、上記した主流路28と排出流路29fとを接続するように設ける替わりに、タンク19もしくは排出流路29rと主流路28とを接続するようにして設けても良い。
さらに、前輪側の供給流路30fと排出流路29fとの間には、逆止弁16が設けられ、後輪側の供給流路30rと排出流路29rとの間には、第二の調節手段となる圧力制御弁15と逆止弁17が設けられている。
すなわち、上記方向切換弁12fにおける供給ポートPは、供給流路30fを上流に遡ると順に供給流路30f側からの作動油の流れを阻止する逆止弁16と分流弁35の一方の出口ポートDに通じ、さらには、この分流弁35の入口ポートCに接続された主流路28を介して第一の調節手段となる圧力制御弁14とリリーフ弁13の上流側および流体圧源たる油圧ポンプ20に通じている。
また、方向切換弁12fの排出ポートTは、排出流路29fを下流に下ると順に逆止弁16とリリーフ弁13の下流側とに通じ、さらには、タンク19に通じている。
他方、上記方向切換弁12rにおける供給ポートPは、供給流路30rを通して供給流路30r側からの作動油の流れを阻止する逆止弁17に通じ、さらに供給流路30rを上流に遡ると順に第二の調整手段たる圧力制御弁15の上流側と分流弁35の他方の出口ポートEに通じ、さらには、この分流弁35の入口ポートCに接続された主流路28を介してリリーフ弁13の上流側および流体圧源たる油圧ポンプ20に通じている。
また、方向切換弁12rの排出ポートTは、排出流路29rを通して逆止弁17へと通じ、さらに排出流路29rを下流に下ると順に圧力制御弁15の下流側と、リリーフ弁13の下流側とに通じ、最終的にはタンク19に通じている。
そして、タンク19と油圧ポンプ20とは吸込み管路33で連通されており、油圧ポンプ20から供給される作動油は、最終的にはタンク19に導かれ主流路28、各供給流路30f,30r、各排出流路29f,29rおよび給排流路25f,25r,26f,26rを還流することとなる。
転じて、第一の調整手段たる圧力制御弁14は、通路31を開放して主流路28と排出流路29fとを連通する連通ポジションと、通路31を遮断する遮断ポジションとを有し、一端にバネ(符示せず)を備え、他端にこのバネに対向するソレノイド14aを備えており、このソレノイド14aが励磁されると、遮断ポジションに切換えることが可能であり、ソレノイド14aに印加する電流に比例して弁開口面積を比例制御可能な弁である。
したがって、ソレノイド14aに電流を印加しない状態では、バネ力によって連通ポジションにあり弁開口面積は最大となり、通常はソレノイド14aに印加した状態で、遮断ポジションを採るように設定されている。
そして、圧力制御弁14は、弁開口面積が最大となる状態では、主流路28内の圧力をタンク圧に誘導して最小にし、他方、弁開口面積を小さくすることで、主流路28内の圧力を昇圧するようになっている。
他方、第二の調整手段たる圧力制御弁15も、上記した第一の調整手段たる圧力制御弁14と同様の構成とされ、通路34を開放して供給流路30rと排出流路29rとを連通する連通ポジションと、通路34を遮断する遮断ポジションとを有し、一端にバネ(符示せず)を備え、他端にこのバネに対向するソレノイド15aを備えており、このソレノイド15aが励磁されると、遮断ポジションに切換えることが可能であり、ソレノイド15aに印加する電流に比例して弁開口面積を比例制御可能な弁である。
したがって、ソレノイド15aに電流を印加しない状態では、バネ力によって連通ポジションにあり弁開口面積は最大となり、通常はソレノイド15aに印加した状態で、遮断ポジションを採るように設定されている。
そして、圧力制御弁15も圧力制御弁14と同様に、弁開口面積が最大となる状態では、供給流路30r内の圧力をタンク圧に誘導して最小にし、他方、弁開口面積を小さくすることで、供給流路30r内の圧力を昇圧するようになっている。
なお、逆止弁16,17としては、従来から各種の油圧機器において広く一般に用いられているものをそのまま適用すればよく、それらの構成についてはよく知られていることであるのでここでは詳細な説明を省略する。
さらに、アクチュエータ2fの圧力室7a,7bおよび圧力室8a,8bのうち油圧ポンプ20から作動油の供給を受けている圧力室に作用する圧力を検出するための圧力検出器41が主流路28の途中に設けられ、主流路28内の圧力を検出する。このような位置に圧力検出器41を設ければ、圧力検出器41で検出する圧力と分流弁35の分流比率から方向切換弁12fが連通ポジションを採る状態においてアクチュエータ2fの油圧供給を受けている当該圧力室内の圧力を検出することが可能である。
また、アクチュエータ2rの圧力室7a,7bおよび圧力室8a,8bのうち油圧ポンプ20から作動油の供給を受けている圧力室に作用する圧力を検出するための圧力検出器42が供給流路30rの途中に設けられ、後輪側の供給流路30r内の圧力を検出する。このような位置に圧力検出器42を設ければ、後輪側の方向切換弁12rが連通ポジションを採る状態においてアクチュエータ2rの油圧供給を受けている当該圧力室内の圧力を検出することが可能である。
転じて、上記したところに加えて、車両の車体に作用した横加速度、舵角、車速および圧力検出器41,42が出力する圧力信号により圧力制御弁14,15の弁開口面積を調節するとともに、方向切換弁12f,12rを切換制御しつつアクチュエータ2f,2rがスタビライザ1f,1rに与えるモーメントを制御するためのコントローラたるECU43が設けてある。なお、車両のロール抑制を目的とする場合にあっては、横加速度のみに基づいて制御することも可能である。
上記ECU43は、たとえば車体に作用する横加速度の方向および大きさを横加速度信号として検出する横加速度検出器(図示はしないが、例えば、車体の該当部位に設けた横加速度センサ)と、舵角を信号として検出する舵角検出器(図示せず)と、車速を信号として検出する車速検出器(図示せず)とヨーレイトを検出するヨーレイト検出器(図示せず)と上述の圧力検出器41,42とに接続され、これら横加速度信号、舵角信号、車速信号、圧力信号を処理し、電流を各ソレノイド14a,15a,27f,27rに印加して、方向切換弁12f,12rと圧力制御弁14,15を駆動する。
すなわち、ECU43は、4つの出力端子(図示せず)を備え、これらの出力端子を信号線44,45,46,47で方向切換弁12f,12rのソレノイド27f,27rと圧力制御弁14,15のソレノイド14a,15aに結び、当該ECU43で方向切換弁12f,12rと圧力制御弁14,15とを制御するようにしてある。
次に、以上のように構成したこの発明の実施の形態であるロール制御装置の作動について説明する。
例えば、車両が平坦路を直進走行しているとき、すなわち、横加速度検出器および舵角検出器からの検出信号がないときには、車体はローリングしないので、スタビライザ1f,1rの捩り剛性を高めると乗り心地が悪くなる。そのような状態の場合には、ECU43は、スタビライザの機能を減殺するべく、圧力制御弁14,15のソレノイド14a,15aへの電流の供給を抑制して弁開口面積を大きくして主通路28内および供給流路30r内の圧力をタンク圧に誘導する。その結果、油圧ポンプ20からの作動油は圧力制御弁14の連通ポジションを介し、弁開口面積に応じて排出流路29fを介してタンク19へ還流する。さらに、方向切換弁12f,12rのソレノイド27f,27rへ電流を供給して上記したいずれかの連通ポジションを採るようにして上述の各ポートP,T,A,Bを連通するようにする。このとき、方向切換弁12f,12rの各ポートは連通されている状態であれば良いので、供給ポートPと制御ポートAおよび排出ポートTと制御ポートBをそれぞれ連通させても良いし、供給ポートPと制御ポートBおよび排出ポートTと制御ポートAをそれぞれ連通しても良い。
なお、このときに、路面の凹凸によりアクチュエータ2f,2rが動かされ、供給流路30f,30r内の圧力が排出流路29f,29r内の圧力より低くなる場合には、逆止弁16,17が開くので、各アクチュエータ2f,2rの圧力室内が負圧となることはなく、各圧力室の油圧力が何等生じてない状態に維持される。
上述の場合のECU43における具体的処理は、以下のようになる。先ず、横加速度および舵角がゼロであることを、各検出器から出力される信号から判断し、この場合、ECU43は車両が平坦路を直進走行していることから、スタビライザ1f,1rに作用させるモーメントがゼロであることを認識して、上述のように、スタビライザ1f,1rの機能を減殺するべく捩り剛性を低くする。この場合、アクチュエータ2f、2rの各圧力室7a,7b,8a,8bに何等油圧力が付加されない状態にするべきであること、すなわち前輪側のアクチュエータ2fおよび後輪側のアクチュエータ2rに作用させるべき目標圧力値がゼロあるいはこのロール制御装置で採り得る最低圧力であることを算出する。そして、ECU43は、各圧力室7a,7b,8a,8bに油圧力の供給をストップするべく、上述のように圧力制御弁14,15への電流供給を抑制するが、このとき圧力検出器41で検出した圧力の値と前輪側の目標圧力値と比較し、圧力検出器42で検出した圧力の値と後輪側の目標圧力値と比較して、検出した各圧力が算出した各目標圧力値の値より大きい場合には、圧力制御弁14,15の各ソレノイド14a,15aに供給している電流を少なくし、圧力制御弁14,15の弁開口面積を大きくして各目標圧力値と検出した各圧力とが同一になるように制御する。より具体的には、検出した圧力とそれに対応する各目標圧力値との偏差を求め、その偏差に基づき比例積分制御もしくは比例積分微分制御のフィードバック制御によってソレノイド14a,15aに供給すべき電流値を演算し、この演算された電流値に準じてソレノイド14a,15aに電流を供給するようにする。
また、一方では方向切換弁12f,12rを上述のように各ポートP,T,A,Bが連通するように電流供給を行う。したがって、この場合には、上述のように油圧ポンプ20から供給される作動油は圧力制御弁14を優先的に通過して、タンク19に流入し、アクチュエータ2f,2rには何等圧力が付加されない状態に制御することができることとなる。
なお、圧力制御弁15をも連通ポジションに維持するのは、作動油が分流弁35を通過するのは極少量であるが、この分流弁35を通過した作動油が後輪側のアクチュエータ2rの一方の圧力室内に流入するとアクチュエータ2rがスタビライザ1rにモーメントを作用させて車両における乗心地を損なうことになるので、これを防止するためである。
また、上述のような車両が平坦路を直進走行中の場合には、圧力制御弁14,15に電流を一切供給せずに弁開口面積を無条件に最大にするようにしても良い。
以上より、本発明のロール制御装置では、アクチュエータ2f,2rの各圧力室7a,7b,8a,8bに作用される圧力を略ゼロにすることができ、車両が直進走行中に突然路面からの入力があっても、各圧力室の圧力が殆ど作用していない状態になっているので、スタビライザの機能が発現することを効果的に防止することが可能である。
そして、このように、アクチュエータ2f,2rの各圧力室7a,7b,8a,8bに何ら圧力を作用させないアンロード状態に維持する場合、油圧ポンプ20から吐出される作動油の大部分は、圧力制御弁14でタンク19に短絡されるので、優先的に連通ポジションを採る第一の調整手段である圧力制御弁14を通過してタンク19に戻され、分流弁35を通過することを回避することができる。
したがって、特に、ロールを抑制する制御が必要が無い状態において、油圧ポンプ20から吐出される作動油のほとんどは、圧力損失の大きい分流弁35を通過することがないので、その分、ロール制御装置が消費するエネルギは従来のロール制御装置に比較して非常に少なくなり、ロール制御装置を省エネルギ化することが可能であり、また、流体圧源たる油圧ポンプ20を駆動する駆動源である車両駆動用エンジンの燃費が向上することになる。
また、別途、油圧ポンプ20をタンク19に接続するような流路と開閉弁や切換弁等の設置も必要が無く、ロール制御装置全体の重量増加やコスト増を招くような弊害もない。
他方、コーナリング時や車速が高速であって舵角が大きい時等のように車両が旋回走行に入って車体に横加速度が発生すると、ECU43には横加速度検出器、舵角検出器および車速検出器が検出した各信号が入力される。
ECU43は、これら各検出した信号に基づいて出力端子から信号線44,45を通して圧力制御弁14,15のソレノイド14a,15aに供給している電流を大きくするように通電を行い、当該圧力制御弁14,15の弁開口面積を小さくするように調節する。
また、油圧ポンプ20から供給された作動油は、方向切換弁12f,12rの供給ポートPに送り込まれると共に、これら方向切換弁12f,12rの排出ポートTはタンク19へと連通される。
一方、ECU43は、横加速度検出器、舵角検出器および車速検出器からの各信号に基づいて、そのとき車体に作用している遠心力によるロールモーメントの大きさと向きに対応してスタビライザ1f,1rに各アクチュエータ2f,2rが作用させるべきモーメントとその向きを演算し、これに準じた制御信号を電流として各出力端子から出力する。
上記ECU43の各出力端子から個々に出力された制御信号電流は、それぞれの信号線44,45,46,47を通して対応する圧力制御弁14,15のソレノイド14a,15aおよび方向切換弁12f,12rのソレノイド27f,27rに通電され、これら圧力制御弁14,15および方向切換弁12f,12rを制御する。
これに伴い、方向切換弁12f,12rは、車体に作用するロールモーメントの向きに対応して、スタビライザ1f,1rに上記ロールモーメントに対抗する向きのモーメントを作用させるべく、上記した連通ポジションのいずれかに切換わり供給ポートPと制御ポートAおよび排出ポートTと制御ポートBを連通もしくは供給ポートPと制御ポートBおよび排出ポートTと制御ポートAを連通するように切換え動作して、油圧ポンプ20から供給される作動油をアクチュエータ2f,2rのそれぞれのポート10,11のどちらかに流入させる。
かくして、アクチュエータ2f,2rには、それぞれのポート10,11のどちらかに流入させた作動油により作動油流入側の圧力室の圧力が高まり、たとえば、図2において、アクチュエータ2f、2rの圧力室7a、7bに作動油が供給されると、ロータ6が時計方向に回転し、他方の圧力室8a、8bに作動油が供給されると、ロータ6が反時計方向に回転し、その結果アクチュエータ2f、2rには時計方向または反時計方向のモーメントが発生し、これらモーメントを前後輪用のスタビライザ1f,1rに対し車体に作用したロールモーメントの向きと大きさに対抗させることが可能となり、ひいては、車体のロールを抑えることが可能となる。つまり、車体にロールが発生しようとすると、前後輪用のスタビライザ1f,1rが横加速度の大きさに合わせて当該車体を反対側に傾けようとする方向に捩られる。これにより、スタビライザ1f,1rは、その方向への捩り剛性がアップして車体に生じようとするロール運動を抑制することになる。なお、このロール制御装置が搭載される車両の特性に適した制御を行えるようにすればよいので、ロールモーメントに対しスタビライザ1f,1rに与えるモーメントの大きさを車両の特性に適合するような値となるようにECU43に算出させればよい。
また、上述の車体ロール時のECU43の具体的処理は、以下のようになる。先ず、横加速度、車速、舵角およびヨーレイトに基づいて、ECU43が車体がロールしていることを認識して、上述のように、スタビライザ1f,1rに車体に作用するロールモーメントに対抗するモーメントを作用させるべく、アクチュエータ2f、2rの圧力室7a,7bと圧力室8a,8bのうちどちらかに必要となる圧力である前輪側と後輪側の二つの目標圧力値を算出する。
そして、ECU43は、アクチュエータ2f、2rの圧力室7a,7bと圧力室8a,8bのうちどちらかに必要とされる圧力の供給するべく、上述のように圧力制御弁14,15への電流供給を大きくするか小さくするが、このとき圧力検出器41で検出した前輪側の圧力の値と上述の算出した目標圧力値と比較して、前輪側の圧力が前輪側の目標圧力値より大きい場合には、圧力制御弁14ソレノイド14aに供給している電流を小さくして、圧力制御弁14の弁開口面積を大きくし、逆に、検出した前輪側の圧力が前輪側の目標圧力値より小さい場合には、圧力制御弁14のソレノイド14aに供給している電流を大きくして、圧力制御弁14の弁開口面積を小さくし、前輪側の目標圧力値と検出した前輪側の圧力値とが同一になるように制御し、他方の圧力制御弁15にあっても同様に制御される。
また、ECU43は、各方向切換弁12f,12rを上述のように各ポートP,T,A,Bが連通するように電流供給を行う。したがって、この場合には、油圧ポンプ20から供給される作動油は圧力制御弁14によって所定圧に昇圧され、この昇圧された作動油は、分流弁35を介してアクチュエータ2fへ向かう作動油と、アクチュエータ2rへ向かう作動油とに分配され、さらに、アクチュエータ2rへ向かう作動油は、圧力制御弁15によって後輪側の目標圧力値に制御されることになり、アクチュエータ2f,2rにはECU43が算出した圧力がアクチュエータ2f,2rの圧力室の一方に作用する状態に制御することができることとなる。
ここで、前輪側の目標圧力値は、具体的には、分流弁35によって前輪側のアクチュエータ2fへ供給される作動油の分流比率を加味した値とされ、他方の後輪側の目標圧力値は、アクチュエータ2rの圧力室7a,7bもしくは圧力室8a,8bに直接作用させるべき圧力の値とされる。
そして、ECU43は、より具体的には、この前輪側の目標圧力値と圧力検出器41で検出する主流路28内の圧力との偏差を求め、その偏差に基づき比例積分制御もしくは比例積分微分制御のフィードバック制御によってソレノイド14aに供給すべき電流値を演算し、この演算された電流値に準じてソレノイド14aに電流を供給するようにし、これと同様に、後輪側の目標圧力値と圧力検出器42で検出する供給流路30r内の圧力との偏差を求め、その偏差に基づき比例積分制御もしくは比例積分微分制御のフィードバック制御によってソレノイド15aに供給すべき電流値を演算し、この演算された電流値に準じてソレノイド15aに電流を供給するようにすればよい。なお、上記した車両の直進走行時および旋回時におけるロール抑制制御にあたり、圧力からソレノイド14a,15aに供給すべき電流に換算する際には演算速度向上のためマップ演算を用いてよいことは無論である。
戻って、車両旋回時などで車体にロールが生じる場合には、上述のような制御が行われるのであるが、第一の調節手段である圧力制御弁14は、油圧ポンプ20が吐出する全流量に対して絞り効果を発揮して主流路28における圧力を上昇させることになるので、その後分流弁35を通過する作動油の圧力もすでに上昇しており、分流弁で分流後の分配されて少なくなった流量に対して圧力を制御する従来のロール制御装置に比較して、アクチュエータ2f,2rの圧力室7a,7bあるいは圧力室8a,8b内の圧力を速やかに上昇させることができる。すなわち、アクチュエータ2f,2rの圧力室7a,7bあるいは圧力室8a,8b内の昇圧応答性が向上することになるので、制御応答性が向上し、さらに、車体に生じるロールモーメントに対してアクチュエータ2f,2rのモーメントの発生に遅れを生じさせない。
したがって、車両搭乗者に不安感や違和感を抱かせることが無くなり、車両における乗心地を向上することができるのである。
そして、この実施の形態のロール制御装置の場合、前輪側のアクチュエータ2fに供給する作動油の圧力の制御を分流弁35より上流の主流路28内の圧力を制御する第一の調節手段である圧力制御弁14で行い、他方の後輪側のアクチュエータ2rに供給する作動油の圧力の制御を分流弁35より下流の供給流路30r内の圧力を制御する第二の調節手段である圧力制御弁15で行う構成としているので、システムになんらかの異常が生じるような事態となっても、必ず、前輪側のアクチュエータ2fが発生するモーメントは後輪側のアクチュエータ2rが発生するモーメントを上回ることになり、その結果、車両のロール剛性は前輪側が高く後輪側が低くなるので、車両走行中のステアリング特性がオーバーステア傾向となる事態を回避することが可能となる。
また、このロール制御装置では、アクチュエータ2f、2rの圧力室7a,7bあるいは圧力室8a,8bに作用させる圧力を最適なものとすることができ、また制御手段における第一の調節手段である圧力制御弁14および第二の調節手段である圧力制御弁15は開口面積を変化可能であるので、圧力室7a,7bあるいは圧力室8a,8bに作用させる圧力をきめ細かに制御可能であり、精度の高い制御が可能となる。
そして、また、圧力室7a,7bと圧力室8a,8bの差圧制御ではなく、直接に圧力室7a,7bあるいは圧力室8a,8bに作用する圧力を制御しているので、路面からの突然の入力によってスタビライザ1f,1rに接続されているアクチュエータ2f,2rの圧力室7a,7bあるいは圧力室8a,8bの圧力が変動しても、リアルタイムで圧力室7a,7bあるいは圧力室8a,8bに作用している圧力を把握できるので、アクチュエータ2f,2rが発生すべきモーメントを維持制御することが可能である。また、その制御も制御しずらい差圧制御ではないので、制御が簡易となり、安定的にアクチュエータ2f,2rに油圧力を供給することが可能である。したがって、アクチュエータ2f,2rに安定的な油圧力を供給することが可能であるので、ロール抑制効果が高く、車両のロール時の乗り心地が向上する。
なお、路面入力によりアクチュエータ2f,2rが強制的に動かされた場合にあっても、ロール制御中のアクチュエータ2f,2rの圧力室7a,7b内あるいは圧力室8a,8b内の圧力をロール制御に必要な圧力に保つことができる。すなわち、アクチュエータ2f,2rが強制的駆動されることによる圧力変動を抑えるように圧力制御で一定圧力に制御が可能であるので、路面入力を和らげるように制御することが可能であり、路面入力による乗り心地の悪化を招来しない。つまり、本スタビライザ装置にあっては、アクチュエータ2f,2rの付加側における圧力室内の圧力が高まり、車体に圧力上昇による反力が伝達して車両における乗り心地が悪化することを防止することができる。
さらに、上記したように、前後輪のスタビライザ1f,1rに与えるモーメントをそれぞれ独立して制御し得ることから、車体に作用したヨーイングにも対処してコーナリング時における車両の回頭性や収斂性を向上させつつ、ステアリング特性を俊敏に保って車両を安定した状態で走行させることになる。
続き、フェール時の動作について説明すると、このロール制御装置やこれを搭載している車両に何らかの異常が発生し制御不能な状態になった場合や方向切換弁12f,12rおよび圧力制御弁14,15に対するそれぞれの信号線44,45,46,47の断線など制御システムに異常が発生したときには、これをECU43が検知して方向切換弁12f,12rと圧力制御弁14,15の動作を停止する。
すると、圧力制御弁14,15はバネ力によって弁開口面積を最大にし、方向切換弁12f,12rはバネ力によって各ポートP,T,A,Bを遮断する遮断ポジションに移行する。そうすると、油圧ポンプ20から供給されている作動油は圧力制御弁14を通過してタンク19へ流入することとなり、油圧ポンプ20とタンク19間を還流することとなり、フェール時においても、無駄にエネルギを消費することが無い。
アクチュエータ2f,2rは、方向切換弁12f,12rによって、作動油の出入りが一切阻止されて、回動不能なロック状態とされるため、スタビライザ1f,1rは、ロール抑制のためのアクチュエータ2f,2rが発生するモーメントが作用しなくなるだけで、通常のスタビライザ、すなわち、アクチュエータ2f,2rが連結されていないスタビライザとして機能することになり、車両の走行性能を阻害することが無い。
つまり、スタビライザ1f,1rに対してそれらを捩るようなロールモーメントが働いたとしても、これらスタビライザ1f,1rは、方向切換弁12f,12rで作動油の流れをブロックすることによって剛体化されたアクチュエータ2f,2rを通して少なくとも通常のスラビライザとしての機能を保持しつつ、かつ、より通常のステアリング特性に近い状態を保って車体のロールを抑制する。
このようにして、コーナリングでの車体のロール制御中における制御系の異常発生に際しては、アクチュエータ2f,2rをブロック状態に保って前後輪用のスタビライザ1f,1rの捩り剛性を制御中の状態に維持する。
かくして、フェールセーフ動作が行われたとしても、その前後での車体ロール剛性やステアリング特性は変わらず、車両の操縦特性に大きな変化をきたすことなく確実にフェールセーフ動作が行われることになる。
そして、異常時にあって、圧力制御弁14が万が一コンタミネーション等により閉じた状態となっても、油圧ポンプ20から供給される作動油は、主流路28内の圧力が高まるので、リリーフ弁13が開放されタンク19へと流入することとなるので、ロール制御装置が損傷することが防止される。
なお、上記したところでは、アクチュエータ2f,2rをロータリ式アクチュエータとしたが、図3に示した他の実施の形態のロール制御装置のように、車両の前後輪側に設けられたスタビライザ50f,50rの一端に、たとえば二つの対向する圧力室を備えたシリンダ型のアクチュエータ51f,51rを接続してもよいことは勿論であり、この場合も、上記した一実施の形態におけるロール制御装置と同様の作用効果を奏し、アクチュエータ51f,51rにおける圧力室の一方に作用させる圧力を上述と同様の制御によって調節することによって、車両におけるロールを抑制することが可能であり、省エネルギであって車両の燃費を向上することができ、さらには、制御応答性を向上して車両における乗心地を向上することが可能である。
なお、各実施の形態においては圧力検出器41,42でアクチュエータ2f,2rの圧力室内の圧力を検出しているが、圧力検出器41,42を使用せずとも、あらかじめ油圧ポンプ20の容量が決められていれば圧力制御弁14,15の弁開口面積によってどの程度の圧力が圧力室に作用しているかを把握できるので、この場合には圧力制御弁14,15にどの程度電力を供給しているかによって圧力の値をECU43に認識させても良い。
以上で、本発明の説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
この発明の一実施の形態のおけるロール制御装置を示した図である。 アクチュエータの縦断面図である。 この発明の他の実施の形態のおけるロール制御装置を示した図である。 従来のロール制御装置を示した図である。
符号の説明
1f,1r,50f,50r スタビライザ
2f,2r,51f,51r アクチュエータ
3a,3b 隔壁
4 ハウジング
5a,5b ベーン
6 ロータ
7a,7b,8a,8b 圧力室
9a,9b 通孔
10,11 アクチュエータのポート
12f,12r 方向切換弁
13 リリーフ弁
14 第一の調節手段たる圧力制御弁
14a,15a,27f,27r ソレノイド
15 第二の調節手段たる圧力制御弁
16,17 逆止弁
19 タンク
20 流体圧源たる油圧ポンプ
25f,25r,26f,26r給排流路
29f,29r 排出流路
30f,30r 供給流路
31,32,34 通路
33 吸込み管路
35 分流弁
41,42 圧力検出器
43 ECU
44,45,46,47 信号線

Claims (8)

  1. 2つの圧力室を有し車両前後輪のスタビライザにそれぞれ連結される前輪側および後輪側のアクチュエータと、流体圧源から供給される流体を前輪側のアクチュエータおよび後輪側のアクチュエータに分配して供給する分流弁と、前輪側のアクチュエータの各圧力室のいずれか一つを選択して分流後の流体を供給可能な前輪側の方向切換弁と、後輪側のアクチュエータの各圧力室のいずれか一つを選択して分流後の流体を供給可能な後輪側の方向切換弁とを備え、各アクチュエータの流体が供給される圧力室内の圧力を制御手段によって調節することによりスタビライザにモーメントを与えて車体のロールを抑制するロール制御装置において、制御手段は、分流弁によって分流する前の流体の圧力を調節する第一の調節手段と、分流弁を通過後の流体のうち一方の流体の圧力を調節する第二の調節手段とを備えてなることを特徴とするロール制御装置。
  2. 流体圧源と分流弁とを接続する主流路と、分流弁と前後輪側の各方向切換弁とを接続する各供給流路と、各方向切換弁とタンクとを接続する各排出流路とを備え、第一の調節手段は主流路における流体の圧力を調節し、第二の調節手段は各供給流路のうち一方における流体の圧力を調節することを特徴とする請求項1に記載のロール制御装置。
  3. 第一の調節手段は、主流路とタンクとの間に設けたソレノイドで駆動される圧力制御弁であり、第二の調節手段は各供給流路のうち一方の供給流路とタンクとの間に設けたソレノイドで駆動される圧力制御弁であることを特徴とする請求項1または2に記載のロール制御装置。
  4. 各方向切換弁は各アクチュエータの2つの圧力室に選択的に流体を供給する2つの連通ポジションと流体の供給を行わない遮断ポジションを備えてなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のロール制御装置。
  5. 第一の調節手段は、分流弁によって分流する前の流体の圧力と分流前圧力目標値との偏差に基づいて圧力を制御し、第二の調節手段は、調節対象の圧力室内の圧力と分流後圧力目標値との偏差に基づいて圧力を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のロール制御装置。
  6. 第二の調節手段は、後輪側のアクチュエータに供給される流体の圧力を調節することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のロール制御装置。
  7. アクチュエータは、スタビライザの中間に介装されるロータリアクチュエータであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のロール制御装置。
  8. アクチュエータは、スタビライザの一端に連結される流体圧シリンダであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のロール制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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