JP2004217029A - ロックシリンダの制御装置およびスタビライザ機能制御装置 - Google Patents

ロックシリンダの制御装置およびスタビライザ機能制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両のロールを抑制するだけでなく小突起乗り越え時の車両の乗り心地を向上することである。また、他の目的は、車両への搭載性を向上し、低コストで軽量かつ大きな消費出力を必要としないロックシリンダの制御装置およびスタビライザ機能制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置を、ロックシリンダLに流体圧を供給する一対の供給シリンダC1、C2と、管路21,22と、各管路21、22の途中に設けた絞り弁23、25と、一対のアキュムレータ10R,10L、11R、11Lとで構成し、上記絞り弁23、25より各供給シリンダC1、C2の圧側室R1、R3側の位置にそれぞれ信号入力用管路30、20R、20Lを設けて、流体圧を供給することにより、ロックシリンダLををシリンダロック状態とシリンダフリー状態とに切換える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両等に搭載されると共にスタビライザに連繋されてスタビライザ機能を調節可能にするロックシリンダの制御装置の改良およびスタビライザ機能制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、車両がウネリ路を走行する時には、車両にローリング現象が発生するので、車体が傾き、安定性が悪化する。
【0003】
そこで、上記ローリング現象を抑制するために、車両にスタビライザを搭載させ、適正な車両の姿勢制御を実現しようとしている。
【0004】
一方、ウネリ路では有用であるスタビライザも、車両が平坦路を走行するときには、ローリング現象が発現されることは殆どなく、かえって、凹凸路面侵入時にサスペンションとしての懸架バネ定数を高めて、車両の乗り心地を悪化させてしまうことがある。
【0005】
さらに、車両が走行するウネリ路の状況によっては、スタビライザ機能が発揮されることで却って車両における乗り心地が悪くなることがあり、この場合にも、スタビライザ機能を抑制する方が良い。
【0006】
そこで、たとえば、以下のようなスタビライザ機能制御装置(たとえば、特許文献1参照)が提案されている。
【0007】
このスタビライザ機能制御装置は、図5に示すように、車両前後のスタビライザ60f、60rと、一端を車両前後のスタビライザ60f、60rに連結し、他端を車体バネ下部材に連結した復動片ロッド式のシリンダ58、59と、上記シリンダ58、59に接続された油圧源57と、上記シリンダ58、59と油圧源57との間に設けた差圧バルブ55および切換バルブ56と、上記差圧バルブ55および切換バルブ56を調節する制御装置51とで構成され、さらに制御装置51は、コントローラ52と、横加速度検出器53と、操舵角検出器54を有している。
【0008】
そして、このスタビライザ機能制御装置は、車両のロールモーメントをコントローラ52が、上記横加速度検出器53および操舵角検出器54から入力される各検出結果から判断し、予め設定されている制御則により車両の姿勢制御に必要な上記車両のロールモーメントとは逆向きのロールモーメントを算出し、上記差圧バルブ55および切換バルブ56を適宜調節して、シリンダ58、59に油圧を負荷して、車両の姿勢制御を行っている。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−123730号公報(段落番号0024から0033、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のスタビライザ機能制御装置では、機能面で問題があるわけではないが、以下の不具合を招来する可能性があると指摘される恐れがある。
【0011】
すなわち、上記スタビライザ機能制御装置では、パワーソースたる油圧源を配し、横加速度と操舵角を検出してスタビライザの機能をアクティブに制御して、車体のロールを自在に抑制できるという点があるが、その反面、不整地や補修路などでの車両の乗り心地を向上する取り組みがなされていない。
【0012】
そのため、特に、車両が道路の継ぎ目や補修突起部や公共枡や段差等の小突起を乗り越える場合には、車両バネ下の突き上げ衝撃により車両の乗り心地を著しく阻害するので従来のスタビライザ機能制御装置では、かえって乗り心地が悪くなってしなう恐れがある。
【0013】
また、従来のスタビライザ機能制御装置では、センサやECU等が必要であり、機器構成上制御装置全体が高価なものとなってしまう。シリンダ58、59のロッドの駆動に油圧源を使用しているため、作動油の流量をある程度確保しなくてはならず、そのため、油圧源の大型化、油圧配管の大径化が避けられず、この点でも装置全体のコストが高くなり、車両の構造に起因する制約されたスペースに搭載するスタビライザ調節装置にあってはその搭載性も悪化する可能性がある。
【0014】
さらに、上記油圧源の大型化、油圧配管の大径化という弊害は、装置全体の重量増加に繋がりかねない。
【0015】
また、さらに、上記油圧源は上記スタビライザ調節装置が搭載される車両の出力の一部を利用するが、上記油圧源の大型化により、油圧源の消費出力も大きくなるので、車両の走行力不足の原因になる可能性がある。
【0016】
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、車両のロールを抑制するだけでなく小突起乗り越え時の車両の乗り心地を向上することである。また、他の目的は、車両への搭載性を向上し、低コストで軽量かつ大きな消費出力を必要としないロックシリンダの制御装置およびスタビライザ機能制御装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、第1の課題解決手段におけるロックシリンダの制御装置は、信号の入力によりシリンダロック状態とシリンダフリー状態とに切換可能なロックシリンダを制御するロックシリンダの制御装置において、信号が流体圧であって、制御装置は、ロックシリンダに流体圧を供給する一対の供給シリンダと、一方の供給シリンダの圧側室を他方の供給シリンダの伸側室に接続する管路と、一方の供給シリンダの伸側室を他方の供給シリンダの圧側室に接続する管路と、各管路の途中に設けた絞り弁と、各管路の途中であって絞り弁より各圧側室側または圧側室に接続した一対のアキュムレータと、各管路の途中であって絞り弁より伸側室側または伸側室に接続した一対のアキュムレータとを有してなり、各管路の途中であって上記絞り弁より各供給シリンダの圧側室側の位置にそれぞれ信号入力用管路を設けたことを特徴とする。
【0018】
そして、第2の課題解決手段におけるロックシリンダの制御装置は、信号の入力によりシリンダロック状態とシリンダフリー状態とに切換可能なロックシリンダを制御するロックシリンダの制御装置において、信号が流体圧であって、制御装置は、ロックシリンダに流体圧を供給する一対の供給シリンダと、一方の供給シリンダの圧側室と伸側室を接続する管路と、他方の供給シリンダの圧側室と圧側室を接続する管路と、各管路の途中に設けた絞り弁と、各管路の途中であって絞り弁より各圧側室側または圧側室に接続した一対のアキュムレータと、各管路の途中であって絞り弁より伸側室側または伸側室に接続した一対のアキュムレータとを有してなり、各管路の途中であって上記絞り弁より各供給シリンダの圧側室側の位置にそれぞれ信号入力用管路を設けたことを特徴とする。
【0019】
また、第3の課題解決手段におけるロックシリンダの制御装置は、第1、2の課題解決手段において、各信号入力用管路の途中に増幅シリンダを設けたことを特徴とする。
【0020】
さらに、第4の課題解決手段におけるロックシリンダの制御装置は、第1、2、3の課題解決手段において、各供給シリンダの伸側室側に設けたアキュムレータの容量より各供給シリンダの圧側室側の管路に設けたアキュムレータの容量が小さいことを特徴とする。
【0021】
また、第5の課題解決手段におけるロックシリンダの制御装置は、第1から4の課題解決手段において、増幅シリンダと管路とを結ぶ信号入力用管路に管路側から増幅シリンダ側への流体の流れのみを許容する逆止弁と絞りとを並列に設けたことを特徴とする。
【0022】
さらに、第6の課題解決手段におけるロックシリンダの制御装置は、第1から5の課題解決手段において、ロックシリンダがシリンダ本体と、シリンダ本体を伸縮制御するロック機構とからなり、シリンダ本体はシリンダと、シリンダ内にピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、シリンダ内にピストンで区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダに形成されてピストンを介して上記伸側油室と圧側油室とに選択的に開閉される連通孔とを有し、ロック機構は供給される流体圧により上記伸側油室と圧側油室とを連通または遮断を可能とする開閉弁と、上記連通孔に接続されたリザーバと、リザーバと上記伸側油室との間及びリザーバと圧側油室との間にそれぞれ設けられてリザーバからの作動油のみの流れを許容する第1、第2の逆止弁とを備えていることを特徴とする。
【0023】
さらに、第7の課題解決手段ロックシリンダの制御装置は、第1から6の課題解決手段において、ロックシリンダの一端が車両のバネ下部材に連結されると共に、他端が車両のスタビライザに連結したものである。
【0024】
そして、また、第8の課題解決手段におけるスタビライザ機能制御装置は、第1から6の課題解決手段のいずれかのロックシリンダ制御装置が接続されたロックシリンダの一端を車両のバネ下部材に連結し、他端を車両のスタビライザに連結されたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるロックシリンダは、図1に示す第1の実施の形態と、図4に示す第2の実施の形態とがある。この制御装置は、車両に適用する場合、前後輪のいずれかに装着されて、スタビライザの死活を制御するものである。
【0026】
第1の実施の形態におけるロックシリンダの制御装置は、図1に示すように、制御装置は、ロックシリンダに流体圧を供給する一対の供給シリンダC1、C2と、2つの管路21、22と、各管路21、22の途中に設けた絞り弁23、25と、各管路21、22の途中であって絞り弁23、25の上流と下流に設けた一対のアキュムレータ10R、10L、11R、11Lと、一対の供給シリンダC1、C2の圧側室R1、R3側の位置にそれぞれ設けた信号入力用管路20R、20Lと、一端に上記信号入力用管路20Rを接続した増幅シリンダC3と、一端に上記信号入力用管路20Lを接続した増幅シリンダC4と、増幅シリンダC3、C4の他端に接続された信号入力用管路30とで構成され、さらに、信号入力用管路30はたとえば図2に示すロックシリンダに接続されている。
【0027】
以下、詳細に説明すると、一方の供給シリンダC1は、いわゆる両ロッド型シリンダであって、シリンダ1内に移動自在に挿入したピストンロッド3と、ピストンロッド3の中間に設けたピストン2とで構成され、シリンダ1内は、上記ピストン2により圧側室R1と伸側室R2とに画成されており、上記シリンダ1の上下には管路22が接続されるポートAと、管路21が接続されるポートBが設けられている。また、他方の供給シリンダC2は、一方の供給シリンダC1と同様の構成となっている。そして、シリンダ1、5をバネ上側に、ピストンロッド3、7をバネ下側たる車軸側に連結される。したがって、車輪の車体に対する振動により、各供給シリンダC1、C2は伸縮運動を呈することとなる。
【0028】
そして、供給シリンダC1のポートAは、管路22を介して供給シリンダC2のポートDに接続されるとともに、供給シリンダC1のポートBは、管路21を介して供給シリンダC2のポートCに接続されている。すなわち、供給シリンダC1の圧側室R1は供給シリンダC2の伸側室R4と、供給シリンダC1の伸側室R2は供給シリンダC2の圧側室R3と、それぞれ連通されている。
【0029】
また、管路22の途中にはそれぞれ絞り弁25が設けられており、さらに管路22の途中であって絞り弁25より供給シリンダC1、C2の各ポートA、D側にはそれぞれアキュムレータ10R、11Lが設けてあり、同様に管路21の途中にはそれぞれ絞り弁23が設けられており、さらに管路21の途中であって絞り弁23より供給シリンダC1、C2の各ポートB、C側にはそれぞれアキュムレータ10L、11Rが設けてある。すなわち、各管路には2つのアキュムレータと絞り弁が設けられている。
【0030】
なお、各供給シリンダC1、C2の圧側室R1、R3側の各管路21、22に設けられたアキュムレータ10R、10Lの容量は、伸側室R2、R4側の各管路21、22に設けられたアキュムレータ11R、11Lの容量より小さく設定されている。
【0031】
また、図示したところでは、各アキュムレータ10R,10L,11R,11Lは、それぞれ上述した位置に接続されているが、それぞれ、アキュムレータ10Rは管路22の絞り弁25よりポートA側に接続するか圧側室R1に直接接続しても良く、アキュムレータ11Rは管路21の絞り弁23よりポートB側に接続するか圧側室R2に直接接続しても良く、アキュムレータ10Lは管路21の絞り弁23よりポートC側に接続するか圧側室R3に直接接続しても良く、アキュムレータ11Lは管路22の絞り弁25よりポートD側に接続するか圧側室R4に直接接続しても良い。
【0032】
また、一方の増幅シリンダC3は、シリンダ28と、フリーピストンF1とで構成され、シリンダ28内はフリーピストンF1で上室Z1と下室Z2に区画され、その上下端にはポートE、Gが設けられており、他方の増幅シリンダC4も一方の増幅シリンダC3と同様の構成である。そして、一方の増幅シリンダC3の下端のポートEは、信号入力用管路20Rを介して管路22の絞り弁25を設けた位置より供給シリンダC1の圧側室R1側に接続されており、上端のポートGは信号入力用管路30に接続されており、他方の増幅シリンダC4の下端のポートHは、信号入力用管路20Lを介して管路21の絞り弁23を設けた位置より供給シリンダC2の圧側室R3側に接続されており、上端のポートJは信号入力用管路30に接続されている。
【0033】
さらに、各増幅シリンダC3、C4の各ポートG、Jから伸びる信号入力用管路30は、その先にて合流し、ロックシリンダに接続される。なお、流体圧を増幅しない場合には、各増幅シリンダC3、C4を設けなくともよいが、これら増幅シリンダC3、C4を設けたほうが、流体圧を増幅できるので、スタビライザの死活を制御する制御装置の応答性が向上する。
【0034】
他方、ロックシリンダは、たとえば図2に示すように、シリンダ本体Lとロック機構とで構成される。シリンダ本体Lは、従来のスタビライザ調節装置と同様に図5に示すように、車両の前後に一箇所づつ、一端が車体バネ下部材側たる固定側に連結されながら他端がスタビライザ側たる可動側に連結されるもので、シリンダ43と外筒35とを有して複筒型に形成されている。ちなみに、このロックシリンダの場合には、正立型としてスタビライザに連結される。
【0035】
そして、シリンダ43は、内側に摺動可能に収装されたピストン41で伸側油室70と圧側油室71を画成し、外筒35は、連通孔36aを有する中間筒36の外周側に配在されてこの中間筒36との間にリザーバ72を画成している。
【0036】
このとき、このリザーバ72にあっては、油面Oを境にして気室たるガス室73が画成されていて、油面Oが上昇してガス室73の圧力が上昇することで、所定のバネ力を発揮するとしている。リザーバ72はあらかじめガス圧で加圧しておいてもよい。
【0037】
また、シリンダ本体Lの図中で上端となる開口端は、図示するところでは、ヘッド部材37で封止されるとしており、このヘッド部材37には上記のリザーバ72からの作動油の伸側油室70への流入を許容するがその逆流を阻止する第1の逆止弁46が配在されている。
【0038】
そして、このヘッド部材37の軸芯部を貫通するピストンロッド42の図中で下端となる先端がシリンダ43内に摺動可能に収装された上記のピストン41に連設されている。
【0039】
ちなみに、シリンダ本体Lの開口端は、上記のヘッド部材37で封止されるのに代えて、図示しないが、ヘッド部材としてのシリンダ43の開口端に連続するヘッド部で、あるいは、外筒35の開口端に連続するヘッド部で閉塞されるとしても良く、その場合には、同じく図示しないが、ピストンロッド42が上記のシリンダ43、あるいは、外筒35のヘッド部を貫通することになる。
【0040】
また、シリンダ本体Lの図中で下端となるボトム端は、図示するところでは、ボトム部材38で封止されるとしており、このボトム部材38には上記のリザーバ72からの作動油の圧側油室71への流入を許容するがその逆流を阻止する第2の逆止弁39が配在されている。
【0041】
ちなみに、シリンダ43のボトム端は、上記のボトム部材38で封止されるのに代えて、図示しないが、他のボトム部材としてのシリンダ43のボトム端に連続するボトム部で、あるいは、外筒35のボトム部で閉塞されるとしても良く、その場合には、同じく図示しないが、第2の逆止弁39が上記のシリンダ43、あるいは、外筒35のボトム部に配在されることになる。
【0042】
一方、上記のシリンダ本体Lにあっては、シリンダ43内の伸側油室70と圧側油室71が、図示するところでは、ピストン41に配在の開閉弁Vを介して連通可能とされている。
【0043】
そして、この開閉弁Vは、制御装置から供給されるパイロット信号たる流体圧の供給時に開放されると共にパイロット信号たる流体圧の解消時に附勢バネV3のバネ力で閉鎖される常閉型に設定されている。
【0044】
このとき、開閉弁Vは、パイロット信号の入力で切り換わる連通ポジションV2と、パイロット信号の解消時に附勢バネV3のバネ力で切り換わる遮断ポジションV1とを有している。
【0045】
それゆえ、この開閉弁Vにあっては、外部からのパイロット信号の供給が不能になる場合にも、遮断ポジションV1に維持されてシリンダ本体Lをいわゆるロック状態に維持することになり、したがって、最低限スタビライザ機能の発揮を保障し得ることになる。
【0046】
そして、この開閉弁Vにあっては、これが連通ポジションV2にあるときには、シリンダ1内の伸側油室70と圧側油室71との連通を許容することになり、したがって、シリンダ本体Lを常時伸縮可能な状態、いわゆるシリンダフリー状態に維持して、スタビライザ機能を減殺することになる。
【0047】
そして、この開閉弁Vにあっては、これが遮断ポジションV1にあるときには、シリンダ1内の伸側油室70と圧側油室71との連通を阻止することになり、したがって、シリンダ本体Lの伸縮を阻止して棒状体いわゆるシリンダロック状態になり、スタビライザ機能を発現させることになる。
【0048】
ちなみに、この開閉弁Vは、具体的な実施形態にあっては、図示するように、ピストン41に配在されるのではなく、図示しないが、このピストン41に連設されるピストンロッド42に、特に、ピストン41を連設させるピストンロッド42における先端部あるいは先端近傍部に配在されることになるであろう。
【0049】
また、上述したようにこの開閉弁Vに外部から供給されるパイロット信号は、上記の制御装置の増幅シリンダC3、C4および信号入力管路30を介して供給シリンダC1、C2から供給される流体圧である。
【0050】
ところで、上記のシリンダ本体Lにあっては、シリンダ43がこのシリンダ43に形成されてシリンダ43内とリザーバ72との連通を可能にしながらシリンダ43内でピストン41が中立位置にあるときにこのピストン41が隙間を形成して対向する連通孔43aを有している。
【0051】
このとき、図示するところでは、ピストン41がその外周に介装されてシリンダ43の内周に摺接するシールリング45を有すると共に、このシールリング45における図中で上下方向となるピストン41の摺動方向となる有効幅がシリンダ43に形成の連通孔43aの径よりも小さくなるように設定されている。
【0052】
それゆえ、シリンダ本体Lにあっては、ピストン41がシリンダ43内で中立位置にあるときには、シリンダ43内の伸側油室70および圧側油室71が連通孔43aを介してリザーバ72と連通する状態になる。
【0053】
そして、シリンダ43内をピストン41が摺動する状況になると、シールリング45が連通孔43aに対向し得なくなるまでピストン41がシリンダ43内を摺動し得ることになる。
【0054】
そしてまた、シールリング45が連通孔43aに対向し得なくなると、伸側油室70あるいは圧側油室71の油がリザーバ72に流出し得なくなって、シリンダ本体Lが伸縮作動し得なくなり、このとき、シリンダロック状態を呈することになる。
【0055】
ちなみに、上記の連通孔43aは、図2にあっては、シリンダ43の内周に形成された環状溝43bに連通するとし、このとき、ピストン41の外周に介装のシールリング45の有効幅に対して、この環状溝43bにおける図中の上下方向たるシリンダ43の軸方向となる有効幅の方が大きくなるように設定されてなるとしても良い。
【0056】
これによって、上記したピストン41がシリンダ43内で中立位置にあるときの伸側油室70および圧側油室71の連通孔43aを介してのリザーバ72への連通性が改善されることになる。
【0057】
そして、連通孔43aを環状溝43bに連通させる場合には、連通孔43aの径を小さく設定でき、したがって、シリンダ43における機械的強度をいたずらに低下させないことが可能になる。
【0058】
そしてまた、連通孔43aの径を小さく設定する場合には、この連通孔43aにオリフィス機能を具有させることが可能になり、したがって、シリンダ43内の伸側油室70および圧側油室71とリザーバ室72との間を往復する油の流速を制御することが可能になる。
【0059】
以上のように形成されたシリンダ本体Lにあっては、上記したように、開閉弁Vを開放作動させることで、自在に伸縮作動し得る一方で、開閉弁Vを開放作動させないことで、ピストン41がシリンダ43内の連通孔43a、43bのある位置で、その伸縮作動を抑制し得ることになり、したがって、開閉弁Vの切換制御でこのシリンダ本体Lが連繋されるスタビライザにおけるスタビライザ機能の死活を制御できることになる。
【0060】
つづいて、作用について説明する。車両が直進走行中に、一方の車輪に周波数の高い振動が路面から入力される場合、たとえば、車両が道路の継ぎ目や補修突起部や公共枡や段差等の小突起を乗り越える場合には、一方の供給シリンダ、たとえば、供給シリンダC1が収縮される。
【0061】
そして、供給シリンダC1の圧側室R1内の流体は圧側室R1内の圧力が高まるので管路22を介してアキュムレータ10Rおよび他方の供給シリンダC2の伸側室R4および増幅シリンダC3の下室Z2内へ移動しようとするが、供給シリンダC1のピストン速度が速いので、他方の供給シリンダC2の伸側室R4へは管路22内の絞り弁25により、流体の移動が著しく妨げられるので、結局供給シリンダC1の圧側室R1内とアキュムレータ10R内の流体圧力が大きく上昇し、流体は増幅シリンダC3の下室Z2内に流入することとなる。
【0062】
すると、増幅シリンダC3内のフリーピストンF1は図1中上方へ移動し、増幅シリンダC3の上室Z1内の流体圧力が上昇する。このとき、流体圧は増幅シリンダC3により増幅されている。
【0063】
そして、この増幅シリンダC3の上室Z1内の流体はフリーピストンF1によりポートGを介して信号入力用管路30へ移動し、この移動に伴う流体圧は、信号入力用管路30の先に接続されている上述のロックシリンダLの開閉弁Vに伝達される。
【0064】
すると、ロックシリンダLの開閉弁Vは連通ポジションV2に切り換わり、シリンダフリー状態となり、ロックシリンダLが接続されたスタビライザは捩じられず、スタビライザのバネ作用がなくなり、車両は懸架バネだけに支えられることとなる。
【0065】
したがって、この場合には結果的にバネ定数が低下するから、路面入力によるバネ下の車輪の上昇変位は大きくなるが、車両バネ上へはさほど作用しないので、車両バネ上で発生する加速度はバネ下の車輪の加速度より小さく抑えることが可能となり、車両の乗り心地が向上することとなる。
【0066】
なお、上記状況下で供給シリンダC2が収縮する場合には、今度は増幅シリンダC4が動作してロックシリンダLをシリンダフリー状態とするので上述と同様の作用効果が得られることになる。
【0067】
つづいて、左右車輪に高い周波数の振動が路面から入力される場合、たとえば、車両が不整地や凹凸路を走行する場合には、一方の供給シリンダが収縮され他方の供給シリンダが伸長したり、双方の供給シリンダが収縮、または伸長したりする。
【0068】
一方の供給シリンダが収縮され他方の供給シリンダが伸長する場合、たとえば供給シリンダC1が収縮され、供給シリンダC2が伸長する場合については、供給シリンダC1の圧側室R1内の流体は圧側室R1内の圧力が高まるので管路22を介してアキュムレータ10Rおよび他方の供給シリンダC2の伸側室R4および増幅シリンダC3の下室Z2内へ移動しようとし、他方、伸長する側の供給シリンダC2の伸側室R4内の圧力が高まるので、伸側室R4内の流体は逆に供給シリンダC1の圧側室R1およびアキュムレータ11Lおよび増幅シリンダC3の下室Z2へ移動しようとする。
【0069】
しかしながら、この場合もピストン速度が速いので、管路22の途中に設けた絞り弁25の作用により、流体の移動が著しく妨げられるので、結局供給シリンダC1の圧側室R1内とアキュムレータ10R内および供給シリンダC2の伸側室R4内とアキュムレータ11L内の流体圧力が上昇し、シリンダC1圧側室R1内の流体は増幅シリンダC3の下室Z2内に流入することとなる。また、上述したようにアキュムレータ10Rの容量は、アキュムレータ11Lの容量より小さいので、供給シリンダC1の圧側室R1内の圧力上昇が助長されて圧力は高くなり、供給シリンダC2の伸側室R4内の圧力上昇は抑制され圧力は低くなる。このとき、各供給シリンダC1、C2の圧力差によって流体は管路22を供給シリンダC1または供給シリンダC2側へ移動することとなるが、上述のように、供給シリンダC1の圧側室R1内の圧力上昇が助長され圧力は高くなり、供給シリンダC2の伸側室R4内の圧力上昇は抑制され圧力は低くなるので、流体は、供給シリンダC2側へ移動する傾向となる。
【0070】
すると、上述したように、ロックシリンダLの開閉弁Vは連通ポジションV2に切り換わり、シリンダフリー状態となり、ロックシリンダLが接続されたスタビライザは捩じられず、スタビライザのバネ作用がなくなり、車両は懸架バネだけに支えられることとなる。
【0071】
したがって、この場合にも結果的にバネ定数が低下するから、路面入力によるバネ下の車輪の上昇変位は大きくなるが、車両バネ上へはさほど作用しないので、車両バネ上で発生する加速度はバネ下の車輪の加速度より小さく抑えることが可能となり、車両の乗り心地が向上することとなる。
【0072】
他方、左右輪とも同位相の路面入力、たとえば、双方の供給シリンダC1、C2がともに収縮する状態でも、やはり管路21もしくは管路22の途中に設けた絞り弁23、25の作用により、双方の供給シリンダC1、C2内の圧側室R1、R3内およびアキュムレータ10R、10L内の流体圧が上昇し、それに伴い、今度は双方の増幅シリンダC3、C4内の各下室Z2、Z4内に流体が移動する。
【0073】
そして、この増幅シリンダC3、C4の各上室Z1、Z3内の流体はフリーピストンF1、F2の図中上昇によりポートGを介して信号入力用管路30へ移動し、この移動に伴う流体圧は、信号入力用管路30の先に接続されている上述のロックシリンダLの開閉弁Vに伝達され、ロックシリンダLはシリンダフリー状態となる。
【0074】
さらに、双方の供給シリンダC1、C2が伸長する場合には、各供給シリンダC1、C2の各伸側室R2、R4内の圧力は、各絞り弁23、25の作用により上昇するとともに、各アキュムレータ11R、11L内の圧力も上昇する。このとき、アキュムレータ11R、11Lの容量はアキュムレータ10R、10Lより大きく設定されているので、圧力上昇は抑制されている。しかも、各圧側室R1、R3内は減圧状態となっており、かつ、前記圧力の抑制効果およびアキュムレータ10R、10Lの作用により各増幅シリンダC3、C4のフリーピストンF1、F2を図中上昇しえないので、ロックシリンダLの開閉弁Vに流体圧を伝達できず、開閉弁Vは遮断ポジションV1を維持し、ロックシリンダLはシリンダロック状態となる。
【0075】
また、一方の供給シリンダC1のみが伸長する場合においても、ピストン速度が速いので、伸側室R2内の圧力は高まるが、アキュムレータ11Rにより圧力上昇が抑制されるとともに、絞り23の作用、さらにアキュムレータ10Lの作用により圧力上昇が抑制され増幅シリンダC4のフリーピストンF2を図中上昇し得ないので、結果的に、ロックシリンダLはシリンダロック状態となる。すなわち、本発明のスタビライザ装置では、各供給シリンダが伸長する場合には、ロックシリンダLに流体圧を供給することはないので、ロックシリンダLはシリンダロック状態を維持することとなる。
【0076】
しかし、この左右輪が路面から同位相の振動を受ける場合には、スタビライザは捩られる事はないので、結局は、スタビライザは作用しないので、乗り心地には何等影響がないこととなる。
【0077】
また、左右輪に入力される高い周波数の振動に位相ずれがあったとしても、どちらか一方の供給シリンダが収縮すれば、シリンダフリー状態となり乗り心地を向上することができる。
【0078】
なお、上述したようにアキュムレータ10Rの容量は、アキュムレータ11Lの容量より小さいので、供給シリンダC1の圧側室R1内の圧力上昇が助長され、供給シリンダC2の伸側室R4内の圧力上昇は抑制され、各圧側室R1、R3の流体圧を円滑に上昇させることが可能であるから、この制御装置の応答性が向上することとなる。
【0079】
つづいて、車輪に周波数の低い振動が路面から入力される場合、たとえば、車両が旋回状態になって車体がロールする場合には、たとえば、供給シリンダC1が収縮され、他方の供給シリンダC2が伸長する。
【0080】
供給シリンダC1の圧側室R1内の流体は圧側室R1内の圧力が高まるので管路22を介してアキュムレータ10Rおよび他方の供給シリンダC2の伸側室R4および増幅シリンダC3の下室Z2内へ移動しようとし、他方、伸長する側の供給シリンダC2の伸側室R4内の圧力が高まるので、伸側室R4内の流体は逆に供給シリンダC1の圧側室R1およびアキュムレータ11Lおよび増幅シリンダC3の下室Z2へ移動しようとする。
【0081】
この場合には、ピストン速度が遅いので、管路22の途中に設けた絞り弁25は作用せず、流体の移動が妨げられない。すると、供給シリンダC1の圧側室R1内と供給シリンダC2の伸側室R4内の流体は各アキュムレータ10R、11Lに流入し、増幅シリンダC3内のフリーピストンF1を図中上昇させる流体圧には到達できず、ロックシリンダLの開閉弁Vに流体圧を伝達できない。
【0082】
したがって、ロックシリンダLはシリンダロック状態を維持することとなり、これにより、スタビライザは捩られて、車両のロールを抑制する。
【0083】
また、このことは一方の供給シリンダC1のみが収縮する状態にあっても、同様であり、結果的にロールを抑制する事ができ、また、一方の供給シリンダC1が伸長し、他方の供給シリンダC2が収縮しても、同様の結果を得ることができる。
【0084】
なお、上述したように、左右輪が同位相の振動を受ける場合には、スタビライザは捩られる事はないので、結局は、スタビライザは作用しないので、乗り心地には何等影響がなく、また、左右輪に入力される低い周波数の振動に位相ずれがあったとしても、増幅シリンダ内のフリーピストンを上昇させる流体圧には到達できず、シリンダロック状態となりロールを抑制することができる。
【0085】
以上により、特にロックシリンダを駆動するポンプ等の油圧源を使用しないので、装置全体の大型化が避けられるとともに、軽量化、低コスト化ができるので、車両への搭載性も向上する。
【0086】
さらに、特にロックシリンダを駆動するポンプ等の油圧源を使用しないので、上記油圧源の大型化が避けられ、これにより、油圧源の消費出力も小さくて済み、車両の走行力不足という弊害が防止できる。
【0087】
また、スタビライザの制御にあたりコントロールユニットやセンサ類を全く必要としないから、この点でも低コスト化が図れることとなるとともに、電波障害や外乱による誤動作の心配もない。また、車輪の振動をダイレクトに捕らえて、スタビライザの死活を制御するので、従来のようにセンサで車両の走行状態を把握してコントローラでスタビライザを制御する方法に比較して、制御の応答性を高めることが可能である。
【0088】
なお、上述したところでは、各供給シリンダC1,C2をいわゆる両ロッド型のシリンダとして説明したが、アキュムレータの容量を適当なものとすることにより片ロッド型の供給シリンダを使用することもできることは無論である。
【0089】
つぎに、第1の実施の形態の一変形例について説明する。この変形例においては、第1の実施の形態における制御装置に、図3に示すように、各増幅シリンダC3、C4のポートE、Hに接続される信号入力用管路20R、20Lの途中に絞り弁32と、増幅シリンダC3、C4側への流体の流れを許容する逆止弁31とを並列に設けたものである。なお、説明を簡略化するため、図3においては他の部材については第1の実施の形態と同様であるので、その記載を省略し、その詳細な説明についても省略することとする。
【0090】
さて、その作用であるが、各増幅シリンダC3、C4の下室Z2、Z4内の圧力は、路面からの振動入力により、絶えず変化するが、これら逆止弁31および絞り弁32を設けたことにより、増幅シリンダC3、C4の各下室Z2、Z4に負荷される流体圧の急激な低下を緩和することが可能となる。
【0091】
したがって、ロックシリンダLのシリンダロック状態とシリンダフリー状態の頻繁な切換を防止することができ、スタビライザが作用しない場合と作用する場合とが頻繁に繰り返されることがないので、乗り心地が一層向上することとなる。
【0092】
さらに、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態の形態では供給シリンダC1の圧側室R1と供給シリンダC2の伸側室R4とを管路22で接続し、供給シリンダC1の伸側室R2と供給シリンダC2の圧側室R3とを管路21で接続しているところ、第2の実施の形態は、図4に示すように、供給シリンダC1の圧側室R1と伸側室R2とを管路27Rで接続し、供給シリンダC2の圧側室R3と伸側室R4とを管路27Lで接続するとともに、各管路27R、27Lの途中に絞り弁23、25を設け、信号入力用管路20R、20Lを接続している。すなわち、第1の実施の形態では、各管路21、22を各供給シリンダC1、C2間でたすきがけにしていたが、第2の実施の形態では各供給シリンダC1、C2毎に独立したものである。他の部材については第1の実施の形態と同様であるので、その詳細な説明については省略する。
【0093】
さて、その作用であるが、やはり第1の実施の形態と同様に、車輪に高い周波数の振動入力があった場合であって、たとえば、供給シリンダC1が収縮する場合には、絞り弁23の作用により圧側室R1とアキュムレータ10R内の圧力が上昇して、増幅シリンダC3のフリーピストンF1が図中上昇して、ロックシリンダLをシリンダフリー状態として、スタビライザは作用せず車両の乗り心地が向上する。逆に、供給シリンダC1が伸長する場合には、伸側室R2内の圧力は上昇するが、アキュムレータ11Rの作用により圧力上昇が抑制されるとともに、圧側室R1は減圧されているため、第1の実施の形態同様に、増幅シリンダC3のフリーピストンF1を図中上昇しえずに、ロックシリンダLは開閉弁Vに流体圧が負荷されないので、シリンダロック状態となる。このことは、他方の供給シリンダC2が収縮および伸長した場合にも同様である。
【0094】
逆に、車輪に低い周波数の振動入力があった場合であって、たとえば、供給シリンダC1が収縮する場合には、絞り弁23は作用せず、圧側室R1内の圧力は上昇するが、アキュムレータ10Rの作用により圧力上昇が抑制されるとともに、伸側室R2は減圧されているため、第1の実施の形態同様に、増幅シリンダC3のフリーピストンF1を図中上昇しえずに、ロックシリンダLは開閉弁Vに流体圧が負荷されないので、シリンダロック状態となる。逆に、供給シリンダC1が伸長する場合には、伸側室R2内の圧力は上昇するが、アキュムレータ11Rの作用により圧力上昇が抑制されるとともに、圧側室R1は減圧されているため、第1の実施の形態同様に、増幅シリンダC3のフリーピストンF1を図中上昇しえずに、ロックシリンダLは開閉弁Vに流体圧が負荷されないので、シリンダロック状態となる。このことは、他方の供給シリンダC2が収縮および伸長した場合にも同様である。
【0095】
すなわち、車輪に高い周波数の振動入力があった場合、たとえば、車両が道路の継ぎ目や補修突起部や公共枡や段差等の小突起を乗り越える場合や車両が不整地や凹凸路を走行する場合に、スタビライザが作用しないことになり、車両の乗り心地が向上することとなる。
【0096】
反対に、車輪に低い周波数の振動入力があった場合、たとえば、車両が旋回状態の場合に、スタビライザが作用して、車両におけるロールを抑制する事ができる。
【0097】
したがって、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができるとともに、各供給シリンダは車軸と車体との間に介装されるものであるから、第1の実施の形態では各管路が比較的長くなってしまうが、本実施の形態では各供給シリンダ間を管路で接続する必要がないので、さらに車両への搭載性が向上するとともに、更なる低コスト化が図れることとなる。なお、各供給シリンダC1,C2をいわゆる両ロッド型のシリンダとして説明したが、アキュムレータの容量を適当なものとすることにより片ロッド型の供給シリンダを使用してもよいことは第1の実施の形態と同様である。
【0098】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【0099】
【発明の効果】
各請求項によれば、この制御装置によれば、ロールの抑制効果および不整路での車両の乗り心地を従来と同様に確保することに加え、特に車両が道路の継ぎ目や補修突起部や公共枡や段差等の小突起を乗り越える場合などの車両の乗り心地を向上することができる。
【0100】
また、特にロックシリンダを駆動するポンプ等の油圧源を使用しないので、装置全体の大型化が避けられるとともに、軽量化、低コスト化ができるので、車両への搭載性も向上する。
【0101】
さらに、特にロックシリンダを駆動するポンプ等の油圧源を使用しないので、上記油圧源の大型化が避けられ、これにより、油圧源の消費出力も小さくて済み、車両の走行力不足という弊害が防止できる。
【0102】
そして、さらに、スタビライザの制御にあたりコントロールユニットやセンサ類を全く必要としないから、この点でも低コスト化が図れることとなるとともに、電波障害や外乱による誤動作の心配もない。また、車輪の振動をダイレクトに捕らえて、スタビライザの死活を制御するので、従来のようにセンサで車両の走行状態を把握してコントローラでスタビライザを制御する方法に比較して、制御の応答性を高めることが可能である。
【0103】
請求項2の発明によれば、各供給シリンダ間を管路で接続する必要がないので、さらに車両への搭載性が向上するとともに、更なる低コスト化が図れることとなる。
【0104】
請求項3の発明によれば、流体圧を増幅できるので、スタビライザの死活もしくはロックシリンダのシリンダロック状態とシリンダフリー状態とを切換制御する制御装置の応答性が向上する。
【0105】
請求項4の発明によれば、各供給シリンダの伸側室側に設けたアキュムレータの容量より各供給シリンダの圧側室側の管路に設けたアキュムレータの容量が小さいので、供給シリンダの圧側室内の圧力上昇が助長され、供給シリンダの伸側室内の圧力上昇は抑制され、各圧側室の流体圧を円滑に上昇させることが可能であるから、この制御装置の応答性が向上することとなる。
【0106】
請求項5の発明によれば、ロックシリンダのシリンダロック状態とシリンダフリー状態の頻繁な切換を防止することができ、スタビライザが作用しない場合と作用する場合とが頻繁に繰り返されることがないので、乗り心地が一層向上することとなる。
【0107】
請求項6の発明によれば、ロック機構をもシリンダ本体内に収め、外部からの信号の入力でロックシリンダのシリンダロック状態とシリンダフリー状態とに切換可能であるから、以下の効果が得られる。
【0108】
シリンダ本体にロック機構を抱かせるようにして一体に形成する場合に比較して、シリンダ本体における外径をいたずらに大きくしなくて済み、車両への搭載性を低下させない。
【0109】
そして、さらに、ピストンロッド駆動用の複数の油圧配管を必要としないので、従来に比してコストが低下し、重量も軽くなる。
【0110】
請求項7および8の発明によれば、不整地やウネリ路などに対応して、スタビライザの機能を調節することが可能であるので、車両の乗り心地を改善し、車両におけるロールの抑制が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態におけるロックシリンダの制御装置を示す略示縦断面図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態におけるロックシリンダを示す概略縦断面図である。
【図3】この発明の第1の実施の形態の変形例におけるロックシリンダの制御装置の信号入力管路内に逆止弁と絞り弁とを並列に設けたものである。
【図4】この発明の第2の実施の形態におけるロックシリンダの制御装置を示す略示縦断面図である。
【図5】従来のスタビライザ機能制御装置の概略図である。
【符号の説明】
1、5、28、29、43 シリンダ
2、6、41 ピストン
3、7、42 ピストンロッド
10R、10L、11R、11L アキュムレータ
20R、20L、30 信号入力用管路
21、22、27R、27L 管路
23、25、32 絞り弁
31 逆止弁
35 外筒
36 中間筒
39 第2の逆止弁
43a 連通孔
46 第1の逆止弁
70 伸側油室
71 圧側油室
73、R リザーバ
A、B、C、D、E、G、H、J ポート
C1、C2 供給シリンダ
C3、C4 増幅シリンダ
F1、F2 フリーピストン
L ロックシリンダ
R1、R3 圧側室
R2、R4 伸側室
V 開閉弁
Z1、Z3 上室
Z2、Z4 下室

Claims (8)

  1. 信号の入力によりシリンダロック状態とシリンダフリー状態とに切換可能なロックシリンダを制御するロックシリンダの制御装置において、信号が流体圧であって、制御装置は、ロックシリンダに流体圧を供給する一対の供給シリンダと、一方の供給シリンダの圧側室を他方の供給シリンダの伸側室に接続する管路と、一方の供給シリンダの伸側室を他方の供給シリンダの圧側室に接続する管路と、各管路の途中に設けた絞り弁と、各管路の途中であって絞り弁より各圧側室側または圧側室に接続した一対のアキュムレータと、各管路の途中であって絞り弁より伸側室側または伸側室に接続した一対のアキュムレータとを有してなり、各管路の途中であって上記絞り弁より各供給シリンダの圧側室側の位置にそれぞれ信号入力用管路を設けたことを特徴とするロックシリンダの制御装置。
  2. 信号の入力によりシリンダロック状態とシリンダフリー状態とに切換可能なロックシリンダを制御するロックシリンダの制御装置において、信号が流体圧であって、制御装置は、ロックシリンダに流体圧を供給する一対の供給シリンダと、一方の供給シリンダの圧側室と伸側室を接続する管路と、他方の供給シリンダの圧側室と圧側室を接続する管路と、各管路の途中に設けた絞り弁と、各管路の途中であって絞り弁より各圧側室側または圧側室に接続した一対のアキュムレータと、各管路の途中であって絞り弁より伸側室側または伸側室に接続した一対のアキュムレータとを有してなり、各管路の途中であって上記絞り弁より各供給シリンダの圧側室側の位置にそれぞれ信号入力用管路を設けたことを特徴とするロックシリンダの制御装置。
  3. 各信号入力用管路の途中に増幅シリンダを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のロックシリンダの制御装置。
  4. 各供給シリンダの伸側室側に設けたアキュムレータの容量より各供給シリンダの圧側室側の管路に設けたアキュムレータの容量が小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のロックシリンダの制御装置。
  5. 増幅シリンダと管路とを結ぶ信号入力用管路に管路側から増幅シリンダ側への流体の流れのみを許容する逆止弁と絞りとを並列に設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のロックシリンダの制御装置。
  6. ロックシリンダがシリンダ本体と、シリンダ本体を伸縮制御するロック機構とからなり、シリンダ本体はシリンダと、シリンダ内にピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、シリンダ内にピストンで区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダに形成されてピストンを介して上記伸側油室と圧側油室とに選択的に開閉される連通孔とを有し、ロック機構は供給される流体圧により上記伸側油室と圧側油室とを連通または遮断を可能とする開閉弁と、上記連通孔に接続されたリザーバと、リザーバと上記伸側油室との間及びリザーバと圧側油室との間にそれぞれ設けられてリザーバからの作動油のみの流れを許容する第1、第2の逆止弁とを備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のロックシリンダの制御装置。
  7. ロックシリンダの一端が車両のバネ下部材に連結されると共に、他端が車両のスタビライザに連結されている請求項1から6のいずれかに記載のロックシリンダの制御装置。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載のロックシリンダ制御装置が接続されたロックシリンダの一端を車両のバネ下部材に連結し、他端を車両のスタビライザに連結してなるスタビライザ機能制御装置。
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