JP4216039B2 - ロックシリンダおよびスタビライザ機能調節装置 - Google Patents

ロックシリンダおよびスタビライザ機能調節装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両等に塔載されると共にスタビライザに連繋されてスタビライザ機能を調節可能にするロックシリンダの改良およびスタビライザ機能調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、車両がウネリ路を走行する時には、車両にローリング現象が発生するので、車体が傾き、安定性が悪化する。
【0003】
そこで、上記ローリング現象を抑制するために、車両にスタビライザを搭載させ、適正な車両の姿勢制御を実現しようとしている。
【0004】
一方、ウネリ路では有用であるスタビライザも、車両が平坦路を走行するときには、ローリング現象が発現されることは殆どなく、かえって、凹凸路面侵入時にサスペンションとしての懸架バネ定数を高めて、車両の乗り心地を悪化させてしまうことがある。
【0005】
さらに、車両が走行するウネリ路の状況によっては、スタビライザ機能が発揮されることで却って車両における乗り心地が悪くなることがあり、この場合にも、スタビライザ機能を抑制する方が良い。
【0006】
そこで、たとえば、以下のようなロール抑制装置(たとえば、特許文献1参照)が提案されている。
【0007】
このスタビライザ機能調節装置は、図5に示すように、車両前後のスタビライザ60f、60rと、一端を車両前後のスタビライザ60f、60rに連結し、他端を車体バネ下部材に連結した復動片ロッド式のシリンダ58、59と、上記シリンダ58、59に接続された油圧源57と、上記シリンダ58、59と油圧源57との間に設けた差圧バルブ55および切換バルブ56と、上記差圧バルブ55および切換バルブ56を調節する制御装置51とで構成され、さらに制御装置51は、コントローラ52と、横加速度検出器53と、操舵各検出器54を有している。
【0008】
そして、このスタビライザ機能調節装置は、車両のロールモーメントをコントローラ52が、上記横加速度検出器53および操舵各検出器54から入力される各検出結果から判断し、予め設定されている制御則により車両の姿勢制御に必要な上記車両のロールモーメントとは逆向きのロールモーメントを算出し、上記差圧バルブ55および切換バルブ56を適宜調節して、シリンダ58、59に油圧を負荷して、車両の姿勢制御を行っている。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−123730号公報(段落番号0024から0033、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のスタビライザ機能調節装置では、機能面で問題があるわけではないが、以下の不具合を招来する可能性があると指摘される恐れがある。
【0011】
すなわち、上記スタビライザ機能調節装置では、復動式のシリンダを使用しているため、油圧配管が複数必要であり、シリンダ58、59外部にバルブを複数設けなくてはならず、コスト高である。
【0012】
また、上記スタビライザ機能調節装置では、シリンダ58、59のロッドの駆動に油圧を使用しているため、作動油の流量をある程度確保しなくてはならず、そのため、油圧源の大型化、油圧配管の大径化が避けられず、この点でも装置全体のコストが高くなり、車両の構造に起因する制約されたスペースに搭載するスタビライザ調節装置にあってはその搭載性も悪化する可能性がある。
【0013】
さらに、上記油圧源の大型化、油圧配管の大径化という弊害は、装置全体の重量増加に繋がりかねない。
【0014】
また、上記油圧源は上記スタビライザ調節装置が搭載される車両の出力の一部を利用するが、上記油圧源の大型化により、油圧源の消費出力も大きくなるので、車両の走行力不足の原因になる可能性がある。
【0015】
さらに、上記のスタビライザ調節装置は、車両のロールを制御することはできるが、不整地やウネリ路などでの車両の乗り心地を向上する取り組みがなされていない。
【0016】
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、車両への搭載性を向上し、低コストで軽量かつ大きな消費出力を必要せず、特に不整地やウネリ路などでの車両の乗り心地を向上するロックシリンダおよびスタビライザ調節装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明は、下記の第1の課題解決手段と第2の解決手段とを組み合わせたものであり、これは、シリンダ本体と、シリンダ本体を伸縮制御するロック機構とからなり、シリンダ本体はシリンダと、シリンダ内にピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、シリンダ内にピストンで区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダに形成されてピストンを介して上記伸側油室と圧側油室とに選択的に開閉される連通孔とを有し、ロック機構は上記伸側油室と圧側油室とを連通または遮断を可能とする第1の流量制御弁と、上記連通孔に接続されたリザーバと、リザーバと上記伸側油室との間及びリザーバと圧側油室との間にそれぞれ設けられてリザーバからの作動油のみの流れを許容する第1、第2の逆止弁とを備えているロックシリンダにおいて、上記第1の流量制御弁と圧側油室との間に第2の流量制御弁と、圧側油室から伸側油室へ向う作動油のみの流れを許容する第3の逆止弁とを並列に設けて、ピストンロッドがシリンダ内に侵入するときの作動抵抗とピストンロッドがシリンダ内から退出するときの作動抵抗とを同一にし、更に上記第1、第2の流量制御弁が外部からの信号の入力により流路面積を変化させることを特徴とする。
即ち、第1の課題解決手段は、シリンダ本体と、シリンダ本体を伸縮制御するロック機構とからなり、シリンダ本体はシリンダと、シリンダ内にピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、シリンダ内にピストンで区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダに形成されてピストンを介して上記伸側油室と圧側油室とに選択的に開閉される連通孔とを有し、ロック機構は上記伸側油室と圧側油室とを連通または遮断を可能とする流量制御弁と、上記連通孔に接続されたリザーバと、リザーバと上記伸側油室との間及びリザーバと圧側油室との間にそれぞれ設けられてリザーバからの作動油のみの流れを許容する第1、第2の逆止弁とを備えているロックシリンダにおいて、上記流量制御弁が外部からの信号の入力により流路面積を変化させることを特徴とする。
【0018】
上記の構成では、特にピストンロッドを駆動するための油圧源を必要としないので、車両の出力をさほど必要としない。すなわち、車両が走行力不足となることが防止される。
【0019】
さらに、シリンダ本体にリザーバ、流量制御弁、第1、第2の逆止弁からなるロック機構を備えるように構成すれば、シリンダ本体に耐圧ホースからなる管路を連結したり、この管路中に逆止弁を配在したりするなどによる弊害、たとえば、ロックシリンダ全体における外径のいたずらな大径化や、流路抵抗による作動不全、さらには、全体構造の複雑化などを招来させないことになる。
【0020】
そして、さらに、上記構成としたので、ピストンロッド駆動用の複数の油圧配管を必要としないので、従来に比してコストが低下し、重量も軽くなる。
【0021】
また、流量制御弁により伸側油室と圧側油室とを遮断するとロックシリンダをロック状態にすることができると共に、伸側油室と圧側油室とを連通するとロックシリンダを伸縮可能な状態とすることができる。
【0022】
そして、上記流量制御弁の流路面積を変化することで、流路抵抗を変化することができる。したがって、このロックシリンダをスタビライザに接続した場合には、上記ロック状態で、スタビライザの機能が発現され、伸縮可能な状態では、上記流路抵抗により、ピストンロッドの作動抵抗を変化させることが可能であるから、スタビライザの機能を調節することが可能である。すなわち、スタビライザの効きを調節することができるから、車両の姿勢制御が可能となる。
【0023】
すると、平坦路や不整地やウネリ路などに対応して、スタビライザの機能を調節することが可能であるので、車両の乗り心地を改善し向上することが可能である。
【0024】
また、スタビライザの機能の調節が可能であるから、スタビライザを、この調節機能により様々な車両の特性に適合させることができるので、特に車両に適合する特定のスタビライザを用いなくても済むので、スタビライザの生産面については、少種多量生産が可能になり、生産管理面、保管面でも経済性が向上することは勿論のこととして、そのメンテナンス供給も容易となる。
【0025】
そして、第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段において、流量制御弁と圧側油室との間に、外部からの信号の入力により流路面積を変化させる第2の流量制御弁と、圧側油室から伸側油室へ向う作動油のみの流れを許容する第3の逆止弁とを、並列に設け、ピストンロッドがシリンダ内に侵入するときの作動抵抗とピストンロッドがシリンダ内から退出するときの作動抵抗とを同一にしたことを特徴とする。
【0026】
この場合には、特別に収縮時と圧縮時とで流量制御弁の開閉度合いを違えて、ピストンロッドがシリンダ内に侵入するときの作動抵抗とピストンロッドがシリンダ内から退出するときの作動抵抗とを同一とするように制御する制御装置を設けずとも、車両のサスペンションの動きが左右同一となり、車両走行時の乗り心地を向上することができる。
【0027】
すなわち、上記した特別な複雑な制御を要する制御装置を設ける必要ないので、コストも削減できる。
【0028】
さらに、第2の流量制御弁と第3の逆止弁を設けるだけでロックシリンダの収縮時と圧縮時の作動抵抗の差異をなくするようにできるので、流量制御弁を大型化することによるロックシリンダの外径の大型化や、ピストンの両側にピストンロッドを設けることによるロックシリンダの基本長が長くなる弊害を防止でき、その結果、車両への搭載性が確保される。
【0029】
また、第3の課題解決手段は、第2の課題解決手段において、ピストンロッド内に伸側油室と連通する第1の油路を設け、前記第1の油路に上記流量制御弁を設けるとともに、ピストンロッド端部に着脱自在に結合される中空なバルブボディ設け、バルブボディ内に上記第1の油路と圧側油室とに連通する第2の油路を設け、前記第2の油路に上記第2の流量制御弁と上記第3の逆止弁を並列に設けたことを特徴とする。
【0030】
この場合には、第2の流量制御弁と第3の逆止弁をバルブボディ内に設けて一体化したので、既存のロックシリンダにこの一体化した絞り弁と逆止弁を簡単に取付けることができる。
【0031】
さらに、第4の課題解決手段は、第3の課題解決手段において、バルブボディが、ピストンロッド端部にピストンを固定するピストンナットに着脱自在に螺合されており、上記第2の油路の途中に、弁座と、円盤状で1つまたは複数の孔を有するストッパとを設け、さらに、上記弁座上に孔を備えた円盤状の弁体を着座させ、上記ストッパと弁体との間に当該弁体を弁座側に付勢するバネと介在させるとともに、上記流量制御弁と連動し、上記弁体の孔の開口面積を変化させるポペット型の弁を設け、上記ポペット型の弁と上記孔とで第2の流量制御弁を構成し、上記弁体を第3の逆止弁として構成させることを特徴する。
【0032】
第3の課題解決手段を、上記構成により、より具体化したものであり、第3の課題解決手段と同様の効果を得ることが可能であるとともに、単一の信号の入力により流量制御弁および第2の流量制御弁の流路面積を適切なものとできる、すなわち、単一の制御機構で流量制御弁および第2の流量制御弁の流路面積を適切なものとできるので、複雑な制御機構を備える必要がなく、動作も安定できコストも削減可能である。
【0033】
第5の課題解決手段は、第4の課題解決手段において、バルブボディ内壁に、上記弁体外周と対向する切欠を設けて油路を形成したことを特徴とする。
【0034】
上記の構成によっても、第3の課題解決手段と同様の効果を得ることが可能であるとともに、バルブボディ内壁に、上記弁体外周と対向する切欠を設けて油路を形成したので、弁体の外径を大きくしても油路が確保できるとともに、弁体の横ズレが防止されるので、弁体と弁座との間に隙間ができることが防止できる。したがって、第3の逆止弁としての機能を維持発揮することが可能である。
【0035】
また、第6の課題解決手段は、第1、2、3、4または5の課題解決手段において、信号が制御機構から上記流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方に供給される流体圧であって、上記制御機構はコントローラと、流体圧発生源と、圧力検出器と、上記流体圧発生源と流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方とを結ぶ管路の途中に接続された流体圧調節手段とを有してなり、上記コントローラに、複数の流体圧力値を選択可能な切換スイッチを設け、上記コントローラが、圧力検出器からの流体圧力値の検出結果と切換スイッチで選択した流体圧力値とを比較し、上記流体圧調節手段は、上記比較結果に基づき、上記選択された流体圧力値と上記圧力検出器で検出された流体圧力値とを同一にするように流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方に供給される流体圧を調節することを特徴とする。
【0036】
すなわち、上記流体圧源は流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方の駆動のみに使用されて、ピストンロッドを駆動するものではないので、従来例に比して小型化可能であり、消費出力も小さくすることが可能である。
【0037】
また、流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方の流路面積を切換スイッチで変化させることができるので、このロックシリンダをスタビライザに接続した場合、選択的にスタビライザの機能を調節することが可能である。
【0038】
さらに、第7の課題解決手段は、第1、2、3、4、または5の課題解決手段において、信号が制御機構から上記流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方に供給される流体圧であって、上記制御機構はコントローラと、流体圧発生源と、圧力検出器と、上記流体圧発生源と流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方とを結ぶ管路の途中に接続された流体圧調節手段とを有してなり、上記コントローラに、無段階に流体圧力値を選択可能なボリューム型スイッチを設け、上記コントローラは、圧力検出器からの流体圧力値の検出結果とボリューム型スイッチで選択した流体圧力値とを比較し、上記流体圧調節手段は、その比較結果に基づき、上記選択された流体圧力値と上記圧力検出器で検出された流体圧力値とを同一にするように流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方に供給される流体圧を調節することを特徴とする。
【0039】
すなわち、上記流体圧源は流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方の駆動のみに使用されて、ピストンロッドを駆動するものではないので、従来例に比して小型化可能であり、消費出力も小さくすることが可能である。
【0040】
また、流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方の流路面積をボリューム型スイッチで変化させることができるので、このロックシリンダをスタビライザに接続した場合、無段階にスタビライザの機能を調節することが可能である。
【0041】
そして、また、第8の課題解決手段は、第6または7の課題解決手段において、制御機構に、車速検出器と、操舵角検出器と、車両進行方向に対し水平横方向の加速度を検出する加速度検出器とを設け、コントローラに予め記録された車速と操舵角と車両進行方向に対し水平横方向の速度と各検出器の検出結果とを比較し、危険状態を判断する危険判断手段を設け、危険状態と判断された場合にのみ上記流体圧調節手段が流体圧を調節して、上記流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方を全開または全閉することを特徴とする。
【0042】
したがって、このロックシリンダをスタビライザに接続すれば、危険状態を判断可能であると共に、危険状態を回避するべく、スタビライザの機能を発現もしくは減殺することが可能である。
【0043】
そして、さらに、第9の課題解決手段は、第6、7または8の課題解決手段において、流体圧調節手段が、バネのバネ力で上記管路を遮断する常閉型に設定されるとともに、ソレノイドを励磁することにより、上記流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方と流体圧発生源とを連通、または遮断、または上記流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方に負荷される流体圧の排出を選択的に可能とする制御バルブであって、上記コントローラによる上記選択された流体圧力値と上記圧力検出器で検出した流体圧力値との比較の結果、上記制御バルブは選択した流体圧力値より検出した流体圧力値が小さい場合に、上記制御バルブが上記流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方と流体圧発生源とを連通して流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方に流体圧を供給し、上記コントローラによる上記選択された流体圧力値と上記圧力検出器で検出した流体圧力値との比較の結果、選択した流体圧力値より検出した流体圧力値が大きき場合に、上記流量制御弁または流量制御弁と第2の流量制御弁の両方に供給されている流体圧を排出することを特徴とする。
【0044】
制御機構には、制御バルブを1つ設ければよいので、複数制御バルブを設けている従来のものと比べて、軽量なものとすることができる。
【0045】
さらに、具体的には、第10の課題解決手段は、第1、2、3、4、5、6、7、8または9の課題解決手段のロックシリンダの一端が車両のバネ下部材に連結されると共に、他端が車両のスタビライザに連結されていることを特徴とし、第11の課題解決手段は、第1、2、3、4、5、6、7、8または9の課題解決手段のロックシリンダの一端を車両のバネ下部材に連結し、他端を車両のスタビライザに連結してなるスタビライザ機能調節装置である。
【0046】
したがって、上述の各課題解決手段と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明する。
課題を解決する為の実施の形態が図1乃至図4に示されているが、このうち、請求項1の発明に対応する実施の形態は図2、図3に示すものであって、基本構造は図1、図4の実施の形態と同じである。従って、基本構造とその作用効果を図1に示す第1の実施の形態について説明する。
【0048】
第1の実施の形態におけるロックシリンダは、図1に示すように、シリンダ本体Cと制御機構Aとで構成される。シリンダ本体Cは、従来のスタビライザ調節装置と同様に図5に示すように、車両の前後に一箇所づつ、一端が車体バネ下部材側たる固定側に連結されながら他端がスタビライザ60f、60r側たる可動側に連結されるもので、シリンダ13と外筒14とを有して複筒型に形成されている。
【0049】
そして、シリンダ13は、内側に摺動可能に収装されたピストン12で伸側油室R1と圧側油室R2を画成し、外筒14は、連通孔20aを有する中間筒20の外周側に配在されてこの中間筒20との間にリザーバRを画成している。
【0050】
このとき、このリザーバRにあっては、油面Oを境にして気室たるガス室Gが画成されていて、油面Oが上昇してガス室Gの圧力が上昇することで、所定のバネ力を発揮するとしている。リザーバRはあらかじめガス圧で加圧しておいてもよい。
【0051】
また、シリンダ本体Cの図中で上端となる開口端は、図示するところでは、ヘッド部材15で封止されるとしており、このヘッド部材15には上記のリザーバ室Rからの作動油の伸側油室R1への流入を許容するがその逆流を阻止する第1の逆止弁17が配在されている。
【0052】
そして、このヘッド部材17の軸芯部を貫通するピストンロッド10の図中で下端となる先端がシリンダ13内に摺動可能に収装された上記のピストン12に連設されている。
【0053】
ちなみに、シリンダ本体Cの開口端は、上記のヘッド部材15で封止されるのに代えて、図示しないが、ヘッド部材としてのシリンダ13の開口端に連続するヘッド部で、あるいは、外筒14の開口端に連続するヘッド部で閉塞されるとしても良く、その場合には、同じく図示しないが、ピストンロッド10が上記のシリンダ13、あるいは、外筒14のヘッド部を貫通することになる。
【0054】
また、シリンダ本体Cの図中で下端となるボトム端は、図示するところでは、ボトム部材16で封止されるとしており、このボトム部材16には上記のリザーバRからの作動油の圧側油室R2への流入を許容するがその逆流を阻止する第2の逆止弁18が配在されている。
【0055】
ちなみに、シリンダ13のボトム端は、上記のボトム部材16で封止されるのに代えて、図示しないが、他のボトム部材としてのシリンダ13のボトム端に連続するボトム部で、あるいは、外筒14のボトム部で閉塞されるとしても良く、その場合には、同じく図示しないが、逆止弁18が上記のシリンダ13、あるいは、外筒14のボトム部に配在されることになる。
【0056】
一方、上記のシリンダ本体Cにあって、シリンダ13内の伸側油室R1と圧側油室R2が、図示するところでは、ピストン12に配在の流量制御弁11を介して連通可能とされている。
【0057】
そして、この流量制御弁11は、シリンダ本体Cの外部から供給される信号S(付示せず)の入力時に開放されると共に、信号Sの強弱によって、流路面積を変化させることができる。また、信号Sの解消時に、たとえば、付勢バネ(図示せず)のバネ力等で閉鎖される常閉型に設定されている。
【0058】
具体的には、たとえば、上記信号Sを流体圧とする場合には、流量制御弁11をピストンロッド10内に設けた油路41を開閉するポペット型の弁体(図示せず)とバネ(図示せず)として、上記油路41を弁体がバネにより付勢させることによって常閉するようにして、この弁体に直接または間接的に流体圧を負荷するようにすればよい。
【0059】
この場合、上記弁体に流体圧が負荷されていないときには、すなわち、信号Sの入力がないときには、上記スプリングにより付勢されているので、油路41が閉じることとなり、信号Sの流体圧が弁体に負荷されると、油路41を開くが、流体圧の適当なものとすることで、油路41の流路面積を変化させることが可能である。
【0060】
また、図示しないが、流量制御弁11がソレノイドを有していて、信号Sがこのソレノイドを励磁する電力とされても良いし、流体圧を付加することに換えて、アクチュエータによって流量制御弁を駆動してもよい。これらの手段によっても、油路41の流路面積を変化させることが可能である。
【0061】
そして、この流量制御弁11にあっては、全開状態では、シリンダ13内の伸側油室R1と圧側油室R2との連通を許容することになり、したがって、シリンダ本体Cを常時伸縮可能な状態に維持して、スタビライザ機能を減殺することになる。
【0062】
さらに、全閉状態では、シリンダ13内の伸側油室R1と圧側油室R2との連通を阻止することになり、したがって、シリンダ本体Cの伸縮を阻止して棒状体になり、スタビライザ機能を発現させることになる。
【0063】
なお、この流量制御弁11は、具体的な実施形態にあっては、図示するように、ピストン12に配在されるのではなく、図示しないが、このピストン12に連設されるピストンロッド10に、特に、ピストン12を連設させるピストンロッド10における先端部あるいは先端近傍部に配在されてもよい。
【0064】
さらに、上記のシリンダ本体Cにあっては、シリンダ13がこのシリンダ13に形成されてシリンダ13内とリザーバRとの連通を可能にしながらシリンダ13内でピストン12が中立位置にあるときにこのピストン12が隙間を形成して対向する連通孔13a、13bを有している。
【0065】
このとき、図示するところでは、ピストン12がその外周に介装されてシリンダ13の内周に摺接するシールリング19を有すると共に、このシールリング19における図中で上下方向となるピストン12の摺動方向となる有効幅がシリンダ13に形成の連通孔13a、13bの径よりも小さくなるように設定されている。
【0066】
それゆえ、シリンダ本体Cにあっては、ピストン12がシリンダ5内で中立位置にあるときには、シリンダ5内の伸側油室R1および圧側油室R2が連通孔13aを介してリザーバRと連通する状態になる。
【0067】
そして、シリンダ13内をピストン12が摺動する状況になると、シールリング19が連通孔13a、13bに対向し得なくなるまでピストン12がシリンダ13内を摺動し得ることになる。
【0068】
そしてまた、シールリング19が連通孔13a、13bに対向し得なくなると、伸側油室R1あるいは圧側油室R2の油がリザーバRに流出し得なくなって、シリンダ本体Cが伸縮作動し得なくなり、このとき、シリンダロック状態を呈することになる。
【0069】
以上のように形成されたシリンダ本体Cにあっては、上記したように、流量制御弁11を開放作動させることで、自在に伸縮作動し得る一方で、流量制御弁11を開放作動させないことで、ピストン12がシリンダ13内の連通孔13a、13bのある位置で、その伸縮作動を抑制し得ることになり、したがって、流量制御弁11の切換制御でこのシリンダ本体Cが連繋されるスタビライザにおけるスタビライザ機能の死活を制御できることになる。
【0070】
さらに、流量制御弁11の開閉度合いを変化させると、つまり、流路面積を変化させると、油路41の流路抵抗が変化するので、ロックシリンダの伸縮時の作動抵抗が変化する。
【0071】
したがって、スタビライザの機能を調節することができることとなる。以下、詳細に説明すると、本実施の形態におけるロックシリンダは、上記シールリング19がシリンダ13の連通孔13aのある位置、いわゆる中立位置から、流量制御弁11を開放動作させ、スタビライザからの力が入力されると、ピストンロッド10がシリンダ13内から退出もしくは侵入しようとするが、この場合、作動油は、上記流量制御弁11を通過して、伸側油室から圧側油室へ、もしくは圧側油室から伸側油室へ移動することとなる。すなわち、上記流量制御弁11の流路面積を変化させると、油路41の流路抵抗が変化し、結果的にロックシリンダの作動抵抗が変化する。
【0072】
すると、スタビライザの効きは、ロックシリンダの作動抵抗によって、異なるから、すなわち、ロックシリンダの作動抵抗が大きければ大きいほど、スタビライザが良く効くこととなるが、作動抵抗が小さければ小さいほどスタビライザの効きは減殺されるので、流量制御弁11の開閉度合いを調節することによりスタビライザの効きをコントロールできることとなる。
【0073】
他方、制御機構Aは、コントローラ21と、流体圧調節手段たる制御バルブ24と、流体圧源たる空圧源22と、管路28内の流体圧力を検出する圧力検出器23と、上記空圧源22と流量制御弁11とを接続する管路28とで構成されている。
【0074】
コントローラ21は、圧力検出器23と接続されている一方、図示はしないが切換スイッチまたはボリューム型スイッチが設けられ、当該切換スイッチまたはボリューム型スイッチにより、所定の圧力値を段階的または無段階に選択可能となっている。
【0075】
コントローラ21は、ハードウェアとしては、図示しないが、圧力検出器23が検出した流体圧力値の信号を受け取り、前記各信号に基づいて上記切換スイッチまたはボリューム型スイッチで選択した圧力値とを比較し、制御信号としての電力を出力できるものであれば良く、例えば、前記信号増幅するためのアンプと、アナログ信号をデジタル信号に変換する変換器と低周波及び高周波成分をカットするバンドパスフィルタと、CPU、ROM、RAM、水晶発振子及びこれらを連絡するバスラインからなるコンピュータシステムとにより構成され、上記検出値と選択した圧力値との比較手順と制御信号出力手順は、プログラムとしてROMに予め格納させておくとする周知なシステムで良い。また、コンピュータシステムとしなくとも、電気回路によって実現しても良い。
【0076】
なお、切換スイッチには、カムスイッチ等の周知のものが使用可能であり、ボリューム型スイッチには、これも周知のポテンショメータ等を使用すればよく、あらかじめ、各スイッチにより切換えられる電圧等と選択される圧力値とを対応するように調整しておけば良い。
【0077】
さらに、コントローラ21は、後述する制御バルブ24を駆動するソレノイド25、25に接続されている。
【0078】
制御バルブ24は、空圧源22と流量制御弁11とを連通する供給ポジションと管路28を遮断する遮断ポジションと流量制御弁11とリザーバ27とを連通する排出ポジションとを有し、バネ26、26によって付勢され、常閉型に設定されるとともに、ソレノイド25、25を備えており、このソレノイド25、25が励磁されると、供給または排出ポジションに切換えることが可能である。
【0079】
つづいて、本実施の形態におけるロックシリンダの動作について説明すると、先ず、コントローラ21の切換スイッチもしくはボリューム型スイッチを操作して、適当な圧力値を選択する。
【0080】
すると、コントローラ21はその選択された圧力値と圧力検出器23によって検出された現在の管路28内の流体圧力値とを比較する。ついで、検出された流体圧力値より選択された圧力値の方が低い場合、コントローラ21は、制御バルブ24のソレノイド25、25に電力を供給しソレノイド25、25を励磁し、制御バルブ24を供給ポジションに切換えて、流量制御弁11に空圧を供給する。
【0081】
しだいに、管路28内の圧力が高まるが、コントローラ21は、適宜検出される流体圧力値と選択された圧力値を順次比較して、検出される流体圧力値と選択された圧力値が同一になると、今度は、ソレノイド25、25への電力供給をストップする。すると、制御バルブ24は、バネ26、26により付勢されているので、遮断ポジションへと切り換わる。
【0082】
逆に、コントローラ21は、その選択された圧力値と圧力検出器23によって検出された現在の管路28内の流体圧力値とを比較した結果、検出された流体圧力値より選択された圧力値の方が高い場合、コントローラ21は、制御バルブ24のソレノイド25、25に電力を供給しソレノイド25、25を励磁し、制御バルブ24を排出ポジションに切換えて、流量制御弁11から空圧を排出する。
【0083】
しだいに、管路28内の圧力が低くなるが、コントローラ21は、適宜検出される流体圧力値と選択された圧力値を順次比較して、検出される流体圧力値と選択された圧力値が同一になると、今度は、ソレノイド25、25への電力供給をストップする。すると、制御バルブ24は、バネ26、26により付勢されているので、遮断ポジションへと切り換わる。
【0084】
すなわち、上述のように、切換スイッチ等で選択した圧力値と、流量制御弁11に負荷される流体圧力を同一にする制御を行うことが可能となり、本実施の形態においては、信号Sは空圧となる。
【0085】
そして、上述のような制御を行うことにより、流量制御弁11の開閉度合いを調節することが可能であるので、ロックシリンダの作動抵抗を調節することができる。
【0086】
したがって、上述したとおり、ロックシリンダの作動抵抗を変化させることは、すなわち、スタビライザの効き具合を変化することになるので、切換スイッチ等の操作で、スタビライザの効きを調節することができるから、車両の姿勢制御が可能となる。また、スタビライザの機能の調節は、切換スイッチ等の操作のみで行えるから、操作性もよく、便利である。
【0087】
なお、本実施の形態におけるロックシリンダの特性として、ピストン12がシリンダ13の連通孔13aが設けられた位置にある状態からロックシリンダを収縮および伸長させるのに同じ力入力しても、伸側油室に面するピストン12の受圧面積はピストンロッド10の断面積の分、圧側油室に面するピストン12の受圧面積より小さく、また、ピストンロッド10の体積分が影響するためロックシリンダが伸長するときの流量制御弁11を通過する作動油量と収縮するときの流量制御弁11を通過する作動油量は異なるので、単一の流量制御弁11だけ、すなわち、流量制御弁10の流路面積が一定ではロックシリンダの収縮時と伸長時の作動油の流れ抵抗が異なるから、ピストン12がシリンダ13の連通孔13aが設けられた位置にある状態からのロックシリンダの収縮時と伸長時のピストン12の移動速度が異なる。裏を返せば、ピストン12がシリンダ13の連通孔13aが設けられた位置にある状態からのロックシリンダの収縮時と伸長時のピストン12の移動速度を同じにするように力を作用させると、収縮時に必要な力と伸長時に必要な力の各力の大きさが異なるものとなってしまう。すなわち、上記提案のロックシリンダでは、収縮時と伸長時の作動抵抗が異なることになる。
【0088】
したがって、収縮時と伸長時の作動抵抗が異なるので、このロックシリンダをスタビライザとバネ下部材との間に介装すると、ロックシリンダを伸縮可能な状態とした場合では、ピストンがシリンダの連通孔が設けられた位置にある状態からのロックシリンダの収縮時と伸長時の作動抵抗の差異により、ロックシリンダの収縮時と伸長時ではスタビライザの効きが異なることとなる。
【0089】
このスタビライザの効きの差異は、車両のサスペンションの動きを左右同一ではなくするので、ロックシリンダの搭載された車両の乗り心地の悪化を招くこととなりかねない。
【0090】
ここで、上記の問題を解決するためには、図示はしないが、たとえば、別途、ロックシリンダのピストンロッドにスケールメモリを所定の間隔を保って刻み、上記スケールメモリと対向する変位センサを設けて、すなわち、ストロークセンシングにより、ピストンロッドの移動速度および移動方向を検出して、上記コントローラにその検出結果を入力して、圧力値を補正演算し、管路28内の流体圧力値を調節し、ロックシリンダの作動抵抗を収縮時と伸長時とで、同一になるように流量制御弁の開閉度合いを調節してもよい。
【0091】
なお、制御バルブは、本実施の形態で説明したもの以外にも、上述のように流体圧の供給、遮断、排出が可能なものであれば使用されうることは無論であり、したがって、流体圧調節手段には他の慣用されている方法手段を採用しても良い。
【0092】
動作は上述のとおりであるが、上記の構成では、特にピストンロッドを駆動するための油圧源を必要としないので、車両の出力をさほど必要としない。すなわち、車両が走行力不足となることが防止される。このことは、上記流体圧源は流量制御弁の駆動のみに使用されて、ピストンロッドを駆動するものではないので、従来例に比して小型化可能であり、消費出力も小さくできることから明らかである。
【0093】
また、平坦路や不整地やウネリ路などに対応して、スタビライザの機能を調節することが可能であるので、車両の乗り心地を改善し向上することが可能である。
【0094】
すると、スタビライザの機能の調節が可能であるから、スタビライザを、この調節機能により様々な車両の特性に適合させることができるので、特に車両に適合する特定のスタビライザを用いなくても済むので、スタビライザの生産面については、少種多量生産が可能になり、生産管理面、保管面でも経済性が向上することは勿論のこととして、そのメンテナンス供給も容易となる。
【0095】
さらに、シリンダ本体にリザーバ、流量制御弁、第1、第2の逆止弁からなるロック機構を備えるように構成したので、シリンダ本体に耐圧ホースからなる管路を連結したり、この管路中に逆止弁を配在したりするなどによる弊害、たとえば、ロックシリンダ全体における外径のいたずらな大径化や、流路抵抗による作動不全、さらには、全体構造の複雑化などを招来させないことになる。
【0096】
そして、さらに、上記構成としたので、ピストンロッド駆動用の複数の油圧配管を必要とせず、外部に設けた制御バルブが1つしかないので、従来に比してコストが低下し、重量も軽くなる。
【0097】
つづいて、図2に示した第1の実施の形態の変形例におけるロックシリンダについて説明する。なお、説明の重複を避けるため第1の実施の形態と同様の部材には同一の符号を付すのみとして、その詳しい説明を省略する。
このロックシリンダの基本構成は、シリンダ本体C1と上述の第1の実施の形態と同様の制御機構A(図示せず)で構成され、シリンダ13と外筒14とを有して複筒型に形成されている。
【0098】
そして、このシリンダ本体C1は、第1の実施の形態におけるロックシリンダのシリンダ本体Cと略同様に構成されるが、この変形例にあっては、ピストン42には流量制御弁11を配在させるだけでなく、流量制御弁11と圧側油室との間に第2の流量制御弁44と、圧側油室から伸側油室へ向う作動油のみの流れを許容する第3の逆止弁45とを、並列に設けている。
【0099】
そして、この流量制御弁11は、シリンダ本体C1の外部から供給される信号S(付示せず)の入力時に開放されると共に、信号Sの強弱によって、流路面積を変化させることができる。また、信号Sの解消時に、たとえば、付勢バネ(図示せず)のバネ力等で閉鎖される常閉型に設定されるとともに、第2の流量制御弁44も上記した流量制御弁11と同様に、シリンダ本体C1の外部から供給される信号S(付示せず)の入力時に開放されると共に、信号Sの強弱によって、流路面積を変化させることができる。また、信号Sの解消時に、たとえば、付勢バネ(図示せず)のバネ力等で閉鎖される常閉型に設定されている。
【0100】
なお、流量制御弁11および第2の流量制御弁44への信号Sの入力は、図示するところでは、同一の管路28を通じて行われるが、各流量制御弁11、44にそれぞれ個別に信号を入力することとしても良い。
【0101】
そして、この変形例にあっては、流量制御弁11が連通ポジションにあるときは、すなわち、ピストンロッド10がシリンダ13内に侵入する収縮時には、作動油が、圧側油室R2から伸側油室R1に向って移動するが、このとき、作動油は上記第2の流量制御弁44に優先して第3の逆止弁45を開き、流量制御弁11に向って移動するから、ロックシリンダ収縮時の作動抵抗は、作動油が流量制御弁11を通過する時の流れ抵抗のみにより決せられる。
【0102】
逆に、ピストンロッド10がシリンダ13から突出する伸長時では、作動油は伸側油室R1から圧側油室R2へ向って移動し、先ず流量制御弁11を通過し、片方の油路43は第3の逆止弁45で遮断されているので、優先的に第2の流量制御弁44を通過することとなる。
【0103】
したがって、この場合には、ロックシリンダ伸長時の作動抵抗は作動油が流量制御弁11と第2の流量制御弁44を通過する時の流れ抵抗により決せられることとなる。
【0104】
ここで、上述のようにロックシリンダを伸縮させるのに同じ力を入力しても、伸側油室に面するピストンの受圧面積はピストンロッドの断面積の分、圧側油室に面するピストンの受圧面積より小さく、また、ピストンロッドの体積分が影響するためロックシリンダが伸長するときの流量制御弁11を通過する作動油量と収縮するときの流量制御弁11を通過する作動油量は異なるので、単一の流量制御弁11だけ、すなわち、流量制御弁11油路面積が一定ではロックシリンダの収縮時と伸長時の作動抵抗が異なることになるが、第2の流量制御弁44を配在し、かつ、第2の流量制御弁44に起因する流れ抵抗を適当なものとし、ロックシリンダの収縮時と圧縮時の作動抵抗を同一にしているから、この変形例にあっては、特別に収縮時と圧縮時とで流量制御弁の開閉度合いを違えるように制御する制御装置を設けずとも、車両のサスペンションの動きが左右同一となり、車両走行時の乗り心地を向上することができる。
【0105】
さらに、第2の流量制御弁44と第3の逆止弁45を設けるだけでロックシリンダの収縮時と圧縮時の作動抵抗の差異をなくするようにできるので、流量制御弁を大型化することによるロックシリンダの外径の大型化や、ピストンの両側にピストンロッドを設けることによるロックシリンダの基本長が長くなる弊害を防止でき、その結果、車両への搭載性が確保される。
【0106】
ここで、ロックシリンダの収縮時と伸長時との作動抵抗を同一とするには、第2の流量制御弁44の流路面積を、伸長側受圧面積を収縮側受圧面積で除したものの3乗に流量制御弁11の流路面積を乗じたものとすればよい。したがって、図示した本変形例にあっては、流量制御弁11に入力される信号Sと第2の流量制御弁44に入力される信号Sとを単一のものとしているので、信号Sの入力による流量制御弁11の流路面積に対し、単一の信号Sにより必要とされる第2の流量制御弁44の流路面積を確保できるように調節しておけばよい。
【0107】
なお、流量制御弁がソレノイドを有していて、信号Sがこのソレノイドを励磁する電力とされても良いし、流体圧を付加することに換えて、アクチュエータによって流量制御弁を駆動してもよい。これらの手段によっても、油路41の流路面積を変化させることが可能であることは上述の第1の実施の形態と同様である。
【0108】
また、各流量制御弁11、44にそれぞれ個別に信号を入力する場合にあっても、それぞれの流量制御弁11、44が上述の流路面積を確保するように信号入力することとすればよい。
【0109】
ここで、上記した概念を具体的にしたものの一例を図3に示し、詳細に説明する。図3は、ピストンロッド71の先端部に流量制御弁と第2の流量制御弁と第3の逆止弁を設けたものである。
【0110】
ピストンロッド71は、その先端部を中空として、その内外を連通する孔75を設けてあり、その外周にはピストン76が嵌合され、その内周には流量制御弁の一部を構成する中空のバルブボディ72と第2の流量制御弁と第3の逆止弁の一部を構成する中空のバルブボディ82が収められるとともに、ピストンナット77でピストン76および各バルブボディ72、82がピストンロッド71に固定されている。
【0111】
バルブボディ72は、その内外を連通する孔72aが設けられ、その内周の図中下方にストッパ79設けるとともに、その内周に設けた段部に弁73のテーパ部73aをそのテーパ部73aとストッパ79との間に介装したバネ78で附勢させることにより当接させている。なお、弁73は図示はしないが、その上方から流体圧が負荷されることによりバネ78のバネ力に抗して図中下方に移動して、段部とテーパ部73aとの間に隙間を生じさせることが可能であり、また、流体圧の大きさにより上記隙間の大きさを可変にできる。すなわち、流路面積を変化させることができる。
【0112】
他方、バルブボディ82は、有底筒状に形成されており、底部には孔が穿設され、その孔の近傍を隆起させて形成した弁座が設けられており、バルブボディ82の内周に上方開口端の内周径を拡径して段部を設けるとともに、その内周であって段部から底部にかけて内周の軸方向に沿って複数の切欠82aが設けられるとともに、底部の下方には六角レンチ挿入用のソケットが形成されている。さらに、底部の外周には、螺子切りがしてあり、これにより図3に示すようにピストンナット77のナット部分にバルブボディ82が上記ソケットを利用して螺合される。
【0113】
そして、バルブボディ82内には、上記段部に当接させストップリング83と上記段部で挟持されたストッパ84を設け、中央に孔90aを設けた弁体90を上記弁座の上方に着座させ、上記ストッパ84と弁体90との間に介装したバネ89で、弁体90が上記弁座方向に附勢されている。このとき、ストッパ84に設けた突起部はバネ89のセンタリングとしての役割を果たしている。
【0114】
そして、上記弁体90の孔90aには上述の弁73のテーパ部73aから垂設された軸73cの下方に設けたテーパ部73bが挿通されている。また、ストッパ84は、円盤状で、円盤の軸方向に貫通する複数の孔84aが設けられ、円盤の中央にはその上下を貫通する貫通孔を設けた突起部が設けられ、その外径はバルブボディ82の拡径した部分の内径内に挿入可能な径とされており、貫通孔には上述の軸73cが挿入されている。なお、ストッパ84をバルブボディ82内に固定する方法としては、上記方法以外にも、螺合等の他の慣用されている方法を使用してもよい。
【0115】
また、弁体90は、バルブボディ82内に挿入することから、その内周に切欠82aを設けている部分の内周より小さく設定されているが、切欠82aを設けているから、充分油路が確保されているので、上記内周と摺接させても良く、切欠82aを設けることにより、弁体90の外径を大きくしても油路が確保できるとともに、弁体90の横ズレが防止されるので、弁体90と弁座との間に隙間ができることが防止できる。
【0116】
すなわち、切欠82aを設けずに油路を確保しようとして、弁体90の外径が小さくしすぎると、弁体90が図中横方向にずれて弁座と弁体90との間に隙間ができてしまう可能性があるので、切欠82aを設けない場合には、弁体90外径は、上記の横ズレが発生しても隙間ができない程度の大きさとすることが好ましい。なお、切欠をバルブバボディ82の内周ではなく弁体90に設けても油路が確保可能でり、弁体90の横ずれも防止可能である。
【0117】
なお、弁73に流体圧を負荷することにより、上述のように、バルブボディ72の段部と弁73のテーパ部73aとの隙間を変化可能可能であるが、それとともに、弁73が下方に移動することにより軸73cの下方に設けたテーパ部73bと弁体90の孔90aとの隙間の大きさをも変化させることが可能である。
【0118】
すなわち、弁73に単一の流体圧を負荷することにより、バルブボディ72の段部と弁73のテーパ部73aとの隙間およびテーパ部73bと弁体90の孔90aとの隙間を変化させることができる。つまり、この場合には信号Sが単一であり、かつ、信号Sが流体圧ということとなる。
【0119】
上記した構成により、流量制御弁および第2の流量制御弁および第3の逆止弁が構成され、第1油路はピストンロッド71に穿設した孔75とバルブボディ72に穿設した孔72aとバルブボディ72内面とで形成されるとともに、第2油路はバルブボディ82内面で形成されている。
【0120】
他方、流量制御弁は、上述のバルブボディ72内に設けた段部に弁73のテーパ部73aとで形成され、第2の流量制御弁は、上述の弁体90の孔90aと弁73のテーパ部73bとで形成され、第3の逆止弁は、バルブボディ82に設けた弁座と弁体90とで形成されている。
【0121】
したがって、流量制御弁と第2の流量制御弁は、弁73の上下移動によってその流路面積が可変とされており、その弁の上下移動によって決せられるバルブボディ72内に設けた段部に弁73のテーパ部73aとで形成される流量制御弁の流路面積に対し、常に上述の弁体90の孔90aと弁73のテーパ部73bとで形成される第2の流量制御弁の流路面積は、伸長側受圧面積を収縮側受圧面積で除したものの3乗に流量制御弁の流路面積を乗じたものとなるように設定されている。
【0122】
そして、上記の構成により、第2の流量制御弁は第2油路を通過する作動油に対し常に作用するが、第3の逆止弁は、図中下方からの作動油の流れのみ許容しているので、第2の油路内に第2の流量制御弁と第3の逆止弁が並列に設けられていることとなる。
【0123】
以下、その動作について説明すると、まず、ロックシリンダの収縮時に信号Sとなる流体圧を弁73に負荷して、バルブボディ72の段部と弁73のテーパ部73aとの間に隙間を生じさせ、すなわち、流量制御弁を連通ポジションにした場合、圧側油室R2にある作動油はバルブボディ82のソケットおよび孔を通過し弁体90方向に向う。
【0124】
そして、弁体90を油圧で、バネ89のバネ力に抗してストッパ84側に向けて押しこむ。すると、弁体90と弁座との間に隙間ができることとなる。
【0125】
作動油は、流路抵抗の大きい弁体90の孔90aと弁73のテーパ部73bとの隙間、すなわち第2の流量制御弁に優先して、流路抵抗の小さい弁体90と弁座の隙間、すなわち第3の逆止弁およびバルブボディ82内の切欠82aを通じて、バルブボディ82内に入り込み、ストッパ84の複数の孔を通過し、さらに、その上方に配在された流量制御弁を通過して、伸側油室R1へと移動することとなる。
【0126】
すなわち、この際のロックシリンダの作動抵抗は、作動油が略流量制御弁を通過するときの流れ抵抗により決せられる。
【0127】
逆に、ロックシリンダの伸長時では、流量制御弁を連通ポジションにした場合、伸側油室R1にある作動油は、先ず孔75および孔72aを通過し、バルブボディ72内に流入し、つづいて流量制御弁を通過してバルブボディ82内に向う。
【0128】
そして、こんどは、作動油が、弁体90を油圧で弁座へと押し付けるので、弁体90と弁座の間に隙間はできない。
【0129】
したがって、作動油は、弁体90の孔90aと弁73のテーパ部73bとの隙間、すなわち第2の流量制御弁を通過して、圧側油室R2へと移動することとなる。
【0130】
すなわち、この場合には、弁体90と弁座とで、伸側油室R1から圧側油室R2への作動油の移動を遮断する逆止弁としての機能を発揮し、この際のロックシリンダの作動抵抗は、作動油が略流量制御弁と第2の流量制御弁を通過するときの流れ抵抗により決せられる。
【0131】
そして、上記ロックシリンダの作動抵抗は、上述の通り、収縮時と伸長時の流れ抵抗により決せられるが、伸長時にしか効かない第2の流量制御弁の流路面積を、上述のように適当なものとすることにより、収縮時と圧縮時のロックシリンダの作動抵抗を同一とすることができる。
【0132】
さらに、上記構成により、第2の流量制御弁と第3の逆止弁を一体化したので、既存のロックシリンダにこの一体化した絞り弁と逆止弁を簡単に取付けることができるという効果もある。
【0133】
また、単一の信号の入力により流量制御弁および第2の流量制御弁の流路面積を適切なものとできる、すなわち、単一の制御機構で流量制御弁および第2の流量制御弁の流路面積を適切なものとできるので、複雑な制御機構を備える必要がなく、動作も安定できコストも削減可能である。
【0134】
さらに、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態におけるロックシリンダは、図4に示すように、制御機構Bとシリンダ本体Cとで構成され、シリンダ本体Cは、第1の実施の形態で説明したものと同様、従来のスタビライザ調節装置と同様に図3に示すように、一端が車体バネ下部材側たる固定側に連結されながら他端がスタビライザ側たる可動側に連結されるものである。そして、制御機構Bの一部およびシリンダ本体Cにあって、第1の実施の形態と重複する部分は、その説明を省略し、符号を付すのみとする。
【0135】
よって、第1の実施の形態と異なる部分のみ説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態のロックシリンダに、車速検出器31と操舵角検出器32と、車両進行方向に対し水平横方向の加速度(横加速度)を検出する加速度検出器33とを付加したものである。したがって、切換スイッチもしくはボリューム型スイッチの操作で、ロックシリンダの作動抵抗を調節することができ、ひいては、スタビライザの効きを調節可能であることは無論である。
【0136】
コントローラ21は、圧力検出器23の上述の各検出器31、32、33に接続されており、各検出器31、32、33から、本ロックシリンダが搭載されている車両の速度、および操舵角、および横加速度の各信号を受け取ることができるようになっている。
【0137】
次に、本実施の形態におけるロックシリンダの動作について説明する。車両の走行時に、適宜各検出器31、32、33は、それぞれ車速、操舵角、横加速度を検出し、その検出結果はコントローラ21に入力される。そして、コントローラ21は、各検出結果とあらかじめコントローラ21に記録された車速、操舵角、横加速度とを比較する。
【0138】
そして、所定の条件を満たしたとき、車両が危険状態にあると判断し、切換スイッチ等で選択された圧力値に無関係に、制御バルブ24のソレノイド25、25を励磁して、制御バルブ24を供給もしくは排出ポジションに切換え、流量制御弁11に空圧を付加し、あるいは空圧を排出する。
【0139】
すると、流量制御弁11は、全開もしくは全閉状態となり、スタビライザ本来の効果が発現もしくは減殺されることとなる。
【0140】
すなわち、コントローラは自動的に、車両の危険状態を判断可能であると共に、危険状態を回避するべく、スタビライザの効きを最大もしくは減殺することが可能である。
【0141】
したがって、このロックシリンダをスタビライザおよび車両に接続すれば、車両の危険状態を判断可能であると共に、危険状態を回避するべく、スタビライザの機能を発現もしくは減殺することが可能であるから、当該車両の搭乗者の安全を確保することが可能である。
【0142】
ここで、あらかじめコントローラ21に記録される車速および操舵角および横加速度は、ロックシリンダが搭載される車両の運動性能や車重等により、適宜その車両に適した値が採用され、危険状態の判断基準も同様である。したがって、危険状態の判断手法については、たとえば、横加速度が車両進行方向右向きを正の値として、比較的高い周波数で正負の値を検出するとき、すなわち、うねり路を車両が走行中であると判断したときや、車速が高速時で、操舵角が大きいとき、すなわち、車両が高速道路を走行中で急激に車線変更をしたような場合には、ロックシリンダの流量制御弁11を全閉にして、スタビライザの効きを最大にし、車両の乗り心地を著しく害する凹凸路を走行する場合には、ロックシリンダの流量制御弁11を全開にして、スタビライザの機能を減殺するように設定される。
【0143】
また、この第2の実施の形態の制御機構Bが第1の実施の形態で説明した変形例のシリンダ本体C1に適用されてもよいことは勿論である。
【0144】
【発明の効果】
各請求項によれば、ロック機構をもシリンダ本体内に収め、外部からの信号の入力でロックシリンダの作動抵抗を変化させることができるから、以下の効果が得られる。
【0145】
特にピストンロッドを駆動するための油圧源を必要としないので、車両の出力をさほど必要としない。すなわち、車両が走行力不足となることが防止される。
【0146】
さらに、シリンダ本体にリザーバ、流量制御弁、第1、第2の逆止弁からなるロック機構を備えるように構成すれば、シリンダ本体に耐圧ホースからなる管路を連結したり、この管路中に逆止弁を配在したりするなどによる弊害、たとえば、ロックシリンダ全体における外径のいたずらな大径化や、流路抵抗による作動不全、さらには、全体構造の複雑化などを招来させないことになる。
【0147】
そして、さらに、ピストンロッド駆動用の複数の油圧配管を必要としないので、従来に比してコストが低下し、重量も軽くなる。
【0148】
また、流量制御弁により伸側油室と圧側油室とを遮断するとロックシリンダをロック状態にすることができると共に、伸側油室と圧側油室とを連通するとロックシリンダを伸縮可能な状態とすることができる。
【0149】
そして、上記流量制御弁の流路面積を変化することで、流路抵抗を変化することができる。したがって、このロックシリンダをスタビライザに接続した場合には、上記ロック状態で、スタビライザの機能が発現され、伸縮可能な状態では、上記流路抵抗により、ピストンロッドの作動抵抗を変化させることが可能であるから、スタビライザの機能調節することが可能である。すなわち、スタビライザの効きを調節することができるから、車両の姿勢制御が可能となる。
【0150】
すると、不整地やウネリ路などに対応して、スタビライザの機能を調節することが可能であるので、車両の乗り心地を改善し向上することが可能である。
【0151】
また、スタビライザの機能の調節が可能であるから、スタビライザを、この調節機能により様々な車両の特性に適合させることができるので、特に車両に適合する特定のスタビライザを用いなくても済むので、スタビライザの生産面については、少種多量生産が可能になり、生産管理面、保管面でも経済性が向上することは勿論のこととして、そのメンテナンス供給も容易となる。
【0152】
更に、請求項1の発明によれば、第2の流量調整弁と第3の逆止弁とを設けてピストンロッドがシリンダ内に侵入するときの作動抵抗とピストンロッドがシリンダ内から退出するときの作動抵抗とを同一にしたので、この場合には、特別に収縮時と圧縮時とで流量制御弁の開閉度合いを違えて、ピストンロッドがシリンダ内に侵入するときの作動抵抗とピストンロッドがシリンダ内から退出するときの作動抵抗とを同一とするように制御する制御装置を設けずとも、車両のサスペンションの動きが左右同一となり、車両走行時の乗り心地を向上することができる。
【0153】
すなわち、上記した特別な複雑な制御を要する制御装置を設ける必要ないので、コストも削減できる。
【0154】
そして、請求項2、3、4の発明によれば、絞り弁と第3の逆止弁を一体化したので、既存のロックシリンダにこの一体化した絞り弁と逆止弁を簡単に取付けることができる。
【0155】
さらに、請求項4の発明によれば、バルブボディ内壁に、上記弁体外周と対向する切欠を設けて油路を形成したので、弁体の外径を大きくしても油路が確保できるとともに、弁体の横ズレが防止されるので、弁体と弁座との間に隙間ができることが防止できる。したがって、第3の逆止弁としての機能を維持発揮することが可能である。
【0156】
さらに、請求項5の発明によれば、信号を制御機構からの流体圧として、その流体圧源は流量制御弁の駆動のみに使用され、ピストンロッドを駆動するものではないので、従来例に比して小型化可能であり、消費出力も小さくすることが可能である。
【0157】
また、流量制御弁の流路面積を切換スイッチで変化させることができるので、このロックシリンダをスタビライザに接続した場合、選択的にスタビライザの機能を調節することが可能である。
【0158】
したがって、スタビライザの機能の調節は、切換スイッチの操作のみで行えるから、操作性もよく、便利である。
【0159】
そして、さらに、請求項6の発明によれば、信号を制御機構からの流体圧として、その流体圧源は流量制御弁の駆動のみに使用され、ピストンロッドを駆動するものではないので、従来例に比して小型化可能であり、消費出力も小さくすることが可能であることに加えて、流量制御弁の流路面積をボリューム型スイッチで変化させることができるので、このロックシリンダをスタビライザに接続した場合、無段階にスタビライザの機能を調節することが可能である。
【0160】
したがって、スタビライザの機能の調節は、切換スイッチの操作のみで行えるから、操作性もよく、便利であり、無段階にスタビライザの機能を調節可能であるから、微調整も可能となって、さらに利便性が高い。
【0161】
また、さらに、請求項7の発明によれば、制御機構に、車速検出器と、操舵角検出器と、車両進行方向に対し水平横方向の加速度を検出する加速度検出器とを設けたので、車両の危険状態を判断可能であり、また、危険状態とコントローラが判断すると、スタビライザの機能を最大または減殺するので、車両の危険状態を回避することが可能である。
【0162】
したがって、このロックシリンダをスタビライザおよび車両に接続すれば、車両の危険状態を判断可能であると共に、危険状態を回避するべく、スタビライザの機能を発現もしくは減殺することが可能であるから、当該車両の搭乗者の安全を確保することが可能である。
【0163】
そして、さらに、請求項8の発明によれば、流体圧調節手段を、バネのバネ力で上記管路を遮断する常閉型に設定されるとともに、ソレノイドを励磁することにより、上記流量制御弁と流体圧発生源とを連通、または遮断、または上記流量制御弁に負荷される流体圧の排出を選択的に可能とする制御バルブとしたから、制御機構には、制御バルブを1つ設ければよいので、複数制御バルブを設けている従来のものと比べて、軽量なものとすることができる。
【0164】
また、請求項9、10の発明によれば、上述の各効果を奏することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態におけるロックシリンダを示す概略縦断面図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態の変形例におけるロックシリンダを示す概略縦断面図である。
【図3】流量制御弁と第2の流量制御弁と第3の逆止弁を設けたピストンロッドの先端部の縦断面図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態におけるロックシリンダを示す概略縦断面図である。
【図5】従来のスタビライザ機能調節装置の概略図である。
【符号の説明】
10、71 ピストンロッド
11 流量制御弁
12、42、76 ピストン
13 シリンダ
13a 連通孔
14 外筒
15 ヘッド部材
16 ボトム部材
17 第1の逆止弁
18 第2の逆止弁
21 コントローラ
22 流体圧源たる空圧源
23 圧力検出器
24 制御バルブ
25 ソレノイド
26 バネ
28 管路
31 車速検出器
32 操舵角検出器
33 加速度検出器
41、43 油路
44 第2の流量制御弁
45 第3の逆止弁
60f 前側スタビライザ
60r 後側スタビライザ
72、82 バルブボディ
73 弁
82a 切欠
84 ストッパ
90 弁体
A、B 制御機構
C、C1 シリンダ本体
O 油面
R リザーバ
R1 伸側油室
R2 圧側油室
S 信号

Claims (10)

  1. シリンダ本体と、シリンダ本体を伸縮制御するロック機構とからなり、シリンダ本体はシリンダと、シリンダ内にピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、シリンダ内にピストンで区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダに形成されてピストンを介して上記伸側油室と圧側油室とに選択的に開閉される連通孔とを有し、ロック機構は上記伸側油室と圧側油室とを連通または遮断を可能とする第1の流量制御弁と、上記連通孔に接続されたリザーバと、リザーバと上記伸側油室との間及びリザーバと圧側油室との間にそれぞれ設けられてリザーバからの作動油のみの流れを許容する第1、第2の逆止弁とを備えているロックシリンダにおいて、上記第1の流量制御弁と圧側油室との間に第2の流量制御弁と、圧側油室から伸側油室へ向う作動油のみの流れを許容する第3の逆止弁とを並列に設けて、ピストンロッドがシリンダ内に侵入するときの作動抵抗とピストンロッドがシリンダ内から退出するときの作動抵抗とを同一にし、更に上記第1、第2の流量制御弁が外部からの信号の入力により流路面積を変化させることを特徴とするロックシリンダ。
  2. ピストンロッド内に伸側油室と連通する第1の油路を設け、前記第1の油路に上記第1流量制御弁を設けるとともに、ピストンロッド端部に着脱自在に結合される中空なバルブボディを設け、バルブボディ内に上記第1の油路と圧側油室とに連通する第2の油路を設け、前記第2の油路に上記第2の流量制御弁と上記第3の逆止弁を並列に設けたことを特徴とする請求項1に記載のロックシリンダ。
  3. バルブボディが、ピストンロッド端部にピストンを固定するピストンナットに着脱自在に螺合されており、上記第2の油路の途中に、弁座と、円盤状で1つまたは複数の孔を有するストッパとを設け、さらに、上記弁座上に孔を備えた円盤状の弁体を着座させ、上記ストッパと弁体との間に当該弁体を弁座側に付勢するバネを介在させるとともに、第1の流量制御弁と連動し、上記弁体の孔の開口面積を変化させるポペット型の弁を設け、上記ポペット型の弁と上記孔とで第2の流量制御弁を構成し、上記弁体を第3の逆止弁として構成させることを特徴する請求項2に記載のロックシリンダ。
  4. バルブボディ内壁に、上記弁体外周と対向する切欠を設けて油路を形成したことを特徴とする請求項3に記載のロックシリンダ。
  5. 信号が制御機構から上記第1、第2の流量制御弁の両方に供給される流体圧であって、上記制御機構はコントローラと、流体圧発生源と、圧力検出器と、上記流体圧発生源と第1、第2の流量制御弁の両方とを結ぶ管路の途中に接続された流体圧調節手段とを有してなり、上記コントローラに、複数の流体圧力値を選択可能な切換スイッチを設け、上記コントローラが、圧力検出器からの流体圧力値の検出結果と切換スイッチで選択した流体圧力値とを比較し、上記流体圧調節手段は、上記比較結果に基づき、上記選択された流体圧力値と上記圧力検出器で検出された流体圧力値とを同一にするように第1の流量制御弁または第1の流量制御弁と第2の流量制御弁の両方に供給される流体圧を調節することを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載のロックシリンダ。
  6. 信号が制御機構から上記第1、第2の流量制御弁の両方に供給される流体圧であって、上記制御機構はコントローラと、流体圧発生源と、圧力検出器と、上記流体圧発生源と第1、第2の流量制御弁の両方とを結ぶ管路の途中に接続された流体圧調節手段とを有してなり、上記コントローラに、無段階に流体圧力値を選択可能なボリューム型スイッチを設け、上記コントローラが、圧力検出器からの流体圧力値の検出結果とボリューム型スイッチで選択した流体圧力値とを比較し、上記流体圧調節手段は、その比較結果に基づき、上記選択された流体圧力値と上記圧力検出器で検出された流体圧力値とを同一にするように第1、第2の流量制御弁の両方に供給される流体圧を調節することを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載のロックシリンダ。
  7. 制御機構に、車速検出器と、操舵角検出器と、車両進行方向に対し水平横方向の加速度を検出する加速度検出器とを設け、コントローラに予め記録された車速と操舵角と車両進行方向に対し水平横方向の加速度と、各検出器の検出結果とを比較し、危険状態を判断する危険判断手段を設け、危険状態と判断された場合にのみ上記流体圧調節手段が流体圧を調節して、上記第1、第2の流量制御弁の両方を全開または全閉することを特徴とする請求項5又は6に記載のロックシリンダ。
  8. 流体圧調節手段が、バネのバネ力で上記管路を遮断する常閉型に設定されるとともに、ソレノイドを励磁することにより、上記第1、第2の流量制御弁の両方と流体圧発生源とを連通、または遮断、又は上記第1、第2の流量制御弁の両方に負荷される流体圧の排出を選択的に可能とする制御バルブであって、上記コントローラによる上記選択された流体圧力値と上記圧力検出器で検出した流体圧力値との比較の結果、上記制御バルブは選択した流体圧力値より検出した流体圧力値が小さい場合に、上記制御バルブが上記第1、第2の流量制御弁の両方と流体圧発生源とを連通して第1、第2の流量制御弁の両方に流体圧を供給し、上記コントローラによる上記選択された流体圧力値と上記圧力検出器で検出した流体圧力値との比較の結果、選択した流体圧力値より検出した流体圧力値が大きい場合に、上記第1、第2の流量制御弁の両方に供給されている流体圧を排出することを特徴とする請求項5、6、又は7に記載のロックシリンダ。
  9. 一端が車両のバネ下部材に連結されると共に、他端が車両のスタビライザに連結されている請求項1、2、3、4、5、6、7、又は8に記載のロックシリンダ。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、又は8に記載のロックシリンダの一端を車両のバネ下部材に連結し、他端を車両のスタビライザに連結してなるスタビライザ機能調節装置。
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