JPH09183963A - 防水性シール材、防水性シール材の製造方法及び防水構造 - Google Patents

防水性シール材、防水性シール材の製造方法及び防水構造

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JPH09183963A
JPH09183963A JP7353388A JP35338895A JPH09183963A JP H09183963 A JPH09183963 A JP H09183963A JP 7353388 A JP7353388 A JP 7353388A JP 35338895 A JP35338895 A JP 35338895A JP H09183963 A JPH09183963 A JP H09183963A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被シール体との界面における漏水のない、止
水性に優れた防水性シール材、及び防水性シール材の製
造方法、また被シール体がガラス等の親水性の高い材料
からなる場合であっても、優れた止水性を有する防水構
造を提供する。 【解決手段】 石油樹脂等の粘着付与剤を含有し、末端
イソシアネート基の含有量が15%以下である反応型ホ
ッメルトタイプのイソシアネート末端プレポリマーから
なり、100℃における粘度が10〜5000ポイズ、
流動点が40℃以上である原料を、離型紙等の表面に供
給し、流延させて皮膜を形成する。その後、この皮膜が
流動状態にある間に、特に軟質の連泡性ポリウレタンフ
ォームの気泡が開口した表面を圧着して、その気泡壁を
貫入させ、次いで、プレポリマーを空気中の湿気によっ
て硬化させ、ポリウレタンフォームの表面に粘着層が設
けられた防水性シール材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともその一
表面に粘着層が設けられた防水性シール材、防水性シー
ル材の製造方法、及びこの防水性シール材を使用した防
水構造に関する。本発明の防水性シール材は、シール材
そのものが防水性に優れるとともに、特に被シール体が
ガラス等、その表面における水の接触角が小さい材料で
あっても、界面における浸水、透水が確実に防止され
る。
【0002】
【従来の技術】従来より防水性シール材として、独泡タ
イプのEPDM発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体及びポリ
エチレン発泡体、或いは連泡タイプの軟質ポリウレタン
発泡体等のゴム又は樹脂発泡体が使用されている。特に
軟質ポリウレタン発泡体は圧縮永久歪等、優れた物性を
有するため多用されている。これらはポリ塩化ビニル発
泡体を除いて通気性が低く、また、素材そのものが撥水
性であることにより防水性が発現されている。
【0003】防水性を評価する方法としてはU字試験が
一般に採用されている。これはU字状であって断面が方
形等の試片を、所定の圧縮率でもって二枚のアクリル樹
脂板の間に挟み、U字状部分に水を入れて底部からの漏
水の有無或いは漏水に至る時間を観察、評価するもので
ある。この方法により従来から実用に供されている防水
性シール材の性能を評価した場合、一般にシール材その
ものの透水により漏水することはほとんどない。
【0004】しかし、シール材と被シール体との界面か
ら漏水することが多く、従来より、シール材の原材料と
して疎水性の高いものを選択したり、シール材中に疎水
性物質を混入或いはシール材と疎水性物質とを反応させ
たりして、より疎水性の高いシール材の開発が進められ
ている。そして実際に上記U字試験において実質的に漏
水のないシール材も開発されている。
【0005】U字試験では上記のように通常アクリル樹
脂板が使用されるが、これはシール材を実用に供する場
合の被シール体に相当するものである。実際の被シール
体は勿論アクリル樹脂ばかりではなく、各種ゴム又は樹
脂からなる成形品、或いは金属、ガラス等各種の素材か
らなる。そこで各種の被シール体を想定し、且つそれら
の表面における水の接触角に着目して、アクリル樹脂板
に代え各種素材からなる成形板を使用して通常のU字試
験と同様にしてその止水性を評価した。
【0006】その結果、同じ防水性シール材を使用して
も、被シール体に相当する試験材料表面における水の接
触角によって結果が大きく異なることが分かった。防水
性シール材が適用される建材等各種材料の表面における
水の接触角は、例えば、樹脂ではナイロン;52、ポリ
カーボネート;56、硬質ポリ塩化ビニル;68、軟質
ポリ塩化ビニル;73、低圧法ポリエチレン;73、ア
クリル樹脂;75及び高圧法ポリエチレン;81等であ
る。また、金属ではアルミニウム箔;77、鉄板;50
等であり、その他材料ではガラス;45、デコラ;5
8、アクリル塗装板;90等である。
【0007】上記のように接触角の異なる材料を使用し
てU字試験をすると、その接触角によって漏水に至る時
間に大きな差が生じることは前記の通りである。特に接
触角が50°以下の表面を有する材料では、通常アクリ
ル樹脂板では24時間以上の止水性を有する防水性シー
ル材を使用しても、高々10分程度で漏水に至ることが
見出された。
【0008】上記の被シール体に相当する材料の違いに
よる止水性について、以下により具体的に説明する。例
えば接触角75°の表面を有するアクリル樹脂板を使用
し、モルトプレンSH(ウレタン系防水性シール材、株
式会社イノアックコーポレーション製)を50%圧縮
し、水深100mmにてU字試験を実施した結果、48
時間以上の止水性が確認された。アクリル樹脂板を接触
角40°の表面を有するガラス板に代えた他は同様にし
て試験をしたところ5分で漏水が始まった。また、表面
にフッ素樹脂を薄くコーティングした接触角100°の
表面を有するガラス板を使用したところ、48時間以上
の止水性が確認された。
【0009】このように同じ防水性シール材を使用して
も、被シール体に相当する材料の表面における水の接触
角が小さい場合は、漏水に至る時間が極端に短くなる。
そしてポリ塩化ビニル、アルミニウム、デコラ及びガラ
ス等、実際に何らかの防水処理、手段を要する用途に使
用されることの多い材料は、前記のようにアクリル樹脂
に比べて一般に相当に接触角が小さい。そのため被シー
ル体を構成する材料の接触角にかかわりなく、防水性シ
ール材と被シール体との界面からの漏水を確実に防止す
ることができる、優れた止水性を有する防水性シール材
の開発が望まれている。
【0010】上記の問題を解決するため、一体発泡によ
り表面に皮膜を形成したポリウレタンフォームの開発も
試みられている。モールド法によってポリウレタンフォ
ームを成形すれば、一般にその表面には皮膜が形成され
る。更に簡便な方法として、ダブルコンベア方式でポリ
ウレタンフォームを成形すれば、両面に皮膜を有する長
いシート状のフォームを得ることもできる。
【0011】また、例えば前記モルトプレンSHを発
泡、硬化させる際、ポリオール成分又はポリイソシアネ
ートに粘着付与剤を添加し、混合液を2枚の離型紙の間
に流し込んでそのまま発泡させ、反応、硬化が終了した
後、離型紙を剥がすと両面に薄い皮膜を有するポリウレ
タンフォームが得られる。このフォームを防水性シール
材として、ガラス板、アクリル樹脂板及びフッ素コーテ
ィングを施したガラス板で挟んでU字試験を行ったとこ
ろ、ガラス板も含めすべての材料で48時間経過後も漏
水はなかった。
【0012】しかし、上記のダブルコンベア方式等によ
ってフォームを製造する場合、離型紙等の間にて発泡さ
せるため、密度が上昇してコストアップとなる、所定厚
さの薄いフォームとする必要があるため、生産性が低く
コストアップとなる等の問題がある。また、皮膜の厚さ
のコントロールが難しく、適切な厚さでの生産が難しい
との問題もある。
【0013】更に、皮膜には、柔軟であり且つ適度な粘
着性によって被シール体との密着性が高いことが要求さ
れ、皮膜以外の部分には、気泡が細かく、通気性が低
く、圧縮永久歪が小さいことが必要とされている。この
ように皮膜とそれ以外の部分とではその要求特性が大き
く異なる。しかし、上記方法では皮膜とそれ以外の部分
とが同一組成の原料からなっているため、特に皮膜に特
有の性質を要する場合に対応できない等の問題もある。
また、皮膜のみに配合すれば足りる添加剤、例えば粘着
付与剤、酸化防止材等についても、フォーム全体への配
合となってしまいコストアップとなる。
【0014】尚、ダブルコンベア方式によってシート状
のポリウレタンフォームを生産する方法では、皮膜のピ
ンホールを皆無とすることは難しく、且つ皮膜の厚さも
不均一になり易い。そのため上記方法によって得られる
防水性シール材では、その全面に渡って安定した均一な
止水性を実現することは困難である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するものであり、ポリウレタンフォームの表面に特
定のポリウレタンからなる粘着層を設けた防水性シール
材、またそのような防水性シール材の製造方法を提供す
ることを目的とする。また、本発明は、この防水性シー
ル材を、特にガラス板等のその表面における水の接触角
が小さい材料からなる被シール体に使用した場合であっ
ても、十分な止水性が実現され、シール材と被シール体
との界面からの漏水のない防水構造の提供を目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1発明の防水性シール
材は、ポリウレタンフォームからなる基体と、少なくと
もその一表面に設けられる粘着層とからなる防水性シー
ル材であって、上記基体の表面には、上記ポリウレタン
フォームの気泡が開口しており、上記基体と上記粘着層
との界面近傍においては、上記ポリウレタンフォームの
気泡壁が、上記粘着層に貫入しており、且つ上記粘着層
は、少なくとも粘着付与剤を含有するポリウレタンによ
り形成されていることを特徴とする。
【0017】上記「ポリウレタンフォーム」としては、
各種のフォームを使用し得るが、圧縮永久歪等に優れる
連泡型ポリウレタンフォームが好適である。また、柔軟
性等に優れる軟質ポリウレタンフォームが好ましい。更
に、ポリオールとしてポリエステルタイプのものを使用
した場合は、得られるフォームが加水分解によって劣化
し易いため、ポリエーテルポリオールを使用したエーテ
ルタイプのものが好ましい。このエーテルタイプのポリ
ウレタンフォームは紫外線等により劣化する傾向がある
ため、必要に応じて適量の紫外線吸収剤、酸化防止剤等
を添加して使用する。
【0018】上記「粘着層」は、少なくとも粘着付与剤
を含有するイソシアネート末端プレポリマー(以下、単
にプレポリマーということもある。)を原料として形成
される。そして第2発明のように、この「イソシアネー
ト末端プレポリマー」の末端イソシアネート基の含有量
は15%以下、特に7%以下であり、また、上記原料の
100℃における粘度が10〜5000ポイズ、特に5
0〜3000ポイズ、及び流動点が40℃以上、特に5
0℃以上であることが好ましい。
【0019】上記末端イソシアネート基の含有量が15
%を越える場合は、湿気硬化の際ピンホールが発生する
ことがあり、また、所定の粘度以上のプレポリマーが得
られないため好ましくない。また、上記100℃におけ
る粘度が10ポイズ未満では、離型性を有する基材表面
において、原料がその表面張力によって液滴になろうと
する現象を生じ、均一な厚さの粘着層を形成することが
困難となる。更に、この粘度が5000ポイズを越える
場合は、所定厚さ以下の粘着層とすることが容易ではな
い。また、流動点が40℃未満では、原料が液滴になろ
うとする現象を生ずるとともに、ピンホールのない粘着
層を形成することが困難となり好ましくない。
【0020】上記プレポリマーの末端イソシアネート基
の含有量が7%以下であり、上記原料の粘度が20〜2
000ポイズ、特に40〜1000ポイズ、及び流動点
が50℃以上であれば、離型紙等の表面において上記原
料が均一な厚さの粘着層を形成し、且つピンホールの発
生もないためより好ましい。また、所定厚さの粘着層を
容易に形成することもできる。尚、上記の流動点とは、
プレポリマーが融点を持つものであればその融点のこと
であり、融点を持たない場合は、ガム状の固体が流動を
開始する温度を意味する。
【0021】上記の「イソシアネート末端プレポリマ
ー」は、反応型ホットメルトタイプのプレポリマーであ
り下記のようなものが挙げられる。 (1) 結晶性を有するポリオールとポリイソシアネートを
反応させて得られるプレポリマー 結晶性を有するエーテル系ポリオールとしてはポリテト
ラメチレンエーテルグリコール(PTMG)等が挙げら
れる。また、エチレンオキサイドを付加重合させて得ら
れるポリエチレングリコール(EG)であって、分子量
が500以上、融点が30℃以上のものを使用すること
もできる。更に、エチレンオキサイドとプロピレンオキ
サイドのブロックコポリマーであって、エチレンオキサ
イドの重量比が40%以上、且つ平均分子量が1500
以上であるものも融点を持つことが知られている。
【0022】上記のエーテル系ポリオールとしては以下
の各種の市販品を利用することができる。三洋化成株式
会社製、商品名「PTMG3000」(水酸基価;2
4)、商品名「ニューポール PE−68」(水酸基
価;35)、商品名「ニューポール PE−78」(水
酸基価;45)、商品名「ニューポール PE−10
8」(水酸基価;60)、商品名「PEG2000」
(水酸基価;45)
【0023】また、エステル系ポリオールとしては、
1,4−ブタンジオール(BG)、エチレングリコール
又はヘキサンジオール(HG)とアジピン酸(AA)等
との縮合物、及びラクトンエステルとして分類されるカ
プロラクトンの開環縮合物であるポリオール等が挙げら
れる。
【0024】上記のエステル系のポリオールとしては以
下の各種の市販品を利用することができる。旭電化株式
会社製、商品名「ニューエース F15−20」(水酸
基価;45)、商品名「ニューエース F7−37」
(水酸基価;50)、以上、EGとAAとの反応生成
物、商品名「ニューエース F13−35」(水酸基
価;50)、BGとAAとの反応生成物、商品名「ニュ
ーエース F9−30」(水酸基価;50)、商品名
「ニューエース L4−71」(水酸基価;50)、以
上、EG及びBGとAAとの反応生成物、商品名「ニュ
ーエース YG−111」(水酸基価;50)、HGと
AAとの反応生成物
【0025】日立化成ポリマー株式会社製、商品名「T
A22−196」(水酸基価;50)、BGとAAとの
反応生成物、商品名「TA22−102」(水酸基価;
55)、商品名「テスラック 22−190」(水酸基
価;60)、以上、HGとAAとの反応生成物、商品名
「テスラック 22−145」(水酸基価;65)、商
品名「テスラック 22−146」(水酸基価;6
5)、シクロヘキサンジメタノールとAAとの反応生成
物、商品名「テスラック 22−057A」(水酸基
価;65)、商品名「テスラック 22−228」(水
酸基価;65)、HGとセバシン酸との反応生成物
【0026】更に、カプロラクトンの開環縮合物として
は、ダイセル化学工業株式会社製、商品名「プラクセル
210」(水酸基価;55)、商品名「プラクセル
210」(水酸基価;55)、商品名「プラクセル 2
30」(水酸基価;60)等が挙げられる。
【0027】(2) 添加剤を使用する製法 融点を持たないポリオールを使用する場合、反応系に融
点を有する添加剤を混合することにより流動点を有する
プレポリマーを調製することができる。融点を有する添
加剤としては、芳香族系の炭化水素、直鎖脂肪族エステ
ル系等のワックス、石油系炭化水素パラフィンワックス
などが挙げられる。これら添加剤は、プレポリマーの調
製時、使用するポリオールと相溶性のあるものはポリオ
ールに溶解し、ポリイソシアネートと相溶性のあるもの
はポリイソシアネートに溶解して使用される。
【0028】また、プレポリマーと上記の各種添加剤と
の相溶性を向上させるため、相溶化剤として可塑剤や炭
化水素系の溶剤などを適宜使用することもできる。更
に、ポリブテン、ジオクチルフタレート、ジオクチルア
ジペート、ダイマー酸縮合エステル等、上記の炭化水素
系の溶剤などと相溶性を有するポリオールを共用するこ
とも有効である。
【0029】本発明では、上記の各種のポリオールを適
宜選択し、ポリイソシアネートと反応させてプレポリマ
ーを調製する。ポリイソシアネートとしては、結晶性を
有し且つ反応性が高く、融点の高いMDI、特に純MD
I等が好適である。また、これらに粘着付与剤及び必要
であれば粘度調整剤等として、各種添加剤を配合して使
用することができる。
【0030】上記「粘着付与剤」としては、通常、ホッ
トメルト系接着剤等に使用されるものを特に制限される
ことなく使用することができる。例えばタール、アスフ
ァルト、クマロン樹脂等の石油樹脂などが挙げられ、こ
れらは2種以上を併用することもできる。この粘着付与
剤は、第3発明のように、プレポリマー100重量部に
対して40〜100重量部、特に60〜80重量部程度
使用することが好ましい。この配合量が40重量部未満
では十分な止水性が得られない。また、100重量部配
合すれば十分な止水性が実現され、それ以上配合した場
合は、他成分と均一に混合することが容易ではない。更
に、防水性シール材の強度が低下したり、粘着性が過大
となって表面がべとつき取り扱い難くなるため好ましく
ない。
【0031】また、本発明の防水性シール材では、その
粘着層は紫外線等に晒される場合も多い。そのため酸化
防止剤及び紫外線吸収剤等を配合し、熱劣化、酸化劣化
或いは紫外線劣化等を抑えることが好ましい。酸化防止
剤等としては、通常、樹脂に配合されるものを用いるこ
とができるが、特にヒンダードアミン系或いはヒンダー
ドフェノール系の酸化防止剤が好適である。これらは酸
化防止機能と同時に紫外線吸収機能も併せ有するもので
あるが、特に必要であれば、更に通常の紫外線吸収剤を
配合してもよい。
【0032】酸化防止剤等の配合量は、プレポリマー1
00重量部に対して0.1〜2重量部、特に0.2〜1
重量部の範囲が好ましい。この配合量が0.1重量部未
満では十分な耐候性が得られない。また、2重量部配合
すれば十分な耐候性が実現され、それ以上の配合は必要
がない。
【0033】更に、本発明の防水性シール材では、ポリ
ウレタンフォームからなる基体の厚さは、通常のシール
材と同程度でよく、3〜25mm、特に7〜18mm程
度であればよい。また、粘着層は、被シール体と全面に
渡って均等且つ十分に密着することができ、しかも取り
扱い時等に容易に破損しない程度の強度があればよい。
この厚さは20〜500μm、特に50〜300μm、
更には第4発明のように100〜200μmの範囲が好
ましい。この厚さであれば確実な止水ができるとともに
強度も十分である。
【0034】以上詳述したように、本発明の防水性シー
ル材では、ポリウレタンフォームからなる基体と粘着層
とを、それぞれの要求特性等に応じて任意に設計するこ
とができる。特に粘着層のみに必要な粘着性与剤の配合
などは、基体にはまったく不要であり、むしろ圧縮永久
歪等の物性を低下させるものである。また、酸化防止剤
等も基体、粘着層それぞれに適宜のものを適量配合する
ことができ、更に、上記のように粘着層の厚さも容易に
調整することができる。このように本発明の防水性シー
ル材では、所要の止水性、物性、或いは被シール体の種
類等によって、最適な防水性シール材とすることがで
き、ダブルコンベア方式等では製造することができな
い、性能、コスト等すべてにバランスのとれた防水性シ
ール材を得ることができる。
【0035】また、第5発明の防水性シール材の製造方
法は、ポリウレタンフォームからなる基体と、少なくと
もその一表面に設けられる粘着層とからなる防水性シー
ル材の製造方法において、少なくとも粘着付与剤を含有
するイソシアネート末端プレポリマーからなる原料を、
その流動点以上の温度に加熱して流動状態とした後、離
型性を有する基材表面に流延して上記粘着層を形成する
こととなる皮膜を形成し、その後、該皮膜が流動状態に
あるうちに、該皮膜に、上記ポリウレタンフォームの気
泡が開口した表面を圧着し、次いで、冷却して上記皮膜
を固化させ、その後、上記イソシアネート末端プレポリ
マーを湿気硬化させることを特徴とする。
【0036】上記「原料」は、常温では固体であって1
00℃での粘度が比較的低いものである。そして流動点
を越える温度に加熱された後、常温の離型紙等、「離型
性を有する基材」の表面に液状で供給され、流延するこ
とによって「皮膜」が形成される。上記皮膜は、離型紙
等の表面で急激に温度が低下し、急速な粘度上昇が生
じ、常温にまで温度低下した時点では固体状となる。従
って、軟質ポリウレタンフォーム等の基体の皮膜への
「圧着」は、皮膜の粘度が上昇をしている間であって、
固化する前に実施する必要がある。皮膜が流動性を失っ
た後では、フォーム表面に開口した気泡の壁を皮膜に貫
入させることができない。
【0037】また、離型紙等の表面に形成される皮膜に
ピンホールを生成させず、且つ圧着したフォームを十分
に皮膜中に貫入させるためには、上記原料の60〜70
℃の温度範囲における粘度が少なくとも1000ポイ
ズ、特に1000〜3000ポイズ程度であることが好
ましい。本発明では、通常の操作に従って皮膜形成に続
いて連続的に基体の圧着、貫入を行った場合、その時点
での皮膜の温度は上記範囲程度となる。その時点で原料
の粘度が上記範囲であれば、容易に確実に基体を皮膜中
に貫入させることができる。
【0038】上記の粘度があまりに低い場合は、圧着さ
れたフォームの気泡開口部にプレポリマー等からなる原
料が含浸されてしまって、十分な厚さの皮膜即ち粘着層
が形成されなくなる。この場合、防水性シール材は通気
性を有するものとなってしまい、防水性、特に止水性が
劣ったシール材しか得られない。
【0039】これまでの、例えばダブルコンベア方式で
表面に皮膜を有するシール材を製造する方法では、常温
或いはかなり温度の低い原料が供給され、その後、これ
を加熱することにより反応、硬化させ、シール材が得ら
れている。しかし、本発明の方法では、原料は例えば1
00℃程度の高温で供給され、その後、これを室温程度
にまで降温させて固化させ、次いで、「湿気硬化」させ
ることによりシール材が得られる。このように本発明の
防水性シール材の製造方法は、従来の方法とはまったく
発想を異にするものである。
【0040】また、第7発明の防水構造は、防水性シー
ル材と被シール体により構成される防水構造において、
上記防水性シール材は、ポリウレタンフォームからなる
基体と、少なくともその一表面に設けられる粘着層とか
らなり、上記粘着層は、少なくとも粘着付与剤を含有す
るポリウレタンにより形成されるとともに、上記被シー
ル体に密着されており、且つ上記被シール体の表面にお
ける水の接触角が70°以下であることを特徴とする。
【0041】同じ防水性シール材を使用しても、防水
性、特に止水性が被シール体によって大きく異なること
は前記の通りである。本発明の防水構造では、特定の粘
着層を有する防水性シール材を使用することにより、被
シール体の材質にかかわりなく、言い換えれば、それら
材料表面における水の接触角の大小にかかわりなく、極
めて優れた止水性を有する防水構造とすることができ
る。特に上記のポリウレタンが第1〜第3発明の、少な
くとも粘着付与剤を含有する特定のプレポリマーによっ
て構成される場合は、より優れた性能の防水性シール材
が得られる。
【0042】本発明の防水構造では、上記「被シール
体」が、その表面における水の接触角が50°以下の親
水性の高い材料、例えばガラスからなる場合であって
も、アクリル樹脂板などの疎水性の高い材料からなる被
シール体である場合と同様、非常に優れた止水性が実現
される。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を具体的に説明する。 実施例1 反応型ホットメルトタイプのプレポリマー(日立化成ポ
リマー株式会社製、商品名「ハイボン4811」)(末
端イソシアネート基の含有量;4%)200gを、10
0℃に設定されたキュアー炉中にて溶融した。その溶融
物に粘着付与剤として石油樹脂(三井石油化学工業株式
会社製、商品名「「FTR6100」)40gと芳香族
系炭化水素化合物(日本石油化学株式会社製、商品名
「「ハイゾールSAS−LH」)20gとを混合して溶
解し、原料(100℃における粘度;15ポイズ、流動
点;60℃)を調製した。
【0044】尚、上記の方法では、プレポリマーを予め
溶融させ、その後、他成分を混合して溶解させている
が、各成分を同時にキュア炉に供給して一時に溶融させ
てもよい。
【0045】上記のようにして得られた溶融混合物を1
00℃に加熱されたロールコーターによって常温のシリ
コーン離型紙表面に100g/m2 の量で供給した。そ
の後、アプリケータによって展延し、厚さ約100μm
の皮膜を形成した。この皮膜の表面に、皮膜形成後直ち
に厚さ10mmのポリウレタンフォーム(前出のモルト
プレンSH)を圧着して、その気泡壁を貫入させ、一日
放置して湿気硬化させた後シリコーン離型紙を剥がし
た。このようにして形成された粘着層を目視により観察
したところ、柔軟且つ平滑で、ピンホールはまったく認
められなかった。尚、JIS P 8117によって測
定した通気性は150秒以上であった。
【0046】このポリウレタンフォームの片面に粘着層
が設けられた防水性シール材(実施品)、及び粘着層が
設けられていないシール材(モルトプレンSHのみ、比
較品)を使用し、下記のU字試験法によってそれらの止
水性を評価した。
【0047】U字試験法;シール材をU字状の打ち抜き
型でプレスして打ち抜き、15mm幅でU字を形成する
試片を得、その厚さ方向両側か│2枚のアクリル樹脂板
又はガラス板を押し当て、50%圧縮した状態(従って
│厚さは約5mmとなる。)で挟み、U字状内面底部か
ら100mmの高さまで水を入れて放置した時の、U字
状外面底部から水がしみだしてくるまでの時間を測定す
る。尚、実施品では粘着層が設けられていない面、比較
品ではいずれかの一面は、接着剤によってアクリル樹脂
板又はガラス板に接合し、この面から漏水がないように
して試験を行った。
【0048】上記U字試験において、粘着層が設けられ
た防水性シール材では、粘着層は完全にアクリル樹脂板
又はガラス板と密着しており、水は粘着層とアクリル樹
脂板又はガラス板との間にまったく侵入せず、48時間
経過後もなお漏水はまったくなかった。更に、上記U字
試験において水深を200mmとし、水圧を高めた場合
も同様に48時間経過後も漏水はまったくなかった。こ
のように本発明の防水性シール材は、非常に優れた止水
性を有するものであることが分かる。
【0049】一方、粘着層が設けられていないポリウレ
タンフォームのみからなるシール材でも、シール材その
ものの透水はほとんどみられなかった。しかし、ガラス
板との界面では、試験開始5分後には水の侵入及び漏水
がみられた。また、接触角の大きいアクリル樹脂板の場
合は、水深100mmでは48時間経過後も漏水はまっ
たくなかったが、水深200mmでは30分経過後には
漏水が始まった。漏水の箇所はフォームとアクリル樹脂
板との界面であった。いずれにしても比較品は止水性に
劣るものであった。
【0050】実施例2 プレポリマーを日立化成ポリマー「ハイボン4812」
(末端イソシアネート基の含有量:4%)に代えた以外
は実施例1と同様にして皮膜を形成し、同様にしてポリ
ウレタンフォームを圧着、貫入させて防水性シール材を
得た。尚、原料の100℃における粘度は35ポイズ、
流動点は70℃であった。
【0051】この防水性シール材について、実施例1と
同様にして柔軟性、平滑性、ピンホールの有無及び通気
性を評価したところ、結果は実施例1の場合とほとんど
同様であった。また、同様にしてその止水性を評価した
ところ、ガラス板を使用し、水深を200mmとした、
最も厳しい試験条件においても48時間経過後も漏水は
まったくみられず、実施例1の防水性シール材と同様優
れた止水性を有することが分かった。
【0052】実施例3 ヒンダードフェノール系の酸化防止材であるトリエチレ
ングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバ
ガイギー社製、商品名「イルガノックス1010」)、
及び紫外線吸収剤である(4−ベンゾイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン)(三共株式会社
製、商品名「サノールLS744」)を、それぞれ1g
更に配合した以外は実施例2と同様にして皮膜を形成
し、同様にしてポリウレタンフォームを圧着、貫入させ
て防水性シール材を得た。
【0053】上記のようにして得られた防水性シール材
について、実施例1と同様にして柔軟性、平滑性、ピン
ホールの有無及び通気性を評価したところ、結果は実施
例1の場合とほとんど同様であった。また、同様にして
その止水性を評価したところ、ガラス板を使用し、水深
を200mmとした、最も厳しい試験条件においても4
8時間経過後も漏水はまったくみられず、実施例1の防
水性シール材と同様優れた止水性を有することが分かっ
た。
【0054】また、得られた防水性シール材及び上記組
成のうち酸化防止剤と紫外線吸収剤とを配合しないで、
同様にして製造した防水性シール材、並びに粘着層を有
さないポリウレタンフォームのみからなるシール材(比
較品)について、その耐候性を評価した。耐候性評価は
フェードメーターによって実施し、ブラックパネルの温
度は63℃とした。測定時間は500時間までとし、経
時による引張強度の低下を測定し、初期強度に対する強
度保持率で耐候性を表す。尚、初期強度は、実施例の防
水性シール材が1.05kg/cm2 、比較品が1.1
5kg/cm2であった。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】表1の結果によれば、粘着層を有さない比
較品では、100時間経過後には保持率は既に50%に
まで低下し、300時間では保持率が0になっている。
これに対して酸化防止剤等を配合しない防水性シール材
では、保持率が50%に低下するのが400時間経過後
であり、500時間でも保持率は35%であって、優れ
た耐候性を有することが分かる。また、酸化防止剤等を
配合した防水性シール材では、500時間経過後も保持
率は53%と高く、非常に優れた耐候性を有するもので
あることが分かる。
【0057】実施例4 ダイマー酸エステルポリオール(日立化成ポリマー株式
会社製、商品名「テスラック2458」)100gに、
「SAS−LH」20gと「FTR6100」60gを
混合し、加熱溶解した後、純MDI70gを加えて2時
間混合、加熱し、プレポリマーを調製した。このプレポ
リマーは、60℃以上では流動性を有し、100℃にお
ける粘度が20ポイズであり、末端イソシアネート基の
含有量が5%であった。
【0058】上記のプレポリマーを使用した以外は実施
例1と同様にして皮膜を形成し、同様にしてポリウレタ
ンフォームを圧着、貫入させて防水性シール材を得た。
この防水性シール材について、実施例1と同様にして柔
軟性、平滑性、ピンホールの有無及び通気性を評価した
ところ、結果は実施例1の場合とほとんど同様であっ
た。また、同様にしてその止水性を評価したところ、ガ
ラス板を使用し、水深を200mmとした、最も厳しい
試験条件においても48時間経過後も漏水はまったくみ
られず、実施例1の防水性シール材と同様優れた止水性
を有することが分かった。
【0059】実施例5 「テスラック2458」25g、ポリエステルポリオー
ル(ダイセル化学工業株式会社製、商品名「プラクセル
240」)75g、「SAS−LH」20g及び「FT
R6100」60gを、100℃にて混合して溶解し、
均一な混合液を得た後、溶融させた純MDI70gを投
入し、均一な攪拌混合を実施した後、更に100℃にて
2時間攪拌を継続し、プレポリマーを調製した。このプ
レポリマーは、60℃以上では流動性を有し、100℃
における粘度が40ポイズであり、末端イソシアネート
基の含有量が5%であった。
【0060】上記のプレポリマーを使用した以外は実施
例1と同様にして皮膜を形成し、同様にしてポリウレタ
ンフォームを圧着、貫入させて防水性シール材を得た。
この防水性シール材について、実施例1と同様にして柔
軟性、平滑性、ピンホールの有無及び通気性を評価した
ところ、結果は実施例1の場合とほとんど同様であっ
た。また、同様にしてその止水性を評価したところ、ガ
ラス板を使用し、水深を200mmとした、最も厳しい
試験条件においても48時間経過後も漏水はまったくみ
られず、実施例1の防水性シール材と同様優れた止水性
を有することが分かった。
【0061】実施例6 「テスラック2458」25g、ポリエーテルポリオー
ル(三洋化成株式会社製、商品名「PTMG3000」
75g、「SAS−LH」20g及び「FTR610
0」60gを、100℃にて混合して溶解し、均一な混
合液を得た後、溶融させた純MDI70gを投入し、均
一な攪拌混合を実施した後、更に100℃にて2時間攪
拌を継続し、プレポリマーを調製した。このプレポリマ
ーは、50℃以上では流動性を有し、100℃における
粘度が50ポイズであり、末端イソシアネート基の含有
量が5%であった。
【0062】上記のプレポリマーを使用した以外は実施
例1と同様にして皮膜を形成し、同様にしてポリウレタ
ンフォームを圧着、貫入させて防水性シール材を得た。
この防水性シール材について、実施例1と同様にして柔
軟性、平滑性、ピンホールの有無及び通気性を評価した
ところ、結果は実施例1の場合とほとんど同様であっ
た。また、同様にしてその止水性を評価したところ、ガ
ラス板を使用し、水深を200mmとした、最も厳しい
試験条件においても48時間経過後も漏水はまったくみ
られず、実施例1の防水性シール材と同様優れた止水性
を有することが分かった。
【0063】実施例7 ポリエーテルポリオール(三洋化成株式会社製、商品名
「ニューポールPE108」100g、「SAS−L
H」30g及び「FTR6100」30g、「イルガノ
ックス1010」及び「サノールLS744」1gを、
100℃にて混合して溶解し、均一な混合液を得た後、
溶融させた純MDI70gを投入し、均一な攪拌混合を
実施した後、更に100℃にて2時間攪拌を継続し、プ
レポリマーを調製した。このプレポリマーは、40℃以
上では流動性を有し、100℃における粘度が20ポイ
ズであり、末端イソシアネート基の含有量が5%であっ
た。
【0064】上記のプレポリマーを使用した以外は実施
例1と同様にして皮膜を形成し、同様にしてポリウレタ
ンフォームを圧着、貫入させて防水性シール材を得た。
この防水性シール材について、実施例1と同様にして柔
軟性、平滑性、ピンホールの有無及び通気性を評価した
ところ、結果は実施例1の場合とほとんど同様であっ
た。また、同様にしてその止水性を評価したところ、ガ
ラス板を使用し、水深を200mmとした、最も厳しい
試験条件においても48時間経過後も漏水はまったくみ
られず、実施例1の防水性シール材と同様優れた止水性
を有することが分かった。
【0065】また、得られた防水性シール材の耐候性を
実施例3の場合と同様にして評価した。結果を前記の表
1に併記する。その結果によれば、200時間経過後ま
で保持率100%が維持され、500時間経過後も保持
率は70%であって、実施例3の場合にくらべても更に
優れた耐候性を有するものであることが分かる。
【0066】比較例1 融点を持たないポリエーテルポリオール(三洋化成株式
会社製、商品名「GP−3000」)100gに、粗M
DI(ダウ社製、商品名「PAPI135」)20g、
更に感熱性触媒(サンアプロ社製、商品名「U−CAT
SA503」)0.1gを加え十分に攪拌した。得ら
れたプレポリマーの25℃における粘度は250センチ
ポイズと非常に低いものであった。また、末端イソシア
ネート基の含有量は10%であった。
【0067】上記のようにして得られたプレポリマーを
常温のシリコーン離型紙の表面に100g/m2 の量で
供給した。その後、アプリケータによって厚さ約100
μmに展延した。次いで、密度45kg/m3 、厚さ1
0mmの軟質ポリウレタンフォームを圧着し、100℃
のキュアー炉中にて加熱し、重合を促進させた。
【0068】得られたシール材の性状等を実施例1と同
様にして評価したが、柔軟ではあるものの、平滑性に劣
り、また多数のピンホール状の空孔があり、0.4cc
/cm2 /sec以下ではあるが通気性を有するもので
あった。
【0069】更に、実施例1と同様にしてその止水性を
評価したところ、シール材は完全にアクリル樹脂板又は
ガラス板と密着しているが、水がシール材と各被シール
体との界面において、特にピンホール部分を伝って侵入
していくことにより漏水が始まることが観察された。漏
水に至る時間は、被シール体がアクリル樹脂板の場合、
水深が100mmでは3時間、水深を200mmとした
場合は15分であった。また、被シール体がガラス板の
場合は、水深が100mmでは15分、水深を200m
mとした場合は1分以内であった。
【0070】比較例2 「GP−3000」100gに、「PAPI135」2
5g加え十分に攪拌し、プレポリマーを得た。得られた
プレポリマーの25℃における粘度は1500センチポ
イズと非常に低いものであった。また、末端イソシアネ
ート基の含有量は15%であった。
【0071】上記のようにして得られた混合液を常温の
シリコーン離型紙の表面に100g/m2 の量で供給し
た。その後、アプリケータによって厚さ約100μmに
展延した。次いで、比較例1の場合と同じ軟質ポリウレ
タンフォームを圧着し、一日放置後に離型紙を剥がし、
シール材を得た。得られたシール材の性状等及び止水性
を実施例1と同様にして評価したところ、いずれの結果
も比較例1と同様であり、非常に止水性に劣るシール材
であることが分かった。
【0072】
【発明の効果】第1発明によれば、ポリウレタンフォー
ムからなる基体の表面に、粘着付与剤を含有する特定の
粘着層が設けられており、シール材そのものの透水がな
いのはもとより、ガラス等、接触角の小さい親水性の高
い材料からなる被シール体であっても、シール材と被シ
ール体との界面からの漏水がまったくない、優れた止水
性を有する防水性シール材を得ることができる。
【0073】また、第5発明によれば、少なくとも粘着
付与剤を含有する特定の反応型ホットメルトタイプのN
CO末端プレポリマーを粘着層の原料として使用し、こ
の原料によって形成される皮膜が流動状態にある間に、
ポリウレタンフォームを圧着し、その気泡壁を貫入さ
せ、その後、上記プレポリマーを湿気硬化させることに
より、容易に優れた性能の防水性シール材を製造するこ
とができる。更に、第7発明によれば、被シール体がガ
ラス等親水性の高い材料からなる場合であっても、漏水
のない優れた防水構造とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 75/04 NFZ C08L 75/04 NFZ C09J 7/02 JHR C09J 7/02 JHR JJG JJG JJZ JJZ JKZ JKZ JLE JLE F16J 15/10 F16J 15/10 H //(C08G 18/10 101:00) (72)発明者 近藤 敏 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタンフォームからなる基体と、
    少なくともその一表面に設けられる粘着層とからなる防
    水性シール材であって、 上記基体の表面には、上記ポリウレタンフォームの気泡
    が開口しており、上記基体と上記粘着層との界面近傍に
    おいては、上記ポリウレタンフォームの気泡壁が、上記
    粘着層に貫入しており、且つ上記粘着層は、少なくとも
    粘着付与剤を含有するポリウレタンにより形成されてい
    ることを特徴とする防水性シール材。
  2. 【請求項2】 上記ポリウレタンは、少なくとも粘着付
    与剤を含有するイソシアネート末端プレポリマーからな
    る原料を湿気硬化させてなり、該イソシアネート末端プ
    レポリマーの末端イソシアネート基の含有量は15%以
    下であり、且つ上記原料の100℃における粘度が10
    〜5000ポイズ、及び流動点が40℃以上である請求
    項1記載の防水性シール材。
  3. 【請求項3】 上記イソシアネート末端プレポリマーを
    100重量部とした場合に、上記粘着付与剤は40〜1
    00重量部である請求項2記載の防水性シール材。
  4. 【請求項4】 上記粘着層の厚さが100〜200μm
    である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防水性シ
    ール材。
  5. 【請求項5】 ポリウレタンフォームからなる基体と、
    少なくともその一表面に設けられる粘着層とからなる防
    水性シール材の製造方法において、 少なくとも粘着付与剤を含有するイソシアネート末端プ
    レポリマーからなる原料を、その流動点以上の温度に加
    熱して流動状態とした後、離型性を有する基材表面に流
    延して上記粘着層を形成することとなる皮膜を形成し、
    その後、該皮膜が流動状態にあるうちに、該皮膜に、上
    記ポリウレタンフォームの気泡が開口した表面を圧着
    し、次いで、冷却して上記皮膜を固化させ、その後、上
    記イソシアネート末端プレポリマーを湿気硬化させるこ
    とを特徴とする防水性シール材の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記イソシアネート末端プレポリマーの
    末端イソシアネート基の含有量は15%以下であり、且
    つ上記原料の100℃における粘度が10〜5000ポ
    イズ、及び流動点が40℃以上である請求項5記載の防
    水性シール材の製造方法。
  7. 【請求項7】 防水性シール材と被シール体により構成
    される防水構造において、 上記防水性シール材は、ポリウレタンフォームからなる
    基体と、少なくともその一表面に設けられる粘着層とか
    らなり、上記粘着層は、少なくとも粘着付与剤を含有す
    るポリウレタンにより形成されるとともに、上記被シー
    ル体に密着されており、且つ上記被シール体の表面にお
    ける水の接触角が70°以下であることを特徴とする防
    水構造。
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