JP4619636B2 - 湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物、特に建築内装部材を製造するために使用する湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物に関する。
ホットメルト接着剤は、加熱溶融状態で被着体同士を接着し、冷却固化されることで接着力が発揮するタイプの接着剤であり、接着後直ちに、接着力が得られること及び無溶剤であること等の特徴から、種々の接着用途に使用されている。
ホットメルト接着剤は、加熱溶融する必要があるので、リニアな化学構造を有する熱可塑性樹脂が主成分として使用される。従って、紙等の基材自体の強度がそれほど強くない被着体の接着の場合には問題を生じないが、建築内装材等の高強度の接着が要求される被着体の接着の場合には、接着力が必ずしも十分ではなく、切断等の発熱を伴う加工を行う際に、耐熱性の不足もあり剥離を生ずる等の問題があった。
このため、建築内装材等の分野では、反応性を有するイソシアネート基(NCO基)を有するポリウレタン樹脂を使用した湿気硬化型ホットメルト接着剤が使用されている。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、加熱溶融状態で被着体同士を接着し、冷却固化した後、NCO基が水分の存在によって架橋することによって、主成分の熱可塑性樹脂がより高分子量化して、接着力及び耐熱性等が向上する。
ところで、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、加熱溶融して使用されるので、加熱溶融時の(例えば、120℃での)熱安定性が要求される。主成分の熱可塑性樹脂であるポリウレタンプレポリマーは、加熱溶融時の二量化、三量化反応に伴う粘度上昇を抑えるために、一分子当たりに平均して2個のイソシアネートを含むものとされており、このポリウレタンプレポリマーは、水分の存在する常温環境下にあっては、ビウレット反応等の三次元的な架橋反応はほとんど生じないと考えられるので、主成分の有するリニアな化学構造の本質は、実質的に変化しないものと予想される。従って、一般的に使用されている湿気硬化型ホットメルト接着剤は、加熱溶融時の熱安定性は、確保されているものの、湿気硬化後の樹脂の構造が、三次元的でないために、接着力、耐熱性及び耐溶剤性等の向上が必ずしも十分ではない。
使用する際の加熱溶融時の熱安定性は確保されており、耐熱性及び密着性が向上した湿気硬化型ホットメルト接着剤として、ウレタンプレポリマー、特定の低分子量重合体及びオルガノアルコキシシランが併用されたホットメルト接着剤が開示されている(特許文献1参照)。また、耐熱性及び耐油性が向上した湿気硬化型ホットメルト接着剤として、分子骨格に少なくともポリエステルブロックとポリアミドブロックとを有し、分子末端に加水分解性シリル基を有するプレポリマーにより構成された湿気硬化性ホットメルト接着剤が開示されている(特許文献2参照)。更に、前者の方法は、密着性(即ち、接着性)が幾分向上し、後者の方法は、耐熱性及び耐油性が向上するが、いずれも必ずしも十分でなかった。
また、湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いて、化粧シート(もしくは化粧フィルム)等を基材に接着して、又は基材を化粧シートで被覆して得られる化粧材料を、建築内装部材として、建築現場で使用する場合、使用される(洗浄用の)有機溶剤、塗料や、床暖房設備からの熱の影響を考慮する必要がある。従って、近年、湿気硬化型ホットメルト接着剤には、使用する際の加熱溶融時の熱安定性を確保しつつ、より優れた接着性、耐熱性及び耐溶剤性が要求されている。
特許第2705855号公報 特開平10−110153号公報
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、その課題は、使用する際の加熱溶融時の熱安定性を確保しつつ、従来の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物と比較して、接着性、耐熱性及び耐溶剤性の少なくとも一つが向上した、好ましくは全てが向上した湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を提供することである。特に、化粧材料等の建築内装部材に好適に使用できる湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を提供することである。
本発明者等は、使用する際の加熱溶融時の熱安定性を確保しつつ、従来の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物と比較して、接着性、耐熱性及び耐溶剤性の少なくとも一つが向上した、好ましくは全てが向上した湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の開発に鋭意研究を重ねた。その結果、本発明者等は、特定のポリウレタンプレポリマー、特定のシランカップリング剤及び特定の多官能性ポリイソシアネートを含んで成る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、使用する際の加熱溶融時の熱安定性を確保しつつ、接着性、耐熱性及び耐溶剤性の少なくとも一つが向上すること、好ましくは全てが向上することを見出して、本発明を完成するに至ったものである。
本発明は、一の要旨において、
(A)イソシアネート基を末端に有するポリウレタンプレポリマー、
(B)シランカップリング剤、及び
(C)多官能性ポリイソシアネート
を含んで成る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物であって、
(A)ポリウレタンプレポリマーは、イソシアネート指数が1.0より大きく、かつ、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で2.5個未満であり、
(B)シランカップリング剤は、オルガノアルコキシシランであり、
(C)多官能性ポリイソシアネートは、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で2.5個以上である
ことを特徴とする湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を提供する。
この接着剤組成物は、建築内装部材を製造するために使用することができ、基材を化粧シートで被覆するために、好適に使用することができる。
本発明の一の態様において、
一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で1より大きいイソシアネート化合物と、一分子当たりに含まれる水酸基の数が平均で1より大きいポリオールを、イソシアネート指数が1.0より大きく成る条件で反応させて得られた(A)ポリウレタンプレポリマーであって、一分子当たりイソシアネート基を平均で2.5個未満含む(A)ポリウレタンプレポリマーに、(B)シランカップリング剤及び(C)多官能性ポリイソシアネートを加えることによって製造される請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を提供する。
本発明の他の態様において、
(B)シランカップリング剤は、メルカプト基、アミノ基、水酸基、イミダゾール基及びイソシアネート基から選択される少なくとも一種を含む上記湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を提供する。
更に、本発明の好ましい態様において、
(C)多官能性ポリイソシアネートは、ポリメリックMDI;
4,4’,4”−トリイソシアナト−トリフェニルメタン、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,5−トリイソシアナトトルエン及び4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’−5,5’−テトライソシアネートから選択される少なくとも一種;又は
トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートの三量体であって、ビウレット型、アダクト型又はイソシアヌレート型のポリイソシアネートから選択される少なくとも一種;
である上記湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を提供する。
また、本発明の他の好ましい態様において、
(C)多官能性ポリイソシアネートは、その数平均分子量が100〜1000である上記湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を提供する。
更にまた、本発明の他の好ましい態様において、
(A)〜(C)の合計を100重量%として、(B)は0.1〜3.0重量%であり、(C)は0.1〜5.0重量%である上記湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を提供する。
本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、
(A)イソシアネート基を末端に有するポリウレタンプレポリマー、
(B)シランカップリング剤、及び
(C)多官能性ポリイソシアネート
を含んで成り、
(A)ポリウレタンプレポリマーは、イソシアネート指数が1.0より大きく、かつ、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で2.5個未満であり、
(B)シランカップリング剤は、オルガノアルコキシシランであり、
(C)多官能性ポリイソシアネートは、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で2.5個以上であるので、
使用する際の加熱溶融時の熱安定性を確保しつつ、従来の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物と比較して、接着性、耐熱性及び耐溶剤性の少なくとも一つが向上する。
上記湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物において、
一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で1より大きいイソシアネート化合物と、一分子当たりに含まれる水酸基の数が平均で1より大きいポリオールを、イソシアネート指数が1.0より大きく成る条件で反応させて得られた(A)ポリウレタンプレポリマーであって、一分子当たりイソシアネート基を平均で2.5個未満含む(A)ポリウレタンプレポリマーに、(B)シランカップリング剤及び(C)多官能性ポリイソシアネートを加えることによって製造される場合、加熱溶融時の熱安定性を確保しつつ、接着性、耐熱性及び耐溶剤性から選択される少なくとも一種がより向上する。
上記湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物において、
(B)シランカップリング剤は、メルカプト基、アミノ基、水酸基、イミダゾール基及びイソシアネート基から選択される少なくとも一種を含む場合、接着性、耐熱性及び耐溶剤性がより向上する。
上記湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物において、
(C)多官能性ポリイソシアネートは、ポリメリックMDI;
4,4’,4”−トリイソシアナト−トリフェニルメタン、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,5−トリイソシアナトトルエン及び4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’−5,5’−テトライソシアネートから選択される少なくとも一種;又は
トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートの三量体であって、ビウレット型、アダクト型又はイソシアヌレート型のポリイソシアネートから選択される少なくとも一種;
である場合、接着性及び耐熱性がより向上する。
上記湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物において、
(C)多官能性ポリイソシアネートは、その数平均分子量が100〜1000である場合、加熱溶融時の熱安定性を確保しつつ、接着性及び耐熱性がより向上する。
上記湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物において、
(A)〜(C)の合計を100重量%として、(B)は0.1〜3.0重量%であり、(C)は0.1〜5.0重量%である場合、加熱溶融時の熱安定性を確保しつつ、接着性及び耐熱性がより向上する。
発明を実施するための形態
本発明において、「(A)イソシアネート基を末端に有するポリウレタンプレポリマー」とは、一般にイソシアネート基を末端に有するポリウレタンプレポリマーとされるものであって、イソシアネート指数が1.0より大きく、かつ、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で2.5個未満であり、目的とする湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を得ることができる限り、特に制限されるものではない。このような(A)ポリウレタンプレポリマーは、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを従来公知の方法にしたがつて反応させることによって得ることができる。
上記ポリオールは、特に限定されるものではなく、本発明に係る(A)ポリウレタンプレポリマーを得ることができる限り、通常のポリウレタン製造に使用されている従来公知のポリオールを用いることができ、単独でもしくは併用して用いることができる。例えば、エーテル系、エステル系、ポリカーボネート系、ポリジエン系等に分類されるポリオールが使用可能である。エーテル系ポリオールとして、ポリオキシテトラメチレンポリオール(PTMG)及びポリオキシプロピレンポリオール(PPG)等を、エステル系ポリオールとして、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)及びポリカプロラクトンポリオール(PCL)等を例示できる。また、これらの共重合体、例えばPTMGとカプロラクトンのブロック共重合体、ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールの共重合体等も使用できる。これらの共重合体は、例えばPTMGにε−カプロラクトンを開環共重合させる方法、ポリエステルポリオールにテトラヒドロフランやエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを開環共重合させる方法等により合成することができる。また、置換されたまたは無置換のポリアルキレンエーテルグリコール,ポリヒドロキシポリアルキレンエーテル等のポリヒドロキシジエーテル、ポリヒドロキシポリエステル、ポリオールのエチレンオキサイド付加物およびグリコールのモノ置換エステル等を例示できる。
また、ポリイソシアネート化合物は、特に限定されるものではなく、本発明に係る(A)ポリウレタンプレポリマーを得ることができる限り、通常のポリウレタン製造に使用されている従来公知ポリイソシアネート化合物を用いることができ、単独でもしくは併用して用いることができる。上記ポリイソシアネート化合物として、例えば、エチレンジイソシアネート、エチリデン−ジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレン−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−ジイソシアネート、トルエン−ジイソシアネート、シクロペンチレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート,シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,4−ナフチレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、アゾベンゼン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4′−ジイソシアネート、ジクロロヘキサメチレンジイソシアネート、フルフリデンジイソシアネート、1−クロロベンゼン−2,4−ジイソシアネート等を例示でき、単独でもしくは併せて用いられる。
本明細書において、「イソシアネート指数」とは、ポリウレタンの技術分野で通常用いられている意味を有し、ポリウレタンプレポリマーを製造するために使用される原料であるポリオールとポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基(NCO)と水酸基(OH)の当量比、(即ち、NCO/OH)を意味する。(NCO/OH)が1.0より大きい場合、ポリウレタンプレポリマーの製造の際に、水酸基が完全に消費されて、ポリウレタンプレポリマーの末端は、一般的にNCO基となっていることを意味する。
(A)ポリウレタンプレポリマーのイソシアネート指数は、1.0より大きく、1.1〜5.0であることが好ましく、1.2〜3.5であることがより好ましく、1.5〜2.5であることが特に好ましい。
更に、(A)ポリウレタンプレポリマーは、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で2.5個未満であり、1.6〜2.4個であることが好ましく、1.7〜2.3個であることがより好ましく、1.95〜2.05個であることが特に好ましい。
(A)ポリウレタンプレポリマーの数平均分子量は、一般的に(A)ポリウレタンプレポリマーとされるものが有するとされる数平均分子量を有し、一般的におよそ1.000以上であるが、1,500〜50,000であることが好ましく、2,000〜30,000あることがより好ましく、3,000〜20,000であることが特に好ましい。
尚、(A)ポリウレタンプレポリマーの数平均分子量は、以下のようにゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)装置を用いて測定され、単分散ポリスチレンで換算された数平均分子量をいう。より具体的には、下記のGPC装置及び測定方法を用いて測定された値をいう。
GPC装置は、ウォーターズ(Waters)社製の600Eを用い、検出器として、RI(Waters410)を用いた。GPCカラムとして、昭和電工(株)製のSHODEX KF−803(排除限界分子量:70,000)を用いた。予めメタノール化した試料をテトラヒドロフランに溶解して、流速を0.5ml/min、カラム温度を40℃にて流し、標準物質としての単分散分子量のポリスチレン(分子量1300、3000及び10000)を使用した検量線を用いて分子量の換算を行い、数平均分子量を求めた。
本明細書において、「メタノール化した試料」とは、試料のイソシアネート基をメタノールを用いてキャップした試料をいう。具体的なメタノール化した試料の調製方法は、実施例に記載した。
本発明において、「(B)シランカップリング剤」とは、オルガノアルコキシシランであって、目的とする湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を得ることができる限り、特に制限されるものではない。
このようなオルガノアルコキシシランとして、下記の一般式(1)及び(2)で表される化合物を例示することができる。
式(1):R−Si(X)
式(2):R−Si(R′)(X)
[上記式(1)及び(2)において、
Rはビニル基,エポキシ基,メルカプト基,アミノ基またはイソシアネート基等を有する有機基、
R′は炭素数1〜3のアルキル基、
Xはメトキシ基またはエトキシ基を意味する。]
オルガノアルコキシシランとして、具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン等のビニルアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルジメトキシシラン等のエポキシアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトアルコキシシラン等を例示できる。これらオルガノアルコキシシランは単独で又は組み合わせて使用できる。
(B)シランカップリング剤は、メルカプト基、アミノ基、水酸基、イミダゾール基及びイソシアネート基から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。更に、(B)シランカップリング剤として、メルカプトアルコキシシランを用いることが好ましい。
本発明において、「(C)多官能性ポリイソシアネート」とは、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で2.5個以上であるポリイソシアネートであって、目的とする湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を得ることができる限り、特に制限されるものではない。
(C)多官能性ポリイソシアネートの一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数は、平均で2.5個以上であるが、平均で2.5〜3.5個であることが好ましく、平均で2.5〜3.05個であることがより好ましく、平均で2.55〜2.85個であることが特に好ましい。
(C)多官能性ポリイソシアネートは、その数平均分子量が100〜1000であることが好ましく、250〜850であることがより好ましく、350〜700であることが特に好ましい。
(C)多官能性ポリイソシアネートは、その数平均分子量が100未満の場合、接着性や耐熱性の向上が不十分と成り得る等の問題を生じ得、その数平均分子量が1000を超える場合、加熱溶融時の熱安定性が不十分と成り得る等の問題を生じ得る。
(C)多官能性ポリイソシアネートの「数平均分子量(Mw)」とは、以下のようにゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)装置を用いて測定され、内部標準液法を用いて求めた数平均分子量をいう。より具体的には、下記のGPC装置及び測定方法を用いて測定された値をいい、本発明者は後述する実施例及び比較例においても、下記の装置及び測定方法を用いた。GPC装置は、島津製作所(株)製の6LC−10GPC SYSTEMを用い、検出器として、UV検出器(波長245nm)を用いた。GPCカラムとして、昭和電工(株)製のSHODEX KF−801、SHODEX KF−802、SHODEX KF−803 各1本を用いた。予めメタノール化した試料をテトラヒドロフランに溶解して、流速を0,7ml/min、カラム温度を40℃にて流した。数平均分子量の決定には内部標準液法を用いた。内部標準液にアセトフェノンを用い、多官能性ポリイソシアネートに含まれるポリイソシアネートのピークを同定した後、ピーク面積比から、試料の数平均分子量を決定した。
このような(C)多官能性ポリイソシアネートとして、例えば、
ポリメリックMDI;
4,4’,4”−トリイソシアナト−トリフェニルメタン、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,5−トリイソシアナトトルエン及び4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’−5,5’−テトライソシアネートから選択される少なくとも一種;並びに
トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートの三量体であって、ビウレット型、アダクト型又はイソシアヌレート型のポリイソシアネートから選択される少なくとも一種
を例示することができる。
尚、ポリメリックMDIについては、岩田敬治編,「ポリウレタン樹脂ハンドブック」,日刊工業新聞社,1987年9月25日,p.33〜35、特開平9−255663号公報及び特開2002−206081号公報を参照することができ、この引用によって、これらの引用文献の記載内容は本明細書に組み込まれる。
本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、(A)〜(C)の合計を100重量%(基準)として、(B)は0.1〜3.0重量%であり、(C)は0.1〜5.0重量%であることが好ましく、(B)は、0.2〜1.75重量%であり、(C)は0.25〜3.0重量%であることがより好ましく、(B)は、0.25〜1.0重量%であり、(C)は0.75〜1.25重量%であることが特に好ましい。
(A)〜(C)の合計を100重量%(基準)として、(B)が0.1重量%未満の場合、接着性、耐熱性、耐溶剤性のいずれも向上しない等の問題を生じ得、(B)が3.0重量%を超えると、加熱溶融時の熱安定性が不十分と成り得る等の問題を生じ得る。また、(A)〜(C)の合計を100重量%(基準)として、(C)が0.1重量%未満の場合、接着性及び耐熱性のいずれも向上しない等の問題を生じ得、(C)が5.0重量%を超えると、加熱溶融時の熱安定性が不十分と成り得る等の問題を生じ得る。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、例えば次のようにして製造される。まず、特定の(A)ポリウレタンプレポリマーを減圧下で、撹拌しながら加熱して溶融する。次に、(B)シランカップリング剤を(A)に加えて、撹拌しながら加熱して溶融し、更に、(C)多官能性ポリイソシアネートを加えて、撹拌しながら加熱して溶融することによって、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を製造することができる。ここでは、(A)を溶解後に、(B)及び(C)の順に(A)に加えて溶解したが、溶解する順序は、適宜選択することができ、また、これらの三成分を同時に溶解して混合してもよい。(A)の製造後に、(A)に(B)及び(C)を加えることが好ましい。
従って、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、一分子当たりイソシアネート基を平均で2.5個未満含む(A)ポリウレタンプレポリマーに、(B)シランカップリング剤及び(C)多官能性ポリイソシアネートを加えることによって製造することが好ましい。
更に、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、一分子当たりイソシアネート基を平均で1.6〜2.4個含む(A)ポリウレタンプレポリマーに、(B)シランカップリング剤及び(C)多官能性ポリイソシアネートを加えることによって製造することがより好ましい。
また、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、一分子当たりイソシアネート基を平均で1.7〜2.3個含む(A)ポリウレタンプレポリマーに、(B)シランカップリング剤及び(C)多官能性ポリイソシアネートを加えることによって製造することが更により好ましい。
更に、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、一分子当たりイソシアネート基を平均で1.95〜2.05個含む(A)ポリウレタンプレポリマーに、(B)シランカップリング剤及び(C)多官能性ポリイソシアネートを加えることによって製造することが更に特に好ましい。
また、本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で1より大きいイソシアネート化合物と、一分子当たりに含まれる水酸基の数が平均で1より大きいポリオールを、イソシアネート指数が1.0より大きく成る条件で反応させて得られた(A)ポリウレタンプレポリマーであって、一分子当たりイソシアネート基を平均で2.5個未満含む(A)ポリウレタンプレポリマーに、(B)シランカップリング剤及び(C)多官能性ポリイソシアネートを加えることによって製造することが好ましい。
ここで、「一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で1より大きいイソシアネート化合物」と、「一分子当たりに含まれる水酸基の数が平均で1より大きいポリオール」とは、特に限定されるものではなく、本発明が目的とする湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を得るための(A)ポリウレタンプレポリマーを得ることができる限り、特に制限されることなく、通常のポリウレタン製造に使用されている従来公知のイソシアネート化合物とポリオールを用いることができる。これらのポリイソシアネートとポリオールとして、上記した化合物を例示できる。
更に、本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で1より大きいイソシアネート化合物と、一分子当たりに含まれる水酸基の数が平均で1より大きいポリオールを、イソシアネート指数が1.1〜5.0と成る条件で反応させて得られた(A)ポリウレタンプレポリマーであって、一分子当たりイソシアネート基を平均で1.6〜2.4個含む(A)ポリウレタンプレポリマーに、(B)シランカップリング剤及び(C)多官能性ポリイソシアネートを加えることによって製造することがより好ましい。
また、本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で1より大きいイソシアネート化合物と、一分子当たりに含まれる水酸基の数が平均で1より大きいポリオールを、イソシアネート指数が1.2〜3.5と成る条件で反応させて得られた(A)ポリウレタンプレポリマーであって、一分子当たりイソシアネート基を平均で1.7〜2.3個含む(A)ポリウレタンプレポリマーに、(B)シランカップリング剤及び(C)多官能性ポリイソシアネートを加えることによって製造することが更により好ましい。
更に、本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で1より大きいイソシアネート化合物と、一分子当たりに含まれる水酸基の数が平均で1より大きいポリオールを、イソシアネート指数が1.5〜2.5と成る条件で反応させて得られた(A)ポリウレタンプレポリマーであって、一分子当たりイソシアネート基を平均で1.95〜2.05個含む(A)ポリウレタンプレポリマーに、(B)シランカップリング剤及び(C)多官能性ポリイソシアネートを加えることによって製造することが特に好ましい。
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物には、必要に応じて他の添加剤を添加してもよく、かかる添加剤としては、例えば、可塑剤、粘度調整剤(粘性改良剤)、酸化防止剤、顔料、安定剤及び触媒等を例示することができる。
このようにして得られる本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、反応性ホットメルト型接着剤組成物であり、室温では固体であり、反応性ホットメルト型接着剤組成物に常套の方法を用いて使用することができる。一般的に加熱溶融して基材及び被着体等に塗工して使用する。
本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、主に「化粧材料(又は化粧シート被覆材料)」等の建築内装部材を製造するために(例えば、建築部材や家具部材を製造するために)、好適に用いることができるが、用途がそれらに限定されるものではなく、本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を通常用いることができる用途、例えば、木工用、紙加工用、繊維加工用、一般用等として用いることができる。
「化粧材料」は、本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を用いて、「基材」の表面に「化粧シート」をラミネートすることによって製造することができる。
「基材」は、特に限定されるものではないが、例えば、「基材」として、以下のものを例示できる:
ラワン合板等の合板、中繊維板(MDF)、パーティクルボード、無垢材、木質繊維板等の木質系材料;並びに
セメントボード、石膏ボード、軽量気泡コンクリート(ALC)等の無機系材料。
「化粧シート」は、特に限定されるものではないが、「化粧シート」として、例えば、以下のものを例示できる:
硬質もしくは半硬質の塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等のプラスチック材料シート;
木材をシート状に加工した突板;並びに
各種化粧印刷の施された化粧紙。
「化粧材料」を製造する際、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、基材側に塗布しても良いし、化粧シート側に塗布しても良い。
更に本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、異形断面を有する基材に化粧シートを貼り合わせるプロファイルラッピングに用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の調製に用いた、成分(A)〜(C)を以下に示す。
(A)ポリウレタンプレポリマーとして、下記(a1)及び(a2)を用いた。また、比較のために(a3)’を用いた:
(a1)は、ポリウレタンプレポリマーの一分子当たりの平均イソシアネート基数が2.0であり、イソシアネート指数(NCO/OH)が1.9である日本エヌエスシー(株)製のボンドマスター170−7254(商品名)である;
(a2)は、ポリウレタンプレポリマーの一分子当たりの平均イソシアネート基数が2.0であり、イソシアネート指数が2.0のポリウレタンプレポリマーであり、下記のようにして製造した。アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールを縮合反応させて得た250重量部のポリエステルポリオール(水酸基価:32mgKOH/g)を、120℃のフラスコ内で1.5時間撹拌しつつ減圧して乾燥した。その後、33.7重量部の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートをフラスコに加え、120℃で2.5時間撹拌しつつ減圧して、上記ポリウレタンプレポリマーを得た;
(a3)’は、ポリウレタンプレポリマーの一分子当たりの平均イソシアネート基数が3.1であり、イソシアネート指数が2.0のポリウレタンプレポリマーであり、下記のようにして製造した。アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールを縮合反応させて得た250重量部のポリエステルポリオール(水酸基価:32mgKOH/g)を、120℃のフラスコ内で1.5時間撹拌しつつ減圧して乾燥した。その後、38.0重量部のポリメリックMDI(住化バイエルウレタン製のスミジュール44V10(商品名))をフラスコに加え、120℃で2.5時間撹拌しつつ減圧して、上記ポリウレタンプレポリマーを得た。
(B)シランカップリング剤として、下記(b1)及び(b2)を用いた。
(b1)は、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー(株)製のA−189(商品名))である;
(b2)は、二級水酸基含有イミダゾールシラン((株)ジャパンエナジー製のIS−1000(商品名))である。
(C)多官能性ポリイソシアネートとして、下記の(c1)を用いた。
(c1)は、一分子当たりの平均イソシアネート基が2.55であり、数平均分子量が410であるポリメリックMDI(住化バイエルウレタン(株)製のスミジュール44V10(商品名))である。
尚、(c1)は、いわゆる2核体、3核体及びそれ以上の多核体の混合物となっており、この「数平均分子量(Mw)は、以下のようにゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)装置を用いて測定した。GPC装置は、島津製作所(株)製の6LC−10GPC SYSTEMを用い、検出器として、UV検出器(波長245nm)を用いた。GPCカラムとして、昭和電工(株)製のSHODEX KF−801、SHODEX KF−802、SHODEX KF−803 各1本を用いた。予めメタノール化した試料をテトラヒドロフランに溶解して、流速を0,7ml/min、カラム温度を40℃にて流した。数平均分子量の決定は内部標準液法を用いた。内部標準液にアセトフェノンを用い、2核体(分子量:250)と3核体(分子量:381)、及び他の多核体のピークを同定した後、ピーク面積比から、試料の数平均分子量を決定した。
ここで、「メタノール化した試料」とは、試料のイソシアネート基をメタノールを用いてキャップした試料をいい、より具体的にはメタノールで下記の処理をした試料をいう。
50mlのメスフラスコに0.1gの測定すべき試料(例えば、ポリメリックMDI)を入れた後、5〜10mlのテトラヒドロフランと6mlのメタノールを加えて十分に混合し、30℃で3時間静置した。これによって、メタノールによって、試料中のイソシアネート基のキャップ反応を完了した。その後、テトラヒドロフランをメスフラスコの秤線まで加えて、GPC測定用試料を調製した。
実施例1〜3及び比較例1〜4の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の製造
120℃のオーブン内で溶融した、下記表1に記載した重量部の(A)を、十分に乾燥したフラスコに入れて120℃で30分間減圧しながら撹拌した。温度を120℃に保ったまま、下記表1に記載した重量部の(B)を加えて30分間減圧しながら撹拌した後、更に、下記表1に記載した重量部の(C)を加えて120℃で15分間減圧しながら撹拌して、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を得た。得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、下記のようにして評価し、評価結果は、表1に示した。
粘度
湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を120℃に加熱して溶融し、その30分後に、ブルックフィールド型粘度計(スピンドルNo.27)を用いて、120℃で、回転数10rpm(比較例4以外)又は0.5rpm(比較例4)で、測定した。
熱安定性
上記粘度測定後の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を、そのままブルックフィールド型粘度計(スピンドルNo.27)内で120℃に3時間保管した後、120℃で、回転数10rpm(比較例4以外)又は0.5rpm(比較例4)で粘度を測定した。先に測定した粘度に対する、3時間後に測定した粘度の増加率を求めた。粘度増加率が30%以下の場合、熱安定性は良好であり○とし、粘度増加率が30%を超える場合、熱安定性は不良であり×とした。
耐溶剤性
ホットメルト接着剤組成物を用いるラミネーション試験体の作製
15mm厚のタイプI合板に、ロールコーターを使用して、溶融状態(120℃)にある湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を35μmの塗工厚で塗工した後、化粧シート(大日本印刷(株)製のHTシート(商品名))を貼り合わせて、エアー圧4.5kgf/cmのニップロールで圧締した。その後、室温で一日、更に40℃で二日間養生して、試験体を得た。
耐溶剤性の評価
試験体のラミネート表面に、カッターで×状のきずを五箇所につけた。そこに溶剤(トルエン/酢酸エチル/酢酸ブチル/メチルエチルケトンの当量混合溶液)で十分に浸漬した脱脂綿を当て、その上をアルミ箔で覆うことで溶剤の揮散を防いだ後、室温で6時間放置した。アルミ箔と脱脂綿を取り外して×状部の状態を目視で観察した。五箇所のいずれにも膨れが認められなかったものを○とし、一箇所又は二箇所に膨れが認められたものを△とし、三箇所以上で膨れが認められたものを×とした。
耐熱性
ホットメルト接着剤組成物を用いるラミネーション試験体の作製
4mm厚の合板に、ロールコーターを使用して、溶融状態(120℃)にある湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を40μmの塗工厚で塗工した後、化粧シート(大日本印刷(株)製のEBシート(商品名))を貼り合わせて、エアー圧4.5kgf/cmのニップロールで圧締した。その後、室温で七日間養生して、試験体を得た。
耐熱性の評価
試験体のラミネート表層部分を25mm幅に切り出し、60℃、相対湿度96%の環境で、90°方向に500g/25mmの静荷重をかけた後、一時間後の剥離長さを測定した。剥離長さが10mm以下のものを○とし。剥離長さが10mmを超えるものを×とし、剥離長が100mmを超えるものを××とした。
Figure 0004619636
実施例1〜3の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、熱安定性、耐溶剤性及び耐熱性のいずれにも優れるものであった。これに対し、比較例1〜4の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、熱安定性、耐溶剤性及び耐熱性のいずれかに劣るものであった。即ち、比較例1〜3の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、耐溶剤性及び耐熱性が不良であり、比較例4の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、熱安定性が不良であった。

Claims (6)

  1. (A)イソシアネート基を末端に有するポリウレタンプレポリマー、
    (B)シランカップリング剤、及び
    (C)多官能性ポリイソシアネート
    を含んで成る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物であって、
    (A)ポリウレタンプレポリマーは、イソシアネート指数が1.5〜2.5、かつ、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で2.5個未満であり、
    (B)シランカップリング剤は、メルカプトアルコキシシランを含むオルガノアルコキシシランであり、
    (C)多官能性ポリイソシアネートは、一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で2.5個以上のポリメリックMDIである
    ことを特徴とする湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物。
  2. 一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で1より大きいイソシアネート化合物と、一分子当たりに含まれる水酸基の数が平均で1より大きいポリオールを、イソシアネート指数が1.5〜2.5と成る条件で反応させて得られた(A)ポリウレタンプレポリマーであって、一分子当たりイソシアネート基を平均で2.5個未満含む(A)ポリウレタンプレポリマーに、メルカプトアルコキシシランを含むオルガノアルコキシシランである(B)シランカップリング剤及び一分子当たりに含まれるイソシアネート基の数が平均で2.5個以上のポリメリックMDIである(C)多官能性ポリイソシアネートを加えることによって製造される請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物。
  3. (C)多官能性ポリイソシアネートは、その数平均分子量が100〜1000であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物
  4. (A)〜(C)の合計を100重量%として、(B)は0.1〜3.0重量%であり、(C)は0.1〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物
  5. 建築内装部材を製造するために使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物
  6. 基材を化粧シートで被覆するために使用することを特徴とする請求項5に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物
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