JP2003238933A - 自動車内装用接着剤組成物 - Google Patents

自動車内装用接着剤組成物

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JP2003238933A
JP2003238933A JP2002036414A JP2002036414A JP2003238933A JP 2003238933 A JP2003238933 A JP 2003238933A JP 2002036414 A JP2002036414 A JP 2002036414A JP 2002036414 A JP2002036414 A JP 2002036414A JP 2003238933 A JP2003238933 A JP 2003238933A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶剤を用いず、かつ、特別な設備を設けずに用
いることができる自動車内装用接着剤組成物の提供。 【解決手段】ウレタンプレポリマー100質量部と、可
塑剤15〜60質量部と、高級脂肪酸エステルで表面処
理された炭酸カルシウム60〜120質量部と、重質炭
酸カルシウム5〜30質量部と、シランカップリング剤
0.5〜5質量部とを含有する接着剤組成物であって、
該ウレタンプレポリマーが、数平均分子量4000〜5
000のポリエーテルトリオールと、数平均分子量20
00〜3000のポリエーテルジオールとを、質量比
で、ポリエーテルトリオール/ポリエーテルジオール=
4/6〜7/3となるように混合したポリエーテルポリ
オール混合物に、平均イソシアネート官能価が2.3〜
3.0となるように、ジイソシアネートを付加して得ら
れるウレタンプレポリマーである接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の内装材固
定用接着剤として好適に用いることができる接着剤組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の内装材を自動車の天井の
内側等の車体パネルに固定する方法としては、機械止め
による方法、両面テープにより接着する方法、アクリル
樹脂系粘着剤、アクリル樹脂エマルション接着剤等によ
り接着する方法が用いられてきた。しかし、機械止めに
よる方法においては、経時変化で内装材がダレてくると
いう問題があった。即ち、機械止めによる方法では、内
装材の辺縁部を機械止めするが、機械止めされていない
内装材の中央部が時間の経過により弛んでくるのであ
る。また、両面テープにより接着する方法においては、
作業者が両面テープを天井等の車体パネルに貼り付けな
ければならないので作業性が悪く、また、はく離が生じ
やすいという問題があった。また、アクリル樹脂系粘着
剤により接着する方法においては、アクリル樹脂系粘着
剤が溶剤を含有しているため、局所排気設備が必要であ
り、また、近年のVOC(揮発性有機化合物)規制によ
り、使用が制限されるという問題があった。また、アク
リル樹脂エマルション接着剤により接着する方法は、ア
クリル樹脂エマルション接着剤は水系であり溶剤を含有
しないが、刷毛塗り等よりも作業を迅速に行なえること
から、スプレー塗布で行われている。しかし、スプレー
で接着剤を塗布する際、水が周辺に揮散するため、ブー
スを設ける必要があるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、溶剤を用いない自動車内装用接着剤組成物であっ
て、特別な設備を設けずに用いることができる自動車内
装用接着剤組成物を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく、自動車内装用接着剤組成物として、湿気硬
化型のウレタンプレポリマー組成物を用いることについ
て、鋭意研究した。その結果、本発明者は、特定の低粘
度のウレタンプレポリマーを用いることにより、溶剤を
含有させなくても、種々の成分を配合して接着剤組成物
とすることができることを見出した。
【0005】つぎに、本発明者は、自動車内装用接着剤
として新規に用いられるウレタンプレポリマー組成物に
要求される特性について検討した。自動車内装用接着剤
は、自動車の天井の内側等に施されるため、ある程度、
形状を一定に保つ性質(形状保持性)がないと、垂れが
生じるなどの問題を生じる。そこで、自動車内装用接着
剤には、形状保持性が要求される。特に、自動車の車体
パネルと内装材との間のクリアランスは一定であるのが
好ましいため、形状保持性が要求される。
【0006】また、自動車内装用接着剤は、ロボットを
用いる自動化された工程で施されるのが望まれる。接着
剤の粘度が高すぎると、自動車の内側の鉄板に接着剤を
施した後、内装材を貼って接着させる際において、内装
材の上から接着剤の厚さが均一になるように、作業者が
押しつぶす必要が生じる。したがって、自動車内装用接
着剤には、自動車の内側の鉄板に接着剤を施した後、内
装材を貼っただけで、厚さが均一になる程度の粘度(作
業粘度)であること(作業性)が要求される。
【0007】また、内装材としてはガラス繊維やポリエ
ステル系不織布が用いられており、また、自動車の車体
パネルには塗装が施されているため、内装材と鉄板とを
接着させる自動車内装用接着剤には、ガラスおよび樹脂
の両者に対する接着性が要求される。特に、プライマー
処理をしない場合であっても、接着性が十分であるの
が、作業工程数を減らす意味で望ましい。また、湿気硬
化型のウレタンプレポリマー組成物は、通常、貯蔵安定
性が要求されるが、自動車内装用接着剤に用いられる場
合においても同様である。
【0008】本発明者は、これらの要求特性を踏まえて
更に鋭意研究した結果、上述した特定のウレタンプレポ
リマーを含有する接着剤組成物に、特定量の可塑剤、特
定量の高級脂肪酸エステルで表面処理された炭酸カルシ
ウム、特定量の重質炭酸カルシウムおよび特定量のシラ
ンカップリング剤を含有させることにより、上述した要
求特性、即ち、形状保持性、作業性、ガラスおよび樹脂
に対する接着性ならびに貯蔵安定性のいずれをも満足さ
せることができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、ウレタンプレポリマー1
00質量部と、可塑剤15〜60質量部と、高級脂肪酸
エステルで表面処理された炭酸カルシウム(以下、単に
「表面処理炭酸カルシウム」ともいう。)60〜120
質量部と、重質炭酸カルシウム5〜30質量部と、シラ
ンカップリング剤0.5〜5質量部とを含有する接着剤
組成物であって、該ウレタンプレポリマーが、数平均分
子量4000〜5000のポリエーテルトリオールと、
数平均分子量2000〜3000のポリエーテルジオー
ルとを、質量比で、ポリエーテルトリオール/ポリエー
テルジオール=4/6〜7/3となるように混合したポ
リエーテルポリオール混合物に、平均イソシアネート官
能価が2.3〜3.0となるように、ジイソシアネート
を付加して得られるウレタンプレポリマーである接着剤
組成物を提供する。
【0010】前記可塑剤の含有量が、ウレタンプレポリ
マー100質量部に対して、30〜60質量部であるの
が好ましい。
【0011】前記高級脂肪酸エステルで表面処理された
炭酸カルシウムの含有量が、ウレタンプレポリマー10
0質量部に対して、70〜110質量部であるのが好ま
しい。
【0012】前記重質炭酸カルシウムの含有量が、ウレ
タンプレポリマー100質量部に対して、5〜20質量
部であるのが好ましい。
【0013】前記シランカップリング剤の含有量が、ウ
レタンプレポリマー100質量部に対して、1〜5質量
部であるのが好ましい。
【0014】前記高級脂肪酸エステルが、少なくとも炭
素数16および/または18の脂肪酸を含有する高級脂
肪酸のジおよび/またはトリグリセリドであって、融点
が50〜60℃であるジおよび/またはトリグリセリド
であるのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の接着剤組成物に用いられるウレタンプレ
ポリマーは、数平均分子量4000〜5000のポリエ
ーテルトリオールと、数平均分子量2000〜3000
のポリエーテルジオールとを、質量比で、ポリエーテル
トリオール/ポリエーテルジオール=4/6〜7/3と
なるように混合したポリエーテルポリオール混合物に、
平均イソシアネート官能価が2.3〜3.0となるよう
に、ジイソシアネートを付加して得られるウレタンプレ
ポリマーである。本発明の特徴の一つは、上述した特定
のウレタンプレポリマーを用いるところにある。具体的
には、上記ウレタンプレポリマーは、粘度が低いため、
溶剤を使用しなくても他の成分を配合して接着剤組成物
とすることができるのである。即ち、接着剤組成物の他
の成分を配合する際の自由度が大きい。ウレタンプレポ
リマーの粘度は、B型粘度計を用いて20℃で測定した
場合に、100Pa・s未満であるのが好ましい。な
お、後述するように、ウレタンプレポリマーの製造の際
に、可塑剤を用いる場合には、上記粘度は可塑剤と混合
した後の粘度である。また、上記ウレタンプレポリマー
には、接着剤組成物の硬化時に発泡が起こるという問題
もない。
【0016】ウレタンプレポリマーに用いられるポリエ
ーテルトリオールは、特に限定されず、エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ス
チレンオキサイド等のアルキレンオキサイドと、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等
の活性水素化合物との付加重合によって製造される各種
のものを用いることができる。具体的には、ポリテトラ
メチレントリオール、ポリエチレントリオール、ポリプ
ロピレントリオール、ポリオキシプロピレントリオー
ル、ポリオキシブチレントリオール等が挙げられる。こ
れらのポリエーテルトリオールは、単独でまたは2種以
上を組み合わせて用いることができる。
【0017】ポリエーテルトリオールの数平均分子量
は、4000〜5000である。ポリエーテルトリオー
ルの数平均分子量が上記範囲であると、ウレタンプレポ
リマーの粘度が低くなり、接着剤組成物の他の成分を配
合する際の自由度が大きくなる。また、接着剤組成物の
硬化時に発泡が起こらないので、硬化後の接着剤層の強
度低下を防ぐことができる。
【0018】ウレタンプレポリマーに用いられるポリエ
ーテルジオールは、特に限定されず、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチ
レンオキサイド等のアルキレンオキサイドと、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、4,4′−ジヒドロキシ
フェニルメタン、4,4′−ジヒドロキシフェニルプロ
パン等の活性水素化合物との付加重合によって製造され
る各種のものを用いることができる。具体的には、ポリ
テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリ
コール、ポリオキシブチレングリコール等が挙げられ
る。これらのポリエーテルトリオールは、単独でまたは
2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】ポリエーテルジオールの数平均分子量は、
2000〜3000である。ポリエーテルジリオールの
数平均分子量が上記範囲であると、接着剤組成物の硬化
時に発泡が起こらない。
【0020】上記ポリエーテルトリオールと、上記ポリ
エーテルジオールとを、混合してポリエーテルポリオー
ル混合物とする際の混合比は、質量比で、ポリエーテル
トリオール/ポリエーテルジオール=4/6〜7/3で
ある。上記範囲であると、接着剤組成物の硬化時に発泡
が起こらず、かつ、得られるウレタンプレポリマーの粘
度を低くすることができる。また、上記範囲であると、
本発明の接着剤組成物の硬化後の接着強度が優れたもの
となる。混合物におけるポリエーテルジオールの割合が
大きすぎると、接着剤組成物の硬化時に発泡が起こる。
また、混合物におけるポリエーテルトリオールの割合が
大きすぎると、ウレタンプレポリマーの粘度が高くな
る。
【0021】ウレタンプレポリマーに用いられるジイソ
シアネートは、イソシアネート基を1分子中に二つ有す
るイソシアネートであれば特に限定されず、各種のジイ
ソシアネートを用いることができる。例えば、2,4−
トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のア
リール脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。これら
のジイソシアネートは、単独でまたは2種以上を組み合
わせて用いることができる。
【0022】本発明に用いられるウレタンプレポリマー
は、上記ポリエーテルポリオール混合物に、平均イソシ
アネート官能価が2.3〜3.0となるように、上記ジ
イソシアネートを付加して得ることができる。具体的に
は、通常のウレタンプレポリマーの製造と同様の方法を
用いて本発明に用いられるウレタンプレポリマーを製造
することができる。例えば、上記ポリエーテルポリオー
ル混合物、上記ジイソシアネートおよび必要に応じてそ
の他の添加物を、平均イソシアネート官能価が2.3〜
3.0となるような量比で混合し、通常、30〜120
℃、好ましくは50〜100℃で加熱かくはんすること
によって製造することができる。この際、必要に応じ
て、有機スズ化合物、有機ビスマス、アミン等のウレタ
ン化触媒を用いることもできる。ここで、ポリエーテル
トリオールとポリエーテルジオールとをあらかじめ混合
してポリエーテルポリオール混合物とした後にジイソシ
アネートと混合してもよいが、ポリエーテルトリオール
とポリエーテルジオールとジイソシアネートとを同時に
混合してもよい。また、この製造の際には、各成分を混
合することができる程度に粘度を低くするために、通
常、可塑剤が用いられる。可塑剤としては、後述するウ
レタンプレポリマーと混合される可塑剤を用いることが
できる。ウレタンプレポリマーの製造に用いられる可塑
剤と、後に混合される可塑剤とは、同じであっても異な
っていてもよい。
【0023】「平均イソシアネート官能価」とは、ウレ
タンプレポリマー1分子あたりのイソシアネート基の個
数の平均を意味する。本発明においては、実質的にすべ
てのジイソシアネート分子がポリエーテルポリオール分
子に付加していればよく、遊離した状態のジイソシアネ
ート分子が系中にわずかに残存していてもよい。この場
合、「平均イソシアネート官能価」は、ポリエーテルポ
リオール混合物およびジイソシアネートの混合比から算
出される。即ち、本発明においては、「平均イソシアネ
ート官能価」として、混合前のジイソシアネートの分子
数を、混合前のポリエーテルポリオール混合物の中のポ
リエーテルトリオールおよびポリエーテルジオールの分
子数の和で除した値を用いることができる。
【0024】ウレタンプレポリマーの平均イソシアネー
ト官能価が、2.3〜3.0であると、接着剤組成物の
硬化時に発泡が起こらず、かつ、得られるウレタンプレ
ポリマーの粘度を低くすることができる。また、上記範
囲であると、接着剤組成物の硬化後の接着強度が優れた
ものとなる。ウレタンプレポリマーの平均イソシアネー
ト官能価が大きすぎると、硬化時における炭酸ガスの生
成速度が速くなって系中に溶け込めなくなり、発泡す
る。また、それに伴い、本発明の接着剤組成物の硬化後
の接着強度が低くなる。ウレタンプレポリマーの平均イ
ソシアネート官能価が小さすぎると、ウレタンプレポリ
マーの分子が長くなりすぎて、粘度が高くなる。
【0025】本発明の接着剤組成物に用いられる可塑剤
は、特に限定されず、例えば、テトラヒドロフタル酸、
アゼライン酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、
ピロメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、
マレイン酸、イタコン酸、クエン酸およびこれらの誘導
体、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ系、パラフ
ィン系、ナフテン系および芳香族系のプロセスオイルが
挙げられる。中でも、フタル酸系可塑剤および/または
アジピン酸系可塑剤が好ましい。
【0026】具体的には、フタル酸系可塑剤としては、
例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフ
タレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DL
P)、ブチルベンジルフタレート(BBP)、ジイソデ
シルフタレート(DIDP)、ジイソノニルフタレート
(DINP)、ジメチルフタレート、ジエチルフタレー
トが挙げられる。中でも、ジイソノニルフタレート、ジ
イソデシルフタレートが好ましい。アジピン酸系可塑剤
としては、例えば、ジオクチルアジぺート(DOA)、
ジイソノニルアジペート(DINA)、ジイソデシルア
ジぺート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステ
ル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステルが挙げ
られる。中でも、ジイソノニルアジペートが好ましい。
その他の可塑剤としては、例えば、セバシン酸ジブチ
ル、コハク酸ジイソデシル、ジエチレングリコールジベ
ンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、オレイン
酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、トリオクチル
フォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェー
ト、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、リン
酸トリクレジル、トリブチルトリメリテート(TBT
M)、トリオクチルトリメリテート(TOTM)、エポ
キシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油;分子量
500〜10,000のブチルアクリレート等のアクリ
ルオリゴマーが挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0027】本発明の接着剤組成物における可塑剤の含
有量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、
15〜60質量部であり、好ましくは30〜60質量部
である。上記範囲であると、接着剤組成物の形状保持性
および作業性が良好となる。可塑剤の含有量が多すぎる
と、接着剤組成物の形状保持性がなくなる。また、ウレ
タンプレポリマーの含有量が相対的に低下するため、接
着性が劣る。可塑剤の含有量が少なすぎると、粘度が高
くなって作業性が劣る。なお、可塑剤がウレタンプレポ
リマーの製造に用いられた場合には、接着剤組成物にお
ける可塑剤の含有量は、ウレタンプレポリマーの製造に
用いられた可塑剤の量と、後に混合された可塑剤の量と
の和である。
【0028】本発明の接着剤組成物に用いられる表面処
理炭酸カルシウムは、高級脂肪酸エステルで表面処理さ
れた炭酸カルシウムである。中でも、形状保持性および
貯蔵安定性の点で、前記高級脂肪酸エステルが、少なく
とも炭素数16および/または18の脂肪酸を含有する
高級脂肪酸のジおよび/またはトリグリセリドであっ
て、融点が50〜60℃であるジおよび/またはトリグ
リセリドであるのが好ましい。具体的には、シーレッツ
200(丸尾カルシウム社製)、シーレッツ300(丸
尾カルシウム社製)が好適に例示される。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】表面処理炭酸カルシウムは、粘度を高くす
るため形状保持性および作業性に寄与し、また、表面が
疎水性であるため貯蔵安定性に寄与する。
【0030】本発明の接着剤組成物における表面処理炭
酸カルシウムの含有量は、ウレタンプレポリマー100
質量部に対して、60〜120質量部であり、好ましく
は70〜110質量部である。上記範囲であると、形状
保持性、作業性および貯蔵安定性が良好となる。表面処
理炭酸カルシウムの含有量が多すぎると、粘度が高くな
って作業性に劣る。表面処理炭酸カルシウムの含有量が
少なすぎると、粘度が低くなって形状保持性が低下し、
また、接着剤組成物に含有される疎水性成分が少なくな
るため、吸湿して粘度が変化しやすくなる。
【0031】本発明の接着剤組成物に用いられる重質炭
酸カルシウムとしては、従来公知の重質炭酸カルシウ
ム、即ち、粗晶質石灰石を機械的に粉砕し、分級したも
の、およびその有機物処理品を用いることができる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0032】重質炭酸カルシウムは親水性であるので、
本発明の接着剤組成物の内部にまで水を浸透させること
ができ、内部における硬化が促進される。即ち、重質炭
酸カルシウムは、深部硬化性に寄与する。また、重質炭
酸カルシウムは、増量剤の役割も果たす。
【0033】本発明の接着剤組成物における重質炭酸カ
ルシウムの含有量は、ウレタンプレポリマー100質量
部に対して、5〜30質量部であり、好ましくは5〜2
0質量部である。上記範囲であると、接着性および貯蔵
安定性が良好となる。重質炭酸カルシウムの含有量が多
すぎると、大気中の水を取り込んでゲル化する。重質炭
酸カルシウムの含有量が少なすぎると、硬化性に劣る。
【0034】本発明の接着剤組成物に用いられるシラン
カップリング剤は、特に限定されず、例えば、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン(3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン)、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネ
ートプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランが挙げられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】シランカップリング剤は、ガラスに対する
接着性を付与するために用いられる。
【0036】本発明の接着剤組成物におけるシランカッ
プリング剤の含有量は、ウレタンプレポリマー100質
量部に対して、0.5〜5質量部であり、好ましくは1
〜5質量部である。上記範囲であると、接着性および貯
蔵安定性が良好となる。シランカップリング剤の含有量
が多すぎると、貯蔵安定性に劣る。シランカップリング
剤の含有量が少なすぎると、ガラスとの接着性に劣る。
【0037】本発明の接着剤組成物は、上述した各必須
成分のほかに、本発明の目的を損なわない範囲で、その
他の添加剤、例えば、充填剤、チクソトロピー付与剤、
顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難
燃剤、接着性付与剤、分散剤、脱水剤、硬化促進剤、紫
外線吸収剤を含有することができる。
【0038】充填剤は、各種形状の有機または無機のも
の、例えば、シリカ(ホワイトカーボン)、クレー・タ
ルク類、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウ
ム、酸化マグネシウム、生石灰、炭酸塩類(例えば、炭
酸マグネシウム、表面処理炭酸カルシウムおよび重質炭
酸カルシウム以外の炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、胡
粉)、アルミナ水和物(例えば、含水水酸化アルミニウ
ム)、ケイソウ土、硫酸バリウム(例えば、沈降性硫酸
バリウム)、マイカ、硫酸アルミナ、リトポン、アスベ
スト、グラファイト、二硫化モリブデン、軽石粉、ガラ
ス粉、ケイ砂、ゼオライト、カーボンブラック;これら
の脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付
加イソシアネート化合物等による表面処理物;塩化ビニ
ルペーストレジン、ガラスバルーン、塩化ビニリデン樹
脂バルーンが挙げられる。
【0039】表面処理炭酸カルシウムおよび重質炭酸カ
ルシウム以外の炭酸カルシウムは、例えば、沈降製炭酸
カルシウム(軽質炭酸カルシウム)が挙げられる。クレ
ーは、例えば、ろう石クレー、カオリン質クレー(カオ
リナイト、ハロイサイト)、パイロフィライト質クレ
ー、セリサイト質クレー、焼成クレーが挙げられる。カ
ーボンブラックは、例えば、SAF、ISAF、HA
F、XcF、FEF、GPF、SRF、FT、MTが挙
げられる。シリカは、例えば、ヒュームドシリカ、焼成
シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、無水微
粉ケイ酸、含水微粉ケイ酸、含水ケイ酸アルミニウム、
含水ケイ酸カルシウムが挙げられる。
【0040】チクソトロピー付与剤は、例えば、エアロ
ジル(日本エアロジル社製)、ディスパロン(楠本化成
社製)が挙げられる。
【0041】顔料は、無機顔料および有機顔料が挙げら
れる。無機顔料は、例えば、亜鉛華、酸化チタン、弁
柄、酸化クロム、鉄黒、複合酸化物(例えば、チタンエ
ロー系、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コバルト系グリ
ーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム
系ブラック、銅−鉄系ブラック)等の酸化物;黄鉛、モ
リブデートオレンジ等のクロム酸塩;紺青等のフェロシ
アン化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化
亜鉛等の硫化物;硫酸バリウム等の硫酸塩;塩酸塩;群
青等の珪酸塩;炭酸カルシウム等の炭酸塩;マンガンバ
イオレット等の燐酸塩;黄色酸化鉄等の水酸化物;カー
ボンブラック等の炭素;アルミニウム粉、ブロンズ粉等
の金属粉;チタン被覆雲母が挙げられる。
【0042】有機顔料は、例えば、モノアゾレーキ系
(例えば、レーキレッドC、パーマネンレッド2B、ブ
リリアントカーミン6B)、モノアゾ系(例えば、トル
イジンレッド、ナフトールレッド、ファストエローG、
ベンズイミダロンボルドー、ベンズイミダゾロンブラウ
ン)、ジスアゾ系(例えば、ジスアゾエローAAA、ジ
スアゾエローHR、ピラゾロンレッド)、縮合アゾ系
(例えば、縮合アゾエロー、縮合アゾレッド、縮合アゾ
ブラウン)、金属錯塩アゾ系(例えば、ニッケルアゾエ
ロー)等のアゾ系顔料;銅フタロシアニンブルー、銅フ
タロシアニングリーン、臭素化銅フタロシアニングリー
ン等のフタロシアニン系顔料;塩基性染料レーキ(例え
ば、ローダミン6レーキ)等の染付顔料;アンスラキノ
ン系(例えば、フラバンスロンエロー、ジアンスラキノ
リルレッド、インダンスレンブルー)、チオインジゴ系
(例えば、チオインジゴボルドー)、ペリノン系(例え
ば、ペリノンオレンジ)、ペリレン系(例えば、ペリレ
ンスカーレット、ペリレンレッド、ペリレンマルー
ン)、キナクリドン系(例えば、キナクリドンレッド、
キナクリドンマゼンタ、キナクリドンスカーレット)、
ジオキサジン系(例えば、ジオキサジンバイオレッ
ト)、イソインドリノン系(例えば、イソインドリノン
エロー)、キノフタロン系(例えば、キノフタロンエロ
ー)、イソインドリン系(例えば、イソインドリンエロ
ー)、ピロール系(例えば、ピロールレッド)等の縮合
多環顔料;銅アゾメチンエロー等の金属錯塩アゾメチ
ン;アニリンブラック;昼光蛍光顔料が挙げられる。
【0043】染料は、例えば、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸
化クロム、弁柄が挙げられる。老化防止剤は、例えば、
N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DP
PD)、N,N′−ジナフチル−p−フェニレンジアミ
ン(DNPD)、2,2,4−トリメチル−1,3−ジ
ヒドロキノリン(TMDQ)、N−フェニル−1−ナフ
チルアミン(PAN)、ヒンダードフェノール系化合物
が挙げられる。酸化防止剤は、例えば、ブチルヒドロキ
シトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール
(BHA)、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、
亜リン酸トリフェニルが挙げられる。帯電防止剤は、例
えば、第四級アンモニウム塩、アミン等のイオン性化合
物;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親
水性化合物が挙げられる。難燃剤は、例えば、クロロア
ルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、臭
素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエ
チルビスヒドロキシエチルアミノホスフェート、ネオペ
ンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテル
が挙げられる。
【0044】接着性付与剤は、例えば、テルペン樹脂、
フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹
脂、キシレン樹脂が挙げられる。分散剤は、例えば、ス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
アルミニウム、リノール酸カルシウム、ヒドロキシステ
アリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩;ステアリン酸
エチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸ブチル、アジピ
ン酸ジオクチル、ステアリン酸モノグリセライド等の脂
肪酸エステルが挙げられる。脱水剤は、例えば、メチル
スアテアロキシポリシロキサンが挙げられる。硬化促進
剤は、例えば、ジオクチルスズジラウレート、ジブチル
スズジラウレート、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、オ
クチル酸亜鉛、有機ビスマス化合物等の金属系触媒;ト
リエチレンジアミン、モルフォリン系アミン、第三級ア
ミン等のアミン系触媒が挙げられる。紫外線吸収剤は、
例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系紫外線
吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレ
ート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系
紫外線吸収剤、フォルムアミジン系紫外線吸収剤、トリ
アジン環系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤
が挙げられる。
【0045】本発明の接着剤組成物の製造方法は、特に
限定されず、通常の湿気硬化型のウレタンプレポリマー
組成物と同様の方法で行うことができるが、好ましくは
含水率が低い状態で、特に好ましくは無水状態で混合す
る。製造系内の水分により、製造時の粘度が高くなるこ
とを防止するためである。具体的には、上述した各必須
成分および必要に応じてその他の添加剤を無水状態で十
分に混練し、均一に分散させることによって製造する方
法を例示することができる。
【0046】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限られるものではない。 1.ウレタンプレポリマーの調製 (合成例1〜13)第1表に示すように、数平均分子量
3000、4000および5000のポリプロピレント
リオール(それぞれ「G3000」、「G4000」お
よび「G5000」と示す。)から選ばれた1種と、数
平均分子量1000、2000および3000のポリプ
ロピレンジオール(それぞれ「D1000」、「D20
00」および「D3000」と示す。)から選ばれた1
種とを混合したポリエーテルポリオール混合物に、得ら
れるウレタンプレポリマーが所定の平均イソシアネート
官能価(「NCO官能価」と示す。)となるような量の
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)と、得られるウレタンプレポリマー組成物全体の1
5質量%となる量の可塑剤(DINP)とを混合し、N
2 気流中、80℃で36時間かくはんし、反応させて、
合成例1〜13の各ウレタンプレポリマー組成物を得
た。ポリプロピレントリオールとポリプロピレンジオー
ルとの質量比は、第1表に「G/D比」として示したと
おりである。なお、得られた各ウレタンプレポリマー組
成物のうち、合成例1〜7のウレタンプレポリマー組成
物中のウレタンプレポリマーは、本発明の接着剤組成物
に用いることができる特定のウレタンプレポリマーであ
り、合成例8〜13のウレタンプレポリマー組成物中の
ウレタンプレポリマーは、本発明の接着剤組成物に用い
ることができないウレタンプレポリマーである。
【0047】2.ウレタンプレポリマー組成物の評価 上記で得られた各ウレタンプレポリマー組成物につい
て、以下のようにして発泡性および粘度を評価した。な
お、接着剤組成物の発泡性はウレタンプレポリマーに依
存するため、ウレタンプレポリマー組成物の発泡性を評
価することで、接着剤組成物の発泡性を評価することが
できる。 (1)発泡性 各ウレタンプレポリマー組成物を20℃、65%RHの
条件下に7日間放置し、発泡の有無を目視で観察した。
結果を第1表に示す。第1表においては、発泡が観察さ
れなかったものを○、観察されたものを×で表した。 (2)粘度 各ウレタンプレポリマー組成物の粘度を、B型粘度計を
用いて、20℃で測定した。結果を第1表に示す。第1
表においては、粘度が100Pa・s未満であったもの
を○、粘度が100Pa・s以上であったものを×で表
した。
【0048】第1表から明らかなように、本発明に用い
ることができる特定のウレタンプレポリマーを含有する
ウレタンプレポリマー組成物(合成例1〜7)は、硬化
時に発泡が起こらないので、接着剤組成物に好適に用い
ることができることが分かる。また、粘度も低く、接着
剤組成物とする際の各成分の配合の自由度が大きいこと
が分かる。これに対して、ウレタンプレポリマーにおけ
るポリエーテルポリオールの数平均分子量、ポリエーテ
ルポリオールとジイソシアネートとの量比、および、ポ
リエーテルトリオールとポリエーテルジオールとの量比
のいずれかが特定の範囲にない場合(合成例8〜13)
には、発泡性および粘度の一方または両方に劣る。
【0049】
【表1】
【0050】3.接着剤組成物の調製 (実施例1〜6および比較例1〜7)合成例2で得られ
たウレタンプレポリマー組成物(15質量%のDINP
を含有する。)、可塑剤(DINP)、表面処理炭酸カ
ルシウム(シーレッツ200、丸尾カルシウム社製)、
重質炭酸カルシウム(スーパーS、丸尾カルシウム社
製)およびシランカップリング剤(3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、A187、日本ユニカー社
製)を第2表に示す質量比で混合して、各接着剤組成物
を得た。
【0051】4.接着剤組成物の評価 上記で得られた各接着剤組成物について、以下のように
して形状保持性、作業性、接着性および貯蔵安定性を評
価した。 (1)形状保持性 接着剤組成物を鉄板にビード打ちした後、10秒間、ビ
ードの形状を目視で観察した。結果を第2表に示す。第
2表においては、ビードの形状が変化しなかったものを
○、変化したものを×で表した。
【0052】(2)作業性 ASTM D1092−62の規定に準じ、SOD粘度
計を用いて、せん断速度430sec-1、温度20℃、
キャピラリ長さ60.5mm、キャピラリ半径1.5m
mの条件で、圧力を測定し、定流量押出型粘度(作業粘
度)を算出した。結果を第2表に示す。第2表において
は、作業粘度が30Pa・s以下であったものを○、3
0Pa・sを超えていたものを×で表した。
【0053】(3)接着性 手はく離試験によりガラスおよび樹脂の両者に対する接
着性を評価した。具体的には、被着体(ガラス板および
樹脂板)に接着剤組成物を厚さ3mmとなるように均一
に塗布して接着剤層を形成させ、20℃、65%RHの
条件下に7日間放置した後、ナイフカットによる手はく
離試験を行い、接着界面の状態を目視で観察した。結果
を第2表に示す。第2表においては、接着剤層の凝集破
壊を○、接着剤層と被着体との界面破壊を×で表した。
【0054】(4)貯蔵安定性 各接着剤組成物の調製直後の粘度を測定し、ついで各接
着剤組成物を密閉容器に封入し、40℃で10日間貯蔵
した後、粘度を測定し、貯蔵後の粘度を調製直後の粘度
で除して、粘度変化を算出した。粘度の測定において
は、SOD粘度計を用いて、せん断速度430se
-1、温度20℃、キャピラリ長さ60.5mm、キャ
ピラリ半径1.5mmの条件で、圧力を測定し、定流量
押出型粘度を算出した。結果を第2表に示す。第2表に
おいては、粘度変化が1.5以下であったものを○、
1.5を超えていたものを×で表した。
【0055】第2表から明らかなように、本発明の接着
剤組成物(実施例1〜6)は、形状保持性、作業性、ガ
ラスおよび樹脂に対する接着性ならびに貯蔵安定性のい
ずれにも優れる。これに対して、各成分の含有量が多す
ぎたり少なすぎたりする場合(比較例1〜7)は、上記
要求特性のいずれかに劣る。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】特定の低粘度のウレタンプレポリマーを
含有し、更に、特定量の可塑剤、特定量の表面処理炭酸
カルシウム、特定量の重質炭酸カルシウムおよび特定量
のシランカップリング剤を含有する本発明の接着剤組成
物は、溶剤を含有せず、また、特別な設備を設けずに、
かつ、プライマー処理をせずに用いることができ、更
に、形状保持性、作業性、ガラスおよび樹脂に対する接
着性ならびに貯蔵安定性のいずれにも優れる。したがっ
て、本発明の接着剤組成物は、自動車内装用接着剤組成
物として極めて好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田端 義弘 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4J037 AA10 CB10 FF30 4J040 EF131 EF291 EF301 HA196 HB22 HD30 JA05 JB02 KA31 KA38 KA42 NA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウレタンプレポリマー100質量部と、可
    塑剤15〜60質量部と、高級脂肪酸エステルで表面処
    理された炭酸カルシウム60〜120質量部と、重質炭
    酸カルシウム5〜30質量部と、シランカップリング剤
    0.5〜5質量部とを含有する接着剤組成物であって、 該ウレタンプレポリマーが、数平均分子量4000〜5
    000のポリエーテルトリオールと、数平均分子量20
    00〜3000のポリエーテルジオールとを、質量比
    で、ポリエーテルトリオール/ポリエーテルジオール=
    4/6〜7/3となるように混合したポリエーテルポリ
    オール混合物に、平均イソシアネート官能価が2.3〜
    3.0となるように、ジイソシアネートを付加して得ら
    れるウレタンプレポリマーである接着剤組成物。
  2. 【請求項2】前記可塑剤の含有量が、ウレタンプレポリ
    マー100質量部に対して、30〜60質量部である請
    求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】前記高級脂肪酸エステルで表面処理された
    炭酸カルシウムの含有量が、ウレタンプレポリマー10
    0質量部に対して、70〜110質量部である請求項1
    または2に記載の接着剤組成物。
  4. 【請求項4】前記重質炭酸カルシウムの含有量が、ウレ
    タンプレポリマー100質量部に対して、5〜20質量
    部である請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成
    物。
  5. 【請求項5】前記シランカップリング剤の含有量が、ウ
    レタンプレポリマー100質量部に対して、1〜5質量
    部である請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤組成
    物。
  6. 【請求項6】前記高級脂肪酸エステルが、少なくとも炭
    素数16および/または18の脂肪酸を含有する高級脂
    肪酸のジおよび/またはトリグリセリドであって、融点
    が50〜60℃であるジおよび/またはトリグリセリド
    である請求項1〜5のいずれかに記載の接着剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020534381A (ja) * 2015-06-22 2020-11-26 タック ロジック エルエルシー 接着性粘弾性体および安定化性を有する保管容器内でのその使用

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