JPH09324167A - 無溶剤型プライマー組成物 - Google Patents

無溶剤型プライマー組成物

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JPH09324167A
JPH09324167A JP14151596A JP14151596A JPH09324167A JP H09324167 A JPH09324167 A JP H09324167A JP 14151596 A JP14151596 A JP 14151596A JP 14151596 A JP14151596 A JP 14151596A JP H09324167 A JPH09324167 A JP H09324167A
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urethane prepolymer
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mdi
solventless
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JP14151596A
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Akihiro Miyata
田 明 弘 宮
Kazuo Suga
和 生 菅
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無溶剤でありながら、低温で溶融粘度が低く、
初期硬度発現時間が十分に短く、しかも難接着塗板とウ
インドウシーラントとを十分に接着するプライマーとし
て無溶剤型プライマー組成物の提供。 【解決手段】炭素数2〜6のアルキレングリコールとジ
フェニルメタンジイソシアネートの液状変性物(c−M
DI)よりなる第1のウレタンプレポリマー(a)と、
ポリエーテルポリオールおよび/または分子量200〜
800のカプロラクトン系ポリエステルポリオールとジ
フェニルメタンジイソシアネートの液状変性物(c−M
DI)よりなる第2のウレタンプレポリマー(b)との
混合物100重量部に対し、カーボンブラックを5〜2
5重量部含有することにより、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融粘度が低く、
難接着塗板に良好な接着性を示し、初期硬度発現の速い
無溶剤型プライマー組成物、さらに詳しくは、無溶媒型
で自動車の窓ガラスとボディ(塗装面)を接着するウイ
ンドウシーラント剤と塗装面との両方に良好に接着し、
かつ、初期硬度発現の速い無溶剤型プライマー組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のボディと窓ガラスとの
接着には、ウインドウシーラントが使用されている。し
かし、その接着性が不十分であるため、窓ガラスとウイ
ンドウシーラントの側には、ガラス用プライマーが予め
塗布され、一方ボディとウインドウシーラントの側に
は、従来、ウインドウシーラントと被着体である自動車
のボディとの接着性の向上のために、有機溶剤を約70
%含む数千〜数万cpsの粘度のウレタンプレポリマ
ー、熱可塑性樹脂、粘着付与剤からなる塗面用プライマ
ーが用いられている。
【0003】しかし、最近、環境保護の観点から溶剤を
使用しないプライマーの開発が要請されている。同時
に、自動車のボディにアクリルメラミン樹脂などの難接
着性の塗装が施されている。したがって、難接着性被着
体とウインドウシーラントとの両方に対して良好な接着
性を示し、難接着性被着体に塗布した場合の初期硬度、
すなわち、プライマーとして塗布後短時間でウインドウ
シーラントが塗布できる硬度を有していること、難接着
性の被着体に、10μm厚程度に薄く塗布できてはじか
れないこと、貯蔵安定性があることがウインドウシーラ
ント塗面用のプライマーとして望まれている。
【0004】一方、ウレタンプレポリマーを用いた接着
剤としては、例えば、特開平6−122860号公報に
は、ダンボールや合板等の積層製品を製造するのに、分
子量2000の水添ポリブタジエンジオールとMDIか
らなる粘度300,000cps以上のウレタンプレポ
リマーに熱可塑性樹脂、接着付与剤を添加した反応性ホ
ットメルト接着剤組成物が記載され、特開平5−214
311号公報には、ポリエステルポリオールとポリエー
テルジオールの混合ポリオールを用いたウレタンプレポ
リマーが貯蔵安定性が良好で、かつ湿気硬化速度が速い
ことが記載され、特開平2−182774号公報、特開
平4−164987号公報等に、ガラス転移点が室温よ
り高く、分子量1000以下の第1のプレポリマーと、
ガラス転移点が−5〜10℃で、分子量が1000以上
の第2のプレポリマーとからなるポリウレタンプレポリ
マーについて記載されている。
【0005】特開平5−117363号公報では、ビス
(2,2’−ジイソシアネートフェニル)メタン/ビス
(4,4’−ジイソシアネートフェニル)メタン混合物
をジオールと反応させて、2−イソシアネートフェニル
−1−メチル基を末端に有する線状ポリウレタン樹脂を
含有する常温固体状のポリウレタン樹脂組成物について
記載されている。しかし、これらの組成物は、初期接着
性が劣り、薄く塗布すると塗布ムラができる等の理由か
ら、プライマーとして不十分であり、また、難接着塗板
に対して成膜性、接着性でまだ不十分である。
【0006】また、ポリイソシアネートを含有する接着
剤が、特公昭48−4932号公報に記載されている
が、これは、接着剤の変色を防ぐために、テトライソシ
アネートを使用するものであって、難接着塗板に対する
接着性についての記載はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のプライマー組成物の問題点を解決し、無溶剤でありな
がら、低温(60〜80℃)で溶融粘度が低く、被着体
に薄く塗布でき、初期硬度発現時間が十分に短く、した
がって、プライマーが、そのプライマー塗布後からシー
ラントを塗布してもシーラントがずれたりしない硬度に
固化するまでの時間が短く、しかも難接着塗板とウイン
ドウシーラントとを十分に接着するプライマーとして無
溶剤型プライマー組成物を提供することにある。本発明
は、上記目的の少なくとも1つを達成するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、炭素数2
〜6のアルキレングリコールとc−MDIよりなるウレ
タンプレポリマーと、ポリエーテルポリオールおよび/
または分子量200〜800のカプロラクトン系ポリエ
ステルポリオールとc−MDIよりなるウレタンプレポ
リマーの2種のプレポリマーを別々に製造してから所定
量のカーボンブラックと共に混合したプライマー組成物
が、塗面に塗布された後、そのプライマーがウインドウ
シーラントを載せることができる初期硬度を発現する時
間が十分に短く、かつ、優れた耐水接着性を発現するこ
とを見いだし、本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、炭素数2〜6のアル
キレングリコールとジフェニルメタンジイソシアネート
の液状変性物(c−MDI)よりなる第1のウレタンプ
レポリマー(a)と、ポリエーテルポリオールおよび/
または分子量200〜800のカプロラクトン系ポリエ
ステルポリオールとジフェニルメタンジイソシアネート
の液状変性物(c−MDI)よりなる第2のウレタンプ
レポリマー(b)との混合物100重量部に対し、カー
ボンブラックを5〜25重量部含有することを特徴とす
る無溶剤型プライマー組成物を提供する。
【0010】そして、前記第1のウレタンプレポリマー
(a)の炭素数2〜6のアルキレングリコールが、1,
4−ブタンジオールであるのが好ましい。また、第2の
ウレタンプレポリマー(b)のポリエーテルポリオール
の分子量が80〜400であるのが好ましい。また、第
1のウレタンプレポリマー(a)が、NCO/OH比
5.0〜8.0で製造されたプレポリマーであるのが好
ましい。また、第2のウレタンプレポリマー(b)が、
NCO/OH比4.0〜8.0で製造されたプレポリマ
ーであるのが好ましい。
【0011】さらに、第1のウレタンプレポリマー
(a)と前記第2のウレタンプレポリマー(b)が別個
に製造され、その後混合されるのが好ましい。また、第
1のウレタンプレポリマー(a)と前記第2のウレタン
プレポリマー(b)との重量比が、60:40〜80:
20であるのが好ましい。また、前記ウレタンプレポリ
マー(a)および(b)の混合物100重量部に対し
て、錫系触媒を0.02〜0.5重量部および/または
潜在性硬化剤を0.5〜10重量部含有するのが好まし
い。また、塗板とポリウレタン系シーラントとの接着に
使用されるのが好ましい。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
無溶剤型プライマー組成物は、炭素数2〜6のアルキレ
ングリコールとジフェニルメタンジイソシアネートの液
状変性物(c−MDI)よりなる第1のウレタンプレポ
リマー(a)と、ポリエーテルポリオールおよび/また
は分子量200〜800のカプロラクトン系ポリエステ
ルポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートの液
状変性物(c−MDI)よりなる第2のウレタンプレポ
リマー(b)とを混合してなることを特徴とする。
【0013】第1のウレタンプレポリマー(a)は、炭
素数2〜6のアルキレングリコールとジフェニルメタン
ジイソシアネートの液状変性物(c−MDI)とを反応
させて得られる。炭素数2〜6のアルキレングリコール
は、炭素数2〜6で、骨格に炭素のみを含む炭化水素の
炭素原子上の2個の水素原子が2個の水酸基に置換され
て得られる化合物で、主鎖の炭化水素基であるアルキレ
ン基は直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。アルキ
レングリコールを用いるので、初期硬度発現、接着性の
点に優れている。具体的には、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられ、中で
も1,4−ブタンジオールであるのが、溶融粘度と接着
性の点で好ましい。第1のウレタンプレポリマー(a)
に用いるこれらのポリオールは、単独で用いても、ある
いはそれらの混合物を用いてもよい。
【0014】本発明に用いるイソシアネートは、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート液状変成物(以下、c−M
DIとする)またはカルボジイミド変性ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(以下、カルボジイミド変性MDI
とする)、あるいはそれらの混合物である。c−MDI
は、純粋MDI(以下、純−MDIとする)のモノマー
を重合させたポリマーであって、例えば、アニリン、ホ
ルマリンの縮合物であるジアミノ−ジフェニルメタンの
ホスゲン化により得ることができる。さらに、純粋MD
Iと低分子量のグリコール、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等、または長鎖のポリオール
類と反応させて液状化した変性MDIも含まれる。
【0015】c−MDIとしては、ポリメリックMD
I、4,4’−MDI、2,4’−MDIおよび2,
2’−MDIを含めたMDI異性体、あるいはその混合
物が挙げられる。ここで、純−MDIとは、4,4’−
MDI、2,4’−MDIまたは2,2’−MDIの内
の1種のMDIのモノマーを意味する。これらは、反応
を制御し易いという点で好ましい。具体的には、住友バ
イエルウレタン社製の44V10等の市販品を用いるこ
とができる。
【0016】c−MDIの1分子当たりの平均官能基数
は、2.1〜3.1、特に2.6〜2.9であるのが好
ましい。2.1未満では、成膜性、接着性に劣り、3.
1超では、溶融粘度が高くなってしまう。また、本発明
に用いるc−MDIは、これらのMDI異性体の混合
物、あるいは、ポリメリックMDIと1種以上の純−M
DIとの混合物であってもよい。
【0017】c−MDIの代わりにカルボジイミド変性
MDIを用いることができるが、このカルボジイミド変
性MDIは、2つのMDIをカルボジイミド基を介して
結合させたものであって、例えば、純−MDIを、例え
ば、1−エチル−3−メチル−3−ホスホリン−1−オ
キサイドのような燐系化合物等の触媒の存在下で加熱反
応させて、その一部を二量化してカルボジイミド化した
変性MDI等が含まれる。具体的には、日本ポリウレタ
ン社製のコロネートMTL等の市販品を用いることがで
きる。
【0018】第1のウレタンプレポリマー(a)を製造
する際、炭素数2〜6のアルキレングリコールとc−M
DIとの反応は、c−MDI中のNCO基と炭素数2〜
6のアルキレングリコール中のOHとの比(NCO/O
H比)が、5.0〜8.0、特に5.0〜7.0になる
ように、過剰量のc−MDIを加えて反応させるのが作
業性、硬化性、接着性の点で好ましい。
【0019】第2のウレタンプレポリマー(b)は、ポ
リエーテルポリオールおよび/または分子量200〜8
00のカプロラクトン系ポリエステルポリオールとc−
MDIとを反応させて得ることができる。第2のウレタ
ンプレポリマー(b)に用いるイソシアネート化合物
は、前述の第1のウレタンプレポリマー(a)で使用す
るのと同じc−MDIを用いる。
【0020】ポリエーテルポリオールは、好ましくは分
子量76〜400であり、例えば、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のア
ルキレンオキサイドの1種もしくは2種以上を、2個以
上の活性水素を有する化合物に付加重合させた骨格を有
する化合物である。あるいは、テトラヒドロフラン等の
開環重合により分子末端に2個の水酸基を有する化合物
である。ポリエーテルポリオールの分子量を上述の範囲
とするのは、被着体との接着性に優れているためであ
り、より好ましくは、分子量76〜192とする。
【0021】ここで、2個以上の活性水素を有する化合
物とは、例えば、多価アルコール類、アミン類、アルカ
ノールアミン類、多価フェノール類等が例示される。多
価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコー
ル、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール等が、アミン類として
は、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が、
プロパノールアミン等が、また、多価フェノール類とし
ては、レゾルシン、ビスフェノールA等が挙げられる。
【0022】具体的には、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール(PTMG)、ポリオキシプロピレングリコ
ール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)、
等が挙げられ、特に、PPG、PTMG等が好ましい。
さらに2種以上の混合物であってもよい。
【0023】カプロラクトン系ポリエステルポリオール
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキ
サントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール等のジオールやトリオールとε−カプロラク
トンとの開環重合などによって得られるポリエステルポ
リオールであり、2種以上の混合物を用いてもよい。具
体的には、ポリカプロラクトンポリオール(PCL)が
好適に例示される。第2のウレタンプレポリマー(b)
に用いるポリオールは、上述のポリエーテルポリオール
とポリエステルポリオールとの混合物であってもよい。
【0024】第2のウレタンプレポリマー(b)に用い
るポリオールの分子量は、カプロラクトン系ポリエステ
ルポリオールの場合、200〜800であり、好ましく
は300〜500であり、ポリエーテルポリオールの場
合は、80〜400が好ましく、さらに好ましくは10
0〜250である。ポリオールの分子量が上述の範囲よ
り低いと、得られるウレタンプレポリマーのNCOの含
有率が高いために貯蔵安定性が悪く、上述の範囲より高
いと、難接着塗板との接着性が悪くなる。
【0025】上述のc−MDIとポリエーテルポリオー
ルおよび/またはカプロラクトン系ポリエステルポリオ
ールとを30〜60℃、窒素雰囲気中、常圧下で反応さ
せてウレタンプレポリマー(b)を得る。第2のウレタ
ンプレポリマー(b)を製造する際、ポリオールとイソ
シアネート基含有化合物との反応のNCO/OH比は、
4.0〜8.0、特に4.0〜7.0の範囲であるのが
好ましい。4.0未満では、増粘し、作業性が悪く、
8.0超では、成膜性と硬化性が落ちる。
【0026】第1のウレタンプレポリマー(a):第2
のウレタンプレポリマー(b)の混合比は、重量比で、
60:40〜80:20であるのが好ましく、具体的に
は、30:70が好適に例示される。この範囲より第1
のウレタンプレポリマー(a)の混合比が低いと、初期
硬度の発現が遅くなり作業性がよくなく、また(a)の
混合比が高すぎると長時間の加熱により増粘し、やはり
作業性が悪くなる。
【0027】本発明のプライマー組成物は、上記のウレ
タンプレポリマーの他に、さらにカーボンブラックを含
有することを特徴とする。本発明に用いるカーボンブラ
ックの種類は特に限定されず、公知各種のものが使用で
きる。例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラッ
ク、サーマルブラック、ランプブラック等が挙げられる
が、中でも、サーマルブラックが優れた耐水接着性が得
られるので好ましい。カーボンブラックの添加量は、第
1のウレタンプレポリマー(a)と第2のウレタンプレ
ポリマー(b)との混合物100重量部に対して5〜2
5重量部とする。好ましくは、10〜25重量部であ
る。5重量部未満では難接着塗板側との充分な耐温水接
着力が得られず、25重量部超では、ウィンドウシーラ
ント側との充分な耐温水接着力が得られないので好まし
くない。
【0028】さらに、本発明の無溶剤型プライマー組成
物は、錫系触媒および/または潜在性硬化剤を含有する
のが好ましい。すなわち、錫系触媒または潜在性硬化剤
を単独で含有しても、あるいは、錫系触媒および潜在性
硬化剤を共に含有してもよい。本発明に用いることがで
きる錫系触媒は、湿気硬化触媒として用いられるもので
あり、ジオクチルチンジラウレート(DOTL)、ジブ
チルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジ
ブチルチンマーカブチド、ジオクチルチンジマーカブチ
ド等が挙げられる。中でも、ジオクチルチンジラウレー
ト(DOTL)が貯蔵安定性、硬化性、接着性の点で好
ましい。
【0029】錫系触媒の含有量は、ウレタンプレポリマ
ー(a)および(b)の合計量の100重量部に対し
て、0.02〜0.5重量部、特に0.02〜0.3で
あるのが貯蔵安定性、硬化性、接着性の点で好ましい。
【0030】本発明に用いることができる潜在性硬化剤
は、N−ヒドロキシエチル−2−イソプロピルオキサゾ
リジンおよびそのHDI付加体その他のオキサゾリジン
等を挙げることができる。潜在性硬化剤の含有量は、ウ
レタンプレポリマー(a)および(b)の合計量の10
0重量部に対して、0.5〜10重量部、特に0.5〜
8重量部であるのが硬化性、接着性の点で好ましい。
【0031】さらに、本発明の無溶剤型プライマー組成
物は、上記成分以外に必要に応じて、本発明の趣旨を損
なわない範囲で、充填剤、触媒、安定剤、粘着付与剤、
可塑剤、着色剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤等の添加剤
を加えてもよい。
【0032】充填剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、タルク、クレー、酸化チタン、ホワ
イトカーボン等が挙げられる。粘着付与剤としては、ロ
ジンまたはその誘導体、テルペン樹脂等の天然樹脂、石
油樹脂、水素添加石油樹脂等が挙げられる。可塑剤とし
ては、フタル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、グ
リコールエステル等が挙げられる。着色剤としては、酸
化チタン、カーボン等が挙げられる。
【0033】本発明の無溶剤型プライマー組成物は、第
1のウレタンプレポリマー(a)と第2のウレタンプレ
ポリマー(b)とを別々に製造してから、(a)および
(b)に、カーボンブラックと必要に応じてその他の添
加剤を適宜加えて、70〜90℃の温度で、1〜2時間
溶融させながら混合して製造すればよい。混合する順序
は特に限定されるものではなく、使用する原料の粘度、
使用量等に応じて最適に混合されるように適宜決定すれ
ばよい。原料を全て加えて溶融させながら混合してもよ
いし、ウレタンプレポリマー(a)および(b)を先に
混合した後、得られた混合物にカーボンブラック等の他
の添加剤を添加し、溶融混合してもよい。
【0034】このようにして製造された本発明の無溶剤
型プライマー組成物中のNCO含有率は、17.0〜2
6.5%、特に18.0〜26.0%である。粘度は、
80℃における粘度が100〜1000cpsであるの
が好ましい。粘度が1000cpsを越えると、塗布温
度域(約60〜90℃)における粘度が高すぎて被着体
に薄く塗布することが難しい。さらに、本発明の無溶剤
型プライマー組成物は、加熱塗工時、並びに容器内貯蔵
において、粘度変化が小さいので、6ヵ月〜12ヵ月程
度の貯蔵で増粘せず貯蔵安定性があり、難接着性塗板へ
の成膜性、接着性が良好で、しかも初期硬度発現が速
く、ウインドウシーラントを塗布した後、3日程度で接
着性が発現する。
【0035】得られた無溶剤型プライマー組成物は、ウ
インドウシーラントと難接着性塗板とのプライマーとし
て有用である。本発明の無溶剤型プライマー組成物を用
いたウインドウシーラントと難接着性塗板との接着方法
について以下に説明する。本発明に用いる被着体の一方
は、自動車のボディ等に用いられる塗装鋼板、例えば、
電着塗装鋼板などにアクリルメラミン塗料を焼付けた難
接着塗板が挙げられる。
【0036】本発明に用いるウインドウシーラントは、
自動車のボディと窓ガラスとを接着するためのもので、
一般に用いられるポリウレタン系シーラント等が挙げら
れる。ウインドウシーラントとして、例えば、横浜ゴム
(株)製のWS−70等の市販品を使用することができ
る。
【0037】本発明の無溶剤型プライマー組成物のプラ
イマーとしての施工方法の1例は、上述の難接着性の被
着体と窓ガラスとをウインドウシーラントを介して接着
する際に、60〜80℃で、例えば市販のアプリケータ
ーを用いて本発明の組成物をプライマーとして上記難接
着性の被着体に塗布した後、冷却固化させると、充分な
初期接着強度を有するウインドウシーラント塗面用プラ
イマーの膜が形成される。ウインドウシーラント塗面用
プライマーが成膜したら、その上にウインドウシーラン
トを塗布し、窓ガラスとウインドウシーラントとを密着
させて接着することにより自動車のボディと窓ガラスと
を接着させて成形体を製造する。
【0038】さらに、ウインドウシーラントと窓ガラス
とを接着する際に、必要に応じて窓ガラス用のプライマ
ーを窓ガラスとウインドウシーラントとの接触面の一方
または両方に塗布してもよい。この窓ガラス用のプライ
マーは、一般に使用されるウレタン系やシラン系のプラ
イマーを用いることができる。
【0039】本発明の無溶剤型プライマー組成物は、ウ
インドウシーラント塗面用プライマーとして、難接着性
の被着体に対して充分な初期接着性を示す。さらに、塗
布後、1〜2日後には、硬化が完了する。硬化後は、充
分な耐水性を示す。
【0040】
【実施例】以下に、実施例により、本発明をさらに具体
的に説明するが、本実施例によって本発明の範囲が限定
されるものではない。 (実施例1〜7および比較例1〜5) 1.ウレタンプレポリマーの製造 数平均分子量90の1,4−ブタンジオールを反応容器
に入れ、110℃、50mmHgで2時間減圧脱水した
後、50℃に冷却し、これに、ジフェニルメタンジイソ
シアネート液状変成物[住友バイエルウレタン社製の4
4V10(平均官能基数2.6〜2.7)]を添加し
て、60℃で10時間、攪拌しながら下記表1に記載の
NCO/OH比で反応させて、ウレタンプレポリマー
(a)を製造した。これとは別に、下記表1に記載の各
数平均分子量のポリカプロラクトンポリオール(PC
L)またはポリプロピレングリコール(PPG)を反応
容器に入れ、110℃、50mmHgで2時間減圧脱水
した後、50℃に冷却し、これに、ジフェニルメタンジ
イソシアネート液状変成物[住友バイエルウレタン社製
の44V10(平均官能基数2.6〜2.7)]を添加
して、60℃で10時間、攪拌しながら下記表1に記載
のNCO/OH比で反応させて、ウレタンプレポリマー
(b)を製造した。得られたウレタンプレポリマーのN
CO含有率を下記表1に示す。
【0041】2.無溶剤型プライマー組成物の製造 1.で得られた各ウレタンプレポリマー(a)、
(b)、錫系触媒として、ジオクチル錫ジラウレート
(DOTL)、カーボンブラック(旭カーボン社製、サ
ーマルブラック)を下記表1に示される量配合し、さら
に添加剤(レベリング剤)として共栄化学社製のポリフ
ローNo.90を0.8重量部添加し、50℃で充分に
攪拌混合させて各無溶剤型プライマー組成物を得た。得
られた組成物を被着体(アクリルメラミンを焼付けた電
着塗板)に80℃の溶融温度で塗布し、塗布した際の成
膜性を評価した。得られた組成物の粘度を下記表1に示
す。さらに、プライマーが冷却固化した後に、接着剤と
してウインドウシーラント(横浜ゴム(株)製のWS−
70)を3mmの厚さで塗布し、以下の条件で接着性試
験を行った。
【0042】初期の接着性を試験するために、20℃、
65%RHに7日間放置後、接着面をナイフで切り込み
ながら手剥離試験を行った。また、耐水接着性を試験す
るために、20℃、65%RHに3日間放置後、40℃
水中に20日間放置後、接着面をナイフで切り込みなが
ら手剥離試験を行った。結果を下記表1に示す。
【0043】(物性試験) 被着体:アクリルメラミンを焼付けた電着塗板 1.成膜性 被着体に対する塗膜の均一性を下記基準で評価した。 評価基準:○ …… 均一な塗膜を生成した。 △ …… 塗りムラが一部見られた。
【0044】2.初期硬度発現時間(最小オープンタイ
ム) 電着アクリルメラミン塗板に各プライマー組成物を施工
した時から、そのプライマーがウインドウシーラントを
塗布することができる硬さ(塗板を垂直に立ててウイン
ドウが脱落しない程度)に固化するまでに要した時間
(分)を20℃、65%RHの条件下で測定した。 3.接着性 被着体(電着アクリルメラミン塗板とウインドウシーラ
ント)に対する本発明の無溶剤型プライマー組成物の初
期接着性および耐水接着性を下記基準で評価した。 評価基準:◎ …… ウインドウシーラントの破壊が接
着部分の95%以上 ○ …… ウインドウシーラントの破壊が接着部分の8
0%以上 △ …… ウインドウシーラントの破壊が接着部分の8
0%未満
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】注)BD:1,4−ブタンジオール PCL:ポリカプロラクトンポリオール PPG:ポリプロピレングリコール 触媒:ジオクチル錫ジラウレート(DOTL) *1:主として塗板側で剥離 *2:主としてシーラント側で剥離
【0048】
【発明の効果】本発明の無溶剤型プライマー組成物は、
無溶剤でありながら、施工時において低粘度(100〜
1000cps)であるため、薄く均一に塗布すること
ができる。また、初期硬度発現時間が十分に短いので、
自動車等の難接着性塗板とウインドウシーラントとの接
着の際に、プライマー塗布後速やかに次工程であるシー
ラントの塗布を行うことができ、作業性に優れている。
さらに、難接着塗板およびシーラントの双方への接着性
が良好で、特に耐温水接着性において優れており、しか
も、加熱塗工時ならびに容器内貯蔵において粘度変化が
小さい。したがって、無溶剤型の難接着塗板用プライマ
ーとして極めて有用である。また、例えば有機溶剤を7
0%程度使用する通常の自動車のボディとウインドウシ
ーラントとの接着に用いるプライマーに比べて、本発明
の組成物は無溶剤であるので、環境保護の点においても
優れている。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数2〜6のアルキレングリコールとジ
    フェニルメタンジイソシアネートの液状変性物(c−M
    DI)よりなる第1のウレタンプレポリマー(a)と、 ポリエーテルポリオールおよび/または分子量200〜
    800のカプロラクトン系ポリエステルポリオールとジ
    フェニルメタンジイソシアネートの液状変性物(c−M
    DI)よりなる第2のウレタンプレポリマー(b)との
    混合物100重量部に対し、カーボンブラックを5〜2
    5重量部含有することを特徴とする無溶剤型プライマー
    組成物。
  2. 【請求項2】前記第1のウレタンプレポリマー(a)の
    炭素数2〜6のアルキレングリコールが、1,4−ブタ
    ンジオールである請求項1に記載の無溶剤型プライマー
    組成物。
  3. 【請求項3】前記第2のウレタンプレポリマー(b)の
    ポリエーテルポリオールの分子量が80〜400である
    請求項1または2に記載の無溶剤型プライマー組成物。
  4. 【請求項4】前記第1のウレタンプレポリマー(a)
    が、NCO/OH比5.0〜8.0で製造されたプレポ
    リマーである請求項1〜3のいずれか1項に記載の無溶
    剤型プライマー組成物。
  5. 【請求項5】前記第2のウレタンプレポリマー(b)
    が、NCO/OH比4.0〜8.0で製造されたプレポ
    リマーである請求項1〜4のいずれか1項に記載の無溶
    剤型プライマー組成物。
  6. 【請求項6】前記第1のウレタンプレポリマー(a)と
    前記第2のウレタンプレポリマー(b)が別個に製造さ
    れ、その後混合される請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の無溶剤型プライマー組成物。
  7. 【請求項7】前記第1のウレタンプレポリマー(a)と
    前記第2のウレタンプレポリマー(b)との重量比が、
    60:40〜80:20である請求項1〜6のいずれか
    1項に記載の無溶剤型プライマー組成物。
  8. 【請求項8】前記ウレタンプレポリマー(a)および
    (b)の混合物100重量部に対して、錫系触媒を0.
    02〜0.5重量部および/または潜在性硬化剤を0.
    5〜10重量部含有する請求項1〜7のいずれか1項に
    記載の無溶剤型プライマー組成物。
  9. 【請求項9】塗板とポリウレタン系シーラントとの接着
    に使用される請求項1〜8のいずれか1項に記載の無溶
    剤型プライマー組成物。
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