JP3838264B2 - 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、建築分野をはじめ様々な分野で接着剤等に使用できる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤に関する。
従来より建材分野では、美観の向上や耐久性の付与等の要請から、合板、MDF(ミディアム デンシティ ファイバーボード)、パーチクルボード等の基材と、化粧シートなどの、その表面に装飾的な色や模様が施されているシート又はフィルムとを貼り合わせて得られる化粧造作部材が広く使用されている。
この化粧造作部材に一般的に使用される基材は、溝部、R部、及び逆R部等の複雑な形状部位を有することが多いことから、前記貼り合わせに使用される接着剤には、前記複雑な形状部位で前記シート等の剥離が生じないような優れた接着性を有することが要求される。かかる接着剤としては、これまで有機溶剤系の接着剤や、熱可塑性樹脂を主成分とするホットメルト接着剤が使用されていた。
しかし、有機溶剤系の接着剤を使用する場合は、化粧造作部材の製造工程途中で乾燥等の方法により有機溶剤を除去する必要があり、人体への悪影響、大気や水質の汚染、有機溶剤を蒸発させるための多大なエネルギー負荷など多くの問題があった。さらに接着剤層に有機溶剤の一部が残留した状態で基材とシート等を貼り合わせてしまうと、得られる化粧造作部材の表面平滑性が損なわれるという問題があった。また、前記ホットメルト接着剤は無溶剤タイプであるから、前記ホットメルト接着剤を使用すれば有機溶剤に起因した前記問題を解決できるものの、接着剤層の耐熱性、耐溶剤性等が十分でないという問題があった。
前記問題を解決することを目的として、化粧造作部材用の接着剤として各種湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤が検討されている。例えば、非結晶性のポリマーポリオールで構成される主鎖骨格を有し、該主鎖骨格を特定の低分子量グリコールとポリイソシアネートとで鎖長延長し、かつ末端に活性イソシアネート基が残存したウレタンプレポリマーからなる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤によれば、塗布後の可使時間が短縮されることなく、初期から十分な接着強さを発現できることが報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気硬化反応がほぼ完全に進行することにより発現する接着強さ、(以下、「最終接着強さ」という。)が、十分といえるものではなかった。
また、前記文献1に記載されている湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を用いて、溝部、R部、逆R部等の複雑な形状部位を有する基材とシート等とを貼り合わせた場合、貼り合わせてから最終接着強さが発現するまでの間に、基材の複雑な形状部位においてシート等の部分的な剥離が生ずるという問題があった。
また、結晶性脂肪族系ポリエステルジオールと、芳香族系ポリエステルジオールと、ジイソシアネートとを反応させて得られる両末端にイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂からなる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤が、初期接着性に優れることが報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、数平均分子量が2000〜10000の結晶性ポリオール及び数平均分子量が300〜800の非結晶性ポリオールとを含有する高分子ポリオール、及び有機ポリイソシアネートを反応させて得られるウレタンプレポリマーからなる木質化粧部材用湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤が、十分な初期接着力と最終接着力を発現でき、かつ溶融時に良好な粘度安定性を有することが報告されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、結晶性ポリエステルポリオール、非晶性ポリエステルポリオール及び/又は非晶性ポリエーテルポリオールを含有するポリオールの混合物と、ポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含有してなり、前記結晶性ポリエステルポリオールと、前記非晶性ポリエステルポリオール及び/又は非晶性ポリエーテルポリオールとが相溶状態である1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物が、湿気硬化後に加熱しても弾性率の減少がないことが報告されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、前記特許文献2〜4に記載されたいずれの湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を使用しても、基材にシート等を貼り合わせてから最終接着強さが発現されるまでの間に、基材の溝部やR部、逆R部等の複雑な形状部位においてシート等が部分的に剥離するという問題を完全に解決することができず、また、最終接着強さについても、未だ十分といえるものではなかった。
ところで、化粧造作部材は、一般的に、基材又はシート等に接着剤を塗布し、それらを貼り合わせ、圧着させる方法によって製造される場合が多い。このとき使用されるシート等としては、通常、数百m毎につなぎ目が存在するロール状のものが使用されることが多く、つなぎ目の部分を有するシート等が基材に貼り合わされた化粧造作部材は、外観不良であることから不良品となる。不良品を減らすことは、省資源化を図るうえで重要であり、特に基材は、シート等と比較して高コストであることから、不良品からシート等を剥離した基材を再利用できることが望ましい。
しかしながら、化粧造作部材用の接着剤に使用されている従来の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、前記のような基材からシート等が剥離してしまうという問題を防止するため初期接着強さを重視して開発されたものであったことから、該接着剤を用いて前記したような基材とシート等とを貼り合わせた場合、貼り合わせてから一定時間、目安として約3分程度経過してしまうと、前記不良品を構成する基材とシート等とを剥離することが困難となり、剥離できても該基材の表面に顕著な凹凸が形成されてしまうため、基材を再利用することができないという問題があった。
特開平04−028783号公報 特開平05−051573号公報 特開2002−194318号公報 特開2003−327647号公報
本発明が解決しようとする課題は、化粧造作部材に一般的に使用されている、溝部、R部、及び逆R部といった複雑な形状部位を有する基材と、シート又はフィルムとの貼り合わせに使用した場合に、前記基材の複雑な形状部位においても前記基材からシート又はフィルムが剥離することなく、かつ優れた最終接着強さが発現する湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記基材と前記シート等との貼り合わせに使用した場合に、貼り合わせてから一定時間内(概ね5分以内)であれば、前記基材の表面を侵すことなく前記基材からシート等を容易に剥離することができ、前記基材の再利用が可能となるレベルの初期接着強さを発現する、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を提供することである。
本発明者は、前記した課題を解決するためには、従来から使用されている湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤から発現される初期接着強さを向上させることが重要であると考え検討を進めた。しかしながら前記初期接着強さを向上させても、前記した基材の複雑な形状部位におけるシート等の剥離を防止することはできず、むしろ、前記接着剤の溶融粘度が高くなり、塗工作業性が低下するという問題が生じた。
さらに検討を進めたところ、ポリオールとして特定構造を有する長鎖脂肪族ポリエステルポリオールと、数平均分子量が3000以上と比較的分子量が大きい脂肪族ポリエーテルポリオールと、特定範囲の数平均分子量及び40℃以上のガラス転移温度を有する芳香族ポリエステルポリオールと、特定の数平均分子量及び20℃以下のガラス転移温度を有する芳香族ポリエステルポリオール(CII)とを組み合わせて用い、これらのポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含有してなる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を用いて、一般に化粧造作部材に使用されているような複雑な形状を有する基材とシート等とを貼り合わせた場合、経時的に基材からシート等が剥離することがなく、かつ優れた最終接着強さが発現することを見出した。
前記本発明者が見出した湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、前記したように優れた接着強さを発現するにもかかわず、前記貼り合わせてから一定時間内(概ね5分以内)であれば、前記基材の表面を侵すことなく前記基材からシート等を容易に剥離することもでき、前記基材の再利用が可能であることも見出した。
即ち、本発明は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含有してなり、前記ポリオールが、下記一般式(I)で示される長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)、3000〜15000の数平均分子量を有する脂肪族ポリエーテルポリオール(B)、1000〜5000の数平均分子量を有し、かつ40℃以上のガラス転移温度を有する芳香族ポリエステルポリオール(CI)、及び、400〜3500の数平均分子量及び20℃以下のガラス転移温度を有する芳香族ポリエステルポリオール(CII)を含むことを特徴とする湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤、を提供するものである。
Figure 0003838264
(一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数が偶数の直鎖のアルキレン基を示し、かつR及びRの有する炭素原子数の合計が12以上である。nは3〜40を示す。)
また、本発明は、前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を用いて基材とシート又フィルムとを貼り合わせることによって得られる化粧造作部材、を提供するものである。
なお、本発明でいうガラス転移温度とは、示差走査熱量計を使用して昇温速度10℃/分の条件で測定し検出された吸熱ピークにより求められた値である。
また、本発明でいう「最終接着強さ」とは、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を溶融状態で被接着物に塗布し、所望の被接着物どうしを貼り合わせた後、湿気硬化反応がほぼ完全に進行することにより発現する接着強さをいう。この「最終接着強さ」が発現するに至る条件は、使用する湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤によって異なるが、一般には前記の貼り合わせ後、温度23℃及び相対湿度65%の環境下で24時間程度養生させれば「最終接着強さ」が発現する。
本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を用いて、化粧造作部材に一般的に使用されている、溝部、R部、及び逆R部といった複雑な形状部位を有する基材と、シート又はフィルムとを貼り合わせた場合、基材の複雑な形状部位においても、経時的に該基材からシート等が剥離することなく、かつ最終接着強さも優れたものとなる。
加えて、前記のような優れた接着性能を有しながら、さらに、前記貼り合わせてから一定時間内(概ね5分以内)であれば、前記基材の表面を侵すことなく前記基材からシート等を容易に剥離することができ、前記基材を再利用することが可能となる。
前記のような優れた特徴を有することから、本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、建築分野等をはじめとする広範な分野で、きわめて利用価値の高いものである。
本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、後述する特定のポリオール及びポリイソシアネートとの反応物であるウレタンプレポリマーを主成分とし、必要によりその他公知の添加剤等を含有してなるものである。
前記本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を構成するウレタンプレポリマーとは、空気中やそれが塗布される基材中に存在する水分と反応して架橋構造を形成しうるイソシアネート基を分子内に有する化合物であって、常温で固体あるいは粘稠な性状を有するものである。一般に、ウレタンプレポリマーといわれるものは、比較的低分子量のものが多いが、当業者においては、数万の数平均分子量(Mn)を有するものもウレタンプレポリマーと称されており、本発明においても数万の数平均分子量を有するウレタンプレポリマーを使用することができる。
前記ウレタンプレポリマーの数平均分子量は、500〜30000の範囲が好ましく、1000〜10000の範囲がより好ましい。ウレタンプレポリマーの数平均分子量が前記範囲であれば、流動性や加工性に優れる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を得ることができる。
本発明で使用するウレタンプレポリマーは、湿気架橋反応性とホットメルト性の2つの特性を共に有する。
前記ウレタンプレポリマーが有する湿気架橋反応性は、ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基と湿気(水)が反応して開始する架橋反応に由来するものであり、ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基に起因する性質である。
一方、前記ウレタンプレポリマーが有するホットメルト性は、選択するウレタンプレポリマーの分子構造に起因する性質であり、常温では固体であるが加熱によって溶融して塗布可能となり、溶融状態で塗布し、冷えると固化し接着性を発現する性質である。
ホットメルトとは、常温では固体あるいは粘稠な性状であるが、加熱すると溶融し、流動状態あるいは液状となる性質もしくは物質の総称であり、例えばエチレン酢ビ系に代表されるホットメルトなどが一般に知られている。ホットメルトは、無溶剤型であるとともに、常温では固形あるいは粘稠な性状であるが、熱を加えると溶融して塗布が可能な状態となり、冷却により再度凝集力が出る性状を有すため、例えば、無溶剤型の接着剤やコーティング材などとして有用である。
ホットメルト性は軟化点と密接な関係があり、一般に使用するウレタンプレポリマーの軟化点が低いほど作業性は良好となり、逆に、軟化点が高いほど接着強度は良好になる傾向がある。
本発明で使用するウレタンプレポリマーの軟化点は、好ましくは40〜120℃の範囲であり、前記ウレタンプレポリマーの軟化点がかかる範囲であれば、作業性も良好であり、接着強さに優れる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤が得られる。なお、本発明でいう軟化点とは、ウレタンプレポリマーの温度を段階的に上昇させた場合に、熱流動し始め凝集力を失う温度をいう。
前記ウレタンプレポリマーの軟化点の調整方法としては、例えば、(1)ウレタンプレポリマーの分子量による調整方法、(2)原料としてポリエステルポリオールを使用した場合における、該ポリエステルポリオールのポリアルキレン鎖の結晶性による調整方法、(3)ポリオールやポリイソシアネートを用いた芳香族環式構造の導入による調整方法、(4)ウレタン結合の含有量による調整方法等を採用することができ、これらを単独で使用あるいは複数組み合わせて使用することができる。
前記ウレタンプレポリマーの軟化点の調整方法の(1)では、一般にウレタンプレポリマーの高分子量化に伴い、軟化点は上昇する傾向にある。尚、ウレタンプレポリマーの分子量の調整は、例えば、ポリイソシアネートとポリオールのモル比による調整、高分子量ポリオールの使用等の手法を採用することができ、特に制限はない。
また、前記ウレタンプレポリマーの軟化点の調整方法の(2)では、一般に、結晶性のポリエステルポリオールのポリアルキレン鎖の炭素数が多い程、得られるウレタンプレポリマーの結晶性が向上し、軟化点は上昇する傾向があり、また、結晶性のポリエステルポリオールの使用量が多い程、軟化点は上昇する傾向がある。
また、前記ウレタンプレポリマー(A)の軟化点の調整方法の(3)では、通常、ウレタンプレポリマー中の芳香族環式構造の含有量が多い程、軟化点は上昇する傾向がある。
また、前記ウレタンプレポリマーの軟化点の調整方法の(4)では、通常、ウレタン結合の含有量が多い程、軟化点が上昇する傾向がある。
本発明で使用するウレタンプレポリマーは、以下に説明する各種のポリオールとポリイソシアネートとを、前記ポリイソシアネートの有するイソシアネート基が、前記ポリオールの有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させることによって製造することができる。
前記ポリオールとしては、主成分として、下記一般式(I)で示される長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)、3000〜15000の数平均分子量を有する脂肪族ポリエーテルポリオール(B)、及び1000〜5000の数平均分子量を有し、かつ40℃以上のガラス転移温度を有する芳香族ポリエステルポリオール(CI)、及び400〜3500の数平均分子量及び20℃以下のガラス転移温度を有する芳香族ポリエステルポリオール(CII)を組み合わせて使用することが、本発明の課題を解決するうえで重要である。
はじめに長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)について説明する。
前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用する長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)は、一般式(I)で示される構造を有する。
Figure 0003838264
(一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立して炭素原子数が偶数である直鎖のアルキレン基を示し、かつR及びRの有する炭素原子数の合計は12以上である。nは3〜40を示す。)
前記一般式(I)中のRは、炭素原子数が偶数である直鎖のアルキレン基であり、RとRの有する炭素原子数の合計が12以上になる範囲で適宜選択することができるが、炭素数が4以上の偶数である直鎖のアルキレン基であることが好ましい。
前記一般式(I)中のRは、前記Rとは独立して炭素数が偶数である直鎖のアルキレン基であり、RとRの有する炭素原子数の合計が12以上になる範囲で適宜選択できるが、炭素原子数が10以上の偶数である直鎖のアルキレン基であることが好ましい。
前記R及びRが、それぞれ前記範囲の炭素原子数を有する直鎖のアルキレン基である長鎖脂肪族ポリエステルポリオールを使用することによって、得られるウレタンプレポリマーの結晶性が高まり、基材の複雑な形状部位における前記シート又はフィルムの剥離を防止できることが可能な湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を得ることができる。
前記一般式(I)中のnは3〜40であり、9〜25の範囲内であることが好ましく、9〜15の範囲がより好ましい。前記範囲内のnを有する長鎖脂肪族ポリエステルポリオールを使用することにより、適度な溶融粘度を有し塗装作業性に優れ、かつ基材と前記シート又はフィルムとを貼り合わせてから最終接着強さが発現するまでの間に、基材の複雑な形状部位における前記シート等の剥離を防止できる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を得ることができる。
前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)は、例えば炭素原子数が偶数である直鎖脂肪族ジオールと炭素原子数が偶数である直鎖脂肪族ジカルボン酸とを縮合反応させることによって製造することができる。前記直鎖脂肪族ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、10−デカンジオール等を使用することができ、好ましくは1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールを使用することができる。
前記直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等を使用することができ、好ましくはセバシン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸を使用することができる。
また、前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)を製造する際に使用する前記直鎖脂肪族ジオールと前記直鎖脂肪族ジカルボン酸との組み合わせは、前記一般式(I)で示されるRとR中に含まれる炭素原子数の合計が12以上、好ましくは12〜20の範囲で適宜選択することができる。なかでも、前記直鎖脂肪族ジオールとして1,6−ヘキサンジオールを、前記直鎖脂肪族ジカルボン酸として1,12−ドデカンジカルボン酸又はセバシン酸を反応させて得られる長鎖脂肪族ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)は、10000以下の数平均分子量を有することが好ましく、3000〜5000の範囲を有することがより好ましい。
前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)は、前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオール及びポリイソシアネートの全量100質量部に対して20〜60質量部の範囲で使用することが好ましく、20〜40質量部の範囲で使用することがより好ましい。前記範囲内の前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)を、後述する各種ポリオールと組み合わせ使用することによって、適度な溶融粘度を有し塗装作業性に優れ、かつ基材とシート又はフィルムとを貼り合わせた後の、基材の複雑な形状部位における前記シート等の剥離を防止することができる。
次に、本発明で使用する脂肪族ポリエーテルポリオール(B)について説明する。
前記脂肪族ポリエーテルポリオール(B)としては、3000〜15000の範囲の数平均分子量を有する公知の脂肪族ポリエーテルポリオールを使用することができ、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等を使用することができる。
前記脂肪族ポリエーテルポリオール(B)は、例えば後述する低分子量ポリオールを開始剤として使用し、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを開環重合させることによって製造することができる。また、開環重合によって得られた前記重合体に、さらにγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどを開環付加させることによって製造することも可能である。
前記脂肪族ポリエーテルポリオール(B)を製造する際に開始剤として使用可能な低分子量ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤から奏される最終接着強さをより優れたものとするためには、前記脂肪族ポリエーテルポリオール(B)として、ポリプロピレングリコール又はポリブチレングリコールを使用することが好ましい。
本発明で使用する脂肪族ポリエーテルポリオール(B)は、数平均分子量が3000以上と比較的高分子量のものを使用する必要があるが、一般に、前記ポリプロピレングリコール等の2級水酸基を分子末端に有するポリエーテルポリオールは、分子量が大きくなるにしたがってポリイソシアネートとの反応性が低下する傾向にある。
このポリイソシアネートとの反応性の低下を改善するためには、ポリプロピレングリコール等の両末端にエチレンオキシドを付加させて、両末端が1級水酸基となるように変性する手法が有効である。即ち、最終接着強さに優れ、かつポリイソシアネートとの反応性も良好である湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を得ること可能である点で、前記手法で得られたエチレンオキシド変性ポリプロピレングリコール及び/又はエチレンオキシド変性ポリブチレングリコールを使用することが好ましい。この場合、得られる脂肪族ポリエーテルポリオールにおけるエチレンオキシド由来の構造単位の含有量は、前記脂肪族ポリエーテルポリオール全体に対して20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。この範囲内であれば、前記優れた最終接着強さを損なうことなくポリイソシアネートとの反応性を向上させることができる。
前記脂肪族ポリエーテルポリオール(B)は、3000〜15000の範囲の数平均分子量を有するものであるが、なかでも3500〜5500の範囲の数平均分子量を有するものを使用することがより好ましい。かかる範囲内の数平均分子量を有する脂肪族ポリエーテルポリオール(B)を、前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)や後述する芳香族ポリエステルポリオール(CI)と組み合わせて使用することにより、基材とシート又はフィルムとを貼り合わせてから最終接着強さが発現するまでの間に、基材の複雑な形状部位における前記シート等の剥離を防止することができ、かつ優れた最終接着強さを発現できる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を得ることができる。
前記脂肪族ポリエーテルポリオール(B)は、前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオール及びポリイソシアネートの全量100質量部に対して5〜40質量部の範囲で使用することが好ましく、10〜20質量部の範囲で使用することがより好ましい。前記範囲内の脂肪族ポリエーテルポリオール(B)を使用することによって、優れた最終接着強さを発現できる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を得ることができる。
次に本発明で使用する1000〜5000の数平均分子量を有し、かつ40℃以上のガラス転移温度を有する芳香族ポリエステルポリオール(CI)について説明する。
前記芳香族ポリエステルポリオール(CI)は、例えば芳香族ポリカルボン酸と低分子量の脂肪族ポリオールとを縮合反応させる方法や、脂肪族ポリカルボン酸と低分子量の芳香族ポリオールとを縮合反応させる方法等によって製造することができる。
芳香族ポリエステルポリオール(CI)を製造する際に使用可能な前記芳香族ポリカルボン酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などが挙げられ、それらを単独で使用又は2種以上を併用することができる。また、前記脂肪族ポリカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカメチレンジカルボン酸等が挙げられる。
前記低分子量の脂肪族ポリオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等を使用することができる。
前記低分子量の芳香族ポリオールとしては、例えばビスフェノールAやビスフェノールF等に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、γ−ブチロラクトンやε−カプロラクトン等を開環付加反応させて得られる芳香族ポリオールを使用することができる。
芳香族ポリエステルポリオール(CI)としては、前記低分子量の脂肪族ポリオールとしてエチレングリコールやネオペンチルグリコールを、前記芳香族ポリカルボン酸としてイソフタル酸やテレフタル酸を、ガラス転移温度が40℃以上になるように適宜組み合わせ、公知の方法により縮合反応させて得られる芳香族ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
芳香族ポリエステルポリオール(CI)は、40℃以上のガラス転移温度を有するものであり、なかでも40〜80℃の範囲のガラス転移温度を有することがより好ましい。前記範囲内のガラス転移温度を有する芳香族ポリエステルポリオール(CI)を、前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)等と組み合わせ使用することによって、基材とシート又はフィルムとを貼り合わせてから最終接着強さが発現するまでの間に、基材の複雑な形状部位における前記シート等の部分的な剥離を防止することが可能な湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を得ることができる。
芳香族ポリエステルポリオール(CI)は、前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオール及びポリイソシアネートの全量100質量部に対して5〜25質量部の範囲で使用することが好ましく、10〜20質量部の範囲で使用することがより好ましい。
次に本発明で使用する400〜3500の数平均分子量を有し、かつ20℃以下のガラス転移温度を有する芳香族ポリエステルポリオール(CII)について説明する。
前記芳香族ポリエステルポリオール(CII)としては、例えばジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルなどの側鎖を有する低分子量のポリオール等と、前記芳香族ポリエステルポリオール(CI)を製造する際に使用できるものとして例示した芳香族ポリカルボン酸と同様のものとを反応させて得られる芳香族ポリエステルポリオールを使用することができる。
前記芳香族ポリエステルポリオール(CII)は20℃以下のガラス転移温度を有するが、−30〜20℃の範囲のガラス転移温度を有することがより好ましい。この範囲内であれば、さらに優れた最終接着強さを発現できる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を得ることができる。
前記芳香族ポリエステルポリオール(CII)は、前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオール及びポリイソシアネートの全量100質量部に対して、5〜20質量部の範囲で使用することが好ましく、10〜20質量部の範囲で使用することがより好ましく、更には前記芳香族ポリエステルポリオール(CI)及び前記芳香族ポリエステルポリオール(CII)の合計が10〜35質量部の範囲で使用することが好ましい。この範囲内であれば、優れた最終接着強さを発現できる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を得ることができる。
さらに本発明を構成するウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオールとしては、前記したポリオール以外にも、本発明の目的を阻害しない範囲でその他のポリオールを併用することができる。前記その他のポリオールとしては、例えば、前記芳香族ポリエステルポリオール(CI)以外のポリエステルポリオール、芳香族ポリエーテルポリオールや、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油系ポリオール等を使用することができる。
次に、前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリイソシアネートについて説明する。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネートあるいは脂環式構造を有するポリイソシアネートを使用することができる。これらのなかでも、本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は加熱溶融させて使用することから、加熱溶融時の蒸気圧が低いジフェニルメタンジイソシアネートを使用することが好ましい。
次に、本発明で使用するウレタンプレポリマーの製造方法について詳細に説明する。
本発明で使用するウレタンプレポリマーは、公知慣用の方法で製造することができる。例えば、反応容器中の前記ポリイソシアネートに、水分を除去したポリオール、すなわち長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)、脂肪族ポリエーテルポリオール(B)、芳香族ポリエステルポリオール(CI)、及び前記芳香族ポリエステルポリオール(CII)、必要に応じて前記その他のポリオールを、それぞれ別々に滴下又はそれらの混合物を滴下した後に加熱し、ポリオールの有する水酸基が実質的に無くなるまで反応させる方法によって製造することができる。前記ウレタンプレポリマーの製造は、通常、無溶剤で行うことができるが、有機溶剤中で反応させることによって製造してもよい。有機溶剤中で反応させる場合には、反応を阻害しない酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルエチルケトン、トルエン等の有機溶剤を使用することができるが、反応の途中又は反応終了後に減圧加熱等の方法により有機溶剤を除去することが必要である。
前記ウレタンプレポリマーを製造する際には、必要に応じてウレタン化触媒を使用することができる。ウレタン化触媒は、前記反応の任意の段階で、適宜加えることができる。
前記ウレタン化触媒としては、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン及びN−メチルモルホリンなどの含窒素化合物;酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛及びオクチル酸錫などの金属塩;ジブチル錫ジラウレートなどの有機金属化合物を使用することができる。
前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオールとポリイソシアネートとの使用割合は、前記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基と前記ポリオールが有する水酸基との当量比(以下、[イソシアネート基/水酸基]の当量比という。)が、1.1〜5.0の範囲内であることが好ましく、1.5〜3.0の範囲内であることがより好ましい。前記当量比をかかる範囲内に調整することによって、塗工性の良好な湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を得ることができる。
本発明で使用するウレタンプレポリマーは、主に長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)由来の構造単位を有するウレタンプレポリマーがマトリックスを形成し、該マトリックス中に、主に脂肪族ポリエーテルポリオール(B)由来の構造単位を有するウレタンプレポリマーや、主に芳香族ポリエステルポリオール(CI)由来の構造単位を有するウレタンプレポリマーや、主に芳香族ポリエステルポリオール(CII)由来の構造単位を有するウレタンプレポリマーから構成されるドメインがそれぞれ分散した、いわゆる海島型の相分離構造を有していることが好ましい。前記海島型の相分離構造を有するウレタンプレポリマーを使用することによって、基材とシート又はフィルムとを貼り合わせてから最終接着強さが発現するまでの間に、基材の複雑な形状部位における前記シート等の剥離を防止することができ、かつ優れた最終接着強さを発現できる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を得ることができる。
前記マトリックス中に形成されるドメインの平均ドメイン径は、好ましくは1〜1000μmの範囲であり、より好ましくは1〜100μmの範囲である。尚、本発明で言う平均ドメイン径とは、光学顕微鏡で200個のドメインの径を測定し、それらを平均して求めた値である。
本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、125℃における溶融粘度が2000〜9000mPa・sの範囲であることが好ましい。前記範囲内であれば湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を用いて、建材用途の化粧造作部材に一般に使用される基材とシート又はフィルムとを貼り合わせて接着した場合、貼り合わせてから一定時間内、目安として5分以内であれば、前記基材の表面を侵すことなく前記シート等を容易に剥離することができる。
本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤には、前記ウレタンプレポリマーの他に、必要に応じて、粘着付与剤、硬化触媒、可塑剤、安定剤、充填材、染料、顔料、蛍光増白剤、シランカップリング剤、ワックス等の添加剤、熱可塑性樹脂等を本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜、選択して使用することができる。
前記粘着付与剤としては、例えばロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエステル系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、水添テルペン系樹脂や、石油樹脂としてC5系の脂肪族樹脂、C9系の芳香族樹脂、およびC5系とC9系の共重合樹脂等を使用することができる。
前記可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、トリオクチルホスフェート、エポキシ系可塑剤、トルエン−スルホアミド、クロロパラフィン、アジピン酸エステル、ヒマシ油等を使用することができる。
前記安定剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等を使用することができる。
前記充填材としては、例えばケイ酸誘導体、タルク、金属粉、炭酸カルシウム、クレー、カーボンブラック等を使用することができる。
次に、本発明の化粧造作部材について説明する。
本発明の化粧造作部材は、前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を用いて、下記するような基材とシート又はフィルムとを貼り合わせることによって製造することができ、例えば階段の踏板、ドア枠、窓枠、敷居、手摺り等に使用することができる。
前記基材としては、例えば、合板、MDF(ミディアム デンシティ ファイバーボード)、パーチクルボード等の木質基材や、アルミ、鉄等の金属基材等を使用することができる。前記基材は、溝部、R部、逆R部等の複雑な形状の部位を有していてもよい。
前記シート又はフィルムとしては、例えばポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、ポリカーボネート、塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂からなるシート等や、紙、突板、金属箔等を使用することができる。
前記シート又はフィルムは、一般に化粧紙、化粧板用原紙、化粧シートなどと称呼されている、その表面に、装飾的な無地若しくは多彩な色、又は模様が施されているものも使用することができる。また、それらの裏面には、樹脂等によりプライマー処理が施されていても良い。
本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を用いて、前記基材と前記シート又はフィルムとを貼り合わせる方法としては、例えば前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を60〜150℃の範囲に加熱することで溶融させ、ロールコーター、スプレーコーター、T−ダイコーター、ナイフコーター等を用いて基材上に塗布し、その塗布面に前記シート等を貼り合わせるか、又は前記ロールコーター等を用いて前記シート等の上に塗布し、その塗布面に前記基材を貼り合わせて、ロールプレス、フラットプレス、ベルトプレス等の方法で前記基材の形状に合わせて適宜、圧着させる方法が挙げられる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
合成例1<長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)の調製例>
2リットルのフラスコに1,12−ドデカンジカルボン酸(分子量230.30)を1150質量部、1,6−ヘキサンジオール(分子量118.17)を615質量部、及びエステル化触媒としてテトライソプロポキシチタンを0.007質量部を添加し、120℃でそれらを溶融した。次いで、撹拌しながら3〜4時間かけて220℃へ昇温し4時間保持した後、100℃に冷却することによって、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)(数平均分子量3500、酸価0.4、水酸基価31.6)を調製した。
合成例2<長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−2)の調製例>
合成例1に記載の1,12−ドデカンジカルボン酸の代わりにセバシン酸を1000質量部使用する以外は、合成例1と同様の方法で反応させることによって長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−2)(数平均分子量3000、酸価0.5、水酸基価31.5)を調製した。
合成例3<脂肪族ポリエステルポリオール(A’−3)の調製例>
合成例1に記載の1,12−ドデカンジカルボン酸の代わりにアジピン酸を720質量部使用する以外は、合成例1と同様の方法で反応させることによって長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A’−3)(数平均分子量4500、酸価0.1、水酸基価24.8)を調製した。
Figure 0003838264
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、下記表2に記載の各種ポリエーテルポリオール(B−1)〜(B’−7)を使用した。なお、表2において、PPGは、ポリプロピレングリコールを表し、EO−PPGは、ポリプロピレングリコールの両末端にエチレンオキシドを開環付加させて得られたエチレンオキシド変性ポリプロピレングリコールを表す。
Figure 0003838264
合成例4<芳香族ポリエステルポリオール(CI−1)の調製例>
2リットルの四つ口フラスコ内に、エチレングリコールを140質量部、ネオペンチルグリコールを170質量部、イソフタル酸を350質量部、及びテレフタル酸を350質量部、ブチル酸スズを0.03質量部加え220℃で反応させることによって、ガラス転移温度が55℃の芳香族ポリエステルポリオール(CI−1)を調製した。
合成例5<芳香族ポリエステルポリオール(CI−2)の調製例>
2リットルの四つ口フラスコ内に、エチレングリコールを125質量部、ネオペンチルグリコールを210質量部、イソフタル酸を350質量部、テレフタル酸を280質量部及びアジピン酸を50質量部、ブチル酸スズを0.03質量部加え220℃で反応させることによって、ガラス転移温度が40℃の芳香族ポリエステルポリオール(CI−2)を調製した。
合成例6<芳香族ポリエステルポリオール(CII−1)の調製例>
2リットルの四つ口フラスコ内に、1,5−ペンタンジオールを450質量部、及びo−フタル酸を550質量部加え、ブチル酸スズを0.03質量部加え220℃で反応させることによって、ガラス転移温度が20℃以下の芳香族ポリエステルポリオール(CII−1)を調製した。
Figure 0003838264
《実施例1》
1リットル4ツ口フラスコ内でポリエーテルポリオール(B−1)150質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)450質量部、芳香族ポリエステルポリオール(CI−1)200質量部、及び芳香族ポリエステルポリオール(CII−1)150質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを230質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応させることによってウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、粘着性付与剤としてスーパーエステルA100(ロジンエステル、荒川化学工業株式会社製)を50質量部加え均一に攪拌し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を、125℃で加熱溶融させたときの溶融粘度をICI型コーンプレート粘度計(ICI社製、コーン直径:19.5mm、コーン角度:2.0°)を用いて測定したところ、6500mPa・sであった。また、得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を150cmの瓶に入れ、約107℃で加熱溶融させで溶融状態を観察したところ、白濁していた。
以下、実施例及び比較例で示す溶融粘度は、前記と同様の条件で測定した値である。
また、得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を約107℃で加熱溶融させプレパラート上に塗布した。次いでプレパラートを100℃に加熱し湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融状態を偏光顕微鏡で観察したところ、図2に示したような海島型の相分離構造がみられた。
《実施例2》
1リットル4ツ口フラスコ内でポリエーテルポリオール(B−2)200質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)200質量部、脂肪族ポリエステルポリオール(A’−3)150質量部、及び芳香族ポリエステルポリオール(CI−1)150質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを140質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応させてウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、硬化触媒としてU−CAT660M(2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、サンアプロ株式会社製)を0.5質量部加え均一に攪拌し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は9000mPa・sであり、溶融状態では白濁していた。
《実施例3》
1リットル4ツ口フラスコ内でポリエーテルポリオール(B−3)150質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)200質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−2)150質量部、脂肪族ポリエステルポリオール(A’−3)80質量部、芳香族ポリエステルポリオール(CI−1)200質量部、及び芳香族ポリエステルポリオール(CII−1)50質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを170質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応させてウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、U−CAT660M(2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、サンアプロ株式会社製)を0.5質量部と、スーパーエステルA100(ロジンエステル、荒川化学工業株式会社製)を50質量部加え均一に攪拌し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は7000mPa・sであり、溶融状態では、白濁していた。
《実施例4》
1リットル4ツ口フラスコ内でポリエーテルポリオール(B−4)150質量部、ポリエーテルポリオール(B’−6)50質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)200質量部、脂肪族ポリエステルポリオール(A’−3)150質量部、芳香族ポリエステルポリオール(CI−1)150質量部、及び芳香族ポリエステルポリオール(CII−1)100質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを155質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応させてウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、U−CAT660M(2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、サンアプロ株式会社製)を0.5質量部加え均一に攪拌し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は8000mPa・sであり、溶融状態では白濁していた。
《実施例5》
1リットル4ツ口フラスコ内でポリエーテルポリオール(B−3)100質量部、ポリエーテルポリオール(B−4)50質量部、ポリエーテルポリオール(B’−5)50質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)200質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−2)200質量部、芳香族ポリエステルポリオール(CI−1)150質量部、及び芳香族ポリエステルポリオール(CII−1)70質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを230質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応させてウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、U−CAT660M(2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、サンアプロ株式会社製)を1質量部と、スーパーエステルA100(ロジンエステル、荒川化学工業株式会社製)を50質量部加え均一に攪拌し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は8000mPa・sであり、溶融状態では、白濁していた。
《実施例6》
1リットル4ツ口フラスコ内でポリエーテルポリオール(B−1)150質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)200質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−2)180質量部、芳香族ポリエステルポリオール(CI−2)200質量部、及び芳香族ポリエステルポリオール(CII−1)100質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを170質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応させてウレタンプレポリマーを調製し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は6000mPa・sであり、溶融状態では、白濁していた。
《比較例1》
1リットル4ツ口フラスコ内でポリエーテルポリオール(B−3)200質量部、脂肪族ポリエステルポリオール(A’−3)200質量部、芳香族ポリエステルポリオール(CI−1)300質量部、及び芳香族ポリエステルポリオール(CII−1)100質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを200質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応させてウレタンプレポリマーを調製し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は8500mPa・sであり、溶融状態では、白濁していた。
《比較例2》
1リットル4ツ口フラスコ内で長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)650質量部、脂肪族ポリエステルポリオール(A’−3)220質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを130質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応させてウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、U−CAT660M(2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、サンアプロ株式会社製)を0.5質量部と、スーパーエステルA100(ロジンエステル、荒川化学工業株式会社製)を50質量部加え均一に攪拌し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は4000mPa・sであり、溶融状態では、透明であった。
また、得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を加熱溶融しプレパラートに塗布した。次いで、プレパラートを100℃に加熱し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融状態を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、図2に示したように海島型の相分離構造は見られなかった。
《比較例3》
1リットル4ツ口フラスコ内で長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)600質量部、及び芳香族ポリエステルポリオール(CI−1)220質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを180質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応させてウレタンプレポリマーを調製し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は12000mPa・sであり、溶融状態では、透明であった。
《比較例4》
1リットル4ツ口フラスコ内でポリエーテルポリオール(B−3)300質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)200質量部、及び芳香族ポリエステルポリオール(CII−1)300質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを200質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応させてウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、スーパーエステルA100(ロジンエステル、荒川化学工業株式会社製)を50質量部加え均一に攪拌し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は13000mPa・sであり、溶融状態では、白濁していた。
《比較例5》
1リットル4ツ口フラスコ内でポリエーテルポリオール(B’−5)150質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A’−3)500質量部、及び芳香族ポリエステルポリオール(CII−1)150質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを200質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応してウレタンプレポリマーを調製し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は20000mPa・sであり、溶融状態では、透明であった。
《比較例6》
1リットル4ツ口フラスコ内でポリエーテルポリオール(B’−6)200質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)200質量部、脂肪族ポリエステルポリオール(A’−3)150質量部、芳香族ポリエステルポリオール(CI−1)150質量部、及び芳香族ポリエステルポリオール(CII−1)100質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを170質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応してウレタンプレポリマーを調製し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は16000mPa・sであり、溶融状態では、白濁していた。
《比較例7》
1リットル4ツ口フラスコ内でポリエーテルポリオール(B’−7)200質量部、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A−1)200質量部、脂肪族ポリエステルポリオール(A’−3)150質量部、芳香族ポリエステルポリオール(CI−1)150質量部、及び芳香族ポリエステルポリオール(CII−1)100質量部を100℃に減圧加熱し、4ツ口フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
70℃に冷却した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを140質量部加え、100℃に昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで約3時間反応してウレタンプレポリマーを調製し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を調製した。得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は12000mPa・sであり、溶融状態では、白濁していた。
[化粧造作部材の作製]
溶融装置(ノードソン株式会社製、MC−12)を用いて、実施例及び比較例で得られた各湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を、それぞれ110℃の温度で1時間溶融させた。次に、表面には木目模様が印刷され、裏面にはプライマー処理が施された厚さ180μmのポリプロピレンからなるシートを、プロフィールラミネーターPL−300−PUR(株式会社丸仲鐵工所製PURラッピング機)を用いて、40m/分の速度で供給し、加熱溶融状態の各湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を、120℃に温度調節したTダイコーター(ノードソン株式会社製、EP51)で、40μmの厚さとなるように前記ポリプロピレンからなるシートの裏面に塗布し、直ちに図1に示すMDF(ミディアムデンシティファイバーボード)からなる基材の形状に沿って貼り合わせ、圧着ローラーで圧着し化粧造作部材を得た。得られたそれぞれの化粧造作部材の接着状態、初期接着強さ等の評価結果を表4及び表5に示した。
[接着状態]
前記基材と前記ポリプロピレンからなるシートとを貼り合わせ、圧着した後に、温度23℃、相対湿度65%の環境下で24時間養生して得られた化粧造作部材の溝部や逆R部、即ち図1に示す基材の逆R部(1)及び溝部(2)に相当する部分における前記シートの膨れや剥離の有無を目視で評価した。
○:膨れ、剥離等の異常がない。
△:一部に膨れ、剥離等の異常が見られる。
×:全面にわたって膨れ、剥離等の異常が見られる。
[初期接着強さ]
前記基材と前記ポリプロピレンからなるシートとを貼り合わせ、圧着した後に、温度23℃、相対湿度65%の環境下で3分間養生して得られた化粧造作部材の平面部、即ち図1で示す基材の平面部(3)に相当する部分を用いて、180°剥離試験を行い、その剥離強さを評価した。前記180°剥離試験は、同環境下で引張試験器(株式会社今田製作所社製 STD−201NA)を用いて引張速度200mm/分の条件で行った。湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤に求められる初期接着強さとしては、使用する用途によって異なるものの、概ね5〜10N/25mmの範囲であれば、建築部材用途に使用するうえで十分な性能であり、かつ基材の再利用を図ることができるとされている。
[最終接着強さ]
前記基材と前記ポリプロピレンからなるシートとを貼り合わせ、圧着した後に、温度23℃、相対湿度65%の環境下で24時間養生して得られた化粧造作部材の平面部、即ち図1で示す基材の平面部(3)に相当する部分を用いて、180°剥離試験を行い、その剥離強さを評価した。前記180°剥離試験は、同環境下で引張試験器(株式会社今田製作所社製 STD−201NA)を用いて引張速度200mm/分の条件で行った。湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤に求められる最終接着強さとしては、使用する用途によって異なるものの、概ね20N/25mm以上であれば、建築部材用途に使用するうえで十分な性能であるとされている。
[基材再生の評価基準]
前記基材と前記ポリプロピレンからなるシートとを貼り合わせ、圧着して化粧造作部材を作製した直後に、前記基材と前記シートとを剥離した。次いで、前記シートを剥離した基材に、前記「化粧造作部材の作製」と同様の方法で新たなポリプロピレンからなるシートを貼り合わせ、圧着することにより化粧造作部材(再生品)を作製した。前記化粧造作部材(再生品)の表面状態を目視で観察し、表面平滑性に優れるものを「再生可能」と評価し、表面に著しい凸凹がみられるものを「再生不可」と評価した。
Figure 0003838264
表4中の「4,4’−MDI」は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを表し、「カルボジイミド変性MDI」は、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを表す。
Figure 0003838264
表5中の「4,4’−MDI」は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを表し、「カルボジイミド変性MDI」は、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを表す。
基材の模式図を示す。 実施例1で得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤が、溶融状態では海島型の相分離構造であることを示す偏光顕微鏡写真である。 比較例2で得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤が、溶融状態では均一な構造であることを示す偏光顕微鏡写真である。

Claims (8)

  1. ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含有してなり、
    前記ポリオールが、一般式(I)で示される長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)、3000〜15000の数平均分子量を有する脂肪族ポリエーテルポリオール(B)、1000〜5000の数平均分子量を有し、かつ40℃以上のガラス転移温度を有する芳香族ポリエステルポリオール(CI)、及び、400〜3500の数平均分子量を有し、かつ20℃以下のガラス転移温度を有する芳香族ポリエステルポリオール(CII)を含むことを特徴とする、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
    Figure 0003838264
    (一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数が偶数である直鎖のアルキレン基を示し、かつR及びRの有する炭素原子数の合計は12以上である。nは3〜40を示す。)
  2. 前記脂肪族ポリエーテルポリオール(B)が、3000〜15000の数平均分子量を有するポリプロピレングリコール又はポリブチレングリコールである、請求項1に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  3. 前記脂肪族ポリエーテルポリオール(B)が、ポリプロピレングリコール又はポリブチレングリコールの分子の両末端にエチレンオキシドを付加させて得られた、エチレンオキシド変性ポリプロピレングリコール又はエチレンオキシド変性ポリブチレングリコールである、請求項1に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  4. 前記脂肪族ポリエーテルポリオール(B)が、前記脂肪族ポリエーテルポリオール(B)全体に対して20質量%以下のエチレンオキシド由来の構造単位を有する、請求項3に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  5. 前記ウレタンプレポリマーが、前記ポリオール及び前記ポリイソシアネートの全量100質量部に対して前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(A)を20〜60質量部、前記脂肪族ポリエーテルポリオール(B)を5〜40質量部、前記芳香族ポリエステルポリオール(CI)を5〜20質量部、及び前記芳香族ポリエステルポリオール(CII)を5〜20質量部含み、かつ前記芳香族ポリエステルポリオール(CI)と前記芳香族ポリエステルポリオール(CII)との合計が10〜35質量部であるポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させて得られるものである、請求項1に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  6. 前記ウレタンプレポリマーが、海島型の相分離構造を有するものである、請求項1に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  7. 125℃における溶融粘度が2000〜9000mPa・sの範囲である、請求項1に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  8. 請求項1に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を用いて、基材とシート又はフィルムとを貼り合わせて得られる化粧造作部材。
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