JP4851401B2 - 反応性ホットメルト接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、反応性ホットメルト接着剤に関する。さらに詳しくは、環境温度に依存することなく優れた初期凝集力を示す反応性ホットメルト接着剤に関する。
従来、反応性ホットメルト接着剤として、ポリエステル系またはポリエーテル系ウレタンプレポリマーと低分子量キシレン樹脂からなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2651640号公報
しかしながら、上記反応性ホットメルト接着剤は塗布後の接着可能時間の長さおよび硬化後の弾性には優れるものの、環境温度依存性が大きく夏場の高温時には凝集力が低下し、冬場の低温時には固くなり塗工直後の接着不良を起こすため、夏場用、冬場用としてそれぞれ組成を調整する必要があった。また、塗工時に長時間加熱した状態で放置しておくと熱安定性が悪いため塗工機内で増粘(ゲル化)するといった問題があった。
本発明の目的は、熱安定性に優れ、環境温度に依存することなく優れた初期凝集力(初期接着強度)を示す反応性ホットメルト接着剤を提供することにある。
本発明者らは、上記問題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、ポリイソシアネート(a)と、芳香環含有ポリエーテルポリオール(b1)および脂肪族ポリエステルポリオール(b3)を含有するポリオール(b)から形成されるウレタンプレポリマーを含有する反応性ホットメルト接着剤である。
本発明の反応性ホットメルト接着剤は下記の効果を奏する。
(1)熱安定性に優れる。
(2)環境温度に依存することなく、優れた初期接着強度を示す。
(3)該接着剤を硬化させてなる硬化物は耐熱クリープ性に優れる。
なお、初期接着強度とは塗工10分後に測定される接着強度であり完全硬化前の接着強度を表す。
本発明において、ポリイソシアネート(a)としては、2官能〜3官能またはそれ以上のポリイソシアネートで、炭素数(以下Cと略記)(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、C2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、C4〜15の脂環含有ポリイソシアネート、C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種類以上の混合物が含まれる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート(以下DIと略記することがある)[1,3−および/または1,4−フェニレンDI、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジ
イソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等]、3官能以上のポリイソシアネート[4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、粗製TDI、粗製MDI等]等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート[エチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンDI、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、等]、トリイソシアネート[2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート等]等が挙げられる。
脂環含有ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネート等]、トリイソシアネート[ビシクロヘプタントリイソシアネート等]等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート[m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等]等が挙げられる。
また、ポリイソシアネートの変性物としては、変性(ウレタン変性、カルボジイミド変性、トリヒドロカルビルホスフェート変性等)MDI、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物、およびこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート基含有プレポリマー)との併用]が挙げられる。
これらのうち後述する接着剤の凝集力(以下凝集力と略記)の観点から好ましいのはHDI、IPDI、TDI、MDI、XDI、TMXDI、水添MDI、水添TDI、特に好ましいのはHDIおよびMDIである。
ポリオール(b)は、下記(b1)および/または(b2)、並びに(b3)からなり、必要により(b4)を用いることができる。
(b1):芳香環含有ポリエーテルポリオール
(b2):芳香環含有ポリエステルポリオール
(b3):脂肪族ポリエステルポリオール
(b4):その他のポリオール
芳香環含有ポリエーテルポリオール(b1)には、フェノールおよび/または芳香族ジカルボン酸にC2〜4のアルキレンオキシド(以下AOと略記)を付加したものが含まれる。
フェノールとしては、2価フェノール〔単環[C6〜18、例えばカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ジヒドロキシメチルベンゼン]、多環[C10〜30、例えばビスフェノールA、−Fおよび−S、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、ビナフトール]およびこれらのアルキル(C1〜10)またはハロゲン置換体等〕;3価フェノール〔単環[C6〜24、例えばピロガロール]、多環[C10〜30、例えばアントシアニン]およびこれらのアルキル(C1〜10)またはハロゲン置換体等〕が挙げられる。
これらのうち凝集力の観点から好ましいのは、2価フェノール、さらに好ましいのは多環、とくにビスフェノールAおよび−Fである。
芳香族ジカルボン酸としては、単環[C8〜24、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フェニルマロン酸、ホモフタル酸、フェニルコハク酸、β−フェニルグルタル酸、α−およびβ−フェニルアジピン酸]および多環[C14〜30、例えばビフェニル−2,2’および−4,4’−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等]が挙げられる。これらのうち凝集力の観点から好ましいのは、単環芳香族ジカルボン酸、さらに好ましいのはテレフタル酸およびイソフタル酸である。
上記AOとしてはエチレンオキシド、プロピレンオキシド(以下それぞれEO、POと略記)、1,2−、1,3−、2,3−および1,4−ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の併用系[付加形式はブロック付加(チップ型、バランス型、活性セカンダリー型等)および/またはランダム付加のいずれでもよい。]が挙げられる。これらのうち工業上の観点から好ましいのは、EOおよび/またはPOである。
AOのフェノールまたは芳香族ジカルボン酸への付加モル数は凝集力の観点から好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2〜50モルである。
AOの付加反応は、公知の方法で行うことができ、無触媒で、または触媒(アルカリ触媒、アミン触媒、酸性触媒等)の存在下で(特に付加反応の後半の段階で)、常圧または加圧下に1段階または多段階で行なわれる。
(b1)の数平均分子量[以下Mnと略記。測定は例えば下記の条件でのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。以下同じ。]は、凝集力および溶融粘度の観点から好ましくは300〜20,000、さらに好ましくは500〜10,000である。
(GPC法によるMn測定条件)
溶 媒 :テトラヒドロフラン
基準物質 :ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)
サンプル濃度:0.25wt/vol%
カラム温度 :23℃
カラム種類 :架橋スチレン微粒子ゲル[商品名「Super H−L」、「Super
H4000」、「Super H3000」および「Super
H2000」、東ソー(株)製]
(b1)中の芳香環含量は、(b1)の重量に基づき凝集力および溶融粘度の観点から好ましくは10〜90%、さらに好ましくは20〜80%、とくに好ましくは30〜70%である。
芳香環含有ポリエステルポリオール(b2)としては、構成成分のうちのいずれか(ポリオールおよび/またはジカルボン酸)が芳香環を含有する、ポリオールとジカルボン酸から形成されるものが使用できる。(b2)中の芳香環はポリオールまたはジカルボン酸のいずれに由来してもよい。
(b2)中の芳香環含量は(b2)の重量に基づき、凝集力および溶融粘度の観点から好ましくは10〜90%、さらに好ましくは20%〜80%、最も好ましくは30%〜70%である。
ポリオールにはアルコールおよびポリエーテルポリオールが含まれる。
アルコールとしては、2価{C2〜20、例えば脂肪族[エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、1,3−および1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−、1,4−、1,6−および2,5−ヘキサンジオール(以下それぞれEG、DEG、PG、DPG、BD、NPG、HDと略記)、1,2−および1,8−オクタンジオール、1,10−
デカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等]、アルキル(C1〜3)ジアルカノールアミン、環を有するもの〔脂環含有[1−ヒドロキシメチル−1−シクロブタノール、1,2−、1,3−、1,4−および1−メチル−3,4−シクロヘキサンジオール、2−および4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等]、芳香環含有[m−およびp−キシリレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、2−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−フェニル−1,4−ブタンジオール、2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、トリフェニルエチレングリコール、テトラフェニルエチレングリコールおよびベンゾピナコール等]等〕等}、3価[C3〜20、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン(以下それぞれGR、TMPと略記)、ヘキサントリオール等]、4価またはそれ以上の多価アルコール[C5〜20、例えばペンタエリスリトール(以下PEと略記)、ソルビタン、ソルビトール、シュ−クローズ等)等が挙げられる。これらのうち接着性の観点から好ましいのは、2価および3価アルコールである。
ポリエーテルポリオールとしては、上記アルコールまたは前記フェノールのAO付加物が挙げられる。AOとしては前記のものが挙げられ、工業上の観点から好ましいのはEOおよびPOである。
AOの付加モル数は、凝集力の観点から好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2〜50モルである。
ポリエーテルポリオールのOH当量(OH基1個当たりの分子量)は、柔軟性および溶融粘度の観点から好ましくは100〜3,000さらに好ましくは150〜1,000である。
上記ポリオールのうち、接着性の観点から好ましいのは脂肪族アルコールおよび芳香環含有ポリエーテルポリオールであり、さらに好ましいのは1,4−BD、1,6−HD、およびビスフェノールAのAO付加物である。
ジカルボン酸としては前記の芳香族ジカルボン酸、脂肪族(飽和もしくは不飽和)ジカルボン酸および脂環含有ジカルボン酸が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸のうち、飽和脂肪族ジカルボン酸としては、C2〜24、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、ジメチルマロン酸、β−メチルグルタル酸、エチルコハク酸、イソプロピルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸およびエイコサンジカルボン酸、および不飽和脂肪族ジカルボン酸としては、C4〜24、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸およびメサコン酸が挙げられる。
また、脂環含有ジカルボン酸としては、C6〜30、例えば1,3−および1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジ酢酸、ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸が挙げられる。
これらのうち接着性の観点から好ましいのは脂肪族ジカルボン酸、さらに好ましいのはC2〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸である。
(b2)のMnは、凝集力および溶融粘度の観点から好ましくは300〜20,000、さらに好ましくは500〜10,000である。
脂肪族ポリエステルポリオール(b3)には、(b31)脂肪族2価アルコールと脂肪
族ジカルボン酸との縮合により形成されるもの、(b32)ラクトンを重合させて得られるものおよび(b33)ヒドロキシカルボン酸を重合させて得られるものからなる群から選ばれる少なくとも1種が含まれる。
(b31)を構成する脂肪族2価アルコールとしては、前記アルコールのうちの2価のものが挙げられる。これらのうち接着性の観点から好ましいのは、EG、1,4−BD、NPG、1,6−HDである。
脂肪族ジカルボン酸としては、前記ジカルボン酸のうちの飽和および不飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。これらのうち接着性の観点から好ましいのは飽和脂肪族ジカルボン酸、さらに好ましいのはアジピン酸、セバシン酸である。
(b32)を構成するラクトンとしては、C4〜20、例えばγ−ブチロラクトン、γ−およびδ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ピメロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−デカノラクトン、エナントラクトン、ラウロラクトン、ウンデカノラクトンおよびエイコサノラクトンが挙げられ、単独でも2種以上を併用してもよい。
これらのうち後述する接着剤の温度依存性の観点から好ましいのはγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトンおよびラウロラクトン、さらに好ましいのはε−カプロラクトンである。
(b32)の製造に際しては、開環重合の開始剤としてポリオール(2価またはそれ以上)が用いられる。ポリオールとしては、C2〜18のジオール、例えばEG、BD、NPG、HD等が挙げられる。
(b33)を構成するヒドロキシカルボン酸としては、C2〜20、例えばヒドロキシ酢酸、乳酸、ω−ヒドロキシカプロン酸、ω−ヒドロキシエナント酸、ω−ヒドロキシカプリル酸、ω−ヒドロキシペルゴン酸、ω−ヒドロキシカプリン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸および20−ヒドロキシエイコサン酸が挙げられ、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。これらのうち温度依存性の観点から好ましいのは乳酸、ω−ヒドロキシカプロン酸および12−ヒドロキシドデカン酸である。
上記芳香環含有ポリエステルポリオール(b2)、および脂肪族ポリエステルポリオール(b3)が(b31)の場合において、構成成分であるポリオールとジカルボン酸とのエステル化反応の当量比は溶融粘度および接着性の観点から好ましくは100.5/100〜200/100、さらに好ましくは101/100〜150/100である。
該エステル化反応は、無触媒でも、エステル化触媒を使用してもよい。エステル化触媒としては、プロトン酸(リン酸等)、金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、2B、4A、4Bおよび5B金属等)の、カルボン酸(C2〜4)塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、塩化物、水酸化物、アルコキシド等が挙げられる。
これらのうち反応性の観点から好ましいのは2B、4A、4Bおよび5B金属の、カルボン酸(C2〜4)塩、酸化物、アルコキシド、生成物の低着色性の観点からさらに好ましいのは三酸化アンチモン、モノブチル錫オキシド、テトラブチルチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラブチルジルコネート、酢酸ジルコニル、酢酸亜鉛である。 エステル化触媒の使用量は、所望の分子量が得られる量であれば特に制限はないが、ポリオールとジカルボン酸の合計重量に基づいて、反応性および低着色性の観点から好ましくは0.005〜3%、さらに好ましくは0.01〜1%である。
エステル化反応は窒素等不活性ガス存在下、常圧または減圧下(例えば133Pa以下)で行われる。また、反応を促進するため、有機溶剤を加えて還流させることもできる。反応終了後は有機溶剤を除去する。なお、有機溶剤としては、水酸基のように活性水素を有しないものであれば特に制限はなく、例えば炭化水素(トルエン、キシレン等)、ケト
ン(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル等)が挙げられる。
反応温度は通常120〜250℃、好ましくは150〜230℃である。反応時間は通常1〜40時間、好ましくは3〜24時間である。
反応の終点は酸価(AV)を測定することで判断できる。反応終点の酸価は反応安定性の観点から好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下である。
(b3)のOH価は、溶融粘度と接着性の観点から好ましくは0.5〜450、さらに好ましくは1〜280;Mnは、好ましくは500〜200,000、さらに好ましくは1,000〜100,000である。
また、(b31)のOH価は、溶融粘度と接着性の観点から好ましくは5〜450、さらに好ましくは10〜280、特に好ましくは25〜140;(b32)および(b33)のOH価は、溶融粘度と凝集力の観点から好ましくは0.5〜50、さらに好ましくは0.8〜30、特に好ましくは1〜20である。
(b3)のうちでは初期接着強度の観点から好ましいのは、(b31)と、(b32)および/または(b33)との併用、並びに(b31)、さらに好ましいのは(b31)と、(b32)および/または(b33)との併用である。
(b31)と、(b32)および/または(b33)とを併用する場合のうち、(b31)/(b32)/(b33)併用系では(b3)の合計重量に基づきその割合は、好ましくは(10〜99)/(45〜0.5)/(45〜0.5)、さらに好ましくは(30〜95)/(35〜2.5)/(35〜2.5)、特に好ましくは(50〜90)/(25〜5)/(25〜5)であり;(b31)/(b32)または(b31)/(b33)併用系では(b3)の合計重量に基づきその割合は、好ましくは(10〜99)/(90〜1)、さらに好ましくは(30〜95)/(70〜5)、特に好ましくは(50〜90)/(50〜10)である。
その他のポリオール(b4)としては、(b1)、(b2)および(b3)以外のポリオール、例えば、ポリオキシアルキレン、ポリマーポリオール(以下P/Pと略)、ポリオレフィンポリオール、ポリアルカジエンポリオール、ひまし油系ポリオール、アクリルポリオールおよびロジン系ポリオールおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリオキシアルキレンとしては、水およびアルコール(前記に同じ)に前記AOを付加したもの〔ポリオキシエチレン[すなわちポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレン[すなわちポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)]等〕、およびテトラヒドロフランを開環重合したもの等が挙げられる。
P/Pとしては、前記ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール(いずれもOH末端)、またはこれと前記多価(2価〜4価またはそれ以上)アルコールとの混合物中でエチレン性不飽和モノマーを重合させて得られるものが挙げられる。
エチレン性不飽和モノマーには、C3〜30のアクリルモノマー、例えば(メタ)アクリロニトリルおよびアルキル(C1〜20またはそれ以上)(メタ)アクリレート(メチルメタクリレート等);炭化水素(以下HCと略記)モノマー、例えば芳香族不飽和HC(C8〜20、例えばスチレン)および脂肪族不飽和HC[C2〜20またはそれ以上のアルケン、アルカジエン等、例えばα−オレフィン(ヘキセン、オクテン等)およびブタジエン];並びにこれらの2種以上の併用[例えばアクリロニトリル/スチレンの併用(重量比100/0〜80/20)]が含まれる。P/Pは、例えば5〜80重量%またはそれ以上、好ましくは30〜70重量%の重合体含量を有する。
ポリオレフィンポリオールとしては、ポリイソブテンポリオール等が挙げられる。
ポリアルカジエンポリオールとしては、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添化ポリイソプレンポリオール、水添化ポリブタジエンポリオール等が挙げ
られる。
ひまし油系ポリオールとしては、ひまし油および変性ひまし油(TMP、PE等の多価アルコールで変性されたひまし油等)が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸[アルキル(C1〜30)]エステル[メチル(メタ)アクリレート等]と水酸基含有アクリルモノマー[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等]との共重合体等が挙げられる。
ロジン系ポリオールとしては、ロジン構造骨格を有するポリオール等が挙げられる。
これらのうち柔軟性の観点から好ましいのはポリオキシアルキレン、ポリオレフィンポリオール、ポリブタジエングリコール、さらに好ましいのはPEG、PPG、ポリブタジエングリコールである。
(b4)のMnは、接着性および溶融粘度の観点から好ましくは500〜100,000、さらに好ましくは800〜20,000、とくに好ましくは1,000〜10,000である。
(b)中の(b1)、(b2)、(b3)および(b4)の各割合は、(b)の合計重量に基づいて、;(b1)は通常0〜90%、接着剤の凝集力および溶融粘度の観点から好ましくは0〜70%、さらに好ましくは0〜50%;(b2)は通常0〜90%、接着剤の凝集力および溶融粘度の観点から好ましくは0〜80%、さらに好ましくは0〜70%[但し(b1)、(b2)がともに0%になることはない。];(b3)は通常10〜90%、柔軟性および凝集力の観点から好ましくは30〜80%、さらに好ましくは40〜70%;および(b4)は通常30%以下、添加効果および接着剤の接着性の観点から好ましくは1〜20%である。
芳香環を含有するポリオールである(b1)、(b2)は単独使用または併用されるが、初期接着強度の観点から併用または(b2)の単独使用が好ましい。併用する場合は、(b1)と(b2)の合計重量に基づいて、(b1)/(b2)の割合は、初期接着強度の観点から、好ましくは(10〜90)/(90〜10)、さらに好ましくは(20〜80)/(80〜20)である。
本発明の反応性ホットメルト接着剤は、過剰の上記ポリイソシアネート(a)と、ポリオール(b)を反応させることにより得られるNCO末端ウレタンプレポリマーからなる。該反応における(b)中のOH基と(a)中のNCO基の当量比[OH/NCO比]は、溶融粘度および接着性の観点から好ましくは1/1.01〜1/5、さらに好ましくは1/1.2〜1/4、とくに好ましくは1/1.5〜1/3である。
(a)と(b)とのウレタン化反応は、特に限定されず、下記の2種類の方法が例示できる。
(i) :(a)と(b1)および/または(b2)、(a)と(b3)をそれぞれ個別
に反応させた後、混練して製造する方法。
(ii):(b1)および/または(b2)と、(b3)の混合物と(a)を反応させ製
造する方法。
上記方法のうち、製造プロセスの簡便性および得られる接着剤の熱安定性の観点から(ii)の方法が好ましい。
ウレタン化反応に際しては、ウレタン化触媒を使用してもよく、ウレタン化触媒としては種々のものが使用でき、例えば金属触媒〔錫触媒[トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルチンマレエート等]、鉛触媒[オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛等]、その他の金
属触媒[ナフテン酸金属塩(ナフテン酸コバルト等)、フェニル水銀プロピオン酸塩等]等〕;アミン触媒{トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7[DBU(サンアプロ(株)製、登録商標)]等〕、ジアルキル(C1〜3)アミノアルキル(C2〜4)アミン[ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン等]、複素環式アミノアルキル(C2〜6)アミン[2−(1−アジリジニル)エチルアミン、4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]、およびこれらの炭酸塩および有機酸(C1〜3、例えばギ酸)塩等;N−メチルおよび−エチルモルホリン、トリエチルアミン、ジメチル−およびジエチルエタノールアミン等};およびこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
ウレタン化触媒の使用量は、(a)と(b)合計重量に基づいて、通常0.5%以下、反応性および接着剤の熱安定性の観点から好ましくは0.0001〜0.1%、さらに好ましくは0.0005〜0.05%、とくに好ましくは0.001〜0.01%である。
反応方法としては、例えば(a)、(b)およびウレタン化触媒を温度制御機能を備えた反応槽に仕込み、温度は通常30〜160(好ましくは50〜140)℃、時間は通常30〜1,000(好ましくは60〜300)分間で反応させる方法や、(a)、(b)およびウレタン化触媒を均一混合後、該混合物を例えば2軸エクストルーダーに流し込み、通常80〜250(好ましくは100〜220)℃で連続的に反応させる方法等が挙げられる。
得られるウレタンプレポリマー中のNCO基の含有量(重量%)は、硬化後の耐熱性および加熱溶融時の熱安定性の観点から好ましくは0.2〜10%、さらに好ましくは0.5〜7%である。
本発明の反応性ホットメルト接着剤は、製造工程中あるいは製造後の任意の段階において、初期接着力を向上させる目的で水酸基を含有しない粘着付与樹脂(c)を含有させることができる。
(c)としては、公知の粘着付与樹脂{接着の技術、Vol20,(2),13(2000)に記載のもの等}等が使用でき、例えばロジン、ロジン誘導体(重合ロジンおよびロジンエステル等;Mn200〜1,000)、テルペン樹脂[α−ピネン、β−ピネンおよび/またはリモネン等の(共)重合体等;Mn300〜1,200]、クマロン−インデン樹脂、石油樹脂[C5留分、C9留分、C5/C9留分および/またはジシクロペンタジエン等の(共)重合体等;Mn300〜1,200]、スチレン樹脂[スチレン、α−メチルスチレンおよび/またはビニルトルエン等の(共)重合体等;Mn200〜3,000]、アクリル樹脂[アルキルもしくはアルケニル(メタ)アクリレートおよび/または(メタ)アクリル酸等の(共)重合体等;Mn200〜3,000]、スチレン−アクリル共重合体樹脂(Mn200〜5,000)、キシレン樹脂(キシレンホルムアルデヒド樹脂等;Mn300〜3,000)、およびこれらの樹脂の水素化体が挙げられる。該共重合体には、ランダム、ブロックおよび/またはグラフト共重合体が含まれる。
これらのうち、接着性の観点から好ましいのはロジン誘導体、キシレン樹脂および/またはアクリル樹脂である。
(c)の環球法軟化点(測定法:JAI−7−1991に準拠)は、接着性および溶融粘度の観点から好ましくは30〜160℃、さらに好ましくは60〜140℃である。
常温で液状のものを単独で使用すると凝集力が低下しすぎる場合があるが、常温固体のものと併用することで使用できる。
(c)の使用量は、本発明の接着剤の全重量に基づいて、通常50%以下、接着性および硬化後の接着強度の観点から好ましくは5〜40%、さらに好ましくは10〜30%である。
さらに、本発明の反応性ホットメルト接着剤は、製造工程中あるいは製造後の任意の段階において、種々の目的および用途に応じ、本発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂用添加剤(d)を任意に含有させることができる。
該添加剤(d)としては、酸化防止剤{ヒンダードフェノール化合物〔ペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等〕、リン化合物〔トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等〕、イオウ化合物〔ペンタエリスチル−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート等〕等};紫外線吸収剤{ベンゾトリアゾール化合物〔2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等〕等};光安定剤{ヒンダードアミン化合物〔(ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等〕等};吸着剤(アルミナ、シリカゲル、モレキュラーシーブ等);顔料(酸化チタン、カーボンブラック等);染料(アゾ、アンスラキノン、インジゴイド、アリザリン、アクリジン、ニトロソおよびアニリン染料等);充填剤(タルク、マ
イカ、炭酸カルシウム等);核剤(ソルビトール、ホスフェート金属塩、安息香酸金属塩、リン酸金属塩等);滑剤(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ブチル、オレイン酸アミド等);離型剤(カルボキシル変性シリコーンオイル、ヒドロキシル変性シリコーンオイル等);難燃剤(ハロゲン含有難燃剤、リン含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、金属水酸化物含有難燃剤等);香料等が挙げられる。
(d)の合計使用量は接着剤の全重量に基づいて、通常40%以下、添加効果および接着性の観点から好ましくは0.002〜30%、さらに好ましくは0.1〜10%である。
本発明の反応性ホットメルト接着剤の環球法軟化点は、初期凝集力および溶融粘度の観点から好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは30〜110℃;また、120℃における溶融粘度は、初期凝集力および塗工性の観点から好ましくは500〜200,000mPa・s、さらに好ましくは1,000〜100,000mPa・sである。
また、反応性ホットメルト接着剤の製造設備としては、該接着剤の構成成分を加熱、溶融、混練することが可能であればよく、通常のホットメルト製造設備が使用できる。
例えば、圧縮性の高い形状のスクリューまたはリボン状撹拌機を有する混合機、反応混合槽、一軸または二軸押出機、シグマブレードミキサー、リボンブレンダー、バタフライミキサー、ニーダー等が挙げられる。
混合温度は混合性および熱劣化の観点から好ましくは60〜250℃であり、反応性ホットメルト接着剤の架橋を防ぐため窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
本発明の反応性ホットメルト接着剤は、必要により、ブロック、シートまたはフィルム等所望の形状に成形される。成形には押し出し機等が用いられる。
本発明の反応性ホットメルト接着剤の使用方法としては特に限定されないが、例えば、該接着剤がブロック形状の場合には、該接着剤を溶融させた後、貼り合わせようとする被着体に塗布して使用される。
塗布装置としては、通常のホットメルト接着剤用のアプリケーター、[加熱可能な溶融槽を有するロールコーター(グラビアロール、リバースロール等)、カーテンコーター、ビード、スパイラル、スプレー、スロット等]および押出機[単軸および二軸押出機、ニーダールーダー等]等が挙げられる。
アプリケーターの場合は、被着体の一方または両方に接着剤を塗布し、冷却固化する前に貼り合わせるか、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせることができる
。 貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除する。
押出機の場合は、被着体の一方または両方に押出し、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせる。貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除する。また、被着体の間に共押出しし、貼り合わせを同時に行うことができる。
被着体に適用するときの接着剤の溶融温度は通常80〜160℃、接着性および熱安定性の観点から好ましくは100〜140℃であり、塗工温度における溶融粘度は通常1〜100Pa・s、接着性の観点から好ましくは2〜50Pa・sである。
該接着剤がシートまたはフィルムの場合には、該接着剤を貼り合わせようとする被着体同士の間に挟み込み、加熱溶融させて貼り合わせるか、一方または両方の被着体上に載せ、加熱溶融させて、冷却固化前に貼り合わせるか、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせる。加熱溶融時の加熱温度は特に制約はないが、融点(または軟化点)より10〜20℃以上高い温度である方が接着性の観点から好ましい。また、貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除する。加圧する圧力は所望の接着力が得られる限り特に制約はなく、接着性および成形性の観点から好ましくは10kPa〜5MPaである。
シートまたはフィルムの厚みは特に制限はないが、接着性および成形性の観点から好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは30〜300μmである。
本発明の反応性ホットメルト接着剤の硬化反応は、含有するNCO基と空気中の水分との反応が引き金となって開始される。硬化温度は通常5℃以上、反応性および副反応抑制の観点から好ましくは10〜100℃である。湿度条件は反応性の観点から好ましくは20%RH以上、さらに好ましくは30RH以上である。硬化時間は通常数分〜200時間、反応性および作業性の観点から好ましくは1〜72時間である。このようにして得られる硬化物は硬化物性が良好であり耐熱性、耐溶剤性等種々の耐久性に優れる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定するものではない。実施例中の「部」は重量部、「%」は重量%を示す。尚、以下における実施例3、4、5、11及び12は参考例である。
製造例1
温度制御装置、撹拌装置付きのセパラブルフラスコに、芳香環含有ポリエーテルポリオール[商品名「ニューポール BPE−20T」、三洋化成工業(株)製、ビスフェノールAのEO付加物、OH価351、Mn318。以下同じ。](b1−1)158部、アジピン酸59部を仕込み、窒素雰囲気下230℃常圧で5時間反応させた後、触媒としてテトラブトキシチタネート0.004部を投入後、減圧下で2時間反応させ芳香環含有ポリエステルポリオール(b2−1)(OH価49.5、Mn2,300)を得た。
実施例1〜15および比較例1〜3
温度制御装置、撹拌装置付きのセパラブルフラスコに、(b1−1)30部、脂肪族ポリエステルポリオール[商品名「サンエスター KH45625」、三洋化成工業(株)製、1,4−BDおよびNPGとアジピン酸からなる末端OHのポリアジペート、OH価44.5、Mn2,500](b3−1)60部、ポリカプロラクトン[商品名「CAPA 6800」、日本ソルベー(株)製、OH価1、Mn80,000](b3−2)10部を仕込み、120℃で均一に溶解後、減圧脱水した(120℃、133Pa、1時間)。窒素雰囲気下60℃でMDI(a1−1)59部を加えて、80℃で3時間反応、熟成後、反応性ホットメルト接着剤(NCO含量:6.2%、120℃溶融粘度:10Pa・s)(HM−1)を得た。
以下、同様の手順により表1に示す組成のポリオール(b)とポリイソシアネート(a)を反応させることにより、本発明の反応性ホットメルト接着剤(HM−2〜HM−15)
および比較のホットメルト接着剤(比HM−1〜比HM−3)を得た。
(表1中の記号の説明)
(b4−1):PPG[商品名「サンニックス GP−3000」、三洋化成工業(株)
製、OH価56、Mn3,000]
(c1−1):粘着付与樹脂[ロジンエステル、商品名「パインクリスタル KE−31
1」、荒川化学工業(株)製、OH価 0、酸価 5、軟化点 95℃]
上記得られた反応性ホットメルト接着剤について、以下の試験方法で120℃溶融粘度、熱安定性、初期接着強度、耐熱クリープ性を評価した。結果を表2に示す。
(1)120℃溶融粘度
JIS K7117−1987に準拠して(SB型粘度計、SB4号スピンドル回転数12rpmの条件)、120℃での溶融粘度を測定した。
(2)熱安定性
反応性ホットメルト接着剤を、内径25mm、高さ5cmの円筒形スクリュー栓式ガラス容器に密閉して120℃で24時間静置(熱処理)後、120℃溶融粘度を上記(1)と同様に測定し、熱処理前の溶融粘度と比較して増粘率(%)を算出する。

増粘率=[溶融粘度(熱処理後)−溶融粘度(熱処理前)]×100/溶融粘度(熱処理前)
(3)初期接着強度
反応性ホットメルト接着剤を、温度120℃で溶融し、5、23および40℃の環境温度下で、カーテンスプレー塗工機を用いて、ホットエアー圧力1.5kg/cm2、ホッ
トエアー温度140℃、ガンヘッド温度130℃、ガンヘッドと被着体との距離5cm、塗布量60g/m2でポリオレフィン製化粧シート(長さ10cm、幅2.5cm、厚さ
150μm)上に塗工し、1分後、該塗工面にMDF(ミディアムデンシティファイバーボード、長さ15cm、幅3cm、厚さ2cm)15cm×3cmの面を合わせ、その上から2kg荷重のゴムローラーを用い、300mm/minの速度で一往復させて貼り合わせ、試験片を作成した。
さらに10分後、塗工時と同じ環境温度下で、JIS K6854−1999に準じオートグラフ[AGS−500B;(株)島津製作所製]を用いて、引張速度200mm/minの条件で180°剥離強度を測定し、この最大値を接着強度とした(単位:N/25mm)。
(4)耐熱クリープ性
反応性ホットメルト接着剤を、上記(3)の初期接着強度と同様に作成した試験片を23℃、50%RH雰囲気下で72時間養生して耐熱クリープ性評価用の試験片とした。
支柱間距離約13cmの間隔の2本の支柱(各高さ約20cm、幅3cm)上に、ポリオレフィン製化粧シートを貼り合わせた側を下にして該試験片を水平に橋掛けさせた。
次にオレフィン製化粧シートの一端から約2cm引き剥がし、その位置でシートに標線を引き、引き剥がしたシート端部に500gの重りを取り付け、垂直方向につり下げた。
これを60℃の恒温槽内に1時間静置して、90°耐熱クリープ(標線からのずれ距離、単位:mm/h)を測定した。
表2の結果から、本発明の反応性ホットメルト接着剤は、比較のものに比べて増粘率が小さく(熱安定性に優れ)、環境温度(5〜40℃)に依存することなく初期接着強度が良好であり、該接着剤を硬化させてなる硬化物は耐熱クリープ性に優れることがわかる。
本発明の反応性ホットメルト接着剤は、熱安定性に優れ、環境温度に依存することなく優れた初期接着強度を示し、該接着剤を硬化させてなる硬化物は耐熱クリープ性に優れることから下記の用途等に幅広く好適に用いられる。
(1)建築材料用途 :木質材料(合板、パーティクルボード、ハードボード、集成材等)用およびその他建築材料(コンクリート、モルタル、壁紙、床材料、タイル等)用接着剤。
(2)繊維材料用途 :繊維材料(不織布、織布、カーペット等)用接着剤。
(3)その他材料用途:プラスチック(硬質および軟質塩化ビニル、発泡プラスチック等)用、ゴム(天然ゴム、合成ゴム等)用、皮革用、セラミックス(複層ガラス、光学レンズ、研磨材料等)用、家庭用品(紙等)用、段ボール用、製本用、並びに電化製品用等の接着剤。

Claims (7)

  1. ポリイソシアネート(a)と、芳香環含有ポリエーテルポリオール(b1)および脂肪族ポリエステルポリオール(b3)を含有するポリオール(b)から形成されるウレタンプレポリマーを含有する反応性ホットメルト接着剤。
  2. ポリオール(b)が、さらに芳香環含有ポリエステルポリオール(b2)を含有する請求項1記載の反応性ホットメルト接着剤。
  3. (b)の重量に基づく含有量が、(b1)が0〜90%、(b2)が0〜90%、(b3)が10〜90%である請求項1又は2記載の接着剤。
  4. さらに、粘着付与樹脂を含有させてなる請求項1〜3のいずれか記載の接着剤。
  5. さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、吸着剤、顔料、染料、充填剤、核剤、滑剤、離型剤、難燃剤および香料からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有させてなる請求項1〜のいずれか記載の接着剤。
  6. 請求項1〜のいずれか記載の接着剤を硬化させてなる硬化物。
  7. 請求項1〜のいずれか記載の接着剤で被着体を接着させてなる接着体。
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