JP7114870B2 - 反応性ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、反応性ホットメルト接着剤組成物に関する。
ホットメルト接着剤は、無溶剤型の接着剤であるため環境又は人体への負荷が少なく、また、短時間接着が可能なので生産性向上に適していることから、産業界で広く利用されている。ホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂を主成分とするものと反応性樹脂を主成分とするものとの2つに大別することができる。熱可塑性樹脂を主成分とするホットメルト接着剤は、主にEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)が利用されている。
一方、反応性樹脂を主成分とするホットメルト接着剤は、主にイソシアネート基末端のウレタンプレポリマーが利用されており、反応性ホットメルト接着剤と呼ばれている。反応性ホットメルト接着剤は、接着後、接着剤自体の冷却固化により、短時間である程度の接着強度を発現する。その後、ウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基が空気中又は被着体表面の水分と反応することにより高分子量化、架橋を生じることにより、良好な接着強度を示す。
現在、電子部品、電化製品、建築部材、家庭用品、工業材料等で多く使用されている金属部材の接着に、両面粘着テープ等の感圧性粘着機能を有する接合用材料、熱硬化型又は光硬化型接着剤、反応性ホットメルト接着剤等が用いられている。これらの材料又は接着剤には、携帯電話、パソコン、テレビ等の情報ディスプレイ端末の著しい普及に伴い、金属部材とプラスチック部材、ガラス部材等の非金属部材とを強力に接着することが求められている。
近年のディスプレイ端末では、パーツ同士の接着部分面積が狭くなり、また、複雑形状のパーツが増えている。反応性ホットメルト接着剤は、細幅で様々な形状に塗布が可能であり、空気中又は被着体表面の水分と反応することによって、良好な接着強度が得られることから、特に注目されている。ところで、反応性ホットメルト接着剤は、空気中又は被着体表面の水分と反応することによって接着強度が向上するため、金属、ガラス等の透湿性の低い部材に適用した場合、接着強度が発現し難いという問題がある。
このような用途に用いられる反応性ホットメルト接着剤組成物としては、例えば、特許文献1~3に記載の組成物が開示されている。しかし、従来の反応性ホットメルト接着剤組成物においても、接着強度に関しては充分といえず、未だ改善の余地がある。
特開2003-171640号公報 特開平8-027454号公報 特開平7-258620号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、熱安定性に優れ、透湿性の低い部材に適用した場合においても、高い接着強度を有する反応性ホットメルト接着剤組成物を提供することを主な目的とする。
上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明者らは、ウレタンプレポリマーを構成するポリオールとして、1級水酸基の割合が高いポリエーテルポリオールを用いることによって、反応性ホットメルト接着剤組成物の熱安定性及び接着強度を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記[1]~[4]に示す湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物を提供する。
[1]ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖を有し、重合鎖の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、モルホリン系硬化触媒と、を含有し、ポリオールが、下記式(1)で表される基を有するポリエーテルポリオールを含む、反応性ホットメルト接着剤組成物。
Figure 0007114870000001

[2]ポリエーテルポリオールの含有量が、ポリオール100質量部に対して、5~55質量部である、[1]に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
[3]ポリエーテルポリオールが、ポリエチレングリコールである、[1]又は[2]に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
[4]モルホリン系硬化触媒の含有量が、ポリオール100質量部に対して、0.1~0.9質量部である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
本発明によれば、熱安定性に優れ、透湿性の低い部材に適用した場合においても、高い接着強度を有する反応性ホットメルト接着剤組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、「ポリオール」は、分子内に2以上の水酸基を有する化合物を意味する。
本明細書において、「ポリイソシアネート」は、分子内に2以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。
<反応性ホットメルト接着剤組成物>
一実施形態に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖を有し、重合鎖の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、モルホリン系硬化触媒と、を含有する。ポリオールは、式(1)で表される基(すなわち、1級水酸基)を有するポリエーテルポリオール(以下、場合により、「特定ポリエーテルポリオール」という場合がある。)を含む。
Figure 0007114870000002
[ウレタンプレポリマー]
ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖を有し、重合鎖の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、通常、ポリオール(A)に、ポリイソシアネート(B)を反応させて得ることができる。すなわち、ウレタンプレポリマーは、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であってもよい。
(ポリオール(A))
ポリオール(A)は、式(1)で表される基を有するポリエーテルポリオール(特定ポリエーテルポリオール(A’))を含む。
Figure 0007114870000003
特定ポリエーテルポリオール(A’)は、分子中の水酸基のすべてが式(1)で表される基を有するものであってもよく、水酸基の一部が式(1)で表される基を有するものであってもよい。特定ポリエーテルポリオール(A’)としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。特定ポリエーテルポリオール(A’)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。これらの中でも、特定ポリエーテルポリオール(A’)は、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールであることが好ましく、ポリエチレングリコールであることがより好ましい。このようなポリオールは、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシランを、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等を開始剤として重合して得ることができる。
エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のエーテル結合のα炭素が1級炭素原子であるオキシランを用いた場合、得られるポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等は、分子中の水酸基がすべて式(1)で表される基となり得る。
オキシシランとしてエーテル結合のα炭素が二級炭素原子であるプロピレンオキシドを用いた場合、通常、プロピレンオキシドのβ開裂が進行し、2級水酸基を有するポリプロピレングリコールが得られる傾向にあるが、プロピレンオキシドを支配的にα開裂させることによって、式(1)で表される基(1級水酸基)を有するポリプロピレングリコールを高い割合で得ることができる。このようなポリプロピレングリコールは、1級水酸基高含有ポリプロピレングリコールとして市販されている。このような市販品としては、例えば、「FF-2100」(三洋化成株式会社製、式(1)で表される基(1級水酸基)を有するポリエチレングリコールの割合:約70モル%、2級水酸基を有するポリエチレングリコールの割合:約30モル%)等が挙げられる。
特定ポリエーテルポリオール(A’)の数平均分子量(Mn)は、塗布後の適度な張り合わせ可能時間及び初期接着性を得る観点から、500~20000が好ましく、700~15000がより好ましく、1000~10000がさらに好ましい。
本明細書において、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定され、標準ポリスチレン換算した値である。GPCの測定は、以下の条件で行うことができる。
カラム:「Gelpack GLA130-S」、「Gelpack GLA150-S」及び「Gelpack GLA160-S」(日立化成株式会社製、HPLC用充填カラム)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
カラム温度:40℃
検出器:RI
特定ポリエーテルポリオール(A’)の含有量は、ポリオール100質量部に対して、5~55質量部であってもよい。特定ポリエーテルポリオール(A’)の含有量は、ポリオール100質量部に対して、8質量部以上であることがより好ましく、10質量部以上であることがさらに好ましい。特定ポリエーテルポリオール(A’)の含有量が5質量部以上であると、透湿性の低い部材に適用した場合において、より優れた接着強度を示す傾向にある。特定ポリエーテルポリオール(A’)の含有量は、ポリオール100質量部に対して、52質量部以下であることがより好ましく、50質量部以下であることがさらに好ましい。特定ポリエーテルポリオール(A’)の含有量が55質量部以下であると、熱安定性により優れる傾向にある。
ポリオール(A)は、特定ポリエーテルポリオール(A’)以外のポリオールを含んでいてもよい。このようなポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、特定ポリエーテルポリオール(A’)以外のポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。このようなポリオールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。接着性の観点から、ポリオール(A)は、ポリエステルポリオールを含むことが好ましい。また、反応制御の観点から、ポリオール(A)は、ジオール(二価アルコール)であることが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、2又は3の水酸基を有する多価アルコールと2~6のカルボキシル基を有する多価カルボン酸との重縮合反応によって得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオールの各異性体、ペンタンジオールの各異性体、ヘキサンジオールの各異性体、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-メチルプロパンジオール、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族又は脂環族ジオール;4,4’-ジヒドロキシジフェニルプロパン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の芳香族ジオールが挙げられる。多価アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、2~15個の炭素原子を有する多価アルコールが好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸;マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、1,2,3-プロパントリカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジエン-1,2-ジカルボン酸等の脂肪族又は脂環族多価カルボン酸が挙げられる。多価カルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、2~15個の炭素原子を有する多価カルボン酸が好ましい。なお、多価カルボン酸に代えて、その無水物又は多価カルボン酸アルキルエステルを使用してもよい。
ポリエステルポリオールは、結晶性ポリエステルポリオールであっても、非晶性ポリエステルポリオールであってもよい。「結晶性」及び「非晶性」の判断は25℃での状態で判断する。本明細書において、「結晶性ポリエステルポリオール」は、25℃で結晶であるポリエステルポリオールを意味する。「非晶性ポリエステルポリオール」は、25℃で非結晶であるポリエステルポリオールを意味する。ポリエステルポリオールは、接着剤組成物の塗布性及び初期接着性をより向上させる観点から、結晶性ポリエステルポリオールと非晶性ポリエステルポリオールの両方を含むことが好ましい。
結晶性ポリエステルポリオールの数平均分子量(Mn)は、防水性及び最終接着強度の観点から、500~10000が好ましく、800~9000がより好ましく、1000~8000がさらに好ましい。
ポリエステルポリオールの含有量は、接着性をより向上させる観点から、ポリオール100質量部に対して、45~95質量部であることが好ましく、48~92質量部であることがより好ましく、50~90質量部であることがさらに好ましい。
特定ポリエーテルポリオール(A’)以外のポリエーテルポリオールとしては、例えば、2級水酸基を有するポリプロピレングリコール等が挙げられる。
ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、多価カルボン酸と、上記ポリエーテルポリオール(特定ポリエーテルポリオール(A’)を含む)とを反応させて得られるポリエーテルエステルポリオールが挙げられる。ここで、多価カルボン酸は、上記ポリエステルポリオールの多価カルボン酸と同様のものを例示できる。
ポリウレタンポリオールとしては、例えば、上記ポリエステルポリオール、上記ポリエーテルポリオール(特定ポリエーテルポリオール(A’)を含む)、上記ポリエーテルエステルポリオール等のポリオールとポリイソシアネートとを、イソシアネート基(NCO)当量/水酸基(OH)当量(NCO/OH)が1未満となるように、好ましくは0.9以下となるように反応させて得られるポリウレタンポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、2又は3の水酸基を有する多価アルコールとカーボネート化合物又はホスゲンとを反応させて得られるポリカーボネートポリオール;環状カーボネート化合物を、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリオールで開環重合させて得られるポリカーボネートポリオールが挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添化ポリブタジエンポリオール、水添化ポリイソプレンポリオールが挙げられる。
(ポリイソシアネート(B))
ポリイソシアネート(B)は、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートであれば特に制限なく用いることができる。ポリイソシアネート(B)としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート等が挙げられる。ポリイソシアネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-又は1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート、2,4’-又は4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’-トリフェニルメタントリイソシアネート、m-又はp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、m-又はp-キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート、2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレート、2,5-又は2,6-ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート(B)は、反応性の観点から、ジイソシアネートを用いることが好ましい。ジイソシアネートは、例えば、2,4’-又は4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m-又はp-キシリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等であってもよい。
ウレタンプレポリマーは、ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖の末端にイソシアネート基を有する。このようなウレタンプレポリマーを合成する場合、ポリイソシアネートとポリオールとの混合割合は、ポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)当量/ポリオールの水酸基(OH)当量を1.3以上に調整することが好ましく、1.5~3.5に調整することがより好ましい。イソシアネート基(NCO)当量/水酸基(OH)当量が1.3以上であると、得られるウレタンプレポリマーの粘度の上昇を抑えることができ、作業性が向上し易くなる傾向にある。イソシアネート基(NCO)当量/水酸基(OH)当量が3.5以下であると、接着剤組成物の湿気硬化反応の際の発泡が生じ難くなり、接着性の低下を抑制し易くなる傾向にある。
[モルホリン系硬化触媒]
本実施形態に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、モルホリン系硬化触媒を含む。特定ポリエーテルポリオール(A’)を含むウレタンプレポリマーとモルホリン系硬化触媒を併用することで、金属、ガラス等の透湿性の低い部材に適用した場合において、接着剤組成物の硬化反応を充分に促進させることができるため、高い接着強度を得ることが可能となる。なお、本明細書において、「モルホリン系」は、モルホリン環を有する化合物群を意味する。
モルホリン系硬化触媒としては、例えば、N-エチルモルホリン、ビス(モルホリノエチル)エーテル、ビス(2,6-ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(3,5-ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(3,6-ジメチルモルホリノエチル)エーテル、4-(3,5-ジメチルモルホリノ)-4’-(3,6-ジメチルモルホリノ)ジエチルエーテル等が挙げられる。
モルホリン系硬化触媒の含有量は、ポリオール100質量部に対して、0.1~0.9質量部であることが好ましく、0.2~0.7質量部であることがより好ましい。硬モルホリン系硬化触媒の含有量がポリオール100質量部に対して、0.1質量部以上であると、硬化がより充分となり、接着強度がより向上する傾向にある。モルホリン系硬化触媒の含有量がポリオール100質量部に対して、0.9質量部以下であると、粘度上昇をより抑えることができ、熱安定性により優れる傾向にある。
[その他の成分]
本実施形態に係る反応性ホットメルト接着剤組成物には、粘着性及び耐衝撃性の向上の観点から、その他の成分として、ウレタンプレポリマーと非反応の樹脂成分を加えてもよい。ウレタンプレポリマーと非反応の樹脂成分としては、例えば、ポリブテン、ポリブタジエン、エステル系可塑剤、アクリル系可塑剤、ロジン系樹脂(ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂)、テルペン系樹脂(テルペン樹脂、水添テルペン樹脂)等が挙げられる。ウレタンプレポリマーと非反応の樹脂成分を含有させる場合の含有量は、湿気硬化性、接着性等の観点から、反応性ホットメルト接着剤組成物全量100質量部に対して、0.1~50質量部であることが好ましく、0.2~30質量部であることがより好ましい。
本実施形態に係る反応性ホットメルト接着剤組成物には、必要に応じて、顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、充填剤等を加えてもよい。
<反応性ホットメルト接着剤組成物の製造方法>
本実施形態に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて、ウレタンプレポリマーを得る工程と、ウレタンプレポリマーとモルホリン系硬化触媒とを反応させる工程と、を備える方法によって製造される。
ウレタンプレポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させたものをそのままモルホリン系硬化触媒と反応させてもよく、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させたものを予め単離してから、モルホリン系硬化触媒と反応させてもよい。
反応性ホットメルト接着剤は、本実施形態に係る反応性ホットメルト接着剤組成物を塗布することによって、形成することができる。塗布方法は、特に制限されないが、例えば、ダイコーター、ロールコーター、スプレー等の塗布装置を用いる方法が挙げられる。小型部品等の狭小な部位へ塗布する場合には、ディスペンサーが適している。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[反応性ホットメルト接着剤組成物の調製]
<実施例1~9、比較例1、2>
あらかじめ脱水処理した特定ポリエーテルポリオール(A’)を含むポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を、表1に示す配合量で反応容器に加えた。なお、ポリイソシアネート(B)は後述の(B1)を用いた。また、(B1)の配合量は、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基(NCO)当量/特定ポリエーテルポリオール(A’)を含むポリオール(A)の水酸基(OH)当量(NCO/OH)が表1で示す数値になるように調整した。この混合物を窒素フロー下、110℃で30分反応させることによって、ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖を有し、重合鎖の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。次いで、当該ウレタンプレポリマーにモルホリン系硬化触媒(C)を加え、真空下、110℃で45分さらに反応させ、実施例1~9及び比較例1、2の反応性ホットメルト接着剤組成物を得た。
<ポリオール(A)>
(ポリエステルポリオール)
A1:結晶性ポリエステルポリオール(日立化成株式会社製、「A43」、アジピン酸及び1,6-ヘキサンジオールを主成分として得られた結晶性ポリエステルポリオール、水酸基数:2、数平均分子量:5000)
A2:結晶性ポリエステルポリオール(日立化成株式会社製、「A62」、アジピン酸及び1,6-ヘキサンジオールを主成分として得られた結晶性ポリエステルポリオール、水酸基数:2、数平均分子量:2000)
A3:非晶性ポリエステルポリオール(日立化成株式会社製、「TA29-124」、イソフタル酸及びネオペンチルグリコールを主成分として得られた非晶性ポリエステルポリオール、水酸基数:2、数平均分子量:2000)
(ポリエーテルポリオール)
A’1:ポリエチレングリコール(新日本理化株式会社製、「PEG-4000S」、水酸基数:2、数平均分子量:3400、式(1)で表される基(1級水酸基)を有するポリエチレングリコールの割合:100モル%)
A’2:1級水酸基高含有ポリプロピレングリコール(三洋化成株式会社製、「FF-2100」、水酸基数:2、数平均分子量:1000、式(1)で表される基(1級水酸基)を有するポリエチレングリコールの割合:約70モル%、2級水酸基を有するポリエチレングリコールの割合:約30モル%)
A’3:ポリエチレングリコール(新日本理化株式会社製、「PEG-6000S」、水酸基数:2、数平均分子量:8600、式(1)で表される基(1級水酸基)を有するポリエチレングリコールの割合:100モル%)
<ポリイソシアネート(B)>
B1:ジフェニルメタンジイソシアネート(東ソー株式会社製、「ミリオネートMT」、イソシアネート基数:2)
<モルホリン系硬化触媒(C)>
C1:2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル(サンアプロ社製、「UCAT660M」)
Figure 0007114870000004
なお、表1中、ポリエーテルポリオールの項目における括弧内の数値は、特定ポリエーテルポリオールの配合量を意味する。
実施例及び比較例で得られた反応性ホットメルト接着剤組成物の各特性を以下のようにして評価した。結果を表2に示す。
<粘度(溶融粘度)>
BH-HH型少量回転粘度計(東機産業株式会社製)で、4号ローターを使用して、ローター回転数100rpm(1/s)、120℃における接着剤組成物(試料量15g)の溶融粘度を測定した。
<熱安定性>
接着剤組成物を金属製の缶に入れて封をし、110℃のオーブン内に24時間静置した。加熱後粘度を、上述の加熱前と同じ条件でBH-HH型少量回転粘度計(東機産業株式会社製)を用いて測定し、下記の式に基づき、加熱後の粘度増加率を求め、これを熱安定性として評価した。
加熱後の粘度増加率[%]
=(加熱後の粘度[Pa・s]/加熱前の粘度[Pa・s])×100
<接着強度>
短辺25mm、長辺50mmのSUS(ステンレス鋼)製の長方形板(部材)を2枚用意した。接着剤組成物を100℃に加熱溶融し、長方形板上の短辺から10mmの位置に、短辺と並行に25mmの長さとなるように塗布した。塗布後、厚さ100μmのポリカーボネート製フィルムをスペーサーとして、塗布した長方形板ともう1枚の長方形板とを貼り合わせ、塗布した接着剤組成物からなる接着剤層の幅が2mmになるように調整した。すなわち、2mm×25mm×100μmの接着剤組成物からなる接着剤層を2枚のSUS製の長方形板で挟んで接着し、これを試験片とした。得られた試験片を、25℃、50%RH(相対湿度)の恒温槽で24時間静置した後、当該試験片をせん断方向に引っ張り、最大荷重(せん断接着力)を接着強度として評価した。
Figure 0007114870000005
表2に示すとおり、特定ポリエーテルポリオールを含むウレタンプレポリマー及びモルホリン系硬化触媒を含有する実施例1~9の反応性ホットメルト接着剤組成物は、特定ポリエーテルポリオールを含むウレタンプレポリマーを含有しない比較例1の反応性ホットメルト接着剤組成物又はモルホリン系硬化触媒を含有しない比較例2の反応性ホットメルト接着剤組成物と比較して、熱安定性及び接着強度において優れていた。これらから、本発明の反応性ホットメルト接着剤組成物が、熱安定性に優れ、透湿性の低い部材に適用した場合においても、高い接着強度を有することが確認された。

Claims (2)

  1. ポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖を有し、前記重合鎖の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、
    モルホリン系硬化触媒と、
    を含有し、
    前記ポリオールが、ポリエステルポリオール及び下記式(1)で表される基を有するポリエーテルポリオールを含み、
    前記ポリエステルポリオールの含有量が、ポリオール100質量部に対して、50~90質量部であり、
    前記ポリエーテルポリオールの含有量が、ポリオール100質量部に対して、10~50質量部であり、
    前記モルホリン系硬化触媒の含有量が、ポリオール100質量部に対して、0.250.5質量部である、反応性ホットメルト接着剤組成物。
    Figure 0007114870000006
  2. 前記ポリエーテルポリオールが、ポリエチレングリコールである、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
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