JPH09181388A - 埋め込み型半導体レーザの埋め込み層形成用マスクおよびこれを用いた埋め込み型半導体レーザの製造方法 - Google Patents

埋め込み型半導体レーザの埋め込み層形成用マスクおよびこれを用いた埋め込み型半導体レーザの製造方法

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JPH09181388A
JPH09181388A JP33861695A JP33861695A JPH09181388A JP H09181388 A JPH09181388 A JP H09181388A JP 33861695 A JP33861695 A JP 33861695A JP 33861695 A JP33861695 A JP 33861695A JP H09181388 A JPH09181388 A JP H09181388A
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Yoshinori Yamauchi
義則 山内
Saeko Oshiba
小枝子 大柴
Koji Nakamura
幸治 中村
Hideaki Horikawa
英明 堀川
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MOVPE法を用いて選択成長を行っても、
ポリクリスタルが形成されのない埋め込み型半導体レー
ザの埋め込み層形成用マスク。 【解決手段】 半導体レーザの埋め込み層形成用マスク
の幅を、以下のように規定しする。すなわち、半導体基
板11上に予備活性層14までが少なくとも設けられて
いて表面が平坦な構造体10上に、所定の間隔をもって
並置される3枚の帯状のマスク20(中心のマスク20
a、両わきのマスク20b)であって、このマスク20
を用いて前述の構造体10をエッチングして、活性層を
含むメサ構造と該メサ構造の両側にエッチング溝を形成
した後、エッチング溝にMOVPE法を用いて埋め込み
型半導体レーザの埋め込み層を形成するための当該マス
ク20において、これらのマスク20のうち、両わきの
マスク20bの幅を、活性層の幅を決める中心のマスク
の幅20aと同等あるいはそれ以上の幅であって、かつ
MOVPEに用いる原料の構造体に対する拡散長を超え
ない範囲の幅とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光通信用の光源
として用いる半導体レーザ、特に高速変調動作をする埋
め込み型半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】高速変調動作に適した半導体レーザの例
として、文献:Electron Lett.22,1986,1214-1215 に開
示されているものがある。この文献に開示されている半
導体レーザは、いわゆる埋め込み型半導体レーザであ
り、活性層を含むストライプ状のメサ構造の両脇に高抵
抗を有する埋め込み層が設けられているのが特徴であ
る。この埋め込み層は、レーザを動作させる時に、活性
層に電流および光を効果的に閉じ込める電流ブロック層
として働くため、発光効率の優れたレーザが得られる。
【0003】図6の(A)に、文献に開示されている、
従来の埋め込み型半導体レーザの概略的な斜視図を示
す。1は半導体基板であり、2は第1クラッド層、3は
活性層、4は第2クラッド層、5はコンタクト層であ
り、これらの層2、3、4および5で構成されるメサ構
造6の両わきに埋め込み層7が設けられている。また、
上側にp側電極9a、下側にn側電極9bが設けられて
いる。この図からも理解できるように、文献のレーザの
場合、埋め込み層7をメサ構造6に沿った狭い領域に形
成した溝8内に設けている。溝8を狭い領域に形成する
ことにより、埋め込み層を、表面が平坦となるように成
長させることが可能となり、高周波応答性が改善される
等、素子特性の向上を図ることに成功している。
【0004】このような埋め込み層の形成方法を簡単に
説明する。まず、半導体基板上に予備活性層までが少な
くとも設けられていて表面が平坦な構造体上に、所定の
間隔をもって3枚の帯状のマスクを並置する。次にこの
マスクを用いて構造体をエッチングして、活性層を含む
メサ構造と、メサ構造の両側にエッチング溝(ダブルチ
ャンネル)を形成した後、このエッチング溝に埋め込み
層を選択成長させる。文献では、埋め込み層の成長にハ
イドライド(Hydride )VPE(Vapor phaseepitaxy
)法を用いて、平坦な埋め込み層を得ることに成功し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した文献
に開示されている従来構造の半導体レーザには、以下に
示すような問題点があった。
【0006】上述したように、文献に開示されている半
導体レーザは、埋め込み層の成長を、ハイドライドVP
E法を用いて行っている。しかし、ハイドライドVPE
法は、レーザを構成する他の層(クラッド層、活性層
等)の成長には適していないため、埋め込み層と他の層
との形成に、それぞれ別々の装置を用いなければなら
ず、製造プロセスが煩雑になる。このため、同一の装置
でこれらの層の形成が可能なMOVPE(Metal Organi
c Vapor Phase Epitaxy )法を用いて、埋め込み層を形
成することが試みられてきている。
【0007】しかし、MOVPE法を用いて選択成長
(ここでは、成長させたい場所にのみ成長させることで
ある。)を行う場合、選択成長に用いるマスクの幅が広
いと、マスク上にポリクリスタルが成長するおそれがあ
ることが知られている。
【0008】図6の(B)に、文献に記載されているタ
イプのレーザの埋め込み層を形成するのに用いるマスク
パターンの例を示す。この図に示されるように、文献の
レーザの埋め込み層を形成する場合に用いるマスクは、
構造体上に並置された3枚のマスクのうち、中心のマス
クと比較して、両脇のマスクの幅が広くなると考えられ
る。MOVPE法に用いる原料のうち、III 族原子の原
料の拡散長よりも、用いるマスクの幅が広い場合にマス
ク上にポリクリスタルが成長することが知られているの
で、文献のレーザのような埋め込み層を形成する場合、
この両脇のマスク上にポリクリスタルが成長してしまう
おそれがある。
【0009】本来、選択成長に用いるマスクには、拡散
材料に用いる原料の原子間を結びつけるボンドは存在し
ないからこそ、選択成長用のマスクとして用いることが
できるといえる。しかし、実際のマスク上には汚れや凹
凸が存在するため、この汚れや凹凸を核として原料の成
長が進み、その結果、ボンドが存在するわけではないの
で結合が正確なシングルクリスタルではなく、ポリクリ
スタルが成長すると考えられる。マスクの幅がある程度
以上の広さをもたないと、ポリクリスタルは成長しない
ので、マスクの幅が広いとポリクリスタルが成長しやす
いことがわかる。マスク上にポリクリスタルが成長する
と、その後の工程でマスクを除去しても、構造体の表面
上にポリクリスタルが残存してしまい、その後の工程に
悪影響をもたらす。例えば、電極を平坦に形成するのが
困難になる。そのため、素子特性の低下、また、歩留り
の低下を招くおそれがあった。
【0010】このため、工程の簡易化が可能なMOVP
E法を用いて埋め込み層の選択成長を行っても、ポリク
リスタルが形成されることなく、その後の工程に悪影響
をもたらさないような、埋め込み型半導体レーザの埋め
込み層形成用マスクの出現が望まれていた。
【0011】また、MOVPE法を用いて埋め込み層の
選択成長を行っても、埋め込み層の表面が平坦で、高い
素子特性を維持できるような埋め込み型半導体レーザの
製造方法の出現が望まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、この出願の第
一の発明によれば、半導体レーザの埋め込み層形成用マ
スクの幅を、以下のように規定したことを特徴とする。
すなわち、半導体基板上に予備活性層までが少なくとも
設けられていて表面が平坦な構造体上に、所定の間隔を
もって並置される3枚の帯状のマスクであって、このマ
スクを用いて前述の構造体をエッチングして、活性層を
含むメサ構造と該メサ構造の両側にエッチング溝を形成
した後、エッチング溝にMOVPE法を用いて埋め込み
型半導体レーザの埋め込み層を形成するための当該マス
クにおいて、これらのマスクのうち、両わきのマスクの
幅を、活性層の幅を決める中心のマスクの幅と同等ある
いはそれ以上の幅であって、かつMOVPEに用いる原
料の構造体に対する拡散長を超えない範囲の幅としたこ
とを特徴とする。このように、両側のマスクの幅を、M
OVPEに用いる原料の拡散長を超えない範囲の幅とす
ると、MOVPEを行っているときに、マスク上に供給
された原料は、マスク上を拡散し、マスク外の半導体表
面で反応して結晶成長が進むので、マスク上にポリクリ
スタルが成長するおそれがない。また、マスクの幅をあ
まり狭くしてしまうと、エッチング溝を形成するとき
に、両わきのマスクの下側に形成されるメサが首切れを
起こしてしまうおそれがあるため、活性層の幅を決める
中心のマスクの幅と同等かそれ以上の幅として首切れを
起こさないようにする。
【0013】また、この出願の第二の発明の埋め込み型
半導体レーザの製造方法によれば、半導体基板上に設け
られている、活性層を含むストライプ状のメサ構造と、
このメサ構造のうちの少なくとも前記活性層に沿った両
わきに形成されている埋め込み層とを少なくとも含んで
構成される埋め込み型半導体レーザを製造するに当た
り、次の(a)〜(d)に示される工程を含むことを特
徴としている。
【0014】(a)前述の基板上の全面に、予備活性層
までが少なくとも設けられていて表面が平坦な構造体を
形成する工程。
【0015】(b)前述の構造体上に、上述したこの発
明のマスクを、中心のマスクが活性層形成予定領域の上
側に設置されるように、フォトリソグラフィ技術を用い
て設ける工程。
【0016】(c)マスクから露出した構造体部分の表
面側から、少なくとも予備活性層の下の層に達する深さ
までをエッチング除去することによりエッチング溝を形
成すると同時に、上述のメサ構造を形成する工程。
【0017】(d)マスクから露出したエッチング溝
に、MOVPE法を用いて埋め込み層を選択成長させる
工程。
【0018】このように、埋め込み層の形成に、この出
願の第一の発明のマスクを用いている。このマスクは、
上述したように、半導体基板上に予備活性層までが少な
くとも設けられていて表面が平坦な構造体上に、所定の
間隔をもって並置される3枚の帯状のマスクのうち、両
側のマスクの幅を、MOVPEに用いる原料の構造体に
対する拡散長を超えない範囲の幅としてあるため、MO
VPEを行っているときに、マスク上にポリクリスタル
が成長するおそれがない。また、活性層の幅を決める中
心のマスクの幅と同等かそれ以上の幅としてあるため、
エッチング時に首切れを起こすことがない。このため、
MOVPE法を用いて埋め込み層の成長を行っても、ポ
リクリスタルが成長するおそれもなく、素子特性の安定
した半導体レーザを得ることができる。また、レーザを
構成する層をすべてMOVPE法を用いて形成できるた
め、レーザの製造工程を簡略化することができる。
【0019】レーザを構成する材料は限定されないが、
好適例として、半導体基板をn導電型のInP基板と
し、活性層をInGaAs層とし、埋め込み層をFeを
ドープしたInP層とする。このときは、埋め込み層の
成長(MOVPE)に用いるInの原料を、TMI(ト
リメチルインジウム)またはTEI(トリエチルインジ
ウム)とする。マスクの幅は、これらTMIやTEIの
拡散長を超えないように、設定すればよい。
【0020】また、少なくとも予備活性層までが少なく
とも設けられていて、しかも表面が平坦な構造体であれ
ば、埋め込み層を形成することができるので、上述のメ
サ構造は、第1クラッド層およびその上に形成された活
性層の2層構造とで少なくとも構成された構造とするこ
ともでき、また、第1クラッド層、活性層、および第2
クラッド層が順次積層された3層構造を少なくとも含む
積層構造とすることもできる。
【0021】なお、ここでMOVPE法と称している膜
成長方法は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vap
or Deposition )、またはOMVPE法ともいう。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
実施の形態の一例につき説明をする。各図は、発明が理
解できる程度に各構成成分の大きさ、形状および位置関
係等を概略的に示してあるにすぎず、したがって図示例
にのみ限定されるものではない。
【0023】この出願の第一の発明の埋め込み型半導体
レーザ(以下、単にレーザと称する場合もある。)の埋
め込み層形成用マスクは、半導体基板上に予備活性層ま
でが少なくとも設けられていて表面が平坦な構造体上
に、所定の間隔をもって並置される3枚の帯状のマスク
であって、このマスクを用いて前述の構造体をエッチン
グして、活性層を含むメサ構造とこのメサ構造の両側に
エッチング溝を形成した後、エッチング溝にMOVPE
法を用いて埋め込み型半導体レーザの埋め込み層を形成
するためのマスクにおいて適用されるものである(条件
1とする。)。
【0024】また、この出願の第二の発明の埋め込み型
半導体レーザ(以下、単にレーザと称する場合もあ
る。)の製造方法は、半導体基板上に設けられている、
活性層を含むストライプ状のメサ構造と、このメサ構造
のうちの少なくとも活性層に沿った両わきに形成されて
いる埋め込み層とを少なくとも含んで構成されるレーザ
の製造に適用される(条件2とする)。
【0025】ここでは、この出願の第二の発明のレーザ
の製造方法について、その製造工程順に説明をしなが
ら、この出願の第一の発明の埋め込み型半導体レーザの
埋め込み層形成用マスクについても説明する。なお、以
下、「この出願の第一の発明」および、「この出願の第
二の発明」を、いずれも「この発明」と記載する。
【0026】図3〜図4は、この発明の埋め込み型半導
体レーザの製造方法を説明するための斜視図であり、レ
ーザの製造工程を段階的に示してある。
【0027】この発明のレーザの製造方法によれば、上
述の条件2を満たす半導体レーザを製造するに当たり、
まず、半導体基板上の全面に、予備活性層までが少なく
とも設けられていて表面が平坦な構造体を形成する。こ
こでは、まず、n導電型のInP半導体基板(以下、単
に基板と称する場合もある。)11上の全面に、 1)第1の予備クラッド層12としてn導電型のInP
層 2)予備活性層14としてノンドープのInGaAsP
層 3)第2予備クラッド層16としてp導電型のInP層 4)予備コンタクト層18として、p導電型のInGa
AsP層 を、MOVPE法を用いて順次に成長させる。これらの
層11、12、14、16、および18を合わせて構造
体10とする(図3の(A))。ここで、各構成要素の
名称に「予備」が付加されているものは、後にエッチン
グで所定の形状に形成されるものであることを示す。
【0028】次に、この発明のレーザの製造方法によれ
ば、前述の構造体10上に、この発明の、埋め込み型半
導体レーザの埋め込み層形成用マスクを、中心のマスク
が活性層形成予定領域14aの上側に設置されるよう
に、フォトリソグラフィ技術を用いて設ける。
【0029】ここで、この発明の埋め込み層形成用マス
クについて説明をする。図1は、この発明のマスクの実
施の形態のマスク20の説明に供する概略的な斜視図で
あり、前述の構造体10上に形成されたマスク20を、
ハッチングを施して示してある。
【0030】この発明の埋め込み型半導体レーザの埋め
込み層形成用マスクによれば、上述の条件1を満たすマ
スクにおいて、両わきのマスクの幅を、活性層の幅を決
める中心のマスクの幅と同等あるいはそれ以上の幅であ
って、かつMOVPEに用いる原料の構造体に対する拡
散長を超えない範囲の幅とする。また、これらマスクは
互いに平行に設けてある。そして、ここでは、中心のマ
スク20aと、両わきのマスク20bとを合わせて、埋
め込み型半導体レーザの埋め込み層形成用マスク(マス
ク)20とする。また、後に形成する埋め込み層を、F
eドープのInP層としたため、Inの原料をTMIと
し、また、TMIの拡散長が約10μmとなるようにし
た。この拡散長は、結晶条件を変化させて所望の値に調
節することが可能である。また、マスク20の幅x、z
や、隣接するマスクの対向する縁(辺)間の間隔yを、
次のような条件を考慮して、経験的に好適であるとわか
っている値にした。
【0031】1)中心のマスク20aの幅xは約4〜6
μmの範囲内とした。これは、この後のエッチング工程
により2μm以上の高いメサ構造を得るためである。
【0032】2)中心のマスク20aと両わきのマスク
20bとの間隔yは、5〜10μmの範囲内とした。こ
れは、埋め込み層が平坦に成長できるようにするためで
ある。
【0033】3)両わきのマスク20bの幅zを、4〜
10μmの範囲内とした。これは、このマスク20b
の下に、エッチングにより形成されるメサを、首切れし
ないように形成するために、マスク20aと同等の幅以
上の幅にする。マスク20上にポリクリスタルが生じ
ないように、TMIが構造体10に対して拡散する拡散
長(10μm)を超えない幅にする。という条件を、同
時に満たす。
【0034】次に、図2を用いて、上述のマスク20の
形成方法について簡単に説明する。図2の(A)〜
(D)は、実施の形態のマスク20の形成方法の説明に
供する概略的な斜視図である。
【0035】まず、マスク20の材料となるSiO2
200(ハッチングを施して示してある。)を、構造体
10上の全面に、好適な方法、例えば蒸着法等により設
ける(図2の(A))。次に、レジスト膜210をSi
2 膜200上の全面に、例えば蒸着法等により設ける
(図2の(B))。次に、フォトリソグラフィ技術を用
いて、SiO2 膜200のうちの、マスク形成予定領域
200aおよび200b(図2の(B)に示す線幅の細
いハッチング部分)の上側に相当する部分を除くレジス
ト膜部分を除去し、レジストパターン210aを形成す
る。このとき、中心のマスクの形成予定領域200aの
位置が予備活性層(InGaAsP層)14のうち活性
層形成予定領域14a(ハッチングを施して示してあ
る)の上側に設置されるような位置関係となるようにす
る(図2の(C))。次に、レジストパターン210a
をマスクとして、このレジストパターン210aから露
出したSiO2 膜部分を、好適な方法によりエッチング
除去することにより、マスク20(20aおよび20
b)が完成する(図2の(D))。
【0036】こうして、マスク20(20aおよび20
b)が、中心のマスク20aが活性層形成予定領域14
aの上側となるような位置関係で、構造体10上に形成
される(図3の(B))。活性層形成予定領域14aお
よびマスク20は、ハッチングを施して示してある。
【0037】次に、この発明のレーザの製造方法によれ
ば、マスクから露出した構造体部分の表面側から、少な
くとも予備活性層の下の層に達する深さまでをエッチン
グ除去することによりエッチング溝を形成すると同時
に、活性層を含むストライプ状のメサ構造を形成する。
ここでは、HBr系またはHCl系のエッチャントを用
いて、マスク20(20aおよび20b)から露出した
構造体10部分の表面側から異方性のドライエッチング
をすることにより、幅が約10μm、深さが約2μmの
エッチング溝(溝)22を形成した。また、このエッチ
ングにより、溝22にはさまれ、第1クラッド層13、
活性層15、第2クラッド層17、コンタクト層19を
含んで構成された、高さ約2μmのメサ構造23が形成
された。また、このメサ構造23と同時に、溝22を隔
てたメサ構造23の両わきに、メサ30aおよび30b
が形成されている(図3の(C))。この両わきのメサ
30aおよび30bは、埋め込み層を平坦に形成するた
めに必要であるが、レーザの動作には寄与しない。ま
た、メサ30aおよび30bからみて溝22を内側とし
たとき、このメサ30aおよび30bの外側もエッチン
グ除去されている。
【0038】次に、この発明のレーザの製造方法によれ
ば、マスク20から露出したエッチング溝に、MOVP
E法を用いて埋め込み層を選択成長させる。ここでは、
埋め込み層をFeドープのInP層とするため、Inの
原料のTMIと、また、Pの水素化物(例えばPH3
のガスとの原料の熱分解によって、溝22を埋め込むよ
うに成長を行う。このとき、マスク20の形状から、メ
サ30aおよび30bの外側のエッチング除去された部
分も埋め込まれることになる。また、これらの原料ガス
と一緒に不純物Feを含むガスを流す。溝22は、メサ
構造23に沿った狭い領域に形成してあるため、ここを
埋め込むFeドープのInP層は、表面が実用上支障が
ない程度に平坦になっている。ここでは、溝22を埋め
込むFeドープのInP層を、特に埋め込み層24とす
る(図4の(A))。メサ30aおよび30bの外側の
エッチング除去された部分に埋め込まれたFeドープI
nP層はレーザの動作には関係がなく、電流ブロック層
として働くものではない。また、このとき、すでに述べ
てあるように、中心のマスク20aの幅は4μm〜6μ
m、また、両わきのマスク20bの幅は5μm〜10μ
mの範囲内としてあり、TMIの拡散長(約10μm)
を超えないため、マスク20(20aおよび20b)上
にポリクリスタルが成長するのを抑えることができる。
【0039】その後、好適な方法によりマスク20(2
0aおよび20b)を除去し、メサ構造23の上側表面
を除く部分にSiO2 膜等の絶縁膜25を好適な方法、
例えば蒸着法により設ける(図4の(B))。次に、以
上の工程が終了した構造体の表面にp側電極36を例え
ば蒸着法により形成し、構造体の裏面にはn側電極38
を形成する。こうして、半導体レーザ100が完成する
(図4の(C))。
【0040】図5の(A)は、レーザ100を、メサ構
造23の配列方向に切断したときの概略的な断面図であ
る。なお、断面を示すハッチングは、一部分を除き省略
してある。このレーザ100のように、第1クラッド層
13、活性層15、および第2クラッド層17、コンタ
クト層19を含む積層構造でメサ構造を構成してもよ
い。
【0041】図5の(B)は、変形例を示す断面図であ
り、例示の形態のレーザ100に対し、第1のクラッド
層130と活性層150との2層構造を含むメサ構造2
30とした場合のレーザ101の断面図を、図5の
(A)に倣って示したものである。ここでも、断面を示
すハッチングは一部分を除き省略してある。この場合、
第2クラッド層170、コンタクト層190は、メサ構
造230上のみではなく、全面に形成されている。ただ
し、レーザ101の動作に寄与する部分は、メサ構造2
30の上側の第2クラッド層170およびコンタクト層
190部分である。このような半導体レーザ101は、
基板11上の全面に第1の予備クラッド層と、予備活性
層とを設けた構造体の上に、マスク20(20aおよび
20b)を用いて、レーザ100の製造方法と同様にし
て埋め込み層240を形成すればよい。その他の部分
は、例示の形態と同様であるため、詳細な説明を省略す
る。
【0042】この発明は例示の形態にのみ限定されるも
のではないことは明らかである。例えば、用いるマスク
の材料や、MOVPE法に用いる原料も、例示のものに
限らない。また、例示の形態のレーザ100では、基板
やクラッド層を、InPで構成しているが、GaAs系
の材料で構成するようにしてもよい。その他、エッチン
グ溝の形成は、ドライエッチングまたはウエットエッチ
ングのどちらの方法で行ってもよい。
【0043】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の埋め込み型半導体レーザの埋め込み層形成用マ
スクによれば、両わきのマスクの幅を、活性層の幅を決
める中心のマスクの幅と同等あるいはそれ以上の幅とし
ている。このため、エッチング溝を形成する時に、両わ
きのマスクの下側に形成されるメサが首切れを起こして
しまう心配がない。また、同じく両わきのマスクの幅
を、MOVPEに用いる原料の構造体に対する拡散長を
超えない範囲の幅としている。このため、MOVPE法
を用いて埋め込み層の成長を行っても、マスク上にポリ
クリスタルが成長するのを抑えることができる。
【0044】また、この発明の埋め込み型半導体レーザ
の製造方法によれば、埋め込み層の形成にこの発明のマ
スクを用いる。このマスクは、エッチング時に首切れを
起こすことがなく、MOVPE法を用いて埋め込み層の
成長を行っても、ポリクリスタルが生じるおそれがな
い。このため、平坦な電極が形成できる。したがって、
半導体レーザを構成する層をすべてMOVPE法を用い
て成長し、工程を簡略化しながらも、高周波応答特性が
良好で、素子特性の優れた半導体レーザを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の、埋め込み型半導体レーザの埋め込
み層形成用マスクの実施の形態の説明に供する、概略的
な斜視図である。
【図2】(A)〜(D)は、マスクの形成工程を示す概
略的な斜視図である。
【図3】(A)〜(C)は、この発明の埋め込み型半導
体レーザの製造方法の実施の形態の説明に供する斜視図
であり、段階的な工程図で示してある。
【図4】(A)〜(C)は、図3に続く、レーザの工程
図である。
【図5】(A)は例示の形態のレーザの断面図であり、
(B)は変形例のレーザの断面図である。
【図6】(A)は従来の埋め込み型半導体レーザの概略
的な斜視図であり、(B)はこのようなレーザの埋め込
み層形成用マスクのパターン例を示す概略的な斜視図で
ある。
【符号の説明】
10:構造体 11:半導体基板 12:第1の予備クラッド層 13、130:第1のクラッド層 14:予備活性層 14a:活性層形成予定領域 15、150:活性層 16:第2の予備クラッド層 17、170:第2のクラッド層 18:予備コンタクト層 19、190:コンタクト層 20:マスク 20a:中心のマスク 20b:両わきのマスク 22:エッチング溝 23、230:メサ構造 24、240:埋め込み層 25:絶縁膜 30a、30b:メサ 36:p側電極 38:n側電極 100、101:埋め込み型半導体レーザ 200:SiO2 膜 200a、200b:マスク形成予定領域 210:レジスト膜 210a:レジストパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀川 英明 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に予備活性層までが少なく
    とも設けられていて表面が平坦な構造体上に、所定の間
    隔をもって並置される3枚の帯状のマスクであって、該
    マスクを用いて前記構造体をエッチングして、活性層を
    含むメサ構造と該メサ構造の両側にエッチング溝を形成
    した後、該エッチング溝にMOVPE法を用いて埋め込
    み型半導体レーザの埋め込み層を選択成長させるための
    当該マスクにおいて、 前記マスクのうち、両わきのマスクの幅を、前記活性層
    の幅を決める中心のマスクの幅と同等あるいはそれ以上
    の幅であって、かつ前記MOVPEに用いる原料の前記
    構造体に対する拡散長を超えない範囲の幅としたことを
    特徴とする埋め込み型半導体レーザの埋め込み層形成用
    マスク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体レーザの埋め込
    み層形成用のマスクにおいて、 前記中心のマスクの幅を4〜6μmの範囲内とし、 前記間隙を5〜10μmの範囲内とし、 前記両わきのマスクの幅を、4〜10μmの範囲内とし
    たことを特徴とする埋め込み型半導体レーザの埋め込み
    層形成用マスク。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に設けられている、活性層
    を含むストライプ状のメサ構造と、該メサ構造のうちの
    少なくとも前記活性層に沿った両わきに形成されている
    埋め込み層とを少なくとも含んで構成される埋め込み型
    半導体レーザを製造するに当たり、(a)前記基板上の
    全面に、予備活性層までが少なくとも設けられていて表
    面が平坦な構造体を形成する工程と、(b)前記構造体
    上に、請求項1に記載のマスクを、前記中心のマスクが
    活性層形成予定領域の上側に設置されるように、フォト
    リソグラフィ技術を用いて設ける工程と、(c)前記マ
    スクから露出した前記構造体部分の表面側から、少なく
    とも前記予備活性層の下の層に達する深さまでをエッチ
    ング除去することによりエッチング溝を形成すると同時
    に、前記メサ構造を形成する工程と、(d)前記マスク
    から露出した前記溝に、MOVPE法を用いて埋め込み
    層を選択成長させる工程とを含むことを特徴とする埋め
    込み型半導体レーザの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の埋め込み型半導体レー
    ザの製造方法において、 前記基板をn導電型のInP基板とし、 前記活性層をInGaAs層とし、 前記埋め込み層をFeをドープしたInP層とし、 前記MOVPEに用いるInの原料を、TMI(トリメ
    チルインジウム)またはTEI(トリエチルインジウ
    ム)としたことを特徴とする埋め込み型半導体レーザの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の埋め込み型半導体レー
    ザの製造方法において、前記メサ構造を、第1クラッド
    層およびその上に形成された活性層の2層構造とで少な
    くとも構成したことを特徴とする埋め込み型半導体レー
    ザの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の埋め込み型半導体レー
    ザの製造方法において、前記メサ構造を、第1クラッド
    層、活性層、および第2クラッド層が順次積層された3
    層構造を少なくとも含む積層構造としたことを特徴とす
    る埋め込み型半導体レーザの製造方法。
JP33861695A 1995-12-26 1995-12-26 埋め込み型半導体レーザの埋め込み層形成用マスクおよびこれを用いた埋め込み型半導体レーザの製造方法 Withdrawn JPH09181388A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11251686A (ja) * 1998-03-05 1999-09-17 Mitsubishi Electric Corp 変調器付半導体レーザ及びその製造方法
JP2009071067A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Nec Corp 半導体光素子およびその製造方法
JP2016197657A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 住友電気工業株式会社 量子カスケード半導体レーザ

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