JP2547459B2 - 半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子及びその製造方法

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JP2547459B2 JP2022955A JP2295590A JP2547459B2 JP 2547459 B2 JP2547459 B2 JP 2547459B2 JP 2022955 A JP2022955 A JP 2022955A JP 2295590 A JP2295590 A JP 2295590A JP 2547459 B2 JP2547459 B2 JP 2547459B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は光通信用光源又は光計測用光源に適した半導
体レーザ素子及びその製造方法に関し、特に、単一基本
水平横モードで発振し、低電流で安定に動作する半導体
レーザ素子及びその製造方法に関する。
(従来の技術) 半導体レーザ素子が光通信用光源や光計測用光源とし
て用いられるためには、低電流で安定して動作すること
及び高い信頼性を有することが要求される。
第7図に、これらの光源として広く利用されている従
来の半導体レーザ素子の断面図を示す。この半導体レー
ザ素子は、埋込型タブルヘテロ構造を有するものであ
る。
第7図からわかるように、n型GaAs基板31上に、n型
AlGaAsクラッド層33、アンドープAlGaAs活性層34、p型
AlGaAsクラッド層35がこの順番で基板31側から積層され
たメサストライプ構造が設けられている。
メサストライプ構造の幅は、1.5μm程度である。
メサストライプ構造が設けられている領域以外の領域
の基板31上には、p型AlGaAs層36a及びn型AlGaAs層36b
がこの順番で基板31側から積層された埋込層36が設けら
れている。埋込層36は、メサストライプ構造の側面部を
埋め込んでいる。n型AlGaAs層36b及びp型AlGaAsクラ
ッド層35の上には、p型AlGaAsクラッド層40及びp型Ga
Asコンタクト層37が、この順番で基板31側から積層され
ている。p型GaAsコンタクト層37上にはp側電極38が、
基板31の裏面にはn側電極39が形成されている。
第7図の半導体レーザ素子は、活性層34を含むメサス
トライプ構造の側面部が埋込層36によって埋め込まれて
いるために、単一の基本水平横モードで発振するレーザ
光を放射することができる。また、レーザ光を発振させ
るために、電極38、39に電圧を印加すると、埋込層36内
に設けられたpn接合部には逆バイアスが印加される構成
となっているために、埋込層36を流れる無効電流が減少
し、メサストライプ構造中を電流は集中して効率よく流
れる。従って、発振閾値は低下し、低電流での安定した
レーザ発振が実現する。但し、単一横モード発振を実現
し、発振閾値を低減するためには、活性層34の幅を数μ
m程度に設定する必要がある。
次に、第7図の半導体レーザ素子の従来の製造方法を
説明する。
まず、LPE法により、半導体基板31上にn型AlGaAs層
クラッド33、アンドープAlGaAs活性層34及びp型AlGaAs
クラッド層35をこの順番で基板31側から積層する。
次に、後工程で埋込層36が埋め込まれる部分を形成す
るために、所定幅のストライプパターンを有するメサエ
ッチマスクをp型AlGaAsクラッド層35上に形成した後、
該メサエッチマスクに覆われていない領域のp型AlGaAs
層クラッド35、アンドープAlGaAs活性層34、n型AlGaAs
クラッド層33をエッチングする。こうして、AlGaAsクラ
ッド層33、AlGaAs活性層34、AlGaAsクラッド層35からな
るメサストライプ構造を基板31上に形成する。
上記のエッチングによりAlGaAsクラッド層33、AlGaAs
活性層34、AlGaAsクラッド層35が除去された領域の基板
31上に、LPE法により、p型AlGaAs層36a及びn型AlGaAs
層36bをこの順番で基板31側から積層する。このとき、
埋込層36がメサストライブ構造の側面を覆うようにし、
しかも、p型GaAs層36aとn型GaAs層37aの界面(pn接合
面)の高さが、活性層34の高さに一致するようにする。
メサエッチマスク除去後、n型AlGaAs層36b及びAlGaA
s層35の上に、LPE法によりp型AlGaAsクラッド層40、p
型GaAs層コンタクト37をこの順番で基板31側から積層す
る。
次に、p型GaAsコンタクト層37上にp側電極38を、基
板31の裏面にn側電極39を形成する。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述の従来技術においては、以下に述
べる問題点があった。
所定幅の活性層34を形成するためには、基板31上の全
面に活性層34を含む多層膜を形成した後、この多層膜の
所定領域を高精度でエッチングし、所定幅のメサストラ
イプ構造を形成する工程(メサエッチ工程)が必要であ
る。レーザ発振の横モードを安定化するためには、活性
層34の幅の所定の値からのズレを0.1μm程度以下に抑
える制御が必要である。上記従来技術によれば、ウェハ
上の全面に形成された多層膜の所定部分を深くエッチン
グすることによってメサストライプ構造を形成するた
め、このような精度で、活性層34の幅を再現性良く形成
することは困難である。このため、活性層34の幅に大き
なバラツキが生じることになる。
また、無効電流を低減するためには、埋込層36に於け
るpn接合の高さを活性層の高さに一致させるように、各
層の層厚を制御しなければならない。pn接合の高さと活
性層34の高さとの間に大きなズレが生じてしまうと、活
性層34を流れることなく埋込層36を流れる無効電流が増
加する。このため、半導体レーザ素子の発振閾値が高く
なってしまう。
また、ダブルヘテロ構造を形成するための結晶成長工
程と埋込層を形成するための結晶成長工程との間に、エ
ッチング工程等の工程が必要であるため、工程が複雑で
ある。更に、上記の結晶成長工程間に、結晶層中に大気
雰囲気から不純物が混入してしまう可能性がある。
このように、上記の従来技術によれば、製造工程中に
生じた寸法のバラツキ等のために、特性の劣化した半導
体レーザ素子が多数形成されてしまうことがある。
上記従来例を改良した半導体レーザ素子(特開昭64−
25590号により開示)を、第8図に示す。
この改良例に於いては、面方位(100)のn型GaAs基
板41の上に、メサ状のリッジ(幅5μm、高さ約2μ
m)42が、[011]方向(共振器方向、図面に垂直)に
沿うようにして設けられている。
リッジ42上には、n型GaAsバッファ層43a、n型AlGaA
s層44a、アンドープAlGaAs活性層45a及びp型AlGaAs層4
6aがこの順番で基板41側から積層されたメサストライブ
構造が形成されている。このメサストライプ構造の断面
形状は、三角形であり、その側面は{111}B面ファセ
ットである。{111}B面と基板41の表面とのなす角度
は54.7度である。このように、メサストライプ状の積層
構造の側面が特定面方位のファセットとなるのは、{11
1}B面上に結晶成長が起こりにくくなる条件で、上記
の各層を成長したからである。従って、この改良例で
は、メサストライプ構造を形成するためのメサエッチ工
程が不要である。
なお、メサストライプ構造が設けられている領域以外
の領域の基板41上では、n型GaAsバッファ層43b、n型A
lGaAs層44b、アンドープAlGaAs活性層45b及びp型AlGaA
s層46bが、この順番で基板41側から積層されている。こ
れらの各層は、メサストライプ構造を形成するための結
晶成長工程により、メサストライプ構造の形成と同時に
行われる。
p型AlGaAs層46a、46b上には、n型AlGaAs埋込層51、
p型AlGaAsクラッド層52、及びp型GaAsコンタクト層53
が、この順番で基板41側から積層されている。
p型GaAsコンタクト層53上にはp型電極54が、基板41
の裏面にはn側電極55が形成されている。
上記改良例は、製造の際に、メサストライプ状積層構
造を形成するための結晶成長工程と埋込層51等を形成す
るための結晶成長工程との間に、メサエッチ工程が不要
であるという利点を有している。また、上記の2種類の
結晶成長工程を、同一の装置内で行う連続した1回の工
程して実施できるため、結晶層中に大気雰囲気から不純
物が混入してしまう可能性がない。
しかし、この改良例では、基板41を深くエッチングす
ることにより、リッジ42を形成しなければならないため
に、所定幅のリッジ42を歩留り良く形成することが困難
であるという問題点がある。このため、リッジ42の幅に
バラツキが生じ、それにともなって活性層45aの幅にも
バラツキが生じてしまう。
また、メサストライプ構造が基板41の凸部であるリッ
ジ42の上に形成されているために、埋込層形成前のウェ
ハ表面の断差が大きく、埋込層形成によるウェハ表面を
平坦化することが困難である。ウェハの上面が平坦でな
いと、ヒートシンク等の上に、そのヒートシンク等とウ
ェハ上面とが接するような配置で、半導体レーザ素子を
搭載(マウント)する場合に、マウント不良が発生して
しまう。
更に、この改良例では、無効電流低減のため、埋込層
に於けるpn接合の高さを活性層45の高さに一致させるよ
うに、各層の層厚を精度良く制御しなければならない。
このため、製造歩留りが低いという問題もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので
あり、その目的とするところは、活性層の幅の制御を高
精度で行うことができ、しかも、素子の上面が平坦化さ
れ、マウント不良が起こりにくい半導体レーザ素子及び
その製造方法に提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の半導体レーザ素子は、半導体基板と、該半導
体基板上に形成された半導体電流阻止層と、該半導体電
流阻止層に形成され、該基板に達っする溝と、該溝内の
該基板上に設けられた、活性層を含むメサストライプ構
造と、該メサストライプ構造を覆うようにして設けられ
た埋込層とを備え、該基板の主たる面が(100)面であ
り、該溝が〈011〉方向に沿う溝であり、該メサストラ
イプ構造の側面が{111}面のファセットであることに
より、上記目的が達成される。
また、半導体基板と、該半導体基板上に形成された溝
と、該溝内の該基板上に設けられた、活性層を含むメサ
ストライプ構造と、該メサストライプ構造を覆うように
して設けられた埋込層とを備え、該基板の主たる面が
(100)面であり、該溝が〈011〉方向に沿う溝であり、
該メサストライプ構造の側面が{111}面のファセット
であってもよい。
本発明の半導体レーザ素子の製造方法は、(100)面
を主たる面とする半導体基板上に半導体電流阻止層を形
成する工程と、〈011〉方向に沿う溝を該基板に達する
ようにして該半導体電流阻止層に形成する工程と、活性
層を含むメサストライプ構造を該溝内の該基板上に成長
させ、かつこれと同時に該半導体電流阻止層上の溝外の
部分に該メサストライプ構造同様の多層膜からなる半導
体電流阻止層を成長させる工程と、を包含しており、そ
のことにより上記目的が達成される。
また、(100)面を主たる面とする半導体基板上に、
〈011〉方向に沿う溝を形成する工程と、活性層を含む
メサストライプ構造を該溝内の該基板上に成長させ、か
つこれと同時に該半導体電流阻止層上の溝外の部分に該
メサストライプ構造同様の多層膜からなる半導体電流阻
止層を成長させる工程と、を包含してもよい。
(作用) (100)面を主たる面とする半導体基板であって、そ
の上面に〈011〉方向に沿う溝が形成された半導体基板
の上に、{111}面のファセッを形成する成長条件で結
晶成長を行うと、メサエッチ工程を行うことなく、該溝
内の該基板上に、{111}面のファセットを有するメサ
ストライプ構造を形成することができる。
該溝は、(100)面を主たる面とする半導体基板上に
設けられた半導体電流阻止層に形成された溝であって
も、あるいは、(100)面を主たる面とする半導体基板
に直接形成された溝であってもよい。
第6図は、該溝の幅(μm)と溝内に成長する結晶層
の成長速度(Å/min)との関係の一例を示すグラフであ
る。グラフ中の線A、B、C、及びDは、それぞれ、
(100)面上でのInP層の成長速度、(100)面上でのGaA
s層の成長速度、(111)B面上でのInP層及びGaAs層の
成長速度、及び(111)A面上でのInP層及びGaAs層の成
長速度を示している。第6図に示すような成長速度の面
方位依存性を利用して、所定幅の活性層を有するメサス
トライプ構造を制御性よく形成することができる。
こうして形成されたメサストライプ構造を有する半導
体レーザ素子は、単一の基本水平横モードで安定したレ
ーザ発振を行うことができる。また、メサエッチ工程が
不要であるため、製造歩留りが高い。
また、本発明の半導体レーザ素子の製造方法によれ
ば、溝の内外に多層膜を同時に形成する場合において、
溝内はメサストライプ構造の形状が三角形であるため、
メサストライプ構造が形成されれば、それ以上成長する
ことがない。一方、溝外は最上層の膜の成長時間を長く
設定すれば、任意の厚み迄成長させることができる。こ
のことは、溝の内外の高さを微調整して双方の高さを容
易に均一化できることを意味する。このため、本発明に
よれば、埋込層形成前のウェハ表面の段差を可及的に低
減できるので、溝の内外を覆うようにして形成される埋
込層を形成した後の半導体レーザ素子の上面の高さを容
易に平坦化できる。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
第1図に、本発明の第1の実施例の断面図を示す。
面方位(100)のn型GaAs基板1aの上に、V(バナジ
ウム)がドープされた半絶縁性のGaAs電流阻止層(膜厚
0.5μm、抵抗率1×106Ωcm程度)2が設けられてい
る。
半絶縁性GaAs電流阻止層2には、基板1aに達する幅3
μmの溝10aが[011]方向(共振器方向、図面に垂直)
に沿うようにして設けられている。基板1aに達する溝10
aが半絶縁性GaAs電流阻止層2に設けられているので、
溝10aを介して電極間に駆動電流が流れることになる。
溝10a内の基板1a上には、Seドープn型AlGaAsクラッ
ド層(層厚1.0μm、キャリア濃度n〜1×1018cm-3)3
a、アンドープAlGaAs活性層(層厚0.1μm)4a、及びZn
ドープp型AlGaAsクラッド層(層厚1.0μm、キャリア
濃度p〜1×1018cm-3)5aがこの順番で基板1a側から積
層された断面形状が三角形のエサストライプ構造が設け
られている。メサストライプ構造の側面は{111}B面
であり、側面と基板1aの表面とのなす角度は54.7度であ
る。従って、この角度と溝10aの幅とp型AlGaAsクラッ
ド層3aの層厚とによって幾何学的に決定される活性層4a
の幅は、1.5μmとなる。
半絶縁性GaAs電流阻止層2上には、Seドープn型AlGa
Asクラッド層3b、アンドープAlGaAs活性層4b、Znドープ
p型AlGaAsクラッド層5bがこの順番で基板1a側から積層
されている。
p型AlGaAsクラッド層5a、5b上には、p型AlGaAs埋込
層(層厚5μm、キャリア濃度p〜1×1018cm-3)6
が、メサストライプ構造を覆うようにして設けられてい
る。
p型AlGaAs埋込層6上には、Znドープp型GaAsコンタ
クト層(層厚0.3μm、キャリア濃度p〜1×1019c
m-3)7が形成されている。
p型GaAsコンタクト層7上にはAu/Zn電極8が、基板1
aの裏面にはAu/Ge電極9が形成されている。
本実施例の半導体レーザ素子は、溝10aの幅とn型GaA
sクラッド層3aの層厚とによって調整されたバラツキの
少ない幅を有する活性層4aを備えているため、レーザ光
の水平横モードが単一化し、しかも素子間の特性バラツ
キが低減されている。
また、本実施例の半導体レーザ素子は、基板1a上の凹
部内にメサストライプ構造が形成されており、しかもメ
サストライプ構造を形成するときに成長した多層膜が該
凹部以外の部分上にも存在するため、埋込層等によりウ
ェハ上面は充分に平坦化されている。
次に、第1図に示す半導体レーザ素子の製造方法を、
第2図を参照しながら説明する。
まず、面方位(100)のn型GaAs基板1a上に、MOCVD法
を用いて、バナジウムをドープした半絶縁性GaAs電流阻
止層2を形成した。次に、通常のフォトエッチング工程
により、幅3μmの溝10aは、[011]の方向に沿うよう
にして半絶縁性GaAs電流阻止層2に形成した(第2図
(a))。なお、溝10aの深さが基板1aに達するよう
に、エッチング条件を調節した。
次に、MOCVD法を用いた選択成長により、溝10a内の基
板1a上に、断面形状が三角形となるようにメサストライ
プ構造を形成した(第2図(b))。この結晶成長の
際、ガス種等を調節することにより、n型AlGaAsクラッ
ド層3a、アンドープAlGaAs活性層4a、p型AlGaAsクラッ
ド層5aをこの順番で基板1a側から連続的に成長させた。
このとき、V/III比を120とし、基板温度を約750℃に、
雰囲気圧力を約50Torrに保った。この成長条件では、
{111}面上には結晶成長が起こりにくいという成長速
度の面方位依存性があり、結晶成長後のメサストライブ
構造の側面に{111}B面ファセットが形成された。こ
うして、[011]方位に沿う溝10a上には、溝10aに沿う
側面を{111}B面とする断面形状が三角形のメサスト
ライプ構造が形成された。
上記の結晶成長の際、同時に、半絶縁性GaAs電流阻止
層2上でも、n型AlGaAsクラッド層3b、アンドープAlGa
As活性層4b及びp型AlGaAsクラッド層5bが、この順番で
基板1a側から連続的に成長した。
この後、メサストライプ構造及びp型AlGaAsクラッド
層5bを覆うようにして、p型AlGaAs埋込層6、p型GaAs
コンタクト層7を順次成長させた。この結晶成長の際、
基板温度を約750℃に、また、雰囲気圧力を760Torrに保
った。上記結晶成長条件は、結晶の面方位に関して選択
性の無い成長条件である。従って、p型AlGaAs埋込層6
は、メサストライプ構造の側面上にも成長し、p型AlGa
As埋込層6の上面は、平坦なものとなった。
本実施例では、メサストライプ構造を形成したときの
選択成長と埋込層を形成したときの非選択的な成長と
を、同一のMOCVD装置内に於いて、ウェハを大気と接触
させることなく、連続して行った。
上面が平坦となったp型GaAs層7上には、Au/Zn電極
8を形成した。また、基板1aの裏面には、Au/Ge電極9
を形成した(第2図(c))。こうして、第1図の半導
体レーザ素子が形成された。
このように、本実施例では、MOCVD法により、活性層
4を含むメサストライプ構造を基板1a上の溝10aの上に
選択成長させ、メサストライプ構造の側面に{111}B
面ファセットを形成した。
また、同一のMOCVD装置内に於いて、ウェハと大気と
を接触させることなく、上記の選択成長と非選択な成長
とを連続的に行ったため、工程が簡単化され、大気雰囲
気から結晶層へ不純物が混入してしまうことが防止され
た。
次に、第2の実施例について、以下に第3図を参照し
ながら説明する。
本実施例と第1の実施例との間の主要な差異は、本実
施例のメサストライプ構造の最上層が、p型AlGaAsクラ
ッド層5a上に設けられたp型AlxGa1-xAs(x≧0.7)20
層である点と、埋込層6が半絶縁性AlGaAs層である点と
にある。このp型AlxGa1-xAs20層はAl多く含む層である
ため、この層20上では、半絶縁性AlGaAs埋込層6がほと
んど成長しない。
半絶縁性AlGaAs埋込層6上には、p型AlGaAsクラッド
層11が形成されており、その上には、p型GaAsコンタク
ト7層が形成されている。
p型GaAsコンタクト層7上にはAu/Zn電極8が、基板1
aの裏面にはAu/Ge電極9が形成されている。
本実施例の半導体レーザ素子も、第1の実施例の半導
体レーザ素子と同様に、低電流でも単一基本水平横モー
ドで安定に発振するレーザ光を放射した。
なお、第1及び第2の実施例では、溝10aを有する電
流阻止層2として、半絶縁性半導体層を用いたが、この
半絶縁性半導体層の代わりに、基板の導電性と反対の導
電性を有する半導体層を用いてもよい。
次に、第4図を参照しながら、第3の実施例を説明す
る。
本実施例では、第1及び第2の実施例とは異なり、面
方位(100)のn型GaAs基板1bの上に、溝を有する半絶
縁性GaAs電流阻止層は設けられていない。その代わり
に、本実施例では、溝(幅3μm、深さ0.5μm)10b
が、基板1bの上面をエッチングすることにより、[01
1]方向(共振器方向、図面に垂直)に沿うようにし
て、基板1b上に直接形成されている。
基板1bの溝10b上には、前述の実施例と同様のメサス
トライプ構造が、同様の結晶成長方法により形成されて
いる。
溝10bが形成されていない領域の基板1b上には、前記
各実施例と同様にして、n型AlGaAsクラッド層3b、アン
ドープAlGaAs活性層4b及びp型AlGaAsクラッド層5bが、
この順番で基板1b側から積層されている。
p型AlGaAsクラッド層5a、5b上には、メサストライプ
構造を覆うようにして、半絶縁性AlGaAs埋込層6が形成
されており、この上には、p型GaAsコンタクト層7が形
成されている。
p型GaAsコンタクト層7上にはAu/Zn電極8が、基板1
bの裏面にはAu/Ge電極9が形成されている。
半絶縁性AlGaAs埋込層6及びp型GaAsコンタクト層7
には、Znが選択的に拡散されたストライプ状拡散領域30
が、基板1bに形成された溝10bに対向するようにして設
けられている。そのストライプ状拡散領域30は、メサス
トライプ構造のp型AlGaAsクラッド層5aとp型GaAsコン
タクト層7との間に、狭搾された電流経路を形成するス
トライプ状電極として機能する。
本実施例の半導体レーザ素子も、他の実施例の半導体
レーザ素子と同様に、低電流でも単一基本水平横モード
で安定に発振するレーザ光を放射した。
次に、第5図を参照しながら、InP基板を用いて形成
した第4の実施例を説明する。本実施例の半導体レーザ
素子の構造は、第1の実施例の半導体レーザ素子の構造
と同様のものであるが、半導体各層の材料が第1の実施
例のものとは異なっている。
面方位(100)のn型InP基板21aの上に、InP基板21a
に格子整合したFeドープ半絶縁性GaxIn1-xPyAs1-y(x
=0.46×(1−y)、0≦x≦1)電流阻止層(膜厚0.
5μm、抵抗率1×106Ωcm程度)22が設けられている。
半絶縁性GaxIn1-xPyAs1-y電流阻止層22には、基板21aに
達する幅3μmの溝10aが[011]方向(共振器方向、図
面に垂直)に沿うようにして設けられている。
溝10a内の基板21a上には、Siドープn型InPクラッド
層(層厚1.0μm、キャリア濃度n〜1×1018cm-3)23
a、アンドープGaInAsP活性層(層厚0.1μm)24a、Znド
ープp型InPクラッド層(層厚1.0μm、キャリア濃度p
〜1×1018cm-3)25aがこの順番で基板21a側から積層さ
れた断面形状が三角形のメサストライプ構造が設けられ
ており、ダブルヘテロ構造が形成されている。メサスト
ライプ構造の側面は{111}B面である。本実施例で
は、これらの各層は、MOCVD法により、基板温度を約650
℃、雰囲気圧力を約50Torr、V/III比を200とする条件で
成長させられた。
半絶縁性GaxIn1-xPyAs1-y電流阻止層22上には、Siド
ープn型InPクラッド層23b、アンドープGaInAsP活性層2
4b、Znドープp型InPクラッド層25bがこの順番で基板21
a側から積層されている。
Znドープp型InPクラッド層25a、25bの上には、p型I
nP埋込層(層厚5μm、キャリア濃度p〜1×1018c
m-3)26が、メサストライブ構造を覆うようにして設け
られている。
p型InP埋込層26上には、Znドープp型GaInAsPコンタ
クト層(層厚0.3μm、キャリア濃度p〜1×1019c
m-3)27が形成されている。
p型GaInAsPコンタクト層27上にはAu/Zn電極28が、基
板21の裏面にはAu/Ge電極29が形成されている。
本実施例の半導体レーザ素子も、{111}B面ファセ
ットの側面を有するメサストライプ構造を備えている。
従って、本実施例の半導体レーザ素子は、バラツキの少
ない幅を有する活性層24aを備えているため、レーザ光
の水平横モードが単一化し、しかも素子間の特性バラツ
キが低減されている。
第2の実施例及び第3の実施例の半導体レーザ素子に
於いても、その基板及び半導体各層を、本実施例と同様
の基板及び半導体各層に置き換えることができる。
このように、何れの実施例に於いても、基板上の凹部
内にメサストライプ構造が形成されており、また、メサ
ストライプ構造を形成するときに成長した多層膜が該凹
部以外の部分上にも存在するため、埋込層形成によるウ
ェハ表面の平坦化が容易であるという利点を有してい
る。
なお、基板及び半導体各層の誘電型については、上記
実施例の導電型を逆にしたものであっても良い。
また、何れの実施例に於いても、溝の沿う方向を[01
1]とする例について説明したが、溝の方向としては、
[01]方向でもよい。すなわち、溝の方向が〈011〉
で示される方向であれば、上記実施例の方法により、メ
サストライプ構造の側面に{111}面ファセットを形成
することができる。
(発明の効果) このように本発明の半導体レーザ素子は、{111}面
の側面を有するメサストライプ状のダブルヘテロ構造を
備え、所望の値に幅が高精度で調節された活性層を有し
ているため、水平横モードで安定に発振するレーザ光を
放射し、しかもレーザ光の発振特性の素子間バラツキが
少ない。
また、メサストライプ構造が、基板上の溝内に形成さ
れているため、半導体レーザ素子の上面が容易に平坦化
され、半導体レーザ素子のマウント不良が発生しにく
い。
本発明の製造方法によれば、{111}面の側面を有す
るメサストライプ構造を基板上の溝に成長させることが
でき、これによって、活性層幅を再現性良く高精度で制
御することができる。このため、所定幅の活性層を有
し、単一基本水平横モードで安定に動作する半導体レー
ザ素子を歩留り良く形成することができる。
また、本発明の製造方法によれば、溝の内外に多層膜
を同時に形成する場合において、溝内はメサストライプ
構造の形状が三角形であるため、メサストライプ構造が
形成されれば、それ以上成長することがない。一方、溝
外は最上層の膜の成長時間を長く設定すれば、任意の厚
み迄成長させることができる。このことは、溝の内外の
高さを微調整して双方の高さを容易に均一化できること
を意味する。このため、本発明によれば、埋込層形成前
のウェハ表面の段差を可及的に低減できるので、溝内外
を覆うようにして形成される埋込層を形成した後の半導
体レーザ素子の上面の高さを容易に平坦化できる。この
結果、ヒートシンク等とウェハ上面とが接するような配
置で半導体レーザ素子をマウントする場合に、マウント
不良を発生することがない、といった効果を奏すること
ができる。
また、ダブルヘテロ構造を形成するための層成長工程
と埋込層を形成するための層成長工程とを、それらの工
程の間にエッチング工程を行うことなく、同一装置内に
於いて連続的に行うことができる。このため、工程が簡
単化され、大気雰囲気から成長層へ不純物が混入してし
まうことが抑制される。
従って、本発明によれば、低電流で単一基本水平横モ
ードで発振する、光通信用光源や光計測用光源に適した
半導体レーザ素子を歩留り良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例を示す断面図、第2図
(a)〜(c)は第1の実施例の製造方法を説明するた
めの断面図、第3図は第2の実施例を示す断面図、第4
図は第3の実施例を示す断面図、第5図は第4の実施例
を示す断面図、第6図は溝幅と溝内に成長する結晶層の
成長速度との関係を示すグラフ、第7図は従来例を示す
断面図、第8図は他の従来例を示す断面図である。 1a、1b……n型GaAs基板、2……半絶縁性GaAs電流阻止
層、3a、3b……Seドープn型AlGaAsクラッド層、4a、4b
……アンドープAlGaAs活性層、5a、5b……Znドープp型
AlGaAsクラッド層、6……p型AlGaAs埋込層、7……Zn
ドープp型GaAsコンタクト層、8……Au/Zn電極、9…
…Au/Ge電極、10a、10b……溝、11……AlGaAsクラッド
層、20……P型AlxGa1-xAs(x≧0.7)、21a……n型In
P基板、22……Feドープ半絶縁性GaxIn1-xPyAs1-y(x=
0.46×(1−y)、0≦x≦1)電流阻止層、23a、23b
……Siドープn型InPクラッド層、24a、24b……アンド
ープGaInAsP活性層、25a、25b……Znドープp型InPクラ
ッド層、26……p型InP埋込層、27……Znドープp型Gal
nAsPコンタクト層、28……Au/Zn電極、29……Au/Ge電
極、30……ストライプ状拡散領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 敏之 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 坂根 千登勢 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 菅原 聰 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 中津 弘志 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−209777(JP,A) 特開 昭59−9990(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板と、 該半導体基板上に形成された半導体電流阻止層と、 該半導体電流阻止層に形成され、該基板に達する溝と、 該溝内の該基板上に設けられた、活性層を含むメサスト
    ライプ構造と、 該メサストライプ構造を覆うようにして設けられた埋込
    層とを備え、 該基板の主たる面が(100)面であり、 該溝が〈011〉方向に沿う溝であり、 該メサストライプ構造の側面が{111}面のファセット
    である、 半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】半導体基板と、 該半導体基板上に形成された溝と、 該溝内の該基板上に設けられた、活性層を含むメサスト
    ライプ構造と、 該メサストライプ構造を覆うようにして設けられた埋込
    層とを備え、 該基板の主たる面が(100)面であり、 該溝が〈011〉方向に沿う溝であり、 該メサストライプ構造の側面が{111}面のファセット
    である、 半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】(100)面を主たる面とする半導体基板上
    に半導体電流阻止層を形成する工程と、 〈011〉方向に沿う溝を該基板に達するようにして該半
    導体電流阻止層に形成する工程と、 活性層を含むメサストライプ構造を該溝内の該基板上に
    成長させ、かつこれと同時に該半導体電流阻止層上の溝
    外の部分に該メサストライプ構造同様の多層膜からなる
    半導体電流阻止層を成長させる工程と、 を包含する半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 【請求項4】(100)面を主たる面とする半導体基板上
    に、〈011〉方向に沿う溝を形成する工程と、 活性層を含むメサストライプ構造を該溝内の該基板上に
    成長させ、かつこれと同時に該半導体電流阻止層上の溝
    外の部分に該メサストライプ構造同様の多層膜からなる
    半導体電流阻止層を成長させる工程と、 を包含する半導体レーザ素子の製造方法。
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