JPH09166788A - 薄膜トランジスタ - Google Patents

薄膜トランジスタ

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JPH09166788A
JPH09166788A JP32747395A JP32747395A JPH09166788A JP H09166788 A JPH09166788 A JP H09166788A JP 32747395 A JP32747395 A JP 32747395A JP 32747395 A JP32747395 A JP 32747395A JP H09166788 A JPH09166788 A JP H09166788A
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channel region
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Masashi Jinno
優志 神野
Kyoko Hirai
恭子 平井
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LDD構造のダブルゲートpoly−SiT
FTにおいて、マスクずれによる低濃度領域の消失に起
因するリーク電流を抑え、電圧保持率を上昇し、コント
ラスト比を向上する。 【解決手段】 LDD構造のダブルゲートTFTであっ
て、2つのチャンネル領域11Na,11Nbの電流方
向を逆にしている。レジストが左右方向にずれ動いた場
合、LD領域11Lc,11LfあるいはLD領域11
Ld,11Leのいずれかが有効となるので、少なくと
もどちらか一方のチャンネル領域でリーク電流が抑えら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置(L
CD:Liquid Crystal Display)に搭載される薄膜トラ
ンジスタ(TFT:thin film transistor)に関し、特
に、チャンネル層を多結晶シリコン、即ち、poly−
Siにより形成し、これを用いて駆動回路部を基板上に
一体的に形成した駆動回路一体型を実現するpoly−
SiTFTに関する。
【0002】
【従来の技術】LCDは小型、薄型、低消費電力などの
利点があり、OA機器、AV機器などの分野で実用化が
進んでいる。特に、スイッチング素子として、TFTを
用いたアクティブマトリクス型は、原理的にデューティ
比100%のスタティック駆動をマルチプレクス的に行
うことができ、大画面、高精細な動画ディスプレイに使
用されている。
【0003】アクティブマトリクスLCDは、マトリク
ス状に配置された表示電極にTFTを接続形成した基板
(TFF基板)と共通電極を有する基板(対向基板)
が、液晶を挟んで貼り合わされた構成となっている。表
示電極と共通電極の対向部分は液晶を誘電層とした画素
容量となっており、TFTにより線順次に選択され、電
圧が印加される。画素容量に印加された電圧はTFTの
OFF抵抗により1フィールド期間保持させる。液晶は
電気光学的に異方性を有しており、画素容量により形成
された電界の強度に対応して光を変調する。
【0004】特に、TFTのチャンネル層として多結晶
シリコン(poly−Si)を用いることによって、マ
トリクス画素部と周辺駆動回路部を同一基板上に形成し
た駆動回路一体型のLCDが開発されている。一般に、
poly−Siは非晶質シリコン(a−Si)に比べて
移動度が高い。このため、TFTが小型化され、高精細
化が実現される。また、ゲートセルフアライン構造によ
る微細化、寄生容量の縮小による高速化が達成されるた
め、n−chTFTとp−chTFTの相補構造を形成
することにより、高速駆動回路を構成することができ
る。このように、駆動回路部を同一基板上にマトリクス
画素部と一体形成することにより、製造コストの削減、
LCDモジュールの小型化が実現される。
【0005】図7と図8に、このようなpoly−Si
TFTLCDの単位画素部の構造を示す。図7は平面図
であり、図8はそのC−C線に沿った断面図である。こ
こにあげたのは、ゲートを2つ設けて、チャンネル端部
にかかる強電界を緩和して、リーク電流を抑えるととも
に、反転層の形成をセパレートとすることにより、閾値
の上昇を防いだダブルゲート(WG)構造である。ガラ
スなどの基板(100)上に、島状にパターニングされ
たpoly−Si(101)、及び、これと一体で電荷
保持用の補助容量を形成する第1の補助容量電極(10
1C)が形成されている。poly−Si(101)及
び第1の補助容量電極(101C)を覆う全面には、S
iO2などのゲート絶縁膜(102)が被覆されてい
る。ゲート絶縁膜(102)上には、ドープドpoly
−Siとシリサイドのポリサイド層からなる2つのゲー
ト電極(103Ga,103Gb)と、これらに一体の
ゲートライン(103L)が形成されている。
【0006】poly−Si(101)は、ゲート電極
(103Ga,103Gb)をマスクとしたセルフアラ
イン構造でドーピングがなされている。即ち、ゲート電
極(103Ga,103Gb)の直下にp型に低濃度に
ドーピングされたチャンネル領域(101Na,101
Nb)と、これらチャンネル領域(101Na,101
Nb)の両側にn型に低濃度にドーピングされたLD
(lightly doped)領域(101Lc,101Ld,1
01Le,101Lf)と、LD領域(101Lc,1
01Lf)の更に外側にn型に高濃度にドーピングされ
たドレイン及びソース領域(101D,101S)と、
2つのゲート電極(103Ga,103Gb)の間の領
域、即ち、LD領域(101Ld,101Le)の間にソ
ース及びドレインと同様、高濃度にドーピングされた共
通領域(101B)の各領域からなっている。第1の補
助容量電極(101C)はソース領域(101S)と一
体で形成されている。このように、ソース・ドレイン及
び共通領域などの高濃度領域(101S,101D,1
01B)とチャンネル領域(101Na,101Nb)
の間に低濃度にドーピングされたLD領域(101L
c,101Ld,101Le,101Lf)が介在されたチ
ャンネルの構造はLDD(lightly doped drain)と呼
ばれ、チャンネル領域端に加わる強電界を緩和して電荷
の加速を弱め、ホットキャリアなどに起因するリーク電
流を抑制し、電圧保持率を向上してコントラスト比を維
持する効果がある。
【0007】一方、前記第1の補助容量電極(101
C)に対応するゲート絶縁膜(102)上にはゲート電
極及びライン(103)と同一層からなる第2の補助容
量電極(103C)が形成され、補助容量を形成してい
る。これらゲート電極(103Ga,103Gb)とそ
のライン(103L)及び第2の補助容量電極(103
C)を覆う全面にはSiO2などの第1の層間絶縁膜
(104)が被覆され、第1の層間絶縁膜(104)上
には、Alなどからなるドレイン電極(105)及びソ
ース電極(106)が設けられ、ゲート絶縁膜(10
2)及び第1の層間絶縁膜(104)中に開口されたコ
ンタクトホール(CT7,CT8)を介して各々ドレイ
ン・ソース領域(101D,101S)に接続されてい
る。ドレイン電極(105)は、同一列について互いに
接続されている。これら、ドレイン・ソース電極(10
5,106)上には、SiO2などの第2の層間絶縁膜
(107)が形成されている。第2の層間絶縁膜(10
7)上には液晶駆動用の表示電極(108)がITOに
より形成され、第2の層間絶縁膜(107)に形成され
たコンタクトホール(CT9)を介してソース電極(1
06)に接続されている。
【0008】図7及び図8に示した薄膜トランジスタの
製造方法を説明する。まず、基板(100)上に、アモ
ルファスシリコン(a−Si)を成膜して、エキシマレ
ーザーアニールによりa−Siを結晶化してpoly−
Si層にする。これをエッチングして、TFT部の島層
及び第1の補助容量電極(101C)を形成している。
poly−Si(101)層をp型に低濃度でドーピン
グした後、これを覆う全面に、SiO2などの絶縁膜を
積層し、ゲート絶縁膜(102)としている。アニール
の後、イオン注入を行って第1の補助容量電極(101
C)を低抵抗化する。再びpoly−Siを積層して、
燐のイオン注入を行って低抵抗化した後、タングステン
シリサイド(WSi)を積層し、このpoly−Siと
WSiのポリサイド層を同一パターンでエッチングし
て、ゲート電極(103Ga,103Gb)と、これを
行について互いに接続するゲートライン(103L)、
及び第2の補助容量電極(103C)を形成している。
所定のマスキングレジストを形成してp−ch領域を覆
った後、ゲート電極(103Ga,103Gb)をマス
クにして、低ドーズ量で燐のイオン注入を行い、ソース
及びドレイン領域(11S,11D)とLD領域(10
1Lc,101Ld,101Le,101Lf)となる領域
を低濃度にドーピングする。更に、ゲート電極(103
Ga,103Gb)よりも大きなレジストを形成した
後、これをマスクに高ドーズ量で燐のイオン注入を行
い、ソース及びドレイン領域(101S,101D)を
高濃度にドーピングするとともに、LD領域(101L
c,101Ld,101Le,101Lf)を形成する。ア
ニールの後、SiO2を積層して第1の層間絶縁膜(1
04)を形成した後、エッチングによりドレイン及びソ
ース領域(101D,101S)上のゲート絶縁膜(1
02)及び第1の層間絶縁膜(104)を除去してコン
タクトホール(CT7,CT8)を形成する。更に、T
i/AlSiを積層して、これをエッチングして、ドレ
イン電極(105)とソース電極(106)を形成し、
各々、コンタクトホール(CT7,CT8)を介してド
レイン及びソース領域(101D,101S)に接続し
ている。更に、ソース電極(106)上の第2の層間絶
縁膜(107)を除去してコンタクトホール(CT9)
を形成した後、ITOを成膜して、これをエッチングす
ることにより、表示電極(108)を形成し、コンタク
トホール(CT9)を介してソース電極(106)に接
続する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図7と図8に示した従
来のTFTでは、ソース及びドレイン領域(101S,
101D)とLD領域(101Lc,101Ld,101
Le,101Lf)は、マスク合わせにより形成されてい
る。即ち、フォトエッチにより形成されたレジストをマ
スクに、低濃度にドーピングされた領域に一部を除いて
ドーピングを行うことにより、高濃度のソース及びドレ
イン領域(101S,101D,101B)が形成さ
れ、それと同時にそれ以外の低濃度領域が残ってLD領
域(101Lc,101Ld,101Le,101Lf)と
される。
【0010】従って、例えば図9に示すように、レジス
ト(R)がマスク合わせずれにより位置が左にずれる
と、LD領域(101Lc)とLD領域(101Le)が
縮小あるいは消失し、LD領域(101Ld)とLD領
域(101Lf)が増大する。この時、ドレイン領域
(101D)に正電圧が加わると、LD領域(101L
c)による強電界が緩和されず、チャンネル領域(10
1Na)にリーク電流が生じ、共通領域(101B)に
正電圧が印加される。そして、LD領域(101Le)
においても強電界が緩和されず、チャンネル領域(10
1Nb)にリーク電流が生じる。このため、OFF電流
が抑えられずに、電圧保持率が低下し、コントラスト比
が下がる問題を招いていた。
【0011】一方、マスクアラインメントを含めて、L
D領域(101Lc,101Ld,101Le,101L
f)の全長を長くすればこのようなことは防がれるが、
ON電流の点で好ましくない。即ち、低濃度のLD領域
(101Lc,101Ld,101Le,101Lf)は比
較的抵抗が高く、ON時には抵抗が直列挿入された同等
になり、相互コンダクタンスを下げてしまう。この結
果、輝度やコントラスト比の低下を招いてしまう。従っ
て、LD領域(101Lc,101Ld,101Le,1
01Lf)の全長はできるだけ短い方が好ましい。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決
するために成され、絶縁基板上に島状に形成された多結
晶半導体層と、絶縁層を挟んで前記多結晶半導体層に重
畳配置された第1及び第2のゲート電極と、前記多結晶
半導体層中の前記第1のゲート電極との重畳領域及び前
記第2のゲート電極との重畳領域に各々形成された第1
のチャンネル領域及び第2のチャンネル領域と、前記第
1のチャンネル領域と第2のチャンネル領域の間の前記
多結晶半導体層中に不純物が高濃度にドーピングされた
高濃度領域からなる共通領域と、前記第1のチャンネル
領域を挟んで前記共通領域に対向する前記多結晶半導体
層中に前記不純物が高濃度にドーピングされた高濃度領
域からなるドレイン領域と、前記第2のチャンネル領域
を挟んで前記共通領域に対向する前記多結晶半導体層中
に前記不純物が高濃度にドーピングされた高濃度領域か
らなるソース領域と、前記第1のチャンネル領域と前記
ドレイン領域の間、前記第1のチャンネル領域と前記共
通領域の間、前記第2のチャンネル領域と前記共通領域
の間、及び、前記第2のチャンネル領域と前記ソース領
域の間に前記不純物が低濃度にドーピングされた低濃度
領域が介在されてなる薄膜トランジスタにおいて、前記
第1のチャンネル領域の電流方向と前記第2のチャンネ
ル領域の電流方向が異なっている構成である。
【0013】これにより、低濃度領域の形成位置が一方
向にずれて、一方のチャンネル領域の低濃度領域の片方
が縮小してリーク電流を招いたとしても、他方のチャン
ネル領域については、低濃度領域が正常に作用するた
め、特性の悪化が防がれる。特に、前記多結晶半導体層
は、前記共通領域において反り返った形状で、前記第1
のチャンネルの電流方向と前記第2のチャンネルの電流
方向は互いに逆方向にされている構成である。
【0014】これにより、トランジスタのチャンネル長
方向に低濃度領域の形成位置がずれ動いたとき、一方の
チャンネル領域に関して低濃度領域が縮小した側の端に
強電界が発生しても、他のチャンネル領域に関して低濃
度領域が増大した側の端に強電界が加わるようになるの
で、両方のチャンネル領域の直列結合動作により、リー
ク電流が抑えられ、特性の悪化が防がれる。
【0015】また、前記多結晶半導体層は、前記共通領
域において直角に折り曲げられた形状で、前記第1のチ
ャンネル領域の電流方向と前記第2のチャンネル領域の
電流方向は、互いに直角方向にされている構成である。
これにより、低濃度領域の形成位置がずれ動いても、一
方のチャンネル領域に関して、低濃度領域が縮小するこ
とになっても、他方の低濃度領域に関しては、低濃度領
域の縮小が抑えられるため、両方のチャンネル領域の直
列結合動作により、リーク電流が抑えられ、特性の悪化
が防がれる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明の第1の実
施形態にかかる薄膜トランジスタ(TFT)の構造を示
している。図1は単位画素部の平面図であり、図2はそ
のA−A線に沿った断面図である。ガラスなどの基板
(10)上に、多結晶シリコン(poly−Si)(1
1)がTFT部においてコの字形に反り返った形状で島
状に形成されるとともに、これと一体で画素部周縁部に
も形成されて、第1の補助容量電極(11C)となって
いる。これらp−Si(11)島層及び第1の補助容量
電極(11C)上にはゲート絶縁膜(12)が被覆され
ている。ゲート絶縁膜(12)上にはゲートライン(1
3L)が形成され、p−Si(11)島層に対応する領
域には、ゲートライン(13L)からの延在部が、反り
返された形状のp−Si(11)上の2カ所へ配され、
各々2つのゲート電極(13Ga,13Gb)となって
いる。ゲート電極及びライン(13)は下層がポリシリ
コン、上層がタングステンなどのシリサイドの積層構造
からなるポリサイド層により形成されている。
【0017】p−Si(11)層には、これらゲート電
極(13Ga,13Gb)をマスクとしたセルフアライ
ン関係をもって2つのチャンネル領域(11Na,11
Nb)、チャンネル領域(11Na)の両側にはn型に
低濃度にドーピングされたLD(lightly doped)領域
(11Lc,11Ld)、チャンネル領域(11Nb)
の両側にはn型に低濃度にドーピングされたLD領域
(11Le,11Lf)が形成されている。また、LD
領域(11Lc)(11Lf)の更に外側には各々n型
に高濃度にドーピングされたドレイン領域(11D)及
びソース領域(11S)が形成され、LD領域(11L
d)と(11Le)の間には各々n型に高濃度にドーピ
ングされた共通領域(11B)が形成されている。
【0018】また、ゲート絶縁膜(12)を挟んだ第1
の補助容量電極(11C)上には、ゲート電極及びライ
ン(13)と同一層のポリサイドからなる第2の補助容
量電極(13C)が形成され、電荷保持用の補助容量が
形成されている。これらゲート電極(13Ga,13G
b)、ゲートライン(13L)及び第2の補助容量電極
(13C)上には、SiO2などからなる第1の層間絶
縁膜(14)が全面に被覆されている。第1の層間絶縁
膜(14)上には、Alなどからなるドレイン電極(1
5)とソース電極(16)が形成されており、ドレイン
領域(11D)及びソース領域(11S)上の第1の層
間絶縁膜(14)とゲート絶縁膜(12)中に開口され
たコンタクトホール(CT1,CT2)を介して、それ
ぞれ、ドレイン領域(11D)及びソース領域(11
S)が接続形成されている。
【0019】これらドレイン及びソース電極(15,1
6)を覆う全面は、SiO2/SOG/SiO2のような
平坦化絶縁層からなる第2の層間絶縁膜(17)が形成
され、ソース電極(16)上にはコンタクトホール(C
T3)が開口されている。第2の層間絶縁膜(17)上
には、ITOからなる表示電極(18)が形成され、コ
ンタクトホール(CT3)を介してソース電極(16)
に接続されている。
【0020】次に、図1及び図2に示した液晶表示装置
の製造方法を説明する。まず、ガラスからなる基板(1
0)上に、シランSiH4を材料ガスとしたCVDによ
りアモルファスシリコン(a−Si)を積層し、このa
−Siを400℃のエキシマレーザーアニールにより多
結晶化してポリシリコン(p−Si)(11)としたも
のを、反応性イオンエッチ、即ち、RIE(reactive i
on etch)によりエッチングすることにより、反り返っ
た形状のTFT部の島層及び第1の補助容量電極(11
C)を形成している。p−Si(11)層をp型に低濃
度でドーピングした後、これらの上に、440℃の減圧
CVDにより、SiO2を1000Åの厚さに積層し、
ゲート絶縁膜(12)としている。そして、SiH4を
材料ガスとした580℃の高温CVDによりpoly−
Siを積層して、燐のイオンドーピングを行って低抵抗
化した後、タングステンシリサイド(WSi)をスパッ
タリングし、このpoly−SiとWSiのポリサイド
層をRIEにより同一パターンでエッチングすることに
より、ゲート電極(13a,13b)と、これらを同一
行について互いに接続するゲートライン(13L)、及
び、第2の補助容量電極(13C)を形成している。
【0021】所定領域にマスキングレジストを施した
後、低ドーズ量(3×10↑13/cm↑2)で燐の第1
回イオン打ち込みを行い、ゲート電極(13a,13
b)をマスクにソース及びドレイン領域(11S,11
D)とLD領域(11Lc,11Ld,11Le,11
Lf)を形成するとともに、ゲート電極(13a,13
b)の直下が各々p型のチャンネル領域(11Na,1
1Nb)とされる。ゲート電極(13a,13b)上
に、チャンネル長方向の両外側に1〜2μmはみ出すサ
イズのレジストを被覆してこれをマスクに、燐の第2回
イオン注入を高ドーズ量(3×10↑15/cm↑2)で
行うことにより、ゲート電極(13a,13b)の各々
の両脇のp−Si(11)層がレジストの直下で低濃度
に保たれてLD領域(11Lc,11Ld,11Le,
11Lf)とされるとともに、レジスト外のp−Si
(11)は高濃度にドーピングされて、ソース領域(1
1S)、ドレイン領域(11D)及び共通領域(11
B)が形成される。
【0022】ランプアニールまたはエキシマレーザーア
ニールにより、p−Siのドープド領域(11S,11
D,11B,11Lc,11Ld,11Le,11L
f)を活性化した後、410℃の常圧CVDによりSi
O2を2000Å形成し、600℃でアニールした後、
更に、300℃のプラズマCVDによりSiO2を30
00Åの厚さに成膜することにより第1の層間絶縁膜
(14)を形成している。その後、シリコン中の未結合
手終端の目的で、450℃のH2アニールを行った後、
RIEによりドレイン及びソース領域(11D,11
S)上のゲート絶縁膜(12)及び第1の層間絶縁膜
(14)中にコンタクトホール(CT1,CT2)を形
成し、Ti/AlSiをスパッタリングにより、700
0Åの厚さに積層し、これをRIEによりパターニング
して、ドレイン電極(15)とソース電極(16)を形
成している。ドレイン電極(15)は同一列について接
続されている。ドレイン電極(15)とソース電極(1
6)は各々コンタクトホール(CT1,CT2)を介し
てドレイン及びソース領域(11D,11S)に接続さ
れている。
【0023】再び、シリコン中の未結合手終端のため
に、390℃のHプラズマ処理を行った後、410℃の
CVDにより、SiO2を2000Åの厚さに積層し、
SOG膜、即ち、スピン塗布及び焼成により形成される
SiO2膜を被覆して平坦化し、更に、410℃のCV
Dにより、SiO2を1000Åの厚さに積層して第2
の層間絶縁膜(17)を形成している。そして、RIE
によりソース電極(16)上の第2の層間絶縁膜(1
7)中に、コンタクトホール(CT3)を形成し、IT
Oをスパッタリングにより成膜し、これをRIEにより
パターニングして、表示電極(18)を形成し、ソース
電極(16)に接続している。
【0024】本実施形態では、ゲート電極(13Ga,
13Gb)の両側に長さ1〜2μm程度のLD領域(1
1Lc,11Ld,11Le,11Lf)が介在された
構成において、p−Si(11)が反り返った形状で、
各々のチャンネル領域(11Na,11Nb)の電流方
向が互いに逆向きにされている。通常、このようなLD
領域(11Lc,11Ld,11Le,11Lf)は、
強電界の緩和のために0.5μm以上は必要であるが、
マスクずれによりLD領域が縮小すると、強電界が緩和
されず、リーク電流を抑えられなくなる。本実施形態で
は、チャンネル中の電流の方向が互いに逆を向くような
構造としたことにより、一方のチャンネルにおいて、リ
ーク電流が生じても、これと直列関係にある他方のチャ
ンネルによってリーク電流を抑えることができる。
【0025】例えば図3に示すように、レジスト(R)
が左にずれた時、これをマスクに燐の第2回のイオン注
入を行うと、LD領域(11Ld,11Le)の長さが
増大し、LD領域(11Lc,11Lf)が短縮あるい
は消失する。この場合、ドレインに正電圧が印加される
と、LD領域(11Lc)において電界が緩和されず、
チャンネル領域(11Na)をリーク電流が流れ、共通
領域(11B)に正電圧が与えられるが、この時、チャ
ンネル領域(11Nb)では、LD領域(11Le)に
おいて、強電界が緩和されるので、リーク電流が抑えら
れる。
【0026】同様に、図示は省いたが、レジスト(R)
が右にずれた場合には、LD領域(11Lc,11L
f)が増大し、LD領域(11Ld,11Le)が短縮
あるいは消失する。この場合、ドレインに負電圧が印加
されると、LD領域(11Ld)において強電界が緩和
されず、チャンネル領域(11Na)をリーク電流が流
れ、共通領域(11B)に負電圧が与えられるが、この
時、チャンネル領域(11Nb)では、LD領域(11
Lf)において、強電界が緩和されるので、リーク電流
が抑えられる。
【0027】即ち、互いに電流方向が逆となるチャンネ
ル領域(11Na,11Nb)を直列に結合した構造に
より、一方のチャンネルでLD領域が無効となっても他
方のチャンネルでLD領域が有効となってリーク電流が
抑えられるので、電圧保持率が上昇し、コントラスト比
が向上される。図4及び図5は本発明の第2の実施形態
に係るTFTの構造を示している。図4は単位画素部の
平面図であり、図5はそのB−B線に沿った断面図であ
る。ガラスなどの基板(10)上に、多結晶シリコン
(poly−Si)(21)がTFT部において直角に
折れ曲げられた形状で島状に形成されるとともに、これ
と一体で画素周縁部にも形成されて、第1の補助容量電
極(21C)となっている。これらp−Si(21)島
層及び第1の補助容量電極(21C)上にはゲート絶縁
膜(22)が被覆されている。ゲート絶縁膜(22)上
にはゲートライン(23L)が形成され、p−Si(2
1)島層に対応する領域には、ゲートライン(23L)
からの延在部が、折れ曲げられた形状のp−Si(2
1)上の2カ所へ配されるように折れ曲げられており、
各々2つのゲート電極(23Ga,23Gb)となって
いる。ゲート電極及びライン(23)は下層がポリシリ
コン、上層がタングステンなどのシリサイドの積層構造
からなるポリサイド層により形成されている。
【0028】p−Si(21)層には、これらゲート電
極(23Ga,23Gb)をマスクとしたセルフアライ
ン関係をもって2つのチャンネル領域(21Na,21
Nb)、チャンネル領域(21Na)の両側にはn型に
低濃度にドーピングされたLD(lightly doped)領域
(21Lc,21Ld)、チャンネル領域(21Nb)
の両側にはn型に低濃度にドーピングされたLD領域
(21Le,21Lf)が形成されている。また、LD
領域(21Lc)(21Lf)の更に外側には各々n型
に高濃度にドーピングされたドレイン領域(21D)及
びソース領域(21S)が形成され、LD領域(21L
d)と(21Le)の間には各々n型に高濃度にドーピ
ングされた共通領域(21B)が形成されている。
【0029】また、ゲート絶縁膜(22)を挟んだ第1
の補助容量電極(21C)上には、ゲート電極及びライ
ン(23)と同一層のポリサイドからなる第2の補助容
量電極(23C)が形成され、電荷保持用の補助容量が
形成されている。これらゲート電極(23Ga,23G
b)、ゲートライン(23L)及び第2の補助容量電極
(23C)上には、SiO2などからなる第1の層間絶
縁膜(24)が全面に被覆されている。第1の層間絶縁
膜(24)上には、Alなどからなるドレイン電極(2
5)とソース電極(26)が形成されており、ドレイン
領域(21D)及びソース領域(21S)上の第1の層
間絶縁膜(24)とゲート絶縁膜(22)中に開口され
たコンタクトホール(CT4,CT5)を介して、それ
ぞれ、ドレイン領域(21D)及びソース領域(21
S)が接続形成されている。
【0030】これらドレイン及びソース電極(25,2
6)を覆う全面は、SiO2/SOG/SiO2のような
平坦化絶縁層からなる第2の層間絶縁膜(27)が形成
され、ソース電極(26)上にはコンタクトホール(C
T6)が開口されている。第2の層間絶縁膜(27)上
には、ITOからなる表示電極(28)が形成され、コ
ンタクトホール(CT6)を介してソース電極(26)
に接続されている。
【0031】本実施形態では、ゲート電極(23Ga,
23Gb)の両側に長さ1〜2μm程度のLD領域(2
1Lc,21Ld,21Le,21Lf)が介在された
構成において、p−Si(21)が折れ曲げられた形状
で、各々のチャンネル領域(21Na,21Nb)の電
流方向が互いに直交するようにされている。通常、この
ようなLD領域(21Lc,21Ld,21Le,21
Lf)は、強電界の緩和のために0.5μm以上は必要
であるが、マスクずれによりLD領域が縮小すると、強
電界が緩和されず、リーク電流を抑えられなくなる。本
実施形態では、チャンネル長方向が互いに互いに直交す
るような構造としたことにより、一方のチャンネルにお
いて、リーク電流が生じても、これと直列関係にある他
方のチャンネルによってリーク電流を抑えることができ
るものである。
【0032】例えば図6に示すように、レジスト(R)
が左にずれた時、これをマスクに燐の第2回のイオン注
入を行うと、LD領域(21Ld)が増大し、LD領域
(21Lc)が短縮あるいは消失するが、LD領域(2
1Le,21Lf)は変化せず、正常に保たれる。この
場合、ドレインに正電圧が印加されると、LD領域(2
1Lc)において電界が緩和されず、チャンネル領域
(21Na)をリーク電流が流れ、共通領域(21B)
に正電圧が与えられるが、この時、チャンネル領域(2
1Nb)では、LD領域(21Le)において、強電界
が緩和されるので、リーク電流が抑えられる。
【0033】同様に、図示は省いたが、レジスト(R)
が右にずれた場合には、LD領域(21Lc)が増大
し、LD領域(21Ld)が短縮あるいは消失する。こ
の場合、ドレインに負電圧が印加されると、LD領域
(21Ld)において強電界が緩和されず、チャンネル
領域(21Na)をリーク電流が流れ、共通領域(21
B)に負電圧が与えられるが、この時、チャンネル領域
(21Nb)では、LD領域(21Lf)において、強
電界が緩和されるので、リーク電流が抑えられる。
【0034】また、レジスト(R)が上下にずれ動いた
場合にも、左右にずれ動いた場合と同様に、チャンネル
領域(21Na)とチャンネル(21Nb)のどちらか
一方で、LD領域(21Lc,21Ld)あるいは(2
1Le,21Lf)で電界緩和作用が有効となる。この
ため、直列に結合されたチャンネル領域(21Na)と
チャンネル(21Nb)のどちらか一方で、リーク電流
が抑えられ、電圧保持率が上昇し、コントラスト比が向
上される。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明
で、2つのチャンネル領域の両側に低濃度領域を介在さ
せたLDD構造のダブルゲートTFTにおいて、チャン
ネルの電流方向を互いに異なる方向になるようにした構
造により、マスク合わせの際の、位置ずれにより一方の
チャンネルに関して低濃度領域の縮小あるいは消失が起
こっても、他方のチャンネル領域に関しては、低濃度領
域がマスクずれの影響を受けずに、リーク電流が抑えら
れるため、電圧保持率が上昇し、コントラスト比が向上
される。
【0036】マスクずれを吸収するための、低濃度領域
の長さを増やす必要が無く、TFTサイズを小さくでき
るため、開口率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るTFTの平面図
である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の作用効果を説明する
平面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るTFTの平面図
である。
【図5】図4のB−B線に沿った断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の作用効果を説明する
平面図である。
【図7】従来のTFT平面図である。
【図8】図7のC−C線に沿った断面図である。
【図9】従来のTFTの問題を説明する平面図である。
【符号の説明】
10,20 基板 11,21 p−Si 12,22 ゲート絶縁膜 13,23 ゲート電極配線 14,24 第1の層間絶縁膜 15,25 ドレイン電極配線 16,26 ソース電極 17,27 第2の層間絶縁膜 18,28 表示電極 CT1,CT2,CT3,CT4,CT5,CT6 コ
ンタクトホール R レジスト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に島状に形成された多結晶半
    導体層と、絶縁層を挟んで前記多結晶半導体層に重畳配
    置された第1及び第2のゲート電極と、前記多結晶半導
    体層中の前記第1のゲート電極との重畳領域及び前記第
    2のゲート電極との重畳領域に各々形成された第1のチ
    ャンネル領域及び第2のチャンネル領域と、前記第1の
    チャンネル領域と第2のチャンネル領域の間の前記多結
    晶半導体層中に不純物が高濃度にドーピングされた高濃
    度領域からなる共通領域と、前記第1のチャンネル領域
    を挟んで前記共通領域に対向する前記多結晶半導体層中
    に前記不純物が高濃度にドーピングされた高濃度領域か
    らなるドレイン領域と、前記第2のチャンネル領域を挟
    んで前記共通領域に対向する前記多結晶半導体層中に前
    記不純物が高濃度にドーピングされた高濃度領域からな
    るソース領域と、前記第1のチャンネル領域と前記ドレ
    イン領域の間、前記第1のチャンネル領域と前記共通領
    域の間、前記第2のチャンネル領域と前記共通領域の
    間、及び、前記第2のチャンネル領域と前記ソース領域
    の間に前記不純物が低濃度にドーピングされた低濃度領
    域が介在されてなる薄膜トランジスタにおいて、 前記第1のチャンネル領域の電流方向と前記第2のチャ
    ンネル領域の電流方向が異なっていることを特徴とする
    薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 前記多結晶半導体層は、前記共通領域に
    おいて反り返った形状で、前記第1のチャンネルの電流
    方向と前記第2のチャンネルの電流方向は互いに逆方向
    にされていることを特徴とする請求項1記載の薄膜トラ
    ンジスタ。
  3. 【請求項3】 前記多結晶半導体層は、前記共通領域に
    おいて直角に折り曲げられた形状で、前記第1のチャン
    ネル領域の電流方向と前記第2のチャンネル領域の電流
    方向は、互いに直角方向にされていることを特徴とする
    請求項1記載の薄膜トランジスタ。
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