JPH09165A - 酸性リン脂質の濃縮法 - Google Patents

酸性リン脂質の濃縮法

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JPH09165A
JPH09165A JP7151260A JP15126095A JPH09165A JP H09165 A JPH09165 A JP H09165A JP 7151260 A JP7151260 A JP 7151260A JP 15126095 A JP15126095 A JP 15126095A JP H09165 A JPH09165 A JP H09165A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 植物由来レシチンを低級アルコールの含有量
が85重量%以上の含水低級アルコールを含む溶剤で処
理し、次いで当該含水低級アルコールを含む溶剤画分を
除去してリン脂質混合物を得る第1工程と当該リン脂質
混合物をエタノールの含有量が75重量%以下の水溶液
を用い処理する第2工程とからなる酸性リン脂質の濃縮
法。 【効果】 本発明の方法によれば、植物由来レシチンか
ら比較的簡易にしかも、第1工程で得られるリン脂質混
合物中の水溶性成分を第2工程で効率的に除去するた
め、酸性リン脂質を高濃度に含有する脂質混合物を得る
ことができる。また、当該脂質混合物は、乳化剤あるい
は味覚改質剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、経口用医薬、化
粧料用の乳化剤、味覚改質剤等に有用な酸性リン脂質を
植物由来レシチンから高濃度に濃縮する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】植物由来のレシチンには大豆、菜種、と
うもろこし、落花生等の油糧種子由来のものがあげられ
るが、なかでも大豆レシチンが最も一般的である。この
大豆レシチンの中には通常ホスファチジルコリン(P
C)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホス
ファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジン酸
(PA)等のリン脂質、糖脂質、中性脂質、水溶性成分
が含まれている。
【0003】これらの混合物の中から酵素反応等の方法
で改質することなくリン脂質を精製する方法として、エ
タノールを用いる方法(特開昭54−61200号公
報、特開昭60−55095号公報、特開平1−277
457号公報、特開平3−15342号公報、特開平3
−58994号公報)、半透膜や限外濾過膜等の膜を用
いたもの(特開昭62−39594号公報、特開昭62
−45592号公報)、2価又は3価の金属塩を用いる
方法(特開昭58−179437号公報)、シリカなど
の吸着剤を用いる方法(特開昭59−152392号公
報、特開昭60−197696号公報、特開昭61−1
45189号公報、特開昭61−176597号公報、
特開昭62−59287号公報、特開平3−22739
9号公報、特開平5−132490号公報)、超臨界状
態の二酸化炭素を用いる方法(特開昭61−74548
号公報)あるいはそれらの組合わせ(特開昭61−19
1689号公報、特開昭62−22556号公報、特開
平3−141288号公報、特開平4−135457号
公報、特開平5−176687号公報)が開示されてい
る。
【0004】これらのリン脂質の精製方法はPCあるい
はPEを濃縮する目的で行われているものの、中性脂質
やコレステロールを除去するもの、風味・色を改善する
もの、あるいは濁りを除去するものがほとんどで酸性リ
ン脂質を濃縮することを目的としたものはない。シリカ
などの吸着剤を用いるものでリン脂質を各成分に分画す
るものもあるが、これらの方法は安価に工業的に行うに
は実用的ではない。また、ホスホリパーゼD等の酵素を
用いてPC、PEをPAあるいはホスファチジルグリセ
ロール(PG)等の酸性リン脂質に変えてしまう方法も
あるが、生成物と酵素との分離など操作が繁雑になるう
え、酵素のコストが高いという問題もある。そこで、簡
便に酸性リン脂質を濃縮する方法が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、植物由来レシチンから溶剤分別によって高濃度に酸
性リン脂質を濃縮する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは、鋭意研究を行った結果、植物由来レシチン
を特定の含水低級アルコールを含む溶剤で処理すれば高
濃度の酸性リン脂質を含むリン脂質混合物が得られ、そ
して次いで当該リン脂質混合物を特定量のエタノールを
含む水溶液で処理すれば更に酸性リン脂質が高度に濃縮
されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、植物由来レシチンを
低級アルコールの含有量が85重量%以上の含水低級ア
ルコールを含む溶剤で処理し、次いで当該含水低級アル
コールを含む溶剤画分を除去してリン脂質混合物を得る
第1工程と当該リン脂質混合物をエタノール含有量75
重量%以下の水溶液を用いて処理する第2工程とからな
る酸性リン脂質の濃縮法を提供するものである。
【0008】本発明における原料は植物由来レシチンで
あれば、特に制限されないが、大豆、菜種、とうもろこ
し、ひまわり、パーム等の油糧種子より得られるリン脂
質混合物が挙げられ、そのうち、大豆レシチンが好まし
い。また、植物由来レシチンの形態は、ペースト状、粉
末状いずれでもよい。植物由来レシチンの純度も特に制
限されず、予め公知の精製法により不純物を取り除いた
もの、あるいは、既知の手段により酸性リン脂質の濃度
を高めたものを用いてもよいが、好ましくは、純度40
%以上のものがよい。
【0009】植物由来レシチン中には、酸性リン脂質の
他に、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジル
エタノールアミン(PE)又はこれらのリゾ体等の中性
リン脂質;トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセ
リド等の中性脂質;脂肪酸、ステロール脂質及び糖脂質
等をいかなる割合で含んでいてもよいが、例えば中性リ
ン脂質10〜60重量%、中性脂質0〜60重量%、酸
性リン脂質5〜80重量%、その他5〜50重量%含ま
れているのが好ましい。
【0010】本発明の酸性リン脂質の濃縮法の第1工程
においては、植物由来レシチンを低級アルコールの含有
量が85重量%以上の含水低級アルコールを含む溶剤で
処理することが必要であり、当該含水低級アルコールの
低級アルコール含有量は、90重量%以上が好ましく、
95重量%以上(以下、断わらない限り、重量%は%で
示す。)が特に好ましい。また、含水低級アルコールと
しては、特に制限されないが、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等が挙げられ、特にエタノールが
好ましい。また、含水低級アルコールを含む溶剤として
は、特に制限されないが、例えば次表に示す溶剤が好ま
しい。
【0011】
【表1】
【0012】上表に示す好ましい含水低級アルコール溶
剤において、含水エタノール、含水低級アルコールの水
分含有量はリン脂質混合物中の酸性リン脂質の濃縮効果
を上げるため15%以下が好ましく、10%以下が特に
好ましい。いずれも水分を実質的に含まないエタノール
又は低級アルコールも用いることができる。
【0013】本発明の第1工程において植物由来レシチ
ンを当該含水低級アルコールを含む溶剤で処理する方法
は、特に制限されないが、含水エタノール溶剤を用いる
場合、処理温度は好ましくは30℃以上、特に好ましく
は35℃以上80℃以下である。処理温度が30℃未満
での抽出では、PEが残渣中に残存する傾向になり、残
渣のリン脂質中の酸性リン脂質の濃度を充分に上昇させ
ることができない。また、80℃を超えると得られた酸
性リン脂質濃縮物の風味、色の劣化がおこり好ましくな
い。
【0014】また、含水エタノール溶剤の量は特に制限
されないが、原料の植物由来レシチン中のリン脂質に対
して、5重量倍以上、より好ましくは10重量倍以上、
更に好ましくは15重量倍以上の前記低級アルコールを
用いて処理するのがよい。5重量倍未満では、十分に高
い濃度の酸性リン脂質を含む残渣物を得ることはできな
い。ここで、リン脂質とはアセトン不溶分量をいう。処
理は、1回でもよいが、複数回が好ましく、特に3〜5
回が好ましく、1回の操作で使用する前記含水エタノー
ル溶剤量としては、原料の植物由来レシチン中のリン脂
質に対して1重量倍以上が好ましい。
【0015】本発明において、植物由来レシチンを含水
エタノール溶剤を用いて処理することにより、植物由来
レシチンに含まれるリン脂質のうち、PCが主にエタノ
ール中に抽出され、PA及びPIの酸性リン脂質が残渣
物に残存するため、含水エタノール溶剤画分を除去し
て、リン脂質混合物を得る。PEは低温条件下では残渣
物に残存する傾向にあるが、30℃以上の温度条件下で
は残渣側から急激に減少する。またこの傾向は同温度条
件下植物由来レシチン中のリン脂質に対して5〜15重
量倍以上の含水エタノール溶剤を用いることにより、更
に強まる。
【0016】本発明の第1工程において、アセトン混合
溶剤を用いる場合、低級アルコール含有量85%以上の
含水低級アルコールとアセトンとの比率は、特に制限さ
れないが、濃縮効果を上げるため、重量比で1/99〜
99/1が好ましく、10/90〜95/5が特に好ま
しい。
【0017】また、植物由来レシチンとアセトン混合溶
剤の割合は、特に制限されないが、当該レシチン1重量
部に対し、当該混合溶剤を0.1〜100重量部、好ま
しくは1〜50重量部、特に好ましくは5〜35重量部
である。当該レシチンに対し、混合溶剤の量が少なすぎ
ると濃縮効率が悪くなり、逆に多すぎると回収率が低下
し、好ましくない。
【0018】レシチンをアセトン混合溶剤で処理する温
度は特に制限されないが、室温以上、好ましくは25〜
60℃の温度でレシチンと当該混合溶剤の混合物を攪拌
・濾過し、当該混合溶剤の抽出画分を除去し抽出残渣を
得る方法が挙げられる。この抽出操作は、2〜3回繰り
返し行うことが好ましい。得られた抽出残渣から含液し
ている当該混合溶剤を除去してリン脂質濃縮物を得るこ
とが好ましい。また、当該アセトン混合溶剤には、更に
全溶剤中、2〜10%のヘキサンが含まれているとリン
脂質混合物中の酸性リン脂質の濃度が更に高まり好まし
い。
【0019】本発明の第1工程において、液液分配溶剤
を用いる場合、植物由来レシチンを予め混合した当該含
水低級アルコールとヘキサンの2相溶剤で処理してもよ
いが、まず植物由来レシチンをヘキサンに溶解し、次い
で当該含水低級アルコールを加えて接触混合した後、含
水低級アルコール相とヘキサン相とを分離し、含水低級
アルコール相を除去した後、ヘキサン相よりリン脂質混
合物を得る方法が好ましい。
【0020】また、含水低級アルコール及びヘキサンの
量は、混合後静置して2相分離を生じるような量で、か
つ工業的に実施した場合の溶剤回収費用及び作業性を考
慮して決められ、ヘキサンの量は植物由来レシチン1重
量部に対して2重量部以上40重量部未満、好ましくは
5重量部以上30重量部未満である。また含水低級アル
コールとヘキサンの割合は、ヘキサン1容量部に対し含
水低級アルコール溶液0.05重量部以上1.5重量部
未満が好ましく、より好ましくは0.1重量部以上1.
0重量部未満である。また、処理温度及び圧力は広範囲
で可能であるが、大気圧、常温下が好ましい。ヘキサン
相よりリン脂質混合物を得る方法は、公知の方法で行え
ばよく、例えば、エバポレーターによって濃縮、乾固す
る方法が挙げられる。この工程では、中性脂質が除去で
きないため特に含油レシチンを用いた場合は、アセトン
洗浄等の脱脂工程を更に行うことによって残渣物中の酸
性リン脂質濃度を一層高めることができる。
【0021】本発明において、前記第1工程で得られた
リン脂質混合物はホスファチジルイノシトール(P
I)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルセリ
ン(PS)、リゾホスファチジン酸(L−PA)等の酸
性リン脂質;中性リン脂質、中性脂質、糖脂質等が如何
なる割合で含まれていても構わないが、特に、リン脂質
中(中性リン脂質と酸性リン脂質の合計量)、PAとP
Iの合計量が45%以上、好ましくは、50%以上含ま
れていることが好ましい。
【0022】本発明の酸性リン脂質の濃縮法における第
2工程は、前記第1工程で得られたリン脂質混合物をエ
タノール含有量75%以下の水溶液を用いて処理するこ
とが必要であり、水溶液のエタノール含有量は、75〜
10%、特に好ましくは、70〜20%である。多過ぎ
ると水溶性成分の除去効率が低下し、少なすぎるとリン
脂質の回収が困難となる。また、処理条件は、特に制限
されず、公知の方法により行うことができ、例えば前記
第1工程で得られたリン脂質混合物に対して、1重量倍
以上、より好ましくは3重量倍以上の前記エタノール含
有水溶液で処理するのがよい。処理後、リン脂質分散液
から酸性リン脂質の純度の高まったリン脂質を遠心分
離、濾過又はヘキサン等の非極性有機溶剤を用いて回収
する等すればよい。また、処理温度、圧力等も特に制限
されないが、大気圧下、常温が好ましい。当該処理によ
り、遊離の糖等の水溶性成分が抽出除去され、第1工程
で得られた脂質混合物よりも更に酸性リン脂質が濃縮さ
れた脂質混合物を得ることができる。
【0023】本発明の方法により得られる酸性リン脂質
の濃縮物中、酸性リン脂質としては、ホスファチジルイ
ノシトール(PI)、ホスファチジン酸(PA)、ホス
ファチジルセリン(PS)、リゾホスファチジン酸(L
−PA)が挙げられ、これらは、各々如何なる割合で含
まれていても構わないが、特にリン脂質中(中性リン脂
質と酸性リン脂質の合計量)、PAとPIの合計量が4
5%以上、好ましくは50%以上含まれていることが好
ましい。第2工程で得られるリン脂質は、第1工程で得
られるリン脂質の組成と変わるところはないが、水溶性
物質を除去するため、脂質混合物中の酸性リン脂質濃度
を高めることができる。従って、第2工程後の脂質混合
物中、PAとPIの合計量(純度)は、好ましくは50
%以上、特に好ましくは55%以上である。
【0024】本発明の方法により得られた酸性リン脂質
を高濃度に含む脂質混合物は、食品の味覚改質剤として
用いる場合、更に、当該脂質混合物中に含まれる中性脂
質や中性リン脂質を公知の方法によって除去することに
より苦味低減化効果を高めることができる。
【0025】本発明の方法により得られた酸性リン脂質
濃縮物は、飲料を含む食品、経口用医薬品又は化粧品に
好ましく用いることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法によれば、植物由来レシチ
ンから比較的簡易にしかも、第1工程で得られるリン脂
質混合物中の水溶性成分を第2工程で効率的に除去する
ため、酸性リン脂質を高濃度に含有する脂質混合物を得
ることができる。また、当該脂質混合物は、乳化剤ある
いは味覚改質剤として有用である。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例により、更に具体的に説
明するが、これは、単に例示であって本発明を制限する
ものではない。なお、リン脂質中の組成成分を油化学、
35(12)、P1018〜1024(1984)記載
の方法に準じ、定量した。但し、分子量はPAを70
4、PCを773、PEを728及びPIを884とし
た。
【0028】実施例1 (第1工程)大豆レシチン(SLPペースト:ツルーレ
シチン工業社製;原料1)100gを45℃の温度下、
大豆レシチン中のリン脂質当り5重量倍量の95.0%
エタノール(水分含有量5.0%)でディスパーサー
(Janke & Kunkel社製)9500r.p.
m.、10分間の攪拌により抽出操作を行った。次にガラ
スフィルターで濾過し、沈殿を減圧乾燥機で脱溶剤し、
残渣物を得た。この操作を都合5回繰り返し行った。 (第2工程)第1工程で得られた残渣物を当該残渣物1
重量部に対し5重量部のエタノール含有量50%水溶液
で洗浄し、遠心分離、濾別により酸性リン脂質濃縮物を
得た。
【0029】実施例2 大豆レシチン(SLP−ペースト:ツルーレシチン工業
社製;原料1)100gを95%エタノール(水分含有
量5%)80重量部とアセトン20重量部の混合溶剤を
500mlで攪拌・濾過を行い、第1抽出残渣を得た。次
に、第1抽出残渣物を同割合の当該混合溶剤で攪拌・濾
過し第2抽出残渣を得た。この操作を繰り返し、得られ
た抽出残渣の脱溶剤を行い残渣物を得た(第1工程)。
第2工程は、実施例1の第2工程と同様の方法により行
い酸性リン脂質濃縮物を得た。
【0030】実施例3 大豆レシチンの代わりに、脱脂大豆レシチン(SLP−
W:ツルーレシチン工業社製;原料2)を用いた以外は
実施例1と同様の方法により行った。
【0031】実施例4 95%エタノール80重量部とアセトン20重量部の混
合溶剤の代わりに95%エタノール80重量部、アセト
ン15重量部及びヘキサン5重量部を用いた以外は実施
例2と同様の方法により行った。
【0032】実施例5 大豆レシチン(SLP−ペースト:ツルーレシチン工業
社製;原料1)10gをn−ヘキサン200gに溶解
し、300ml分液ロートに入れ、次に90%エタノール
50gを加え、100回振とう後静置した。上層(n−
ヘキサン層)と下層(含水エタノール層)とが分離した
後、上層のみを取り出した。この操作を5回繰り返し
た。次に、第1工程で得られた上層のヘキサンをトッピ
ングして固形分を回収し、この固形分を当該固形分1重
量部に対し5重量部のアセトンで氷冷下、洗浄を行い沈
殿部を回収した。この工程を3回繰り返した。次に、当
該沈殿部に含まれるアセトンを除去した後、当該アセト
ン除去物1重量部に対し、5重量部のエタノール含有量
50%水溶液で洗浄し、遠心分離により酸性リン脂質濃
縮物を得た。
【0033】比較例1 第2工程を行わない以外は実施例1と同様の方法により
行った。
【0034】比較例2 大豆レシチン(SLP−ペースト:ツルーレシチン工業
社製;原料1)100gをエタノール含有量50%の水
溶液で洗浄し、遠心分離、濾別により残渣物にリン脂質
混合物を得た。
【0035】比較例3 大豆レシチンの代わりに、脱脂大豆レシチン(SLP−
W:ツルーレシチン工業社製;原料2)を用い、第2工
程を行わない以外は実施例1と同様の方法により行っ
た。
【0036】比較例4 脱脂大豆レシチン(SLP−W:ツルーレシチン工業社
製;原料2)100gを45℃の温度下、大豆レシチン
中のリン脂質当り5重量倍量の75%エタノール(水分
含有量25%)でディスパーサー(Janke & K
unkel社製)9500r.p.m.、10分間の攪拌によ
り抽出操作を行った。次にガラスフィルターで濾過し、
沈殿を減圧乾燥機で脱溶剤し、残渣物を得た。この操作
を都合5回繰り返し行い、リン脂質混合物を得た。
【0037】実施例及び比較例で得られたリン脂質の濃
縮物について味覚改質効果を調べた。
【0038】(味覚改質性の評価)レギュラーコーヒー
に実施例及び比較例で得られたサンプルを0.05%添
加したときのコーヒーのマイルド感を2段階評価で行っ
た。結果をリン脂質組成(脂質混合物中の重量割合%で
示す。)とともに表3に示す。なお、原料1及び2の組
成は表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物由来レシチンを低級アルコールの含
    有量が85重量%以上の含水低級アルコールを含む溶剤
    で処理し、次いで当該含水低級アルコールを含む溶剤画
    分を除去してリン脂質混合物を得る第1工程と当該リン
    脂質混合物をエタノールの含有量が75重量%以下の水
    溶液を用い処理する第2工程とからなることを特徴とす
    る酸性リン脂質の濃縮法。
  2. 【請求項2】 含水低級アルコールを含む溶剤が含水低
    級アルコールの他に、アセトン又はヘキサンを含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の酸性リン脂質の濃縮
    法。
  3. 【請求項3】 含水低級アルコールを含む溶剤の処理が
    低級アルコールの含有量が85重量%以上の含水アルコ
    ールとヘキサンの2相系での液液分配であることを特徴
    とする請求項1記載の酸性リン脂質の濃縮法。
  4. 【請求項4】 植物由来レシチンが大豆レシチン、卵黄
    レシチン、菜種レシチン及びコーンレシチンから選ばれ
    る1種以上である請求項1〜3いずれかの項記載の酸性
    リン脂質の濃縮法。
  5. 【請求項5】 酸性リン脂質がホスファチジルイノシト
    ール及びホスファチジン酸である請求項1〜4いずれか
    の項記載の酸性リン脂質の濃縮法。
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