JPH09160309A - 静電写真用液体現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

静電写真用液体現像剤及び画像形成方法

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JPH09160309A
JPH09160309A JP7325462A JP32546295A JPH09160309A JP H09160309 A JPH09160309 A JP H09160309A JP 7325462 A JP7325462 A JP 7325462A JP 32546295 A JP32546295 A JP 32546295A JP H09160309 A JPH09160309 A JP H09160309A
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carrier medium
liquid developer
toner
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melting point
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JP7325462A
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Hirotaka Matsuoka
弘高 松岡
Takako Kobayashi
孝子 小林
Teigen Ri
廷原 李
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排出蒸気の量が少なく、危険性が低いキャリ
ア媒体を用い、定着速度が速く、定着に要するエネルギ
ーを低減でき、繰り返し使用しても画像品質が高い静電
写真用液体現像剤、及び、その液体現像剤を用いる定着
画像強度が充分に高い画像形成方法を提供する。 【解決手段】 常温以上に融点を有する電気絶縁性キャ
リア媒体中に、熱可塑性樹脂と着色剤とを含有するトナ
ー粒子を分散してなる静電写真用液体現像剤であって、
熱可塑性樹脂が、電気絶縁性キャリア媒体の融点以下で
はキャリア媒体に不溶性であり、該融点を超える温度で
該キャリア媒体に溶媒和することを特徴とする。このト
ナー粒子は帯電制御剤を含有することが好ましく、キャ
リア媒体は20〜80℃に融点を有するアルカン類から
選択され、さらに、チャージディレクターを含有するこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電写真プロセス
等において、熱により溶融するキャリア媒体を用いた静
電写真用液体現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法における湿式現像方式は、感
光体上に帯電および画像露光を行って静電潜像を形成
し、樹脂および着色剤を主成分とするトナー粒子をキャ
リア媒体(通常は脂肪族炭化水素)中に分散した液体現
像剤でこの静電潜像を顕像化し、得られたトナー画像を
転写紙上に転写、定着することで画像を形成する方法が
一般的である。
【0003】この湿式現像方法においては、現像後、直
接感光体上にトナー像を定着したり、感光体を用いずに
電気入力により誘電体上に静電潜像を形成する静電記録
方式等の現像手段としても利用する場合もある。
【0004】このような湿式現像方式は、サブミクロン
から数μm程度のトナーを脂肪族炭化水素等の高電気抵
抗率キャリア液中に分散し、主に電気泳動原理によって
潜像を現像する。このため、数μm以上のトナー粒子を
用いる乾式現像方式より高解像度の画質が得られやすい
という利点を持っている。
【0005】しかしながら、小粒径のトナー粒子を持つ
液体現像剤は、トナー粒子一個あたりの電荷量が小さく
なるため、電気泳動に基づく現像速度が遅くなり、
(1)画像濃度が上がらない、(2)高速複写に適さな
い、という問題を有している。
【0006】また、従来検討されている多くのトナー
は、顔料を主とする着色剤とキャリア媒体に可溶な樹脂
成分を分散したトナーであり、トナーが被転写体に定着
する機構は、定着熱でキャリア媒体が蒸発・乾燥し、可
溶樹脂が析出して記録材に定着するものであり、基材と
の接着性が悪く、さらに、画像自体の凝集力が小さいた
め、画像の機械的強度が弱いという欠点があった。
【0007】さらにまた、従来液体現像剤として提案さ
れているキャリア媒体は、殆どが蒸気圧が高い有機溶媒
であるために、有機溶媒特有の、定着時等排出されるキ
ャリア媒体蒸気、及び、定着後、基材中に残存したキャ
リア媒体による溶剤臭の発生等の問題をかかえているの
が実情である。液体現像剤のキャリア媒体は具体的に
は、古くはメトカルフェ(K.A.Metcalfe)
が公表した初期の二つの文献〔ジャーナル オブ サイ
エンティフィック インストゥルメンツ(J.Sci,
Instrum.)第32巻、第74頁(1955年)
および同第33巻、第194頁(1956年)〕に既に
示してあるように、ガソリン、ケロシン、四塩化炭素等
が挙げられている。またトナー製造法の特許におけるキ
ャリア媒体に関する記載の代表的なものに、特公昭40
−19186号公報、特公昭45−14545号公報、
特公昭56−9189号公報等があり、これら文献に
は、キャリア媒体(重合時の分散媒を兼ねる場合もあ
る。)として、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香
族炭化水素、n−ヘキサン、イソドデカン、エクソン化
学のアイソパーH、G、L、V等の脂肪族炭化水素等が
挙げられている。
【0008】キャリア媒体の蒸発による問題点を解決す
るため、キャリア媒体として、実質上常温で固体の炭化
水素を用い、使用時に適当な加熱手段にて溶融状態に保
持し、静電潜像を現像する手段が提案されている。例え
ば、特開平2−6967号公報、特開平2−6965号
公報、特開平2−6966号公報には、常温で固体であ
り加熱冷却により固液変化する電気絶縁性物質に着色剤
を分散した現像剤が提案されている。また特開平2−3
04575号公報、特開平03−196152号公報、
特開平03−196154号公報、特開平3−1961
58号公報、特開平5−197297号公報、特開平5
−72820号公報には、常温で固体の電気絶縁性物質
の例として、熱可塑性樹脂、ワックス、ロウ、パラフィ
ン等の記載がある。
【0009】しかしながら、これらの現像剤は、何れも
顔料を主とする着色剤と、キャリア媒体に可溶な樹脂成
分を分散した現像剤を用いているため、トナー粒径は着
色剤の粒子径とほぼ同等の0.1ミクロンから0.5ミ
クロン程度の小粒径が主であり、前述の理由でトナーの
現像速度を高速化することが困難である。さらに、画像
形成装置内において、加熱や、加熱→冷却→加熱といっ
た熱履歴を繰り返すにつれ、(1)コロイドの安定性が
低下し、保存中のトナー凝集やキャリア媒体の増粘が発
生し、現像剤の信頼性が経時的に低下する、(2)加熱
→冷却→加熱による固液変化を繰り返うちに、トナーの
電荷量が著しく減少し、長期間にわたり安定な画像出力
を維持することできない、という問題があった。
【0010】定着画像の強度を改善するものとして、特
開昭58−2851号公報、特開昭58−152258
号公報、特開昭59−87436号公報、あるいは米国
特許第4,794,651号明細書に記載されているよ
うに、熱可塑性樹脂及び着色剤を主成分とする体積平均
径数μmの比較的大きい粒径のトナー粒子を、脂肪族炭
化水素中に分散させた組成の液体現像剤が提案されてい
る。
【0011】しかしながら、前記の如く、単に熱可塑性
樹脂を含むトナー粒子を脂肪族炭化水素中に分散させた
組成の液体現像剤は、定着工程において、紙中やトナー
画像部に含まれるキャリア媒体を完全に蒸発させ、かつ
熱可塑性樹脂を含むトナー粒子を充分に溶融させる必要
があり、定着速度が著しく遅かったり、定着の為に多大
な熱量を必要とするといった問題点を有した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する第一の課題は、定着速度の低下や、多大な熱量を必
要とせず、液体現像剤を用いた複写機、プリンターから
排出されるキャリア蒸気の量を低減させること、また臭
いが無く火災の危険性が少ないキャリア媒体を用いた静
電写真用液体現像剤を提供することである。
【0013】本発明が解決しようとする第二の課題は、
加熱溶融を伴う液体現像剤を用いても、充分に電気泳動
速度が速く、即ち、定着速度が速く、繰り返し使用して
も常に画像品質が高い静電写真用液体現像剤、及び、そ
の液体現像剤を用いる画像形成方法を提供することであ
る。
【0014】本発明が解決しようとする第三の課題は、
定着画像強度が充分に高く、定着に要するエネルギーを
低減できる液体現像剤を及びそれを用いる画像形成方法
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の静電写真用液体
現像剤は、常温以上に融点を有する電気絶縁性キャリア
媒体中に、熱可塑性樹脂と着色剤とを含有するトナー粒
子を分散してなる静電写真用液体現像剤であって、該熱
可塑性樹脂が、電気絶縁性キャリア媒体の融点以下では
キャリア媒体に不溶性であり、該融点を超える温度で該
キャリア媒体に溶媒和することを特徴とする。
【0016】ここで、前記トナー粒子の体積平均粒径は
0.5〜10μmであることが好ましく、前記トナー粒
子は帯電制御剤を含有していてもよい。
【0017】また、トナー粒子に用いられる熱可塑性樹
脂がキャリア媒体に溶媒和し始める温度は50〜100
℃であることが好ましい。ここで、トナー粒子に用いら
れる熱可塑性樹脂は、エチレン系重合体、特に、エチレ
ンとα、β−不飽和カルボン酸若しくはそのエステルと
の共重合体、及び、エチレンと酢酸ビニル共重合体から
なる群から選択されるものであることが好ましい。
【0018】前記キャリア媒体は20〜80℃に融点を
有するものであり、具体的には、アルカン類から選択さ
れることが好ましい。また、前記キャリア媒体中には、
チャージディレクターを含有していてもよい。
【0019】本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体
上の静電潜像を静電写真用液体現像剤を用いて顕像化す
る工程及び記録材にトナー画像を定着する工程を有する
画像形成方法において、該静電写真用液体現像剤が、常
温以上に融点を有する電気絶縁性キャリア媒体中に、該
融点を超える温度で該キャリア媒体に溶媒和する熱可塑
性樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子を分散してなる
静電写真用液体現像剤であり、且つ、該顕像化する工程
が、静電写真用液体現像剤の温度をキャリヤ媒体の融点
以上で、且つ、熱可塑性樹脂がキャリヤ媒体と溶媒和し
始める温度以下に保持して、静電潜像担持体に接触さ
せ、該トナー粒子を静電潜像に付着させて顕像化する工
程であることを特徴とする。
【0020】また、前記画像形成方法において、記録材
にトナー画像を定着する工程が、前記熱可塑性樹脂がキ
ャリヤ媒体と溶媒和し始める温度以上で、顕像化したト
ナー画像を記録材に定着する工程であることが好まし
い。
【0021】本発明の静電写真用液体現像剤はキャリア
媒体として常温以上に融点を有する高絶縁性の炭化水素
類を用いているため、これを適用した複写機、プリンタ
ーは、排出されるキャリア媒体の蒸発量が少なく、臭い
が無く火災の危険性も少ない。さらに、前記キャリヤ媒
体は、溶融時の粘度が低くトナー粒子の電気泳動を疎外
せず、トナー粒子の粒径も大きく成しうることから、ト
ナー粒子の電気泳動速度が速く、繰り返し使用しても常
に画像品質が高い。また、トナー粒子の熱可塑性樹脂自
体が記録紙への定着性機能を有するため、定着画像強度
が充分に高い。さらに本発明のトナー粒子の熱可塑性樹
脂は所定温度を超えると該キャリア媒体に溶媒和する性
質を有するために、加熱時溶融特性が低下し、低温度で
の定着性が大幅に改善された液体現像剤を提供できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】本発明の静電写真用液体現像剤は、本質的
にトナー、キャリア媒体から構成され、キャリア媒体中
には、さらに、チャージディレクター成分を含有してい
ることが好ましい。
【0024】本発明における「液体現像剤」とは、現像
処理時に液状を呈するものを意味し、常温で固体のもの
を包含する。また、「本質的に構成される」とは、現像
剤の利点の妨げとならないような不特定成分を組成から
除外するものでないことを意味する。即ち本発明の静電
写真用液体現像剤には、前記必須成分の他に、例えば、
微粒子サイズの金属石鹸、金属酸化物、その他助剤等の
ような追加的成分を配合することができる。
【0025】本発明において使用される用語の「帯電制
御剤」とは、トナー粒子表面及び内部に存在し、電荷発
生のサイトになる物質を意味する。また、「チャージデ
ィレクター」とは、キャリア媒体側に存在し、トナー粒
子とキャリアとの電荷交換を安定化する物質を意味す
る。例えば、トナー粒子中に帯電制御剤として塩構造を
有するものを使用した場合は、その対イオンがキャリア
中のチャージディレクターにより安定化され、トナー/
キャリア間の電荷交換が促進・安定化させる機能を有す
るものと推定される。
【0026】本発明において使用される用語の「溶媒
和」とは、溶媒中で樹脂の分子あるいはイオンが、それ
に隣接している溶媒分子のいくつかを特に引き付け、一
つの分子集団を作る現象を指し、単なる溶解とは異な
る。
【0027】ここでいう「溶媒和する温度」とは、具体
的には、トナー粒子を構成する熱可塑性樹脂が溶媒に溶
解する温度に達する前に、急峻な体積変化を発生する現
象が生起する温度を指す。より具体的には、本発明の熱
可塑性樹脂粉末とキャリヤ溶媒の混合体を、攪拌しつつ
加熱すると、ある温度から系の体積が急激に増加し、そ
れまでの固液分散相と明らかに異なる相状態が発生す
る。本発明においてはこの温度を「溶媒和する温度」と
する。この状態に達する温度は、攪拌のエネルギーや用
いる樹脂とキャリヤ媒体との組合せによっても異なる
が、数度から数十度の範囲で現れる。この系の温度をさ
らに上げると、樹脂がキャリヤ溶媒に溶解する現象が起
こり、それに伴って体積が低下する。このため、樹脂が
キャリヤ溶媒に「溶媒和」する現象と、「溶解」する現
象とは、相変化と体積変化を観察することにより、明確
に区別することができるものである。
【0028】この「溶媒和する温度」は、実際に相状態
の変化を観察しながら温度を測定して求めることができ
るが、その他の方法として、後記するように、熱可塑性
樹脂とキャリア媒体との混合物のDSC(Diffen
tial ScanningCalorimetry)
を測定し、DSCのショルダー値温度から推定すること
もできる。
【0029】まず、本発明の静電写真用液体現像剤に用
いられるトナー粒子について説明する。トナー粒子は、
キャリヤ媒体の融点温度以下ではキャリア媒体に不溶性
であり、該温度を超えると該キャリア媒体に溶媒和する
性質を有する熱可塑性樹脂及び着色剤、さらに、好まし
くは帯電制御剤から構成される。
【0030】ここで、キャリア媒体と、所定温度におい
て該キャリア媒体と溶媒和する性質を有する熱可塑性樹
脂との組み合わせを選択する一つの目安としてSP値が
挙げられる。即ち、キャリア媒体と熱可塑性樹脂、それ
ぞれのSP値が近い(例えば、両者のSP値の差が2以
下)ものを選択することで「溶媒和」することが可能と
なる。好ましくは、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂、エチレンとアクリル酸又はメタクリル酸から
なる群から選択されるα、β−不飽和カルボン酸との共
重合体、又は、エチレンとアクリル酸又はメタクリル酸
のアルキルエステルとの共重合体、或いは、前記共重合
体をイオン架橋したアイオノマー類等が、液体現像剤の
キャリヤ溶媒として従来一般的に用いられる非極性の炭
化水素系溶媒と「溶媒和」することが可能であるため、
好適に使用される。
【0031】また、好適なSP値を有するキャリヤ溶媒
を選択することによって、以下に挙げる樹脂もまた、ト
ナー粒子の熱可塑性樹脂として好適に使用しうる。
【0032】本発明に使用できる熱可塑性樹脂は、上記
キャリア媒体と混合して加熱することにより溶媒和する
性質のものであれば、特に限定されないが、前記の理由
から、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレンと
アクリル酸またはメタクリル酸からなる群から選択され
るα、β−エチレン不飽和酸の共重合体、又は、エチレ
ンとメタクリル酸またはアクリル酸のアルキルエステル
との共重合体、あるいは該共重合体をイオン架橋したア
イオノマー類等が好都合に用いられる。このタイプの共
重合体の合成法は、リー(Ree)の米国特許第3,2
64,272号明細書に記載されており、詳細は同明細
書に記載されている。
【0033】さらに、スチレン、o,m,p−メチルス
チレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン等の単独重合体またはスチレ
ンとアクリル系単量体との共重合体、或るいはスチレン
と他の単量体との共重合体を挙げることができる。
【0034】前記スチレン−アクリル系共重合体を構成
するアクリル系成分としては、例えば、アクリル酸メチ
ル、メタアクリル酸メチル、(以下、アクリル酸とメタ
クリル酸とを(メタ)アクリル酸と称する)、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)
アクリル酸2−クロルエチル、(メタ)アクリル酸フェ
ニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メチレン
モノカルボン酸エステル類、同ベタイン化合物、そのア
ンモニウム塩等が挙げられる。
【0035】また、前記アクリル酸類の単独重合体、或
るいは他の単量体との共重合体、さらにはパーフロロオ
クチル(メタ)アクリレート、ビニルトルエンスルホン
酸、同ナトリウム塩、ビニルピリジン類、同ピリジニウ
ム塩などの単独重合体、或るいは他の単量体との共重合
体を挙げることができる。またダイマー酸をベースにし
たポリアミド樹脂、ブタジエン、イソプレン等のジエン
類とビニル系単量体との共重合体を用いることができ
る。さらには、ポリエステル、ポリウレタン等を単独も
しくは前述の樹脂と混合したかたちで用いることができ
る。
【0036】本発明において、前記熱可塑性樹脂中に分
散させるトナー粒子用の着色剤としては、公知の有機若
しくは無機の顔料や染料、油溶性染料等を使用すること
ができる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントレ
ッド48:1,C.I.ピグメントレッド57:1、
C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメント
レッド17、C.I.ピグメントイエロー97、C.
I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントブル
ー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、ラン
プブラック(C.I.No.77266)、ローズベン
ガル(C.I.No.45432)、カーボンブラッ
ク、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、
金属錯塩染料、金属錯塩染料の誘導体及びこれらの混合
物等を挙げることができる。更にはシリカ、酸化アルミ
ニウム、マグネタイトや各種フェライト類、酸化第二
銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化
チタン、及び酸化マグネシウムなどの種々の金属酸化物
およびこれらの適宣の混合物などが挙げられる。
【0037】これらの着色剤は、充分な濃度の可視像が
形成されるに十分な割合で含有されることが必要であ
り、トナー粒径や現像量にも依存するが、一般に、熱可
塑性樹脂100重量部に対して、1〜200重量部程度
の割合が適切である。
【0038】本発明の静電写真用液体現像剤において
は、トナー粒子が帯電制御剤を含有することが好まし
く、ここで使用できる帯電制御剤としては、従来液体現
像剤に用いられたものはいずれも使用することができ
る。なかでも、ゼログラフィー用粉体トナーにおいて使
用されている安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、
アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含
金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、第
四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩からなる
群より選ばれる化合物、及び、これらを二種以上組合せ
たものが好ましく使用できる。
【0039】トナー粒子に対するこれら帯電制御剤の添
加量は、一般に0.1〜10重量%、より好ましくは、
0.5〜8重量%の範囲である。0.1重量%未満では
帯電制御効果が不十分であり、また10重量%を超える
と、液体現像剤の電導度の過度の上昇を引き起こすた
め、いずれも好ましくない。
【0040】さらに、前記帯電制御剤と共に、金属石
鹸、無機または有機金属塩を併用することができる。そ
のような金属石鹸としては、トリステアリン酸アルミニ
ウム、ジステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ステ
アリン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸マンガ
ン、リノレン酸鉛、リノレン酸亜鉛、オクタン酸アルミ
ニウム、オクタン酸カルシウム、オクタン酸コバルト、
オレイン酸カルシウム、オレイン酸コバルト、パルミチ
ン酸亜鉛、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸コバル
ト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉛、ナフテン酸亜
鉛、レジン酸カルシウム、レジン酸コバルト、レジン酸
マンガン鉛、レジン酸亜鉛等を用いることができる。金
属石鹸は帯電制御性も有するが、トナーの分散性の観点
から有用である。また、無機及び有機金属塩としては、
例えば金属塩中のカチオン性成分は、周期律表(IUP
AC無機化学命名法改訂版 1989年)の第1族、第
2族、および第13族の金属からなる群より選ばれ、そ
れらのハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、硫酸塩、ホウ酸
塩、硝酸塩、及び、リン酸塩からなる群より選ばれる塩
である。
【0041】本発明の液体現像剤に用いられるキャリア
媒体としては、高電気抵抗率のものが使用できるが、電
気抵抗率は、108 〜1012Ωcmの範囲が好ましい。
【0042】キャリア媒体は、常温以上に融点を持つも
のであり、加熱により溶融する性質を有する。キャリア
媒体の凝固点は、通常の使用環境や取扱性を考慮して2
0℃以上とし、より好ましくは30℃以上である。凝固
点の上限は特に限定されないが、実用的にはおおよそ8
0℃、より好ましくは50℃以下、更に好ましくは40
℃以下である。但し、これらキャリア媒体の融点をTm
(carrier)、分散しているトナー樹脂がキャリ
ア媒体に溶媒和を開始する温度をTs(toner)と
したとき、Tm(carrier)をTs(tone
r)以上に設計すると、現像剤の加熱温度(T)によっ
ては、トナー粒子が膨潤やゲル化を起こし、粒径の増加
や凝集を起こす為に好ましくない。現像剤の設定温度
(T)は、Ts(toner)に対し以下に示す関係を
満たすことが好ましい。
【0043】 室温 ≦ Tm(carrier) < T < Ts(toner) キャリア媒体は、前述のように高抵抗、低誘電率の無極
性材料が主に用いられるが、こうした材料は通常の熱可
塑性樹脂に対する溶解性が悪く、加熱しても溶解は困難
である。しかしながら、本発明におけるトナーに含まれ
る、所定温度を超えると該キャリア媒体に溶媒和する性
質を有する熱可塑性の樹脂は、樹脂と溶媒和するといっ
た特徴を利用するために、樹脂はトナー粒子/粒子間に
存在した微量のキャリア媒体、あるいは樹脂中に微量取
り込んだキャリア媒体による可塑化の効果を受け、溶媒
和前後の特性が大きく変化する。特に、加熱時溶融特性
が低下し、低温度での定着性が改善されるという利点を
示す。
【0044】Ts(toner)は、トナーを構成する
熱可塑性樹脂組成やトナーとキャリア媒体との組成比に
も依存するが、40℃から100℃の範囲であることが
好ましく、さらに好ましくは60℃から80℃の範囲で
ある。
【0045】キャリア媒体の具体例としては、分岐状脂
肪族炭化水素、あるいは直鎖脂肪族炭化水素のパラフィ
ン類、ロウ類、低分子量の結晶性高分子樹脂、及びこれ
らの混合物が挙げられるが、明確な融点を持ちかつ溶融
後の粘度が低いアルカン類を主成分とするパラフィン類
が使いやすい。パラフィン類としては、オクタデカン
(C1838、融点28.2℃)からヘキサコンタン(C
4082、融点81.5℃)に至る炭素数18〜40程度
の各種のノルマルパラフィンが好都合に用いられるが、
前述のように、特に融点が40℃以下のパラフィン類が
好都合に用いられる。
【0046】またロウ類及びワックス類としては、カル
ナバワックス、綿ロウ、木ロウ等の植物系ワックス、ミ
ツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、
セルシン等の鉱物系ワックス、及びパラフィン、マイク
ロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙
げられる。
【0047】またこれら天然ワックスの外に、フィッシ
ャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の
合成炭化水素ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸
アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩
素化炭化水素等の脂肪酸アミド、エステル、ケトン、エ
ーテル等の合成ワックスも使用できる。さらに低分子量
の結晶性高分子樹脂としては、ポリn−ステアリルメタ
クリレート、ポリn−ラウリルメタクリレート等のポリ
アクリレートの単独重合体あるいは共重合体(例えば、
n−ステアリルアクリレート/エチルメタクリレートの
共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性
高分子が挙げられる。
【0048】さらにまた上記分岐あるいは直鎖脂肪族炭
化水素類のハロゲン化物、例えば、フルオロカーボン等
のハロゲン化炭化水素も使用できる。
【0049】本発明に用いる好ましいキャリア媒体であ
るアルカン類と、対象としてのイソパラフィン類(エク
ソン社アイソパー)の25℃における蒸気圧と粘度の関
係を図1に示す。図1のグラフに明らかなように、アル
カン類はイソパラフィン類に比べ蒸気圧と粘度が充分に
低く、さらに、n−C15(ペンタデカン)以上の分子量
のn−アルカンは、室温近傍に融点を持つが、加熱し、
溶解した後の粘度が充分に低いため、電気泳動速度を阻
害せず、定着速度の低下を防止しうることがわかる。
【0050】次に前記キャリア媒体に含有させるチャー
ジディレクターについて説明する。キャリア媒体中に存
在し、ミセル形成能を有するイオン性、または非イオン
性のチャージディレクターとしては、リン脂質、油溶性
石油スルフォネート、イオン性、非イオン性の界面活性
剤、親油性部と親水性部からなるブロックもしくはグラ
フト共重合体類、更にまた環状、星状、樹状、高分子
(デンドリマー)等の高分子鎖骨格をもつ化合物を用い
ることができるが、中でも特に好ましいのは、液体現像
剤の加熱条件や各種の熱履歴に対して化合物自体が熱的
に安定であり、塩構造の帯電制御剤を用いた場合には、
カチオンの安定化機能を有し、安定した分散性が得られ
るリン脂質、及び、油溶性石油スルフォネートや、不純
物の排除が比較的容易な合成高分子化合物、例えば親油
性部と親水性部からなるブロックもしくはグラフト共重
合体が好都合に用いられる。
【0051】より具体的には、レシチン、セハリン等の
リン脂質、ウイトコケミカル社(Witoco Che
mical Corp.)製のベーシックバリウムペト
ロネート、ベーシックナトリウムペトロネート、ベーシ
ックカルシウムペトロネート等の油溶性石油スルフォネ
ート、シェブロン社より販売されるOLOA−1200
等のポリブチレン/サクイシンイミドなどが好ましく用
いられる。
【0052】親油性部と親水性部からなるブロックもし
くはグラフト共重合体としては、親油部としてブタジエ
ン、イソプレン、及び、アクリル酸、メタクリル酸を代
表例とするα、β−エチレン不飽和酸のアルキルエステ
ル等を単量体とするポリマーが好都合に用いられる。親
水部としては、四級化されたトリアルキルアミノポリマ
ー、四級化されたピリジニウムポリマー等が好都合に用
いれれる。さらにまたポリエチレングリコールとポリプ
ロピレングリコールのブロック共重合体も好ましく使用
できる。これら親油性部と親水性部からなるブロックも
しくはグラフト共重合体は、全体で、1000〜500
00程度の数平均分子量を持ち、ブロックポリマーの構
造はAB型、ABA型、BAB型のいずれでもよく、ま
た、グラフト共重合体の場合は櫛形のグラフト構造であ
っても良い。
【0053】さらにまた、クラウンエーテル、大環状ア
ミン、ポリノルボルネン等の環状高分子、ポリアルキル
アミド−アルポロール等の樹状高分子(デンドリマー)
等の高分子鎖骨格をもった化合物であってもよい。
【0054】また、イオン性、非イオン性の界面活性剤
類としては、具体的には、アニオン界面活性剤として、
アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルフェニルス
ルフォン酸塩、アルキルナフタリンスルフォン酸塩、高
級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高
級脂肪酸エステルのスルフォン酸塩等が使用できる。カ
チオン活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン
塩、第四級アンモニウム塩等が使用できる。非イオン活
性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル等のポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキ
ロールアミド等が使用できる。
【0055】これらチャージディレクターの配合量は、
トナーの固形分(トナー粒子)に対して0.01重量%
以上、20重量%以下であるのが好ましく、特に0.0
1〜10重量%の範囲が好ましい。0.01重量%を下
回ると所望の帯電制御効果が得られず、また20重量%
を超えると現像液の過度な電導度の上昇を引き起こした
め好ましくない。また、キャリア媒体に対する含有量と
しては、キャリア媒体の重量あたり0.01重量%以
上、10重量%以下であるのが好ましく、より好都合に
は、0.05〜1重量%の範囲が好ましい。0.01重
量%を下回ると希望とする帯電制御効果が得られず、ま
た100重量%を超えると現像液の過度な電導度の上昇
を引き起こすため、いずれも好ましくない。
【0056】これらチャージディレクターの他にも、現
像剤の物性制御のために公知の現像剤添加剤を併用する
ことができる。例えば、ポリマー微粒子、無機微粒子等
を分散させたり、さらにまた、キャリア媒体やチャージ
ディレクターの熱劣化や光、湿度等による酸化等の劣化
を防止するための安定剤等の各種添加剤を現像液中に分
散あるいは、溶解させても良い。
【0057】またこの外に、キャリア媒体の加熱→冷却
を繰り返す際に発生するラジカルでキャリア媒体同志が
重合し増粘してしまうことの防止を目的に、各種ラジカ
ル重合禁止剤を添加しても良い。ラジカル重合禁止剤
は、ラジカルの活性度を低下するものであれば何でも良
く、ラジカル重合防止剤、ラジカル重合抑制剤、ラジカ
ル補足剤等を意味し、これらの適宣組合せも含まれる。
具体的には、ジチオベンゾイルジスルファド等の硫黄化
合物、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン等
のキノン類、およびこれらのジオールであるヒドロキノ
ン類、t−ブチルカテコール等のカテコール類、ポリオ
キシ化合物、アミン類、ジフェニルピクリルヒドラジ
ル、ニトロ化合物、N−(3−N−オキシアニリノ−
1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド等のニ
トロソ化合物、塩化銅(II)、ピクリン酸等が有効であ
る。
【0058】次に本発明の液体現像剤を製造する方法に
ついて説明する。本発明の液体現像剤を製造する方法に
ついては、従来公知の如何なる製造法も使用できる。例
えばメトカルフェの前述文献に記載の方法や、特開昭5
8−2851公報,特開昭58−129438公報,特
開昭58−152258公報などに記載の方法、さらに
はB.Landaらによる米国特許4,794,651
号に記載されている様な各種のトナー製造法で行っても
よい。さらには、前述した樹脂、顔料、帯電制御剤を所
定の混合比になるように計量し、前者を加熱溶融させた
後に顔料を添加して混合、分散させ冷却後、ジェットミ
ル、ハンマーミル、ターボミル等の扮砕機を用いて微粒
子を調製し、得られたトナー粒子を予め加熱溶融させた
キャリア媒体に分散させてもよい。
【0059】また懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重
合法やコアセルベーション、メルトデイスパージョン、
エマルション凝集法で、帯電制御剤をトナー内に含有さ
せたトナーを調整し、その後予め加熱溶融させたキャリ
ア媒体に分散し現像液を作製しても良い。
【0060】さらにまた樹脂が可塑化可能で且つキャリ
ア媒体が沸騰せず、かつ樹脂及び/または着色剤が分解
する温度よりは低い温度で分散および混錬することがで
きる適当な装置を用いる方法がある。具体的には、流星
型ミキサー、ニーダー等で顔料と樹脂をキャリア媒体中
で加熱溶融したものを、樹脂の溶媒溶融度の温度依存性
を利用し、撹拌しながら冷却しトナー粒子を凝固/析出
させてトナーを作成することができる。
【0061】さらに別の方法としては、分散および混錬
のための粒状メデイアを装備した適当な容器、例えばア
トライター、加熱したボールミルのような加熱された振
動ミル中に上述した原材料を入れ、この容器を好ましい
温度範囲、例えば80〜160℃で分散および混錬する
方法がある。粒状メデイアとしては、鋼、例えばステン
レス鋼、または、炭素鋼、アルミナ、ジルコニウム、シ
リカなどが好ましく用いられる。
【0062】この方法によってトナーを製造するにはあ
らかじめ充分に流動状態にした原材料をさらに粒状メデ
イアによって容器内に分散させた後、系をキャリア媒体
の融点近傍まで徐々に冷却してゆき、キャリア媒体から
着色剤、帯電制御剤を含むトナーを沈殿させる。粒状メ
ディアは冷却中および冷却後もに引き続いて継続的に運
動状態に保ちながら剪断及び/または、衝撃を発生させ
トナー粒子径を低下させることが重要である。
【0063】液体現像剤中に占めるトナー粒子の濃度は
0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜2重量%であ
る。
【0064】上記の方法等により粒子化されたトナー
は、遠心沈降式粒度分布測定装置で求めた所望の体積平
均粒度、例えば粒径0.5μm以上10μm以下、より
好ましくは1μm以上5μm以下の平均粒度を持つ。体
積平均粒径が0.5μmより小さい場合はトナーの現像
速度が遅くなり、高速の複写プリントに適用できなくな
り、また10μmより大きい場合は、目標とする高画質
画像を得ることができなくなる。粒子化されたトナー
は、必要に応じて多数の繊維を持った形状をとることも
できる。ここで『繊維を持った形状』とは、繊維、巻ひ
げ、触手などをともなって形成されたトナー粒子の形で
ある。
【0065】次に、本発明画像形成方法について説明す
る。本発明の画像形成方法における潜像保持体上に潜像
を形成する工程は、電子写真或るいは静電記録方法に於
て採用される周知の方法が採用できる。潜像保持体は、
電子写真感光体のみならず、誘電体であっても良い。上
記工程で形成された潜像を現像する工程についても、液
体現像剤使用する周知の方法が採用されるが、液体現像
剤として、常温で固体のキャリア媒体を用いる為、液体
現像剤を加熱しながら現像する必要がある。
【0066】本発明の画像形成方法について、例を挙げ
て説明する。図2は、本発明の静電写真用液体現像剤を
用いて画像を形成方法を示す概略図であり、帯電工程か
ら現像工程を経て、現像されたトナー画像が定着される
までの工程を示す。
【0067】図2に示される感光体10は、便宜上、一
枚の長い感光体として表され、これに対して各工程が順
じ適用されてゆくものとして示してあるが、実際のシス
テムでは無論環状の感光体として用いてもよい。
【0068】図2の帯電工程では、感光体10がコロナ
放電器12等の適当な帯電手段を用いて、例えばプラス
に一様に帯電される。次の露光工程では、半導体赤外レ
ーザー光線14等の適当な露光手段を用い、画像情報部
分のプラス電荷を消失させる。
【0069】次の現像工程では、前記の如くして作成し
た静電潜像16が現像剤タンク18の上を通過する。現
像剤タンク18の中には、常温で固体の電気絶縁性キャ
リア媒体20中にマイナスに帯電したトナー粒子22が
分散された静電潜像用現像剤が入っており、該現像剤は
ヒータ等の加熱手段24によって加熱溶融され液状を呈
している。溶融状態の現像剤は、現像電極26と感光体
10との間に生じた電位差で、電気泳動することで現像
が行なわれる。余剰のキャリア媒体20は、メタリング
ロール28で搾り取られる。
【0070】さらに、現像トナー像30は、イメージス
タビライゼエイションロール32でさらにキャリア媒体
20を搾り取られる。イメージスタビライゼエイション
ロール32は、例えば金属やセラミックス等の剛直なロ
ール表面に、ポリウレタンやシリコン等のミクロな穴を
有する発泡スキン層からなる構造を有するもので、現像
トナー像30に直接圧接し、毛管吸引力あるいはロール
内部の空隙から減圧吸引を行うことでキャリア媒体20
を搾り取る。この転写前トナー画像34はバックアップ
ロール36を経て転写紙38に転写され、転写トナー画
像40は、定着ロール42と押圧ロール44との間で、
定着ロール42によって画像40をTs以上に加熱され
記録紙38に定着する。
【0071】本発明の画像形成方法において、トナーと
キャリア媒体との組成比〔現像剤中のトナー濃度(重量
%)〕は、トナーの粒径にも依存するが、現像剤タンク
18中の現像剤においては0.1〜4乃至5重量%、現
像トナー画像30においては10〜20重量%、転写前
トナー画像34においては30〜50重量%の範囲であ
る。
【0072】
【実施例】以下に実施例および比較例をもって説明す
る。ただし下記の実施例および比較例によって本発明が
限定されるものではない。なお、特にことわりのない限
り、「部」は「重量部」を「%」は「重量%」を意味す
る。
【0073】(実施例1)以下の手順で現像液を調整し
た。
【0074】 1.エチレン(89%)−メタクリル酸(11%)の共重合体: 40部 (ニュークレルN699;デユポン社製) 2.銅フタロシアニン顔料: 8部 (シアニンブルー4933M;大日精化社製) 3.帯電制御剤 2部 (3,5−ジ、t−ブチルサリチル酸のアルミニウム塩) 4.分散媒 100部 (ノルパー15;エクソン社製) 上記1.から3.の成分をステンレスビーカーに投入
後、オイルバスにて120℃に加熱しながら、1時間撹
拌を続け、完全に溶融した樹脂および顔料の均一な溶融
体を調整した。得られた溶融物を撹拌をしながら徐々に
室温まで冷却し、その後、4.ノルパー15を100部
添加した。系の温度が低下してゆくにつれて顔料、帯電
制御剤を包含した粒径10〜20μmのトナー母粒子が
析出してきた。造粒したトナー100gを01型アトラ
イター(三井三池社製)に投入し、直径0.8mmのス
チール剛球を用いローターの回転速度300rpmで約
20時間粉砕した。粉砕は、遠心沈降式粒度分布測定器
(SA−CP4L;島津製作所製)で体積平均粒子径を
モニターしながらd=2.5μmになるまで継続し、ペ
ースト状の濃縮トナーを得た。この濃縮トナーをベース
トナーとした。
【0075】このベーストナー20部(トナー濃度18
%)を現像液量に対するトナー濃度が2%になるよう
に、あらかじめ75℃で加熱溶融させたキャリヤ媒体で
あるエイコサン(C2042、融点36.8℃)160部
で希釈し、充分に撹拌を行った。そしてこの現像液中
に、さらに、チャージディレクターとしてベーシックバ
リウムペトロネート(Basic Barium Pe
tronate; ウイトコケミカル社製)を、現像剤中
のトナー量1部あたり、0.1部添加し充分に撹拌後、
ステンレス製のバットに移し現像剤を調製した。トナー
現像量の測定は、現像剤と測定システム全体を40℃の
環境下において行った。ここで、キャリヤ媒体であるエ
イコサンの融点Tmは36.8℃であり、測定した溶媒
和の開始温度Tsは70℃であった。
【0076】(実施例2)以下の手順で現像液を調整し
た。
【0077】 1.エチレン−メタクリル酸の共重合体: 40部 (ニュークレルN599;デユポン社製) 2.マゼンタ顔料: 10部 (ファナル ピンク;大日精化社製) 3.帯電制御剤 2部 (ステアリン酸アルミニウム) 4.分散媒 100部 (ノルパー15(エクソン社製)) 上記1.〜4.の材料を、直径が0.1857インチの
炭素鋼ボールを装填したユニオンプロセス磨砕機に入れ
た。磨砕機のジャケットを通る蒸気により70℃から1
00℃で1時間加熱撹拌した後、磨砕機のジャケットを
通る流水により、撹拌しながら20℃まで冷却した。こ
の磨砕を4時間継続した後、ペースト状の濃縮トナーを
得た。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は2.1μ
mであった。
【0078】このベーストナー20部(トナー濃度18
%)を現像液量に対するトナー濃度が2%になるよう
に、あらかじめ75℃で加熱溶融させたトリアコンタン
(C3062、融点65.8℃)160部で希釈し、充分
に撹拌をおこなった。そしてこの現像液中に、さらに、
チャージディレクターとして実施例1と同じベーシック
バリウムペトロネートを現像剤中のトナー量1部あた
り、0.1部添加し充分に撹拌後、ステンレス製のバッ
トに移し現像剤を調製した。ここで、キャリヤ媒体であ
るトリアコンタンの融点Tmは65.8℃であり、測定
した溶媒和の開始温度Tsは80℃であった。
【0079】(実施例3)以下の手順で現像液を調整し
た。
【0080】 1.エチレン−酢酸ビニル共重合体: 40部 (デュミラン;武田薬品工業社製) 2.イエロー顔料: 10部 (リオノールイエローFG1310;東洋インキ社製) 3.帯電制御剤 2部 (テトラフェニルボレートのカリウム塩) 4.分散媒 100部 (ノルパー15(エクソン社製)) 上記1.〜3.の材料を、熱媒を通すジャケットを有す
る撹拌機(ダブルプラネタリーミキサーDP−5型;特
殊機化工業社製)に投入し、115℃で1時間撹拌し
た。これに120℃に加熱した4.ノルパー15を10
0部加え、さらに一時間撹拌を続けた。ジャケットの熱
媒を冷却することにより、材料の冷却を行った。冷却は
約−30℃/時間の割合で行い、約70℃でトナー粒子
が析出してきた。得られたトナー粒子の体積平均粒子径
は1.9μmであった。このベーストナーを遠心分離装
置を用い、10000rpmで20分濃縮を行い、トナ
ー濃度30%のコンクトナーを得た。
【0081】このコンクトナーをトナー濃度が2重量%
になるように、あらかじめ75℃で加熱溶融させたペン
タコサン(C2552、融点53.7℃)で希釈し、充分
に撹拌を行った。この現像液中に、さらに、チャージデ
ィレクターとしてベーシックバリウムペトロネートを現
像剤中のトナー量1部あたり、0.1部添加し、充分に
撹拌後、ステンレス製のバットに移し現像剤を調製し
た。ここで、キャリヤ媒体であるペンタコサンの融点T
mは53.7℃であり、測定した溶媒和の開始温度Ts
は70℃であった。
【0082】(実施例4)実施例1で用いたベーストナ
ー20重量部を、固形分濃度で2%になるように予め7
5℃で加熱溶融させたトリアコンタン(C3062、融点
65.8℃)160部で希釈し、充分に撹拌を行った。
そしてこの現像液中にチャージデレクターとして大豆レ
シチンを実施例1と同様に現像剤中のトナー量1部あた
り、0.1部添加し、充分に撹拌後、ステンレス製のバ
ットに移し現像剤を調製した。
【0083】(実施例5)実施例2で用いたベーストナ
ーで用いる顔料としてピグメントイエロー17(大日精
化社製)を用い、帯電制御剤としてセチルピリジニウム
クロライドを使用する以外は、すべて実施例2と同じ手
順で濃縮トナーを作成した。得られたトナー粒子の体積
平均粒子径は1.8μmであった。
【0084】この濃縮トナー20部(トナー濃度18
%)を現像液量に対するトナー濃度が2%になるように
予め75℃で加熱溶融させたペンタコサン(C2552
融点53.7℃)160部で希釈し、実施例1と同じ手
順で充分に撹拌を行った。さらにこの現像液に チャー
ジディレクターとして、ジオクチルスルホコハク酸ナト
リウムを実施例2と同様に添加し、充分に撹拌後、ステ
ンレス製のバットに移し現像剤を調製した。
【0085】(実施例6)実施例1で用いたベーストナ
ーを用い、チャージデイレクターとして以下のイオン性
コポリマーを用いた他は、実施例1と同様にして現像液
を調整した。
【0086】ラウリルメタクリレート(A)と、4−ビ
ニルピリジンをp−メチルトルエンスルホネートで四級
塩化したモノマー(B)と、を用いたA−B型ジブロッ
クコポリマー(Aブロックの数平均分子量:8000、
Bブロックの数平均分子量:2000、四級塩化率=9
8%) (実施例7)実施例2で用いたベーストナーを用い、チ
ャージディレクターとして以下の化学構造を有するノニ
オン界面活性剤を用いた他は、実施例2と同様にして現
像液を調整した。
【0087】 チャージディレクター:C1633−O(CH2 CH2 O)6 −H (比較例1)以下の手順で現像液を調整した。
【0088】 1.ポリエステル樹脂 85部 (テレフタル酸とエチレンオキサイド付加ビスフェノールAとを重合させるこ とによって得られたポリエステル樹脂、重量平均分子量Mw:12000、 酸化度:5、軟化点:130℃) 2.マゼンタ顔料 15部 (カーミン6B;大日精化社製) この材料をエクストリューダーにて混練、さらにジェッ
トミルで微粉砕後、風力式分級機で分級し、体積平均粒
径3μmのトナー粒子を作成した。
【0089】このトナー粒子をあらかじめ100℃で加
熱溶融させたパラフィンワックス120(日本精ろう社
製、融点約50℃)にトナー重量濃度で2%になるよう
に分散した。さらにこの現像液に実施例1と同様にチャ
ージディレクターとしてベーシックナトリウムペトロネ
ートを、実施例1と同様量添加し、充分に撹拌後、ステ
ンレス製のバットに移し現像剤を調製した。
【0090】(比較例2)実施例1で用いた帯電制御剤
として、含クロム染料〔スピロンブラック(Spilo
n Black)TRH;保土谷化学社製〕を使用し、
顔料としてカーボンブラック(カーボンブラック#40
00;三菱化成社製)を使用した以外は、実施例1と同
様にして濃縮トナーを作成た。
【0091】その後、このトナーを予め100℃で加熱
溶融させたパラフィンワックス120(日本精ろう社
製、融点約50℃)にトナー重量濃度で2%になるよう
に分散した。得られた現像液にチャージデレクターとし
て、大豆レシチンを実施例1と同様の割合で添加し充分
に撹拌して液体現像剤を製造した。
【0092】得られた実施例1〜6及び比較例1〜2の
各現像剤について、下記の如く評価を行った。
【0093】下記、表1に各現像剤の組成を記載した。
【0094】
【表1】
【0095】(現像液評価テスト) (1)現像剤トナー帯電極性および正極性トナー量と逆
極性トナー量の測定 間隔1mmで直径10cmの平行平板電極(電極面積7
8cm2 )間に現像液を3ml充填し、電場が+104
V/cmとなるように1000Vの電圧を1秒間印加し
た。その後、トナーが付着した電極を真空乾燥機に入
れ、120℃で2時間加熱乾燥しキャリア液を完全に除
去した。付着前後の電極重量の差から現像した正極性ト
ナーの量を求めた。また印加する電圧の極性を換える
(電場−10 4 V/cm)ことにより同様の手順で逆極
性トナーの量を測定した。結果を下記表2に示した。ま
た、図3にこれらトナー量を測定するトナー現像量測定
装置の回路図を示す。
【0096】(2)溶媒和評価 トナー粒子を分散したキャリヤ媒体中を、徐々に昇温
し、急激な体積変化と、相変化が起こるか否かを目視に
て判定した。結果を下記表2に示した。
【0097】
【表2】
【0098】表2から明らかなように、本発明の静電写
真用液体現像剤である実施例1〜6の現像剤は、逆極性
トナー量の少ない良好な負帯電性トナー特性を示した。
さらに、現像量も十分であり、良好な画像が形成される
ことがわかった。これら現像剤は調製後7日間を経ても
その特性が低下せず、安定したトナー特性を有すること
がわかった。一方、比較例1の現像剤は、弱い負の帯電
性を示し、現像量は実施例に比較して1/2〜1/3以
下の量であり、画像品質が劣ることが推定された。ま
た、調製後7日間を経た場合、さらに逆極性トナー量が
増加していた。 (3)トナーに用いた樹脂の熱特性分析 実施例1で用いた熱可塑性樹脂とキャリア媒体との混合
物のDSC(Diffential Scanning
Calorimetry)を測定した。図4は熱可塑
性樹脂とキャリア媒体との重量比を変化させて測定した
DSCの結果を示すグラフである。キャリア媒体の重量
比が増加するにつれてDSCのショルダー、ピーク値共
に低下している。こうした変化が現れる温度(ショルダ
ー値温度)を溶媒和開始の温度と見なすこともできる。
【0099】(画像品質評価)前記本発明の画像形成方
法において説明した図2の概略図に示す手順で、画像形
成を行った。
【0100】試料である実施例1と比較例1の現像剤は
タンク18内で、ヒータ24により60℃に加熱され、
液化したキャリヤ媒体20中にトナー粒子22が分散し
た状態となっている。感光体10上に帯電装置12によ
って形成された静電潜像に液化した現像剤が接触する
と、トナー粒子22が感光体10の電荷部分に引かれて
現像され、現像トナー画像30が形成される。
【0101】現像されたトナー画像30は、イメージス
タビライゼーションロール32を経て、余分なキャリヤ
媒体20を除去されて転写前トナー画像34とされ、そ
の後、ロール紙(転写紙)38上に転写され、定着ロー
ル42を経て定着され、画像が形成される。なお、現像
に際しては、感光体10と現像剤とが接触後直ちに固化
すると画像品位を低下する恐れがあるため、感光体10
自体或いは固定するステージにも加熱手段を設けてもよ
い。
【0102】実施例1及び比較例1の現像剤を用いて、
現像液の温度(T)を60℃に設定し、この方法で画像
を形成し、得られた画像を評価した。なお、実施例1の
キャリヤ媒体の融点(Tm)は36.8℃であり、溶媒
和の開始温度(Ts)は70℃であった。一方、比較例
1のキャリヤ媒体の融点(Tm)は約50℃であり、溶
媒和はみられなかった。
【0103】実施例1の現像剤を用いて得られた画像は
高解像度の良好なものであった。さらに、20000時
間放置後の現像液を用いて200枚連続の複写を行った
が、200枚連続複写後の画像も初期と変化のない良好
なものであった。定着ロールの設定温度を80℃に設定
し評価したが、得られた画像は、有機溶剤臭が全くな
く、定着画像強度も充分に良好なものであった。
【0104】一方、比較例1の現像剤を用いて画像形成
を行ったところ、初期的に画像は得られたものの、10
000時間放置後の現像液を用いて複写を行った画像
は、画像濃度が不充分で、低品位の画像であった。さら
に、この現像液を用いて200枚連続複写を行ったが、
画像の品位はますます低下し、甚だ不満足なものであっ
た。定着ロールの設定温度を80℃に設定し評価した
が、トナーの定着強度は弱く、けしゴムで消すと容易に
取れた。定着ロールの設定温度を100℃に設定し、再
度評価したが、トナーの定着強度は弱く、けしゴムで消
すと容易に取れ、定着ロールの設定温度を上げても画像
の定着強度に改善は見られなかった。
【0105】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明は、静電写
真用液体現像剤におけるキャリア媒体として常温で固体
の有機化合物を用いるため、キャリア液の蒸気圧が従来
に比べ大幅に低く、複写機、プリンター画像に特有の有
機溶剤臭が無く、また火災の危険性も少ない。しかも、
このキャリア媒体と溶媒和する樹脂を含むトナー粒子を
用いるため、定着速度が速く、定着温度が低く、且つ、
繰り返し使用しても常に画像品質が高く、経時において
も良好な画像品質性を保つ効果があり実用上きわめて満
足できるものである。さらに、本発明の静電写真用液体
現像剤を用いる画像形成方法によれば、定着画像強度が
充分に高く、定着に要するエネルギーを低減できるとい
う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 キャリア媒体であるアルカン類とイソパラ
フィン類の25℃における蒸気圧と粘度の関係を比較し
たグラフである。
【図2】 本発明の静電写真用液体現像剤を用いた画
像形成方法を示す概略図であり、帯電工程から現像工程
を経て、現像されたトナー画像が定着されるまでの工程
を示す。
【図3】 液体現像剤のトナー量を測定するトナー現
像量測定装置の回路図を示す。
【図4】 実施例1の現像剤で用いた熱可塑性樹脂と
キャリア媒体の混合物の重量比を変化させたときのDS
Cデータを示すグラフである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温以上に融点を有する電気絶縁性キャ
    リア媒体中に、熱可塑性樹脂と着色剤とを含有するトナ
    ー粒子を分散してなる静電写真用液体現像剤であって、 該熱可塑性樹脂が、電気絶縁性キャリア媒体の融点以下
    ではキャリア媒体に不溶性であり、該融点を超える温度
    で該キャリア媒体に溶媒和することを特徴とする静電写
    真用液体現像剤。
  2. 【請求項2】 前記トナー粒子の体積平均粒径が0.5
    〜10μmであることを特徴とする請求項1記載の静電
    写真用液体現像剤。
  3. 【請求項3】 前記トナー粒子が帯電制御剤を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の静電写真用液体現像
    剤。
  4. 【請求項4】 前記トナー粒子の熱可塑性樹脂が前記キ
    ャリア媒体に溶媒和し始める温度が50〜100℃であ
    ることを特徴とする請求項1記載の静電写真用液体現像
    剤。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂が、エチレン系重合体
    であることを特徴とする請求項1記載の静電写真用液体
    現像剤。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂が、エチレンとα、β
    −不飽和カルボン酸若しくはそのエステルとの共重合
    体、及び、エチレンと酢酸ビニル共重合体からなる群か
    ら選択されることを特徴とする請求項5記載の静電写真
    用液体現像剤。
  7. 【請求項7】 前記キャリア媒体が20〜80℃に融点
    を有することを特徴とする請求項1記載の静電写真用液
    体現像剤。
  8. 【請求項8】 前記キャリア媒体がアルカン類から選択
    されることを特徴とする請求項1記載の静電写真用液体
    現像剤。
  9. 【請求項9】 前記キャリア媒体中に、チャージディレ
    クターを含有することを特徴とする請求項1記載の静電
    写真用液体現像剤。
  10. 【請求項10】 静電潜像担持体上の静電潜像を静電写
    真用液体現像剤を用いて顕像化する工程及び記録材にト
    ナー画像を定着する工程を有する画像形成方法におい
    て、 該静電写真用液体現像剤が、常温以上に融点を有する電
    気絶縁性キャリア媒体中に、該融点を超える温度で該キ
    ャリア媒体に溶媒和する熱可塑性樹脂と着色剤とを含有
    するトナー粒子を分散してなる静電写真用液体現像剤で
    あり、 該顕像化する工程が、静電写真用液体現像剤の温度をキ
    ャリヤ媒体の融点以上で、且つ、熱可塑性樹脂がキャリ
    ヤ媒体と溶媒和し始める温度以下に保持して、静電潜像
    担持体に接触させ、該トナー粒子を静電潜像に付着させ
    て顕像化する工程であることを特徴とする画像形成方
    法。
  11. 【請求項11】 前記記録材にトナー画像を定着する工
    程が、前記熱可塑性樹脂がキャリヤ媒体と溶媒和し始め
    る温度以上で、顕像化したトナー画像を記録材に定着す
    る工程であることを特徴とする請求項10記載の画像形
    成方法。
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