JPH06348066A - 静電写真用湿式現像剤および画像形成方法 - Google Patents

静電写真用湿式現像剤および画像形成方法

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JPH06348066A
JPH06348066A JP5154551A JP15455193A JPH06348066A JP H06348066 A JPH06348066 A JP H06348066A JP 5154551 A JP5154551 A JP 5154551A JP 15455193 A JP15455193 A JP 15455193A JP H06348066 A JPH06348066 A JP H06348066A
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JP
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wet
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Application number
JP5154551A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Matsuoka
弘高 松岡
Takeshi Hashimoto
健 橋本
Takako Kobayashi
孝子 小林
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 湿式現像方式を採用する複写機、プリンター
から排出するキャリア液の量を低減させ、臭いがなく火
災の危険性が少なく、また、高温保存、長期保存がで
き、高温使用時に粘度上昇を起こすことがない湿式現像
剤、およびそれを用いた画像形成方法を提供する。 【構成】 加熱により溶融する常温で実質上固体の電気
絶縁性キャリア中に、顔料および結着樹脂を主成分とす
るトナー粒子が分散された静電写真用液体現像剤であっ
て、電気絶縁性キャリア中にラジカル重合禁止剤が含有
されている。この静電写真用湿式現像剤を用いて、潜像
保持体上に形成された静電潜像を現像する場合、現像剤
を加熱しながら現像を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電写真プロセス等に
おいて、加熱により溶融する静電写真用湿式現像剤およ
びそれを用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法における湿式現像方式は、常
温で液体の電機絶縁性キャリア中に微粒子トナーを分散
した液体現像剤を使用して主に電気泳動原理によって潜
像を現像する方式であり、乾式現像方式より高解像度の
画質が得られやすいという特長を持っている。液体現像
剤については従来から種々のものが提案されているが、
従来提案されているキャリア液は、ほとんどが蒸気圧の
高い有機溶媒系キャリアであるために、(i)定着時等
排出されるキャリア液体蒸気が環境汚染を引き起こしや
すい、(ii)引火しやすい、(iii )紙などの基材に定
着した後、基材中に残存したキャリア液が徐々に蒸発し
コピーから溶剤臭が発生する、等の問題をかかえてい
る。
【0003】これらの問題点に対して、例えばキャリア
蒸気の発生を防止するためキャリア液に蒸気圧の低い炭
化水素系の石油溶媒を用いたり、或いは、実質上常温で
固体の高分子量化した炭化水素を用い、使用時に適当な
加熱手段にて溶融状態に保持し、静電潜像を現像する手
段が提案されている。また、例えば、特開平2−696
5号公報には、常温で固体であり加熱冷却により固液変
化する電気絶縁性有機物に着色剤が分散した湿式現像剤
が記載され、液体に比べメンテナンス性、作業性の上で
好ましいことが開示されている。しかしながら、これら
熱溶融湿式現像剤は、現像に際して高熱状態に保持され
る必要があるため、現像剤の保存特性、特に溶融粘度の
安定性に課題を残している。したがって初期的には良好
な画像特性を示すものの、ヒートサイクルが加わった場
合に経時により溶融粘度の上昇が認められ、画像特性が
著しく劣化してしまうという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように従来提
案されている湿式現像方式に使用される現像剤用のキャ
リア液として満足するものは未だ得られていない。本発
明が解決しようとする第一の課題は、上記した問題点あ
るいは不都合点をもたらすことなく、液体現像を用いた
複写機、プリンターから排出されるキャリア液の量を低
減させること、また臭いが無く火災の危険性が少ない現
像剤用のキャリアを提供することにある。本発明が解決
しようとする第二の課題は熱溶融型湿式現像剤の溶融粘
度増加を防止することにより、現像剤の高温保存、長期
保存、高温使用時に対する信頼性を向上させ、常に画像
品質の高い画像を得ることにある。したがって、本発明
の目的は、上記従来の欠点を改善した湿式現像剤を提供
することにある。本発明の他の目的は、優れた品質の画
像を長期にわたって形成することができる画像形成方式
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の静電写真用湿式
現像剤は、熱溶融型湿式現像剤であって、加熱により溶
融する常温で実質上固体の電気絶縁性キャリア中に、顔
料および結着樹脂を主成分とするトナー粒子が分散され
たものであり、そして、その電気絶縁性キャリア中にラ
ジカル重合開始剤が含有されていることを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体上に静電潜像を形
成する潜像形成工程、および該静電潜像を現像する現像
工程を有し、その現像工程における静電潜像の現像を、
上記湿式現像剤を加熱しながら行うことを特徴とする。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
湿式現像剤に用いる加熱により溶融する常温で実質上固
体の電気絶縁性キャリアにおいて、キャリアの融点、或
いは実質上液体とみなされる点は、通常の使用環境や取
扱性を考慮して25℃以上に設定し、より好ましくは3
0℃以上である。融点、或いは実質上液体とみなされる
点の上限は、特に限定されるものではないが、実用上で
は、おおよそ80℃、より好ましくは60℃以下であ
る。但しこれらキャリアの融点、或いは実質上液体とみ
なされる点(T1 )を、分散されているトナー粒子を構
成する結着樹脂が軟化したり、或いは担持体であるキャ
リアに溶媒和する温度、さらには溶融する温度(T2 )
以上に設計すると、現像剤を加熱する温度(T)によ
り、トナー粒子が膨潤やゲル化を起こし、液状の状態の
現像剤中で「粒子」として機能しなくなるために好まし
くない。以上の関係は、以下の通りになる。 室温<T1 <T<T2 現像剤の設定温度Tは、上記の関係を満たすようにする
ことが必要であり、したがって、この条件を満足するよ
うに各材料を選択する必要がある。
【0007】これらの要求を満たすキャリアの材料とし
ては、パラフィン類、ロウ類、およびこれらの混合物が
あげられる。まずパラフィン類としては、オクタデカン
(C1838、融点28.2℃)からヘキサコンタン(C
4082、融点81.5℃)に至る炭素数18〜40程度
の各種のn−パラフィンがあげられる。またロウ類とし
ては、カルナバロウ、綿ロウ等の植物ロウ、ミツロウ等
の動物ロウ、オゾケライト、およびパラフィンロウ、微
晶ロウ、ペトロラタム等の石油ロウ等があげられる。さ
らには、ポリエチレン、ポリアクリルアミドや、ポリn
−ステアリルメタクリレート等のポリアクリレートのホ
モポリマーあるいはコポリマー(例えばコポリn−ステ
アリルアクリレートエチルメタクリレート等)の側鎖に
長いアルキル基を有する結晶性高分子も使用可能である
が、T1 あるいは溶融後の粘度等を考慮するとパラフィ
ン類、ロウ類が好ましく使用される。
【0008】本発明において上記常温で固体の電気絶縁
性キャリアには、ラジカル重合禁止剤を含有させる。ラ
ジカル重合禁止剤は、ラジカルの活性度を低下するもの
であれば如何なるものでもよく、ラジカル重合防止剤、
ラジカル重合抑制剤、ラジカル補足剤等を意味し、これ
らの適宣組合せたものも使用できる。具体的には、ジチ
オベンゾイルジスルファド等の硫黄化合物、ベンゾキノ
ン、ナフトキノン、アントラキノン等のキノン類、およ
びこれらのジオールであるヒドロキノン類、tert−
ブチルカテコール等のカテコール類、ポリオキシ化合
物、アミン類、ジフェニルピクリルヒドラジル、トリ−
p−ニトロフェニルメチルヒドラジル等のニトロ化合
物、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチル
ブチリデン)アニリンオキシド等のニトロソ化合物、塩
化銅(II)、ピクリン酸があげられる。これらの中で
も、1、4−ジヒドロキシベンゼン、1、4−ナフトキ
ノン、ジフェニルピクリルヒドラジル、トリ−p−ニト
ロフェニルメチルヒドラジル、N−(3−N−オキシア
ニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシ
ド等が好ましい。ラジカル重合禁止剤の配合量は、現像
剤に対して0.01重量%〜5重量%の範囲が好まし
く、2重量%以下が特に好ましい。ラジカル重合禁止剤
の配合量が5重量%よりも多い場合には、トナーの帯電
低下が発生する場合があり、また、0.01重量%より
も少ない場合には、ラジカル重合禁止剤の添加効果が生
じない。
【0009】一方、絶縁性キャリアに分散させるトナー
粒子は、顔料および結着樹脂を主成分として構成され
る。本発明に使用できる結着樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類が用いられ、
特に極性基を有すエチレン系共重合体、例えばアクリル
酸とメタクリル酸からなる群から選択されるα,β−エ
チレン性不飽和酸とエチレンとの共重合体、エチレンと
メタクリル酸またはアクリル酸のアルキルエステルとの
共重合体、或いはそれら共重合体をイオン架橋したアイ
オノマー類等が好ましい。このタイプの共重合体の合成
法は、リー(Ree)の米国特許第3264272号明
細書に記載されている。さらにスチレン、o,m,p−
メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチ
レン、2、4−ジメチルスチレン等の単独重合体または
スチレン−アクリル系重合体、或いは他の単量体との共
重合体をあげることができる。これらスチレン−アクリ
ル系共重合体を形成するためのアクリル系成分として
は、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステア
リル、(メタ)アクリル酸2−クロルエチル、(メタ)
アクリル酸フェニル、メタアクリル酸ジメチルアミノエ
チル、メタアクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メ
チレンモノカルボン酸エステル類、それらのベタイン化
合物、それらのアンモニウム塩等があげられる。また上
記アクリル酸類の単独重合体、或いは他の単量体との共
重合体、さらにはパーフロロオクチル(メタ)アクリレ
ート、ビニルトルエンスルホン酸およびそのナトリウム
塩、ビニルピリジン類およびそのピリジニウム塩等の単
独重合体、或いは他の単量体との共重合体をあげること
ができる。またダイマー酸をベースにしたポリアミド樹
脂、ブタジエン、イソプレン等のジエン類とビニル系単
量体との共重合体を用いることができる。さらには、ポ
リエステル、ポリウレタン等を単独または上記の樹脂と
混合した形態で用いることができる。
【0010】本発明において、前述の結着樹脂中に分散
させる着色剤としては、公知の有機または無機の顔料や
染料を使用することができる。例えばC.I.ピグメン
トレッド48:1,C.I.ピグメントレッド57:
1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメ
ントレッド17、C.I.ピグメントイエロー97、
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメント
ブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、
ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズ
ベンガル(C.I.No.45432)、カーボンブラ
ック、ニグロシン染料(C.I.No.50415
B)、これらの混合物等をあげることができる。更には
シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイトや各種フェラ
イト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジ
ルコニウム、酸化チタン、および酸化マグネシウムなど
の種々の金属酸化物およびこれらの適宣の混合物などが
あげられる。これらの着色剤は、充分な濃度の可視像が
形成されるに十分な割合で含有されることが必要であ
り、トナー粒径や現像量に依存するが、通常結着樹脂1
00重量部に対して1〜100重量部程度の割合が適切
である。
【0011】また、上記トナー粒子は絶縁性キャリアに
分散させるが、トナー粒子の粒径は、0.1〜10μm
の範囲が好ましい。また、トナー粒子の添加量は、絶縁
性キャリアに対して0.5〜10重量%の範囲が好まし
い。
【0012】本発明の湿式現像剤においては、さらに、
キャリアまたはトナー粒子中に、トナー粒子の保持する
電荷の極性、および電荷量の均一化、安定化の目的で荷
電制御剤を添加してもよい。荷電制御剤としては、レシ
チン、ウイトコケミカル社(Vitoco Chemi
cal Corp.)製のベーシック バリウム ペト
ロネート、およびベーシック ナトリウム ペトロネー
ト、油溶性石油スルフォネート、アルキル スクシンイ
ミド、ジオクチルスルホコハク酸ソーダ、オクタン酸ジ
ルコニウムなどの金属石鹸類等、従来から湿式現像剤に
使用されている公知の荷電制御剤が使用できる。また、
上記のもの以外にも、イオン性、非イオン性の界面活性
剤類、四級アンモニウム塩類、有機ホウ酸塩類、含金染
料類等の有機/無機塩類、親油性部と親水性部からなる
ブロックもしくはグラフト共重合体類を使用することも
できる。さらに、現像剤の物性制御のために、これら荷
電制御剤の外にも、ポリマー微粒子、無機微粒子等をキ
ャリア中に分散させたり、各種添加剤をキャリア中に分
散または溶解させてもよい。
【0013】次に、本発明の湿式現像剤の製造方法につ
いて説明する。本発明のトナー粒子を含む現像剤の製造
法としては、従来公知の如何なる製造法でも使用でき
る。例えばメトカルフェの「Sci.Instrum. 32, 74 (195
5)およびibid.,33, 194(1956)」に記載の方法や、特開
昭58−2851号公報,特開昭58−129438号
公報,特開昭58−152258号公報等に記載の方
法、さらにはB.Landa等による米国特許4794
651号明細書に記載されている様な各種のトナー製造
法が採用できる。例えば上述した結着樹脂、顔料および
キャリア原料を、樹脂が可塑化可能で且つキャリアが沸
騰せず、かつ樹脂および/または着色剤が分解する温度
よりは低い温度で分散および混錬することができる適当
な装置、例えば遊星型ミキサー、ニーダー等で顔料と樹
脂をキャリア液中で加熱溶融したものを、樹脂の溶媒溶
融度の温度依存性を利用し、撹拌しながら冷却しトナー
粒子を凝固/析出させてトナーを作成することができ
る。また、別の方法としては、分散および混錬のための
粒状メデイアを装備した適当な容器、例えばアトライタ
ー、加熱したボールミルのような加熱された振動ミル中
に上述した原材料を入れ、この容器を好ましい温度範
囲、例えば80〜160℃で分散および混錬する方法が
採用できる。粒状メデイアとしては、鋼、例えばステン
レス鋼、または、炭素鋼、アルミナ、ジルコニウム、シ
リカ等が好ましく用いられる。この方法によってトナー
を製造するには、あらかじめ充分に流動状態にした原材
料をさらに粒状メデイアによって容器内に分散する。粒
状メデイアを冷却中および冷却後も、引き続いて継続的
に運動状態に保ち剪断および/または衝撃を発生させ、
トナー粒子径を低下させることが重要である。以上の方
法等により粒子化されたトナーは、遠心沈降式粒度分布
測定装置で求めた所望の体積平均粒度が、例えば10μ
mより小さく、より好ましくは5μm以下の平均粒度を
持ち、必要に応じて多数の繊維を持った形状をとること
もできる。ここで『繊維を持った形状』とは、繊維、巻
ひげ、触手等を伴って形成されたトナー粒子の形を意味
する。
【0014】さらに別な湿式現像剤の製造方法として、
上述した結着樹脂および着色剤を所定の混合比になるよ
うに計量し、結着樹脂を加熱溶融させた後に着色剤を添
加して混合、分散させ、冷却後、ジェットミル、ハンマ
ーミル、ターボミル等の扮砕機を用いて微粒子を調製
し、得られたトナー粒子を予め加熱溶融させたキャリア
に分散させてもよい。また更には懸濁重合、乳化重合、
分散重合等の重合法やコアセルベーション、メルトデイ
スパージョン、エマルション凝集法でトナーを調製し、
その後予め加熱溶融させたキャリアに分散して湿式現像
剤を作製してもよい。
【0015】次に、本発明の画像形成方法について図面
を参照して説明する。図1は、本発明の画像形成方法を
説明するための説明図であって、便宜上、一枚の長い感
光体に対して各工程が順次適用される形で示してある。
なお、この図においては、潜像保持体として感光体を用
いた場合を示しているが、感光体の代わりに、誘電層を
有する記録体を使用することもできる。図1において、
潜像形成工程は、帯電工程および露光工程よりなる。帯
電工程にては、感光体(1)がコロナ帯電器(2)等の
適当な帯電手段を用いて例えばプラスに一様に帯電され
る。次の露光工程において、半導体赤外レーザー光線
(3)等の適当な露光手段を用い、画像情報部分のプラ
ス電荷を消失させる。次の現像工程では、前述の様にし
て作成した静電潜像が現像剤タンク(4)の上を通過す
る。現像剤タンク(4)には、少なくとも常温で固体で
あり、加熱冷却により固液化する電気絶縁性キャリア
(5)にトナー粒子とラジカル重合禁止剤等が分散され
てなる本発明の湿式現像剤が供給されており、この図の
場合、トナー粒子(6)はマイナスに帯電している。こ
の現像剤は、加熱手段(7)によって加熱溶融され液状
を呈している。この液状を呈している現像剤は、種々の
方法で感光体に接触させ、現像を行うことができる。例
えば、溶融した現像剤を押出し装置によって押出し、感
光体と接触させる方法、加熱された供給ロール上に現像
剤を供給して溶融させ、感光体と接触させる方法、溶融
した現像剤を現像ロールに供給し、感光体と接触させる
方法等によって現像を行うことができる。現像工程にお
いて、液化した現像剤が感光体(1)と接触すると、ト
ナー粒子(6)が感光体上の荷電部分に吸引されて、静
電潜像が現像される。現像されたトナー像は、転写ロー
ル(9)上の転写紙(8)上に転写され、常法によって
定着され、画像が形成される。なお、現像に際しては、
感光体(1)と現像剤とが接触後、直ちに固化すると画
像品位を低下させる恐れがあるため、感光体(1)自
体、或いは定着までの段階にも加熱手段を設けてもよ
い。
【0016】
【作用】本発明者等による検討の結果、本発明の作用は
以下の機構に基づくものであることが判明した。すなわ
ち、本発明の湿式現像剤に使用される常温固体のキャリ
アは長時間高熱状態を保つと、部分的に熱分解反応を起
こすことが観察される。例えば、脱水素ラジカルにより
生じた炭素上のフリーラジカルは極めて活性種であり、
同様のラジカルと再結合し長鎖の有機化合物として安定
する。このため高分子量化したキャリアの溶融粘度は、
初期設計より増加してしまい、その結果良好な画像品質
を保持できなくなる。このキャリアを更に放置すれば、
分解反応、再結合を繰り返し、ついには三次元網目構造
を形成し、キャリアが熱によっても溶融しない状態にな
ってしまう。以下にキャリアの増粘のメカニズムを反応
式によって示す。
【0017】
【化1】 (式中、R1 〜R4 は炭化水素基を意味する。)キャリ
アは、上記反応式にしたがって、さらに分解、再結合が
行われ、高分子量化する。
【0018】しかしながら、本発明によりラジカル重合
禁止剤を配合すると、炭素上のフリーラジカルはラジカ
ル重合禁止剤によって補足され、それによりバインダー
間の再結合が防止され、現像剤の熱履歴の有無に関わり
なく良好な画像品質を与えるようになる。例えば、重合
禁止剤として2,2−ジフェニルピクリルヒドラジルを
使用した場合、次のような反応式により、キャリアが安
定化され、高分子量化しない。
【化2】 (式中、R5 〜R6 は炭化水素基を意味し、Φはフェニ
ル基を意味する。)
【0019】
【実施例】以下に実施例および比較例をもって説明す
る。ただし下記の実施例および比較例は、本発明を具体
的に説明するものであるが、限定するものではない。 実施例1 以下の手順で現像液を調製した。 1.エチレン(89%)−メタクリル酸(11%)の共重合体 (ニュークレルN699;デユポン社製) 40重量部 2.銅フタロシアニン顔料(シアニンブルー4933M; 大日精化社製) 4重量部 3.ノルパー15(エクソン社製) 100重量部 上記組成物をステンレスビーカーに投入した後、オイル
バスにて120℃に加熱しながら、1時間撹拌を続け、
完全に溶融した樹脂および顔料の均一な溶融体を調製し
た。得られた溶融体を撹拌を続けながら徐々に室温まで
冷却を続けていき、さらに、新たなノルパー15を10
0重量部添加した。系の温度が低下するにつれて粒径1
0〜20μmの顔料を包含したトナー粒子が析出してき
た。造粒したトナー粒子100gを01型アトライター
(三井三池社製)に投入し、0.8mmの直径のスチー
ル剛球を用いてローター速度300rpmで約20時間
粉砕した。粉砕操作は、遠心沈降式粒度分布測定器(島
津製作所製SA−CP4L)で体積平均粒子径をモニタ
ーしながら行い、d=2.5μmになるまで粉砕を続
け、ペースト状の濃縮トナーを得た。この濃縮トナーを
ベーストナーとした。このベーストナー20重量部(ト
ナー濃度18重量%)を、あらかじめ75℃で加熱溶融
させた160重量部のエイコサン(C2042、融点3
6.8℃)によって、現像液量に対するトナー濃度が2
重量%になるように希釈し、充分に撹拌を行った。次い
で、得られた現像剤注に、重合禁止剤である2、2−ジ
フェニル−1−ピクリルヒドラジル2重量部と、さら
に、荷電制御剤としてベーシックバリウムペトロネート
(Basic Barium Petronate;
Vitoco Chemical Corp.)を現像
剤中のトナー量1重量部あたり、0.1重量部の添加量
で添加し、充分に撹拌した後、ステンレス製のバットに
移して現像剤を調製した。 実施例2 実施例1で用いたベーストナー20重量部を固形分濃度
で2重量%になるようにあらかじめ75℃で加熱溶融さ
せたトリアコンタン(C3062、融点65.8℃)16
0重量部ので希釈し充分に撹拌を行った。次いで、液状
になっている現像液中に、重合禁止剤である1、4−ジ
ヒドロキシベンゼン2重量部と、さらに荷電制御剤とし
てベーシックナトリウムペトロネート(Vitoco
Chemical Corp.)を、実施例1と同様に
現像剤の固形分1重量部あたり、0.1重量部の添加量
で添加し、充分に撹拌した後、ステンレス製のバットに
移し現像剤を調製した。
【0020】実施例3 以下の手順で現像剤を調製した。 1.ポリエステル樹脂:テレフタル酸とエチレンオキサイド 付加ビスフェノールAとを重合させることによって得 られた重量平均分子量Mw:12000、酸価:5、 軟化点:130°Cのポリエステル樹脂 85重量部 2.マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製) 15重量部 上記の材料をエクストルーダーにて混練、さらにジェッ
トミルで微粉砕した後、風力式分級機で分級して平均粒
径3μmのトナーを作製した。このトナー粒子をあらか
じめ100℃で加熱溶融させたパラフィンワックス12
0(日本精ろう社製、融点約50℃)に、トナー濃度が
2重量%になるように分散した。さらにこの現像液に実
施例1と同様に2重量部の重合禁止剤と、荷電制御剤と
してベーシックナトリウムペトロネート(Vitoco
Chemical Corp.)を、実施例1と同様
量で添加し、充分に撹拌した後、ステンレス製のバット
に移して現像剤を調製した。
【0021】実施例4 実施例1で用いたベーストナーで用いる顔料として、ピ
グメントイエロー17(大日精化社製)を使用する以外
は、すべて実施例1と同じ手順で濃縮トナーを作製し
た。このときのトナー粒径はd=2.5μmであった。
さらにこの濃縮トナー20重量部(トナー濃度18重量
%)を現像剤量に対するトナー濃度が2重量%になるよ
うにあらかじめ75℃で加熱溶融させたペンタコサン
(C2552、融点53.7℃)160重量部で希釈し、
実施例1と同じ手順で充分に撹拌を行った。さらに得ら
れた現像剤に実施例2と同様に、重合禁止剤である1、
4−ジヒドロキシベンゼン2重量部と、荷電制御剤とし
て、ジオクチルスルホコハク酸ソーダを実施例1と同様
の添加量で添加し、充分に撹拌した後、ステンレス製の
バットに移し現て像剤を調製した。
【0022】比較例1 実施例1において重合禁止剤を用いない以外は、全て実
施例1と同様にして現像剤を作製した。 比較例2 実施例2において重合禁止剤を用いない以外は、全て実
施例2と同様にして現像剤を作製した。 比較例3 実施例3において重合禁止剤を用いない以外は、全て実
施例3と同様にして現像剤を作製した。 比較例4 実施例4において重合禁止剤を用いない以外は、全て実
施例4と同様にして現像剤を作製した。
【0023】(現像液評価テスト) (1)インク粘度 現像剤を充填した試料容器を、75℃の高温槽に放置し
粘度変化を調べた。粘度は、せん断速度1,400s-1
で測定した。以上の結果を後記表1に示す。 (2)画像品質評価 図1に画像形成方法によって画像出力の評価を行った。
現像剤は前述の如く、タンク(4)に入れて使用され
る。そして液化した現像剤が感光体と接触すると、トナ
ー粒子(6)が感光体の電荷部分に吸引されて現像され
る。最後に定着工程でロール紙(8)上に定着され、画
像が形成される。
【0024】実施例5 前述した画像形成装置で、実際の画像評価を行った。実
施例1の現像剤を用い、現像剤の温度を75℃に設定
し、画像出力を行った。得られた画像は高解像度の良好
なものであった。さらに、実施例1の2000時間放置
後の現像剤を用いて200枚連続の複写を行ったとこ
ろ、100枚後の画像は初期と変化のない良好なもので
あった。さらにこの画像は、有機溶剤臭が全く無い良好
なものであった。 比較例5 前述した画像形成装置で、同様の画像評価を行った。比
較例1の現像剤を用い、現像剤の温度を75℃に設定
し、画像出力をおこなったところ、初期的に得られた画
像は高解像度の良好なものであったが、1000時間放
置後の現像剤を用いると、画像濃度が上がらず、品位の
劣ったものとなった。さらにこの現像剤を用いて200
枚連続の複写を行ったが、画像の品位はますます低下
し、甚だ不満足なものとなった。
【0025】
【表1】
【0027】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明の静電写真
用湿式現像剤は、ラジカル重合禁止剤を含有させた常温
で固体で加熱に溶融するキャリアを用いているから、従
来の液状キャリア液を用いた液体現像剤に比して、蒸気
圧を大巾に低下することができるため、複写機やプリン
ター画像に特有の有機溶剤臭が無く、また火災の危険性
も少ない。しかも、本発明の湿式現像剤は、高温状態に
長期保存した場合に生じるキャリアの溶融粘度の増加が
防止され、経時においても良好な画像品質性を保つ効果
があり、実用上極めて有利なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法を説明するための説明
図である。
【符号の説明】
(1)…感光体、(2)…コロナ帯電器、(3)…半導
体赤外レーザー光線、(4)…現像剤タンク、(5)…
電気絶縁性キャリア、(6)…トナー粒子、(7)…加
熱手段、(8)…転写紙、(9)…転写ロール。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱により溶融する常温で実質上固体の
    電気絶縁性キャリア中に、顔料および結着樹脂を主成分
    とするトナー粒子が分散された静電写真用液体現像剤に
    おいて、該電気絶縁性キャリア中にラジカル重合禁止剤
    が含有されていることを特徴とする静電写真用湿式現像
    剤。
  2. 【請求項2】 潜像保持体上に静電潜像を形成する潜像
    形成工程、および該静電潜像を現像する現像工程を有す
    る画像形成方法において、該現像工程における静電潜像
    の現像を、請求項1に記載の静電写真用湿式現像剤を加
    熱しながら行うことを特徴とする画像形成方法。
JP5154551A 1993-06-02 1993-06-02 静電写真用湿式現像剤および画像形成方法 Pending JPH06348066A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6979523B1 (en) 1995-04-07 2005-12-27 Hewlett-Packard Development Company, Lp Toner material and method utilizing same
JP2008225243A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Ricoh Co Ltd 保護剤塗布装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

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