JPH09154280A - Pwmコンバータの制御装置 - Google Patents

Pwmコンバータの制御装置

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JPH09154280A
JPH09154280A JP7334086A JP33408695A JPH09154280A JP H09154280 A JPH09154280 A JP H09154280A JP 7334086 A JP7334086 A JP 7334086A JP 33408695 A JP33408695 A JP 33408695A JP H09154280 A JPH09154280 A JP H09154280A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷の大きさの影響を受けずに安定にデッド
タイムによるコンバータの交流側電圧の歪みを抑制し、
電源電流の低次高調波を小さくするPWMコンバータの
制御装置提供することにある。 【解決手段】 平滑コンデンサ電圧の指令値と検出値が
一致するように有効パワー分電流指令を出力する手段8
と、交流電源の位相を検出する手段10と、ほぼ電源力
率1で、交流リアクトル電流の大きさが前記有効パワー
分電流指令に一致するようにPWMコンバータの変調波
信号またはPWM信号を出力する手段12、13、15
を具備すると共に、交流電源の電圧位相検出値と有効パ
ワー分電流指令を基にデッドタイムによるPWMコンバ
ータの電圧歪みを抑制する補償信号を作成するデッドタ
イム補償信号発生手段14を設け、この補償信号を変調
波信号またはPWM信号に加算することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PWMコンバータ
の制御装置、特に、電源電流を正弦波状に制御するPW
Mコンバータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】交流電力を直流電力に変換する電圧形P
WMコンバータや、直流電力を交流電力に変換する電圧
形PWMインバータにおいては、正側と負側のスイッチ
ング素子が同時に導通しないように短絡防止期間(以
下、デッドタイムと称する。)が設けられている。この
デッドタイムにより、インバータやコンバータの交流側
電圧が歪むという問題がある。インバータ側において
は、特にインバータ出力が小さい低周波数領域で問題と
なり、デッドタイム補償に関して多数の従来例が特許公
報などの文献に記述されている。一方、コンバータ側に
おいては、電源電圧に近い電圧を出力するため、デッド
タイム補償は余り問題にされていなかった。しかし、最
近、低次高調波電流の規制に伴い、コンバータ側でもデ
ッドタイム補償を行ない、電源電流の低次高調波を低減
する必要が出てきた。
【0003】なお、コンバータ側における従来例は、皆
無に近いので、インバータ側の従来例を述べる。インバ
ータ出力電圧の歪みを補償する方法として、特開平3−
164071号公報および特開平3−135389号公
報に記載されている技術がある。特開平3−16407
1号公報においては、交流電動機を可変速制御するイン
バータ装置であって、実際のインバータ出力電流の大き
さと極性を検出し、出力電流の極性に対応してデッドタ
イム補償信号の正負極性を決め、更に、この補正信号の
振幅を出力電流の大きさに対応して決めている。一方、
特開平3−135389号においては、交流電動機を可
変速制御するインバータ装置であって、交流電動機の三
相交流電流指令を作成し、これに正負のリミッタ回路を
介してデッドタイムによる誤差電圧の補償電圧指令と
し、その後、この補償電圧指令を基本の交流電圧指令に
加算して、最終的なインバータ出力電圧指令としてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−16407
1号公報の従来例は、誘導電動機等の交流電動機を可変
速制御するインバータ装置の出力電圧歪みを補償する方
法として使用できる。その理由は、誘導電動機の場合、
無負荷時の電流(励磁電流に相当)が定格電流の約40
パーセントと大きく、実際のインバータ出力電流の大き
さと極性からデッドタイム補償信号を作成できる。ま
た、インバータ出力電流の大きさが零付近まで小さくは
ならない。しかし、交流電源側の電圧形PWMコンバー
タの場合、この方法は難しいと考えられる。その理由と
して、電圧形PWMコンバータの場合、例えば、負荷側
がインバータを用いた誘導電動機駆動システムで考える
と、インバータの出力電圧と出力パワーは速度に略比例
するため、低速時においてはインバータ出力パワーは非
常に小さくなる。この結果、インバータ出力パワーと交
流電源側のパワーは略等しくなるので、電圧形PWMコ
ンバータの交流側の電流は非常に小さくなり、PWM制
御に伴うリプル電流のみとなる。このため、軽負荷時、
電圧形PWMコンバータの交流側の電流極性を判別する
ことは難しい。この結果、電圧形PWMコンバータにお
いては、実際のコンバータ交流側電流検出値からデッド
タイム補償を行なうことは難しい。
【0005】そこで、特開平3−135389号記載の
従来例は、実際のインバータ出力電流ではなく、交流の
インバータ出力電流指令からデッドタイム補償信号を作
っている。なお、交流電動機の制御は、交流のインバー
タ出力電流指令に交流電動機電流が追従するようにイン
バータ出力電圧を制御している。そこで、この方法は、
交流の電流指令が実電流に一致していると仮定し、電流
指令から直接デッドタイム補償信号を作っている。この
ため、モータ制御のようにデッドタイムによるインバー
タ出力電圧歪みが大きい低周波数領域で補償する用途で
は、電流制御系の応答遅れによる位相遅れが小さいの
で、使用できる。また、交流電流指令を利用することに
より、比較的簡単にデッドタイム補償信号を作成でき
る。しかし、電流制御系の応答時定数は、マイコン制御
の場合、一般的に1ms位あり、この方法を電源側のP
WMコンバータに適用した場合、電源周波数50Hz
(電源周期20ms)では、1msの遅れは18度の遅
れとなり、交流の電流指令と実電流は18度ずれる。こ
のため、コンバータ制御では電流指令から直接デッドタ
イム補償信号は作れない、という問題がある。
【0006】本発明の課題は、上述した事情に鑑み、負
荷の大きさの影響を受けずに安定にデッドタイムによる
コンバータの交流側電圧の歪みを抑制し、電源電流の低
次高調波を小さくするに好適なPWMコンバータの制御
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、交流電源の
電圧位相検出値と、平滑コンデンサ電圧の指令値と検出
値が一致するように出力する有効パワー分電流指令を基
にデッドタイムによるPWMコンバータの電圧歪みを抑
制する補償信号を作成するデッドタイム補償信号発生手
段を設け、この補償信号をPWMコンバータの変調波信
号またはPWM信号に加算することによって、解決され
る。ここで、デッドタイム補償信号発生手段は、交流電
源の電圧位相検出値を基に求めたコンバータの交流側電
流位相に応じて、各相のデッドタイム補償パターンを出
力する手段と、有効パワー分電流指令に応じてデッドタ
イム補償振幅を決める手段と、デッドタイム補償パター
ンとデッドタイム補償振幅からデッドタイム補償信号を
発生する手段を有する。また、デッドタイム補償信号発
生手段は、交流電源の電圧位相検出値を基に求めたコン
バータの交流側電流位相に応じて、各相のデッドタイム
を補償する方形波パターンを出力する手段と、有効パワ
ー分電流指令をリミッタを介してデッドタイム補償振幅
を決める手段と、方形波パターンとデッドタイム補償振
幅からデッドタイム補償信号を発生する手段を有する。
また、デッドタイム補償信号発生手段は、交流電源の電
圧位相検出値を基に求めたコンバータの交流側電流位相
に応じて、各相デッドタイムを補償する正弦波パターン
を出力する手段と、この正弦波パターンに応じて第1の
リミッタを介して台形波状のデッドタイム補償パターン
を出力する手段と、有効パワー分電流指令を第2のリミ
ッタを介してデッドタイム補償振幅を決める手段と、台
形波状パターンとデッドタイム補償振幅からデッドタイ
ム補償信号を発生する手段を有する。また、デッドタイ
ム補償信号発生手段は、交流電源の電圧位相検出値を基
に求めたコンバータの交流側電流位相に応じて、各相デ
ッドタイムを補償する正弦波パターンを出力する手段
と、有効パワー分電流指令に応じてデッドタイム補償振
幅を決める手段と、正弦波パターンとデッドタイム補償
振幅からデッドタイム補償信号を発生すると共に、この
デッドタイム補償信号をリミッタを介して出力する手段
を有する。また、コンバータの交流側電流位相は、交流
電源電圧位相検出値から任意に設定可能な位相遅れ量、
または、PWMスイッチングに伴う電流リプル低減用フ
ィルタによる電流の位相遅れ量を減じて求める。
【0008】ところで、PWMコンバータでは、正側と
負側のスイッチング素子がオフ、オフとなる短絡防止期
間(デッドタイム)においてコンバータの交流側の電流
は、スイッチング素子と並列接続されている還流ダイオ
ードを介して流れる。このため、コンバータの交流側の
電流極性に応じてコンバータの交流側電圧が歪む。そこ
で、本手段においては、電源電圧位相検出値を基に電源
力率1の電流制御を行なうため、電源電圧位相検出値を
基にコンバータ交流側の電流位相を推定し(求め)、こ
の位相推定値に応じて各相のデッドタイム補償パターン
を出力する。この補償パターンは位相推定値が180度
を境に正負の方形波信号からなる。なお、このパターン
は正弦波信号や台形波信号でもよい。次に、この補償信
号の振幅は、有効パワー分電流指令に比例して可変し、
リミッタ処理を行って求める。次に、各相のデッドタイ
ム補償パターンとデッドタイム補償振幅からデッドタイ
ムによる誤差電圧の補償信号を発生する。この補償信号
を基本の変調波信号またはPWM信号に加算して、最終
的な変調波信号またはPWM信号としてコンバータ制御
する。ここで、PWMコンバータのスイッチングに伴う
電流リプル低減用フィルタ付きの場合には、このフィル
タによる電流の位相遅れをΔθfとすると、電源電圧位
相からΔθf遅らせた位相が実際のコンバータ交流側電
流位相となり、この位相を基にデッドタイムによる補償
信号を作成する。これにより、PWMコンバータのデッ
ドタイムによるコンバータの交流側電圧の歪みが抑制さ
れ、電源電流の低次高調波が低減される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す
PWMコンバータの制御装置のブロック図である。図1
において、交流電源1から交流電力が電流リプル低減用
フィルタ2と交流リアクトル3を介してコンバータ4に
供給されており、この交流電力は、コンバータ4におい
て直流電力に変換され、平滑コンデンサ5と負荷6に供
給される。負荷6としては例えばインバータによる誘導
電動機駆動装置が接続される。なお、電流リプル低減用
フィルタ2は用途により省略される場合もある。また、
コンバータ4を制御するに際しては、平滑コンデンサ5
の両端の電圧を検出する直流電圧検出器7の検出出力と
直流電圧指令Vdc*との偏差に応じた有効パワー分電流
指令Iq*をPI(比例+積分)補償する直流電圧補償器
8で生成する。次に、交流電源1の電圧を絶縁して検出
する電圧検出器9と電源位相検出手段10により、R相
の電源電圧位相θrを検出する。また、コンバータ4の
交流側電流(交流リアクトル3の電流iu,iv,iw)
を電流検出器11で検出する。なお、電流リプル低減用
フィルタ2の入力電流をir,is,itとすると、LCフ
ィルタから構成される電流リプル低減用フィルタ2のた
め、iuはirよりΔθf位相が遅れる。また、交流電流
制御系の位相遅れをΔθiとすると、電流指令発生手段
12では、(数1)で演算した電流指令の位相θiと有
効パワー分電流指令Iq*を入力として、(数2)から
(数4)の演算を行ない、交流の電流指令i*(iu*,i
v*,iw*)を出力する。
【数1】θi=θr+Δθif=θr+(Δθi−Δθf)
【数2】iu*=Iq*・sinθi
【数3】iv*=Iq*・sin(θi−2π/3)
【数4】iw*=Iq*・sin(θi−4π/3) 次に、電流制御手段13では各相の電流指令i*に、検
出した交流リアクトル電流iが一致するように、基本と
なるコンバータの交流側電圧指令Vux、Vvx、Vwxを出
力する。また、デッドタイム補償信号発生手段14で
は、電源電圧位相検出値θrと有効パワー分電流指令I
q*を基に各相のデッドタイム補償信号ΔVu,ΔVv,ΔV
wを作成し、これを基本となるコンバータの交流側電圧
指令Vux、Vvx、Vwxにそれぞれ加算し、PWM信号発
生手段15から変調波信号またはPWM信号を出力し、
コンバータ4を制御する。
【0010】次に、本発明の他の実施形態を図2に示
す。図1と異なる部分は、固定座標軸(uvw軸)上で
電流制御する代わりに回転座標軸(dq軸)上で電流制
御している点である。そこで、uvw/dq変換16で
は、θd=θq−π/2=(θr−Δθf)−π/2として、
(数5)、(数6)の演算を行ない、実際の無効パワー
分電流Idと、有効パワー分電流Iqを検出する。
【数5】Id=〔(iu+2iw)/√3〕cosθd+iu
・sinθd
【数6】Iq=iu・cosθd−〔(iu+2iw)/√
3〕sinθd このように(θr−Δθf)をq軸位相とし、これよりπ
/2遅れをd軸位相としてd−q変換する。次に、非干
渉電流制御手段17により、直流電圧制御器8の出力で
ある有効パワー分電流指令値Iq*に検出値Iqが一致
し、無効パワー分電流Idが零になるように、基本とな
るコンバータ交流側電圧ベクトルの回転座標軸成分の指
令Vq*、Vd*を出力し、これを基にdq/uvw変換手
段18により、(数7)、(数8)、(数9)に示す演
算を行ない、三相交流の基本となるコンバータ交流側電
圧指令Vux、Vwx、Vvxを出力する。なお、θd′=θr
−π/2である。
【数7】Vux=Vdx・sinθd′+Vqx・cosθd′
【数8】Vwx=(√3/2)(Vdx・cosθd′−Vq
x・sinθd′)−Vux/2
【数9】Vvx=−(Vux+Vwx) 次に、デッドタイム補償信号発生手段14の出力である
各相のデッドタイム補償信号ΔVu,ΔVv,ΔVwと基本
となるコンバータの交流側電圧指令Vux、Vvx、Vwxを
それぞれ加算し、PWM信号発生手段15を介してコン
バータ4を制御する。
【0011】次に、本発明の主要部である図1、図2に
示すデッドタイム補償信号発生手段14について、図3
に基づいて詳細に説明する。電源電圧の位相検出値θr
から電流リプル低減フィルタの位相遅れ設定値Δθfを
減じてコンバータの交流側電流位相θuを求める。この
位相遅れ設定値Δθfは任意に設定できるもので、電流
リプル低減フィルタ2を付けない場合、Δθfは零とな
る。次に、各相に対応したデッドタイム補償パターン1
9u,19v,19wでは入力の位相が0〜πで+1、π〜
2πで−1の方形波パターンを出力する。また、有効パ
ワー分電流指令Iq*をゲインK1倍し、±ΔVpのリミッ
タ20を介した出力の反転信号をデッドタイム補償振幅
値とする。また、この振幅値と方形波パターンを乗算器
21u,21v,21wで乗算して各相のデッドタイム補償
信号ΔVu,ΔVv,ΔVwを作る。なお、リミッタ20の
リミット値の折れ点における有効パワー分電流指令Iq*
の値は、ゲインK1を変えることで可変できる。また、
コンバータの交流側電流の振幅に対応したIq*に応じて
デッドタイム補償信号の振幅が変化する。ここで、無負
荷時においては、実際のコンバータの交流側電流は、P
WMスイッチングに伴うリプル電流のみとなり、デッド
タイム補償しない方が良い。そこで、本実施形態では、
無負荷時はIq*≒0であるので、デッドタイム補償量≒
0となり、補償しない。このようにIq*に応じてデッド
タイム補償量を変えることにより、安定にデッドタイム
によるコンバータの交流側電圧の歪みを低減できる。
【0012】次に、図3に示すデッドタイム補償信号発
生手段を図1のPWMコンバータの制御装置の交流電流
制御方式に組み込んだ場合の各部動作波形を図4に示
す。電源力率1制御のため、電源電圧Vrと電源電流ir
は同位相に制御している。また、コンバータの交流側電
流iuは、リプル電流低減用フィルタ2により、irより
Δθf位相が遅れる。なお、交流電流指令iu*は、電流
制御系の位相遅れΔθiを見込んで、iuよりΔθi進め
て指令する。また、デッドタイム補償信号ΔVuは、iu
と逆極性で同期する。ここで、電流制御系の応答時定数
は、マイコン制御でサンプル周期を200μs考えても
約1msとなり、20ms電源周期の場合位相遅れΔθ
iは18度となる。そこで、本実施形態は、電流指令iu
*から直接デッドタイム補償信号ΔVuを作るのではな
く、電源電圧位相検出値θrからΔθf遅らせた位相θu
を基に補償信号ΔVuを作り、交流リアクトルiuと逆極
性で同期した補償信号ΔVuを作る。この結果、Vu*
は、基本となるコンバータの交流側電圧指令Vux(正弦
波であり、コンバータの交流側電圧Vuの電圧に相当)
にこの補償信号ΔVuを加算して、出力され、デッドタ
イムによる誤差電圧がキャンセルされる。このため、コ
ンバータの交流側電圧Vuは正弦波となり、コンバータ
の交流側電流iuも正弦波となる。
【0013】因に、図3に示すデッドタイム補償信号発
生手段を図1のPWMコンバータの制御装置に採用しな
い場合の各部動作波形を図5に示す。この場合、Vu*は
正弦波となり、このため、デッドタイム時、コンバータ
の交流側電流(交流リアクトル電流)iuが正のとき、
還流ダイオードを通るため、正電圧が余分に出る。逆
に、iuが負のときは負電圧が余分に出る。この結果、
コンバータの交流電圧Vuは、破線のように歪む(実際
のコンバータの交流電圧Vuは、PWM電圧であるが、
小さい時定数のフィルタを介すると、破線のように歪
む)。これにより、電源電圧Vrとコンバータの交流側
電圧Vuとの差電圧により、コンバータの交流側電流iu
が流れる。即ち、iu=(Vr−Vu)/jωLと表され
(Lは交流リアクトルの容量)、コンバータの交流側電
圧Vuが歪んているため、iuも歪む。図5において、実
機試験では、iuの波形のおよそ0〜90度と180〜
270度でiuが小さくなり、90〜180度と270
〜360度でiuが大きくなる傾向(iuの波形おいて、
左側が引っ込み、右側が膨らむ。)がある。
【0014】図4と図5から明らかなように、本実施形
態では、図3に示すデッドタイム補償信号発生手段を採
用することにより、比較的精度良くデッドタイムによる
コンバータの交流側電圧Vuの歪みを抑制し、コンバー
タ4の交流側電流(交流リアクトル3の電流)iuを正
弦波とすること、つまり、コンバータ4の交流側電流i
uの歪みを補正し、ひいては、電源電流irの低次高調波
を小さくすることができる、という効果がある。
【0015】次に、デッドタイム補償信号発生手段14
の他の実施形態を図6、図7に示す。図6において、図
3の実施形態と異なる部分は、方形波のデッドタイム補
償パターン19u,19v,19wを正弦波のデッドタイム
補償パターン22u,22v,22wに変更し、ゲインKを
乗じて振幅を大きくし、±1の正負リミッタ23u,23
v,23wを介して台形波状のデッドタイム補償パターン
を作る点である。一方、図7においては、±ΔVpの正
負リミッタ24u,24v,24wを乗算器21u,21v,2
1wの後に設ける点である。
【0016】図3、図6、図7に示すデッドタイム補償
信号発生手段14の違いを図8に示す。電源電流irが
小さい負荷小の状態では、デッドタイム補償信号ΔVu
は、Iq*が小さいため、ΔVuの振幅(補償量)が小さ
い。そのため、ΔVuの波形は、図3では方形波信号、
図6では台形波信号、図7では正弦波信号となる。一
方、図8(b)に示す電源電流irが大きい負荷大の状
態では、デッドタイム補償信号ΔVuは、Iq*が大きい
ため、図3、図6、図7いずれもΔVuの振幅(補償量)
がΔVpのリミット値となる。ただ、図7ではリミッタ
24u,24v,24wのため、台形波状の信号となる。
【0017】図3に示す実施形態においては、これをマ
イコンを用いた制御装置で構成した場合、比較的簡単な
ソフト処理で実現できる。一方、図6、図7に示す実施
形態においては、iuが零付近でΔVuの補償量が小さく
なっており、過大な補償を防止することで、電源高調波
電流を更に小さくできるという効果がある。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コンバータの交流側電流の振幅に対応した有効パワー分
電流指令に応じてデッドタイム補償信号の振幅を変化さ
せ、例えば、PWMスイッチングに伴うリプル電流のみ
となる完全無負荷時においてはデッドタイム補償しない
等、有効パワー分電流指令に応じて適切なデッドタイム
補償量となるので、負荷に影響されず、安定にコンバー
タの交流側電圧の歪みを抑制でき、電源電流の低次高調
波を低減できる、という効果がある。また、電源電圧位
相検出値θrから任意に設定可能な電流リプル低減用フ
ィルタの位相遅れを減じてコンバータの交流側電流の位
相を推定し(求め)、これを基に補償信号を発生するの
で、精度良くコンバータの交流側電圧の歪みを抑制で
き、電源電流の低次高調波を低減できる、という効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すPWMコンバータの
制御装置のブロック図
【図2】本発明の他の実施形態を示すブロック図
【図3】図1及び図2に示すデッドタイム補償信号発生
手段の詳細ブロック図
【図4】図1に図3のデッドタイム補償信号発生手段を
採用したときの動作波形図
【図5】図3のデッドタイム補償信号発生手段を採用し
ないときの動作波形図
【図6】デッドタイム補償信号発生手段の他の実施形態
【図7】デッドタイム補償信号発生手段の他の実施形態
【図8】図3、図6、図7に示すデッドタイム補償信号
発生手段の動作波形図
【符号の説明】
1 交流電源 2 電流リプル低減用フィルタ 3 交流リアクトル 4 PWMコンバータ 5 平滑コンデンサ 6 負荷 7 直流電圧検出器 8 直流電圧制御器 9 電源電圧検出器 10 電源位相検出手段 11 電流検出器 12 電流指令発生手段 13 交流電流制御手段 14 デッドタイム補償信号発生手段 15 PWM信号発生手段 16 uvw/dq変換手段 17 非干渉電流制御手段 18 dq/uvw変換手段 19u,19v,19w デッドタイム補償パターン
(方形波) 20 リミッタ 21u,21v,21w 乗算器 22u,22v,22w デッドタイム補償パターン
(正弦波) 23u,23v,23w、24u,24v,24w リ
ミッタ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源とPWMコンバータとの間に交
    流リアクトルを接続すると共に、PWMコンバータと負
    荷との間に平滑コンデンサを接続したPWMコンバータ
    の制御装置において、前記平滑コンデンサ電圧の指令値
    と検出値が一致するように有効パワー分電流指令を出力
    する手段と、前記交流電源の位相を検出する手段と、ほ
    ぼ電源力率1で、前記交流リアクトル電流の大きさが前
    記有効パワー分電流指令に一致するように前記PWMコ
    ンバータの変調波信号またはPWM信号を出力する手段
    を具備すると共に、前記交流電源の電圧位相検出値と前
    記有効パワー分電流指令を基にデッドタイムによる前記
    PWMコンバータの電圧歪みを抑制する補償信号を作成
    するデッドタイム補償信号発生手段を設け、この補償信
    号を前記変調波信号またはPWM信号に加算することを
    特徴とするPWMコンバータの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記デッドタイム補
    償信号発生手段は、前記交流電源の電圧位相検出値を基
    に求めたコンバータの交流側電流位相に応じて、各相の
    デッドタイム補償パターンを出力する手段と、前記有効
    パワー分電流指令に応じてデッドタイム補償振幅を決め
    る手段と、前記デッドタイム補償パターンと前記デッド
    タイム補償振幅からデッドタイム補償信号を発生する手
    段を有することを特徴とするPWMコンバータの制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記デッドタイム補
    償信号発生手段は、前記交流電源の電圧位相検出値を基
    に求めたコンバータの交流側電流位相に応じて、各相の
    デッドタイムを補償する方形波パターンを出力する手段
    と、前記有効パワー分電流指令をリミッタを介してデッ
    ドタイム補償振幅を決める手段と、前記方形波パターン
    と前記デッドタイム補償振幅からデッドタイム補償信号
    を発生する手段を有することを特徴とするPWMコンバ
    ータの制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記デッドタイム補
    償信号発生手段は、前記交流電源の電圧位相検出値を基
    に求めたコンバータの交流側電流位相に応じて、各相デ
    ッドタイムを補償する正弦波パターンを出力する手段
    と、この正弦波パターンに応じて第1のリミッタを介し
    て台形波状のデッドタイム補償パターンを出力する手段
    と、前記有効パワー分電流指令を第2のリミッタを介し
    てデッドタイム補償振幅を決める手段と、前記台形波状
    パターンと前記デッドタイム補償振幅からデッドタイム
    補償信号を発生する手段を有することを特徴とするPW
    Mコンバータの制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記デッドタイム補
    償信号発生手段は、前記交流電源の電圧位相検出値を基
    に求めたコンバータの交流側電流位相に応じて、各相デ
    ッドタイムを補償する正弦波パターンを出力する手段
    と、前記有効パワー分電流指令に応じてデッドタイム補
    償振幅を決める手段と、前記正弦波パターンと前記デッ
    ドタイム補償振幅からデッドタイム補償信号を発生する
    と共に、このデッドタイム補償信号をリミッタを介して
    出力する手段を有することを特徴とするPWMコンバー
    タの制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項2から請求項5のいずれかにおい
    て、前記コンバータの交流側電流位相は、前記電源電圧
    位相検出値から任意に設定可能な位相遅れ量を減じて求
    めることを特徴とするPWMコンバータの制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、、前記位相遅れ量
    は、PWMスイッチングに伴う電流リプル低減用フィル
    タによる電流の位相遅れを基に設定することを特徴とす
    るPWMコンバータの制御装置。
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