JPH09147354A

JPH09147354A - 磁気テープ

Info

Publication number: JPH09147354A
Application number: JP32515295A
Authority: JP
Inventors: Masahiko Sugiyama; 正彦杉山; Noboru Kawai; 登川合; Masaru Segawa; 勝瀬川
Original assignee: Victor Company of Japan Ltd
Current assignee: Victor Company of Japan Ltd
Priority date: 1995-11-20
Filing date: 1995-11-20
Publication date: 1997-06-06

Abstract

(57)【要約】【課題】磁気テープ面に円弧状の記録跡を形成する磁
気記録及び／又は再生装置に用いて、良好な電磁変換特
性と耐久性を有する磁気テープを提供する。【解決手段】磁気テープの面に円弧状の記録跡を形成
する磁気記録及び／又は再生装置に用いられる磁気テー
プであって、そのスティフネスを０．５×１０^-3〜１．
５×１０^-3ｋｇ・ｍｍの範囲に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、次世代のビデオ、
オーディオシステムあるいはコンピュータシステム等に
用いられる、回転円盤による円弧記録システムに好適な
磁気テープに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、磁気記録の高密度化に伴い、各種
磁気記録媒体は高密度記録に向かい、記録波長は短く、
記録トラック幅は狭く、記録媒体厚は薄くという方向に
ある。磁気テープも同様である。一方、システムでは従
来のオーディオカセットレコーダのような固定ヘッド方
式よりは、ヘリカルスキャニング方式が、より高密度化
が図れるため主流となっている。さらに高密度化を図る
目的で様々な方式が考えられているが、その一つとし
て、回転円盤による円弧記録システム（以下、円弧記録
システムと記す。）がある。

【０００３】ここで、本出願人が先に提案した円弧記録
システムについて、以下に詳細に述べることにする。図
３は円弧記録システムに使用される回転磁気ヘッド１の
斜視図であり、回転磁気ヘッド１は回転部材１０とモー
タ４０とから大略構成されている。回転部材１０は平面
視円形状、側面視三角形状をした傘状部２０と、この傘
状部２０と同軸上に設けられ且つモータ４０の回転軸
（図示せず）に取り付けられた円柱状の軸部３０から構
成され、この軸部３０は回転軸３１によって傘状部２０
と一体になっている。傘状部２０の表面にはエッチング
により半径方向に延びる溝２１…（…は複数あることを
示し、以下同様に使用する）が形成されるとともに溝２
１の形成されていない回転面２２には窓２３…が形成さ
れている。また、この窓２３に対応する軸部３０の側面
には平面部３２…が形成されており、この平面部３２の
適当な位置に凸状に形成された磁気ヘッド３３…の後部
をねじ３４…で固着することで、磁気ヘッド３３の弧状
先端部３３ａが前記窓２３を通して所定量突出した状態
に保持されるようにする。なお、４１は電源（図示せ
ず）に接続された、モータ４０に電力を供給する給電線
である。

【０００４】図４は回転磁気ヘッド１と磁気テープ２と
の関係を示す斜視図であり、図３と同一部分には同一符
号を付して示す。矢印ａ方向へ回転される回転部材１０
の回転面２２には回転軸３１から外周方向に向かうに従
い広がっていくスパイラル状の４本の溝２１…が形成さ
れている。また、この回転面２２と対向する磁気テープ
２は、テープガイド３，４によって縦方向への動きが規
制されており、磁気ヘッド３３と摺動しながら矢印ｂ方
向へ走行する。さらに、磁気ヘッド３３…を突出させる
窓２３…は矩形状をなし、前記溝２１を避けた回転面２
２上に、回転軸３１を中心とした同一円周上に９０゜の
角度をもって４つ設けられている。

【０００５】図５は回転磁気ヘッド１と磁気テープ２と
の関係を示す平面図であり、図３と同一部分には同一符
号を付して示す。回転磁気ヘッド１は、回転部材１０の
回転軸３１（図３または図４参照）の軸線３１ａを磁気
テープ２に垂直な軸線２ａに対して傾斜角α（１〜２
度）だけ傾けて配置しており、１つの磁気ヘッド３３の
みが磁性面２ｂに部分５で接触し、他の磁気ヘッド３３
…は磁性面２ｂの何れの部分にも接触していない。

【０００６】図６は図５の部分拡大図であり、図３と同
一部分には同一符号を付して示す。軸線３１ａと平行な
軸線３１ｂ上に設けられた磁気ヘッド３３の先端部３３
ａを、この軸線３１ｂと直交する垂線３１ｃに対して前
記傾斜角α（１〜２度）と同じ角度だけ傾けて形成し、
１つの磁気ヘッド３３が磁性面２ｂに部分５で接触する
とき、磁気ヘッド３３の先端部３３ａが磁気テープ２と
平行な状態で接触するように構成している。

【０００７】図７は回転磁気ヘッド１による磁気テープ
２上のトラックパターンを示す図であり、このパターン
は磁気ヘッド３３のヘッド幅を１４μｍ、アジマスをＡ
チャンネル（Ａｃｈ）を＋２０度、Ｂチャンネル（Ｂｃ
ｈ）を−２０度、トラックパターンの記録幅ｔと磁気ヘ
ッド３３の回転半径ｒとの関係をｔ＝２ｒｓｉｎ（π／
８）としたときのものである。なお、図中、Ｔは磁気テ
ープ幅である。図５に示すように磁気テープ２を矢印ｂ
方向へ低速で走行させ、磁気ヘッド３３を磁性面２ｂに
接触させて回転部材１０を矢印ａ方向へ高速で回転させ
ると、磁性面２ｂには、磁気テープ２の下エッジから記
録を始めて磁気テープの中心線Ｌの両側の±４５度ずつ
で円弧状のトラックパターンが、隣接するトラックパタ
ーンの円弧の両端でそれぞれの外周部と内周部が接した
状態で形成される。したがって、磁気テープ２は磁気ヘ
ッド３３に９０度の範囲だけ接触して走行し４トラック
で３６０度に亘る記録ができることになり、時間的に連
続した記録が可能となる。この際、磁気テープ２に垂直
配向のものを用いているため、磁気テープは垂直方向に
のみ磁化され、この垂直方向の磁化容易軸とアジマスと
の関係は常に一定となり、再生出力の変動を少なくする
ことができる。

【０００８】図８は磁気テープを収納したテープカート
リッジ５０の斜視図である。なお、カバーは省略してあ
る。テープカートリッジ５０は金属製のベース板５１上
に回転自在に取付けられた巻取用リール５２および供給
用リール５３間に張設された磁気テープ５４と、この磁
気テープ５４を駆動する駆動ベルト５５を備える。駆動
ベルト５５はベース板５１上に略Ｔ字状に配置され且つ
回動自在に軸支された３つのベルト駆動ローラ５９〜６
１に張設されるとともに、この駆動ベルト５５を常に磁
気テープ５４を巻回した前記巻取用リール５２および供
給用リール５３の外周に接触させている。さらに、ベル
トローラ５９にはキャプスタンモータ（図示せず）等の
駆動手段が接続されている。

【０００９】テープカートリッジ５０は上記構成である
ため、キャプスタンモータを駆動することによってベル
ト駆動ローラ５９および駆動ベルト５５を介してリール
５２，５３を回転させて磁気テープ５４を走行させる。
例えば、キャプスタンモータの駆動によって駆動ベルト
５５が矢印ｃ方向に走行したときには、この駆動ベルト
５５によって巻取用リール５２および供給用リール５３
が矢印ｄおよび矢印ｅ方向（時計方向）へ回転して磁気
テープ５４は供給用リール５３に巻き取られる。なお、
６２は磁気ヘッド３３がテープカートリッジ５０内部に
入れて磁気テープ５４と磁気ヘッド３３とが接触できる
ようにするために形成された切欠、６３はベルトローラ
５９とキャプスタンとが接触できるようにするために形
成された切欠である。以上、本出願人が先に提案した円
弧記録システムについて詳細に説明した。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】円弧記録システムは磁
気ヘッドが磁気テープにしゅう動する際に、回転ドラム
を用いた、ヘリカルスキャニング方式で磁気テープ走行
を規制するため設けられている固定ロアードラムやリー
ドがないために、磁気ヘッドの磁気テープへの当たりが
不安定になり、電磁変換特性や耐久性に問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、電
磁変換特性に優れ、高耐久性の磁気テープを提供するこ
とを目的とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本願発明は、上記問題点
に鑑みなされたものであり、請求項１に係る発明は、
「磁気テープ面に略垂直な回転軸をもちかつヘッドを取
り付けた回転体を回転することにより、前記磁気テープ
面に円弧状の記録跡を形成する磁気記録及び／又は再生
装置に用いられる磁気テープにおいて、前記磁気テープ
のスティフネスが０．５×１０^-3〜１．５×１０^-3ｋｇ
・ｍｍの範囲にあることを特徴とする磁気テープ。」を
提供するものであり、

【００１２】請求項２に係る発明は、「磁気テープ面に
略垂直な回転軸をもちかつヘッドを取り付けた回転体を
回転することにより、前記磁気テープ面に円弧状の記録
跡を形成する磁気記録及び／又は再生装置に用いられる
磁気テープにおいて、長さ６０ｍｍの前記磁気テープを
円形ループにし、これの押しつぶし距離が１０ｍｍにな
るまで変位させる力を前記磁気テープ幅で割った値をル
ープスティフネスとしたとき、前記磁気テープのループ
スティフネは１０〜２６ｍｇ／ｍｍの範囲にあることを
特徴とする磁気テープ。」を提供するものである。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気テープを説明
する。先ず、図１の表に示すように、試料１乃至試料９
の９種類の金属薄膜磁気テープを製作した。これらの金
属薄膜磁気テープは、種々の材質のベースフィルム上に
同一の磁気特性のＣｏＣｒ垂直磁性膜（膜厚０．２μ
ｍ）とカーボンの保護膜（膜厚０．０１μｍ）を形成し
たものであり、ベ−スフィルムが異なるために、スティ
フネス、ループスティフネスが異なる。

【００１４】図１の表において、試料１乃至試料３及び
試料８，９は、ヤング率１３００ｋｇ／ｍｍ²のアラミ
ド材、試料４はヤング率１３４０ｋｇ／ｍｍ²のアラミ
ド材、試料５はヤング率５９０ｋｇ／ｍｍ²のポリイミ
ド材、試料６はヤング率６００ｋｇ／ｍｍ²のポリイミ
ド材、試料７はヤング率５００ｋｇ／ｍｍ²のＰＥＴ材
をそれぞれベースフィルムとして用いている。なお、同
表において、スティフネスとは磁気テープのヤング率を
Ｅ、厚みをδとしたとき、Ｅ・δ³ で表される量であ
る。また、ループスティフネスとは、図２（Ａ）の様
に、長さ６０ｍｍのテープを円形ループにし、これを同
図（Ｂ）のように押しつぶし、距離ｈが１０ｍｍになる
まで変位させる力Ｆをテープ幅で割った値を表わす。な
お、ここでは各試料は何れもテープ幅８ｍｍのものを用
いた。

【００１５】図４の円弧記録システムにより図１の表に
示す各金属薄膜磁気テープの電磁変換特性、耐久性を評
価した。（１）Ｃ／Ｎヘッド、磁気テープの相対速度４．７ｍ／ｓｅｃ、で７
ＭＨｚを記録した際の再生出力のＣ／Ｎを、最良のテー
プ（試料５）を０ｄＢとして相対比較した。再生出力が
得られなかったテープには×を記した。（２）ドロップアウト５０パス繰り返し走行させた後、記録再生した時の出力
が２０ｄＢ低下し、その継続時間が５μｓｅｃ以上の、
１分間当たりのドロップアウト数Ｄを、繰り返し走行ス
ター時のドロップアウト数Ｄ0 で規格化した値（Ｄ／Ｄ
0 ）で評価した。走行時にテープに損傷が生じたテープ
には×を記した。（３）総合特性Ｃ／Ｎ、ドロップアウトの増加から以下のように評価し
た問題あり：×、良好：○、最良：◎ 同表から明らかなように、磁気テープのスティフネスが
０．５×１０^-3〜１．５×１０^-3ｋｇ・ｍｍ又はループ
スティフネが１０〜２６ｍｇ／ｍｍの範囲にある磁気テ
ープ（試料４乃至試料７）で、電磁変換特性に優れ、ド
ロップアウト数の増加が少ない、高耐久性が得られてい
る。

【００１６】

【発明の効果】以上詳細に説明したところから明らかな
ように、本発明によれば、磁気テープのスティフネスが
０．５×１０^-3〜１．５×１０^-3ｋｇ・ｍｍの範囲又は
長さ６０ｍｍの磁気テープを円形ループにし、これの押
しつぶし距離が１０ｍｍになるまで変位させる力を磁気
テープ幅で割った値をループスティフネスとしたとき、
磁気テープのループスティフネが１０〜２６ｍｇ／ｍｍ
の範囲にある磁気テープを、所謂円弧記録システムに用
いることにより磁気ヘッドの磁気テープへの当たりが安
定になり、電磁変換特性に優れ、高耐久性が得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の磁気テープと比較例の磁気テープの諸
元と電磁変換特性、耐久性の評価結果を示す表である。

【図２】ループスティフネスの測定法の説明図である。

【図３】円弧記録システムに使用される回転磁気ヘッド
の斜視図である。

【図４】回転磁気ヘッドと磁気テープとの関係を示す斜
視図である。

【図５】回転磁気ヘッドと磁気テープとの関係を示す平
面図である。

【図６】図５の部分拡大図である。

【図７】回転磁気ヘッドによる磁気テープ上のトラック
パターンを示す図である。

【図８】磁気テープを収納したテープカートリッジの斜
視図である。

【符号の説明】

１回転磁気ヘッド２磁気テープ３，４テープガイド

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【手続補正書】

【提出日】平成８年２月７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図１

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】本発明の磁気テープと比較例の磁気テープの諸
元と電磁変換特性、耐久性の評価結果を示す図表であ
る。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】磁気テープ面に略垂直な回転軸をもちかつ
ヘッドを取り付けた回転体を回転することにより、前記
磁気テープ面に円弧状の記録跡を形成する磁気記録及び
／又は再生装置に用いられる磁気テープにおいて、前記磁気テープのスティフネスが０．５×１０^-3〜１．
５×１０^-3ｋｇ・ｍｍの範囲にあることを特徴とする磁
気テープ。
【請求項２】磁気テープ面に略垂直な回転軸をもちかつ
ヘッドを取り付けた回転体を回転することにより、前記
磁気テープ面に円弧状の記録跡を形成する磁気記録及び
／又は再生装置に用いられる磁気テープにおいて、長さ６０ｍｍの前記磁気テープを円形ループにし、これ
の押しつぶし距離が１０ｍｍになるまで変位させる力を
前記磁気テープ幅で割った値をループスティフネスとし
たとき、前記磁気テープのループスティフネは１０〜２６ｍｇ／
ｍｍの範囲にあることを特徴とする磁気テープ。