JP2864100B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2864100B2 JP7033147A JP3314795A JP2864100B2 JP 2864100 B2 JP2864100 B2 JP 2864100B2 JP 7033147 A JP7033147 A JP 7033147A JP 3314795 A JP3314795 A JP 3314795A JP 2864100 B2 JP2864100 B2 JP 2864100B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置、特
に、ドラムの周面の一部に摺接しながら走行する磁気テ
ープの走行速度の変化に応じて回転磁気ヘッドの回転軌
跡面と磁気テープの相対的な空間位置関係を変化させる
ことにより回転磁気ヘッドが磁気テープ上の記録跡を良
好にトレースできるようにした磁気記録再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上ドラムと下ドラムとからなるテープガ
イドドラムの周面の一部へ巻回された状態の磁気テープ
を所定の走行速度で走行させて、回転磁気ヘッド(以
下、単に「磁気ヘッド」というこがある。)を用いてヘ
リカルスキャンを行うことにより記録再生動作を行なう
磁気記録再生装置の代表例としてはビデオ・テープ・レコ
ーダ(以下「VTR」という。)を挙げることができ
る。この種のVTRでは、記録時と同一の磁気テープ走
行速度で記録情報の再生動作を行なう通常再生(以下
「ノーマル再生」という。)の他に、記録時の磁気テー
プの走行速度や走行方向とは異なる走行速度(停止も含
む)や走行方向で磁気テープを走行させて再生動作を行
なう所謂可変速再生(以下「トリックプレイ」とい
う。)の機能が広く採用されている。
【0003】また、タイムラプス又は所謂駒撮り撮影の
ように、磁気テープを間欠的に走行させて長時間に亘る
事象の記録を行い、この記録された磁気テープを、例え
ば、標準の速度で再生することができるようにしたVT
Rも提供されている。そこで先ず、図1乃至図3を参照
して斯かるVTRの一例としてVHS(登録商標)方式
VTRの代表的なテープ走行系について簡単に説明す
る。図1は、VHS方式VTRの代表的なテープ走行系
の要部を示す斜視図、図2は、その正面図である。ま
た、図3は、ドラム軸11の方向から見た平面図であ
る。なお、図3においては図1中の入り口側ガイドロー
ラ13と出口側ガイドローラ14は省略して示してあ
る。図3において、直線L1 は、ドラム軸11を通って
テープガイドドラム10に磁気テープTが巻回される範
囲を2等分する直線であり直線L2 はこの直線L1 に直
交する直線である。
【0004】なお、以後の説明においては、ドラム軸1
1の軸心を原点とし、軸心から左方にのびる直線L2 の
方向を0度の方向とした反時計方向の角座標を用いるこ
とにより各構成部材の配置される角度位置や、テープガ
イドドラム10の断面図の断面の方向を特定して説明す
ることがある。例えば、テープガイドドラム10を直線
L1 に沿って切断した断面図の場合、当該断面図を90
度−270度断面図と呼ぶ。そして、各断面図において
紙面内の左方を先に表示した90度の方向と対応するも
のとし、紙面内の右方を後に表示した270度の方向に
対応するものとする。
【0005】このVTRは、垂直線Zに対して角度φ傾
斜してドラムベース17上に設けられた上ドラム10a
と下ドラム10bとからなるテープガイドドラム10
と、磁気テープTの走行方向上、テープガイドドラム1
0に対して入り口側に位置する入り口側ガイドローラ1
3、傾斜ポール1と、磁気テープTの走行方向上、テー
プガイドドラム10に対して出口側に位置する出口側ガ
イドローラ14、傾斜ポール2等を有する。そして、磁
気テープTはテープカセット20のサプライリール3よ
り引き出され、消去ヘッド4及びインピーダンスローラ
5に添接し、傾斜ポール1,2により規制される所定の
角度範囲に亘ってテープガイドドラム10の周面に斜め
に巻回され、次いでオーディオコントロールヘッド6に
添接してテープカセット20のテイクアップリール9に
到るテープパスを形成しており、ピンチローラ8とキャ
プスタン7とにより挟持駆動されて走行する。
【0006】そしてこの際、磁気テープTには、上ドラ
ム10aに搭載された磁気ヘッドHa、Hbによって図
4に示す如き記録跡パターン(以下「テープパターン」
又は「トラックパターン」という。)が形成される。同
図において、磁気テープTの下端縁Tbに「起点」と表
示してある点と、磁気テープTの上端縁Taに+1と表
示してある点とを結ぶ直線及びこの直線に平行な多数の
直線は、各トラックパターンの中心を示すものである。
そして、このようなトラックパターンが形成された磁気
テープTを記録時と同方向に同一速度で移送しながら再
生すると、磁気ヘッドHa,Hbは、これらの各トラッ
ク上をトレースすることになりノーマル再生が行われる
ことになる。しかし、再生時の磁気テープTの走行速度
や方向が記録時のそれと異なると、磁気テープTと磁気
ヘッドHa,Hbとの相対線速度が変化するため、磁気
ヘッドHa,Hbが磁気テープT上に描くトラックパタ
ーンは、例えば図4にそれぞれFF,STILL,FB
で示されるように異なるものになる。
【0007】図4中に+2,+3…+7のように示して
ある各点の位置と、起点とを結んだときに描かれる各直
線は、記録時における磁気テープTの走行方向と同一の
方向(+の符号で示す。)に、記録時の磁気テープTの
走行速度の2倍,3倍…7倍の走行速度で、磁気テープ
Tを走行させて再生動作を行なった場合(以下、「FF
再生」という。)に磁気テープT上に描かれる磁気ヘッ
ドHa,Hbの回転軌跡を示すものである。同様に、−
2,−3…−7のように示してある各点の位置と、起点
とを結んだときに描かれる各直線は、記録時における磁
気テープTの走行方向と逆の方向(−の符号で示す。)
に、記録時の磁気テープTの走行速度の2倍,3倍…7
倍の走行速度で、磁気テープTを走行させて再生動作を
行なった場合(以下、「FB再生」という。)に磁気テ
ープT上に描かれる磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡を
示すものである。
【0008】なお、起点と磁気テープTの上端縁Taに
0のように示してある点とを結ぶ直線は、磁気テープT
を停止させた状態で再生動作を行なった場合(以下、
「スチル再生」という。)に磁気テープT上に描かれる
磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡を示している。このト
ラックパターンの具体的な例として、VHS方式VTR
について見てみれば以下の如くである。即ち、最も一般
的なVHS方式のVTRでは、毎分1800回転で回転
する直径62mmの回転ドラムの外周に磁気テープTが
略180゜に亘って螺旋状に巻回された状態で走行す
る。そして、標準モード(以下「SPモード」とい
う。)の記録では、磁気テープは毎秒33.35mmで
移送されてトラック幅58μmの磁気ヘッドによって磁
気テープTに描かれる記録跡は、磁気テープTの下端縁
Tbに対して5°58’9.9”のビデオトラック角度
を形成するようになっている。なお、VHS方式のVT
Rには、このSPモードの外に磁気テープを毎秒11.
12mmで移送してトラック幅19μmの磁気ヘッドで
記録する3倍モード(以下「EPモード」という。)が
ある。このEPモードでは、磁気テープTの走行速度と
トラック幅ををSPモードの3分の1にすることによっ
て同一長さの磁気テープに3倍の時間の記録が可能にな
る。しかし、後述するように、磁気テープに記録される
トラック幅が狭いことから、トリックプレイにおいて、
磁気ヘッドHa,Hbが各トラック上を正確にとトレー
スするようにするためにはSPモードの場合よりも困難
を伴うものである。
【0009】また、磁気テープTを停止状態とした場合
には、磁気テープT上に描かれる磁気ヘッドの回転軌跡
は、磁気テープTの下端縁Tbに対して5°56’7.
4”となる。また例えば、図4中のSPモード時におけ
る+7の表示によって指示している磁気テープTの上端
縁Taの位置と起点とを結ぶ直線は、磁気テープTの下
端縁Tbに対して6°10’54”の角度を示し、さら
に例えば、同図中のSPモード時における−7の表示に
よって指示している磁気テープTの上端縁Taの位置と
起点とを結ぶ直線は、磁気テープTの下端縁Tbに対し
て5°42’25.7”の角度を示すものとなる。さ
て、図4に例示されているトラックパターンを参照すれ
ば明らかなように、SPモードで磁気テープT上に記録
されたトラックパターンと、トリックプレイ時に磁気ヘ
ッドHa,Hbによって磁気テープT上に描かれる磁気
ヘッドの回転軌跡とは交叉した状態になる。したがっ
て、図6(b)に示すように、トリックプレイ時に再生
されるFM信号の信号レベルは、磁気ヘッドHa,Hb
が記録跡を横切る度毎に大きく変化し、1垂直走査期間
におけるFM信号のエンベロープをみると、1垂直走査
期間中に大きな起伏が生じたものになる。このため、ト
リックプレイ時における再生画像としては、画像中にノ
イズバーが生じている品質の悪い再生画像しか得られな
い。
【0010】また最近になって、19μmの記録跡幅を
有する3本の記録跡を磁気テープTに同時に並列記録し
て、図5(a)に示されているような記録跡パターンを
磁気テープTに形成させることにより、所謂、ハイビジ
ョンの画像情報の記録再生も可能にできるようにした新
しい形態のVTR(以下「W−VHS方式VTR」とい
う。)が商品化されている。このW−VHS方式VTR
においては、磁気テープTに同時に並列的に形成される
3本の記録跡の内で隣接する2本の記録跡は、互いに逆
方向のアジマス角を有する2個の磁気ヘッドによって映
像信号の記録再生に用いられ、また残り1本の記録跡は
他の1個の磁気ヘッドによって音響信号の記録再生に用
いられている。
【0011】このようなW−VHS方式VTRによって
記録された記録済み磁気テープTを、記録時より速い速
度で走行させてFF再生又はFB再生しようとした場
合、磁気ヘッドの移動軌跡は、図5(a)中に「起点」
と示されている点から、例えば図中の磁気テープTにお
ける上端縁Taの上方に記載してある+7あるいは−7
の数字によって指示している磁気テープTの上端縁Ta
の位置とを結ぶ直線によって示されるものとなる。従っ
て、それぞれアジマス角を異にしている映像用の2個の
磁気ヘッドが、磁気テープTに形成されている複数の記
録跡を横切って再生動作を行なうことになるために再生
される画像はノイズバーだらけのものになってしまう。
【0012】更にまた、詳述は避けるが、最近多く提案
されている民生用デジタルVTRでは、高能率符号化方
式によって映像信号のデータ量を圧縮して記録している
ために、FF再生時やFB再生時等のように回転磁気ヘ
ッドが磁気テープTの記録跡を横切って再生動作を行な
うと、モザイク状に並べられているデータのブロックの
配列状態の如何によっては全く画像が再生できないこと
も起こる。このような問題点を解決するのには、磁気ヘ
ッドの回転軌跡と磁気テープTの記録跡とを一致させれ
ばよく、本願出願人は先に以下の方法を提案した。即
ち、実公昭63ー34126号公報に開示した本願出願
人の提案に係る磁気記録再生装置は、磁気ヘッドを搭載
して回転する上ドラムと、該上ドラムとドラム軸を介し
て同軸に支持された下ドラムと、該下ドラムに形成され
た磁気テープの基準縁を案内する円弧状の案内部と、該
円弧状の案内部の円弧中心を通り該上ドラムと該下ドラ
ムとを傾斜可能に支持するピンと、該上ドラムと該下ド
ラムとを該ピンの周りに傾斜駆動するステッピングモー
タ及びスチールバンド等とからなるものである。
【0013】また、実開昭61ー158633号公報に
開示した本願出願人の提案に係る磁気記録再生装置は、
磁気ヘッドを搭載して回転する上ドラムと、該上ドラム
とドラム軸を介して同軸に支持された下ドラムと、該下
ドラムの下部に形成した凹部と、該下ドラムとは別に構
成され該凹部に遊嵌するとともに装置の基盤に固定され
て磁気テープの基準縁を所定の長さに亘って案内する案
内部材と、該上ドラムと該下ドラムとを傾斜可能に支持
するピンと、該上ドラムと該下ドラムとを該ピンの周り
に傾斜駆動するステッピングモータ及びスチールバンド
等とからなるものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した実
公昭63ー34126号公報に開示されている磁気記録
再生装置では、磁気テープの基準縁を案内する円弧状の
案内部が、磁気テープの基準縁に対して、いわば点接触
に近い状態で接触しているため、円弧状の案内部に接触
していない部分の磁気テープの基準縁は極めて不安定な
状態とならざるを得ない。磁気テープが比較的低記録密
度で記録されている場合、即ち、記録跡幅が比較的大き
な場合には、ノーマル再生は辛うじて可能であるが、F
F再生時とFB再生時との何れの場合にも、ノイズバー
の除去を良好に行なうことができないという問題があ
る。そして、この問題は、磁気テープが前述したVHS
方式VTRにおけるEPモードのように比較的高記録密
度で記録されている場合、即ち、記録跡幅が比較的小さ
な場合には、更に深刻である。
【0015】また、前記した、実開昭61ー15863
3号公報に開示されている磁気記録再生装置では、磁気
テープの基準縁を所定の長さに亘って案内する案内部材
を下ドラムから分離して装置の基盤に設けてあるため、
前記した実公昭63ー34126号公報に開示されてい
る磁気記録再生装置で生じていた磁気テープの基準縁の
位置の変動は、少なくともノーマル再生動作時には生じ
ないようにすることが可能である。しかし、FF再生動
作又はFB再生動作等を行なうために、磁気ヘッドを取
付けた回転ドラムと下ドラムとを一体的に傾斜させる
と、上下ドラムのテープ摺接面に摺接している状態で走
行している磁気テープTは、上下ドラムとともに傾斜し
てその基準縁が案内部材から離れる方向に変位する傾向
を持っている。このため、FF再生動作時又はFB再生
動作時等においては、上下のドラムの傾斜に伴って、磁
気テープの基準縁が案内部材と離間した状態になり易
く、その部分における磁気テープの基準縁の位置が変動
してノイズバーを発生させることがある。
【0016】また一般に、この種の磁気記録再生装置で
は、同一規格(例えば、VHS方式VTR)の装置間で
の互換性を維持するため、磁気テープに記録されるトラ
ックパターンの傾斜角度は規格で規定された所定の値を
満足する必要がある。しかしながら、この点に関して上
記二つの従来技術は必ずしも充分ではない。即ち、上記
二つの従来技術では何れもステッピングモータとスチー
ルバンドを用いて上ドラムと下ドラムとをピンの周りに
連続的に傾斜駆動する構成になっているため、標準の速
度で走行する磁気テープに記録するに際して、規格で定
められたトラックパターンの傾斜角度に磁気ヘッドの回
転軌跡面を高精度に一致させることは非常に困難とな
る。ステッピングモータは相対的な位置決めを精度良く
行うのには好適なものの、絶対的な位置決めを精度良く
行うのには不適であるからである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点に
鑑みなされたものであり、請求項1に係る発明は、「磁
気ヘッドを搭載してドラム軸の周りに回転する上ドラム
と下ドラムとからなるテープガイドドラムと、該テープ
ガイドドラムの周面に摺接して走行すべき磁気テープの
下端縁を案内するリードと、該テープガイドドラム及び
該リードを支持するドラムベースとを少なくも具備し、
予め定められた標準速度で走行する該磁気テープの該下
端縁に対し予め定められた角度の傾斜トラックを形成し
て記録及び/又は再生を行う第1のモードと該予め定め
られた標準速度と異なる速度で走行する該磁気テープの
該下端縁に対し該予め定められた角度の傾斜トラックを
形成して記録及び/又は再生を行う第2のモードとを有
する磁気記録再生装置において、該磁気ヘッドの回転軌
跡面が該予め定められた角度の傾斜トラックと一致する
ように該第2のモードにおける該磁気テープの走行速度
に応じて該リードに対する該磁気ヘッドの該回転軌跡面
の傾斜角を該リードと該磁気ヘッドの回転軌跡面との間
に設けた複数の固定支点の周りに変更せしめる回転軌跡
面傾斜手段と、該リードが該磁気テープの該下端縁に一
致した状態となるように該第2のモードにおける該リー
ドを該ドラムベースに対して該リードと該ドラムベース
との間に設けた複数の固定支点の周りに傾斜させるリー
ド傾斜手段と、該第1のモードにおける該リードに対す
る該磁気ヘッドの該回転軌跡面の傾斜角度を予め定めら
れた基準角度に該リードと該磁気ヘッドの回転軌跡面と
の間に設けた該複数の固定支点で保持する第1の基準姿
勢保持手段と、該第1のモードにおける該ドラムベース
と該リードとの相対傾斜角度を予め定められた基準角度
該リードと該ドラムベースとの間に設けた該複数の固
定支点で保持する第2の基準姿勢保持手段とを設けたこ
とを特徴とする磁気記録再生装置。」を提供するもので
あり、
【0018】請求項2に係る発明は、「該下ドラムは磁
気テープ摺接面と該磁気テープ摺接面の下部に形成した
該磁気テープ摺接面より小径である小径部とからなる円
環状部と底面部とで大略構成し、該下ドラムの該磁気テ
ープ摺接面より大径である円環状部と底面部とから大略
構成され該円環状部が該下ドラムの該小径部に遊嵌して
該円環状部の縁部が該リードとして機能する該テープガ
イドドラムとは別体のリードリングとを設け、該上ドラ
ムと該下ドラムとを該ドラム軸で同軸に支持するととも
に、該リードリングの該底面部の中心部が該ドラム軸に
同軸状に嵌合され回動支持されたことを特徴とする請求
項1記載の磁気記録再生装置。」を提供するものであ
り、
【0019】請求項3に係る発明は、「該回転軌跡面傾
斜手段は、該リードリング又は該下ドラムの一方に設け
られて該リードリングと該下ドラムとの間に所定間隔を
形成するとともに該リードリングに対する該下ドラムの
回動軸を構成する第1、第2の二つの凸状支点と、該下
ドラムの回動軸の周りに該下ドラムを回動付勢する第1
の付勢手段と、該第1の付勢手段の回動付勢力に抗して
該下ドラムを該下ドラムの回動軸の周りに回動せしめる
第1の駆動手段とからなり、該リード傾斜手段は、該ド
ラムベース又は該リードリングの一方に設けられて該ド
ラムベースと該リードリングとの間に所定間隔を形成す
るとともに該ドラムベースに対する該リードリングの回
動軸を構成する第3、第4の二つの凸状支点と、該リー
ドリングの回動軸の周りに該リードリングを回動付勢す
る第2の付勢手段と、該第2の付勢手段の回動付勢力に
抗して該リードリングを該リードリングの回動軸の周り
に回動せしめる第2の駆動手段とからなり、該第1の基
準姿勢保持手段は、該第1、第2の二つの凸状支点と、
該第1の凸状支点と該第2の凸状支点を結ぶ直線外にお
いて該リードリング又は該下ドラムの一方に設けられて
該リードリングと該下ドラムとの間に該所定間隔を形成
する第1のスペーサと、該テープガイドドラムをドラム
ベースの方向に付勢する第3の付勢手段とからなり、該
第2の基準姿勢保持手段は、該第3、第4の二つの凸状
支点と、該第3の凸状支点と該第4の凸状支点を結ぶ直
線外において該ドラムベース又は該リードリングの一方
に設けられて該ドラムベースと該リードリングとの間に
該所定間隔を形成する第2のスペーサと、該テープガイ
ドドラムをドラムベースの方向に付勢する該第3の付勢
手段とからなることを特徴とする請求項2記載の磁気記
録再生装置。」を提供するものであり、
【0020】請求項4に係る発明は、「該第1の駆動手
段は該リードリングの該底面部に形成された第1のタッ
プ孔に螺合してその先端が該下ドラムの該底面部を押圧
可能な第1のスクリューで構成し、該第2の駆動手段は
該ドラムベースに形成された第2のタップ孔に螺合して
その先端が該リードリングの該底面部を押圧可能な第2
のスクリューで構成したことを特徴とする請求項3記載
の磁気記録再生装置。」を提供するものであり、
【0021】請求項5に係る発明は、「該回転軌跡面傾
斜手段は、該リードリング又は該下ドラムの一方に設け
られて該リードリングと該下ドラムとの間に所定間隔を
形成するとともに該リードリングに対する該下ドラムの
第1の回動軸と第2の回動軸とを構成する第1、第2、
第3の三つの凸状支点と、該リードリングを該下ドラム
の方向に付勢する第1の付勢手段と、該第1の付勢手段
の付勢力に抗して該第1の凸状支点と該第2の凸状支点
とを結ぶ該下ドラムの該第1の回動軸の周りに該下ドラ
ムを回動せしめる第1の駆動手段と、該第1の付勢手段
の付勢力に抗して該第1の凸状支点と該第3の凸状支点
とを結ぶ該下ドラムの該第2の回動軸の周りに該下ドラ
ムを回動せしめる第2の駆動手段とからなり、該リード
傾斜手段は、該ドラムベースに設けられて該リードリン
グの該底面部を貫通して該ドラムベースと該下ドラムと
の間に所定間隔を形成するとともに該ドラムベースに対
する該下ドラムの第3の回動軸と第4の回動軸を構成す
る第4、第5、第6の三つの凸状支点と、該テープガイ
ドドラムを該ドラムベースの方向に付勢する第2の付勢
手段と、該第2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸
状支点と該第5の凸状支点とを結ぶ該下ドラムの該第3
の回動軸の周りに該下ドラムを回動せしめる第3の駆動
手段と、該第2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸
状支点と該第6の凸状支点とを結ぶ該下ドラムの該第4
の回動軸の周りに該下ドラムを回動せしめる第4の駆動
手段とからなり、該第1の基準姿勢保持手段は、該第
1、第2、第3の三つの凸状支点と、該第1の付勢手段
とからなり、該第2の基準姿勢保持手段は、該第4、第
5、第6の三つの凸状支点と、該第2の付勢手段とから
なることを特徴とする請求項2記載の磁気記録再生装
置。」を提供するものであり、
【0022】請求項6に係る発明は、「該第1の駆動手
段及び該第2の駆動手段は該リードリングの該底面部に
形成された第1のタップ孔及び第2のタップ孔に螺合し
てそれぞれの先端が該下ドラムの該底面部を押圧可能な
第1のスクリュー及び第2のスクリューで構成し、該第
3の駆動手段及び該第4の駆動手段は該ドラムベースに
形成された第3のタップ孔及び第4のタップ孔に螺合し
てそれぞれの先端が該リードリングの該底面部を押圧可
能な第3のスクリュー及び第4のスクリューで構成した
ことを特徴とする請求項5記載の磁気記録再生装置。」
を提供するものであり、
【0023】請求項7に係る発明は、「該第1の駆動手
段及び該第2の駆動手段は該リードリングの該底面部に
形成された第1のタップ孔及び第2のタップ孔に螺合し
てそれぞれの先端が該下ドラムの該底面部を押圧可能な
第1のスクリュー及び第2のスクリューで構成し、該第
3の駆動手段及び該第4の駆動手段は該ドラムベースに
形成された第3のタップ孔及び第4のタップ孔に螺合し
てそれぞれの先端が該リードリングの該底面部を貫通し
て該下ドラムの該底面部を押圧可能な第3のスクリュー
及び第4のスクリューで構成したことを特徴とする請求
項5記載の磁気記録再生装置。」を提供するものであ
り、
【0024】請求項8に係る発明は、「該第1の駆動手
段及び該第2の駆動手段は該ドラムベースに形成された
第1のタップ孔及び第2のタップ孔に螺合してそれぞれ
の先端が該リードリングの該底面部を貫通して該下ドラ
ムの該底面部を押圧可能な第1のスクリュー及び第2の
スクリューで構成し、該第3の駆動手段及び該第4の駆
動手段は該ドラムベースに形成された第3のタップ孔及
び第4のタップ孔に螺合してそれぞれの先端が該リード
リングの該底面部を係止して牽引する第3のスクリュー
及び第4のスクリューで構成したことを特徴とする請求
項5記載の磁気記録再生装置。」を提供するものであ
り、
【0025】請求項9に係る発明は、「該下ドラムの磁
気テープ摺接面の下部に形成されて該リードとして機能
する該磁気テープ摺接面より大径の縁部と、該ドラム軸
によって該上ドラムと同軸に支持されて該下ドラムの内
径に遊嵌する中間部材と、該下ドラムの中心部が該ドラ
ム軸に同軸状に嵌合され回動支持されたことを特徴とす
る請求項1記載の磁気記録再生装置。」を提供するもの
であり、
【0026】請求項10に係る発明は、「該回転軌跡面
傾斜手段は、該下ドラム又は該中間部材の一方に設けら
れて該下ドラムと該中間部材との間に所定間隔を形成す
るとともに該下ドラムに対する該中間部材の第1の回動
軸と第2の回動軸とを構成する第1、第2、第3の三つ
の凸状支点と、該下ドラムを該中間部材の方向に付勢す
る第1の付勢手段と、該第1の付勢手段の付勢力に抗し
て該第1の凸状支点と該第2の凸状支点とを結ぶ該中間
部材の該第1の回動軸の周りに該中間部材を回動せしめ
る第1の駆動手段と、該第1の付勢手段の付勢力に抗し
て該第1の凸状支点と該第3の凸状支点とを結ぶ該中間
部材の該第2の回動軸の周りに該中間部材を回動せしめ
る第2の駆動手段とからなり、該リード傾斜手段は、該
ドラムベースに設けられて該下ドラムの該底面部を貫通
して該ドラムベースと該中間部材との間に所定間隔を形
成するとともに該ドラムベースに対する該中間部材の第
3の回動軸と第4の回動軸を構成する第4、第5、第6
の三つの凸状支点と、該テープガイドドラムを該ドラム
ベースの方向に付勢する第2の付勢手段と、該第2の付
勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支点と該第5の凸
状支点とを結ぶ該中間部材の該第3の回動軸の周りに該
中間部材を回動せしめる第3の駆動手段と、該第2の付
勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支点と該第6の凸
状支点とを結ぶ該中間部材の該第4の回動軸の周りに該
中間部材を回動せしめる第4の駆動手段とからなり、該
第1の基準姿勢保持手段は、該第1、第2、第3の三つ
の凸状支点と、該第1の付勢手段とからなり、該第2の
基準姿勢保持手段は、該第4、第5、第6の三つの凸状
支点と、該第2の付勢手段とからなることを特徴とする
請求項9記載の磁気記録再生装置。」を提供するもので
あり、
【0027】請求項11に係る発明は、「該第1の駆動
手段及び該第2の駆動手段は該下ドラムの該底面部に形
成された第1のタップ孔及び第2のタップ孔に螺合して
それぞれの先端が該中間部材を押圧可能な第1のスクリ
ュー及び第2のスクリューで構成し、該第3の駆動手段
及び該第4の駆動手段は該ドラムベースに形成された第
3のタップ孔及び第4のタップ孔に螺合してそれぞれの
先端が該下ドラムの該底面部を押圧可能な第3のスクリ
ュー及び第4のスクリューで構成したことを特徴とする
請求項10記載の磁気記録再生装置。」を提供するもの
であり、
【0028】請求項12に係る発明は、「予め定められ
た標準速度で走行する磁気テープの下端縁に対し予め定
められた角度の傾斜トラックを形成して記録及び/又は
再生を行う第1のモードと該予め定められた標準速度と
異なる速度で走行する該磁気テープの該下端縁に対し該
予め定められた角度の傾斜トラックを形成して記録及び
/又は再生を行う第2のモードとを有する磁気記録再生
装置において、磁気ヘッドを搭載してドラム軸の周りに
回転する上ドラムと、磁気テープ摺接面と該磁気テープ
摺接面の下部に形成した該磁気テープ摺接面より小径で
ある小径部とからなる円環状部と底面部とで大略構成さ
れ該ドラム軸を介して該上ドラムと同軸に支持された下
ドラムと、該下ドラムの該磁気テープ摺接面より大径で
ある円環状部と底面部とから大略構成され該円環状部が
該下ドラムの該小径部に遊嵌して該円環状部の縁部が該
磁気テープの該下端縁を案内するリードとして機能する
該下ドラムとは別体のリードリングと、該下ドラムを支
持するドラムベースと、該磁気ヘッドの回転軌跡面が該
予め定められた角度の傾斜トラックと一致するように該
第2のモードにおける該磁気テープの走行速度に応じて
該リードに対する該磁気ヘッドの該回転軌跡面を傾斜せ
しめる回転軌跡面傾斜手段と、該リードが該磁気テープ
の該下端縁に一致した状態となるように該第2のモード
における該リードを該ドラムベースに対して傾斜させる
リード傾斜手段とを設け、該回転軌跡面傾斜手段は、該
リードリング又は該下ドラムの一方に設けられて該リー
ドリングと該下ドラムとの間に所定間隔を形成するとと
もに該リードリングに対する該下ドラムの回動軸を構成
する少なくも二つの凸状支点と、該リードリングを該下
ドラムの方向に付勢する第1の付勢手段と、該第1の付
勢手段の付勢力に抗して該二つの凸状支点を結ぶ該下ド
ラムの該回動軸の周りに該下ドラムを回動せしめる第1
の駆動手段とから構成し、該リード傾斜手段は、該ドラ
ムベースに設けられて該リードリングの該底面部を貫通
して該ドラムベースと該下ドラムとの間に所定間隔を形
成するとともに該ドラムベースに対する該下ドラムの回
動軸を構成する少なくも二つの凸状支点と、該下ドラム
と該上ドラムとを該ドラムベースの方向に付勢する第2
の付勢手段と、該第2の付勢手段の付勢力に抗して該二
つの凸状支点を結ぶ該下ドラムの該回動軸の周りに該下
ドラムを回動せしめる第2の駆動手段とから構成したこ
とを特徴とする磁気記録再生装置。」を提供するもので
あり、
【0029】請求項13に係る発明は、「予め定められ
た標準速度で走行する磁気テープの下端縁に対し予め定
められた角度の傾斜トラックを形成して記録及び/又は
再生を行う第1のモードと該予め定められた標準速度と
異なる速度で走行する該磁気テープの該下端縁に対し該
予め定められた角度の傾斜トラックを形成して記録及び
/又は再生を行う第2のモードとを有する磁気記録再生
装置において、磁気ヘッドを搭載してドラム軸の周りに
回転する上ドラムと、磁気テープ摺接面と該磁気テープ
摺接面の下部に形成した該磁気テープ摺接面より小径で
ある小径部とからなる円環状部と底面部とで大略構成さ
れ該ドラム軸を介して該上ドラムと同軸に支持された下
ドラムと、該下ドラムの該磁気テープ摺接面より大径で
ある円環状部と底面部とから大略構成され該円環状部が
該下ドラムの該小径部に遊嵌して該円環状部の縁部が該
磁気テープの該下端縁を案内するリードとして機能する
該下ドラムとは別体のリードリングと、該下ドラムを支
持するドラムベースと、該磁気ヘッドの回転軌跡面が該
予め定められた角度の傾斜トラックと一致するように該
第2のモードにおける該磁気テープの走行速度に応じて
該リードに対する該磁気ヘッドの該回転軌跡面を傾斜せ
しめる回転軌跡面傾斜手段と、該リードが該磁気テープ
の該下端縁に一致した状態となるように該第2のモード
における該リードを該ドラムベースに対して傾斜させる
リード傾斜手段とを設け、該回転軌跡面傾斜手段は、該
リードリング又は該下ドラムの一方に設けられて該リー
ドリングと該下ドラムとの間に所定間隔を形成するとと
もに該リードリングに対する該下ドラムの第1の回動軸
と第2の回動軸とを構成する第1、第2、第3の三つの
凸状支点と、該リードリングを該下ドラムの方向に付勢
する第1の付勢手段と、該第1の付勢手段の付勢力に抗
して該第1の凸状支点と該第2の凸状支点とを結ぶ該下
ドラムの該第1の回動軸の周りに該下ドラムを回動せし
める第1の駆動手段と、該第1の付勢手段の付勢力に抗
して該第1の凸状支点と該第3の凸状支点とを結ぶ該下
ドラムの該第2の回動軸の周りに該下ドラムを回動せし
める第2の駆動手段とから構成し、該リード傾斜手段
は、該ドラムベースに設けられて該リードリングの該底
面部を貫通して該ドラムベースと該下ドラムとの間に所
定間隔を形成するとともに該ドラムベースに対する該下
ドラムの第3の回動軸と第4の回動軸を構成する第4、
第5、第6の三つの凸状支点と、該下ドラムと該上ドラ
ムとを該ドラムベースの方向に付勢する第2の付勢手段
と、該第2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支
点と該第5の凸状支点とを結ぶ該下ドラムの該第3の回
動軸の周りに該下ドラムを回動せしめる第3の駆動手段
と、該第2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支
点と該第6の凸状支点とを結ぶ該下ドラムの該第4の回
動軸の周りに該下ドラムを回動せしめる第4の駆動手段
とから構成したことを特徴とする磁気記録再生装置。」
を提供するものであり、
【0030】請求項14に係る発明は、「予め定められ
た標準速度で走行する磁気テープの下端縁に対し予め定
められた角度の傾斜トラックを形成して記録及び/又は
再生を行う第1のモードと該予め定められた標準速度と
異なる速度で走行する該磁気テープの該下端縁に対し該
予め定められた角度の傾斜トラックを形成して記録及び
/又は再生を行う第2のモードとを有する磁気記録再生
装置において、磁気ヘッドを搭載してドラム軸の周りに
回転する上ドラムと、磁気テープ摺接面と該磁気テープ
摺接面の下部に形成した該磁気テープの該下端縁を案内
するリードとからなる円環状部と底面部とで大略構成さ
れた下ドラムと、該ドラム軸によって該上ドラムと同軸
に支持されて該下ドラムの内径に遊嵌する中間部材と、
該中間部材を支持するドラムベースと、該磁気ヘッドの
回転軌跡面が該予め定められた角度の傾斜トラックと一
致するように該第2のモードにおける該磁気テープの走
行速度に応じて該リードに対する該磁気ヘッドの該回転
軌跡面を傾斜せしめる回転軌跡面傾斜手段と、該リード
が該磁気テープの該下端縁に一致した状態となるように
該第2のモードにおける該リードを該ドラムベースに対
して傾斜させるリード傾斜手段とを設け、該回転軌跡面
傾斜手段は、該下ドラム又は該中間部材の一方に設けら
れて該下ドラムと該中間部材との間に所定間隔を形成す
るとともに該下ドラムに対する該中間部材の回動軸を構
成する少なくも二つの凸状支点と、該下ドラムを該中間
部材の方向に付勢する第1の付勢手段と、該第1の付勢
手段の付勢力に抗して該二つの凸状支点とを結ぶ該中間
部材の該回動軸の周りに該中間部材を回動せしめる第1
の駆動手段とから構成し、リード傾斜手段は、該ドラム
ベースに設けられて該下ドラムの該底面部を貫通して該
ドラムベースと該中間部材との間に所定間隔を形成する
とともに該ドラムベースに対する該中間部材の回動軸を
構成する少なくも二つの凸状支点と、該中間部材と該上
ドラムとを該ドラムベースの方向に付勢する第2の付勢
手段と、該第2の付勢手段の付勢力に抗して該二つの凸
状支点を結ぶ該中間部材の該回動軸の周りに該中間部材
を回動せしめる第2の駆動手段とから構成したことを特
徴とする磁気記録再生装置。」を提供するものであり、
【0031】請求項15に係る発明は、「予め定められ
た標準速度で走行する磁気テープの下端縁に対し予め定
められた角度の傾斜トラックを形成して記録及び/又は
再生を行う第1のモードと該予め定められた標準速度と
異なる速度で走行する該磁気テープの該下端縁に対し該
予め定められた角度の傾斜トラックを形成して記録及び
/又は再生を行う第2のモードとを有する磁気記録再生
装置において、磁気ヘッドを搭載してドラム軸の周りに
回転する上ドラムと、磁気テープ摺接面と該磁気テープ
摺接面の下部に形成した該磁気テープの該下端縁を案内
するリードとからなる円環状部と底面部とで大略構成さ
れた下ドラムと、該ドラム軸によって該上ドラムと同軸
に支持されて該下ドラムの内径に遊嵌する中間部材と、
該中間部材を支持するドラムベースと、該磁気ヘッドの
回転軌跡面が該予め定められた角度の傾斜トラックと一
致するように該第2のモードにおける該磁気テープの走
行速度に応じて該リードに対する該磁気ヘッドの該回転
軌跡面を傾斜せしめる回転軌跡面傾斜手段と、該リード
が該磁気テープの該下端縁に一致した状態となるように
該第2のモードにおける該リードを該ドラムベースに対
して傾斜させるリード傾斜手段とを設け、該回転軌跡面
傾斜手段は、該下ドラム又は該中間部材の一方に設けら
れて該下ドラムと該中間部材との間に所定間隔を形成す
るとともに該下ドラムに対する該中間部材の第1の回動
軸と第2の回動軸とを構成する第1、第2、第3の三つ
の凸状支点と、該下ドラムを該中間部材の方向に付勢す
る第1の付勢手段と、該第1の付勢手段の付勢力に抗し
て該第1の凸状支点と該第2の凸状支点とを結ぶ該中間
部材の該第1の回動軸の周りに該中間部材を回動せしめ
る第1の駆動手段と、該第1の付勢手段の付勢力に抗し
て該第1の凸状支点と該第3の凸状支点とを結ぶ該中間
部材の該第2の回動軸の周りに該中間部材を回動せしめ
る第2の駆動手段とから構成し、該リード傾斜手段は、
該ドラムベースに設けられて該下ドラムの該底面部を貫
通して該ドラムベースと該中間部材との間に所定間隔を
形成するとともに該ドラムベースに対する該中間部材の
第3の回動軸と第4の回動軸を構成する第4、第5、第
6の三つの凸状支点と、該中間部材と該上ドラムとを該
ドラムベースの方向に付勢する第2の付勢手段と、該第
2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支点と該第
5の凸状支点とを結ぶ該中間部材の該第3の回動軸の周
りに該中間部材を回動せしめる第3の駆動手段と、該第
2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支点と該第
6の凸状支点とを結ぶ該中間部材の該第4の回動軸の周
りに該中間部材を回動せしめる第4の駆動手段とから構
成したことを特徴とする磁気記録再生装置。」を提供す
るものであり、
【0032】請求項16に係る発明は、「該ドラム軸に
直交し該下ドラムに対する該磁気テープの巻き付け範囲
の中央を通る直線に対し、該第2、第3の凸状支点を該
第5、第6の凸状支点より外側に配置したことを特徴と
する請求項13又は請求項15記載の磁気記録再生装
置。」を提供するものであり、請求項17に係る発明
は、「該第1、第2の基準姿勢保持手段の夫々は、該テ
ープガイドドラムへのテープ巻き付けの入り口側と出口
側で逆方向に駆動(変位)されるように該テープガイド
ドラムへのテープ巻き付けの中央部とドラム軸とを結ぶ
直線の左右位置に夫々第1、第2の駆動手段が設けられ
ており、該第1、第2の駆動手段が夫々非作用状態とさ
れた時、該第1、第2の基準姿勢保持手段が構成される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気記録
再生装置。」を提供するものである。
【0033】
【実施例】
(第1実施例)以下、図7乃至図10を参照して本発明
の第1実施例について説明する。図7は、本発明の第1
実施例の原理的な構造を模式的に示す図であり、同図
(A)は、後述するトラック補正のためにリードリング
12に形成される支点PT1,PT2とスペーサG1及
び後述するリード補正のためにドラムベース17に形成
される支点PL1,PL2とスペーサG2等の位置関係
を示す平面図であり、同図(B)は、同図(A)のA−
A断面を示す断面図である。図8は、ドラム組立体DA
の詳細な構成を示す図であり、同図(A)は、図7
(A)のA−A断面、同図(B)は、図7(A)のB−
B断面をそれぞれ示す断面図である。また、図9は、第
1実施例における主要部品の分解斜視図であり、図10
は、図7(A)のA−A断面であり、FF再生時にテー
プガイドドラム10及びリードリング12がそれぞれ時
計方向に傾斜した態様を示す。
【0034】先ず、図7を参照して本実施例の概略の構
成について説明する。本実施例では、ドラム組立体DA
は、ドラムベース17上に載置されたリードリング12
と、このリードリング12上に載置された、上ドラム1
0aと下ドラム10bとからなるテープガイドドラム1
0とから大略構成されている。磁気ヘッドHa,Hbを
搭載して回転する上ドラム10aは、下ドラム10bと
同軸にドラム軸11に支持されている。リードリング1
2には、その90度の方向に支点PT1、270度の方
向に支点PT2、0度の方向にスペーサG1がそれぞれ
設けられ、これらの支点PT1,PT2及びスペーサG
1上にテープガイドドラム10が載置される。ドラムベ
ース17には、その90度の方向に支点PL1、270
度の方向に支点PL2、0度の方向にスペーサG2がそ
れぞれ設けられ、これらの支点PL1,PL2及びスペ
ーサG2上にリードリング12が載置される。そして、
ドラム軸11に設けられた付勢手段23がテープガイド
ドラム10及びリードリング12をドラムベース17の
方向に付勢している。
【0035】また、ドラムベース17と下ドラム10b
との間及びドラムベース17とリードリング12との間
には付勢手段15,16がそれぞれ設けられており下ド
ラム10bとリードリング12とを、図7(B)中、そ
れぞれ反時計方向に付勢している。一方、リードリング
12の0度の方向とドラムベース17の略0度の方向に
は、駆動手段21,22がそれぞれ設けられており、駆
動手段21は下ドラム10bに作用して下ドラム10b
をリードリング12に対して時計方向に回動可能である
とともに駆動手段22はリードリング12に作用してリ
ードリング12をドラムベース17に対して時計方向に
回動可能な構成となっている。
【0036】次に、図8乃至図10を参照して、第1実
施例の詳細な構成について更に説明する。磁気ヘッドH
a,Hbを搭載した上ドラム10aは、ベアリング2
4,25を介して回転自在に下ドラム10bと同軸にド
ラム軸11に支持されている。26はドラムモータであ
り、上ドラム10aに取り付けられたロータ26aとド
ラム軸11に固着されたステータ26bからなってい
る。また、上ドラム10aには回転トランス27が設け
られており、下ドラム10bに設けられた回転トランス
28と対向して配置され相互間で信号の授受を行う。
【0037】下ドラム10bは、磁気テープ摺接面10
bー1とこの磁気テープ摺接面10bー1より小径である小
径部10bー2とからなる円環状部と、底面部10bー3
と、下方突起部10bー4とから大略構成されており、小
径部10bー2がリードリング12の円環状部12aの内
径に遊嵌した態様で配置されている。下ドラム10bに
は、更に、その底面部10bー3に位置決めピン10bー5
が下方に突出して設けられており、位置決めピン10b
ー5は、リードリング12の底面部の270度の方向に形
成された貫通孔33に若干のクリアランスをもって嵌合
して下ドラム10bとリードリング12の回転方向の位
置決めをする。リードリング12は、円環状部12a
と、底面部12bと、その断面形状がナイフエッジ状で
ある中央開口12dとから大略構成されており、中央開
口12dには下ドラム10bの下方突起部10bー4が若
干のクリアランスをもって嵌合し下ドラム10bとリー
ドリング12との間に偏心が生じるのを防止している。
円環状部12aの縁部12cは磁気テープTの下端縁T
bを案内するリードLとして機能する。
【0038】リードリング12には、更に、その底面部
12bの0度の方向にスペーサG1とタップ孔31が、
90度の方向に支点PT1と貫通孔29が、180度の
方向に貫通孔32が、270度の方向に支点PT2と貫
通孔30,33がそれぞれ形成されている。ここで、支
点PT1と支点PT2とスペーサG1とは、底面部12
bに対してそれぞれ同じ高さの凸状部を構成しており、
支点PT1と支点PT2を結ぶ直線L3 (ドラム軸11
を通り直線L1 に平行)は、リードリング12に対する
テープガイドドラム10の回動軸を構成する。また、支
点PT1,PT2とスペーサG1が同時に下ドラム10
bに当接した状態でリードリング12に対するテープガ
イドドラム10の基準姿勢が決定される。
【0039】一方、ドラムベース17には、0度の方向
にスペーサG2と貫通孔34が、この貫通孔34の近傍
にはタップ孔35が、90度の方向に支点PL1が、略
180度の方向にコイルスプリング36,37が、27
0度の方向に支点PL2がそれぞれ設けられている。こ
こで、支点PL1,支点PL2は、それぞれ上部突起P
L1a,PL2a、カラーPL1b,PL2b、下部突
起PL1c,PL2cからなるピン状の部材として構成
されており、カラーPL1b,PL2bがドラムベース
17の面17aに当接した状態で下部突起PL1c,P
L2cがドラムベース17に圧入固定されている。そし
て、支点PL1,PL2の上部突起PL1a,PL2a
はリードリング12の底面部12bに形成された貫通孔
29,30に若干のクリアランスをもって嵌合する。
【0040】ここで、カラーPL1bの上部突起PL1
a側の面とカラーPL2bの上部突起PL2a側の面と
スペーサG2の面とはドラムベースの面17aに対して
所定の同一の高さを形成し、支点PL1と支点PL2を
結ぶ直線L4 (ドラム軸11を通り直線L1 に平行)
は、ドラムベース17に対するリードリング12の回動
軸を構成する。また、カラーPL1b,PL2bとスペ
ーサG2が同時にリードリング12に当接した状態でド
ラムベース17に対するリードリング12の基準姿勢が
決定される。なお、下ドラム10bの下方突起部10b
ー4には、板バネ38が取り付けられており、板バネ38
の腕部38a,38b,38c,38dはドラムベース
17の面17aの裏面に当接してテープガイドドラム1
0及びリードリング12を下方に付勢している。また、
コイルスプリング37は、リードリング12の貫通孔3
2を貫通して下ドラム10bを直線L3 の周りに反時計
方向に付勢するものであり、コイルスプリング36は、
リードリング12を直線L4 の周りに反時計方向に付勢
するものである。
【0041】一方、ギア付きスクリュー39はドラムベ
ース17の貫通孔34を貫通してリードリング12のタ
ップ孔31に螺合し、モータ41に駆動されて上下に変
位し、その先端部が下ドラム10bの底面部10bー3を
下方から押圧可能になっている。ギア付きスクリュー4
0はドラムベース17のタップ孔35に螺合し、モータ
41に駆動されて上下に変位し、その先端部がリードリ
ング12の底面部12bを下方から押圧可能になってい
る。すなわち、本実施例では図10に示すように、FF
再生に際してドラムベース17と下ドラム10bとの間
に設けられたコイルスプリング37の付勢力に抗してギ
ア付きスクリュー39が下ドラム10bを押圧してテー
プガイドドラム10を、リードリング12に対して直線
L3 の周りに時計方向に回動することにより、回転磁気
ヘッドHa,Hbの回転軌跡面を磁気テープTのトラッ
クパターンに一致させる補正(以下、このように磁気テ
ープTの走行速度に応じてリードLと磁気ヘッドHa,
Hbの回転軌跡面との相対角度を変化させる補正を「ト
ラック補正」という。)が行われる。一方、このトラッ
ク補正に伴って、磁気テープTはその下端縁Tbがリー
ドLから離間したりリードLに圧接されたりする傾向を
生じる。そこで、このような傾向を解消するために、ド
ラムベース17とリードリング12との間に設けられた
コイルスプリング36の付勢力に抗してギア付きスクリ
ュー40がリードリング12を押圧してリードリング1
2を、直線L4 の周りに時計方向に回動して、磁気テー
プTの下端縁TbがリードLに沿うようにする補正(以
下、この補正を「リード補正」という。)が行われる。
なお、このトラック補正とリード補正の関係に付いては
後に詳細に説明する。
【0042】また、本実施例では、記録時又はノーマル
再生時には、テープガイドドラム10はリードリング1
2に対して、リードリング12はドラムベース17に対
してそれぞれ基準姿勢とされる。すなわち、図8(A)
に示すように、ギア付きスクリュー39はモータ41に
駆動されて図中下方に待避して下ドラム10bから離間
するとともにギア付きスクリュー40もモータ41に駆
動されて下方に待避してリードリング12から離間す
る。このとき、板バネ38がテープガイドドラムを下方
に付勢しているため、リードリング12はドラムベース
17に設けられた支点PL1,PL2とスペーサG2と
によって決定される平面上に安定に保持されて基準姿勢
となるとともに、テープガイドドラム10はその下ドラ
ム10bがリードリング12に形成された支点PT1,
PT2とスペーサG1によって決定される平面上に安定
に保持されて基準姿勢となる。
【0043】以上説明したように、本実施例のVTRに
よれば、トラック補正により磁気ヘッドHa,Hbの回
転軌跡面を磁気テープTのトラックパターンと良好に一
致させるとともにリード補正により磁気テープTの下端
縁Tbを安定に案内することができるためノイズバーを
発生させずに良好なFF再生が可能になる。また、この
実施例のVTRで記録又はノーマル再生を行う場合は、
ギア付きスクリュー39,40を図8(A)に示すよう
に、それぞれリードリング12と下ドラム10bとから
待避した状態とすることによって、リードリング12は
ドラムベース17に設けられた支点PL1,PL2とス
ペーサG2とによって決定される平面上に安定に保持さ
れるとともにテープガイドドラム10はその下ドラム1
0bが支点PT1,PT2とスペーサG1によって決定
される平面上に安定に保持されて良好な記録又はノーマ
ル再生が可能となる。
【0044】なお、ここで説明した第1実施例は、図1
0に示すようにテープガイドドラム10及びリードリン
グ12を図中時計方向に回動してFF再生を実現するも
のであるが、装置に求められる仕様がFB再生である場
合にはギア付きスクリュー39,40の位置とコイルス
プリング36,37の位置とをドラム軸11に関してそ
れぞれ対称に配置することによりFB再生機能を実現で
きることは云うまでもない。また、本実施例では、ギア
付きスクリュー39,40を一個のモータ41で駆動す
る構成について説明したが、それぞれのギア付きスクリ
ュー39,40を別のモータで駆動するようにしてもよ
い。しかしながら、次に説明するようにトラック補正と
リード補正の間には一定の関係があるため、単一のモー
タ41でギア付きスクリュー39,40を制御駆動する
ことが可能であり、部品点数削減やコスト低減のうえか
ら好ましい。
【0045】次に、先に説明したトラック補正とリード
補正の関係について図11、図12を参照して更に説明
する。図11は、先に説明した図7(B)と大略同様に
0度−180度断面を示す図であり、トラック補正の角
度θ1(以下、「トラック補正角θ1」という。)とリ
ード補正の角度θ2(以下、「リード補正角θ2」とい
う。)の関係を示す図である。即ち、同図において、ト
ラック補正角θ1とは、リードLと磁気ヘッドHa,H
bの回転軌跡面との間の補正角度即ち、磁気テープTの
走行速度に応じて、リードリング12に対してテープガ
イドドラムを傾斜させるべき角度である。
【0046】一方、先にも説明したように、トラック補
正に伴って磁気テープTはその下端縁Tbがリードリー
ドLから離れたりリードLに圧接されたりする傾向を生
じる。この傾向は例えば第1実施例のFF再生の場合に
ついて見れば、テープガイドドラム10が時計方向に回
動することによって、テープガイドドラム10に対する
磁気テープの入り口側(テープガイドドラム10の周面
の0度の近傍)では、磁気テープTは図11中上方に持
ち上げられてリードLから離間する傾向を示し、テープ
ガイドドラム10に対する磁気テープの出口側(テープ
ガイドドラム10の周面の180度の近傍)では、磁気
テープTは図11中下方に引っ張られてリードLに圧接
する傾向を示す。このような傾向を補正して磁気テープ
Tの下端縁TbとリードLとを一致させるためにドラム
ベース17に対してリードリングをトラック補正角θ1
と略同方向に傾斜させるべき角度がリード補正角θ2で
ある。
【0047】即ち、このトラック補正とリード補正とが
行われると、磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡面はリー
ドLに対してθ1だけ傾斜し、リードLはドラムベース
17に対してθ2だけ傾斜することにり、結果として、
磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡面はドラムベース17
に対してθ(=θ1+θ2)だけ傾斜することになる。
【0048】図12は、VHS方式VTRのEPモード
におけるトラック補正角θ1とリード補正角θ2の関係
をN=5の試作装置について実測した結果である。同図
において、横軸は、EPモードにおける標準のテープ走
行速度(毎秒11.12mm)を1としたときのテープ
走行速度の倍率(以下、「走行倍率」という。)であ
り、縦軸は、補正角(度)である。また、図中、x印は
トラック補正角θ1をプロットしたものであり、+印は
リード補正角θ2をプロットしたものであり、*印はト
ラック補正角θ1とリード補正角θ2との和θをプロッ
トしたものである。同図から明らかなように、走行倍率
とトラック補正角θ1との関係及び走行倍率とリード補
正角θ2との関係は共に略直線的な関係にありθ2/θ
1は略1.8の関係を満たしている。
【0049】さて、上で説明した第1実施例のVTR
は、FF再生又はFB再生のいずれか一方のみのトリッ
クプレイを良好に実現するものであり、両者のトリック
プレイを同時に実現することはできない。そこで、本願
発明者等は、FF再生、FB再生の何れのトリックプレ
イをも実現でき、且つ、記録時又はノーマル再生時に
は、テープガイドドラム10とリードリング12がそれ
ぞれ基準姿勢に安定に保持できる装置を実現すべくトラ
ック補正のための支点の配置とリード補正のための支点
の配置について検討した。
【0050】そこで先ず、本願発明者等は第1実施例の
VTRを使用して、リード補正のための支点PL1,P
L2の配置について検討したので、その内容と結果を図
13を参照して以下に説明する。図13(A)は、支点
PL1,PL2の下部突起PL1c,PL2cを圧入植
設すべきドラムベース17の面17aに形成した複数の
孔の配置を示す平面図である。なお、簡単のために同図
中その他の構成要素は省略してある。また、図13
(B)は、ドラム組立体DAの略0度−180度断面図
である。ここでの検討では、次のような評価用装置を用
いてリード補正のための支点位置の好適な範囲について
検討した。
【0051】先ず、トラック補正のための支点PT1,
PT2は、第1実施例の場合と同様、90度−270度
を結ぶ直線上に配置した。また、支点PL1の下部突起
PL1cを圧入すべき複数の孔42と支点PL2の下部
突起PL2cを圧入すべき複数の孔43とを、図13
(A)に示すように、ドラムベース17に形成した。そ
して、これらの孔42,43に支点PL1,PL2を順
次差し変えてリード補正の回動軸を変更できるようにし
た。同図において、各複数の孔42,43の位置は、下
ドラム10bの磁気テープ摺接面10bー1の直径を10
0%として、下ドラム10bの0度の位置における接線
から180度の方向に測った百分率で示す。
【0052】表1は、斯かる評価装置を用いて、支点P
L1,PL2の位置と磁気テープの走行倍率の組み合わ
せについて、再生されるFM出力を評価したものであ
る。
【表1】 同表において、○印は良好なFM出力が得られる場合、
△印はやや良好なFM出力が得られる場合、×印はFM
出力が悪い場合をそれぞれ示す。同表から、FF再生で
は、走行倍率3から21の何れの場合にも、30%から
50%の範囲で良好なFM出力が得られ、FB再生で
は、走行倍率−3から−21の何れの場合にも、66%
から70%の範囲で良好なFM出力が得られることが分
かる。この関係を図13(B)に示せば、FF再生にお
けるリード補正の回動軸を構成するために支点PL1,
PL2を配置すべき範囲はW1となり、FB再生におけ
るリード補正の回動軸を構成するために支点PL1,P
L2を配置すべき範囲はW2となる。即ち、FF再生に
ついて走行倍率21までを実現し、且つ、FB再生につ
いて走行倍率−21までを実現しようとすると、リード
補正の回動軸(支点PL1,PL2)は、これらの範囲
W1,W2に個別に設ける必要がある。
【0053】次に、リード補正の回動軸を構成すべき範
囲が、FF再生の場合とFB再生の場合とで何故異なる
のかについて、考えられる理由を図13(B)と図14
を参照して説明する。図14(A)乃至(D)は、図1
3(B)における、支点PT1,PT2及び支点PL
1,PL2近傍の状態を拡大して模式的に示す図であ
り、同図(A)は、第1実施例と同様、支点PT1,P
T2及び支点PL1,PL2を何れも90度−270度
を結ぶ直線の上に配置した場合を示し、同図(B)は、
支点PT1,PT2を90度−270度を結ぶ直線の上
に配置し支点PL1,PL2をW1の範囲に配置した場
合を示し、同図(C)は、支点PT1,PT2を90度
−270度を結ぶ直線の上に配置し支点PL1,PL2
をW2の範囲に配置した場合を示す。また、これらの図
において、17aは支点PL1,PL2が設けられるド
ラムベース17の面であり、44は支点PL1,PL2
が当接するリードリング12の面であり、45は支点P
T1,PT2が当接する下ドラム10bの面である。
【0054】一般に、記録時又はノーマル再生時におけ
る磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡とリードLとを展開
して見てみると、両者は所定角(例えば、VHS方式V
TRの場合で5°56’7.4”)をなす2本の直線の
関係にある。しかし、本発明の磁気記録再生装置では、
図12に示すように、FF再生時又はFB再生時にトラ
ック補正によって、テープガイドドラム10(磁気ヘッ
ドHa,Hbの回転軌跡面)とリードリング12(リー
ドL)との相対角度がノーマル再生時のそれに対して変
更される。その結果、展開したリードLは、磁気ヘッド
Ha,Hbの回転軌跡に対して略正弦波状の曲線とな
る。
【0055】さてここで、リード補正がなされた時のリ
ードL(縁部12c)の高さに着目する。リードLの高
さとしては、図13(B)に示すように、ドラムベース
17の面17aから、リードリング12の90度の位置
における縁部12cまでの高さLHを代表値とし、便宜
上この代表値LHに代えて、ドラムベース17の面17
aから、リードリング12の90度の位置における面4
4までの高さLH1を用いる。図14(A)乃至(C)
について、リード補正がなされた場合の高さLH1の変
化について見てみる。同図(A)の場合は、ノーマル再
生に対応した実線で示す面44の高さLH1と、FF再
生に対応して時計方向に回動傾斜した破線で示す面44
の高さと、FB再生に対応して反時計方向に回動傾斜し
た一点鎖線で示す面44の高さとはいずれも同じであり
変化しない。これに対し、同図(B)の場合は、ノーマ
ル再生に対応した実線で示す面44の高さLH1に対し
て、FF再生に対応して時計方向に回動傾斜した破線で
示す面44の高さはh2だけ低くなっており、同図
(C)の場合は、ノーマル再生に対応した実線で示す面
44の高さLH1に対して、FB再生に対応して反時計
方向に回動傾斜した一点鎖線で示す面44の高さはh3
だけ低くなっている。
【0056】すなわち、リード補正のための支点PL
1,PL2の配置を90度−270度を結ぶ直線上から
左右にずらすことによって、FF再生時又はFB再生時
のリード補正に伴ってリードリング12の高さLH1、
即ち、リードLの高さLHがノーマル再生時の高さより
低くなる効果が生じるのである。そして、この効果が、
先に述べたトラック補正によるリードLの正弦波状のう
ねりを吸収して表1に示す結果に結びついていると考え
られる。なお、図14(D)に示すように、ドラムベー
ス17上の2つの範囲W1、W2に支点PL1,PL2
をそれぞれ単純に設けたのでは、FF再生、FB再生の
何れの場合にも上に述べた効果が得られないことは明ら
かである。何故なら、FF再生時におけるリード補正
は、リードリング12を時計方向に回動するものである
ため、図中、右側の支点PL1,PL2を回動軸として
リードリング12は回動してしまい、リードリング12
の高さはh1だけ高くなってしまうからである。このこ
とは、FB再生の場合も同様である。
【0057】(第2実施例)次に、リード補正に伴っ
て、リードLの高さLH(リードリング12の高さLH
1)を低くすることができ、且つ、FF再生、FB再生
の何れも実現できる支点の構成例を第2実施例として図
15、図16を参照して説明する。図15はドラム組立
体DAの略0度−180度断面図である。図16(A)
乃至(C)は、図15における、支点PT1,PT2、
支点PT3,PT4及び支点PL1,PL2近傍の状態
を拡大して模式的に示す図であり、同図(A)は記録時
又はノーマル再生時の態様を、同図(B)はFF再生時
の態様を、同図(C)はFB再生時の態様をそれぞれ示
す。
【0058】本実施例では、トラック補正のための支点
として、リードリング12と下ドラム10bとの間に支
点PT1,PT2と支点PT3,PT4の4個の支点を
設ける。即ち、FB再生時のトラック補正は支点PT1
と支点PT2を結ぶ直線(図15中、紙面に垂直)を回
動軸として、テープガイドドラム10がリードリング1
2に対して反時計方向に回動し、FF再生時のトラック
補正は支点PT3と支点PT4を結ぶ直線(図15中、
紙面に垂直)を回動軸として、テープガイドドラム10
がリードリング12に対して時計方向に回動する。
【0059】一方、リード補正のための支点PL1,P
L2はドラムベース17上の90度−270度を結ぶ直
線上にリードリング12を貫通して下ドラム10bを支
持するように配置する。そして、リードリング12の0
度の方向とドラムベース17の略0度の方向には、駆動
手段21,22を設けるとともに、リードリング12の
180度の方向とドラムベース17の略180度の方向
には、駆動手段46,47をそれぞれ設ける。駆動手段
21は下ドラム10bに作用して下ドラム10bをリー
ドリング12に対して時計方向に回動可能であるととも
に駆動手段22はリードリング12に作用してリードリ
ング12をドラムベース17に対して時計方向に回動可
能な構成となっている。また、駆動手段46は下ドラム
10bに作用して下ドラム10bをリードリング12に
対して反時計方向に回動可能であるとともに駆動手段4
7はリードリング12に作用してリードリング12をド
ラムベース17に対して反時計方向に回動可能な構成と
なっている。なおここで、煩雑を避けるために図示しな
いが、リードリング12を下ドラム10bに向かって付
勢する付勢手段と、先に説明した第1実施例の図7
(B)における付勢手段23のようなテープガイドドラ
ム10をドラムベース17の方向に付勢する手段が設け
てある。
【0060】本実施例では、以上のように各支点を配置
構成したため、リード補正に伴ってリードLの高さLH
を記録時又はノーマル再生時のそれより低く設定するこ
とができる。即ち、図16(B)に示すように、ノーマ
ル再生に対応した実線で示す面44の高さLH1に対し
て、FF再生に対応して時計方向に回動傾斜した破線で
示す面44の高さはh4だけ低くなっており、同図
(C)の場合は、ノーマル再生に対応した実線で示す面
44の高さLH1に対して、FB再生に対応して反時計
方向に回動傾斜した一点鎖線で示す面44の高さはh5
だけ低くなっている。さて、一方、ここで説明した構成
によれば、トラック補正のための支点として4個の支点
PT1,PT2,PT3,PT4を設けられているた
め、駆動手段21,46をそれぞれ下方に変位させて下
ドラム10の面45から離間させれば、リードリング1
2を下ドラム10bに向かって付勢する図示しない付勢
手段によりリードリング12はその4個の支点PT1,
PT2,PT3,PT4が下ドラム10の面45に当接
して安定に保持され、リードリング12に対するテープ
ガイドドラム10の基準姿勢を得ることができる。リー
ドリング12のドラムベース17に対する基準姿勢は、
駆動手段22及び駆動手段47のドラムベース17の面
17aからの突出量を制御して実現する。
【0061】(第3実施例)次に、この点を解決して、
リードリング12のドラムベース17に対する基準姿勢
をも確実に実現可能な支点構成の例を第3実施例とし
て、図17、図18を参照して説明する。図17はドラ
ム組立体DAの略0度−180度断面図である。図18
(A)乃至(C)は、図17における、支点PT1,P
T2、支点PT3,PT4及び支点PL1,PL2、P
L3,PL4近傍の状態を拡大して模式的に示す図であ
り、同図(A)は記録時又はノーマル再生時の態様を、
同図(B)はFF再生時の態様を、同図(C)はFB再
生時の態様をそれぞれ示す。
【0062】本実施例では、トラック補正のための支点
PT1,PT2と支点PT3,PT4の構成は上で説明
した第2実施例と同様である。一方、リード補正のため
の支点として、ドラムベース17上にリードリング12
を貫通して下ドラム10bを支持する4個の支点PL
1,PL2、PL3,PL4を設ける。即ち、FB再生
時のリード補正は支点PL1と支点PL2を結ぶ直線
(図17中、紙面に垂直)を回動軸として、テープガイ
ドドラム10がリードリング12と共にドラムベース1
7に対して反時計方向に回動し、FF再生時のリード補
正は支点PL3と支点PL4を結ぶ直線(図17中、紙
面に垂直)を回動軸として、テープガイドドラム10が
リードリング12と共にドラムベース17に対して時計
方向に回動する。なお、駆動手段21,22、46,4
7等の構成は、第2実施例と同様である。
【0063】以上のように各支点を配置構成したため、
本実施例においても、リード補正に伴ってリードLの高
さLHを記録時又はノーマル再生時のそれより低く設定
することができる。即ち、図18(B)に示すように、
ノーマル再生に対応した実線で示す面44の高さLH1
に対して、FF再生に対応して時計方向に回動傾斜した
破線で示す面44の高さはh6だけ低くなっており、同
図(C)の場合は、ノーマル再生に対応した実線で示す
面44の高さLH1に対して、FB再生に対応して反時
計方向に回動傾斜した一点鎖線で示す面44の高さはh
7だけ低くなっている。また、記録時又はノーマル再生
時には、駆動手段21,46をそれぞれ下方に変位させ
て下ドラム10の面45から離間させれば、リードリン
グ12を下ドラム10bに向かって付勢する図示しない
付勢手段によりリードリング12はその4個の支点PT
1,PT2,PT3,PT4が下ドラム10の面45に
当接して安定に保持され、リードリング12に対するテ
ープガイドドラム10の基準姿勢を得ることができる。
更に、駆動手段22,47をそれぞれ下方に変位させて
リードリング12の面44から離間させれば、テープガ
イドドラム10をドラムベース17に向かって付勢する
図示しない付勢手段により、下ドラム10bの面45は
ドラムベース17に設けられた4個の支点PT1,PT
2,PT3,PT4に当接して安定に保持され、ドラム
ベース17に対するリードリング12の基準姿勢を得る
ことができる。
【0064】さて、上に説明した第3実施例において
は、トラック補正のための支点及びリード補正のための
支点を、それらによって構成される各回動軸が90度−
270度を結ぶ直線L1 と平行になるように配置した。
しかしながら、トラック補正のための支点配置及びリー
ド補正のための支点配置は、これらに限定されるもので
はない。以下、各回動軸が90度−270度を結ぶ直線
L1 と非平行となるように、トラック補正のための支点
及びリード補正のための支点を配置した例を第4実施例
として、図19乃至図25を参照して説明する。
【0065】(第4実施例)図19は、本発明の第4実
施例の原理的な構造を模式的に示す図であり、同図
(A)は、トラック補正のためにリードリング12に形
成される支点PT1,PT2,PT3及びリード補正の
ためにドラムベース17に形成される支点PL1,PL
2,PL3等の位置関係を示す平面図であり、同図
(B)は、同図(A)のA−A断面を示す断面図であ
る。図20は、ドラム組立体DAの詳細な構成を示す図
であり、同図(A)は、図19(A)のA−A断面、同
図(B)は、図19(A)のB−B断面をそれぞれ示す
断面図である。また、図21は、第4実施例における主
要部品の分解斜視図である。図22(A),(B)は、
図19(A)のA−A断面であり、同図(A)はFF再
生時にテープガイドドラム10及びリードリング12が
それぞれ時計方向に傾斜した態様を示し、同図(B)
は、FB再生時にテープガイドドラム10及びリードリ
ング12がそれぞれ反時計方向に傾斜した態様を示す。
図23は、リードリング12に螺合し下ドラム10bに
作用してトラック補正を行うギア付きスクリュー39,
64及びドラムベース17に螺合しリードリング12に
作用してリード補正を行うギア付きスクリュー40,6
5を駆動する駆動機構の一例を示す図である。図24
は、本実施例の支点配置の変形例を示す平面図であり、
図25は同様に本実施例における駆動手段の他の構成例
を模式的に示す略0度−180度断面図である。
【0066】先ず、図19を参照して本実施例の概略の
構成について説明する。ドラム組立体DAが、ドラムベ
ース17上に載置されたリードリング12と、このリー
ドリング12上に載置された、上ドラム10aと下ドラ
ム10bとからなるテープガイドドラム10とから大略
構成されている点、及び、磁気ヘッドHa,Hbを搭載
して回転する上ドラム10aは、下ドラム10bと同軸
にドラム軸11に支持されている点は、先に説明した第
1実施例乃至第3実施例の場合と同様である。
【0067】リードリング12には、その略40度の方
向に支点PT1、略140度の方向に支点PT2、略2
70度の方向に支点PT3がそれぞれ設けられ、これら
の支点PT1,PT2,PT3上にテープガイドドラム
10が載置される。ドラムベース17には、その略30
0度の方向に支点PL1、略90度の方向に支点PL
2、略240度の方向に支点PL3がそれぞれリードリ
ング12を貫通した態様で設けられ、これらの支点PL
1,PL2,PL3上に下ドラム10bが載置される。
そして、ドラム軸11とドラムベース17との間に設け
た付勢手段23がテープガイドドラム10をドラムベー
ス17の方向に付勢するとともにドラム軸11とリード
リング12との間に設けた付勢手段48がリードリング
12を下ドラム10bの方向に付勢している。なお、こ
こで、駆動手段21,22、駆動手段46,47の構成
は第2実施例、第3実施例の場合と同様である。
【0068】次に、図20乃至図24を参照して、第4
実施例の詳細な構成について更に説明する。磁気ヘッド
Ha,Hbを搭載した上ドラム10aは、ベアリング2
4,25を介して回転自在に下ドラム10bと同軸にド
ラム軸11に支持されている。26はドラムモータであ
り、上ドラム10aに取り付けられたロータ26aとド
ラム軸11に固着されたステータ26bからなってい
る。また、上ドラム10aには回転トランス27が設け
られており、下ドラム10bに設けられた回転トランス
28と対向して配置され相互間で信号の授受を行う。
【0069】下ドラム10bは、磁気テープ摺接面10
bー1とこの磁気テープ摺接面10bー1より小径である小
径部10bー2とからなる円環状部と、底面部10bー3と
から大略構成されており、小径部10bー2がリードリン
グ12の円環状部12aの内径に遊嵌した態様で配置さ
れている。下ドラム10bには、更に、その底面部10
bー3の90度の方向と270度の方向に貫通孔10bー
6,10bー7がそれぞれ形成されており、これらの貫通
孔10bー6,10bー7は、ドラムベース17に植設した
位置決めピン49,50と若干のクリアランスをもって
それぞれ嵌合して下ドラム10bのドラムベース17に
対する回転方向の位置決めがされる。
【0070】リードリング12は、円環状部12aと、
底面部12bと、その断面形状がナイフエッジ状である
中央開口12dとから大略構成されており、中央開口1
2dにはドラム軸11が若干のクリアランスをもって嵌
合し下ドラム10bとリードリング12との間に偏心が
生じるのを防止している。円環状部12aの縁部12c
は磁気テープTの下端縁Tbを案内するリードLとして
機能する。リードリング12には、更に、その底面部1
2bの0度の方向にタップ孔31が、40度の方向に支
点PT1が、90度の方向に貫通孔52,55が、14
0度の方向に支点PT3が、180度の方向にタップ孔
51が、240度の方向に貫通孔56が、270度の方
向に支点PT2と貫通孔53が、300度の方向に貫通
孔54がそれぞれ形成されている。
【0071】ここで、支点PT1と支点PT2と支点P
T3とは、底面部12bに対してそれぞれ同じ高さの凸
状部を構成しており、支点PT1と支点PT2を結ぶ直
線L5 と支点PT3と支点PT2を結ぶ直線L6 とは、
リードリング12に対するテープガイドドラム10の回
動軸を構成する。また、支点PT1,PT2,PT3が
同時に下ドラム10bに当接した状態でリードリング1
2に対するテープガイドドラム10の基準姿勢が決定さ
れる。
【0072】一方、ドラムベース17には、0度の方向
に貫通孔34とタップ孔35が、90度の方向に支点P
L2と位置決めピン49が、180度の方向に貫通孔5
7とタップ孔58が、240度の方向に支点PL3が、
270度の方向に位置決めピン50が、300度の方向
に支点PL1がそれぞれ設けられている。ここで、支点
PL1,支点PL2,PL3は、ピン状の部材として構
成されており、ドラムベース17に圧入固定されてい
る。そして、支点PL1,PL2,PL3はリードリン
グ12の底面部12bに形成された貫通孔54,55,
56を貫通して突出し下ドラム10bを支持する。そし
て、支点PL1と支点PL2を結ぶ直線L7 と支点PL
3と支点PL2を結ぶ直線L8 とは、ドラムベース17
に対するテープガイドドラム10の回動軸を構成する。
また、支点PL1,PL2,PL3が同時に下ドラム1
0に当接した状態でドラムベース17に対するテープガ
イドドラム10の基準姿勢が決定される。
【0073】なお、ドラム軸11の下端にはスプリング
ホルダ59が固着されており、スプリングホルダ59と
ドラムベース17との間にはコイルスプリング60,6
1が設けられてテープガイドドラム10をドラムベース
17の方向に付勢している。また、スプリングホルダ5
9とリードリング12との間にはコイルスプリング6
2,63が設けられており、これらのコイルスプリング
62,63はリードリング12を下ドラム10bの方向
に付勢している。一方、ギア付きスクリュー39,64
はドラムベース17の貫通孔34,57を貫通してリー
ドリング12のタップ孔31,51に螺合し、モータ4
1に駆動されて上下に変位し、それぞれの先端部が下ド
ラム10bの底面部10bー3を下方から押圧可能になっ
ている。ギア付きスクリュー40,65はドラムベース
17のタップ孔35,58に螺合し、モータ41に駆動
されて上下に変位し、その先端部がリードリング12の
底面部12bを下方から押圧可能になっている。
【0074】すなわち、本実施例では図22(A)に示
すように、FF再生に際してギア付きスクリュー39が
下ドラム10bを押圧してテープガイドドラム10を、
リードリング12に対して直線L6 の周りに時計方向に
回動することにより、トラック補正が行われる。また、
この時同時に、ギア付きスクリュー40がリードリング
12を押圧してリードリング12を、直線L8 の周りに
時計方向に回動することによってリード補正が行われ
る。同様に、FB再生の場合は図22(B)に示すよう
に、ギア付きスクリュー64が下ドラム10bを押圧し
てテープガイドドラム10を、リードリング12に対し
て直線L5 の周りに反時計方向に回動することにより、
トラック補正が行われる。また、この時同時に、ギア付
きスクリュー65がリードリング12を押圧してリード
リング12を、直線L7 の周りに反時計方向に回動する
ことによってリード補正が行われる。
【0075】また、本実施例では、記録時又はノーマル
再生時には、テープガイドドラム10はドラムベース1
7に対して、リードリング12は下ドラム10bに対し
てそれぞれ基準姿勢とされる。すなわち、図20(A)
に示すように、ギア付きスクリュー39,64はモータ
41に駆動されて図中下方に待避して下ドラム10bか
ら離間するとともにギア付きスクリュー40,65もモ
ータ41に駆動されて下方に待避してリードリング12
から離間する。このとき、コイルスプリング60,61
がテープガイドドラムを下方に付勢しているため、下ド
ラム10b、即ち、テープガイドドラム10はドラムベ
ース17に設けられた支点PL1,PL2,PL3によ
って決定される平面上に安定に保持されて基準姿勢とな
るとともに、リードリング12は、コイルスプリング6
2,63に付勢されて支点PT1,PT2,PT3が下
ドラム10bに当接して安定に保持されて基準姿勢とな
る。
【0076】次に、ギア付きスクリュー39,64及び
ギア付きスクリュー40,65を駆動する駆動機構につ
いて、図23を参照して説明する。詳細な関係について
は説明を省略するが、本実施例の場合においても、トラ
ック補正によりリードリング12に対してテープガイド
ドラム10を傾斜させるべき角度と、リード補正により
ドラムベース17に対してリードリング12を傾斜させ
るべき角度との間に一定の関係があることは、先に説明
した第1実施例の場合と同様である。そこで、本実施例
においても、単一のモータ41によりギア付きスクリュ
ー39,64及びギア付きスクリュー40,65を駆動
することが可能である。即ち、一例をあげれば、同図
(A)に示すように、モータ41の出力ギア41aの回
転を2つのアイドラ66,67を介してギア付きスクリ
ュー39,40に所定の減速比で伝達するとともに3つ
のアイドラ68,69,70を介してギア付きスクリュ
ー64,65に所定の減速比で伝達する。これにより、
例えばFB再生時には、各アイドラ及び各ギア付きスク
リューは同図(A)中に矢印で示すように回転すること
により、ギア付きスクリュー64,65は所定の比率で
同図(B)中上昇し、ギア付きスクリュー39,40は
所定の比率で同図(B)中降下して磁気テープTの走行
倍率に応じたトラック補正とリード補正とが行われる。
【0077】以上説明したように、本実施例のVTRに
よれば、トラック補正により磁気ヘッドHa,Hbの回
転軌跡面を磁気テープTのトラックパターンと良好に一
致させるとともにリード補正により磁気テープTの下端
縁Tbを安定に案内することができるためノイズバーを
発生させずに良好なFF再生及びFB再生が可能にな
る。また、この実施例のVTRで記録又はノーマル再生
を行う場合は、ギア付きスクリュー39,40及びギア
付きスクリュー64,65を図20(A)に示すよう
に、それぞれリードリング12と下ドラム10bとから
待避した状態とすることによって、下ドラム10b即ち
テープガイドドラム10はドラムベース17に設けられ
た支点PL1,PL2,PL3によって決定される平面
上に安定に保持されるとともにリードリング12は、そ
の支点PT1,PT2,PT3が下ドラム10bに当接
して安定に保持されて良好な記録又はノーマル再生が可
能となる。
【0078】なお、本実施例における支点PT1,PT
2,PT3及び支点PL1,PL2,PL3の配置は、
これのみに限定されるものでなく、例えば、図24に示
すように、0度−180度を結ぶ直線に関して対称に配
置するようにしてもよい。但し、図19(A)又は図2
4に示すように、トラック補正のための支点PT1,P
T3は、リード補正のための支点PL1,PL2よりも
90度−270度を結ぶ直線から離れた外側に配置する
ことが好ましい。これにより、先に説明したリードLの
高さLHがノーマル再生時の高さより低くなるという効
果が生じるからである。また、本実施例及び先に説明し
た第2実施例及び第3実施例においては、駆動手段22
(ギア付きスクリュー40)及び駆動手段47(ギア付
きスクリュー65)は、リードリング12に作用して
(押圧して)リードリング12をドラムベース17に対
して回動傾斜する構成について説明したが、これらの構
成はこれに限定されるものではない。即ち、図25
(A)に示すように、駆動手段22及び駆動手段47
は、リードリング12を貫通して下ドラム10bに直接
作用(押圧)するようにしてもよい。更にまた、同図
(B)に示すように、駆動手段22及び駆動手段47
は、それぞれの端部をリードリング12に係止してドラ
ムベース17の方向に牽引する構成としてもよい。
【0079】さて、以上に説明した第1実施例乃至第4
実施例においては、何れもドラム組立体DAは、上ドラ
ム10aと下ドラム10bとからなるテープガイドドラ
ム10と、このテープガイドドラム10とは別体に構成
されたリードリング12とからなるものであった。しか
しながら、本発明は斯かる構成に限定されるものではな
く下ドラム10bにリードLを一体に構成してリードリ
ング12を省略した構成とすることも可能である。そこ
で次に、このリードリング12を省略した構成の実施例
を第5実施例として図27乃至図29を参照して説明す
る。
【0080】(第5実施例)図26は、本発明の第5実
施例の原理的な構造を模式的に示す図であり、同図
(A)は、トラック補正のために下ドラム10bに形成
される支点PT1,PT2,PT3,PT4及びリード
補正のためにドラムベース17に形成される支点PL
1,PL2等の位置関係を示す平面図であり、同図
(B)は、同図(A)のA−A断面を示す断面図であ
る。図27は、ドラム組立体DAの詳細な構成を示す図
であり、同図(A)は、図26(A)のA−A断面、同
図(B)は、図26(A)のB−B断面をそれぞれ示す
断面図である。また、図28は、第5実施例における主
要部品の分解斜視図である。図29(A),(B)は、
図26(A)のA−A断面であり、同図(A)はFF再
生時に上ドラム10a及び下ドラム10bがそれぞれ時
計方向に傾斜した態様を示し、同図(B)は、FB再生
時に上ドラム10a及び下ドラム10bがそれぞれ反時
計方向に傾斜した態様を示す。
【0081】先ず、図26を参照して本実施例の概略の
構成について説明する。本実施例においては、ドラム組
立体DAは、ドラムベース17上に載置された下ドラム
10bと、この下ドラム10b上に載置された中間部材
71と上ドラム10aとから大略構成されている。磁気
ヘッドHa,Hbを搭載して回転する上ドラム10a
は、中間部材71と同軸にドラム軸11に支持されてい
る。下ドラム10bには、その40度の方向に支点PT
1が、140度の方向に支点PT3が、220度の方向
に支点PT4が、320度の方向に支点PT2がそれぞ
れ設けられ、これらの支点PT1,PT2,PT3,P
T4上に中間部材71が載置される。
【0082】ドラムベース17には、その90度の方向
に支点PL1、270度の方向に支点PL2がそれぞれ
下ドラム10bを貫通した態様で設けられ、これらの支
点PL1,PL2上に中間部材71が載置される。な
お、ここで支点PL2は、後述するように、その断面形
状が略長方形であり、その長辺が0度−180度を結ぶ
直線と平行な方向に所定の長さtを有した凸状の部材で
あり支点PL1と協働して中間部材71即ち上ドラム1
0aを基準姿勢に保持する平面を構成する。そして、ド
ラム軸11とドラムベース17との間に設けた付勢手段
23が上ドラム10a及び中間部材71をドラムベース
17の方向に付勢するとともにドラム軸11と下ドラム
10bとの間に設けた付勢手段48が下ドラム10bを
中間部材71の方向に付勢している。
【0083】なお、ここで、駆動手段21,22、駆動
手段46,47の構成は第2実施例乃至第4実施例の場
合と大略同様である。即ち、駆動手段21,46は中間
部材71に作用して下ドラム10bに対して中間部材7
1と上ドラム10aとを一体に、図26(B)中、時計
方向又は反時計方向に回動してトラック補正を行う。ま
た、駆動手段22,47は下ドラム10bに作用してド
ラムベース17に対して下ドラム10bを、図26
(B)中、時計方向又は反時計方向に回動してリード補
正を行う。
【0084】次に、図27乃至図29を参照して、第5
実施例の詳細な構成について更に説明する。磁気ヘッド
Ha,Hbを搭載した上ドラム10aは、ベアリング2
4,25を介して回転自在に中間部材71と同軸にドラ
ム軸11に支持されている。26はドラムモータであ
り、上ドラム10aに取り付けられたロータ26aとド
ラム軸11に固着されたステータ26bからなってい
る。また、上ドラム10aには回転トランス27が設け
られており、中間部材71に設けられた回転トランス2
8と対向して配置され相互間で信号の授受を行う。中間
部材71は、略円盤状の部材でありその中心にドラム軸
が圧入されている。また、中間部材71の周縁部の90
度の方向と270度の方向には貫通孔71a,71bが
形成されており、ドラムベース17に植設された位置決
めピン49,50と若干のクリアランスをもって嵌合し
て中間部材71のドラムベース17に対する回転方向の
位置決めがされる。
【0085】下ドラム10bは、磁気テープ摺接面10
bー1とリードLとからなる円環状部と、底面部10bー3
と、その断面形状がナイフエッジ状である中央開口10
bー8とから大略形成されている。そして、中央開口10
bー8には、ドラム軸11が若干のクリアランスをもって
嵌合し、下ドラム10bと中間部材71及び上ドラム1
0aとの間に偏心が生じるのを防止している。下ドラム
10bには、更に、その底面部10bー3の0度の方向に
タップ孔72が、40度の方向に支点PT1が、90度
の方向に貫通孔74,75が、140度の方向に支点P
T3が、180度の方向にタップ孔73が、220度の
方向に支点PT4が、270度の方向に貫通孔76と矩
形開口77が、320度の方向に支点PT2がそれぞれ
形成されている。貫通孔75,76は、ドラムベース1
7に植設した位置決めピン49,50と若干のクリアラ
ンスをもってそれぞれ嵌合して下ドラム10bのドラム
ベース17に対する回転方向の位置決めがされる。
【0086】ここで、支点PT1、支点PT2、支点P
T3及び支点PT4は、底面部10bー3に対してそれぞ
れ同じ高さの凸状部を構成しており、支点PT1と支点
PT2を結ぶ直線L9 と支点PT3と支点PT4を結ぶ
直線L10とは、下ドラム10bに対する中間部材71即
ち上ドラム10aの回動軸を構成する。また、支点PT
1,PT2,PT3,PT4が同時に中間部材71に当
接した状態で下ドラム10bに対する上ドラム10aの
基準姿勢が決定される。
【0087】一方、ドラムベース17には、0度の方向
に貫通孔34とタップ孔35が、90度の方向に支点P
L2と位置決めピン49が、180度の方向に貫通孔5
7とタップ孔58が、270度の方向に支点PL2と位
置決めピン50がそれぞれ設けられている。ここで、支
点PL1は、ドラムベース17に圧入固定されたピン状
の部材であり、支点PL2はドラムベース17上に構成
された断面形状が略長方形であり、その長辺が0度−1
80度を結ぶ直線と平行な方向に所定の長さtを有した
凸状の部材である。そして、支点PL1,PL2は下ド
ラム10bの底面部10bー3に形成された貫通孔74,
77を貫通して突出し中間部材71を支持する。そし
て、支点PL1と支点PL2の左端PL2Lを結ぶ直線
L7 と支点PL1と支点PL2の右端PL2Rを結ぶ直
線L8 とは、ドラムベース17に対する中間部材71即
ち上ドラム10aの回動軸を構成する。また、支点PL
1,PL2が同時に下ドラム10に当接した状態でドラ
ムベース17に対する上ドラム10aの基準姿勢が決定
される。
【0088】なお、ドラム軸11の下端にはスプリング
ホルダ59が固着されており、スプリングホルダ59と
ドラムベース17との間にはコイルスプリング60,6
1が設けられて中間部材71及び上ドラム10aをドラ
ムベース17の方向に付勢している。また、スプリング
ホルダ59と下ドラム10bとの間にはコイルスプリン
グ62,63が設けられており、これらのコイルスプリ
ング62,63は下ドラム10bを中間部材71の方向
に付勢している。
【0089】一方、ギア付きスクリュー39,64はド
ラムベース17の貫通孔34,57を貫通して下ドラム
10bのタップ孔72,73に螺合し、モータ41に駆
動されて上下に変位し、それぞれの先端部が中間部材7
1を下方から押圧可能になっている。ギア付きスクリュ
ー40,65はドラムベース17のタップ孔35,58
に螺合し、モータ41に駆動されて上下に変位し、その
先端部が下ドラム10bの底面部10bー3を下方から押
圧可能になっている。
【0090】すなわち、本実施例では図29(A)に示
すように、FF再生に際してギア付きスクリュー39が
中間部材71を押圧して中間部材71及び上ドラム10
aを、下ドラム10bに対して直線L10の周りに時計方
向に回動することにより、トラック補正が行われる。ま
た、この時同時に、ギア付きスクリュー40が下ドラム
10bを押圧して、直線L8 の周りに時計方向に回動す
ることによってリード補正が行われる。同様に、FB再
生の場合は図29(B)に示すように、ギア付きスクリ
ュー64が中間部材71を押圧して中間部材71及び上
ドラム10aを、下ドラム10bに対して直線L9 の周
りに反時計方向に回動することにより、トラック補正が
行われる。また、この時同時に、ギア付きスクリュー6
5が下ドラム10bを押圧して、直線L7 の周りに反時
計方向に回動することによってリード補正が行われる。
【0091】また、本実施例では、記録時又はノーマル
再生時には、中間部材71及び上ドラム10aはドラム
ベース17に対して、下ドラム10bは中間部材71に
対してそれぞれ基準姿勢とされる。すなわち、図27
(A)に示すように、ギア付きスクリュー39,64は
モータ41に駆動されて図中下方に待避して中間部材7
1から離間するとともにギア付きスクリュー40,65
もモータ41に駆動されて下方に待避して下ドラム10
bから離間する。このとき、コイルスプリング60,6
1が中間部材71及び上ドラム10aを下方に付勢して
いるため、中間部材71、即ち、上ドラム10aはドラ
ムベース17に設けられた支点PL1,PL2によって
決定される平面上に安定に保持されて基準姿勢となる。
また、下ドラム10bは、コイルスプリング62,63
に付勢されて支点PT1,PT2,PT3,PT4が中
間部材71に当接して安定に保持されて基準姿勢とな
る。なお、ギア付きスクリュー39,64及びギア付き
スクリュー40,65を駆動する駆動機構は、先に説明
した第4実施例と同様であり説明を省略する。
【0092】以上説明したように、本実施例のVTRに
よれば、トラック補正により磁気ヘッドHa,Hbの回
転軌跡面を磁気テープTのトラックパターンと良好に一
致させるとともにリード補正により磁気テープTの下端
縁Tbを安定に案内することができるためノイズバーを
発生させずに良好なFF再生及びFB再生が可能にな
る。また、この実施例のVTRで記録又はノーマル再生
を行う場合は、ギア付きスクリュー39,40及びギア
付きスクリュー64,65を図27(A)に示すよう
に、それぞれ中間部材71と下ドラム10bとから待避
した状態とすることによって、中間部材71即ち上ドラ
ム10aはドラムベース17に設けられた支点PL1,
PL2,PL3によって決定される平面上に安定に保持
されるとともに下ドラム10bは、その支点PT1,P
T2,PT3,PT4が中間部材71に当接して安定に
保持されて良好な記録又はノーマル再生が可能となる。
【0093】なお、以上に説明した第1実施例乃至第5
実施例ではトリックプレイとして、FF再生又はFB再
生を例として説明してきたが、本発明の磁気記録再生装
置はこれらの機能のみでなく、STILL再生は勿論、
スロー再生にも有効に機能するものである。即ち、図1
2を参照すれば明らかなように、STILL再生では、
走行倍率0に対応したトラック補正角θ1とリード補正
角θ2を選択すればよく、正逆方向のスロー再生では、
該スロー再生における磁気テープTの走行速度に応じて
走行倍率−1と+1の間の適宜なトラック補正角θ1と
リード補正角θ2を選択すればよい。また、走行倍率は
整数に限らず1.2倍速や1.5倍速等端数の付いた走
行倍率での再生も可能である。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
再生装置によれば、各再生モード及び記録モードに応じ
てリードに対する磁気ヘッドの回転軌跡面の相対角度を
変化させることにより磁気テープの走行速度に適合した
トラック補正がなされるとともに、リード補正によりド
ラムベースに対するリードの相対角度を変化させること
によりトラック補正に起因して発生するリードに対する
磁気テープの基準縁の変位が補正され、ノイズバー等の
発生しない良好なトリックプレイを実現することができ
る。
【0095】また、特に、標準速度で走行する磁気テー
プに記録を行う場合には、第1の基準姿勢保持手段によ
り、リードに対する磁気ヘッドの回転軌跡面の傾斜角度
は予め定められた基準角度に保持され、第2の基準姿勢
保持手段により、ドラムベースに対するリードの傾斜角
度は予め定められた基準角度に保持されるため、磁気テ
ープに記録されるトラックパターンを規格で定められた
トラックパターンと一致させることが容易であり、この
磁気テープを他の装置で再生する場合の互換性を確実な
ものとすることができる。
【0096】また、同様に他の装置で記録された磁気テ
ープを本発明に係る磁気記録再生装置で標準の速度で走
行させて再生する場合にも、第1の基準姿勢保持手段に
より、リードに対する磁気ヘッドの回転軌跡面の傾斜角
度は予め定められた基準角度に保持され、第2の基準姿
勢保持手段により、ドラムベースに対するリードの傾斜
角度は予め定められた基準角度に保持されるため、確実
な互換性を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】VHS方式VTRの代表的なテープ走行系の要
部を示す斜視図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1をドラム軸の方向から見た平面図である。
【図4】磁気テープに記録された記録跡パターンとトリ
ックプレイ時における磁気ヘッドの回転軌跡の関係を示
す図である。
【図5】W−VHS方式VTRにおける磁気テープの記
録跡パターンとトリックプレイ時における磁気ヘッドの
回転軌跡の関係を示す図である。
【図6】FM再生信号波形を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例の原理的な構造を模式的に
示す図である。
【図8】本発明の第1実施例におけるドラム組立体DA
の詳細な構成を示す図であり、同図(A)は、図7
(A)のA−A断面、同図(B)は、図7(A)のB−
B断面をそれぞれ示す断面図である。
【図9】第1実施例における主要部品の分解斜視図であ
る。
【図10】図7(A)のA−A断面であり、FF再生時
にテープガイドドラム10及びリードリング12がそれ
ぞれ時計方向に傾斜した態様を示す。
【図11】トラック補正とリード補正との関係を示すド
ラム組立体DAの略0度ー180度断面図である。
【図12】トラック補正角とリード補正角の関係を示す
図である。
【図13】図13(A)は、支点PL1,PL2の下部
突起PL1c,PL2cを圧入植設すべきドラムベース
17の面17aに形成した複数の孔の配置を示す平面図
である。図13(B)は、ドラム組立体DAの略0度−
180度断面図である。
【図14】図13(B)における、支点PT1,PT2
及び支点PL1,PL2近傍の状態を拡大して模式的に
示す図である。
【図15】本発明の第2実施例の原理的な構造を模式的
に示すドラム組立体DAの略0度−180度断面図であ
る。
【図16】図15における、支点PT1,PT2、支点
PT3,PT4及び支点PL1,PL2近傍の状態を拡
大して模式的に示す図である。
【図17】本発明の第3実施例の原理的な構造を模式的
に示すドラム組立体DAの略0度−180度断面図であ
る。
【図18】図17における、支点PT1,PT2、支点
PT3,PT4及び支点PL1,PL2、PL3,PL
4近傍の状態を拡大して模式的に示す図である。
【図19】本発明の第4実施例の原理的な構造を模式的
に示す図である。
【図20】本発明の第4実施例におけるドラム組立体D
Aの詳細な構成を示す図であり、同図(A)は、図19
(A)のA−A断面、同図(B)は、図19(A)のB
−B断面をそれぞれ示す断面図である。
【図21】第4実施例における主要部品の分解斜視図で
ある。
【図22】図19(A)のA−A断面であり、図22
(A)はFF再生時にテープガイドドラム10及びリー
ドリング12がそれぞれ時計方向に傾斜した態様を示
し、図22(B)は、FB再生時にテープガイドドラム
10及びリードリング12がそれぞれ反時計方向に傾斜
した態様を示す。
【図23】ギア付きスクリュー39,64及びギア付き
スクリュー40,65を駆動する駆動機構の一例を示す
図である。
【図24】第4実施例の支点配置の変形例を示す平面図
である。
【図25】第4実施例における駆動手段の他の構成例を
模式的に示す略0度−180度断面図である。
【図26】本発明の第5実施例の原理的な構造を模式的
に示す図である。
【図27】本発明の第5実施例におけるドラム組立体D
Aの詳細な構成を示す図であり、同図(A)は、図26
(A)のA−A断面、同図(B)は、図26(A)のB
−B断面をそれぞれ示す断面図である。
【図28】第5実施例における主要部品の分解斜視図で
ある。
【図29】図26(A)のA−A断面であり、図29
(A)はFF再生時に上ドラム10a及び下ドラム10
bがそれぞれ時計方向に傾斜した態様を示し、図29
(B)は、FB再生時に上ドラム10a及び下ドラム1
0bがそれぞれ反時計方向に傾斜した態様を示す。
【符号の説明】
1 傾斜ポール 2 傾斜ポール 3 サプライリール 4 消去ヘッド 5 インピーダンスローラ 6 オーディオコントロールヘッド 7 キャプスタン 8 ピンチローラ 9 テイクアップリール 10 テープガイドドラム 10a 上ドラム 10b 下ドラム 11 ドラム軸 12 リードリング 12a 円環状部 12b 底面部 12c 縁部 13 入り口側ガイドローラ 14 出口側ガイドローラ 15 付勢手段 16 付勢手段 17 ドラムベース 20 テープカセット 21 駆動手段 22 駆動手段 23 付勢手段 24 ベアリング 25 ベアリング 26 ドラムモータ 26a ロータ 26b ステータ 27 回転トランス 28 回転トランス 29 貫通孔 30 貫通孔 31 タップ孔 32 貫通孔 33 貫通孔 34 貫通孔 35 タップ孔 36 コイルスプリング 37 コイルスプリング 38 板バネ 39 ギア付きスクリュー 40 ギア付きスクリュー 41 モータ 42 孔 43 孔 44 面 45 面 46 駆動手段 47 駆動手段 48 付勢手段 49 位置決めピン 50 位置決めピン 51 タップ孔 52 貫通孔 53 貫通孔 54 貫通孔 55 貫通孔 56 貫通孔 57 貫通孔 58 タップ孔 59 スプリングホルダ 60 コイルスプリング 61 コイルスプリング 62 コイルスプリング 63 コイルスプリング 64 ギア付きスクリュー 65 ギア付きスクリュー 66 アイドラ 67 アイドラ 68 アイドラ 69 アイドラ 70 アイドラ 71 中間部材 72 タップ孔 73 タップ孔 74 貫通孔 75 貫通孔 76 貫通孔 77 矩形開口 PT1 支点 PT2 支点 PL1 支点 PL1a 上部突起 PL1b カラー PL1c 下部突起 PL2 支点 PL2a 上部突起 PL2b カラー PL2c 下部突起 T 磁気テープ Ta 上端縁 Tb 下端縁 Ha 磁気ヘッド Hb 磁気ヘッド L リード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 15/60 - 15/61 G11B 5/52 G11B 5/56 G11B 5/588 G11B 5/027 501

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気ヘッドを搭載してドラム軸の周りに回
    転する上ドラムと下ドラムとからなるテープガイドドラ
    ムと、 該テープガイドドラムの周面に摺接して走行すべき磁気
    テープの下端縁を案内するリードと、 該テープガイドドラム及び該リードを支持するドラムベ
    ースとを少なくも具備し、 予め定められた標準速度で走行する該磁気テープの該下
    端縁に対し予め定められた角度の傾斜トラックを形成し
    て記録及び/又は再生を行う第1のモードと該予め定め
    られた標準速度と異なる速度で走行する該磁気テープの
    該下端縁に対し該予め定められた角度の傾斜トラックを
    形成して記録及び/又は再生を行う第2のモードとを有
    する磁気記録再生装置において、 該磁気ヘッドの回転軌跡面が該予め定められた角度の傾
    斜トラックと一致するように該第2のモードにおける該
    磁気テープの走行速度に応じて該リードに対する該磁気
    ヘッドの該回転軌跡面の傾斜角を該リードと該磁気ヘッ
    ドの回転軌跡面との間に設けた複数の固定支点の周りに
    変更せしめる回転軌跡面傾斜手段と、 該リードが該磁気テープの該下端縁に一致した状態とな
    るように該第2のモードにおける該リードを該ドラムベ
    ースに対して該リードと該ドラムベースとの間に設けた
    複数の固定支点の周りに傾斜させるリード傾斜手段と、 該第1のモードにおける該リードに対する該磁気ヘッド
    の該回転軌跡面の傾斜角度を予め定められた基準角度に
    該リードと該磁気ヘッドの回転軌跡面との間に設けた該
    複数の固定支点で保持する第1の基準姿勢保持手段と、 該第1のモードにおける該ドラムベースと該リードとの
    相対傾斜角度を予め定められた基準角度に該リードと該
    ドラムベースとの間に設けた該複数の固定支点で保持す
    る第2の基準姿勢保持手段とを設けたことを特徴とする
    磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】該下ドラムは磁気テープ摺接面と該磁気テ
    ープ摺接面の下部に形成した該磁気テープ摺接面より小
    径である小径部とからなる円環状部と底面部とで大略構
    成し、 該下ドラムの該磁気テープ摺接面より大径である円環状
    部と底面部とから大略構成され該円環状部が該下ドラム
    の該小径部に遊嵌して該円環状部の縁部が該リードとし
    て機能する該テープガイドドラムとは別体のリードリン
    グとを設け、 該上ドラムと該下ドラムとを該ドラム軸で同軸に支持す
    るとともに、該リードリングの該底面部の中心部が該ド
    ラム軸に同軸状に嵌合され回動支持されたことを特徴と
    する請求項1記載の磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】該回転軌跡面傾斜手段は、該リードリング
    又は該下ドラムの一方に設けられて該リードリングと該
    下ドラムとの間に所定間隔を形成するとともに該リード
    リングに対する該下ドラムの回動軸を構成する第1、第
    2の二つの凸状支点と、 該下ドラムの回動軸の周りに該下ドラムを回動付勢する
    第1の付勢手段と、 該第1の付勢手段の回動付勢力に抗して該下ドラムを該
    下ドラムの回動軸の周りに回動せしめる第1の駆動手段
    とからなり、 該リード傾斜手段は、該ドラムベース又は該リードリン
    グの一方に設けられて該ドラムベースと該リードリング
    との間に所定間隔を形成するとともに該ドラムベースに
    対する該リードリングの回動軸を構成する第3、第4の
    二つの凸状支点と、 該リードリングの回動軸の周りに該リードリングを回動
    付勢する第2の付勢手段と、 該第2の付勢手段の回動付勢力に抗して該リードリング
    を該リードリングの回動軸の周りに回動せしめる第2の
    駆動手段とからなり、 該第1の基準姿勢保持手段は、該第1、第2の二つの凸
    状支点と、 該第1の凸状支点と該第2の凸状支点を結ぶ直線外にお
    いて該リードリング又は該下ドラムの一方に設けられて
    該リードリングと該下ドラムとの間に該所定間隔を形成
    する第1のスペーサと、 該テープガイドドラムをドラムベースの方向に付勢する
    第3の付勢手段とからなり、 該第2の基準姿勢保持手段は、該第3、第4の二つの凸
    状支点と、 該第3の凸状支点と該第4の凸状支点を結ぶ直線外にお
    いて該ドラムベース又は該リードリングの一方に設けら
    れて該ドラムベースと該リードリングとの間に該所定間
    隔を形成する第2のスペーサと、 該テープガイドドラムをドラムベースの方向に付勢する
    該第3の付勢手段とからなることを特徴とする請求項2
    記載の磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】該第1の駆動手段は該リードリングの該底
    面部に形成された第1のタップ孔に螺合してその先端が
    該下ドラムの該底面部を押圧可能な第1のスクリューで
    構成し、 該第2の駆動手段は該ドラムベースに形成された第2の
    タップ孔に螺合してその先端が該リードリングの該底面
    部を押圧可能な第2のスクリューで構成したことを特徴
    とする請求項3記載の磁気記録再生装置。
  5. 【請求項5】該回転軌跡面傾斜手段は、該リードリング
    又は該下ドラムの一方に設けられて該リードリングと該
    下ドラムとの間に所定間隔を形成するとともに該リード
    リングに対する該下ドラムの第1の回動軸と第2の回動
    軸とを構成する第1、第2、第3の三つの凸状支点と、 該リードリングを該下ドラムの方向に付勢する第1の付
    勢手段と、 該第1の付勢手段の付勢力に抗して該第1の凸状支点と
    該第2の凸状支点とを結ぶ該下ドラムの該第1の回動軸
    の周りに該下ドラムを回動せしめる第1の駆動手段と、 該第1の付勢手段の付勢力に抗して該第1の凸状支点と
    該第3の凸状支点とを結ぶ該下ドラムの該第2の回動軸
    の周りに該下ドラムを回動せしめる第2の駆動手段とか
    らなり、 該リード傾斜手段は、該ドラムベースに設けられて該リ
    ードリングの該底面部を貫通して該ドラムベースと該下
    ドラムとの間に所定間隔を形成するとともに該ドラムベ
    ースに対する該下ドラムの第3の回動軸と第4の回動軸
    を構成する第4、第5、第6の三つの凸状支点と、 該テープガイドドラムを該ドラムベースの方向に付勢す
    る第2の付勢手段と、 該第2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支点と
    該第5の凸状支点とを結ぶ該下ドラムの該第3の回動軸
    の周りに該下ドラムを回動せしめる第3の駆動手段と、 該第2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支点と
    該第6の凸状支点とを結ぶ該下ドラムの該第4の回動軸
    の周りに該下ドラムを回動せしめる第4の駆動手段とか
    らなり、 該第1の基準姿勢保持手段は、該第1、第2、第3の三
    つの凸状支点と、該第1の付勢手段とからなり、 該第2の基準姿勢保持手段は、該第4、第5、第6の三
    つの凸状支点と、該第2の付勢手段とからなることを特
    徴とする請求項2記載の磁気記録再生装置。
  6. 【請求項6】該第1の駆動手段及び該第2の駆動手段は
    該リードリングの該底面部に形成された第1のタップ孔
    及び第2のタップ孔に螺合してそれぞれの先端が該下ド
    ラムの該底面部を押圧可能な第1のスクリュー及び第2
    のスクリューで構成し、 該第3の駆動手段及び該第4の駆動手段は該ドラムベー
    スに形成された第3のタップ孔及び第4のタップ孔に螺
    合してそれぞれの先端が該リードリングの該底面部を押
    圧可能な第3のスクリュー及び第4のスクリューで構成
    したことを特徴とする請求項5記載の磁気記録再生装
    置。
  7. 【請求項7】該第1の駆動手段及び該第2の駆動手段は
    該リードリングの該底面部に形成された第1のタップ孔
    及び第2のタップ孔に螺合してそれぞれの先端が該下ド
    ラムの該底面部を押圧可能な第1のスクリュー及び第2
    のスクリューで構成し、 該第3の駆動手段及び該第4の駆動手段は該ドラムベー
    スに形成された第3のタップ孔及び第4のタップ孔に螺
    合してそれぞれの先端が該リードリングの該底面部を貫
    通して該下ドラムの該底面部を押圧可能な第3のスクリ
    ュー及び第4のスクリューで構成したことを特徴とする
    請求項5記載の磁気記録再生装置。
  8. 【請求項8】該第1の駆動手段及び該第2の駆動手段は
    該ドラムベースに形成された第1のタップ孔及び第2の
    タップ孔に螺合してそれぞれの先端が該リードリングの
    該底面部を貫通して該下ドラムの該底面部を押圧可能な
    第1のスクリュー及び第2のスクリューで構成し、 該第3の駆動手段及び該第4の駆動手段は該ドラムベー
    スに形成された第3のタップ孔及び第4のタップ孔に螺
    合してそれぞれの先端が該リードリングの該底面部を係
    止して牽引する第3のスクリュー及び第4のスクリュー
    で構成したことを特徴とする請求項5記載の磁気記録再
    生装置。
  9. 【請求項9】該下ドラムの磁気テープ摺接面の下部に形
    成されて該リードとして機能する該磁気テープ摺接面よ
    り大径の縁部と、 該ドラム軸によって該上ドラムと同軸に支持されて該下
    ドラムの内径に遊嵌する中間部材と、 該下ドラムの中心部が該ドラム軸に同軸状に嵌合され回
    動支持されたことを特徴とする請求項1記載の磁気記録
    再生装置。
  10. 【請求項10】該回転軌跡面傾斜手段は、該下ドラム又
    は該中間部材の一方に設けられて該下ドラムと該中間部
    材との間に所定間隔を形成するとともに該下ドラムに対
    する該中間部材の第1の回動軸と第2の回動軸とを構成
    する第1、第2、第3の三つの凸状支点と、 該下ドラムを該中間部材の方向に付勢する第1の付勢手
    段と、 該第1の付勢手段の付勢力に抗して該第1の凸状支点と
    該第2の凸状支点とを結ぶ該中間部材の該第1の回動軸
    の周りに該中間部材を回動せしめる第1の駆動手段と、 該第1の付勢手段の付勢力に抗して該第1の凸状支点と
    該第3の凸状支点とを結ぶ該中間部材の該第2の回動軸
    の周りに該中間部材を回動せしめる第2の駆動手段とか
    らなり、 該リード傾斜手段は、該ドラムベースに設けられて該下
    ドラムの該底面部を貫通して該ドラムベースと該中間部
    材との間に所定間隔を形成するとともに該ドラムベース
    に対する該中間部材の第3の回動軸と第4の回動軸を構
    成する第4、第5、第6の三つの凸状支点と、 該テープガイドドラムを該ドラムベースの方向に付勢す
    る第2の付勢手段と、 該第2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支点と
    該第5の凸状支点とを結ぶ該中間部材の該第3の回動軸
    の周りに該中間部材を回動せしめる第3の駆動手段と、 該第2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支点と
    該第6の凸状支点とを結ぶ該中間部材の該第4の回動軸
    の周りに該中間部材を回動せしめる第4の駆動手段とか
    らなり、 該第1の基準姿勢保持手段は、該第1、第2、第3の三
    つの凸状支点と、該第1の付勢手段とからなり、 該第2の基準姿勢保持手段は、該第4、第5、第6の三
    つの凸状支点と、該第2の付勢手段とからなることを特
    徴とする請求項9記載の磁気記録再生装置。
  11. 【請求項11】該第1の駆動手段及び該第2の駆動手段
    は該下ドラムの該底面部に形成された第1のタップ孔及
    び第2のタップ孔に螺合してそれぞれの先端が該中間部
    材を押圧可能な第1のスクリュー及び第2のスクリュー
    で構成し、 該第3の駆動手段及び該第4の駆動手段は該ドラムベー
    スに形成された第3のタップ孔及び第4のタップ孔に螺
    合してそれぞれの先端が該下ドラムの該底面部を押圧可
    能な第3のスクリュー及び第4のスクリューで構成した
    ことを特徴とする請求項10記載の磁気記録再生装置。
  12. 【請求項12】予め定められた標準速度で走行する磁気
    テープの下端縁に対し予め定められた角度の傾斜トラッ
    クを形成して記録及び/又は再生を行う第1のモードと
    該予め定められた標準速度と異なる速度で走行する該磁
    気テープの該下端縁に対し該予め定められた角度の傾斜
    トラックを形成して記録及び/又は再生を行う第2のモ
    ードとを有する磁気記録再生装置において、 磁気ヘッドを搭載してドラム軸の周りに回転する上ドラ
    ムと、 磁気テープ摺接面と該磁気テープ摺接面の下部に形成し
    た該磁気テープ摺接面より小径である小径部とからなる
    円環状部と底面部とで大略構成され該ドラム軸を介して
    該上ドラムと同軸に支持された下ドラムと、 該下ドラムの該磁気テープ摺接面より大径である円環状
    部と底面部とから大略構成され該円環状部が該下ドラム
    の該小径部に遊嵌して該円環状部の縁部が該磁気テープ
    の該下端縁を案内するリードとして機能する該下ドラム
    とは別体のリードリングと、 該下ドラムを支持するドラムベースと、 該磁気ヘッドの回転軌跡面が該予め定められた角度の傾
    斜トラックと一致するように該第2のモードにおける該
    磁気テープの走行速度に応じて該リードに対する該磁気
    ヘッドの該回転軌跡面を傾斜せしめる回転軌跡面傾斜手
    段と、 該リードが該磁気テープの該下端縁に一致した状態とな
    るように該第2のモードにおける該リードを該ドラムベ
    ースに対して傾斜させるリード傾斜手段とを設け、 該回転軌跡面傾斜手段は、 該リードリング又は該下ドラムの一方に設けられて該リ
    ードリングと該下ドラムとの間に所定間隔を形成すると
    ともに該リードリングに対する該下ドラムの回動軸を構
    成する少なくも二つの凸状支点と、 該リードリングを該下ドラムの方向に付勢する第1の付
    勢手段と、 該第1の付勢手段の付勢力に抗して該二つの凸状支点を
    結ぶ該下ドラムの該回動軸の周りに該下ドラムを回動せ
    しめる第1の駆動手段とから構成し、 該リード傾斜手段は、 該ドラムベースに設けられて該リードリングの該底面部
    を貫通して該ドラムベースと該下ドラムとの間に所定間
    隔を形成するとともに該ドラムベースに対する該下ドラ
    ムの回動軸を構成する少なくも二つの凸状支点と、 該下ドラムと該上ドラムとを該ドラムベースの方向に付
    勢する第2の付勢手段と、 該第2の付勢手段の付勢力に抗して該二つの凸状支点を
    結ぶ該下ドラムの該回動軸の周りに該下ドラムを回動せ
    しめる第2の駆動手段とから構成したことを特徴とする
    磁気記録再生装置。
  13. 【請求項13】予め定められた標準速度で走行する磁気
    テープの下端縁に対し予め定められた角度の傾斜トラッ
    クを形成して記録及び/又は再生を行う第1のモードと
    該予め定められた標準速度と異なる速度で走行する該磁
    気テープの該下端縁に対し該予め定められた角度の傾斜
    トラックを形成して記録及び/又は再生を行う第2のモ
    ードとを有する磁気記録再生装置において、 磁気ヘッドを搭載してドラム軸の周りに回転する上ドラ
    ムと、 磁気テープ摺接面と該磁気テープ摺接面の下部に形成し
    た該磁気テープ摺接面より小径である小径部とからなる
    円環状部と底面部とで大略構成され該ドラム軸を介して
    該上ドラムと同軸に支持された下ドラムと、 該下ドラムの該磁気テープ摺接面より大径である円環状
    部と底面部とから大略構成され該円環状部が該下ドラム
    の該小径部に遊嵌して該円環状部の縁部が該磁気テープ
    の該下端縁を案内するリードとして機能する該下ドラム
    とは別体のリードリングと、 該下ドラムを支持するドラムベースと、 該磁気ヘッドの回転軌跡面が該予め定められた角度の傾
    斜トラックと一致するように該第2のモードにおける該
    磁気テープの走行速度に応じて該リードに対する該磁気
    ヘッドの該回転軌跡面を傾斜せしめる回転軌跡面傾斜手
    段と、 該リードが該磁気テープの該下端縁に一致した状態とな
    るように該第2のモードにおける該リードを該ドラムベ
    ースに対して傾斜させるリード傾斜手段とを設け、 該回転軌跡面傾斜手段は、 該リードリング又は該下ドラムの一方に設けられて該リ
    ードリングと該下ドラムとの間に所定間隔を形成すると
    ともに該リードリングに対する該下ドラムの第1の回動
    軸と第2の回動軸とを構成する第1、第2、第3の三つ
    の凸状支点と、 該リードリングを該下ドラムの方向に付勢する第1の付
    勢手段と、 該第1の付勢手段の付勢力に抗して該第1の凸状支点と
    該第2の凸状支点とを結ぶ該下ドラムの該第1の回動軸
    の周りに該下ドラムを回動せしめる第1の駆動手段と、 該第1の付勢手段の付勢力に抗して該第1の凸状支点と
    該第3の凸状支点とを結ぶ該下ドラムの該第2の回動軸
    の周りに該下ドラムを回動せしめる第2の駆動手段とか
    ら構成し、 該リード傾斜手段は、 該ドラムベースに設けられて該リードリングの該底面部
    を貫通して該ドラムベースと該下ドラムとの間に所定間
    隔を形成するとともに該ドラムベースに対する該下ドラ
    ムの第3の回動軸と第4の回動軸を構成する第4、第
    5、第6の三つの凸状支点と、 該下ドラムと該上ドラムとを該ドラムベースの方向に付
    勢する第2の付勢手段と、 該第2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支点と
    該第5の凸状支点とを結ぶ該下ドラムの該第3の回動軸
    の周りに該下ドラムを回動せしめる第3の駆動手段と、 該第2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支点と
    該第6の凸状支点とを結ぶ該下ドラムの該第4の回動軸
    の周りに該下ドラムを回動せしめる第4の駆動手段とか
    ら構成したことを特徴とする磁気記録再生装置。
  14. 【請求項14】予め定められた標準速度で走行する磁気
    テープの下端縁に対し予め定められた角度の傾斜トラッ
    クを形成して記録及び/又は再生を行う第1のモードと
    該予め定められた標準速度と異なる速度で走行する該磁
    気テープの該下端縁に対し該予め定められた角度の傾斜
    トラックを形成して記録及び/又は再生を行う第2のモ
    ードとを有する磁気記録再生装置において、 磁気ヘッドを搭載してドラム軸の周りに回転する上ドラ
    ムと、 磁気テープ摺接面と該磁気テープ摺接面の下部に形成し
    た該磁気テープの該下端縁を案内するリードとからなる
    円環状部と底面部とで大略構成された下ドラムと、 該ドラム軸によって該上ドラムと同軸に支持されて該下
    ドラムの内径に遊嵌する中間部材と、 該中間部材を支持するドラムベースと、 該磁気ヘッドの回転軌跡面が該予め定められた角度の傾
    斜トラックと一致するように該第2のモードにおける該
    磁気テープの走行速度に応じて該リードに対する該磁気
    ヘッドの該回転軌跡面を傾斜せしめる回転軌跡面傾斜手
    段と、 該リードが該磁気テープの該下端縁に一致した状態とな
    るように該第2のモードにおける該リードを該ドラムベ
    ースに対して傾斜させるリード傾斜手段とを設け、 該回転軌跡面傾斜手段は、 該下ドラム又は該中間部材の一方に設けられて該下ドラ
    ムと該中間部材との間に所定間隔を形成するとともに該
    下ドラムに対する該中間部材の回動軸を構成する少なく
    も二つの凸状支点と、 該下ドラムを該中間部材の方向に付勢する第1の付勢手
    段と、 該第1の付勢手段の付勢力に抗して該二つの凸状支点と
    を結ぶ該中間部材の該回動軸の周りに該中間部材を回動
    せしめる第1の駆動手段とから構成し、 リード傾斜手段は、 該ドラムベースに設けられて該下ドラムの該底面部を貫
    通して該ドラムベースと該中間部材との間に所定間隔を
    形成するとともに該ドラムベースに対する該中間部材の
    回動軸を構成する少なくも二つの凸状支点と、 該中間部材と該上ドラムとを該ドラムベースの方向に付
    勢する第2の付勢手段と、 該第2の付勢手段の付勢力に抗して該二つの凸状支点を
    結ぶ該中間部材の該回動軸の周りに該中間部材を回動せ
    しめる第2の駆動手段とから構成したことを特徴とする
    磁気記録再生装置。
  15. 【請求項15】予め定められた標準速度で走行する磁気
    テープの下端縁に対し予め定められた角度の傾斜トラッ
    クを形成して記録及び/又は再生を行う第1のモードと
    該予め定められた標準速度と異なる速度で走行する該磁
    気テープの該下端縁に対し該予め定められた角度の傾斜
    トラックを形成して記録及び/又は再生を行う第2のモ
    ードとを有する磁気記録再生装置において、 磁気ヘッドを搭載してドラム軸の周りに回転する上ドラ
    ムと、 磁気テープ摺接面と該磁気テープ摺接面の下部に形成し
    た該磁気テープの該下端縁を案内するリードとからなる
    円環状部と底面部とで大略構成された下ドラムと、 該ドラム軸によって該上ドラムと同軸に支持されて該下
    ドラムの内径に遊嵌する中間部材と、 該中間部材を支持するドラムベースと、 該磁気ヘッドの回転軌跡面が該予め定められた角度の傾
    斜トラックと一致するように該第2のモードにおける該
    磁気テープの走行速度に応じて該リードに対する該磁気
    ヘッドの該回転軌跡面を傾斜せしめる回転軌跡面傾斜手
    段と、 該リードが該磁気テープの該下端縁に一致した状態とな
    るように該第2のモードにおける該リードを該ドラムベ
    ースに対して傾斜させるリード傾斜手段とを設け、 該回転軌跡面傾斜手段は、 該下ドラム又は該中間部材の一方に設けられて該下ドラ
    ムと該中間部材との間に所定間隔を形成するとともに該
    下ドラムに対する該中間部材の第1の回動軸と第2の回
    動軸とを構成する第1、第2、第3の三つの凸状支点
    と、 該下ドラムを該中間部材の方向に付勢する第1の付勢手
    段と、 該第1の付勢手段の付勢力に抗して該第1の凸状支点と
    該第2の凸状支点とを結ぶ該中間部材の該第1の回動軸
    の周りに該中間部材を回動せしめる第1の駆動手段と、 該第1の付勢手段の付勢力に抗して該第1の凸状支点と
    該第3の凸状支点とを結ぶ該中間部材の該第2の回動軸
    の周りに該中間部材を回動せしめる第2の駆動手段とか
    ら構成し、 該リード傾斜手段は、 該ドラムベースに設けられて該下ドラムの該底面部を貫
    通して該ドラムベースと該中間部材との間に所定間隔を
    形成するとともに該ドラムベースに対する該中間部材の
    第3の回動軸と第4の回動軸を構成する第4、第5、第
    6の三つの凸状支点と、 該中間部材と該上ドラムとを該ドラムベースの方向に付
    勢する第2の付勢手段と、 該第2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支点と
    該第5の凸状支点とを結ぶ該中間部材の該第3の回動軸
    の周りに該中間部材を回動せしめる第3の駆動手段と、 該第2の付勢手段の付勢力に抗して該第4の凸状支点と
    該第6の凸状支点とを結ぶ該中間部材の該第4の回動軸
    の周りに該中間部材を回動せしめる第4の駆動手段とか
    ら構成したことを特徴とする磁気記録再生装置。
  16. 【請求項16】該ドラム軸に直交し該下ドラムに対する
    該磁気テープの巻き付け範囲の中央を通る直線に対し、
    該第2、第3の凸状支点を該第5、第6の凸状支点より
    外側に配置したことを特徴とする請求項13又は請求項
    15記載の磁気記録再生装置。
  17. 【請求項17】該第1、第2の基準姿勢保持手段の夫々
    は、該テープガイドドラムへのテープ巻き付けの入り口
    側と出口側で逆方向に駆動(変位)されるように該テー
    プガイドドラムへのテープ巻き付けの中央部とドラム軸
    とを結ぶ直線の左右位置に夫々第1、第2の駆動手段が
    設けられており、該第1、第2の駆動手段が夫々非作用
    状態とされた時、該第1、第2の基準姿勢保持手段が構
    成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    磁気記録再生装置。
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