JPH1139751A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊再生動作時に磁気テープに損傷を与えな
いような磁気記録再生装置を提供する。 【解決手段】 磁気テープの記録跡に回転磁気ヘッドの
回転軌跡面が一致する状態になると予定された角度だけ
前記した上，下ドラムと回転磁気ヘッドとの中心軸を傾
斜させることができ、また上，下ドラムとは別体構成の
リードリングＬｒを下ドラムの下部の小径部の外周面に
接近して配置してあり、リードリングの上端部に設けた
磁気テープの基準縁の位置規制面Ｇを、磁気テープの基
準縁位置に一致するようにリードリングを傾斜させるこ
とができる磁気記録再生装置において、リードリングＬ
ｒの回動支点28',38'を、リードリングの位置規制面領
域Ｇ外の逃げの部分と対応する位置に配設する。それに
より特殊再生動作を行なう場合に、リードリングにおけ
る磁気テープの位置規制面Ｇの端部59が、磁気テープの
基準縁に大きな圧力を及ぼさなくなり、磁気テープにわ
かめ状の歪を発生させることがなく、高品質な高速再生
画像を容易に再生できる磁気記録再生装置を提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はドラムの周面の一部
に摺接して走行する磁気テープの走行速度の変化に応じ
て回転磁気ヘッドの回転軌跡面の空間位置を変化させる
ことにより回転磁気ヘッドが記録跡を良好に追跡できる
ようにした磁気記録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
周面の一部へ巻回された状態の磁気テープを所定の走行
速度で走行させて、回転磁気ヘッドを用いて記録再生動
作を行なうようにしている所謂ヘリカル・スキャン型の
磁気記録再生装置の代表例としては、ビデオ・テープ・レ
コーダ(ＶＴＲ)［またはビデオ・カセット・レコーダ(Ｖ
ＣＲ)］を挙げることができる。そして、前記のＶＴ
Ｒ，ＶＣＲの使用に当っては、記録時と同一の磁気テー
プ走行速度で記録情報の再生動作を行なう通常再生（ノ
ーマル再生）の他に、記録時の磁気テープの走行速度や
走行方向とは異なる走行速度や走行方向で磁気テープを
走行（停止も含む）させて再生動作を行なうトリックプ
レイも広く行なわれている。

【０００３】ところが、前記したようなヘリカル・スキ
ャン型の磁気記録再生装置の回転磁気ヘッドの回転軌跡
に従って磁気テープに形成される記録跡のパターンは、
ドラムの直径、回転磁気ヘッドの回転数、回転磁気ヘッ
ドの回転方向、磁気テープの走行速度、磁気テープの走
行方向、トラック角度、ヘッドトラック幅、磁気テープ
の記録領域幅等の諸条件によって定まるから、磁気記録
再生装置の動作モード（ノーマル再生モード…ＳＰモー
ド、各種のトリックプレー動作モード）の変更により、
例えば、磁気テープの走行方向や走行速度等の条件が変
化した場合には、回転磁気ヘッドによって磁気テープに
描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡のパターンが変化す
ることになる。

【０００４】例えば、ＶＨＳ(登録商標)方式における磁
気記録再生装置がＳＰモードの場合には、直径が６２ｍ
ｍの回転ドラムに取付けられた回転磁気ヘッドが毎分１
８００回転しており、ドラムの外周の一部に巻回されて
いる磁気テープが、毎秒３３.３５ｍｍの送り速度で順
方向に移送される状態として記録再生動作が行なわれる
が、この状態で回転磁気ヘッドによって走行時の磁気テ
ープに描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡は、磁気テー
プの基準縁に対して５°５８’９.９”の角度となる。

【０００５】また例えば、ＶＨＳ(登録商標)方式におけ
る磁気記録再生装置において、直径が６２ｍｍの回転ド
ラムに取付けられた回転磁気ヘッドを毎分１８００回転
させておき、ドラムの外周の一部に巻回されている磁気
テープを、毎秒６６.７ｍｍの送り速度で順方向に移送
される状態として記録再生動作（順方向での２倍速再
生）をした場合に、回転磁気ヘッドによって走行時の磁
気テープに描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡は、磁気
テープの基準縁に対して６°２’１９.２”の角度とな
る。

【０００６】したがって、通常記録再生時（ノーマル記
録再生時）に、回転磁気ヘッドによって磁気テープ上に
描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡と、トリックプレイ
時に回転磁気ヘッドによって磁気テープ上に描かれる回
転磁気ヘッドの回転軌跡とは交叉した状態になり、トリ
ックプレイ時に再生される再生信号の周波数被変調波信
号の信号レベルは、回転磁気ヘッドが記録跡を横切る度
毎に大きく変化しているものになる。

【０００７】それで、１垂直走査期間における再生信号
の周波数被変調波信号のエンベロープをみると、１垂直
走査期間中に大きな起伏が生じているものになるから、
トリックプレイ時における再生画像としては、画像中に
ノイズバーが生じている品質の悪い再生画像しか得られ
ない。特に、民生用デジタルＶＴＲでは、高能率符号化
方式によって映像信号のデータ量を圧縮して記録してい
るために、早送り再生時や巻戻し再生時等のように回転
磁気ヘッドが磁気テープの記録跡を横切って再生動作を
行なった場合に、モザイク状に並べられているデータの
ブロックの配列状態の如何によっては全く画像が再生で
きないことも起こる。

【０００８】前述の問題点を解決するのには、回転磁気
ヘッドの回転軌跡と磁気テープの記録跡とを一致させれ
ばよいのであり、従来から開ループ制御回路または閉
ループ制御回路におけるアクチュエータとして使用され
る電気ー機械変換素子に回転磁気ヘッドを取付けてお
き、電気ー機械変換素子によって回転磁気ヘッドを変位
させて、回転磁気ヘッドを磁気テープの記録跡に追跡さ
せるようにする。例えば実公昭６３ー３４１２６号公
報、実開昭６１ー１５８６３３号公報等に開示されてい
るように、回転磁気ヘッドを取付けた回転ドラムと下ド
ラムとを一体的に傾斜させて、回転磁気ヘッドが磁気テ
ープの記録跡を追跡できるようにする。

【０００９】例えば特公昭６１ー２２３７８号公報に
開示されているように、ドラムに対する磁気テープの進
入側とドラムからの磁気テープの離脱側とに設けられて
いる磁気テープの幅方向の高さを制限するためのガイド
の高さを変化させて、回転磁気ヘッドが磁気テープの記
録跡を追跡できるようにするとともに、下ドラムに設け
てあるリードガイドにおけるドラムに対する磁気テープ
の進入側とドラムからの磁気テープの離脱側との部分
に、高速再生時における磁気テープの基準縁に対する案
内面を設けたり、する等の各種の解決手段が提案されて
来ている。

【００１０】ところが、前記したのようにアクチュエ
ータとして使用される電気ー機械変換素子を用いて回転
磁気ヘッドの回転軌跡を制御させるようにしたＶＴＲで
は、回転磁気ヘッドの回転軌跡を制御するための電気ー
機械変換素子を、回転ドラム内の狭い空間内に設けなけ
ればならないので、使用する電気ー機械変換素子として
は小さな形状寸法のものが必要とされるが、小さな形状
寸法の電気ー機械変換素子は回転磁気ヘッドに大きな変
位を与えることが困難である。また、電気ー機械変換素
子によって変位される回転磁気ヘッドが変位によっても
磁気テープに対するヘッドタッチの状態が不良にならな
いような構成のものでなければならないが、良好な動作
特性を示す小型なアクチュエータを用いて良好な記録再
生動作を行なうＶＴＲを構成させることは困難である
他、高密度記録が行なわれている磁気記録媒体における
記録跡幅の小さな記録跡に対して高精度で回転磁気ヘッ
ドを追跡させることが困難である等の問題がある。

【００１１】また前記したにおける回転ドラムと下ド
ラムとを一体的に傾斜させて回転磁気ヘッドが磁気テー
プの記録跡を追跡できるようにした磁気記録再生装置の
内で、実公昭６３ー３４１２６号公報に開示されている
磁気記録再生装置では、磁気テープの基準縁の案内部
が、磁気テープの基準縁に対して、いわば点接触に近い
ような状態で接触しているだけであるために、磁気テー
プの基準縁の位置が大巾にゆれている状態になってい
る。それで、磁気テープが低記録密度で記録されている
場合、すなわち記録跡幅が大きな記録跡の場合には、ノ
ーマル再生が辛うじて良好に行なえるとしても、トリッ
クプレイ時には磁気テープの基準縁の位置が案内部によ
って正しく案内されていない状態で磁気テープが走行し
ている状態となるために、早送り再生時と巻戻し再生時
との何れの場合にも、ノイズバーの除去を良好に行なう
ことができないということが問題になる。

【００１２】さらに、前記したにおける回転ドラムと
下ドラムとを一体的に傾斜させて回転磁気ヘッドが磁気
テープの記録跡を追跡できるようにした磁気記録再生装
置の内で、実開昭６１ー１５８６３３号公報に開示され
ている磁気記録再生装置では、下ドラムと別体に構成さ
れている磁気テープの基準縁における所定の長さの部分
を案内できる部材（案内部）を装置の固定部に固着させ
てあるから、前記した実公昭６３ー３４１２６号公報に
開示されている磁気記録再生装置で生じていた磁気テー
プの基準縁の位置の変動は、少なくともノーマル再生動
作時には生じないようにできる。

【００１３】しかし、早送り再生動作または巻戻し再生
動作等を行なうために磁気ヘッドを取付けた回転ドラム
と下ドラムとを一体的に傾斜させた場合には、磁気テー
プとの摺接面を有する上，下ドラムにおける摺接面に摺
接している状態で走行している磁気テープが、上,下ド
ラムの摺接面に摺接している状態のままで上，下ドラム
とともに傾斜する傾向を持っていることから、前記した
上，下のドラムの傾斜に伴い、磁気テープの基準縁を案
内するための部材（案内部）から磁気テープの基準縁が
離れる方向に変位することが起こる。それで早送り再生
動作または巻戻し再生動作等を行なうために、磁気ヘッ
ドを取付けた回転ドラムと下ドラムとを一体的に傾斜さ
せた場合には、前記した上，下のドラムの傾斜に伴っ
て、磁気テープの基準縁が前記した磁気テープの基準縁
を案内するための部材（案内部）によって案内されてい
ない状態の部分が生じ、その部分における磁気テープの
基準縁の位置が変動してノイズバーを発生させることが
ある。

【００１４】また、として示した特公昭６１ー２２３
７８号公報に記載の高速再生装置でも、ドラムに対する
磁気テープの進入側とドラムからの磁気テープの離脱側
とに設けられている磁気テープの幅方向の高さを制限す
るためのガイドの高さを変化させて、回転磁気ヘッドで
磁気テープの記録跡を追跡させたときの磁気テープの基
準縁は、下ドラムに設けてあるリードガイドの端部に特
設した極く一部だけで案内される状態となるために、磁
気テープの安定な走行状態は得られず、磁気テープの基
準縁の位置が変動してノイズバーを発生させることがあ
る。殊に、近年になって、磁気テープの小型化長時間化
のために、記録跡幅（トラック幅）を狭くするととも
に、ベース部材として剛性の低い薄手の材料が使用され
るようになって来ているので、前記ので開示されてい
るような構成態様の高速再生装置によっては、ノイズレ
スの状態での高速再生画像を得ることはできない。

【００１５】前記の問題点を解決する手段として、本出
願人会社では先に上，下ドラムの周面の一部へ巻回され
る磁気テープに対する摺接面を備えている上ドラムと、
回転磁気ヘッドと、上ドラムにおける磁気テープの摺接
面の延長面上に位置する磁気テープの摺接面を備えてい
るとともに、上ドラムと同軸的に設けられている下ドラ
ムと、磁気テープに形成されている記録跡に対して回転
磁気ヘッドの回転軌跡面が一致する状態になると予定さ
れた角度だけ前記した上，下ドラムと回転磁気ヘッドと
の中心軸を傾斜させる第１の傾斜駆動手段と、前記した
上，下ドラムとは別体構成で、かつ、前記した下ドラム
の下部に構成させた小径部の外周面に接近した状態に配
置させた、磁気テープの基準縁の案内部（位置規制面）
を備えている磁気テープの走行位置規制用案内部材と、
前記の磁気テープの位置規制面が磁気テープの基準縁位
置に一致するように磁気テープの走行位置規制用案内部
材を傾斜させる第２の傾斜駆動手段とを備えてなる磁気
記録再生装置を提案し、それの実施により良好な成果を
挙げ得ている。

【００１６】図４及び図５は前記した本出願人会社によ
る既提案の磁気記録再生装置の概略構成を示す図であっ
て、図４は上ドラムＤｕと、前記の上ドラムＤｕと対を
なして設けられる下ドラムＤｄ（図５を参照のこと）
と、磁気テープＴの基準縁Ｔｅの位置を規制する磁気テ
ープの走行位置規制用案内部材Ｌｒ（以下、磁気テープ
Ｔの基準縁Ｔｅの位置を規制する磁気テープの走行位置
規制用案内部材をリードリングＬｒのように記載される
こともある）とによって構成されているドラム構体ＤＡ
を備えているＶＴＲの機構部と、テープ走行系の一例の
概略構成を示している斜視図である。

【００１７】また、図５は回転磁気ヘッドＨ1，Ｈ2によ
って磁気テープＴに描かれる回転軌跡を、磁気テープＴ
の基準縁Ｔｅに対して所定の角度となるように制御でき
るようにさせる機構部分の構成例を示している。図４に
おいて１は供給リール台、２は巻取りリール台であり、
カセットケース３内に設けてある供給リール４及び巻取
りリール１９に巻回させて磁気テープＴを収納してある
カセットケース３をＶＴＲに装着すると、カセットケー
ス３内の供給リール４は機台２０に設けられている供給
リール台１と連結され、またカセットケース３内の巻取
りリール１９は機台２０に設けられている巻取りリール
台２と連結される。

【００１８】磁気テープＴがパラレルローディング方式
のローディング機構に設けられているローディングポー
ル(垂直ガイドローラ)９，１４によってカセットケース
３内から引出されると、前記の磁気テープＴはテンショ
ンポール５,ガイドポール６,全幅消去ヘッド７，インピ
ーダンスローラ８,ローディングポール(垂直ガイドロー
ラ)９，傾斜ガイド（スラントポール）１０等を経て所
定の回転数で駆動回転されている上ドラムＤｕと、静止
の状態の下ドラムＤｄの周面の一部に、磁気テープの基
準縁Ｔｅが案内されている状態で巻回された後に、傾斜
ガイド（スラントポール）１３，ローディングポール
(垂直ガイドローラ)１４，オーディオ・コントロールヘ
ッド１５，ガイドポール１６，キヤプスタン１８とピン
チローラ１７等を経て巻取りリール１９に至る磁気テー
プの走行路を走行できるように張設される。図中の２２
ｓはサプライポールベース、２２ｔはティクアップポー
ルベースである。

【００１９】前記した上ドラムＤｕに設けられている回
転磁気ヘッドが所定の回転数で駆動回転された状態で、
磁気テープＴの走行方向、及び走行速度が各種の動作モ
ードに対応して、ＶＴＲに設けられている主制御部に設
定されるのに応じて、前記の主制御部から制御情報が与
えられた傾斜制御部（図示省略）は、ドラム構体ＤＡに
おける上ドラムＤｕと下ドラムＤｄ（図５参照）とリー
ドリングＬｒとからなるドラム構体ＤＡの中心線２１
を、図５中の矢印２１ａ（または２１ｂ）の方向に所定
量だけ傾斜させるような制御動作を行ない、またリード
リングＬｒも、傾斜制御部の制御の下に所定の方向に所
定量だけ傾斜される。それにより、回転磁気ヘッドの回
転軌跡によって磁気テープＴに描かれる回転軌跡のパタ
ーンが、磁気テープの記録跡と一致する状態にされると
ともに、磁気テープの基準縁Ｔｅの移動軌跡にリードリ
ングの案内部Ｇ（位置規制面）が一致する状態にされ
る。

【００２０】前記のようにローディング機構によるロー
ディング動作が行なわれた後に、供給リール４から巻取
りリール１９までの間に設定された磁気テープの走行路
を走行する磁気テープＴは、テンションポール５→ガイ
ドポール６→全幅消去ヘッド７→インピーダンスローラ
８→ローディングポール(垂直ガイドローラ)９の区間の
走行路中では水平な状態で走行し、次いで、傾斜ガイド
(スラントポール)１０によって磁気テープＴの走行方向
が変更されることにより、前記の磁気テープＴは所定の
回転数で駆動回転されている上ドラムＤｕと下ドラムＤ
ｄとの両者に対して中心角で１８０度強の範囲にわたり
リードリングＬｒに設けられている案内部Ｇに沿うよう
な状態で巻付けられるのである。

【００２１】前記のように上ドラムＤｕ及び下ドラムＤ
ｄに対して１８０度強の範囲にわたり巻付けられた磁気
テープＴは、次いで傾斜ガイド（スラントポール）１３
によって磁気テープＴの走行方向が再び水平の状態の走
行方向に戻された後に、ローディングポール(垂直ガイ
ドローラ)１４→オーディオ・コントロールヘッド１５
→ガイドポール１６→キヤプスタン１８とピンチローラ
１７等の区間の磁気テープの走行路を走行して巻取りリ
ール１９に巻回される。図４中における矢印ａは、上ド
ラムＤｕの回転方向であり、また、矢印ｂは磁気テープ
Ｔの順方向における移送方向を示している。磁気テープ
Ｔの逆方向における移送方向は、図４中の矢印ｂの方向
とは反対の方向であることは、いうまでもない。

【００２２】なお、図４及び図５中には図面の簡略化表
示のために、上ドラムＤｕを所定の回転数で駆動回転さ
せるためのドラムモータの図示を省略してあるが、前記
のドラムモータとしては、例えば、図７，図８中に例示
してあるように前記した上ドラムＤｕにロータを固定さ
せた構成のモータを用いるようにしてもよい。前記のよ
うな構成態様のドラムモータが使用される場合には、上
ドラムＤｕをドラム構体ＤＡの中心軸に対して回転自在
にベアリング軸受けによって支持させる。

【００２３】次に、回転磁気ヘッドによって磁気テープ
Ｔに描かれる回転軌跡を、磁気テープＴの基準縁Ｔｅに
対して、任意所定の角度となるように制御できるように
するための機構部分の動作原理を示す図５について説明
する。図５においてＤＢはドラムベースであり、上ドラ
ムＤｕと下ドラムＤｄとリードリングＬｒとからなるド
ラム構体ＤＡは、前記のドラムベースＤＢによって支持
されている。上ドラムＤｕは、ドラム構体ＤＡの中心軸
（図７，図８中の４９）に装着されている図示していな
いベアリング軸受けによって、ドラム構体ＤＡの中心軸
に対して回転自在に支持されており、また下ドラムＤｄ
は前記のドラム構体ＤＡの中心軸に固着されている。ま
た磁気テープＴの基準縁Ｔｅの案内部として機能するリ
ードリングＬｒは、前記した下ドラムＤｄとは別体に構
成されていて、下ドラムＤｄの下方の外周部に近接し、
リードリングＬｒの内周に設けられたナイフエッジ２３
によって下ドラムＤｄの下方突出部と同軸嵌合してい
る。

【００２４】記録動作時における下ドラムＤｄは、それ
の底面部がドラムベースＤＢに突設してある４個の回動
支点（図中には、４個の回動支点の内の２個の回動支点
２５，２６だけが示されている。なお、図示されていな
い２個の回動支点は、図中に示されている回動支点２
５，２６の位置における紙面に垂直な線上に１個ずつ設
けられており、それは図６中に図面符号３５，３６を付
して示してある）によって支持され、また、記録動作時
におけるリードリングＬｒは、リードリングＬｒに突設
してある４個の回動支点（図中には、４個の回動支点の
内の２個の回動支点２７，２８だけが示されている。

【００２５】なお、図示されていない２個の回動支点
は、図中に示されている回動支点２７，２８の位置にお
ける紙面に垂直な線上に１個ずつ設けられており、それ
は図６中に図面符号３７，３８を付して示してあるが、
下ドラムＤｄのドラムの底面部に圧接された状態にされ
る。前記したリードリングＬｒとドラムベースＤＢとの
間及び下ドラムＤｄとドラムベースＤＢとの間には、そ
れぞればね（図６〜図８中のばね４４，４５、ばね４
６，４７）が装着されていて、前記の各部が相互に所定
の連結状態となるようにされる［具体的な構成例につい
て、記録動作が行なわれる場合における各構成部分の相
互の結合状態が図７に例示されている］。

【００２６】記録動作時における磁気テープの走行方向
と同一の走行方向で、早送り再生（ＦＦ）が行なわれる
場合には、ねじ２９が下ドラムＤｄの底面を押上げるよ
うに駆動されるとともに、ねじ３０が下ドラムＤｄの底
面から離れる方向に駆動されて、ドラムベースＤＢに突
設してある４個の回動支点の内の２個の回動支点（回動
支点２５と、図中に示されている回動支点２５の位置に
おける紙面に垂直な線上に設けられている１個の回動支
点…図６中の３５）が、下ドラムＤｄの底面と接し、前
記の２個の回動支点を回動支点として、上ドラムＤｕと
下ドラムＤｄとの中心軸が図５（及び図８）中の矢印２
１ｂの方向に回動するようにされる［具体的な構成例に
ついて、順方向での早送り再生が行なわれる場合におけ
る各構成部分の相互の結合状態が図８に例示されてい
る。図中の４９は中心軸、２１は中心線である］。

【００２７】また、記録動作時における磁気テープの走
行方向とは逆の走行方向で、早戻し再生（ＲＥＷ）が行
なわれる場合には、ねじ３０が下ドラムＤｄの底面を押
上げるように駆動されるとともに、ねじ２９が下ドラム
Ｄｄの底面から離れる方向に駆動されて、ドラムベース
ＤＢに突設してある４個の回動支点の内の２個の回動支
点（回動支点２６と、図中に示されている回動支点２６
の位置における紙面に垂直な線上に設けられている１個
の回動支点…図６中の３６）が、下ドラムＤｄの底面と
接し、前記の２個の回動支点を回動支点として、上ドラ
ムＤｕと下ドラムＤｄとの中心軸が図５中の矢印２１ａ
の方向に回動するようにされる。前記したねじ２９，３
０に対する前記のような駆動々作は、図示していない傾
斜制御部の制御の下に動作する駆動機構の動作によって
行なわれる。前記の駆動機構は、図６の分解斜視図中に
示されているような動力源とされるモータ４０、複数の
歯車よりなる減速機構４１、ロータリエンコーダ４２、
位置検出器４３などを備えて構成されている。

【００２８】そして、磁気テープＴの走行方向、及び走
行速度が各種の動作モードに対応して、ＶＴＲに設けら
れている主制御部に設定されるのに応じて、前記の主制
御部から制御情報が与えられた傾斜制御部は、ドラム構
体ＤＡにおける上ドラムＤｕと下ドラムＤｄ（図５参
照）とリードリングＬｒとからなるドラム構体ＤＡの中
心軸を、図５中の矢印２１ｂ（または２１ａ）の方向
に、それぞれ所定量だけ傾斜させるように、前記の駆動
機構を制御して前記したねじ２９，３０を進退させる。

【００２９】また、記録動作時における磁気テープの走
行方向と同一の走行方向での早送り再生（ＦＦ）が行な
われる場合には、リードリングＬｒに突設してある４個
の回動支点の内の２個の回動支点（回動支点２７と、図
中に示されている回動支点２７の位置における紙面に垂
直な線上に設けられている１個の回動支点…図６中の３
７）が、下ドラムＤｄの底面と接し、前記の２個の回動
支点を回動支点として、リードリングＬｒの中心軸が図
５（及び図８）中の矢印２１ｂの方向に所定量だけ回動
された状態となるように、リードリングＬｒに螺入され
ているとともに、先端部が下ドラムＤｄの底面にそれぞ
れ当接する状態として設けられている２つのねじ３１，
３２を互いに逆回転させる［具体的な構成例について、
順方向での早送り再生が行なわれる場合における各構成
部分の相互の結合状態が図８に例示されている］。

【００３０】さらに、記録動作時における磁気テープの
走行方向とは逆の走行方向で、巻戻し再生（ＲＥＷ）が
行なわれる場合には、リードリングＬｒに突設してある
４個の回動支点の内の２個の回動支点（回動支点２８
と、図中に示されている回動支点２８の位置における紙
面に垂直な線上に設けられている１個の回動支点…図６
中の３８）が、下ドラムＤｄの底面と接し、前記の２個
の回動支点を回動支点として、リードリングＬｒの中心
軸が図５中の矢印２１ａの方向に所定量だけ回動された
状態となるように、リードリングＬｒに螺入されている
とともに、先端部が下ドラムＤｄの底面にそれぞれ当接
する状態として設けられている２つのねじ３１，３２を
互いに逆回転させる。

【００３１】前記のねじ３１，３２に対する前記のよう
な駆動々作も、図示していない傾斜制御部の制御の下に
動作する前述の駆動機構の動作によって行なわれるので
あり、磁気テープＴの走行方向、及び走行速度が各種の
動作モードに対応して、ＶＴＲに設けられている主制御
部に設定されるのに応じて、前記の主制御部から制御情
報が与えられた傾斜制御部が、リードリングＬｒを、図
５中の矢印２１ｂ（または２１ａ）の方向に所定量だけ
傾斜させるように駆動機構を制御して、前記したねじ３
１，３２を進退させる。前述の説明では動作の理解を容
易にするために、ねじ２９，３０の進退動作によるドラ
ム構体の中心軸の傾斜動作と、ねじ３１，３２の進退動
作によるリードリングＬｒの中心軸の傾斜動作とが、そ
れぞれ独立して行なわれるかのような説明を行なった。

【００３２】しかし、前記した各ねじ２９〜３２は、図
８中に示されているように、ねじ２９とねじ３１とは共
通の動力伝達機構によって同時に駆動回転され、また、
ねじ３０とねじ３２とは共通の動力伝達機構によって同
時に駆動回転されるように構成されているから、ねじ２
９，３０の進退動作によるドラム構体の中心軸の傾斜動
作と、ねじ３１，３２の進退動作によるリードリングＬ
ｒの中心軸の傾斜動作とは同時的に行なわれる。

【００３３】なお、既提案の磁気記録再生装置の具体的
な構成態様を示す図７は９０度ー１８０度方向での縦断
面図であり、また図８は０度ー１８０度方向での縦断面
図である。そして、図７は磁気記録再生装置が記録動作
時における状態を示しており、また、図８は磁気記録再
生装置が早送り再生時における状態、すなわち、ドラム
構体ＤＡの中心線２１が図中の矢印２１ｂの方向に傾斜
している状態を示している。また、一部の分解斜視図を
示す図６中には上ドラムＤｕやドラムモータ５０の部分
の図示を省略してある。

【００３４】図７及び図８において、４９は下ドラムＤ
ｄに固設された中心軸であり、前記の中心軸４９には軸
受５１，５２が嵌入されている。また、上ドラムＤｕは
前記の軸受５１，５２によって前記した中心軸４９に対
して回転自在に支持されている。Ｈ１，Ｈ２は前記した
上ドラムＤｕに設けられている回転磁気ヘッドである。
上ドラムＤｕには、ドラム駆動モータ５０のロータ５０
ｒが固着されている。また、ドラム駆動モータ５０のス
テータ５０ｓは、前記した中心軸４９に固着されてい
る。４８は下ドラムＤｄに取付けられている回転トラン
スであり、また５３は上ドラムＤｕに取付けられている
回転トランスである。

【００３５】図４乃至図８を参照して説明した本出願人
会社による既提案の磁気記録再生装置では、磁気テープ
に形成されている記録跡に対して回転磁気ヘッドの回転
軌跡面が一致する状態になると予定された角度だけ前記
した上，下ドラムと回転磁気ヘッドとの中心軸を傾斜さ
せる第１の傾斜駆動手段と、前記した上，下ドラムとは
別体構成で、かつ、前記した下ドラムの下部に構成させ
た小径部３９（図７，図８，図６参照）の外周面に接近
した状態に配置させた、磁気テープの基準縁の位置の規
制面Ｇを備えている磁気テープの位置規制用案内部材
（リードリング）Ｌｒと、前記の磁気テープの位置規制
用案内部材を磁気テープの基準縁位置に一致させるよう
に傾斜させる第２の傾斜駆動手段とによって、上，下ド
ラムと、磁気テープの基準縁の位置規制面Ｇを備えてい
るリードリングＬｒとを、各種の動作モードに応じて、
それぞれ所要のように傾斜させることにより、磁気テー
プに形成されている記録跡に対して回転磁気ヘッドの回
転軌跡が一致した状態にさせるとともに、前記のリード
リングＬｒの位置規制面Ｇによって磁気テープＴの基準
縁Ｔｅの案内を良好に行なうことができるようにしたも
のである。そして、前記した既提案の磁気記録再生装置
により、既述のように所期の効果を挙げることができ
た。

【００３６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、図４乃至図
８を参照して説明した本出願人会社による既提案の磁気
記録再生装置において、下ドラムＤｄとは別体構成の部
材とされているリードリングＬｒの上面に設けられる４
個の回動支点２７，３７、２８，３８は、前記のリード
リングＬｒの上面図を示している図９の（ａ）図中の９
０度ー２７０度方向の一点鎖線Ｃ（上，下ドラムＤｕ，
Ｄｄの周面の一部に巻回される磁気テープの巻回範囲の
中央個所とドラムの中心Ｏとを通る直線Ｃ）から、それ
ぞれ所定の距離Ｌａ，Ｌｂ（Ｌａ，Ｌｂは「支点間隔Ｌ
ａ，Ｌｂ」というように記載されることがある）の位置
に設けられている。図中で直線Ｅは回動支点２８，３８
を結ぶ直線、図中で直線Ｋは回動支点２７，３７を結ぶ
直線である。

【００３７】そして、本出願人会社による既提案の磁気
記録再生装置を、直径が６２ｍｍの上，下ドラムＤｕ，
Ｄｄを用いて構成されているＶＨＳ（登録商標）方式の
ＶＣＲに実施した従来例において、前記したリードリン
グＬｒの上面の支点２８（または３８）の位置までの支
点間隔Ｌａと、支点２７（または３８）の位置までの支
点間隔Ｌｂとは、それぞれ２１.５ｍｍであった。ま
た、前記のリードリングＬｒの上面図を示している図９
の（ａ）図中の９０度ー２７０度方向の直線Ｃ（上，下
ドラムＤｕ，Ｄｄの周面の一部に巻回される磁気テープ
の巻回範囲の中央個所とドラムの中心Ｏとを通る直線
Ｃ）から、図５及び図６中に示されているねじ２９，３
０までの距離Ｌｃ，Ｌｄが、それぞれ２４ｍｍである。

【００３８】図９の（ｂ）は、図９の（ａ）に示されて
いるリードリングＬｒの周面における０度〜１８０度の
範囲の展開図である。ところで、上ドラムＤｕにおける
周面の１８０度対称の位置に、回転磁気ヘッドが設けら
れているヘリカルスキャン型の磁気記録再生装置におい
ては、上，下ドラムＤｕ，Ｄｄの周面の半周（ドラムの
中心角で１８０度と対応する周面）よりも僅かに広い範
囲にわたって磁気テープＴが巻回されることは周知のと
おりである。しかし、リードリングＬｒの上端に設けら
れるガイド面Ｇの形成範囲は、前記した上，下ドラムＤ
ｕ，Ｄｄの周面の半周（ドラムの中心角で１８０度と対
応する周面）よりも僅かに広い範囲と対応する範囲（ド
ラムの中心角で１８０度強と対応する範囲）ではなく、
図９の（ｂ）にも示されているように、前記したドラム
の中心角で１８０度よりも僅かに狭い範囲と対応してい
る部分とされていることも周知のとおりである。

【００３９】すなわち、図９の（ａ），（ｂ）におい
て、ドラムの中心角で１４０度と対応する部分（図９中
における２０度〜１６０度の間の部分）のリードリング
Ｌｒの上端だけに、ガイド面Ｇが形成されており、０度
〜２０度と対応する部分のリードリングＬｒの上端の部
分と、１６０度〜１８０度と対応する部分のリードリン
グＬｒの上端の部分とは、磁気テープの基準縁の通過予
定位置から離隔して、間隙を構成する状態の部分（逃げ
の部分）となるように加工されている。

【００４０】図１０の（ａ)〜(ｃ）は、直径が６２ｍｍ
の上，下ドラムＤｕ，Ｄｄを用い、リードリングＬｒに
設けられた支点の支点間隔が２１.５ｍｍで、図９の
（ａ）図中の９０度ー２７０度方向の一点鎖線Ｃから、
図５及び図６中に示されているねじ２９，３０までの距
離Ｌｃ，Ｌｄが、それぞれ２４ｍｍとして構成されてい
る従来例のＶＣＲにおいて、記録動作時における磁気テ
ープの走行方向とは逆の方向で、記録動作時における磁
気テープの走行速度の７倍の走行速度として、巻戻し再
生（ＲＥＷ）が行なわれる場合を例に挙げて、従来の磁
気記録再生装置の問題点を図示説明している図である。

【００４１】前記した図１０の（ａ）はリードリングＬ
ｒの上面図、図１０の（ｂ）はリードリングＬｒの正面
図、また、図１０の（ｃ）は前記のように７倍速での巻
戻し再生（ＲＥＷ）が行なわれる際に、リードリングＬ
ｒを傾斜させるために使用される回動支点２８，３８を
結ぶ直線Ｅ、すなわち、図１０の（ａ）に示されている
リードリングＬｒにおける０度の周面位置から中心角で
４６.１度の周面位置で周面に交叉している直線Ｅを回
動中心として、リードリングＬｒが回動したときのリー
ドリングＬｒの上面に形成されている磁気テープの基準
縁の位置の規制面Ｇの変位の状態を示している図であ
る。この図１０の（ｃ）には、前図１０の（ａ）中で０
度〜４６.１度の中心角と対応しているリードリングＬ
ｒの上面の部分が上方に変位し、また、４６.１度〜１
８０度の中心角と対応しているリードリングＬｒの上面
の部分は下方に変位していることを示している。

【００４２】既述した従来の磁気記録再生装置におい
て、７倍速で巻戻し再生（ＲＥＷ）を行なうために、図
５，図６中に示されているねじ３０を約９０マイクロメ
ートルだけ押上げると、リードリングＬｒにおける中心
角で２０度の位置（リードリングＬｒの上面に磁気テー
プの基準縁の位置の規制面Ｇが形成され始める位置）で
は、約１５マイクロメートルだけ上方に変位する。その
ために、リードリングＬｒにおける中心角で２０度の位
置（リードリングＬｒの上面に磁気テープの基準縁の位
置の規制面Ｇが形成され始める位置）付近の拡大図を例
示している図１１のように、リードリングＬｒにおける
中心角で２０度の位置、すなわち、リードリングＬｒの
上面に磁気テープの基準縁の位置の規制面Ｇが形成され
始める位置（逃げの部分と磁気テープの基準縁の位置の
規制面Ｇとの境界位置）５９における磁気テープＴの基
準縁Ｔｅが上方に変位するために、その部分の磁気テー
プＴ中にわかめ状の歪６０が発生する。

【００４３】それで、磁気テープＴにわかめ状の歪６０
が発生した部分では、回転磁気ヘッドと磁気テープＴと
の接触状態が良好に保持されなくなり、図１２に例示し
てある再生被周波数変調波信号Ｓｆｍのように、信号の
エンベロープにディップ部６１を生じさせ、前記の信号
のエンベロープにディップ部６１によって、再生画面上
にノイズバーを発生させるために、高速再生画像の品質
を著しく損ねさせることになる。前記のように磁気テー
プＴ中にわかめ状の歪６０が発生する現象は、磁気テー
プＴのベース材料の厚さが大きな場合には起きないが、
磁気テープを長時間化するために使用するベース材料と
して薄いものが使用される場合には重大な問題になる。
そして、磁気テープの長時間化の傾向が、磁気記録再生
装置の小型化に伴って今後も益々進んで行くことは、例
えばＤＶＣの例をみても充分に予想されることであり、
前記した原因によって磁気テープＴ中にわかめ状の歪６
０が発生する現象を除くようにする有効な手段を提供す
ることには大きな意義がある。

【００４４】これまでの説明は、既述した従来の磁気記
録再生装置を巻戻し再生（ＲＥＷ）で動作させた場合に
ついてであったが、既述した従来の磁気記録再生装置
を、早送り再生（ＦＦ）を行なった場合でも、図１０の
（ａ）に示すリードリングＬｒにおける中心角で１６０
度の位置（リードリングＬｒの上面に形成された磁気テ
ープの基準縁の位置の規制面Ｇの他方の端部）で、磁気
テープＴの基準縁Ｔｅが上方に変位するために、その部
分の磁気テープＴ中にわかめ状の歪が発生することは、
既述した従来の磁気記録再生装置を巻戻し再生（ＲＥ
Ｗ）で動作させた場合と同様である。

【００４５】

【課題を解決するための手段】本発明は上，下ドラムの
周面の一部へ巻回される磁気テープに対する摺接面を備
えている上ドラムと、回転磁気ヘッドと、上ドラムにお
ける磁気テープの摺接面の延長面上に位置する磁気テー
プの摺接面を備えているとともに、上ドラムと同軸的に
設けられている下ドラムと、磁気テープに形成されてい
る記録跡に対して回転磁気ヘッドの回転軌跡面が一致す
る状態になると予定された角度だけ前記した上，下ドラ
ムと回転磁気ヘッドとの中心軸を傾斜させる第１の傾斜
駆動手段と、前記した上，下ドラムとは別体に構成され
ていて、前記した下ドラムの下部に構成させた小径部の
外周面に接近した状態に配置されており、上端部に磁気
テープの基準縁の位置規制面を備えている磁気テープの
走行位置規制用案内部材と、前記の磁気テープの位置規
制面が磁気テープの基準縁位置に一致するように磁気テ
ープの走行位置規制用案内部材を傾斜させる第２の傾斜
駆動手段とを備えてなる磁気記録再生装置において、前
記した第２の傾斜駆動手段によって傾斜される磁気テー
プの走行位置規制用案内部材の回動支点を、前記した磁
気テープの走行位置規制用案内部材に設定された磁気テ
ープの位置規制面領域外の部分と対応する位置に配設し
た磁気記録再生装置、及び、第２の傾斜駆動手段によっ
て傾斜される磁気テープの走行位置規制用案内部材の回
動支点を、前記した磁気テープの走行位置規制用案内部
材に設定された磁気テープの位置規制面領域の境界近傍
に配設した磁気記録再生装置を提供する。

【００４６】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の磁気記録再生装置の具体的な内容を詳細に説明する。
図１乃至図３は本発明の磁気記録再生装置の各異なる実
施例中で使用されるリードリングＬｒの構成態様を説明
するための図であって、前記の図１乃至図３は、本発明
の磁気記録再生装置が逆方向での早送り再生動作（巻戻
し再生動作…ＲＥＷ）を行なっている場合に、従来の問
題点を解決できるようにさせうるような構成態様とし
て、本発明の磁気記録再生装置を実施するときに使用さ
れるリードリングＬｒの特徴的な構成部分の説明及び前
記部分の動作の説明に必要とされるリードリングＬｒの
部分だけを図示するのにとどめてある。本発明の磁気記
録再生装置における特徴的な構成部分（リードリングＬ
ｒの回動支点の配置態様）を除く他の構成部分の具体的
な構成態様は、図６乃至図８等を参照して既述した磁気
記録再生装置と大きな違いが無いので、本発明の磁気記
録再生装置を示す図１乃至図３の説明に際しても、前記
した図６乃至図８等の各図が参照されることがある。

【００４７】まず、図１乃至図３にリードリングＬｒだ
けを示してある本発明の磁気記録再生装置においても、
図６乃至図８等を参照して既述した磁気記録再生装置と
同様に、上ドラムＤｕと下ドラムＤｄとリードリングＬ
ｒとからなる構成部分はドラムベース（図６乃至図８中
のＤＢ参照）によって支持されている。そして前記の上
ドラムＤｕは、それの中心軸（図６乃至図８中の４９）
に装着されているベアリング軸受けによって、前記の中
心軸に対して回転自在に支持されており、また下ドラム
Ｄｄは前記の中心軸に固着されている。磁気テープＴの
基準縁Ｔｅの案内部として機能するリードリングＬｒ
は、前記した下ドラムＤｄとは別体に構成されていて、
下ドラムＤｄの下方の外周部３９に近接して配置されて
おり、リードリングＬｒの内周に設けられたナイフエッ
ジ２３は、下ドラムＤｄの下方突出部と同軸嵌合され
る。

【００４８】図１乃至図３に示すような構成態様を有す
るリードリングＬｒを備えている磁気記録再生装置にお
いても、それの記録動作時における下ドラムＤｄは、下
ドラムＤｄの底面部が、ドラムベースＤＢ（図６参照）
に突設してある４個の回動支点（図６中で図面符号２
５，２６，３５，３６を付して示されている回動支点）
によって支持されるとともに、記録動作時においてリー
ドリングＬｒに突設してある複数個の回動支点２７，２
８，３７，３８も、下ドラムＤｄの底面部に圧接された
状態にされる。なお、前記したドラムベースＤＢに突設
してある４個の回動支点２５，２６，３５，３６は、リ
ードリングＬｒに設けられている透孔６２〜６５（図１
〜図３、図６，図９，図１０等を参照）を貫通して、下
ドラムＤｄの底面部に当接できるようにされている。そ
れで、図１乃至図３に示すような構成態様を有するリー
ドリングＬｒを備えている磁気記録再生装置において
も、記録動作時には予め定められた基準の走行速度で走
行させる磁気テープに対して、所定のトラック角度の記
録跡を順次に記録形成させることができる。

【００４９】本発明の磁気記録再生装置で使用されるリ
ードリングＬｒの構成例として、図１乃至図３にそれぞ
れ例示されている構成態様を有するリードリングＬｒ
は、図４乃至図１０等の各図を参照して既述した従来の
磁気記録再生装置で使用されていたリードリングＬｒと
は、リードリングＬｒの回動動作時に使用される回動支
点の配置態様を異にしているものとして構成されてい
る。まず、図１乃至図３に示されている各リードリング
Ｌｒの構成態様例は、既述のように、いずれも本発明の
磁気記録再生装置が巻戻し再生動作（ＲＥＷ）を行なっ
ている状態で、従来の問題点を解決できるようにさせう
るような構成態様として実施されるときに使用されるリ
ードリングＬｒを示しているものとされているから、図
１乃至図３の各図に例示されているリードリングＬｒに
おける回動支点２７，３７、すなわち、記録動作時にお
ける磁気テープの走行方向と同一の走行方向での早送り
再生（ＦＦ）が行なわれる場合にリードリングＬｒの回
動支点として使用される回動支点２７，３７の配置態様
は、図６乃至図８を参照して既述した従来の磁気記録再
生装置におけるリードリングＬｒの回動支点２７，３７
の配置態様と同じにされている状態の構成例である。

【００５０】まず、図１に示されているリードリングＬ
ｒには、磁気記録再生装置が前記のように早送り再生
（ＦＦ）を行なう場合に、リードリングＬｒを回動させ
るための回動支点として使用される前記した回動支点２
７，３７を備えている他に、磁気記録再生装置が巻戻し
再生（ＲＥＷ）を行なう場合に、リードリングＬｒを回
動させるために使用される回動支点［図中に図面符号２
８’（３８’）を付して示してある回動支点］を備えて
いる。図面符号２８’（３８’）を付して図１中に示し
てある１個の回動支点は、本発明の実施に当り、２つの
部分に分割して、２個の回動支点２８’，３８’として
構成させてもよい。

【００５１】さて、図１中に示されている前記した回動
支点２８'(３８)の配設位置は、リードリングＬｒの上
面に設定された磁気テープの基準縁の位置の規制面（ガ
イド面）Ｇの領域外（磁気テープの位置規制面領域外）
の部分［リードリングＬｒの上端の部分が、磁気テープ
の基準縁の通過予定位置から離隔するようにされてい
て、磁気テープの基準縁の間隙を構成する状態の部分
（逃げの部分）…図１中で直線Ｈの左側の領域、すなわ
ち、リードリングＬｒの中心角で２０度以下の角度まで
の部分］と対応している位置で、かつ、図１の（ａ）図
中の９０度ー２７０度方向の直線Ｃ（上，下ドラムの外
周面の一部に巻回される磁気テープの巻回範囲の中央部
と上，下ドラムの中心Ｏとを結ぶ線Ｃ）に対して距離が
Ｌａ１（支点間隔Ｌａ１）の位置の平行な線Ｅ１上に配
設されている。

【００５２】そして、本発明の磁気記録再生装置が、直
径が６２ｍｍの上，下ドラムＤｕ，Ｄｄを用いて構成さ
れているＶＨＳ（登録商標）方式のＶＣＲに実施された
とした場合の実施の一例として、リードリングＬｒの上
面図を示している図１の（ａ）図中に示されている支点
２８’（３８’）の位置までの支点間隔Ｌａ１を２９.
６ｍｍとし、また、図１の（ａ）図中の上，下ドラムＤ
ｕ，Ｄｄの周面の一部に巻回される磁気テープの巻回範
囲の中央個所とドラムの中心Ｏとを通る直線Ｃから、図
５及び図６中に示されているねじ２９，３０までの距離
Ｌｃ，Ｌｄが、それぞれ２４ｍｍである場合に、例え
ば、７倍速で巻戻し再生（ＲＥＷ）動作を行なうため
に、図５，図６中に示されているねじ３０を、図１の
（ｃ）中に示してあるように、約１０４マイクロメート
ルだけ押上げると、リードリングＬｒにおける中心角で
２０度の位置（リードリングＬｒの上面に磁気テープの
基準縁の位置の規制面Ｇが形成され始める図中の直線Ｈ
の位置）５９では、図１の（ｃ）中に示してあるように
約４マイクロメートルだけ下方に変位して磁気テープＴ
の基準縁Ｔｅから離れるために、磁気テープＴ中に座屈
変形（わかめ状の歪）を生じさせることがなく、安定な
再生出力信号が得られることになる。

【００５３】次に、図２に示されているリードリングＬ
ｒは、図１について説明した磁気記録再生装置の場合と
同様に、早送り再生（ＦＦ）動作時のリードリングＬｒ
の回動に際して使用される回動支点２７，３７を備えて
いる他に、磁気記録再生装置が巻戻し再生（ＲＥＷ）動
作を行なう場合のリードリングＬｒの回動に際して使用
される２個の回動支点２８’，３８’とを備えている。
図２中に示されている前記した２個の回動支点２８’，
３８’の配設位置は、リードリングＬｒの上面に設定さ
れた磁気テープの基準縁の位置の規制面（ガイド面）Ｇ
の領域の境界近傍であり、図２に示す例ではリードリン
グＬｒの中心角で２０度よりも僅かに大きな角度と対応
している位置で、かつ、図２の（ａ）図中の９０度ー２
７０度方向の直線Ｃ（上，下ドラムの外周面の一部に巻
回される磁気テープの巻回範囲の中央部と上，下ドラム
の中心Ｏとを結ぶ線Ｃ）に対して距離がＬａ２（支点間
隔Ｌａ２）の位置の平行な線Ｅ２上に配設されている。

【００５４】本発明の磁気記録再生装置が、図１を参照
して既述したと同様に、直径が６２ｍｍの上，下ドラム
Ｄｕ，Ｄｄを用いて構成されているＶＨＳ（登録商標）
方式のＶＣＲに実施されたとした場合の実施の一例とし
て、リードリングＬｒの上面図を示している図２の
（ａ）図中に示されている支点２８’，３８’の位置ま
での支点間隔Ｌａ２を２７.５ｍｍとし、また、図２の
（ａ）図中の上，下ドラムＤｕ，Ｄｄの周面の一部に巻
回される磁気テープの巻回範囲の中央個所とドラムの中
心Ｏとを通る直線Ｃから、図５及び図６中に示されてい
るねじ２９，３０までの距離Ｌｃ，Ｌｄが、それぞれ２
４ｍｍである場合に、例えば、７倍速で巻戻し再生（Ｒ
ＥＷ）動作を行なうために、図５，図６中に示されてい
るねじ３０を約１００マイクロメートルだけ押上げる
と、リードリングＬｒにおける中心角で２０度の位置
（リードリングＬｒの上面に磁気テープの基準縁の位置
の規制面Ｇが形成され始める図中の直線Ｈの位置）５９
では、約２.８マイクロメートルだけ上方に変位する。

【００５５】前記のように、図２に示す実施例の場合に
は、リードリングＬｒにおける中心角で２０度の位置
（リードリングＬｒの上面に磁気テープの基準縁の位置
の規制面Ｇが形成され始める図中の直線Ｈの位置）５９
で、磁気テープＴの基準縁Ｔｅが上方に変位する。しか
し、前記の変位量は、図９及び図１０を参照して既述し
た従来例の場合における変位量１５マイクロメートルに
比べて極めて少ないために、この図２に示す構成例にお
いても、磁気テープＴ中に座屈変形（わかめ状の歪）を
生じさせることがなく、安定な再生出力信号が得られ
る。

【００５６】これまでに、図１及び図２を参照して既述
したリードリングＬｒでは、リードリングＬｒの上面に
設定された磁気テープの基準縁の位置の規制面（ガイド
面）Ｇの領域外（磁気テープの位置規制面領域外）の部
分［逃げの部分…直線Ｈの左側の領域］と対応している
位置で、上，下ドラムの外周面の一部に巻回される磁気
テープの巻回範囲の中央部と上，下ドラムの中心とを結
ぶ線Ｃに対して平行な線Ｅ１上、あるいは、リードリン
グＬｒの上面に設定された磁気テープの基準縁の位置の
規制面（ガイド面）Ｇの領域内で、かつ、前記の領域の
境界近傍において上，下ドラムの外周面の一部に巻回さ
れる磁気テープの巻回範囲の中央部と上，下ドラムの中
心Ｏとを結ぶ線Ｃに対して平行な線Ｅ２上に、リードリ
ングＬｒの回動支点２８，３８を配設する、というよう
に、いずれの実施例におけるリードリングＬｒの回動支
点２８，３８も、上，下ドラムの外周面の一部に巻回さ
れる磁気テープの巻回範囲の中央部と上，下ドラムの中
心Ｏとを結ぶ線Ｃに対して平行な線上に配設させてい
た。

【００５７】図３に示すリードリングＬｒでは、２個の
回動支点２８’，３８’の配置態様を、既述した図１，
図２について既述したリードリングＬｒにおける回動支
点の配設態様とは異なり、上，下ドラムの外周面の一部
に巻回される磁気テープの巻回範囲の中央部と上，下ド
ラムの中心とを結ぶ線Ｃに対して平行ではない線Ｊ上に
配設させるようにしている。図３中の直線Ｈ’は、リー
ドリングＬｒにおける中心角で２０度の位置（リードリ
ングＬｒの上面に磁気テープの基準縁の位置の規制面Ｇ
が形成され始める図中の直線Ｈの位置）５９を通る前記
した２個の回動支点２８’，３８’を結ぶ直線Ｊと平行
な直線、すなわち、既述した図１及び図２中に示されて
いる直線Ｈと対応する意味合いを有する線である。ま
た、図３中の直線Ｃ’は、前記した直線Ｊと平行で、か
つ、リードリングＬｒの中心Ｏを通る直線である。な
お、図３に示してあるリードリングＬｒにおいても、図
１、図２について説明した磁気記録再生装置の場合と同
様に、早送り再生（ＦＦ）動作時のリードリングＬｒの
回動に際して使用される回動支点２７，３７を備えてい
る。

【００５８】この図３に示すリードリングＬｒを備えて
構成された本発明の磁気記録再生装置が、図１及び図２
を参照して既述したと同様に、直径が６２ｍｍの上，下
ドラムＤｕ，Ｄｄを用いて構成されているＶＨＳ（登録
商標）方式のＶＣＲに実施されたとした場合の実施の一
例として、リードリングＬｒの上面図を示している図３
の（ａ）図中に示されている支点２８’，３８’の位置
までの支点間隔Ｌａ３’（前記した直線Ｃ’と直線Ｊと
の距離）を２８.６ｍｍとし、また、図３の（ａ）図中
の直線Ｃ’と直線Ｋ’との距離Ｌｄ’を２６.４ｍｍと
した場合に、例えば、７倍速で巻戻し再生（ＲＥＷ）動
作を行なうために、図５，図６中に示されているねじ３
０を、図３の（ｃ）に示すように約１０６.８マイクロ
メートルだけ押上げると、リードリングＬｒにおける中
心角で２０度の位置（リードリングＬｒの上面に磁気テ
ープの基準縁の位置の規制面Ｇが形成され始める図中の
直線Ｈ’の位置）５９では、約６.３マイクロメートル
だけ下方に変位して、磁気テープＴの基準縁Ｔｅから離
れるために、磁気テープＴ中に座屈変形（わかめ状の
歪）を生じさせることがなく、安定な再生出力信号が得
られることになる。

【００５９】これまでに、図１乃至図３を参照して各実
施例について行なって来た説明は、いずれの実施例の場
合でも、磁気記録再生装置を巻戻し再生（ＲＥＷ）動作
モードで動作させた場合に、リードリングＬｒを回動さ
せるために使用される回動支点２８’，３８’の設置態
様に関するものであり、磁気記録再生装置が早送り再生
（ＦＦ）動作を行なった場合に使用される回動支点（図
１〜図３中に示されている回動支点２７，３７の代わり
に設置されるべき回動支点２７’，３７’）の設置態様
に関しては触れなかった。しかし、磁気記録再生装置が
早送り再生（ＦＦ）動作を行なった場合に使用されるべ
き回動支点（２７’，３７’）について、本発明を適用
実施できることはいうまでもないし、磁気記録再生装置
を巻戻し再生（ＲＥＷ）動作モードで動作させた場合
と、磁気記録再生装置が早送り再生（ＦＦ）動作させる
場合との双方に本発明を適用実施して、それぞれの場合
についての回動支点を設置させることができる。

【００６０】すなわち、磁気記録再生装置が早送り再生
（ＦＦ）動作を行なった場合に使用されるべき回動支点
（２７’，３７’）について、本発明を適用実施する場
合には、図１乃至図３を参照して磁気記録再生装置を巻
戻し再生（ＲＥＷ）動作モードで動作させた場合に使用
されるべき回動支点（２８’，３８’）について既述し
たと同様な手段を、早送り再生（ＦＦ）動作を行なった
場合に使用されるべき回動支点（２７’，３７’）につ
いて実施すればよいのであり、その詳細な記述は省略す
る。

【００６１】

【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように、本発明の磁気記録再生装置では、上，下ドラ
ムの周面の一部へ巻回される磁気テープに対する摺接面
を備えている上ドラムと、回転磁気ヘッドと、上ドラム
における磁気テープの摺接面の延長面上に位置する磁気
テープの摺接面を備えているとともに、上ドラムと同軸
的に設けられている下ドラムと、磁気テープに形成され
ている記録跡に対して回転磁気ヘッドの回転軌跡面が一
致する状態になると予定された角度だけ前記した上，下
ドラムと回転磁気ヘッドとの中心軸を傾斜させる第１の
傾斜駆動手段と、前記した上，下ドラムとは別体に構成
されていて、前記した下ドラムの下部に構成させた小径
部の外周面に接近した状態に配置されており、上端部に
磁気テープの基準縁の位置規制面を備えている磁気テー
プの走行位置規制用案内部材（リードリング）と、前記
の磁気テープの位置規制面が磁気テープの基準縁位置に
一致するようにリードリングを傾斜させる第２の傾斜駆
動手段とを備えてなる磁気記録再生装置において、前記
した第２の傾斜駆動手段によって傾斜されるリードリン
グの回動支点を、前記したリードリングに設定された磁
気テープの位置規制面領域外の部分、すなわち、逃げの
部分と対応する位置に配設したり、あるいは前記したリ
ードリングの回動支点を、前記したリードリングの上端
部に設定された磁気テープの位置規制面領域と逃げの部
分との境界近傍に配設したりすることによって、磁気記
録再生装置が特殊再生動作を行なう場合に、リードリン
グにおける磁気テープの位置規制面の端部が、磁気テー
プの基準縁に大きな圧力を及ぼすことがなくなるため
に、既述した従来の磁気記録再生装置において特殊再生
動作を行なう場合に、リードリングにおける磁気テープ
の位置規制面の端部が、磁気テープの基準縁に大きな圧
力を及ぼして、磁気テープにわかめ状の歪を発生させて
いたような問題点が良好に解消され、したがって、本発
明によれば高品質な高速再生画像を容易に再生できる磁
気記録再生装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の磁気記録再生装置で使用されるリード
リングＬｒの構成態様を説明するための図である。

【図２】本発明の磁気記録再生装置で使用されるリード
リングＬｒの構成態様を説明するための図である。

【図３】本発明の磁気記録再生装置で使用されるリード
リングＬｒの構成態様を説明するための図である。

【図４】磁気記録再生装置の走行系の斜視図である。

【図５】磁気記録再生装置の傾斜駆動部の側断面図であ
る。

【図６】磁気記録再生装置の要部の分解斜視図である。

【図７】磁気記録再生装置の要部の縦断側面図である。

【図８】磁気記録再生装置の要部の縦断側面図である。

【図９】従来の磁気記録再生装置で使用されるリードリ
ングの構成態様を説明するための図である。

【図１０】従来の磁気記録再生装置で使用されるリード
リングの構成態様及び動作態様を説明するための図であ
る。

【図１１】磁気記録再生装置の動作時におけるリードリ
ングと磁気テープとの接触状態を説明するための磁気記
録再生装置の要部の拡大図である。

【図１２】磁気記録再生装置の再生信号のエンベロープ
の状態を示す図である。

【符号の説明】

ＤＢ…ドラムベース、Ｄｄ…下ドラム、Ｄｕ…上ドラ
ム、ＤＡ…ドラム構体、Ｔ…磁気テープ、Ｔｅ…磁気テ
ープＴの基準縁、Ｌｒ…リードリング、Ｇ…リードリン
グＬｒに設けられている案内部（磁気テープの位置規制
用案内部材に構成されている磁気テープの基準縁の位置
規制面）１…供給リール台、２…巻取りリール台、３…
カセットケース、４…供給リール、５…テンションポー
ル、６，１６…ガイドポール、７…全幅消去ヘッド、８
…インピーダンスローラ、９，１４…ローディングポー
ル(垂直ガイドローラ)、１０，１３…傾斜ガイド（スラ
ントポール）、１５…コントロールヘッド、１７…ピン
チローラ、１８…キヤプスタン、１９…巻取りリール、
２０…機台、２１，４９…中心軸、２５〜２８，３５〜
３８…回動支点、２９〜３２…ねじ、

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上，下ドラムの周面の一部へ巻回される
   磁気テープに対する摺接面を備えている上ドラムと、回
   転磁気ヘッドと、上ドラムにおける磁気テープの摺接面
   の延長面上に位置する磁気テープの摺接面を備えている
   とともに、上ドラムと同軸的に設けられている下ドラム
   と、磁気テープに形成されている記録跡に対して回転磁
   気ヘッドの回転軌跡面が一致する状態になると予定され
   た角度だけ前記した上，下ドラムと回転磁気ヘッドとの
   中心軸を傾斜させる第１の傾斜駆動手段と、前記した
   上，下ドラムとは別体に構成されていて、前記した下ド
   ラムの下部に構成させた小径部の外周面に接近した状態
   に配置されており、上端部に磁気テープの基準縁の位置
   規制面を備えている磁気テープの走行位置規制用案内部
   材と、前記の磁気テープの位置規制面が磁気テープの基
   準縁位置に一致するように磁気テープの走行位置規制用
   案内部材を傾斜させる第２の傾斜駆動手段とを備えてな
   る磁気記録再生装置において、前記した第２の傾斜駆動
   手段によって傾斜される磁気テープの走行位置規制用案
   内部材の回動支点を、前記した磁気テープの走行位置規
   制用案内部材に設定された磁気テープの位置規制面領域
   外の部分と対応する位置に配設したことを特徴とする磁
   気記録再生装置。
2. 【請求項２】 上，下ドラムの外周面の一部に巻回され
   る磁気テープの巻回範囲の中央部と上，下ドラムの中心
   とを結ぶ線に対して平行な線上に、第２の傾斜駆動手段
   によって傾斜される磁気テープの走行位置規制用案内部
   材の回動支点を配設してなる請求項１の磁気記録再生装
   置。
3. 【請求項３】 上，下ドラムの外周面の一部に巻回され
   る磁気テープの巻回範囲の中央部と上，下ドラムの中心
   とを結ぶ線に対して非平行な線上に、第２の傾斜駆動手
   段によって傾斜される磁気テープの走行位置規制用案内
   部材の回動支点を配設してなる請求項１の磁気記録再生
   装置。
4. 【請求項４】 上，下ドラムの周面の一部へ巻回される
   磁気テープに対する摺接面を備えている上ドラムと、回
   転磁気ヘッドと、上ドラムにおける磁気テープの摺接面
   の延長面上に位置する磁気テープの摺接面を備えている
   とともに、上ドラムと同軸的に設けられている下ドラム
   と、磁気テープに形成されている記録跡に対して回転磁
   気ヘッドの回転軌跡面が一致する状態になると予定され
   た角度だけ前記した上，下ドラムと回転磁気ヘッドとの
   中心軸を傾斜させる第１の傾斜駆動手段と、前記した
   上，下ドラムとは別体に構成されていて、前記した下ド
   ラムの下部に構成させた小径部の外周面に接近した状態
   に配置されており、上端部に磁気テープの基準縁の位置
   規制面を備えている磁気テープの走行位置規制用案内部
   材と、前記の磁気テープの位置規制面が磁気テープの基
   準縁位置に一致するように磁気テープの走行位置規制用
   案内部材を傾斜させる第２の傾斜駆動手段とを備えてな
   る磁気記録再生装置において、前記した第２の傾斜駆動
   手段によって傾斜される磁気テープの走行位置規制用案
   内部材の回動支点を、前記した磁気テープの走行位置規
   制用案内部材に設定された磁気テープの位置規制面領域
   の境界近傍に配設したことを特徴とする磁気記録再生装
   置。