JP2864102B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2864102B2
JP2864102B2 JP7054963A JP5496395A JP2864102B2 JP 2864102 B2 JP2864102 B2 JP 2864102B2 JP 7054963 A JP7054963 A JP 7054963A JP 5496395 A JP5496395 A JP 5496395A JP 2864102 B2 JP2864102 B2 JP 2864102B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置に係わ
り、特に、可変速再生時に回転磁気ヘッドの回転軌跡面
と磁気テープの相対的な空間位置関係を変化させること
により回転磁気ヘッドが磁気テープ上の記録跡を良好に
トレースできるようにした磁気記録再生装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】上ドラムと下ドラムとからなるドラム組
立体の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープを所定
の走行速度で走行させて、上ドラムに搭載した回転磁気
ヘッド(以下、単に「磁気ヘッド」という。)を用いて
ヘリカルスキャンを行うことにより記録再生動作を行な
う磁気記録再生装置の代表例としてはビデオ・テープ・
レコーダ(以下「VTR」という。)を挙げることがで
きる。
【0003】この種のVTRでは、記録時と同一の磁気
テープ走行速度で記録情報の再生動作を行なう通常再生
(以下「ノーマル再生」という。)の他に、記録時の磁
気テープの走行速度や走行方向とは異なる走行速度(停
止も含む)や走行方向で磁気テープを走行させて再生動
作を行なう所謂可変速再生(以下「トリックプレイ」と
いう。)の機能が広く採用されている。
【0004】また、タイムラプス又は所謂駒撮り撮影の
ように、磁気テープを間欠的に走行させて長時間に亘る
事象の記録を行い、この記録された磁気テープを、例え
ば、標準の速度で再生することができるようにしたVT
Rも提供されている。
【0005】図1はVHS方式VTRの代表的なテープ
走行系を示した斜視図、図2はVHS方式VTRのドラ
ム組立体近傍における正面図、図3はVHS方式VTR
のドラム組立体をドラム軸の方向から見た平面図、図4
は磁気テープに記録された記録跡パターンとトリックプ
レイ時における磁気ヘッドの回転軌跡の関係を示した
図、図5はW−VHS方式VTRにおける磁気テープの
記録跡パターンとトリックプレイ時における磁気ヘッド
の回転軌跡の関係を示した図、図6はFM再生信号波形
を示した図である。
【0006】図1及び図2に示したVTR(磁気記録再
生装置)1において、テープカセットTK内のサプライ
リールSRから供給された磁気テープTは、シャーシベ
ース2上を移動自在なサプライ側ローディングベース3
に支持されたサプライ側ガイドローラ4及びサプライ側
傾斜ポール5と、シャーシベース2上を移動自在なテイ
クアップ側ローディングベース6に支持されたテイクア
ップ側傾斜ポール7及びテイクアップ側ガイドローラ8
によって引き出されて、消去ヘッド9,インピーダンス
ローラ10に添接しつつ、上ドラム21と下ドラム22
とからなるドラム組立体20に所定の角度範囲に亘って
斜めに巻き付けられて走行し、その後、オーディオコン
トロールヘッド11を経てキャプスタン12とピンチロ
ーラ13とにより挟持駆動されてテープカセットTK内
のテイクアップリールTRに巻取られている。
【0007】上記ドラム組立体20は、シャーシベース
2に対して垂直な垂直線Zに対して角度φ傾斜して取り
付けられており、且つ、磁気ヘッド(回転磁気ヘッド)
23a,23bを一体に取り付けた上ドラム21が、固
定設置された下ドラム22に圧入したドラム軸24を中
心に図示しないベアリングを介して回転自在となってい
る。
【0008】この際、磁気テープTは、上ドラム21及
び下ドラム22に180゜以上に亘って螺旋状に巻付け
られており、図3中において、0゜と表示した位置は磁
気テープTの入口側であり、90゜と表示した位置は磁
気テープTの巻付範囲の中央位置であり、180゜と表
示した位置は磁気テープTの出口側である。また、直線
Lyは前記した上下ドラム21,22の周面に対する磁
気テープTの巻付範囲の略中央位置とドラム軸24の軸
心Oとを結んでドラム軸24に直交する直線であり、直
線Lxはドラム軸24の軸心Oを通過して直線Lyに直
交する直線である。尚、以後の説明においては、ドラム
軸24の軸心Oを原点とし、軸心Oから左方にのびる直
線Lxの方向を0゜の方向とした反時計方向の角座標を
用いることにより各構成部材の配置される角度位置や、
ドラム組立体20の断面図の断面の方向を特定して説明
することがある。例えば、ドラム組立体20を直線Lx
に沿って切断した断面図の場合、当該断面図を0゜−1
80゜断面図と呼ぶ。
【0009】そしてこの際、磁気テープTには、上ドラ
ム21に搭載された磁気ヘッド23a、23bによって
図4に示す如き記録跡パターン(以下「テープパター
ン」又は「トラックパターン」という。)が形成され
る。
【0010】同図において、磁気テープTの下端を基準
とした基準縁Tbに「起点」と表示してある点と、磁気
テープTの上端縁Taに+1と表示してある点とを結ぶ
直線及びこの直線に平行な多数の直線は、各トラックパ
ターンの中心を示すものである。そして、このようなト
ラックパターンが形成された磁気テープTを記録時と同
方向に同一速度で移送しながら再生すると、磁気ヘッド
23a,23bは、これらの各トラック上をトレースす
ることになりノーマル再生が行われることになる。
【0011】しかし、再生時の磁気テープTの走行速度
や方向が記録時のそれと異なると、磁気テープTと磁気
ヘッド23a,23bとの相対線速度が変化するため、
磁気ヘッド23a,23bが磁気テープT上に描くトラ
ックパターンは、例えば図4にそれぞれFF,STIL
L,FBで示されるように異なるものになる。
【0012】図4中に+2,+3…+7のように示して
ある各点の位置と、起点とを結んだときに描かれる各直
線は、記録時における磁気テープTの走行方向と同一の
方向(+の符号で示す。)に、記録時の磁気テープTの
走行速度の2倍,3倍…7倍の走行速度で、磁気テープ
Tを走行させて再生動作を行なった場合(以下、「FF
再生」という。)に磁気テープT上に描かれる磁気ヘッ
ド23a,23bの回転軌跡を示すものである。
【0013】同様に、−2,−3…−7のように示して
ある各点の位置と、起点とを結んだときに描かれる各直
線は、記録時における磁気テープTの走行方向と逆の方
向(−の符号で示す。)に、記録時の磁気テープTの走
行速度の2倍,3倍…7倍の走行速度で、磁気テープT
を走行させて再生動作を行なった場合(以下、「FB再
生」という。)に磁気テープT上に描かれる磁気ヘッド
23a,23bの回転軌跡を示すものである。
【0014】尚、起点と磁気テープTの上端縁Taに0
のように示してある点とを結ぶ直線は、磁気テープTを
停止させた状態で再生動作を行なった場合(以下、「ス
チル再生」という。)に磁気テープT上に描かれる磁気
ヘッド23a,23bの回転軌跡を示している。
【0015】このトラックパターンの具体的な例とし
て、VHS方式VTRについて見てみれば以下の如くで
ある。即ち、最も一般的なVHS方式のVTRでは、毎
分1800回転で回転する直径62mmの回転ドラムの
外周に磁気テープTが略180゜に亘って螺旋状に巻回
された状態で走行する。そして、標準モード(以下「S
Pモード」という。)の記録では、磁気テープは毎秒3
3. 35mmで移送されてトラック幅58μmの磁気ヘ
ッドによって磁気テープTに描かれる記録跡は、磁気テ
ープTの基準縁Tbに対して5°58’9. 9”のビデ
オトラック角度を形成するようになっている。尚、VH
S方式のVTRには、このSPモードの外に磁気テープ
を毎秒11.12mmで移送してトラック幅19μmの
磁気ヘッドで記録する3倍モード(以下「EPモード」
という。)がある。このEPモードでは、磁気テープT
の走行速度とトラック幅をSPモードの3分の1にする
ことによって同一長さの磁気テープに3倍の時間の記録
が可能になる。しかし、後述するように、磁気テープに
記録されるトラック幅が狭いことから、トリックプレイ
において、磁気ヘッド23a,23bが各トラック上を
正確にトレースするようにするためにはSPモードの場
合よりも困難を伴うものである。
【0016】また、磁気テープTを停止状態とした場合
には、磁気テープT上に描かれる磁気ヘッドの回転軌跡
は、磁気テープTの基準縁Tbに対して5°56’7.
4”となる。また例えば、図4中のSPモード時におけ
る+7の表示によって指示している磁気テープTの上端
縁Taの位置と起点とを結ぶ直線は、磁気テープTの基
準縁Tbに対して6°10’54”の角度を示し、さら
に例えば、同図中のSPモード時における−7の表示に
よって指示している磁気テープTの上端縁Taの位置と
起点とを結ぶ直線は、磁気テープTの基準縁Tbに対し
て5°42’25. 7”の角度を示すものとなる。
【0017】さて、図4に例示されているトラックパタ
ーンを参照すれば明らかなように、SPモードで磁気テ
ープT上に記録されたトラックパターンと、トリックプ
レイ時に磁気ヘッド23a,23bによって磁気テープ
T上に描かれる磁気ヘッドの回転軌跡とは交叉した状態
になる。したがって、図6(b)に示すように、トリッ
クプレイ時に再生されるFM信号の信号レベルは、磁気
ヘッド23a,23bが記録跡を横切る度毎に大きく変
化し、1垂直走査期間におけるFM信号のエンベロープ
をみると、1垂直走査期間中に大きな起伏が生じたもの
になる。このため、トリックプレイ時における再生画像
としては、画像中にノイズバーが生じている品質の悪い
再生画像しか得られない。
【0018】また最近になって、19μmの記録跡幅を
有する3本の記録跡を磁気テープTに同時に並列記録し
て、図5(a)に示されているような記録跡パターンを
磁気テープTに形成させることにより、所謂、ハイビジ
ョンの画像情報の記録再生も可能にできるようにした新
しい形態のVTR(以下「W−VHS方式VTR」とい
う。)が商品化されている。このW−VHS方式VTR
においては、磁気テープTに同時に並列的に形成される
3本の記録跡の内で隣接する2本の記録跡は、互いに逆
方向のアジマス角を有する2個の磁気ヘッドによって映
像信号の記録再生に用いられ、また残り1本の記録跡は
他の1個の磁気ヘッドによって音声信号の記録再生に用
いられている。
【0019】このようなW−VHS方式VTRによって
記録された記録済み磁気テープTを、記録時と異なる速
度で走行させてFF再生又はFB再生しようとした場
合、磁気ヘッドの移動軌跡は、図5(a)中に「起点」
と示されている点から、例えば図中の磁気テープTにお
ける上端縁Taの上方に記載してある+7あるいは−7
の数字によって指示している磁気テープTの上端縁Ta
の位置とを結ぶ直線によって示されるものとなる。従っ
て、それぞれアジマス角を異にしている映像用の2個の
磁気ヘッドが、磁気テープTに形成されている複数の記
録跡を横切って再生動作を行なうことになるために再生
される画像はノイズバーだらけのものになってしまう。
【0020】更にまた、詳述は避けるが、最近多く提案
されている民生用デジタルVTRでは、高能率符号化方
式によって映像信号のデータ量を圧縮して記録している
ために、FF再生時やFB再生時等のように回転磁気ヘ
ッドが磁気テープTの記録跡を横切って再生動作を行な
うと、モザイク状に並べられているデータのブロックの
配列状態の如何によっては全く画像が再生できないこと
も起こる。
【0021】このような問題点を解決するのには、磁気
ヘッドの回転軌跡と磁気テープTの記録跡とを一致させ
ればよく、本願出願人は先に以下の方法を提案した。
【0022】即ち、実公昭63ー34126号公報に開
示した本願出願人の提案に係る磁気記録再生装置は、磁
気ヘッドを搭載して回転する上ドラムと、該上ドラムと
ドラム軸を介して同軸に支持された下ドラムと、該下ド
ラムに形成された磁気テープの基準縁を案内する円弧状
の案内部と、該円弧状の案内部の円弧中心を通り該上ド
ラムと該下ドラムとを傾斜可能に支持するピンと、該上
ドラムと該下ドラムとを該ピンの周りに傾斜駆動するス
テッピングモータ及びスチールバンド等とからなるもの
である。
【0023】また、実開昭61ー158633号公報に
開示した本願出願人の提案に係る磁気記録再生装置は、
磁気ヘッドを搭載して回転する上ドラムと、該上ドラム
とドラム軸を介して同軸に支持された下ドラムと、該下
ドラムの下部に形成した凹部と、該下ドラムとは別に構
成され該凹部に遊嵌するとともに装置の基盤に固定され
て磁気テープの基準縁を所定の長さに亘って案内する案
内部材と、該上ドラムと該下ドラムとを傾斜可能に支持
するピンと、該上ドラムと該下ドラムとを該ピンの周り
に傾斜駆動するステッピングモータ及びスチールバンド
等とからなるものである。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した実
公昭63ー34126号公報に開示されている磁気記録
再生装置では、磁気テープの基準縁を案内する円弧状の
案内部が、磁気テープの基準縁に対して、いわば点接触
に近い状態で接触しているため、円弧状の案内部に接触
していない部分の磁気テープの基準縁は極めて不安定な
状態とならざるを得ない。磁気テープが比較的低記録密
度で記録されている場合、即ち、記録跡幅が比較的大き
な場合には、ノーマル再生は辛うじて可能であるが、F
F再生時とFB再生時との何れの場合にも、ノイズバー
の除去を良好に行なうことができないという問題があ
る。そして、この問題は、磁気テープが前述したVHS
方式VTRにおけるEPモードのように比較的高記録密
度で記録されている場合、即ち、記録跡幅が比較的小さ
な場合には、更に深刻である。
【0025】また、前記した、実開昭61ー15863
3号公報に開示されている磁気記録再生装置では、磁気
テープの基準縁を所定の長さに亘って案内する案内部材
を下ドラムから分離して装置の基盤に設けてあるため、
前記した実公昭63ー34126号公報に開示されてい
る磁気記録再生装置で生じていた磁気テープの基準縁の
位置の変動は、少なくともノーマル再生動作時には生じ
ないようにすることが可能である。しかし、FF再生動
作又はFB再生動作等を行なうために、磁気ヘッドを取
付けた回転ドラムと下ドラムとを一体的に傾斜させる
と、上下ドラムのテープ摺接面に摺接している状態で走
行している磁気テープTは、上下ドラムとともに傾斜し
てその基準縁が案内部材から離れる方向に変位する傾向
を持っている。このため、FF再生動作時又はFB再生
動作時等においては、上下のドラムの傾斜に伴って、磁
気テープの基準縁が案内部材と離間した状態になり易
く、その部分における磁気テープの基準縁の位置が変動
してノイズバーを発生させることがある。
【0026】また一般に、この種の磁気記録再生装置で
は、同一規格(例えば、VHS方式VTR)の装置間で
の互換性を維持するため、磁気テープに記録されるトラ
ックパターンの傾斜角度は規格で規定された所定の値を
満足する必要がある。しかしながら、この点に関して更
に改善する余地がある。
【0027】即ち、上記二つの従来技術では何れもステ
ッピングモータとスチールバンドを用いて上ドラムと下
ドラムとをピンの周りに連続的に傾斜駆動する構成にな
っているため、標準の速度で走行する磁気テープに記録
するに際して、規格で定められたトラックパターンの傾
斜角度に磁気ヘッドの回転軌跡面を高精度に一致させる
ことは非常に困難となる。ステッピングモータは相対的
な位置決めを精度良く行うのには好適なものの、絶対的
な位置決めを精度良く行うのには不適であるからであ
る。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、回転磁気ヘッド
と、上ドラムと、磁気テープの基準縁を案内するリード
と、下ドラムとを少なくとも備え、これらの回転磁気ヘ
ッド,上ドラム,リード,下ドラムをドラム軸を中心と
してドラムベース上に支持し、該上下ドラムの周面の一
部へ巻回された状態の該磁気テープに、該回転磁気ヘッ
ドを用いて該磁気テープの基準縁に対して所定角度の傾
斜記録跡を形成して記録再生動作を行なう磁気記録再生
装置であって、該磁気テープに形成されている記録跡と
該回転磁気ヘッドの回転軌跡面とが一致した状態となる
ように、該リードに対する該回転磁気ヘッドの回転軌跡
面を該磁気テープの走行速度に応じて該上下ドラムへの
磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに逆方向に傾
斜させる1次補正用の1次補正回動支点を有した第1の
角度補正手段と、該リードが該磁気テープの基準縁に一
致した状態となるように、該ドラムベースに対して該リ
ードを該磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに逆
方向に傾斜させる2次補正用の2次補正回動支点を有し
た第2の角度補正手段とを具備してなり、該1次補正回
動支点及び該2次補正回動支点を、磁気テープ巻付範囲
の略中央位置と該ドラム軸の軸心とを結んで該ドラム軸
に直交する直線に対して非平行な直線上に設置したこと
を特徴する磁気記録再生装置である。
【0029】また、第2の発明は、回転磁気ヘッドを搭
載して回転自在な上ドラムと、下ドラムとをドラム軸に
支持し、且つ、磁気テープの基準縁を案内するリードを
形成したリードリングを該下ドラムと同軸的に嵌合させ
て、該リードリングと該ドラム軸に支持した該上下ドラ
ムとをドラムベース上に支持し、該上下ドラムの周面の
一部へ巻回された状態の該磁気テープに、該回転磁気ヘ
ッドを用いて該磁気テープの基準縁に対して所定角度の
傾斜記録跡を形成して記録再生動作を行なう磁気記録再
生装置であって、該磁気テープに形成されている記録跡
と該回転磁気ヘッドの回転軌跡面とが一致した状態とな
るように、該リードリングのリードに対して該ドラム軸
に支持した該上下ドラムを、該磁気テープの走行速度に
応じて該上下ドラムへの磁気テープ巻付の入口側と出口
側とで互いに逆方向に傾斜させる1次補正用の1次補正
回動支点を有した第1の角度補正手段と、該リードリン
グのリードが該磁気テープの基準縁に一致した状態とな
るように、該ドラムベースに対して該リードリング,該
ドラム軸に支持した該上下ドラムを、該磁気テープ巻付
の入口側と出口側とで互いに逆方向に傾斜させる2次補
正用の2次補正回動支点を有した第2の角度補正手段と
を具備してなり、該1次補正回動支点を該下ドラムと該
リードリングとの間に設ける一方、該2次補正回動支点
を該リードリングと該ドラムベースとの間に設けると共
に、該1次補正回動支点及び該2次補正回動支点を、磁
気テープ巻付範囲の略中央位置と該ドラム軸の軸心とを
結んで該ドラム軸に直交する直線に対して非平行な直線
上に設置したことを特徴する磁気記録再生装置である。
【0030】また、第3の発明は、回転磁気ヘッドを搭
載して回転自在な上ドラムと、上ドラム傾斜部材とをド
ラム軸に支持し、且つ、磁気テープの基準縁を案内する
リードを形成した下ドラムを該ドラム軸に同軸的に嵌合
させて、該下ドラムと該ドラム軸に支持した該上ドラム
及び該上ドラム傾斜部材とをドラムベース上に支持し、
該上下ドラムの周面の一部へ巻回された状態の該磁気テ
ープに、該回転磁気ヘッドを用いて該磁気テープの基準
縁に対して所定角度の傾斜記録跡を形成して記録再生動
作を行なう磁気記録再生装置であって、該磁気テープに
形成されている記録跡と該回転磁気ヘッドの回転軌跡面
とが一致した状態となるように、該下ドラムのリードに
対して該ドラム軸に支持した該上ドラム及び該上ドラム
傾斜部材を、該磁気テープの走行速度に応じて該上下ド
ラムへの磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに逆
方向に傾斜させる1次補正用の1次補正回動支点を有し
た第1の角度補正手段と、該下ドラムのリードが該磁気
テープの基準縁に一致した状態となるように、該ドラム
ベースに対して該下ドラム,該ドラム軸に支持した該上
ドラム及び該上ドラム傾斜部材を、該磁気テープ巻付の
入口側と出口側とで互いに逆方向に傾斜させる2次補正
用の2次補正回動支点を有した第2の角度補正手段とを
具備してなり、該1次補正回動支点を該上ドラム傾斜部
材と該下ドラムとの間に設ける一方、該2次補正回動支
点を該下ドラムと該ドラムベースとの間に設けると共
に、該1次補正回動支点及び該2次補正回動支点を、磁
気テープ巻付範囲の略中央位置と該ドラム軸の軸心とを
結んで該ドラム軸に直交する直線に対して非平行な直線
上に設置したことを特徴する磁気記録再生装置である。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【実施例】以下に本発明に係わる磁気記録再生装置の一
実施例を図7乃至図18を参照して、<第1実施例>,
<第2実施例>の順に詳細に説明する。尚、説明の便宜
上、先に示した構成部材と同一構成部材に対しては同一
の符号を付して説明する。
【0036】<第1実施例>図7は本発明に係わる第1
実施例の磁気記録再生装置に適用されたドラム組立体の
概略構成を示した斜視図、図8は同第1実施例における
一例のドラム組立体の細部構成を説明するための図であ
り、(A)は1次補正のためにリードリングに形成した
1次補正回動支点と、2次補正のためにドラムベースに
形成した2次補正回動支点との位置関係を示す平面図,
(B)は(A)に示したQ−P−O−P−Q
に沿って断面した断面図,(C)は(A)に示したS
−S線に沿って断面した断面図、図9は同第1実施例
における一例のドラム組立体の分解斜視図、図10は同
第1実施例における一例のドラム組立体を用いて、ノー
マル再生モード時の動作原理を説明するために模式的に
示した図であり、(A)は平面図,(B)は(A)に示
したP−P線に沿って断面した断面図,(C)は
(A)に示したQ−Q線に沿って断面した断面図、
図11は同第1実施例における一例のドラム組立体を用
いて、FF再生モード時の動作原理を説明するために模
式的に示した図であり、(A)は1次補正のためにリー
ドリングに形成した1次補正回動支点と、2次補正のた
めにドラムベースに形成した2次補正回動支点との位置
関係を示す平面図,(B)は1次補正を説明するために
(A)に示したP−P線に沿って断面した断面図,
(C)は2次補正を説明するために(A)に示したQ
−Q線に沿って断面した断面図、図12は同第1実施
例における一例のドラム組立体を用いて、FB再生モー
ド時の動作原理を説明するために模式的に示した図、図
13は同第1実施例におけるドラム組立体中、1次補正
のためにリードリングに形成した1次補正回動支点の組
合せと、2次補正のためにドラムベースに形成した2次
補正回動支点の組合せとの変形態様を説明するための平
面図、図14は第1実施例において、リードリングの1
次補正回動支点を直線Lyに対して略平行に設けた時
に、ドラム軸嵌合と1次補正回動支点との摺動を説明す
るための模式図、図15は第1実施例において、1次補
正と2次補正との関係を示すドラム組立体の略0°ー1
80°断面図、図16は第1実施例において、1次補正
と2次補正との関係を示した図である。
【0037】図7に示した本発明に係わる第1実施例の
磁気記録再生装置に適用されるドラム組立体20Aの概
略構成は、基台となるドラムベース26上に、磁気テー
プTの基準端Tbを案内するリード25aを螺旋状に形
成したリードリング25が載置されている。更に、リー
ドリング25の内周上面に、磁気ヘッド23a,23b
を搭載した回転自在な上ドラム21と、回転自在な上ド
ラム21に対して固定側となる下ドラム22とがドラム
軸24に同軸的に一体的に支持された状態で載置されて
いる。
【0038】そして、1次補正スクリュー30の作動に
より磁気テープTに形成されている記録跡と磁気ヘッド
23a,23bの回転軌跡面とが一致した状態となるよ
うに、リードリング25のリード25aに対してドラム
軸24に支持した上下ドラム21,22を磁気テープT
の走行速度に応じて連続的に傾斜させる1次補正と、2
次補正スクリュー32の作動により1次補正を保ちつつ
リードリング25のリード25aが磁気テープTの基準
縁Tbに一致した状態となるように、ドラムベース26
に対してリードリング25及びドラム軸24に支持した
上下ドラム21,22を連続的に傾斜させる2次補正と
が同時に行われる構成となっている。
【0039】即ち、図8及び図9に示した如く、下ドラ
ム22の中心部にドラム軸24が圧入されており、この
ドラム軸24に嵌着したベアリング26a,26bを介
して上ドラム21が同軸的に支持されている。また、上
下ドラム21,22の外周には磁気テープTを巻回して
案内するテープ摺接面21a,22aが略同径に形成さ
れている。また、下ドラム22には、テープ摺接面22
aよりも小径の小径部22bがテープ摺接面22aの下
方に螺旋状に形成され、且つ、底面部22cの中央下方
に小径部22bより小径の下方突起部22dがドラムベ
ース26側に向かって突出形成されている。
【0040】そして、磁気ヘッド23a,23bを搭載
した上ドラム21のみがドラム軸24を中心にドラムモ
ータ28の駆動力によって回転自在となっている。この
際、ドラムモータ28はドラム軸24の上端部側に固定
されたステータ28aと、上ドラム21と一体に回転す
るロータ28bとを組合わせて構成されている。また、
上ドラム21に取り付けた回転トランス29aと、下ド
ラム22に取り付けた回転トランス29bとの間で磁気
ヘッド23a,23bの信号を授受している。
【0041】更に、下ドラム22の外周下方には、磁気
テープTの基準縁Tbを案内する螺旋状のリード25a
を形成したリードリング25が別体としてドラムベース
26上に設けられている。上記リードリング25は、下
ドラム22の下方に螺旋状に形成した小径部22bの外
周面に接近した状態で遊嵌されており、上端に螺旋状の
リード25aを形成した円環状部25bと底面部25c
とから大略構成されている。そして、下ドラム22の底
面部22cの裏面から一体的に下方に突出した回り止め
ピン部22eを、リードリング25の底面部25cに穿
設したピン孔25dに若干のクリアランスをもって嵌合
させて、下ドラム22とリードリング25との間で回り
止めを兼ねて両者の位置決めをしている。また、リード
リング25の底面部25cの中央には直径Dの中央貫通
孔25eが形成されており、この中央貫通孔25eの内
周部に沿って形成したナイフエッジ部25eに下ドラ
ム22に形成した直径Dの下方突起部22dが同軸的に
嵌合している。
【0042】次に、リードリング25の底面部25cに
は、第1実施例の要部となる1次補正回動支点25
,25fと、1次補正ネジ孔25gと、1次補正
バネ貫通孔25hとが設けられている。
【0043】即ち、リードリング25の底面部25cの
内周上面に設けた1次補正回動支点(以下、1次補正支
点と記す)25f,25fは、下ドラム22の底面
部22cの裏面側に向かって耐摩耗性の良いピンなどを
圧入して一体的に凸状に突出形成されている。これらの
1次補正支点25f,25fは、磁気テープTの巻
付範囲の略中央位置とドラム軸24の軸心Oとを結んで
ドラム軸24に直交する直線Lyに対して、ドラム軸2
4の軸心Oを通って−α°傾斜した直線L上で軸心
Oを介して90°,270°の方向に略対称に設けられ
ている。この直線Lは、直線Lyに対して非平行であ
ることは図示から明白である。そして、リードリング2
5の1次補正支点25f,25f上に下ドラム22
の底面部22cが載置されており、1次補正支点25f
と1次補正支点25fとを結ぶ直線Lは、後述す
るようにFF再生モード時にドラム軸24に支持した上
下ドラム21,22をリードリング25のリード25a
に対して一体に回動させる回動軸となっている。
【0044】また、リードリング25の底面部25cに
は、1次補正ネジ孔25gが直線Lと略直交してドラ
ム軸24の軸心O(又は軸心近傍)を通る直線L上で
0°の方向に設けられている。この1次補正ネジ孔25
gは、アルミ材を用いたリードリング25に直接タッピ
ングすることなく、アルミ材よりも硬質な真ちゅうなど
のブッシングB(図9)に1次補正ネジ孔25gをタッ
ピングしてリードリング25の底面部25cに圧入する
ことにより、1次補正ネジ孔25gの強度を高め、1次
補正ネジ孔25gに螺合した1次補正スクリュー30の
繰り返し使用に耐えられるようになっている。
【0045】更に、リードリング25の底面部25cに
は、1次補正バネ貫通孔25hが直線L上で180°
の方向に貫通して穿設されている。そして、1次補正圧
縮バネ31を1次補正バネ孔25h内に貫通させてドラ
ムベース26の上面部26aと下ドラム22の底面部2
2cとの間に狭装しているので、この1次補正圧縮バネ
31の付勢力により下ドラム22を直線Lの回りに反
時計方向に付勢している。
【0046】次に、ドラムベース26の上面部26aに
は、第1実施例の要部となる2次補正回動支点26
,26bと、2次補正ネジ孔26cと、1次補正
スクリュー貫通孔26dと、中央貫通孔26eとが設け
られている。
【0047】即ち、ドラムベース26の上面部26aに
設けた2次補正回動支点(以下、2次補正支点と記す)
26b,26bは、リードリング25の底面部25
cの裏面側に向かって耐摩耗性の良いピンなどを圧入し
て一体的に凸状に突出形成されている。これらの2次補
正支点26b,26bは、段付き形状のピンなどを
用い、一端側をドラムベース26に圧入し、段付き部を
2次補正支点として機能させ、他端側をリードリング2
5の底面部25cに形成した孔に若干のクリアランスを
もって嵌合させて、ドラムベース26とリードリング2
5との間での位置決めが図られている。また、これらの
2次補正支点26b,26bは、磁気テープTの巻
付範囲の略中央位置とドラム軸24の軸心Oとを結んで
ドラム軸24に直交する直線Lyに対して、ドラム軸2
4の軸心Oを通って−β°傾斜した直線L上で軸心
Oを介して90°,270°の方向に略対称に設けられ
ている。この直線Lも直線Lyに対して非平行である
ことは図示から明白である。この際、直線Lの傾斜角
−β°の絶対値は、先に説明した直線Lの傾斜角−
α°の絶対値よりも小さく設定されている。そして、
ドラムベース26の2次補正支点26b,26b
にリードリング25の底面部25cが載置されており、
2次補正支点26bと2次補正支点26bとを結ぶ
直線Lは、後述するようにFF再生モード時にリード
リング25及びドラム軸24に支持した上下ドラム2
1,22をドラムベース26に対して一体に回動させる
回動軸となっている。
【0048】また、ドラムベース26の上面部26aに
は、2次補正ネジ孔26cが直線Lと略直交してドラ
ム軸24の軸心O(又は軸心近傍)を通る直線L上で
0°の方向に貫通して設けられている。この2次補正ネ
ジ孔26cは、アルミ材を用いたドラムベース26に直
接タッピングすることなく、アルミ材よりも硬質な真ち
ゅうなどのブッシングB(図9)に2次補正ネジ孔26
cをタッピングしてドラムベース26の上面部26aに
圧入することにより、2次補正ネジ孔26cの強度を高
め、2次補正ネジ孔26cに螺合した2次補正スクリュ
ー32の繰り返し使用に耐えられるようになっている。
【0049】また、直線L上で180°の方向に設け
た2次補正圧縮バネ33をドラムベース26の上面部2
6aとリードリング25の底面部25との間に狭装して
いるので、この2次補正圧縮バネ33の付勢力によりリ
ードリング25及びドラム軸24に支持した上下ドラム
21,22を直線Lの回りに反時計方向に付勢してい
る。
【0050】更に、下ドラム22の下方突起部22d
は、ドラムベース26の中央貫通孔26e内に入り込
み、且つ、下方突起部22dの下端に板バネ34が取り
付けられており、板バネ34の腕部34a〜34d(図
9)はドラムベース26の裏面に当接してドラム軸24
に支持した上下ドラム21,22及びリードリング25
を下方に付勢している。
【0051】次に、1次補正スクリュー30は、単一の
駆動源(以下、モータと記す)35とギア結合されるギ
ア30aを下端に一体に形成しており、この1次補正ス
クリュー30はドラムベース26に穿設した1次補正ス
クリュー貫通孔26dを貫通してリードリング25の1
次補正ネジ孔25gに螺合し、モータ35に駆動されて
上下に変位し、その先端部が下ドラム22の底面部22
cを下方から押圧可能になっている。一方、2次補正ス
クリュー32も、モータ35とギア結合されるギア32
aを下端に一体に形成しており、この2次補正スクリュ
ー32はドラムベース26の2次補正ネジ孔26cに螺
合し、モータ35に駆動されて上下に変位し、その先端
部がリードリング25の底面部25cを下方から押圧可
能になっている。この際、後述するように、1次,2次
補正スクリュー30,32は単一のモータ35により同
時に作動するようになっている。
【0052】尚、第1実施例では、1次補正支点25f
,25fをリードリング25上に凸状に設けたが、
これに限ることなく、下ドラム22側に設ける方法もあ
り、更に下ドラム22とリードリング25との間に横設
したピンと孔とで回動させる方法などもあり、言い換え
ると、下ドラム22とリードリング25との間に1次補
正回動支点を設ければ良い。更に、2次補正支点26b
,26bをドラムベース26上に凸状に設けたが、
これに限ることなく、リードリング25側に設ける方法
もあり、更にリードリング25とドラムベース26との
間に横設したピンと孔とで回動させる方法などもあり、
言い換えると、リードリング25とドラムベース26と
の間に2次補正回動支点を設ければ良い。
【0053】上記のように構成した一例のドラム組立体
20Aのうちで、下ドラム22とリードリング25との
間に設けた1次補正支点(25f,25f)と、リ
ードリング25の1次補正ネジ孔25gに螺合した1次
補正スクリュー30と、ドラムベース26と下ドラム2
2との間に狭装した1次補正圧縮バネ31とは、磁気テ
ープTに形成されている記録跡と磁気ヘッド23a,2
3bの回転軌跡面とが一致した状態となるように、リー
ドリング25のリード25aに対してドラム軸24に支
持した上下ドラム21,22を、磁気テープTの走行速
度に応じて上下ドラム21,22への磁気テープ巻付の
入口側と出口側とで互いに逆方向に傾斜させる1次補正
のための第1の角度補正手段となるものである。更に、
直線L上の1次補正ネジ孔25gに螺合した1次補正
スクリュー30及び1次補正圧縮バネ31は、第1の角
度補正手段を作動させるための1次補正作動機構であ
る。
【0054】一方、リードリング25とドラムベース2
6との間に設けた2次補正支点(26b,26b
と、ドラムベース26の2次補正ネジ孔26cに螺合し
た2次補正スクリュー32と、ドラムベース26とリー
ドリング25との間に狭装した2次補正圧縮バネ33と
は、1次補正を保ちつつリードリング25のリード25
aが磁気テープTの基準縁Tbに一致した状態となるよ
うに、ドラムベース26に対してリードリング25及び
ドラム軸24に支持した上下ドラム21,22を、磁気
テープ巻付の入口側と出口側とで互いに逆方向(1次補
正方向と略同方向)に傾斜させる2次補正のための第2
の角度補正手段となるものである。更に、直線L上の
2次補正ネジ孔26cに螺合した2次補正スクリュー3
2及び2次補正圧縮バネ33は、第2の角度補正手段を
作動させるための2次補正作動機構である。
【0055】次に、上記構成による一例のドラム組立体
20Aの動作について、図10乃至図12を用いて説明
する。
【0056】まず、図10(A)〜(C)に模式的に示
した如く、標準速度で走行する磁気テープTに記録又は
再生を行う場合で、例えばノーマル再生モード時には、
ドラム軸24に支持した上下ドラム21,22と、リー
ドリング25とがドラムベース26に対して傾くことな
く、ドラムベース26と略平行な状態に保持されてい
る。即ち、ドラムベース26に設けた2次補正支点26
,26b上にリードリング25の底面部25cが
載置され、且つ、リードリング25に設けた1次補正支
点25f,25f上に下ドラム22の底面部22c
が載置されている。また、リードリング25の1次補正
ネジ孔25gに螺合した1次補正スクリュー30は下ド
ラム22の底面部22cに当接することなく下方に退避
する一方、ドラムベース26の2次補正ネジ孔26cに
螺合した2次補正スクリュー32もリードリング25の
底面部25cに当接することなく下方に退避している。
この際、ドラムベース26と下ドラム22との間に狭装
した1次補正圧縮バネ31によって下ドラム22が1次
補正支点25f,25f間を結ぶ直線Lの回りに
反時計方向に付勢され、且つ、ドラムベース26とリー
ドリング25との間に狭装した2次補正圧縮バネ33に
よってリードリング25が2次補正支点26b,26
間を結ぶ直線Lの回りに反時計方向に付勢されて
いるものの、下ドラム22及びリードリング25は接離
自在なノーマル再生姿勢保持手段(図示せず)によって
ドラムベース26に略平行に支持されており、ドラム軸
24とリードリング25の仮想中心軸は、高精度に一致
し且つこれらの軸はドラムベース26に対して垂直な状
態となっている。この状態は、標準モードで記録された
磁気テープTがその基準縁Tbをリードリング25のリ
ード25aに案内されてノーマル再生モードに対応した
所定の速度(VHS方式VTRの場合毎秒33.35m
m)で走行すると、磁気ヘッド23a,23bの回転軌
跡は磁気テープTに記録されたトラックパターンと一致
した状態となり、図6(A)に例示されているように良
好な状態のエンベロープを示す再生信号が得られる。こ
こでは、図示しないモード指定手段によりノーマル再生
モードを指定した場合について説明したが、標準速度で
走行する磁気テープTに記録を行う所謂記録モードを指
定した場合も、ドラム軸24及びリードリング25の仮
想中心軸の傾斜角度の調整については同様の動作がおこ
なわれる。
【0057】次に、図11(A)〜(C)に模式的に示
した如く、標準速度とは異なる速度で一方の方向(+方
向)に走行する磁気テープTに記録又は再生を行う場合
で、例えばノーマル再生モードの状態からFF再生モー
ドの状態にするには、モータ35(図8,図9)を駆動
して、早送りの倍速数に応じて1次,2次補正スクリュ
ー30,32を上方に押し出す方向に回転させている。
【0058】即ち、リードリング25の1次補正ネジ孔
25gに螺合した1次補正スクリュー30を図11
(B)中上方に押し出すと、その先端が下ドラム22の
底面部22cに当接するので、ドラム軸24に支持した
上下ドラム21,22が1次補正圧縮バネ31の付勢力
に抗しながらリードリング25のリード25aに対して
1次補正支点25f,25f間を結ぶ直線Lの回
りを時計方向に回動する。言い換えると、下ドラム22
側から見ると、リードリング25は下ドラム22に対し
て下降する方向(反時計方向)に回動するよう見えるも
のの、リードリング25の底面部25cには下記する2
次補正スクリュー32の先端が当接していて1次補正ス
クリュー30によるリードリング25の回動が規制され
ている。この1次補正では、磁気テープ巻付の入口側が
上方に変位し、出口側が下方に変位するように傾斜して
いる。
【0059】上記1次補正スクリュー30の作動によ
り、下ドラム22とリードリング25との間で、磁気テ
ープTに形成されている記録跡と磁気ヘッド23a,2
3bの回転軌跡面とが一致した状態となるように、リー
ドリング25のリード25aに対してドラム軸24に支
持した上下ドラム21,22を、磁気テープTの早送り
走行速度に応じて、上下ドラム21,22への磁気テー
プ巻付の入口側と出口側とで互いに逆方向に傾斜させる
1次補正が行われる。
【0060】また、上記1次補正スクリュー30の押し
出しと同時に、ドラムベース26に螺合した2次補正ス
クリュー32を図11(C)中上方に押し出すと、その
先端がリードリング25の底面部25cを押し上げるの
で、リードリング25が2次補正圧縮バネ33の付勢力
に抗しながらドラムベース26に対して2次補正支点2
6b,26b間を結ぶ直線Lの回りを時計方向に
回動する。この2次補正でも、磁気テープ巻付の入口側
が上方に変位し、出口側が下方に変位するように傾斜し
ている。
【0061】上記2次補正スクリュー32の作動によ
り、1次補正状態を保ちつつリードリング25のリード
25aが磁気テープTの基準縁Tbに一致した状態とな
るように、ドラムベース26に対してリードリング25
及びドラム軸24に支持した上下ドラム21,22を、
磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに逆方向(1
次補正方向と略同方向)に傾斜させる2次補正が行われ
る。これは、1次補正に伴うドラム組立体20Aの回動
により磁気テープTがその回動の方向に引っ張られるこ
とにより、ドラム組立体20Aに対する磁気テープTの
入口側ではその基準縁Tbがリード25aから離れる傾
向を生じ、出口側ではその基準縁Tbがリード25aに
押しつけられる傾向を生じるためリードリング25を回
動してリード25aを磁気テープTの基準縁Tbに合わ
せる2次補正が行われている。
【0062】言い換えると、ここで、2次補正が行われ
た際にも、早送り倍速数に適合したリード25aと磁気
ヘッド23a,23bの回転軌跡面との相対角度が維持
されるものであることはいうまでもない。
【0063】従って、1次補正により磁気テープTの基
準縁Tbがリード25aから離間してもこの2次補正に
より、磁気テープTの基準縁Tbはリード25aにより
そのドラム組立体20Aへの巻き付け範囲の全般に亘り
安定に案内されるため、所期の早送り倍速数で磁気テー
プTが走行すると、磁気ヘッド23a,23bの回転軌
跡は磁気テープTに記録されたトラックパターンと一致
した状態となり、図6(A)に例示されているように良
好な状態のエンベロープを示す再生信号が得られると共
に、画像中にノイズバーが生じることがない。
【0064】次に、ドラム組立体20Aおいて、FF再
生モードとは反転したFB再生モードを行うことができ
るように構成する場合も考えらる。即ち、図11(A)
〜(C)に示したFF再生モード状態の構成を、磁気テ
ープTの巻付範囲の略中央位置とドラム軸24の軸心O
とを結んでドラム軸24に直交する直線Lyを中心に対
称に反転させれば、図12(A)〜(C)に示したFB
再生モード状態の構成となる。
【0065】図12(A)〜(C)において、リードリ
ング25に設けた1次補正支点25f,25fは、
直線Lyに対してドラム軸24の軸心Oを通ってα°
傾斜した直線L上で軸心Oを介して90°,270°
の方向に略対称に設けられており、且つ、リードリング
25に設けた1次補正ネジ孔25gは直線Lと略直
交してドラム軸24の軸心O(又は軸心近傍)を通る直
線L上で180°の方向に設けられている。また、ド
ラムベース26に設けた2次補正支点26b,26b
は、直線Lyに対してドラム軸24の軸心Oを通って
β°傾斜した直線L上で軸心Oを介して90°,2
70°の方向に略対称に設けられており、且つ、ドラム
ベース26に設けた2次補正ネジ孔26cは直線L
と略直交してドラム軸24の軸心O(又は軸心近傍)を
通る直線L上で180°の方向に設けられている。更
に、リードリング25の1次補正ネジ孔25gに螺合
した1次補正スクリュー30Bと、ドラムベース26の
2次補正ネジ孔26cに螺合した2次補正スクリュー
32Bとは、モータ35(図8,図9)とギア列を介し
て連結され、且つ、先に説明したFF再生用の1次,2
次補正スクリュー30,32とは回転方向が反転される
ように構成されている。
【0066】上記のようにFB再生用の構成を追加する
ことにより、リードリング25の1次補正ネジ孔25g
に螺合した1次補正スクリュー30Bを図12(B)
中上方に押し出すと、ドラム軸24に支持した上下ドラ
ム21,22が1次補正圧縮バネ31Bの付勢力に抗し
ながらリードリング25のリード25aに対して1次補
正支点25f,25f間を結ぶ直線Lの回りを反
時計方向に回動して、FB再生時の1次補正が行われ
る。
【0067】また、上記1次補正スクリュー30Bの押
し出しと同時に、ドラムベース26の2次補正ネジ孔2
6cに螺合した2次補正スクリュー32Bを図12
(C)中上方に押し出すと、リードリング25が2次補
正圧縮バネ33Bの付勢力に抗しながらドラムベース2
6に対して2次補正支点26b,26b間を結ぶ直
線Lの回りを反時計方向に回動して、FB再生時の2
次補正が行われる。
【0068】ここで、第1実施例において、本発明の要
部となるリードリング25に設けた1次補正支点(1次
補正回動支点)25f及び1次補正ネジ孔25gと、ド
ラムベース26に設けた2次補正支点(2次補正回動支
点)26b及び2次補正ネジ孔26cとの設置変形形態
について図13(A)〜(D),図14(A)〜(C)
を用いて説明する。
【0069】まず、図13(A)に示した如く、リード
リング25の1次補正支点25fは、磁気テープTの巻
付範囲の略中央位置とドラム軸24の軸心Oとを結んで
ドラム軸24に直交する直線Lyに対して、ドラム軸2
4の軸心Oを通って−α°〜α°の範囲内に傾斜した一
つの直線上でドラム軸24の軸心Oを介して略対称に少
なくとも2個設ければ良い。上記した−α°〜α°の範
囲内の傾斜角には、前記した一例のドラム組立体20で
設定した傾斜角−α°,α°が当然含まれると共
に、直線Ly上も含まれるものである。尚、αの値は3
0数度程度に設定されている。また、リードリング25
の1次補正ネジ孔25gは、1次補正支点25fを設け
た一つの直線と略直交してドラム軸24の軸心O(又は
軸心近傍)を通る直線上に設ければ良い。
【0070】一方、図13(B)に示した如く、ドラム
ベース26の2次補正支点26bは、図13(A)に対
応して、磁気テープTの巻付範囲の略中央位置とドラム
軸24の軸心Oとを結んでドラム軸24に直交する直線
Lyに対して、ドラム軸24の軸心Oを通って−β°〜
β°の範囲内に傾斜した一つの直線上でドラム軸24の
軸心Oを介して略対称に少なくとも2個設ければ良い。
上記した−β°〜β°の範囲内の傾斜角には、前記した
一例のドラム組立体20で設定した傾斜角−β°,β
°が当然含まれとる共に、直線Ly上も含まれるもの
である。また、ドラムベース26の2次補正ネジ孔26
cは、2次補正支点26bを設けた一つの直線と略直交
してドラム軸24の軸心O(又は軸心近傍)を通る直線
上に設ければ良い。
【0071】この際、2次補正の傾斜角±β°の絶対値
は、1次補正の傾斜角±α°の絶対値よりも小さく設定
されており、例えば一つの2次補正の傾斜角−β°の
絶対値は、前述したように一つの1次補正の傾斜角−α
°の絶対値よりも小さく設定されている。
【0072】更に、図13(C)に示した如く、リード
リング25の1次補正支点25fは、磁気テープTの巻
付範囲の略中央位置とドラム軸24の軸心Oとを結んで
ドラム軸24に直交する直線Lyと間隔を離した略平行
な直線上、又は直線Lyに非平行でドラム軸24の軸心
Oを通過する直線上、もしくは直線Lyに非平行でドラ
ム軸24の軸心Oを通過しない直線上であっても良い。
この際、リードリング25の1次補正ネジ孔25gは、
1次補正支点25fを設けた一つの直線と略直交してド
ラム軸24の軸心O(又は軸心近傍)を通る直線上に設
ければ良い。
【0073】一方、図13(D)に示した如く、ドラム
ベース26の2次補正支点26bは、図13(C)に対
応して、磁気テープTの巻付範囲の略中央位置とドラム
軸24の軸心Oとを結んでドラム軸24に直交する直線
Lyと間隔を離した略平行な直線上、又は直線Lyに非
平行でドラム軸24の軸心Oを通過する直線上、もしく
は直線Lyに非平行でドラム軸24の軸心Oを通過しな
い直線上であっても良い。この際、ドラムベース26の
2次補正ネジ孔26cは、2次補正支点26bを設けた
一つの直線と略直交してドラム軸24の軸心O(又は軸
心近傍)を通る直線上に設ければ良い。
【0074】上記のようにリードリング25に設けた1
次補正支点25f及びドラムベース26に設けた1次補
正支点26bを、直線Lyに対して略平行な直線上、又
は直線Lyに非平行な直線上に設けた場合でも、図11
(B),(C)及び図12(B),(C)を用いて説明
したと同様な1次,2次補正が行われ、図6(A)に例
示されているように良好な状態のエンベロープを示す再
生信号が得られると共に、画像中にノイズバーが生じる
ことがない。
【0075】ところで、図13(C)に基づいて、図1
4(A)〜(C)に示した如く、リードリング25の1
次補正支点25fを、直線Lyと略平行(又は非平行)
な直線上に設置した場合に、ドラム軸24に支持した上
下ドラム21,22がリードリング25に対して時計方
向(又は反時計方向)に回動すると、ドラム軸24とリ
ードリング25との間で同軸嵌合した部位、言い換える
と、ドラム軸24に支持された下ドラム22の下方突起
部22dと、リードリング25の中央貫通孔25eの内
周部に沿って形成したナイフエッジ部25eとの間で
同軸嵌合した部位にスベリ現象が現れる。この際、下ド
ラム22の底面部22cに当接したリードリング25の
1次補正支点25fと、下ドラム22の底面部22cを
押し上げる1次補正付スクリュー30とが、下ドラム2
2の底面部22cに対して図示のように矢印方向に摺動
している。
【0076】次に、先に説明した1次補正と2次補正と
の関係について図15,図16を参照して更に説明す
る。尚、図15は、説明をわかり易くするために0°−
180°断面を示す図であり、1次補正の角度θ(以
下、1次補正角θと記す)と2次補正の角度θ(以
下、2次補正角θと記す)の関係を示す図である。
【0077】即ち、図15において、1次補正角θ
は、リードリング25のリード25aと磁気ヘッド23
a,23bの回転軌跡面との間の補正角度、即ち、磁気
テープTの走行速度に応じて、リードリング25のリー
ド25aに対してドラム軸24に支持した上下ドラム2
1,22を傾斜させるべき角度である。
【0078】一方、先にも説明したように、1次補正に
伴って磁気テープTはその下端縁Tbがリードリード2
5aから離れたり、あるいはリード25aに圧接された
りする傾向を生じる。この傾向は例えば第1実施例のF
F再生モード時の場合について見れば、ドラム軸24に
支持した上下ドラム21,22がリードリング25のリ
ード25aに対して時計方向に回動することによって、
上下ドラム21,22に対する磁気テープTの入り口側
(0°の近傍)では、磁気テープTが図15中上方に持
ち上げられてリード25aから離間する傾向を示し、上
下ドラム21,22に対する磁気テープTの出口側(1
80°の近傍)では、磁気テープTが図15中下方に引
っ張られてリード25aに圧接する傾向を示す。
【0079】このような傾向を補正して磁気テープTの
下端縁Tbとリード25aとを一致させるためにドラム
ベース26に対してリードリング25及びドラム軸24
に支持した上下ドラム21,22を1次補正を保ちつ
つ、1次補正角θと略同方向に傾斜させるべき角度が
2次補正角θである。
【0080】即ち、単一のモータ35(図8,図9)と
ギア結合した1次補正スクリュー30と2次補正スクリ
ュー32とにより、1次,2次補正角θ,θがθ
<θの関係を維持しつつ1次補正と2次補正とが同時
に行われると、磁気ヘッド23a,23bの回転軌跡面
はリードリング25のリード25aに対してθだけ傾
斜し、リード25aはドラムベース26に対してθ
け傾斜することになり、結果として、磁気ヘッド23
a,23bの回転軌跡面はドラムベース26に対してド
ラム全体の補正角θが、θ=(θ+θ)だけ傾斜す
ることになる。
【0081】更に、1次補正スクリュー30と2次補正
スクリュー32との作動時のギア比を設定して、1次補
正時の回転磁気ヘッド23a,23bの回転軌跡面に対
するリード25aとの1次補正角をθ,2次補正時の
リード25aに対するドラムベース26との2次補正角
をθ,ドラムベース26に対するドラム全体の補正角
をθとした際、各補正角θ,θ,θの3者の関係
が、θ=θ+θ、且つ、θ>θ>θの関係にな
るように1次,2次補正を行っている。
【0082】図16は、VHS方式VTRのEPモード
(3倍モード)における1次補正角θと2次補正角θ
との関係をN=5の試作装置について実測した結果で
ある。
【0083】図16において、横軸は、EPモードにお
けるテープ走行速度(毎秒11.12mm)を1とした
ときのテープ走行速度の倍率(以下、「走行倍率」とい
う。)であり、縦軸は、補正角(度)である。また、図
中、x印は1次補正角θをプロットしたものであり、
+印は2次補正角θをプロットしたものであり、*印
は1次補正角θと2次補正角θとの和θをプロット
したものである。
【0084】同図から明らかなように、走行倍率と1次
補正角θとの関係及び走行倍率と2次補正角θとの
関係は共に略直線的な関係にありθ/θは略1.8
の関係を満たしている。更に、EPモードの21倍速で
FF再生(又はFB再生)する際に、θ>θ>θ
関係を、一例としてθ=0.8°>θ=0.5°>θ
=0.3°に夫々設定している。
【0085】尚、上記1次補正と2次補正との関係で
は、説明をわかり易くするために、リードリング25に
設けた1次補正支点25fと、ドラムベース26に設け
た2次補正支点26bとを図15において直線Ly上に
設けた場合について説明したが、1次補正支点25f及
び2次補正支点26bを直線Lyに対して略平行又は非
平行な直線上に設けた場合も同様であることは言うまで
もない。
【0086】<第2実施例>図17は本発明に係わる第
2実施例における一例のドラム組立体を説明するための
図でり、(A)は1次補正のために下ドラムに形成した
1次補正回動支点と、2次補正のためにドラムベースに
形成した2次補正回動支点との位置関係を示す平面図,
(B)は1次補正を説明するために(A)に示したP
−P線に沿って断面した断面図,(C)は2次補正を
説明するために(A)に示したQ−Q線に沿って断
面した断面図、(D)は(A)に示した直線Lyに沿っ
て断面した断面図、図18は第2実施例において、下ド
ラムの1次補正回動支点を直線Lyに対して略平行に設
けた時に、ドラム軸嵌合と1次補正回動支点との摺動を
説明するための模式図である。
【0087】図17に示した本発明に係わる第2実施例
における一例のドラム組立体20Bは、先に説明した第
1実施例における一例のドラム組立体20Aの構成と一
部を除いて同様の構成であり、ここでは説明の便宜上、
先に示した構成部材に対しては同一の符号を付し、且
つ、従来と異なる構成部材に新たな符号を付して第1実
施例と異なる点を中心に説明する。
【0088】図17(A)〜(D)に示した本発明に係
わる第2実施例における一例のドラム組立体20Bは、
先に第1実施例で説明したような磁気テープTの基準端
Tbを案内するリード25aを形成したリードリング2
5が別体として設けられてなく、ここでは回転自在な上
ドラム21に対して固定側となる下ドラム22Bに磁気
テープTの基準端Tbを案内するリード22fが螺旋状
に一体形成されている。
【0089】即ち、ドラム組立体20Bの概略構成は、
基台となるドラムベース26上に、磁気テープTの基準
端Tbを案内するリード22fを外周円環状部22gに
沿って螺旋状に一体形成した下ドラム22Bが載置され
ている。この下ドラム22Bの外周円環状部22gの内
側の中心部位には、内周円環状部22hが底面部22c
から上方に向かって同軸的に突出形成されており、且
つ、この内周円環状部22hの中央貫通孔の内周部に沿
って形成したナイフエッジ部22hがドラム軸24と
同軸的に嵌合している。
【0090】また、下ドラム22Bの外周円環状部22
gと内周円環状部22hとの間に形成された凹部内に
は、フランジ部付きの上ドラム傾斜部材36がドラム軸
24の中間部位に圧入された状態で設けられており、上
ドラム傾斜部材36のドラム軸24への圧入部位は下ド
ラム22Bのナイフエッジ部22hの上方となってい
る。更に、ドラム軸24の上方には図示しないベアリン
グを介して上ドラム21が回転自在に支持されている。
上記上ドラム傾斜部材36は、ドラム軸24に支持した
上ドラム21を傾斜させるために設けられたものであ
る。
【0091】次に、下ドラム22Bの底面部22cに
は、第2実施例の要部となる1次補正回動支点22
,22iと、1次補正ネジ孔22jとが設けられ
ている。これらの1次補正回動支点(以下、1次補正支
点と記す)22i,22iと、1次補正ネジ孔22
jとは、先に説明した図13(A),(C)に基づいた
設置条件に従って設けられている。そして、下ドラム2
2Bの底面部22cに設けた1次補正支点22i,2
2i上に上ドラム傾斜部材36のフランジ部36aの
裏面が設置され、且つ、上ドラム傾斜部材36のフラン
ジ部36aの裏面と下ドラム22Bの底面部22cとの
間に1次補正圧縮バネ31が狭装されている。
【0092】また、ドラムベース26の上面部26aに
は、第1実施例と同様に2次補正回動支点26b,2
6bと、2次補正ネジ孔26cと、1次補正スクリュ
ー貫通孔26dとが設けられている。これらの2次補正
回動支点(以下、2次補正支点と記す)26b,26
と、2次補正ネジ孔26cとは、先に説明した図1
3(B),(D)に基づいた設置条件に従って設けられ
ている。そして、ドラムベース26の上面部26aに設
けた2次補正支点26b,26b上に下ドラム22
Bの底面部22cの裏面が設置され、且つ、下ドラム2
2Bの底面部22cの裏面とドラムベース26の上面部
26aの間に2次補正圧縮バネ33が狭装されている。
【0093】尚、第2実施例では、1次補正支点22i
,22iを下ドラム22Bに設けたが、これに限る
ことなく、上ドラム傾斜部材36側に設ける方法もあ
り、更に上ドラム傾斜部材36と下ドラム22Bとの間
に横設したピンと孔とで回動させる方法などもあり、言
い換えると、上ドラム傾斜部材36と下ドラム22Bと
の間に1次補正支点を設ければ良い。更に、2次補正支
点26b,26bをドラムベース26に設けたが、
これに限ることなく、リードリング25側に設ける方法
もあり、更にリードリング25とドラムベース26との
間に横設したピンと孔とで回動させる方法などもあり、
言い換えると、リードリング25とドラムベース26と
の間に2次補正支点を設ければ良い。
【0094】上記のように構成した一例のドラム組立体
20Bのうちで、上ドラム傾斜部材36と下ドラム22
Bとの間に設けた1次補正支点(22i,22i
と、下ドラム22Bの1次補正ネジ孔22jに螺合した
1次補正スクリュー30と、上ドラム傾斜部材36と下
ドラム22Bとの間に狭装した1次補正圧縮バネ31と
は、磁気テープTに形成されている記録跡と磁気ヘッド
23a,23bの回転軌跡面とが一致した状態となるよ
うに、下ドラム22Bのリード22fに対してドラム軸
24に支持した上ドラム21及び上ドラム傾斜部材36
を、磁気テープTの走行速度に応じて上下ドラム21,
22Bへの磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに
逆方向に傾斜させる1次補正のための第1の角度補正手
段となるものである。更に、直線L12の1次補正ネジ
孔22jに螺合した1次補正スクリュー30及び1次補
正圧縮バネ31は、第1の角度補正手段を作動させるた
めの1次補正作動機構である。
【0095】一方、下ドラム22Bとドラムベース26
との間に設けた2次補正支点(26b,26b
と、ドラムベース26の2次補正ネジ孔26cに螺合し
た2次補正スクリュー32と、ドラムベース26と下ド
ラム22Bとの間に狭装した2次補正圧縮バネ33と
は、1次補正を保ちつつ下ドラム22Bのリード22f
が磁気テープTの基準縁Tbに一致した状態となるよう
に、ドラムベース26に対して下ドラム22B及びドラ
ム軸24に支持した上ドラム21及び上ドラム傾斜部材
36を、磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに逆
方向(1次補正方向と略同方向)に傾斜させる2次補正
のための第2の角度補正手段となるものである。更に、
直線L14上の2次補正ネジ孔26cに螺合した2次補
正スクリュー32及び2次補正圧縮バネ33は、第2の
角度補正手段を作動させるための2次補正作動機構であ
る。
【0096】次に、一例として標準速度とは異なる速度
で一方の方向(+方向)に走行する磁気テープTに記録
又は再生を行う場合で、例えばノーマル再生モードの状
態からFF再生モードの状態にする場合の動作について
説明する。
【0097】まず、下ドラム22Bの1次補正ネジ孔2
2jに螺合した1次補正スクリュー30を図17(B)
中上方に押し出すと、その先端が上ドラム傾斜部材36
のフランジ部36aに当接するので、ドラム軸24と一
体に上ドラム傾斜部材36及び上ドラム21が1次補正
圧縮バネ31の付勢力に抗しながら下ドラム22Bのリ
ード22fに対して1次補正支点22i,22i
を結ぶ直線L11の回りを時計方向に回動する。言い換
えると、上ドラム傾斜部材36及び上ドラム21側から
見ると、下ドラム22Bは上ドラム傾斜部材36及び上
ドラム21に対して下降する方向(反時計方向)に回動
するよう見えるものの、下ドラム22Bの底面部22c
には下記する2次補正スクリュー32の先端が当接して
いて1次補正スクリュー30による下ドラム22Bの回
動が規制されている。上記1次補正スクリュー30の作
動により、上ドラム21と下ドラム22Bとの間で、磁
気テープTに形成されている記録跡と磁気ヘッド23
a,23bの回転軌跡面とが一致した状態となるよう
に、下ドラム22Bのリード22fに対してドラム軸2
4に支持した上ドラム21及び上ドラム傾斜部材36
を、磁気テープTの走行速度に応じて上下ドラム21,
22Bへの磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに
逆方向に傾斜させる1次補正が行われる。
【0098】また、上記1次補正スクリュー30の押し
出しと同時に、ドラムベース26に螺合した2次補正ス
クリュー32を図17(C)中上方に押し出すと、その
先端が下ドラム22Bの底面部22cを押し上げるの
で、下ドラム22Bが2次補正圧縮バネ33の付勢力に
抗しながらドラムベース26に対して2次補正支点26
,26b間を結ぶ直線L13の回りを時計方向に
回動する。上記2次補正スクリュー32の作動により、
1次補正を保ちつつ下ドラム22Bのリード22fが磁
気テープTの基準縁Tbに一致した状態となるように、
ドラムベース26に対して下ドラム22B及びドラム軸
24に支持した上ドラム21及び上ドラム傾斜部材36
を、磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに逆方向
(1次補正方向と略同方向)に傾斜させる2次補正が行
われる。これは、1次補正に伴うドラム組立体20Bの
回動により磁気テープTがその回動の方向に引っ張られ
ることにより、ドラム組立体20Bに対する磁気テープ
Tの入口側ではその基準縁Tbがリード22fから離れ
る傾向を生じ、出口側ではその基準縁Tbがリード22
fに押しつけられる傾向を生じるため下ドラム22Bを
回動してリード22fを磁気テープTの基準縁Tbに合
わせる2次補正が行われている。
【0099】言い換えると、ここで、2次補正が行われ
た際にも、早送り倍速数に適合したリード22fと磁気
ヘッド23a,23bの回転軌跡面との相対角度が維持
されるものであることはいうまでもない。
【0100】従って、1次補正により磁気テープTの基
準縁Tbがリード22fから離間してもこの2次補正に
より、磁気テープTの基準縁Tbはリード22fにより
そのドラム組立体20Bへの巻き付け範囲の全般に亘り
安定に案内されるため、所期の早送り倍速数で磁気テー
プTが走行すると、磁気ヘッド23a,23bの回転軌
跡は磁気テープTに記録されたトラックパターンと一致
した状態となり、図6(A)に例示されているように良
好な状態のエンベロープを示す再生信号が得られると共
に、画像中にノイズバーが生じることがない。尚、FB
再生モードについては、FF再生モードの構成を直線L
yを中心に対称に反転されば容易に可能である。
【0101】ところで、図13(C)に基づいて、図1
8(A)〜(C)に示した如く、第2実施例でも下ドラ
ム22Bの1次補正支点22iを、磁気テープTの巻付
範囲の略中央位置とドラム軸24の軸心Oとを結んでド
ラム軸24に直交する直線Lyと略平行(又は非平行)
な直線上に設置した場合に、ドラム軸24に支持した上
ドラム21が下ドラム22Bに対して時計方向(又は反
時計方向)に回動すると、下ドラム22Bとドラム軸2
4との間で同軸嵌合した部位、言い換えると、下ドラム
22Bの内周円環状部22hの中央貫通孔の内周部に沿
って形成したナイフエッジ部22hと、ドラム軸24
との間で同軸嵌合した部位にスベリ現象が現れる。この
際、上ドラム傾斜部材36のフランジ部36aに当接し
た下ドラム22Bの1次補正支点22iと、上ドラム傾
斜部材36のフランジ部36aを押し上げる1次補正付
スクリュー30とが、上ドラム傾斜部材36のフランジ
部36aに対して図示のように矢印方向に摺動摺動して
いる。
【0102】更に、第2実施例において、1次補正角θ
とは、下ドラム22Bのリード25fと磁気ヘッド2
3a,23bの回転軌跡面との間の補正角度、即ち、磁
気テープTの走行速度に応じて、下ドラム22Bのリー
ド25fに対してドラム軸24に支持した上ドラム21
を傾斜させるべき角度である。また、磁気テープTの下
端縁Tbとリード22fとを一致させるためにドラムベ
ース26に対して下ドラム22B及びドラム軸24に支
持した上ドラム21を1次補正を保ちつつ、1次補正角
θと略同方向に傾斜させるべき角度が2次補正角θ
であり、ドラムベース26に対するドラム全体の補正角
はθである。この第2実施例でも、先に図15及び図1
6を用いて説明した1次補正と2次補正との関係と同様
に、各補正角θ,θ,θの3者の関係が、θ=θ
+θ、且つ、θ>θ>θになるように維持されて
いる。
【0103】尚、第1,第2実施例において、磁気ヘッ
ド(回転磁ヘッド)23a,23bは、回転自在な上ド
ラム21に搭載したが、これに限ることなく、図示を省
略するものの固定設置された上ドラムと、固定設置され
た下ドラムとの間に回転自在に設けた回転円板に回転磁
ヘッドを搭載しても良く、第1,第2実施例の技術思想
を、回転磁気ヘッドと、上ドラムと、磁気テープの基準
縁を案内するリードと、下ドラムとを少なくとも備え、
これらの回転磁気ヘッド,上ドラム、リード,下ドラム
をドラム軸を中心としてドラムベース上に支持した構成
の磁気記録再生装置にも適用できるものである。
【0104】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係わる磁気記録再
生装置によれば、各再生モード及び記録モードに応じて
リードに対する磁気ヘッドの回転軌跡面の相対角度を変
化させることにより磁気テープの走行速度に適合した1
次補正がなされると共に、2次補正によりドラムベース
に対するリードの相対角度を変化させることにより1次
補正に起因して発生するリードに対する磁気テープの基
準縁の変位が補正され、ノイズバー等の発生しない良好
なトリックプレイを実現することができる。
【0105】また、特に、1次補正時の1次補正回動支
点及び2次補正時の2次補正回動支点を、磁気テープ巻
付範囲の略中央位置とドラム軸の軸心とを結んでドラム
軸に直交する直線に対して非平行な直線上に設置して
るので、1次補正回動支点及び2次補正回動支点の配置
位置を設計する時に自由度を持って設計できると共に、
ノイズバー等の発生しない良好なトリックプレイを実現
することができる。
【0106】
【図面の簡単な説明】
【図1】VHS方式VTRの代表的なテープ走行系を示
した斜視図である。
【図2】VHS方式VTRのドラム組立体近傍における
正面図である。
【図3】VHS方式VTRのドラム立体をドラム軸の方
向から見た平面図である。
【図4】磁気テープに記録された記録跡パターンとトリ
ックプレイ時における磁気ヘッドの回転軌跡の関係を示
した図である。
【図5】W−VHS方式VTRにおける磁気テープの記
録跡パターンとトリックプレイ時における磁気ヘッドの
回転軌跡の関係を示した図である。
【図6】FM再生信号波形を示した図である。
【図7】本発明に係わる第1実施例の磁気記録再生装置
に適用されたドラム組立体の概略構成を示した斜視図で
ある。
【図8】本発明に係わる第1実施例における一例のドラ
ム組立体の細部構成を説明するための図である。
【図9】本発明に係わる第1実施例における一例のドラ
ム組立体の分解斜視図である。
【図10】本発明に係わる第1実施例における一例のド
ラム組立体を用いて、ノーマル再生モード時の動作原理
を説明するために模式的に示した図である。
【図11】本発明に係わる第1実施例における一例のド
ラム組立体を用いて、FF再生モード時の動作原理を説
明するために模式的に示した図である。
【図12】本発明に係わる第1実施例における一例のド
ラム組立体を用いて、FB再生モード時の動作原理を説
明するために模式的に示した図である。
【図13】本発明に係わる第1実施例におけるドラム組
立体中、1次補正のためにリードリングに形成した1次
補正回動支点の組合せと、2次補正のためにドラムベー
スに形成した2次補正回動支点の組合せとの変形態様を
説明するための平面図である。
【図14】第1実施例において、リードリングの1次補
正回動支点を直線Lyに対して略平行に設けた時に、ド
ラム軸嵌合と1次補正回動支点との摺動を説明するため
の模式図である。
【図15】第1実施例において、1次補正と2次補正と
の関係を示すドラム組立体の略0°ー180°断面図で
ある。
【図16】第1実施例において、1次補正と2次補正と
の関係を示した図である。
【図17】本発明に係わる第2実施例における一例のド
ラム組立体を説明するための図である。
【図18】第2実施例において、下ドラムの1次補正回
動支点を直線Lyに対して略平行に設けた時に、ドラム
軸嵌合と1次補正回動支点との摺動を説明するための模
式図である。
【符号の説明】
1…磁気記録再生装置(VTR) 20A…ドラム組立体(第1実施例)、21…上ドラム
(第1,第2実施例)、22…下ドラム(第1実施
例)、23a,23b…回転磁気ヘッド(第1,第2実
施例)、24…ドラム軸(第1,第2実施例)、20B
…ドラム組立体(第1実施例)、22B…下ドラム(第
2実施例)、22f…リード(第2実施例)、22
,22i…1次補正回動支点(第2実施例)、2
2j…1次補正ネジ孔(第2実施例)、25…リードリ
ング(第1実施例)、25a…リード(第1実施例)、
25f,25f…1次補正回動支点(第1実施
例)、25g…1次補正ネジ孔(第1実施例)、26…
ドラムベース、26b,26b…2次補正回動支点
(第1実施例)、26c…2次補正ネジ孔(第1,第2
実施例)、30…1次補正スクリュー(第1,第2実施
例)、31…1次補正圧縮バネ(第1,第2実施例)、
32…2次補正スクリュー(第1,第2実施例)、33
…2次補正圧縮バネ(第1,第2実施例)、35…単一
の駆動源、36…上ドラム傾斜部材(第2実施例)、T
…磁気テープ、Tb…基準縁、θ…1次補正角、θ
…2次補正角、θ…ドラム全体の補正角。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 15/60 - 15/61 G11B 5/52 G11B 5/56 G11B 5/588 G11B 5/027 501

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転磁気ヘッドと、上ドラムと、磁気テー
    プの基準縁を案内するリードと、下ドラムとを少なくと
    も備え、これらの回転磁気ヘッド,上ドラム,リード,
    下ドラムをドラム軸を中心としてドラムベース上に支持
    し、該上下ドラムの周面の一部へ巻回された状態の該磁
    気テープに、該回転磁気ヘッドを用いて該磁気テープの
    基準縁に対して所定角度の傾斜記録跡を形成して記録再
    生動作を行なう磁気記録再生装置であって、 該磁気テープに形成されている記録跡と該回転磁気ヘッ
    ドの回転軌跡面とが一致した状態となるように、該リー
    ドに対する該回転磁気ヘッドの回転軌跡面を該磁気テー
    プの走行速度に応じて該上下ドラムへの磁気テープ巻付
    の入口側と出口側とで互いに逆方向に傾斜させる1次補
    正用の1次補正回動支点を有した第1の角度補正手段
    と、 該リードが該磁気テープの基準縁に一致した状態となる
    ように、該ドラムベースに対して該リードを該磁気テー
    プ巻付の入口側と出口側とで互いに逆方向に傾斜させる
    2次補正用の2次補正回動支点を有した第2の角度補正
    手段とを具備してなり、 該1次補正回動支点及び該2次補正回動支点を、磁気テ
    ープ巻付範囲の略中央位置と該ドラム軸の軸心とを結ん
    で該ドラム軸に直交する直線に対して非平行な直線上に
    設置したことを特徴する磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】回転磁気ヘッドを搭載して回転自在な上ド
    ラムと、下ドラムとをドラム軸に支持し、且つ、磁気テ
    ープの基準縁を案内するリードを形成したリードリング
    を該下ドラムと同軸的に嵌合させて、該リードリングと
    該ドラム軸に支持した該上下ドラムとをドラムベース上
    に支持し、該上下ドラムの周面の一部へ巻回された状態
    の該磁気テープに、該回転磁気ヘッドを用いて該磁気テ
    ープの基準縁に対して所定角度の傾斜記録跡を形成して
    記録再生動作を行なう磁気記録再生装置であって、 該磁気テープに形成されている記録跡と該回転磁気ヘッ
    ドの回転軌跡面とが一致した状態となるように、該リー
    ドリングのリードに対して該ドラム軸に支持した該上下
    ドラムを、該磁気テープの走行速度に応じて該上下ドラ
    ムへの磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに逆方
    向に傾斜させる1次補正用の1次補正回動支点を有した
    第1の角度補正手段と、 該リードリングのリードが該磁気テープの基準縁に一致
    した状態となるように、該ドラムベースに対して該リー
    ドリング,該ドラム軸に支持した該上下ドラムを、該磁
    気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに逆方向に傾斜
    させる2次補正用の2次補正回動支点を有した第2の角
    度補正手段とを具備してなり、 該1次補正回動支点を該下ドラムと該リードリングとの
    間に設ける一方、該2次補正回動支点を該リードリング
    と該ドラムベースとの間に設けると共に、該1次補正回
    動支点及び該2次補正回動支点を、磁気テープ巻付範囲
    の略中央位置と該ドラム軸の軸心とを結んで該ドラム軸
    に直交する直線に対して非平行な直線上に設置したこと
    を特徴する磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】回転磁気ヘッドを搭載して回転自在な上ド
    ラムと、上ドラム傾斜部材とをドラム軸に支持し、且
    つ、磁気テープの基準縁を案内するリードを形成した下
    ドラムを該ドラム軸に同軸的に嵌合させて、該下ドラム
    と該ドラム軸に支持した該上ドラム及び該上ドラム傾斜
    部材とをドラムベース上に支持し、該上下ドラムの周面
    の一部へ巻回された状態の該磁気テープに、該回転磁気
    ヘッドを用いて該磁気テープの基準縁に対して所定角度
    の傾斜記録跡を形成して記録再生動作を行なう磁気記録
    再生装置であって、 該磁気テープに形成されている記録跡と該回転磁気ヘッ
    ドの回転軌跡面とが一致した状態となるように、該下ド
    ラムのリードに対して該ドラム軸に支持した該上ドラム
    及び該上ドラム傾斜部材を、該磁気テープの走行速度に
    応じて該上下ドラムへの磁気テープ巻付の入口側と出口
    側とで互いに逆方向に傾斜させる1次補正用の1次補正
    回動支点を有した第1の角度補正手段と、 該下ドラムのリードが該磁気テープの基準縁に一致した
    状態となるように、該ドラムベースに対して該下ドラ
    ム,該ドラム軸に支持した該上ドラム及び該上ドラム傾
    斜部材を、該磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互い
    に逆方向に傾斜させる2次補正用の2次補正回動支点を
    有した第2の角度補正手段とを具備してなり、 該1次補正回動支点を該上ドラム傾斜部材と該下ドラム
    との間に設ける一方、該2次補正回動支点を該下ドラム
    と該ドラムベースとの間に設けると共に、該1次補正回
    動支点及び該2次補正回動支点を、磁気テープ巻付範囲
    の略中央位置と該ドラム軸の軸心とを結んで該ドラム軸
    に直交する直線に対して非平行な直線上に設置したこと
    を特徴する磁気記録再生装置。
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