JP2811654B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2811654B2
JP2811654B2 JP7066861A JP6686195A JP2811654B2 JP 2811654 B2 JP2811654 B2 JP 2811654B2 JP 7066861 A JP7066861 A JP 7066861A JP 6686195 A JP6686195 A JP 6686195A JP 2811654 B2 JP2811654 B2 JP 2811654B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヘリカルスキャン方式の
磁気記録再生装置において、特に、可変速再生時に回転
磁気ヘッドの回転軌跡面と磁気テープの相対的な空間位
置関係を変化させることにより回転磁気ヘッドが磁気テ
ープ上の記録跡を良好にトレースできるようにした磁気
記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上ドラムと下ドラムとからなるドラム構
体の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープを所定の
走行速度で走行させて、回転磁気ヘッド(以下、単に
「磁気ヘッド」という。)を用いてヘリカルスキャンを
行うことにより記録再生動作を行なう磁気記録再生装置
の代表例としてはビデオ・テープ・レコーダ(以下「V
TR」という。)を挙げることができる。
【0003】この種のVTRでは、記録時と同一の磁気
テープ走行速度で記録情報の再生動作を行なう通常再生
(以下「ノーマル再生」という。)の他に、記録時の磁
気テープの走行速度や走行方向とは異なる走行速度(停
止も含む)や走行方向で磁気テープを走行させて再生動
作を行なう所謂可変速再生(以下「トリックプレイ」と
いう。)の機能が広く採用されている。
【0004】また、タイムラプス又は所謂駒撮り撮影の
ように、磁気テープを間欠的に走行させて長時間に亘る
事象の記録を行い、この記録された磁気テープを、例え
ば、標準の速度で再生することができるようにしたVT
Rも提供されている。
【0005】図1はVTRのドラム構体近傍における磁
気テープの走行系の一般的な例を示した図、図2はFM
再生信号波形を示した図、図3は磁気テープに記録され
た記録跡パターンとトリックプレイ時における磁気ヘッ
ドの回転軌跡の関係を示した図、図4はW−VHS方式
VTRにおける磁気テープの記録跡パターンとトリック
プレイ時における磁気ヘッドの回転軌跡の関係を示した
図である。
【0006】図1に示したVTR(磁気記録再生装置)
1において、磁気テープTは、図示しないサプライリー
ルから供給されて、シャーシベース2上を移動自在なサ
プライ側ローディングベース3に支持されたサプライ側
ガイドローラ4及びサプライ側傾斜ポール5と、シャー
シベース2上を移動自在なテイクアップ側ローディング
ベース6に支持されたテイクアップ側傾斜ポール7及び
テイクアップ側ガイドローラ8によって、上ドラム11
と下ドラム12とからなるドラム構体10Aに所定の角
度範囲に亘って斜めに巻き付けられて走行し、その後、
公知の走行系を経て図示しないテイクアップリールに巻
取られる。
【0007】そしてこの際、磁気テープTには、上ドラ
ム11に取り付けた磁気ヘッド13a、13bによって
図3に示す如き記録跡パターン(以下「テープパター
ン」又は「トラックパターン」という。)が形成され
る。
【0008】同図において、磁気テープTの下縁に「起
点」と表示してある点と、磁気テープTの上縁に+1と
表示してある点とを結ぶ直線及びこの直線に平行な多数
の直線は、各トラックパターンの中心を示すものであ
る。そして、このようなトラックパターンが形成された
磁気テープTを記録時と同方向に同一速度で移送しなが
ら再生すると、磁気ヘッド13a,13bは、これらの
各トラック上をトレースすることになりノーマル再生が
行われることになる。
【0009】しかし、再生時の磁気テープTの走行速度
や方向が記録時のそれと異なると、磁気テープTと磁気
ヘッド13a,13bとの相対線速度が変化するため、
磁気ヘッド13a,13bが磁気テープT上に描くトラ
ックパターンは、例えば図3にそれぞれFF,STIL
L,FBで示されるように異なるものになる。
【0010】図3中に+2,+3…+7のように示して
ある各点の位置と、起点とを結んだときに描かれる各直
線は、記録時における磁気テープTの走行方向と同一の
方向(+の符号で示す。)に、記録時の磁気テープTの
走行速度の2倍,3倍…7倍の走行速度で、磁気テープ
Tを走行させて早送り再生動作を行なった場合(以下、
「FF再生」という。)に磁気テープT上に描かれる磁
気ヘッド13a,13bの回転軌跡を示すものである。
【0011】同様に、−2,−3…−7のように示して
ある各点の位置と、起点とを結んだときに描かれる各直
線は、記録時における磁気テープTの走行方向と逆の方
向(−の符号で示す。)に、記録時の磁気テープTの走
行速度の2倍,3倍…7倍の走行速度で、磁気テープT
を走行させて早戻し再生動作を行なった場合(以下、
「FB再生」という。)に磁気テープT上に描かれる磁
気ヘッド13a,13bの回転軌跡を示すものである。
【0012】なお、起点と磁気テープTの上縁に0のよ
うに示してある点とを結ぶ直線は、磁気テープTを停止
させた状態で再生動作を行なった場合(以下、「スチル
再生」という。)に磁気テープT上に描かれる磁気ヘッ
ド13a,13bの回転軌跡を示している。
【0013】このトラックパターンの具体的な例とし
て、代表的なVTR方式の一つであるVHS(登録商
標)方式VTRについて見てみれば以下の如くである。
即ち、最も一般的なVHS方式のVTRでは、毎分18
00回転で回転する直径62mmの回転ドラムの外周に
磁気テープTが略180゜に亘って螺旋状に巻回された
状態で走行する。そして、標準モード(以下「SPモー
ド」という。)の記録では、磁気テープは毎秒33. 3
5mmで移送されてトラック幅58μmの磁気ヘッドに
よって磁気テープTに描かれる記録跡は、磁気テープT
の基準縁Teに対して5°58’9. 9”のビデオトラ
ック角度を形成するようになっている。なお、VHS方
式のVTRには、このSPモードの外に磁気テープを毎
秒11.12mmで移送してトラック幅19μmの磁気
ヘッドで記録する3倍モード(以下「EPモード」とい
う。)がある。このEPモードでは、磁気テープTの走
行速度とトラック幅をSPモードの3分の1にすること
によって同一長さの磁気テープに3倍の時間の記録が可
能になる。しかし、後述するように、磁気テープに記録
されるトラック幅が狭いことから、トリックプレイにお
いて、磁気ヘッド13a,13bが各トラック上を正確
にとトレースするようにするためにはSPモードの場合
よりも困難を伴うものである。
【0014】また、磁気テープTを停止状態とした場合
には、磁気テープT上に描かれる磁気ヘッドの回転軌跡
は、磁気テープTの基準縁Teに対して5°56’7.
4”となる。また例えば、図3中のSPモード時におけ
る+7の表示によって指示している磁気テープTの上縁
の位置と起点とを結ぶ直線は、磁気テープTの基準縁T
eに対して6°10’54”の角度を示し、さらに例え
ば、同図中のSPモード時における−7の表示によって
指示している磁気テープTの上縁の位置と起点とを結ぶ
直線は、磁気テープTの基準縁Teに対して5°42’
25. 7”の角度を示すものとなる。
【0015】さて、図3に例示されているトラックパタ
ーンを参照すれば明らかなように、SPモードで磁気テ
ープT上に記録されたトラックパターンと、トリックプ
レイ時に磁気ヘッド13a,13bによって磁気テープ
T上に描かれる磁気ヘッドの回転軌跡とは交叉した状態
になる。したがって、図2(b)に示すように、トリッ
クプレイ時に再生されるFM信号の信号レベルは、磁気
ヘッド13a,13bが記録跡を横切る度毎に大きく変
化し、1垂直走査期間におけるFM信号のエンベロープ
をみると、1垂直走査期間中に大きな起伏が生じたもの
になる。このため、トリックプレイ時における再生画像
としては、画像中にノイズバーが生じている品質の悪い
再生画像しか得られない。
【0016】また最近になって、19μmの記録跡幅を
有する3本の記録跡を磁気テープTに同時に並列記録し
て、図4(a)に示されているような記録跡パターンを
磁気テープTに形成させることにより、所謂、ハイビジ
ョンの画像情報の記録再生も可能にできるようにした新
しい形態のVTR(以下「W−VHS方式VTR」とい
う。)が商品化されている。このW−VHS方式VTR
においては、磁気テープTに同時に並列的に形成される
3本の記録跡の内で隣接する2本の記録跡は、互いに逆
方向のアジマス角を有する2個の磁気ヘッドによって映
像信号の記録再生に用いられ、また残り1本の記録跡は
他の1個の磁気ヘッドによって音声信号の記録再生に用
いられている。
【0017】このようなW−VHS方式VTRによって
記録された記録済み磁気テープTを、記録時と異なる速
度で走行させてFF再生又はFB再生しようとした場
合、磁気ヘッドの移動軌跡は、図4(a)中に「起点」
と示されている点から、例えば図中の磁気テープTにお
ける上縁の上方に記載してある+7あるいは−7の数字
によって指示している磁気テープTの上縁の位置とを結
ぶ直線によって示されるものとなる。従って、それぞれ
アジマス角を異にしている映像用の2個の磁気ヘッド
が、磁気テープTに形成されている複数の記録跡を横切
って再生動作を行なうことになるために再生される画像
はノイズバーだらけのものになってしまう。
【0018】更にまた、詳述は避けるが、最近多く提案
されている民生用デジタルVTRでは、高能率符号化方
式によって映像信号のデータ量を圧縮して記録している
ために、FF再生時やFB再生時等のように回転磁気ヘ
ッドが磁気テープTの記録跡を横切って再生動作を行な
うと、モザイク状に並べられているデータのブロックの
配列状態の如何によっては全く画像が再生できないこと
も起こる。
【0019】このような問題点を解決するのには、磁気
ヘッドの回転軌跡と磁気テープTの記録跡とを一致させ
ればよく、本願出願人は特開平6−318351号公報
にて以下の方法を提案した。
【0020】図5は従来の磁気記録再生装置に採用され
たドラム構体の構成を示した斜視図、図6は図5に示し
たドラム構体において、上ドラム及び下ドラムを補正す
る1次補正と、リードリングを補正する2次補正とを行
う際の夫々の回動支点を示した模式図、図7は図5に示
したドラム構体の動作を説明するための図である。
【0021】図5乃至図7に示した従来の磁気記録再生
装置(VTR)に採用されたドラム構体10Aは、特開
平6−318351号公報に開示されており、ここでは
簡略に説明すると共に、必要とあれば上記公報を参照さ
れたい。
【0022】図5及び図6(a),(b)に示したドラ
ム構体10Aにおいて、下ドラム12の中心部にはドラ
ム軸14が圧入されており、このドラム軸14に嵌着し
たベアリング15a,15bを介して上ドラム11が同
軸的に支持されている。そして、磁気ヘッド13a,1
3bを搭載した上ドラム11のみがドラムモータ16に
よってドラム軸14を中心に回転自在となっている。更
に、下ドラム12の外周下方には、磁気テープTの基準
縁Teを案内する螺旋状のリード17aを形成したリー
ドリング17が別体として設けられている。この際、磁
気テープTは、上ドラム11及び下ドラム12に180
゜以上に亘って螺旋状に巻付けられており、図6(a)
中において、0゜と表示した位置は磁気テープTの入口
側であり、90゜と表示した位置は磁気テープTの巻付
範囲の中央位置であり、180゜と表示した位置は磁気
テープTの出口側である。また、直線Lは前記した上
下ドラム11,12の周面に対する磁気テープTの巻付
範囲の略中央位置とドラム軸14の軸心Oとを結んでド
ラム軸14と直交する直線であり、直線Lはドラム軸
14の軸心Oを通過して直線Lに直交する直線であ
る。尚、以後の説明においては、ドラム軸14の軸心O
を原点とし、軸心Oから左方にのびる直線Lの方向を
0゜の方向とした反時計方向の角座標を用いることによ
り各構成部材の配置される角度位置や、ドラム構体10
Aの断面図の断面の方向を特定して説明することがあ
る。例えば、ドラム構体10Aを直線Lに沿って切断
した断面図の場合、当該断面図を0゜−180゜断面図
と呼ぶ。
【0023】そして、上ドラム11,下ドラム12,リ
ードリング17をドラムベース18上にドラム構体10
Aとして組み立てる際、リードリング17はドラムベー
ス18上で90゜−270゜線L上に設けたピンなど
の回動支点部材19a,19bに対して回動自在に支持
され、且つ、ドラムベース18とリードリング17との
間に圧縮バネ20が狭装されていると共に、ドラムベー
ス18に螺合したスクリュー24がリードリング17の
底面の裏面に当接している。また、下ドラム12はリー
ドリング17の内周上面上で90゜−270゜線L
に設けたピンなどの回動支点部材21a,21bに対し
て回動自在に支持され、且つ、リードリング17と下ド
ラム12との間に圧縮バネ22が狭装されていると共
に、ドラムベース18を貫通してリードリング17に螺
合したスクリュー25が下ドラム12の底面の裏面に当
接している。更に、下ドラム12の下端部がリードリン
グ17及びドラムベース18を貫通し、且つ、下ドラム
12の下端部に取り付けた板バネ23a,23bでドラ
ムベース18の裏面を押圧している。そして下記するよ
うに、図示しないモータによって回転駆動すると共に、
リードリング17に螺合したスクリュー25で下ドラム
12の底面を押すことにより、ドラム軸14と一体に上
下ドラム11,12が、リードリング17のリードリン
グ17aに対して所定の方向に傾斜できる構成になって
いる。また、図示しないモータによって回転駆動すると
共に、ドラムベース18に螺合したスクリュー24でリ
ードリング17の底面を押すことにより、リードリング
17と一緒にドラム軸14に同軸的に支持した上下ドラ
ム11,12が、ドラムベース18に対して所定の方向
に傾斜できる構成になっている。
【0024】即ち、まず、図7(a)に模式的に示した
如くのノーマル再生モード時には、ドラムベース18に
対してドラム軸14に同軸的に支持した上下ドラム1
1,12と、リードリング17とはドラムベース18に
対して傾くことなく、ドラムベース18と略平行な状態
に保持されるように下ドラム11の底面及びリードリン
グ17の底面が図示しないノーマル再生状態保持手段に
当接しており、且つ、ドラムベース18に螺合したスク
リュー24はリードリング17の底面に当接することな
く退避する一方、リードリング17に螺合したスクリュ
ー25も下ドラム12の底面に当接することなく退避し
ている。従って、ドラム軸14とリードリング17の仮
想中心軸は、高精度に一致し且つこれらの軸はドラムベ
ース18に対して垂直な状態となる。この状態で標準モ
ードで記録された磁気テープTがその基準縁Teをリー
ドリング17のリード17aに案内されてノーマル再生
モードに対応した所定の速度(VHS方式VTRの場合
毎秒33.35mm)で走行すると、磁気ヘッド13
a,13bの回転軌跡は磁気テープTに記録されたトラ
ックパターンと一致した状態となり、図2(a)に例示
されているように良好な状態のエンベロープを示す再生
信号が得られる。ここでは、図示しないモード指定手段
によりノーマル再生モードを指定した場合について説明
したが、標準速度で走行する磁気テープTに記録を行う
所謂記録モードを指定した場合でも、ドラム軸14及び
リードリング17の仮想中心軸の傾斜角度の調整につい
ては同様の動作が行われる。
【0025】次に、図7(b)に模式的に示した如く、
ノーマル再生モードの状態からFF再生モードの状態に
するには、図示しないモータを駆動して、早送りの倍速
数に応じてスクリュー25,24を同時に作動させて、
スクリュー25でリードリング17に対して下ドラム1
2を上方に押し上げる一方、スクリュー24でドラムベ
ース18に対してリードリング17を上方に押し上げて
いる。
【0026】即ち、リードリング17に螺合したスクリ
ュー25が押し出されると、その上端が下ドラム12の
底面を押し上げる。これにより、リードリング17のリ
ード17aに対してドラム軸14と一体に上下ドラム1
1,12が圧縮バネ22の付勢力に抗して回動支点部材
21a,21bを中心に時計方向に回動する。この回動
動作により、リードリング17のリード17aに対する
磁気ヘッド13a,13bの回転軌跡面の角度が変化
し、所望の早送り倍速数に略適合したリード17aと磁
気ヘッド13a,13bの回転軌跡面の相対角度が得ら
れる。(以下、ここで述べたリード17aと磁気ヘッド
13a,13bの回転軌跡面との相対角度を変化させる
補正を便宜上「1次補正」又は「トラック補正」と呼
ぶ。)また、ドラムベース18に螺合したスクリュー2
4もこの時同時に同図中上方に押し出されるため、その
上端がリードリング17の底面を押し上げる。これによ
り、上記1次補正状態を保ちつつドラムベース18に対
してリードリング17と一緒にドラム軸14に同軸的に
支持した上下ドラム11,12が、圧縮バネ20の付勢
力に抗して回動支点部材19a,19bを中心に所定の
角度だけ時計方向に回動する。
【0027】これは、1次補正に伴うドラム構体10A
の回動により磁気テープTがその回動の方向に引っ張ら
れることにより、ドラム構体10Aに対する磁気テープ
Tの入口側ではその基準縁Teがリードリング17のリ
ード17aから離れる傾向を生じ、出口側ではその基準
縁Teがリード17aに押しつけられる傾向を生じるた
めリードリング17を回動してリード17aを磁気テー
プTの基準縁Teに合わせるものである。(以下、リー
ドリング17を回動して1次補正に伴う磁気テープTの
基準縁Teの変位にリード17aを合わせる補正を便宜
上「2次補正」又は「リード補正」と呼ぶ。) 言い換えると、ここで、2次補正が行われた際にも、早
送り倍速数に適合したリード17と磁気ヘッド13a,
13bの回転軌跡面との相対角度が維持されるものであ
ることはいうまでもない。
【0028】従って、リードリング17に螺合したスク
リュー25による1次補正(トラック補正)と、ドラム
ベース18に螺合したスクリュー24による2次補正
(リード補正)とが同時に行われて、リードリング17
と一緒にドラム軸14に同軸的に支持した上下ドラム1
1,12が、1次補正分と2次補正分とを加算した分だ
けドラムベース18に対して時計方向に回動することに
なる。(以下、1次補正分と2次補正分とを加算した補
正を便宜上「ドラム全体補正」と呼ぶ。) そして、1次補正により磁気テープTの基準縁Teがリ
ードリング17のリード17aから離間してもこの2次
補正により、磁気テープTの基準縁Teはリード17a
によりそのドラム構体10Aへの巻き付け範囲の全般に
亘り安定に案内されるため、所期の早送り倍速数で磁気
テープTが走行すると、磁気ヘッド13a,13bの回
転軌跡は磁気テープTに記録されたトラックパターンと
一致した状態となり、図2(a)に例示されているよう
に良好な状態のエンベロープを示す再生信号が得られ
る。
【0029】次に、図7(c)に模式的に示した如く、
例えばノーマル再生モードの状態からFB再生モードの
状態にするには、上述したFF再生モードを行う場合と
は逆方向に図示しないモータを回転駆動して、スクリュ
ー25,24を下ドラム12の底面,リードリング17
の底面に当接しながら下方に後退させると、リードリン
グ17に螺合したスクリュー25の後退により、リード
リング17のリード17aに対してドラム軸14と一体
に上下ドラム11,12が、圧縮バネ22の付勢力によ
り回動支点部材21a,21bを中心に反時計方向に回
動する1次補正が行われる。一方、ドラムベース18に
螺合したスクリュー24の後退により、1次補正状態を
保ちつつドラムベース18に対してリードリング17と
一緒にドラム軸14に同軸的に支持した上下ドラム1
1,12が、圧縮バネ20の付勢力により回動支点部材
19a,19bを中心に反時計方向に回動する2次補正
が行われる。そして、リードリング17と一緒にドラム
軸14に同軸的に支持した上下ドラム11,12が、1
次補正分と2次補正分とを加算した分だけドラムベース
18に対して反時計方向に回動することになり、ドラム
全体補正が行われる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のVT
R1では、早送り再生時又は早戻し再生時にドラム軸1
4に同軸的に支持した上下ドラム11,12と、リード
リング17とを所定の方向に傾斜させているので、早送
り再生,早戻し再生においてノイズバーの無い再生画像
が得られるものの、リードリング17への回動支点はド
ラムベース18上で90゜−270゜線L上に設けた
回動支点部材19a,19bであり、下ドラム12への
回動支点はリードリング17の内周上面上で90゜−2
70゜線L上に設けた回動支点部材21a,21bで
あるため、先に説明したようにノーマル再生時にはドラ
ム軸14に同軸的に支持した上下ドラム11,12と、
リードリング17とをドラムベース18に対して傾くこ
となく、ドラムベース18と略平行な状態に保持するた
めにノーマル再生状態保持手段(図示せず)が必要とな
り、このノーマル再生状態保持手段は下ドラム12及び
リードリング17に対して高さ精度を備えた状態で接離
自在に構成しなければならないのでノーマル再生状態保
持手段の構造が複雑となるなどの問題がある。
【0031】また、ドラムベース18上に設けた回動支
点部材19a,19bと、リードリング17の内周上面
上に設けた回動支点部材21a,21bとは90゜−2
70゜線L上だけに位置しているため、回動支点部材
の耐摩耗性とか、外部からの衝撃に対する耐衝撃性とか
に対して弱い構造形態であると共に、リードリング17
は上下面に加工を施さなければならないので、リードリ
ング17の上下面間の厚みにバラツキが生じ易くなり、
これに伴って磁気ヘッド13a,13bのデッキに対す
る高さのバラツキを生るなどの問題がある。
【0032】更に、従来のVTR1に適用されたドラム
構体10Aの動作では、1次補正分(トラック補正分)
と2次補正分(リード補正分)とを加算してドラム全体
補正を行っているが、ドラム全体補正分から1次補正分
(トラック補正分)を減算して2次補正(リード補正)
を行う方法も考えられ、この減算方式によるドラム構体
の構造の開発が要求されている。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、回転磁気ヘッド
を搭載して回転自在な上ドラムと、下ドラムとをドラム
軸に同軸的に支持し、且つ、磁気テープの基準縁を案内
するリードを形成した略円環状のリードリングを該下ド
ラムの磁気テープ摺接面の下部に形成した該磁気テープ
摺接面より小径な小径部の外周面に接近した状態で遊嵌
させると共に、該リードリングの中央孔を該下ドラムの
下部と同軸的に嵌合させて、該リードリングと該ドラム
軸に同軸的に支持した該上下ドラムとをドラムベース上
に支持し、該上下ドラムの周面の一部へ巻回された状態
の該磁気テープに、該回転磁気ヘッドを用いて該磁気テ
ープの基準縁に対して所定角度の傾斜記録跡を形成して
記録再生動作を行なう際、該磁気テープに形成されてい
る記録跡と該回転磁気ヘッドの回転軌跡面とが一致した
状態となるように、該リードリングのリードに対して該
ドラム軸に同軸的に支持した該上下ドラムを、該磁気テ
ープの走行速度に応じて該上下ドラムへの磁気テープ巻
付の入口側と出口側とで互いに逆方向に傾斜させる1次
補正と、該リードリングのリードが該磁気テープの基準
縁に一致した状態となるように、該ドラムベースに対し
て該リードリング,該ドラム軸に同軸的に支持した該上
下ドラムを、該磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互
いに逆方向に傾斜させる2次補正とを行うための複数の
回動支点を有した角度補正手段を備えた磁気記録再生装
置において、前記複数の回動支点は、該ドラムベースと
該下ドラムとの間に第1回動支点と第2回動支点とを該
ドラム軸を介して夫々設け、且つ、該リードリングと該
下ドラムとの間に第1回動支点と第2回動支点とを該ド
ラム軸を介して夫々設けてなり、標準速度で走行する該
磁気テープに記録又は再生を行う場合に、該ドラムベー
スと該下ドラムとの間に設けた第1,第2回動支点と、
該リードリングと該下ドラムとの間に設けた第1,第2
回動支点とで該下ドラムを支持し、標準速度とは異なる
速度で一方の方向に走行する該磁気テープに記録又は再
生を行う場合に、該ドラムベースと該下ドラムとの間に
設けた第2回動支点と、該リードリングと該下ドラムと
の間に設けた第2回動支点とで該下ドラムを支持する一
方、該ドラムベースと該下ドラムとの間に設けた第1回
動支点と、該リードリングと該下ドラムとの間に設けた
第1回動支点とを該下ドラムから離間させ、標準速度と
は異なる速度で他方の方向に走行する該磁気テープに記
録又は再生を行う場合に、該ドラムベースと該下ドラム
との間に設けた第1回動支点と、該リードリングと該下
ドラムとの間に設けた第1回動支点とで該下ドラムを支
持する一方、該ドラムベースと該下ドラムとの間に設け
た第2回動支点と、該リードリングと該下ドラムとの間
に設けた第2回動支点とを該下ドラムから離間させるよ
う構成したことを特徴とする磁気記録再生装置である。
【0034】また、第2の発明は、回転磁気ヘッドを搭
載して回転自在な上ドラムと、下ドラムとをドラム軸に
同軸的に支持し、且つ、磁気テープの基準縁を案内する
リードを形成した略円環状のリードリングを該下ドラム
の磁気テープ摺接面の下部に形成した該磁気テープ摺接
面より小径な小径部の外周面に接近した状態で遊嵌させ
ると共に、該リードリングの中央孔を該下ドラムの下部
と同軸的に嵌合させて、該リードリングと該ドラム軸に
同軸的に支持した該上下ドラムとをドラムベース上に支
持し、該上下ドラムの周面の一部へ巻回された状態の該
磁気テープに、該回転磁気ヘッドを用いて該磁気テープ
の基準縁に対して所定角度の傾斜記録跡を形成して記録
再生動作を行なう際、該磁気テープに形成されている記
録跡と該回転磁気ヘッドの回転軌跡面とが一致した状態
となるように、該リードリングのリードに対して該ドラ
ム軸に同軸的に支持した該上下ドラムを、該磁気テープ
の走行速度に応じて該上下ドラムへの磁気テープ巻付の
入口側と出口側とで互いに逆方向に傾斜させる1次補正
と、該リードリングのリードが該磁気テープの基準縁に
一致した状態となるように、該ドラムベースに対して該
リードリング,該ドラム軸に同軸的に支持した該上下ド
ラムを、該磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに
逆方向に傾斜させる2次補正とを行う角度補正手段を備
えた磁気記録再生装置において、前記角度補正手段は、
該リードリングと共に該ドラム軸に同軸的に支持した該
上下ドラムを、該ドラムベースと該下ドラムとの間に設
けた第1,第2回動支点のいずれか一方を中心に、該ド
ラムベースに対してドラム全体補正傾斜角θ°だけ傾斜
させてドラム全体補正を行うドラム全体補正手段と、該
リードリングを、該リードリングと該下ドラムとの間に
設けた第1,第2回動支点のうちで前記ドラム全体補正
時のいずれか一方の回動支点と対応させた一方の回動支
点を中心に、該下ドラムに対して前記ドラム全体補正傾
斜角θ°より小さな1次補正傾斜角θ°だけ前記ドラ
ム全体補正時の傾斜方向とは逆方向に傾斜させて前記1
次補正を行う1次補正手段と、該リードリングを該下ド
ラム側に付勢する第1の付勢手段と、該ドラム軸に同軸
的に支持した該上下ドラムを、該ドラムベース側に該第
1の付勢手段よりも強く付勢する第2の付勢手段とを具
備してなり、前記2次補正は、前記ドラム全体補正傾斜
角θ°から前記1次補正傾斜角θ°を減算することに
より、該ドラムベースに対する該リードリングの2次補
正傾斜角θ°を得るよう構成したことを特徴とする磁
気記録再生装置である。
【0035】
【実施例】以下に本発明に係わる磁気記録再生装置の一
実施例を図8乃至図17を参照して詳細に説明する。
尚、説明の便宜上、先に示した構成部材と同一構成部材
に対しては同一の符号を付して説明する。
【0036】図8は本発明に係わる磁気記録再生装置に
適用されたドラム構体の構成を示した斜視図、図9は同
磁気記録再生装置に適用されたドラム構体の構成を示し
た縦断面図、図10(a),(b)は同磁気記録再生装
置におけるドラム構体の上面図及び上面をG−G線に沿
って断面したG−G断面図、図11(a),(b)は同
磁気記録再生装置におけるドラム構体の上面図及び上面
をX−O−Y−Z線に沿って断面したX−O−Y−Z断
面図、図12(a),(b)は同磁気記録再生装置にお
けるドラム構体の上面図及び上面をE−E線に沿って断
面したE−E断面図、図13はドラム構体において、リ
ードリングに螺合したスクリューをカップリングギヤで
連結する構造を説明するための図である。
【0037】図8及び図9に示した本発明に係わる磁気
記録再生装置に適用されるドラム構体10Bの構成は、
下ドラム12の中心部にドラム軸14が圧入されてお
り、このドラム軸14に嵌着したベアリング15a,1
5bを介して上ドラム11が同軸的に支持されている。
また、上下ドラム11,12の外周には磁気テープTを
巻回して案内するテープ摺接面11a,12aが略同径
に形成されている。また、下ドラム12には、テープ摺
接面12aよりも小径の小径部12bがテープ摺接面1
2aの下方に螺旋状に形成され、且つ、底面部12cの
中央下方に小径部12bより小径の下方小径部12dが
後述のドラムベース18側に向かって突出形成されてい
る。そして、磁気ヘッド13a,13bを搭載した上ド
ラム11のみがドラム軸14を中心にドラムモータ16
の駆動力によって回転自在となっている。この際、ドラ
ムモータ16はドラム軸14の上端部側に固定されたス
テータ16aと、上ドラム11と一体に回転するロータ
16bとを組合わせて構成されている。また、上ドラム
11に取り付けた回転トランス26aと、下ドラム12
に取り付けた回転トランス26bとの間で磁気ヘッド1
3a,13bの信号を授受している。
【0038】更に、下ドラム12の外周下方には、磁気
テープTの基準縁Teを案内する螺旋状のリード17a
を形成したリードリング17が別体として設けられてい
る。上記リードリング17は、下ドラム12の下方に螺
旋状に形成した小径部12bの外周面に接近した状態で
遊嵌されており、上端に螺旋状のリード17aを形成し
た円環状部17bと底面部17cとから大略構成されて
いる。また、リードリング17の底面部17cの中央に
は中央孔17dが貫通して形成されており、この中央孔
17dの内周部には下ドラム12の下方小径部12dと
同軸的に嵌合すべきナイフエッジ部17dが形成され
ている。従って、ドラム軸14に同軸的に支持された上
下ドラム11,12が、リードリング17の底面部17
c上に同軸的に嵌合できるようになっている。
【0039】そして、上ドラム11,下ドラム12,リ
ードリング17をドラムベース18上にドラム構体10
Bとして組み立てる前に、更に、具体的な構成について
図10乃至図12を用いて以下説明する。
【0040】まず、図10(a),(b)に示した如
く、下ドラム12の底面部12cの外周近傍には、0゜
−180゜線L上で90゜−270゜線Lを対称に
耐摩耗性の良い位置決めピン27a,27bが固着さ
れ、位置決めピン27a,27bの下端側はこれらと対
応してリードリング17の底面部17cに穿設した楕円
孔17c,丸孔17c内に臨むように突出形成され
ている。この際、0゜側の位置決めピン27aは楕円孔
17c内を0゜−180゜方向に遊嵌する一方、これ
と直交する方向は位置規制されて下ドラム12とリード
リング17との位置決めをしている。また、180゜側
の位置決めピン27aは丸孔17c内を遊嵌してい
る。更に、位置決めピン27a,27bの下端には、こ
れらと対応してドラムベース18に螺合した第1のスク
リュー(以下、スクリューと記す)24a,24bの上
端が接離自在になっている。
【0041】そして、ドラムベース18に螺合したスク
リュー24a,24bは、リードリング17に当接する
ことなく、回転伴って上下動して下ドラム12を押圧す
るようになっており、且つ、これらのスクリュー24
a,24bは、従来例で説明したスクリュー24による
2次補正動作とは異なって、ドラム全体補正を行う機能
を備えている。即ち、後述するように、FF再生モード
時に0゜側のスクリュー24aの上端で0゜側の位置決
めピン27aを押し上げることにより、下ドラム12の
うちで0゜側の底面部12cを押し上げて、リードリン
グ17と一緒にドラム軸14に同軸的に支持された上下
ドラム11,12を、ドラムベース18に対して図1
5,図17に示したドラム全体補正傾斜角θだけ時計方
向に回動させてFF再生モード時のドラム全体補正を行
う一方、FB再生モード時に180゜側のスクリュー2
4bの上端で180゜側の位置決めピン27bを押し上
げることにより、上記とは逆の反時計方向の回動による
FB再生モード時のドラム全体補正を行うようになって
いる。尚、FF再生モード時及びFB再生モード時に、
ドラムベース18に螺合したスクリュー24a,24b
によって下ドラム12が回動しても、スクリュー24
a,24bは傾かないため、スクリュー24a,24b
の下端に一体的に設けたギヤ部を後述する駆動手段50
(図14)に設けた2段ギヤ60,61に直接噛合させ
ている。
【0042】次に、図11(a),(b)に示した如
く、下ドラム12の底面部12cの外周近傍には、0゜
−180゜線Lの図示上方で90゜−270゜の線L
を対称に耐摩耗性の良いピン28a,(28b)が固
着され、ピン28a,(28b)の下端側はリードリン
グ17の底面部17cに穿設した逃げ孔17c,(1
7c)内に臨むように突出形成されている。更に、ピ
ン28a,(28b)の下端に、リードリング17の底
面部17cに螺合した第2のスクリュー(以下、スクリ
ューと記す)25a,(25b)が設けられており、こ
れらのスクリュー25a,(25b)の上端が、回転に
伴って上下動してピン28a,(28b)に接離自在に
なっていると共に、スクリュー25a,(25b)の下
端がこれらと対応して形成したドラムベース18の段付
き孔18a,(18b)内に臨んでいる。
【0043】ここで、図13(a)〜(c)に拡大して
示した如く、リードリング17の底面部17cに螺合し
たスクリュー25a,(25b)のうちでスクリュー2
5a側について説明する。尚、スクリュー25b側も同
様な構造であるので、説明を省略する。上記スクリュー
25aをドラムベース18の裏面側に延出すると、従来
の課題で説明したようにスクリュー25aの作動時に、
リードリング17の傾きに伴ってスクリュー25aの延
出した部位も傾き、この延出した部位がドラムベース1
8の裏面側で拡大されてしまう。
【0044】そこで、図13(a)に示した如く、ドラ
ムベース18に形成した段付き孔18aの上部大径孔1
8a内に、シャフト40の上端に圧入したカップリン
グギア41を挿入し、且つ、シャフト40を段付き孔1
8aの下部小径孔18aに軸嵌合してドラムベース1
8の裏面に延出させ、延出させたシャフト40の下端に
スクリュー連動ギヤ42を固着している。この際、シャ
フト40を介してドラムベース18に支持したスクリュ
ー連動ギヤ42は、後述する駆動手段50(図14)に
設けた2段ギヤ60の小径ギヤ部60bに噛合して回転
自在となっている。また、リードリング17に螺合した
スクリュー25aの下部に一体的に設けたギヤ部25a
を、ドラムベース18の段付き孔18a内に挿入した
カップリングギア41に遊嵌状態で噛合させている。
【0045】ここで、図13(b)に示した如く、カッ
プリングギア41の内周には内歯が形成されており、こ
のカップリングギア41の内歯はスクリュー25aのギ
ヤ部25aの外歯とモジュール及び歯数が同一に形成
され、且つ、内歯と外歯との間では転移されて両者間に
スキマが形成されているので、スクリュー25aのギヤ
部25aの外歯がカップリングギア41の内歯に遊嵌
状態で噛合している。そして、スクリュー連動ギヤ42
とシャフト40を介して一体なカップリングギア41が
回転すると、このカップリングギア41の回転は、カッ
プリングギア41に遊嵌状態で噛合したスクリュー25
aのギヤ部25aに伝達される。そして、スクリュー
25aのギヤ部25aはカップリングギア41と一緒
に回転すると共に、スクリュー25aのリードリング1
7への螺合による回転に伴って、ギヤ部25aがカッ
プリングギア41の内歯内で上下動しながらスクリュー
25aの上端が下ドラム12の底面部12cに圧入した
ピン28aに接離自在になっている。
【0046】従って、図13(c)に示した如く、リー
ドリング17に螺合したスクリュー25aが作動した
時、リードリング17の傾きに伴ってスクリュー25a
がドラムベース18に対して傾いても、スクリュー25
aのギヤ部25aとカップリングギア41との遊嵌状
態での噛合関係により両者間で何等の支障も生じること
なく、且つ、スクリュー25aを作動させるためのスク
リュー連動ギヤ42は、ドラムベース18にしっかりと
回転自在に支持されているので、スクリュー連動ギヤ4
2が駆動手段50(図14)に設けた2段ギヤ60の小
径ギヤ部60bに精度よく確実に噛合できる。
【0047】再び、図11(a),(b)に戻り、リー
ドリング17に螺合したスクリュー25a,25bは、
下ドラム12を押圧するようになっており、従来例で説
明したと同様に1次補正(トラック補正)を行う機能を
備えている。即ち、後述するように、FF再生モード時
に0゜側のスクリュー25aの上端を0゜側のピン28
aに当接させると、リードリング17のうちで0゜側の
底面部17cを下ドラム12に対して図15,図17に
示した1次補正傾斜角(トラック補正傾斜角)θだけ
押し下げる方向(反時計方向)に回動してFF再生モー
ド時の1次補正(トラック補正)を行う一方、FB再生
モード時に180゜側のスクリュー25bを180゜側
のピン28bに当接させることにより、上記とは逆にリ
ードリング17のうちで180゜側の底面部17cを下
ドラム12に対して押し下げる方向(時計方向)に回動
してFB再生モード時の1次補正(トラック補正)を行
うようになっている。
【0048】次に、実施例における2次補正(リード補
正)の動作は、前記からドラム全体補正傾斜角θだけ回
動した下ドラム12に対して、リードリング17がドラ
ム全体補正傾斜角θより小さい角度の1次補正傾斜角
(トラック補正傾斜角)θだけ下ドラム12の傾斜方
向と逆方向に回動しているので、ドラム全体補正傾斜角
θから1次補正傾斜角θを減算した2次補正傾斜角
(リード補正傾斜角)θ分だけ、ドラムベース18に
対してリードリング17が時計方向に回動することにな
り、この動作がFF再生モード時の2次補正(リード補
正)となっている。勿論、FB再生モード時の2次補正
(リード補正)では、ドラムベース18に対してリード
リング17が上記とは逆の反時計方向に回動する。
【0049】上記から、スクリュー(第1のスクリュ
ー)24a,24bは、FF再生モード時,FB再生モ
ード時にリードリング17と一緒にドラム軸14に同軸
的に支持した上下ドラム11,12を、ドラムベース1
8に対して磁気テープTの走行速度に応じて上下ドラム
11,12への磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互
いに逆方向に傾斜させるドラム全体補正手段となってい
る。
【0050】また、スクリュー(第2のスクリュー)2
5a,25bは、FF再生モード時,FB再生モード時
に磁気テープTに形成されている記録跡と磁気ヘッド1
3a,13bの回転軌跡面とが一致した状態となるよう
に、下ドラム12に対してリードリング17を押し下げ
るように傾斜させることにより、磁気テープ巻付の入口
側と出口側とで互いに逆方向に変位させる1次補正手段
(トラック補正手段)となっている。
【0051】そして、ドラム全体を補正するスクリュー
24a,24bと、1次補正(トラック補正)をするス
クリュー25a,25bとの協働により、FF再生モー
ド時,FB再生モード時にリードリング17のリード1
7aが磁気テープTの基準縁Teに一致した状態となる
ように、ドラムベース18に対してリードリング17
を、磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに逆方向
に傾斜させることにより、2次補正(リード補正)が行
われている。
【0052】従って、(ドラム全体補正)−(1次補
正)=(2次補正)を行うためのスクリュー(第1のス
クリュー)24a,24bと、スクリュー(第2のスク
リュー)25a,25bとの協働構成が角度補正手段と
なるものである。
【0053】また、リードリング17の底面部17cに
螺合したスクリュー25a,25bの近傍で、リードリ
ング17の底面部17cの裏面とドラムベース18との
間に圧縮バネ29a,29b(第1の付勢手段)が狭装
されており、これらの圧縮バネ29a,29bは弱いバ
ネ力でリードリング17を下ドラム12側に押圧してい
る。
【0054】また、90゜−270゜線Lで0゜−1
80゜線Lを対称に位置決めピン30a,30bが下
ドラム12の底面部12cの外周近傍と、リードリング
17の底面部17cの外周近傍と、ドラムベース18と
の間に設けられ、これらの位置決めピン30a,30b
は下ドラム12とドラムベース18とを位置決めしてい
る。
【0055】また、図11(a),(b)及び図12
(a),(b)に示した如く、ドラムベース18の裏面
側には、90゜−270゜線Lで0゜−180゜線L
を対称に段付き孔18c,(18d)が穿設されてお
り、これらの段付き孔18c,(18d)内には圧縮バ
ネ(第2の付勢手段)31a,(31b)を嵌めたフラ
ンジ付きスクリュー32a,(32b)が下方から挿入
され、フランジ付きスクリュー32a,(32b)の上
端はリードリング17の貫通孔を通って下ドラム12に
螺合している。この際、圧縮バネ31a,(31b)
は、前述した圧縮バネ29a,(29b)よりも強く設
定されている。そして、フランジ付きスクリュー32
a,(32b)のフランジと段付き孔18c,(18
d)との間に狭装された圧縮バネ31a,(31b)の
強い付勢力により、ドラム軸14に同軸的に支持した上
下ドラム11,12がドラムベース18側に付勢されて
いる。従って、弱い圧縮バネ(第1の付勢手段)29
a,29bと強い圧縮バネ(第1の付勢手段)31a,
31bとの相互作用で、リードリング17と一緒にドラ
ム軸14に同軸的に支持した上下ドラム11,12を傾
斜させることができる。
【0056】次に、ドラム軸14に同軸的に支持した上
下ドラム11,12と、リードリング17とをドラムベ
ース18に対して時計方向又は反時計方向に回動させる
際の下ドラム12への回動支点について、図12
(a),(b)を用いて説明する。
【0057】同図において、ドラムベース18の上面側
の外周近傍には、90゜−270゜線L及び0゜−1
80゜線Lを夫々対称に第1回動支点18e,18
と、第2回動支点18f,18fとが高さ精度
を維持して下ドラム12側に向かって突出形成されてお
り、言い換えると、ドラムベース18上の第1回動支点
18e,18eと、第2回動支点18f,18f
とはドラム軸14を介して左方,右方に設けられてい
る。また、ドラムベース18上で第1回動支点18
,18e及び第2回動支点18f,18f
は、90゜−270゜線Lを対称にして90゜−2
70゜線Lと略平行な稜線上に位置しているが、場合
によっては90゜−270゜線Lと略平行な稜線上の
近傍に位置させても良い。更に、ドラムベース18上の
第1回動支点18e,18e及び第2回動支点18
,18fは、これらと対応してリードリング17
の底面部17cに穿設した逃げ孔17c〜17c
貫通して下ドラム12の底面部12cの裏面に接離自在
になっており、後述するようにノーマル再生モード時に
は0゜側の第1回動支点18e,18e及び180
゜側の第2回動支点18f,18fが下ドラム12
の底面部12cに当接し、FF再生モード時には180
゜側の第2回動支点18f,18fが下ドラム12
のうちで180゜側の底面部12cに当接し、FB再生
モード時には0゜側の第1回動支点18e,18e
が下ドラム12のうちで0゜側の底面部12cに当接す
るようになっている。尚、実施例では、ドラムベース1
8上に第1回動支点18e,18e及び第2回動支
点18f,18fを設けて説明したが、これに限る
ことなく、下ドラム12の底面部12cの裏面に上記相
当の第1回動支点及び第2回動支点を設けることも考え
られ、言い換えると、ドラムベース18と下ドラム12
との間に上記相当の第1回動支点と第2回動支点とをド
ラム軸14を介して夫々設ければ良いものである。
【0058】次に、リードリング17の内周で底面部1
7cの上面の外周近傍には、90゜−270゜線L
び0゜−180゜線Lを夫々対称に第1回動支点17
,17eと、第2回動支点17f,17f
が高さ精度を維持して下ドラム12側に向かって突出形
成されており、言い換えると、リードリング17上の第
1回動支点17e,17eと、第2回動支点17f
,17fとはドラム軸14を介して左方,右方に設
けられている。また、リードリング17上の第1回動支
点17e,17e及び第2回動支点17f,17
も、90゜−270゜線Lを対称にして90゜−
270゜線Lと略平行な稜線上に位置しているが、場
合によっては90゜−270゜線Lと略平行な稜線上
の近傍に位置させても良く、且つ、第1回動支点17e
,17e及び第2回動支点17f,17fは上
記したドラムベース18上の第1回動支点18e,1
8e及び第2回動支点18f,18fの外側に位
置している。更に、リードリング17上の第1回動支点
17e,17e及び第2回動支点17f,17f
は、下ドラム12の底面部12cの裏面に接離自在に
なっており、後述するようにノーマル再生モード時には
0゜側の第1回動支点17e,17e及び180゜
側の第2回動支点17f,17fが下ドラム12の
底面部12cに当接し、FF再生モード時には180゜
側の第2回動支点17f,17fが下ドラム12の
うちで180゜側の底面部12cに当接し、FB再生モ
ード時には0゜側の第1回動支点17e,17e
下ドラム12のうちで0゜側の底面部12cに当接する
ようになっている。この際、リードリング17の底面部
17cの裏面側は寸法精度を必要とせず、内周上面側だ
けを寸法精度良く加工すれば良い。尚、実施例では、リ
ードリング17の内周上面に第1回動支点17e,1
7e及び第2回動支点17f,17fを設けて説
明したが、これに限ることなく、下ドラム12の底面部
12cの裏面に上記相当の第1回動支点及び第2回動支
点を設けることも考えられ、言い換えると、リードリン
グ17と下ドラム12との間に上記相当の第1回動支点
と第2回動支点とをドラム軸14を介して夫々設ければ
良いものである。
【0059】次に、下ドラム12を回動させるためのス
クリュー24a,24bと、リードリング17を回動さ
せるためのスクリュー25a,25bとを同時に回転駆
動させるための駆動手段50について、図14及び図1
5を用いて簡略に説明する。図14は本発明に係わる磁
気記録再生装置におけるドラム構体の下面側に取り付け
た駆動手段を示した下面図、図15は同磁気記録再生装
置におけるドラム構体のドラム全体補正,1次補正,2
次補正の各傾斜角特性を示した図である。尚、以下の説
明において、リードリング17に螺合したスクリュー2
5aは、先に図13を用いて説明したように、カップリ
ングギア41を介してスクリュー連動ギヤ42と連動し
ているものの、スクリュー25aはスクリュー連動ギヤ
42と等価であるとして、説明をわかり易く記載するた
めにスクリュー25aと図示して説明する。
【0060】図14において、駆動手段50を取り付け
るための支持台51がドラムベース18の裏面側に支持
されている。ここで、支持台51上のモータ52の軸に
固着した第1プーリ53の回転は、ベルト54を介して
第2プーリ55を固着した軸56のウオーム57に伝達
され、このウオーム57と噛合した第1ハスバギヤ58
と、第1ハスバギヤ58と噛合した第2ハスバギヤ59
とに夫々伝達される。ここでは第1ハスバギヤ58の回
転方向と第2ハスバギヤ59の回転方向とが反転されて
いる。そして、第1ハスバギヤ58は、ギヤ列中の駆動
ギヤ(以下、2段ギヤと記す)60の大径ギヤ部60a
に噛合したスクリュー24aのギヤ部24a及び2段
ギヤ60の小径ギヤ部60bに噛合したスクリュー25
aのギヤ部25aを回転させる。これと同時、第2ハ
スバギヤ59は、ギヤ列中の駆動ギヤ(以下、2段ギヤ
と記す)61の大径ギヤ部61aに噛合したスクリュー
24bのギヤ部24b及び2段ギヤ61の小径ギヤ部
61bに噛合したスクリュー25bのギヤ部25b
スクリュー24a,25aの回転方向と反転させた方向
に回転させる。また、第2ハスバギヤ59と連結した2
段ギヤ61は、更にギヤ列を介してリセット用回転体
(以下、リセットギヤと記す)62を回転させる。この
リセットギヤ62の回転は略±180゜の範囲内で回転
するように減速されている。
【0061】この際、ドラム全体補正を行うためのスク
リュー24a,24bは、モータ52の回転に対して2
段ギヤ60,61の大径ギヤ部60a,61aに噛合し
ている関係上、図15に示したような傾斜特性が大きな
ドラム全体補正傾斜角特性に沿う。一方、1次補正を行
うためのスクリュー25a,25bは、ドラム全体補正
傾斜角θから1次補正傾斜角(トラック補正傾斜角)θ
を減算した2次補正傾斜角(リード補正傾斜角)θ
が得られるように、モータ52の回転に対して2段ギヤ
60,61の小径ギヤ部60b,61bに噛合している
関係上、図15に示したような傾斜特性が小さな2次補
正傾斜角(リード補正傾斜角)特性に沿う。また、図1
5に示すようなドラム全体補正傾斜角特性と2次補正傾
斜角特性はともに、モータ52が回転しても傾斜しない
不感帯を有している。上記した不感帯とは、ドラムベー
ス18に螺合したスクリュー24a,24bが下ドラム
12から離れ、リードリング17に螺合したスクリュー
25a,25bも下ドラム12から離れ、且つ、ドラム
ベース18上の第1回動支点18e,18e及び第
2回動支点18f,18fと、リードリング17上
の第1回動支点17e,17e及び第2回動支点1
7f,17fとが下ドラム12の底面部12cの裏
面に当接している後述のノーマル再生モード状態に対応
している。
【0062】また、第2プーリ55には複数(例えば3
つ)の扇状のモータ回転パルス検出部(以下、遮光板と
記す)55aが設けられており、モータ52が回転する
ときの回転パルス数を検出素子(フォトニクスセンサ)
63を介してパルスカウンタPCにより検出して、ドラ
ム軸14に同軸的に支持した上下ドラム11,12及び
リードリング17が目標角度まで傾斜したか否かを検出
している。この際、パルスカウンタPCはドラム構体1
0Bの外部に設けられている。尚、実施例では、第2プ
ーリ55の遮光板55aとフォトニクスセンサ63とが
モータ回転パルス出力手段となっているが、これに限る
ことなく、モータ52からのFGパルスなどを用いる方
法もある。
【0063】また、リセットギヤ62には略180゜の
半円扇状のリセット検出部(以下、遮光板と記す)62
aが設けられており、後述するノーマル再生モード時に
検出素子(以下、フォトニクスセンサと記す)64によ
って遮光板62aのエッジを検出し、この信号によりパ
ルスカウンタPCをリセットする。
【0064】次に、上記構成によるドラム構体10Bの
動作について、図15,図16(a)〜(c),図17
を用いて説明する。尚、以下の説明において、0゜側と
記載した方向はドラム軸14を介した左方でノーマル再
生時の磁気テープ入口側を示し、180゜側と記載した
方向はドラム軸14を介した右方でノーマル再生時の磁
気テープ出口側を示している。図16は本発明に係わる
磁気記録再生装置におけるドラム構体の動作を説明する
ための模式図、図17はドラム構体において、ドラム全
体補正,1次補正,2次補正の関係を示した図である。
【0065】まず、図16(a)に模式的に示した如
く、標準速度で走行する磁気テープTに記録又は再生を
行う場合で、例えばノーマル再生モード時には、ドラム
軸14に同軸的に支持した上下ドラム11,12と、リ
ードリング17とはドラムベース18に対して傾くこと
なく、ドラムベース18と略平行な状態に保持されてい
る。即ち、ドラムベース18上の第1回動支点18
,18e及び第2回動支点18f,18f
と、リードリング17上の第1回動支点17e,1
7e及び第2回動支点17f,17fとが下ドラ
ム12の底面部12cの裏面に当接している。この際、
ドラムベース18に螺合したスクリュー24a,24b
は、下ドラム12の底面部12cに固着した位置決めピ
ン27a,27b(図10)に当接することなく下方に
退避する一方、リードリング17に螺合したスクリュー
25a,25bも下ドラム12の底面部12cに固着し
たピン28a,28b(図11)に当接することなく下
方に退避している。また、下ドラム12は、下ドラム1
2とドラムベース18との間に狭装した圧縮バネ31
a,31b(図11,図12)の強い付勢力によりドラ
ムベース18側に付勢され、且つ、リードリング17
は、リードリング17とドラムベース18との間に狭装
した圧縮バネ29a,29b(図11)の弱い付勢力に
より下ドラム12側に押圧されているので、下ドラム1
2は上記した4点の回動支点上に高さ寸法を維持した状
態で確実に支持されると共に、リードリング17も高さ
寸法を維持した状態で確実に支持されている。従って、
ドラム軸14とリードリング17の仮想中心軸は、高精
度に一致し且つこれらの軸はドラムベース18に対して
垂直な状態となる。この状態は、標準モードで記録され
た磁気テープTがその基準縁Teをリードリング17の
リード17aに案内されてノーマル再生モードに対応し
た所定の速度(VHS方式VTRの場合毎秒33.35
mm)で走行すると、磁気ヘッド13a,13bの回転
軌跡は磁気テープTに記録されたトラックパターンと一
致した状態となり、図15に示したように下ドラム1
2,リードリング17の傾斜角が変化しない不感帯部位
に該当し、図2(a)に例示されているように良好な状
態のエンベロープを示す再生信号が得られる。ここで
は、図示しないモード指定手段によりノーマル再生モー
ドを指定した場合について説明したが、標準速度で走行
する磁気テープTに記録を行う所謂記録モードを指定し
た場合も、ドラム軸14及びリードリング17の仮想中
心軸の傾斜角度の調整については同様の動作がおこなわ
れる。
【0066】次に、図16(b)に模式的に示した如
く、標準速度とは異なる速度で一方の方向(+方向)に
走行する磁気テープTに記録又は再生を行う場合で、例
えばノーマル再生モードの状態からFF再生モードの状
態にするには、モータ52(図14)を駆動して、早送
りの倍速数に応じて0゜側のスクリュー24a,25a
を上方に押し出す方向に回転させている。この際、18
0゜側のスクリュー24b,25bはスクリュー24
a,25aの回転方向に対して反転するため下ドラム1
2から退避する方向に回転している。
【0067】即ち、ドラムベース18に螺合した0゜側
のスクリュー24aが上方に押し出されると、その上端
が下ドラム12のうちで0゜側の底面部12cに固着し
た位置決めピン27a(図10)を押し上げるので、ド
ラムベース18上の180゜側の第2回動支点18
,18fに下ドラム12のうちで180゜側の底
面部12cが当接する一方、ドラムベース18上の0゜
側の第1回動支点18e,18eは下ドラム12の
うちで0゜側の底面部12cから離間する。これによ
り、リードリング17と一緒にドラム軸14に同軸的に
支持した上下ドラム11,12は、圧縮バネ31a,3
1b(図11,図12)の付勢力に抗してドラムベース
18上の第2回動支点18f,18fを中心に時計
方向に回動する。
【0068】従って、リードリング17と一緒にドラム
軸14に同軸的に支持した上下ドラム11,12は、ド
ラムベース18に対して図15,図17に示したドラム
全体補正傾斜角θだけ時計方向に回動してドラム全体補
正が行われ、磁気テープ巻付の入口側が上方に変位し、
出口側が下方に変位するように傾斜すると共に、テープ
走行速度に応じて図15に示したFF時のドラム全体傾
斜角特性に沿って追従する。
【0069】また、上記スクリュー24aの押し出しと
同時に、リードリング17に螺合した0゜側のスクリュ
ー25aも同図中上方に押し出されるため、その上端が
下ドラム12のうちで0゜側の底面部12cに固着した
ピン28a(図11)に当接すると、この反力によりリ
ードリング17上の180゜側の第2回動支点17
,17fに下ドラム12のうちで180゜側の底
面部12cが当接する一方、リードリング17上の0゜
側の第1回動支点17e,17eは下ドラム12の
うちで0゜側の底面部12cから離間する。これによ
り、リードリング17の0゜側の底面部17cが、リー
ドリング17上の180゜側の第2回動支点17f
17fを中心に、圧縮バネ29a(図11)の付勢力
に抗して下ドラム12に対して押し下げる方向で図1
5,図17に示した1次補正傾斜角(トラック補正傾斜
角)θだけ反時計方向に回動してFF再生モード時の
1次補正(トラック補正)が行われる。
【0070】このFF再生モード時の1次補正(トラッ
ク補正)は、磁気テープTに形成されている記録跡と磁
気ヘッド13a,13bの回転軌跡面とが一致した状態
となるように、下ドラム12に対してリードリング17
を押し下げる方向に、即ち、ドラム全体補正の方向とは
逆方向にリードリング17を回動させることにより、磁
気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに逆方向に変位
させている。
【0071】そして、ドラムベース18に螺合したスク
リュー24aによるドラム全体補正傾斜角θから、リー
ドリング17に螺合したスクリュー25aによる1次補
正傾斜角(トラック補正傾斜角)θを減算することに
より、ドラムベース18に対してリードリング17を2
次補正傾斜角(リード補正傾斜角)θ分だけ傾斜させ
た2次補正(リード補正)が行われる。この2次補正
(リード補正)は、リードリング17のリード17aが
磁気テープTの基準縁Teに一致した状態となるよう
に、ドラムベース18に対してリードリング17を、磁
気テープ巻付の入口側と出口側とで互いに逆方向に2次
補正傾斜角θ分だけ傾斜させると共に、テープ走行速
度に応じて図15に示したFF時の2次補正傾斜角特性
(リード補正傾斜角特性)に沿って追従することにな
る。このFF再生時の2次補正は、1次補正に伴うドラ
ム構体10Bの回動により磁気テープTがその回動の方
向に引っ張られることにより、ドラム構体10Bに対す
る磁気テープTの入口側ではその基準縁Teがリード1
7aから離れる傾向を生じ、出口側ではその基準縁Te
がリード17aに押しつけられる傾向を生じるためリー
ドリング17を回動してリード17aを磁気テープTの
基準縁Teに合わせている。
【0072】なおここで、2次補正が行われた際にも、
早送り倍速数に適合したリード17と磁気ヘッド13
a,13bの回転軌跡面との相対角度が維持されるもの
であることはいうまでもない。
【0073】従って、1次補正により磁気テープTの基
準縁Teがリード17aから離間してもこの2次補正に
より、磁気テープTの基準縁Teはリード17aにより
そのドラム構体10Bへの巻き付け範囲の全般に亘り安
定に案内されるため、所期の早送り倍速数で磁気テープ
Tが走行すると、磁気ヘッド13a,13bの回転軌跡
は磁気テープTに記録されたトラックパターンと一致し
た状態となり、図2(a)に例示されているように良好
な状態のエンベロープを示す再生信号が得られる。
【0074】次に、図16(c)に模式的に示した如
く、標準速度とは異なる速度で他方の方向(−方向)に
走行する磁気テープTに記録又は再生を行う場合で、例
えばノーマル再生モードの状態からFB再生モードの状
態にするには、上述したFF再生モードの場合とは逆方
向にモータ52(図14)を駆動して、早戻しの倍速数
に応じて180゜側のスクリュー24b,25bを上方
に押し出す方向に回転させ、且つ、0゜側のスクリュー
24a,25aを下ドラムから退避する方向に回転させ
ている。
【0075】即ち、ドラムベース18に螺合した180
゜側のスクリュー24bが上方に押し出されると、その
上端が下ドラム12のうちで180゜側の底面部12c
に固着した位置決めピン27b(図10)を押し上げる
ので、ドラムベース18上の0゜側の第1回動支点18
,18eが下ドラム12のうちで0゜側の底面部
12cに当接する一方、ドラムベース18上の180゜
側の第2回動支点18f,18fは下ドラム12の
うちで180゜側の底面部12cから離間する。これに
より、リードリング17と一緒にドラム軸14に同軸的
に支持した上下ドラム11,12は、圧縮バネ31a,
31b(図11,図12)の付勢力に抗してドラムベー
ス18上の第1回動支点18e,18eを中心に反
時計方向に回動して、ドラム全体補正が行われ、図15
に示したFB再生モード時のドラム全体傾斜角特性に沿
って追従する。
【0076】また、上記スクリュー24bの押し出しと
同時に、リードリング17に螺合した180゜側のスク
リュー25bも同図中上方に押し出されるため、その上
端が下ドラム12のうちで180゜側の底面部12cに
固着したピン28b(図11)に当接すると、この反力
によりリードリング17上の0゜側の第1回動支点17
,17eが下ドラム12のうちで0゜側の底面部
12cに当接する一方、リードリング17上の180゜
側の第2回動支点17f,17fは下ドラム12の
うちで180゜側の底面部12cから離間する。これに
より、リードリング17の180゜側の底面部17c
が、リードリング17上の0゜側の第1回動支点17e
,17eを中心に、圧縮バネ29a(図11)の付
勢力に抗して下ドラム12に対して押し下げる方向(時
計方向)に回動してFB再生モード時の1次補正が行わ
れる。
【0077】そして、ドラムベース18に螺合したスク
リュー24bによるドラム全体補正分から、リードリン
グ17に螺合したスクリュー25bによる1次補正分を
減算することにより、ドラムベース18に対するリード
リング17の2次補正が行われ、図15に示したFB再
生モード時の2次補正傾斜角特性に沿って追従すること
になる。
【0078】上記したFB再生モード時の動作による効
果もFF再生モード時の動作による効果と同様に良好な
状態のエンベロープを示す再生信号が得られる。
【0079】次に、先に説明したドラム全体補正,1次
補正,2次補正の関係について図17を参照して更に説
明する。
【0080】即ち、図17において、ドラム全体補正傾
斜角θは、ドラムベース18に螺合したスクリュー24
a,(又は24b)によって行われ、リードリング17
と一緒にドラム軸14と一体な上下ドラム11,12を
ドラムベース18に対して傾斜させるべき角度である。
また、1次補正傾斜角θは、リードリング17に螺合
したスクリュー25a,(又は25b)によって行わ
れ、リードリング17のリード17aと磁気ヘッド13
a,13bの回転軌跡面との間の補正角度、即ち、磁気
テープTの走行速度に応じて、下ドラム12に対してリ
ードリング17のリード17aをドラム全体補正の傾斜
方向とは逆方向に傾斜させるべき角度である。
【0081】一方、先にも説明したように、1次補正に
伴って磁気テープTはその基準縁Teがリードリード1
7aから離れたり、あるいはリード17aに圧接された
りする傾向を生じる。この傾向を例えばFF再生モード
時の場合について見れば、ドラム軸14と一体に上下ド
ラム11,12がリードリング17のリード17aに対
して時計方向に回動することによって、上下ドラム1
1,12に対する磁気テープTの入り口側(0°の近
傍)では、磁気テープTが図17中上方に持ち上げられ
てリード17aから離間する傾向を示し、上下ドラム1
1,12に対する磁気テープTの出口側(180°の近
傍)では、磁気テープTが図17中下方に引っ張られて
リード17aに圧接する傾向を示す。
【0082】このような傾向を補正して磁気テープTの
基準縁Teとリード17aとを一致させるためにドラム
ベース18に対してリードリング17と一緒にドラム軸
14に同軸的に支持した上下ドラム11,12を1次補
正を保ちつつ、最終的に1次補正傾斜角θと略同方向
に傾斜させるべき角度が2次補正傾斜角θである。こ
の2次補正傾斜角θは、ドラム全体補正傾斜角θから
1次補正傾斜角θを減算した角度である。言い換える
と、θ=θ−θ(θ=θ+θ)の関係になる。
更に、スクリュー24a,24bとスクリュー25a,
25bとに噛み合う駆動ギヤ60,61へのギヤ比の関
係により、θ>θが維持されている。
【0083】上記した実施例では、リードリング17に
設けた第1,第2回動支点(17e,17e),
(17f,17f)と、ドラムベース18に設けた
第1,第2回動支点(18e,18e),(18f
,18f)に設けた第1,第2回動支点とにより、
ドラム構体10Bの高さを低く押さえることができるよ
うに、ドラム全体補正から1次補正を減算して2次補正
を行う構成となる。
【0084】尚、本発明に係わる磁気記録再生装置(V
TR)1の低価格化に伴って、FB再生モード時のトリ
ックプレイを必要としない構成も考えられ、この場合に
は、駆動手段50をFF再生モード時のトリックプレイ
に対応させて簡略化でき、且つ、リードリング17及び
ドラムベース18に夫々設けた第1,第2回動支点を9
0゜−270゜線Lに略平行に適宜設ければ良い。
【0085】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係わる磁気記録再
生装置において、請求項1記載によれば、ドラムベース
と下ドラムとの間に第1回動支点と第2回動支点とをド
ラム軸を介して夫々設け、且つ、リードリングと下ドラ
ムとの間に第1回動支点と第2回動支点とをドラム軸を
介して夫々設けて、標準速度で走行する磁気テープに記
録又は再生を行う場合に、ドラムベースと下ドラムとの
間に設けた第1,第2回動支点と、リードリングと下ド
ラムとの間に設けた第1,第2回動支点とで下ドラムを
支持しているので、ドラム軸と同軸的に支持した上下ド
ラムと、リードリングとをノーマル再生(記録)状態に
再現性良く保持できると共に、従来のようなノーマル再
生(記録)時に下ドラム及びリードリングを固定するノ
ーマル再生状態保持手段を設ける必要がなくなり、装置
の構造が簡単となるなどの利点がある。また、標準速度
とは異なる速度で一方の方向に走行する磁気テープに記
録又は再生を行う場合に、ドラムベースと下ドラムとの
間に設けた第2回動支点と、リードリングと下ドラムと
の間に設けた第2回動支点とで下ドラムを支持する一
方、ドラムベースと下ドラムとの間に設けた第1回動支
点と、リードリングと下ドラムとの間に設けた第1回動
支点とを下ドラムから離間させ、標準速度とは異なる速
度で他方の方向に走行する磁気テープに記録又は再生を
行う場合に、ドラムベースと下ドラムとの間に設けた第
1回動支点と、リードリングと下ドラムとの間に設けた
第1回動支点とで下ドラムを支持する一方、ドラムベー
スと下ドラムとの間に設けた第2回動支点と、リードリ
ングと下ドラムとの間に設けた第2回動支点とを下ドラ
ムから離間させるよう構成したため、従来と同様に例え
ば早送り再生,早戻し再生においてノイズバーの無い再
生画像が当然得られると共に、従来に比べて下ドラムへ
の回動支点数が増加し、これに伴って回動支点の接触面
積が増加した分だけ、複数の回動支点の耐摩耗性とか、
外部からの衝撃に対する耐衝撃性とかに対して強い構造
形態となり、磁気記録再生装置の品質及び信頼性を向上
できる。
【0086】更に、請求項2記載によれば、リードリン
グと共にドラム軸に同軸的に支持した上下ドラムを、ド
ラムベースと下ドラムとの間に設けた第1,第2回動支
点のいずれか一方を中心に、ドラムベースに対してドラ
ム全体補正傾斜角θ°だけ傾斜させてドラム全体補正を
行うドラム全体補正手段と、リードリングを、リードリ
ングと下ドラムとの間に設けた第1,第2回動支点のう
ちでドラム全体補正時のいずれか一方の回動支点と対応
させた一方の回動支点を中心に、下ドラムに対してドラ
ム全体補正傾斜角θ°より小さな1次補正傾斜角θ°
だけドラム全体補正時の傾斜方向とは逆方向に傾斜させ
て1次補正を行う1次補正手段と、リードリングを下ド
ラム側に付勢する第1の付勢手段と、ドラム軸に同軸的
に支持した上下ドラムを、ドラムベース側に第1の付勢
手段よりも強く付勢する第2の付勢手段とを具備し、2
次補正は、ドラム全体補正傾斜角θ°から1次補正傾斜
角θ°を減算することにより、ドラムベースに対する
リードリングの2次補正傾斜角θ°を得るよう構成し
たため、各再生モード及び記録モードに応じてリードに
対する磁気ヘッドの回転軌跡面の相対角度を変化させる
ことにより磁気テープの走行速度に適合した1次補正が
なされると共に、2次補正によりドラムベースに対する
リードの相対角度を変化させることにより1次補正に起
因して発生するリードに対する磁気テープの基準縁の変
位が補正され、ノイズバー等の発生しない良好なトリッ
クプレイを実現することができる。また、ドラム全体補
正から1次補正を減算して2次補正を得るように構成し
たことにより、磁気テープの走行を案内するテープガイ
ド(ガイドローラ)に対して磁気テープを無理なく走行
できると共に、ドラム構体の全体の高さを低く押さえる
ことができる。また、ドラムベースと下ドラムとの間に
設けた第1,第2回動支点と、リードリングと下ドラム
との間に設けた第1,第2回動支点とにより、標準速度
で走行する磁気テープに記録又は再生を行う場合に、ド
ラム軸と同軸的に支持した上下ドラムと、リードリング
とをノーマル再生(記録)状態に再現性良く保持でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】VTRのドラム構体近傍における磁気テープの
走行系の一般的な例を示した図である。
【図2】FM再生信号波形を示した図である。
【図3】磁気テープに記録された記録跡パターンとトリ
ックプレイ時における磁気ヘッドの回転軌跡の関係を示
した図である。
【図4】W−VHS方式VTRにおける磁気テープの記
録跡パターンとトリックプレイ時における磁気ヘッドの
回転軌跡の関係を示した図である。
【図5】従来の磁気記録再生装置に採用されたドラム構
体の構成を示した斜視図である。
【図6】図5に示したドラム構体において、上ドラム及
び下ドラムを補正する1次補正と、リードリングを補正
する2次補正とを行う際の夫々の回動支点を示した模式
図である。
【図7】図5に示したドラム構体の動作を説明するため
の図である。
【図8】本発明に係わる磁気記録再生装置に適用された
ドラム構体の構成を示した斜視図である。
【図9】本発明に係わる磁気記録再生装置に適用された
ドラム構体の構成を示した縦断面図である。
【図10】本発明に係わる磁気記録再生装置におけるド
ラム構体の上面図及び上面をG−G線に沿って断面した
G−G断面図である。
【図11】本発明に係わる磁気記録再生装置におけるド
ラム構体の上面図及び上面をX−O−Y−Z線に沿って
断面したX−O−Y−Z断面図である。
【図12】本発明に係わる磁気記録再生装置におけるド
ラム構体の上面図及び上面をE−E線に沿って断面した
E−E断面図である。
【図13】ドラム構体において、リードリングに螺合し
たスクリューをカップリングギヤで連結する構造を説明
するための図である。
【図14】本発明に係わる磁気記録再生装置におけるド
ラム構体の下面側に取り付けた駆動手段を示した下面図
である。
【図15】本発明に係わる磁気記録再生装置におけるド
ラム構体のドラム全体補正,1次補正,2次補正の各傾
斜角特性を示した図である。
【図16】本発明に係わる磁気記録再生装置におけるド
ラム構体の動作を説明するための模式図である。
【図17】ドラム構体において、ドラム全体補正,1次
補正,2次補正の関係を示した図である。
【符号の説明】
1…磁気記録再生装置(VTR)、10B…ドラム構
体、11…上ドラム、11a…テープ摺接面、12…下
ドラム、12a…テープ摺接面、12b…小径部、12
c…底面部、13a,13b…回転磁気ヘッド(磁気ヘ
ッド)、14…ドラム軸、17…リードリング、17a
…リード、17d…中央孔、17e,17e…第1
回動支点、17f,17f…第2回動支点、18e
,18e…第1回動支点、18f,18f…第
2回動支点、24a,24b…第1のスクリュー、25
a,25b…第2のスクリュー、29a,29b…第1
の付勢手段(圧縮バネ)、31a,31b…第2の付勢
手段(圧縮バネ)、52…モータ、60,61…駆動ギ
ヤ(2段ギヤ)、T…磁気テープ、Te…基準縁、θ…
ドラム全体補正傾斜角、θ…1次補正傾斜角(トラッ
ク補正傾斜角)、θ…2次補正傾斜角(リード補正傾
斜角)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 早川 卓哉 (56)参考文献 特開 平6−208701(JP,A) 特開 平6−162631(JP,A) 特開 平6−282910(JP,A) 特開 平6−318351(JP,A) 実開 昭61−158633(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 15/61

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転磁気ヘッドを搭載して回転自在な上ド
    ラムと、下ドラムとをドラム軸に同軸的に支持し、且
    つ、磁気テープの基準縁を案内するリードを形成した略
    円環状のリードリングを該下ドラムの磁気テープ摺接面
    の下部に形成した該磁気テープ摺接面より小径な小径部
    の外周面に接近した状態で遊嵌させると共に、該リード
    リングの中央孔を該下ドラムの下部と同軸的に嵌合させ
    て、該リードリングと該ドラム軸に同軸的に支持した該
    上下ドラムとをドラムベース上に支持し、該上下ドラム
    の周面の一部へ巻回された状態の該磁気テープに、該回
    転磁気ヘッドを用いて該磁気テープの基準縁に対して所
    定角度の傾斜記録跡を形成して記録再生動作を行なう
    際、 該磁気テープに形成されている記録跡と該回転磁気ヘッ
    ドの回転軌跡面とが一致した状態となるように、該リー
    ドリングのリードに対して該ドラム軸に同軸的に支持し
    た該上下ドラムを、該磁気テープの走行速度に応じて該
    上下ドラムへの磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互
    いに逆方向に傾斜させる1次補正と、該リードリングの
    リードが該磁気テープの基準縁に一致した状態となるよ
    うに、該ドラムベースに対して該リードリング,該ドラ
    ム軸に同軸的に支持した該上下ドラムを、該磁気テープ
    巻付の入口側と出口側とで互いに逆方向に傾斜させる2
    次補正とを行うための複数の回動支点を有した角度補正
    手段を備えた磁気記録再生装置において、 前記複数の回動支点は、該ドラムベースと該下ドラムと
    の間に第1回動支点と第2回動支点とを該ドラム軸を介
    して夫々設け、且つ、該リードリングと該下ドラムとの
    間に第1回動支点と第2回動支点とを該ドラム軸を介し
    て夫々設けてなり、 標準速度で走行する該磁気テープに記録又は再生を行う
    場合に、該ドラムベースと該下ドラムとの間に設けた第
    1,第2回動支点と、該リードリングと該下ドラムとの
    間に設けた第1,第2回動支点とで該下ドラムを支持
    し、 標準速度とは異なる速度で一方の方向に走行する該磁気
    テープに記録又は再生を行う場合に、該ドラムベースと
    該下ドラムとの間に設けた第2回動支点と、該リードリ
    ングと該下ドラムとの間に設けた第2回動支点とで該下
    ドラムを支持する一方、該ドラムベースと該下ドラムと
    の間に設けた第1回動支点と、該リードリングと該下ド
    ラムとの間に設けた第1回動支点とを該下ドラムから離
    間させ、 標準速度とは異なる速度で他方の方向に走行する該磁気
    テープに記録又は再生を行う場合に、該ドラムベースと
    該下ドラムとの間に設けた第1回動支点と、該リードリ
    ングと該下ドラムとの間に設けた第1回動支点とで該下
    ドラムを支持する一方、該ドラムベースと該下ドラムと
    の間に設けた第2回動支点と、該リードリングと該下ド
    ラムとの間に設けた第2回動支点とを該下ドラムから離
    間させるよう構成したことを特徴とする磁気記録再生装
    置。
  2. 【請求項2】回転磁気ヘッドを搭載して回転自在な上ド
    ラムと、下ドラムとをドラム軸に同軸的に支持し、且
    つ、磁気テープの基準縁を案内するリードを形成した略
    円環状のリードリングを該下ドラムの磁気テープ摺接面
    の下部に形成した該磁気テープ摺接面より小径な小径部
    の外周面に接近した状態で遊嵌させると共に、該リード
    リングの中央孔を該下ドラムの下部と同軸的に嵌合させ
    て、該リードリングと該ドラム軸に同軸的に支持した該
    上下ドラムとをドラムベース上に支持し、該上下ドラム
    の周面の一部へ巻回された状態の該磁気テープに、該回
    転磁気ヘッドを用いて該磁気テープの基準縁に対して所
    定角度の傾斜記録跡を形成して記録再生動作を行なう
    際、 該磁気テープに形成されている記録跡と該回転磁気ヘッ
    ドの回転軌跡面とが一致した状態となるように、該リー
    ドリングのリードに対して該ドラム軸に同軸的に支持し
    た該上下ドラムを、該磁気テープの走行速度に応じて該
    上下ドラムへの磁気テープ巻付の入口側と出口側とで互
    いに逆方向に傾斜させる1次補正と、該リードリングの
    リードが該磁気テープの基準縁に一致した状態となるよ
    うに、該ドラムベースに対して該リードリング,該ドラ
    ム軸に同軸的に支持した該上下ドラムを、該磁気テープ
    巻付の入口側と出口側とで互いに逆方向に傾斜させる2
    次補正とを行う角度補正手段を備えた磁気記録再生装置
    において、 前記角度補正手段は、 該リードリングと共に該ドラム軸に同軸的に支持した該
    上下ドラムを、該ドラムベースと該下ドラムとの間に設
    けた第1,第2回動支点のいずれか一方を中心に、該ド
    ラムベースに対してドラム全体補正傾斜角θ°だけ傾斜
    させてドラム全体補正を行うドラム全体補正手段と、 該リードリングを、該リードリングと該下ドラムとの間
    に設けた第1,第2回動支点のうちで前記ドラム全体補
    正時のいずれか一方の回動支点と対応させた一方の回動
    支点を中心に、該下ドラムに対して前記ドラム全体補正
    傾斜角θ°より小さな1次補正傾斜角θ°だけ前記ド
    ラム全体補正時の傾斜方向とは逆方向に傾斜させて前記
    1次補正を行う1次補正手段と、 該リードリングを該下ドラム側に付勢する第1の付勢手
    段と、 該ドラム軸に同軸的に支持した該上下ドラムを、該ドラ
    ムベース側に該第1の付勢手段よりも強く付勢する第2
    の付勢手段とを具備してなり、 前記2次補正は、前記ドラム全体補正傾斜角θ°から前
    記1次補正傾斜角θ°を減算することにより、該ドラ
    ムベースに対する該リードリングの2次補正傾斜角θ
    °を得るよう構成したことを特徴とする磁気記録再生装
    置。
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