JP2891134B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2891134B2
JP2891134B2 JP7058070A JP5807095A JP2891134B2 JP 2891134 B2 JP2891134 B2 JP 2891134B2 JP 7058070 A JP7058070 A JP 7058070A JP 5807095 A JP5807095 A JP 5807095A JP 2891134 B2 JP2891134 B2 JP 2891134B2
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープレコーダ
(VTR)のように磁気ヘッドが磁気テープの斜め方向
に2次元走査して信号を磁気テープに記録、再生する所
謂ヘリカルスキャン型の磁気記録再生装置に関し、特に
磁気ヘッドが取り付けられた回転ドラムを可変速再生時
などにおいて傾斜させる磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ヘリカルスキャン方式で標準速
度で磁気テープのトラック上に記録された情報を可変速
で再生する場合には、再生速度に応じた複数のトラック
を磁気ヘッドが一度に走査(トレース)することにより
可変速で再生することができる。例えば図12に示すよ
うに7倍の早送り(FF)再生を行う場合には磁気テー
プTの順方向に7トラックが磁気ヘッドにより走査さ
れ、また、7倍の早戻し(FB)再生を行う場合には磁
気テープTの逆方向に7トラックが磁気ヘッドにより走
査される。
【0003】このように磁気ヘッドに1トラックより多
くのトラックを走査させる方法としては、磁気ヘッドが
搭載された回転ドラムを可変速度に応じた角度で傾斜さ
せる方法が知られている。このような回転ドラムを可変
速再生時などにおいて傾斜させるための駆動機構として
は、モータやギヤ列等の駆動機構が用いられる。また、
回転ドラムを所望の角度に傾斜させるためには、モータ
の回転数に応じたパルスを発生するフォトインタラプタ
などのセンサが設けられるとともに、そのパルスをリセ
ットするためにフォトインタラプタがギヤ列に設けられ
る。また、回転ドラムを駆動機構により傾斜させる場合
には、モータが回転しても回転ドラムが傾斜しない遊び
として不感帯が設けられる。
【0004】図13はVTRによる再生速度と、モータ
の回転数に応じたパルス数の関係を示し、モータは、設
定された再生速度などに応じたパルス数(目標カウント
数)を検出するまで回転される。すなわち、例えば早送
り3倍速で再生する場合には磁気ヘッドが3トラックを
一度に走査するような角度の位置まで回転ドラムが傾斜
するようにモータが駆動される。ここで、図13に示す
不感帯とは、モータが回転しても回転ドラムが傾斜しな
い領域であり、通常速度(1倍速)の再生時と記録(R
EC)時の位置である。なお、STILL/SLOWは
スチル/スロー再生を示す。
【0005】従来、この不感帯の幅(カウント値)は、
傾斜角度検出パルスをリセットする傾斜角度、すなわち
パルスカウント値=0からモータが正転、逆転方向に同
一になるように、装置(機械)毎に機構部品を組み立て
るときに調整ネジにより調整している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな機構を量産する場合、機構部品のバラツキや、リセ
ット用センサとギヤ列の位相ずれ、さらには調整ネジの
摩擦、磨耗により図14に示すように不感帯の幅にバラ
ツキが発生するという問題点がある。その結果、目標カ
ウント値までドラムを傾斜させても、ドラムの傾斜角度
が目標角度にならず、磁気ヘッドがトラックを正確にト
レースすることができなくなる。
【0007】磁気ヘッドがトラックを正確にトレースし
ない場合の問題点について説明する。このトラックパタ
ーンの具体的な例として、代表的なVTR方式の一つで
あるVHS(登録商標)方式VTRでは次のようになっ
ている。すなわち、最も一般的なVHS方式のVTRで
は、毎分1800回転で回転する直径62mmの回転ド
ラムの外周に磁気テープTが略180゜にわたって螺旋
状に巻回された状態で走行する。標準モード(以下「S
Pモード」という。)の記録では、磁気テープは毎秒3
3. 35mmで移送されてトラック幅58μmの磁気ヘ
ッドによって磁気テープTに描かれる記録跡は、磁気テ
ープTの基準縁Te(図12参照)に対して5°58’
9. 9”のビデオトラック角度を形成するようになって
いる。
【0008】また、VHS方式のVTRには、このSP
モードの外に磁気テープを毎秒11.12mmで移送し
てトラック幅19μmの磁気ヘッドで記録する3倍速モ
ード(以下「EPモード」という。)がある。このEP
モードでは、磁気テープTの走行速度とトラック幅をS
Pモードの3分の1にすることによって同一長さの磁気
テープに3倍の時間のデータ記録が可能になる。しか
し、磁気テープに記録されるトラック幅が狭いことか
ら、トリックプレイにおいて、磁気ヘッドが各トラック
上を正確にトレースするようにするためにはSPモード
の場合よりも困難を伴うことになる。
【0009】また、磁気テープTを停止状態とした場合
には、磁気テープT上に描かれる磁気ヘッドの回転軌跡
は、磁気テープTの基準縁Teに対して5°56’7.
4”となる。また例えば、図12においてSPモード時
における+7の表示によって指示している磁気テープT
の上縁の位置と起点とを結ぶ直線は、磁気テープTの基
準縁Teに対して6°10’54”の角度を示し、さら
に例えば、同図中のSPモード時における−7の表示に
よって指示している磁気テープTの上縁の位置と起点と
を結ぶ直線は、磁気テープTの基準縁Teに対して5°
42’25. 7”の角度を示すものとなる。
【0010】図12に例示されているトラックパターン
を参照すれば明らかなように、SPモードで磁気テープ
T上に記録されたトラックパターンと、トリックプレイ
時に磁気ヘッドによって磁気テープT上に描かれる磁気
ヘッドの回転軌跡とは交差した状態になる。したがっ
て、トリックプレイ時に再生されるFM信号の信号レベ
ルは、磁気ヘッドが記録跡を横切る度に大きく変化し、
1垂直走査期間におけるFM信号のエンベロープをみる
と、1垂直走査期間中に大きな起伏が生じたものにな
る。このため、トリックプレイ時における再生画像とし
ては、画像中にノイズバーが生じている品質の悪い再生
画像しか得られない。
【0011】また最近になって、19μmの記録跡幅を
有する3本の記録跡を磁気テープTに同時に並列記録し
て記録跡パターンを磁気テープTに形成させることによ
り、所謂、ハイビジョンの画像情報の記録再生も可能に
できるようにした新しい形態のVTR(以下「W−VH
S方式VTR」という。)が商品化されている。このW
−VHS方式VTRにおいては、磁気テープTに同時に
並列的に形成される3本の記録跡の内で隣接する2本の
記録跡は、互いに逆方向のアジマス角を有する2個の磁
気ヘッドによって映像信号の記録再生に用いられ、また
残り1本の記録跡は他の1個の磁気ヘッドによって音声
信号の記録再生に用いられている。
【0012】このようなW−VHS方式VTRによって
記録された記録済み磁気テープTを、記録時より速い速
度で走行させてFF再生又はFB再生しようとした場
合、磁気ヘッドの移動軌跡は、図12において「起点」
と示されている点から、例えば図中の磁気テープTにお
ける上縁の上方に記載してある+7あるいは−7の数字
によって指示している磁気テープTの上縁の位置とを結
ぶ直線によって示されるものとなる。したがって、それ
ぞれアジマス角を異にしている映像用の2個の磁気ヘッ
ドが、磁気テープTに形成されている複数の記録跡を横
切って再生動作を行なうことになるために、再生される
画像はノイズバーだらけのものになってしまう。
【0013】本発明は上記従来の問題点に鑑み、傾斜駆
動されても傾斜しない不感帯を有する回転ドラムを倍速
再生時などにおいて傾斜させる磁気記録再生装置におい
て、機械毎の不感帯の幅のバラツキに応じて簡単な作業
で正確な角度で傾斜させることができる磁気記録再生装
置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、回転ドラムを傾斜させて駆動量が不感帯を
超えた任意の基準点において検出された駆動量を予め記
憶し、磁気ヘッドが磁気テープを可変速走査する場合に
はこの基準点の駆動量と、この基準点の駆動量から可変
速に応じた駆動量に応じた駆動量分だけ回転ドラムを傾
斜させるようにしている。
【0015】したがって本発明によれば、磁気テープを
斜め方向に2次元走査して信号を磁気テープに記録、再
生する磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドが取り付けられる
とともに、前記磁気ヘッドが磁気テープを可変速走査す
る場合にその傾斜角度が制御可能であって駆動量が不感
帯を超えたときに駆動量に比例して傾斜する回転ドラム
と、前記回転ドラムを駆動して傾斜させる回転ドラム駆
動手段と、前記回転ドラム駆動手段の駆動量を検出する
駆動量検出手段と、前記回転ドラム駆動手段により前記
回転ドラムを傾斜させて前記回転ドラム駆動手段の駆動
量が不感帯を超えた任意の基準点において前記駆動量検
出手段により検出された駆動量を予め記憶する記憶手段
と、前記磁気ヘッドが磁気テープを可変速走査する場合
に、前記記憶手段に記憶された基準点の駆動量と、この
基準点の駆動量から可変速に応じた駆動量に応じた駆動
量分だけ前記回転ドラム駆動手段が前記回転ドラムを傾
斜させるように制御する制御手段とを有する磁気記録再
生装置が提供される。
【0016】
【作用】本発明では、回転ドラムを傾斜させて駆動量が
不感帯を超えた任意の基準点において検出された駆動量
を予め記憶し、磁気ヘッドが磁気テープを可変速走査す
る場合に基準点の駆動量と、この基準点の駆動量から可
変速に応じた駆動量に応じた駆動量分だけ回転ドラムを
傾斜させる。不感帯の幅にバラツキが発生した場合であ
っても、2倍速時、3倍速時などの各倍速時の間のカウ
ント数は不変であるので、機械毎の不感帯の幅のバラツ
キに応じた基準点の駆動量のみを予め記憶するのみで回
転ドラムを正確な角度で傾斜させることができる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明に係る磁気記録再生装置の一
実施例を示すブロック図であり、図2は図1の磁気記録
再生装置における再生速度−パルス数カウント値の関係
を示すグラフである。図3は本発明に係る磁気記録再生
装置に適用されたドラム構体の構成を示した斜視図であ
り、図4は同磁気記録再生装置に適用されたドラム構体
の構成を示した縦断面図である。図5の(a),(b)
は同磁気記録再生装置におけるドラム構体の上面図及び
上面をG−G線に沿って切断したG−G断面図、図6の
(a),(b)は同磁気記録再生装置におけるドラム構
体の上面図及び上面をX−O−Y−Z線に沿って切断し
たX−O−Y−Z断面図、図7の(a),(b)は同磁
気記録再生装置におけるドラム構体の上面図及び上面を
E−E線に沿って断面したE−E断面図である。また、
図8は同磁気記録再生装置におけるドラム構体の下面側
に取り付けた駆動部材を示した下面図、図9は同磁気記
録再生装置におけるドラム構体のドラム全体補正、トラ
ック補正、リード補正の各傾斜角特性を示したグラフ、
図10は同磁気記録再生装置におけるドラム構体の動作
を説明するための模式図、図11はドラム構体の傾斜角
度調整ネジを示す側面図である。
【0018】まず、図3及び図4を参照してドラム構体
10Bの構成を説明する。下ドラム12の中心部にドラ
ム軸14が圧入されており、このドラム軸14に嵌着し
たベアリング15a,15bを介して上ドラム11が同
軸的に支持されている。また、上下ドラム11,12の
外周には磁気テープTを巻回して案内するテープ摺接面
11a,12aが同径に形成されている。また、下ドラ
ム12には、テープ摺接面12aよりも小径の小径部1
2bがテープ摺接面12aの下方に螺旋状に形成され、
かつ、底面部12cの中央下方に小径部12bより小径
の下方小径部12dが後述のドラムベース18側に向か
って突出するよう形成されている。
【0019】磁気ヘッド13a,13bを搭載した上ド
ラム11のみがドラム軸14を中心にドラムモータ16
の駆動力によって回転自在となっている。この際、ドラ
ムモータ16はドラム軸14の上端部側に固定されたス
テータ16aと、上ドラム11と一体に回転するロータ
16bとを組合わせて構成されている。また、上ドラム
11に取り付けた回転トランス26aと、下ドラム12
に取り付けた回転トランス26bとの間で磁気ヘッド1
3a,13bの信号を授受している。
【0020】さらに、下ドラム12の外周下方には、磁
気テープTの基準縁Teを案内する螺旋状のリード17
aを形成したリードリング17が別体として設けられて
いる。上記リードリング17は、下ドラム12の下方に
螺旋状に形成した小径部12bの外周面に接近した状態
で遊嵌されており、上端に螺旋状のリード17aを形成
した円環状部17bと底面部17cとから大略構成され
ている。また、リードリング17の底面部17cの中央
には貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周部には
下ドラム12の下方小径部12dと嵌合すべきナイフエ
ッジ部17dが形成されている。
【0021】そして、上ドラム11,下ドラム12,リ
ードリング17をドラムベース18上にドラム構体10
Bとして組み立てる前に、更に、具体的な構成について
図5乃至図7を用いて以下説明する。まず、図5の
(a),(b)に示したように、下ドラム12の底面部
12cの外周近傍には、0゜−180゜線L2上で90
゜−270゜線L1を対称に耐摩耗性の良い位置決めピ
ン27a,27bが固着され、位置決めピン27a,2
7bの下端側はこれらと対応してリードリング17の底
面部17cに穿設した楕円孔17c1,丸孔17c2内に
臨むように突出形成されている。この際、0゜側の位置
決めピン27aは楕円孔17c1内を0゜−180゜方
向に遊嵌する一方、これと直交する方向は位置規制され
て下ドラム12とリードリング17との位置決めをして
いる。また、180゜側の位置決めピン27aは丸孔1
7c2内を遊嵌している。
【0022】さらに、位置決めピン27a,27bの下
端には、これらと対応してドラムベース18に螺合した
スクリュー24a,24bの先端が接離自在になってい
る。ドラムベース18に螺合したスクリュー24a,2
4bは、下ドラム12を押圧するようになっており、下
記するようなドラム全体の補正を行う機能を備えてい
る。すなわち、後述するように、FF再生モード時に0
゜側のスクリュー24aの先端で0゜側の位置決めピン
27aを押し上げることにより、下ドラム12のうちで
0゜側の底面部12cを押し上げて、リードリング17
と一緒にドラム軸14に支持した上下ドラム11,12
を、ドラムベース18に対して図9に示したドラム全体
補正傾斜角θだけ時計方向に回動させてFF再生モード
時のドラム全体の補正を行う一方、FB再生モード時に
180゜側のスクリュー24bの先端で180゜側の位
置決めピン27bを押し上げることにより、上記とは逆
の反時計方向に回動してFB再生モード時のドラム全体
の補正を行うようになっている。
【0023】なお、FF再生モード時及びFB再生モー
ド時に、ドラムベース18に螺合したスクリュー24
a,24bによって下ドラム12が回動しても、スクリ
ュー24a,24bは傾かないため、スクリュー24
a,24bの下端に形成したギヤ部を後述する駆動手段
40(図8)のギヤ列の2段ギヤG1,G2に直接噛合さ
せている。
【0024】次に、図6の(a),(b)に示したよう
に、下ドラム12の底面部12cの外周近傍には、0゜
−180゜線L2の図示上方で90゜−270゜の線L1
を対称に耐摩耗性の良いピン28a,(28b)が固着
され、ピン28a,(28b)の下端側はリードリング
17の底面部17cに穿設した逃げ孔17c3,(17
4)内に臨むように突出形成されている。さらに、ピ
ン28a,(28b)の下端には、これらと対応してド
ラムベース18の逃げ孔18a,(18b)を貫通して
リードリング17の底面部17cに螺合したスクリュー
25a,(25b)の先端が接離自在になっている。
【0025】この際、リードリング17に螺合したスク
リュー25a,25bは、下ドラム12を押圧するよう
になっており、下記のトラック補正を行う機能を備えて
いる。すなわち、後述するように、FF再生モード時に
0゜側のスクリュー25aの先端を0゜側のピン28a
に当接させると、リードリング17のうちで0゜側の底
面部17cを下ドラム12に対して図9に示したトラッ
ク補正傾斜角θ1だけ押し下げるものの、ドラムベース
18に対してはリードリング17のうちで0゜側の底面
部17cが時計方向に回動しているFF再生モード時の
トラック補正を行う一方、FB再生モード時に180゜
側のスクリュー25bを180゜側のピン28bに当接
させることにより、上記とは逆の反時計方向に回動して
FB再生モード時のトラック補正を行うようになってい
る。
【0026】そして、FF再生モード時に、ドラムベー
ス18に螺合したスクリュー24a,24bによるドラ
ム全体補正傾斜角θから、リードリング17に螺合した
スクリュー25a,25bによるトラック補正傾斜角θ
1を減算したリード補正傾斜角θ2分だけ、ドラムベース
18に対してリードリング17が時計方向に回動するF
F再生モード時のリード補正が行われるようになってい
る。勿論、FB再生モード時のリード補正では、ドラム
ベース18に対してリードリング17が上記とは逆の反
時計方向に回動する。上記したリード補正とは、トラッ
ク補正に伴うドラム構体10Bの回動により磁気テープ
Tがその回動の方向に引っ張られることにより、ドラム
構体10Bに対する磁気テープTの入口側ではその基準
縁Teがリードリング17のリード17aから離れる傾
向を生じ、出口側ではその基準縁Teがリード17aに
押しつけられる傾向を生じるためリードリング17を回
動してリード17aを磁気テープTの基準縁Teに合わ
せるものである。簡潔に言うと、リードリング17を回
動してトラック補正に伴う磁気テープTの基準縁Teの
変位にリード17aを合わせる補正である。
【0027】上記から、スクリュー24a,24bは、
FF再生モード時,FB再生モード時にリードリング1
7と一緒にドラム軸14に支持した上下ドラム11,1
2を、ドラムベース18に対して回動させるためのドラ
ム全体補正駆動手段となっている。また、スクリュー2
5a,25bは、FF再生モード時,FB再生モード時
に磁気テープTに形成されている記録跡と磁気ヘッド1
3a,13bの回転軌跡面とが一致した状態となるよう
にリードリング17の仮想中心軸に対してドラム軸14
を磁気テープTの走行速度に応じて連続的に傾斜させる
トラック補正駆動手段となっている。さらに、ドラム全
体を補正するスクリュー24a,24bと、トラック補
正をするスクリュー25a,25bとの協働構成は、F
F再生モード時,FB再生モード時にリード17aが磁
気テープTの基準縁Teに一致した状態となるようにリ
ードリング17の仮想中心軸を連続的に傾斜させるリー
ド補正駆動手段となっている。
【0028】なお、FF再生モード時及びFB再生モー
ド時に、リードリング17に螺合したスクリュー25
a,25bによってリードリング17が回動した時に、
スクリュー25a,25bはドラムベース18に対して
傾きを生じるので、スクリュー25a,25bの下端に
形成したギヤ部をカップリングギヤKGの一端に遊嵌結
合させて、このカップリングギヤKGの下端に形成した
ギヤ部を後述する駆動手段40(図8)のギヤ列の2段
ギヤG1,G2に噛合させている。
【0029】また、リードリング17の底面部17cに
螺合したスクリュー25a,25bの近傍で、リードリ
ング17の底面部17cの裏面とドラムベース18との
間に圧縮バネ29a,29bが狭装されており、これら
の圧縮バネ29a,29bは弱いバネ力でリードリング
17を下ドラム12側に押圧している。
【0030】また、90゜−270゜線L1で0゜−1
80゜線L2を対称に位置決めピン30a,30bが下
ドラム12の底面部12cの外周近傍と、リードリング
17の底面部17cの外周近傍と、ドラムベース18と
の間に設けられ、これらの位置決めピン30a,30b
は下ドラム12とドラムベース18とを位置決めしてい
る。
【0031】また、図6の(a),(b)及び図7の
(a),(b)に示したように、ドラムベース18の裏
面側には、90゜−270゜線L1で0゜−180゜線
2を対称に段付き孔18c,(18d)が穿設されて
おり、これらの段付き孔18c,(18d)内には圧縮
バネ31a,(31b)を嵌めたフランジ付きスクリュ
ー32a,(32b)が下方から挿入され、フランジ付
きスクリュー32a,(32b)の先端はリードリング
17の貫通孔を通って下ドラム12に螺合している。
【0032】この際、圧縮バネ31a,(31b)は、
前述した圧縮バネ29a,(29b)よりも強く設定さ
れている。そして、フランジ付きスクリュー32a,
(32b)のフランジと段付き孔18c,(18d)と
の間に狭装された圧縮バネ31a,(31b)の強い付
勢力により、下ドラム12がドラムベース18側に付勢
されている。
【0033】次に、ドラム軸14に支持した上下ドラム
11,12とリードリング17とをドラムベース18に
対して時計方向又は反時計方向に回動させる際の下ドラ
ム12への回動支点について、図7の(a),(b)を
用いて説明する。
【0034】同図において、ドラムベース18の上面側
の外周近傍には、90゜−270゜線L1及び0゜−1
80゜線L2を夫々対称に第1回動支点18e1,18e
2と、第2回動支点18f1,18f2とが高さ精度を維
持して下ドラム12側に向かって突出形成されており、
言い換えると、ドラムベース18上の第1回動支点18
1,18e2と、第2回動支点18f1,18f2とはド
ラム軸14を介して左方,右方に設けられている。
【0035】また、ドラムベース18上で第1回動支点
18e1,18e2及び第2回動支点18f1,18f
2は、90゜−270゜線L1を対称にして90゜−27
0゜線L1と略平行な稜線上に位置しているが、場合に
よっては90゜−270゜線L1と略平行な稜線上の近
傍に位置させてもよい。
【0036】さらに、ドラムベース18上の第1回動支
点18e1,18e2及び第2回動支点18f1,18f2
は、これらと対応してリードリング17の底面部17c
に穿設した逃げ孔17c5〜17c8を貫通して下ドラム
12の底面部12cの裏面に接離自在になっており、後
述するようにノーマル再生モード時には0゜側の第1回
動支点18e1,18e2及び180゜側の第2回動支点
18f1,18f2が下ドラム12の底面部12cに当接
し、FF再生モード時には180゜側の第2回動支点1
8f1,18f2が下ドラム12のうちで180゜側の底
面部12cに当接し、FB再生モード時には0゜側の第
1回動支点18e1,18e2が下ドラム12のうちで0
゜側の底面部12cに当接するようになっている。
【0037】また、リードリング17の内周で底面部1
7cの上面の外周近傍には、90゜−270゜線L1
び0゜−180゜線L2を夫々対称に第1回動支点17
1,17e2と、第2回動支点17f1,17f2とが高
さ精度を維持して下ドラム12側に向かって突出形成さ
れており、言い換えると、リードリング17上の第1回
動支点17e1,17e2と、第2回動支点17f1,1
7f2とはドラム軸14を介して左方,右方に設けられ
ている。
【0038】また、リードリング17上の第1回動支点
17e1,17e2及び第2回動支点17f1,17f
2も、90゜−270゜線L1を対称にして90゜−27
0゜線L1と略平行な稜線上に位置しているが、場合に
よっては90゜−270゜線L1と略平行な稜線上の近
傍に位置させてもよく、かつ、第1回動支点17e1
17e2及び第2回動支点17f1,17f2は上記した
ドラムベース18上の第1回動支点18e1,18e2
び第2回動支点18f1,18f2の外側に位置してい
る。
【0039】さらに、リードリング17上の第1回動支
点17e1,17e2及び第2回動支点17f1,17f2
は、下ドラム12の底面部12cの裏面に接離自在にな
っており、後述するようにノーマル再生モード時には0
゜側の第1回動支点17e1,17e2及び180゜側の
第2回動支点17f1,17f2が下ドラム12の底面部
12cに当接し、FF再生モード時には180゜側の第
2回動支点17f1,17f2が下ドラム12のうちで1
80゜側の底面部12cに当接し、FB再生モード時に
は0゜側の第1回動支点17e1,17e2が下ドラム1
2のうちで0゜側の底面部12cに当接するようになっ
ている。
【0040】この際、リードリング17の底面部17c
の裏面側は寸法精度を必要とせず、内周上面側だけを寸
法精度良く加工すればよい。なお、実施例では、リード
リング17の内周上面に第1回動支点17e1,17e2
及び第2回動支点17f1,17f2を設けて説明した
が、これに限ることなく、下ドラム12の底面部12c
の裏面に上記相当の第1回動支点及び第2回動支点を設
けることも考えられ、言い換えると、リードリング17
と下ドラム12との間に上記相当の第1回動支点と第2
回動支点とをドラム軸14を介して夫々設ければよいも
のである。
【0041】次に、下ドラム12を回動させるためのス
クリュー24a,24bと、リードリング17を回動さ
せるためのスクリュー25a,25bとを同時に回転駆
動させるための駆動手段について、図8を用いて簡略に
説明する。
【0042】同図において、ドラムベース18の裏面側
には駆動手段40を取り付けるための支持台41が設け
られている。ここで、支持台41上のモータ42の軸に
固着した第1プーリ43の回転は、ベルト44を介して
第2プーリ45を固着した軸46のウオーム47に伝達
され、このウオーム47と噛合した第1ハスバギヤ48
と、第1ハスバギヤ48と噛合した第2ハスバギヤ49
とに夫々伝達される。ここでは第1ハスバギヤ48の回
転方向と第2ハスバギヤ49の回転方向とが反転されて
いる。そして、第1ハスバギヤ48は、ギヤ列中の2段
ギヤG1の大径ギヤ部G11に噛合したスクリュー24a
及び2段ギヤG1の小径ギヤ部G12に噛合したスクリュ
ー25aを回転させる。
【0043】これと同時、第2ハスバギヤ49は、ギヤ
列中の2段ギヤG2の大径ギヤ部G21に噛合したスクリ
ュー24b及び2段ギヤG2の小径ギヤ部G22に噛合し
たスクリュー25bをスクリュー24a,25aの回転
方向と反転させた方向に回転させる。さらに、第2ハス
バギヤ49と連結した2段ギヤG2は、ギヤ列を介して
リセットギヤ50を回転させる。このリセットギヤ50
の回転は略±180゜の範囲内で回転するように減速さ
れている。この際、ドラム全体の補正を行うためのスク
リュー24a,24bの回転は、モータ42の回転に対
して2段ギヤG1,G2の大径ギヤ部G11,G21に噛合し
ている関係上、図9に示したような傾斜特性が大きなド
ラム全体補正傾斜角特性に沿って回転する。一方、トラ
ック補正を行うためのスクリュー25a,25bの回転
は、ドラム全体補正傾斜角θからトラック補正傾斜角θ
1を減算したリード補正傾斜角θ2が得られるようにモー
タ42の回転に対して2段ギヤG1,G2の小径ギヤ部G
12,G22に噛合している関係上、図9に示したような傾
斜特性が小さなリード補正傾斜角特性が得られる。
【0044】また、図9に示すようなドラム全体補正傾
斜角特性とリード補正傾斜角特性はともに、モータ42
が回転しても傾斜しない不感帯を有している。また、こ
の不感帯の幅にはバラツキがある。上記した不感帯と
は、ドラムベース18に螺合したスクリュー24a,2
4bが下ドラム12から離れ、リードリング17に螺合
したスクリュー25a,25bも下ドラム12から離
れ、かつ、ドラムベース18上の第1回動支点18
1,18e2及び第2回動支点18f1,18f2と、リ
ードリング17上の第1回動支点17e1,17e2及び
第2回動支点17f1,17f2とが下ドラム12の底面
部12cの裏面に当接している後述のノーマル再生モー
ド状態時に対応している。
【0045】また、第2プーリ45には複数(例えば3
つ)の扇状の遮光板(図示せず)が設けられており、モ
ータ42が回転するときのパルス数をフォトニクスセン
サ51を介してパルスカウンタにより検出して回転ドラ
ムKD(図11)が目標角度まで傾斜したか否かを検出
している。また、リセットギヤ50には略180゜の扇
状の遮光板50aが設けられており、回転ドラムKDが
1倍速/記録時の傾斜角度のときに外部のフォトニクス
センサ52によっ遮光板50aのエッジを検出し、この
信号によりパルスカウンタをリセットする。なお、この
点については図1及び図2を参照して後述する。なお、
上記した回転ドラムKD(図11)とは、ドラム軸14
に支持した上下ドラム11,12と、リードリング17
とを合わせた状態を総称して呼称したものである。
【0046】次に、上記構成によるドラム構体10Bの
動作について、図9,図10の(a)〜(c)を用いて
説明する。なお、以下の説明において、0゜側と記載し
た方向はドラム軸14を介した左方でノーマル再生時の
磁気テープ入口側を示し、180゜側と記載した方向は
ドラム軸14を介した右方でノーマル再生時の磁気テー
プ出口側を示している。
【0047】まず、図10の(a)に模式的に示したよ
うに、標準速度で走行する磁気テープTに記録又は再生
を行う場合で、例えばノーマル再生モード時には、ドラ
ム軸14に支持した上下ドラム11,12と、リードリ
ング17とはドラムベース18に対して傾くことなく、
ドラムベース18と略平行な状態に保持されている。
【0048】すなわち、ドラムベース18上の第1回動
支点18e1,18e2及び第2回動支点18f1,18
2と、リードリング17上の第1回動支点17e1,1
7e2及び第2回動支点17f1,17f2とが下ドラム
12の底面部12cの裏面に当接している。この際、ド
ラムベース18に螺合したスクリュー24a,24b
は、下ドラム12の底面部12cに固着した位置決めピ
ン27a,27b(図5)に当接することなく下方に退
避する一方、リードリング17に螺合したスクリュー2
5a,25bも下ドラム12の底面部12cに固着した
ピン28a,28b(図6)に当接することなく下方に
退避している。
【0049】また、下ドラム12は、下ドラム12とド
ラムベース18との間に狭装した圧縮バネ31a,31
b(図6,図7)の強い付勢力によりドラムベース18
側に付勢され、かつ、リードリング17は、リードリン
グ17とドラムベース18との間に狭装した圧縮バネ2
9a,29b(図6)の弱い付勢力により下ドラム12
側に押圧されているので、下ドラム12は上記した4点
の回動支点上に高さ寸法を維持した状態で確実に支持さ
れると共に、リードリング17も高さ寸法を維持した状
態で確実に支持されている。
【0050】したがって、ドラム軸14とリードリング
17の仮想中心軸は、高精度に一致しかつこれらの軸は
ドラムベース18に対して垂直な状態となる。この状態
は、標準モードで記録された磁気テープTがその基準縁
Teをリードリング17のリード17aに案内されてノ
ーマル再生モードに対応した所定の速度(VHS方式V
TRの場合毎秒33.35mm)で走行すると、磁気ヘ
ッド13a,13bの回転軌跡は磁気テープTに記録さ
れたトラックパターンと一致した状態となり、図9に示
したように下ドラム12,リードリング17の傾斜角が
変化しない不感帯部位に該当し、良好な状態のエンベロ
ープを示す再生信号が得られる。
【0051】ここでは、図示しないモード指定手段によ
りノーマル再生モードを指定した場合について説明した
が、標準速度で走行する磁気テープTに記録を行う所謂
記録モードを指定した場合も、ドラム軸14及びリード
リング17の仮想中心軸の傾斜角度の調整については同
様の動作が行われる。
【0052】次に、図10の(b)に模式的に示したよ
うに、標準速度とは異なる速度で一方の方向(+方向)
に走行する磁気テープTに記録又は再生を行う場合で、
例えばノーマル再生モードの状態からFF再生モードの
状態にするには、モータ42(図8)を駆動して、早送
りの倍速数に応じて0゜側のスクリュー24a,25a
を上方に押し出す方向に回転させている。この際、18
0゜側のスクリュー24b,25bはスクリュー24
a,25aの回転方向に対して反転するため下ドラム1
2から退避する方向に回転している。
【0053】すなわち、ドラムベース18に螺合した0
゜側のスクリュー24aが上方に押し出されると、その
先端が下ドラム12のうちで0゜側の底面部12cに固
着した位置決めピン27a(図5)を押し上げるので、
ドラムベース18上の180゜側の第2回動支点18f
1,18f2に下ドラム12のうちで180゜側の底面部
12cが当接する一方、ドラムベース18上の0゜側の
第1回動支点18e1,18e2は下ドラム12のうちで
0゜側の底面部12cから離間する。これにより、リー
ドリング17及びドラム軸14に支持した上下ドラム1
1,12は、圧縮バネ31a,31b(図6,図7)の
付勢力に抗してドラムベース18上の第2回動支点18
1,18f2を中心に時計方向に回動する。
【0054】これにより、リードリング17及びドラム
軸14に支持した上下ドラム11,12は、ドラムベー
ス18に対して図9に示したドラム全体補正傾斜角θだ
け時計方向に回動し、テープ走行速度に応じて図9に示
したFF時のドラム全体傾斜角特性に沿って追従する。
また、上記スクリュー24aの押し出しと同時に、リー
ドリング17に螺合した0゜側のスクリュー25aも同
図中上方に押し出されるため、その先端が下ドラム12
のうちで0゜側の底面部12cに固着したピン28a
(図6)に当接すると、この反力によりリードリング1
7上の180゜側の第2回動支点17f1,17f2に下
ドラム12のうちで180゜側の底面部12cが当接す
る一方、リードリング17上の0゜側の第1回動支点1
7e1,17e2は下ドラム12のうちで0゜側の底面部
12cから離間する。
【0055】これにより、リードリング17上の180
゜側の第2回動支点17f1,17f2を中心に、下ドラ
ム12に対してリードリング17の0゜側の底面部17
cが、圧縮バネ29a(図6)の付勢力に抗して下降す
る方向(反時計方向)に図9に示したトラック補正傾斜
角θ1だけ回動するものの、ドラムベース18に対して
はリードリング17の0゜側の底面部17cが時計方向
に回動しているトラック補正が行われる。このトラック
補正は、FF再生モード時,FB再生モード時に磁気テ
ープTに形成されている記録跡と磁気ヘッド13a,1
3bの回転軌跡面とが一致した状態となるようにリード
リング17の仮想中心軸に対してドラム軸14を磁気テ
ープTの走行速度に応じて連続的に傾斜させるものであ
る。そして、ドラムベース18に螺合したスクリュー2
4aによるドラム全体補正傾斜角θから、リードリング
17に螺合したスクリュー25aによるトラック補正傾
斜角θ1を減算したリード補正傾斜角θ2分だけリード補
正が行われ、テープ走行速度に応じて図9に示したFF
時のリード補正傾斜角特性に沿って追従する。
【0056】このFF再生時のリード補正は、トラック
補正に伴うドラム構体10Bの回動により磁気テープT
がその回動の方向に引っ張られることにより、ドラム構
体10Bに対する磁気テープTの入口側ではその基準縁
Teがリード17aから離れる傾向を生じ、出口側では
その基準縁Teがリード17aに押しつけられる傾向を
生じるためリードリング17を回動してリード17aを
磁気テープTの基準縁Teに合わせている。なお、ここ
で、リード補正が行われた際にも、早送り倍速数に適合
したリード17と磁気ヘッド13a,13bの回転軌跡
面との相対角度が維持されるものであることはいうまで
もない。
【0057】したがって、トラック補正により磁気テー
プTの基準縁Teがリード17aから離間してもこのリ
ード補正により、磁気テープTの基準縁Teはリード1
7aによりそのドラム構体10Bへの巻き付け範囲の全
般にわたり安定に案内されるため、所期の早送り倍速数
で磁気テープTが走行すると、磁気ヘッド13a,13
bの回転軌跡は磁気テープTに記録されたトラックパタ
ーンと一致した状態となり、良好な状態のエンベロープ
を示す再生信号が得られる。
【0058】次に、図10の(c)に模式的に示したよ
うに、標準速度とは異なる速度で他方の方向(−方向)
に走行する磁気テープTに記録又は再生を行う場合で、
例えばノーマル再生モードの状態からFB再生モードの
状態にするには、上述したFF再生モードの場合とは逆
方向にモータ42(図8)を駆動して、早戻しの倍速数
に応じて180゜側のスクリュー24b,25bを上方
に押し出す方向に回転させ、かつ、0゜側のスクリュー
24a,25aを下ドラムから退避する方向に回転させ
ている。
【0059】すなわち、ドラムベース18に螺合した1
80゜側のスクリュー24bが上方に押し出されると、
その先端が下ドラム12のうちで180゜側の底面部1
2cに固着した位置決めピン27b(図5)を押し上げ
るので、ドラムベース18上の0゜側の第1回動支点1
8e1,18e2が下ドラム12のうちで0゜側の底面部
12cに当接する一方、ドラムベース18上の180゜
側の第2回動支点18f1,18f2は下ドラム12のう
ちで180゜側の底面部12cから離間する
【0060】これにより、リードリング17及びドラム
軸14に支持した上下ドラム11,12は、圧縮バネ3
1a,31b(図6,図7)の付勢力に抗してドラムベ
ース18上の第1回動支点18e1,18e2を中心に反
時計方向に回動して、ドラム全体の補正が行われ、図9
に示したFB時のドラム全体傾斜角特性に沿って追従す
る。
【0061】また、上記スクリュー24bの押し出しと
同時に、リードリング17に螺合した180゜側のスク
リュー25bも同図中上方に押し出されるため、その先
端が下ドラム12のうちで180゜側の底面部12cに
固着したピン28b(図6)に当接すると、この反力に
よりリードリング17上の0゜側の第1回動支点17e
1,17e2が下ドラム12のうちで0゜側の底面部12
cに当接する一方、リードリング17上の180゜側の
第2回動支点17f1,17f2は下ドラム12のうちで
180゜側の底面部12cから離間する。
【0062】これにより、リードリング17上の0゜側
の第1回動支点17e1,17e2を中心に、下ドラム1
2に対してリードリング17の180゜側の底面部17
cが、圧縮バネ29a(図6)の付勢力に抗して下降す
る方向(時計方向)に回動するものの、ドラムベース1
8に対してはリードリング17の180゜側の底面部1
7cが反時計方向に回動しているトラック補正が行われ
る。そして、ドラムベース18に螺合したスクリュー2
4bによるドラム全体の補正分から、リードリング17
に螺合したスクリュー25bによるトラック補正分を減
算した分だけリード補正が行われ、図9に示したFB時
のリード補正傾斜角特性に沿って追従する。
【0063】このFB再生時のリード補も、トラック補
正に伴うドラム構体10Bの回動により磁気テープTが
その回動の方向に引っ張られることにより、ドラム構体
10Bに対する磁気テープTの入口側ではその基準縁T
eがリード17aから離れる傾向を生じ、出口側ではそ
の基準縁Teがリード17aに押しつけられる傾向を生
じるためリードリング17を回動してリード17aを磁
気テープTの基準縁Teに合わせるリード補正が行われ
る。
【0064】したがって、トラック補正により磁気テー
プTの基準縁Teがリード17aから離間してもこのリ
ード補正により、磁気テープTの基準縁Teはリード1
7aによりそのドラム構体10Bへの巻き付け範囲の全
般にわたり安定に案内されるため、所期の早戻し倍速数
で磁気テープTが走行すると、磁気ヘッド13a,13
bの回転軌跡は磁気テープTに記録されたトラックパタ
ーンと一致した状態となり、良好な状態のエンベロープ
を示す再生信号が得られる。
【0065】さて、このように回転ドラムKD(下ドラ
ム11,リードリング17)を目標角度に傾斜させる場
合には、図11に示すようなドラム全体補正調整ネジ
A、B、トラック補正調整ネジA、Bを用いて工場出荷
時などに調整することができるが、機構部品のバラツキ
や、リセット用センサ52とギヤ列の位相ずれ、さらに
は調整ネジA、Bの摩擦、磨耗により図14に示すよう
に不感帯の幅にバラツキが発生すると、目標角度に対応
するカウント数分だけ傾斜させても目標角度に傾斜せ
ず、磁気ヘッド13a,13bがトラックを正確にトレ
ースすることができなくなる。
【0066】次に、図1及び図2を参照して回転ドラム
KDの不感帯の調整方法について説明する。ここで、図
14に示すように再生速度に応じた回転ドラムKDの傾
斜角度と、図8に示すモータ42により回転したときに
フォトニクスセンサー51を介してパルスカウンタによ
り検出されるカウント数の関係は、不感帯の幅に関係な
く、テープTの順方向と逆方向(スロー、スチルを含
む)共に比例関係、すなわち傾きが一定である。したが
って、不感帯の幅にバラツキが発生した場合であって
も、2倍速時と3倍速時の間などの各倍速時の間のカウ
ント数は不変である。
【0067】そこで、例えば1倍速と記録時は除いて、
順方向と逆方向の任意の再生速度(以下、基準点とい
う。)におけるカウント値を不揮発性メモリ101に予
め記憶する。2倍速、3倍速などの各倍速時における目
標カウント数は、次式「目標カウント数=基準点のカウ
ント値+基準点から目標倍速時までのカウント数」で表
されるので、機械毎に不感帯の幅にバラツキが発生した
場合には、上記「基準点のカウント値」のみを変更すれ
ばよい。
【0068】図1を参照して説明すると、制御用(マイ
クロコンピュータ)マイコン100がモータ駆動回路及
びD/A変換器102に対して、回転ドラムKDを回転
・駆動するモータ42の回転速度を指示する8ビット信
号と回転方向を示す信号を印加することによりモータ4
2を回転させる。カウント値と1倍速/記録位置でリセ
ットする信号をマイコン100に取り込み、モータ42
の回転方向に応じてカウント値を加算又は減算すること
により、回転ドラムKDの現在の傾斜角度を検出し、機
械毎に異なる上記「基準点のカウント値」を不揮発性メ
モリ101に格納する、なお、機械にかかわらず固定値
である上記「基準点から目標倍速時までのカウント数」
はマイコン100内のROMに格納される。
【0069】図2は一例として、基準点として順方向と
して3倍速時(+3倍速)と逆方向としてスチル/スロ
ー時に設定した場合の各倍速時の目標カウント値を示し
ている。基準点を調整する方法としては、回転ドラムK
Dを装置(VTR)に取り付けた後に、記録パターンの
直進性が保証されたテープTから再生されたビデオFM
信号を観測しながらモータ42を回転させ、ビデオFM
信号のエンベロープが平坦になるようにドラムKDの傾
斜角を調整する。この調整したときのカウント値を上記
「基準点のカウント値」として更新し、不揮発性メモリ
101に書き込む。
【0070】したがって、不感帯の幅に機械毎のバラツ
キが発生した場合に、このバラツキに応じた上記「基準
点のカウント値」を不揮発性メモリ101に書き込むの
で、磁気ヘッド13a、13bが磁気テープTを倍速走
査する場合に、マイコン100が不揮発性メモリ101
に記憶された「基準点のカウント値」と、内部ROMに
記憶された「基準点から目標倍速時までのカウント数」
の合計カウント数分だけ回転ドラムKDを傾斜させるよ
うに制御することにより、ドラムKDを正確な角度で傾
斜させることができる。その結果、 (1)不感帯のバラツキを機械毎にソフトウエア的に簡
単に、かつ正確に調整することができるので、大量生産
する場合に性能を保証することができる。 (2)調整を基準点について行うのみで各倍速時の傾斜
角度が決まるので、調整作業が容易であり、生産性が向
上する。 (3)書き込み/読み出し可能な不揮発性メモリ101
に基準点のカウント値を格納するので、機構部品の摩
擦、磨耗等の経時変化に起因する傾斜角度の補正を容易
に行うことができる。などの効果が得られる。
【0071】なお、順方向と逆方向について各々1点の
「基準点のカウント値」を用いる代わりに、各倍速時を
全て基準点として上記調整を全ての倍速で行い、各々の
カウント値を不揮発性メモリ101に書き込むようにし
てもよい。この場合には、磁気ヘッド13a、13bが
磁気テープTを倍速走査する場合に、マイコン100が
不揮発性メモリ101に記憶された「各倍速時のカウン
ト数」分だけ回転ドラムKDを傾斜させるように制御す
ることにより、ドラムKDを正確な角度で傾斜させるこ
とができる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
転ドラムを傾斜させて駆動量が不感帯を超えた任意の基
準点において検出された駆動量を予め記憶し、磁気ヘッ
ドが磁気テープを可変速走査する場合に基準点の駆動量
と、この基準点の駆動量から可変速に応じた駆動量に応
じた駆動量分だけ回転ドラムを傾斜させるので、不感帯
の幅にバラツキが発生した場合であっても、例えば2倍
速時、3倍速時などの各倍速時の間のカウント数は不変
であることから、機械毎の不感帯の幅のバラツキに応じ
た基準点の駆動量のみを予め記憶するのみで回転ドラム
を正確な角度で傾斜させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録再生装置の一実施例を示
すブロック図である。
【図2】図1の磁気記録再生装置における再生速度−パ
ルス数カウント値の関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る磁気記録再生装置に適用されたド
ラム構体の構成を示した斜視図である。
【図4】同磁気記録再生装置に適用されたドラム構体の
構成を示した縦断面図である。
【図5】同磁気記録再生装置におけるドラム構体の上面
図及び上面をG−G線に沿って切断したG−G断面図で
ある。
【図6】同磁気記録再生装置におけるドラム構体の上面
図及び上面をX−O−Y−Z線に沿って切断したX−O
−Y−Z断面図である。
【図7】同磁気記録再生装置におけるドラム構体の上面
図及び上面をE−E線に沿って切断したE−E断面図で
ある。
【図8】同磁気記録再生装置におけるドラム構体の下面
側に取り付けた駆動部材を示した下面図である。
【図9】同磁気記録再生装置におけるドラム構体のドラ
ム全体補正、トラック補正、リード補正の各傾斜角特性
を示したグラフである。
【図10】同磁気記録再生装置におけるドラム構体の動
作を説明するための模式図である。
【図11】ドラム構体の傾斜角度調整ネジを示す側面図
である。
【図12】磁気ヘッドが磁気テープを斜め方向に2次元
走査する場合を示す説明図である。
【図13】正常な再生速度−パルス数カウント値の関係
を示すグラフである。
【図14】不感帯にバラツキがある場合の再生速度−パ
ルス数カウント値の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10B ドラム構体 13a,13b 磁気ヘッド 42 モータ(回転ドラム駆動手段) 51 フォトニクスセンサ(駆動量検出手段) 100 制御用マイコン(制御手段) 101 不揮発性メモリ(記憶手段) KD 回転ドラム T 磁気テープ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気テープを斜め方向に2次元走査して
    信号を磁気テープに記録、再生する磁気ヘッドと、 前記磁気ヘッドが取り付けられるとともに、前記磁気ヘ
    ッドが磁気テープを可変速走査する場合にその傾斜角度
    が制御可能であって駆動量が不感帯を超えたときに駆動
    量に比例して傾斜する回転ドラムと、 前記回転ドラムを駆動して傾斜させる回転ドラム駆動手
    段と、 前記回転ドラム駆動手段の駆動量を検出する駆動量検出
    手段と、 前記回転ドラム駆動手段により前記回転ドラムを傾斜さ
    せて前記回転ドラム駆動手段の駆動量が不感帯を超えた
    任意の基準点において前記駆動量検出手段により検出さ
    れた駆動量を予め記憶する記憶手段と、 前記磁気ヘッドが磁気テープを可変速走査する場合に、
    前記記憶手段に記憶された基準点の駆動量と、この基準
    点の駆動量から可変速に応じた駆動量に応じた駆動量分
    だけ前記回転ドラム駆動手段が前記回転ドラムを傾斜さ
    せるように制御する制御手段とを有する磁気記録再生装
    置。
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