JPH10149601A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JPH10149601A
JPH10149601A JP32336496A JP32336496A JPH10149601A JP H10149601 A JPH10149601 A JP H10149601A JP 32336496 A JP32336496 A JP 32336496A JP 32336496 A JP32336496 A JP 32336496A JP H10149601 A JPH10149601 A JP H10149601A
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Japan
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drum
magnetic tape
magnetic
recording
base
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JP32336496A
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Inventor
Naoyuki Nakagawa
直之 中川
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で曲がりトラックの補正動作を行
える磁気記録再生装置を提供する。 【解決手段】 上ドラムDuと、上ドラムと同軸的に、
かつ、ドラムベースDBに対して、中心軸49のまわり
の方向については回動しない状態に連結されている下ド
ラムDdと、前記した下ドラムDdとドラムベースDd
との間に、モータ66からピニオン67を介してラック
65に伝達される動力により回動それるサブベースSB
を設ける。上,下ドラムの周面に対する磁気テープの巻
回範囲の中間位置と上,下ドラムの中心軸49とを結ぶ
直線と平行な線上に、下ドラムDdの底面に当接できる
複数個の回動支点25,26,35,36をサブベース
SBに設ける。下ドラムの底面をねじ29,30の内の
選択された方のもので突上げて、ドラムの中心軸を、曲
がり補正が行なわれる方向に傾斜させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上ドラムと下ドラ
ムとからなるドラムの周面の一部へ巻回された状態の磁
気テープを所定の走行速度で走行させて、回転磁気ヘッ
ドを用いて記録再生動作を行なうようにしている所謂ヘ
リカル・スキャン型の磁気記録再生装置において、所
謂、自己録再生動作時以外の再生動作時に、非直線状記
録跡を発生させる各種の原因の内の1つまたはそれ以上
の原因となる構成上の不備を有する磁気記録再生装置を
用いて記録動作が行なわれることによって、非直線状記
録跡(曲がりトラック)が記録形成されている記録済み
磁気テープについて再生動作が行なわれた場合にも、漏
話やノイズを発生させず、良好な再生画像が得られるよ
うにした磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
周面の一部へ巻回された状態の磁気テープを所定の走行
速度で走行させて、回転磁気ヘッドを用いて記録再生動
作を行なうようにしている所謂ヘリカル・スキャン型の
磁気記録再生装置の代表例としては、ビデオ・テープ・
レコーダ(VTR)[またはビデオ・カセット・レコーダ
(VCR)]を挙げることができる。そして、前記のVT
R,VCRの使用に当っては、記録時と同一の磁気テー
プ走行速度で記録情報の再生動作を行なう通常再生(ノ
ーマル再生)の他に、記録時の磁気テープの走行速度や
走行方向とは異なる走行速度や走行方向で磁気テープを
走行(停止も含む)させて再生動作を行なうトリックプ
レイも広く行なわれている。
【0003】ところで、前記したヘリカル・スキャン型
の磁気記録再生装置の回転磁気ヘッドの回転軌跡により
磁気テープに形成される記録跡のパターンは、(1)ド
ラムの直径、回転磁気ヘッドの回転数、回転磁気ヘッド
の回転方向、磁気テープの走行速度、磁気テープの走行
方向、トラック角度、ヘッドトラック幅、磁気テープの
記録領域幅等の諸条件によって変化するから、例えば、
磁気記録再生装置の動作モード(ノーマル再生モード、
各種のトリックプレー動作モード)の変更により、磁気
テープの走行方向や走行速度等の条件が変化した場合に
は、回転磁気ヘッドにより磁気テープに描かれる回転磁
気ヘッドの回転軌跡のパターンが変化することになり、
したがって、磁気テープに形成される記録跡のパターン
が変化することになる。
【0004】また、前記したヘリカル・スキャン型の磁
気記録再生装置の回転磁気ヘッドの回転軌跡に従って磁
気テープに形成される記録跡のパターンは、(2)磁気
テープの走行路が構成不良(例えば、後述されているガ
イドローラの高さ調整が不良)であったり、走行してい
る磁気テープが上下方向に揺動していたり、回転磁気ヘ
ッドの回転軌跡が偏心していたり、磁気テープの位置規
制面(リード面)を備えている部材(例えば、後述され
ている下ドラム、あるいはリードリング)における磁気
テープの位置規制面の直線性が不良であったりしている
場合などには、磁気テープに回転磁気ヘッドの回転軌跡
と対応して描かれる記録跡が、直線状ではなく曲がった
状態になる現象(この現象を「トラック曲がり」と称
し、前記の現象によって曲がった記録跡を「非直線状記
録跡(曲がりトラック)」と称することもある)が生じ
るために、磁気テープに形成される記録跡のパターンは
非直線状記録跡によって示されるものとなる。
【0005】ここでまず、前記した(1)の場合、すな
わち、磁気テープの走行方向や走行速度等の条件が変化
した際に、磁気テープに描かれる回転磁気ヘッドの回転
軌跡のパターンの変化について例を挙げて説明すると次
のとおりである。例えばVHS(登録商標)方式によるヘ
リカル・スキャン型の磁気記録再生装置(VCR)がS
Pモードで動作する場合には、直径が62mmの上ドラ
ムに取付けられた回転磁気ヘッドが毎分1800回転し
ており、上,下ドラムの外周の一部に巻回されている磁
気テープが、毎秒33.35mmの送り速度で順方向に
移送される状態として記録再生動作が行なわれ、この状
態で回転磁気ヘッドによって走行時の磁気テープに描か
れる回転磁気ヘッドの回転軌跡は、磁気テープの基準縁
に対して5°58’9.9”の角度となる。
【0006】また例えば、前記のVHS(登録商標)方
式によるVCRにおいて、直径が62mmの回転ドラム
に取付けられた回転磁気ヘッドを毎分1800回転させ
ておき、ドラムの外周の一部に巻回されている磁気テー
プを、毎秒66.7mmの送り速度で順方向に移送され
る状態として記録再生動作(順方向での2倍速再生)を
した場合に、回転磁気ヘッドによって走行時の磁気テー
プに描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡は、磁気テープ
の基準縁に対して6°2’19.2”の角度となる。
【0007】さらに例えば、前記のVHS(登録商標)方
式によるVCRにおいて、直径が62mmの回転ドラム
に取付けられた回転磁気ヘッドを毎分1800回転させ
ておき、ドラムの外周の一部に巻回されている磁気テー
プを、毎秒66.7mmの送り速度で逆方向に移送され
る状態として記録再生動作(逆方向での2倍速再生)を
した場合に、回転磁気ヘッドによって走行時の磁気テー
プに描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡は、磁気テープ
の基準縁に対して5°54’6.2”の角度となり、前
記したVHS(登録商標)方式によるVCRにおいて、直
径が62mmの回転ドラムに取付けられた回転磁気ヘッ
ドを毎分1800回転させておき、ドラムの外周の一部
に巻回されている磁気テープを停止させた状態で、回転
磁気ヘッドによって磁気テープに描かれる回転磁気ヘッ
ドの回転軌跡は、磁気テープの基準縁に対して5°5
6’7.4”の角度となる。
【0008】したがって、通常記録再生時(ノーマル記
録再生時)に、回転磁気ヘッドによって磁気テープ上に
描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡と、トリックプレイ
時に回転磁気ヘッドによって磁気テープ上に描かれる回
転磁気ヘッドの回転軌跡とは交叉した状態になる。それ
で、トリックプレイ時に再生される再生信号の周波数被
変調波信号の信号レベルは、回転磁気ヘッドが記録跡を
横切る度毎に大きく変化しており、1垂直走査期間にお
ける再生信号の周波数被変調波信号のエンベロープをみ
ると、1垂直走査期間中に大きな起伏が生じているもの
になるから、トリックプレイ時における再生画像として
は、画像中にノイズバーが生じている品質の悪い再生画
像しか得られない。特に、民生用デジタルVTRでは、
高能率符号化方式によって映像信号のデータ量を圧縮し
て記録しているために、早送り再生時や巻戻し再生時等
のように回転磁気ヘッドが磁気テープの記録跡を横切っ
て再生動作を行なった場合に、モザイク状に並べられて
いるデータのブロックの配列状態の如何によっては全く
画像が再生できないことも起こる。
【0009】次に、前記した(2)において既述した非
直線状記録跡を発生させる各種の原因の内の1つまたは
それ以上の原因となる構成上の不備を有する磁気記録再
生装置(調整不良磁気記録再生装置のように記載される
こともある)を用いて記録動作が行なわれることによっ
て、非直線状記録跡(曲がりトラック)が記録形成され
た記録済み磁気テープは、その記録済み磁気テープの作
成に用いられた磁気記録再生装置によって再生動作が行
なわれた場合、すなわち、所謂、自己録再生の場合に
は、記録動作時と再生動作時とにおける回転磁気ヘッド
の回転軌跡と対応して磁気テープ上に描かれるパターン
が同一となるために、再生画像が不良となったり、漏
話、ノイズも発生せず、特に問題となるような事態が生
じない。
【0010】しかし、前記のように調整不良磁気記録再
生装置を用いて行なわれた記録動作によって、非直線状
記録跡(曲がりトラック)が記録形成されている記録済
み磁気テープを、前記した(2)において既述した非直
線状記録跡を発生させる原因となる構成上の不備を有し
ない磁気記録再生装置(調整済み磁気記録再生装置のよ
うに記載されることもある)を用いて再生した場合に
は、再生動作に用いられた調整不良磁気記録再生装置に
おける回転磁気ヘッドの回転軌跡が、記録済み磁気テー
プに記録されている非直線状記録跡を追跡しない状態と
なるから、再生画像を不良なものにしたり、漏話、ノイ
ズが発生したりすることになる。したがって、調整不良
磁気記録再生装置の記録動作によって、非直線状記録跡
(曲がりトラック)が記録形成された記録済み磁気テー
プが作成されるということは、同一の記録再生方式に従
って記録再生動作を行なう磁気記録再生装置間について
必要とされる、所謂、互換再生の点で大きな問題になる
が、前記した互換再生上の問題は、記録跡幅の小さな記
録跡によって高密度記録が行なわれる場合に特に重大な
問題になる。
【0011】前述した(1),(2)における各種の問
題点を解決するのには、所謂、トラッキング手段を用い
て、回転磁気ヘッドの回転軌跡と磁気テープの記録跡と
を一致させるようにすることにより解決できる。そし
て、従来から開ループ制御回路または閉ループ制御回
路におけるアクチュエータとして使用される電気ー機械
変換素子に回転磁気ヘッドを取付けておき、電気ー機械
変換素子によって回転磁気ヘッドを変位させて、回転磁
気ヘッドを磁気テープの記録跡に追跡させるようにした
り、例えば実公昭63ー34126号公報、実開昭6
1ー158633号公報等に開示されているように、回
転磁気ヘッドを取付けた回転ドラムと下ドラムとを一体
的に傾斜させて、回転磁気ヘッドが磁気テープの記録跡
を追跡できるようにしたり、例えば特開平6ー309
745号公報に開示されている磁気記録再生装置のよう
に、ドラムに対する磁気テープの進入側とドラムからの
磁気テープの離脱側とに設けられている磁気テープの幅
方向の高さを制限するためのガイドローラの高さを変化
させて、回転磁気ヘッドが磁気テープに記録されている
非直線状記録跡(曲がりトラック)を追跡できるように
したり、する等の各種の解決手段が提案されて来てい
る。
【0012】ところが、前記したのようにアクチュエ
ータとして使用される電気ー機械変換素子を用いて回転
磁気ヘッドの回転軌跡を制御させるようにしたVTRで
は、回転磁気ヘッドの回転軌跡を制御するための電気ー
機械変換素子を、回転ドラム内の狭い空間内に設けなけ
ればならないので、使用する電気ー機械変換素子として
は小さな形状寸法のものが必要とされるが、小さな形状
寸法の電気ー機械変換素子は回転磁気ヘッドに大きな変
位を与えることが困難であり、また、電気ー機械変換素
子によって変位される回転磁気ヘッドが変位によっても
磁気テープに対するヘッドタッチの状態が不良にならな
いような構成のものでなければならないが、良好な動作
特性を示す小型なアクチュエータを用いて良好な記録再
生動作を行なうVTRを構成させることは困難である
他、高密度記録が行なわれている磁気記録媒体における
記録跡幅の小さな記録跡に対して高精度で回転磁気ヘッ
ドを追跡させることが困難である等の問題がある。
【0013】また前記したにおける回転ドラムと下ド
ラムとを一体的に傾斜させて回転磁気ヘッドが磁気テー
プの記録跡を追跡できるようにした磁気記録再生装置の
内で、実公昭63ー34126号公報に開示されている
磁気記録再生装置では、磁気テープの基準縁の案内部
が、磁気テープの基準縁に対して、いわば点接触に近い
ような状態で接触しているだけであるために、磁気テー
プの基準縁の位置が大巾にゆれている状態になってお
り、磁気テープが低記録密度で記録されている場合、す
なわち記録跡幅が大きな記録跡の場合には、ノーマル再
生が辛うじて良好に行なえるとしても、トリックプレイ
時には磁気テープの基準縁の位置が案内部によって正し
く案内されていない状態で磁気テープが走行している状
態となるために、早送り再生時と巻戻し再生時との何れ
の場合にも、ノイズバーの除去を良好に行なうことがで
きないということが問題になる。
【0014】さらに、前記したにおける回転ドラムと
下ドラムとを一体的に傾斜させて回転磁気ヘッドが磁気
テープの記録跡を追跡できるようにした磁気記録再生装
置の内で、実開昭61ー158633号公報に開示され
ている磁気記録再生装置では、下ドラムと別体に構成さ
れている磁気テープの基準縁における所定の長さの部分
を案内できる部材(案内部)を装置の固定部に固着させ
てあるから、前記した実公昭63ー34126号公報に
開示されている磁気記録再生装置で生じていた磁気テー
プの基準縁の位置の変動は、少なくともノーマル再生動
作時には生じないようにできるが、早送り再生動作また
は巻戻し再生動作等を行なうために磁気ヘッドを取付け
た回転ドラムと下ドラムとを一体的に傾斜させた場合に
は、磁気テープとの摺接面を有する上,下ドラムにおけ
る摺接面に摺接している状態で走行している磁気テープ
が、上,下ドラムの摺接面に摺接している状態のままで
上,下ドラムとともに傾斜する傾向を持っていることか
ら、前記した上,下のドラムの傾斜に伴い、磁気テープ
の基準縁を案内するための部材(案内部)から磁気テー
プの基準縁が離れる方向に変位することが起こり、早送
り再生動作または巻戻し再生動作等を行なうために、磁
気ヘッドを取付けた回転ドラムと下ドラムとを一体的に
傾斜させた場合には、前記した上,下のドラムの傾斜に
伴って、磁気テープの基準縁が前記した磁気テープの基
準縁を案内するための部材(案内部)によって案内され
ていない状態の部分が生じ、その部分における磁気テー
プの基準縁の位置が変動してノイズバーを発生させるこ
とがある。
【0015】また、として示した特開平6ー3097
45号公報に記載の磁気記録再生装置においは、ドラム
に対する磁気テープの進入側とドラムからの磁気テープ
の離脱側とに設けられている磁気テープの幅方向の高さ
を制限するためのガイドローラは、カセットから磁気テ
ープを引き出して上,下ドラムの周面の一部に巻回させ
るテープローディング機能と、上,下ドラムの周面の一
部に巻回されている磁気テープをカセットに収納させる
テープアンローディング機能とを達成できるようにする
ための部材の一部としても使用される移動可能な部材で
あるために、前記のガイドローラの高さを個別に精密に
変化させる機構としては、構成が複雑なものになるとい
う点が問題になる。
【0016】それで、本出願人会社では、前記した,
について説明した従来例の欠点のない装置として、先
に、回転磁気ヘッドと、周面の一部へ巻回される磁気テ
ープに対する摺接面を備えている上,下ドラムと、磁気
テープに形成されている記録跡に対して回転磁気ヘッド
の回転軌跡面が一致する状態になると予定された角度だ
け前記した回転磁気ヘッドの中心軸を傾斜させる第1の
傾斜駆動手段と、磁気テープに形成されている記録跡と
回転磁気ヘッドの回転軌跡面との相対的な位置関係が保
持された状態のままで磁気テープの位置規制面を磁気テ
ープの基準縁位置に一致させるように磁気テープの位置
規制面を備えている部材(例えば下ドラム,あるいはリ
ードリング)を傾斜させる第2の傾斜駆動手段とを含ん
で構成されている磁気記録再生装置として表現できる各
種の構成態様の磁気記録再生装置を提案しているが、特
に、上,下ドラムの周面の一部へ巻回される磁気テープ
に対する摺接面を備えている上ドラムと、回転磁気ヘッ
ドと、上ドラムにおける磁気テープの摺接面の延長面上
に位置する磁気テープの摺接面を備えているとともに、
上ドラムと同軸的に設けられている下ドラムと、磁気テ
ープに形成されている記録跡に対して回転磁気ヘッドの
回転軌跡面が一致する状態になると予定された角度だけ
前記した上,下ドラムと回転磁気ヘッドとの中心軸を傾
斜させる第1の傾斜駆動手段と、前記した上,下ドラム
とは別体構成で、かつ、前記した下ドラムの下部に構成
させた小径部の外周面に接近した状態に配置させた、磁
気テープの基準縁の案内部(位置規制面)を備えている
磁気テープの走行位置規制用案内部材(リードリング)
と、前記の磁気テープの位置規制面が磁気テープの基準
縁位置に一致するように磁気テープの走行位置規制用案
内部材を傾斜させる第2の傾斜駆動手段とを備えてなる
磁気記録再生装置については、それの実施により良好な
成果を挙げ得ている。また、本出願人会社では、前記し
たについて説明した従来例の欠点のない装置として
も、先に、特開平8ー180530号公報で開示された
ような磁気記録再生装置を提案している。
【0017】図10及び図11は前記した本出願人会社
による既提案の磁気記録再生装置の概略構成を示す図で
あって、図10は上ドラムDuと、前記の上ドラムDu
と対をなして設けられる下ドラムDd(図11を参照の
こと)と、磁気テープTの基準縁Teの位置を規制する
磁気テープの走行位置規制用案内部材Lr(以下、磁気
テープTの基準縁Teの位置を規制する磁気テープの走
行位置規制用案内部材をリードリングLrのように記載
されることもある)とによって構成されているドラム構
体DAを備えているVTRの機構部と、テープ走行系の
一例の概略構成を示している斜視図であり、また、図1
1は回転磁気ヘッドH1,H2によって磁気テープTに描
かれる回転軌跡を、磁気テープTの基準縁Teに対して
所定の角度となるように制御できるようにさせる機構部
分の構成例を示している。図10において1は供給リー
ル台、2は巻取りリール台であり、カセットケース3内
に設けてある供給リール4及び巻取りリール19に巻回
させて磁気テープTを収納してあるカセットケース3を
VTRに装着すると、カセットケース3内の供給リール
4は機台20に設けられている供給リール台1と連結さ
れ、またカセットケース3内の巻取りリール19は機台
20に設けられている巻取りリール台2と連結される。
【0018】磁気テープTがパラレルローディング方式
のローディング機構に設けられているローディングポー
ル(垂直ガイドローラ)9,14によってカセットケース
3内から引出されると、前記の磁気テープTはテンショ
ンポール5,ガイドポール6,全幅消去ヘッド7,インピ
ーダンスローラ8,ローディングポール(垂直ガイドロー
ラ)9,傾斜ガイド(スラントポール)10等を経て所
定の回転数で駆動回転されている上ドラムDuと、静止
の状態の下ドラムDdの周面の一部に、磁気テープの基
準縁Teが案内されている状態で巻回された後に、傾斜
ガイド(スラントポール)13,ローディングポール
(垂直ガイドローラ)14,オーディオ・コントロールヘ
ッド15,ガイドポール16,キヤプスタン18とピン
チローラ17等を経て巻取りリール19に至る磁気テー
プの走行路を走行できるように張設される。図中の22
sはサプライポールベース、22tはティクアップポー
ルベースである。
【0019】前記した上ドラムDuに設けられている回
転磁気ヘッドが所定の回転数で駆動回転された状態で、
磁気テープTの走行方向、及び走行速度が各種の動作モ
ードに対応して、VTRに設けられている主制御部に設
定されるのに応じて、前記の主制御部から制御情報が与
えられた傾斜制御部(図示省略)は、ドラム構体DAに
おける上ドラムDuと下ドラムDd(図11参照)とリ
ードリングLrとからなるドラム構体DAの中心線21
を、図11中の矢印21a(または21b)の方向に所
定量だけ傾斜させるような制御動作を行ない、また、リ
ードリングLrも、傾斜制御部の制御の下に所定の方向
に所定量だけ傾斜される。それにより、回転磁気ヘッド
の回転軌跡によって磁気テープTに描かれる回転軌跡の
パターンが、磁気テープの記録跡と一致する状態にされ
るとともに、磁気テープの基準縁Teの移動軌跡にリー
ドリングの案内部G(位置規制面)が一致する状態にさ
れる。
【0020】前記のようにローディング機構によるロー
ディング動作が行なわれた後に、供給リール4から巻取
りリール19までの間に設定された磁気テープの走行路
を走行する磁気テープTは、テンションポール5→ガイ
ドポール6→全幅消去ヘッド7→インピーダンスローラ
8→ローディングポール(垂直ガイドローラ)9の区間の
走行路中では水平な状態で走行し、次いで、傾斜ガイド
(スラントポール)10によって磁気テープTの走行方向
が変更されることにより、前記の磁気テープTは所定の
回転数で駆動回転されている上ドラムDuと下ドラムD
dとの両者に対して中心角で180度強の範囲にわたり
リードリングLrに設けられている案内部Gに沿うよう
な状態で巻付けられるのである。
【0021】前記のように上ドラムDu及び下ドラムD
dに対し、中心角で180度強の範囲にわたり巻付けら
れた磁気テープTは、次いで傾斜ガイド(スラントポー
ル)13によって磁気テープTの走行方向が再び水平の
状態の走行方向に戻された後に、ローディングポール
(垂直ガイドローラ)14→オーディオ・コントロールヘ
ッド15→ガイドポール16→キヤプスタン18とピン
チローラ17等の区間の磁気テープの走行路を走行して
巻取りリール19に巻回される。図10中における矢印
aは、上ドラムDuの回転方向であり、また、矢印bは
磁気テープTの順方向における移送方向を示している。
磁気テープTの逆方向における移送方向は、図10中の
矢印bの方向とは反対の方向であることは、いうまでも
ない。
【0022】図10及び図11中には図面の簡略化表示
のために、上ドラムDuを所定の回転数で駆動回転させ
るためのドラムモータの図示を省略してあるが、前記の
ドラムモータとしては、例えば、図12,図13中に例
示してあるように、前記した上ドラムDuにロータを固
定させた構成のモータを用いるようにしてもよい。前記
のような構成態様のドラムモータが使用される場合に
は、上ドラムDuをドラム構体DAの中心軸に対して回
転自在に軸受けによって支持させる。
【0023】次に、回転磁気ヘッドによって磁気テープ
Tに描かれる回転軌跡を、磁気テープTの基準縁Teに
対して、任意所定の角度となるように制御できるように
するための機構部分の動作原理を示す図11について説
明する。図11においてDBはドラムベースであり、上
ドラムDuと下ドラムDdとリードリングLrとからな
るドラム構体DAは、前記のドラムベースDBによって
支持されている。上ドラムDuは、ドラム構体DAの中
心軸(図12,図13中の49)に装着されている図示
していない軸受けによって、ドラム構体DAの中心軸に
対して回転自在に支持されており、また下ドラムDdは
前記のドラム構体DAの中心軸に固着されている。また
磁気テープTの基準縁Teの案内部として機能するリー
ドリングLrは、前記した下ドラムDdとは別体に構成
されていて、下ドラムDdの下方の外周部に近接し、リ
ードリングLrの内周に設けられたナイフエッジ23に
よって下ドラムDdの下方突出部と同軸嵌合している。
【0024】記録動作時における下ドラムDdは、それ
の底面部がドラムベースDBに突設してある4個の回動
支点(図中には、4個の回動支点の内の2個の回動支点
25,26だけが示されている。なお、図示されていな
い2個の回動支点は、図中に示されている回動支点2
5,26の位置における紙面に垂直な線上に1個ずつ設
けられており、それは図14中に図面符号35,36を
付して示してある)によって支持され、また、記録動作
時におけるリードリングLrは、リードリングLrに突
設してある4個の回動支点(図中には、4個の回動支点
の内の2個の回動支点27,28だけが示されている。
【0025】なお、図示されていない2個の回動支点
は、図中に示されている回動支点27,28の位置にお
ける紙面に垂直な線上に1個ずつ設けられており、それ
は図14中に図面符号37,38を付して示してあり、
下ドラムDdのドラムの底面部に圧接された状態にされ
る。前記したリードリングLrとドラムベースDBとの
間及び下ドラムDdとドラムベースDBとの間には、そ
れぞればね(図13,図14中のばね44,45、ばね
46,47)が装着されていて、前記の各部が相互に所
定の連結状態となるようにされる[具体的な構成例につ
いて、記録動作が行なわれる場合における各構成部分の
相互の結合状態が図12に例示されている]。
【0026】記録動作時における磁気テープの走行方向
と同一の走行方向で、早送り再生(FF)が行なわれる
場合には、ねじ29が下ドラムDdの底面を押上げるよ
うに駆動されるとともに、ねじ30が下ドラムDdの底
面から離れる方向に駆動されて、ドラムベースDBに突
設してある4個の回動支点の内の2個の回動支点(回動
支点25と、図中に示されている回動支点25の位置に
おける紙面に垂直な線上に設けられている1個の回動支
点…図14中の35)が、下ドラムDdの底面と接し、
前記の2個の回動支点を回動支点として、上ドラムDu
と下ドラムDdとの中心軸が図11(及び図13)中の
矢印21aの方向に回動するようにされる[具体的な構
成例について、順方向での早送り再生が行なわれる場合
における各構成部分の相互の結合状態が図13に例示さ
れている。図中の49は中心軸、21は中心線であ
る]。
【0027】また、記録動作時における磁気テープの走
行方向とは逆の走行方向で、早戻し再生(REW)が行
なわれる場合には、ねじ30が下ドラムDdの底面を押
上げるように駆動されるとともに、ねじ29が下ドラム
Ddの底面から離れる方向に駆動されて、ドラムベース
DBに突設してある4個の回動支点の内の2個の回動支
点(回動支点26と、図中に示されている回動支点26
の位置における紙面に垂直な線上に設けられている1個
の回動支点…図14中の36)が、下ドラムDdの底面
と接し、前記の2個の回動支点を回動支点として、上ド
ラムDuと下ドラムDdとの中心軸が図11中の矢印2
1bの方向に回動するようにされる。
【0028】前記したねじ29,30に対する前記のよ
うな駆動々作は、図示していない傾斜制御部の制御の下
に動作する駆動機構の動作によって行なわれる。前記の
駆動機構は、図14の分解斜視図中に示されているよう
な動力源とされるモータ40、複数の歯車よりなる減速
機構41、位置検出器42、ロータリエンコーダ43な
どを備えて構成されている。そして、磁気テープTの走
行方向、及び走行速度が各種の動作モードに対応して、
VTRに設けられている主制御部に設定されるのに応じ
て、前記の主制御部から制御情報が与えられた傾斜制御
部は、ドラム構体DAにおける上ドラムDuと下ドラム
Dd(図11参照)とリードリングLrとからなるドラ
ム構体DAの中心軸を、図11中の矢印21a(または
21b)の方向に、それぞれ所定量だけ傾斜させるよう
に、前記の駆動機構を制御して前記したねじ29,30
を進退させる。
【0029】また、記録動作時における磁気テープの走
行方向と同一の走行方向での早送り再生(FF)が行な
われる場合には、リードリングLrに突設してある4個
の回動支点の内の2個の回動支点(回動支点27と、図
中に示されている回動支点27の位置における紙面に垂
直な線上に設けられている1個の回動支点…図14中の
37)が、下ドラムDdの底面と接し、前記の2個の回
動支点を回動支点として、リードリングLrの中心軸が
図11(及び図13)中の矢印21aの方向に所定量だ
け回動された状態となるように、リードリングLrに螺
入されているとともに、先端部が下ドラムDdの底面に
それぞれ当接する状態として設けられている2つのねじ
31,32を互いに逆回転させる[具体的な構成例につ
いて、順方向での早送り再生が行なわれる場合における
各構成部分の相互の結合状態が図13に例示されてい
る]。
【0030】さらに、記録動作時における磁気テープの
走行方向とは逆の走行方向で、巻戻し再生(REW)が
行なわれる場合には、リードリングLrに突設してある
4個の回動支点の内の2個の回動支点(回動支点28
と、図中に示されている回動支点28の位置における紙
面に垂直な線上に設けられている1個の回動支点…図1
4中の38)が、下ドラムDdの底面と接し、前記の2
個の回動支点を回動支点として、リードリングLrの中
心軸が図11中の矢印21bの方向に所定量だけ回動さ
れた状態となるように、リードリングLrに螺入されて
いるとともに、先端部が下ドラムDdの底面にそれぞれ
当接する状態として設けられている2つのねじ31,3
2を互いに逆回転させる。
【0031】前記のねじ31,32に対する前記のよう
な駆動々作も、図示していない傾斜制御部の制御の下に
動作する前述の駆動機構の動作によって行なわれるので
あり、磁気テープTの走行方向、及び走行速度が各種の
動作モードに対応して、VTRに設けられている主制御
部に設定されるのに応じて、前記の主制御部から制御情
報が与えられた傾斜制御部が、リードリングLrを、図
11中の矢印21a(または21b)の方向に所定量だ
け傾斜させるように駆動機構を制御して、前記したねじ
31,32を進退させる。前述の説明では動作の理解を
容易にするために、ねじ29,30の進退動作によるド
ラム構体の中心軸の傾斜動作と、ねじ31,32の進退
動作によるリードリングLrの中心軸の傾斜動作とが、
それぞれ独立して行なわれるかのような説明を行なっ
た。
【0032】しかし、前記した各ねじ29〜32は、図
13中に示されているように、ねじ29とねじ31とは
共通の動力伝達機構によって同時に駆動回転され、ま
た、ねじ30とねじ32とは共通の動力伝達機構によっ
て同時に駆動回転されるように構成されているから、ね
じ29,30の進退動作によるドラム構体の中心軸の傾
斜動作と、ねじ31,32の進退動作によるリードリン
グLrの中心軸の傾斜動作とは同時的に行なわれる。
【0033】なお、既提案の磁気記録再生装置の具体的
な構成態様を示す図12は90度ー180度方向での縦
断面図であり、また、図13は0度ー180度方向での
縦断面図である。前記した90度ー180度方向、0度
ー180度方向などの角度の表現は、上,下ドラムD
u,Ddの摺接面に対して磁気テープTが巻回される領
域の中間位置を90度の方向とし、前記の90度の位置
と上,下ドラムの中心軸の中心線とを結ぶ直線と直交
し、かつ上,下ドラムの中心軸の中心線を通過する直線
の方向を0度ー180度方向であるとして、前記の上,
下ドラムDu,Ddの摺接面に対して磁気テープTが巻
回される領域の中間位置から反時計まわりの方向に、9
0度→180度→270度→0度→90度であるとして
定めた角度である。
【0034】図12は磁気記録再生装置が記録動作時に
おける状態を示しており、また、図13は磁気記録再生
装置が早送り再生時における状態、すなわち、ドラム構
体DAの中心線21が図中の矢印21aの方向に傾斜し
ている状態を示している。また、一部の分解斜視図を示
す図14中には上ドラムDuやドラムモータ50の部分
の図示を省略してある。図12及び図13において、4
9は下ドラムDdに固設された中心軸であり、前記の中
心軸49には軸受51,52が嵌入されている。また、
上ドラムDuは前記の軸受51,52によって前記した
中心軸49に対して回転自在に支持されている。H1,
H2は前記した上ドラムDuに設けられている回転磁気
ヘッドである。上ドラムDuには、ドラム駆動モータ5
0のロータ50rが固着されている。また、ドラム駆動
モータ50のステータ50sは、前記した中心軸49に
固着されている。48は下ドラムDdに取付けられてい
る回転トランスであり、また53は上ドラムDuに取付
けられている回転トランスである。
【0035】これまでに、図10乃至図14を参照して
説明した本出願人会社による既提案の磁気記録再生装置
では、磁気テープに形成されている記録跡に対して回転
磁気ヘッドの回転軌跡面が一致する状態になると予定さ
れた角度だけ前記した上,下ドラムと回転磁気ヘッドと
の中心軸を傾斜させる第1の傾斜駆動手段と、前記した
上,下ドラムとは別体構成で、かつ、前記した下ドラム
の下部に構成させた小径部39(図13,図14参照)
の外周面に接近した状態に配置させた、磁気テープの基
準縁の位置の規制面Gを備えている磁気テープの位置規
制用案内部材(リードリング)Lrと、前記の磁気テー
プの位置規制用案内部材を磁気テープの基準縁位置に一
致させるように傾斜させる第2の傾斜駆動手段とによっ
て、上,下ドラムと、磁気テープの基準縁の位置規制面
Gを備えているリードリングLrとを、各種の動作モー
ドに応じて、それぞれ、所要のように傾斜させることに
より、磁気テープに形成されている記録跡に対して回転
磁気ヘッドの回転軌跡が一致した状態にさせるととも
に、前記のリードリングLrの位置規制面Gによって磁
気テープTの基準縁Teの案内を良好に行なうことがで
きるようにしたものである。
【0036】図10乃至図14を参照して既述した磁気
記録再生装置は、第2の傾斜駆動手段によって駆動され
る部材が、磁気テープの基準縁の位置の規制面Gを備え
ている磁気テープの位置規制用案内部材(リードリン
グ)Lrである場合の構成例であったが、前記した磁気
記録再生装置が、第1の傾斜駆動手段に駆動される部材
が、回転磁気ヘッドが取付けられている上ドラムであ
り、第2の傾斜駆動手段によって駆動される部材が、磁
気テープの基準縁の位置の規制面Gを備えている下ドラ
ムDdとされてもよいのであるが、前記のように第2の
傾斜駆動手段によって駆動される部材が下ドラムDdと
された場合には、その下ドラムDdは、例えば中心軸に
対して回動自在に係合された状態で、90度ー270度
方向に配設された2個の回動支点を結ぶ直線を回動軸と
して第2の傾斜駆動手段によって駆動されるように構成
されるのである。
【0037】さて、図10乃至図14を参照して、これ
までに説明して来た磁気記録再生装置、すなわち、記録
動作時における磁気テープの走行速度と異なる走行速度
で再生動作が行なわれる場合でも、ノイズバーが生じな
い状態の再生画像を再生できるように構成されている既
提案の第1,第2の傾斜駆動手段を備えて構成されてい
る磁気記録再生装置により、記録動作時における磁気テ
ープの走行速度と同一の走行速度で磁気テープを走行さ
せた状態で再生動作が行なわれる場合には、前記した既
提案の第1,第2の傾斜駆動手段を備えて構成されてい
る磁気記録再生装置は、第1,第2の傾斜駆動手段が不
動作の状態、すなわち、周面の一部へ巻回される磁気テ
ープに対する摺接面を備えているとともに回転磁気ヘッ
ドが取付けられている上ドラムと、上ドラムにおける磁
気テープの摺接面の延長面上に位置する磁気テープの摺
接面と磁気テープの位置規制面とを備えているととも
に、前記の上ドラムと同軸的に、かつ、ドラムベースに
対して固定的に取付けられている下ドラムとによって構
成されている一般的なヘリカルスキャン型の磁気記録再
生装置と同様な構成態様の状態として再生動作を行なう
ことになる。
【0038】ところで、再生動作に使用される磁気記録
再生装置が、一般的なヘリカルスキャン型の磁気記録再
生装置の場合であっても、あるいは前記した既提案の第
1,第2の傾斜駆動手段を備えて構成されている磁気記
録再生装置の場合であっても、磁気記録再生装置が良好
に調整された状態の磁気記録再生装置(調整済み磁気記
録再生装置)であった場合に、再生の対象にされた記録
済み磁気テープが、調整不良磁気記録再生装置による記
録動作で作成されたものであって、記録済み磁気テープ
に記録されている記録跡が、既述のように非直線状記録
跡(曲がりトラック)となっているときは、再生動作時
に漏話やトラックまたぎノイズ等が発生することによ
り、良好な再生画像を映出できるような再生信号を得る
ことができない。
【0039】前記のように調整不良の磁気記録再生装置
の記録動作によって、非直線状記録跡(曲がりトラッ
ク)が記録された状態の記録済み磁気テープであって
も、その記録済み磁気テープを、記録時に使用された磁
気記録再生装置と同一の磁気記録再生装置によって再生
した場合、所謂、自己録再が行なわれた場合には、良好
な再生画像を映出できるような再生信号を得ることがで
きるが、前記のように調整不良の磁気記録再生装置の記
録動作によって非直線状記録跡(曲がりトラック)が記
録された状態の記録済み磁気テープは、磁気記録再生装
置の互換再生特性を損なわせることになる。
【0040】それで、記録再生装置の記録動作により非
直線状記録跡(曲がりトラック)が記録された状態の記
録済み磁気テープを再生しても良好な再生信号が得られ
るようにできるような構成の磁気記録再生装置として、
として既述した特開平6ー309745号公報に開示
されている磁気記録再生装置が提案された他、特開平8
ー180530号公報に開示されているように、上,下
ドラムの周面に対する磁気テープの巻回範囲における中
間位置とドラムの中心軸とを結ぶ直線上に設けられた回
動支点と、前記の直線と交叉する直線上に設けられた回
動支点とによって、上,下ドラムをそれぞれ所要の角度
だけ傾斜させることにより、上,下ドラムの周面に対す
る磁気テープの巻回範囲における始端側における回転磁
気ヘッドの回転軌跡面の高さと、上,下ドラムの周面に
対する磁気テープの巻回範囲における終端側における回
転磁気ヘッドの回転軌跡面の高さとが互いに逆方向に変
化される動作と、上,下ドラムの周面に対する磁気テー
プの巻回範囲における始端側における回転磁気ヘッドの
回転軌跡面の高さと、上,下ドラムの周面に対する磁気
テープの巻回範囲における終端側における回転磁気ヘッ
ドの回転軌跡面の高さとが、互いに同方向に変化される
動作との複合動作が行なわれるようにして、前記した調
整済み磁気記録再生装置の状態に調整されている前記し
た既提案の第1,第2の傾斜駆動手段を備えて構成され
ている磁気記録再生装置における磁気テープの走行態様
を、記録済み磁気テープを記録する際に用いられた調整
不良磁気記録再生装置における磁気テープの走行態様と
実質的に同じ状態になるように変化させて、良好な再生
動作が行なわれるようにするという提案もなされた。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した既
提案の第1,第2の傾斜駆動手段を備えて構成されてい
る磁気記録再生装置に対して曲がり補正機能も付加した
構成態様の従来の磁気記録再生装置では、ドラムの中心
軸を含む0度ー180度方向の面内でドラムの中心軸を
傾斜させるような既提案の第1,第2の傾斜駆動手段の
他に、ドラムの中心軸を含む90度ー270度方向の面
内でドラムの中心軸を傾斜させるような傾斜駆動手段を
設けることが必要なために、構成が複雑になるというこ
とが問題になり、それの解決策が求められた。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明は、周面の一部へ
巻回される磁気テープに対する摺接面を備えているとと
もに回転磁気ヘッドが取付けられている上ドラムと、上
ドラムにおける磁気テープの摺接面の延長面上に位置す
る磁気テープの摺接面と磁気テープの位置規制面とを備
えているとともに、前記の上ドラムと同軸的に、かつ、
ドラムベースに対して、中心軸まわりの方向については
回動しない状態に連結されている下ドラムと、前記した
下ドラムとドラムベースとの間に、回動駆動手段によっ
て回動可能な状態に設けられているとともに、上,下ド
ラムの周面に対する磁気テープの巻回範囲の中間位置と
前記した上,下ドラムの中心軸とを結ぶ直線と平行な線
上に、下ドラムの底面に当接できる複数個の回動支点を
設けたサブベースと、前記したサブベースを回動駆動す
る手段と、前記した下ドラムの底面の高さを駆動変位さ
せる手段とを備えてなる磁気記録再生装置、及び周面の
一部へ巻回される磁気テープに対する摺接面を備えてい
るとともに回転磁気ヘッドが取付けられている上ドラム
と、上ドラムにおける磁気テープの摺接面の延長面上に
位置する磁気テープの摺接面を備えているとともに、上
ドラムと同軸的に設けられている下ドラムと、磁気テー
プに形成されている記録跡に対して回転磁気ヘッドの回
転軌跡面が一致する状態になると予定された角度だけ前
記した上,下ドラムと回転磁気ヘッドとの中心軸を傾斜
させる第1の傾斜駆動手段と、前記した上,下ドラムと
は別体に構成されていて、前記した下ドラムの下部に構
成させた小径部の外周面に接近した状態に配置されてお
り、上端部に磁気テープの基準縁の位置規制面を備えて
いる磁気テープの走行位置規制用案内部材と、磁気テー
プに形成されている記録跡と回転磁気ヘッドの回転軌跡
面との相対的な位置関係が保持された状態のままで磁気
テープの位置規制面を磁気テープの基準縁位置に一致さ
せるように磁気テープの走行位置規制用案内部材を傾斜
させる第2の傾斜駆動手段とを備えているとともに、前
記した磁気テープの走行位置規制用案内部材とドラムベ
ースとの間に、回動駆動手段によって回動可能な状態に
設けられているとともに、上,下ドラムの周面に対する
磁気テープの巻回範囲の中間位置と前記した上,下ドラ
ムの中心軸とを結ぶ直線と平行な線上に、下ドラムの底
面に当接できる複数個の回動支点を設けたサブベース
と、前記したサブベースを回動駆動する手段と、前記し
た下ドラムの底面の高さを駆動変位させる手段とを備
え、前記したサブベースが回動駆動されることにより、
下ドラムの周面に対する磁気テープの巻回範囲における
始端側における回転磁気ヘッドの回転軌跡面の高さと、
上,下ドラムの周面に対する磁気テープの巻回範囲にお
ける終端側における回転磁気ヘッドの回転軌跡面の高さ
とが互いに逆方向に変化される動作と、上,下ドラムの
周面に対する磁気テープの巻回範囲における始端側にお
ける回転磁気ヘッドの回転軌跡面の高さと、上,下ドラ
ムの周面に対する磁気テープの巻回範囲における終端側
における回転磁気ヘッドの回転軌跡面の高さとが、互い
に同方向に変化される動作との複合動作が行なわれるよ
うにしたことを特徴とする磁気記録再生装置を提供す
る。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の磁気記録再生装置の具体的な内容を詳細に説明する。
図1は本発明の磁気記録再生装置の一実施例の要部の0
度ー180度方向についての側断面図、図2は前記した
図1に示す本発明の磁気記録再生装置の一部の分解斜視
図であり、また、図3は本発明の磁気記録再生装置の一
実施例の要部の0度ー180度方向についての側断面
図、図4は前記した図3に示す本発明の磁気記録再生装
置の一部の分解斜視図である。本発明の磁気記録再生装
置の一実施例の構成態様を示す図1,図2、及び本発明
の磁気記録再生装置の他の実施例についての構成態様を
示す図3,図4において、DBはドラムベース、SBは
サブベース、Ddは下ドラム、Duは上ドラム、DAは
上ドラムDuと下ドラムDdとからなるドラム構体であ
り、また図3及び図4においてLrはリードリング(磁
気テープの基準縁の位置規制面を備えている磁気テープ
の走行位置規制用案内部材)である。
【0044】図1,図2に示す本発明の磁気記録再生装
置における上ドラムDuと下ドラムDdとからなるドラ
ム構体DAは、ドラムベースDBと、サブベースSBと
によって支持されており、また、図3,図4に示す本発
明の磁気記録再生装置における上ドラムDuと下ドラム
Ddとからなるドラム構体DAと、リードリングLrと
は、ドラムベースDBと、サブベースSBとによって支
持されている。前記の上ドラムDuは、ドラム構体DA
の中心軸49に装着されている軸受け51,52によっ
て、ドラム構体DAの中心軸49に対して回転自在に支
持されており、また下ドラムDdは前記のドラム構体D
Aの中心軸49に固着されている。
【0045】図1は、本発明の一実施例の磁気記録再生
装置が記録動作を行なっている状態と、磁気テープの走
行速度を記録動作時の磁気テープの走行速度と同一の走
行速度で、自己録再生動作を行なっている状態との2つ
の動作状態に対して共通に使用される0度ー180度方
向での断面図である。図1及び図2に示してある本発明
の磁気記録再生装置において、ドラムベースDBの上面
における90度方向の部分に突設されている結合ピン6
8と、ドラムベースDBの上面における270度方向の
部分に突設されている結合ピン69とは、前記したドラ
ムベースDBの上面に回動自在に設けられるサブベース
SBに穿設されている4個の長孔61〜64の内の2個
の長孔61,62における対応するものを貫通した後
に、前記の結合ピン68,69の先端部が、下ドラムD
dの底部に設けられている位置決め孔(図示されていな
い)中に遊嵌される。
【0046】図1及び図2に示してある本発明の一実施
例の磁気記録再生装置が、記録動作時、あるいは自己録
再生動作時にある状態における前記したサブベースSB
の90度の方向の部分付近には2個の回動支点35,3
6が設けられており、またサブベースSBにおける27
0度の方向の部分付近には2個の回動支点25,26が
設けられている。そして、前記の各回動支点25,2
6,35,36の上端部は、磁気記録再生装置の動作モ
ードに応じて下ドラムDdの底面に対して、当接状態に
されたり、離隔された状態にされたりする。例えば、磁
気記録再生装置が記録動作時には、前記の4個の回動支
点25,26、35,36のすべてのものが、下ドラム
Ddの底面に当接状態にされ、また、磁気記録再生装置
が曲がり補正動作を行なう場合には、前記の4個の回動
支点25,26,35,36の内の、2個の回動支点2
5,26(または、2個の回動支点35,36)がドラ
ムDdの底面に当接して回動支点として使用される。
【0047】すなわち、記録動作時における下ドラムD
dは、それの底面部がサブベースSBに突設してある4
個の回動支点25,26,35,36によって支持さ
れ、前記した下ドラムDdと、サブベースSBと、ドラ
ムベースDBなどの各部間は、前記の各部間に装着され
ているばね44〜47によって、前記の各部が相互に所
定の連結状態となるようにされている。前記したドラム
ベースDBと、下ドラムDdの間に設けられているサブ
ベースSBの周辺の一部には、モータ66によって駆動
回転されるピニオン67(歯車67)と噛合うラック6
5(歯車65)が構成されている(図2参照)。
【0048】そして、前記したサブベースSBは、図1
中に示されているように、それの内端部分に構成されて
いる円筒部60が、ドラムベースDBに設けられている
円孔の周面77に回動可能な状態で嵌合されているの
で、前記のモータ66が図示されていない制御部による
制御動作の下に駆動されて、ピニオン67が反時計まわ
りの方向、あるいは時計まわりの方向に回転すると、前
記のピニオン67と噛合うラック65を備えているサブ
ベースSBが、ドラムベースDB上で時計まわりの方
向、あるいは反時計まわりの方向に回動する。
【0049】サブベースSBに設けられている長孔61
〜64は、例えば結合ピン68,69のように、ドラム
ベースDB上に常に突出している状態のものとして設け
られている部材、あるいは例えばねじ29,30のよう
に、ドラムベースDB上に突出できる状態のものとして
設けられている部材によっても、前記した時計まわりの
方向、あるいは反時計まわりの方向へ、サブベースSB
が支障なく回動々作を行なえるようにするためのもので
ある。そして、本発明の一実施例の磁気記録再生装置
が、記録動作あるいは自己録再生動作を行なっている状
態を示している図1に示してある磁気記録再生装置の状
態は、一般的な構成のヘリカルスキャン型の磁気記録再
生装置が、記録動作や再生動作を行なっている場合の動
作状態と実質的に同じである。
【0050】次に、本発明の一実施例の磁気記録再生装
置が、曲がり補正動作を行ないながら、調整不良の磁気
記録再生装置で記録された記録済み磁気テープの再生動
作を行なう場合には、例えば、記録済み磁気テープから
再生された再生FM波信号のエンベロープの状態に基づ
いて検出した記録跡の曲がりのパターンと対応して、予
め定められている曲がり補正動作が行なわれるように、
図示されていない制御部から出力された制御信号によ
り、モータ66を所定の回転方向に所定の回転量だけ回
転させるように制御するとともに、前記の図示されてい
ない制御部から出力された制御信号により、図示されて
いない駆動機構によって、ねじ29,30の進退方向や
進退量等を制御して、記録済み磁気テープから再生され
る再生信号が曲がり補正された状態で再生される状態と
なるように、上ドラムDuと下ドラムDdとからなるド
ラム構体DAの中心軸49の中心線21の傾斜方向を制
御する。
【0051】ところで、トラック曲がりの補正技術につ
いて詳細に記述してある特開平8ー180530号公報
に開示されているように、磁気記録再生装置で再生の対
象にされている記録済み磁気テープにおける曲がりトラ
ックのパターンは、記録済み磁気テープを作成するのに
用いられた磁気記録再生装置における磁気テープの走行
路中に設けられているガイドローラ9,14(図10,
図11参照)によって定められる磁気テープの走行路の
高さが、走行路の正規の高さ位置よりも高い方にずれた
状態に設定されたり、低い方にずれた状態に設定された
りしているという、個々のガイドローラ9,14による
磁気テープの走行路の高さの設定の状態の組合わせ態様
の違いによって異なったものとなっている。
【0052】すなわち、例えば、磁気記録再生装置で再
生の対象にされている記録済み磁気テープを記録するの
に用いられた調整不良の磁気記録再生装置における調整
不良の状態が、磁気テープの走行路中に設けられてい
るガイドローラ9,14によって規制されている磁気テ
ープの走行路の高さが、正規の高さに比べて、ともに高
い状態に調整されている場合(図15参照)、磁気テ
ープの走行路中に設けられているガイドローラ9,14
によって規制されている磁気テープの走行路の高さが、
正規の高さに比べて、ともに低い状態に調整されている
場合(図16参照)、磁気テープの走行路中に設けら
れているガイドローラ9によって規制されている磁気テ
ープの走行路の高さが、正規の高さに比べて高い(また
は低い)状態に調整されているとともに、磁気テープの
走行路中に設けられているガイドローラ14によって規
制されている磁気テープの走行路の高さが、正規の高さ
に比べて、低い(または高い)状態に調整されている場
合、というように異なるのにつれて、調整不良の磁気記
録再生装置で作成された記録済み磁気テープ中の曲がり
トラックのパターンも異なっている。
【0053】そして、調整不良の磁気記録再生装置で作
成された記録済み磁気テープの再生時に適する曲がり補
正動作も、前記した記録済み磁気テープ中の曲がりトラ
ックのパターンの違いに対応して、それぞれ異なるもの
となる。例えば、磁気記録再生装置で再生の対象にされ
ている記録済み磁気テープを記録するのに用いられた調
整不良の磁気記録再生装置におけるガイドローラ9,1
4の双方の高さが、正規の高さに比べて高い(または低
い)状態に調整されていた場合に、記録された記録済み
磁気テープの再生時に適する曲がり補正動作は、90度
ー270度方向にドラム構体DAの中心軸49を傾斜さ
せることにより行なわれ、前記の方向での傾斜量は、前
記した正規の高さからのガイド9,14の高さのずれ量
に基づいて定められる。
【0054】また、例えば、磁気記録再生装置で再生の
対象にされている記録済み磁気テープを記録するのに用
いられた調整不良の磁気記録再生装置におけるガイドロ
ーラ9の高さが正規の高さに比べて低く(または高
く)、またガイドローラ14の高さが正規の高さに比べ
て高い(または低い)状態に磁気テープを走行させるよ
うな状態に調整されていた場合に記録された記録済み磁
気テープの再生時に適する曲がり補正動作は、0度ー1
80度方向にドラム構体DAの中心軸49を傾斜させる
ことにより行なわれ、前記の方向での傾斜量は、前記し
た正規の高さからガイド9,14の高さのずれ量に基づ
いて定められる、というように、記録済み磁気テープを
記録するのに用いられた磁気記録再生装置におけるガイ
ドローラ9,14の高さの調整不良の状態に対応して、
それぞれ異なるのである。
【0055】そして、再生の対象にされている記録済み
磁気テープを記録するのに用いられた調整不良の磁気記
録再生装置における調整不良の状態が、どうであるのか
に応じて、ドラム構体DAの中心軸49を、90度ー2
70度方向において時計まわりの方向に所定量だけ傾斜
させたり、あるいは、ドラム構体DAの中心軸49を、
0度ー180度方向において時計まわりの方向、あるい
は反時計方向に所定量だけ傾斜させたり、もしくはドラ
ム構体DAの中心軸49を、90度ー270度方向にお
いて時計まわりの方向に所定量だけ傾斜させるととも
に、ドラム構体DAの中心軸49を、0度ー180度方
向において時計まわりの方向、あるいは反時計方向に所
定量だけ傾斜させることにより、記録動作時における磁
気テープの走行速度と同一の走行速度で記録済み磁気テ
ープを走行させた状態における曲がりトラックの曲がり
補正動作を良好に行なうことができる。
【0056】それで、特開平8ー180530号公報に
開示されている磁気記録再生装置では、上,下ドラムの
周面に対する磁気テープの巻回範囲における中間位置と
ドラムの中心軸とを結ぶ直線上に設けられた回動支点
と、前記の直線と交叉する直線上に設けられた回動支点
とによって、上,下ドラムをそれぞれ所要の角度だけ傾
斜させることにより、上,下ドラムの周面に対する磁気
テープの巻回範囲における始端側における回転磁気ヘッ
ドの回転軌跡面の高さと、上,下ドラムの周面に対する
磁気テープの巻回範囲における終端側における回転磁気
ヘッドの回転軌跡面の高さとが互いに逆方向に変化され
る動作と、上,下ドラムの周面に対する磁気テープの巻
回範囲における始端側における回転磁気ヘッドの回転軌
跡面の高さと、上,下ドラムの周面に対する磁気テープ
の巻回範囲における終端側における回転磁気ヘッドの回
転軌跡面の高さとが、互いに同方向に変化される動作と
の複合動作が行なわれるようにして、前記した調整済み
磁気記録再生装置の状態に調整されている前記した既提
案の第1,第2の傾斜駆動手段を備えて構成されている
磁気記録再生装置における磁気テープの走行態様を、記
録済み磁気テープを記録する際に用いられた調整不良磁
気記録再生装置における磁気テープの走行態様と実質的
に同じ状態になるように変化させて、良好な再生動作が
行なわれるようにしていたが、前述のように互いに直交
する2つの方向に、それぞれ設けた回動支点によって、
上,下ドラムの中心軸を互いに直交する2つの方向に、
それぞれ所要の角度で所要の量だけ傾斜させて、曲がり
補正を行なうようにしているために構成が複雑なものに
なっていた。
【0057】それで、本発明の磁気記録再生装置では、
前記の特開平8ー180530号公報に開示されている
磁気記録再生装置と同様に、曲がり補正を行なうことが
できる状態に、上,下ドラムの中心軸を所要の角度で所
要の量だけ傾斜させるのに、90度ー270度の方向だ
けに設けた回動支点を、上,下ドラムの中心軸のまわり
に回動させるようにして、前記した特開平8ー1805
30号公報に開示されている磁気記録再生装置におい
て、互いに直交する2つの方向に、それぞれ設けた回動
支点によって、上,下ドラムの中心軸を互いに直交する
2つの方向に、それぞれ所要の角度で所要の量だけ傾斜
させて行なっている曲がり補正動作と、同様な曲がり補
正動作が行なわれるようにしたのである。
【0058】そして、既述した図1及び図2を参照して
説明した本発明の一実施例の磁気記録再生装置では、回
動支点25,26,35,36を備えているサブベース
SBに設けられているラック65に、モータ66の回転
軸に取付けられているピニオン67を噛合わせて、前記
のモータ66を駆動回転させると、サブベースSBがド
ラムベースDB上で回動して、前記のサブベースSBに
設けられている回動支点25,26,35,36の位置
が、ドラムベースDB及び下ドラムDdの周方向で変化
する。そして、前記したサブベースSBがドラムベース
DB上で回動することによる前記した回動支点25,2
6,35,36の位置の変化と、ねじ29,30の進退
の状態との組合わせ態様を変化させることによって、前
記の特開平8ー180530号公報に開示されている磁
気記録再生装置で行なわれる曲がり補正と同様な曲がり
補正が行なわれるように、上,下ドラムの中心軸を所要
の角度で所要の量だけ傾斜させることができる(例え
ば、図8,図9参照)。
【0059】ところで、磁気記録再生装置で再生の対象
にされた記録済み磁気テープを記録するのに用いられた
調整不良の磁気記録再生装置における調整不良の態様が
どうであったのかに応じて、記録済み磁気テープにおけ
るトラック曲がりの状態は異なるものになっている。そ
れで、再生の対象にされている記録済み磁気テープに記
録されている記録跡が、どのような状態のトラック曲が
りの記録跡になっているのかに応じて、磁気記録再生装
置の再生動作時に行なわれるべき曲がり補正動作の動作
態様を適応的に変化させることが必要とされる。
【0060】そのために、既述した図1及び図2に示す
本発明の一実施例の磁気記録再生装置や、図3及び図4
を参照して後述されている本発明の他の実施例の磁気記
録再生装置においては、再生の対象にされた記録済み磁
気テープが、どのような状態のトラック曲がりの記録跡
を記録しているものであるのかに応じて、磁気記録再生
装置の再生動作時に行なわれるべき曲がり補正動作の動
作態様を自動的に適応的に変化させるようにするのに
は、例えば、本格的な再生動作の開始前に、磁気記録再
生装置で再生の対象にされている記録済み磁気テープを
走行させて再生動作を行ないながら、各種のトラック曲
がりのパターンのそれぞれのトラック曲がり毎の補正動
作で使用されるべく予め知られているねじ29,30の
選択態様に従って、選択されたねじを組合わせて行なわ
れる各種の曲がり補正動作を、個々の曲がり補正態様毎
に時分割式に行ない、再生FM波信号のエンベロープを
平坦にさせることができた曲がり補正動作の態様を決定
して、前記の決定された曲がり補正動作態様によって再
生動作が行なわれるようにすればよいのであり、それ
は、例えば、マイクロ・プロセッサ、ランダムアクセス
メモリ、ルック・アップ・テーブルとしてのROMテー
ブル、比較器などを用いて容易に構成できる。
【0061】次に、図3及び図4に示してある本発明の
磁気記録再生装置の他の実施例について説明する。図3
及び図4において、Duは上ドラム、Ddは下ドラムで
あり、磁気テープTの基準縁Teの案内部として機能す
るリードリングLrは、前記した下ドラムDdとは別体
に構成されていて、下ドラムDdの下方の外周部39に
近接し、リードリングLrの内周に設けられたナイフエ
ッジ23によって下ドラムDdの下方突出部と同軸嵌合
している。ドラムベースDBの上面の90度ー270度
の方向に突設されている結合ピン68,69は、サブベ
ースSBに設けられている2個の長孔61,62と、リ
ードリングLrに設けられている2個の位置決め孔74
(位置決め孔74は結合ピン69を遊嵌させるものであ
り、結合ピン68を遊嵌させる他の1個の位置決め孔
は、長孔72,73の間に位置しているために図示され
ていない)とを貫通して下ドラムDdの底面に設けられ
ている図示されていない位置決め孔に遊嵌されているか
ら、前記したドラムベースDBとサブベースSBとリー
ドリングLrと、下ドラムDdとの相対的な位置関係
は、前記したサブベースSBに植設されている結合ピン
68,69によって決定される。
【0062】前記のサブベースSBにおける90度の方
向には2個の回動支35,36が設けられており、また
サブベースSBにおける270度の方向には2個の回動
支点25,26が設けられている。前記の回動支点2
5,26は、リードリングLrの270度の方向に穿設
されている透孔70,71を遊嵌して、回動支点25,
26の上端部によって下ドラムDdの底面に当接可能な
状態とされ、また、前記の回動支点35,36は、リー
ドリングLrの90度の方向に穿設されている透孔7
2,73を遊嵌して、回動支点35,36の上端部によ
って下ドラムDdの底面に当接可能な状態にされる。そ
して、磁気記録再生装置の記録動作時には、前記の4個
の回動支点25〜36のすべてのものが、下ドラムDd
の底面に当接状態にされ、また、本発明の磁気記録再生
装置が変速再生動作を行なう場合には、前記の4個の回
動支点25,26,35,36の内の2個の回動支点2
5,35(または、2個の回動支点26,36)がドラ
ムDdの底面に当接して回動支点として使用される。
【0063】すなわち、記録動作時における下ドラムD
dは、サブベースSBに突設してある4個の回動支点2
5,26,35,36によって底面部が支持されるとと
もに、リードリングLrに突設してある4個の回動支点
27,28,37,38が底面部に圧接された状態にさ
れる。そして、前記した下ドラムDdと、リードリング
Lrと、サブベースSBと、ドラムベースDBなどの各
部間は、前記の各部間に装着されているばね44〜47
によって、前記の各部が相互に所定の連結状態となるよ
うにされている。
【0064】図3は本発明の磁気記録再生装置が記録動
作を行なっている状態における0度ー180度方向の断
面図を示しているとともに、本発明の磁気記録再生装置
が記録動作時の磁気テープの走行速度と同一の走行速度
で、所謂、自己録再生動作を行なっている状態における
0度ー180度方向の断面図をも示している。そして、
図3及び図4に示されている本発明の磁気記録再生装置
では、図11乃至図14を参照して既述した既提案の磁
気記録再生装置には備えていなかった曲がり補正機能を
備えるために、ドラムベースDBとリードリングLrと
の間に、回動支点25,26,35,36やラック65
を備えたサブベースSBを設けるとともに、前記のサブ
ベースSBに設けられているラック65に、モータ66
の回転軸に取付けられているピニオン67を噛合わせ
て、モータ66を駆動回転させることにより、前記のサ
ブベースSBに設けられている回動支点25,26,3
5,36の位置が、ドラムベースDB及び下ドラムDd
の周方向で変化するようにして、前記の回動支点25,
26,35,36の位置の変化と、ねじ29,30との
進退の状態との組合わせの状態を変化させることによっ
て、前記の特開平8ー180530号公報に開示されて
いる磁気記録再生装置で行なわれる曲がり補正の結果と
同様な曲がり補正の結果が得られるように、上,下ドラ
ムの中心軸を所要の角度で所要の量だけ傾斜させるよう
にしているのである。
【0065】図3及び図4に示す本発明の他の実施例の
磁気記録再生装置が、調整不良の磁気記録再生装置で記
録された記録済み磁気テープを、記録動作時の磁気テー
プの走行速度と同一の走行速度で再生を行なう場合に
は、本格的な再生動作の開始前に、磁気記録再生装置で
再生の対象にされている記録済み磁気テープを走行させ
て再生動作を行ないながら、各種のトラック曲がりのパ
ターンのそれぞれのトラック曲がり毎の補正動作で使用
されるべく予め知られているねじ29,30の選択態様
に従って、選択されたねじを組合わせて行なわれる各種
の曲がり補正動作を、個々の曲がり補正態様毎に時分割
式に行ない、再生FM波信号のエンベロープを平坦にさ
せることができた曲がり補正動作の態様を決定して、前
記の決定された曲がり補正動作態様によって曲がり補正
が行なわれている再生動作が行なわれ得るようにする。
【0066】図3及び図4に示す本発明の磁気記録再生
装置が、再生動作を行なう場合には、再生の対象にされ
た記録済み磁気テープに、どのような状態のトラック曲
がりの記録跡が記録されているものであるのかを、本格
的な再生動作の開始前に既述のようにして検出し、それ
により所定の曲がり補正動作の態様を決定して、前記の
決定された曲がり補正動作態様によって再生動作が行な
われるようにする。ところで、図3及び図4に示す本発
明の磁気記録再生装置は、図11乃至図14を参照して
既述した既提案の磁気記録再生装置と同様に、記録動作
時の磁気テープの走行速度とは異なる走行速度での再生
動作(変速再生動作)時にもノイズレスの状態での再生
状態が得られるように、磁気テープの走行速度に応じ
て、ドラム構体の中心軸を0度ー180度方向の面内に
おいて所定の角度だけ傾斜させたり、リードリングLr
の磁気テープの位置規制面Gを磁気テープの基準縁位置
に一致するように傾斜させたりする機構を備えている上
に、記録動作時の磁気テープの走行速度と同一の走行速
度での再生動作時、及び変速再生時におる曲がり補正機
構を備えているものとして、既述のように構成されてい
る。
【0067】さて図5は、図3及び図4に示す本発明の
磁気記録再生装置が、トラック曲がりのない状態の記録
跡が記録されている記録済み磁気テープを再生する場合
の再生動作、または、自己録再生動作を行なう場合にお
けるサブベースSBの部分の上面図であり、前記の動作
状態における磁気記録再生装置のサブベースSBは、そ
れの上面に突設されている回動支点25と回動支点26
とが、90度ー270度方向の線を対称軸とする対称の
位置を占め、また、回動支点35と回動支点36とが、
90度ー270度方向の線を対称軸とする対称の位置を
占めている状態であるとして示されるのである。
【0068】また図6及び図7は、図3及び図4に示す
本発明の磁気記録再生装置が、調整不良の磁気記録再生
装置で記録された記録済み磁気テープを、曲がり補正動
作を行ないながら再生している場合におけるサブベース
SBの部分の上面図であり、前記の動作状態における磁
気記録再生装置のサブベースSBは、図6に示されてい
るサブベースSBについては、モータ66の回転によっ
てピニオン67が反時計まわりの方向に回転して、サブ
ベースSBが、それの下面をドラムベースDBの上面に
摺動させた状態で図5に示されている状態から、時計ま
わりの方向にα度(αは曲がり補正を行なうために必要
とされる角度)だけ回動した状態にされており、また図
7に示されているサブベースSBについてはモータの回
転によってピニオン67が時計まわりの方向に回転し
て、サブベースSBが、それの下面をドラムベースDB
の上面に摺動させた状態で図5に示されている状態か
ら、反時計まわりの方向にα度だけ回動した状態にされ
ている。
【0069】サブベースSBが、図5に示されている状
態の位置とされている場合に、ねじ29,30の内の選
択された一方のものによって、下ドラムDdの底面が突
上げられた場合には、下ドラムDdは90度ー270度
の方向に設けられている回動支点25,35、または回
動支点26,36を回動の支点として、ドラム構体DA
の中心軸49が、0度ー180度の方向の面(紙面に垂
直な面)内で0度方向または180度方向に傾斜するよ
うにされる。また、サブベースSBが、それの下面をド
ラムベースDBの上面に摺動させた状態で、図5に示さ
れている状態の位置から図6に示されている状態の位置
に時計まわりの方向にα度だけ回動された場合に、ねじ
29,30の内の選択された一方のものによって下ドラ
ムDdの底面が突上げられた場合には、下ドラムDdは
90度ー270度の方向から時計まわりの方向にα度だ
け回動した位置の回動支点25,35、または回動支点
26,36を回動の支点として、ドラム構体DAの中心
軸49が、0度ー180度の方向から時計まわりの方向
にα度だけ回動した位置の面(紙面に垂直な面)内で、
ドラム構体DAの中心軸49が傾斜するようにされる。
【0070】さらに、サブベースSBが、それの下面を
ドラムベースDBの上面に摺動させた状態で、図5に示
されている状態の位置から図7に示されている状態の位
置に反時計まわりの方向にα度だけサブベースSBが回
動された場合に、ねじ29,30の内の選択された一方
のものによって下ドラムDdの底面が突上げられた場合
には、下ドラムDdは90度ー270度の方向から反時
計まわりの方向にα度だけ回動した位置の0度ー180
度の方向から反時計まわりの方向にα度だけ回動した位
置の面(紙面に垂直な面)内で、ドラム構体DAの中心
軸49が傾斜するようにされる。前記のサブベースSB
が、それの下面をドラムベースDBの上面に摺動させた
状態で、時計まわりの方向、あるいは反時計まわりの方
向へ回動する動作は、既述したモータ66の駆動回転に
よって行なわれ、また前記したねじ29,30による下
ドラムDdの底面に対する突上げ動作は、図示されてい
ない制御部による制御動作の下で動作する駆動機構(図
4中の41〜43)によって行なわれる。
【0071】すなわち、図3及び図4に示されている本
発明の磁気記録再生装置が、調整不良の磁気記録再生装
置における前記したような発生原因に基づいて発生した
曲がりトラックに対する曲がり補正動作を行なう場合の
ドラム構体DAの中心軸49に対する傾斜駆動動作は、
ドラムベースDBに螺合しているねじ29(または、ね
じ30)を、図示していない制御部による制御の下に、
図示していない駆動機構(駆動用モータと歯車による動
力伝達機構)により回転駆動して、前記のねじ29(ま
たは、ねじ30)の先端部によって下ドラムDdにおけ
る0度方向の底面を突上げる動作と、ドラムベースDB
に螺合しているねじ30(または、ねじ29)を、図示
していない制御部による制御の下に、駆動機構(図4中
の41〜43)により回転駆動して、前記のねじ30
(または、ねじ29)の先端部を、下ドラムDdにおけ
る180度方向の底面から離隔させる動作とによって行
なわれる。前記したドラム構体DAの中心軸49に対す
る傾斜駆動動作によって、ドラム構体DAの中心軸は、
曲がりトラックに対する曲がり補正動作に必要とされる
角度だけ所定方向に傾斜される。
【0072】前記のようにして、モータ66の回転によ
り、サブベースSBが、それの下面をドラムベースDB
の上面に摺動させた状態で、図5に示されている状態の
位置から、図6または図7に示されている状態の位置に
α度だけ回動された場合に、ねじ29,30の内の選択
された一方のものによって下ドラムDdが突上げられる
ことにより、上ドラムDuと下ドラムDdとからなるド
ラム構体DAは、曲がり補正動作に必要とされる二方向
への傾斜動作(90度ー270度方向での傾斜動作と、
0度ー180度方向での傾斜動作との二方向での傾斜動
作)が同時に行なわれた状態の傾斜動作が行なわれるこ
とになる。
【0073】次に、図3及び図4に示されている本発明
の磁気記録再生装置が、磁気テープの走行方向が順方向
での高速再生(FF)を行なう場合には、ねじ30,3
2が下ドラムDdの底面から離隔するように駆動回転さ
れるとともに、ねじ29,31が下ドラムDdの底面を
押上げるように駆動回転されて、磁気記録再生装置が早
送り再生時における状態、すなわち、ドラム構体DAの
中心線が図中で時計まわりの方向に傾斜される。そし
て、高速再生動作時においても、曲がり補正が行なわれ
ている状態で、しかも図12乃至図14を参照して既述
した既提案の磁気記録再生装置と同様に、ノイズレスの
状態で高速再生動作が行なわれる得るのである。
【0074】また、図3及び図4に示されている本発明
の磁気記録再生装置を、磁気テープの走行方向が逆方向
での高速再生(REW)を行なう場合には、ねじ29,
31が下ドラムDdの底面から離隔するように駆動回転
されるとともに、ねじ30,32が下ドラムDdの底面
を押上げるように駆動回転されて、磁気記録再生装置が
逆方向での高速再生時における状態、すなわち、ドラム
構体DAの中心線が図中で反時計まわりの方向に傾斜さ
れる。そして、逆方向での高速再生動作時においても、
曲がり補正が行なわれている状態で、しかも図12乃至
図14を参照して既述した既提案の磁気記録再生装置と
同様に、ノイズレスの状態で高速再生動作が行なわれる
得るのである。
【0075】すなわち、図3及び図4に示されている本
発明の磁気記録再生装置においても、上ドラムDuに設
けられている回転磁気ヘッドH1,H2は、所定の回転
数で駆動回転された状態で、磁気テープTの走行方向、
及び走行速度が各種の回動作モードに対応して、VTR
に設けられている主制御部(図示せず)に設定されるの
に応じて、前記の主制御部から制御情報が与えられた傾
斜制御部(図示せず)は、ドラム構体DAにおける上ド
ラムDuと下ドラムDdとリードリングLrとからなる
ドラム構体DAの中心軸49の中心線(21)を、既述
した図13中の矢印21a(または21b)の方向に所
定量だけ傾斜させるような制御動作を行ない、また、リ
ードリングLrも、傾斜制御部の制御の下に所定の方向
に所定量だけ傾斜される。それにより、回転磁気ヘッド
の回転軌跡によって磁気テープTに描かれる回転軌跡の
パターンを、磁気テープの記録跡に一致する状態にさせ
るとともに、磁気テープの基準縁Teの移動軌跡にリー
ドリングの案内部G(位置規制面)を一致する状態にさ
せた状態で、高速再生が行なわれるようにするのであ
る。
【0076】記録動作時における磁気テープの走行方向
と同一の走行方向で、早送り再生(FF)が行なわれる
場合には、ねじ29が下ドラムDdの底面を押上げるよ
うに駆動されるとともに、ねじ30が下ドラムDdの底
面から離れる方向に駆動されて、サブベースSBに突設
してある4個の回動支点25,26,35,36の内の
2個の回動支点25,35が、下ドラムDdの底面と接
し、前記の2個の回動支点25,35を回動の支点とし
て、上ドラムDuと下ドラムDdとの中心軸49が図中
で時計まわりの方向に回動するようにされる。またリー
ドリングLrの中心軸が時計まわりの方向に所定量だけ
回動された状態となるように、リードリングLrに螺入
されているとともに、先端部が下ドラムDdの底面にそ
れぞれ当接する状態として設けられている2つのねじ3
1,32を互いに逆回転させる。
【0077】また、記録動作時における磁気テープの走
行方向とは逆の走行方向で、早戻し再生(REW)が行
なわれる場合には、ねじ30が下ドラムDdの底面を押
上げるように駆動されるとともに、ねじ29が下ドラム
Ddの底面から離れる方向に駆動されて、サブベースS
Bに突設してある4個の回動支点25,26,35,3
6の内の2個の回動支点26,36とが、下ドラムDd
の底面と接し、前記の2個の回動支点26,36を回動
の支点として、上ドラムDuと下ドラムDdとの中心軸
49が図中で反時計まわりの方向に回動するようにされ
る。また、リードリングLrの中心軸が反時計まわりの
方向に所定量だけ回動された状態となるように、リード
リングLrに螺入されているとともに、先端部が下ドラ
ムDdの底面にそれぞれ当接する状態として設けられて
いる2つのねじ31,32を互いに逆回転させる。前記
したねじ29〜32に対する前記のような駆動々作や、
サブベースSBの回動のための駆動々作等は、図示して
いない傾斜制御部の制御の下に動作する駆動機構の回動
作によって行なわれる。前記の駆動機構は、図4の分解
斜視図中に示されているような動力源とされるモータ4
0、複数の歯車よりなる減速機構41、位置検出器4
2、ロータリエンコーダ43などを備えて構成されてい
る。
【0078】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の磁気記録再生装置は、周面の一部へ巻
回される磁気テープに対する摺接面を備えているととも
に回転磁気ヘッドが取付けられている上ドラムと、上ド
ラムにおける磁気テープの摺接面の延長面上に位置する
磁気テープの摺接面と磁気テープの位置規制面とを備え
ているとともに、前記の上ドラムと同軸的に、かつ、ド
ラムベースに対して、中心軸まわりの方向については回
動しない状態に連結されている下ドラムと、前記した下
ドラムとドラムベースとの間、または上,下ドラムとは
別体に構成されていて、前記した下ドラムの下部に構成
させた小径部の外周面に接近した状態に配置されてお
り、上端部に磁気テープの基準縁の位置規制面を備えて
いる磁気テープの走行位置規制用案内部材と、磁気テー
プに形成されている記録跡と回転磁気ヘッドの回転軌跡
面との相対的な位置関係が保持された状態のままで磁気
テープの位置規制面を磁気テープの基準縁位置に一致さ
せるように磁気テープの走行位置規制用案内部材を傾斜
させる第2の傾斜駆動手段とを備えているとともに、前
記した磁気テープの走行位置規制用案内部材とドラムベ
ースとの間に、回動駆動手段によって回動可能な状態に
設けられているとともに、上,下ドラムの周面に対する
磁気テープの巻回範囲の中間位置と前記した上,下ドラ
ムの中心軸とを結ぶ直線と平行な線上に、下ドラムの底
面に当接できる複数個の回動支点を設けたサブベース
と、前記したサブベースを回動駆動する手段と、前記し
た下ドラムの底面の高さを駆動変位させる手段とを備
え、前記したサブベースが回動駆動されることにより、
下ドラムの周面に対する磁気テープの巻回範囲における
始端側における回転磁気ヘッドの回転軌跡面の高さと、
上,下ドラムの周面に対する磁気テープの巻回範囲にお
ける終端側における回転磁気ヘッドの回転軌跡面の高さ
とが互いに逆方向に変化される動作と、上,下ドラムの
周面に対する磁気テープの巻回範囲における始端側にお
ける回転磁気ヘッドの回転軌跡面の高さと、上,下ドラ
ムの周面に対する磁気テープの巻回範囲における終端側
における回転磁気ヘッドの回転軌跡面の高さとが、互い
に同方向に変化される動作との複合動作が行なわれるよ
うにしたから、本発明の磁気記録再生装置では、回動支
点が設けられているサブベースを、それの下面がドラム
ベースの上面に摺接している状態で回動させることによ
り、ドラム構体の中心軸の傾斜方向を、曲がり補正で必
要とされる方向に容易に設定することができるのであ
り、本発明によれば既述した問題点を良好に解決でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録再生装置の一実施例の要部の
0度ー180度方向についての側断面図である。
【図2】図1に示す本発明の磁気記録再生装置の一部の
分解斜視図である。
【図3】本発明の磁気記録再生装置の他の実施例の要部
の0度ー180度方向についての側断面図である。
【図4】図3に示す本発明の磁気記録再生装置の一部の
分解斜視図である。
【図5】本発明の磁気記録再生装置の動作説明用のサブ
ベースの平面図である。
【図6】本発明の磁気記録再生装置の動作説明用のサブ
ベースの平面図である。
【図7】本発明の磁気記録再生装置の動作説明用のサブ
ベースの平面図である。
【図8】本発明の磁気記録再生装置の動作説明用の側面
図である。
【図9】本発明の磁気記録再生装置の動作説明用の側面
図である。
【図10】磁気記録再生装置の走行路を示す斜視図であ
る。
【図11】磁気記録再生装置の動作原理を示す視図であ
る。
【図12】従来の磁気記録再生装置の要部の0度ー18
0度方向についての側断面図である。
【図13】従来の磁気記録再生装置の要部の0度ー18
0度方向についての側断面図である。
【図14】図14に示す従来の磁気記録再生装置の一部
の分解斜視図である。
【図15】トラック曲がりの発生の状態を説明するため
の図である。
【図16】トラック曲がりの発生の状態を説明するため
の図である。
【符号の説明】
DB…ドラムベース、SB…サブベース、Dd…下ドラ
ム、Du…上ドラム、DA…ドラム構体、T…磁気テー
プ、Te…磁気テープTの基準縁、Lr…リードリン
グ、G…リードリングLrに設けられている案内部(磁
気テープの位置規制用案内部材に構成されている磁気テ
ープの基準縁の位置規制面)1…供給リール台、2…巻
取りリール台、3…カセットケース、4…供給リール、
5…テンションポール、6,16…ガイドポール、7…
全幅消去ヘッド、8…インピーダンスローラ、9,14
…ローディングポール(垂直ガイドローラ)、10,13
…傾斜ガイド(スラントポール)、15…コントロール
ヘッド、17…ピンチローラ、18…キヤプスタン、1
9…巻取りリール、20…機台、21,49…中心軸、
23…ナイフエッジ、25〜28,35〜38…回動支
点、29〜32…ねじ、41…複数の歯車よりなる減速
機構、42…位置検出器、43…ロータリエンコーダ、
61〜64,70〜73…長孔、65…ラック、66…
モータ、67…ピニオン、68,69…結合ピン、

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面の一部へ巻回される磁気テープに対
    する摺接面を備えているとともに回転磁気ヘッドが取付
    けられている上ドラムと、上ドラムにおける磁気テープ
    の摺接面の延長面上に位置する磁気テープの摺接面と磁
    気テープの位置規制面とを備えているとともに、前記の
    上ドラムと同軸的に、かつ、ドラムベースに対して、中
    心軸まわりの方向については回動しない状態に連結され
    ている下ドラムと、前記した下ドラムとドラムベースと
    の間に、回動駆動手段によって回動可能な状態に設けら
    れているとともに、上,下ドラムの周面に対する磁気テ
    ープの巻回範囲の中間位置と前記した上,下ドラムの中
    心軸とを結ぶ直線と平行な線上に、下ドラムの底面に当
    接できる複数個の回動支点を設けたサブベースと、前記
    したサブベースを回動駆動する手段と、前記した下ドラ
    ムの底面の高さを駆動変位させる手段とを備えてなる磁
    気記録再生装置。
  2. 【請求項2】 周面の一部へ巻回される磁気テープに対
    する摺接面を備えているとともに回転磁気ヘッドが取付
    けられている上ドラムと、上ドラムにおける磁気テープ
    の摺接面の延長面上に位置する磁気テープの摺接面を備
    えているとともに、上ドラムと同軸的に設けられている
    下ドラムと、磁気テープに形成されている記録跡に対し
    て回転磁気ヘッドの回転軌跡面が一致する状態になると
    予定された角度だけ前記した上,下ドラムと回転磁気ヘ
    ッドとの中心軸を傾斜させる第1の傾斜駆動手段と、前
    記した上,下ドラムとは別体に構成されていて、前記し
    た下ドラムの下部に構成させた小径部の外周面に接近し
    た状態に配置されており、上端部に磁気テープの基準縁
    の位置規制面を備えている磁気テープの走行位置規制用
    案内部材と、磁気テープに形成されている記録跡と回転
    磁気ヘッドの回転軌跡面との相対的な位置関係が保持さ
    れた状態のままで磁気テープの位置規制面を磁気テープ
    の基準縁位置に一致させるように磁気テープの走行位置
    規制用案内部材を傾斜させる第2の傾斜駆動手段とを備
    えているとともに、前記した磁気テープの走行位置規制
    用案内部材とドラムベースとの間に、回動駆動手段によ
    って回動可能な状態に設けられているとともに、上,下
    ドラムの周面に対する磁気テープの巻回範囲の中間位置
    と前記した上,下ドラムの中心軸とを結ぶ直線と平行な
    線上に、下ドラムの底面に当接できる複数個の回動支点
    を設けたサブベースと、前記したサブベースを回動駆動
    する手段と、前記した下ドラムの底面の高さを駆動変位
    させる手段とを備え、前記したサブベースが回動駆動さ
    れることにより、下ドラムの周面に対する磁気テープの
    巻回範囲における始端側における回転磁気ヘッドの回転
    軌跡面の高さと、上,下ドラムの周面に対する磁気テー
    プの巻回範囲における終端側における回転磁気ヘッドの
    回転軌跡面の高さとが互いに逆方向に変化される動作
    と、上,下ドラムの周面に対する磁気テープの巻回範囲
    における始端側における回転磁気ヘッドの回転軌跡面の
    高さと、上,下ドラムの周面に対する磁気テープの巻回
    範囲における終端側における回転磁気ヘッドの回転軌跡
    面の高さとが、互いに同方向に変化される動作との複合
    動作が行なわれるようにしたことを特徴とする磁気記録
    再生装置。
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