JPH09259493A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

Info

Publication number
JPH09259493A
JPH09259493A JP8093077A JP9307796A JPH09259493A JP H09259493 A JPH09259493 A JP H09259493A JP 8093077 A JP8093077 A JP 8093077A JP 9307796 A JP9307796 A JP 9307796A JP H09259493 A JPH09259493 A JP H09259493A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic tape
drum
reference edge
magnetic
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8093077A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Nishima
亮 西間
Hiromichi Hirayama
博通 平山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP8093077A priority Critical patent/JPH09259493A/ja
Publication of JPH09259493A publication Critical patent/JPH09259493A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリックプレイ時にも磁気テープを傷めない
磁気記録再生剤置を提供する。 【解決手段】 上,下ドラムDu,Ddを磁気テープT
に形成されている記録跡に対して回転磁気ヘッドの回転
軌跡面が一致する状態になると予定された角度だけ中心
軸を傾斜させる第1の傾斜駆動手段と、前記した上,下
ドラムとは別体構成で、かつ、前記した下ドラムの下部
に構成させた小径部Ddsの外周面に接近した状態に配
置させた、テープ基準縁Teの位置の規制面Gを備えて
いるリードリングLrと、リードリングを磁気テープの
基準縁位置に一致させるように傾斜させる第2の傾斜駆
動手段とを備えており、前記のリードリングLrの規制
面に少なくとも1個の凹部Gxを設けるとともに、前記
の規制面Gに設けられた凹部Gxと対応する部分に下ド
ラムDdの磁気テープの摺接面RFを延長させた部分R
Fxを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドラムの周面の一部
に摺接して走行する磁気テープの走行速度の変化に応じ
て回転磁気ヘッドの回転軌跡面の空間位置を変化させる
ことにより回転磁気ヘッドが記録跡を良好に追跡できる
ようにした磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
周面の一部へ巻回された状態の磁気テープを所定の走行
速度で走行させて、回転磁気ヘッドを用いて記録再生動
作を行なうようにしている所謂ヘリカル・スキャン型の
磁気記録再生装置の代表例としては、ビデオ・テープ・レ
コーダ(VTR)[またはビデオ・カセット・レコーダ(V
CR)]を挙げることができる。そして、前記のVT
R,VCRの使用に当っては、記録時と同一の磁気テー
プ走行速度で記録情報の再生動作を行なう通常再生(ノ
ーマル再生)の他に、記録時の磁気テープの走行速度や
走行方向とは異なる走行速度や走行方向で磁気テープを
走行(停止も含む)させて再生動作を行なうトリックプ
レイも広く行なわれている。
【0003】ところで、前記したようなヘリカル・スキ
ャン型の磁気記録再生装置の回転磁気ヘッドの回転軌跡
に従って磁気テープに形成される記録跡のパターンは、
ドラムの直径、回転磁気ヘッドの回転数、回転磁気ヘッ
ドの回転方向、磁気テープの走行速度、磁気テープの走
行方向、トラック角度、ヘッドトラック幅、磁気テープ
の記録領域幅等の諸条件によって定まるから、磁気記録
再生装置の動作モード(ノーマル再生モード、各種のト
リックプレー動作モード)の変更により、例えば、磁気
テープの走行方向や走行速度等の条件が変化した場合に
は、回転磁気ヘッドによって磁気テープに描かれる回転
磁気ヘッドの回転軌跡のパターンが変化することにな
る。
【0004】例えば、VHS(登録商標)方式における磁
気記録再生装置がSPモードの場合には、直径が62m
mの回転ドラムに取付けられた回転磁気ヘッドが毎分1
800回転しており、ドラムの外周の一部に巻回されて
いる磁気テープが、毎秒33.35mmの送り速度で順
方向に移送される状態として記録再生動作が行なわれる
が、この状態で回転磁気ヘッドによって走行時の磁気テ
ープに描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡は、磁気テー
プの基準縁に対して5°58’9.9”の角度となり、
また例えば、VHS(登録商標)方式における磁気記録再
生装置において、直径が62mmの回転ドラムに取付け
られた回転磁気ヘッドを毎分1800回転させておき、
ドラムの外周の一部に巻回されている磁気テープを、毎
秒66.7mmの送り速度で順方向に移送される状態と
して記録再生動作(順方向での2倍速再生)をした場合
に、回転磁気ヘッドによって走行時の磁気テープに描か
れる回転磁気ヘッドの回転軌跡は、磁気テープの基準縁
に対して6°2’19.2”の角度となる。
【0005】さらに例えば、VHS(登録商標)方式にお
ける磁気記録再生装置において、直径が62mmの回転
ドラムに取付けられた回転磁気ヘッドを毎分1800回
転させておき、ドラムの外周の一部に巻回されている磁
気テープを、毎秒66.7mmの送り速度で逆方向に移
送される状態として記録再生動作(逆方向での2倍速再
生)をした場合に、回転磁気ヘッドによって走行時の磁
気テープに描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡は、磁気
テープの基準縁に対して5°54’6.2”の角度とな
り、前記したVHS(登録商標)方式における磁気記録再
生装置において、直径が62mmの回転ドラムに取付け
られた回転磁気ヘッドを毎分1800回転させておき、
ドラムの外周の一部に巻回されている磁気テープを停止
させた状態で、回転磁気ヘッドによって磁気テープに描
かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡は、磁気テープの基準
縁に対して5°56’7.4”の角度となる。
【0006】したがって、通常記録再生時(ノーマル記
録再生時)に、回転磁気ヘッドによって磁気テープ上に
描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡と、トリックプレイ
時に回転磁気ヘッドによって磁気テープ上に描かれる回
転磁気ヘッドの回転軌跡とは交叉した状態になる。それ
で、トリックプレイ時に再生される再生信号の周波数被
変調波信号の信号レベルは、回転磁気ヘッドが記録跡を
横切る度毎に大きく変化しており、1垂直走査期間にお
ける再生信号の周波数被変調波信号のエンベロープをみ
ると、1垂直走査期間中に大きな起伏が生じているもの
になるから、トリックプレイ時における再生画像として
は、画像中にノイズバーが生じている品質の悪い再生画
像しか得られない。特に、民生用デジタルVTRでは、
高能率符号化方式によって映像信号のデータ量を圧縮し
て記録しているために、早送り再生時や巻戻し再生時等
のように回転磁気ヘッドが磁気テープTの記録跡を横切
って再生動作を行なった場合に、モザイク状に並べられ
ているデータのブロックの配列状態の如何によっては全
く画像が再生できないことも起こる。
【0007】前述の問題点を解決するのには、回転磁気
ヘッドの回転軌跡と磁気テープTの記録跡とを一致させ
ればよいのであり、従来から開ループ制御回路または
閉ループ制御回路におけるアクチュエータとして使用さ
れる電気ー機械変換素子に回転磁気ヘッドを取付けてお
き、電気ー機械変換素子によって回転磁気ヘッドを変位
させて、回転磁気ヘッドを磁気テープTの記録跡に追跡
させるようにしたり、例えば実公昭63ー34126
号公報、実開昭61ー158633号公報等に開示され
ているように、回転磁気ヘッドを取付けた回転ドラムと
下ドラムとを一体的に傾斜させて、回転ヘッドが磁気テ
ープTの記録跡を追跡できるようにしたり、例えば特
公昭61ー22376号公報に開示されているように、
ドラムに対する磁気テープの進入側とドラムからの磁気
テープの離脱側とに設けられている磁気テープの幅方向
の高さを制限するためのガイドの高を変化させて、回転
ヘッドが磁気テープTの記録跡を追跡できるようにした
り、する等の各種の解決手段が提案されて来ている。
【0008】ところが、前記したのようにアクチュエ
ータとして使用される電気ー機械変換素子を用いて回転
磁気ヘッドの回転軌跡を制御させるようにしたVTRで
は、回転磁気ヘッドの回転軌跡を制御するための電気ー
機械変換素子を、回転ドラム内の狭い空間内に設けなけ
ればならないので、使用する電気ー機械変換素子として
は小さな形状寸法のものが必要とされるが、小さな形状
寸法の電気ー機械変換素子は回転磁気ヘッドに大きな変
位を与えることが困難であり、また、電気ー機械変換素
子によって変位される回転磁気ヘッドが変位によっても
磁気テープに対するヘッドタッチの状態が不良にならな
いような構成のものでなければならないが、良好な動作
特性を示す小型なアクチュエータを用いて良好な記録再
生動作を行なうVTRを構成させることは困難である
他、高密度記録が行なわれている磁気記録媒体における
記録跡幅の小さな記録跡に対して高精度で回転磁気ヘッ
ドを追跡させることが困難である等の問題がある。
【0009】また前記したにおける回転ドラムと下ド
ラムとを一体的に傾斜させて回転ヘッドが磁気テープT
の記録跡を追跡できるようにした磁気記録再生装置の内
で、実公昭63ー34126号公報に開示されている磁
気記録再生装置では、磁気テープTの基準縁Teの案内
部が、磁気テープTの基準縁Teに対して、いわば点接
触に近いような状態で接触しているだけであるために、
磁気テープTの基準縁Teの位置が大巾にゆれている状
態になっており、磁気テープTが低記録密度で記録され
ている場合、すなわち記録跡幅が大きな記録跡の場合に
は、ノーマル再生が辛うじて良好に行なえるとしても、
トリックプレイ時には磁気テープの基準縁Teの位置が
案内部によって正しく案内されていない状態で磁気テー
プTが走行している状態となるために、早送り再生時と
巻戻し再生時との何れの場合にも、ノイズバーの除去を
良好に行なうことができないということが問題になる。
【0010】さらに、前記したにおける回転ドラムと
下ドラムとを一体的に傾斜させて回転ヘッドが磁気テー
プTの記録跡を追跡できるようにした磁気記録再生装置
の内で、実開昭61ー158633号公報に開示されて
いる磁気記録再生装置では、下ドラムと別体に構成され
ている磁気テープの基準縁における所定の長さの部分を
案内できる部材(案内部)を装置の固定部に固着させて
あるから、前記した実公昭63ー34126号公報に開
示されている磁気記録再生装置で生じていた磁気テープ
Tの基準縁Teの位置の変動は、少なくともノーマル再
生動作時には生じないようにできるが、早送り再生動作
または巻戻し再生動作等を行なうために磁気ヘッドを取
付けた回転ドラムと下ドラムとを一体的に傾斜させた場
合には、磁気テープTとの摺接面を有する上,下ドラム
における摺接面に摺接している状態で走行している磁気
テープTが、上,下ドラムの摺接面に摺接している状態
のままで上,下ドラムとともに傾斜する傾向を持ってい
ることから、前記した上,下のドラムの傾斜に伴い、磁
気テープTの基準縁Teを案内するための部材(案内
部)から磁気テープTの基準縁Teが離れる方向に変位
することが起こる。それで早送り再生動作または巻戻し
再生動作等を行なうために、磁気ヘッドを取付けた回転
ドラムと下ドラムとを一体的に傾斜させた場合には、前
記した上,下のドラムの傾斜に伴って、磁気テープTの
基準縁Teが前記した磁気テープTの基準縁Teを案内
するための部材(案内部)によって案内されていない状
態の部分が生じ、その部分における磁気テープTの基準
縁Teの位置が変動してノイズバーを発生させることが
ある。
【0011】前記の問題点を解決する手段として、本出
願人会社では先に、上,下ドラムの周面の一部へ巻回さ
れる磁気テープに対する摺接面を備えている上ドラム
と、回転磁気ヘッドと、上ドラムにおける磁気テープの
摺接面の延長面上に位置する磁気テープの摺接面を備え
ているとともに、上ドラムと同軸的に設けられている下
ドラムと、磁気テープに形成されている記録跡に対して
回転磁気ヘッドの回転軌跡面が一致する状態になると予
定された角度だけ前記した上,下ドラムと回転磁気ヘッ
ドとの中心軸を傾斜させる第1の傾斜駆動手段と、前記
した上,下ドラムとは別体構成で、かつ、前記した下ド
ラムの下部に構成させた小径部の外周面に接近した状態
に配置させた、磁気テープの基準縁の位置の規制面を備
えている磁気テープの位置規制用案内部材と、前記の磁
気テープの位置規制用案内部材を磁気テープの基準縁位
置に一致させるように傾斜させる第2の傾斜駆動手段と
を備えてなる磁気記録再生装置を提案し、それの実施に
より良好な成果を挙げ得ている。
【0012】図6及び図7は前記した本出願人会社によ
る既提案の磁気記録再生装置の概略構成を示す図であっ
て、図6は上ドラムDuと、前記の上ドラムDuと対を
なして設けられる下ドラムDd(図7を参照のこと)
と、磁気テープTの基準縁Teの位置を規制する磁気テ
ープの位置規制用案内部材Lr(以下、磁気テープTの
基準縁Teの位置を規制する磁気テープの位置規制用案
内部材をリードリングLrのように記載されることもあ
る)とによって構成されているドラム構体DAを備えて
いるVTRの機構部と、テープ走行系の一例の概略構成
を示している斜視図であり、また、図7は回転磁気ヘッ
ドH1,H2によって磁気テープTに描かれる回転軌跡
を、磁気テープTの基準縁Teに対して所定の角度とな
るように制御できるようにさせる機構部分の構成例を示
している。図6において1は供給リール台、2は巻取り
リール台であり、カセットケース3内に設けてある供給
リール4及び巻取りリール19に巻回させて磁気テープ
Tを収納してあるカセットケース3をVTRに装着する
と、カセットケース3内の供給リール4は機台20に設
けられている供給リール台1と連結され、またカセット
ケース3内の巻取りリール19は機台20に設けられて
いる巻取りリール台2と連結される。
【0013】磁気テープTがパラレルローディング方式
のローディング機構に設けられているローディングポー
ル(垂直ガイドローラ)9,14によってカセットケース
3内から引出されると、前記の磁気テープTはテンショ
ンポール5,ガイドポール6,全幅消去ヘッド7,インピ
ーダンスローラ8,ローディングポール(垂直ガイドロー
ラ)9,傾斜ガイド(スラントポール)10等を経て所
定の回転数で駆動回転されている上ドラムDuと、静止
の状態の下ドラムDdの周面の一部に、磁気テープの基
準縁Teが案内されている状態で巻回された後に、傾斜
ガイド(スラントポール)13,ローディングポール
(垂直ガイドローラ)14,オーディオ・コントロールヘ
ッド15,ガイドポール16,キヤプスタン18とピン
チローラ17等を経て巻取りリール19に至る磁気テー
プの走行路を走行できるように張設される。
【0014】前記した上ドラムDuに設けられている回
転磁気ヘッドが所定の回転数で駆動回転された状態で、
磁気テープTの走行方向、及び走行速度が各種の動作モ
ードに対応して、VTRに設けられている主制御部に設
定されるのに応じて、前記の主制御部から制御情報が与
えられた傾斜制御部28の制御の下に、ドラム構体DA
における上ドラムDuと下ドラムDd(図7参照)と
は、ドラム構体DAの中心軸29が、図7中の矢印29
a(または29b)の方向に所定量だけ傾斜されるとと
もに、リードリングLrも、傾斜制御部28の制御の下
に所定の方向に所定量だけ傾斜されて、回転磁気ヘッド
の回転軌跡によって磁気テープTに描かれる回転軌跡の
パターンが、予め定められた状態のものとなるようにさ
れる。
【0015】前記のようにローディング機構によるロー
ディング動作が行なわれた後に、供給リール4から巻取
りリール19までの間に設定された磁気テープの走行路
を走行する磁気テープTは、テンションポール5→ガイ
ドポール6→全幅消去ヘッド7→インピーダンスローラ
8→ローディングポール(垂直ガイドローラ)9の区間の
走行路中では水平な状態で走行し、次いで、傾斜ガイド
(スラントポール)10によって磁気テープTの走行方向
が変更されることにより、前記の磁気テープTは所定の
回転数で駆動回転されている上ドラムDuと下ドラムD
dとの両者に対して中心角で180度強の範囲にわたり
リードリングLrに設けられている案内部Gに沿うよう
な状態で巻付けられるのである。
【0016】前記のように上ドラムDu及び下ドラムD
dに対して180度強の範囲にわたり巻付けられた磁気
テープTは、次いで傾斜ガイド(スラントポール)13
によって磁気テープTの走行方向が再び水平の状態の走
行方向に戻された後に、ローディングポール(垂直ガイ
ドローラ)14→オーディオ・コントロールヘッド15
→ガイドポール16→キヤプスタン18とピンチローラ
17等の区間の磁気テープの走行路を走行して巻取りリ
ール19に巻回される。図6中における矢印aは、上ド
ラムDuの回転方向であり、また、矢印bは磁気テープ
Tの順方向における移送方向を示している。磁気テープ
Tの逆方向における移送方向は、図6中の矢印bの方向
とは反対の方向であることは、いうまでもない。なお、
図6及び図7中には図面の簡略化表示のために、上ドラ
ムDuを所定の回転数で駆動回転させるためのドラムモ
ータの図示を省略してあるが、前記のドラムモータとし
ては、例えば、前記した上ドラムDuにロータを固定さ
せた構成のモータを用いるようにしてもよい。前記のよ
うな構成態様のドラムモータが使用される場合には、上
ドラムDuをドラム構体DAの中心軸29に対して回転
自在にベアリング軸受けによって支持させればよい。
【0017】次に、回転磁気ヘッドによって磁気テープ
Tに描かれる回転軌跡を、磁気テープTの基準縁Teに
対して、任意所定の角度となるように制御できるように
するための機構部分の構成例を示す図7において、DB
はドラムベースであり、上ドラムDuと下ドラムDdと
リードリングLrとからなるドラム構体DAは、前記の
ドラムベースDBによって支持されている。上ドラムD
uは、ドラム構体DAの中心軸29に装着されている図
示していないベアリング軸受けによって、ドラム構体D
Aの中心軸29に対して回転自在に支持されており、ま
た下ドラムDdは前記のドラム構体DAの中心軸29に
固着されている。また磁気テープTの基準縁Teの案内
部として機能するリードリングLrは、前記した下ドラ
ムDdとは別体に構成されており、下ドラムDdの下方
の外周部に近接し、かつドラムベースDB上に設けられ
ている。
【0018】そして、前記のリードリングLrは、前記
したドラム構体DAの中心軸29の位置から、図7が描
かれている紙面に垂直な方向における前記した中心軸2
9の両側の位置のドラムベースDBに設けられた回動支
点23(23)によって回動可能に支持されており、前
記したリードリングLrと、ドラムベースDBとの間に
は圧縮ばね25が装着されている。また、前記の下ドラ
ムDdは、前記したドラム構体DAの中心軸29の位置
から、図7が描かれている紙面に垂直な方向における前
記した中心軸29の両側の位置のリードリングLrに設
けられた回動支点22(22)によって回動可能に支持
されており、前記したリードリングLrと、下ドラムD
dとの間には圧縮ばね24が装着されている。
【0019】そして、前記したドラム構体DAの中心軸
29の下端部は、前記したドラムベースDBに設けられ
た貫通孔を貫通させ、前記の中心軸29の下端部には、
ばね受け板27を固着させる。そして、前記したばね受
け板27とドラムベースDBの下面との間にばね26を
装着させる。それにより、ドラム構体DAは前記した各
ばね24〜26により、ドラムベースDBに対して圧着
されるような状態で結合されて、前記した回動支点を回
動中心にして傾斜できるように構成される。
【0020】前記したリードリングLrには、ねじ30
が螺合されており、また、ドラムベースDBにはねじ3
1が螺合されている。前記のねじ30の先端部は、下ド
ラムDdの底面に当接した状態にされており、また、前
記のねじ31の先端部は、リードリングLrの底面に当
接した状態にされている。それで、前記のねじ30を回
転させて、ねじ30を進退させれば、ねじ30の先端部
が底面に当接している下ドラムDdは、前記したねじ3
0の進(または退)につれて、リードリングLrに設け
られた回動支点22(22)を回動中心にして、図7中
の矢印29a(または矢印29b)の方向に傾斜し、し
たがってドラム構体DAの中心軸29が、前記したねじ
30の進(または退)につれて、図7中の矢印29a
(または矢印29b)の方向に傾斜することになる。ま
た、前記したねじ31を回転させて、ねじ31を進退さ
せれば、ねじ31の先端部が底面に当接しているリード
リングLrは、前記したねじ31の進(または退)につ
れて、ドラムベースDBに設けられた回動支点23(2
3)を回動中心にして、図7中の矢印29a(または矢
印29b)の方向に傾斜することになる。
【0021】前記したねじ30は、ギャードモータM1
の回転力が、回転軸34→歯車33→歯車33を介して
伝達されることにより回転し、また、前記したねじ31
は、ギャードモータM2の回転力が、回転軸37→歯車
36→歯車35を介して伝達されることにより回転する
ものであるから、前記したギャードモータM1,M2の回
転方向及び回転量を、傾斜制御部28によって所定のよ
うに制御することにより、前記したドラム構体の中心軸
29の傾斜態様と、リードリングLrの傾斜の態様とが
所定の状態、すなわち、回転磁気ヘッドの回転軌跡によ
って磁気テープTに描かれる回転軌跡のパターンを、磁
気テープの走行方向と走行速度とによって予め定められ
た状態のものにさせることができる。
【0022】傾斜制御部28には、図示されていない主
制御部から、VTRの記録再生モードの情報が供給され
ている他に、前記したギャードモータM1に付設されて
いるロータリエンコーダRE1からの出力信号や位置セ
ンサPS1からの出力信号、及び、前記したギャードモ
ータM2に付設されているロータリエンコーダRE2から
の出力信号や位置センサPS2からの出力信号も供給さ
れている。前記した位置センサPS1,PS2としては、
例えば、発光素子と受光素子とが対向して配置されてい
る光路中に、円弧状の遮光板を移動させるような構成態
様のものが用いられてもよい。前記の各位置センサPS
1,PS2は、それの発光素子と受光素子とが対向して配
置されている光路中から円弧状の遮光板が外れる瞬間に
位置センサPS1,PS2から出力される信号が、前記し
たドラム構体DAの中心軸29の基準位置やリードトン
グLrの基準位置を示す情報として用いられる。
【0023】また、前記した位置センサPS1,PS2に
おける遮光板の基準位置からの回動量を、前記した各ロ
ータリエンコーダRE1,RE2からの出力パルス数の計
測によって知ることにより、ドラム構体DAの中心軸2
9の基準位置からのずれの方向及びずれ量やリードトン
グLrの基準位置からのずれの方向及びずれ量を求める
ことができる。それで前記した傾斜制御部28として
は、カウンタや比較器を含んで用いて構成されたデジタ
ル信号処理回路を使用できる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】これまでに、図6及び
図7を参照して説明した本出願人会社による既提案の磁
気記録再生装置では、磁気テープに形成されている記録
跡に対して回転磁気ヘッドの回転軌跡面が一致する状態
になると予定された角度だけ前記した上,下ドラムと回
転磁気ヘッドとの中心軸を傾斜させる第1の傾斜駆動手
段と、前記した上,下ドラムとは別体構成で、かつ、前
記した下ドラムの下部に構成させた小径部の外周面に接
近した状態に配置させた、磁気テープの基準縁の位置の
規制面を備えている磁気テープの位置規制用案内部材
と、前記の磁気テープの位置規制用案内部材を磁気テー
プの基準縁位置に一致させるように傾斜させる第2の傾
斜駆動手段とによって、上,下ドラムと、磁気テープの
基準縁の位置の規制面Gを備えている磁気テープの位置
規制用案内部材(リードリング)とを、各種の動作モー
ドに応じて、それぞれ所要のように傾斜させることによ
り、磁気テープに形成されている記録跡に対して回転磁
気ヘッドの回転軌跡が一致した状態にさせようとしたも
のであり、前記した既提案の磁気記録再生装置の実施に
より、既述のように所期の効果を挙げることができた。
【0025】ところが、その後の実施結果によると、前
記した既提案の磁気記録再生装置による記録再生時に使
用される磁気テープとして、機械的強度が小さいベース
フィルムを用いて構成されていたものであった場合に、
トリックプレー時に磁気テープの基準縁の部分に機械的
な歪を生じさせることもあるということが判かった。そ
れで、前記の問題点が生じる原因を究明するために実験
を行なって検討した結果、前記した既提案の磁気記録再
生装置では、トリックプレイ時に、既述のように、第1
の傾斜駆動手段により、磁気テープに形成されている記
録跡に対して回転磁気ヘッドの回転軌跡面が一致する状
態になると予定された角度だけ上,下ドラムDu,Dd
と回転磁気ヘッドとの中心軸を傾斜させるとともに、第
2の駆動手段によって、前記した上,下ドラムとは別体
構成で、かつ、前記した下ドラムの下部に構成させた小
径部の外周面に接近した状態に配置させた、磁気テープ
Tの基準縁Teの位置の規制面Gを備えている磁気テー
プの位置規制用案内部材(リードリング)Lrを、磁気
テープの基準縁位置に一致させるように傾斜させるよう
にしているために、トリックプレイ時におけるドラムの
中心軸と、リードリングLrの中心軸との傾斜角度が異
なったものになることにより、リードリングLrの上面
に形成されている磁気テープTの基準縁Teの位置の規
制面Gについての展開図を書くと、S字状の曲がりを有
するものとなり、磁気テープTの基準縁Teの一部に対
して過大な圧力が加わるという現象が生じることによ
る、からであろうと考えられた。。
【0026】すなわち、既提案の磁気記録再生装置がノ
ーマル再生モードで動作している場合には、上,下ドラ
ムDu,Ddの中心軸と、リードリングLrの中心軸と
が一致していて、その場合におけるリードリングLrの
上面に形成されている磁気テープTの基準縁Teの位置
の規制面Gについての展開図を書くと、図8に例示され
ているように直線状のものとして示されるものとなり、
この状態における磁気テープTの基準縁Teは、リード
リングLrの上面に形成されている磁気テープTの基準
縁Teの位置の規制面Gの全体にわたって正しく案内さ
れる状態になっている。
【0027】また、図6を参照して既述したテープ走行
系中に設けられている傾斜ガイド10,13の傾斜角
は、磁気記録再生装置がノーマル再生モード(記録モー
ドでも同じ)で動作している場合について規定された所
定の傾斜角に設定されている上,下ドラムDu,Ddが
テープ走行路中に存在していることを前提として、テー
プ走行路を走行する磁気テープTが、前記したローディ
ングポール9→傾斜ガイド10→上,下ドラムDu,D
dの周面の一部→ローディングポール9→傾斜ガイド1
3→ローディングポール14の間を無理な圧力が加えら
れることもなく円滑に走行するような状態となるような
条件を満足するようなものとして定められているから、
磁気記録再生装置がノーマル再生モード(記録モードで
も同じ)で動作している場合においては、前記したテー
プ走行路の部分を磁気テープは正常な状態で通過でき
る。
【0028】ところが、既提案の磁気記録再生装置をト
リックプレイ再生モードで動作させる場合には、上,下
ドラムDu,DdとリードリングLrとを、図7につい
て既述したように図7中の矢印29a(FF…早送り再
生時の傾斜方向),29b(REW…巻戻し再生時の傾
斜方向)の方向に傾斜させており、しかも、上,下ドラ
ムDu,Ddの傾斜角とリードリングLrの傾斜角とは
異なるものとされるために、例えば早送り再生(FF)
動作時について、リードリングLrの上面に形成されて
いる磁気テープTの基準縁Teの位置の規制面Gに関す
る展開図を書くと、図9に例示したようなS字状の曲が
りを有するものとなり、磁気テープTの基準縁Teの一
部P1,P2だけが磁気テープTの基準縁Teの位置の規
制面Gと接触した状態になり、前記の部分P1,P2の磁
気テープTの基準縁Teに過大な圧力が加わるという現
象が生じると考えられる。
【0029】また例えばREW動作時について、リード
リングLrの上面に形成されている磁気テープTの基準
縁Teの位置の規制面Gに関する展開図を書くと、図1
0に例示したようなS字状の曲がりを有するものとな
り、磁気テープTの基準縁Teの一部P3,P4だけが磁
気テープTの基準縁Teの位置の規制面Gと接触した状
態になり、前記の部分P3,P4の磁気テープTの基準縁
Teに過大な圧力が加わるという現象が生じると考えら
れる。図11は図10中のP4の部分の拡大図である。
その上に、下ドラムDdとは別体のものとして構成され
ているリードリングLrは、図12に示すように下ドラ
ムDdにおける摺接面RFが構成されている部分の下方
に設けられている小径部Ddsと対向し、かつ、下ドラ
ムDdとの間に間隙Gaが構成されるように設けられて
いるから、前記したリードリングLrの上面に形成され
ている磁気テープTの基準縁Teの位置の規制面Gに接
触する磁気テープTの基準縁Te付近は、下ドラムDd
に構成されている摺接面RFから離れている状態になっ
ている。
【0030】前述のとおり、既提案の磁気記録再生装置
をトリックプレイ再生モードで動作させる場合に、磁気
テープTの基準縁Teの位置の規制面Gが図9,図10
の展開図中に示しているようなS字状の曲がりを有する
ものとなっていて、磁気テープTの基準縁Teの一部だ
けが磁気テープTの基準縁Teの位置の規制面Gと接触
した状態になっていること、及びリードリングLrの上
面に形成されている磁気テープTの基準縁Teの位置の
規制面Gに接触する磁気テープTの基準縁Te付近が、
図12に例示してあるように下ドラムDdに構成されて
いる摺接面RFから離れている状態になっていること、
等によって記録再生時に使用される磁気テープとして、
機械的強度が小さいベースフィルムを用いて構成されて
いたものであった場合には、トリックプレー時に磁気テ
ープの基準縁の部分に機械的な歪を生じさせるものであ
ろうと考えられた。
【0031】ところで、既提案の磁気記録再生装置をト
リックプレイ再生モードで動作させる場合に、前述のよ
うに上,下ドラムDu,Ddを、磁気記録再生装置がノ
ーマル再生モードで動作している場合における所定の傾
斜角とは異なる角度だけ傾斜された状態にされることに
より、傾斜ガイド10,13間における磁気テープTの
走行路の空間中における走行路の位置は、磁気記録再生
装置がノーマル再生モードで動作している場合における
傾斜ガイド10,13間における磁気テープTの走行路
空間中における走行路の位置とは異なるものになる。
【0032】また、既提案の磁気記録再生装置では、ト
リックプレイ時において上,下ドラムDu,Ddとリー
ドリングLrとを、それぞれ所要の異なる角度だけ傾斜
させても、テープ走行系中に設けられている傾斜ガイド
10,13の傾斜角は、磁気記録再生装置がノーマル再
生モードで動作している場合について規定された所定の
傾斜角のままの状態とされているとともに、前記のテー
プ走行路中に設けられているローディングポール9やロ
ーディングポール14によって規制されるテープ走行路
中の磁気テープTの基準縁Teの高さは、磁気記録再生
装置がノーマル再生モードで動作している場合について
規定されたテープ走行路中の磁気テープTの基準縁Te
の高さと同一のままの状態にされている。
【0033】それで、既提案の磁気記録再生装置のよう
に、トリックプレイ時において上,下ドラムDu,Dd
とリードリングLrとを、それぞれ所要の異なる角度だ
け傾斜させてるような構成態様が採用されている場合
に、上,下ドラムDu,Ddの傾斜角が常に一定に保持
された状態に構成されている通常のVTRにおける下ド
ラムの周面に設けられているリード(磁気テープTの基
準縁Teの位置の規制面G)のように、下ドラムDdの
中心角の180度以上にわたって、磁気テープTの基準
縁Teの位置の規制面が設けられている状態にしてある
と、ドラムの周面に巻回された磁気テープTの走行路の
延長線位置が、ローディングポール9やローディングポ
ール14によって規制されているテープ走行路中の磁気
テープTの基準縁Teの高さに対して大きく相違する状
態になるために、磁気テープTの基準縁Te付近に大き
な機械的な歪を発生させることになる。
【0034】そのために、既提案の磁気記録再生装置に
おいては、リードリングLrにおける磁気テープTの基
準縁Teの位置の規制面Gは、ドラムの周面に磁気テー
プTが巻回されている180度強の中心角の範囲よりも
小さな中心角の範囲だけに設けるようにして、前記の問
題が生じないようにしている。ところが、既提案の磁気
記録再生装置では、既述のように、下ドラムDdとは別
体のものとして構成されているリードリングLrは、図
12に示すように下ドラムDdにおける摺接面RFが構
成されている部分の下方に構成されている小径部Dds
と対向して設けられているために、ドラムの周面に18
0度強の中心角の範囲に巻回されている磁気テープTの
両端部における基準縁Teの部分がどこにも支持されな
い状態で走行している状態となるために振動して再生状
態に悪影響を与えるおそれがある。それで、前記のよう
な諸問題点の解決策が求められた。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は上,下ドラムの
周面の一部へ巻回される磁気テープに対する摺接面を備
えている上ドラムと、回転磁気ヘッドと、上ドラムにお
ける磁気テープの摺接面の延長面上に位置する磁気テー
プの摺接面を備えているとともに、上ドラムと同軸的に
設けられている下ドラムと、磁気テープに形成されてい
る記録跡に対して回転磁気ヘッドの回転軌跡面が一致す
る状態になると予定された角度だけ前記した上,下ドラ
ムと回転磁気ヘッドとの中心軸を傾斜させる第1の傾斜
駆動手段と、前記した上,下ドラムとは別体構成で、か
つ、前記した下ドラムの下部に構成させた小径部の外周
面に接近した状態に配置させた、磁気テープの基準縁の
位置の規制面を備えている磁気テープの位置規制用案内
部材と、前記の磁気テープの位置規制用案内部材を磁気
テープの基準縁位置に一致させるように傾斜させる第2
の傾斜駆動手段とを備えてなる磁気記録再生装置におい
て、磁気テープの位置規制用案内部材に構成されている
磁気テープの基準縁の位置の規制面に少なくとも1個の
凹部を設けるとともに、前記した磁気テープの位置規制
用案内部材に構成されている磁気テープの基準縁の位置
の規制面に設けられた凹部と対応する部分に下ドラムの
磁気テープの摺接面を延長させてなる磁気記録再生装置
を提供する。
【0036】以下、添付図面を参照して本発明の磁気記
録再生装置の具体的な内容を詳細に説明する。図1は本
発明の磁気記録再生装置における下ドラムDd部分と、
前記の下ドラムDdとは別体構成で、かつ、前記した下
ドラムDdの下部に構成させた小径部Ddsの外周面に
接近した状態に配置させた、磁気テープTの基準縁Te
の位置の規制面Gを備えている磁気テープの位置規制用
案内部材(リードリング)Lrの部分との展開図であ
り、この図において0度、90度、180度等の角度表
示を行なっている部分は、上,下ドラムDu,Ddに磁
気テープTが巻回される範囲の中間位置を90度の位置
とし、磁気テープが順方向に進行している状態におい
て、磁気テープTがドラムに巻回され始める方の端部側
に0度の位置、磁気テープTがドラムから離れ始める方
の端部側に180度の位置を、それぞれ示している。な
お、前記した0度、90度、180度の角度は、既述の
ようにドラムの中心軸の位置から、前記した0度、90
度、180度等の角度の表示位置をみた場合の開き角で
ある。
【0037】図1において、リードリングLrの上面に
形成される磁気テープTの基準縁Teの位置の規制面G
には、図中でGx,Gx…で示すような凹部が構成され
ている。なお、図1においては、0度位置よりも図中で
左側に設けられる凹部Gxが、図中の実線図示の状態の
ように浅い凹部の場合と、図中の一点鎖線図示のように
深い凹部(Gx)の場合との2種類を示しているが、そ
れは本発明の実施に当って、リードリングLrの上面に
形成される磁気テープTの基準縁Teの位置の規制面G
に、前記した実線図示の状態の凹部Gxを設けるように
したり、あるいは一点鎖線図示のように深い凹部(G
x)を設けるようにしたりできることを示したものであ
る。なお、前記の点は図1中の180度位置よりも図中
の右側の部分に設けられる凹部Gxについても同様に適
用できる。
【0038】図1に示す構成例においては、リードリン
グLrの上面に形成される磁気テープTの基準縁Teの
位置の規制面Gにおいて、角度表示で0度以前の部分、
角度表示で45度の部分、角度表示で90度の部分、角
度表示で135度の部分、角度表示で180度以上の部
分のそれぞれに凹部Gxを構成させているが、本発明の
実施に当っては、前記の凹部Gxの構成部分の何れか1
つ以上が設けられるのである。前記のように1つ以上の
凹部Gxが磁気テープTの基準縁Teの位置の規制面G
に設けられたリードリングLrと組合わされて使用され
る下ドラムDdは、前記した磁気テープTの基準縁Te
の位置の規制面Gに設けられた凹部Gxに対応する部分
に下ドラムDdにおける摺接面RFが延長された部分R
Fxを備えた状態のものとして構成される。
【0039】図2は角度表示で0度以前の部分に、前記
したような凹部Gxが磁気テープTの基準縁Teの位置
の規制面Gに設けられているリードリングLrと、前記
の凹部Gxと対応する部分に、摺接面RFを延長した部
分RFxを備えている下ドラムDdとを用いて、磁気記
録再生装置がノーマル再生モード(記録モードでも同
じ)で動作している場合における磁気テープTの基準縁
Teの位置の規制面Gによる磁気テープTの案内状態を
例示している図であり、また、図3は角度表示で180
度以上の部分に、前記したような凹部Gxが磁気テープ
Tの基準縁Teの位置の規制面Gに設けられているリー
ドリングLrと、前記の凹部Gxと対応する部分に、摺
接面RFを延長した部分RFxを備えている下ドラムD
dとを用いて、磁気記録再生装置がノーマル再生モード
(記録モードでも同じ)で動作している場合における磁
気テープTの基準縁Teの位置の規制面Gによる磁気テ
ープTの案内状態を例示している図である。図4の
(a)は前記した図3中のA−A線位置における断面
図、図4の(b)は前記した図3中のB−B線位置にお
ける断面図である。
【0040】次に、図5は本発明の磁気記録再生装置に
おいて、角度表示で180度以上の部分に、前記したよ
うな凹部Gxが磁気テープTの基準縁Teの位置の規制
面Gに設けられているリードリングLrと、前記の凹部
Gxと対応する部分に、摺接面RFを延長した部分RF
xを備えている下ドラムDdとを用いて、磁気記録再生
装置がトリック再生モード(図示の場合はREWモード
の場合)で動作している場合における磁気テープTの基
準縁Teの位置の規制面Gによる磁気テープTの案内状
態を一例として示した図である。そして、前記した図5
中における磁気テープTの基準縁Teの一部P4に生じ
る歪量dtと、既提案の磁気記録再生装置において角度
表示で180度以上の部分における磁気テープTの基準
縁Teの位置の規制面Gによる磁気テープTの案内状態
を示している図11中の磁気テープTの基準縁Teの一
部P4に生じる歪量dtとを比較したところ、図5に示
す本発明の磁気記録再生装置の構成の場合の方が、磁気
テープTの基準縁Teの一部P4に生じる歪量dtが小
さいことが判かった。
【0041】前記のように磁気記録再生装置をトリック
プレイで動作させた場合に、本発明の磁気記録再生装置
の方が、既提案の磁気記録再生装置に比べて磁気テープ
Tの基準縁Teの部分に小さな機械的な歪しか生じない
のは、既提案の磁気記録再生装置について説明したよう
に、磁気記録再生装置がノーマル再生モードで動作して
いる場合には、上,下ドラムDu,Ddの中心軸と、リ
ードリングLrの中心軸とが一致していて、その場合に
おけるリードリングLrの上面に形成されている磁気テ
ープTの基準縁Teの位置の規制面Gについての展開図
を書くと、図8に例示されているように直線状のものと
して示されるものとなっているのに対し、磁気記録再生
装置をトリックプレイで動作させる際に、上,下ドラム
Du,Ddの中心軸と、リードリングLrの中心軸とが
異なる傾斜角とされることにより、リードリングLrの
上面に形成されている磁気テープTの基準縁Teの位置
の規制面Gに関する展開図を書くと、S字状の曲がりを
有するものとなり、磁気テープTの基準縁Teの一部だ
けが磁気テープTの基準縁Teの位置の規制面Gと接触
した状態になっても、本発明の磁気記録再生装置の場合
には、磁気テープTの基準縁Teの位置の規制面Gに接
触した状態になる磁気テープTの基準縁Teの部分の極
く近傍に、下ドラムDdの摺接面RFを延長させた部分
RFxを備えていて、前記の下ドラムDdの摺接面RF
を延長させた部分RFxに磁気テープTの基準縁Teの
部分が圧接された状態になっているために、磁気テープ
Tの基準縁Teの位置の規制面Gと接触した状態とされ
る磁気テープTの基準縁Teの一部だけに圧力が集中し
なくなるからであろうと考えられる。
【0042】また、前記のように本発明の磁気記録再生
装置の場合に、磁気テープTの基準縁Teの位置の規制
面Gに接触した状態になる磁気テープTの基準縁Teの
部分の極く近傍に存在している下ドラムDdの摺接面R
Fを延長させた部分RFxに圧接された状態の磁気テー
プTの基準縁Teの部分の機械的な強度が、前記した摺
接面RFを延長させた部分RFxが無く、磁気テープT
の基準縁Teの部分がどこにも支持されていない状態に
比べて実質的に増大するために、磁気テープTの基準縁
Teの位置の規制面Gと接触した状態とされる磁気テー
プTの基準縁Teの一部の機械的強度が大きくなるから
であろうとも考えられる。図5を参照して説明した本発
明の磁気記録再生装置における角度表示で180度以上
の部分において得られる前記のような作用効果は、本発
明の磁気記録再生装置における角度表示で0度以前の部
分、角度表示で45度の部分、角度表示で90度の部
分、及び角度表示で135度の部分においても同様に得
られる。
【0043】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように、本発明の磁気記録再生装置は、上,下ドラム
の周面の一部へ巻回される磁気テープに対する摺接面を
備えている上ドラムと、回転磁気ヘッドと、上ドラムに
おける磁気テープの摺接面の延長面上に位置する磁気テ
ープの摺接面を備えているとともに、上ドラムと同軸的
に設けられている下ドラムと、磁気テープに形成されて
いる記録跡に対して回転磁気ヘッドの回転軌跡面が一致
する状態になると予定された角度だけ前記した上,下ド
ラムと回転磁気ヘッドとの中心軸を傾斜させる第1の傾
斜駆動手段と、前記した上,下ドラムとは別体構成で、
かつ、前記した下ドラムの下部に構成させた小径部の外
周面に接近した状態に配置させた、磁気テープの基準縁
の位置の規制面を備えている磁気テープの位置規制用案
内部材と、前記の磁気テープの位置規制用案内部材を磁
気テープの基準縁位置に一致させるように傾斜させる第
2の傾斜駆動手段とを備えており、前記した磁気テープ
の位置規制用案内部材に構成されている磁気テープの基
準縁の位置の規制面に少なくとも1個の凹部を設けると
ともに、前記した磁気テープの位置規制用案内部材に構
成されている磁気テープの基準縁の位置の規制面に設け
られた凹部と対応する部分に下ドラムの磁気テープの摺
接面を延長させたことにより、磁気記録再生装置をトリ
ックプレイで動作させる際に、上,下ドラムの中心軸
と、リードリングの中心軸とが異なる傾斜角とさせて、
リードリングの上面に形成されている磁気テープの基準
縁の位置の規制面の展開図形状がS字状の曲がりを有す
るものとなり、磁気テープの基準縁の一部だけが磁気テ
ープの基準縁の位置の規制面と接触した状態になって
も、本発明の磁気記録再生装置の場合には、磁気テープ
の基準縁の位置の規制面に接触した状態になる磁気テー
プTの基準縁の部分の極く近傍に、下ドラムの摺接面を
延長させた部分に磁気テープTの基準縁Teの部分が圧
接された状態になっているために、磁気テープの基準縁
の位置の規制面と接触した状態とされる磁気テープの基
準縁の一部だけに圧力が集中せず、また、磁気テープの
基準縁の位置の規制面に接触した状態になる磁気テープ
の基準縁の部分の極く近傍に存在している下ドラムの摺
接面を延長させた部分に圧接された状態の磁気テープの
基準縁の部分の機械的な強度が、前記した摺接面を延長
させた部分が無く、磁気テープの基準縁の部分がどこに
も支持されていない状態に比べて実質的に増大するため
に、磁気テープの基準縁の位置の規制面と接触した状態
とされる磁気テープの基準縁の一部の機械的強度が大き
くなり、既提案の磁気記録再生装置で生じることがあっ
た磁気テープの基準縁の損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録再生装置における下ドラムと
リードリングとの部分の展開図である。
【図2】本発明の磁気記録再生装置における下ドラムと
リードリングとの部分の一部の展開図である。
【図3】本発明の磁気記録再生装置における下ドラムと
リードリングとの部分の一部の展開図である。
【図4】本発明の磁気記録再生装置における下ドラムと
リードリングとの部分の一部の断面図である。
【図5】本発明の磁気記録再生装置における下ドラムと
リードリングとの部分の一部の展開図である。
【図6】磁気記録再生装置の斜視図である。
【図7】磁気記録再生装置の一部の構成部分の断面図で
ある。
【図8】既提案の磁気記録再生装置における下ドラムと
リードリングとの部分の展開図である。
【図9】既提案の磁気記録再生装置における下ドラムと
リードリングとの部分の展開図である。
【図10】既提案の磁気記録再生装置における下ドラム
とリードリングとの部分の展開図である。
【図11】既提案の磁気記録再生装置における下ドラム
とリードリングとの部分の展開図である。
【図12】既提案の磁気記録再生装置における下ドラム
とリードリングとの部分の一部の断面図である。
【符号の説明】
DB…ドラムベース、Dd…下ドラム、Du…上ドラ
ム、DA…ドラム構体、T…磁気テープ、Te…磁気テ
ープTの基準縁、Dds…下ドラムDdにおける摺接面
RFが構成されている部分の下方に設けられている小径
部、RF…摺接面、RFx…下ドラムDdにおける摺接
面RFが延長された部分、Gx…リードリングLrの上
面に形成される磁気テープTの基準縁Teの位置の規制
面Gに設けた凹部、Ga…間隙、M1,M2…ギャードモ
ータ、G…リードリングLrに設けられている案内部
(磁気テープの位置規制用案内部材に構成されている磁
気テープの基準縁の位置の規制面)、H1,H2…回転磁
気ヘッド、RE1,RE2…ロータリエンコーダ、PS
1,PS2…位置センサ、T…磁気テープ、Te…磁気テ
ープの基準縁、Lr…磁気テープの基準縁の位置の規制
面を備えている磁気テープの位置規制用案内部材(リー
ドリング)、1…供給リール台、2…巻取りリール台、
3…カセットケース、4…供給リール、5…テンション
ポール、6,16…ガイドポール、7…全幅消去ヘッ
ド、8…インピーダンスローラ、9,14…ローディン
グポール(垂直ガイドローラ)、10,13…傾斜ガイド
(スラントポール)、15…コントロールヘッド、17
…ピンチローラ、18…キヤプスタン、19…巻取りリ
ール、20…機台、22,23…回動支点、24〜26
…ばね、28…傾斜制御部、29…ドラム構体DAの中
心軸、30,31…ねじ、34,37…回転軸、32,
33,35,36……歯車、
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の磁気記録再生装置の具体的な内容を詳細に説明する。
図1は本発明の磁気記録再生装置における下ドラムDd
部分と、前記の下ドラムDdとは別体構成で、かつ、前
記した下ドラムDdの下部に構成させた小径部Ddsの
外周面に接近した状態に配置させた、磁気テープTの基
準縁Teの位置の規制面Gを備えている磁気テープの位
置規制用案内部材(リードリング)Lrの部分との展開
図であり、この図において0度、90度、180度等の
角度表示を行なっている部分は、上,下ドラムDu,D
dに磁気テープTが巻回される範囲の中間位置を90度
の位置とし、磁気テープが順方向に進行している状態に
おいて、磁気テープTがドラムに巻回され始める方の端
部側に0度の位置、磁気テープTがドラムから離れ始め
る方の端部側に180度の位置を、それぞれ示してい
る。なお、前記した0度、90度、180度の角度は、
既述のようにドラムの中心軸の位置から、前記した0
度、90度、180度等の角度の表示位置をみた場合の
開き角である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上,下ドラムの周面の一部へ巻回される
    磁気テープに対する摺接面を備えている上ドラムと、回
    転磁気ヘッドと、上ドラムにおける磁気テープの摺接面
    の延長面上に位置する磁気テープの摺接面を備えている
    とともに、上ドラムと同軸的に設けられている下ドラム
    と、磁気テープに形成されている記録跡に対して回転磁
    気ヘッドの回転軌跡面が一致する状態になると予定され
    た角度だけ前記した上,下ドラムと回転磁気ヘッドとの
    中心軸を傾斜させる第1の傾斜駆動手段と、前記した
    上,下ドラムとは別体構成で、かつ、前記した下ドラム
    の下部に構成させた小径部の外周面に接近した状態に配
    置させた、磁気テープの基準縁の位置の規制面を備えて
    いる磁気テープの位置規制用案内部材と、前記の磁気テ
    ープの位置規制用案内部材を磁気テープの基準縁位置に
    一致させるように傾斜させる第2の傾斜駆動手段とを備
    えてなる磁気記録再生装置において、磁気テープの位置
    規制用案内部材に構成されている磁気テープの基準縁の
    位置の規制面に少なくとも1個の凹部を設けるととも
    に、前記した磁気テープの位置規制用案内部材に構成さ
    れている磁気テープの基準縁の位置の規制面に設けられ
    た凹部と対応する部分に下ドラムの磁気テープの摺接面
    を延長させてなる磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】 磁気テープの位置規制用案内部材に構成
    されている磁気テープの基準縁の位置の規制面に設ける
    凹部が、上,下ドラムの周面の一部へ巻回される磁気テ
    ープの巻回範囲におけるドラム周面への磁気テープの巻
    回開始部分と対応する中心角0度の部分付近と、中心角
    が45度の部分付近と、中心角が90度の部分付近と、
    中心角が135度の部分付近と、ドラム周面への磁気テ
    ープの巻回終了部分と対応する中心角180度の部分付
    近との内の1個所以上の部分に設定させてなる請求項1
    の磁気記録再生装置。
JP8093077A 1996-03-22 1996-03-22 磁気記録再生装置 Pending JPH09259493A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8093077A JPH09259493A (ja) 1996-03-22 1996-03-22 磁気記録再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8093077A JPH09259493A (ja) 1996-03-22 1996-03-22 磁気記録再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09259493A true JPH09259493A (ja) 1997-10-03

Family

ID=14072460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8093077A Pending JPH09259493A (ja) 1996-03-22 1996-03-22 磁気記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09259493A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0822548B1 (en) Magnetic recording/reproducing apparatus with tilting head drum for dynamic tracking
JPH09259493A (ja) 磁気記録再生装置
US5982590A (en) Magnetic recording/reproducing apparatus with tilting head drum for dynamic tracking
EP0671722B1 (en) Magnetic recording/reproduction apparatus
JPH1139751A (ja) 磁気記録再生装置
JP2864100B2 (ja) 磁気記録再生装置
JPH1040612A (ja) 磁気記録再生装置
JP2864102B2 (ja) 磁気記録再生装置
JPH1049943A (ja) 磁気記録再生装置
JPH10143953A (ja) 磁気記録再生装置
JPH10149601A (ja) 磁気記録再生装置
JPH09138924A (ja) 磁気記録再生装置
JPH1116135A (ja) 磁気記録再生装置
JPH02260270A (ja) 磁気記録再生装置
US7209316B2 (en) Magnetic recording/reproducing device including a tape pull-out member having a projection for contacting a ramp surface
JP3804107B2 (ja) 磁気記録再生装置
JPH09265695A (ja) 磁気記録再生装置
JPH1011837A (ja) 磁気記録再生装置
JPH0997464A (ja) 回転ドラム装置
JPH09198631A (ja) 磁気記録再生装置
JPH0276147A (ja) 光テープ装置
JPH04276344A (ja) キャプスタン駆動機構
JPH07320349A (ja) 磁気記録再生装置
JPH06302067A (ja) ヘリカルスキャン方式記録・再生装置のテープ走行位置制御機構
JPH05174461A (ja) 磁気記録再生装置