JP2808916B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2808916B2
JP2808916B2 JP3083221A JP8322191A JP2808916B2 JP 2808916 B2 JP2808916 B2 JP 2808916B2 JP 3083221 A JP3083221 A JP 3083221A JP 8322191 A JP8322191 A JP 8322191A JP 2808916 B2 JP2808916 B2 JP 2808916B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置、特
に、磁気テープが予め定められている走行速度で走行し
ている状態と停止している状態とにおいて、磁気テープ
の基準縁と記録跡とのなす角が同一の状態になされるよ
うに磁気テープの基準縁の位置が走行速度の変更と対応
して変更されるようになされた磁気記録再生装置であ
る。
【0002】
【従来の技術】回転磁気ヘッドを用いて磁気テープに情
報信号の記録再生を行なうようにした磁気記録再生装置
の代表例としてはビデオ・テープ・レコーダ(VTR)を
挙げることができる。そして、現在、実用されているV
TRは、開発されてからこれまでの間の飛躍的な進歩に
よって画質や機能が大幅に向上したものになっているこ
とは周知のとおりであり、さらにデジタル信号を記録の
対象にするデジタルVTRについての開発が進められて
いる現状にある。一方、磁気テープに回転磁気ヘッドを
用いて情報信号の記録再生を行なうようにしたVTRは
テレビジョン放送番組内容の録画や、テレビジョンカメ
ラで撮像した映像信号の録画などのように、連続的な画
像の記録のために用いられるのが一般的であったが、V
TRにおける磁気テープが大きな記憶容量を有している
ことに着目して、VTRを例えばデジタル情報処理装置
における記憶装置、その他の構成部材の一つとして使用
する等の試みもなされるようになった。
【0003】ところで、VTRをデジタル情報処理装置
における構成部材として、例えば「コンピュータの外部
補助記憶装置」や、「コンピュータグラフィックスの画
像を計算終了時に順次に記録し、それを連続的に再生す
ることにより動画とする装置」などに使用する場合に
は、磁気テープに対する情報信号の記録が、1本の記録
跡(1トラック)〜数トラックを単位とするような記録
態様でなされることがあるために、VTRがデジタル情
報処理装置の構成部材として使用されるためには、前記
のように例えば1トラック〜数トラックを単位とする情
報の記録動作も高安定度、かつ高信頼性で実現されるよ
うにすることが必要とされる。磁気テープに回転磁気ヘ
ッドを用いて情報信号の記録再生が行なわれるVTRに
おいて、磁気テープの特定なトラックに対して記録を行
なったり、あるいは磁気テープにおける特定なトラック
の記録内容の書換えを行なったりするような場合には、
プリロールにより記録開始予定位置より前の位置に磁
気テープを巻戻しておき、記録に際して前記の巻戻され
た位置から磁気テープの走行を開始して記録開始予定位
置を所定のテープ送り速度で通過させ、その記録開始予
定位置から所定のトラック数の記録が行なわれるように
したり、コントロールパルスとキャプスタンモータの
回転位置制御によって、記録が行なわれるべき位置に磁
気テープを停止させ、停止状態の磁気テープに回転磁気
ヘッドによって記録を行なう。というような2つの方法
が従来から行なわれて来ている。
【0004】VTRの編集機能におけるアセンブリ記録
・インサート記録のモードで実施されている前記した
の方法では磁気テープに記録が行なわれる度毎に、磁気
テープの巻戻しと順方向への送りとを繰返すことが必要
であるために、テープ走行系のメカニズムと磁気テープ
とに負担が掛かるから頻繁に記録動作が行なわれるよう
な場合には適していないし、また、走行する磁気テープ
の走行速度が不安定なために走行系に大きな負担のかか
ることが避けられず、さらに記録が行なわれるトラック
の位置を良好な直線性を示すような高い精度のものとし
て設定することが困難であり、さらにまたプリロール等
に時間が掛かるために記録時間間隔を短縮できない等の
諸点が問題になる。また、前記したの方法では前記し
たの方法で必要とされていたような巻戻し動作が不要
な他に、記録動作が磁気テープの停止している状態で行
なわれるために、テープ走行系のメカニズムと磁気テー
プとに大きな負担を掛けることもなく、さらに、高い精
度でトラックの位置を設定することも容易であるという
利点が得られるが、記録動作が停止している状態の磁気
テープに対して回転磁気ヘッドによって行なわれるため
に、磁気テープに記録形成されるトラックパターンが、
予め定められた走行速度で走行する磁気テープに回転磁
気ヘッドの回転軌跡と対応して記録形成されるトラック
パターンとは異なったものになるから、このの方法に
よって情報信号が記録された磁気テープを、予め定めら
れた走行速度で走行させた状態で再生した場合には回転
磁気ヘッドによってトラックを正確に追跡できないし、
また、このの方法によって記録させたトラックと、予
め定められた走行速度で走行させた状態で磁気テープに
記録形成させたトラックとを同一の磁気テープに混在す
るような状態で記録して使用することは困難である。
【0005】図14は回転ドラムDrとその回転ドラム
Drと対をなして設けられている固定ドラムDfとによ
って構成されているドラム構体DAを備えているVTR
の機構部の概略構成を示している斜視図であり、また、
図15は予め定められた走行速度で走行する磁気テープ
に回転磁気ヘッドの回転軌跡と対応して記録形成される
トラックパターンと、記録動作が停止している状態の磁
気テープに対して回転磁気ヘッドの回転軌跡と対応して
記録形成されるトラックパターンとを示す図、図16は
回転ドラムDrとその回転ドラムDrと対をなして設け
られている固定ドラムDfとによって構成されているド
ラム構体DA付近の概略構成と、予め定められた走行速
度で走行する磁気テープに回転磁気ヘッドの回転軌跡と
対応して記録形成される記録跡と、記録動作が停止して
いる状態の磁気テープに対して回転磁気ヘッドの回転軌
跡と対応して記録形成される記録跡との変化を説明する
ためのの図である。図において、DAは回転ドラムDr
とその回転ドラムDrと対をなして設けられている固定
ドラムDfとによって構成されているドラム構体、H
a,Hbは回転磁気ヘッド、Tは磁気テープ、Teは磁
気テープTの基準縁、1は供給リール台、2は巻取りリ
ール台、3,4は傾斜ガイド(スラントポール)、5,
6はガイドローラ、7はインピーダンスローラ、8はキ
ャプスタン、9はピンチローラ、10は全巾消去ヘッ
ド、11は音声ヘッド及びコントロールヘッド、12は
回転軸であり、図中の矢印aは回転ドラムDrの回転方
向を示し、矢印bは磁気テープTの移動方向を示してい
る。
【0006】回転ドラムDrが予め定められた回転数N
sで矢印aの方向に回転するように駆動され、また、前
記した回転ドラムDrの周面の一部に磁気テープTを摺
接させながら矢印bの方向に予め定められた走行速度V
sで走行させている状態において、磁気テープTには各
回転磁気ヘッドHa,Hbの時間Tsにおける回転軌跡
と対応して図15中に例示されているようにそれぞれそ
れぞれ個別に長さLsの記録跡Tra,Trbが形成さ
れるが、この際に前記の各記録跡Tra,Trbの延長
する方向と磁気テープTの基準縁Teとのなす角度は角
度θs を示すものとして形成される。次に、図中のドラ
ム構体DAの回転ドラムDrを予め定められた回転数N
sで矢印aの方向に回転させ、また前記した回転ドラム
Drの周面の一部に摺接している磁気テープTの走行を
停止させた状態にした場合に、回転磁気ヘッドHa,H
bの時間Tsの回転軌跡により磁気テープTに形成され
る記録跡は、例えば回転磁気ヘッドHbによる記録跡の
場合には図15中に破線枠で包囲してドットを記入して
示す記録跡Trboのように示されるものになるが、こ
の記録跡Trboは磁気テープTが所定の走行速度Vs
で走行している状態において磁気テープTに形成される
図15中記録跡Trbと対応するものであるが、磁気テ
ープTの停止時に形成される前記の記録跡Trboは、
それの長さがLoで、かつ、記録跡Trboの延長する
方向と磁気テープTの基準縁Teとのなす角度が角度θ
oを示すものとなっている。ここで、磁気テープがVH
S(登録商標)方式における標準モードで動作する磁気記
録再生装置(VTR)によって連続再生できるようなもの
として構成されている場合における記録跡の傾斜角度θ
s,θoやVHS(登録商標)方式の諸規格の内の主なもの
を参考のために示すと次のとおりである。 磁気テープTの走行時におけるビデオトラック角度( 既
述した記録跡の傾斜角θs)…5°58’9.9”、 磁気テープTの停止時におけるビデオトラック角度(既
述した記録跡の傾斜角θo)…5°56’7.4” 回転ドラム径…62mm±10μm、 回転ドラムの回転数Ns…毎分1800回転、 磁気テープの送り速度…毎秒33.35mm±0.5%、
【0007】前記した図15の例においては、回転磁気
ヘッドHa,Hbの回転方向(移動方向)aと磁気テープ
の移動方向bとが同一であるために、磁気テープTに形
成される同一時間の回転ヘッドの回転軌跡による記録跡
の長さは、磁気テープTの走行時における記録跡のLs
に対して、磁気テープTの停止時における記録跡のLo
の方が長く、すなわち、Ls<Loとなり、また、記録
跡の延長する方向と磁気テープTの基準縁Teとのなす
角度は、磁気テープTの走行時における記録跡の延長す
る方向と磁気テープTの基準縁Teとのなす角度θsの
方が、磁気テープTの停止時における記録跡の延長する
方向と磁気テープTの基準縁Teとのなす角度θoより
も大、すなわち、θo<θsとなる。このように、予め
定められた走行速度で走行する磁気テープに回転磁気ヘ
ッドの回転軌跡と対応して記録形成されるトラックパタ
ーンと、停止している状態の磁気テープに対して回転磁
気ヘッドの回転軌跡と対応して記録形成されるトラック
パターンとは異なるものになる。
【0008】,として既述した従来技術における問
題点を解決するために、従来、例えば予め定められた走
行速度で走行する磁気テープに回転磁気ヘッドの回転軌
跡と対応して記録形成される情報信号の記録跡と同様な
情報信号の記録跡が、前記したテープ走行方向において
間欠的に所定の距離ずつ移動した後に停止した状態の磁
気テープに対する回転磁気ヘッドの回転軌跡によって記
録形成されるように、前記した磁気テープにおけるテー
プ基準縁を基準とする回転磁気ヘッドの絶対位置と対応
して発生させた回転磁気ヘッドの位置信号に基づいて間
欠記録動作時における回転磁気ヘッドの回転軌跡を制御
するアクチュエータを備えさせたVTRや、例えば実公
昭63ー34126号公報に開示されているように、磁
気テープが標準の走行速度で走行する場合と磁気テープ
が標準の走行速度以外の走行速度で走行する場合とにお
いて、ドラムに対する磁気テープの巻付角度の中央部に
おける磁気テープの基準縁の位置が変化しない状態でド
ラム軸の傾斜角を変化させるようにして、磁気テープが
標準の走行速度で走行していたときに回転磁気ヘッドに
よって磁気テープに記録形成されていた記録跡上を追跡
再生できるようにしたVTRなどのように、磁気テープ
Tの停止時における記録跡の傾斜角θoを、磁気テープ
Tの走行時における記録跡の傾斜角θsに等しくなるよ
うに回転磁気ヘッドの回転軌跡を変化させるようにする
ことが考えられた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のよう
にアクチュエータを用いて間欠記録動作時における回転
磁気ヘッドの回転軌跡を制御させるようにしたVTRで
は、回転磁気ヘッドの回転軌跡を制御するためのアクチ
ュエータを回転ドラム内の狭い空間内に設けなければな
らないので、アクチュエータとして小さな形状寸法のも
のが必要とされるが、その小さな形状寸法のアクチュエ
ータは回転磁気ヘッドに比較的に大きな変位を与えこと
ができるとともに、アクチュエータによって変位される
回転磁気ヘッドは変位によっても磁気テープに対するヘ
ッドタッチの状態が不良にならないような構成のもので
なければならず、また記録時の回転磁気ヘッドの位置決
めが困難である等の事情から、良好な動作特性を示す小
型なアクチュエータを用いて良好な記録再生動作を行な
うVTRを構成させることは困難であり、また、実公昭
63ー34126号公報に開示されているVTRでは、
磁気テープの基準縁が安定に案内されないために再生動
作時にしか使用できないことが問題になる。既述したよ
うにVTRをデジタル情報処理装置における構成部材と
して、例えば「コンピュータの外部補助記憶装置」や、
「コンピュータグラフィックスの画像を計算終了時に順
次に記録し、それを連続的に再生することにより動画と
する装置」などに使用する場合に必要とされる機能、す
なわち、磁気テープに対する情報信号の記録を、1本の
記録跡(1トラック)〜数トラックを単位とするような
記録態様での記録動作を高安定度、かつ高信頼性で行な
うことのできるVTRとして、家庭用のVTRのような
安価なVTRと同じ程度の装置を用いて実現できるよう
にできれば、例えば、アニメーションの作品を家庭でも
容易に制作できる等、その利用価値は非常に大きい。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はドラムの周面の
一部に摺接しながら予め定められた速度Vsで走行して
いる状態の磁気テープと、ドラムの周面の一部に走行を
停止させた状態で摺接させてある磁気テープとの何れの
場合の磁気テープについても、ドラムに対する磁気テー
プの巻付角の中央部における磁気テープの基準縁の位置
が実質的に同一に保持されている状態において、予め定
められた回転数Nsで回転している回転磁気ヘッドによ
って磁気テープに形成される記録跡が、磁気テープの基
準縁と記録跡の延長方向とが予め定められたθsの角度
となされる状態で前記した磁気テープの走行速度の切換
え変更と対応して磁気テープ上に形成されるように、前
記した磁気テープの走行速度の切換え変更と対応して磁
気テープの基準縁の位置の切換え変更が行なわれるよう
にした磁気記録再生装置であって、下ドラムの周面に前
記した磁気テープの走行時における磁気テープの基準縁
の案内部と磁気テープの停止時における磁気テープの基
準縁の案内部とを周方向に順次に構成させるとともに、
前記した磁気テープの走行速度の切換え変更と対応して
前記した下ドラムを周方向に回動させて、前記した下ド
ラムに構成されている磁気テープの基準縁の案内部の内
の所定のものが磁気テープの基準縁の案内のために選択
使用されるようにする手段を備えてなる磁気記録再生装
置、ならびにドラムの周面の一部に摺接しながら予め定
められた速度Vsで走行している状態の磁気テープと、
ドラムの周面の一部に走行を停止させた状態で摺接させ
てある磁気テープとの何れの場合の磁気テープについて
も、ドラムに対する磁気テープの巻付角の中央部におけ
る磁気テープの基準縁の位置が実質的に同一に保持され
ている状態において、予め定められた回転数Nsで回転
している回転磁気ヘッドによって磁気テープに形成され
る記録跡が、磁気テープの基準縁と記録跡の延長方向と
が予め定められたθsの角度となされる状態で前記した
磁気テープの走行速度の切換え変更と対応して磁気テー
プ上に形成されるように、前記した磁気テープの走行速
度の切換え変更と対応して磁気テープの基準縁の位置の
切換え変更が行なわれるようにした磁気記録再生装置で
あって、下ドラムに対する磁気テープの巻付角の中央部
に設けられた揺動支点で支持されて下ドラムの周面に揺
動自在に遊嵌される環状体を、それの一方の端面が前記
した磁気テープの走行時における磁気テープの基準縁の
案内部として用いられうるような揺動変位の状態になさ
れる第1の揺動位置と、磁気テープの停止時における磁
気テープの基準縁の案内部として用いられうるような揺
動変位の状態になされる第2の揺動位置とに、前記した
磁気テープの走行速度の切換え変更と対応して切換え変
位されるように駆動する手段を備えてなる磁気記録再生
装置、及びドラムの周面の一部に摺接しながら予め定め
られた速度Vsで走行している状態の磁気テープと、ド
ラムの周面の一部に走行を停止させた状態で摺接させて
ある磁気テープとの何れの場合の磁気テープについて
も、ドラムに対する磁気テープの巻付角の中央部におけ
る磁気テープの基準縁の位置が実質的に同一に保持され
ている状態において、予め定められた回転数Nsで回転
している回転磁気ヘッドによって磁気テープに形成され
る記録跡が、磁気テープの基準縁と記録跡の延長方向と
が予め定められたθsの角度となされる状態で前記した
磁気テープの走行速度の切換え変更と対応して磁気テー
プ上に形成されるように、前記した磁気テープの走行速
度の切換え変更と対応して磁気テープの基準縁の位置の
切換え変更が行なわれるようにした磁気記録再生装置で
あって、下ドラムにおいて磁気テープが摺接状態となさ
れる外周面の部分における磁気テープの基準縁が位置し
ている部分付近に、下ドラムに対する磁気テープの巻付
角の中央部を境にしてその一方側の少なくとも一部には
磁気テープの走行時における磁気テープの基準縁の案内
部と対応する第1の縁部形状が、その他方側の少なくと
も一部には磁気テープの停止時における磁気テープの基
準縁の案内部と対応する第2の縁部形状が、それぞれ形
成されるような態様で下ドラムに小径の部分を構成し、
また、前記した下ドラムに対する磁気テープの巻付角の
中央部に設けられた揺動支点で支持されて下ドラムにお
ける前記の小径の部分の周面に揺動自在に遊嵌されてい
る環状体の一方の端面を、前記した磁気テープの走行速
度の切換え変更と対応して前記した下ドラムにおける前
記した第1の縁部形状を有する磁気テープの基準縁の案
内部の端面部の位置と第2の縁部形状を有する磁気テー
プの基準縁の案内部の端面部の位置との範囲内の所定の
位置に選択的に切換えるように駆動する手段を備えてな
る磁気記録再生装置を提供する。
【0011】
【作用】ドラムの周面の一部に摺接しながら予め定めら
れた速度Vsで走行している磁気テープTに、予め定め
られた回転数Nsで回転している回転磁気ヘッドHa
(Hb)により磁気テープTの基準縁Teとのなす角度
が角度θs であるような記録跡Tra(Trb)が形成
されるとした場合に、前記のドラムの周面の一部に走行
を停止させた状態で摺接させてある磁気テープTに、予
め定められた回転数Nsで回転している回転磁気ヘッド
Ha(Hb)により磁気テープTの基準縁Teとのなす
角度が角度θs であるような記録跡を、ドラムに対する
磁気テープTの巻付角の中央部における磁気テープTの
基準縁Teの位置が実質的に同一に保持されている状態
において磁気テープTに形成されるように、磁気テープ
Tの基準縁Teの位置を、磁気テープTの走行速度の切
換え変更と対応して磁気テープTの基準縁Teに沿う形
態の構成部分を用いて安定に切換え変更する。
【0012】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の磁気記録
再生装置の具体的な内容を詳細に説明する。図1は本発
明の磁気記録再生装置の一実施例の斜視図であり、ま
た、図2は図1に示した本発明の磁気記録再生装置の分
解斜視図、図3は図1に示した本発明の磁気記録再生装
置の要部の構成を説明するために使用される概略側面図
である。図においてDAはドラム構体であり、このドラ
ム構体DAはドラムベースDBと回転ドラムDrと下ド
ラムDfとモータMなどによって組立てられている。前
記したドラムベースDBに取付けられている下ドラムの
下方の周面には図2中に明瞭に示してあるような構成を
有する環状の案内部材31が嵌合されている。前記した
環状の案内部材31には、それの一端面に磁気テープT
の基準縁Teを案内するための案内面31s,31oが
約半周ずつの部分にそれぞれ構成されているとともに、
他端面には半周以上にわたって平歯車30が構成されて
いる。環状の案内部材31における面31aの部分は、
前記した平歯車30の裏面の部分がドラムベースDBに
設けられている基準面22上に圧接された状態で、環状
の案内部材31を下ドラムDfの周囲で安定に回動させ
うるようにするために、押圧ばね23,28(図2参
照)の先端が摺接される溝部である。前記した押圧ばね
23,28は、それぞれ個別にねじ25または27によ
ってドラムベースDBに固着される。図2中に示されて
いる26は前記した押圧ばね23をドラムベースDBに
ねじ25によって固着する際に使用されるねじ孔であ
る。
【0013】環状の案内部材31が下ドラムDfの周囲
に回動自在に取付けられた後に前記した環状の案内部材
31に構成されている平歯車30に対して回動駆動用モ
ータ34の回転軸に固着されている平歯車32を噛合わ
せてから、回動駆動用モータ34をドラムベースDBの
壁部36に例えば取付け用バンド35とねじ37とを用
いて固着させる。回動駆動用モータ34としてステッピ
ングモータを使用すれば、環状の案内部材31の回動位
置の制御が容易にできる。前記の回動駆動用モータ34
としてはギャードモータが使用されてもよい。図2中に
示されている下ドラムDfの突起部13と回転ドラムD
rの開孔17とを嵌合させた後に、下ドラムDfに設け
られているねじ孔15,16と回転ドラムDrに設けら
れているねじ孔18,19とを合わせて、ねじ20,2
1によって結合することにより下ドラムDfと回転ドラ
ム(上ドラム)Drとが結合される。
【0014】環状の案内部材31の一方の端面に設けら
れている磁気テープTの基準縁Teを案内するための既
述した2種類の案内面31s,31oの内のどちらの案
内面が磁気テープTの基準縁Teに対する案内作用のた
めに用いられるようにされるのかは、磁気記録再生装置
における図示されていない操作部に対して操作者が設定
した動作モードによって決定される。そして、前記の操
作部に操作者が設定した動作モードが通常の記録再生モ
ード(ノーマル記録再生モード)の場合には、図示され
ていない制御回路が回動駆動用モータ34を正方向に回
転させるように制御して、回動駆動用モータ34の回転
軸33に固着されている平歯車32と噛合う平歯車30
が設けられている環状の案内部材31を、下ドラムDf
の周囲で180度回動させることにより、磁気記録再生
装置が通常の記録再生モードで動作する場合に磁気テー
プTの基準縁Teが位置しなければならない位置に磁気
テープTの基準縁Teが位置している状態で磁気テープ
Tの基準縁Teを案内面31sによって案内できる状態
になされる位置にまで回動させる。
【0015】また、前記の操作部に操作者が設定した動
作モードが、磁気テープの走行を停止させた状態での記
録再生モード(スチル記録再生モード)の場合には、図
示されていない制御回路が回動駆動用モータ34を逆方
向に回転させるように制御して、回動駆動用モータ34
の回転軸33に固着されている平歯車32と噛合う平歯
車30が設けられている環状の案内部材31を、下ドラ
ムDfの周囲で180度回動させることにより、磁気記
録再生装置が磁気テープの走行を停止させた状態での記
録再生モードで動作する場合に磁気テープTの基準縁T
eが位置しなければならない位置に磁気テープTの基準
縁Teが位置している状態で磁気テープTの基準縁Te
を案内面31oによって案内できる状態になされる位置
にまで回動させる。すなわち下ドラムDfの周囲に回動
自在に設けられていて、回動駆動用モータ34によって
駆動されて回動々作を行なうことができるようになされ
ている環状の案内部材31は、図示されていない操作部
に操作者が設定した動作モードに応じて行なわれる制御
回路の制御動作によって回動駆動用モータ34が正逆の
両方向に駆動回転されることにより、環状の案内部材3
1が180度ずつ正逆の両方向に選択的に回動されて、
環状の案内部材31における一方の端面の約半周ずつの
部分にそれぞれ構成されている磁気テープTの基準縁T
eを案内するための案内面31s,31oの内の一方の
ものによって磁気テープTの基準縁Teに対する案内作
用が選択的に行なわれる状態に切換変更されるようにな
されている。
【0016】さて、図14を参照して既述したような磁
気テープの走行系を備えている磁気記録再生装置におい
て、記録再生動作における磁気テープTは図16の
(b)に例示されているようにドラムに対して180度
よりも多少多い(10度程度)巻付角で巻付けられた状
態となされており、また前記したドラムに対する磁気テ
ープTの巻付角の中央部(図中でP90の表示で示してあ
る位置)における磁気テープTの基準縁Teの基準面S
F{図16の(d)参照}からの高さH90が、図16の
(a)中にも示されているガイドローラ5,6によって
高さ位置が正しく規制されている状態の磁気テープTに
おける基準縁Teの位置と同一になるようにされてお
り、この状態においてドラムの周面に摺接している磁気
テープTの各部に伸縮等の状態が生じないようにドラム
の傾斜角、傾斜ガイド3,4の傾斜角などが設定されて
いる。ところで、例えば図15に示すように回転磁気ヘ
ッドHa,Hbの回転方向aと磁気テープTの移動方向
bとが同一である場合に、磁気テープTが予め定められ
た速度Vsで走行している状態において予め定められた
回転数Nsで回転している回転磁気ヘッドで磁気テープ
に形成された記録跡の延長する方向と磁気テープTの基
準縁Teとのなす角度θsと、磁気テープTが停止して
いる状態において予め定められた回転数Nsで回転して
いる回転磁気ヘッドで磁気テープに形成された記録跡の
延長する方向と磁気テープTの基準縁Teとのなす角度
θoとはθo<θsのような関係になるから、走行状態
の磁気テープTに回転磁気ヘッドによって形成される記
録跡と、停止状態の磁気テープTに回転磁気ヘッドによ
って形成される記録跡とにおける記録跡の延長する方向
と磁気テープTの基準縁Teとのなす角度とを同じにす
るのには、走行状態の磁気テープTにおける磁気テープ
Tの基準縁Teの位置Tesと、停止状態の磁気テープ
Tにおける磁気テープTの基準縁Teの位置Teoと
を、図16の(c),(d)中にそれぞれ示されている
線Tes,Teoのように、基準面SFに対する角度を
θoとθsとに変更させることが必要である。そして、
既述したVHS(登録商標)方式の例の場合のように、
前記した2つの角度θsとθoとの角度の差が僅かな場
合には、ドラムに対する磁気テープTの巻付角の中央部
(図中でP90の表示で示してある位置)における磁気テー
プTの基準縁Teの基準面SF{図16の(d)参照}から
の高さH90が変化しないようにするだけで、前記のよう
に磁気テープTの基準縁Teの位置が2つの態様に切換
変更された場合でもドラムに摺接している磁気テープT
の各部に伸縮が生じるような力が加わらないようにする
ことができる。
【0017】図1乃至図3によって示されている本発明
の磁気記録再生装置の実施例において、下ドラムDfの
外周部に回動自在に嵌合されている環状の案内部材31
は、それの一端面に形成されている磁気テープTの基準
縁Teを案内するための案内面31s,31oは、前述
のように走行状態の磁気テープTに回転磁気ヘッドによ
って形成される記録跡と、停止状態の磁気テープTに回
転磁気ヘッドによって形成される記録跡とにおける記録
跡の延長する方向と磁気テープTの基準縁Teとのなす
角度とを同じにできるように走行状態の磁気テープTに
おける磁気テープTの基準縁Teの位置Tesと、停止
状態の磁気テープTにおける磁気テープTの基準縁Te
の位置Teoとを、図16の(c),(d)中にそれぞ
れ示されている線Tes,Teoのように、基準面SF
に対する角度がθoとθsとに変更させうるものとして
形成されている。また、磁気記録再生装置の動作モード
に応じて、下ドラムDfの外周部に回動自在に嵌合され
ている環状の案内部材31を既述のように正逆方向の何
れかに180度だけ回動させて、磁気記録再生装置に設
定されている動作モードで必要とされた方の案内面(3
1s,31oの内の一方)が選択使用される場合には、
前記した案内面の中央の部分、すなわち、ドラムに対す
る磁気テープTの巻付角の中央部と対応して、基準面S
Fからの高さがH90になされている部分がドラムに対す
る磁気テープTの巻付角の中央部の位置P90に正確に位
置された状態として前記した環状の案内部材31が固定
された状態に保持されることが必要とされるが、そのよ
うにするとことは環状の案内部材31の回動角や移動量
の絶対量等を検出した情報を制御回路に与えて、環状の
案内部材31の回動量や回動位置の制御を行なうことに
より容易にできる。
【0018】これまでに第1図乃至第3図を参照して説
明した磁気記録再生装置では、特に図2に示した分解斜
視図から明らかなように、2種類の案内面31s,31
oが一方の端部の約半周ずつの部分にそれぞれ構成され
ているとともに、他方の端面には半周以上にわたって平
歯車30を構成させているような構成態様の環状の案内
部材31を下ドラムDfの周面に回動自在に嵌合させ、
前記した環状の案内部材31をドラムベースDBに設け
られている基準面22上に圧接させた状態で、磁気記録
再生装置の動作モードに対応して環状の案内部材31を
下ドラムDfの周囲で、正逆方向の何れかに180度だ
け回動させて、磁気記録再生装置に設定されている動作
モードで必要とされた方の案内面(31s,31oの内
の一方)が選択使用されるようにした構成態様のもので
あったが、図4及び図5に示す本発明の磁気記録再生装
置は、磁気テープが走行状態となされている動作モード
が通常の記録再生モード(ノーマル記録再生モード)の
場合と、磁気テープの走行を停止させた状態での記録再
生モード(スチル記録再生モード)の場合とのそれぞれ
の場合において、磁気テープTの基準縁Teがそれぞれ
位置しなければならない位置に磁気テープTの基準縁T
eを位置させるようにするための2種類の案内面39
s,39oを下ドラムDfの外周面に直接に構成して実
施するようにした場合の一例構成の実施例である。
【0019】図4の(a)は全体の斜視図、図4の
(b)は下ドラムDfの外周部に構成させた案内面39
s,39oを説明するための側面図であり、また図5は
図4に示されている磁気記録再生装置を上下逆にして、
回転ドラムDrが下方に位置するような図示の態様で示
した分解斜視図である。下ドラムDfの外周部分の順次
の約半周ずつの部分には、例えば切削加工によって2種
類の案内面39s,39oがそれぞれ構成されている。
図5を参照して、前記した下ドラムDfの端面40に、
平歯車板38の下面を当接させた状態となるように平歯
車板38の開口部の周面を下ドラムDfの段部52の外
周面に嵌合させた状態として、下ドラムDfに穿設され
たねじ孔41,42,43…と、平歯車板38に穿設さ
れたねじ孔44,45,46,47とを合わせた後に、
ねじ48,49,50,51を用いて下ドラムDfと平歯
車板38とを固着させ前記した両者を一体化する。な
お、図示の構成例の場合の前記の平歯車板38にはそれ
の半周よりも僅かに広い範囲にわたって歯車の歯が切ら
れている。前記のように平歯車板38が端面40に固着
された状態の下ドラムDfの係合部72の外周面をドラ
ムベースDBの開口部124の内周面に嵌合させ、次い
で段部52の表面をドラムベースDBに構成させてある
摺動面に当接させた状態にしてから、抑え板55の孔6
3を下ドラムの中心部62に遊嵌させ、この抑え板55
に穿設させたねじ孔58,59,60,61と下ドラム
の係合部72のねじ孔55,56,57,…とを合わせ
る。次にねじ64,65,66,67にそれぞれ個別の
スプリングワッシャ68,69,70,71を装着して
から、前記した抑え板55のねじ孔58,59…と下ド
ラムDfのねじ孔55,56…とに螺入する。それによ
り回転ドラムDrと下ドラムDfとからなるドラム構体
DAはそれの下ドラムDfの段部52の表面がドラムベ
ースDBに構成させてある摺動面に当接された状態で回
動自在にドラムベースDBに結合されることになる。
【0020】下ドラムDfに取付けられた平歯車板38
に対して回動駆動用モータ34の回転軸に固着されてい
る平歯車32を噛合わせてから、回動駆動用モータ34
をドラムベースDBの壁部36に例えば取付け用バンド
35とねじ37とを用いて固着させる。回動駆動用モー
タ34としてステッピングモータを使用すれば、環状の
案内部材31の回動位置の制御が容易にできる。また、
回動駆動用モータ34としてはギャードモータが使用さ
れてもよい。図4及び図5に例示した実施例では、下ド
ラムDfの外周部分の順次の約半周ずつの部分に、例え
ば切削加工によって2種類の案内面39s,39oが下
ドラムの外径よりも大きな外径の部分として構成させて
いたが、前記した2種類の案内面39s,39oを下ド
ラムDfの外周面に構成させるのには、帯状のガイド部
材を下ドラムDfの外周面に例えばねじ止めなどのよう
な固着手段によって取付けるようにして構成させてもよ
いのである。
【0021】下ドラムDfの外周面に構成させた2種類
の案内面39s,39oの内のどちらの案内面が磁気テ
ープTの基準縁Teに対する案内作用のために用いられ
るようにされるのかは、図1乃至図3について既述した
磁気記録再生装置の場合と同様に、図示されていない操
作部に対して操作者が設定した動作モードによって決定
される。動作モードが通常の記録再生モード(ノーマル
記録再生モード)の場合には、図示されていない制御回
路が回動駆動用モータ34を正方向に回転させるように
制御して、回動駆動用モータ34の回転軸33に固着さ
れている平歯車32と噛合う平歯車板38が固着されて
いる下ドラムDfを180度回動させることにより、磁
気記録再生装置が通常の記録再生モードで動作する場合
に磁気テープTの基準縁Teが位置しなければならない
位置に磁気テープTの基準縁Teが位置している状態で
磁気テープTの基準縁Teを案内面39sによって案内
できる状態になされる位置にまで回動させる。
【0022】また、前記の操作部に操作者が設定した動
作モードが、磁気テープの走行を停止させた状態での記
録再生モード(スチル記録再生モード)の場合には、図
示されていない制御回路が回動駆動用モータ34を逆方
向に回転させるように制御して、回動駆動用モータ34
の回転軸33に固着されている平歯車32と噛合う平歯
車板38が固着されている下ドラムDfを180度回動
させることにより、磁気記録再生装置が磁気テープの走
行を停止させた状態での記録再生モードで動作する場合
に磁気テープTの基準縁Teが位置しなければならない
位置に磁気テープTの基準縁Teが位置している状態で
磁気テープTの基準縁Teを案内面39oによって案内
できる状態になされる位置にまで回動させる。すなわ
ち、回動駆動用モータ34によって駆動されて回動々作
を行なうことができるようになされているドラム構体D
Aの下ドラムDfの外周部における約半周ずつの部分に
それぞれ構成されている磁気テープTの基準縁Teを案
内するための2種類の案内面39s,39oの内の一方
のものによって磁気テープTの基準縁Teに対する案内
作用が選択的に行なわれるのであり、前記の案内面の選
択は図示されていない操作部に操作者が設定した動作モ
ードに応じて行なわれる制御回路の制御動作によって回
動駆動用モータ34が正逆の両方向に駆動回転されるこ
とによりドラム構体DAが180度ずつ正逆の両方向に
選択的に回動されることによって行なわれる。
【0023】この図4及び図5に示されている磁気記録
再生装置においても、前記したドラムに対する磁気テー
プTの巻付角の中央部(図中でP90の表示で示してある
位置)における磁気テープTの基準縁Teの基準面SF
{図16の(d)参照}からの高さH90が、図16の(a)
中にも示されているガイドローラ5,6によって高さ位
置が正しく規制されている状態の磁気テープTにおける
基準縁Teの位置と同一になるようにされていて、この
状態においてドラムの周面に摺接している磁気テープT
の各部に伸縮等の状態が生じないようにドラムの傾斜
角、傾斜ガイド3,4の傾斜角などが設定されている。
そして、走行状態の磁気テープTにおける磁気テープT
の基準縁Teの位置Tesと、停止状態の磁気テープT
における磁気テープTの基準縁Teの位置Teoとは、
図16の(c),(d)中にそれぞれ示されている線T
es,Teoのように、基準面SFに対する角度をθo
とθsとに変更されるが、既述したVHS(登録商標)
方式の例の場合のように、前記した2つの角度θsとθ
oとの角度の差が僅かな場合には、ドラムに対する磁気
テープTの巻付角の中央部(図中でP90の表示で示して
ある位置)における磁気テープTの基準縁Teの基準面
SF{図16の(d)参照}からの高さH90が変化しないよ
うにするだけで、磁気テープTの基準縁Teの位置が2
つの態様に切換変更された場合でもドラムに摺接してい
る磁気テープTの各部に伸縮が生じるような力が加わら
ないようにすることができる。
【0024】図4及び図5によって示されている本発明
の磁気記録再生装置の実施例において、下ドラムDfの
外周部に構成されている磁気テープTの基準縁Teを案
内するための案内面39s,39oは、前述のように走
行状態の磁気テープTに回転磁気ヘッドによって形成さ
れる記録跡と、停止状態の磁気テープTに回転磁気ヘッ
ドによって形成される記録跡とにおける記録跡の延長す
る方向と磁気テープTの基準縁Teとのなす角度とを同
じにできるように走行状態の磁気テープTにおける磁気
テープTの基準縁Teの位置Tesと、停止状態の磁気
テープTにおける磁気テープTの基準縁Teの位置Te
oとを、図16の(c),(d)中にそれぞれ示されて
いる線Tes,Teoのように、基準面SFに対する角
度がθoとθsとに変更させうるものとして形成されて
いる。また、磁気記録再生装置の動作モードに応じて、
下ドラムDfを既述のように正逆方向の何れかに180
度だけ回動させて、磁気記録再生装置に設定されている
動作モードで必要とされた方の案内面(39s,39o
の内の一方)が選択使用される場合には、前記した案内
面の中央の部分、すなわち、ドラムに対する磁気テープ
Tの巻付角の中央部と対応して、基準面SFからの高さ
がH90になされている部分がドラムに対する磁気テープ
Tの巻付角の中央部の位置P90に正確に位置された状態
として前記した下ドラムDfが固定された状態に保持さ
れることが必要とされるが、そのようにするとことは下
ドラムDfの回動角や移動量の絶対量等を検出した情報
を制御回路に与えて、下ドラムDfの回動量や回動位置
の制御を行なうことにより容易にできることはいうまで
もない。
【0025】図1乃至図3を参照して説明した実施例の
ものにおける案内面31s,31oと図4及び図5を参
照して説明した実施例のものにおける案内面39s,3
9oなどの各案内面がドラムベースDBの基準面SFに
対して示す傾斜角は、既述のように図16の(c),
(d)中にそれぞれ示されている線Tes,Teoによ
って示されるものとなる。すなわち、磁気記録再生装置
の動作モードが通常の記録再生モード(ノーマル記録再
生モード)の場合には、前記した案内面31s,39s
がドラムベースDBの基準面SFに対して示す傾斜角は
θoとなされるのであり、また、磁気記録再生装置の動
作モードが磁気テープの走行を停止させた状態での記録
再生モード(スチル記録再生モード)の場合には、前記
した案内面31o,39oがドラムベースDBの基準面
SFに対して示す傾斜角はθsとなされるのである。と
ころで、図1と図3中に示されている案内面31s,3
1o、及び図4と図5中に示されている案内面39s,
39oなどの各案内面が、磁気テープTの導入側で僅か
の区間にわたり欠除された状態の構成のものとして図示
されている理由は次のとおりである。すなわち、2個の
回転磁気ヘッドによって磁気テープに順次のトラックを
記録形成させる場合には、ドラムの中心角で180度よ
りも大きい範囲(例えばドラムの中心角で190度の範
囲)にわたるドラムの周面に磁気テープを巻付けて記録
するようになされることは既述のとおりであって、その
場合における磁気テープの基準面を案内するための案内
面の形成範囲としても、ドラムの中心角で180度より
も大きい範囲(例えばドラムの中心角で190度の範
囲)にわたって形成されることが必要とされることにな
る。ところで、図1乃至図5に例示されている本発明の
磁気記録再生装置においては、ドラムベースDBの基準
面SFに対する傾斜角を異にしている2つの案内面を、
円筒状の物体の周囲に廉次に構成させるようにしている
が、前記した2つの案内面のそれぞれを、円筒状の物体
の中心角で例えば190度ずつの範囲に順次に構成させ
る、すなわち、2つの案内面の構成に380度の中心角
となるように円筒体の周囲に頭次に形成させることがで
きないことは、円筒状の物体の中心角が360度しかな
いことから当然である。図1乃至図5に例示してある実
施例では、図1,図3,図4,図5に示されている案内
面31s,31o、及び図4と図5中に示されている案
内面39s,39oなどの各案内面が、円筒状の物体の
周囲にそれぞれ中心角で180度ずつの範囲で形成させ
てあるが、前記した磁気テープの基準縁に対する実効的
な案内面は、図1,図3,図4,図5に示されている案
内面31s,31o、及び図4と図5中に示されている
案内面39s,39oなどの各案内面に引続いて存在し
ている磁気テープTの導入側に僅かの区間にわたる欠除
された状態の案内面とによって、それぞれ中心角で19
0度程度のものとなされているのである(案内面が欠除
されている部分は、それを例えば図1及び図3について
説明すると、案内面31oの延長線が下ドラムDfの上
端面に交叉するまでの部分である)。前記のように磁気
テープTの導入側における僅かな区間で案内面を欠除さ
せるようにしていることにより、磁気テープTと回転磁
気へッドHとの接触状態が良好な状態となるようにして
ドラムの周方向に2種類の案内面を順次に形成させるこ
とができる。なお、前記のように磁気テープTの導入側
における僅かな区間で案内面が欠除されていることによ
っても、その部分における磁気テープの案内状態に大き
な支障を与えない。
【0026】次に、図6の(a)の全体斜視図及び図6
の(b)の要部の側面図と、図7の分解斜視図とによっ
て示されている本発明の磁気記録再生装置の実施例につ
いて説明する。これまでに図1乃至図5を参照して既述
した実施例の磁気記録再生装置においては、磁気テープ
の走行時に磁気テープの基準縁Teを案内するための案
内面と、磁気テープの停止時に磁気テープの基準縁Te
を案内するための案内面との切換変更が、前記した案内
面をドラムの円周方向に回動させることによって行なっ
ていたが、図6及び図7に示されている磁気記録再生装
置では、磁気テープの走行時に磁気テープの基準縁Te
を案内するための案内面と、磁気テープの停止時に磁気
テープの基準縁Teを案内するための案内面の位置の切
換変更が、ドラム構体DAにおける下ドラムDfの外周
に揺動自在に設けられた揺動案内部材72によって行な
われるようになされている。
【0027】前記した揺動案内部材72は、それが上面
図として示された場合には円環として表わされるような
形状のものであって、この揺動案内部材72は図7中に
示されているように、それの一方の端面には磁気テープ
Tの基準縁Teに対する案内面として使用される部分と
して、一定の傾斜角で180度以上にわたって形成され
た傾斜面72uが設けられており、また前記した傾斜面
72uの中央付近と対応している側面の部分には、揺動
案内部材72を下ドラムDfに対して揺動自在に支持す
るための2個の揺動支点の内の一方の揺動支点として用
いられるねじ73を嵌合させる孔77が穿設されてい
る。78は前記した孔77に対して180度対称の位置
の揺動案内部材72の側面に穿設された孔で、この孔7
8には他方の揺動支点として使用されるねじ74が嵌合
される。前記の揺動案内部材72は下ドラムDfの外周
に遊嵌された後に、揺動案内部材72の側面の孔77に
嵌合されたねじ73を下ドラムDfに設けてあるねじ孔
79に螺入し、また、揺動案内部材72の側面の孔78
に嵌合されたねじ74を下ドラムDfに設けてあるねじ
孔(図示されていない)に螺入することにより、下ドラ
ムDfの外周に揺動自在に支持された状態になされる。
80,81は下ドラムDfに穿設された孔であり、この
孔80,81にはピン76,75が植設される。そして
前記のように下ドラムDfに揺動自在に支持された状態
の揺動案内部材72は、下ドラムDfに設けられた孔8
0,81に植設されたピン76,75によって、それの
揺動変位する範囲の制限が行なわれるようになされてい
る。
【0028】すなわち下ドラムDfの外周の180度対
称の位置に設けられている2個の揺動支点73,74に
よって下ドラムDfの外周に揺動自在に設けられている
揺動案内部材72は、前記の揺動支点73,74を揺動
中心とする揺動変位が下ドラムDfに植設された2個の
ピン75,76の間だけで可能とされているが、前記し
た揺動案内部材72における上側の面(図示の実施例で
は切欠72aの底面)がピン76に当接した状態を示し
ている図6の(b)の実線図示の揺動案内部材72にお
ける傾斜面72uの位置72sが磁気テープの走行時に
磁気テープの基準縁Teを案内するための案内面と対応
し、また、前記した揺動案内部材72における下側の面
がピン75に当接した状態を示している図6の(b)の
点線図示の揺動案内部材72における傾斜面72uの位
置72oが磁気テープの停止時に磁気テープの基準縁T
eを案内するための案内面に対応しているように、前記
した2個のピン75,76の植設位置を設定しておくこ
とにより、磁気テープTが通常の記録再生モードにおけ
る走行速度で走行する状態においては前記した揺動案内
部材72における上側の面(図示の実施例では切欠72
aの底面)がピン76に当接した状態となされるように
揺動案内部材72を揺動変位させ、また、磁気テープT
が停止している状態においては前記した揺動案内部材7
2における下側の面がピン75に当接した状態となされ
るように揺動案内部材72を揺動変位させるだけで、磁
気テープTが通常の記録再生モードにおける走行速度で
走行している状態と、磁気テープTが停止状態になされ
ている状態との双方の場合において、揺動案内部材72
における傾斜面72uの位置が、それぞれの場合に必要
とされている正しい位置に設定された状態で、揺動案内
部材72における傾斜面72uにより磁気テープの基準
縁Teを案内することができることになる。そして、磁
気テープの走行時に磁気テープの基準縁Teを案内する
ための案内面と対応している図6の(b)の実線図示の
揺動案内部材72における傾斜面72uの位置72s
は、ドラムベースDBの基準面SFに対してθoの傾斜
を有しており、また、磁気テープの停止時に磁気テープ
の基準縁Teを案内するための案内面に対応している図
6の(b)の点線図示の揺動案内部材72における傾斜
面72uの位置72oはドラムベースDBの基準面SF
に対してθsの傾斜を有している。
【0029】磁気記録再生装置における動作モードの変
更に応じて前記のように揺動支点73,74を揺動中心
にして揺動案内部材72を揺動変位させることにより、
磁気記録再生装置におけるそれぞれの動作モードに応じ
て必要とされている正しい位置に揺動案内部材72にお
ける傾斜面72uの位置を設定するのに、図6,図7に
示す実施例においては揺動案内部材72をプランジャー
によって駆動変位させるようにしている。図6及び図7
において82はプランジャーの本体の筐体であり、84
は作動体、83はスプリング、85,86は前記した作
動体84に設けられているブラケットの取付部材であ
る。プランジャーの本体の筐体82は、取付部82a,
82bに設けられている孔92,93をドラムベースD
B側に穿設されているねじ孔98,99に合わせた後に
ねじ96,97によってドラムベースDBに固着され
る。作動体84に設けられているブラケットの取付部材
85,86にブラケット87,88の孔91を挿通させ
て取付け、前記したブラケット87,88は、それに穿
設されている孔89,90に挿入するねじ94,95に
よって揺動案内部材72の下面に固着する。
【0030】前記したプランジャーの本体の筐体82内
のコイルに通電すると、作動体84はスプリング83を
圧縮しながらプランジャーの本体の筐体82内のコイル
内に吸引される。それにより揺動案内部材72の下面は
ピン75に圧着された状態になされるが、揺動案内部材
72の下面が前述のようにピン75に圧着されている状
態において揺動案内部材72における傾斜面72uの位
置は、磁気テープTを停止させている状態で磁気記録再
生装置が記録再生動作を行なっている場合に磁気テープ
Tの基準縁Teが位置されるべき磁気テープTの基準縁
Teの位置に一致している状態となされるのであり、ま
た、前記したプランジャーの本体の筐体82内のコイル
に対する通電を遮断すると、作動体84はスプリング8
3の弾発力によって揺動案内部材72を押上げて、それ
により揺動案内部材72の上面(図示の実施例では切欠
72aの底面)がピン76に圧着された状態になされる
が、前記のように揺動案内部材72の上面(図示の実施
例では切欠72aの底面)が前述のようにピン76に圧
着されている状態によって揺動案内部材72における傾
斜面72uの位置は、磁気テープTを通常の記録再生モ
ードにおける走行速度で走行させている状態で磁気記録
再生装置が記録再生動作を行なっている場合に磁気テー
プTの基準縁Teが正しく位置されるべき磁気テープT
の基準縁Teの位置に一致している状態となされるので
ある。
【0031】図6及び図7図を参照して説明した磁気記
録再生装置の実施例も図14を参照して既述したような
磁気テープの走行系を備えている磁気記録再生装置であ
るから、記録再生動作における磁気テープTは図16の
(b)に例示されているようにドラムに対して180度
よりも多少多い(10度程度)巻付角で巻付けられた状
態となされており、また前記したドラムに対する磁気テ
ープTの巻付角の中央部(図中でP90の表示で示してあ
る位置)における磁気テープTの基準縁Teの基準面S
F{図16の(d)参照}からの高さH90が、図16の
(a)中にも示されているガイドローラ5,6によって
高さ位置が正しく規制されている状態の磁気テープTに
おける基準縁Teの位置と同一になるようにされてお
り、この状態においてドラムの周面に摺接している磁気
テープTの各部に伸縮等の状態が生じないようにドラム
の傾斜角、傾斜ガイド3,4の傾斜角などが設定されて
いる。そして、図6及び図7に示す磁気記録再生装置で
は、動作モードに応じて揺動案内部材72における傾斜
面72uの位置が切換変更された場合でも、ドラムに対
する磁気テープTの巻付角の中央部と対応する部分の基
準面SFからの高さがH90になるようにされている。
【0032】図6及び図7を参照して説明した磁気記録
再生装置の実施例は、磁気記録再生装置における動作モ
ードの変更に応じて揺動案内部材72を揺動支点73,
74を揺動中心にしてそれの面がピン76かピン75に
当接する状態になるまで揺動変位させた状態にして、揺
動案内部材72における傾斜面72uの位置を、磁気テ
ープTを停止させている状態で磁気記録再生装置が記録
再生動作を行なっている場合に磁気テープTの基準縁T
eが位置されるべき磁気テープTの基準縁Teの位置に
一致している状態と、磁気テープTを通常の記録再生モ
ードにおける走行速度で走行させている状態で磁気記録
再生装置が記録再生動作を行なっている場合に磁気テー
プTの基準縁Teが正しく位置されるべき磁気テープT
の基準縁Teの位置に一致している状態との何れかの状
態に切換え設定できるようにした場合のものであった
が、図8に示す本発明の磁気記録再生装置の実施例は、
磁気記録再生装置における動作モードの変更に応じて揺
動案内部材72を揺動支点73,74を揺動中心にして
それの傾斜面72uの位置を、磁気テープTを停止させ
ている状態で磁気記録再生装置が記録再生動作を行なっ
ている場合に磁気テープTの基準縁Teが位置されるべ
き磁気テープTの基準縁Teの位置に一致している状態
と、磁気テープTを通常の記録再生モードにおける走行
速度で走行させている状態で磁気記録再生装置が記録再
生動作を行なっている場合に磁気テープTの基準縁Te
が正しく位置されるべき磁気テープTの基準縁Teの位
置に一致している状態との2つの位置の他に、前記した
2つの位置の間においても揺動案内部材72の傾斜面7
2uの位置を任意に設定できるようにした場合の構成例
である。なお、図8では下ドラムDf部分だけを示し、
回転ドラムDr部分の図示の省略が行なわれている。
【0033】図8の(a)においてDfは下ドラム、7
2は傾斜面72uを有していて揺動支点73,74(た
だし揺動支点73と180度対称の位置にある揺動支点
74は図中には示されてはいない)を揺動中心にして揺
動可能になされている揺動案内部材、100はギヤード
モータ、101は回転軸、102はピニオン、103は
ラック、104はラック103を揺動案内部材72に固
着させるためのねじであり、また125は揺動案内部材
72におけるラック103が固着されている部分とは反
対側に取付けられているスプリングであり、このスプリ
ング125は揺動案内部材72を固定部の方に引張る方
向に付勢している。図8の(a)中の矢印105は前記
したギャードモータ100の正逆回転に応じて揺動案内
部材72におけるラック103が固着されている部分が
変位される方向を示している。図8の(b)の多数の斜
線72uは、図8の(a)中のギャードモータ100の
正逆回転に応じて揺動案内部材72におけるラック10
3が固着されている部分が矢印105のように変位した
ときの揺動案内部材72の傾斜面72uの変位の態様を
例示したものである。それで、図8に示されているよう
な構成態様の磁気記録再生装置によれば、磁気テープT
を通常の記録再生モードにおける走行速度で走行させて
いる状態で磁気記録再生装置が記録再生動作を行なって
いる場合と、磁気テープTを停止させている状態で磁気
記録再生装置が記録再生動作を行なっている場合との他
に、任意のスローモーション比でのスローモーション再
生動作が行なわれる場合にも使用できる。なお、磁気テ
ープTの走行系の構成態様に変化を与えない状態の範囲
内において、前記した揺動案内部材72の傾斜面72u
の傾斜角度を変化させて本発明が実施されてもよい。
【0034】図6乃至図8を参照して説明した磁気記録
再生装置の実施例は、磁気記録再生装置における動作モ
ードの変更に応じて、下ドラムDfの外周部に遊嵌させ
た状態の揺動案内部材72を揺動支点73,74を揺動
中心にして揺動変位させた状態にして、揺動案内部材7
2における傾斜面72uの位置を磁気記録再生装置にお
ける各動作モードにおいてそれぞれ磁気テープTの基準
縁Teが位置されるべき磁気テープTの基準縁Teの位
置に一致している状態となるように切換え設定できるよ
うに構成したものであったが、図9に示す本発明の磁気
記録再生装置の実施例は、下ドラムDfの外径(回転ド
ラムDrの外径と同じ)よりも内径が小さく、かつ下ド
ラムDfの外径よりも外径の大きな揺動案内部材107
を用い、この揺動案内部材107が下ドラムDfに対し
て揺動自在に嵌合装着できるように下ドラムDfとして
も、小径部106を構成させたものが使用されていると
ともに、前記した下ドラムDfにおける小径部106と
大径部との境界の縁部は、大径部の面とそれに平行な小
径部の面とに垂直な壁面をなしており、また、前記の下
ドラムDfにおける小径部106と大径部との境界の縁
部は、図6の構成例においては、ドラムに対する磁気テ
ープTの巻付角の中央部を境にしてその両側においてそ
れぞれ傾斜角の異なる構成のものとして形成されてい
る。なお、図9(図10,図11でも同じ)では下ドラ
ムDf部分だけを示し、回転ドラムDr部分の図示の省
略が行なわれている。図9の(a)は前記したような小
径部106が形成された状態の下ドラムDfを示してお
り、また図9の(b)は小径部106が形成されている
下ドラムDfにおける小径部106に遊嵌されて揺動自
在に支持される揺動案内部材107と揺動支点として使
用されるピン110,111(またはねじ110,11
1)とを示しており、さらに図9の(c)は小径部10
6が形成されている下ドラムDfにおける小径部106
に揺動案内部材107を遊嵌し、この揺動案内部材10
7を揺動支点110,111により揺動自在に支持させ
た状態を示している。
【0035】既述のように下ドラムDfにおける小径部
106と大径部との境界の縁部の傾斜角は、ドラムに対
する磁気テープTの巻付角の中央部を境にしてその両側
の部分において異なるものとして形成させるのである
が、磁気記録再生装置が例えばVHS(登録商標)方式に
よるVTRであって、かつ、磁気記録再生装置における
動作モードの変更に応じて揺動案内部材107を揺動支
点110,111を揺動中心にしてそれの傾斜面107
uの位置を、磁気テープTを停止させている状態で磁気
記録再生装置が記録再生動作を行なっている場合に磁気
テープTの基準縁Teが位置されるべき磁気テープTの
基準縁Teの位置に一致している状態と、磁気テープT
を通常の記録再生モードにおける走行速度で走行させて
いる状態で磁気記録再生装置が記録再生動作を行なって
いる場合に磁気テープTの基準縁Teが正しく位置され
るべき磁気テープTの基準縁Teの位置に一致している
状態との2つの位置に切換変更するようにした場合にお
ける下ドラムDfの小径部106と大径部との境界の縁
部の傾斜角は、ドラムに対する磁気テープTの巻付角の
中央部を境とする両側の部分において、5゜56′7.
4″の角度θoと5゜58′9.9″の角度θsという
ように、極く僅かな角度差を示す2種類の角度なのであ
り、そのような2つの角度を有するような縁部を図示し
たところで目視によってその角度差を知覚することは困
難であり、また、前記した縁部による作用の説明も容易
ではない。そのために、前記した下ドラムDfにおける
小径部106と大径部との境界の縁部の傾斜角が、ドラ
ムに対する磁気テープTの巻付角の中央部を境にしてそ
の両側の部分において大巾に角度の異なる2つの傾斜角
θo,θsを仮定して図示した図11と図10とを参照
して図9に示す実施例についての説明を行なう。
【0036】図11において図11の(a),(b)に例示
してある磁気記録再生装置の要部構成は、小径部106
を形成させてある下ドラムDfにおける小径部106と
大径部との境界の縁部が、ドラムに対する磁気テープT
の巻付角の中央部を境にした両側の部分の一方側の部分
(Fo側の部分)の全体がドラムベースの基準面に対し
て角度θsだけ傾斜した状態の連続面Foとなされてい
るとともに、ドラムに対する磁気テープTの巻付角の中
央部を境にした両側の部分の他方側の部分(Fs側の部
分)の全体がドラムベースの基準面に対して角度θoだ
け傾斜した状態の連続面Fsとなされているような構成
態様になされている場合{図9の(c)に例示してある磁
気記録再生装置の要部構成の場合と同様}を示してお
り、また、図11の(c),(d)に例示してある磁気記録
再生装置の要部構成は、小径部106を形成させてある
下ドラムDfにおける小径部106と大径部との境界の
縁部が、ドラムに対する磁気テープTの巻付角の中央部
を境にした両側の部分の一方側の部分(Fo側の部分)
の一部がドラムベースの基準面に対して角度θsだけ傾
斜した状態の面Foとなされているとともに、ドラムに
対する磁気テープTの巻付角の中央部を境にした両側の
部分の他方側の部分(Fs側の部分)の一部がドラムベ
ースの基準面に対して角度θoだけ傾斜した状態の面F
sとなされているような構成態様になされている場合を
示している。なお、図11の(c),(d)に例示してある
磁気記録再生装置の要部構成において、小径部106を
形成させてある下ドラムDfにおける小径部106と大
径部との境界の縁部におけるドラムに対する磁気テープ
Tの巻付角の中央部を境にした両側の部分の一方側の部
分の一部に構成させる面Foや、ドラムに対する磁気テ
ープTの巻付角の中央部を境にした両側の部分の他方側
の部分の一部に構成させる面Fsとしては、例えば縁部
方向での長さが零に近いものとして構成されたものであ
ってもよい。
【0037】図11を参照して、磁気記録再生装置にお
ける動作モードの変更に応じて揺動案内部材107は揺
動支点110,111(ただし、揺動支点111は図中に
は示されていない)を揺動中心にして揺動されることに
より、揺動案内部材107の傾斜面107uの位置が、
磁気テープTを停止させている状態で磁気記録再生装置
が記録再生動作を行なっている場合に磁気テープTの基
準縁Teが位置されるべき磁気テープTの基準縁Teの
位置に一致している第1の状態になされたり、磁気テー
プTを通常の記録再生モードにおける走行速度で走行さ
せている状態で磁気記録再生装置が記録再生動作を行な
っている場合に磁気テープTの基準縁Teが正しく位置
されるべき磁気テープTの基準縁Teの位置に一致して
いる第2の状態になされたりすることが必要とされる。
そして、図11に示されているように下ドラムDfにお
ける小径部106と大径部との境界の縁部を、既述のよ
うにドラムに対する磁気テープTの巻付角の中央部を境
にした両側の部分の一方側の部分(Fo側の部分)にお
ける少なくとも一部にドラムベースの基準面に対して角
度θsだけ傾斜した状態の面Foが設けられているとと
もに、ドラムに対する磁気テープTの巻付角の中央部を
境にした両側の部分の他方側の部分(Fs側の部分)に
おける少なくとも一部がドラムベースの基準面に対して
角度θoだけ傾斜した状態の面Fsが設けられているよ
うな構成態様になされている場合には、揺動支点11
0,111を揺動中心にして揺動される揺動案内部材1
07の傾斜面107uが前記した面Foに当接された状
態になるように揺動案内部材107を揺動させることに
よって、揺動案内部材107の傾斜面107uの傾斜角
は前記した面Foの傾斜角θsと等しくなされるから、
この状態における揺動案内部材107の傾斜面107u
は、磁気テープTを停止させている状態で磁気記録再生
装置が記録再生動作を行なっている場合に磁気テープT
の基準縁Teが位置されるべき磁気テープTの基準縁T
eの位置に一致している第1の状態になされ、また、揺
動支点110,111を揺動中心にして揺動される揺動
案内部材107の傾斜面107uが前記した面Fsに当
接された状態になるように揺動案内部材107を揺動さ
せることによって、揺動案内部材107の傾斜面107
uの傾斜角は前記した面Fsの傾斜角θoと等しくなさ
れるから、この状態における揺動案内部材107の傾斜
面107uは、磁気テープTを通常の記録再生モードに
おける走行速度で走行させている状態で磁気記録再生装
置が記録再生動作を行なっている場合に磁気テープTの
基準縁Teが位置されるべき磁気テープTの基準縁Te
の位置に一致している第2の状態になされるのである。
【0038】図10の(a)は図9及び図11について
既述したような小径部106を設けていない状態の下ド
ラムの側面図であって、この図においてドラムベースに
おける基準面とのなす角がθoとして示されている実線
図示の斜線Fsは、磁気テープTを通常の記録再生モー
ドにおける走行速度で走行させている状態で磁気記録再
生装置が記録再生動作を行なっている場合に磁気テープ
Tの基準縁Teが位置されるべき磁気テープTの基準縁
Teの位置を示しており、また、この図においてドラム
ベースにおける基準面とのなす角がθsとして示されて
いる点線図示の斜線Foは、磁気テープTが停止の状態
で磁気記録再生装置が記録再生動作を行なっている場合
に磁気テープTの基準縁Teが位置されるべき磁気テー
プTの基準縁Teの位置を示している。また、図10の
(b)は下ドラムDfにおける小径部106と大径部との
境界の縁部に、ドラムに対する磁気テープTの巻付角の
中央部を境にした両側の部分の一方側の部分における少
なくとも一部にドラムベースの基準面に対して角度θs
だけ傾斜した状態(図中の点線図示の斜線で傾斜を示す)
の面Foを設けるとともに、ドラムに対する磁気テープ
Tの巻付角の中央部を境にした両側の部分の他方側の部
分における少なくとも一部にドラムベースの基準面に対
して角度θoだけ傾斜した状態の図中の実線図示の斜線
で示す傾斜面Fsを設けた状態の下ドラムDfの側面形
状を示す図であり、図10の(f)は図10の(b)に示し
た下ドラムの底面図であり、この図中に示されているP
90の位置はドラムに対する磁気テープTの巻付角の中央
部の位置であり、この図の例では前記の位置P90から一
方の片側の周方向に点線図示の95度の範囲における下
ドラムDfにおける小径部106と大径部との境界の縁
部を、ドラムベースの基準面に対して角度θsだけ傾斜
した状態の面Foにしており、また前記の位置P90から
他方の片側の周方向に実線図示の95度の範囲における
下ドラムDfにおける小径部106と大径部との境界の
縁部を、ドラムベースの基準面に対して角度θoだけ傾
斜した状態の面Fsにしているものとして示されてお
り、前記以外の部分は任意の傾斜角の面であってもよ
い。図10の(c)は揺動支点110,111(ただ
し、揺動支点111は図中に示されていない)を揺動中
心にして揺動される揺動案内部材107の側面図であ
る。図10の(d)と図10の(e)とは下ドラムDf
に揺動案内部材107を揺動自在に装着した状態におい
て、揺動案内部材107をそれぞれ異なる傾斜態様で傾
斜させた状態を示している縦断側面図であり、図10の
(d)は下ドラムDfにおける小径部106と大径部と
の境界の縁部にドラムベースの基準面に対して角度θo
だけ傾斜した状態の傾斜面Fsに揺動案内部材107の
傾斜面107uが当接された状態に揺動案内部材107
が図示されていない駆動機構によって揺動駆動された場
合の状態、すなわち、磁気テープTを通常の記録再生モ
ードにおける走行速度で走行させている状態で磁気記録
再生装置に記録再生動作を行なわせている場合の揺動案
内部材107の揺動状態を示している図であり、また、
図10の(e)は下ドラムDfにおける小径部106と
大径部との境界の縁部にドラムベースの基準面に対して
角度θsだけ傾斜した状態の傾斜面Foに揺動案内部材
107の傾斜面107uが当接された状態に揺動案内部
材107が図示されていない駆動機構によって揺動駆動
された場合の状態、すなわち、磁気テープTを停止させ
ている状態で磁気記録再生装置に記録再生動作を行なわ
せている場合の揺動案内部材107の揺動状態を示して
いる図である。なお、図10の(d)と図10の(e)
とにおけるTp/2の表示は、磁気記録再生装置の動作
モードの変更に応じて揺動案内部材107における傾斜
面107uの位置が切換変更された場合でも、ドラムに
対する磁気テープTの巻付角の中央部と対応する部分P
90の基準面からの高さがH90である場合には、ドラムに
対する磁気テープTの巻付けの両端部における磁気テー
プの基準縁Teの位置は、磁気記録再生装置の動作モー
ドの変更に応じて1トラックピッチの半分(Tp/2)
だけの位置ずれが生じることを示しているものである。
【0039】図9に示してある本発明の磁気記録再生装
置の実施例において、小径部106が形成されている下
ドラムDfにおける小径部106に揺動案内部材107
を遊嵌し、この揺動案内部材107を下ドラムDFの小
径部106に設けた孔112の位置で揺動支点110,
111により揺動自在に支持されている揺動案内部材1
07は、例えばプランジャ126の動作によって揺動変
位される。図9において128はプランジャ126の作
動体、127はスプリングであり、プランジャ126に
通電されて作動杆128が図中で下方に変位すると、揺
動案内部材107は図10の(e)の状態になるように
揺動され、また、プランジャ126への通電が遮断され
るとスプリング127の作用によって作動杆128が図
中で上方に変位して、揺動案内部材107が図10の
(d)の状態になるように揺動されるのである。揺動案
内部材107は、例えばプランジャ126の動作によっ
て揺動駆動される。なお、揺動案内部材107の位置を
定めるためのストッパとしては、前記のように下ドラム
Dfにおける小径部106と大径部との境界の縁部にド
ラムベースの基準面に対して角度θoだけ傾斜した状態
の傾斜面Fsと、下ドラムDfにおける小径部106と
大径部との境界の縁部にドラムベースの基準面に対して
角度θsだけ傾斜した状態の傾斜面Foとが用いられる
だけではなく、前記した傾斜面Fsによって定められる
傾斜角とと傾斜面Foによって定められる傾斜角との間
の任意の特定な傾斜角で揺動案内部材107における傾
斜面107uの位置が設定されるように設けたストッパ
によって揺動案内部材107の傾斜面107uの位置が
定められるようになされてもよい。また、揺動案内部材
107の揺動変位のための駆動源は、図9中に示されて
いるようなプランジャ126に限られるものではなく、
例えばステッピングモータを揺動案内部材107の揺動
変位のための駆動源として用いれば、揺動案内部材10
7の位置を磁気テープTを通常の記録再生モードにおけ
る走行速度で走行させている状態で磁気記録再生装置が
記録再生動作を行なっている場合の位置と、磁気テープ
Tを停止させている状態で磁気記録再生装置が記録再生
動作を行なっている場合の位置との2つの位置の他に、
任意のスローモーション比でのスローモーション再生動
作が行なわれる場合の位置に設定させることもできる。
なお、磁気テープTの走行系の構成態様に変化を与えな
い状態の範囲内において磁気テープTの走行速度を変化
させた状態と対応して前記した揺動案内部材107の傾
斜面107uの傾斜角度を変化させるようにして本発明
が実施されてもよいことは勿論である。
【0040】図9乃至図11を参照して説明した磁気記
録再生装置では、小径部106を形成させてある下ドラ
ムDfにおける小径部106と大径部との境界の縁部
を、ドラムに対する磁気テープTの巻付角の中央部を境
にした両側の部分の一方側の部分の少なくとも一部をド
ラムベースの基準面に対して角度θsだけ傾斜した状態
の面にするとともに、ドラムに対する磁気テープTの巻
付角の中央部を境にした両側の部分の他方側の部分の少
なくとも一部をドラムベースの基準面に対して角度θo
だけ傾斜した状態の面としてある下ドラムDfにおける
小径部106に、一定の傾斜角を有する面107uを構
成させてある揺動案内部材107を揺動自在に取付け
て、磁気記録再生装置の動作モードに応じて前記した揺
動案内部材107を揺動変位させるようにしていたが、
本発明は図12に例示するように揺動案内部材113を
固定的に設けておき、前記した揺動案内部材113に対
してドラム構体を揺動自在に取付けて、磁気記録再生装
置の動作モードに応じて前記したドラム構体を揺動案内
部材113に対して揺動変位させるようにしてもよいの
である。なお、図12の(a)〜(c)には下ドラムDfの
部分だけを図示し、回転ドラムDrの部分の図示は省略
されている。
【0041】さて、図12の(a)〜(c)に示されている
磁気記録再生装置において、下ドラムDfにおける小径
部106と大径部との境界の縁部は、既述のようにドラ
ムに対する磁気テープTの巻付角の中央部を境にした両
側の部分の一方側の部分における少なくとも一部にドラ
ムベースの基準面に対して角度θsだけ傾斜した状態の
面Foが設けられているとともに、ドラムに対する磁気
テープTの巻付角の中央部を境にした両側の部分の他方
側の部分における少なくとも一部がドラムベースの基準
面に対して角度θoだけ傾斜した状態の面Fsが設けら
れているような構成態様になされている。そして、下ド
ラムDfに対して図中の白太矢印のような駆動力が図示
されていない駆動源から加えられると、揺動支点114
を揺動中心にして下ドラムDfが揺動案内部材113に
対して揺動変位する。それで、例えば図12の(b)に
示されているように前記した揺動案内部材113の傾斜
面113uに前記した傾斜面Fsが当接された状態にな
るように下ドラムDfをΔLだけ揺動させたり、あるい
は図12の(c)に示されているように前記した揺動案
内部材113の傾斜面113uに前記した傾斜面Foが
当接された状態になるように下ドラムDfをΔLだけ揺
動させたりすることにより、図12に例示されている磁
気記録再生装置においても図9乃至図11を参照して説
明した磁気記録再生装置の場合と同様な記録再生動作を
行なうことができるようにすることは容易に理解でき
る。
【0042】次に、図13に示す本発明の磁気記録再生
装置の実施例について説明する。図13において115
は下ドラムDfの外周に嵌合して使用される螺旋回動案
内部材である。この螺旋回動案内部材115はそれの一
端面に傾斜面115uが形成されており、また、螺旋回
動案内部材115の周面における180度対称の位置に
はカム溝117,119が穿設されている。そして、螺
旋回動案内部材115の周面における180度対称の位
置に穿設されている前記のカム溝117,119には、
下ドラムDfの外周における180度対称の位置に植設
されるピン116,118が挿通される。それで、前記
の回動案内部材115が、平面図を示している図13の
(c)中に示されているようなプランジャ121によっ
て矢印129の方向と矢印130の方向に駆動変位され
ると、螺旋回動案内部材115は下ドラムDfの外周で
螺旋状の回動々作を行なって螺旋回動案内部材115に
おける傾斜面115uの位置が一部の側断面図を示す図
13の(d)中に示されている実線115uoの位置と
点線115usとの間で変化する。前記のように螺旋回
動案内部材115の周面における180度対称の位置に
穿設されているカム溝117,119に挿通されている
ピン116,118は下ドラムDfの外周における18
0度対称の位置に植設されているから、前記した2つの
ピン116,118を結ぶ直線に直交する垂直二等分面
の位置がドラムに対する磁気テープTの巻付角の中央部
と対応する部分P90となされるようにすると、前記した
磁気テープTの巻付角の中央部と対応する部分P90にお
ける螺旋回動案内部材115における傾斜面115uの
基準面からの高さH90は、螺旋回動案内部材115が螺
旋回動を行なっても変化しない。図において122はプ
ランジャ121の作動体であり、また123はスプリン
グ、120はプランジャ121の作動体122と螺旋回
動案内部材115との連結部材である。
【0043】前記のように螺旋回動案内部材115が下
ドラムDfの外周で螺旋状の回動々作を行なって螺旋回
動案内部材115における傾斜面115uの位置が一部
の側断面図を示す図13の(d)中に示されている実線
115usの位置になされた場合には、螺旋回動案内部
材115における傾斜面115uのドラムベースに対す
る傾斜角はθoとなされて、この状態における螺旋案内
部材115の傾斜面115uは、磁気テープTを通常の
記録再生モードにおける走行速度で走行させている状態
で磁気記録再生装置が記録再生動作を行なっている場合
に磁気テープTの基準縁Teが位置されるべき磁気テー
プTの基準縁Teの位置に一致している状態になされる
のであり、また、螺旋回動案内部材115が下ドラムD
fの外周で螺旋状の回動々作を行なって螺旋回動案内部
材115における傾斜面115uの位置が一部の側断面
図を示す図13の(d)中に示されている点線115u
oの位置になされた場合には、螺旋回動案内部材115
における傾斜面115uのドラムベースに対する傾斜角
はθsとなされて、この状態における螺旋案内部材11
5の傾斜面115uは、磁気テープTを停止させている
状態で磁気記録再生装置が記録再生動作を行なっている
場合に磁気テープTの基準縁Teが位置されるべき磁気
テープTの基準縁Teの位置に一致している状態になさ
れる。それで、磁気記録再生装置の動作モードと対応し
て前記した螺旋回動案内部材115を下ドラムDfの外
周で所定の方向に螺旋状の回動々作を行なわせることに
より、磁気テープTが通常の記録再生モードにおける走
行速度で走行している状態と、磁気テープTが停止状態
になされている状態との双方の場合において、螺旋回動
案内部材115における傾斜面115uの位置を、それ
ぞれの動作モード時に必要とされている正しい位置に設
定された状態で、螺旋回動案内部材115における傾斜
面115uにより磁気テープの基準縁Teを案内するこ
とができることになる。
【0044】これまでに説明した本発明の磁気記録再生
装置の各実施例においては、動作モードに応じて回転磁
気ヘッドの回転軌跡と磁気テープTの基準縁Teとの相
対的な位置を切換変更することにより、磁気テープTが
予め定められた走行速度で走行している状態において回
転磁気ヘッドの回転軌跡によって磁気テープTに形成さ
れる記録跡の延長方向と磁気テープTの基準縁Teとな
す傾斜角と、停止状態の磁気テープTに対して回転磁気
ヘッドの回転軌跡によって磁気テープTに形成される記
録跡の延長方向とが磁気テープTの基準縁Teとなす傾
斜角とを同一にさせるようにしているが、前記のように
して同一の時間と対応して磁気テープTに記録形成され
る記録跡の長さは既述のように異なるものとなるから、
例えば時間軸変換装置を使用する等の周知の手段を適用
して前記の問題を解決することは望ましい実施の態様で
ある。
【0045】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の磁気記録再生装置はドラムの周面の一
部に摺接しながら予め定められた速度Vsで走行してい
る磁気テープTに、予め定められた回転数Nsで回転し
ている回転磁気ヘッドHa(Hb)により磁気テープT
の基準縁Teとのなす角度が角度θsであるような記録
跡Tra(Trb)が形成されるとした場合に、前記のド
ラムの周面の一部に走行を停止させた状態で摺接させて
ある磁気テープTに、予め定められた回転数Nsで回転
している回転磁気ヘッドHa(Hb)により磁気テープT
の基準縁Teとのなす角度が角度θsであるような記録
跡を、ドラムに対する磁気テープTの巻付角の中央部に
おける磁気テープTの基準縁Teの位置が実質的に同一
に保持されている状態において磁気テープTに形成され
るように、磁気テープTの基準縁Teの位置を、磁気テ
ープTの走行速度の切換え変更と対応して磁気テープT
の基準縁Teに沿う形態の構成部分を用いて安定に切換
え変更することができるので、本発明によればそれの実
施に当ってアクチュエータや高価なスリップリングを余
分に使用するようなことも必要とされず、簡単な構成に
より既述した従来の問題点はすべて良好に解決できるの
であり、それの駒どり機能によってVTRを例えばコン
ピュータ用の大容量メモリとして、あるいは例えば家庭
でのアニメーションの制作に容易に使用できる等、VT
Rの利用範囲を著るしく拡大させることもでき、また、
多くの技術分野におけるVTRの応用範囲も拡大させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録再生装置の一実施例の斜視図
である。
【図2】図1に示した本発明の磁気記録再生装置の分解
斜視図である。
【図3】図1に示した本発明の磁気記録再生装置の要部
の構成を説明するために使用される概略側面図である。
【図4】本発明の磁気記録再生装置の一実施例の斜視図
(a)と要部の側面図(b)である。
【図5】図4に示した本発明の磁気記録再生装置の分解
斜視図である。
【図6】本発明の磁気記録再生装置の一実施例の斜視図
(a)と要部の側面図(b)である。
【図7】図6に示した本発明の磁気記録再生装置の分解
斜視図である。
【図8】本発明の磁気記録再生装置の一実施例の一部の
斜視図(a)と要部の動作態様の説明図(b)である。
【図9】本発明の磁気記録再生装置の分解斜視図(a),
(b)と一部の斜視図である。
【図10】図9に示した本発明の磁気記録再生装置の動
作を説明するための図である。
【図11】図9に示した本発明の磁気記録再生装置の動
作原理及び構成原理を説明するための図である。
【図12】本発明の磁気記録再生装置の一実施例の側面
図である。
【図13】本発明の磁気記録再生装置の一実施例の一部
の斜視図(a),(b)と平面図(c)と要部の側面図(b)で
ある。
【図14】磁気記録再生装置の磁気テープの走行系の斜
視図である。
【図15】磁気テープのトラックパターンの平面図であ
る。
【図16】磁気記録再生装置の磁気テープの走行系の一
部の斜視図(a)と平面図(b)と磁気テープの基準面
の位置変化の説明図(c),(d)である。
【符号の説明】
DA…ドラム構体、DB…ドラムベース、Dr…回転ド
ラム、Df…下ドラム、M…モータ、Ha,Hb…回転
磁気ヘッド、T…磁気テープ、Te…磁気ヘッドTの基
準縁、P90…ドラムに対する磁気テープTの巻付角の中
央部の位置、SF…基準面、Fs…下ドラムDfにおけ
る小径部106と大径部との境界の縁部にドラムベース
の基準面に対して角度θoだけ傾斜した状態の傾斜面、
Fo…下ドラムDfにおける小径部106と大径部との
境界の縁部にドラムベースの基準面に対して角度θsだ
け傾斜した状態の傾斜面、1…供給リール台、2…巻取
りリール台、3,4…傾斜ガイド(スラントポール)、
5,6…ガイドローラ、7…インピーダンスローラ、8
…キャプスタン、9…ピンチローラ、10…全巾消去ヘ
ッド、11…音声ヘッド及びコントロールヘッド、30
…平歯車、31…環状の案内部材、31s,31o…環
状の案内部材の案内面、34…回動駆動用モータ、39
s,39o…下ドラムDfの外周部に構成させた案内
面、72,107,113…揺動案内部材、72u…傾
斜面、73,74…揺動案内部材72を下ドラムDfに
対して揺動自在に支持するための揺動支点、82…プラ
ンジャーの本体の筐体、83…スプリング、84…作動
体、100…ギヤードモータ、101…回転軸、102
…ピニオン、103…ラック、125…揺動案内部材7
2におけるラック103が固着されている部分とは反対
側に取付けられているスプリング、106…下ドラムD
fの小径部、110,111…揺動案内部材107の揺
動支点、115…下ドラムDfの外周に嵌合して使用さ
れる螺旋回動案内部材、117,119…カム溝、11
6,118…ピン、115u…螺旋回動案内部材115
の傾斜面、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川瀬 茂 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12 番地日本ビクター株式会社内 (72)発明者 西間 亮 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12 番地日本ビクター株式会社内 (56)参考文献 実開 昭61−158633(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 15/61 G11B 5/008 G11B 5/588

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドラムの周面の一部に摺接しながら予め
    定められた速度Vsで走行している状態の磁気テープ
    と、ドラムの周面の一部に走行を停止させた状態で摺接
    させてある磁気テープとの何れの場合の磁気テープにつ
    いても、ドラムに対する磁気テープの巻付角の中央部に
    おける磁気テープの基準縁の位置が実質的に同一に保持
    されている状態において、予め定められた回転数Nsで
    回転している回転磁気ヘッドによって磁気テープに形成
    される記録跡が、磁気テープの基準縁と記録跡の延長方
    向とが予め定められたθsの角度となされる状態で前記
    した磁気テープの走行速度の切換え変更と対応して磁気
    テープ上に形成されるように、前記した磁気テープの走
    行速度の切換え変更と対応して磁気テープの基準縁の位
    置の切換え変更が行なわれるようにした磁気記録再生装
    置であって、下ドラムの周面に回動自在に嵌合される環
    状体における一方の端面に、前記した磁気テープの走行
    時における磁気テープの基準縁の案内部と磁気テープの
    停止時における磁気テープの基準縁の案内部とを周方向
    に順次に構成させるとともに、前記した磁気テープの走
    行速度の切換え変更と対応して前記した環状体を周方向
    に回動させて、前記した環状体における一方の端面に構
    成されている磁気テープの基準縁の案内部の内の所定の
    ものが磁気テープの基準縁の案内のために選択使用され
    るようにする手段を備えてなる磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】 ドラムの周面の一部に摺接しながら予め
    定められた速度Vsで走行している状態の磁気テープ
    と、ドラムの周面の一部に走行を停止させた状態で摺接
    させてある磁気テープとの何れの場合の磁気テープにつ
    いても、ドラムに対する磁気テープの巻付角の中央部に
    おける磁気テープの基準縁の位置が実質的に同一に保持
    されている状態において、予め定められた回転数Nsで
    回転している回転磁気ヘッドによって磁気テープに形成
    される記録跡が、磁気テープの基準縁と記録跡の延長方
    向とが予め定められたθsの角度となされる状態で前記
    した磁気テープの走行速度の切換え変更と対応して磁気
    テープ上に形成されるように、前記した磁気テープの走
    行速度の切換え変更と対応して磁気テープの基準縁の位
    置の切換え変更が行なわれるようにした磁気記録再生装
    置であって、下ドラムの周面に前記した磁気テープの走
    行時における磁気テープの基準縁の案内部と磁気テープ
    の停止時における磁気テープの基準縁の案内部とを周方
    向に順次に構成させるとともに、前記した磁気テープの
    走行速度の切換え変更と対応して前記した下ドラムを周
    方向に回動させて、前記した下ドラムに構成されている
    磁気テープの基準縁の案内部の内の所定のものが磁気テ
    ープの基準縁の案内のために選択使用されるようにする
    手段を備えてなる磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】 ドラムの周面の一部に摺接しながら予め
    定められた速度Vsで走行している状態の磁気テープ
    と、ドラムの周面の一部に走行を停止させた状態で摺接
    させてある磁気テープとの何れの場合の磁気テープにつ
    いても、ドラムに対する磁気テープの巻付角の中央部に
    おける磁気テープの基準縁の位置が実質的に同一に保持
    されている状態において、予め定められた回転数Nsで
    回転している回転磁気ヘッドによって磁気テープに形成
    される記録跡が、磁気テープの基準縁と記録跡の延長方
    向とが予め定められたθsの角度となされる状態で前記
    した磁気テープの走行速度の切換え変更と対応して磁気
    テープ上に形成されるように、前記した磁気テープの走
    行速度の切換え変更と対応して磁気テープの基準縁の位
    置の切換え変更が行なわれるようにした磁気記録再生装
    置であって、下ドラムに対する磁気テープの巻付角の中
    央部に設けられた揺動支点で支持されて下ドラムの周面
    に揺動自在に遊嵌される環状体を、それの一方の端面が
    前記した磁気テープの走行時における磁気テープの基準
    縁の案内部として用いられうるような揺動変位の状態に
    なされる第1の揺動位置と、磁気テープの停止時におけ
    る磁気テープの基準縁の案内部として用いられうるよう
    な揺動変位の状態になされる第2の揺動位置とに、前記
    した磁気テープの走行速度の切換え変更と対応して切換
    え変位されるように駆動する手段を備えてなる磁気記録
    再生装置。
  4. 【請求項4】 ドラムの周面の一部に摺接しながら予め
    定められた速度Vsで走行している状態の磁気テープ
    と、ドラムの周面の一部に走行を停止させた状態で摺接
    させてある磁気テープとの何れの場合の磁気テープにつ
    いても、ドラムに対する磁気テープの巻付角の中央部に
    おける磁気テープの基準縁の位置が実質的に同一に保持
    されている状態において、予め定められた回転数Nsで
    回転している回転磁気ヘッドによって磁気テープに形成
    される記録跡が、磁気テープの基準縁と記録跡の延長方
    向とが予め定められたθsの角度となされる状態で前記
    した磁気テープの走行速度の切換え変更と対応して磁気
    テープ上に形成されるように、前記した磁気テープの走
    行速度の切換え変更と対応して磁気テープの基準縁の位
    置の切換え変更が行なわれるようにした磁気記録再生装
    置であって、下ドラムにおいて磁気テープが摺接状態と
    なされる外周面の部分における磁気テープの基準縁が位
    置している部分付近に、下ドラムに対する磁気テープの
    巻付角の中央部を境にしてその一方側の少なくとも一部
    には磁気テープの走行時における磁気テープの基準縁の
    案内部と対応する第1の縁部形状が、その他方側の少な
    くとも一部には磁気テープの停止時における磁気テープ
    の基準縁の案内部と対応する第2の縁部形状が、それぞ
    れ形成されるような態様で下ドラムに小径の部分を構成
    し、また、前記した下ドラムに対する磁気テープの巻付
    角の中央部に設けられた揺動支点で支持されて下ドラム
    における前記の小径の部分の外周に揺動自在に遊嵌され
    ている環状体の一方の端面を、前記した磁気テープの走
    行速度の切換え変更と対応して前記した下ドラムにおけ
    る前記した第1の縁部形状を有する磁気テープの基準縁
    の案内部の端面部の位置と第2の縁部形状を有する磁気
    テープの基準縁の案内部の端面部の位置との範囲内の所
    定の位置に選択的に切換えるように駆動する手段を備え
    てなる磁気記録再生装置。
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