JPH09143689A - 多孔質蒸着材料及びその製造方法 - Google Patents

多孔質蒸着材料及びその製造方法

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JPH09143689A
JPH09143689A JP33272995A JP33272995A JPH09143689A JP H09143689 A JPH09143689 A JP H09143689A JP 33272995 A JP33272995 A JP 33272995A JP 33272995 A JP33272995 A JP 33272995A JP H09143689 A JPH09143689 A JP H09143689A
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deposition material
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sio
vapor
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Toshiaki Yoshihara
俊昭 吉原
Ryukichi Matsuo
龍吉 松尾
Kyoichi Yamamoto
恭市 山本
Takashi Miyamoto
隆司 宮本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子フィルムなどの基材上に蒸着させてガ
スバリア性の包装材料を製造するための蒸着材料であっ
て、生産性向上のために高い出力レベルの電子ビーム加
熱蒸着法を利用した場合でもスプラッシュ現象の発生を
抑制でき、低コストでガスバリア性包装材料を製造する
ことを可能とする蒸着材料を提供する。 【解決手段】 多孔質蒸着材料の密封気孔率を10%以
下とし、且つ嵩密度を真密度の30〜70%とする。こ
の多孔質蒸着材料は、粉状金属又は粉状無機化合物を含
有するスラリーを湿式成形し、その成形の際にゲル化さ
せ、得られた成形物を乾燥し焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリア性薄膜
が高分子フィルムなどの基材上に蒸着されてなるガスバ
リア性包装材料を製造する際に使用する金属もしくはセ
ラミックス蒸着材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、食品や医薬品等の包装材料に
対しては、内容物の変質を防止することが求められてい
る。例えば、食品用包装材料に対しては、タンパク質や
油脂等の酸化や変質を抑制し、更に風味や鮮度を保持で
きることが求められ、また、無菌状態での取扱が必要と
される医薬品用包装材料に対しては、内容物の有効成分
の変質を防止し、その薬効を保持できることが求められ
ている。
【0003】ところで、このような内容物の変質は、包
装材料を透過する酸素や水蒸気あるいは内容物と反応す
るような他のガスにより主として引き起こされている。
【0004】従って、食品や医薬品等の包装材料に対し
ては、酸素や水蒸気などのガスを透過させない性質(ガ
スバリア性)を備えていることが求められており、その
ような性質を有する包装材料として、アルミニウムなど
の金属、一酸化ケイ素(SiO)、ケイ素酸化物(Si
Ox)、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属
酸化物あるいはこれらの複合酸化物、更には金属フッ化
物などのガスバリア性物質を高分子フィルム基材に蒸着
させたガスバリア性フィルム材料が知られているが、中
でも高分子フィルム基材に一酸化ケイ素が蒸着された材
料が、高い透明性と高いガスバリア性の点とから注目さ
れている。
【0005】このような一酸化ケイ素が蒸着されたフィ
ルム材料は、蒸着材料であるSiOを抵抗加熱法により
高分子フィルムに真空蒸着させることにより製造されて
いる。そしてこの場合、蒸着材料のSiOは、SiとS
iO2とを原料として真空蒸着法により製造されてい
る。
【0006】しかし、このように真空蒸着法により製造
された蒸着材料は、以下の(1)及び(2)に示すよう
な欠点を有している。
【0007】(1)真空蒸着法は大量生産に適した製造
方法ではないので、SiOをはじめとする蒸着材料の製
造コストが高くなるという問題がある。
【0008】(2)真空蒸着法により製造されたSiO
等の蒸着材料は真密度に非常に近い密度を有し、非常に
緻密な構造となっている。このため、この蒸着材料を蒸
着させてフィルム材料を製造した場合には、蒸着の際の
加熱による熱衝撃や内部から発生するガスの圧力などに
より、気化していない蒸着材料が、高温の微細な粒のま
ま飛散する現象(スプラッシュ現象)が生じやすいとい
う問題がある。このような高温の微細粒が蒸着基材であ
る高分子フィルムに衝突した場合には、SiOなどの蒸
着材料の蒸着により形成した薄膜にピンホールが生じて
ガスバリア性が低下するという問題や、蒸着材料の蒸着
により形成した薄膜を有する包装材料をロールに巻き取
る際に、その微細粒が包装材料の間に巻取られ、最終的
に製品中に混入するという問題もある。また、場合によ
り高分子フィルム基材に貫通孔を生じさせるという問題
も生じる。
【0009】また、近年では、坩堝や加熱ヒーターなど
を使用する従来の抵抗加熱蒸着法に代えて、蒸着材料を
局部的且つ急速に加熱でき、しかも包装材料の生産性を
高めるために蒸着材料の堆積速度を速めて巻取蒸着加工
速度を向上させることのできる電子ビーム加熱蒸着法が
採用される傾向があるが、この電子ビーム加熱蒸着法の
場合、抵抗加熱蒸着法の場合に比べ、蒸着材料が受ける
熱衝撃のレベルが格段と高くなるので、上記(2)の問
題がいっそう顕著に現れるようになる。
【0010】そこで、従来、このような問題を解決する
ために、例えば、SiOを高分子フィルム基材に蒸着さ
せる場合、蒸着材料(SiO)を真空蒸着法により予め
SiとSiO2とから製造しておくのではなく、Siと
SiO2とを乾式で混合して加圧成形し焼結したものを
SiO用の蒸着材料とすることが提案されている(特開
昭63−310961号公報)。あるいは、Si粉末と
SiO2粉末とケイ酸ナトリウムなどの塩基性アルカリ
金属化合物と水などの媒体とを混合して粘土状混合物を
作り、発生する水素ガスを利用して発泡成形し、乾燥後
に焼成したものをSiO用の蒸着材料とすることが提案
されている(特開平4−353531号公報、特開平4
−353532号公報)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−310961号公報や特開平4−353531号
公報又は特開平4−353532号公報に記載されたよ
うに製造された蒸着材料は、焼結法を利用しているため
に比較的低コストで製造できるが、(2)の問題に関し
ては、生産性を向上させる目的で電子ビームの出力レベ
ルを従来以上にあげた場合、十分な程度にまでスプラッ
シュ現象を抑制することができないという問題があっ
た。
【0012】特に、特開平4−353531号公報及び
特開平4−353532号公報に記載された蒸着材料の
場合、蒸着材料中にアルカリ金属が残留し、ガスバリア
性蒸着膜の性能に悪影響を与えるという問題もあった。
更に、発泡により多孔質化した蒸着材料は大きな気孔を
有するが、微視的には非気孔部分に緻密相が存在するの
で、その緻密相におけるスプラッシュ現象の発生を十分
に抑制することができないという問題もあった。
【0013】これらの問題は、SiOを蒸着させる場合
のみならず、蒸発温度がSiOより高いために電子ビー
ムの出力レベルをあげることが必要となるAl23やM
gOなどを蒸着させる場合にはより顕著なものとなる。
【0014】本発明は、以上の従来技術の問題を解決し
ようとするものであり、高分子フィルムなどの基材上に
蒸着させてガスバリア性の包装材料を製造するための蒸
着材料であって、生産性向上のために高い出力レベルの
電子ビーム加熱蒸着法を利用した場合でもスプラッシュ
現象の発生を抑制でき、低コストでガスバリア性包装材
料を製造することを可能とする蒸着材料を提供すること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、特定の密封
気孔率と嵩密度とを有する蒸着材料が上述の目的を達成
できること、しかもそのような蒸着材料が、金属粉末又
は無機化合物粉末を含有するスラリーを湿式成形し、そ
の際にゲル化させ、その後に乾燥し焼結することにより
得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0016】即ち、本発明は、密封気孔率が10%以下
であり且つ嵩密度が真密度の30〜70%である多孔質
蒸着材料を提供する。
【0017】また、本発明は、密封気孔率が10%以下
であり且つ嵩密度が真密度の30〜70%である多孔質
蒸着材料の製造方法において、金属又は無機化合物の粉
末を含有するスラリーを湿式成形し、その成形の際にゲ
ル化させ、得られた成形物を乾燥し焼成することを特徴
とする多孔質蒸着材料の製造方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明の蒸着材料は多孔質構造を有する。
従って、本発明の蒸着材料は電子ビームによる熱衝撃に
対して破壊されにくくなる。即ち、耐熱衝撃性が向上
し、スプラッシュ現象が抑制されたものとなる。また、
一般に、緻密構造よりも多孔質構造の方が熱伝導性が低
いので、蒸着の際に予め予備加熱しておけば、蒸着材料
の移動時、例えば坩堝に入れる際に蒸着材料の温度の大
幅な低下を防止することができ、急激な熱変化を抑制す
ることができる。更に、蒸着材料が多孔質構造を有する
と、電子ビーム加熱の際に粒子間の焼結やガラス相の生
成を抑制することができる。また、上述のように、スプ
ラッシュ現象が抑制されているので、電子ビーム加熱に
よる蒸着の際には蒸着材料の表層に高融点物が濃縮され
て残留層を形成するので、これによっても電子ビーム加
熱の際の焼結による緻密化や溶融層の生成を抑制するこ
とができる。このため、本発明の蒸着材料は、蒸発速度
を低下させることなく、その多孔質構造を保持すること
ができる。このように、本発明の蒸着材料によれば、蒸
着材料内部からの蒸気の突沸などによるスプラッシュ現
象を抑制することができる。
【0020】また、本発明の蒸着材料の密封気孔率は、
10%以下、好ましくは5%以下である。これは、密封
気孔率が10%を超えると、蒸着材料の内部から発生し
たガスの通過抵抗が大きくなり、しかも微視的な緻密相
が増加するので、十分にスプラッシュ現象を抑制するこ
とができないためである。
【0021】また、本発明の蒸着材料の嵩密度は、真密
度の30〜70%、好ましくは40〜60%である。嵩
密度が真密度の30%未満であると、蒸着材料が大きな
容積を必要とするので、限られた坩堝容積に収容できな
くなるおそれがある。また、嵩密度が真密度の70重量
%を超えると、材料が緻密となり、急激な加熱による熱
衝撃に耐えられなくなるおそれがある。
【0022】なお、蒸着材料の気孔の径を大きくする
と、その材料のある領域においては気孔率を向上させる
ことができるが、微視的には、なお緻密相が存在し、材
料が不均一な状態となり、スプラッシュ現象が抑制しに
くくなる。従って、蒸着材料の最大気孔径は1mm以
下、好ましくは0.5mm以下として、材料全体を均質
な多孔質構造とすることが好ましい。
【0023】本発明の蒸着材料を構成する物質(原料)
としては、金属又は金属酸化物、金属フッ化物等の無機
化合物を使用することができる。このような金属として
は、Si、Al、Ti、Ca、Zr、Sn、Mg等を挙
げることができる。金属酸化物としてはSiO、SiO
2、Al23、MgO、TiO2等を挙げることができ
る。金属フッ化物としては、CaF2、MgF2等を挙げ
ることができる。なかでも、SiとSiO2とを原料と
して構成されたものが、ガスバリア性に優れたSiO膜
を形成できるので好ましい。この場合、化学量論的にほ
ぼ等しい量のSiとSiO2とを使用することにより、
真空度を低下させず安定した蒸発速度で蒸着を進行させ
て蒸着材料の利用効率を高めることができ、更にスプラ
ッシュ現象を抑制することができるので好ましい。
【0024】なお、これらの金属又は金属酸化物、金属
フッ化物等の無機化合物は、粉末状で使用することが好
ましく、この場合の平均粒径はそれらの形成方法などに
より定まるが、一般に50μm以下の径のものが特に好
ましい。
【0025】本発明の蒸着材料は、金属又は無機化合物
の粉末を含有するスラリーを湿式成形し、その成形の際
にゲル化させ、得られた成形物を乾燥し焼成することを
特徴とする多孔質蒸着材料の製造方法により製造するこ
とができる。
【0026】本発明の製造方法においては、まず、上述
のような金属又は無機化合物の粉末を含有するスラリー
を常法に従って調製する。ここで、スラリー化する際に
使用する媒体としては、水、アルコールあるいはこれら
の混合媒体を使用することができる。
【0027】次に、得られたスラリーを鋳型成形やドク
ターブレード成形などの湿式成形法により成形するが、
この成形の際にスラリーをゲル化させることが必要であ
る。ゲル化させることにより、3次元網目構造が形成さ
れる。この構造は焼成後もある程度保持できるので、1
0%以下の密封気孔率と真密度の30〜70%の嵩密度
を蒸着材料に実現することができる。なお、スラリーの
調整に際しては、原料粒子の大きさ、使用量、媒体の量
と種類、ゲル化時間等を適宜調整して、形成される蒸着
材料の密封気孔率や嵩密度を調整することが好ましい。
【0028】また、スラリーのゲル化を行う際に、公知
の有機バインダーや、シリカゾルやアルミナゾル等の金
属酸化物ゾルや、テトラエトキシシラン、トリイソプロ
ポキシアルミニウム、テトラエトキシチタン、テトラエ
トキシジルコニウムなどの金属アルコキシド等の無機バ
インダーを使用することができるが、蒸着材料の構成元
素種等に応じて無機系バインダーを使用することが特に
好ましい。例えば、蒸着材料がSiとSiO2とを原料
として構成される場合には、無機バインダーとして、シ
リカゾルやテトラエトキシシランなどを使用することが
好ましい。これにより、塩基性アルカリ金属化合物を使
用することなく低温下で金属や無機化合物の粉末を十分
に結合させることができる。特に、金属粉末を使用した
場合には、それらのバインダーが金属の表面を保護する
機能を有するので、大気雰囲気中での焼成も可能とな
り、より製造コストを下げることができる。
【0029】なお、シリカゾルによるゲル化は、スラリ
ーに塩酸などの酸を添加してゾルを不安定化することに
より行うことができる。また、テトラエトキシシランに
よるゲル化は、テトラエトキシシランの加水分解と競争
的に生じる重縮合がポキシロキサンを形成することによ
り行うことができる。他の金属酸化物ゾルや金属アルコ
キシドによるゲル化も同様の手法で実現することができ
る。
【0030】次に、ゲル化した成形物を乾燥し、更に2
00〜1500℃程度の温度で焼成する。これにより、
本発明の蒸着材料が得られる。この場合、大気雰囲気中
で焼成してもよく、不活性雰囲気中で焼成してもよい。
【0031】このようにして得られる本発明の蒸着材料
は、従来の蒸着材料と同様に真空蒸着法に適用すること
ができるが、特に従来の蒸着材料に対して適用すること
が困難であった電子ビーム加熱蒸着法に対しても、スプ
ラッシュ現象を生じさせることなく適用することができ
る。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0033】実施例1〜3 モル比1:1のSi粉末(50μm以下の径を有する粉
末が95%以上)、SiO2粉末(50μm以下の径を
有する粉末が95%以上)、平均粒径10nmのシリカ
ゾル、及び水を用いて固形分50%のスラリーを調製し
た。
【0034】次に、このスラリーに塩酸を添加し、その
pHを5〜6に調整し、型に流し込み、数時間放置して
十分にゲル化した。このゲル化物を乾燥した後、10℃
/分の速度で500℃まで昇温し、500℃で1時間焼
成することにより実施例1の蒸着材料を得た。得られた
蒸着材料の気孔率、密封気孔率、及び真密度に対する嵩
密度の割合を、幾何学的手法とアルキメデス法とにより
測定した。その結果を表1に示す。
【0035】同様に、原料粉末の粒径、バインダーと媒
体との使用量、ゲル化時間を調整することにより、表1
に示す気孔率、密封気孔率、及び真密度に対する嵩密度
の割合を有する実施例2及び3の蒸着材料を得た。
【0036】比較例1及び2 シリカゾルに代えてケイ酸ナトリウムを使用する以外は
実施例1と同様にスラリーを調製した。
【0037】得られたスラリーを型に流し込み、発泡成
形した。得られた成形物を乾燥した後に1200℃で焼
成することにより比較例1の蒸着材料を得た。得られた
蒸着材料の気孔率、密封気孔率、及び真密度に対する嵩
密度の割合を、幾何学的手法とアルキメデス法とにより
測定した。その結果を表1に示す。
【0038】同様に、原料粉末の粒径、バインダーと媒
体との使用量、ゲル化時間を調整することにより表1に
示す気孔率、密封気孔率、及び真密度に対する嵩密度の
割合を有する比較例2の蒸着材料を得た。
【0039】(評価)電子ビーム加熱方式の巻取式蒸着
装置を用いて、実施例1〜3及び比較例1及び2の蒸着
材料を、20m/分の速度で巻き取られている12μm
厚のポリエステルフィルムに、60nm厚のSiOが蒸
着するように堆積速度100nm/分で真空蒸着させる
ことによりガスバリア性包装材料を得た。同様に、20
0m/分の速度で流れている12μm厚のポリエステル
フィルムに、60nm厚のSiOが蒸着するように堆積
速度1000nm/分で真空蒸着させることによりガス
バリア性包装材料を得た。
【0040】これらの蒸着の際のスプラッシュ現象の有
無を目視にて観察し、以下の評価基準に従って評価し
た。その結果を表1に示す。
【0041】 スプラッシュ現象評価基準 ランク 状態 ◎ : 全くスプラッシュ現象が観察されない場合 ○ : スプラッシュ現象がわずかに観察されたが実用上全く問題がない 場合 △ : スプラッシュ現象が観察された場合 × : スプラッシュ現象が非常に多く観察され、実用に供せない場合
【0042】次に、堆積速度1000nm/分で真空蒸
着させることにより得られたガスバリア性包装材料の酸
素バリア性に関し、その酸素透過度[cc/cm2・atm・24hr]
を酸素透過度測定装置(MOCON OXTRAN 10/50A,モダンコ
ントロール社製)を用いて25℃−100%RH雰囲気
の条件で測定した。また、水蒸気バリア性に関し、その
水蒸気透過度[g/cm2・atm・24hr]を水蒸気透過度測定装置
(PERMATORAN W6, モダンコントロール社製)を用いて4
0℃−90%RH雰囲気の条件で測定した。得られた結
果を表1に示す。
【0043】
【表1】 実施例 比較例 1 2 3 1 2 Si/O比 1/1 1/1 1/1 1/1 1/1 気孔率(%) 35 50 65 20 35 密封気孔率(%) <5 <5 <5 <5 15 嵩密度割合(%) 62 49 36 80 62 スプラッシュ現象 (100nm/min) ◎ ◎ ◎ △ × (1000nm/min) ◎ ◎ ◎ × × ガスバリア性 酸素[cc/cm2・atm・24hr] 1.8 1.5 1.5 2.0 貫通孔有 水蒸気[g/cm2・atm・24hr] 1.2 1.0 1.0 1.5 貫通孔有
【0044】表1から、実施例1〜3の蒸着材料は、非
常に高い蒸発速度(電子ビームの出力レベルが高い場
合)で蒸着された場合でも、スプラッシュ現象は観察さ
せず、得られた包装材料のガスバリア性も良好であっ
た。
【0045】一方、比較例1の蒸着材料は、嵩密度が大
きく真密度に近いために、スプラッシュ現象が観察され
た。また、得られた包装材料のガスバリア性も低下して
いることがわかる。比較例2の蒸着材料は、密封気孔率
の割合が高過ぎるために、スプラッシュ現象が非常に多
く、基材に貫通孔が発生していた。
【0046】
【発明の効果】本発明の蒸着材料によれば、生産性向上
のために高い出力レベルの電子ビーム加熱蒸着法を利用
した場合でもスプラッシュ現象の発生を抑制でき、低コ
ストでガスバリア性包装材料を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 隆司 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密封気孔率が10%以下であり且つ嵩密
    度が真密度の30〜70%である多孔質蒸着材料。
  2. 【請求項2】 最大気孔径が1mm以下である請求項1
    記載の多孔質蒸着材料。
  3. 【請求項3】 SiとSiO2とを含有する請求項1又
    は2記載の多孔質蒸着材料。
  4. 【請求項4】 密封気孔率が10%以下であり且つ嵩密
    度が真密度の30〜70%である多孔質蒸着材料の製造
    方法において、金属又は無機化合物の粉末を含有するス
    ラリーを湿式成形し、その成形の際にゲル化させ、得ら
    れた成形物を乾燥し焼成することを特徴とする多孔質蒸
    着材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 スラリーがSi粉末とSiO2粉末とを
    含有する請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 スラリーのゲル化を無機系バインダーを
    用いて行う請求項4又は5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 無機系バインダーとしてシリカゾルを使
    用する請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 無機系バインダーとして金属アルコキシ
    ドを使用する請求項6記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 金属アルコキシドがテトラエトキシシラ
    ンである請求項8記載の製造方法。
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