JP5050879B2 - 透明ガスバリア性フィルムの製造方法 - Google Patents
透明ガスバリア性フィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5050879B2 JP5050879B2 JP2008017316A JP2008017316A JP5050879B2 JP 5050879 B2 JP5050879 B2 JP 5050879B2 JP 2008017316 A JP2008017316 A JP 2008017316A JP 2008017316 A JP2008017316 A JP 2008017316A JP 5050879 B2 JP5050879 B2 JP 5050879B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- vapor deposition
- gas barrier
- deposition material
- sio
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
したがって本発明の目的は、SiO蒸着材料を用いる透明ガスバリア性フィルムの製造方法において、SiOx蒸着フィルムが黄色味を帯びずに高い透明性を備えながら、優れたガスバリア性も付与できる前記製造方法を提供することにある。
前記SiO蒸着材料は、少なくとも金属ケイ素とその酸化物とシリカゾルを含み、かつ、固形分比が40%以上70%以下であるスラリーを乾燥、焼結したものであり、
前記SiO蒸着材料のO/Si比は1.4以上1.6以下であり、
前記SiO蒸着材料の嵩密度は60%以上80%以下である
ことを特徴とする透明ガスバリア性フィルムの製造方法である。
また本発明によれば、前記製造方法により得られた、優れた透明性およびガスバリア性を兼ね備えた透明ガスバリア性フィルムを提供することができる。
SiOをはじめとする無機酸化物の蒸着方式には、アルミニウム蒸着と同様の真空蒸着方式、スパッタリング方式などの物理的蒸着(PVD)方式、プラズマCVDなどの化学的蒸着方式が知られている。基材フィルムとして高分子樹脂フィルムを使用する可能性が高いこと、コストダウンのため巻取りで連続蒸着を行う必要があることを考慮すると真空蒸着方式が適しており、またSiOの融点は1700℃とアルミニウムと比較して高融点であるため、効率よくSiO蒸着材料を蒸発させるには真空蒸着方式のうち電子銃を用いたエレクトロンビーム(EB)方式が好ましい。また、この方式によれば抵抗加熱方式で必要な蒸着の前段階としての坩堝や蒸着材料の加熱を省くことが可能となり、蒸着材料を局部的かつ急速に加熱することができ生産性を高めることも期待できる。
Si粉末(50μm以下の径を有する粉末が95%以上)、SiO2粉末(50μm以下の径を有する粉末が95%以上)、平均粒径10nmのシリカゾル、及び水を用いて、固形分比57%のスラリーを調製した。なお、焼成後の蒸着材料が、真密度に対する嵩密度60%、酸素とケイ素との原子比(O/Si)1.58となるように混合造粒した。スラリーをプレス成形した後に、10℃/分の速度で800℃まで昇温し、800℃で1時間焼成することにより蒸着材料を得た。
この蒸着材料を、電子ビーム加熱方式のバッチ式真空蒸着装置を用いて、蒸発させ、成膜中の圧力が2.3×10−3Paにおいて厚さ168nmのSiOx膜を成膜した。ただし、このときの蒸着条件は以下の通りである。
加速電圧:5.9kV
エミッション電流:0.15 A
基材フィルム:PETフィルム 厚さ25μm(東レ社製T60)
実施例1において、焼成後の蒸着材料が、真密度に対する嵩密度73%、酸素とケイ素との原子比(O/Si)1.4となるように混合造粒したこと以外は実施例1を繰り返した。ただし、SiOx膜の厚さは183nmである。
実施例1において、焼成後の蒸着材料が、真密度に対する嵩密度78%、酸素とケイ素との原子比(O/Si)1.1となるように混合造粒したこと以外は実施例1を繰り返した。ただし、SiOx膜の厚さは165nmである。
実施例1において、焼成後の蒸着材料が、真密度に対する嵩密度63%、酸素とケイ素との原子比(O/Si)1.62となるように混合造粒したこと以外は実施例1を繰り返した。ただし、SiOx膜の厚さは160nmである。
実施例1において、焼成後の蒸着材料が、真密度に対する嵩密度83%、酸素とケイ素との原子比(O/Si)1.43となるように混合造粒したこと以外は実施例1を繰り返した。ただし、SiOx膜の厚さは172nmである。
実施例1において、スラリーの固形分比を38%としたこと以外は実施例1を繰り返した。蒸着材料を作成し目視で観察を行った。
材料のO/Si比・・・エネルギー分散形X線分析装置JED−2300(EDS、日本電子データム社製)
膜厚・・・蛍光X線分析装置(リガク社製)を用いて、事前に同様のサンプルをTEMにて測定し得た検量線の結果からSiOxの膜厚を求めた。
水蒸気透過度・・・JISZ0208法に基づき、40℃、90%の条件でカップ法により測定した。
光線透過率・・・分光光度計U-4000(日立製作所製、測定波長350nm)
色・・・目視による判断
結果を表1に示す。
Claims (1)
- 基材フィルムの少なくとも一方の面に、SiO蒸着材料を用い、反応ガスを導入しない雰囲気下でエレクトロンビーム(EB)蒸着方法によりSiOx膜を形成する透明ガスバリア性フィルムの製造方法であって、
前記SiO蒸着材料は、少なくとも金属ケイ素とその酸化物とシリカゾルを含み、かつ、固形分比が40%以上70%以下であるスラリーを乾燥、焼結したものであり、
前記SiO蒸着材料のO/Si比は1.4以上1.6以下であり、
前記SiO蒸着材料の嵩密度は60%以上80%以下である
ことを特徴とする透明ガスバリア性フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008017316A JP5050879B2 (ja) | 2008-01-29 | 2008-01-29 | 透明ガスバリア性フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008017316A JP5050879B2 (ja) | 2008-01-29 | 2008-01-29 | 透明ガスバリア性フィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009179819A JP2009179819A (ja) | 2009-08-13 |
JP5050879B2 true JP5050879B2 (ja) | 2012-10-17 |
Family
ID=41034022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008017316A Expired - Fee Related JP5050879B2 (ja) | 2008-01-29 | 2008-01-29 | 透明ガスバリア性フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5050879B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5353592B2 (ja) * | 2009-09-15 | 2013-11-27 | 凸版印刷株式会社 | 蒸着材料 |
JP5533049B2 (ja) * | 2010-03-08 | 2014-06-25 | 凸版印刷株式会社 | 蒸着材料およびその製造方法 |
JP5617358B2 (ja) * | 2010-06-08 | 2014-11-05 | 凸版印刷株式会社 | 蒸着フィルムの製造方法 |
JP5549483B2 (ja) * | 2010-08-31 | 2014-07-16 | 凸版印刷株式会社 | 蒸着用材料、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法およびガスバリア性蒸着フィルム |
JP5720315B2 (ja) * | 2011-03-08 | 2015-05-20 | 凸版印刷株式会社 | 蒸着フィルムの評価方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3056826B2 (ja) * | 1991-05-13 | 2000-06-26 | 三菱伸銅株式会社 | 透明バリアー性フィルムの製造方法 |
-
2008
- 2008-01-29 JP JP2008017316A patent/JP5050879B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009179819A (ja) | 2009-08-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5050879B2 (ja) | 透明ガスバリア性フィルムの製造方法 | |
JPH05311412A (ja) | 蒸着材料および透明バリヤーフィルムの製造方法 | |
JP2013047361A (ja) | スパッタリングターゲット及びその製造方法並びに該ターゲットを用いた薄膜、該薄膜を備える薄膜シート、積層シート | |
JP2013047363A (ja) | スパッタリングターゲット及びその製造方法並びに該ターゲットを用いた薄膜、該薄膜を備える薄膜シート、積層シート | |
JP4936064B2 (ja) | ガスバリア性フィルムおよびその製造方法 | |
JP2000006305A (ja) | 紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料およびそれを用いた包装体 | |
JP5510248B2 (ja) | 蒸着材料 | |
JP6171542B2 (ja) | ガスバリア性フィルム及びガスバリア性フィルムの製造方法 | |
JP2011202268A (ja) | 薄膜形成用の蒸着材及び該薄膜を備える薄膜シート並びに積層シート | |
JP5741325B2 (ja) | スパッタリングターゲット及びその製造方法並びに該ターゲットを用いた薄膜、該薄膜を備える薄膜シート、積層シート | |
JP5549483B2 (ja) | 蒸着用材料、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法およびガスバリア性蒸着フィルム | |
JP4873168B2 (ja) | ガスバリヤー性フィルムの製造方法 | |
JP5720315B2 (ja) | 蒸着フィルムの評価方法 | |
JP2013233744A (ja) | ガスバリア性フィルム及びガスバリア性フィルムの製造方法 | |
JP3230370B2 (ja) | 蒸着用成形物およびそれを用いた真空蒸着方法 | |
JP5747738B2 (ja) | スパッタリングターゲット及びその製造方法並びに該ターゲットを用いた薄膜、該薄膜を備える薄膜シート、積層シート | |
JP5664162B2 (ja) | 薄膜形成用の蒸着材及び該薄膜を備える薄膜シート並びに積層シート | |
JP6365528B2 (ja) | ガスバリア性フィルム | |
JP2011214136A (ja) | 薄膜形成用の蒸着材及び該薄膜を備える薄膜シート並びに積層シート | |
JP2012136734A (ja) | 蒸着用材料とガスバリア性蒸着フィルム | |
JP2004174879A (ja) | コンバーティング適性を有するバリアフィルム | |
JP2010235966A (ja) | SiOx成形体、およびガスバリア性フィルム | |
JP5573554B2 (ja) | 薄膜形成用の蒸着材及び該薄膜を備える薄膜シート並びに積層シート | |
JP2011214133A (ja) | 薄膜形成用の蒸着材及び該薄膜を備える薄膜シート並びに積層シート | |
JP2012132086A (ja) | 薄膜形成用の蒸着材及び該薄膜を備える薄膜シート並びに積層シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101221 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120405 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120410 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120531 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120626 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120709 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5050879 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150803 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |