JP2013047362A - スパッタリングターゲット及びその製造方法並びに該ターゲットを用いた薄膜、該薄膜を備える薄膜シート、積層シート - Google Patents

スパッタリングターゲット及びその製造方法並びに該ターゲットを用いた薄膜、該薄膜を備える薄膜シート、積層シート Download PDF

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Abstract

【課題】透明性及びガスバリア性に優れた薄膜の形成に好適なスパッタリングターゲット及びその製造方法、並びに該ターゲットを用いた薄膜、該薄膜を備える薄膜シート、積層シートを提供する。
【解決手段】本発明のスパッタリングターゲットは、酸化亜鉛(ZnO)と酸化アルミニウム(Al23)とを主成分とする焼結体からなり、焼結体の相対密度が95%以上であり、酸化亜鉛(ZnO)と酸化アルミニウム(Al23)のモル比が50:50〜95:5であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明性、ガスバリア性等の諸特性に優れた薄膜の形成に好適なスパッタリングターゲット及びその製造方法並びに該ターゲットを用いた薄膜、該薄膜を備える薄膜シート、積層シートに関する。更に詳しくは、これらの諸特性に優れ、特に液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー又は太陽電池モジュール等のガスバリア材として好適な薄膜の形成に用いるスパッタリングターゲット及びその製造方法、並びに該ターゲットを用いた薄膜、該薄膜を備える薄膜シート、積層シートに関するものである。
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ或いは太陽電池等の機器は、一般に湿気に弱く、吸湿によって急速にその特性を劣化させるため、高防湿性、即ち酸素や水蒸気等の透過又は侵入を防止するガスバリア性を有する部品を装備することが不可欠である。
例えば、太陽電池の例では、太陽電池モジュールの受光面とは反対側の裏面にバックシートが設けられている。このバックシートは、基材に、高防湿性を有するガスバリア材と、それらを保護する部材等から構成されたものが代表的である。
このような太陽電池モジュールを構成するバックシートとしては、例えば、高強度の耐熱性耐候性樹脂により防湿性金属箔をサンドイッチし、更にその一方にガラス質の蒸着皮膜を設けてなる太陽電池モジュールの裏面保護用シート材料が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このシート材料では、ガスバリア材として、アルミニウム箔、亜鉛メッキ鉄箔、錫メッキ鉄箔等の金属箔が用いられている。
また、高防湿フィルムと高耐候フィルムとを積層して一体化してなる太陽電池カバー材を、裏面側保護部材に用いた太陽電池が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この太陽電池カバー材における高防湿フィルムには、PETフィルム等の基材フィルムに、ガスバリア材として、CVD(化学蒸着)、PVD(反応蒸着)法等によってシリカ、アルミナ等の無機酸化物のコーティング膜よりなる防湿膜を形成したものが用いられている。また、基材フィルムとバリア層とを有し、バリア層がホローカソード型イオンプレーティングにより成膜した無機窒化物薄膜又は無機窒化酸化物薄膜である透明バリアフィルムが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。また、太陽電池素子の表面に、水蒸気、酸素ガス、分解物、又は添加剤の1種以上の透過を阻止する障壁層を設けた太陽電池モジュ−ルが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。この太陽電池モジュールでは、障壁層として、樹脂膜、バリア性樹脂膜、無機酸化物の蒸着膜、ケイ素化合物の加水分解による重縮合物からなる組成物によるコ−ティング膜、又は、それらの2種以上からなる複合膜が用いられている。
また、無機酸化物層を呈するプラスチックフィルム又はプラスチック複合材からなるバリア層を備えた光起電モジュールが開示されている(例えば、特許文献5参照。)。この無機酸化物層には、酸化アルミニウム又は酸化珪素がそのコーティング材料として使用されている。また、耐熱、耐候性プラスチックフイルムに無機酸化物薄膜層を設け、その薄膜層面に同一樹脂からなる他の耐熱、耐候性プラスチックフイルムを積層した積層体からなる太陽電池用裏面保護シートが開示されている(例えば、特許文献6参照。)。この太陽電池用裏面保護シートでは、無機酸化物薄膜層として、酸化珪素又は酸化アルミニウムのいずれかで形成されたものが用いられている。
また、透明性を有する基材フィルムに、3価以上の金属、若しくは半導体をドープしてなる紫外線遮蔽特性を有する酸化亜鉛層と、ガスバリア性に優れる金属酸化物層を順次積層してなる積層体が開示されている(例えば、特許文献7参照。)。この積層体の金属酸化物層としては、酸化珪素、酸化アルミニウム又は酸化マグネシウムが用いられている。
また、高分子フィルム基材の少なくとも片面に金属もしくは金属酸化物からなるガスバリア層を気相成長法により成膜し、このガスバリア層上に超微粒子を含有する樹脂層を形成した紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料が開示されている(例えば、特許文献8参照。)。この透明性ガスバリア複合フィルム材料のガスバリア層としては、アルミニウムからなる単層構造又は多層構造やアルミニウム酸化物、珪素酸化物及びマグネシウム酸化物の少なくとも一種からなる単層構造又は多層構造が用いられている。
実公平2−44995号公報(実用新案登録請求の範囲及びカラム5の41〜44行目) 特開2000−174296号公報(請求項1、請求項7及び段落[0019]) 特開2000−15737号公報(請求項1) 特開2001−217441号公報(請求項1,3) 特表2002−520820号公報(請求項1及び段落[0019]) 特開2002−134771号公報(請求項1,2) 特開平7−256813号公報(請求項1,3、段落[0015]〜[0016]) 特開2000−6305号公報(請求項1,7,8、段落[0020])
しかしながら、上記特許文献1に示された裏面保護用シート材料は、ガスバリア材として、アルミニウム箔等の金属箔が使用されているため、このシート材料を太陽電池モジュールのバックシートに適用すると、耐電圧性が低下し、電流がリークするおそれがある。また、金属箔を使用したシート材料は、金属箔の厚さが20μm以下になると、耐熱性耐候性樹脂と金属箔との間に発生するピンホールが増加し、ガスバリア性が著しく低下する。一方、金属箔の厚さを厚くすれば、製造コストが上がってしまうという問題が生じ、また、廃棄物として分別が必要であったり、光が透過しないため、太陽電池の受光面では使用することができず、更に、電源端子用の打ち抜き穴の周りでは金属箔のバリが発生し、回路短絡の危険があった。
また、上記特許文献2〜8において使用されているシリカ、アルミナ等の無機酸化物の場合、高いガスバリア性を得るには膜の厚さを100nm以上確保しなければならず、それでもガスバリア性が十分であるとは言えない。
本発明の目的は、透明性及びガスバリア性に優れた薄膜を形成するのに好適なスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、透明性及びガスバリア性に優れた薄膜、該薄膜を備える薄膜シート及び積層シートを提供することにある。
本発明の第1の観点は、酸化亜鉛(ZnO)と酸化アルミニウム(Al23)とを主成分とする焼結体からなり、焼結体の相対密度が95%以上であり、酸化亜鉛と酸化アルミニウムのモル比が50:50〜95:5であることを特徴とするZnO−Al23系スパッタリングターゲットである。
本発明の第2の観点は、一次粒子の平均粒径が0.1〜5.0μmのZnO粉末とAl23粉末とを、酸化亜鉛(ZnO)と酸化アルミニウム(Al23)のモル比が50:50〜95:5になるように混合し、バインダーを加え、加圧成形し、脱型後、1000℃以上で焼結することによって、相対密度が95%以上の焼結体を製造することを特徴とするZnO−Al23系スパッタリングターゲットの製造方法である。
本発明の第3の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に有機溶媒及び水分等の除去を目的とする予備乾燥として50〜150℃で1〜10時間の処理、バインダーの消失を目的とする脱脂処理として400〜600℃で3〜15時間の処理、及び密度を向上させる焼結工程として1000〜1500℃で3〜15時間の処理をこの順で行うことを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1の観点に基づくZnO−Al23系スパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により基板表面にZnO−Al23系膜を形成することを特徴とするZnO−Al23系膜の製造方法である。
本発明の第5の観点は、第1の観点に基づく製造方法により形成されたことを特徴とするZnO−Al23系膜である。
本発明の第6の観点は、第5の観点に基づくZnO−Al23系膜を第1基材フィルム上に備え、温度20℃、相対湿度50%RHの条件で1時間放置したときの水蒸気透過度Sが0.3g/m2・day以下であることを特徴とする薄膜シートである。
本発明の第7の観点は、第6の観点に基づく薄膜シートの薄膜形成側に接着層を介して第2基材フィルムを積層してなる積層シートである。
本発明の第1のスパッタリングターゲットでは、酸化亜鉛(ZnO)と酸化アルミニウム(Al23)とを主成分とする焼結体からなり、焼結体の相対密度が95%以上であり、酸化亜鉛(ZnO)と酸化アルミニウム(Al23)のモル比が50:50〜95:5であることにより、従来のガスバリア材よりも、ガスバリア性が大幅に向上する薄膜を形成することができる。また、得られる薄膜は単層でのバリア性に優れるので、少ない積層数で高いバリア性を得ることが可能となるため、生産性を向上でき、コストも低減できる。そして、単層或いは少ない積層数のバリア膜とすることで、合計の膜厚が薄くなり、バリアシートの製造時の割れ、歪み等が軽減できる。このような薄い膜厚のバリア膜を折り曲げ可能な太陽電池に使用した場合、曲げ耐性が向上し太陽電池の耐久性が向上する。
本発明の第2の観点のスパッタリングターゲットの製造方法では、一次粒子の平均粒径が0.1〜5.0μmのZnO粉末とAl23粉末とを、酸化亜鉛(ZnO)と酸化アルミニウム(Al23)のモル比が50:50〜95:5になるように混合し、バインダーを加え、加圧成形し、脱型後、1000℃以上で焼結することによって、相対密度が95%以上の焼結体を製造するので、従来のガスバリア材よりも、ガスバリア性が大幅に向上する薄膜を形成することが可能なターゲットが得られる。
本発明の第3の観点のスパッタリングターゲットの製造方法では、有機溶媒及び水分等の除去を目的とする予備乾燥として50〜150℃で1〜10時間の処理、バインダーの消失を目的とする脱脂処理として400〜600℃で3〜15時間の処理、及び密度を向上させる焼結工程として1000〜1500℃で3〜15時間の処理をこの順で行うことによって、原料粉末の混合及び成形プレス時に係った歪みを緩和することができ、本焼結時における焼結工程が進行しやすくなり、結果として密度が向上する。
本発明の第6の観点の薄膜シートでは、温度20℃、相対湿度50%RHの条件で1時間放置したときの水蒸気透過度が0.3g/m2・day以下という非常に高く、かつ時間経過による劣化が少ないガスバリア性を有する。
本発明の第7の観点の積層シートでは、第5の観点の薄膜シートの薄膜形成側に、更に接着層を介して第2基材フィルムが積層する構造をとる。これにより、第2基材フィルムが薄膜を保護できるため、高いガスバリア性を維持し安定化させることができる。
本発明実施形態の薄膜シート及び積層シートの積層構造を模式的に表した断面図である。 従来の薄膜シートの断面構造を模式的に表した図である。 本発明実施形態の薄膜シートの断面構造を模式的に表した図である。 スパッタリング装置の概略図。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
本発明のZnO−Al23系スパッタリングターゲットは、薄膜の形成に好適に用いることができる。このスパッタリングターゲットを用いて形成される薄膜は、酸素や水蒸気等の透過又は侵入を防止するガスバリア材として機能するものである。
このスパッタリングターゲットは、酸化亜鉛粉末と酸化アルミニウム粉末とを混合して作られる。スパッタリングターゲットの作製に用いる酸化亜鉛粉末の酸化物純度は98%以上、好ましくは99.5%以上であり、酸化アルミニウム粉末の酸化物純度は98%以上、好ましくは99.5%以上である。ここで、酸化亜鉛粉末における酸化物純度を98%以上に限定したのは、98%未満では不純物により結晶性が悪化し、結果的にバリア特性が低下する理由からである。また、酸化アルミニウム粉末の酸化物純度を98%以上に限定したのは、98%未満では不純物により結晶性が悪化し、結果的にバリア特性が低下する理由からである。なお、本明細書における粉末の純度とは、分光分析法(誘導結合プラズマ発光分析装置:日本ジャーレルアッシュ製 ICAP−88)によって測定したものである。また、このスパッタリングターゲットは、酸化亜鉛粒子と酸化アルミニウム粒子を含有する多結晶からなり、その相対密度は95%以上、好ましくは98%以上であることが好ましい。相対密度を95%以上とするのは、95%未満では成膜時に異常放電が起こり易くなり、得られる膜に欠陥ができやすくなるからである。本明細書における相対密度とは、体積法に従い、質量計で測定した質量を、ノギスで寸法測定及び計算した体積で除することにより算出したものである。なお、この実施の形態では、スパッタリングターゲットの組織を多結晶としたが、単結晶であってもよい。
また、このスパッタリングターゲットに含まれる酸化亜鉛粒子の平均粒径は0.1〜5.0μmであり、かつ酸化アルミニウム粒子の平均粒径は0.1〜5.0μmであり、スパッタリングターゲット中の酸化亜鉛と酸化アルミニウムとのモル比が50:50〜95:5、好ましくは60:40〜80:20、特に好ましくは80:20である。このように微細化した酸化亜鉛粒子並びに酸化アルミニウム粒子を所定の割合で含有させることにより、このスパッタリングターゲットを用いて形成される膜に、高いガスバリア性を発現させることができる。
その技術的な理由は、通常、(1)酸化亜鉛粒子のみで酸化アルミニウム粒子を含まないスパッタリングターゲット、(2)酸化アルミニウム粒子のみで酸化亜鉛粒子を含まないスパッタリングターゲット、(3)酸化亜鉛粒子及び酸化アルミニウム粒子の双方を含むが酸化亜鉛粒子の含有割合が少ないスパッタリングターゲット、或いは(4)酸化亜鉛粒子及び酸化アルミニウム粒子の双方を含むが酸化アルミニウム粒子の含有割合が少ないスパッタリングターゲットを用いた場合、図2に示すように、第1基材フィルム11上に形成される酸化物薄膜32は、柱状晶の結晶がガスの浸透方向に対して平行に集合した構造になる。水蒸気等のガス分子は平行に集合した粒界の界面に沿って進むため、上記柱状晶の結晶が平行に集合した構造の薄膜32ではバリア性が低いことになる。一方、微細化した酸化亜鉛粒子又は酸化アルミニウム粒子を所定の割合となるように含有させたスパッタリングターゲットを用いた場合、図3に示すように、第1基材フィルム11上に形成される酸化物薄膜12は、単一組成のスパッタリングターゲットを用いた際に形成されていた柱状晶の一部が崩れ、アモルファス状態に近い緻密な微細構造になる。アモルファス状態に近い緻密な微細構造では水蒸気等のガス分子は迷路状の中を長距離にわたり移動する必要があるため、上記アモルファス状態に近い緻密な微細構造の薄膜12ではバリア性が向上することになる。このように、結晶構造が柱状晶ではなく、水分等の透過又は侵入を防ぐのに好適な構造に成膜されることによって、ガスバリア性が向上するものと推定される。ここで、スパッタリングターゲットに含まれる酸化亜鉛粒子及び酸化アルミニウム粒子の双方の平均粒径を上記範囲に限定したのは、各々の平均粒径が下限値未満では、スパッタリングターゲットの製造工程において、粉末の凝集が著しくなり、均一な混合が妨げられるからであり、各々の平均粒径が上限値を越えると、ガスバリア性向上に寄与する擬似固溶体を形成する効果が十分に得られないからである。このうち、酸化亜鉛粒子の平均粒径は0.1〜5.0μmの範囲内が、酸化アルミニウム粒子の平均粒径は0.1〜5.0μmの範囲内であることが特に好ましい。なお、本明細書中、平均粒径とは、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)に従い、日機装社製(FRA型)を用い、分散剤としてヘキサメタりん酸Naを使用し、1回の測定時間を30秒として3回測定した値を平均化したものである。
また、スパッタリングターゲットに含まれる酸化亜鉛と酸化アルミニウムとのモル比を上記範囲に限定したのは、酸化亜鉛のモル比が50未満或いは酸化アルミニウムのモル比が5未満では、酸化亜鉛粒子或いは酸化アルミニウム粒子の含有割合が少なくなりすぎて、単一組成に近づくことで、柱状晶の結晶がガスの浸透方向に対して平行に集合した構造をとり易くなるため、緻密な微細構造を有する薄膜が形成できないからである。
本発明のスパッタリングターゲットを用いて形成されるZnO−Al23系膜は、単層でのバリア性に優れるので、少ない積層数で高いバリア性を得ることが可能となるため、生産性を向上でき、コストも低減できる。そして、単層或いは少ない積層数のバリア膜とすることで、合計の膜厚が薄くなり、バリアシートの製造時の割り、歪み等が軽減できる。このような薄い膜厚のバリア膜を折り曲げ可能な太陽電池に使用した場合、曲げ耐性が向上し太陽電池の耐久性が向上する。また、高いガスバリア性を有することから、太陽電池のバックシートを構成する防湿膜等のガスバリア材の用途の他に、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、照明用有機ELディスプレイ又は電子ペーパー等のガスバリア材としても好適に利用できる。また、このZnO−Al23系膜は、透過率が85〜95%程度の透明性を有するため、高いガスバリア性が要求され、なおかつ光の透過が要求されるような部材、例えば、太陽電池の受光面側や、ディスプレイの画像視覚側等に用いられるガスバリア材等としても好適である。
次に、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法を焼結法により作製する場合を代表して説明する。先ず酸化亜鉛粉末として純度が98%以上の高純度粉末と、酸化アルミニウム粉末として純度が98%以上の高純度粉末と、バインダと、有機溶媒とを混合して、濃度が30〜75質量%のスラリーを調製する。好ましくは40〜65質量%のスラリーを調製する。なお、酸化亜鉛粉末と酸化アルミニウム粉末は、製造後のスパッタリングターゲット中の酸化亜鉛と酸化アルミニウムとのモル比が上記範囲を満たすように調整し混合する。スラリーの濃度を30〜75質量%に限定したのは、75質量%を越えると上記スラリーが非水系であるため、安定した混合造粒が難しい問題点があり、30質量%未満では均一な組織を有する緻密な焼結体が得られないからである。また、使用する酸化亜鉛粉末の平均粒径、酸化アルミニウム粉末の平均粒径は、製造後のスパッタリングターゲットに含まれる酸化亜鉛粉末の平均粒径、酸化アルミニウム粒子の平均粒径を上述した範囲に調整する理由から、酸化亜鉛粉末を0.1〜5.0μmの範囲内、酸化アルミニウム粉末を0.1〜5.0μmの範囲内とするのが好ましい。
バインダとしてはポリエチレングリコールやポリビニールブチラール等を、有機溶媒としてはエタノールやプロパノール等を用いることが好ましい。バインダは0.2〜5.0質量%添加することが好ましい。
また高純度粉末とバインダと有機溶媒との湿式混合、特に高純度粉末と分散媒である有機溶媒との湿式混合は、湿式ボールミル又は撹拌ミルにより行われる。湿式ボールミルでは、ZrO2製ボールを用いる場合には、直径5〜10mmの多数のZrO2製ボールを用いて8〜24時間、好ましくは20〜24時間湿式混合される。ZrO2製ボールの直径を5〜10mmと限定したのは、5mm未満では混合が不十分となることからであり、10mmを越えると不純物が増える不具合があるからである。また混合時間が最長24時間と長いのは、長時間連続混合しても不純物の発生が少ないからである。
撹拌ミルでは、直径1〜3mmのZrO2製ボールを用いて0.5〜1時間湿式混合される。ZrO2製ボールの直径を1〜3mmと限定したのは、1mm未満では混合が不十分となるからであり、3mmを越えると不純物が増える不具合があるからである。また混合時間が最長1時間と短いのは、1時間を越えると原料の混合のみならずボール自体が摩損するため、不純物の発生の原因となり、また1時間もあれば十分に混合できるからである。
次に上記スラリーを噴霧乾燥して平均粒径が50〜250μm、好ましくは50〜200μmの混合造粒粉末を得る。この造粒粉末を所定の型に入れて所定の圧力で成形する。上記噴霧乾燥はスプレードライヤを用いて行われることが好ましく、所定の型は一軸プレス装置又は冷間静水圧(CIP;Cold Isostatic Press)成形装置が用いられる。一軸プレス装置では、造粒粉末を750〜2000kg/cm2(73.55〜196.1MPa)、好ましくは1000〜1500kg/cm2(98.1〜147.1MPa)の圧力で一軸加圧成形し、CIP成形装置では、造粒粉末を1000〜3000kg/cm2(98.1〜294.2MPa)、好ましくは1500〜2000kg/cm2(147.1〜196.1MPa)の圧力でCIP成形する。圧力を上記範囲に限定したのは、成形体の密度を高めるとともに焼結後の変形を防止し、後加工を不要にするためである。
更に脱型後、成形体を所定の温度で焼結する。焼結は大気、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気中で1000℃以上、好ましくは1200〜1400℃の温度で1〜10時間、好ましくは2〜5時間行う。これにより相対密度が95%以上のスパッタリングターゲットが得られる。上記焼結は大気圧下で行うが、ホットプレス(HP)焼結や熱間静水圧プレス(HIP;Hot Isostatic Press)焼結のように加圧焼結を行う場合には、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気中で1000℃以上の温度で1〜5時間行うことが好ましい。
なお、上記焼結前に成形体を予備乾燥し、脱脂処理することが好ましい。有機溶媒及び水分等の除去を目的とする予備乾燥として50〜150℃で1〜10時間の処理を行い、バインダーの焼失を目的とする脱脂処理として400〜600℃で3〜15時間の処理を行い、密度を向上させる焼結工程として1000℃〜1500℃で3〜15時間の処理を行うと良い。これらの予備乾燥及び脱脂処理を行うことによって、原料粉の混合及び成型プレス時にかかった歪を緩和することができ、本焼結時における焼結工程が進行しやすくなり、結果として密度が向上する。
続いて、本発明の薄膜シート及び積層シートについて、その製造方法とともに説明する。図1に示すように、本発明の薄膜シート10は、第1基材フィルム11と、好ましくは上記スパッタリングターゲットを用いて形成された本発明のZnO−Al23系膜12を有する。そして、本発明の積層シート20は、上記本発明の薄膜シート10と、この薄膜シート10の薄膜形成側に接着層13を介して接着された第2基材フィルム14とを有する。
第1基材フィルム11及び第2基材フィルム14は、長時間の高温高湿度環境試験に耐え得る機械的強度や耐候性等を有するものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフテレート(PET)、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、トリアセチルセルロース(TAC)、環状オレフィン(コ)ポリマー等の樹脂フィルムが挙げられる。これらの樹脂フィルムは、必要に応じて難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等が配合されていても構わない。第1基材フィルム11及び第2基材フィルム14の厚さは、好ましくは5〜300μm、更に好ましくは10〜150μmである。
この第1基材フィルム11上に、好ましくは上述した本発明のスパッタリングターゲットを用いて、ガスバリア材としてのZnO−Al23系膜12が形成される。このうち、ZnO−Al23系膜12の厚さは、20〜100nmの範囲内が特に好ましい。
本発明のZnO−Al23系膜の形成方法は、上記得られたスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により、例えば上記第1基材フィルム等の基板表面にZnO−Al23系膜を形成するものである。使用可能な基板は従来公知のものでよく、特に制限されるものではないが、PET等の樹脂基板が好ましい。
スパッタリング法は物理蒸着法(PVD法;Physical Vapor Deposition)の一種であり、スパッタリングとは加速した粒子(又はイオン)が固体表面に衝突したとき、その粒子の持つ運動量の一部を得て固体表面近傍の原子が空間に叩き出される現象をいう。このスパッタリング現象を利用して膜形成を行う。スパッタリング法には直流電界を印加する直流スパッタリング法、高周波電界を印加する高周波スパッタリング法がある。また電極数によっても2極式、4極式スパッタリング法等に分類される。
図4に一般的なスパッタリング装置40を示す。真空容器41はガス入口42及び真空排気口43を有し、この容器41内部には平行に平板構造の電極44,46が設けられる。電極44,46は容器外部で直流電源又は高周波電源47と繋がれて、接地される。陰極44はターゲット材48が設置可能になっており、陽極46は基板49が設置できるように基板ホルダも兼ねた構造となっている。
このような構成のスパッタリング装置を用いてZnO−Al23系膜を形成する場合、先ず、陰極44には本発明のスパッタリングターゲット48が、陽極46には基板49がそれぞれ設置される。次いで、真空容器41内を真空排気装置にて5×10-4Pa以下に排気したのち、真空容器41内部の雰囲気が0.3〜1.0Pa程度となるようにArガス51や酸素ガスをガス入口42より導入する。また、基板49は未加熱、もしくは150℃以下の温度まで加熱する。次に、電極44,46に直流又は高周波電界を加えると、真空容器41内部に導入したArガス51内でグロー放電が発生してArイオン52(図4では+と表記)が生ずる。このグロー放電により生じたArイオン52は陰極44の負電圧に引かれて加速され、陰極44に設置されたターゲット材48にぶつかり、その衝撃で弾き出されたターゲット材の各金属元素及び酸素の原子はスパッタリング蒸発する。スパッタリング蒸発した各金属元素53の原子(図4ではMと表記)は、ともにスパッタリング蒸発した酸素の原子やガス入口42より導入した酸素ガスと結合し、陽極46に保持された基板49上に到達し、これが堆積されることでZnO−Al23系膜が形成される。
なお、図1には図示しないが、第1基材フィルム11上にはZnO−Al23系膜12との密着強度を向上させるため、必要に応じて、アクリルポリオール、イソシアネート、シランカップリング剤からなるプライマーコーティング層を設けるか、或いは蒸着工程前にプラズマ等を用いた表面処理を施しても構わない。
一方、形成したZnO−Al23系膜12表面が剥き出しの状態では、シートを取扱う際に、膜の表面にキズがついたり、こすれたりすると、ガスバリア性に大きな影響を与える。そのため、ZnO−Al23系膜12上には、ZnO−Al23系膜12表面を保護するガスバリア性被膜(図示せず)等を設けるのが好ましい。このガスバリア性被膜は、例えばアルコキシル基を有するケイ素化合物、チタン化合物、ジルコニア化合物、錫化合物又はその加水分解物と水酸基を有する水溶性高分子とを混合した溶液を、ZnO−Al23系膜12表面に塗布した後、加熱乾燥して形成することができる。このガスバリア性被膜は、ZnO−Al23系膜12の保護層として機能するだけではなく、ガスバリア性を向上させる効果も有する。
このように形成された本発明の薄膜シート10は、例えば、温度20℃、相対湿度50%RHの条件で1時間放置した後、温度40℃、相対湿度90%RHの条件で測定した水蒸気透過度が0.3g/m2・day以下を示す。
更に、本発明の積層シート20では、上記本発明の薄膜シート10の薄膜形成側、即ちZnO−Al23系膜12上又は上記ガスバリア性被膜上に、接着層13が形成され、この接着層13は、ZnO−Al23系膜12が形成された第1基材フィルム11と第2基材フィルム14とを貼り合わせるための接着剤として機能するものである。そのため、接着強度が長期間にわたって劣化せず、デラミネーション等を生じないこと、また、黄変しないこと等の条件が必要であり、例えばポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエステル−ポリウレタン系、ポリカーボネート系、ポリエポキシ−アミン系、ホットメルト系接着剤等が挙げられる。接着層13の積層方法は、ドライラミネート法等の公知の方法で積層することができる。
この接着層13上に第2基材フィルム14を接着して貼り合わせることにより、積層シート20が完成する。なお、ZnO−Al23系膜12と接着層13は、図1に示すように、それぞれが1層ずつ積層したものに限定する必要はなく、ZnO−Al23系膜12と接着層13を交互に、或いはZnO−Al23系膜12、上記ガスバリア性被膜等の他の部材及び接着層13を交互又はランダムに積層した2〜10層の複層としても良い。これにより、更にガスバリア性や耐候性も向上させることができる。
この積層シート20は、太陽電池モジュールのバックシート、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、照明用有機ELディスプレイ又は電子ペーパー等の用途として好適に利用できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、平均粒径が0.8μm、純度が99.8%の高純度ZnO粉末を、平均粒径が1.5μm、純度が99.8%の高純度Al23粉末を、バインダとしてPVB樹脂を、有機溶媒としてエタノールとアセトンをそれぞれ用意した。
次いで、ZnO粉末、Al23粉末、バインダ及び有機溶媒をボールミルによる湿式混合により所定の割合で混合して、濃度が40質量%のスラリーを調製した。また、ZnO粉末並びにAl23粉末の混合量は、形成後のスパッタリングターゲットに含まれるZnOが50モル%、Al23が50モル%となるように調整した。
次に、調製したスラリーをスプレードライヤを用いて噴霧乾燥し、平均粒径が200μmの混合造粒粉末を得た後、この造粒粉末を所定の型に入れて一軸プレス装置によりプレス成形した。脱型後、得られた成形体を、大気雰囲気中1300℃の温度で5時間焼結させて、スパッタリングターゲットを得た。
<実施例2>
ZnO粉末並びにAl23粉末の混合量を、形成後のスパッタリングターゲットに含まれるZnOが61モル%、Al23が39モル%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にスパッタリングターゲットを得た。
<実施例3>
ZnO粉末並びにAl23粉末の混合量を、形成後のスパッタリングターゲットに含まれるZnOが80モル%、Al23が20モル%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にスパッタリングターゲットを得た。
<実施例4>
ZnO粉末並びにAl23粉末の混合量を、形成後のスパッタリングターゲットに含まれるZnOが95モル%、Al23が5モル%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にスパッタリングターゲットを得た。
<実施例5〜9>
ZnO粉末並びにAl23粉末の混合量を、形成後のスパッタリングターゲットに含まれるZnOが80モル%、Al23が20モル%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にスパッタリングターゲットを得た。
<実施例10>
平均粒径が0.1μm、純度が99.8%の高純度ZnO粉末及び平均粒径が0.1μm、純度が99.8%の高純度Al23粉末を使用し、ZnO粉末並びにAl23粉末の混合量を、形成後のスパッタリングターゲットに含まれるZnOが80モル%、Al23が20モル%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にスパッタリングターゲットを得た。
<実施例11>
平均粒径が5.0μm、純度が99.8%の高純度ZnO粉末及び平均粒径が5.0μm、純度が99.8%の高純度Al23粉末を使用し、ZnO粉末並びにAl23粉末の混合量を、形成後のスパッタリングターゲットに含まれるZnOが80モル%、Al23が20モル%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にスパッタリングターゲットを得た。
<比較例1>
Al23粉末を混合せずに調整したこと以外は、実施例1と同様にスパッタリングターゲットを得た。
<比較例2>
ZnO粉末並びにAl23粉末の混合量を、形成後のスパッタリングターゲットに含まれるZnOが98モル%、Al23が2モル%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にスパッタリングターゲットを得た。
<比較例3>
ZnO粉末並びにAl23粉末の混合量を、形成後のスパッタリングターゲットに含まれるZnOが40モル%、Al23が60モル%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にスパッタリングターゲットを得た。
<比較例4>
ZnO粉末を混合せずに調整したこと以外は、実施例1と同様にスパッタリングターゲットを得た。
<比較試験>
実施例1〜11及び比較例1〜4で得られたスパッタリングターゲットを用いて、厚さ75μmのPETフィルム上に、RFスパッタリング法により蒸着を行って厚さ100nmの薄膜を成膜し、薄膜シートを形成した。スパッタリング条件は、成膜速度は1nm/secであり、基板温度、酸素ガス分圧は次の表1に示す通りである。これらの薄膜シートについて、水蒸気透過度を測定し、ガスバリア性を評価した。また、これらの薄膜シートについて、光透過率を測定し、透明性を評価した。これらの結果を以下の表1に示す。
(1) ガスバリア性:薄膜シートを、温度20℃、相対湿度50%RHに設定したクリーンルーム内に1時間放置した後、MOCON社製の水蒸気透過率測定装置(型名:PERMATRAN−Wタイプ3/33)を用い、温度40℃、相対湿度90%RHの条件で水蒸気透過度を測定した。
(2) 光透過率:薄膜シートを株式会社日立製作所社製の分光光度計(型名:U−4000)を用いて、波長380〜780nmにおける光透過率を測定した。
Figure 2013047362
表1から明らかなように、実施例1〜11及び比較例1〜4を比較すると、実施例1〜11では、光透過率は高く、また、室温で1時間放置した後の水蒸気透過度は、0.28g/m2・day以下と優れたバリア性を示した。また、ZnOとAl23のモル比が80:20に近づくほど優れた水蒸気透過率を示すことが確認された。
一方、単一組成からなるスパッタリングターゲットを用いて形成した比較例1,4の薄膜シートやZnOの含有率が40モル%或いはAl23の含有量が2モル%のスパッタリングターゲットを用いて形成した比較例2,3の薄膜シートでは、光透過率は高いが、水蒸気透過度が大きい結果となった。
更に、成膜条件について注目すると、成膜基板温度が高くなるほどバリア特性が向上し、酸素分圧が大きいほど光透過率が高くなる傾向が見られた。
10 薄膜シート
11 第1基材フィルム
12 ZnO−Al23系膜
13 接着層
14 第2基材フィルム
20 積層シート

Claims (7)

  1. 酸化亜鉛(ZnO)と酸化アルミニウム(Al23)とを主成分とする焼結体からなり、前記焼結体の相対密度が95%以上であり、前記酸化亜鉛と前記酸化アルミニウムのモル比が50:50〜95:5であることを特徴とするZnO−Al23系スパッタリングターゲット。
  2. 一次粒子の平均粒径が0.1〜5.0μmのZnO粉末とAl23粉末とを、前記酸化亜鉛(ZnO)と前記酸化アルミニウム(Al23)のモル比が50:50〜95:5になるように混合し、バインダーを加え、加圧成形し、脱型後、1000℃以上で焼結することによって、相対密度が95%以上の焼結体を製造することを特徴とするZnO−Al23系スパッタリングターゲットの製造方法。
  3. 有機溶媒及び水分等の除去を目的とする予備乾燥として50〜150℃で1〜10時間の処理、バインダーの消失を目的とする脱脂処理として400〜600℃で3〜15時間の処理、及び密度を向上させる焼結工程として1000〜1500℃で3〜15時間の処理をこの順で行う請求項2記載のZnO−Al23系スパッタリングターゲットの製造方法。
  4. 請求項1記載のZnO−Al23系スパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により基板表面にZnO−Al23系膜を形成することを特徴とするZnO−Al23系膜の製造方法。
  5. 請求項4記載の製造方法により形成されたことを特徴とするZnO−Al23系膜。
  6. 請求項5記載のZnO−Al23系膜を第1基材フィルム上に備え、
    温度20℃、相対湿度50%RHの条件で1時間放置したときの水蒸気透過度Sが0.3g/m2・day以下であることを特徴とする薄膜シート。
  7. 請求項6記載の薄膜シートの薄膜形成側に接着層を介して第2基材フィルムを積層してなる積層シート。
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