JP5519959B2 - 積層シート - Google Patents

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本発明は、透明性、ガスバリア性等の諸特性に優れた薄膜を備える積層シートに関する。更に詳しくは、これらの諸特性に優れ、特に液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又は太陽電池モジュール等のガスバリア材として好適な薄膜を備える積層シートに関するものである。
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ或いは太陽電池等の機器は、一般に湿気に弱く、吸湿によって急速にその特性を劣化させるため、高防湿性、即ち酸素や水蒸気等の透過又は侵入を防止するガスバリア性を有する部品を装備することが不可欠である。
例えば、太陽電池の例では、太陽電池モジュールの受光面とは反対側の裏面にバックシートが設けられている。このバックシートは、基材に、高防湿性を有するガスバリア材と、それらを保護する部材等から構成されたものが代表的である。
このような太陽電池モジュールを構成するバックシートとしては、例えば、高強度の耐熱性耐候性樹脂により防湿性金属箔をサンドイッチし、更にその一方にガラス質の蒸着皮膜を設けてなる太陽電池モジュールの裏面保護用シート材料が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このシート材料では、ガスバリア材として、アルミニウム箔、亜鉛メッキ鉄箔、錫メッキ鉄箔等の金属箔が用いられている。また、高防湿フィルムと高耐候フィルムとを積層して一体化してなる太陽電池カバー材を、裏面側保護部材に用いた太陽電池が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この太陽電池カバー材における高防湿フィルムには、PETフィルム等の基材フィルムに、ガスバリア材として、CVD(化学蒸着)、PVD(反応蒸着)法等によってシリカ、アルミナ等の無機酸化物のコーティング膜よりなる防湿膜を形成したものが用いられている。また、無機酸化物層を呈するプラスチックフィルム又はプラスチック複合材からなるバリア層を備えた光起電モジュールが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。この無機酸化物層には、酸化アルミニウム又は酸化珪素がそのコーティング材料として使用されている。
実公平2−44995号公報(実用新案登録請求の範囲及びカラム5の41〜44行目) 特開2000−174296号公報(請求項1、請求項7及び段落[0019]) 特表2002−520820号公報(請求項1、及び段落[0019])
しかしながら、上記特許文献1に示された裏面保護用シート材料は、ガスバリア材として、アルミニウム箔等の金属箔が使用されているため、このシート材料を太陽電池モジュールのバックシートに適用すると、耐電圧性が低下し、電流がリークするおそれがある。また、金属箔を使用したシート材料は、金属箔の厚さが20μm以下になると、耐熱性耐候性樹脂と金属箔との間に発生するピンホールが増加し、ガスバリア性が著しく低下する。一方、金属箔の厚さを厚くすれば、製造コストが上がってしまうという問題が生じる。また、上記特許文献2及び3において使用されているシリカ、アルミナ等の無機酸化物の場合、高いガスバリア性を得るには膜の厚さを100nm以上確保しなければならず、それでもガスバリア性が十分であるとは言えない。
本発明の目的は、透明性及びガスバリア性に優れた薄膜を備える積層シートを提供することにある。
本発明の第1の観点は、第1基材フィルム上にZn元素とCe元素を含む薄膜を形成してなり、前記薄膜中のCe元素の含有量が20質量%を超え80質量%以下である薄膜シートに第2基材フィルムを積層してなる積層シートである。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に水蒸気透過度が0.2g/m2・day以下であることを特徴とする
本発明の第1の観点の積層シートでは、第1基材フィルム上にZn元素とCe元素を含む薄膜を形成してなり、薄膜中のCe元素の含有量が20質量%を超え80質量%以下である薄膜を備える薄膜シートに第2基材フィルムが積層する構造をとる。これにより、第2基材フィルムが薄膜を保護できるため、高いガスバリア性を維持し安定化させることができる。
本発明の第2の観点の積層シートでは、水蒸気透過度が0.2g/m2・day以下という非常に高く、かつ時間経過による劣化が少ないガスバリア性を有する
本発明実施形態の薄膜シート及び積層シートの積層構造を模式的に表した断面図である。 従来の薄膜シートの断面構造を模式的に表した図である。 本発明実施形態の薄膜シートの断面構造を模式的に表した図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本発明の蒸着材は、後述の積層シートを構成する薄膜形成するための蒸着材である。この蒸着材を用いて形成される薄膜は、酸素や水蒸気等の透過又は侵入を防止するガスバリア材として機能するものである。
この蒸着材は、ZnO粉末とCeO2粉末とを混合して作られる。蒸着材の作製に用いるZnO粉末のZnO純度は98%以上、好ましくは98.4%以上であり、CeO2粉末のCeO2純度は98%以上、好ましくは99.5%以上である。ここで、ZnO粉末におけるZnO純度を98%以上に限定したのは、98%未満では不純物の影響でZnO膜の導電性の低下をもたらすからである。また、CeO2粉末のCeO2純度を98%以上に限定したのは、不純物により結晶性が悪化し、結果的にバリア特性が低下する理由からである。なお、本明細書における粉末の純度とは、分光分析法(誘導結合プラズマ発光分析装置:日本ジャーレルアッシュ製 ICAP−88)によって測定したものである。また、この蒸着材は、ZnO粒子とCeO2粒子を含有する多結晶ペレットからなり、その相対密度は90%以上、好ましくは95%以上であることが好ましい。相対密度を90%以上とするのは、90%未満では成膜時のスプラッシュが増大するからである。なお、この実施の形態では、ペレットの組織を多結晶としたが、単結晶であってもよい。
また、この蒸着材に含まれるCeO2粒子の平均粒径は0.05〜5μmであり、蒸着材中のCe元素の含有量が20質量%を超え80質量%以下である。このように微細化したCeO2粒子を所定の割合で含有させることにより、この蒸着材を用いて形成される膜に、高いガスバリア性を発現させることができる。
その技術的な理由は、通常、CeO2粒子等を含まない又はその含有量が少ない蒸着材を用いて形成されるZnOの膜は、図2に示すように柱状晶の結晶がガスの浸透方向に対して平行に集合した構造になる。一方、微細化したCeO2粒子を所定量含有させた蒸着材を用いて形成された膜は、図3に示すように、柱状晶の一部が崩れ、緻密な微細構造になる。このように、結晶構造が柱状晶ではなく、水分等の透過又は侵入を防ぐのに好適な構造に成膜されることによって、ガスバリア性が向上するものと推定される。また、含有するCeO2粒子が微細化されていれば、蒸着法により膜を成長させる際に、僅かな電子ビーム又はプラズマの量で成膜できるため、緻密な膜が形成でき、これによりガスバリア性が向上するとも考えられる。ここで、蒸着材、即ちペレットに含まれるCeO2粒子の平均粒径を上記範囲に限定したのは、CeO2粒子の平均粒径が下限値未満では、蒸着材の製造工程において、粉末の凝集が著しくなり、均一な混合が妨げられるからであり、上限値を超えると、ガスバリア性向上に寄与する擬似固容体を形成する効果が十分に得られないからである。このうち、CeO2粒子の平均粒径は0.1〜0.5μmの範囲内であることが好ましい。一方、蒸着材に含まれるZnO粒子の平均粒径は、0.05〜5μmである。なお、本明細書中、平均粒径とは、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)に従い、日機装社製(FRA型)を用い、分散媒としてヘキサメタりん酸Naを使用し、1回の測定時間を30秒として3回測定した値を平均化したものである。

また、蒸着材に含まれるCe元素の含有量を上記範囲に限定したのは、Ce元素の含有量が20質量%以下ではCeO2粒子の含有量が少なくなりすぎるため、緻密な微細構造を有する薄膜が形成できず、一方、80質量%を超えるとCeO2粒子の含有量が多くなりすぎて、導電性が得られなくなるからである。
本発明の蒸着材を用いて形成される薄膜は、高いガスバリア性を有することから、太陽電池のバックシートを構成する防湿膜等のガスバリア材の用途の他に、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又は照明用有機ELディスプレイ等のガスバリア材としても好適に利用できる。また、この薄膜は、透過率が85〜97%程度の透明性を有するため、高いガスバリア性が要求され、なおかつ光の透過が要求されるような部材、例えば、太陽電池の受光面側や、ディスプレイの画像視覚側等に用いられるガスバリア材等としても好適である。また、比抵抗1〜1×106Ωcmの適度な導電性を有するため、巻かれた状態にあるシートを解いて使用する際、静電気等の発生を防止する効果を付与することができるので、この薄膜を備えるシート等はホコリ等を寄せ付けず、取扱い作業性にも優れる。
次に、本発明の蒸着材の製造方法を焼結法により作製する場合を代表して説明する。先ず純度が98%以上の高純度ZnO粉末と、純度が98%以上の高純度CeO2粉末と、バインダと、有機溶媒とを混合して、濃度が30〜75質量%のスラリーを調製する。好ましくは40〜65質量%のスラリーを調製する。なお、ZnO粉末とCeO2粉末は、製造後の蒸着材に含まれるCe元素の含有量が上記範囲を満たすように調整し混合する。スラリーの濃度を30〜75質量%に限定したのは、75質量%を越えると上記スラリーが非水系であるため、安定した混合造粒が難しい問題点があり、30質量%未満では均一な組織を有する緻密な焼結体が得られないからである。使用するZnO粉末の平均粒径は0.1〜10μmの範囲内にあることが好ましい。ZnO粉末の平均粒径を上記範囲内に規定したのは、下限値未満では、粉末の凝集が著しくなり、上限値を超えると製造される蒸着材において、CeO2との擬似固容体を形成する効果が十分に得られないからである。また、使用するCeO2粉末の平均粒径は、製造後の蒸着材に含まれるCeO2粒子の平均粒径を上述した範囲に調整する理由から、0.05〜5μmの範囲内とするのが好ましい。
バインダとしてはポリエチレングリコールやポリビニールブチラール等を、有機溶媒としてはエタノールやプロパノール等を用いることが好ましい。バインダは0.2〜5.0質量%添加することが好ましい。
また高純度粉末とバインダと有機溶媒との湿式混合、特に高純度粉末と分散媒である有機溶媒との湿式混合は、湿式ボールミル又は撹拌ミルにより行われる。湿式ボールミルでは、ZrO2製ボールを用いる場合には、直径5〜10mmの多数のZrO2製ボールを用いて8〜24時間、好ましくは20〜24時間湿式混合される。ZrO2製ボールの直径を5〜10mmと限定したのは、5mm未満では混合が不十分となることからであり、10mmを越えると不純物が増える不具合があるからである。また混合時間が最長24時間と長いのは、長時間連続混合しても不純物の発生が少ないからである。
撹拌ミルでは、直径1〜3mmのZrO2製ボールを用いて0.5〜1時間湿式混合される。ZrO2製ボールの直径を1〜3mmと限定したのは、1mm未満では混合が不十分となることからであり、3mmを越えると不純物が増える不具合があるからである。また混合時間が最長1時間と短いのは、1時間を越えると原料の混合のみならずボール自体が摩損するため、不純物の発生の原因となり、また1時間もあれば十分に混合できるからである。
次に上記スラリーを噴霧乾燥して平均粒径が50〜250μm、好ましくは50〜200μmの混合造粒粉末を得る。この造粒粉末を所定の型に入れて所定の圧力で成形する。上記噴霧乾燥はスプレードライヤを用いて行われることが好ましく、所定の型は一軸プレス装置又は冷間静水圧(CIP;Cold Isostatic Press)成形装置が用いられる。一軸プレス装置では、造粒粉末を750〜2000kg/cm2(73.55〜196.1MPa)、好ましくは1000〜1500kg/cm2(98.1〜147.1MPa)の圧力で一軸加圧成形し、CIP成形装置では、造粒粉末を1000〜3000kg/cm2(98.1〜294.2MPa)、好ましくは1500〜2000kg/cm2(147.1〜196.1MPa)の圧力でCIP成形する。圧力を上記範囲に限定したのは、成形体の密度を高めるとともに焼結後の変形を防止し、後加工を不要にするためである。
更に成形体を所定の温度で焼結する。焼結は大気、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気中で1000℃以上、好ましくは1200〜1400℃の温度で1〜10時間、好ましくは2〜5時間行う。これにより相対密度が90%以上のペレットが得られる。上記焼結は大気圧下で行うが、ホットプレス(HP)焼結や熱間静水圧プレス(HIP;Hot Isostatic Press)焼結のように加圧焼結を行う場合には、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気中で1000℃以上の温度で1〜5時間行うことが好ましい。
続いて、本発明の薄膜シート及び積層シートについて、その製造方法とともに説明する。図1に示すように、本発明の薄膜シート10は、第1基材フィルム11と、好ましくは上記蒸着材を用いて形成された本発明の薄膜12を有する。そして、本発明の積層シート20は、上記本発明の薄膜シート10と、この薄膜シート10の薄膜形成側に接着層13を介して接着された第2基材フィルム14とを有する。
第1基材フィルム11及び第2基材フィルム14は、長時間の高温高湿度環境試験に耐え得る機械的強度や耐候性等を有するものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフテレート(PET)、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、トリアセチルセルロース(TAC)、環状オレフィン(コ)ポリマー等の樹脂フィルムが挙げられる。これらの樹脂フィルムは、必要に応じて難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等が配合されていても構わない。第1基材フィルム11及び第2基材フィルム14の厚さは、好ましくは5〜300μm、更に好ましくは10〜150μmである。
この第1基材フィルム11上に、好ましくは上述した本発明の蒸着材を用いて、ガスバリア材としての薄膜12が形成される。薄膜12中のCe元素の含有量は、20質量%を超え80質量%以下である。薄膜12中のCe元素の含有量が20質量%以下ではCe元素の含有量が少なくなりすぎるために、ガスバリア性を向上させるための緻密な微細構造には成り得ず、一方、80質量%を超えるとCe元素の含有量が多くなりすぎて、導電性が得られなくなるからである。膜厚は10〜200nmの範囲内が好ましい。下限値未満では、ガスバリア材としての十分なガスバリア性が得られ難く、また、膜の耐久性が低下しやすい。一方、上限値を超えると材料が無駄になり、また、厚み効果により、折り曲げ等の外力によるクラックが生じやすくなる。このうち、薄膜12の厚さは、20〜100nmの範囲内が特に好ましい。蒸着材を用いた薄膜12の形成方法としては、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法又は反応性プラズマ蒸着法等が挙げられる。このうち、密着性が良好で、高密度、低欠陥な薄膜の成膜が可能であること、また、基体温度を上げなくても結晶性の良い膜が得られること、更に、蒸着材と膜の組成ずれが生じにくいこと等の理由から、反応性プラズマ蒸着法が好ましい。
なお、図1には図示しないが、第1基材フィルム11上には薄膜12との密着強度を向上させるため、必要に応じて、アクリルポリオール、イソシアネート、シランカップリング剤からなるプライマーコーティング層を設けるか、或いは蒸着工程前にプラズマ等を用いた表面処理を施しても構わない。
一方、形成した薄膜12表面が剥き出しの状態では、シートを取扱う際に、膜の表面にキズがついたり、こすれたりすると、ガスバリア性に大きな影響を与える。そのため、薄膜12上には、図示しない薄膜12表面を保護するガスバリア性被膜等を設けるのが好ましい。このガスバリア性被膜は、例えばアルコキシル基を有するケイ素化合物、チタン化合物、ジルコニア化合物、錫化合物又はその加水分解物と水酸基を有する水溶性高分子とを混合した溶液を、薄膜12表面に塗布した後、加熱乾燥して形成することができる。このガスバリア性被膜は、薄膜12の保護層として機能するだけではなく、ガスバリア性を向上させる効果も有する。
このように形成された本発明の薄膜シート10は、水蒸気透過度が0.2g/m2・day以下を示す。即ちこの薄膜シート10は、非常に高く、かつ時間経過による劣化が少ないガスバリア性を有する。
更に、本発明の積層シート20では、上記本発明の薄膜シート10の薄膜形成側、即ち薄膜12上又は上記ガスバリア性被膜上に、接着層13が形成され、この接着層13は、薄膜12が形成された第1基材フィルム11と第2基材フィルム14とを貼り合わせるための接着剤として機能するものである。そのため、接着強度が長期間にわたって劣化せず、デラミネーション等を生じないこと、また、黄変しないこと等の条件が必要であり、例えばポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエステル−ポリウレタン系、ポリカーボネート系、ポリエポキシ−アミン系、ホットメルト系接着剤等が挙げられる。接着層13の積層方法は、ドライラミネート法等の公知の方法で積層することができる。
この接着層13上に第2基材フィルム14を接着して貼り合わせることにより、積層シート20が完成する。なお、薄膜12と接着層13は、図1に示すように、それぞれが1層ずつ積層したものに限定する必要はなく、薄膜12と接着層13を交互に、或いは薄膜12、上記ガスバリア性被膜等の他の部材及び接着層13を交互又はランダムに積層した2〜10層の複層としても良い。これにより、更にガスバリア性や耐候性も向上させることができる。
この積層シート20は、太陽電池モジュールのバックシート、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ又は照明用有機ELディスプレイ等の用途として好適に利用できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、純度が99.7%の高純度ZnO粉末と、純度が99.5%の高純度CeO2粉末と、バインダと、有機溶媒を用意し、これらをボールミルによる湿式混合により混合して、濃度が40質量%のスラリーを調製した。このとき、ZnO粉末は平均粒径が1.2μm、CeO2粉末は平均粒径が0.5μmのものを使用した。また、CeO2粉末の混合量は、形成後の蒸着材に含まれるCe元素が、25質量%となるように調整した。
次に、調製したスラリーをスプレードライヤを用いて噴霧乾燥し、平均粒径が200μmの混合造粒粉末を得た後、この造粒粉末を所定の型に入れて一軸プレス装置によりプレス成形した。得られた成形体を、大気雰囲気中1300℃の温度で5時間焼結させて、蒸着材を得た。得られた蒸着材に含まれるZnO粒子及びCeO2粒子の平均粒径、また、蒸着材に含まれるCe元素の含有量を以下の表1に示す。
<実施例2>
CeO2粉末の混合量を、形成後の蒸着材に含まれるCe元素が、40質量%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様に、蒸着材を得た。得られた蒸着材に含まれるZnO粒子及びCeO2粒子の平均粒径、また、蒸着材に含まれるCe元素の含有量を以下の表1に示す。
<実施例3>
CeO2粉末の混合量を、形成後の蒸着材に含まれるCe元素が、60質量%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様に、蒸着材を得た。得られた蒸着材に含まれるZnO粒子及びCeO2粒子の平均粒径、また、蒸着材に含まれるCe元素の含有量を以下の表1に示す。
<実施例4>
CeO2粉末の混合量を、形成後の蒸着材に含まれるCe元素が、80質量%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様に、蒸着材を得た。得られた蒸着材に含まれるZnO粒子及びCeO2粒子の平均粒径、また、蒸着材に含まれるCe元素の含有量を以下の表1に示す。
<比較例1>
CeO2粉末を混合せずに調整したこと以外は、実施例1と同様に、蒸着材を得た。得られた蒸着材に含まれるZnO粒子の平均粒径を以下の表1に示す。
<比較例2>
CeO2粉末の混合量を、形成後の蒸着材に含まれるCe元素が、100質量%(ただし、不可避不純物を除く。)となるように調整したこと以外は、実施例1と同様に、蒸着材を得た。得られた蒸着材に含まれるZnO粒子及びCeO2粒子の平均粒径、また、蒸着材に含まれるCe元素の含有量を以下の表1に示す。
<比較例3>
ZnO粉末及びCeO2粉末の代わりに平均粒径が0.8μmのSiO2粉末を使用し、SiO2粉末の混合量を、形成後の蒸着材に含まれるSi元素が、100質量%(ただし、不可避不純物を除く。)となるように調整したこと以外は、実施例1と同様に、蒸着材を得た。得られた蒸着材に含まれるSiO2粒子の平均粒径、また、蒸着材に含まれるSi元素の含有量を以下の表1に示す。
Figure 0005519959
<比較試験及び評価1>
実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた蒸着材を用いて、厚さ75μmのPETフィルム上に蒸着を行い、薄膜シートを形成した。これらの薄膜シートについて、水蒸気透過度を測定し、ガスバリア性を評価した。これらの結果を以下の表2に示す。
具体的には、薄膜シートを室温で1時間放置した場合と、温度85℃、相対湿度85%RHの条件で1000時間放置した場合について、その後の水蒸気透過度を、MOCON社製の水蒸気透過率測定装置(型名:PERMATRAN−Wタイプ3/33)を用いて、温度40℃、相対湿度90%RHにおける水蒸気透過度を測定した。
Figure 0005519959
表2から明らかなように、実施例1〜4及び比較例1〜3を比較すると、実施例1〜4では、室温で1時間放置した後の水蒸気透過度及び温度85℃、相対湿度85%RHの条件で1000時間放置した後の水蒸気透過度ともに、0.2g/m2・day以下であった。一方、比較例1〜3では、室温で1時間放置した後の水蒸気透過度及び温度85℃、相対湿度85%RHの条件で1000時間放置した後の水蒸気透過度のいずれも、実施例1〜4よりも高かった。これらのことから、本発明の蒸着材を用いて形成された薄膜は、非常に優れたガスバリア性を有することが確認された。
10 薄膜シート
11 第1基材フィルム
12 薄膜
13 接着層
14 第2基材フィルム
20 積層シート

Claims (2)

  1. 第1基材フィルム上にZn元素とCe元素を含む薄膜を形成してなり、前記薄膜中のCe元素の含有量が20質量%を超え80質量%以下である薄膜シートに第2基材フィルムを積層してなる積層シート。
  2. 前記薄膜シートの水蒸気透過度が0.2g/m2・day以下である請求項1記載の積層シート。
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