JP2009132998A - ZnOスパッタリングターゲットとその製造方法 - Google Patents

ZnOスパッタリングターゲットとその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焼結密度が高く、高電圧下でも異常放電を生じ難く、広い範囲に蒸着膜を形成するスパッタリングターゲット材に適するZnOスパッタリングターゲットとその製造方法などを提供する。
【解決手段】ZnOを主成分とし、希土類酸化物を含有する焼結体ペレットからなり、焼結体の相対密度が97.5%以上であることを特徴とし、好ましくは、希土類酸化物の含有量が0.05〜10質量%であり、一次粒子の平均粒径が0.1〜5.0μmのZnO粉末と、一次粒子の平均粒径が該ZnO粉末の平均粒径の1/5〜1/2である希土類酸化物粉末とを、希土類酸化物の含有量が上記範囲になるように混合し、バインダーを加え、加圧成形し、脱型後、1000℃以上で焼成してなるZnOスパッタリングターゲットとその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ZnOを主成分とし、希土類酸化物を含有するZnOスパッタリングターゲットに関する。より詳しくは、本発明は、主成分のZnOと共に希土類酸化物を含有し、焼結密度が高く、従って高電圧下でも異常放電を生じ難く、広い範囲に蒸着膜を形成する大型スパッタリングターゲット材に適するZnO蒸着材とその製造方法およびZnO膜に関する。
従来、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とするスパッタリングターゲット材が知られている。例えば、特許文献1には、ガリウムを含むZnO焼結体からなり、密度5.5g/cm3以上〜5.65g/cm3未満のZnOターゲット材が記載されている。また、特許文献2には、ZnOを主成分としアルミニウム(Al)をドープした密度5.61g/cm3〜5.68g/cm3および焼結粒径2〜5μmのZnOターゲット材が記載されている。
上記ZnOターゲット材は焼結体の密度を高めて低抵抗のZnO導電膜を形成することを意図しているが、ホットプレス焼結(HP焼結)や冷間静水圧成形(CIP)および再熱処理等といったプロセスの煩雑化および製造コストが高くなることが避けられない。
一方、主成分のZnOにAl,B,Siなどの導電活性元素の酸化物粉末を添加することによって導線性を高めると共に焼結体の密度を高めたZnOターゲット材が知られている。しかし、このターゲット材は高電圧を加えると異常放電を生じ、放電状態が不安定になりやすい問題があった。この欠点を解決するために、微細な原料粉末を用い、真空ホットプレス焼結(HP焼結)によって、相対密度85%以上であって焼結粒の平均粒径を2μm以下に制御したZnOターゲット材が提案されている(特許文献3)。このZnOターゲット材は高電圧を加えても異常放電を生じ難く、長時間の安定成膜が可能であると云う利点を有している。
特開平07−138745号公報 特開平07−258836号公報 特開平06−2130号公報
本発明は、従来の上記問題を解決したものであり、ZnOを主成分とする蒸着材において、Al,B,Siなどの典型元素に代えて、希土類元素をドープ元素として用いることによって、好ましくは、原料粉末として用いる希土類元素酸化物粉末の平均粒径、添加量を調整することによって、HP焼結やCIPによらなくても、焼結体の相対密度を97.5%以上に高めることができ、高電圧下でも異常放電を生じ難い、高密度ZnO焼結体からなるZnOスパッタリングターゲットを提供するものである。
本発明は、以下に示す〔1〕〜〔9〕の構成を有することによって上記課題を解決したZnOスパッタリングターゲットとその製造方法およびZnO膜に関する。
〔1〕酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、希土類酸化物を含有する焼結体からなり、焼結体の相対密度が97.5%以上であることを特徴とするZnOスパッタリングターゲット。
〔2〕平均粒径0.1〜5.0μmのZnO粒子に対して、該ZnO粒子の1/5〜1/2の平均粒径を有する希土類酸化物粒子を含む上記[1]に記載するZnOスパッタリングターゲット。
〔3〕希土類酸化物の含有量が0.05〜10質量%である上記[1]または上記[2]に記載するZnOスパッタリングターゲット。
〔4〕希土類酸化物がCe,Sc,Y,La,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Dyの一種または二種以上の酸化物である上記[1]〜上記[3]の何れかに記載するZnOスパッタリングターゲット。
〔5〕ZnO焼結体が多結晶体または単結晶体である上記[1]〜上記[4]に記載するZnOスパッタリングターゲット。
〔6〕一次粒子の平均粒径が0.1〜5.0μmのZnO粉末と、一次粒子の平均粒径が該ZnO粉末の平均粒径の1/5〜1/2である希土類酸化物粉末とを、希土類酸化物の含有量が0.05〜10質量%になるように混合し、バインダーを加え、加圧成形し、脱型後、1000℃以上で焼成することによって焼結体の相対密度が97.5%以上のZnO焼結体を製造することを特徴とするZnOスパッタリングターゲットの製造方法。
〔7〕上記[6]の製造方法において、有機溶媒および水分等の除去を目的とする予備乾燥として50〜150℃で1〜10時間の処理、バインダーの焼失を目的とする脱脂として400〜600℃で3〜15時間の処理、添加材の均一分散・拡散を助長する目的として700〜1000℃で3〜10時間の処理、そして密度を向上させる焼結工程として1000℃〜1500℃で1〜10時間の処理を行うZnOスパッタリングターゲットの製造方法。
〔8〕上記[1]〜上記[5]に記載するZnOスパッタリングターゲットを用いた真空成膜法によって形成されたZnO膜。
〔9〕真空成膜法がスパッタリング法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、またはパルスレーザー蒸着法である上記[8]に記載するZnO膜。
本発明のZnOスパッタリングターゲットは、Al,B,Siなどの典型元素に代えて、希土類元素をドープ元素として用いることによって、焼結体が相対密度9.75%以上の高い密度を有するので、高電圧を加えても異常放電を生じ難く、長時間にわたって安定な成膜を行うことができる。希土類元素としては、Ce,Sc,Y,La,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Dyの一種または二種以上を用いることができる。
本発明のZnOスパッタリングターゲットは、高い相対密度を有するので、広い面積に蒸着膜を形成する大型のスパッタリングターゲットを形成することができ、スパッタリング用のターゲット材に限らず、蒸着材として広く用いることができる。
本発明のZnOスパッタリングターゲットにおいて、主成分のZnO粒子は平均粒径0.1〜5.0μmであって、希土類酸化物粒子は該ZnO粒の1/5〜1/2の平均粒径を有するものが好ましく、さらに希土類酸化物の含有量は0.05〜10質量%が好ましい。希土類酸化物粒子の粒径および含有量が上記範囲であるものは、相対密度97.5%以上のZnO焼結体を得ることができ、比抵抗10×10-4Ωcm以下の低抵抗導電膜を安定に形成することができるZnOスパッタリングターゲットを得ることができる。
ZnO焼結体は多結晶体でもよく、単結晶体でもよい。いずれの結晶体でも相対密度97.5%以上であれば、上記低抵抗導電膜を安定に形成することができるZnOスパッタリングターゲットを得ることができる。
本発明のZnOスパッタリングターゲットは、好ましくは、一次粒子の平均粒径が0.1〜5.0μmのZnO粉末と、一次粒子の平均粒径が該ZnO粉末の平均粒径の1/5〜1/2である希土類酸化物粉末とを用い、希土類酸化物の含有量が0.05〜10質量%になるようにこれらを混合した原料粉末を用いることによって、ホットプレス焼結(HP焼結)や冷間静水圧成形(CIP)によらなくても、焼結体の相対密度が97.5%以上の高密度ZnO焼結体を得ることができる。
焼成は1つの炉で乾燥から焼結までを行っても良く、また真空雰囲気あるいはガスの導入も必要がない利点を有し、汎用の大気焼成炉で処理を行うことができる。さらに予備焼成によって原料粉の混合および成型プレス時にかかった歪を緩和することが可能であり、本焼結時における焼結工程が進行しやすくなり、結果として密度が向上する。
本発明のZnOスパッタリングターゲットは、真空成膜法によるターゲット材などの蒸着材として用いることができ、具体的には、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、またはパルスレーザー蒸着法などの蒸着材として用いることができる。本発明のZnOスパッタリングターゲットによって形成されたZnO膜は、例えば、比抵抗10×10-4Ωcm以下、透過率89%以上の低抵抗および高透過率の導電膜であり、導電性に優れた導電膜を得ることができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
〔ZnO蒸着材〕
本発明のZnOスパッタリングターゲットは、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、希土類酸化物を含有する焼結体ペレットからなり、焼結体の相対密度が97.5%以上であることを特徴とするZnOスパッタリングターゲットである。
ZnOを主成分とするZnOスパッタリングターゲットは、従来、Al,B,Siなどをドープさせて導電性を高めたものが知られているが、本発明のZnOスパッタリングターゲットは、Al,B,Siなどに代えて希土類元素をドープ成分としたものである。ドープ成分の希土類元素は、Ce,Sc,Y,La,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Dyの一種または二種以上を用いることができる。主成分のZnOに希土類元素をドープすることによって、導電性と共に焼結密度を高めることができる。
本発明のZnOスパッタリングターゲットによれば、実施例に示すように、例えば、比抵抗10×10-4Ωcm以下、透過率87%以上の低抵抗および高透過率の導電膜を安定に形成することができる。
本発明のZnOスパッタリングターゲットでは、3価または4価以上の希土類元素を添加するので、2価であるZnに対して過剰のキャリア電子を発生させることができる。また、希土類はZnOスパッタリングターゲットに添加した場合、蒸着時の組成ずれを起こし難い材料であるので、成膜したときに目的の組成比を有する導電膜を形成することができる。
また、導電性を有するメカニズムとしては、キャリア電子の存在の他に、酸素欠損によるものがある。通常の蒸着法では酸素ガスを導入するが、一般的には膜組成において酸素不足の状態を形成し、例えば、透明導電膜の形成において、酸素欠損を生成させ抵抗を下げる手法が採られるが、希土類元素を添加した本発明のZnO蒸着材では、蒸発性能に優れるため、酸素欠損を制御しやすい利点があり、この利点によってITO並みの導電性を得ることができる。
本発明のZnOスパッタリングターゲットにおいて、主成分のZnO粒子は平均粒径0.1〜5.0μmが好ましい。ZnO焼結体中のZnO粒子が0.1μmより小さいと比表面積が増大し、バインダー量の増大を招き成型プレス体の密度が下がり、結果として焼結後の密度が低下する、一方、ZnO粒子が5.0μmより大きいと添加材が均一に分散し難くなる。
ZnO焼結体中の希土類酸化物粒子は該ZnO粒子平均粒径の1/5〜1/2の平均粒径を有するものが好ましい。希土類酸化物粒子の平均粒径が上記範囲内であると、希土類酸化物粒子がZnO粒子相互の隙間を充填し、焼結体の相対密度を97.5%以上に高めることができる。希土類酸化物粒子の平均粒径が上記範囲より小さいと、ZnO粒子相互の隙間に希土類酸化物粒子が入り込んでも該隙間に空間が残り、焼結体の密度を高めるのが難しい。また、希土類酸化物粒子の平均粒径が上記範囲より大きいと、ZnO粒子相互の隙間に希土類酸化物粒子が入り込み難く、また入り込んでも隙間を大きくするので、この場合も焼結体の密度を高めるのが難しい。
ZnO焼結体中の希土類酸化物の含有量は0.05〜10質量%が好ましい。希土類酸化物の含有量が0.05質量%より少ないと導電性および焼結密度を高める効果が不十分になり、10質量%を上回ると導電性および透過率が低下する傾向がある。
本発明のZnO焼結体は多結晶体でもよく、単結晶体でもよい。いずれの結晶体でも相対密度97.5%以上であれば、実施例に示す低抵抗および高透過率の導電膜を安定に形成することができるZnOスパッタリングターゲットを得ることができる。
本発明のZnOスパッタリングターゲットは、真空成膜法によるターゲット材などの蒸着材として用いることができ、具体的には、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、またはパルスレーザー蒸着法として用いることができる。本発明のZnOスパッタリングターゲットによって形成されたZnO膜は、例えば、比抵抗10×10-4Ωcm以下、透過率89%以上の低抵抗および高透過率の導電膜であり、導電性に優れた導電膜を得ることができる。
〔製造方法〕
本発明のZnOスパッタリングターゲットは、所定粒径のZnO粉末と希土類酸化物粉末とを所定割合に混合した混合粉末を用い、この混合粉末にバインダーを加え、加圧成形し、脱型後、1000℃以上で焼成することによって製造することができる。
原料のZnO粉末は純度98%以上が好ましい。ZnOの純度がこれより低いと成膜の導電性の低下をもたらす。ZnO粉末は一次粒子の平均粒径が0.1〜5.0μmのものが好ましい。ZnO粉末の平均粒径が上記範囲より小さいと、粉末が凝集しやすくハンドリング性が低下する。また、ZnO粉末の平均粒径が上記範囲より大きいと、ZnO粉末相互の間隙が大きくなり、焼結体の相対密度を97.5%以上にするのが難しくなる。
希土類酸化物粉末の一次粒子の平均粒径は、上記ZnO粉末の平均粒径の1/5〜1/2が好ましい。具体的には、希土類酸化物粉末の一次粒子の平均粒径は0.02μm〜2.50μmの範囲が好ましい。希土類酸化物粉末の一次粒子の平均粒径が上記範囲を外れると、焼結体粒子の平均粒径について述べたように、焼結体の相対密度を97.5%以上にするのが難しくなる。
ZnO粉末と希土類酸化物粉末の混合割合は、希土類酸化物の含有量が0.05〜10質量%になる範囲が好ましい。ZnO焼結体について述べたように、希土類酸化物の含有量が0.05質量%より少ないと導電性および焼結密度を高める効果が不十分になり、10質量%を上回ると導電性および透過率が低下する傾向がある。
本発明のZnOスパッタリングターゲットは、所定粒径のZnO粉末と希土類酸化物粉末とを所定割合に混合した混合粉末を用いることによって、ホットプレス焼結(HP焼結)や冷間静水圧成形(CIP)によらなくても、高密度のZnO焼結体を得ることができる。
具体的には、例えば、上記混合原料粉末にバインダー、有機溶媒あるいは水を加え、加圧成形し、脱型後、1000℃以上で焼成することによって製造することができる。バインダーとしてポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メチルセルロースあるいはアクリル樹脂を用いることができる。有機溶媒としてエタノールまたはアセトンを用いることができる。有機溶媒を加えことによってバインダーを希釈し、粉末へ均一に分散させることが可能となる。
成形圧は30〜500MPaが好ましい。成形圧が上記範囲より低いと97.5%以上の相対密度にするのが難しく、上記範囲より高くても焼結体の密度は大差なく、むしろ加圧コストが嵩む。
脱型後、焼成してZnO焼結体を得る。焼成温度は1000℃以上、好ましくは1200〜1400℃が適当であり、焼成時間は1〜10時間が適当であり、2〜5時間が好ましい。焼結雰囲気は大気、不活性ガス、真空または還元ガス雰囲気の何れでもよく、必ずしも真空雰囲気あるいは不活性ガスや還元ガスをの導入する必要はない。
さらに、焼成工程は、有機溶媒および水分等の除去を目的とする予備乾燥として50〜150℃で1〜10時間の処理を行い、バインダーの焼失を目的とする脱脂として400〜600℃で3〜15時間の処理を行い、添加材の均一分散・拡散を助長する目的として700〜1000℃で3〜10時間の処理行った後に、密度を向上させる焼結工程として1000℃〜1500℃で1〜10時間の処理を行うと良い。これらの予備乾燥および予備焼成を行うことによって、原料粉の混合および成型プレス時にかかった歪を緩和することができ、本焼結時における焼結工程が進行しやすくなり、結果として密度が向上する。
以下、本発明の比較例と共に示す。
〔試料の調製〕
実施例および比較例において、一次粒子の平均粒径が1μmのZnO粉末(純度99%以上)を用いた。希土類酸化物粉末は純度99%以上のものを用いた。上記ZnO粉末と希土類酸化物粉末とを混合し、この混合粉末にバインダー(ポリビニルアルコール)および有機溶媒(エタノール)を加えて原料を調製した。この原料を金型に入れ、200MPaの成形圧でプレス成形した。脱型後、大気下、1350℃で5時間焼成し、長さ350mm、幅150mm、厚さ12mmの平板状のZnO焼結体を製造した。
〔成膜方法〕
調製したZnO焼結体を用い、スパッタリング法によって、ガラス基板(無アルカリガラス)の上に膜厚200nmのZnO膜を形成した。成膜条件は、直流印加電圧250W、酸素ガス分圧0.5Pa、基板温度200℃である。
ZnO焼結体の希土類酸化物粉末について、その種類、含有量、および平均粒径を表1に示した。また、焼結体の相対密度、成膜の比抵抗、透過率を表1に示した。
相対密度ρは次式で示される。
ρ=C/〔(ρA×x)+(ρB×(1−x))〕
ここで、C:得られた焼結体の密度、ρA:添加材の真密度、ρB:ZnOの真密度(5.78g/cm3)、x:添加材の重量比率である。
平均粒径、焼結体の密度、比抵抗、透過率の測定方法は以下のとおりである。
〔平均粒径〕
レーザー回折・散乱法に従い、日機装社製(FRA型)を用い、分散媒としてヘキサメタリン酸Naを使用し、1回の測定時間を30秒として3回測定した値を平均化した。
〔焼結体の密度〕
体積法に従い、質量計で測定した質量を、ノギスで寸法測定および計算した体積で徐することで焼結体の密度を算出した。
〔比抵抗〕
三菱化学株式会社製の測定器(商品名ロレスタ:HP型、MCP−T410、プローブは直列1.5mmピッチ)を用い、雰囲気が25℃において定電流印加による4端子4探針法により測定した。
〔透過率〕
株式会社日立製作所製の分光光度計(U−4000)を用い、可視光波長域(380〜780nm)について、成膜後の基板を測定光に対して垂直に設置して測定した。
〔実施例1〜11〕
表1に示す希土類酸化物を用い、上記調製方法によってZnO焼結体を製造した。このZnO焼結体を用い、ZnO膜を形成した。この結果を表1に示した。
〔比較例1〕
希土類酸化物を添加せずにZnO焼結体を製造した。このZnO焼結体を用い、ZnO膜を形成した。この結果を表1に示した。
表1に示すように、本発明の実施例1〜11のZnO焼結体は相対密度が97.5%以上であり、このZnO焼結体を用いて形成したZnO膜は何れも比抵抗10×10-4Ωcm以下、透過率87%以上である。一方、比較例1のZnO焼結体は相対密度が96.2%であり、このZnO焼結体を用いて形成したZnO膜の比抵抗は4.5×10-2Ωcmとなり実施例1〜11より低い。
Figure 2009132998

Claims (9)

  1. 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、希土類酸化物を含有する焼結体からなり、焼結体の相対密度が97.5%以上であることを特徴とするZnOスパッタリングターゲット。
  2. 平均粒径0.1〜5.0μmのZnO粒子に対して、該ZnO粒子の1/5〜1/2の平均粒径を有する希土類酸化物粒子を含む請求項1に記載するZnOスパッタリングターゲット。
  3. 希土類酸化物の含有量が0.05〜10質量%である請求項1または請求項2に記載するZnOスパッタリングターゲット。
  4. 希土類酸化物がCe,Sc,Y,La,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Dyの一種または二種以上の酸化物である請求項1〜請求項3の何れかに記載するZnOスパッタリングターゲット。
  5. ZnO焼結体が多結晶体または単結晶体である請求項1〜請求項4に記載するZnOスパッタリングターゲット。
  6. 一次粒子の平均粒径が0.1〜5.0μmのZnO粉末と、一次粒子の平均粒径が該ZnO粉末の平均粒径の1/5〜1/2である希土類酸化物粉末とを、希土類酸化物の含有量が0.05〜10質量%になるように混合し、バインダーを加え、加圧成形し、脱型後、1000℃以上で焼成することによって焼結体の相対密度が97.5%以上のZnO焼結体を製造することを特徴とするZnOスパッタリングターゲットの製造方法。
  7. 請求項6の製造方法において、有機溶媒および水分等の除去を目的とする予備乾燥として50〜150℃で1〜10時間の処理、バインダーの焼失を目的とする脱脂として400〜600℃で3〜15時間の処理、添加材の均一分散・拡散を助長する目的として700〜1000℃で3〜10時間の処理、そして密度を向上させる焼結工程として1000℃〜1500℃で3〜15時間の処理を行うZnOスパッタリングターゲットの製造方法。
  8. 請求項1〜請求項5に記載するZnO蒸着材を用いた真空成膜法によって形成されたZnO膜。
  9. 真空成膜法がスパッタリング法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、またはパルスレーザー蒸着法である請求項8に記載するZnO膜。
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