JP2010185134A - ZnO蒸着材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バレルスパッタリング法により、ZnO粉末11の表面を、希土類元素群から選ばれた2種以上17種以下の元素を含む希土類元素酸化物13で被覆して粒状体14とする。粒状体14又はこれを仮焼後に解砕して得る仮焼粉末19を用いて、第1造粒粉末15又は第2造粒粉末21を作製し、成形、焼結を経て、ZnO焼結体からなるZnO蒸着材17又は23を作製する。
【選択図】図5
Description
<バレルスパッタリング法によりZnO粉末を希土類元素酸化物で被覆する工程>
まず、本発明に用いるバレルスパッタリング装置について説明する。真空チャンバー内部には、円筒状又は多角柱状のバレル容器が横置きに設けられる。このバレル容器はほぼ水平方向に延びる回転軸を有し、成膜中に回転させることによりバレルの内容物を運動させることができる。バレル容器の中心軸上には、希土類元素酸化物からなるスパッタリングターゲットが設置される。スパッタリング中にバレル容器が回転するため内容物が運動し、その表面に均一な厚さの膜が形成される。スパッタリングガスは、アルゴンが用いられるが、アルゴンに酸素を加えても良い。この場合には、酸化性の雰囲気で成膜が可能となり、アルゴンと酸素の混合比を制御することにより酸素分圧を制御することができる。また、バレル容器にヒーターを設置することが好ましい。この場合には、加熱しながら成膜することも可能である。
図1に示すように、上記粒状体14と、有機溶媒と、バインダとを混合して、濃度が30〜75質量%のスラリーを調製する。好ましい濃度は40〜65質量%である。スラリーの濃度を30〜75質量%に限定したのは、75質量%を越えると上記スラリーが非水系であるため、安定した混合造粒が難しい問題点があり、30質量%未満では均一な組織を有する緻密なZnO焼結体が得られないからである。粒状体14の平均粒径は0.1〜6μmの範囲内にあることが好ましい。上記範囲内に規定したのは、0.1μm未満であると粉末が細かすぎて凝集するため、粉末のハンドリングが悪くなり、高濃度スラリーを調製することが困難となる問題点があり、6μmを越えると、微細構造の制御が難しく、緻密な焼結体が得られない問題点があるからである。
図1に示すように、上記第1造粒粉末15を所定の型に入れて所定の圧力で成形し、成形体16を作製する。所定の型は一軸プレス装置又は冷間静水圧成形装置(CIP(Cold Isostatic Press)成形装置)が用いられる。また、タブレットマシンやブリケットマシン等を用いてもよい。一軸プレス装置では、第1造粒粉末15を750〜2000kg/cm2(73.5〜196.1MPa)、好ましくは1000〜1500kg/cm2(98.1〜147.1MPa)の圧力で一軸加圧成形し、CIP成形装置では、第1造粒粉末15を1000〜3000kg/cm2(98.0〜294.2MPa)、好ましくは1500〜2000kg/cm2(147.1〜196.1MPa)の圧力でCIP成形する。圧力を上記範囲に限定したのは、成形体の密度を高めるとともに焼結後の変形を防止し、後加工を不要にするためである。
図1に示すように、上記成形体16を所定の温度で焼結し、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)17を作製する。焼結は大気、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気中で1000℃以上、好ましくは1200〜1400℃の温度で1〜10時間、好ましくは2〜5時間行う。これにより相対密度が90%以上のペレットが得られる。上記焼結は大気圧下で行うが、ホットプレス(HP)焼結や熱間静水圧プレス(HIP、Hot Isostatic Press)焼結のように加圧焼結を行う場合には、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気中で1000℃以上の温度で1〜5時間行うことが好ましい。また、一軸プレスにより板状の焼結体としても良い。
このようにして得られたZnO焼結体(ZnO蒸着材)17を蒸着源として、真空成膜法により基板表面にZnO膜を形成する。上記ZnO膜を形成するための真空成膜法としては、電子ビーム蒸着法、反応性プラズマ蒸着法、イオンプレーティング法又はスパッタリング法などが挙げられる。
<バレルスパッタリング法によりZnO粉末を希土類元素酸化物で被覆する工程>
図1及び図2に示すように、バレルスパッタリング法により、ZnO粉末11を希土類元素酸化物13で被覆する。その方法は、第1の実施形態に準ずる。
図1に示すように、粒状体14の仮焼を行い、仮焼体18を作製する。仮焼は大気、窒素、還元性ガス、不活性ガス又は真空の雰囲気中で行う。好ましい雰囲気は、大気である。その仮焼温度は800℃以上、好ましくは1000〜1200℃の温度である。保持時間は、1〜10時間、好ましくは2〜5時間である。仮焼に用いる坩堝はアルミナ系、マグネシア系又はジルコニア系坩堝などを用いる。好ましくはマグネシアを用いる。仮焼の目的は、ZnO粉末と、その表面に被覆された希土類元素酸化物との界面で反応を起こし、ZnOと希土類元素酸化物との擬似固溶体を形成することである。この反応性は焼結温度により制御することが可能である。これにより、ZnOマトリックスに対する希土類元素の分散性が向上する効果が期待できる。
図1に示すように、上記仮焼により得られた仮焼体18を機械的に解砕し、仮焼粉末19を作製する。解砕装置には、ジョークラッシャ、ロールクラッシャ、ハンマークラッシャ、ディスククラッシャ、スタンプミル、ボールミル、ビーズミル、振動ミル、ジェットミル等を用いる。平均粒径が0.05〜5μm、好ましくは0.1〜5μmの範囲に入るまで解砕する。この範囲に平均粒径を制御したのは、0.05μm未満では粉末の凝集が著しくなり、5μmを越えると希土類元素酸化物との擬似固溶体を形成する効果が十分に得られないからである。特に好ましい仮焼粉末の平均粒径は0.1〜3μm、更には0.3〜3μmである。
図1に示すように、上記仮焼粉末19を噴霧乾燥造粒して第2造粒粉末21を作製する。その方法は、第1の実施形態に準ずる。
図1に示すように、第2造粒粉末21を用いて成形体22を作製する。その方法は、第1の実施形態に準ずる。
図1に示すように、成形体22を焼結してZnO焼結体(ZnO蒸着材)23を作製する。その方法は、第1の実施形態に準ずる。
第2の実地形態により作製したZnO焼結体(ZnO蒸着材)23を蒸着源とするZnO膜の作製は、第1の実施形態に準ずる。
先ず、純度99.5%のCeO2からなるスパッタリングターゲットと、純度99.5%のSc2O3からなるスパッタリングターゲットの2種類を用意した。そして、純度が99.7%、平均粒径が2.0μmのZnO粉末を所定量計量し、バレルスパッタリング装置のバレル容器内に投入した。バレル容器内を到達真空度2×10-4Paとし、その後全圧が2×10-2Paとなるまでアルゴンに酸素を加えた混合ガスを導入した。次に、バレル容器を100rpmで回転させ、ZnO粉末を流動状態とした。この状態で、最初にCeO2からなるスパッタリングターゲットを用い、ターゲットとチャンバー間に高周波電力を印加してグロー放電を行ってスパッタリングすることにより、ZnO粉末の表面をCeO2で被覆した。更に、CeO2で被覆した上記ZnO粉末について、Sc2O3からなるスパッタリングターゲットを用い、上記と同様にスパッタリングすることにより、Sc2O3で更に被覆した。これにより、厚さ(総厚)が30nmの希土類元素酸化物薄膜を有し、平均粒径が2.0μmの粒状体を作製した。ZnO粉末の投入量や、バレルスパッタリング条件は、粒状体の組成について、ZnOと希土類元素酸化物との合計質量を100質量%としたとき、Ce元素、Sc元素の割合がそれぞれ2質量%になるように制御し、また、希土類元素酸化物薄膜の厚さが30nmになるように制御した。
次の表1に示すように、Ce元素、Sc元素の割合をそれぞれ5質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを60nmとしたこと、粒状体の平均粒径を2.1μmとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表1に示すように、ZnO粉末の表面をCeO2及びNd2O3で被覆したこと、Ce元素、Nd元素の割合をそれぞれ10質量%、5質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを80nmとしたこと、粒状体の平均粒径を2.2μmとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表1に示すように、ZnO粉末の表面をSc2O3及びNd2O3で被覆したこと、Sc元素、Nd元素の割合をそれぞれ1質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを20nmとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
平均粒径が0.5μmのZnO粉末を用いたこと、ZnO粉末の表面をSc2O3及びNd2O3で被覆したこと、Sc元素、Nd元素の割合をそれぞれ5質量%、3質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを60nmとしたこと、粒状体の平均粒径を2.1μmとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表1に示すように、平均粒径が0.5μmのZnO粉末を用いたこと、ZnO粉末の表面をSc2O3及びLa2O3で被覆したこと、Sc元素、La元素の割合をそれぞれ5質量%、10質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを80nmとしたこと、粒状体の平均粒径を2.2μmとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表1に示すように、平均粒径が0.5μmのZnO粉末を用いたこと、ZnO粉末の表面をSc2O3及びLa2O3で被覆したこと、Sc元素、La元素の割合をそれぞれ1質量%、3質量%としたこと、粒状体の平均粒径を2.1μmとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
先ず、ZnO粉末の表面をSc2O3及びSm2O3で被覆したこと、Sc元素、Sm元素の割合をそれぞれ3質量%、5質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを15nmとしたこと以外は、実施例1と同様に、粒状体を作製した。次に、この粒状体について、大気雰囲気中、1000℃の仮焼温度で、3時間仮焼を行い、仮焼体を作製した。次に、作製した仮焼体を、ハンマークラッシャによって機械的に解砕することにより、平均粒径が0.5μmの仮焼粉体を得た。そして、この仮焼粉体について、実施例1と同様の方法及び同条件で、噴霧乾燥造粒することにより、平均粒径が200μmの第2造粒粉末を作製した。更に、この第2造粒粉末を用いて、実施例1と同様の方法及び同条件で成形体を作製し、焼結してZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表1に示すように、平均粒径が5.0μmのZnO粉末を用いたこと、ZnO粉末の表面をSc2O3及びLa2O3で被覆したこと、Sc元素、La元素の割合をそれぞれ5質量%、2質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを45nmとしたこと、粒状体の平均粒径を5.1μmとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表1に示すように、平均粒径が5.0μmのZnO粉末を用いたこと、ZnO粉末の表面をY2O3及びLa2O3で被覆したこと、Y元素、La元素の割合をそれぞれ3質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを20nmとしたこと、仮焼粉体の平均粒径を1.0μmとしたこと以外は、実施例8と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表1に示すように、平均粒径が0.1μmのZnO粉末を用いたこと、ZnO粉末の表面をY2O3及びSm2O3で被覆したこと、Y元素、Sm元素の割合をそれぞれ3質量%、5質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを50nmとしたこと、粒状体の平均粒径を0.2μmとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表1に示すように、ZnO粉末の表面をPr6O11及びSc2O3で被覆したこと、Pr元素、Sc元素の割合をそれぞれ1質量%、2質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを60nmとしたこと、粒状体の平均粒径を2.1μmとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表1に示すように、ZnO粉末の表面をPr6O11及びLa2O3で被覆したこと、Pr元素、La元素の割合をそれぞれ3質量%、2質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを10nmとしたこと以外は、実施例8と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表1に示すように、ZnO粉末の表面をNd2O3及びY2O3で被覆したこと、Nd元素、Y元素の割合をそれぞれ2質量%としたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表1に示すように、ZnO粉末の表面をPm2O3及びSm2O3で被覆したこと、Pm元素、Sm元素の割合をそれぞれ3質量%、4質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを60nmとしたこと、粒状体の平均粒径を2.1μmとしたこと以外は、実施例8と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表1に示すように、ZnO粉末の表面をLa2O3及びNd2O3で被覆したこと、La元素、Nd元素の割合をそれぞれ3質量%としたこと、希土類元素酸化物薄膜の厚さを40nmとしたこと、粒状体の平均粒径を2.1μmとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
先ず、純度が99%、平均粒径が2μmのZnO粉末と、希土類元素酸化物粉末として純度が99%、平均粒径が2.5μmのCeO2粉末及び純度が99%、平均粒径が2.5μmのSc2O3粉末の2種類を用意した。これらの粉末と、有機溶媒と、バインダとを撹拌ミルにより混合し、濃度が30質量%のスラリーを調製した。有機溶媒としてはエタノールを用い、バインダとしてはポリビニルブチラールを用いた。また、バインダの添加量は10質量%とした。
ZnO粉末、CeO2粉末、Sc2O3粉末の配合比率は、最終的に得られるZnO蒸着材中のZnOと希土類元素酸化物との合計質量を100質量%としたとき、Ce元素、Sc元素がそれぞれ2質量%含まれるように調整した。
次の表2に示すように、最終的に得られるZnO蒸着材中のCe元素、Sc元素がそれぞれ5質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてCeO2粉末とNd2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のCe元素、Nd元素がそれぞれ10質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてSc2O3粉末とNd2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のSc元素、Nd元素がそれぞれ1質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてSc2O3粉末とNd2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のSc元素、Nd元素がそれぞれ5質量%、3質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてSc2O3粉末とLa2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のSc元素、La元素がそれぞれ5質量%、10質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてSc2O3粉末とLa2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のSc元素、La元素がそれぞれ1質量%、3質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてSc2O3粉末とSm2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のSc元素、Sm元素がそれぞれ3質量%、5質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてSc2O3粉末とLa2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のSc元素、La元素がそれぞれ5質量%、2質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてY2O3粉末とLa2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のY元素、La元素がそれぞれ3質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてY2O3粉末とSm2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のY元素、Sm元素がそれぞれ3質量%、5質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてPr6O11粉末とSc2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のPr元素、Sc元素がそれぞれ1質量%、2質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてPr6O11粉末とLa2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のPr元素、Sc元素がそれぞれ3質量%、2質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてNd2O3粉末とY2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のNd元素、Y元素がそれぞれ2質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてPm2O3粉末とSm2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のPm元素、Sm元素がそれぞれ3質量%、4質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
次の表2に示すように、希土類元素酸化物粉末としてLa2O3粉末とNd2O3粉末の2種類を使用したこと、最終的に得られるZnO蒸着材中のLa元素、Nd元素がそれぞれ3質量%含まれるようにスラリーを調製したこと以外は、比較例1と同様に、ZnO焼結体(ZnO蒸着材)を得た。
実施例1〜16及び比較例1〜16で得られたZnO蒸着材を用いて、ガラス基板の上に、電子ビーム蒸着法により、所定の膜厚のZnO膜を形成した。成膜条件は、到達真空度が1.0×10-4Paであり、酸素ガス分圧が1.0×10-2Paであり、基板温度が200℃であり、成膜速度が0.5nm/秒であった。形成されたZnO膜について、それぞれ膜厚、透過率及び比抵抗を評価した。これらの結果を次の表3,表4に示す。
12 希土類元素群から選ばれた2種以上17種以下の元素を含む希土類元素酸化物か らなるスパッタリングターゲット
13 希土類元素群から選ばれた2種以上17種以下の元素を含む希土類元素酸化物
14 粒状体
15 第1造粒粉末
16 成形体
17 ZnO焼結体(ZnO蒸着材)
18 仮焼体
19 仮焼粉末
20 ZnOと希土類元素酸化物との擬似固溶体
21 第2造粒粉末
22 成形体
23 ZnO焼結体(ZnO蒸着材)
Claims (7)
- 純度が98%以上のZnO粉末を希土類元素酸化物で被覆してなる粒状体から第1造粒粉末を作製し、前記第1造粒粉末をペレット状、タブレット状又は板状に成形した後、この成形体を焼結して前記希土類元素を0.2〜15質量%含むZnO蒸着材を製造する方法であって、
前記希土類元素酸化物が希土類元素群から選ばれた2種以上17種以下の元素を含み、
バレルスパッタリング法により前記ZnO粉末の表面を前記希土類元素酸化物で被覆して前記粒状体を得る工程と、
前記粒状体により前記第1造粒粉末を作製する工程と
を含むことを特徴とするZnO蒸着材の製造方法。 - 純度が98%以上のZnO粉末を希土類元素酸化物で被覆してなる粒状体から第2造粒粉末を作製し、前記第2造粒粉末をペレット状、タブレット状又は板状に成形した後、この成形体を焼結して前記希土類元素を0.2〜15質量%含むZnO蒸着材を製造する方法であって、
前記希土類元素酸化物が希土類元素群から選ばれた2種以上17種以下の元素を含み、
バレルスパッタリング法により前記ZnO粉末の表面を前記希土類元素酸化物で被覆して前記粒状体を得る工程と、
前記粒状体を大気、窒素、還元性ガス、不活性ガス又は真空の雰囲気中、800〜1200℃で仮焼することにより仮焼体を得る工程と、
前記仮焼体を解砕することにより仮焼粉末を作製する工程と、
前記仮焼粉末により前記第2造粒粉末を作製する工程と
を含むことを特徴とするZnO蒸着材の製造方法。 - 希土類元素群から選ばれた2種以上17種以下の元素がSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm又はSmを2種以上含む請求項1又は2記載のZnO蒸着材の製造方法。
- ZnO粉末の平均粒径が0.1〜10μmである請求項1又は2記載のZnO蒸着材の製造方法。
- 粒状体における、希土類元素酸化物薄膜の厚さが10〜1000nmである請求項1又は2記載のZnO蒸着材の製造方法。
- バレルスパッタリング法により、前記ZnO粉末の表面を前記希土類元素酸化物で被覆して粒状体を得る工程におけるスパッタリングターゲットが、純度が98%以上の希土類元素酸化物からなるスパッタリングターゲットである請求項1又は2記載のZnO蒸着材の製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法で製造されたZnO蒸着材をターゲット材として真空成膜法により形成されたZnO膜。
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