JP3230370B2 - 蒸着用成形物およびそれを用いた真空蒸着方法 - Google Patents

蒸着用成形物およびそれを用いた真空蒸着方法

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真治 森田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飲食品、医薬品などの
包装材料分野、電気絶縁材料、導電材料などの電子材料
分野、写真フィルム製版用フィルム、プリント配線基板
用原画フィルム等の感光性写真材料分野などの分野にお
いて、ガスバリア性、水蒸気バリア性、耐レトルトなら
びに耐ボイル性、耐薬品性及び寸法安定性を必要とする
用途に有用な蒸着フィルムの原料成形物およびそれを用
いた真空蒸着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、真空蒸着に用いられる原料として
は、金属ワイヤー状,金属ブロック状,粉体状、または
粉体を成形加工および焼成し蒸着用成形物としたものが
ある。この中で粉体状の原料の真空蒸着は、蒸着飛沫の
飛散,蒸発速度の安定性に欠ける,単位時間あたりの蒸
発量が少ない等の理由により、高品質の蒸着フィルムを
大量に生産するには適していない。そのため、原料が粉
体の場合は、蒸着用成形物にして真空蒸着するのが普通
である。
【0003】従来の技術では、運搬、充填などのハンド
リングに耐えうる成形強度を有する蒸着用成形物を製造
するには、結合剤、滑沢剤などの成形助剤を加え、湿式
または乾式で造粒、圧縮成形、押し出し成形などの方法
により成形し、乾燥あるいは焼成して蒸着用成形物の強
度をあげるとともに、含有水分、内蔵ガス、不純物等を
除去する。しかし、上記製法は焼成や乾燥に時間が掛か
るのに加え、成形物中の水分や結合助剤等の不純物が完
全に除去され難い。そのため、上記方法により製造され
る成形物を用いて真空蒸着を行うと、真空蒸着中にアウ
トガスが発生したり、被蒸着体へ不純物が混入し、得ら
れる蒸着フィルムの性能低下を招くといく欠点があっ
た。
【0004】また、蒸着用成形物は、生産性の面から、
高アスペクト比であることが好ましい。しかし、結合
剤、滑沢剤などの成形助剤の添加や焼成などを行わずに
高アスペクト比の蒸着用成形物を製造するのは困難であ
った。さらに、真空蒸着に蒸着用成形物を使用する例と
しては、一般的なルツボ方式による真空蒸着法や、特開
平1−252768号公報および特開平2−27777
4号公報に示される原料連続供給機構を有する真空蒸着
法がある。後者において真空蒸着中の蒸着用成形物の破
損は、原料の詰まり(原料供給の停止)の原因となるた
め、外力に比較的強く熱衝撃に対して破損しない蒸着用
成形物が必要とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、蒸着
加工中の熱衝撃による破損を生じないばかりでなく、蒸
着までの蒸着用成形物の運搬、原料供給機構への充填等
のハンドリングに耐えうる成形強度を有する蒸着用成形
物およびその成形物を用いた蒸着方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、珪素40〜6
0モル%、非結晶性二酸化珪素30〜50モル%、およ
び結晶性二酸化珪素10〜30モル%の混合物を真空圧
縮成形法により成形してなり、密度が1.2〜1.4g
/cm3 であることを特徴とする蒸着用成形物により達成
できる。本発明は更に、珪素40〜51.7モル%、非
結晶性二酸化珪素40〜51.7モル%、および二酸化
珪素と酸化マグネシウムの共酸化物0.3〜20モル%
の混合物を真空圧縮成形法により成形してなり、密度が
1.2〜1.4g/cm3であることを特徴とする蒸着用
成形物により達成できる。本発明は更に、珪素40〜6
0モル%、非結晶性二酸化珪素30〜50モル%、およ
び結晶性二酸化珪素10〜30モル%の混合物を、真空
圧縮成形法により、密度が1.2〜1.4g/cm3 の成
形物に成形することを特徴とする蒸着用成形物の製造方
法により達成できる。本発明は更に、珪素40〜51.
7モル%、非結晶性二酸化珪素40〜51.7モル%、
および二酸化珪素と酸化マグネシウムの共酸化物0.3
〜20モル%の混合物を、真空圧縮成形法により、密度
が1.2〜1.4g/cm3 の成形物に成形することを特
徴とする蒸着用成形物の製造方法により達成できる。本
発明は更に、前記蒸着用成形物を用い、温度1300〜
1500℃、真空度1×10-2〜1×10-5torrの
範囲内で、ルツボ方式または蒸発原料を連続的に供給/
排出する方法により真空蒸着することを特徴とする真空
蒸着方法により達成できる。
【0007】本発明において、珪素は粉末形状のもので
あり、粒径は平均粒径0.5〜40μm、さらには1〜
30μmであることが好ましい。粒径が40μmより大
きいと蒸着中の反応性に欠け、0.5μm未満のものは
コストがかかり実用的でない。粒形には特に制限はな
く、不定形、球形などのものを用いることができる。珪
素酸化物としては、非結晶性二酸化珪素,結晶性二酸化
珪素および二酸化珪素と酸化マグネシウムの共酸化物が
あげられる。非結晶性二酸化珪素は粉末形状のものであ
り、X線回折測定による非結晶化度が95%以上のもの
を示す。結晶性二酸化珪素は粉末形状のものであり、X
線回折測定による結晶化度が95%以上のものを示す。
二酸化珪素と酸化マグネシウムの共酸化物は、一般にフ
ォルステライトやステアタイトと言われる粉末形状のも
のである。
【0008】珪素酸化物の粒径は平均粒径0.5〜40
μm、さらには0.8〜20μmであることが好まし
い。粒径が40μmより大きいと蒸着中の反応性に欠
け、0.5μm未満のものはコストがかかり実用的でな
い。粒形にはとくに制限はなく、不定形、球状などのも
のを用いることができる。珪素および珪素酸化物(非結
晶性二酸化珪素,結晶性二酸化珪素,二酸化珪素と酸化
マグネシウムの共酸化物)各々の平均粒径差は、±15
μm以内程度が好ましい。これ以上粒径差が大きいと混
合物が均一に分散できなくなり、混合成分の片寄りが発
生する。
【0009】本発明において、珪素および珪素酸化物
は、真空圧縮成形法により成形する。真空圧縮成形法
は、結合剤,滑沢剤等の成形助剤を添加せずに珪素およ
び珪素酸化物を成形できるため、この成形物を蒸着した
時の蒸着フィルムへのコンタミネーションによる品質低
下の発生がなく、また短時間減圧にしただけで圧縮成形
できるため、焼成,乾燥等は必要とせず、生産性にとっ
ても有利な方法である。また、真空圧縮成形法は減圧に
しながら粉体を圧縮成形する方法であるため、圧縮成形
時に粉体と粉体との間に介在する空気を短時間に効率よ
く排除することができ、結果として、成形時から蒸着ま
での成形物の運搬や充填等のハンドリングに耐えうる成
形強度を持つ成形体を得ることができる。更に、その成
形物のアスペクト比を0.1〜2にすることができる。
ここでアスペクト比とは、成形物の高さを底面の長さま
たは底面の直径で割ったものをいう。
【0010】成形物の圧縮成形方法としては油圧式プレ
ス、機械式プレス等を用いる方法があげられるが、蒸着
までのハンドリングに耐えうる成形強度を得るために
は、高圧で圧縮できる油圧プレスが望ましい。真空圧縮
成形はまず、粉体混合物を成形型に充填し、真空脱気装
置を用いて成形型内雰囲気を真空度360mmHg以
下、好ましくは210mmHg以下に減圧し、減圧下で
強制的に圧縮成形を行う。真空度が360mmHgより
常圧に近くなると、成形に時間が掛かり、また脱気が不
十分であると得られる成形物に破損や層状にひびや破損
の現象が発生する。
【0011】真空脱気装置としては、特に制限はない
が、ドライポンプ,油回転ポンプ,水封式ポンプ等を使
用することができる。真空成形法を用いることにより、
結合剤,成形助剤の添加が必要なくまた焼成,乾燥の工
程を必要とせずに、アスペクト比の低い板状成形物やア
スペクト比の高い円柱状または角柱状の成形物いずれも
短時間で成形できる。ここで得られる成形物は成形時か
ら蒸着使用時までの移動,充填等のハンドリングに耐え
うる成形強度を有する成形物である。
【0012】珪素および珪素酸化物を成形してなる蒸着
用成形物は、密度が1.2〜1.4g/cm3 場合には、
蒸着加工中の熱衝撃による破損を生じず、充分な成形強
度を有する成形物となる。この密度は、いわゆる「かさ
密度」である。密度が1.4g/cm3 を越えると成形物
が熱衝撃により破損し易くなり、また1.2g/cm3
満であると移動,充填等のハンドリングに耐えうる成形
強度を有しない成形物となってしまう。
【0013】蒸着用成形物は、珪素、非結晶性二酸化珪
素、および結晶性二酸化珪素の混合物、あるいは珪素、
非結晶性二酸化珪素、および二酸化珪素と酸化マグネシ
ウムの共酸化物の混合物からなる場合にも、蒸着加工中
の熱衝撃による破損を生じず、充分な成形強度を有する
成形物となる。蒸着用成形物の組成において、結晶性二
酸化珪素および二酸化珪素と酸化マグネシウムの共酸化
物は、結合剤的役割を示す。結晶性二酸化珪素および二
酸化珪素と酸化マグネシウムの共酸化物は、必要に応じ
て併用することもできる。蒸着用成形物が珪素と非結晶
性二酸化珪素のみからなる場合は、蒸着中の熱衝撃によ
って成形物の破損は生じないが、成形時から蒸着時まで
のハンドリングに耐えうる成形強度を得られず、成形物
が破損してしまう。
【0014】反対に、珪素と結晶性二酸化珪素のみから
なる場合は、成形時から蒸着時までのハンドリングに耐
えうる成形強度は得られるが、蒸着中には1000℃以
上となるため、熱衝撃から成形物の破損を生じてしまう
(結晶性二酸化珪素の線膨張係数は5×10-6-1)。
原料を連続的に供給/排出する機構を有する真空蒸着機
で真空蒸着する場合、成形物の破損は原料の供給を阻害
する要因となり、得られる蒸着フィルムに異物を混入さ
せるスプラッシュの原因となる。また、蒸着用成形物が
珪素と二酸化珪素と酸化マグネシウムの共酸化物のみか
らなる場合は、原料を連続的に供給/排出する機構を有
する真空蒸着機で真空蒸着する際に、二酸化珪素と酸化
マグネシウムの共酸化物が融解し、ヒーターに付着して
原料の供給を阻害する要因となるため、安定した生産が
不可能となる。
【0015】レトルト耐性ならびにボイル耐性を持ちバ
リア性を有するシリカ蒸着フィルムを得るには、珪素/
非結晶性二酸化珪素/結晶性二酸化珪素の組成比はそれ
ぞれ40〜60モル%/30〜50モル%/10〜30
モル%であり、45〜55モル%/35〜45モル%/
10〜20モル%であることが好ましい。原料を連続的
に供給/排出する機構を有する真空蒸着機で真空蒸着す
る場合、成形物の組成比において珪素が60モル%より
多いと、蒸着中に珪素が融解しヒーターに付着して、原
料の供給を阻害する要因となるため安定した生産が不可
能となる。また、40モル%より少ないと蒸着の反応性
が乏しくなり、得られる蒸着フィルムのレトルト耐性や
ボイル耐性,ガスバリア性能が低下する。
【0016】レトルト耐性やボイル耐性を必要としない
汎用用途で高透明性、高度なバリア性を有する蒸着フィ
ルムを得るには、珪素/非結晶性二酸化珪素/二酸化珪
素と酸化マグネシウムの共酸化物の組成比はそれぞれ4
0〜51.7モル%/40〜51.7モル%/0.3〜
20モル%であり、45〜50モル%/46.7〜5
1.7モル%/3.3〜8.3モル%であることが好ま
しい。原料を連続的に供給/排出する機構を有する真空
蒸着機で真空蒸着する場合、成形物の組成比において珪
素が51.7モル%より多いと、蒸着中に珪素が融解し
ヒーターに付着して、原料の供給を阻害する要因となる
ため安定した生産が不可能となる。また、40モル%よ
り少ないと蒸着の反応性が乏しくなり、得られる蒸着フ
ィルムのガスバリア性能が低下する。さらに、二酸化珪
素と酸化マグネシウムの共酸化物が20モル%より多い
と二酸化珪素と酸化マグネシウムの共酸化物が融解し、
ヒーターに付着して原料の供給を阻害する要因となるた
め安定した生産が不可能となり、0.3モル%より少な
いと高透明かつガスバリア性に優れた蒸着フィルムが得
られなくなる。
【0017】本発明の蒸着用成形物は、真空中で加熱す
ることにより蒸発させ、プラスチックフィルム上に薄膜
を形成させ、蒸着フィルムを得る。蒸着用成形物を用い
てプラスチックフィルムへ薄膜を形成させる真空蒸着方
式としては、巻き取り連続方式、枚葉方式どちらでも良
い。また、蒸着原料である成形物の加熱方式としては、
その蒸着中にスプラッシュと呼称される蒸着飛沫が発生
しなければまた支障なく取り除ける程度少なければ特に
制限はなく、高周波誘導加熱、抵抗加熱、電子線加熱な
どの従来公知の加熱方法を用いることができる。真空蒸
着の蒸発源としては一般的なルツボ方式でもかまわない
が、異なる昇華点、融点の物質が常時均一に真空蒸着で
きる特開平1−252786号公報や特開平2−277
774号公報に記載される蒸発原料を連続的に供給/排
出する方法が望ましい。成形物の蒸着は、温度1300
〜1500℃,真空度5×10-2〜1×10-5torr
の範囲内で行うことが好ましい。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。なお、実施例にお
ける各特性の測定は、次の測定方法によったものであ
る。 (1)成形後の成形物の状態観察 成形後の成形物の状態を目視により観察し評価した。 (2)蒸着後の成形物の状態観察 成形物を用いて真空蒸着したのち成形物を冷却し、成形
物の状態を目視で観察し評価した。 (3)酸素ガス透過率測定 ASTM D−3985に準じて、酸素ガス透過率測定
器(モダンコントロールズ社OXTRAN−100)を
用いて、25℃、100%RH(湿度)の条件にて測定
した。
【0019】〔実施例1〕珪素(平均粒径10μm)/
非結晶性二酸化珪素(平均粒径2.5μm)/結晶性二
酸化珪素(平均粒径2μm)を、それぞれ50モル%/
40モル%/10モル%混合し、真空脱気装置を用いて
成形型内を310mmHgの真空度にしてから、油圧プ
レスにて圧縮成形を行い、直径40mm×高さ48mm
(アスペクト比1.2)の円筒状の蒸着用成形物を得
た。成形物の密度は1.22g/cm3であった。この蒸
着用成形物を、高周波誘導加熱方式の蒸発源を用いて3
×10 -4torrの真空度下,1350℃で30分間加
熱し、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム表面に真空蒸着させ、約1000Åの珪素
酸化物の薄膜を形成させた。この時の昇温速度は100
℃/minであった。
【0020】〔実施例2〕珪素(平均粒径10μm)/
非結晶性二酸化珪素(平均粒径2.5μm)/二酸化珪
素と酸化マグネシウムの共酸化物であるステアタイト
(平均粒径5μm)を、それぞれ50モル%/45モル
%/5モル%混合し、真空脱気装置を用いて成形型内を
260mmHgの真空度にしてから、油圧プレスにて圧
縮成形を行い、実施例1と同じサイズ,アスペクト比の
円筒状の蒸着用成形物を得た。成形物の密度は1.38
g/cm3 であった。この蒸着用成形物を、特開平1−2
52768号公報および特開平2−27774号公報に
記載される原料を連続的に供給/排出する機構を有する
抵抗加熱方式の蒸発源を用いて3×10-4torrの真
空度下,1350℃で30分間加熱し、厚さ12μmの
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に真
空蒸着させ、約1000Åの珪素酸化物の薄膜を形成さ
せた。昇温速度は実施例1と同じであった。
【0021】[比較例4] 珪素(平均粒径10μm)/結晶性二酸化珪素(平均粒
径2.5μm)を、それぞれ50モル%/50モル%混
合し、真空脱気装置で減圧にしないで、油圧プレスを用
いて圧縮成形を行い、実施例1と同じサイズ、アスペク
ト比の円筒状の蒸着用成形物を得た。成形物の密度は
1.3g/cm3 であった。この蒸着用成形物を用い、実
施例1と同様にして厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム表面に約1000Åの珪素酸
化物の薄膜を形成させた。この時の昇温速度は50℃/
minであった。
【0022】[比較例5] 珪素(平均粒径0.4μm)/非結晶性二酸化珪素(平
均粒径0.4μm)/結晶性二酸化珪素(平均粒径1μ
m)を、それぞれ50モル%/40モル%/10モル%
混合し、真空脱気装置を用いて成形型内を310mmH
gの真空度にしてから、油圧プレスにて圧縮成形を行
い、実施例1と同じサイズ、アスペクト比の円筒状の蒸
着用成形物を得た。成形物の密度は1.55g/cm3
あった。この蒸着用成形物を用い、実施例1と同様にし
て厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルム表面に約1000Åの珪素酸化物の薄膜を形成
させた。この時の昇温速度は100℃/minであっ
た。
【0023】[比較例6] 珪素(平均粒径10μm)/二酸化珪素と酸化マグネシ
ウムの共酸化物であるステアタイト(平均粒径5μm)
を、それぞれ40モル%/60モル%混合し、真空脱気
装置を用いて成形型内を260mmHgの真空度にして
から、油圧プレスにて圧縮成形を行い、実施例1と同じ
サイズ、アスペクト比の円筒状の蒸着用成形物を得た。
成形物の密度は1.38g/cm3 であった。この蒸着用
成形物を用い、実施例1と同様にして厚さ12μmの二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に約1
000Åの珪素酸化物の薄膜を形成させた。この時の昇
温速度は100℃/minであった。
【0024】〔比較例1〕珪素(平均粒径10μm)/
非結晶性二酸化珪素(平均粒径2.5μm)を、それぞ
れ50モル%/50モル%混合し、真空脱気装置を用い
て成形型内を310mmHgの真空度にしてから、油圧
プレスにて圧縮成形を行ったところ、成形物として得ら
れたが、蒸着装置に充填中に破損してしまった。
【0025】〔比較例2〕珪素(平均粒径10μm)/
結晶性二酸化珪素(平均粒径2μm)を、それぞれ50
モル%/50モル%混合し、真空脱気装置を用いて成形
型内を310mmHgの真空度にしてから、油圧プレス
にて圧縮成形を行い、実施例1と同じサイズ,アスペク
ト比の円筒状の蒸着用成形物を得た。成形物の密度は
1.50g/cm3 であった。この蒸着用成形物を用い、
実施例1と同様にして厚さ12μmの二軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルム表面に真空蒸着させたとこ
ろ、蒸着開始してから5分後に成形物が破損し、破損面
からスプラッシュの発生が認められた。その状態のまま
蒸着を続行し、ポリエチレンテレフタレートフィルムに
約1000Åの珪素酸化物の薄膜を形成させた。この時
の昇温速度は50℃/minであった。
【0026】〔比較例3〕珪素(平均粒径10μm)/
二酸化珪素と酸化マグネシウムの共酸化物であるステア
タイト(平均粒径5μm)を、それぞれ50モル%/5
0モル%混合し、真空脱気装置を用いて成形型内を26
0mmHgの真空度にしてから、油圧プレスにて圧縮成
形を行い、蒸着用成形物を得た。その時の密度は1.5
0g/cm3であった。この蒸着用成形物を用い、実施例
2と同様にして厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルム表面に真空蒸着させたところ、蒸
着開始してから5分後に成形物が破損し、その破損面か
らスプラッシュの発生が認められた。その状態のまま蒸
着を続行し、ポリエチレンテレフタレートフィルム約1
000Åの珪素酸化物の薄膜を形成させた。この時の昇
温速度は100℃/minであった。
【0027】実施例および比較例で製造した蒸着用成形
物の成形後および蒸着後の状態を観察し、得られた蒸着
フィルムの酸素ガス透過率を測定した。結果を表1に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の蒸着用成形物を用いることによ
り、プラスチックフィルム表面に、高品質の珪素酸化物
を安定して真空蒸着することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−57417(JP,A) 特開 平4−353531(JP,A) 特開 平4−353532(JP,A) 特開 平1−252768(JP,A) 特開 平7−34224(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】珪素40〜60モル%、非結晶性二酸化珪
    30〜50モル%、および結晶性二酸化珪素10〜3
    0モル%の混合物を真空圧縮成形法により成形して
    り、密度が1.2〜1.4g/cm3 であることを特徴と
    する蒸着用成形物。
  2. 【請求項2】珪素40〜51.7モル%、非結晶性二酸
    化珪素40〜51.7モル%、および二酸化珪素と酸化
    マグネシウムの共酸化物0.3〜20モル%の混合物を
    真空圧縮成形法により成形してなり、密度が1.2〜
    1.4g/cm 3 であることを特徴とする蒸着用成形物。
  3. 【請求項3】珪素40〜60モル%、非結晶性二酸化珪
    素30〜50モル%、および結晶性二酸化珪素10〜3
    0モル%の混合物を、真空圧縮成形法により、密度が
    1.2〜1.4g/cm 3 の成形物に成形することを特徴
    とする蒸着用成形物の製造方法。
  4. 【請求項4】珪素40〜51.7モル%、非結晶性二酸
    化珪素40〜51.7モル%、および二酸化珪素と酸化
    マグネシウムの共酸化物0.3〜20モル%の混合物
    を、真空圧縮成形法により、密度が1.2〜1.4g/
    cm 3 の成形物に成形することを特徴とする蒸着用成形物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の蒸着用成形物を用
    い、温度1300〜1500℃、真空度1×10-2〜1
    ×10-5torrの範囲内で、ルツボ方式または蒸発原
    料を連続的に供給/排出する方法により真空蒸着するこ
    とを特徴とする真空蒸着方法。
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