JPH0912502A - 新規なトランスヒドリンダン誘導体 - Google Patents

新規なトランスヒドリンダン誘導体

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JPH0912502A
JPH0912502A JP18349095A JP18349095A JPH0912502A JP H0912502 A JPH0912502 A JP H0912502A JP 18349095 A JP18349095 A JP 18349095A JP 18349095 A JP18349095 A JP 18349095A JP H0912502 A JPH0912502 A JP H0912502A
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JP
Japan
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group
compound
formula
methyl
examples
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JP18349095A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Takahashi
和彦 高橋
Masahiko Ikeda
雅彦 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0912502A publication Critical patent/JPH0912502A/ja
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビタミンD誘導体の合成中間体を提供する。 【構成】 例えば式 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビタミンD誘導体の製
造における合成中間体として利用できる新規なトランス
ヒドリンダン誘導体に関する。ビタミンDはカルシウム
の吸収、輸送あるいは代謝異常に起因する種々の疾患、
例えばくる病、骨軟化症、骨粗しょう症などの骨の疾患
に対する治療もしくは予防薬として有用であるが、これ
はビタミンD3 の代謝体である1α,25ジヒドロキシ
体の生理活性に基づくものである。しかしながらこの1
α,25ジヒドロキシ体自体は非常に強い副作用を有
し、近年、作用の分離を目的としたビタミンD誘導体の
開発が大きな関心を集めてきている(THE BONE
1995.3 Vol.9 No.1 p.53)。
【0002】
【従来の技術】下記式(2)、(3)および(4)
【化2】 (式中、R1 およびR2 は水酸基の保護基を表す)で表
される化合物は、こうしたビタミンD誘導体の重要な合
成中間体として用いられてきている(化合物(2)およ
び(3):特開平5−246983号公報、化合物
(4):特開平7−126246号公報)。これらの化
合物の製造方法としては下記スキーム
【化3】
【化4】 (式中、TBSはtert−ブチルジメチルシリル基を
表し、Tsはパラトルエンスルホニル基を表す)で表さ
れるようにエルゴカルシフェロールから製造する方法が
報告されている(シアノ体およびホルミル体まで:ケミ
ストリー・レターズ(Chem.Lett.)583頁
(1979年)、アセチル体まで:特開平7−1262
46号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの方法
は工程が多段階におよぶ上に、不安定でかつ取り扱いに
も注意を要するトリエン構造のままハンドリングを続け
なければならないといった問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、種々検討を行った結果、一般式
(1)
【化5】 (式中、Xはハロゲン原子を表し、Yはシアノ基、ホル
ミル基またはアシル基を表す)で表される化合物を合成
中間体として用いれば、これを1,7−エンイン化合物
とパラジウム触媒を用いて反応させることによって、ビ
タミンD誘導体の重要な合成中間体が効率よく製造でき
ることを見出し本発明を完成した。
【0005】以下、本発明の化合物における官能基につ
いて詳細に説明する。ハロゲン原子としては、塩素原
子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。アシル基
としては、式−COR5 (式中、R5 はアルキル基また
は置換もしくは無置換のアリール基を表す)で表される
基が挙げられる。アルキル基としては、低級アルキル基
が挙げられ、低級アルキル基としては、炭素数が1から
8のアルキル基が挙げられる。さらに具体的には、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ter
t−ブチル基が挙げられる。アリール基としては、炭素
原子数10個以下のアリール基が挙げられ、さらに具体
的にはフェニル基、1−ナフチル基および2−ナフチル
基が挙げられる。アリール基の置換基としては、アルキ
ル基が挙げられる。本発明化合物のうち特に好適なもの
としてはYがシアノ基、ホルミル基またはアセチル基で
ある化合物が挙げられる。
【0006】次に本発明の化合物を製造する方法につい
て詳細に説明する。まずYがシアノ基である化合物は、
例えば下式
【化6】 (式中、Xは前記と同じ意味を表す)に従えば合成する
ことができる。すなわち、公知の方法(特開昭59−1
76250)により入手可能な化合物(5)の水酸基を
酸化して得られる化合物(6)を、引き続きハロゲノメ
チルトリフェニルホスホニウム・ハライドと強塩基を作
用させたものとWittig反応させることにより、目
的のシアノ体(7)を得ることが可能である。酸化反応
の方法(工程A)としてはComprehensive
Organic Transformations:
A Guide to Functional Gro
up Preparartions, VCH Pub
lishers, New York,pp604−6
14(1989)に記載されている方法等が挙げられる
が、縮環部の異性化が起こらないものであれば、通常用
いられるいかなる酸化方法も用いられる。例えば、クロ
ム酸、ピリジニウムクロロクロメート(PCC)、ピリ
ジニウムジクロメート(PDC),ジメチルスルホキシ
ド(DMSO)、Dess−Martin試薬(1,
1,1−トリアセトキシ−1−ジヒドロ−1,2−ベン
ズヨードキソル−3(1H)−オン)、四酸化ルテニウ
ムテトラプロピルアンモニウム塩−N−メチルモルホリ
ン−N−オキシド系(TPAP−NMO)等による酸化
が挙げられる。
【0007】酸化して得られた化合物(6)は酸・塩基
等の作用により容易に縮環部の異性化を起こし、続く工
程の収率低下の原因となるため、通常精製を行わず引き
続くWittig反応に用いる。Wittig反応(工
程B)で用いるホスホニウム塩としてはクロロメチルト
リフェニルホスホニウム・クロリド、ブロモメチルトリ
フェニルホスホニウム・ブロミド、ヨードメチルトリフ
ェニルホスホニウム・ヨーダイド等があげられ、強塩基
としてはリチウム・ヘキサメチルジシラジド、ナトリウ
ム・ヘキサメチルジシラジド、カリウム・ヘキサメチル
ジシラジド、リチウム・ジイソプロピルアミド、リチウ
ム・テトラメチルピペラジド等が挙げられる。溶媒とし
ては、エーテル類、炭化水素系溶媒またはこれらの混合
物が用いられる。具体的には、エーテル類としては、ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテ
ル、ジオキサン等が挙げられる。また、炭化水素系溶媒
としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、
ヘプタン等が挙げられる。この中でも、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフランが好適に用いられる。反応は通
常、−78℃から0℃の温度範囲で行う。かくして生成
した化合物(7)は、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー、再結晶等の方法により精製可能である。
【0008】次にYがホルミル基である化合物は、下式
【化7】 (式中、Xは前記と同じ意味を表す)に従って、前記の
方法により得られる化合物(7)のシアノ基を還元(工
程C)することにより得ることが可能である。シアノ基
の還元の方法としては文献(例えばOrganic F
unctional Group Preparart
ions,2nd Ed.,vol.1,Academ
ic Press,New York,pp 187−
189(1983))に記載されている方法等が挙げら
れるが、ハロゲノメチレン部位の還元が起こらないもの
であれば、通常用いられるいかなる還元方法も用いられ
る。例えば、ジイソブチルアルミニウムハイドライド
(DIBAL−H)、塩化第2錫−塩酸、リチウムトリ
エトキシアルミニウムハイドライド、ラネーニッケル−
水素等が挙げられる。得られた化合物(8)はこの段階
でシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の手段により
精製を行うことも可能であるが、精製を行わず次の工程
に用いてもかまわない。
【0009】次にYが式−COR5 で表される基である
化合物は、例えば下式
【化8】 (式中、XおよびR5 は前記と同じ意味を表し、Mはア
ルカリ金属またはMgZ(Zはハロゲン原子を表す)を
表す)に従って、前記の方法により得られる化合物
(7)と式R5 Mで表される化合物と反応させる(工程
D)ことにより得ることが可能である。アルカリ金属と
しては、リチウム等が挙げられる。R5 Mとしてより具
体的には、R5 がアルキル基である化合物としてメチル
リチウム、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネ
シウムブロミド、ブチルリチウム、イソブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム等があげられ、またR5がアリール基である化合物と
してフェニルリチウム、フェニルマグネシウムブロミド
等が挙げられる。用いるR5 Mの量としては、化合物
(6)に対してモル比で1.05倍から20倍の間で採
用されるが、好適には1.05倍から5倍である。溶媒
としては、エーテル類、炭化水素系溶媒またはこれらの
混合物が用いられる。具体的には、エーテル類として
は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジメトキシエタン、t−ブチルメチル
エーテル、ジオキサン等が挙げられる。また、炭化水素
系溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキ
サン、ヘプタン等が挙げられる。この中でも、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフランが好適に用いられる。ま
たこれらの溶媒は、使用前に乾燥したものを用いるのが
好ましい。反応は通常、−78℃から0℃の温度範囲で
行う。反応終了後は、塩酸,硫酸等を用いて酸処理を行
い化合物(9)を得る。かくして生成した化合物(9)
は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶等の
方法により精製可能である。
【0010】Yが式−COR5 で表される基である化合
物は、下式
【化9】 (式中、X、MおよびR5 は前記と同じ意味を表す)に
従って、前記の方法で得られる化合物(8)と式R5
で表される化合物とを反応させ(工程E)、引き続き酸
化(工程F)することによっても得ることが可能であ
る。用いるR5 Mの量としては、化合物(8)に対して
モル比で1.05倍から20倍の間で採用されるが、好
適には1.05倍から5倍である。溶媒としては、エー
テル類、炭化水素系溶媒またはこれらの混合物が用いら
れる。具体的には、エーテル類としては、ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル、ジオキ
サン等が挙げられる。また、炭化水素系溶媒としては、
トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等
が挙げられる。この中でも、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフランが好適に用いられる。またこれらの溶媒
は、使用前に乾燥したものを用いるのが好ましい。反応
は通常、−78℃から0℃の温度範囲で行う。得られた
化合物(10)はこの段階でシリカゲルカラムクロマト
グラフィー等の手段により精製を行うことも可能である
が、精製を行わず次の工程に用いてもかまわない。酸化
反応の方法(工程F)としては文献(例えばCompr
ehensiveOrganic Transform
ations:A Guide toFunction
al Group Preparartions, V
CHPublishers, New York,pp
604−614(1989))に記載されている方法等
が挙げられるが、ハロゲノメチレン部位の酸化が起こら
ないものであれば、通常用いられるいかなる酸化方法も
用いられる。例えば、クロム酸、ピリジニウムクロロク
ロメート(PCC)、ピリジニウムジクロメート(PD
C),ジメチルスルホキシド(DMSO)、Dess−
Martin試薬(1,1,1−トリアセトキシ−1−
ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソル−3(1H)−
オン)、四酸化ルテニウムテトラプロピルアンモニウム
塩−N−メチルモルホリン−N−オキシド系(TPAP
−NMO)等による酸化が挙げられる。かくして生成し
た化合物(9)は、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー、再結晶等の方法により精製可能である。
【0011】本発明で見出されたトランスヒドリンダン
誘導体(1)を用いると、下記式
【化10】 (式中、XおよびYは前記と同じ意味を表し、R3 およ
びR4 は同一でも異なっていてもよい水酸基の保護基を
表す)で表されるスキームに従えば目的とするビタミン
D誘導体の重要合成中間体が容易に合成できる。すなわ
ち、本発明の化合物を文献記載の方法(ジャーナル・オ
ブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.C
hem.Soc.)114巻,9836頁(1992
年))に従い、エンイン化合物(11)とパラジウム触
媒を用いてカップリング反応させることにより、目的の
ビタミンD誘導体を合成することが可能である。本反応
中R3 およびR4 で表される水酸基の保護基としては、
本方法の反応条件に使用しうるものであれば公知の方法
で導入できるいかなるものでも使用できる(例えばPr
otective Groups in Organi
c Synthesis,John−Wiley &
Sons, New York,pp10−142(1
991)に記載されている)が、酸により除去される保
護基、なかでも置換シリル基、置換メチル基、テトラヒ
ドロピラニル基等を挙げることができる。置換シリル基
としては、低級アルキル基やアリール基で置換されたシ
リル基が挙げられ、低級アルキル基としてはメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル等の炭素原
子数8個以下のアルキル基が、アリール基としてはフェ
ニル等の炭素原子数10個以下のアリール基が挙げられ
る。置換シリル基の具体的な例としてはトリメチルシリ
ル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル
基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロ
ピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ジフェニ
ルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基など
を挙げることができる。置換メチル基における置換基と
してはアルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキルオキ
シ基、アルコキシアルコキシ基等が挙げられ、これら置
換基のアルキル部分としてはメチル、エチル等の炭素原
子数4個以下のアルキル基が、アリール部分としてはフ
ェニル等の炭素原子数10個以下のアリール基が挙げら
れる。置換メチル基の具体的な例としては、メトキシメ
チル基、メチルチオメチル基、ベンジルオキシメチル
基、メトキシエトキシメチル基などを挙げることができ
る。好適な保護基として低級アルキル基やアリール基で
置換されたシリル基やアルコキシ基で置換されたメチル
基を選ぶことができる。より具体的には、トリイソプロ
ピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基あるいはジ
フェニルメチルシリル基などの置換シリル基、メトキシ
メチル基、テトラヒドロピラニル基、ベンジルオキシメ
チル基、メトキシエトキシメチル基などを挙げることが
できる。
【0012】Yが式−COR5 で表される基である本発
明の化合物(9)を上記方法に従いエンイン化合物と反
応させれば下式の化合物(13)が得られるが、別の方
法としてYがシアノ基である本発明の化合物(7)を上
記方法に従いエンイン化合物と反応させて得た化合物
(2’)から下式に示すようにして化合物(13)を得
ることもできる。
【化11】 (式中、R3 、R4 、R5 およびMは前記と同じ意味を
表す) 反応は通常、不活性ガス雰囲気下で行う。用いるR5
の量としては、化合物(2’)に対してモル比で1.0
5倍から20倍の間で採用されるが、好適には1.05
倍から5倍である。溶媒としては、エーテル類、炭化水
素系溶媒またはこれらの混合物が用いられる。具体的に
は、エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、t−ブチルメチルエーテル、ジオキサン等が挙げら
れる。また、炭化水素系溶媒としては、トルエン、ベン
ゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられる。
この中でも、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランが
好適に用いられる。またこれらの溶媒は、使用前に乾燥
したものを用いるのが好ましい。反応は通常、−78℃
から0℃の温度範囲で行う。反応終了後は、塩酸,硫酸
等を用いて酸処理を行い化合物(13)を得る。かくし
て生成した化合物(13)は、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー、再結晶等の方法により精製可能である。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、工程が多段階におよぶ
上に、熱・光に対して不安定で取り扱いにも注意を要す
るトリエン構造のままハンドリングを続けなければなら
ないといった問題があったビタミンD誘導体の重要な合
成中間体の合成が効率よく、かつ安全に行えるようにな
った。
【0014】
【実施例】次に、実施例、参考例をあげて本発明をさら
に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれらによっ
てなんら限定されるものではない。なお、構造式に於い
て使用されている略号、TBSはtert−ブチルジメ
チルシリル基を表す。 実施例1
【化12】 (3)−3−((1,3a,4,7a)−オ
クタヒドロ−4−ヒドロキシ−7a−メチル−1H−イ
ンデン−1−イル)−ブタンニトリル(5)1.11g
を、窒素雰囲気下塩化メチレン35gに溶解し、N−メ
チルモルホリン−N−オキシド0.88g、粉末モレキ
ュラーシーブス4A2.45g、テトラ−n−プロピル
アンモニウムパールテネート58mgを順次加え室温で
90分撹拌した。反応液をセライト(登録商標)上で濾
過し、さらに酢酸エチルで洗浄した。濾洗液をチオ硫酸
ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。濃縮後、直ちに次の反応に用い
た。窒素雰囲気下、ブロモメチルトリフェニルフォスフ
ォニウムブロミド8.0gをテトラヒドロフラン(TH
F)中でスラリー化し、これを−78℃まで冷却したの
ちに、ナトリウムヘキサメチルジシラジドの1NTHF
溶液17.5mlを滴下した。1時間その温度で攪拌し
た後、上記の反応により得られた酸化物のTHF溶液を
加え、室温まで徐々に昇温した。50gの水を加えた
後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和重曹水、飽和食
塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。濃
縮後、ショートカラム(シリカゲル)で極性成分を取り
除き、濃縮後さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、酢酸エチル:ヘキサン(1:30)で溶出さ
れる分画を集め、目的の(3)−3−((1,3a
,7a)−オクタヒドロ−4−()−ブロモメチ
レン−7a−メチル−1H−インデン−1−イル)−ブ
タンニトリル(14)558.0mgを得た(収率38
%)。1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.59(3H,
s),1.18(3H,d,J=6.6Hz),1.2
−2.2(13H,m),2.47(1H,dd,J=
2.6,15.8Hz),2.87(1H,m),5.
64(1H,d,J=2.0Hz).
【0015】実施例2
【化13】 (3)−3−((1,3a,7a)−オクタヒ
ドロ−4−()−ブロモメチレン−7a−メチル−1
H−インデン−1−イル)−ブタンニトリル(14)2
02mgを窒素雰囲気下で塩化メチレンに溶解し、−1
5℃まで冷却した。水素化ジイソブチルアルミニウムの
0.93Nのヘキサン溶液1.25mlを加え、3時間
かけて−5℃まで昇温した。飽和塩化アンモニウム水溶
液1mlを加えた後、ジエチルエーテル45mlを加え
室温でさらに1時間攪拌した。そこへさらに硫酸マグネ
シウムを加え0.5時間攪拌した後濾過濃縮し、得られ
たオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、酢酸エチル:ヘキサン(1:7)で溶出される分画
を集め、目的の(3)−3−((1,3a,7a
)−オクタヒドロ−4−()−ブロモメチレン−7
a−メチル−1H−インデン−1−イル)−ブタナール
(15)188mgを得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.60(3H,
s),0.93(3H,d,J=6.3Hz),1.2
−2.5(14H,m),2.86(1H,m),5.
66(1H,d,J=1.6Hz),9.76(1H,
dd,J=1.3,3.3Hz).
【0016】実施例3
【化14】 (3)−3−((1,3a,7a)−オクタヒ
ドロ−4−()−ブロモメチレン−7a−メチル−1
H−インデン−1−イル)−ブタナール(15)38m
gのテトラヒドロフラン3ml溶液に、窒素雰囲気下メ
チルマグネシウムブロミドの0.92Mテトラヒドロフ
ラン溶液0.28mlを−60℃で滴下し、−10℃ま
で昇温して2時間撹拌した。水5gを加え室温で30分
攪拌した後、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を10
%塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧濃縮し、残渣を得た。これを塩化
メチレン中に溶解し、、N−メチルモルホリン−N−オ
キシド25mg、粉末モレキュラーシーブス4A49m
g、テトラ−n−プロピルアンモニウムパールテネート
5mgを順次加え室温で90分撹拌した。反応液をセラ
イト(登録商標)上で濾過し、さらに酢酸エチルで洗浄
した。濾洗液をチオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水
で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチ
ル:ヘキサン(1:10)で溶出される分画を集め、目
的の(4)−4−((1,3a,7a)−オク
タヒドロ−4−()−ブロモメチレン−7a−メチル
−1H−インデン−1−イル)−ペンタン−2−オン
(16)28mgを得た(収率93%)。1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.60(3H,
s),0.93(3H,d,J=6.3Hz),1.2
−2.2(13H,m),2.47(1H,dd,J=
2.6,15.8Hz),2.87(1H,m),5.
64(1H,s).
【0017】実施例4
【化15】 (3)−3−((1,3a,7a)−オクタヒ
ドロ−4−()−ブロモメチレン−7a−メチル−1
H−インデン−1−イル)−ブタンニトリル(14)6
1mgのテトラヒドロフラン3ml溶液に、窒素雰囲気
下メチルリチウムの1.13Mテトラヒドロフラン溶液
0.9mlを−30℃で滴下し、−5℃まで2時間かけ
て昇温した。水5gを加え室温で30分攪拌した後、酢
酸エチルで2回抽出した。有機層を10%塩酸、飽和重
曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧濃縮し、残渣を得た。シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、酢酸エチル:ヘキサン(1:1
0)で溶出される分画を集め、目的の(4)−4−
((1,3a,7a)−オクタヒドロ−4−
)−ブロモメチレン−7a−メチル−1H−インデ
ン−1−イル)−ペンタン−2−オン(16)と原料の
混合物(1:1)を20mgを得た(収率16%)。
【0018】参考例1
【化16】 トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム
(0)クロロホルム錯体(27mg)とトリフェニルホ
スフィン(44mg)そしてトリエチルアミン(2.5
ml)をトルエン(2.5ml)に加え10分間撹拌し
た。続いて(3)−3−((1,3a,7a
−オクタヒドロ−4−()−ブロモメチレン−7a−
メチル−1H−インデン−1−イル)−ブタンニトリル
(14)(126mg)と(3,5)−3,5−ビ
ス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−オクタ−1−
エン−7−イン(128mg)のトルエン(1.0m
l)溶液を加え、1時間加熱還流した。放冷後、反応液
をそのままシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、酢酸エチル:ヘキサン(1:20)で溶出される分
画を集め目的とする(1,3,20)−1,3−
ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−シア
ノメチル−9,10−セコプレグナ−(5,7)−
5,7,10(19)−トリエン(17)(175m
g、86%)を得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.06(12H,
s),0.55(3H,s),0.87(18H,
s),1.17(3H,d,J=6.6Hz),1.2
−2.5(18H,m),2.83(1H,m),4.
19(1H,m),4.37(1H,m),4.86
(1H,m),5.18(1H,m),6.01(1
H,d,J=11Hz),6.23(1H,d,J=1
1Hz).
【0019】参考例2
【化17】 参考例1で(3)−3−((1,3a,7a
−オクタヒドロ−4−()−ブロモメチレン−7a−
メチル−1H−インデン−1−イル)−ブタンニトリル
(14)の代わりに(3)−3−((1,3a
7a)−オクタヒドロ−4−()−ブロモメチレン
−7a−メチル−1H−インデン−1−イル)−ブタナ
ール(15)を用いた以外は同様の操作により、(1
,3,20)−1,3−ビス(t−ブチルジメチ
ルシリルオキシ)−20−ホルミルメチル−9,10−
セコプレグナ−(5,7)−5,7,10(19)
−トリエン(18)を収率72%で得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.06(12H,
s),0.58(3H,s),0.88(18H,
s),1.03(3H,d,J=6.3Hz),1.2
−2.5(18H,m),2.83(1H,dd,J=
3.7,11.6Hz),4.19(1H,tt,J=
3.7,7.4Hz),4.37(1H,dd,J=
3.7,6.3Hz),4.86(1H,m),5.1
8(1H,m),6.01(1H,d,J=11H
z),6.23(1H,d,J=11Hz),9.76
(1H,br.s).
【0020】参考例3
【化18】 参考例1で(3)−3−((1,3a,7a
−オクタヒドロ−4−()−ブロモメチレン−7a−
メチル−1H−インデン−1−イル)−ブタンニトリル
(14)の代わりに(4)−4−((1,3a
7a)−オクタヒドロ−4−()−ブロモメチレン
−7a−メチル−1H−インデン−1−イル)−ペンタ
ン−2−オン(16)を用いた以外は同様の操作によ
り、(1,3,20)−1,3−ビス(t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)−20−(プロパン−2−オ
ン−1−イル)−9,10−セコプレグナ−(5,7
)−5,7,10(19)−トリエン(19)を収率
65%で得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.06(12H,
s),0.57(3H,s),0.87(18H,
s),0.93(3H,d,J=6.5Hz),1.2
−2.3(16H,m),2.12(3H,s),2.
4−2.6(2H,m),2.7−2.9(1H,
m),2.83(1H,dd,J=3.7,11.6H
z),4.18(1H,m),4.37(1H,m),
4.85(1H,d,J=2.3Hz),5.17(1
H,m),6.01(1H,d,J=11Hz),6.
23(1H,d,J=11Hz).
【0021】参考例4
【化19】 (1,3,20)−1,3−ビス(t−ブチルジ
メチルシリルオキシ)−20−シアノメチル−9,10
−セコプレグナ−(5,7)−5,7,10(1
9)−トリエン(17)133.2mgのテトラヒドロ
フラン4ml溶液に、窒素雰囲気下メチルリチウムの
1.16Mテトラヒドロフラン溶液1.0mlを−40
℃で滴下し、−20℃まで2.5時間かけて昇温した。
水5gを加え室温で30分攪拌した後、酢酸エチルで2
回抽出した。有機層を10%塩酸、飽和重曹水、飽和食
塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮
し、残渣を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー
に付し、酢酸エチル:ヘキサン(1:10)で溶出され
る分画を集め、目的の(1,3,20)−1,3
−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−
(プロパン−2−オン−1−イル)−9,10−セコプ
レグナ−(5,7)−5,7,10(19)−トリ
エン(19)と原料の混合物(1:1)105mgを得
た(収率40%)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を表し、Yはシアノ基、ホル
    ミル基またはアシル基を表す)で表される化合物。
  2. 【請求項2】Xが臭素原子であり、Yがシアノ基である
    請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】Xが臭素原子であり、Yがホルミル基であ
    る請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】Xが臭素原子であり、Yがアセチル基であ
    る請求項1記載の化合物。
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WO2007064011A1 (ja) 2005-12-02 2007-06-07 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha コンバージェント法を用いるビタミンd誘導体の製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007064011A1 (ja) 2005-12-02 2007-06-07 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha コンバージェント法を用いるビタミンd誘導体の製造方法
US8173824B2 (en) 2005-12-02 2012-05-08 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Process for producing vitamin D derivative using convergent method

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