JP3228486B2 - ヒドロキシケトン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ヒドロキシケトン誘導体およびその製造方法

Info

Publication number
JP3228486B2
JP3228486B2 JP26884293A JP26884293A JP3228486B2 JP 3228486 B2 JP3228486 B2 JP 3228486B2 JP 26884293 A JP26884293 A JP 26884293A JP 26884293 A JP26884293 A JP 26884293A JP 3228486 B2 JP3228486 B2 JP 3228486B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
derivative
general formula
represent
hydroxyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26884293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07126284A (ja
Inventor
由典 安藤
万蔵 塩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP26884293A priority Critical patent/JP3228486B2/ja
Publication of JPH07126284A publication Critical patent/JPH07126284A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3228486B2 publication Critical patent/JP3228486B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Steroid Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1α,3β−ジヒドロ
キシコレスタ−5,7,22−トリエン−24−オン誘
導体を製造する方法において有用な中間体化合物、該中
間体化合物から1α,3β−ジヒドロキシコレスタ−
5,7,22−トリエン−24−オン誘導体を製造する
方法および該中間体化合物の製造方法に関する。本発明
により得られる1α,3β−ジヒドロキシコレスタ−
5,7,22−トリエン−24−オン誘導体は、乾癬、
カルシウム代謝欠陥症等の治療剤として期待されてい
る、1α,24S−ジヒドロキシ−22−エン−26,
27−デヒドロビタミンD3 、1,24R−ジヒドロキ
シビタミンD3 、22−デヒドロ−1,24S−ジヒド
ロキシビタミンD3 等の24位に水酸基を有するビタミ
ンD誘導体類(以下、24−ヒドロキシビタミンD誘導
体類と略称することがある。)の合成中間体として有用
である。
【0002】
【従来の技術】従来、24−ヒドロキシビタミンD誘導
体類の製造方法としては、例えば、ケミカル アンド
ファルマシューティカル ブレティン(Chemica
l &Pharmaceutical Bulleti
n)、32巻、3866〜3872頁(1984年)に
記載の方法が知られている。該方法によれば、ジノルコ
レン酸アセテートを出発原料として用い、多段階の反応
により22位をアルデヒドに変換する。次いで、該22
−アルデヒド誘導体をイソブチリルメチレントリフェニ
ルホスホランと反応させることにより側鎖を導入し、7
−ブロモ体を経由して、1α,3β−ジアセトキシコレ
スタ−4,6,22−トリエン−24−オン(4,6−
ジエン体)および1α,3β−ジアセトキシコレスタ−
5,7,22−トリエン−24−オン(5,7−ジエン
体)の混合物を得る。得られた5,7−ジエン体は、1
−フェニル−1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジオ
ンで処理し、付加物として単離される。該付加物は24
−ヒドロキシ体としたのち開環し、1,24−ジヒドロ
キシビタミンD誘導体とすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法は、22−アルデヒド誘導体に側鎖を導入する工程
において高価なウイティッヒ試薬を用いていること、か
かる反応により除去操作が煩雑なトリフェニルホスフィ
ンオキシドが副生することなどの問題点を有しており、
工業的に好適な方法とはいい難い。また、上記方法を含
めて、従来の24−ヒドロキシビタミンD誘導体類の製
造方法においては、目的の24−ヒドロキシビタミンD
誘導体類の側鎖の種類に合わせて、側鎖導入時の反応条
件をその都度選択する必要があった。従って、ある中間
体化合物から種々の側鎖を有する24−ヒドロキシビタ
ミンD誘導体類を、同様の反応条件により、工業的に有
利に製造する方法を提供することが望まれているのが現
状である。
【0004】しかして、本発明の目的は、種々の24−
ヒドロキシビタミンD誘導体類の合成中間体となり得る
1α,3β−ジヒドロキシコレスタ−5,7,22−ト
リエン−24−オン誘導体を製造する方法において有用
な中間体化合物および該中間体化合物から1α,3β−
ジヒドロキシコレスタ−5,7,22−トリエン−24
−オン誘導体を製造する方法を提供することにある。本
発明の他の目的は、該中間体化合物の製造方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、(1)下記一般式(I)
【0006】
【化8】
【0007】(式中、R1 およびR2 はそれぞれ低級ア
ルキル基を表すか、またはそれらが結合している炭素原
子と一緒になって環を形成し、R3 、R4 およびR5
それぞれ水素原子または水酸基の保護基を表す。)で示
されるヒドロキシケトン誘導体(以下これを、ヒドロキ
シケトン誘導体(I)と略称する。)、(2)ヒドロキ
シケトン誘導体(I)を必要に応じて水酸基の脱保護を
行い、下記一般式(I−1)
【0008】
【化9】
【0009】(式中、R1 およびR2 は前記定義のとお
りであり、R6 およびR7 はそれぞれ水素原子または水
酸基の保護基を表す。)で示されるヒドロキシケトン誘
導体(以下これを、ヒドロキシケトン誘導体(I−1)
と略称する。)とし、得られたヒドロキシケトン誘導体
(I−1)を酸性物質、塩基性物質または脱水剤の存在
下に脱水反応させ、必要に応じて水酸基の保護または脱
保護を行うことを特徴とする下記一般式(II)
【0010】
【化10】
【0011】(式中、R1 およびR2 は前記定義のとお
りであり、R8 およびR9 はそれぞれ水素原子または水
酸基の保護基を表す。)で示されるステロイド誘導体
(以下これを、ステロイド誘導体(II)と略称す
る。)の製造方法、および(3)下記一般式(III)
【0012】
【化11】
【0013】(式中、R10およびR11はそれぞれ水素原
子または水酸基の保護基を表す。)で示されるカルブア
ルデヒド誘導体(以下これを、カルブアルデヒド誘導体
(III)と略称する。)を、塩基性物質の存在下に下
記一般式(IV)
【0014】
【化12】
【0015】(式中、R1 およびR2 は前記定義のとお
りである。)で示されるメチルケトン(以下これを、メ
チルケトン(IV)と略称する。)と反応させ、必要に
応じて水酸基の保護または脱保護を行うことを特徴とす
るヒドロキシケトン誘導体(I)の製造方法を提供する
ことにより達成される。
【0016】前記ヒドロキシケトン誘導体(I−1)
は、ヒドロキシケトン誘導体(I)に包含される一群の
化合物である。
【0017】前記一般式(I)、(I−1)、(II)
および(IV)においてR1 およびR2 がそれぞれ表す
低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基等が挙げられる。R1
およびR2 がそれらが結合している炭素原子と一緒にな
って環を形成する場合の環としては、シクロプロパン
環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサ
ン環等のシクロアルカン環等が挙げられる。
【0018】前記一般式(I)、(I−1)、(II)
または(III)においてR3 、R4 、R5 、R6 、R
7 、R8 、R9 、R10およびR11がそれぞれ表す水酸基
の保護基としては、通常用いられる保護基を使用するこ
とができ、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、
ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリ
ル基、4−メチルバレリル基、ピバロイル基、ベンゾイ
ル基、モノクロルアセチル基、トリフルオロアセチル基
等のアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、イソプロポキシカルボニル基、アリルオキシカ
ルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオ
キシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコ
キシカルボニル基;トリメチルシリル基、トリエチルシ
リル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチル
ジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル
基等の三置換シリル基;メトキシメチル基、メトキシエ
トキシメチル基、1−エトキシエチル基、メトキシイソ
プロピル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピ
ラニル基等の置換基を有していてもよいアルコキシメチ
ル基等が挙げられる。
【0019】カルブアルデヒド誘導体(III)からヒ
ドロキシケトン誘導体(I)への変換は、カルブアルデ
ヒド誘導体(III)を塩基性物質の存在下にメチルケ
トン(IV)と付加反応させ、下記一般式(I′)
【0020】
【化13】
【0021】(式中、R1 およびR2 は前記定義のとお
りであり、R3′、R4′およびR5′はそれぞれ水素原
子または水酸基の保護基を表す。)で示されるヒドロキ
シケトン誘導体(以下これを、ヒドロキシケトン誘導体
(I′)と略称する。)を得、必要に応じて水酸基を保
護または脱保護することにより行われる。
【0022】ここで、R3′、R4′およびR5′がそれ
ぞれ表す水酸基の保護基としては前記R3 、R4
5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10およびR11におけ
る水酸基の保護基と同様の基が挙げられる。
【0023】かかる反応におけるメチルケトン(IV)
の使用量は、カルブアルデヒド誘導体(III)1モル
に対して通常約1〜20モル、好ましくは約1〜3モル
の範囲である。
【0024】かかる反応に使用される塩基性物質として
は、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化
物;メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウ
ム等の有機金属化合物;リチウムアミド、ナトリウムア
ミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムテトラ
メチルピペラジド、リチウムヘキサメチルジシラジド、
ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメ
チルジシラジド等の金属アミド;水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられ
る。塩基性物質の使用量は、用いる塩基性物質の種類に
よっても異なるが、カルブアルデヒド誘導体(III)
1モルに対して通常約0.8〜20モル、好ましくは約
1〜2モルの範囲である。
【0025】反応は溶媒の存在下または不存在下に実施
することができるが、溶媒中で行うことが好ましい。用
いることのできる溶媒の具体例としては、例えばテトラ
ヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、
ジオキサン、ベンゼン、トルエン等の溶媒またはこれら
の混合溶媒が挙げられる。溶媒使用量は、カルブアルデ
ヒド誘導体(III)に対して通常約5〜200重量
倍、好ましくは約5〜10重量倍の範囲である。反応は
通常約−100℃〜0℃の範囲内の温度で行われる。ま
た、不活性ガス雰囲気下に行われるのが好ましい。
【0026】ヒドロキシケトン誘導体(I′)の反応混
合物からの単離・精製は、通常の有機化合物の単離・精
製において用いられるのと同様の方法で行われる。例え
ば、反応混合物を水または塩化アンモニウム水溶液に注
ぐか、または小規模の反応においてはその逆に水または
塩化アンモニウム水溶液を反応混合物に注ぐ。次いで、
ジエチルエーテル、塩化メチレン、酢酸エチル等の有機
溶媒で抽出し、該抽出液を水、食塩水で順次洗浄したの
ち、乾燥、濃縮して粗生成物を得、該粗生成物を必要に
応じて再結晶、クロマトグラフィー等により精製するこ
とにより行われる。
【0027】このようにして得られるヒドロキシケトン
誘導体(I′)は、そのままでもヒドロキシケトン誘導
体(I)に相当するが、必要に応じて該ヒドロキシケト
ン誘導体(I′)を常法により水酸基の保護または脱保
護に付してもよく、その生成物もヒドロキシケトン誘導
体(I)に相当する。
【0028】ヒドロキシケトン誘導体(I)の製造方法
において合成原料として用いられるカルブアルデヒド誘
導体(III)は、例えば国際特許出願公開第88/0
7545号明細書記載の方法に従って製造することがで
きる。
【0029】ヒドロキシケトン誘導体(I−1)からス
テロイド誘導体(II)への変換は、ヒドロキシケトン
誘導体(I−1)を酸性物質、塩基性物質または脱水剤
の存在下に脱水反応させ、下記一般式(II′)
【0030】
【化14】
【0031】(式中、R1 およびR2 は前記定義のとお
りであり、R8′およびR9′はそれぞれ水素原子または
水酸基の保護基を表す。)で示されるステロイド誘導体
(以下これを、ステロイド誘導体(II′)と略称す
る。)を得、必要に応じて水酸基を保護または脱保護す
ることにより行われる。
【0032】ここで、R8′およびR9′がそれぞれ表す
水酸基の保護基としては前記R3 、R4 、R5 、R6
7 、R8 、R9 、R10およびR11における水酸基の保
護基と同様の基が挙げられる。
【0033】かかる反応に使用される酸性物質として
は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸;p−
トルエンスルホン酸、酢酸、シュウ酸等の有機酸;ピリ
ジニウムp−トルエンスルホネート等の有機酸塩等が挙
げられる。塩基性物質としては、水素化ナトリウム、水
素化カリウム等の金属水素化物;メチルリチウム、ブチ
ルリチウム、フェニルリチウム等の有機金属化合物;リ
チウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロ
ピルアミド、リチウムテトラメチルピペラジド、リチウ
ムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジ
シラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属ア
ミド;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、
カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド;水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物
等が挙げられる。
【0034】本明細書でいう脱水剤とは、水酸基を一旦
ハロゲンまたはエステル等脱離能の高い置換基で置換し
たのち、隣接する炭素原子に置換した水素原子と該置換
基を1,2−脱離するという2段階の反応を、中間体を
単離せず一挙に行うような場合に用いられる試剤のこと
を意味する。具体的には、塩化チオニル、臭化チオニル
等のハロゲン化剤;およびオキシ塩化リン、p−トルエ
ンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、ト
リフルオロメタンスルホニルクロリド等のエステル化剤
等を好ましくはピリジン等の塩基性物質と組み合わせて
使用することである。
【0035】かかる反応における酸性物質、塩基性物質
または脱水剤の使用量は、使用する酸性物質、塩基性物
質または脱水剤の種類によっても異なるが、ヒドロキシ
ケトン誘導体(I−1)1モルに対して通常約0.05
〜10モル、好ましくは約0.1〜2モルの範囲であ
る。
【0036】上記の脱水反応は溶媒の存在下または不存
在下に実施することができるが、溶媒中で行うことが好
ましい。用いることのできる溶媒の具体例としては、ベ
ンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエー
テル、塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒またはこれ
らの混合溶媒が使用される。溶媒使用量は、ヒドロキシ
ケトン誘導体(I−1)に対して通常約5〜200重量
倍、好ましくは約5〜20重量倍の範囲である。反応は
通常約0℃〜100℃の範囲内の温度で行われる。
【0037】ステロイド誘導体(II′)の反応混合物
からの単離・精製は、通常の有機化合物の単離・精製に
おいて用いられるのと同様の方法で行われる。例えば、
反応混合物を水、塩化アンモニウム水溶液または重曹水
溶液に注ぎ、ジエチルエーテル、塩化メチレン、酢酸エ
チル等の有機溶媒で抽出し、該抽出液を水、食塩水で洗
浄したのち、乾燥、濃縮して粗生成物を得、該粗生成物
を必要に応じて再結晶、クロマトグラフィー等により精
製することにより行われる。
【0038】このようにして得られるステロイド誘導体
(II′)は、そのままでもステロイド誘導体(II)
に相当するが、必要に応じて該ステロイド誘導体(I
I′)を常法により水酸基の保護または脱保護に付して
もよく、その生成物もステロイド誘導体(II)に相当
する。
【0039】本発明により得られるステロイド誘導体
(II)は、例えば、次の反応工程に示す方法により2
4位に水酸基を有するビタミンD誘導体類に導くことが
できる。
【0040】
【化15】
【0041】(上記反応工程中、R1 、R2 、R8 およ
びR9 は前記定義のとおりであり、
【0042】
【化16】
【0043】で示される線は、単結合または二重結合を
表す。)
【0044】即ち、ステロイド誘導体(II)を必要に
応じて側鎖二重結合の還元反応に付したのち、24位の
カルボニル基を還元し、必要に応じて分離することによ
り一般式(V)で示されるアルコールを得る。一般式
(V)で示されるアルコールを光反応、熱異性化反応に
付し、必要に応じて水酸基の保護基を脱離することによ
り、一般式(VI)で示される24位に水酸基を有する
ビタミンD誘導体を得ることができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0046】実施例1 窒素雰囲気下にジイソプロピルアミン12.8mlをテ
トラヒドロフラン60mlに溶かし、−60℃で撹拌
し、n−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液54.
3mlを滴下し、冷却したまま30分間撹拌した。得ら
れた溶液に、メチルイソプロピルケトン9.8mlをテ
トラヒドロフラン30mlに溶かした溶液を滴下し、冷
却したまま1時間撹拌した後、1α,3β−ビス(メト
キシカルボニルオキシ)プレグナ−5,7−ジエン−2
0−カルブアルデヒド20gをテトラヒドロフラン16
0mlに溶かした溶液を滴下して、冷却したまま2時間
撹拌した。得られた反応液に塩化アンモニウム水溶液を
加え、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を水、食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥したのち、減
圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製し、下記の物性値を有する22−ヒド
ロキシ−1α,3β−ビス(メトキシカルボニルオキ
シ)コレスタ−5,7−ジエン−24−オンを23.4
g得た。1 H−NMRスペクトル(90MHz) CDCl3
TMS,δ:0.60〜0.66(s,3H),0.94(d,J=7.6Hz,3H),
1.01(s,3H),1.11(d,J=7.2Hz,6H),3.78(s,3H),3.79
(s,3H),4.05〜4.21(m,1H),4.78〜4.99(m,2H),5.32〜
5.43(m,1H),5.64〜5.73(m,1H)
【0047】実施例2 窒素雰囲気下に22−ヒドロキシ−1α,3β−ビス
(メトキシカルボニルオキシ)コレスタ−5,7−ジエ
ン−24−オン4.1gをベンゼン50mlおよびクロ
ロホルム20mlの混合溶媒に溶解し、p−トルエンス
ルホン酸0.634gを加えて室温で1時間、次いで4
0℃で1時間撹拌した。反応混合液に水を加え、酢酸エ
チルで抽出した。抽出液を重曹水溶液、水、次いで飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、
減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにより精製し、下記の物性値を有する1α,3
β−ビス(メトキシカルボニルオキシ)コレスタ−5,
7,22−トリエン−24−オンを3.7g得た。 H−NMRスペクトル(90MHz) CDCl3
TMS,δ:0.66(s,3H),1.01(s,3H),1.08〜1.11(m,9
H),3.78(s,3H),3.79(s,3H),4.78〜4.99(m,2H),5.30
〜5.43(m,1H),5.61〜5.72(m,1H),6.09(d,J=16.0Hz,1
H) ,6.73(dd,J=16.0,8.5Hz,1H)
【0048】実施例3 窒素雰囲気下にヘキサメチルジシラザン2.99mlを
テトラヒドロフラン15mlに溶かし、−65℃で撹拌
し、n−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液8.8
6mlを滴下し、冷却したまま35分間撹拌した。得ら
れた溶液に、3−エチルペンタン−2−オン1.61g
をテトラヒドロフラン8mlに溶かした溶液を滴下し、
冷却したまま1時間撹拌した後、1α,3β−ビス(t
−ブチルジメチルシリルオキシ)プレグナ−5,7−ジ
エン−20−カルブアルデヒド6.25gをテトラヒド
ロフラン40mlに溶かした溶液を滴下して、冷却した
まま2時間撹拌した。得られた反応液に塩化アンモニウ
ム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を
水、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥
したのち、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより精製し、下記の物性値を有す
る22−ヒドロキシ−1α,3β−ビス(t−ブチルジ
メチルシリルオキシ)−26,27−ジメチルコレスタ
−5,7−ジエン−24−オンを5.5g得た。1 H−NMRスペクトル(90MHz) CDCl3
TMS,δ:0.06(s,6H),0.08(s,3H),0.11(s,3H),0.
60〜0.67(s,3H),0.73〜1.05(m,12H),0.89(s,18H) ,
3.66〜3.76(brs,1H),3.98〜4.16(m,1H),4.07〜4.22
(m,1H),5.30〜5.40(m,1H),5.57〜5.68(m,1H)
【0049】実施例4 窒素雰囲気下に22−ヒドロキシ−1α,3β−ビス
(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−26,27−ジ
メチルコレスタ−5,7−ジエン−24−オン5gをベ
ンゼン60mlおよびクロロホルム25mlの混合溶媒
に溶解し、p−トルエンスルホン酸1gを加えて50℃
で10時間撹拌した。反応混合液に水を加え、酢酸エチ
ルで抽出した。抽出液を重曹水溶液、水、次いで飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、減
圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製し、下記の物性値を有する1α,3β
−ジヒドロキシ−26,27−ジメチルコレスタ−5,
7,22−トリエン−24−オンを1.8g得た。1 H−NMRスペクトル(90MHz) CDCl3
TMS,δ:0.66(s,3H),0.73〜1.07(m,12H) ,3.73〜
3.81(brs,1H),3.97〜4.16(m,1H),5.30〜5.42(m,1H),
5.65〜5.77(m,1H),6.13(d,J=15.9Hz,1H) ,6.74(dd,J=
15.9Hz,8.5Hz,1H)
【0050】実施例5 窒素雰囲気下にジイソプロピルアミン0.273mlを
テトラヒドロフラン2mlに溶かし、−65℃で撹拌
し、n−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液1.2
2mlを滴下し、冷却したまま30分間撹拌した。得ら
れた溶液に、1−シクロペンチルエタン−1−オン0.
219gをテトラヒドロフラン2mlに溶かした溶液を
滴下し、冷却したまま1時間撹拌した後、1α,3β−
ビス(テトラヒドロピラニルオキシ)プレグナ−5,7
−ジエン−20−カルブアルデヒド0.5gをテトラヒ
ドロフラン5mlに溶かした溶液を滴下して、冷却した
まま1.5時間撹拌した。得られた反応液に塩化アンモ
ニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。抽出液
を水、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾
燥したのち、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより精製し、下記の物性値を有
する22−ヒドロキシ−1α,3β−ビス(テトラヒド
ロピラニルオキシ)−26,27−ジメチレンコレスタ
−5,7−ジエン−24−オンを0.254g得た。1 H−NMRスペクトル(90MHz) CDCl3
TMS,δ:0.60〜0.67(s,3H),0.96(d,3H),1.01(s,3
H),3.44〜4.21(m,6H),4.69〜5.00(m,3H),5.32〜5.44
(m,1H),5.62〜5.70(m,1H)
【0051】実施例6 窒素雰囲気下に22−ヒドロキシ−1α,3β−ビス
(テトラヒドロピラニルオキシ)−26,27−ジメチ
レンコレスタ−5,7−ジエン−24−オン0.254
gをベンゼン3mlおよびクロロホルム2mlの混合溶
媒に溶解し、p−トルエンスルホン酸0.1gを加えて
50℃で8時間撹拌した。反応混合液に水を加え、酢酸
エチルで抽出した。抽出液を重曹水溶液、水、次いで飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した
後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにより精製し、下記の物性値を有する1
α,3β−ジヒドロキシ−26,27−ジメチレンコレ
スタ−5,7,22−トリエン−24−オンを0.10
7g得た。1 H−NMRスペクトル(90MHz) CDCl3
TMS,δ:0.65(s,3H),0.95(s,3H),1.09(d,J=8.0H
z,3H),3.72〜3.82(brs,1H),3.97〜4.15(m,1H),5.30
〜5.44(m,1H),5.66〜5.78(m,1H),6.13(d,J=16.0Hz,1
H) ,6.75(dd,J=16.0Hz,8.5Hz,1H)
【0052】実施例7 窒素雰囲気下にジイソプロピルアミン0.46mlをテ
トラヒドロフラン3mlに溶かし、−65℃で撹拌し、
n−ブチルリチウム1.6Mヘキサン溶液2.04ml
を滴下し、冷却したまま30分間撹拌した。得られた溶
液に、1−シクロプロピルエタン−1−オン0.27g
をテトラヒドロフラン2mlに溶かした溶液を滴下し、
冷却したまま1.5時間撹拌した後、1α,3β−ビス
(メトキシカルボニルオキシ)プレグナ−5,7−ジエ
ン−20−カルブアルデヒド1gをテトラヒドロフラン
8mlに溶かした溶液を滴下して、冷却したまま2時間
撹拌した。得られた反応液に塩化アンモニウム水溶液を
加え、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を水、食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥したのち、減
圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製し、下記の物性値を有する26,27
−デヒドロ−22−ヒドロキシ−1α,3β−ビス(メ
トキシカルボニルオキシ)コレスタ−5,7−ジエン−
24−オンを1.02g得た。1 H−NMRスペクトル(90MHz) CDCl3
TMS,δ:0.59〜0.68(s,3H),0.86〜1.11(m,4H),0.
97(d,J=6.8Hz,3H),1.01(s,3H),3.78(s,3H),3.79(s,3
H),4.10〜4.22(m,1H),4.80〜4.98(m,2H),5.32〜5.42
(m,1H),5.63〜5.72(m,1H)
【0053】参考例1 窒素雰囲気下、1α,3β−ビス(メトキシカルボニル
オキシ)コレスタ−5,7,22−トリエン−24−オ
ン2.5gをテトラヒドロフラン6mlに溶かし、氷水
冷却下に撹拌した。得られた溶液に、塩化セリウム7水
和物1.88gをメタノール20mlに溶かした溶液を
加え、次いで水素化ホウ素ナトリウム400mgを加え
冷却したまま5時間撹拌した。反応混合液に塩化アンモ
ニウム水溶液を加え、酢酸エチルを用いて抽出した。抽
出液を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ム上で乾燥したのち、減圧下に溶媒を留去した。得られ
た粗生成物を高速液体クロマトグラフィーを用いて精製
し、24S−ヒドロキシ−1α,3β−ビス(メトキシ
カルボニルオキシ)コレスタ−5,7,22−トリエン
を0.7g得た。
【0054】参考例2 24S−ヒドロキシ−1α,3β−ビス(メトキシカル
ボニルオキシ)コレスタ−5,7,22−トリエン0.
7gをジエチルエーテル700mlに溶かし、氷水冷却
下、窒素流通下に撹拌し、得られた混合液を、バイコー
ルフィルターを用い高圧水銀灯で10分間紫外線照射し
た。反応混合液を減圧下に濃縮し、ヘキサン500ml
を加え2時間加熱還流させた。得られた反応液を減圧下
に濃縮し、2Nの水酸化カリウムメタノール溶液10m
lを加え60℃で1時間撹拌した。反応液をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーおよび高速液体クロマトグラ
フィーを用いて精製し、75.4mgの22−デヒドロ
−1,24S−ジヒドロキシビタミンD3 を得た。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、24−ヒドロキシビタ
ミンD誘導体類の合成中間体として有用な新規なヒドロ
キシケトン誘導体が提供される。該ヒドロキシケトン誘
導体は、側鎖を導入する反応に比較的安価なケトン(I
V)を用いることにより、工業的に有利に製造される。
また、該ヒドロキシケトン誘導体から、種々の24−ヒ
ドロキシビタミンD誘導体類を容易に製造することがで
きる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ低級アルキル基を表
    すか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒にな
    って環を形成し、R3 、R4 およびR5 はそれぞれ水素
    原子または水酸基の保護基を表す。)で示されるヒドロ
    キシケトン誘導体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(I) 【化2】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ低級アルキル基を表
    すか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒にな
    って環を形成し、R3 、R4 およびR5 はそれぞれ水素
    原子または水酸基の保護基を表す。)で示されるヒドロ
    キシケトン誘導体を必要に応じて水酸基の脱保護を行
    い、下記一般式(I−1) 【化3】 (式中、R1 およびR2 は前記定義のとおりであり、R
    6 およびR7 はそれぞれ水素原子または水酸基の保護基
    を表す。)で示されるヒドロキシケトン誘導体とし、得
    られたヒドロキシケトン誘導体を酸性物質、塩基性物質
    または脱水剤の存在下に脱水反応させ、必要に応じて水
    酸基の保護または脱保護を行うことを特徴とする下記一
    般式(II) 【化4】 (式中、R1 およびR2 は前記定義のとおりであり、R
    8 およびR9 はそれぞれ水素原子または水酸基の保護基
    を表す。)で示されるステロイド誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(III) 【化5】 (式中、R10およびR11はそれぞれ水素原子または水酸
    基の保護基を表す。)で示されるカルブアルデヒド誘導
    体を、塩基性物質の存在下に下記一般式(IV) 【化6】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ低級アルキル基を表
    すか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒にな
    って環を形成する。)で示されるメチルケトンと反応さ
    せ、必要に応じて水酸基の保護または脱保護を行うこと
    を特徴とする下記一般式(I) 【化7】 (式中、R1 およびR2 は前記定義のとおりであり、R
    3 、R4 およびR5 はそれぞれ水素原子または水酸基の
    保護基を表す。)で示されるヒドロキシケトン誘導体の
    製造方法。
JP26884293A 1993-10-27 1993-10-27 ヒドロキシケトン誘導体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3228486B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26884293A JP3228486B2 (ja) 1993-10-27 1993-10-27 ヒドロキシケトン誘導体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26884293A JP3228486B2 (ja) 1993-10-27 1993-10-27 ヒドロキシケトン誘導体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07126284A JPH07126284A (ja) 1995-05-16
JP3228486B2 true JP3228486B2 (ja) 2001-11-12

Family

ID=17464030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26884293A Expired - Fee Related JP3228486B2 (ja) 1993-10-27 1993-10-27 ヒドロキシケトン誘導体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3228486B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07126284A (ja) 1995-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20180237408A1 (en) Method of producing beraprost
JP2010100629A (ja) プロスタグランジン誘導体の製造方法及びその出発物質
JP3228486B2 (ja) ヒドロキシケトン誘導体およびその製造方法
US6359012B1 (en) Method for making 24(S)-hydroxyvitamin D2
JPS6157836B2 (ja)
JPH0437074B2 (ja)
JPH07126285A (ja) ステロイド誘導体の製造方法
EP1688409B1 (en) Vitamin d-derived monohalogenovinyl compounds
JP2517743B2 (ja) 光学活性アルコ―ルの製造法
JP3715673B2 (ja) ビタミンd合成中間体の製造方法
JP2856838B2 (ja) ステロイド誘導体の製造方法
JP3541421B2 (ja) 含アレン−α−置換シクロペンテノン誘導体及びその製造方法
JP2743797B2 (ja) 光学活性化合物の製法
JPS5921864B2 (ja) フルオロプロスタグランジン及びその製造法
JP3097678B2 (ja) アファノルフィン中間体
JPS61152675A (ja) ジベンズ〔b,e〕オキセピン誘導体の製造法
JP2743798B2 (ja) 光学活性化合物の製法
JP2785658B2 (ja) 光学活性化合物の製法
JPS623840B2 (ja)
JP3785221B2 (ja) ステロイド誘導体およびその製法
JP2975704B2 (ja) ステロイド誘導体
JPS6148499B2 (ja)
JP2850628B2 (ja) 含フッ素ビタミンd類縁体
JPH0631201B2 (ja) 光学活性γ―ラクトン誘導体の製法
JPH07126246A (ja) ビタミンd誘導体の新規な製造中間体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees