JP4469794B2 - ビタミンd誘導体を合成するための新規な中間体 - Google Patents

ビタミンd誘導体を合成するための新規な中間体 Download PDF

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Description

本発明は、ビタミンD類を全合成するための新規な合成中間体、特にビタミンD類のA環の環外二重結合を構成するエキソメチレン基が2つの水素原子で置換された19−ノル−ビタミンD化合物の中間体に関する。
高い生物効力値を示す天然ビタミンにはD(エルゴカルシフェロール)とD(コレカルシフェロール)があり、これらのビタミンDのヒトの体内における生理作用は同じである。これらのビタミンDは人間の皮膚で紫外線の働きにより合成され、腎臓、肝臓で構造が変化して活性型ビタミンDとなり、これによりはじめて生理作用を発揮する。活性型ビタミンDはホルモンの一種であり、作用機序もステロイドホルモンに似ていて、細胞核内に存在する受容体に結合し、特異的遺伝子の転写を制御することによって最終的に活性を発現する。
活性型ビタミンDである1α,25−ジヒドロキシビタミンDには、すでに多数の構造類似体が調製され、その活性が試験されている。これらの化合物のいくつかは細胞分化およびカルシウム調節に関して有意な効果を示すことから、腎性骨形成異常症、ビタミンD−抵抗性くる病、骨粗鬆症、乾癬、癌などの様々な疾病の治療に有用であることが知られている。
ビタミンD系化合物に特有なA環のエキソメチレン基(C−19)が2個の水素原子で置換された新規な一群のビタミンD類似体、すなわち19−ノル−ビタミンD化合物、例えば1α,25−ジヒドロキシ−19−ノル−ビタミンD3が調製され、その生物学的試験も行われている。これらの化合物は細胞分化の誘導に高い効能を有する選択的活性プロフィールと非常に低いカルシウム移動活性を示すことが明らかにされている。それゆえに、これらの化合物は悪性腫瘍の治療剤、白血病、ガン、大腸ガン、乳ガン、前立腺ガンの他にも骨軟化症、老齢期骨粗鬆症、閉経後骨粗鬆症、ステロイド誘導性骨粗鬆症、骨の代謝回転率の低さによる骨粗鬆症、腎性骨形成異常症、乾癬、免疫システムのアンバランス、多発性硬化症、糖尿病、移植拒絶または種々の皮膚障害の治療に有用な治療剤として提案されている(特開平5−186421号公報、米国特許第5,086,191号、国際公開特許第 01/92221号、国際公開特許第02/05823号、国際公開特許第01/74765号、国際公開特許第02/20021号、国際公開特許第01/74766号、国際公開特許第02/05824号、国際公開特許第00/10548号、国際公開特許第01/03704号、国際公開特許第01/72292号等の特許出願)。
所望の19−ノル−ビタミンD化合物はウィンダウス グルドマン(Windaus Grudman)ケトンとホスフィンオキシドを塩基の存在下に反応させ、必要により保護基を除去することにより得られる。ここで、ホスフィンオキシドはキナ酸を出発原料として、多数の工程を経て合成される(特開平5−186421号公報の反応工程式I)。
また、最近、1α,25−ジヒドロキシ−19−ノル−ビタミンDの2位がヒドロキシ基またはアルコキシ基で置換された化合物も合成されている(米国特許第5,536,713号)。
さらに、1α,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3のA環のエキソアルキリデン基が炭素10(C−10)から炭素2(C−2)へ転位した2位にアルキリデン(特にメチレン)基を有する2−アルキリデン−19−ノル−ビタミンD化合物、特に2−メチレン−19−ノル−ビタミンD化合物が、C−2の比較的小さなアルキリデン(特にメチレン)基はビタミンDレセプターを妨害しないことから注目されている(特表2001−504135号公報)。この化合物もウィンダウス グルドマン(Windaus Grudman)ケトンとC−2にメチレン基を有するホスフィンオキシドを塩基の存在下に反応させ、必要により保護基を除去することにより得られる。ここで、C−2にメチレン基を有するホスフィンオキシドもキナ酸を出発原料として、多数の工程を経て合成される(特表2001−504135号のスキームI)。
しかしながら、上記方法では価格が高いキナ酸を原料として用いるため、合成されたビタミンD誘導体の価格も高くなる。このため、より安価な原料からビタミンD誘導体を合成することが求められている。
発明の概要
そこで、本発明者らはこのような問題を解決するために鋭意検討した結果、キナ酸に代えてカルボン、例えば、(R)−(−)−カルボンを出発原料としてホスフィンオキシドを生産することを見出し、本発明に到達した。本発明では、安価な原料であるカルボンから所望のビタミンD誘導体を合成することが可能となる。
すなわち、本発明は下記一般式(I)で示される化合物である。
Figure 0004469794
(式中、YおよびYは同じでもまたは異なっていてもよく、それぞれ水素原子またはヒドロキシ保護基である。Yは水素原子またはヒドロキシ保護基であり、YO−基はR配置またはS配置のいずれであってもよい。RおよびRは同じでもまたは異なっていてもよく、それぞれ水素原子、重水素原子、フッ素原子、水酸基、保護ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、フルオロアルコキシ基、アリールアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、および−NR(RおよびRは同じでもまたは異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、フルオロアルキル基およびアシル基からなる群から選択される)からなる群から選択されるか、またはRおよびRは一緒に結合してアルケン構造=CBまたはイミン構造=NBを示してもよい。BとBは同じでもまたは異なっていてもよく、その立体配置はE配置またはZ配置のいずれでもよい。B、BおよびBはそれぞれ水素原子、重水素原子、フッ素原子、水酸基、保護ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、フルオロアルコキシ基、アリールアルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選択されるか、あるいはBおよびBは一緒に結合して−(CH−基(式中、xは2〜5の整数である)を示してもよい。RおよびRはそれぞれR配置またはS配置のいずれであってもよい。)
また、本発明は上記一般式(I)で示される化合物の合成中間体として用いる下記一般式(II)で示される化合物である。
Figure 0004469794
(式中、YおよびYは同じでもまたは異なっていてもよく、それぞれ水素原子またはヒドロキシ保護基である。YO−基はR配置またはS配置のいずれであってもよい。)
また、本発明は上記一般式(I)で示される化合物の合成中間体として用いる下記一般式(III)で示される化合物である。
Figure 0004469794
(式中、Yはヒドロキシ保護基であり、Yは1−メチルエテニル基であり、YはR配置またはS配置のいずれであってもよい。)
図面の簡単な説明
図1はカルボンから本発明の化合物を経由して、2−メチレン−19−ノル−ビタミンD誘導体(2−MP)を合成する概略図である。
発明の詳述
本発明の化合物の出発原料であるカルボンとしては、(R)−(−)−カルボンまたは(S)−(+)−カルボンなどがある。これらのカルボンから本発明の化合物の前駆体である(1S−(1α、2α、4α、6α))−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−7−オキサビシクロ−[4.1.0]ヘプタン−2−オール(化合物3)を製造する工程は既知である(図1参照)。この工程は例えば、Synthetic Communication,10(8)1980,623およびJournal of Organic Chemistry,63(20)1988,6984に記載されている。
一般式(I)で示される化合物において、ヒドロキシ保護基としては、tert−ブチルジメチルシリル、トリメチルシリル、トリフェニルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル等のシリル基、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエトキシメチル等の置換アルキル基、ベンジル、p−メトキシフェニルメチル等のアラルキル基、アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基、テトラヒドロ−2−ピラニル基またはテトラヒドロフラニル基などが挙げられる。
一般式(I)で示される化合物としては、具体的には下記化合物が挙げられる。
まず、一般式(I)において、YおよびYがヒドロキシ保護基であり、Yが水素原子であって、YO−基がR配置またはS配置であり、RおよびRが一緒に結合してメチレン基を示す化合物がある。より具体的には、YおよびYがtert−ブチルジメチルシリル基であり、Yが水素原子であって、RおよびRが一緒に結合してメチレン基を示す化合物、すなわち、(3R,5R)−3,5−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−メチレンシクロヘキサノール(化合物9)、または、YおよびYがtert−ブチルジメチルシリル基であり、Yが水素原子であって、RおよびRがそれぞれ水素原子である化合物、すなわち(3R,5R)−3,5−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−シクロヘキサノールなどがある。
また、YおよびYがヒドロキシ保護基であり、Yもヒドロキシ保護基であって、YO−基がR配置またはS配置であり、RおよびRが一緒に結合してメチレン基を示す化合物がある。より具体的には、YおよびYがtert−ブチルジメチルシリル基であり、Yがテトラヒドロ−2−ピラニル基であって、RおよびRが一緒に結合してメチレン基を示す化合物、すなわち、(3R、5R)−3,5−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−メチレン−1−(テトラヒドロ−2−ピラニルオキシ)シクロへキサン(化合物8)、またはYおよびYがtert−ブチルジメチルシリル基であり、Yがテトラヒドロ−2−ピラニル基であって、RおよびRがそれぞれ水素原子である化合物、すなわち(3R、5R)−3,5−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−(テトラヒドロ−2−ピラニルオキシ)シクロへキサンがある。
さらに、Yが水素原子であり、YおよびYがヒドロキシ保護基であって、YO−基がR配置またはS配置であり、RおよびRが一緒に結合してメチレン基を示す化合物がある。より具体的には、Yが水素原子であり、Yがtert−ブチルジメチルシリル基であり、およびYがテトラヒドロ−2−ピラニル基であって、YO−基がR配置であり、RおよびRが一緒に結合してメチレン基を示す化合物、すなわち、(1R−(1β、3α、5α))−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−メチレン−5−(テトラヒドロ−2−ピラニルオキシ)シクロヘキサノール(化合物7)、またはYがテトラヒドロ−2−ピラニル基であって、YO−基がR配置であり、RおよびRがともに水素原子である化合物、すなわち(1R−(1β、3α、5α))−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−(テトラヒドロ−2−ピラニルオキシ)シクロヘキサノールがある。
上記一般式(I)で示される化合物の合成中間体として用いる一般式(II)で示される化合物において、ヒドロキシ保護基は、上記一般式(I)で示される化合物におけるヒドロキシ保護基と同様なものを示す。このような化合物としては、(1)YおよびYがヒドロキシ保護基であって、YO−基がR配置またはS配置である化合物、より具体的には、Yがtert−ブチルジメチルシリル基であって、Yがテトラヒドロ−2−ピラニル基であり、YO−基がR配置である化合物、すなわち、(1R−(1α、2α、4α、6α))−2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−メチル−4−(テトラヒドロ−2−ピラニルオキシ)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(化合物6)または(2)Yがヒドロキシ保護基であって、Yが水素原子であり、YO−基がR配置である化合物、より具体的にはYがtert−ブチルジメチルシリル基であり、Yが水素原子であって、YO−基がR配置である化合物、すなわち、(1R−(1α、2α、4α、6α))−2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−4−オール(化合物5)、または(3)YおよびYが水素原子である化合物などがある。
上記一般式(I)で示される化合物の合成中間体として用いる一般式(III)で示される化合物において、ヒドロキシ保護基は、上記一般式(I)で示される化合物におけるヒドロキシ保護基と同様なものを示す。このような化合物としてはYがヒドロキシ保護基であり、Yが1−メチルエテニル基であり、YがR配置またはS配置である化合物、具体的にはYがtert−ブチルジメチルシリル基であり、YがR配置を持つ化合物、すなわち、(1R−(1α、2α、4α、6α))−2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(化合物4)などがある。
カルボン、例えば(R)−(−)−カルボンから本発明の合成中間体を経由して、ビタミンD誘導体(2−MP)を合成する一例の概要図を図1に示す。図中、番号(整数)は各化合物を略称する。略号は以下の化合物または基を示す。TBDMSClはtert−ブチルジメチルクロロシラン、TBDMSOはtert−ブチルジメチルシリルオキシ基、DMAPはN,N’−ジメチル−4−アミノピリジン、DHPは3,4−ジヒドロ−2−H−ピラン、TsOHはトシルスルフォン酸、THPOはテトラヒドロ−2−ピラニルオキシ基、PPTSはp−トルエンスルホン酸ピリジニウム、LDAはリチウムジイソプロピルアミド、DIBALHはジイソブチルアルミニウムハイドライド、AG50W−X2はBIO−RAD社製 イオン交換樹脂、2−MPは1α−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノル−17−イソプロピルカルシフェロールを示す。図1はビタミンD誘導体を製造する一例を示すものであって、本発明は図1に示される合成経路に限定されない。
(R)−(−)−カルボン(化合物1)から(1S−(1α、2α、4α、6α))−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−7−オキサビシクロ−[4.1.0]ヘプタン−2−オール(化合物3)を製造する方法は既に公知であって、例えば、Synthetic Communication,10(8)1980,623およびJournal of Organic Chemistry,63(20)1988,6984に記載されている。図1には(R)−(−)−カルボン(化合物1)から(1R−(1α、4α、6α)−1−メチル−4(1−メチルエテニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オン(化合物2)を経て、(1S−(1α、2α、4α、6α))−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−7−オキサビシクロ−[4.1.0]ヘプタン−2−オール(化合物3)を製造する方法の一例が示される。
図1では、(R)−(−)−カルボン(化合物1)を溶媒、例えばメタノール中に溶解し、過酸化水素を加え、さらに氷冷下に苛性ソーダを加えて反応させ、シクロヘキセン環の2重結合からエポキシ環を形成させて、(1R−(1α、4α、6α))−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オン(化合物2)を製造する。
次いで、上記化合物2を極性溶媒、例えばメタノール中に溶解し、触媒、例えば塩化セリウム(III)七水和物を加え、氷冷下に還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウムを加えて反応させ、2位のカルボニル基を水酸基に置換して、(1S−(1α、2α、4α、6α)−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オール(化合物3)を製造する。
さらに、上記化合物3を溶媒、例えばDMFに溶解し、塩基、例えばイミダゾールを加え、氷冷却下に、tert−ブチルジメチルシリル化剤、例えば、tert−ブチルジメチルクロロシランを加えて反応させ、2位の水酸基をtert−ブチルジメチルシリルオキシ基として保護して、(1R−(1α、2α、4α、6α))−2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(化合物4)を製造する。該化合物は一般式(III)にて示される化合物の1種である。その化学式を以下に示す。
Figure 0004469794
次いで、上記化合物4を溶媒、例えばメタノールおよび塩化メチレンに溶解し、例えば、−65℃でオゾンガスを導入した後、窒素ガスに置換し、塩基、例えばトリエチルアミン、触媒、例えばN,N’−ジメチル−4−アミノピリジンの存在下に無水酢酸を加えて反応させ、4位の1−メチルエテニル基をアセトキシ基を経て水酸基に置換して、(1R−(1α、2α、4α、6α))−2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−4−オール(化合物5)を製造する。該化合物は一般式(II)にて示される化合物の1種である。その化学式を以下に示す。
Figure 0004469794
さらに、上記化合物5を溶媒、例えば塩化メチレンに溶解し、酸触媒、例えばp−トルエンスルホン酸および3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(DHP)を加えて反応させ、4位の水酸基をテトラヒドロ−2−ピラニルオキシ基として保護して、(1R−(1α、2α、4α、6α))−2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−メチル−4−(テトラヒドロ−2−ピラニルオキシ)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(化合物6)を製造する。ここで、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(DHP)に代えて、他のヒドロキシ保護基形成化合物、例えば塩化アセチル、塩化メトキシメチル、塩化ベンゾイルを使用して4位水酸基を保護してもよい。得られた化合物は一般式(II)にて示される化合物の1種である。その化学式を以下に示す。
Figure 0004469794
次いで、上記化合物6を溶媒、例えばトルエンに溶解し、アルミニウムイソプロポキシドを加えて反応させ、7−オキサビシクロ[4.1.0]環を開環して、1位に水酸基および2位にエキソメチレン基を形成して、(1R−(1β、3α、5α))−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−メチレン−5−(テトラヒドロ−2−ピラニルオキシ)シクロヘキサノール(化合物7)を製造する。ここで、アルミニウムイソプロポキシドに代えて、アルミニウムアルコキシド、例えばアルミニウムtert−ブトキシドを使用してもよい。該化合物は一般式(I)にて示される化合物の1種である。その化学式を以下に示す。
Figure 0004469794
さらに、上記化合物7を溶媒、例えばDMFに溶解し、塩基、例えばイミダゾールを加え、氷冷下、シリル化剤、例えば、tert−ブチルジメチルクロロシランを加えて反応させ、1位の水酸基をtert−ブチルジメチルシリルオキシ基として保護して、(3R,5R)−3,5−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−メチレン−1−(テトラヒドロ−2−ピラニルオキシ)シクロヘキサン(化合物8)を製造する。該化合物は一般式(I)にて示される化合物の1種である。その化学式を以下に示す。
Figure 0004469794
次いで、上記化合物8を溶媒、メタノールに溶解し、酸触媒、例えばp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS)を加え、例えば、50〜55℃の水浴上で反応させて、1位のテトラヒドロ−2−ピラニルオキシ基を脱保護して水酸基に変換し、(3R,5R)−3,5−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−メチレンシクロヘキサノール(化合物9)を製造する。該化合物は一般式(I)にて示される化合物の1種である。その化学式を以下に示す。
Figure 0004469794
上記化合物9から最終生成物であるビタミンD誘導体の合成例としては、公知方法に従えばよい。公知方法としては例えば、特開平5−186421号公報の反応工程式I、IIおよび特表2001−504135号公報のスキームIIに開示された方法がある。
(3R,5R)−3,5−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−メチレンシクロヘキサノール(化合物9)からの1α−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノル−17−イソプロピルカルシフェロール(化合物15、2−MP)の製造は公知の一般的な方法により行うことができる。
例えば、(3R,5R)−3,5−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−メチレンシクロヘキサノール(化合物9)のトルエン溶液にアルミニウムイソプロポキシド、シクロヘキサノンを反応させて、(3R,5R)−3,5−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−メチレンシクロヘキサノン(化合物10)を製造する。
次いで、ジイソプロピルアミンの無水THF中の溶液に、n−BuLi(n−ブチルリチウム)をアルゴン気流下、−78℃で攪拌しながら加え、次に、メチル(トリメチルシリル)アセテートを加えた後、上記カルボニル化合物(化合物10)を反応させて、[(3’R,5’R)−3’,5’−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4’−メチレンシクロヘキシリデン]酢酸メチルエステル(化合物11)を製造する。
次いで、ジイソブチルアルミニウムヒドリドを前記メチルエステル(化合物11)のトルエン/塩化メチレン中の攪拌溶液に−78℃、アルゴン気流下に添加し、攪拌を−78℃で1時間、そして−46℃で25分間行い、2−[(3’R,5’R)−3’−,5’−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4’−メチレンシクロヘキシリデン]エタノール(化合物12)を得る。
次いで、上記アリルアルコール化合物(化合物12)/無水THFに、n−BuLi(n−ブチルリチウム)をアルゴン気流下、0℃で加え、さらにトシルクロリド/無水THFを加える。その反応溶液に、ジフェニルホスフィン/無水THFにn−BuLiをアルゴン気流下、0℃で加えたものを添加し、反応を終了させる。溶媒を留去し、残渣を塩化メチレンに溶解し、過酸化水素を0℃で加え、{2−[(3’R,5’R)−3’,5’−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4’−メチレンシクロヘキシリデン]エチル}ジフェニルホスフィンオキシド(化合物13)を製造する。
次いで、上記ホスフィンオキシド化合物(化合物13)/無水THFの溶液に、n−BuLiをアルゴン気流下で攪拌しながら添加し、混合物を−78℃に冷却し、予め−78℃に保存されたグルドマン(Grudmann)ケトンとウィティッヒ・ホルナー(Wittig−Horner)カップリングさせて、1,3位のヒドロキシ基がtert−ブチルジメチルシリル基で保護されたビタミンD(化合物14)を製造する。
ここで、グルドマン(Grudmann)ケトンとしては、下記一般式(IV)にて示される化合物がある。この化合物の1位のR基を種々に変化させることによって、種々のビタミンD誘導体を得ることができる。
Figure 0004469794
(式中、Rは、ビタミンD型化合物について知られている任意の代表的側鎖を示す。より具体的には、Rは直鎖、分枝鎖または環状である炭素原子数1から35までの飽和または不飽和の炭化水素ラジカルであって、ヒドロキシ基または保護されたヒドロキシ基、フルオロ基、カルボニル基、エステル基、エポキシ基、アミノ基またはその他のヘテロ原子基のような1つ以上の付加置換基を含むことができる炭化水素ラジカルを表すことができる。この型の好ましい側鎖は、以下の構造で表される。
Figure 0004469794
[式中、立体化学中心(ステロイド番号でC−20に相当する)は、RまたはS配置(即ち炭素20周辺の天然配置または20−エピ配置のいずれか)を持つことができ、そして、Zは、Y、−OY、−CHOY、−C≡CYおよび−CH=CHYより選択され、前記式中、二重結合はシスまたはトランスジオメトリーを持つことができ、そしてYは、水素原子、メチル基、−COR、および下記ラジカル構造
Figure 0004469794
から選択され、前記式中、mおよびnは独立的に、0から5までの整数を表し、Rは、水素原子、重水素原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、フルオロ基、トリフルオロメチル基、および直鎖または分枝鎖であることができるC1−5アルキル基であってヒドロキシ基または保護されたヒドロキシ基を持っていても良いC1−5アルキル基から選択され、そして、R、RおよびRはそれぞれ独立的に、重水素原子、ジュウテロアルキル基、水素原子、フルオロ基、トリフルオロメチル基、および直鎖または分枝鎖であることができるC1−5アルキル基であってヒドロキシ基または保護されたヒドロキシ基を持っていても良いC1−5アルキル基より選択され、そしてRおよびRは、一緒になって、オキソ基またはアルキリデン基、=CR、または−(CH−基(式中、pは2から5の整数である)を表わし、RおよびRは、一緒になって、オキソ基または−(CH−基(式中、qは2から5の整数である)を表わし、そしてRは、水素原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基またはC1−5アルキル基で表され、そして側鎖中の20、22または23位のCH−基はいずれも、窒素原子で置き換えることができ、また、20、22および23位のそれぞれの−CH(CH)−、−CH(R)−または−CH(R)−のいずれも、酸素または硫黄原子によって置き換えることができる。]
なお、C−20のメチル基への波線は、炭素20がRまたはS配置のいずれかを持つことができることを示している。)
天然の20R−配置を持つ側鎖の重要な具体例は、以下の式(a)、(b)、(c),(d)または(e)で表される構造(即ち、それぞれが25−ヒドロキシビタミンD(a);ビタミンD(b);25−ヒドロキシビタミンD(c);ビタミンD(d)、および25−ヒドロキシビタミンD2のC−24エピマー(e)で起こるような側鎖)である。
Figure 0004469794
次いで、上記保護されたビタミン化合物(化合物14)から保護基を除去して、1α−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノル−17−イソプロピルカルシフェロール(化合物15、2−MP)を得る。
(R)−(−)−カルボンから上記化合物2〜3を経て、本発明の化合物4〜9を製造する方法に代えて、(S)−(+)−カルボンからも同様にして、本発明の化合物を製造することが可能である。また、上記した(3R,5R)−3,5−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−メチレン−1−(テトラヒドロ−2−ピラニルオキシ)シクロヘキサン(化合物8)は、4位のメチレン基をカルボニル基(化合物16)に変換することで他の置換基を有する化合物を製造することができる。例えば、前記カルボニル基からアルキリデン基(1)を経てアルキル基(2)に変換することにより、またはイミノ基、オキシム(3)を経てアミノ基(4)に変換することにより、または該カルボニル基から水酸基(5)に変換することにより、多様な化合物を誘導することが可能である(化17参照)。式中、R、R、R10、R11、R12はそれぞれ水素原子、重水素原子、フッ素原子、水酸基、保護ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、フルオロアルコキシ基、アリールアルコキシ基、アリールオキシ基などのいずれでもよい。
Figure 0004469794
これらの化合物(上記化合物(1)〜(5))からは、さらに公知の方法(例えば、特開平5−186421号公報の反応工程式I、IIおよび特表2001−504135号公報のスキームIIに開示された方法)に従って、2位に多様な置換基、例えばメチレン基、エチリデン基を有する19−ノル−ビタミンD誘導体を製造することが可能である。
実施例
次に本発明を参考例、実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの参考例、実施例に限定されない。
参考例1
(1R−(1α、4α、6α)−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オン(化合物2)の調製:
(R)−(−)−カルボン(化合物1)(60g、0.40mol)をメタノール390mlに溶解し、30%過酸化水素水(133g、1.17mol)を加え、氷冷下6M NaOH(32.7g)を滴下し、同温度で3時間攪拌した。反応液に水(1170ml)を加え、tert−ブチルメチルエーテル(500ml)で2回抽出し、水、飽和食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、表記化合物(化合物2)(62.5g、収率98%)を無色油状物として得た。そのNMRデータを以下に示す。
H−NMR(CDCl)4.77(1H,brs),4.70(1H,brs),3.43(1H,dd,J=1.1,J=3.1),2.70(1H,m),2.57(1H,dd,J=6.1,J=17.6),2.36(1H,m),2.01(1H,dd,J=11.6,J=17.6),1.89(1H,m),1.70(3H,s),1.40(3H,s)
参考例2
(1S−(1α、2α、4α、6α))−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−7−オキサビシクロ−[4.1.0]ヘプタン−2−オール(化合物3)の調製:
上記化合物2(50.0g。0.30mol)をメタノール(750ml)に溶解し、塩化セシウム(III)七水和物(56.0g、0.15mol)を加え、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(11.4g、0.30mol)を徐々に加え、同温度で1時間攪拌した。水(650ml)を加え、塩化メチレン(1200ml、650ml、650ml)で抽出し、水洗、NaSOで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、表記化合物(化合物3)(49.9g、収率99%)を無色油状物として得た。そのNMRデータを以下に示す。
H−NMR(CDCl)4.71(2H,m),3.89(1H,m),3.13(1H,m),2.15(2H,m),1.96(1H,m),1.71(3H,s),1.66(1H,m),1.39(3H,s),1.19(1H,m)
実施例1
(1R−(1α、2α、4α、6α))−2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−メチル−4−(1−メチルエテニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(化合物4)の調製:
上記化合物3(49.5g、0.294mol)をDMF(500ml)に溶解し、イミダゾール(24.0g、0.353mol)を加え、氷冷下、tert−ブチルジメチルクロロシラン(53.2g、0.353mol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応物に水(1500ml)を加え、酢酸エチル(1500ml)で抽出し、水洗、NaSOで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、表記化合物(化合物4)(84g、定量的)を無色油状物として得た。そのNMRデータを以下に示す。
H−NMR(CDCl)4.69(2H,m),3.84(1H,dd,J=6.3,J=10.3),3.10(1H,s),2.11(2H,m),1.80(1H,m),1.69(3H,s),1.63(1H,m),1.32(3H,s),1.16(1H,m),0.91(9H,s),0.10(3H,s),0.07(3H,s)
実施例2
(1R−(1α、2α、4α、6α))−2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−4−オール(化合物5)の調製:
上記化合物4(65g、0.23mol)をメタノール(260ml)および塩化メチレン(1300ml)に溶解し、−65℃でオゾンガスを反応液の色が青くなるまで導入した。窒素ガスを導入して過剰のオゾンを除去した後、トリエチルアミン(140g、1.38mol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(3.3g、0.023mol)および無水酢酸(117g、1.15mol)を順次加え、室温まで昇温した後、40℃で9時間攪拌した。冷却後、反応物を氷水(1500ml)に注ぎ、有機層を水洗し、NaSOで乾燥後、溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル5:1)に付し、これにより表記化合物(化合物5)(34g、収率57%)を無色油状物として得た。そのNMRデータを以下に示す。
H−NMR(CDCl)4.16(1H,t,J=3.4),4.05(1H,d,J=8.2),3.82(1H,m),3.05(1H,d,J=4.2),2.11(2H,m),1.78(2H,m),1.37(3H,s),0.91(9H,s),0.15(3H,s),0.13(3H,s)
実施例3
(1R−(1α、2α、4α、6α))−2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−メチル−4−(テトラヒドロ−2−ピラニルオキシ)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(化合物6)の合成:
上記化合物5(24.0g、0.093mol)を塩化メチレン(200ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸(10mg)および3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(8.6g、0.102mol)を加え、室温で20時間攪拌した。反応物を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル9:1)に付し、これにより表記化合物(化合物6)(25.3g、収率79%)を無色油状物として得た。そのNMRデータを以下に示す。
H−NMR(CDCl)4.62(1H,m),3.88(2H,m),3.74(1H,m),3.47(1H,m),3.10(1H,t,J=1.3),2.48(1H,m),2.10(1H,m),1.82〜1.23(8H,m),1.30(3H,s),0.90(9H,s),0.09(3H,s),0.07(3H,s)
実施例4
(1R−(1β、3α、5α))−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−メチレン−5−(テトラヒドロー2−ピラニルオキシ)シクロヘキサノール(化合物7)の調製:
上記化合物6(25.0g、0.073mol)をトルエン(300ml)に溶解し、アルミニウムイソプロポキシド(29.8g、0.146mol)を加え、19時間還流した。冷却後、反応物を冷1M HCl(150mol)に注ぎ、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、表記化合物(化合物7)(25.0g、定量的)を無色油状物として得た。そのNMRデータを以下に示す。
H−NMR(CDCl)5.13(1H,m),4.97(1H,brs),4.71(1H,m),4.50(2H,m),4.20(1H,m),3.90(1H,m),3.50(1H,m),2.31(2H,m),1.84〜1.23(8H,m),0.91(9H,s),0.08(3H,s),0.07(3H,s)
実施例5
(3R、5R)−3,5−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−メチレン−(テトラヒドロ−2−ピラニルオキシ)シクロへキサン(化合物8)の調製:
上記化合物7(25.0g、0.073mol)をDMF(150ml)に溶解し、イミダゾール(10.9g、0.16mol)を加え、氷冷下、tert−ブチルジメチルクロロシラン(12.1g、0.08mol)を加え、室温で15時間攪拌した。ジイソプロピルエーテル(300ml)を加え、水、飽和食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、表記化合物(化合物8)(34g、定量的)を無色油状物として得た。そのNMRデータを以下に示す。
H−NMR(CDCl)5.02(1H,m),4.83(1H,s),4.74(1H,m),4.45(2H,m),4.18(1H,m),3.90(1H,m),3.49(1H,m),2.30(1H,m),2.10(1H,m),1.83〜1.25(8H,m),0.91(9H,s),0.86(9H,s),0.068(3H,s),0.062(3H,s),0.010(3H,s),0.005(3H,s)
実施例6
(3R,5R)−3,5−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−メチレンシクロヘキサノール(化合物9)の調製:
上記化合物8(15.9g、34.8mmol)をメタノール(150ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(75mg)を加え、50℃〜55℃水浴上で1時間攪拌した。冷却後、炭酸カリウム(50mg)を加え、反応液の溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル20:1〜10:1)に付し、これにより表記化合物(化合物9)(7.0g、収率54%)を無色油状物として得た。そのNMRデータを以下に示す。
H−NMR(CDCl)5.04(1H,t,J=1.83),4.92(1H,s),4.73(1H,dd,J=4.58,J=9.52),4.59(1H,t,J=4.0),4.14(1H,m),3.55(1H,brs),2.11(1H,m),1.95(1H,m),1.79(1H,m),1.63(1H,m),0.91(9H,s),0.89(9H,s),0.098(3H,s),0.086(3H,s),0.070(3H,s),0.063(3H,s)
発明の効果
本発明は、上述のように構成されているので、ビタミンD類の全合成のための新規な合成中間体、特にビタミンD類のA環の環外二重結合を構成するエキソメチレン基が2つの水素原子に置換された19−ノル−ビタミンD化合物を合成するための中間体を提供することができる。このような中間体は安価な原料であるカルボンから製造することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(II)で示される化合物:
    Figure 0004469794
    (式中、YおよびYは同じでもまたは異なっていてもよく、それぞれ水素原子またはヒドロキシ保護基である。YO−基はR配置またはS配置のいずれであってもよい。)。
  2. 前記YおよびYがヒドロキシ保護基である請求項1記載の化合物。
  3. 前記Yがtert−ブチルジメチルシリル基であり、前記Yがテトラヒドロ−2−ピラニル基、アセチル基、メトキシメチル基またはベンゾイル基のいずれかであって、前記YO−基はR配置である請求項1記載の化合物。
  4. 前記Yがヒドロキシ保護基であって、前記Yが水素原子であって、前記YO−基はR配置である請求項1記載の化合物。
  5. 前記Yがtert−ブチルジメチルシリル基であって、前記Yが水素原子であって、前記YO−基はR配置である請求項1記載の化合物。
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