JP2731013B2 - 11―エピイソカルバサイクリン類およびその製造法 - Google Patents

11―エピイソカルバサイクリン類およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は新規な11−エピイソカルバサイクリン類およ
びその製造法に関する。更に詳細には医薬として有用な
イソカルバサイクリン(9(0)−メタノ−△
6(9α)−プロスタグランジンI1)類の11位の水酸基
の立体配置のみが逆の立体配置を有する新規な11−エピ
イソカルバサイクリン類および3−[2−(フェニルス
ルフィニル)エトキシ]シクロペンテン誘導体を出発原
料とし、分子内熱転位反応により上記の新規な11−エピ
イソカルバサイクリン類の先駆体を製造することを鍵工
程とする11−エピイソカルバサイクリン類の新規な製造
法に関する。
<従来技術> プロスタサイクリンは生体において主として動脈の血
管内壁で生産される局所ホルモンであり、その強力な生
理活性、例えば、血小板凝集抑制活性、血管拡張活性等
により生態の細胞機能を調節する重要な因子であり、こ
のものを直接医薬品として供する試みが行なわれている
[クリニカル・ファーマコロジィー・オブ・プロスタサ
イクリン(Clinical Pharmacalogy or Prostacycin),R
aven Press,N.Y.,1981]。
しかし、天然プロスタサイクリンは分子内に非常に加
水分解されやすいエノールエーテル結合を有するため、
中性または酸性条件では容易に加水分解されて失活し、
医薬品としてはその化学的不安定性のため好ましい化合
物とはいえない。このため天然プロスタサイクリンと同
様な生理活性を有する化学的に安定な合成プロスタサイ
クリン誘導体が鋭意探索されている。
なかでもプロスタサイクリンの6,9α位の酸素原子を
メチレン基で置換した誘導体、すなわち9(0)−メタ
ノプロスタサイクリン(カルバサイクリン)は化学的安
定性を十分に満足するプロスタサイクリン類として知ら
れており[プロスタサイクリン(Prostacyclin),I.R.V
aneand,S.Bergstorm.Eds.Raven Press,N.Y.p31−41参
照]医薬品としての応用が期待されている。しかし、こ
の9(0)−メタノプロスタサイクリンはその生物活性
が天然のプロスタサイクリンよりも弱く、しかも,その
作用選択性は特異的とは言えず、必ずしも好ましい化合
物とは言えない。
近年、カルバサイクリンの二重結合異性体の一種であ
るイソカルバサイクリン、すなわち9(0)−メタノ−
6(9α)−プロスタグランジンI1類が、この同族体
の中でも最も強い血小板凝集抑制作用を示すことが発見
され、有用な医薬品としての応用が期待されるようにな
った[池上ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedro
n Lett.),24,3493(1983)、特開昭59−137445号公
報]。
従来、かかる9(0)−メタノ−△6(9α)−プロ
スタグランジンI1(イソカルバサイクリン)の製造に関
しては以下のものが知られている。
(1)池上ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedro
n Lett.),24,3493(1983)およびケミストリー・レタ
ーズ(Chemistry Letters),1984,1069: (2)池上ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedro
n Lett.),24,3493(1983): (3)池上ら、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサ
イエティー、ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.S
oc.,Chemical Communications),1984,1602: (4)柴崎ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedro
n Letters.),25,5087(1984): (5)柴崎ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedro
n Letters.),25,1067(1984): (6)小島ら、ケミカル・アンド・ファーマシューティ
カル・ブレティン(Chem.Pharm.Bull.),32,2866(198
4): (7)小島ら、特開昭60−28943号公報: (8)黒住ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedro
n Lett.),27,6353(1986): (9)黒住ら、特開昭63−77839号公報、7th IUPAC Con
ference on Organic Syntesis,Nancy.Jul.4th−7th(19
88)Abstr.4−A10: (10)野依ら、日本化学会第53秋季年会講演要旨集p499
(1986): (11)羽里ら、日本薬学会第106年会講演要旨集p379(1
986): (12)岡村ら、日本薬学会第106年会講演要旨集p380(1
986): (13)柴崎ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedro
n Lett.),25,5087(1984): などが知られている。
これらの方法のうち、方法(1)と方法(5)はPGE2
を出発原料とし、数工程を経て鍵中間体に導き、さら
に、数工程を経て目的物のイソカルバサイクリンを得る
もので工業的な製法とはいいがたい。
また、方法(2)と方法(3)は、いずれも、対応す
る出発原料および鍵中間体を得るために高価なコーリー
ラクトンから多段階の工程を要し、通算収率も高くな
く、必ずしも工業的に有利な方法とはいえないという難
点がある。また方法(6)および方法(7)は最終生成
物がdl体でしか得られず医薬品化を意図する製法として
は論外の方法である。
また、方法(4)は、その出発原料が本発明者らの方
法により光学活性な(R)−4−ヒドロキシ−2−シク
ロペンテノンから容易に得られ(特開昭57−155116号公
報)、その出発原料から鍵中間体への誘導も工業的に何
ら問題もなくできる方法である。しかし、鍵中間体から
最終のイソカルバサイクリン類へ到る工程が長く、有機
水銀化合物の使用や分離困難な副生成物の混入等の難点
のため実用的、工業的製造法とはなり得ないという難点
がある。また方法(8)および(9)はその鍵中間体
が、本発明者らの方法(特開昭62−61937号公報)およ
び柴崎らの方法[テトラヘドロン・レターズ(Tetrahed
ron Letters),25,5087(1984)]により(R)−4−
ヒドロキシ−2−シクロペテノンから得られる、工業的
に何ら問題ない方法であるが、鍵中間体からイソカルバ
サイクリン類へ到る工程において直接ブタン酸部分を導
入することが難しく、中間体のオルトエステル体やジス
ルホン体を経由し、それをイソカルバサイクリン類に変
換しなければならないという欠点を有する。また方法
(10)は、鍵中間体からイソカルバサイクリン類へ到る
工程の安定性、再現性に乏しいという欠点を有する。方
法(11)は生成物であるイソカルバサイクリン製造時に
カルバサイクリンが副生するという欠点がある。また方
法(12)は出発原料から最も短い工程数でイソカルバサ
イクリンを製造しうるものであるが収率が低く、工業的
に満足しうる方法とはいえない。方法(13)は鍵中間体
からイソカルバサイクリン類に到る工程において、収率
が低く工業的に満足しうる方法とはいえない。
最近、本発明者らは別途提案した方法により、第一銅
塩の存在下に3−アルコキシカルボニルプロピル亜鉛ハ
ライド類をアリルハライドまたはアリルトシレート中間
体に反応させることにより、直接ブタン酸部分を導入
し、一挙にイソカルバサイクリン骨格を構築することを
見出した。
しかし、数多くある合成法によっても11−エピイソカ
ルバサイクリン類は合成されておらず、また本化合物を
効率よく製造する方法も報告されていない。
<発明の開示> 本発明者らは、上述した諸点に注目し、イソカルバサ
イクリン類の新規誘導体の創製とその位置および立体特
異的な製造法、ならびにそれらを経由する新規なイソカ
ルバサイクリン類の製造法を見出すべく鋭意研究した結
果、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、下記式(1) で表わされる11−エピイソカルバサイクリン類が提供さ
れる。
上記(1)においてR1はCOOR11または基 を表わし、R11は水素原子、C1〜C10の炭化水素基、また
は1当量のカチオンを表わす。C1〜C10の炭化水素基と
してはメチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチ
ル,t−ブチル,オクチル,デシル,アリル,シクロヘキ
シル,フェニル基などを挙げることができるが、メチ
ル,エチル,t−ブチル基が好ましい。1当量のカチオン
としてはアンモニウム,テトラメチルアンモニウム、モ
ノメチルアンモニウム,ジメチルアンモニウム,トリメ
チルアンモニウム,ベンジルアンモニウム,フェネチル
アンモニウム,モルホリニウム,モノエタノールアンモ
ニウム,トリエタノールアンモニウム,ピペリジニウム
などのアンモニウムカチオン;Na+,K+などのアルカリ金
属カチオン;1/2Ca2+,1/2Mg2+,1/2Zn2+,1/3Al3+などの2
価もしくは3価の金属カチオンの1当量を挙げることが
できる。またRはC1〜C4のアルキル基を表わす。Rとし
てはメチル,エチル,イソプロピル,t−ブチル基が挙げ
られ、メチル基が好ましい。
上記式(1)においてR2は水素原子、トリ(C1〜C7
炭化水素シリル基、または結合している酸素原子ととも
にアセタール結合を形成する水酸基の保護基を表わす。
トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基としては例えば、トリ
メチルシリル,トリエチルシリル,トリイソプロピルシ
リル,t−ブチルジメチルシリルのようなトリ(C1〜C4
アルキルシリル基,t−ブチルジフェニルシリル基のよう
なジフェニル(C1〜C4)アルキルシリル基、ジメチルフ
ェニルシリル基のような(C1〜C4)アルキルフェニルシ
リル基、またはトリベンジルシリル基などを好ましいも
のとして挙げることができる。トリ(C1〜C4)アルキル
シリル基,ジフェニル(C1〜C4)アルキルシリル基が好
ましく、なかでもt−ブチルジメチルシリル基が特に好
ましい。
また、結合している酸素原子とともにアセタール結合
を形成する水酸基の保護基としては、例えば、メチキシ
メチル,1−エトキシエチル,2−メトキシ−2−プロピ
ル,2−エトキシ−2−プロピル,(2−メトキシエトキ
シ)メチル,ベンジルオキシメチル,2−テトラヒドロピ
ラニル,または2−テトラヒドロフラニル基を挙げるこ
とができる。2−テトラヒドロピラニル,2−テトラヒド
ロフラニル,1−エトキシエチル,2−エトキシ−2−プロ
ピル,(2−メトキシエトキシ)メチル基が好ましく、
なかでも2−テトラヒドロピラニル基が特に好ましい。
上記式(1)においてR3は直鎖もしくは分岐鎖のC3
C8アルキル基,アルケニル基,またはアルキニル基,も
しくはC3〜C10シクロアルキル基を表わす。直鎖もしく
は分岐鎖のC3〜C8アルキル基としてはプロピル,ブチ
ル,ペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,1−メチ
ルペンチル,1−メチルヘキシル,1,1−ジメチルペンチ
ル,2−メチルペンチル,2−メチルヘキシル,5−メチルヘ
キシル基などが挙げられるが、ペンチル,ヘキシル,1−
メチルペンチル(R体,S体およびRS体を含む),2−メチ
ルヘキシル(R体,S体およびRS体を含む)基が好まし
い。直鎖もしくは分岐鎖のC3〜C8アルケニル基としては
2−ブテニル,2−ペンテニル,3−ペンテニル,2−ヘキセ
ニル,4−ヘキセニル,2−メチル−ヘキセニル,6−メチル
−5−ヘプテニル基などが挙げられる。直鎖もしくは分
岐鎖のC3〜C8アルキニル基としては2−ブチニル,2−ペ
ンチニル,3−ペンチニル,2−ヘキシニル,4−ヘキシニ
ル,1−メチル−3−ペンチニル,1−メチル−3−ヘキシ
ニル,2−メチル−4−ヘキシニルなとが挙げられる。C3
〜C10のシクロアルキル基としては、シクロプロピル,
シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シク
ロヘプチル,シクロオクチル,シクロデシル基などが挙
げられるが、好ましくはシクロペンチル基またはシクロ
ヘキシル基が挙げられる。
本発明により提供される上記式(1)で表わされる11
−エピイソカルバサイクリン類の好ましい具体例を、R1
をCOOR11,R11を水素原子の形で代表させて、イソカルバ
サイクリンを母核とした命名法で挙げると、例えば、 01)11−エピイソカルバサイクリン 02)20−メチル−11−エピイソカルバサイクリン 03)20−エチル−11−エピイソカルバサイクリン 04)16−メチル−11−エピイソカルバサイクリン 05)16,16−ジメチル−11−エピイソカルバサイクリン 06)17(S),20−ジメチル−11−エピイソカルバサイ
クリン 07)17(R),20−ジメチル−11−エピイソカルバサイ
クリン 08)17,18−デヒドロ−11−エピイソカルバサイクリン 09)20−イソプロピリデン−11−エピイソカルバサイク
リン 10)16−メチル−18,18,19,19−デヒドロ−11−エピイ
ソカルバサイクリン 11)16,20−ジメチル−18,18,19,19−デヒドロ−11−エ
ピイソアルバサイクリン 12)16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロペンチル
−11−エピイソカルバサイクリン 13)16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル
−11−エピイソカルバサイクリン 14)01)〜13)の15−O−t−ブチルジメチルシリルエ
ーテル類 15)01)〜13)の15−O−(2−テトラヒドロピラニ
ル)エーテル類 16)01)〜15)のメチルエステル類 17)01)〜15)のエチルエステル類 18)01)〜15)のt−ブチルエステル類 19)01)〜13)のナトリウム塩類 などを挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
上記式(1)で表わされる本発明の11−エピイソカル
バサイクリン類は4(S)−アセトキシ−2−シクロペ
ンテノンへの共役付加に続く、脱アセトキシ化反応によ
り容易に入手可能な式4の置換シクロペンテノン類に有
機リチウム化合物(式5)を付加させて、式3で表わさ
れる置換シクロペンテノール類とし、さらにフェニルビ
ニルスルホキシドに付加させて、式2で表わされる置換
シクロペンテン類に導き、この式2で表わされる化合物
を分子内熱転位反応させることにより製造される。
すなわち、下記式(4) で表わされる置換シクロペンテン類と下記式(5) で表わされる有機リチウム化合物とを反応せしめて下記
式(3) で表わされる置換シクロペンテノール類を製造し、次い
で塩基性化合物の存在下にフェニルビニルスルホキシド
反応しせめて下記式(2) で表わされる置換シクロペンテン類を製造し、得られた
置換シクロペンテン類を加熱し、必要により保護された
水酸基の脱保護、および/またはシリルアセタール基の
加水分解後、エステル化または塩生成反応せしめること
により下記式(1) で表わされる11−エピイソカルバサイクリン類が製造さ
れる。
以上の製造工程をまとめて図示すると下記のように整
理される。
本発明の製造法において第一工程で原料として用いら
れる上記式(4)で表わされる置換シクロペンテノンは
4(S)−アセトキシ−2−シクロペンテノンに対応す
る導入側鎖部分を有機銅化合物の形で共役付加させた
後、脱アセトキシ化反応せしめることにより容易に入手
できる。反応の詳細については参考例として具体的に記
載した。また側鎖部分に相当する有機銅化合物の調製は
それ自身公知の方法の組合せにより、市販の(S)−
(+)−1,2−O−イソプロピリデングリセロールを出
発原料として、下記に示した方法で製造することができ
る。なおR0は、直鎖もしくは分岐鎖のC2〜C7アルキル基
を表わす。
かかる上記式(4)で表わされる置換シクロペンテノ
ン類の具体例は前記式(1)で表わされる11−エピイソ
カルバサイクリン類として具体的に例示した化合物の中
のR21とR3の任意の組合せによる化合物が代表例として
挙げることができる。本発明では既に説明したように上
記式(4)で表わされる置換シクロペンテノン類に、上
記式(5)で表わされる有機リチウム化合物を反応せし
めるのを第一工程とし、以下第二工程,第三工程(必要
により官能基変換工程)を経て最終的に上記式(1)で
表わされる11−エピイソカルバサイクリン類が製造され
る。各工程の説明の前に、上記式(5)で表わされる有
機リチウム化合物の調製法について説明する。すなわ
ち、上記式(5)で表わされる有機リチウム化合物は、
それ自身公知の反応の組み合わせにより調製される。例
えば、Rがメチル基の場合を例示すると、メトキシフェ
ニルチオトリメチルシリルメタンから下記に示す工程を
経て容易に調製される。
以下、各工程について説明する。
第一工程 有機リチウム化合物の付加; 本発明方法の第一工程は、上記式(4)で表わされる
置換シクロペンテノン類に上記式(5)で表わされる有
機リチウム化合物を付加せしめることにより達成され
る。
上記式(4)で表わされる置換シクロペンテノン類と
上記式(5)で表わされる有機リチウム化合物は化学量
論的には当量反応を行なうが、通常、置換シクロペンテ
ノン類1当量に対して0.5〜20当量、好ましくは0.8〜10
当量、特に好ましくは1.0〜3.0当量の有機リチウム化合
物を用いて行なわれる。
反応温度は−100℃〜0℃、特に好ましくは−90℃〜
−50℃の温度範囲が採用され、反応時間は反応温度によ
り異なるが、通常、−90℃〜−50℃の温度では数時間以
内に終結する。実用上は、−78℃が便利である。
反応は有機媒体の存在下に行なわれる。有機媒体とし
てはエーテル,テトラヒドロフラン,ヘキサン,ベンゼ
ン,トルエンなどが挙げられ、二種以上の混合媒体とし
て用いることも可能である。有機媒体の使用量は反応を
円滑に進行させるに充分な量があればよく、通常は原料
の1〜100倍容量、好ましくは5〜30倍容量が用いられ
る。
反応終了後の後処理は、通常の手段がそのまま好適に
用いられる。例えば、塩化アンモニウムのような電解質
を含んでいてもよい水などで反応を停止させた後、抽
出,洗浄,乾燥,濃縮,およびクロマトグラフィーなど
の分離操作により目的物である上記式(3)で表わされ
る置換シクロペンテノール類が得られる。
第二工程 フェニルビニルスルホキシドへの付加; 本発明方法の第二工程は、第一工程で得られた上記式
(3)で表わされる置換シクロペンテノール類を塩基性
化合物の存在下にフェニルビニルスルホキシドに付加反
応せしめることにより達成される。
置換シクロペンテノール類とフェニルビニルスルホキ
シドは化学量論的には当量反応を行なうが、通常、置換
シクロペンテノール類1当量に対して0.5〜20当量、好
ましくは0.8〜10当量、特に好ましくは2〜5当量のフ
ェニルビニルスルホキシドを用いて行なわれる。
反応温度は−100℃〜100℃、好ましくは−20℃〜50
℃、特に好ましくは0℃〜30℃の温度範囲が採用され、
反応時間は反応温度により異なるが、通常、室温付近の
反応温度では24時間以内で十分である。
反応は塩基性化合物の存在下に行なわれる。塩基性化
合物は置換シクロペンテノール類の水酸基に作用し、そ
の反応性を高めるものならば何でも用いることができる
が、通常、水素化ナトリウム,水素化カリウム,または
その組み合わせなどの実施態様により用いられる。かか
る塩基性化合物の使用量は置換シクロペンテノール類に
対して触媒量から数モル倍の範囲で用いられるが、好ま
しくは総計量として等モル量用いられる。
反応は有機媒体中で行なわれる。有機媒体としては、
例えば、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,シクロヘキサ
ンなどの炭化水素類、ベンゼン,トルエンなどの芳香族
炭化水素類、エーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサ
ン,ジメトキシエタン,ジエチレングリコールジメチル
エーテルなどのエーテル系溶媒などが挙げられるが、テ
トラヒドロフランが特に好ましく用いられる。
有機媒体の使用量は反応を円滑に進行させるに充分な
量があればよく、通常は原料の1〜100倍容量、好まし
くは2〜20倍容量が用いられる。
反応終了後の後処理は第一工程とほぼ同様にして実施
され、目的物である上記式(2)で表わされる置換シク
ロペンテン類が得られる。
第三工程 分子内熱転位反応; 本発明方法の第三工程は、第二工程で得られた上記式
(2)で表わされる置換シクロペンテン類の分子内熱転
位反応を行なうことにより実施される。
反応は有機媒体中で行なわれる。有機媒体としてはデ
カリン,ドデセン,テトラリンなどの高沸点炭化水素類
が用いられる。有機媒体の使用量は反応を円滑に進行さ
せるのに充分な量があればよく、通常は原料の1〜100
倍容量、好ましくは2〜20倍容量が用いられる。この場
合、ピネン類、好適にはα−ピネンを共媒体として用い
ることもでき、しばしば良い結果を与える。これらの使
用量は高沸点炭化水素類の使用量に準じて使用される。
本工程では炭酸水素ナトリウムのような塩基を反応助
剤として用いる。その使用量は原料の約数10倍量が好適
に用いられる。また、炭酸水素ナトリウムの代わりにピ
リジン系の有機塩基を用いることもできる。
反応温度は150℃〜300℃、特に好ましくは200℃付近
で実施され、反応時間は反応温度により異なるが、200
℃付近の反応温度では数時間から数十時間反応させるこ
とにより実施される。
反応終了後の後処理は第一工程とほぼ同様にして実施
され、目的物である上記式(1)で表わされる11−エピ
イソカルバサイクリン類のうち、下記式(1−a) で表わされる保護された11−エピイソカルバサイクリン
類が得られる。こうして得られた保護された11−エピイ
ソカルバサイクリン類を最終的な化合物に導くには基本
的には、次のような工程を経て実施される。
前記式(1)で表わされる11−エピイソカルバサイク
リン類は上記式(1−a)から上記式(1−e)までの
サブグループ化された化合物群をも含んだ化合物群とし
て理解されるべきものであるが、変換工程の変換にとも
なってこれら以外の組み合わせも可能である。
以下、各工程について説明する。
第四工程 水酸基の脱保護; 上記式(1−a)で表わされる水酸基が保護された11
−エピイソカルバサイクリン類の水酸基の脱保護は次の
ようにして達成される。
脱保護反応は、それ自身公知であり、保護基が、それ
が結合している酸素原子とともにアセタール結合を形成
する水酸基の保護基の場合には、例えば、塩酸,リン
酸,硫酸,酢酸,p−トルエンスルホン酸,ピリジニウム
p−トルエンスルホネート,陽イオン交換樹脂等を触
媒とし、例えば水,メタノール,エタノールまたは、
水,メタノール,エタノール等を共存させたテトラヒド
ロフラン,エチルエーテル,ジオキサン,アセトン,ア
セトニトリル等を反応溶媒とすることにより好適に実施
される。反応温度は通常−78℃〜+50℃の温度範囲で10
分〜3日間程度行なわれる。保護基がトリ(C1〜C7)炭
化水素基の場合には、例えば、酢酸,p−トルエンスルホ
ン酸,ピリジニウム p−トルエンスルホネート等の酸
を触媒とし上記した反応溶媒中で同様の温度で行なう
か、またはテトラブチルアンモニウムフルオライド,セ
シウムフルオライド,フッ化水素酸,フッ化水素−ピリ
ジン等のフッ素系試薬を使用し、テトラヒドロフラン,
エチルエーテル,ジオキサン,アセトン,アセトニトリ
ル等を反応溶媒として上記と同様の温度で同程度の時間
行なうことにより好適に実施される。
前述の後処理により上記(1−b)で表わされる水酸
基が脱保護された11−エピイソカルバサイクリン類が得
られる。
第五工程 脱アセタール化反応; 上記式(1−b)で表わされる水酸基が脱保護された
11−エピイソカルバサイクリン類の脱アセタール化反応
は第四工程において、水酸基がその酸素原子とともにア
セタール結合を形成する水酸基の保護基である場合の脱
アセタール化反応条件がそのまま好適に用いられる。従
って、上記式(1−a)で表わされる水酸基が保護され
た11−エピイソカルバサイクリン類の水酸基の保護基が
その酸素原子とともにアセタール結合を形成する水酸基
の保護基の場合は、本工程の脱保護反応条件で一挙に上
記式(1−c)で表わされる脱アセタール化された11−
エピイソカルバサイクリン類が得られることになる。
反応後、前述の後処理により上記式(1−c)で表わ
される脱アセタール化された11−エピイソカルバサイク
リン類が得られる。
第六工程 酸化反応; 上記式(1−c)で表わされる脱アセタール化された
11−エピイソカルバサイクリン類は酸化反応を実施する
ことによりカルボキシル基に変換することができる。
かかる変換反応に好適な酸化剤としては、例えば、第
三級ブチルハイドロパーオキサイドが最も好適なものと
して挙げられる。反応は無溶媒下に実施され、酸化剤の
使用量は反応基質の10倍量から1000倍量、好適には50倍
量から200倍量を用いて実施される。
反応温度は0℃〜50℃、好ましくは10℃〜30℃の温度
範囲が採用され、反応時間は反応温度により異なるが、
室温付近では24時間以内に反応は終結する。
反応終了後の後処理は第一工程とほぼ同様にして実施
され、上記式(1−d)で表わされるカルボン酸誘導体
である11−エピイソカルバサイクリン類が得られる。
第七工程 エステル化または塩生成反応; 上記式(1−d)で表わされるカルボン酸誘導体であ
る11−エピイソカルバサイクリン類はそれ自身公知の方
法によりエステル化または塩生成反応に付して、上記式
(1−e)で表わされるエステルまたはカルボン酸塩に
変換することができる。
例えば、エステル化反応では上記式(1−d)で表わ
されるカルボン酸誘導体である11−エピイソカルバサイ
クリン類を出発物質とし、対応するアルコール類または
アルキルハライド類などと公知の方法により反応せしめ
ることにより製造することができる。
また、塩生成反応は、上記式(1−d)で表わされる
カルボン酸誘導体である11−エピイソカルバサイクリン
類を出発物質とし、ほぼ等量の水酸化カリウム,水酸化
ナトリウム,炭酸ナトリウムなどの塩基性化合物あるい
はアンモニア,トリメチルアミン,モノエタノールアミ
ン,モルホリンとを通常の方法で中和反応せしめること
によりカルボキシレートに誘導される。
かくして上記式(1−e)で表わされる11−エピイソ
カルバサイクリン誘導体が製造される。
こうして第四工程から第七工程を経て一連の化合物群
である、上記式(1)で表わされる11−エピイソカルバ
サイクリン類の製造が達成される。
また、本発明方法において重要な中間体であり、か
つ、新規化合物である下記式(6) で表わされる新規な3,3,5−三置換シクロペンテン類は
本発明の製造法を特徴付けている。
さらに、本発明の製造法で得られる上記式(1)で表
わされる水酸基が保護された11−エピイソカルバサイク
リン類は、医薬品として有用なイソカルバサイクリン類
の前駆体としても有用な化合物である。例えば上記式
(1−a)で表わされる水酸基が保護された11−エピイ
ソカルバサイクリン類をイソカルバサイクリン類に誘導
するには下記の製造工程を経由して行なうことができ、
前述した工程と同様の工程が適用される。各工程の詳細
については参考例2〜5に示した。
第四工程から第七工程までは前述の工程と全く同様の
工程であり、そのまま適用される。第八工程と第九工程
について説明する。
第八工程 酸化反応; 11−エピの水酸基の酸化反応に供する酸化剤は、アル
コール類をケトン類に酸化する能力のある酸化剤であれ
ばいかなるものでも用いることができるが、好ましくは
ピリジニウムクロロクロメートやピリジニウムジクロメ
ートなどのクロム系酸化剤が用いられる。これらの酸化
剤の使用量は化学量論的には等量反応を行なうが、通常
は2〜20倍量程度の過剰量を用いて実施される。反応媒
体,反応温度,反応時間,反応後の後処理なども通常、
これらの酸化剤が使用される条件下で行なうことができ
る。
第九工程 還元反応; 第八工程で得られた11−オキソイソカルバサイクリン
類は還元反応を経てイソカルバサイクリン類に誘導する
ことができる。
この還元反応に用いられる還元剤としてはエステル類
は二重結合などの官能基を還元することなくケトン基を
アルコールに還元する還元剤であれば何でも用いること
ができ、例えば新実験化学講座、第15巻、酸化と還元,I
I(日本化学会編,1977)に詳しく紹介されているが、水
素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウ
ム,水素化ホウ素リチウム,水素化ホウ素亜鉛,水素化
トリ−S−ブチルホウ素リチウムなど数多くの還元剤が
知られているが、水素化ホウ素ナトリウムが特に好適に
用いられる。
還元剤はケトン類とは化学量論的には当量反応を行な
うが、通常、0.5〜20当量、好ましくは0.8〜10当量、特
に好ましくは1.0〜5.0当量の還元剤を用いて行なわれ
る。
反応温度は−100℃〜50℃、特に好ましくは−40℃〜3
0℃程度の温度範囲が採用され、反応時間は反応温度に
より異なるが、通常、0℃〜25℃にて数時間反応せしめ
れば充分である。
反応は有機媒体の存在下に行なわれるが、有機媒体の
種類,使用量,および反応後の後処理は通常の方法がそ
のまま好適に行なわれる。
以上説明したように、本発明によれば、下記式(1) で表わされる新規な11−エピイソカルバサイクリン類お
よびその製造法、ならびに下記式(6) で表わされる新規な3,3,5−三置換シクロペンテン類が
製造中間体として提供され、さらには上記式(1)で表
わされる11−エピイソカルバサイクリン類は医薬品とし
て有用なイソカルバサイクリン類に導くことができる前
駆物質としても極めて重要な化合物であり、本発明の有
用性をさらに高めている。
すなわち、本発明で与えられる物質および製造法は、
次のような特徴を有している。
(1)新規物質である11−エピイソカルバサイクリン類
を提供すること。
(2)11−エピイソカルバサイクリン類からイソカルバ
サイクリン類に誘導可能なこと。
(3)鍵工程である分子内熱転位反応が高度に位置およ
び立体選択性に富んでいること。
(4)各工程が高選択性,高収率であり、全工程的には
短工程でイソカルバサイクリン類を製造できること。
といった諸点である。
以下、参考例、実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1 (S)−(E)−1−ヨード−4−t−ブチルジメチル
シリルオキシ−1−ノネン(1.834g,4.8mmol)を10mlの
エーテルに溶かし、アルゴン雰囲気下、−82℃に冷却し
て、t−ブチルリチウム(1.55mmol/mlペンタン溶液;6m
l,9.36mmol)を滴下し、1時間撹拌してビニルリチウム
溶液を調製した。一方、1−ペンチン銅(627mg,4.8mmo
l)をエーテル(6ml)とヘキサメチルホスホラストリア
ミド(1.7ml,9.6mmol)を加えて、アルゴン雰囲気下室
温で1時間撹拌した。この1−ペンチン銅溶液を、−82
℃に冷却した上記ビニルリチウム溶液に滴下し、1時間
撹拌後、(S)−4−アセトキシ−2−シクロペンテノ
ン(560mg,4.0mmol)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液
を滴下し、50分間撹拌した。反応終了後、0.5N塩酸(40
ml)を加えて反応を停止させ、ヘキサン(50ml)とエー
テル(30ml)の混合溶媒で抽出し、分液された有機層を
セライト過後、1N塩酸(80ml)、炭酸水素ナトリウム
水溶液(80ml)で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸
マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮して、1.746gの粗生
成物を得た。この粗生成物にシリカゲル(10g)とヘキ
サン(50ml)を加え、室温で35時間撹拌した。フィルタ
ー過し、酢酸エチル(50ml)を用いて洗浄し、濃縮し
て1.552gの粗生成物を得、シリカゲルカラムトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)に対して精製し、
(R)−4−[(S)−(E)−4−t−ブチルジメチ
ルシリルオキシ−1−ノネニル]−2−シクロペンテノ
ン(984mg,2.93mmol,73%)を得た。1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.02(3H,s),0.03(3H,s), 0.87(12H,s+t),1.2−1.45(8H,m), 2.05−2.25(3H,m),2.57−2.67(1H,dd), 3.55(1H,m),3.65(1H,m),5.3−5.37(1H,m), 5.53−5.63(1H,m),6.15(1H,m),7.52(1H,m).13 C−NMR(CDCl3,ppm)δ; −4.43,14.0,18.1,22.6,24.9,25.8, 31.9,36.8,36.9,40.2,41.4,44.2, 72.0,129.0,131,5,133.6,167.0,209.6. IR(液膜)cm-1; 1720,1590,1460,1260,1175,970,840, 780. 実施例1 5−ヨードペンタノイルトリメチルシラン エチレン
アセタール(949mg,2.89mmol)のエーテル(10ml)溶
液をアルゴン雰囲気下、−82℃に冷却し、1時間30分間
撹拌した。この溶液に、参考例1で得られた(R)−4
−[(S)−(E)−4−t−ブチルジメチルシリルオ
キシ−1−ノネニル]−2−シクロペンテノン(486mg,
1.45mmol)のエーテル(8ml)溶液を滴下し、−82℃で
1時間撹拌した。反応液に水(60ml)を加え、ヘキサン
(60ml)で抽出し、得られた有機層を水洗後、無水硫酸
マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮して942mgの粗生成
物を得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1から3:1)に供して精
製し、(1R,4R)−1−(5,5−エチレンジオキシ−5−
トリメチルシリルペンチル)−4−[(S)−(E)−
4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1−ノネニル]
−2−シクロペンテノール(561mg,1.04mmol,72%)を
得た。1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.03(6H,s),0.07(9H,s), 0.88(12H,s+t),1.15−1.70(18H,m), 2.1−2.3(3H,m),3.17(1H,m),3.65(1H,m), 3.82(2H,m),3.95(2H,m), 5.35−5.50(2H,m),5.67−5.75(2H,m).13 C−NMR(CDCl3,ppm)δ; −4.5,−4.3,−3.2、14.0,18.2,22.6, 23.8,24.9,25.9,32.0,36.8,40.4, 45.5,47.2,65.2,72.3,85.6,111.0, 126.4,135.8,1361,136.7. IR(液膜)cm-1; 3450,3070,1455,1245,1095,1045, 840,775. 実施例2 水素化ナトリウム(含量60%,40mg,0.996mmol)のテ
トラヒドロフラン(3ml)懸濁液に、アルゴン雰囲気
下、室温で実施例1で得られた(1R,4R)−1−(5,5−
エチレンジオキシ−5−トリメチルシリルペンチル)−
4−[(S)−(E)−4−t−ブチルジメチルシリル
オキシ−1−ノネニル]−2−シクロペンテノール(53
6mg,0.996mmol)のテトラヒドロフラン(6ml)溶液を加
え、次いでフェニルビニルスルホキシド(606mg,3.98mm
ol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を加えて、30分
間撹拌後、触媒量の水素化カリウムを加えて10時間半撹
拌した。水(40ml)とエーテル(40ml)を加えて抽出
し、分液された水層をさらに酢酸エチル(40ml)で抽出
し、有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥
し、減圧濃縮して1.232gの粗生成物を得た。このものを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=3.1)に付して精製し、(3R,5R)−3−(5,5
−エチレンジオキシ−5−トリメチルシリルペンチル)
−3−(2−フェニルスルフィニルエトキシ)−5−
[(S)−(E)−4−t−ブチルジメチルシリルオキ
シ−1−ノネニル]シクロペンテン(612mg,0.89mmol,8
9%)を得た。1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.03(6H,s),0.07(9H,s), 0.88(12H,s+t),1.2−1.75(18H,m), 2.0−2.2(3H,m),2.9−3.0(2H,m), 3.13−3.23(1H,m),3.47−3.58(1H,m), 3.73−3.87(3H,m),3.9−4.0(2H,m), 5.3−5.5(2H,m),5.57−5.80(2H,m), 7.45−7.55(3H,m),7.60−7.70(2H,m).13 C−NMR(CDCl3,ppm)δ; −4.5,−4.3,−3.2,14.0,18.1,22.6, 23.8,24.5,25.0,25.9,32.0,36.9, 39.6,39.9,40.4,47.2,55.8,59.2, 65.2,72.3,91.5,111.0,124.0,126.7, 129.2,130.8,134.0,134.2,134.7, 137.7,144.6. IR(液膜)cm-1; 3080,1640,1365,1250,1090,1045, 840,780,750. 実施例3 実施例2で得られる(3R,5R)−3−(5,5−エチレン
ジオキシ−5−トリメチルシリルペンチル)−3−(2
−フェニルスルフィニルエトキシ)−5−[(S)−
(E)−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1−ノ
ネニル]シクロペンテン(133mg,0.19mmol)をデカリン
(3ml)と(−)−α−ピネン(1.5ml)の混合液に溶か
し、その中に粉末の炭酸水素ナトリウム(1.33g)を添
加して、200〜210℃に加熱還流し、11時間撹拌した。冷
却後、エーテル(30ml)と水(30ml)を加えて抽出し、
得られた水層をさらにエーテル(30ml)で抽出し、有機
層をあわせて水洗後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し
た。減圧濃縮によって得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:
1)で精製して(1S,5S,6S,7S)−3−(5,5−エチレン
ジオキシ−5−トリメチルシリルペンチル)−6−
[(S)−(E)−3−t−ブチルジメチルシリルオキ
シ−1−オクテニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.
0]−2−オクテン(43mg,0.076mmol,40%)を得た。1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.03(6H,s),0.07(9H,s), 0.89(12H,s+t),1.2−1.7(17H,m), 1.85−2.17(4H,m),2.40−2.50(1H,m), 2.63−2.75(1H,m),3.25−3.37(1H,m), 3.75−3.85(2H,m),3.90−4.0(2H,m), 4.05−4.17(2H,m),5.21(1H,bs), 5.5−5.7(2H,m).13 C−NMR(CDCl3,ppm)δ; −4.7,−4.2,−3.2,14.0,18.3,22.6, 23.2,25.1,25.9,28.3,31.0,31.7, 36.1,36.7,38.4,39.4,40.4,43.6, 48.0,55.1,65.1,73.7,104.0,111.0, 127.7,128.0,136.7,142.1. 実施例4 実施例3で得られた(1S,5S,6S,7S)−3−(5,5−エ
チレンジオキシ−5−トリメチルシリルペンチル)−6
−[(S)−(E)−3−t−ブチルジメチルシリルオ
キシ−1−オクテニル]−7−ヒドロキシジシクロ[3.
3.0]−2−オクテン(99mg,0.176mmol)にテトラブチ
ルアンモニウムフルオライドの1.0Mテトラヒドロフラン
溶液(2ml,2mmol)を加え、室温で8時間撹拌後、さら
に2ml(2mmol)を加えて40分間撹拌した。反応終了後、
エーテル(30ml)と水(30ml)を加えて抽出し、水洗
後、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃
縮して87mgの粗生成物を得た。このものをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1
から1:1)に供して精製し、(1S,5S,6S,7S)−3−(5,
5−エチレンジオキシ−5−トリメチルシリルペンチル
−6−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−1−オクテ
ニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.0]−2−オク
テン(54.4mg,0.121mmol,69%)を得た。1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.05(9H,s),0.87(3H,t), 1.2−1.6(16H,m),1.85−2.15(5H,m), 2.35−2.5(2H,m),2.5−2.75(2H,m), 3.28(1H,m),3.79(2H,m),3.93(2H,m), 4.0−4.1(1H,m),4.1−4.15(1H,m), 5.19(1H,bs),5.5−5.6(1H,m), 5.65−5.8(1H,m).13 C−NMR(CDCl3,ppm)δ; −3.2,14.0,22.8,23.1,25.2,28.2, 30.9,31.7,36.7,37.2,39.5,40.4, 44.0,48.0,55.2,65.1,72.9,111.0, 127.9,130.6,135.2,142.0. IR(液膜)cm-1; 3360,3030,1650,1245,1105,1030, 975,940,840,785,750. 実施例5 実施例4で得られた(1S,5S,6S,7S)−3−(5,5−エ
チレンジオキシ−5−トリメチルシリルペンチル)−6
−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−1−オクテニ
ル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.0]−2−オクテ
ン(54.4mg,0.121mmol)にアセトン(3ml)と0.5N塩酸
(2ml)を加え、室温で7時間半撹拌した。反応液を炭
酸水素ナトリウム水溶液(20ml)を用いて中和し、ベン
ゼン(15ml)、酢酸エチル(25ml)を加えて抽出し、有
機層を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を
無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮して、(1
S,5S,6S,7S)−3−(5−オキソ−5−トリメチルシリ
ルペンチル)−6−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ
−1−オクテニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.
0]−2−オクテン(45mg,0.111mmol,92%)を粗生成物
として得た。
このものに第3級ブチルヒドロパーオキサイド(80%
含量,2ml)を加え、室温で13時間半撹拌した。反応溶液
にベンゼン(10ml),酢酸エチル(10ml)、次いで1N水
酸化ナトリウム水溶液(20ml)を加えて生成物を水層に
移し、水層を酢酸エチル(20ml)で洗浄した。こうして
得られた水層に0.5N塩酸(40ml)を加えて酸性化し、酢
酸エチル(20ml)を加えて抽出した。酢酸エチル(30ml
×2)で繰り返し抽出後、集められた有機層を錘せん
(15ml×2)後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、減
圧濃縮して(1S,5S,6S,7S)−3−(4−カルボキシブ
チル)−6−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−1−
オクテニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.0]−2
−オクテン(34.3mg,0.098mol,88%)を得た。1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.87(3H,t),1.1−1.7(14H,m), 1.8−2.15(5H,m),2.25−2.5(3H,m), 2.55−2.75(1H,m),3.30(1H,m), 4.0−4.1(1H,m),4.1−4.2(1H,m), 5.21(1H,bs),5.5−5.65(1H,m), 5.65−5.8(1H,m).13 C−NMR(CDCl3,ppm)δ; 14.0,22.6,24.4,25.2,27.0,30.5, 31.7,33.9,37.0,39.4.40.1, 44.0,48.0,55,1,73.1,77.1,128.3, 130.6,135.1,141.5,178.7. IR(液膜)cm-1; 3350,3030,1710,1260,1025, 970,785,760,735. 実施例6 実施例5で得られた(1S,5S,6S,7S)−3−(4−カ
ルボキシブチル)−6−[(S)−(E)−3−ヒドロ
キシ−1−オクテニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.
3.0]−2−オクテン(34.3mg,0.098mmol)をエーテル
(5ml)に溶かし、0℃に冷却して別途調製したジアゾ
メタンのエーテル溶液(1.5ml)を加え、30分間撹拌し
た。酢酸を加えて過剰のジアゾメタンを分解させた後に
減圧濃縮して粗エステルを得、このものをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1.
3)に付して精製し、(1S,5S,6S,7S)−3−(4−メト
キシカルボニルブチル)−6−[(S)−(E)−3−
ヒドロキシ−1−オクテニル]−7−ヒドロキシビシク
ロ[3.3.0]−2−オクテン(33.1mg,0.091mmol,93%)
を得た。1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.87(3H,t),1.1−1.7(14H,m), 1.8−2.15(5H,m),2.25−2.5(3H,m), 2.55−2.75(1H,m),3.30(1H,m),3.67(3H,s), 4.0−4.1(1H,m),4.1−4.2(1H,m), 5.23(1H,bs),5.5−5.65(1H,m), 5.65−5.8(1H,m). IR(液膜)cm-1; 3350,3030,1740,1260,1025, 970,785. 実施例7 実施例5で得られた(1S,5S,6S,7S)−3−(4−カ
ルボキシブチル)−6−[(S)−(E)−3−ヒドロ
キシ−1−オクテニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.
3.0]−2−オクテン(35mg,0.1mmol)をエタノール(3
ml)に溶かし、0℃で0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液
(1ml,0.1mmol)1を加え、30分間撹拌した後、減圧濃
縮,凍結乾燥をして前記カルボン酸体のナトリウム塩
(372mg,0.1mmol)を得た。
実施例8〜11 実施例1から実施例5に記載した方法と同様にして下
記の化合物を合成した。最終化合物と特徴的スペクトル
データーを下記に示す。
実施例8; (1S,5S,6S,7S)−3−(4−カルボキシブチル)−6
−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−3−シクロペン
チル−1−プロペニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.
3.0]−2−オクテン;1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 1.0−3.3(22H,m),4.0−4.2(2H,m), 5.2(1H,bs),5.5−5.8(2H,m), 6.3(3H,bs). IR(液膜)cm-1; 3350,3030,1710,1260,1025, 970,785,760. 実施例9; (1S,5S,6S,7S)−3−(4−カルボキシブチル)−6
−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−3−シクロヘキ
シル−1−プロペニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.
3.0]−2−オクテン;1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 1.0−3.3(24H,m),4.0−4.2(2H,m), 5.23(1H,bs),5.5−5.8(2H,m), 6.1(3H,bs). IR(液膜)cm-1; 3340,3030,1710,1260,1025, 970,785,760. 実施例10; (1S,5S,6S,7S)−3−(4−カルボキシブチル)−6
−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−5−メチル−1
−ノネニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.0]−2
−オクテン;1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.84(6H,m),1.0−3.3(24H,m), 4.0−4.2(2H,m),5.21(1H,bs), 5.5−5.8(2H,m),6.4(3H,bs). IR(液膜)cm-1; 3350,3030,1710,1260,1025, 970,785,760. 実施例11; (1S,5S,6S,7S)−3−(4−カルボキシブチル)−6
−[(3S,5S)−(E)−3−ヒドロキシ−5−メチル
−1−ノネニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.0]
−2−オクテン;1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.84(6H,m),1.0−3.3(24H,m), 4.0−4.2(2H,m),5.20(1H,bs), 5.5−5.8(2H,m),6.2(3H,bs). IR(液膜)cm-1; 3350,3030,1710,1260,1025, 970,785,760. 参考例2 ピリジニウムクロロクロメート(83mg,0.38mmol)と
モレキュラーシーブス(100mg)の塩化メチレン(4ml)
懸濁液にアルゴン雰囲気下室温で、実施例3で得られた
(1S,5S,6S,7S)−3−(5,5−エチレンジオキシ−5−
トリメチルシリルペンチル)−6−[(S)−(E)−
3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1−オクテニ
ル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.0]−2−オクテ
ン(54mg,0.096mmol)の塩化メチレン(4ml)溶液を加
え、4時間半撹拌した。この溶液をそのままフロリジル
クロマトグラフィー(エーテル)に供してほとんど純粋
な粗生成物として(1S,5S,6S,7S)−3−(5,5−エチレ
ンジオキシ−5−トリメチルシリルペンチル)−6−
[(S)−(E)−3−t−ブチルジメチルシリルオキ
シ−1−オクテニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.
0]−2−オクテン(42mg,0.075mmol,78%)を得た。1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.03(6H,s),0.07(9H,s), 0.88(12H,s+t),1.2−1.65(14H,m), 1.95−2.75(9H,m),3.33(1H,m), 3.75−3.85(2H,m),3.90−4.00(2H,m), 4.00−4.15(1H,m),5.25(1H,bs), 5.45−5.62(2H,m).13 C−NMR(CDCl3,ppm)δ; −4.8、−4.2,−3.2,14.0,18.2,22.6, 23.2,25.0,25.9,28.1,31.0,31.7, 36.7,38.2,41.0,41.8,43.7,44.1, 57.3,65.2,73.5,111.0,125.4, 127.2,136.4,144.7,217.9 参考例3 (1S,5S,6S,7S)−3−(5,5−エチレンジオキシ−5−
トリメチルシリルペンチル)−6−[(S)−(E)−
3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1−オクテニ
ル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.0]−2−オクテ
ン(42mg,0.075mmol)にエタノール(22ml)とエーテル
(2ml)を加え、次いで水素化ホウ素ナトリウムを加え
て室温で2時間半撹拌した。ベンゼン(15ml),エーテ
ル(20ml)と水(30ml)を加えて抽出し、有機層を水洗
後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮して39
mgの粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)に付し
て精製し、(1S,5S,6S,7S)−3−(5,5−エチレンジオ
キシ−5−トリメチルシリルペンチル)−6−[(S)
−(E)−3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1−
オクテニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.0]−2
−オクテン(37mg,0.066mmol,87%)を得た。1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.03(6H,s),0.07(9H,s),0.88(12H,s+t), 1.20−1.75(17H,m),1.85−2.45(6H,m), 2.95−3.05(1H,m),3.70−3.85(3H,m), 3.90−4.00(2H,m),4.00−4.10(1H,m), 5.26(1H,bs),5.40−5.60(2H,m).13 C−NMR(CDCl3,ppm)δ; −4.7,−4.2,−3.2,14.0,18.3,22.6, 23.2,25.1,25.9,28.2,30.9,31.7, 36.7,38.4,39.4,39.6,44.4,45.7, 58.0,65.2,73.4,111.0,128.1, 130.6,136.1,141.9. IR(液膜)cm-1; 3500,3060,1255,1095,975,845, 785,760. 参考例4 参考例3で得られた(1S,5S,6S,7S)−3−(5,5−エ
チレンジオキシ−5−トリメチルシリルペンチル)−6
−[(S)−(E)−3−t−ブチルジメチルシリルオ
キシ−1−オクテニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.
3.0]−2−オクテン(40mg,0.071mmol)にテトラブチ
ルアンモニウムフルオライドの1.0Mテトラヒドロフラン
溶液(2ml,2mmol)を加え、室温で4時間半撹拌した。
反応終了後、エーテル(30ml)と水(30ml)を加えて抽
出し、水洗後、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥
し、減圧濃縮して39mgの粗生成物を得た。このものをシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ
チル=5:6)に供して精製し、(1S,5S,6S,7S)−3−
(5,5−エチレンジオキシ−5−トリメチルシリルペン
チル)−6−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−1−
オクテニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.0]−2
−オクテン(32mg,0.071mmol,定量的)を得た。1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.07(9H,s),0.88(3H,t), 1.20−1.60(15H,m),1.80−2.05(4H,m), 2.20−2.45(3H,m),2.57(1H,bs), 2.70(1H,bs),2.93−3.03(1H,m), 3.67−3.77(1H,m),3.77−3.85(2H,m), 3.90−4.00(2H,m),4.00−4.07(1H,m), 5.25(1H,bs),5.43−5.55(2H,m). 参考例5 参考例4で得られた(1S,5S,6S,7S)−3−(5,5−エ
チレンジオキシ−5−トリメチルシリルペンチル)−6
−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−1−オクテニ
ル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.0]−2−オクテ
ン(23mg,0.051mmol)にアセトン(3ml)と0.5N塩酸(2
ml)を加え、室温で7時間半撹拌した。反応液を炭酸水
素ナトリウム水溶液(20ml)を用いて中和し、ベンゼン
(15ml),酢酸エチル(25ml)を加えて抽出し、有機層
を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグ
ネシウム上で乾燥後、減圧濃縮して、(1S,5S,6S,7S)
−3−(5−オキソ−5−トリメチルシリルペンチル)
−6−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−1−オクテ
ニル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.0]−2−オク
テン(20mg,0.049mmol,96%)を粗生成物として得た。
このものに第三級ブチルヒドロパーオキサイド(80%
含量,2ml)を加え、室温で11時間撹拌した。反応溶液に
ベンゼン(10ml),酢酸エチル(10ml)、次いで1N水酸
化ナトリウム水溶液を加えて生成物を水層に移し、水層
をベンゼン(10ml),酢酸エチル(10ml)の混合溶液で
再度洗浄した。こうして得られた水層に0.5N塩酸を加え
て酸性化し、ベンゼン(15ml),酢酸エチル(30ml)を
加えて抽出した。得られた有機層を水洗(10ml×3)
後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮して
(1S,5S,6S,7S)−3−(4−カルボキシブチル)−6
−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−1−オクテニ
ル]−7−ヒドロキシビシクロ[3.3.0]−2−オクテ
ン(イソカルバサイクリン,16mg,0.046mmol,93%)を粗
生成物として得た。このものをアセトニトリル(2ml)
を用いて再結晶し、融点77.5〜79.0℃の白色結晶を得
た。1 H−NMR(CDCl3,ppm)δ; 0.88(3H,t),1.2−1.7(13H,m), 1.85−2.10(4H,m),2.20−2.42(5H,m), 2.90−3.04(1H,m),3.7−3.8(1H,m), 4.0−4.1(1H,m),4.1付近(3H,b), 5.28(1H,bs),5.4−5.6(2H,m).13 C−NMR(CDCl3,ppm)δ; 14.0,22.6,24.2,25.2,26.8,30.2, 31.6,33.8,36.9,39.0.39.4,44.2, 45.4,58.0,73.4,77.2,128.9,133.2, 135.6,141.0,178.3. <発明の効果> 本発明の新規な11−エピイソカルバサイクリン類は、
医薬品として有用なイソカルバサイクリンの先駆体とし
て有用なものである。また本発明の新規な3,3,5−三置
換シクロペンテン類は、かかる11−エピイソカルバサイ
クリン類の先駆体として有用なものである。
さらに本発明の製造方法は、かかる有用な11−エピイ
ソカルバサイクリン類を効率よく製造することができる
優れた効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 7/08 C07F 7/08 S (56)参考文献 The Journal of Or ganic Chemistry Vo l.55,No.22,PP5671〜5673 (1990) Polymer Preprint s,Vol.31,No.2,PP161〜 162(1990)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) で表わされる11−エピイソカルバサイクリン類。
  2. 【請求項2】R11が水素原子,メチル基,エチル基,ま
    たはt−ブチル基である請求項1記載の11−エピイソカ
    ルバサイクリン類。
  3. 【請求項3】R2が水素原子,ジメチル−t−ブチルシリ
    ル基,ジフェニル−t−ブチルシリル基,テトラヒドロ
    ピラニル基,またはメトキシメチル基である請求項1記
    載の11−エピイソカルバサイクリン類。
  4. 【請求項4】R3が直鎖のC3〜C8アルキル基である請求項
    1記載の11−エピイソカルバサイクリン類。
  5. 【請求項5】下記式(2) で表わされる置換シクロペンテン類を加熱し、必要によ
    り保護された水酸基の脱保護、および/またはシリルア
    セタール基の加水分解後、エステル化または塩生成反応
    せしめることを特徴とする請求項1記載の11−エピイソ
    カルバサイクリン類の製造法。
  6. 【請求項6】下記式(3) [式中、R,R21およびR3は前記定義に同じである。] で表わされる置換シクロペンテノール類と塩基性化合物
    の存在下にフェニルビニルスルホキシドを反応せしめて
    下記式(2) [式中、R,R21およびR3は前記定義に同じである。] で表わされる置換シクロペンテン類を製造し、次いで該
    加熱を行なう請求項5記載の11−エピイソカルバサイク
    リン類の製造法。
  7. 【請求項7】下記式(4) [式中、R21およびR3は前記定義に同じである。] で表わされる置換シクロペンテノン類と下記式(5) [式中、Rは前記定義に同じである。] で表わされる有機リチウム化合物とを反応せしめて下記
    式(3) [式中、R,R21およびR3は前記定義に同じである。] で表わされる置換シクロペンテノール類を製造し、次い
    で該置換シクロペンテン類を製造する請求項6記載の11
    −エピイソカルバサイクリン類の製造法。
  8. 【請求項8】下記式(6) で表わされる3,3,5−三置換シクロペンテン類。
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